説明

刈払機

【課題】 簡便且つ安価な構成にて振動,騒音を低減することができる刈払機を提供すること。
【解決手段】 駆動軸に接続された駆動歯車と、駆動歯車と噛み合う従動歯車と、従動歯車が取り付けられた従動軸を有し、従動歯車を従動軸の軸方向に移動可能に支持するとともに、従動歯車と従動軸の間に回転伝達手段を設け、従動歯車の軸方向の移動量を制限する位置決め手段を従動歯車あるいは従動軸に設け、従動歯車軸方向に弾性部材を配設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,主に刈払機の振動及び騒音の低減に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、平地、傾斜地、山地などで草刈を行うため、エンジンを駆動源とするエンジン刈払機が使用されている。エンジン刈払機は、ギヤを収納するギヤケースを長尺の操作棹の一端に固定し、ギヤケースに収容された回転軸の下端に草や枝を刈り込むための刈刃或いはナイロンコードを取り付け、燃料タンクと一体化されたエンジンハウジングを操作棹の他端に取り付けて構成される。エンジンの出力を、操作棹内部に配置された駆動軸及びギヤケースに収納されたギヤを介して従動軸に伝達し、従動軸に取り付けられた刈刃或いはナイロンコードを回転駆動させることで草刈作業を行う。
【0003】
エンジンは燃焼により回転トルクを発生させ、刈刃の回転を加速させるが、エンジン内ではシリンダとピストンリングによる摺動抵抗、或いは、燃料をピストンによって圧縮する際のポンピングロス等により減速する傾向があり、回転数が一定とはならないのが一般的である。
【0004】
一方、先端に取り付けられた刈刃はある程度の質量があるため、回転すると慣性が生じる。エンジン本体と刈刃との駆動力の伝達には、中実或いは中空の鋼材からなる捩じりばね定数の高い長軸の駆動軸を用いることから、刈刃とエンジンに回転変動が生じ、駆動軸に捩じり振動が発生することにより操作棹が加振され、ハンドルが振動する。
【0005】
上述から、先端側に配設されたギヤの噛み合い精度や、回転変動にともなうチャタリング等によるギヤ音が発生しやすく、これらの振動や騒音は作業者に不快感を与えるものである。
【0006】
これらの問題に対し、ギヤ音を低減するため、ギヤの内径部に動力伝達可能な弾性材を配設する構成が考案され,特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−148484号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記に記載の従来の刈払機においては、回転力の伝達に弾性体を介することで、軸とギヤの組み付けが複雑となり、コストが増加する恐れがあった。
【0009】
本発明は上記問題を鑑みてなされたもので,その目的とする処は,簡便且つ安価な構成にて振動、騒音を低減することができる刈払機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本願において開示される発明のうち代表的なものの特徴を説明すれば次の通りである。
【0011】
本発明の一つの特徴によれば、駆動源と、駆動源が一端に連結された操作棹に挿通され、駆動源の動力を伝達する駆動軸と、駆動軸に設けられた駆動歯車と、駆動歯車と噛合可能な従動歯車と、従動歯車が設けられ、操作棹の他端に連結されたギヤケースに回転可能に支承される従動軸と、従動軸と一体に回転するよう取付可能な回転工具と、を備えた刈払機において、従動歯車は、従動軸の軸方向に移動可能に設けられ、従動歯車の駆動歯車の歯面から離れる側には弾性部材が配設されると共に、従動歯車の歯面から離れる方向への移動量を規定する位置決め手段を備えて構成される。ここで、弾性部材は、駆動歯車と従動歯車とを近づける方向に復元力を発生させるように配設されていることが望ましい。また、弾性部材は管状に形成されたゴム材あるいは樹脂材であることが望ましい。
【0012】
本発明の他の特徴によれば、駆動源と、駆動源が一端に連結された操作棹に挿通され、駆動源の動力を伝達する駆動軸と、駆動軸に設けられた駆動歯車と、駆動歯車と噛合可能な従動歯車と、従動歯車が設けられ、操作棹の他端に連結されたギヤケースに回転可能に支承される従動軸と、従動軸と一体に回転するよう取付可能な回転工具と、を備えた刈払機において、駆動歯車は、駆動軸の軸方向に移動可能に設けられ、駆動歯車の前記従動歯車の歯面から離れる側には弾性部材が配設されると共に、駆動歯車の歯面から離れる方向への移動量を規定する位置決め手段を備えて構成されている。
