説明

分注装置

【課題】分注の際にプローブが空気を吸い込む空吸引を防止することで液体を正確に分注することができる分注装置を提供すること。
【解決手段】試料又は試薬を含む液体中にプローブ18の先端を侵入させて所定量の液体を吸引し、吸引した液体を所定位置へ移送して吐出する分注装置10。分注装置10は、液体を所定量吸引する前に、プローブの先端を少なくとも1回液体中に侵入させる制御手段30が設けられている。制御手段は、プローブの先端を少なくとも1回液体中に侵入させたときに、プローブに液体を吸引させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分注装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、分注装置は、試料又は試薬を含む液体中にプローブの先端を侵入させて所定量の液体を吸引し、吸引した液体を所定位置へ移送して吐出することによって分注を行っている。ここで、分注に供される試料又は試薬を含む液体は、試料容器や試薬容器に収納した状態で分注装置に複数セットされ、複数の試料容器や試薬容器が分注に伴って搬送経路に沿って順次搬送されてゆく。このため、これらの液体は、搬送に伴う振動により容器内で液面が波立つ結果、液面に泡が発生し、あるいは容器の開口部と液面との間に膜が生ずることがある。特に、試薬は、界面活性剤を含むもの等、試薬の性質から泡や膜が発生し易いものがある。
【0003】
このため、分注装置は、分注の際に前記泡や液体の膜を液面と誤検知して液体の吸引を開始すると、プローブが前記泡や膜近傍の空気を吸い込んでしまい、この空吸引のために正確な量の液体を分注することができなくなることがある。そこで、液体表面の泡立ちの影響を受けることなく液面を検知することで、液体を正確に分注できるようにした分注装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平10−282116号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された分注装置は、空吸引することなくプローブが正確な量の液体を分注したか否かを検知するもので、空吸引を防止するものではないことから、分注の際にプローブが空気を吸い込み、正確な量の液体を分注することができない場合があるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、分注の際にプローブが空気を吸い込む空吸引を防止することで液体を正確に分注することができる分注装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に係る分注装置は、試料又は試薬を含む液体中にプローブの先端を侵入させて所定量の液体を吸引し、吸引した液体を所定位置へ移送して吐出する分注装置において、前記液体を所定量吸引する前に、前記プローブの先端を少なくとも1回前記液体中に侵入させる制御手段を設けたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る分注装置は、上記の発明において、前記制御手段は、前記プローブの先端を少なくとも1回前記液体中に侵入させたときに、前記プローブに前記液体を吸引させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明にかかる分注装置は、液体を所定量吸引する前に、前記プローブの先端を少なくとも1回前記液体中に侵入させる。このため、本発明の分注装置は、搬送に伴う振動により容器内で液面が波立つ結果、液面に泡が発生したり、容器の開口部と液面との間に膜が生じたりしても、少なくとも1回液体中に侵入させるプローブの先端が接することによって前記泡や膜が潰れて消失し、あるいは泡が前記プローブの先端によって水平方向へ押し退けられ、表面張力によって容器の壁面に付着してしまう。このため、本発明の分注装置は、分注の際にプローブが空気を吸い込むことがなく、液体を正確に分注することができるという効果を奏する。
【0010】
また、本発明の分注装置は、プローブの先端を少なくとも1回液体中に侵入させたときに、制御手段が前記プローブに前記液体を吸引させる。このため、本発明の分注装置は、プローブの先端を少なくとも1回前記液体中に侵入させることで泡や膜が消失しなくても、液体を吸引することで泡や膜が液体と共に吸引されるので、試料容器や試薬容器の液体から泡や膜が消失する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の分注装置にかかる実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1は、分注装置10の構成を示すブロック図である。図2−1〜図2−5は、試料容器の試料中へ2回侵入するプローブ先端の動きを示す正面図である。
