説明

刈取収穫機の刈取部昇降構造

【課題】刈取収穫機の刈取部昇降構造において、例えば畦際での旋回が終了して刈取部を圃場面に下降させて次の刈取行程に入る場合、刈取部の先端部分が圃場面の凸部に突っ込むような状態を少なくする。
【解決手段】刈取部4を昇降駆動する昇降機構と、人為的に操作される昇降操作具とを備える。上方に設定された上昇限度UU1及び下方に設定された下降限度DD1の範囲において、昇降操作具の操作により昇降機構を上昇側及び下降側に作動操作、昇降操作具の操作により昇降機構を停止操作する制御手段を備える。制御手段の下降限度DD1を高低に変更する変更手段を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自脱型や普通型のコンバイン等の刈取収穫機において、刈取部の昇降構造に関する。
【背景技術】
【0002】
刈取収穫機の一例である自脱型のコンバインでは、例えば特許文献1に開示されているように、機体の前部に刈取部 (特許文献1の図1の2)を昇降自在に備え、刈取部を昇降駆動する油圧シリンダ(昇降機構に相当) (特許文献1の図1及び図2のCY)と、人為的に操作される手動操作レバー(昇降操作具及び第1昇降操作具に相当) (特許文献1の図1及び図2の16)とを備えているものがある。
手動操作レバーを上昇位置に操作すると油圧シリンダにより刈取部が上昇し、手動操作レバーを下降位置に操作すると油圧シリンダにより刈取部が下降するのであり、手動操作レバーを中立位置に操作すると油圧シリンダにより刈取部が停止する。このように手動操作レバーを操作することにより、刈取部を上昇及び下降させることができ、任意の位置で停止させることができる。
【0003】
特許文献1では、手動操作レバーとは別に、上昇スイッチ(昇降操作具及び第2昇降操作具に相当)(特許文献1の図1,2,3のSW1)、及び下降スイッチ(昇降操作具及び第2昇降操作具に相当)(特許文献1の図1,2,3のSW2)を備えている。
上昇スイッチをオン操作すると、油圧シリンダにより刈取部が上昇して上昇限度で停止するのであり、下降スイッチをオン操作すると、油圧シリンダにより刈取部が下降して下降限度で停止する。このように上昇及び下降スイッチをオン操作するだけで、刈取部を上昇及び下降限度に上昇及び下降させて停止させることができる。
【0004】
【特許文献1】特開2001−269030号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
刈取収穫機では、刈取部を圃場面(圃場面よりも少しだけ上方の位置)に位置させた状態で、前進しながら刈取作業を行うのであり、1回の刈取行程が終了して機体が畦際に達すると、刈取部を大きく上昇させて畦際での旋回を行う。畦際での旋回が終了すると、刈取部を圃場面に下降させて次の刈取行程に入る。
【0006】
この場合、圃場面に凹凸があると、刈取部の先端部分(例えばデバイダ)が圃場面の凸部に突っ込んで破損することがあるので、運転者は刈取部の先端部分が圃場面の凸部に突っ込まないように、圃場面に対する刈取部の高さを設定する必要がある。特に前述のように、畦際での旋回が終了して刈取部を圃場面に下降させて次の刈取行程に入る場合、運転者は圃場面に対する刈取部の高さに十分に注意する必要がある。
【0007】
本発明は刈取収穫機の刈取部昇降構造において、例えば畦際での旋回が終了して刈取部を圃場面に下降させて次の刈取行程に入る場合、刈取部の先端部分が圃場面の凸部に突っ込むような状態を少なくすることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
[I]
(構成)
本発明の第1特徴は、刈取収穫機の刈取部昇降構造において次のように構成することにある。
機体の前部に刈取部を昇降自在に備える。刈取部を昇降駆動する昇降機構と、人為的に操作される昇降操作具とを備える。上方に設定された上昇限度及び下方に設定された下降限度の範囲において、昇降操作具の操作により昇降機構を上昇側及び下降側に作動操作、昇降操作具の操作により昇降機構を停止操作する制御手段を備える。制御手段の下降限度を高低に変更する変更手段を備える。
【0009】
(作用)
本発明の第1特徴によると、昇降操作具の操作により刈取部を上昇及び下降させることができるのであり、昇降操作具の操作により刈取部を任意の位置で停止させることができる。この場合、下降限度が設定されているので、昇降操作具の操作により刈取部を下降させようとした場合に、下降限度を超えて刈取部を下降させることができない。そして、下降限度を高低に変更することができる。
【0010】
本発明の第1特徴によると、圃場面の凹凸が比較的大きい場合、下降限度を上方側に設定すればよい。
これにより、例えば畦際での旋回が終了して刈取部を圃場面に下降させて次の刈取行程に入る場合、昇降操作具により刈取部を下降限度まで下降させれば、圃場面に対する刈取部の高さが確保されているので、この後に刈取行程に入った際に、刈取部の先端部分が圃場面の凸部に突っ込むような状態を避けることができる。従って、畦際での旋回が終了して刈取部を圃場面に下降させて次の刈取行程に入る場合、圃場面に対する刈取部の高さに必要以上の注意を払う必要がない。