【発明の効果】
【0013】
請求項1及び請求項10記載の刈払機によれば、刈刃とエンジンに回転変動が生じ、駆動軸に発生する捩じり振動を弾性部材により低減することが可能となる。すなわち、駆動歯車と従動歯車の噛み合いにより、駆動歯車と従動歯車が離れる方向に荷重が発生するが、歯車を軸方向に移動させ、弾性部材によりばね定数を下げることで、捩れ振動の固有振動数が下がり、固有振動数を実用回転数から遠ざけることで振動低減が可能となる。また、弾性部材の内部減衰により振動低減が可能である。
【0014】
さらに、回転変動にともなうチャタリング等による衝撃を緩衝し、ギヤ音を低減することが可能となる。
【0015】
また、位置決め手段によりバックラッシの過少や歯車の移動過大を抑制することができるため適正な噛み合い状態が得られ、異音や異常磨耗を抑制することが可能となる。
【0016】
請求項2記載の刈払機によれば、弾性部材を実装し易く且つ効果的な構成とすることが可能となる。
【0017】
請求項3記載の刈払機によれば、弾性部材をゴム材とすることにより、剛性を下げるだけでなく、減衰を付与することができ、回転数と固有振動数が近い場合であっても振動低減効果を得ることが可能となる。
【0018】
請求項4記載の刈払機によれば、切欠部に潤滑材を保持することができるため、歯車の軸方向の移動をスムーズにすることが可能となる。
【0019】
請求項5記載の刈払機によれば、弾性部材の剛性をより低くすることが可能となる。
【0020】
請求項6記載の刈払機によれば、弾性部材は前記駆動歯車或いは前記従動歯車とともに回転するが、側壁部を有するため遠心力による弾性部材の過大な変形を抑制することが可能となる。
【0021】
請求項7記載の刈払機によれば、位置決め手段によりバックラッシの過少や歯車の移動過大を抑制することができるため適正な噛み合い状態が得られ、異音や異常磨耗を抑制することが可能となる。
【0022】
請求項8及び請求項9記載の刈払機によれば、簡単な構成にて歯車を軸方向に移動可能とし、且つ、駆動源の回転駆動力を確実に切断工具に伝達することが可能となる。
【0023】
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係る刈払機の外観図
【図2】本発明の第1の実施形態に係る刈払機のギヤケース付近の断面図。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る刈払機のギヤケース付近の断面図。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る刈払機のギヤケース付近の断面図。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る刈払機の弾性部材の斜視図。
【図6】本発明の第3の実施形態に係る刈払機のギヤケース付近の断面図。
【図7】本発明の第3の実施形態に係る刈払機の弾性部材付近の断面図。
【図8】本発明の第4の実施形態に係る刈払機の弾性部材付近の断面図。
【図9】本発明の第5の実施形態に係る刈払機の弾性部材の斜視図。
【図10】本発明の第6の実施形態に係る刈払機のギヤケース付近の断面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明を適用した刈払機の実施形態について図1から図5に基づき説明する。なお、以下の図において、同一の部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。図1は本発明を適用したエンジン刈払機1の外観図である。エンジン2は筒状の操作棹3の一端に取り付けられ、操作棹3の他端にはギヤケース4が固定されるとともに、操作棹3の中間付近には、作業者がエンジン刈払機1を保持するためのハンドル5が固定されている。切断工具である刈刃6はギヤケース4に収納された歯車装置を介して回転可能に取り付けられている。
【0026】