【0012】
分注装置10は、試料分注用の装置であり、図1に示すように、搬送ベルト2、反応ホイール5及び廃棄箱7を備えた自動分析装置1に組み込まれ、プローブとして使い捨てタイプのチップを使用している。搬送ベルト2は、複数の試料容器3を保持した試料ラック4を搬送する。ここで、図1においては1つの試料ラック4しか図示していないが、搬送ベルト2は、複数の試料ラック4を連続して矢印方向へ搬送する。反応ホイール5は、図示しない駆動手段によって矢印方向へ回転され、周方向に沿って保持した複数の反応容器6を回転方向に搬送する。廃棄箱7は、使用済みのチップ18を廃棄する箱で、廃棄口7aが上部に設けられる共に、廃棄口7aに臨んだ位置にはチップ18をチップロッド12から外す取外板8が設けられている。取外板8によってチップロッド12から外された使用済みのチップ18は、廃棄口7aから廃棄箱7へ落下して廃棄される。
【0013】
分注装置10は、図1に示すように、分注アーム11、駆動手段20、液面検知手段25及び制御手段30を備えている。
【0014】
分注アーム11は、図1に示すように、先端にチップロッド12が鉛直方向に設けられ、内部に三方弁14,分注シリンジ16及びモータ17が設置されている。チップロッド12は、下端にチップ18が着脱自在に取り付けられ、配管13を介して三方弁14と接続されている。三方弁14は、配管15を介して分注シリンジ16と接続され、配管29を介して送気シリンジ27と接続されている。分注シリンジ16は、モータ17によってピストン16aを駆動することにより、試料容器3内の試料をチップ18に吸引,吐出して分注するシリンジポンプである。分注シリンジ16は、図1に示すように、ピストン16aを僅かに後退させて予めシリンダ16b内に体積VBの空気を吸引した状態が初期位置として設定されている。ここで、チップ18は、分注アーム11の動作範囲内に設置されたチップラック19に未使用のものが予め複数保持されており、分注装置10の起動時、チップロッド12には取り付けられていない。
【0015】
駆動手段20は、図1にそれぞれ矢印で示すように、分注アーム11の昇降,水平方向の移動及び水平面内での回転を行わせる。これにより、駆動手段20は、チップロッド12に取り付けたチップ18を試料ラック4,反応ホイール5,廃棄箱7及びチップラック19の位置へ移動させる。
【0016】
液面検知手段25は、試料容器3内の試料液面を検知するもので、圧力センサ26、送気シリンジ27及びモータ28を有している。圧力センサ26は、配管13の中間に設けられ、配管13内の圧力を圧力信号として制御手段30に出力する。送気シリンジ27は、モータ28によってピストン27aが駆動され、チップロッド12に空気を送る。ここで、送気シリンジ27は、図1に示すように、ピストン27aを最大に後退させて予めシリンダ27b内に空気を吸引した状態が初期位置として設定されている。
【0017】
制御手段30は、圧力センサ26から入力される圧力信号の変化に基づいて試料容器3の試料液面を判定すると共に、三方弁14の切替、モータ17,28及び駆動手段20の作動を制御する。
【0018】
以上のように構成される分注装置10の分注動作を、図2−1〜図2−5を参照しながら、以下に説明する。分注装置10を起動すると、まず、制御手段30の制御の下に、分注アーム11が駆動手段20によって回動、かつ、水平方向へ移動され、チップロッド12がチップラック19上部へ移動される。次に、制御手段30の制御の下に、分注アーム11が駆動手段20によって下降され、チップラック19に保持された未所用のチップ18がチップロッド12の下端に装着される。
【0019】
次いで、制御手段30の制御の下、駆動手段20によって分注アーム11を上昇させた後、チップロッド12に装着されたチップ18が所定の試料容器3の上部に位置するまで分注アーム11が回動、かつ、水平方向へ移動される。移動後、制御手段30の制御の下、配管13と配管29が接続されるように三方弁14が切り替えられる。このとき、試料容器3は、例えば、図2−1に示すように、試料3aの液面に泡Bが存在しているとする。
【0020】
三方弁14の切替後、制御手段30の制御の下に、駆動手段20及び液面検知手段25が駆動される。これにより、送気シリンジ27は、配管29,13を通ってチップ18に空気を送り、分注アーム11が下降する。そして、チップ18の下端が試料容器3の試料液面に接すると、配管13内の圧力が上昇する。このため、制御手段30は、圧力センサ26から入力される圧力信号の変化に基づいて、チップ18の下端が試料容器3の試料液面に接したと判定する(1回目の液面検知)。これにより、制御手段30は、モータ28及び駆動手段20に停止信号を出力し、送気シリンジ27によるチップ18への送気を止めると共に、チップ18の下端が試料液面から一定深さまで侵入した位置で分注アーム11の下降を停止させる。