【0011】
本発明の第1特徴によると、圃場面の凹凸が比較的大きい場合、下降限度を上方側に設定すれば、例えば刈取行程において、昇降操作具の操作により刈取部を圃場面に沿うように上昇及び下降させている状態で、昇降操作具の操作により誤って刈取部を大きく下降させようとしても、刈取部が下降限度で停止するので、刈取部の先端部分が圃場面の凸部に突っ込むような状態を避けることができる。
【0012】
(発明の効果)
本発明の第1特徴によると、刈取収穫機の刈取部昇降構造において、例えば畦際での旋回が終了して刈取部を圃場面に下降させて次の刈取行程に入る場合、刈取部の先端部分が圃場面の凸部に突っ込むような状態を少なくすることができるようになって、刈取収穫機の刈取性能を向上させることができた。
【0013】
本発明の第1特徴によると、例えば刈取行程において、昇降操作具の操作により刈取部を圃場面に沿うように上昇及び下降させている状態で、刈取部の先端部分が圃場面の凸部に突っ込むような状態を避けることができるようになって、刈取収穫機の刈取性能を向上させることができた。
【0014】
[II]
(構成)
本発明の第2特徴は、刈取収穫機の刈取部昇降構造において次のように構成することにある。
機体の前部に刈取部を昇降自在に備える。刈取部を昇降駆動する昇降機構と、人為的に操作される昇降操作具とを備える。上方に設定された上昇限度及び下方に設定された下降限度において、昇降操作具の操作により刈取部が上昇限度に上昇して停止するように、昇降操作具の操作により刈取部が下降限度に下降して停止するように、昇降機構を作動操作する制御手段を備える。制御手段の下降限度を高低に変更する変更手段を備える。
【0015】
(作用)
本発明の第2特徴によると、昇降操作具の操作により刈取部を上昇限度に上昇させて停止させることができ、昇降操作具の操作により刈取部を下降限度に下降させて停止させることができる。この場合、下降限度を高低に変更することができる。
【0016】
本発明の第2特徴によると、圃場面の凹凸が比較的大きい場合、下降限度を上方側に設定すればよい。
これにより、例えば畦際での旋回が終了して刈取部を圃場面に下降させて次の刈取行程に入る場合、昇降操作具により刈取部を下降限度に下降させて停止させた際、圃場面に対する刈取部の高さが確保されているので、この後に刈取行程に入った際に、刈取部の先端部分が圃場面の凸部に突っ込むような状態を避けることができる。従って、畦際での旋回が終了して刈取部を圃場面に下降させて次の刈取行程に入る場合、圃場面に対する刈取部の高さに必要以上の注意を払う必要がない。
【0017】
(発明の効果)
本発明の第2特徴によると、刈取収穫機の刈取部昇降構造において、例えば畦際での旋回が終了して刈取部を圃場面に下降させて次の刈取行程に入る場合、刈取部の先端部分が圃場面の凸部に突っ込むような状態を少なくすることができるようになって、刈取収穫機の刈取性能を向上させることができた。
【0018】
[III]
本発明の第3特徴は、刈取収穫機の刈取部昇降構造において次のように構成することにある。
機体の前部に刈取部を昇降自在に備える。刈取部を昇降駆動する昇降機構と、人為的に操作される第1昇降操作具と、人為的に操作される第2昇降操作具とを備える。上方に設定された上昇限度及び下方に設定された下降限度の昇降範囲において、第1昇降操作具の操作により昇降機構を上昇側及び下降側に作動操作、第1昇降操作具の操作により昇降機構を停止操作する第1制御手段を備える。上方に設定された上昇限度及び下方に設定された下降限度において、第2昇降操作具の操作により刈取部が上昇限度に上昇して停止するように、第2昇降操作具の操作により刈取部が下降限度に下降して停止するように、昇降機構を作動操作する第2制御手段とを備える。第1及び第2制御手段の下降限度を高低に変更する変更手段を備える。
【0019】
(作用)
本発明の第3特徴によると、第1昇降操作具の操作により刈取部を上昇及び下降させることができるのであり、第1昇降操作具の操作により刈取部を任意の位置で停止させることができる。この場合、下降限度が設定されているので、第1昇降操作具の操作により刈取部を下降させようとした場合、下降限度を超えて刈取部を下降させることができない。そして、下降限度を高低に変更することができる。
【0020】
本発明の第3特徴によると、圃場面の凹凸が比較的大きい場合、下降限度を上方側に設定すればよい。
これにより、例えば畦際での旋回が終了して刈取部を圃場面に下降させて次の刈取行程に入る場合、第1昇降操作具により刈取部を下降限度まで下降させれば、圃場面に対する刈取部の高さが確保されているので、この後に刈取行程に入った際に、刈取部の先端部分が圃場面の凸部に突っ込むような状態を避けることができる。従って、畦際での旋回が終了して刈取部を圃場面に下降させて次の刈取行程に入る場合、圃場面に対する刈取部の高さに必要以上の注意を払う必要がない。