図2及び図3は本発明の第1の実施形態のギヤケース4付近の断面図であり、図3は本発明の動作状態を示す。尚、ここでは動作を分かり易くするため、歯車の移動量を誇張して表示してある。ギヤケース4に収納された歯車装置は、駆動歯車8、従動歯車9、従動軸10、キー11で構成される。駆動軸7は両端がスプライン等の回転伝達可能な形状で構成され、操作棹3の内部に回転可能に支持されている。駆動軸7の一端は、エンジン2の図示しない出力軸に接続され、他端は駆動歯車8に接続されている。駆動歯車8はギヤケース4に回転可能に支持され、従動歯車9と噛合っている。
【0027】
従動歯車9は、従動軸10に軸方向に移動可能に支持され、回転伝達手段であるキー11は従動歯車9の内径部及び従動軸10の外径部に形成されたキー溝に係合している。従動歯車9には、駆動歯車8と噛合う歯面と反対の軸方向に延びる突出部9aと、駆動歯車8と噛合う歯面側に形成された平坦面9bを備えている。また、従動軸10には大径部10aが形成されている。ギヤケース4は筒状の内部空間を有し、従動歯車が軸方向に移動したときに従動歯車の外周部がギヤケース4の内壁と接触しないだけの十分な空間からなる空隙部14を画成している。
【0028】
弾性部材13はリング状に形成されたゴム材であり、ベアリングの内輪に接したワッシャ12と従動歯車9に挟まれる位置に配置されている。従動軸10はギヤケース4に回転可能に支持され、従動軸10の図中下側には刈刃6が固定されている。ここで、突出部9aとワッシャ12、及び平坦面9bと大径部10aとによって従動歯車9の軸方向の移動量を制限する位置決め手段が構成されている。
【0029】
通常時の噛合状態において、従動歯車9は弾性部材13により付勢されているが、平坦面9bと大径部10aとで位置決めされることで、従動歯車9と駆動歯車8の歯面間に適度なバックラッシが生じるように構成されており、これにより歯面の摩耗や寿命の低下を抑制することができる。
【0030】
次に、本発明の第1の実施形態の動作について説明する。作業者はエンジン2を始動した後ハンドル5を把持し、ハンドル3に設けられた図示しないスロットルレバーを操作することによりエンジン2の回転数を上昇させる。回転駆動力は、エンジン2の回転数が所定の回転数を超えるとエンジン2に設けた図示しないクラッチの動作により図示しない出力軸に伝達され、駆動軸7、歯車装置を経由して刈刃に伝達される。これにより刈刃が回転し、切断作業を行うことができる。
【0031】
駆動歯車8と従動歯車9の噛み合いにより、駆動歯車8と従動歯車9が離れる方向に荷重が発生するが、本構成によれば、歯車に生じる荷重が小さい場合は、従動歯車9は弾性部材13により駆動軸大径部10aに付勢され、適正なバックラッシを確保して駆動歯車8と噛合っている。荷重が大きくなると、弾性部材13が圧縮され、従動歯車9が軸方向に移動することにより、エンジン2から刈刃6までの回転伝達経路における捩り振動の固有振動数の低下及び弾性部材13の内部減衰の効果により振動を低下するとともに、ギヤ音を低減することが可能となる。
【0032】
一方、歯車に生じる荷重が大きい場合は、図3に示すように、従動歯車突出部9aがワッシャ12と接触し、過大な移動による噛み合い異常や弾性部材の寿命の低下を抑制することが可能となる。ここで、弾性部材13は種々のゴム材や樹脂材など、本発明の趣旨に合う各種材料を用いることができる。
【0033】
本実施形態によれば、エンジン2と、エンジン2が一端に連結された操作棹3に挿通され、エンジン2の動力を伝達する駆動軸7と、駆動軸7に設けられた駆動歯車8と、駆動歯車8と噛合可能な従動歯車9と、従動歯車9が設けられ、操作棹3の他端に連結されたギヤケース4に回転可能に支承される従動軸10と、従動軸10と一体に回転するよう取付可能な刈刃6と、を備えた刈払機1において、従動歯車9は、従動軸10の軸方向に移動可能に設けられ、従動歯車9の駆動歯車8の歯面から離れる側には弾性部材が配設されると共に、従動歯車9の歯面から離れる方向への移動量を規定する位置決め手段を備えたことにより、刈刃6とエンジン2に回転変動が生じ、駆動軸7に発生する捩じり振動を弾性部材13により低減することが可能となる。すなわち、駆動歯車8と従動歯車9の噛み合いにより、駆動歯車8と従動歯車9が離れる方向に荷重が発生するが、従動歯車9を軸方向に移動させ、弾性部材13によりばね定数を下げることで、捩れ振動の固有振動数が下がり、固有振動数を実用回転数から遠ざけることで振動低減が可能となる。また、弾性部材の内部減衰により振動低減が可能である。さらに、回転変動にともなうチャタリング等による衝撃を緩衝し、ギヤ音を低減することが可能となる。また、位置決め手段によりバックラッシの過少や歯車の移動過大を抑制することができるため適正な噛み合い状態が得られ、異音や異常磨耗を抑制することが可能となる。