【0021】
このとき、試料3aの液面に存在する泡Bは、チップ18の下端から吐出される空気とチップ18下端が触れることによって潰れ、図2−2に示すように、液面から消失してしまう。また、チップ18の下端が泡Bに接すると、送気シリンジ27から送られる空気によって泡Bが膨らんで破裂してしまい配管13内の圧力は変化しない。このため、分注装置10は、泡Bを液面と誤検知することはない。
【0022】
次に、分注装置10は、分注アーム11の下降が停止した後、制御手段30の制御の下に、三方弁14を切り替えて配管13と配管15とを接続する。そして、制御手段30の制御の下に、モータ17によって分注シリンジ16のピストン16aを初期位置(体積VB)から体積VA(>VB)に相当する分後退させ、図2−3に示すように、チップ18内に試料3aを吸引する(1回目の吸引)。これにより、分注装置10は、試料容器3の試料液面に泡が残っていても、この泡を試料3aと共に吸引して試料液面から除去してしまう。
【0023】
分注装置10は、このようにして試料容器3に保持された試料3aの液面から泡Bを完全に除去した後、制御手段30の制御の下に、駆動手段20によって分注アーム11を上昇させ、図示しない廃棄位置まで分注アーム11を回動させる。そして、分注装置10は、制御手段30の制御の下に、モータ17によって分注シリンジ16のピストン16aを駆動し、1回目の吸引による試料3aを吐出して廃棄し、図2−4に示すようにチップ18を空にする。この後、分注装置10は、制御手段30の制御の下に、モータ17によって分注シリンジ16のピストン16aを駆動し、シリンダ16b内に体積VBの空気を吸引した初期位置にピストン16aを復帰する。
【0024】
次に、分注装置10は、制御手段30の制御の下に、三方弁14を切り替えて配管13と配管25とを接続する。そして、分注装置10は、制御手段30の制御の下に、駆動手段20及びモータ28を駆動し、送気シリンジ27から配管29,13を通ってチップ18に空気を送りながら分注アーム11を下降させる。これにより、制御手段30が、圧力センサ26から入力される圧力信号の変化に基づいて2回目の液面検知を実行し、送気シリンジ27によるチップ18への送気を止めると共に、チップ18の下端が試料液面から一定深さまで侵入した位置で分注アーム11の下降を停止させる。
【0025】
次いで、分注装置10は、制御手段30の制御の下に、三方弁14を切り替えて配管13と配管15とを接続し、モータ17を駆動して分注シリンジ16によって、図2−5に示すように、チップ18内に試料3aを所定量VC吸引させる(2回目の吸引)。このとき、試料3aは、液面に泡Bが存在していない。このため、チップ18は、空気を吸い込むことがないので、所定量VCの試料3aを正確に吸引することができる。
【0026】
この後、分注装置10は、制御手段30の制御の下に、駆動手段20によって分注アーム11を上昇させ、反応容器6の上部まで分注アーム11を回動させる。そして、制御手段30の制御の下に、駆動手段20によって分注アーム11をチップ18の下端が反応容器6内に入る高さまで下降させる。次に、分注装置10は、制御手段30の制御の下に、モータ17を介して分注シリンジ16を所定量VC(≧VA>VB)と体積VD(≒VB)に相当する分だけ駆動させる。これにより、分注装置10は、チップ18に吸引した所定量VCの試料3aを反応容器6内に全部吐出し、1つの試料容器3に保持された試料3aの分注作業が完了する。このように、分注装置10は、試料3aを所定量吸引する前に、制御手段20がチップ18の先端を少なくとも1回試料3a中に侵入させることによって泡Bを消失させる。このため、分注装置10は、空気を空吸引することなく試料3aを正確に分注することができる。
【0027】
このようにして1つの試料3aの分注作業が完了したら、分注装置10は、制御手段30の制御の下に、駆動手段20によって分注アーム11を上昇させ、チップ18を廃棄箱7の廃棄口7a上部に移動させる。次に、分注装置10は、制御手段30の制御の下に、駆動手段20によって分注アーム11を下降させた後、分注アーム11の水平移動と上方への移動により廃棄板8によってチップ18をチップロッド12から外し、廃棄口7aから廃棄箱7に廃棄する。
【0028】
次いで、分注装置10は、制御手段30の制御の下に、駆動手段20によって分注アーム11を上昇させた後、チップロッド12をチップラック19上部へ移動させる。この後、分注装置10は、制御手段30の制御の下に、モータ17によって分注シリンジ16を駆動し、ピストン16aを図1に示す初期位置へ復帰させた後、三方弁14を切り替えて配管13と配管29とを接続し、送気シリンジ27を図1に示す初期位置へ復帰させる。そして、分注装置10は、上述の手順に従って引き続く新たな試料の分注を開始する。