【0021】
本発明の第3特徴によると、圃場面の凹凸が比較的大きい場合、下降限度を上方側に設定すれば、例えば刈取行程において、第1昇降操作具の操作により刈取部を圃場面に沿うように上昇及び下降させている状態で、第1昇降操作具の操作により誤って刈取部を大きく下降させようとしても、刈取部が下降限度で停止するので、刈取部の先端部分が圃場面の凸部に突っ込むような状態を避けることができる。
【0022】
本発明の第3特徴によると、第2昇降操作具の操作により刈取部を上昇限度に上昇させて停止させることができ、第2昇降操作具の操作により刈取部を下降限度に下降させて停止させることができる。この場合、下降限度を高低に変更することができる。
【0023】
本発明の第3特徴によると、圃場面の凹凸が比較的大きい場合、下降限度を上方側に設定すればよい。
これにより、例えば畦際での旋回が終了して刈取部を圃場面に下降させて次の刈取行程に入る場合、第2昇降操作具により刈取部を下降限度に下降させて停止させた際、圃場面に対する刈取部の高さが確保されているので、この後に刈取行程に入った際に、刈取部の先端部分が圃場面の凸部に突っ込むような状態を避けることができる。従って、畦際での旋回が終了して刈取部を圃場面に下降させて次の刈取行程に入る場合、圃場面に対する刈取部の高さに必要以上の注意を払う必要がない。
【0024】
(発明の効果)
本発明の第3特徴によると、刈取収穫機の刈取部昇降構造において、例えば畦際での旋回が終了して刈取部を圃場面に下降させて次の刈取行程に入る場合、刈取部の先端部分が圃場面の凸部に突っ込むような状態を少なくすることができるようになって、刈取収穫機の刈取性能を向上させることができた。
【0025】
本発明の第3特徴によると、例えば刈取行程において、第1昇降操作具の操作により刈取部を圃場面に沿うように上昇及び下降させている状態で、刈取部の先端部分が圃場面の凸部に突っ込むような状態を避けることができるようになって、刈取収穫機の刈取性能を向上させることができた。
【0026】
[IV]
(構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第3特徴の刈取収穫機の刈取部昇降構造において次のように構成することにある。
変更手段を作動及び停止状態に設定可能に構成する。変更手段の停止状態において、第1制御手段の下降限度よりも上方に、第2制御手段の下降限度が設定される。変更手段の停止状態において、第2昇降操作具の操作により刈取部が第2制御手段の下降限度に下降して停止した後、第1昇降操作具の操作により刈取部を第2制御手段の下降限度から上昇側及び下降側に昇降可能に、第1制御手段を構成する。
【0027】
(作用)
本発明の第4特徴によると、本発明の第3特徴と同様に前項[III]に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
本発明の第4特徴によると、変更手段を停止状態(下降限度は存在するのであるが、下降限度を高低に変更できない状態)に設定することができるのであり、変更手段を停止状態に設定すると、第1制御手段(第1昇降操作具)の下降限度よりも上方に、第2制御手段 (第2昇降操作具)の下降限度が設定される。
【0028】
本発明の第4特徴によると、例えば畦際での旋回が終了して刈取部を圃場面に下降させて次の刈取行程に入る場合、第2昇降操作具により刈取部を第2制御手段 (第2昇降操作具)の下降限度に下降させて停止させることにより、圃場面に対する刈取部の高さが確保された状態とすることができる。この後に刈取行程に入った際、第1昇降操作具の操作により刈取部を、第2制御手段 (第2昇降操作具)の下降限度から上昇及び下降させることができるのであり、第1昇降操作具の操作により刈取部を圃場面に沿うように上昇及び下降させることができる。
【0029】
(発明の効果)
本発明の第4特徴によると、本発明の第3特徴と同様に前項[III]に記載の「発明の効果」を備えており、これに加えて以下のような「発明の効果」を備えている。
本発明の第4特徴によると、変更手段を停止状態に設定した状態において、例えば畦際での旋回が終了して刈取部を圃場面に下降させて次の刈取行程に入る場合、第2昇降操作具により刈取部を第2制御手段 (第2昇降操作具)の下降限度に下降させて停止させ、第1昇降操作具の操作により刈取部を圃場面に沿うように上昇及び下降させて、刈取行程に円滑に移行することができるようになって、刈取収穫機の刈取性能を向上させることができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
[1]
図1に示すように、右及び左のクローラ式の走行装置1で支持された機体の前部に支持フレーム2が横軸芯P1周りに昇降自在に支持され、支持フレーム2を昇降駆動する単動型の油圧シリンダ3 (昇降機構に相当)が備えられており、支持フレーム2に刈取部4が支持されている。機体の前部の右側に運転部5が備えられ、機体の後部の左側に脱穀装置7が備えられており、機体の後部の右側にグレンタンク8が備えられて、刈取収穫機の一例である自脱型のコンバインが構成されている。