【0034】
また、弾性部材13は、駆動歯車8と従動歯車9とを近づける方向に復元力を発生させるように配設されていることにより、弾性部材13を実装し易く且つ効果的な構成とすることが可能となる。
【0035】
また、弾性部材13は管状に形成されたゴム材あるいは樹脂材であることにより、剛性を下げるだけでなく、減衰を付与することができ、回転数と固有振動数が近い場合であっても振動低減効果を得ることが可能となる。
【0036】
また、従動歯車9は、駆動歯車8の歯面に近づく方向への移動量を規定する第2の位置決め手段を備えているため、位置決め手段によりバックラッシの過少や歯車の移動過大を抑制することができるため適正な噛み合い状態が得られ、異音や異常磨耗を抑制することが可能となる。
【0037】
また、回転伝達手段は、従動軸10の外周及び従動歯車9の内周にキー溝を設け、キー溝に係合するキー11を配置して構成されることにより、簡単な構成にて歯車を軸方向に移動可能とし、且つ、駆動源の回転駆動力を確実に切断工具に伝達することが可能となる。
【0038】
図4は本発明の第2の実施形態のギヤケース4付近の断面図である。第2の実施形態においては弾性部材として図5に示すようなウェーブワッシャ14を配置している。第2の実施形態においては、ウェーブワッシャ14のばね定数を適切に設計することで、固有振動数をエンジンの使用回転数より低く設定し振動を低減することが可能となる。ここで、ウェーブワッシャ14に代わって皿ばねやコイルばねなど他の弾性部材を使用しても良い。
【0039】
図6は本発明の第3の実施形態のギヤケース4付近の断面図、図7は図6中のA−A断面図である。第3実施の形態においては弾性部材の内径部に溝状の切欠部213aを設けている。これにより、切欠部213aに潤滑材を保持できるため、従動歯車209の移動をスムーズにすることが可能となる。本実施形態においては、溝状の切欠部としたが、ディンプル状など他の形状としても同様の効果を得ることができる。
【0040】
さらに、弾性部材213の径方向に従動歯車209の側壁部209cを設けている。弾性部材213は従動歯車209とともに回転するため遠心力により変形するが、側壁部209cがストッパとなり過大な変形を抑制することが可能となる。本実施の形態では従動歯車209に側壁部209cを設けたが、従動歯車209とベアリング15の間に配設したワッシャ12が側壁部を有する形状としてもよい。
【0041】
本実施形態によれば、弾性部材213の内周に一箇所以上の切欠部213aを設けたことにより切欠部213aに潤滑材を保持することができるため、歯車の軸方向の移動をスムーズにすることが可能となる。
【0042】
また、従動歯車209は、弾性部材213の径方向に位置する側壁部209cを有することにより弾性部材209は従動歯車209とともに回転するが、側壁部209cを有するため遠心力による弾性部材213の過大な変形を抑制することが可能となる。
【0043】
また、図8に示す様に弾性部材313の外周に切欠部313bを設ける或いは、図9に示す様に弾性部材413の軸方向端面に切欠部413aを設けることで弾性部材の剛性を下げることができる。すなわち、耐磨耗性や耐油性などの必要な条件を満たす材料を選択し、形状を変更することで任意の剛性に設計することが可能となる。
【0044】
本実施形態によれば、弾性部材313の外周或いは弾性部材413の軸方向端面に一箇所以上の切欠部313b、413aを設けたことにより、弾性部材313、413の剛性をより低くすることが可能となる。
【0045】
従動軸310の外周を非円形形状とし、従動歯車309の内周を非円形形状と係合する非円形形状としたことにより簡単な構成にて歯車を軸方向に移動可能とし、且つ、駆動源の回転駆動力を確実に切断工具に伝達することが可能となる。
【0046】
また、上述の実施形態においては、従動歯車側に弾性部材を配置したが、図10に示すように弾性部材513を駆動歯車508側に配置する構成としても良い。また、弾性部材の形状や移動量は、発生するトルクや歯車の寸法など製品仕様に応じて任意に変更可能である。