【0029】
一方、所定量VCの試料3aが分注された反応容器6は、自動分析装置1の図示しない試薬分注部から試料3aに対応した所定量の試薬が分注され、反応ホイール5によって搬送されながら試料と試薬が反応する。自動分析装置1は、試料と試薬が反応した反応液を図示しない測光部で測光し、試料成分に関する測光データを演算処理し、分析値として記録紙にプリントアウトするか、モニタ画面に表示する他、外部コンピュータに出力する。そして、測光が終了した反応容器6は、反応ホイール5によって自動分析装置1の図示しない洗浄部に搬送されて洗浄された後、分注装置10によって新たな試料が分注される。
【0030】
ここで、例えば、図3に示すように、試料3aの液面中央に泡Bが存在しているとき、分注装置10は、チップ18の先端を少なくとも1回試料3a中に侵入させるように作動させると、下降してくるチップ18の先端によって泡Bが水平方向へ押し退けられることがある。この結果、泡Bは、表面張力によって、図4及び図5に示すように、チップ18の先端から離れて試料容器3の壁面へ付着してしまう。泡Bが試料容器3の壁面へ表面張力によって付着すると、分注装置10は、チップ18が試料3aを吸引しても、泡Bを吸い込むことはなく、試料3aを正確に分注することができる。従って、試料3aを所定量吸引する前に、制御手段20がチップ18の先端を少なくとも1回試料3a中に侵入させると、試料3aを所定量吸引する位置から泡Bを排除することができ、これが本発明の特徴である。
【0031】
また、試料容器3は、ベルト2による試料ラック4の搬送に伴う振動により試料3aの液面が波立つ結果、図6に示すように、試料容器3の開口と試料3aの液面との間に試料3aの膜Mが生ずることがある。このような場合であっても、膜Mを液面と誤検知して液体の吸引を開始すると、チップ18が空気を吸い込んでしまって試料3aを正確に分注することができなくなることがある。
【0032】
しかし、本発明の分注装置10は、試料3aを所定量吸引する前に、制御手段20がチップ18の先端を少なくとも1回試料3a中に侵入させる。このため、チップ18の先端が試料3a中に侵入する動作に伴い、チップ18の先端が膜Mに触れると、膜Mが破れて消失する。従って、分注装置10は、試料3aを所定量吸引する前に、制御手段20がチップ18の先端を少なくとも1回試料3a中に侵入させると、図7に示すように、泡Bが存在する場合と同様に、膜Mが消失する。このため、分注装置10は、試料容器3に試料3aの膜Mが生じたときでも、チップ18が空気を吸い込むことなく、試料3aを正確に分注することができる。
【0033】
以上のように、本発明の分注装置10は、試料3aを所定量吸引する前に、制御手段20がチップ18の先端を少なくとも1回試料3a中に侵入させることにより、試料3aの表面に生じた泡Bや試料容器3の開口と試料3aの液面との間に試料3aの膜Mを消失させるか、泡Bをチップ18の先端によって水平方向へ押し退けることによって、チップ18が空気を吸い込むことなく、試料3aを正確に分注することができるようにしている。このため、本発明の分注装置10は、チップ18の先端を少なくとも1回試料3a中に侵入させればよく、必ずしも試料3aを吸引する必要はない。従って、分注装置10は、1回目の液面検知を行った後、1回目の吸引を行うことなく分注アーム11を上昇し、分注アーム11を下降させながら2回目の液面検知を行って、2回目の吸引を行うようにしてもよい。
【0034】
また、分注装置10は、1回目の吸引を行った後、分注アーム11を上昇させずに試料3aを試料容器3に戻し、分注アーム11を上昇させて三方弁14を切り替えて配管13と配管29とを接続後、分注シリンジ27からチップ18に空気を送りながら分注アーム11を下降させて2回目の液面検知を行うようにしてもよい。さらに、分注装置10は、2回目の吸引を行った後、分注アーム11を一定量上昇させたときに、チップ18の下端が試料3aの液面に触れているか否かを判定することで、万一泡や膜が消失しなかった場合でも、試料3aをチップ18内に正確に吸引できたか否かを判定し、試料3aを正確に吸引できなかったときには警報を発するようにしてもよい。
【0035】
なお、実施の形態の分注装置は、試料を分注する場合について説明したが、試薬の分注装置として使用することも可能であり、また、分析装置等に組み込むことなく単なる分注のみに使用する分注装置として使用してもよい。また、分注装置10は、三方弁14,分注シリンジ16,モータ17及び圧力センサ26を分注アーム11外部の静止位置に設けてもよい。さらに、チップ18は、パーツフィーダ等を用いて分注装置10に供給してもよい。
【0036】
また、分注シリンジ27は、シリンジに代えてポンプを用いることで、チップ18から空気を吐出するようにしてもよい。また、分注装置は、試料容器3の試料液面を検知する手段として、圧力センサ26と分注シリンジ27を用いたが、例えば、超音波による液面検知手段を用いてもよい。