【0031】
図1及び図2に示すように、運転部5において、運転座席6の前方にフロントパネル9が備えられ、フロントパネル9の左側部から運転座席6の左側に亘ってサイドパネル10が備えられている。フロントパネル9の中央部に、各種の表示を行う液晶パネル11が備えられ、フロントパネル9の右側部に操作レバー12(昇降操作具及び第1昇降操作具に相当)、及び旋回状態の選択ダイヤル18が備えられている。
【0032】
図1及び図2に示すように、フロントパネル9に固定された置き台24が操作レバー12の後側に配置されており、運転座席6に着座する運転者が右手を置き台24に置きながら操作レバー12の握り部12を持つことができる。サイドパネル10の前部に、走行用の静油圧式無段変速装置(図示せず)を操作する変速レバー13が備えられ、サイドパネル10において変速レバー13の右側に、設定ダイヤル14(変更手段に相当)が備えられている。
【0033】
[2]
次に、操作レバー12による機体の操向操作について説明する。
図2及び図3に示すように、操作レバー12は前後方向(上昇位置U (図2の紙面下方)及び下降位置D (図2の紙面上方))並びに、左右方向(右の第1及び第2旋回位置R1,R2、左の第1及び第2旋回位置L1,L2)に人為的に操作自在に構成されて、前後方向及び左右方向の中央の中立位置Nに付勢されており、操作レバー12の操作位置が制御装置15に入力されている。選択ダイヤル18は緩旋回位置、信地旋回位置及び超信地旋回位置に人為的に操作自在に構成されて、選択ダイヤル18の操作位置が制御装置15に入力されている。
【0034】
右の走行装置1への動力を伝動及び遮断自在な右のサイドクラッチ (図示せず)、左の走行装置1への動力を伝動及び遮断自在な左のサイドクラッチ (図示せず)、右(左)の走行装置1を左 (右)の走行装置1よりも低速で同方向に駆動する緩旋回機構 (図示せず)、右 (左)の走行装置1に制動を掛ける制動機構 (図示せず)、右(左)の走行装置1を左 (右)の走行装置1の逆方向に駆動する逆転機構 (図示せず)が備えられている。
操作レバー12を右の第1及び第2旋回位置R1,R2、左の第1及び第2旋回位置L1,L2に操作することによって、制御装置15により右及び左のサイドクラッチ、緩旋回機構、制動機構及び逆転機構が以下のように操作される。
【0035】
図3に示すように、操作レバー12を中立位置Nに操作していると、右及び左のサイドクラッチが伝動状態に操作され、右及び左の走行装置1が同方向に同速度で駆動されて機体は直進する。操作レバー12を右の第1旋回位置R1 (左の第1旋回位置L1)に操作すると、右 (左)のサイドクラッチが遮断状態に操作され、右 (左)の走行装置1が自由回転する状態となって、機体は緩やかに右 (左)に向きを変える。
【0036】
図3に示すように、選択ダイヤル18を緩旋回位置に操作した状態で、操作レバー12を右の第2旋回位置R2 (左の第2旋回位置L2)に操作すると、緩旋回機構が作動し、右 (左)の走行装置1が左 (右)の走行装置1よりも低速で同方向に駆動されて、機体は右 (左)に緩旋回する。
選択ダイヤル18を信地位置に操作した状態で、操作レバー12を右の第2旋回位置R2 (左の第2旋回位置L2)に操作すると、制動機構が作動し、右 (左)の走行装置1に制動が掛けられて、機体は右(左)に信地旋回する。
選択ダイヤル18を超信地位置に操作した状態で、操作レバー12を右の第2旋回位置R2 (左の第2旋回位置L2)に操作すると、逆転機構が作動し、右 (左)の走行装置1が左 (右)の走行装置1の逆方向に駆動されて、機体は右 (左)に超信地旋回する。
【0037】
図3に示すように、操作レバー12の握り部12aの上部に右操向スイッチ16及び左操向スイッチ17が備えられて、右及び左操向スイッチ16,17の操作信号が制御装置15に入力されている。右操向スイッチ16を押し操作すると (押し操作して戻し操作すると)、右のサイドクラッチが遮断状態に操作されて直ぐに伝動状態に操作されるのであり、左操向スイッチ17を押し操作すると (押し操作して戻し操作すると)、左のサイドクラッチが遮断状態に操作されて直ぐに伝動状態に操作される。
【0038】
[3]
次に、刈取部4の昇降構造について説明する。
図3に示すように、油圧シリンダ3に作動油を給排操作する制御弁19が備えられて、制御装置15により制御弁19が操作される。制御弁19が上昇位置に操作されると、制御弁19から作動油が油圧シリンダ3に供給されて、油圧シリンダ3が伸長作動し、刈取部4が上昇する。制御弁19が下降位置に操作されると、制御弁19により作動油が油圧シリンダ3から排出されて、油圧シリンダ4が収縮作動し、刈取部4が下降する。制御弁10が中立位置に操作されると、制御弁19により作動油の給排が遮断されて、油圧シリンダ3及び刈取部4が停止する。
【0039】