【0047】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
【0048】
例えば、本実施形態では、従動歯車は従動軸に対して移動可能に設けられる構成としたが、従動歯車と従動軸が一体的に設けられ、従動軸ごと移動するようにして衝撃を緩衝するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1.刈払機 2.エンジン 3.操作棹 4.ギヤケース
5.ハンドル 6.刈刃 7.駆動軸 8.駆動歯車
9.従動歯車 9a.突出部 10.従動軸 10a.大径部
11.キー 12.ワッシャ 13.弾性部材 14.ウェーブワッシャ
15、16、17.ベアリング

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動源と、前記駆動源が一端に連結された操作棹に挿通され、前記駆動源の動力を伝達する駆動軸と、前記駆動軸に設けられた駆動歯車と、前記駆動歯車と噛合可能な従動歯車と、前記従動歯車が設けられ、前記操作棹の他端に連結されたギヤケースに回転可能に支承される従動軸と、前記従動軸と一体に回転するよう取付可能な回転工具と、を備えた刈払機において、
前記従動歯車は、前記従動軸の軸方向に移動可能に設けられ、前記従動歯車の前記駆動歯車の歯面から離れる側には弾性部材が配設されると共に、前記従動歯車の歯面から離れる方向への移動量を規定する位置決め手段を備えていることを特徴とする刈払機。
【請求項2】
前記弾性部材は、前記駆動歯車と前記従動歯車とを近づける方向に復元力を発生させるように配設されたことを特徴とする請求項1に記載の刈払機。
【請求項3】
前記弾性部材は管状に形成されたゴム材あるいは樹脂材であること特徴とする請求項1もしくは請求項2に記載の刈払機。
【請求項4】
前記弾性部材の内周に一箇所以上の切欠部を設けたことを特徴とする請求項3に記載の刈払機。
【請求項5】
前記弾性部材の外周或いは軸方向端面に一箇所以上の切欠部を設けたことを特徴とする請求項3もしくは請求項4に記載の刈払機。
【請求項6】
前記従動歯車は、前記弾性部材の径方向に位置する側壁部を有することを特徴とする請求項3から請求項5のいずれかに記載の刈払機。
【請求項7】
前記従動歯車は、前記駆動歯車の歯面に近づく方向への移動量を規定する第2の位置決め手段を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか一項に記載の刈払機。
【請求項8】
前記回転伝達手段は、前記従動軸の外周及び前記従動歯車の内周にキー溝を設け、前記キー溝に係合するキーを配置して構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載の刈払機。
【請求項9】
前記従動軸の外周を非円形形状とし、前記従動歯車の内周を前記非円形形状と係合する非円形形状としたことを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載の刈払機。
【請求項10】
駆動源と、前記駆動源が一端に連結された操作棹に挿通され、前記駆動源の動力を伝達する駆動軸と、前記駆動軸に設けられた駆動歯車と、前記駆動歯車と噛合可能な従動歯車と、前記従動歯車が設けられ、前記操作棹の他端に連結されたギヤケースに回転可能に支承される従動軸と、前記従動軸と一体に回転するよう取付可能な回転工具と、を備えた刈払機において、
前記駆動歯車は、前記駆動軸の軸方向に移動可能に設けられ、前記駆動歯車の前記従動歯車の歯面から離れる側には弾性部材が配設されると共に、前記駆動歯車の歯面から離れる方向への移動量を規定する位置決め手段を備えていることを特徴とする刈払機。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−95572(P2012−95572A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244713(P2010−244713)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000005094)日立工機株式会社 (1,861)
【Fターム(参考)】