【0037】
一方、自動分析装置1は、試料ラック4によって試料容器3を供給する他、ホイール状の試料ディスクや試料テーブルにセットして搬送するようにしてもよい。また、反応容器6は、使い捨てタイプとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
以上のように、本発明にかかる分注装置は、分注の際にプローブが空気を吸い込む空吸引を防止することで液体を正確に分注するのに有用であり、特に、分注装置単独として使用する場合あるいは分析装置に組み込んで使用する場合の双方の使用に適している。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】分注装置10の構成を示すブロック図である。
【図2−1】試料容器の試料中へ2回侵入するプローブ先端の動きを示す正面図であり、試料の液面に泡が存在している試料容器の上方にプローブが移動されたときの図である。
【図2−2】試料容器の試料中へ2回侵入するプローブ先端の動きを示す正面図であり、試料容器の試料中へ侵入するプローブ先端が触れて試料液面の泡が消失したときの図である。
【図2−3】試料容器の試料中へ2回侵入するプローブ先端の動きを示す正面図であり、プローブに試料の1回目の吸引を行なわせたときの図である。
【図2−4】試料容器の試料中へ2回侵入するプローブ先端の動きを示す正面図であり、1回目の吸引を行なった試料を吐出させてプローブを空にしたときの図である。
【図2−5】試料容器の試料中へ2回侵入するプローブ先端の動きを示す正面図であり、プローブに試料の2回目の吸引を行なわせたときの図である。
【図3】試料容器の試料液面に泡が存在しているときの正面図である。
【図4】図3の試料中に侵入するプローブ先端によって泡が水平方向へ押し退けられ、表面張力によって試料容器の壁面へ付着したときの正面図である。
【図5】図3の試料中に侵入するプローブ先端によって泡が水平方向へ押し退けられ、表面張力によって試料容器の壁面へ付着したときの平面図である。
【図6】試料容器の開口と試料液面との間に試料の膜が生じたときの正面図である。
【図7】試料容器の試料中へ侵入するプローブ先端が触れて膜が消失したときの正面図である。
【符号の説明】
【0040】
1 自動分析装置
2 搬送ベルト
3 試料容器
3a 試料
4 試料ラック
5 反応ホイール
6 反応容器
7 廃棄箱
7a 廃棄口
8 取外板
10 分注装置
11 分注アーム
12 チップロッド
13 配管
14 三方弁
15 配管
16 分注シリンジ
16a ピストン
16b シリンダ
17 モータ
18 チップ
20 駆動手段
25 液面検知手段
26 圧力センサ
27 送気シリンジ
27a ピストン
27b シリンダ
28 モータ
29 配管
30 制御手段
B 泡
M 膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料又は試薬を含む液体中にプローブの先端を侵入させて所定量の液体を吸引し、吸引した液体を所定位置へ移送して吐出する分注装置において、
前記液体を所定量吸引する前に、前記プローブの先端を少なくとも1回前記液体中に侵入させる制御手段を設けたことを特徴とする分注装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記プローブの先端を少なくとも1回前記液体中に侵入させたときに、前記プローブに前記液体を吸引させることを特徴とする請求項1に記載の分注装置。

【図1】
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【図2−1】
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【図2−2】
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【図2−3】
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【図2−4】
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【図2−5】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−309890(P2007−309890A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−141665(P2006−141665)
【出願日】平成18年5月22日(2006.5.22)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】