図1及び図3に示すように、機体に対する支持フレーム2の上下角度を検出する高さセンサー20が備えられて、高さセンサー20の検出値が制御装置15に入力されており、高さセンサー20の検出値により機体に対する刈取部4の高さが検出される。操作レバー12の握り部12aの上部に昇降スイッチ21(昇降操作具及び第2昇降操作具に相当)が備えられて、昇降スイッチ21の操作信号が制御装置15に入力されている。
【0040】
図3に示すように、設定ダイヤル14はOFF位置、第1下降限度D1、第2下降限度D2、第3下降限度D3、第4下降限度D4、第5下降限度D5、第6下降限度D6に、人為的に回し操作可能に構成されており、設定ダイヤル14の操作位置が制御装置15に入力されている。
【0041】
[4]
次に、設定ダイヤル14をOFF位置に操作した状態(変更手段の停止状態に相当)において、操作レバー12による刈取部4の昇降について、図4に基づいて説明する。
図3に示す設定ダイヤル14をOFF位置に操作した状態において(ステップS1)、操作レバー12を上昇位置Uに操作すると(ステップS2)、制御弁19が上昇位置に操作されて(ステップS4)、油圧シリンダ3が伸長作動し、刈取部4が上昇する。操作レバー12を下降位置Dに操作すると(ステップS2)、制御弁19が下降位置に操作されて(ステップS6)、油圧シリンダ3が収縮作動し、刈取部4が下降する。操作レバー12を中立位置Nに操作すると(ステップS2)、制御弁19が中立位置に操作されて(ステップS7)、油圧シリンダ3及び刈取部4が停止する(以上、制御手段及び第1制御手段に相当)。
【0042】
図6に示すように、刈取部4の機械的な昇降範囲(油圧シリンダ3の機械的な伸長限度及び収縮限度の範囲)に対して、上昇限度UU1(油圧シリンダ3の機械的に伸長限度よりも少しだけ下方)、及び下降限度DD1(油圧シリンダ3の機械的な収縮限度よりも少しだけ上方)が設定されている。
この場合、図6に示すように、平坦で硬質な圃場面G(地面)に右及び左の走行装置1が接地している状態(右及び左の走行装置1が圃場面G(地面)に沈み込んで(入り込んで)いない状態)において、下降限度DD1は圃場面G(地面)よりも下方になるように設定されている。
【0043】
操作レバー12を上昇位置Uに操作している状態で(ステップS1,S2,S4)、刈取部4が上昇限度UU1に達したことが高さセンサー20により検出されると(ステップS3)、制御弁19が中立位置に操作されて(ステップS7)、刈取部4が上昇限度UU1で停止する。
【0044】
操作レバー12を下降位置Dに操作している状態で(ステップS1,S2,S6)、刈取部4が下降限度DD1に達したことが高さセンサー20により検出されると(ステップS5)、制御弁19が中立位置に操作されて(ステップS7)、刈取部4が下降限度DD1で停止する。
【0045】
図6に示すように、設定ダイヤル14をOFF位置に操作した状態において、操作レバー12を操作することにより、上昇限度UU1及び下降限度DD1の第1昇降範囲A1 (制御手段及び第1制御手段に相当)において、刈取部4を上昇及び下降させることができるのであり、中間の任意の位置で停止させることができる。
【0046】
[5]
次に、設定ダイヤル14をOFF位置に操作した状態 (変更手段の停止状態に相当)において、昇降スイッチ21による刈取部4の昇降について、図4に基づいて説明する。
図3及び図6に示すように、設定ダイヤル14の第1〜第6下降限度D1〜D6に対応するように、下降限度DD1の付近第1〜第6下降限度D1〜D6が設定されている。第1〜第6下降限度D1〜D6において、第1下降限度D1が最低位置であり、第6下降限度D6が最高位置である。
この場合、図6に示すように、平坦で硬質な圃場面G(地面)に右及び左の走行装置1が接地している状態(右及び左の走行装置1が圃場面G(地面)に沈み込んで(入り込んで)いない状態)において、第1下降限度D1は圃場面G(地面)よりも下方になるように設定され、下降限度DD1よりも少し上方に設定されている。
【0047】
図3に示す設定ダイヤル14をOFF位置に操作した状態で(ステップS1)、操作レバー12を中立位置N又は下降位置Dに操作した状態において(ステップS2)、昇降スイッチ21を押し操作すると(押し操作して戻し操作すると)(ステップS8)、刈取部4が上昇限度UU1に位置していれば(ステップS9)、制御弁19が下降位置に操作されて(ステップS10)、油圧シリンダ3が収縮作動し、刈取部4が下降するのであり、刈取部4が第2下降限度D2に達したことが高さセンサー20により検出されると(ステップS12)、制御弁19が中立位置に操作されて(ステップS13)、刈取部4が第2下降限度D2で停止する(以上、第2制御手段に相当)(変更手段の停止状態において、第1制御手段の下降限度よりも上方に、第2制御手段の下降限度が設定された状態に相当)。
【0048】
この場合、図6に示すように、平坦で硬質な圃場面G(地面)に右及び左の走行装置1が接地している状態(右及び左の走行装置1が圃場面G(地面)に沈み込んで(入り込んで)いない状態)において、第2下降限度D2は圃場面G(地面)と略同じ位置(又は圃場面G(地面)よりも少し上方の位置)になるように設定されている。図4のステップS12において、第2下降限度D2を第3下降限度D3や第4下降限度D4に変更してもよい。
【0049】
昇降スイッチ21の押し操作により刈取部4が第2下降限度D2で停止した後において前項[4]に記載のステップS1〜S7に移行するのであり、操作レバー12により刈取部4を第2下降限度D2から下降限度DD1まで下降させることができるのであり、刈取部4を第2下降限度D2から上昇限度UU1まで上昇させることができる(以上、第1制御手段に相当)。
【0050】
図3に示す設定ダイヤル14をOFF位置に操作した状態で(ステップS1)、操作レバー12を中立位置N又は下降位置Dに操作した状態において、昇降スイッチ21を押し操作すると(押し操作して戻し操作すると)(ステップS8)、刈取部4が上昇限度UU1に位置していなければ(ステップS9)、制御弁19が上昇位置に操作されて(ステップS14)、油圧シリンダ3が伸張作動し、刈取部4が上昇するのであり、刈取部4が上昇限度UU1に達したことが高さセンサー20により検出されると(ステップS15)、制御弁19が中立位置に操作されて(ステップS13)、刈取部4が上昇限度UU1で停止する(以上、第2制御手段に相当)。
【0051】
図6に示すように、設定ダイヤル14をOFF位置に操作した状態において、昇降スイッチ21を押し操作することにより、上昇限度UU1及び第2下降限度D2の第2昇降範囲A2 (制御手段及び第2制御手段)において、刈取部4を上昇及び下降させることができる。第1及び第2昇降範囲A1,A2において、第1昇降限度A1の上昇限度UU1と第2昇降範囲A2の上昇限度UU1とが一致しており、第1昇降範囲A1の下降限度DD1よりも上方に第2昇降範囲A2の第2下降限度D2が位置している。
【0052】
操作レバー12を上昇位置Uに操作して、刈取部4が上昇している状態では(ステップS1,S2,S4)、この状態が優先されてステップS8に移行することはなく、昇降スイッチ21を押し操作しても、ステップS9〜S15の操作は行われない。
ステップS9〜S12における刈取部4の下降中において、操作レバー12を上昇位置Uに操作すると(ステップS11)、ステップS1,S2,S4に移行し、制御弁19が上昇位置に操作されて(ステップS4)、油圧シリンダ3が伸長作動し、刈取部4が上昇する。この後、前項[4]に記載のように、ステップS1〜S7に移行する。
【0053】
[6]
次に、設定ダイヤル14を第1〜第6下降限度D1〜D6に操作した状態(変更手段の作動状態に相当)において、操作レバー12による刈取部4の昇降について、図5に基づいて説明する。
図3に示す設定ダイヤル14を第1〜第6下降限度D1〜D6に操作した状態において(ステップS1)、操作レバー12を上昇位置Uに操作すると(ステップS21)、制御弁19が上昇位置に操作されて(ステップS23)、油圧シリンダ3が伸長作動し、刈取部4が上昇する。操作レバー12を下降位置Dに操作すると(ステップS21)、制御弁19が下降位置に操作されて(ステップS25)、油圧シリンダ3が収縮作動し、刈取部4が下降する。操作レバー12を中立位置Nに操作すると(ステップS21)、制御弁19が中立位置に操作されて(ステップS26)、油圧シリンダ3及び刈取部4が停止する(以上、第1制御手段に相当)。
【0054】
操作レバー12を上昇位置Uに操作している状態で(ステップS1,S21,S23)刈取部4が上昇限度UU1に達したことが高さセンサー20により検出されると(ステップS22)、制御弁19が中立位置に操作されて(ステップS26)、刈取部4が上昇限度UU1で停止する。
【0055】
例えば図7に示すように、設定ダイヤル14により第3下降限度D3を設定した状態において、操作レバー12を下降位置Dに操作している状態で(ステップS1,S21,S25)、刈取部4が第3下降限度D3に達したことが高さセンサー20により検出されると(ステップS24)、制御弁19が中立位置に操作されて(ステップS26)、刈取部4が第3下降限度D3で停止する。
【0056】
図7に示すように、設定ダイヤル14を第1〜第6下降限度D1〜D6に操作した状態において、操作レバー12を操作することにより、上昇限度UU1及び第1〜第6下降限度D1〜D6の第1昇降範囲A1 (第1制御手段に相当)において、刈取部4を上昇及び下降させることができるのであり、中間の任意の位置で停止させることができる。この場合、設定ダイヤル14を操作することにより、ステップS24において、第1〜第6下降限度D1〜D6のうちの一つを任意に選択することができる。
【0057】
[7]
次に、設定ダイヤル14を第1〜第6下降限度D1〜D6に操作した状態(変更手段の作動状態に相当)において、昇降スイッチ21による刈取部4の昇降について、図5に基づいて説明する。
例えば、図7に示すように、設定ダイヤル14により第3下降限度D3を設定した状態で(ステップS1)、操作レバー12を中立位置N又は下降位置Dに操作した状態において、昇降スイッチ21を押し操作すると(押し操作して戻し操作すると)(ステップS27)、刈取部4が上昇限度UU1に位置していれば(ステップS28)、制御弁19が下降位置に操作されて(ステップS29)、油圧シリンダ3が収縮作動し、刈取部4が下降するのであり、刈取部4が第3下降限度D1に達したことが高さセンサー20により検出されると(ステップS31)、制御弁19が中立位置に操作されて(ステップS32)、刈取部4が第3下降限度D3で停止する(以上、第2制御手段に相当)。
【0058】
刈取部4が第3下降限度D3で停止した後において、前項[6]に記載のステップS1,S21〜S26に移行しても、ステップS24により、刈取部4を第3下降限度D3から下降させることができない。
【0059】
図3に示す設定ダイヤル14を第1〜第6下降限度D1〜D6に操作した状態で(ステップS1)、操作レバー12を中立位置N又は下降位置Dに操作した状態において、昇降スイッチ21を押し操作すると(押し操作して戻し操作すると)(ステップS27)、刈取部4が上昇限度UU1に位置していなければ(ステップS28)、制御弁19が上昇位置に操作されて(ステップS33)、油圧シリンダ3が伸張作動し、刈取部4が上昇するのであり、刈取部4が上昇限度UU1に達したことが高さセンサー20により検出されると(ステップS34)、制御弁19が中立位置に操作されて(ステップS32)、刈取部4が上昇限度UU1で停止する(以上、第2制御手段に相当)。
【0060】
図7に示すように、設定ダイヤル14を第1〜第6下降限度D1〜D6に操作した状態において、昇降スイッチ21を押し操作することにより、上昇限度UU1及び第1〜第6下降限度D1〜D6の第2昇降範囲A2 (制御手段及び第2制御手段)において、刈取部4を上昇及び下降させることができる。
この場合、設定ダイヤル14を操作することにより、ステップS31において、第1〜第6下降限度D1〜D6のうちの一つを任意に選択することができる。第1及び第2昇降範囲A1,A2において、第1昇降限度A1の上昇限度UU1と第2昇降範囲A2の上昇限度UU1とが一致し、第1昇降限度A1の第1〜第6下降限度D1〜D6と第2昇降範囲A2の第1〜第6下降限度D1〜D6とが一致する。
【0061】
操作レバー12を上昇位置Uに操作して、刈取部4が上昇している状態では(ステップS1,S21,S23)、この状態が優先されてステップS27に移行することはなく、昇降スイッチ21を押し操作しても、ステップS28〜S34の操作は行われない。
ステップS28〜S31における刈取部4の下降中において、操作レバー12を上昇位置Uに操作すると(ステップS30)、ステップS1,S21,S23に移行し、制御弁19が上昇位置に操作されて(ステップS23)、油圧シリンダ3が伸長作動し、刈取部4が上昇する。この後、前項[6]に記載のように、ステップS1,S21〜S26に移行する。
【0062】
[発明の実施の第1別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態]の図3の昇降スイッチ21を廃止して、図8に示すように、昇降スイッチ21の上昇機能だけを備えた上昇スイッチ22(昇降操作具及び第2昇降操作具に相当)、及び昇降スイッチ21の下降機能だけを備えた下降スイッチ23(昇降操作具及び第2昇降操作具に相当)を、操作レバー12の握り部12aの上部に備えるように構成してもよい。
この場合、昇降スイッチ21、上昇及び下降スイッチ22,23を、操作レバー12以外の位置(例えば、フロントパネル9やサイドパネル10等)に備えてもよい。
【0063】
これにより、上昇スイッチ22を押し操作すると(押し操作して戻し操作すると)、図4のステップS14,S15,S13及び図5のステップS33,S34,S32が行われ、下降スイッチ23を押し操作すると(押し操作して戻し操作すると)、図4のステップS10〜S13及び図5のステップS29〜S32が行われるように構成する。
【0064】
[発明の実施の第2別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]において、第1昇降限度A1の第1〜第6下降限度D1〜D6と第2昇降範囲A2の第1〜第6下降限度D1〜D6とを一致させるのではなく、第1昇降限度A1の第1〜第6下降限度D1〜D6と、第2昇降範囲A2の第1〜第6下降限度D1〜D6とを、別々 (独立)に高低に変更できるように構成してもよい。
【0065】
[発明の実施の第3別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態][発明の実施の第2別形態]において、第1昇降限度A1の上限位置UU1と、第2昇降範囲A2の上限位置UU1とを、互いに同じ位置に維持しながら高低に変更できるように構成してもよい。第1昇降限度A1の上限位置UU1と、第2昇降範囲A2の上限位置UU1とを、別々 (独立)に高低に変更できるように構成してもよい。
【0066】
[発明の実施の第4別形態]
前述の[発明を実施するための最良の形態][発明の実施の第1別形態]〜[発明の実施の第3別形態]において、圃場面G(地面)から刈取部4までの高さを検出する高さセンサー(接地ソリ型式や超音波センサー型式) (図示せず)を備え、高さセンサーの検出値に基づいて、刈取部4が圃場面G(地面)から設定高さに維持されるように、油圧シリンダ3を自動的に伸縮作動させる刈高さ制御手段を備えてもよい。
【0067】
この場合、操作レバー12、昇降スイッチ21及び下降スイッチ23により刈取部4を下降させた後、刈取行程に入ると、刈高さ制御手段が自動的に作動を開始するように構成する(例えば、圃場面G(地面)の穀稈が刈取部4に入り込んだことを検出する株元センサー(図示せず)を刈取部4の前部下部に備え、株元センサーが穀稈を検出すると、刈取行程に入ったと判断する)。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】コンバインの全体側面図
【図2】運転部の平面図
【図3】操作レバー、昇降スイッチ、設定ダイヤル及び油圧シリンダの連係状態を示す図
【図4】設定ダイヤルをOFF位置に操作した状態での操作レバー及び昇降スイッチの操作の流れを示す図
【図5】設定ダイヤルを第1〜第6下降限度に操作した状態での操作レバー及び昇降スイッチの操作の流れを示す図
【図6】設定ダイヤルをOFF位置に操作した状態での操作レバー及び昇降スイッチによる刈取部の昇降状態を示す図
【図7】設定ダイヤルを第1〜第6下降限度に操作した状態での操作レバー及び昇降スイッチによる刈取部の昇降状態を示す図
【図8】発明の実施の第1別形態における操作レバーの平面図
【符号の説明】
【0069】
3 昇降機構
4 刈取部
12 昇降操作具、第1昇降操作具
14 変更手段
21,22,23 昇降操作具、第2昇降操作具
UU1 上昇限度
DD1 下降限度
D1〜D6 下降限度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体の前部に刈取部を昇降自在に備えて、
前記刈取部を昇降駆動する昇降機構と、人為的に操作される昇降操作具とを備え、
上方に設定された上昇限度及び下方に設定された下降限度の範囲において、前記昇降操作具の操作により昇降機構を上昇側及び下降側に作動操作、前記昇降操作具の操作により昇降機構を停止操作する制御手段を備え、
前記制御手段の下降限度を高低に変更する変更手段を備えてある刈取収穫機の刈取部昇降構造。
【請求項2】
機体の前部に刈取部を昇降自在に備えて、
前記刈取部を昇降駆動する昇降機構と、人為的に操作される昇降操作具とを備え、
上方に設定された上昇限度及び下方に設定された下降限度において、前記昇降操作具の操作により刈取部が上昇限度に上昇して停止するように、前記昇降操作具の操作により刈取部が下降限度に下降して停止するように、昇降機構を作動操作する制御手段を備え、
前記制御手段の下降限度を高低に変更する変更手段を備えてある刈取収穫機の刈取部昇降構造。
【請求項3】
機体の前部に刈取部を昇降自在に備えて、
前記刈取部を昇降駆動する昇降機構と、人為的に操作される第1昇降操作具と、人為的に操作される第2昇降操作具とを備え、
上方に設定された上昇限度及び下方に設定された下降限度の昇降範囲において、前記第1昇降操作具の操作により昇降機構を上昇側及び下降側に作動操作、前記第1昇降操作具の操作により昇降機構を停止操作する第1制御手段と、
上方に設定された上昇限度及び下方に設定された下降限度において、前記第2昇降操作具の操作により刈取部が上昇限度に上昇して停止するように、前記第2昇降操作具の操作により刈取部が下降限度に下降して停止するように、昇降機構を作動操作する第2制御手段とを備え、
前記第1及び第2制御手段の下降限度を高低に変更する変更手段を備えてある刈取収穫機の刈取部昇降構造。
【請求項4】
前記変更手段を作動及び停止状態に設定可能に構成し、
前記変更手段の停止状態において、第1制御手段の下降限度よりも上方に、前記第2制御手段の下降限度が設定されて、
前記変更手段の停止状態において、前記第2昇降操作具の操作により刈取部が第2制御手段の下降限度に下降して停止した後、前記第1昇降操作具の操作により刈取部を第2制御手段の下降限度から上昇側及び下降側に昇降可能に、前記第1制御手段を構成してある請求項3に記載の刈取収穫機の刈取部昇降構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−268436(P2009−268436A)
【公開日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−123840(P2008−123840)
【出願日】平成20年5月9日(2008.5.9)
【出願人】(000001052)株式会社クボタ (4,415)
【Fターム(参考)】