説明

制御パラメータ調整支援装置、制御パラメータ調整支援方法、制御パラメータ調整支援プログラム、およびコンピュータ読取り可能な記録媒体

【課題】複数の制御パラメータによって機器の制御を行う制御装置に対して、制御パラメータの設定を個々のユーザに合わせて、より容易に行うことを可能にする。
【解決手段】2種類または3種類の制御パラメータに対しての調整を受け付ける制御パラメータ設定値取得部13と、上記調整の結果に従った制御パラメータの値による機器の制御を制御装置に指示する制御パラメータ設定指示部14と、上記制御の結果に対する評価値を受け付ける評価値取得部15と、上記調整の結果に従った制御パラメータの値と上記評価値とを対応付けて格納する第1格納部16と、第1格納部16から制御パラメータの値と当該制御パラメータの値に対応する評価値とを読み出し、当該評価値の分布を示す調整マップを2次元または3次元空間内に作成する調整マップ作成部17と、上記調整マップを表示する表示部19とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の制御パラメータによって機器の制御を行う制御装置に対して、上記制御パラメータの値の調整を支援する制御パラメータ調整支援装置、制御パラメータ調整支援方法、制御パラメータ調整支援プログラム、およびコンピュータ読取り可能な記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、人の感覚に合わせて設定を行うことが可能な機器が知られている。例としては、人の感覚に合わせて周波数成分レベルなどを変更することにより音質を設定可能なオーディオ機器、および人の感覚に合わせてコントラスト、明るさ、色の濃さ、色合いなどを変更することにより画質を設定可能な画像表示機器等が広く知られている。
【0003】
他にも、例えば特許文献1には、自動車の乗り心地といった乗員の感覚に合うように自動車のサスペンション制御を行うサスペンションのゲイン調整装置が開示されている。特許文献1に開示のサスペンションのゲイン調整装置では、着座シート周りに設置された複数のセンサから振動状態量を取得し、所定の式に従って、走行時に乗員が感じる複数の官能に対応した評価値を導出する。そして、導出した各評価値に重み付けを施し、総合評価値を求め、当該総合評価値と基準レベルとを比較し、サスペンションのゲインの設定を行っている。
【0004】
また、EPS(Electric Power Steering)と呼ばれる電動のパワーステアリングアシストシステムを採用している自動車では、EPSの電気制御のための制御パラメータを変更することによって、自動車の操舵を行うステアリングホイールの操舵感を設定可能であることが知られている。しかしながら、EPSの電気制御のための制御パラメータが複数存在するとともに、どの制御パラメータをどのように変更すれば操舵感がどのように変化するのかは、熟練した技能を有する作業者でなければ判断できない。そのため、例えばステアリングホイールの操舵感の設定を、熟練した技能を有しない作業者が行うことは困難であるという問題点があった。
【0005】
そこで、熟練した技能を有する作業者でなくてもステアリングホイールの操舵感の設定を行うことができるように、例えば特許文献2では、制御パラメータの調整手法と操舵感との対応関係を明確化したデータベースを構築し、所定の操舵感に対してどのような制御パラメータの調整手法をとればよいのかの情報を上記データベースから探し出して提示する電動パワーステアリング制御装置の制御パラメータ調整教示装置が開示されている。
【特許文献1】特開平6−156037号公報(平成6年6月3日公開)
【特許文献2】特開2002−173042号公報(平成14年6月18日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
人の感覚に合わせて設定を行うことが可能な機器に対して、個々のユーザの感覚に合わせた、より細かな設定を可能にするためには、上記機器を制御する制御装置での制御パラメータの数を増やしていくことになる。しかしながら、調整すべき制御パラメータが複数存在すると、個人の感じる感性と制御パラメータとの関係が分からないため、制御パラメータの調整を行うことが困難になる。
【0007】
一方、特許文献1に開示されているサスペンションのゲイン調整装置では、上記センサによって振動状態量を取得し、所定の式に従って評価値を導出し、導出した各評価値に重み付けを施し、総合評価値を求め、当該総合評価値と基準レベルとを比較し、サスペンションのゲインの設定を行う構成になっているため、ユーザ自身が制御パラメータの調整を行うことはなく、ユーザにとって制御パラメータの調整を行うことに困難性はない。しかしながら、上記ゲイン調整装置では、個々のユーザ(乗員)の感覚に合わせてサスペンションのゲインの設定を行うことができない可能性がある。すなわち、上記ゲイン調整装置では、サスペンションのゲインの設定に用いる基準レベルが予め一般化して設定されたものであることから、サスペンションのゲインの設定を、実際の乗客の感覚ではなく、一般化された基準に合わせるように行うことになる。従って、個々のユーザの感覚に合った制御パラメータの調整を行うことが困難であるという問題点を有している。
【0008】
また、特許文献2に開示されている電動パワーステアリング制御装置の制御パラメータ調整教示装置では、所定の操舵感に対してどのような制御パラメータの調整手法をとればよいのかを提示する構成になっているため、熟練した技能を有する作業者でなくても、複数の制御パラメータのどの制御パラメータを用いて設定を行えばよいのかが判るようになっている。しかしながら、上記制御パラメータ調整教示装置では、予め構築した上記データベースを用いているので、制御パラメータの調整手法と操舵感との対応関係が個々のユーザごとに用意されておらず、個々のユーザの感覚に合わせた制御パラメータの調整を行うことが困難であるという問題点を有している。
【0009】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、複数の制御パラメータによって機器の制御を行う制御装置に対して、制御パラメータの設定を個々のユーザに合わせて、より容易に行うことを可能にし得る制御パラメータ調整支援装置、制御パラメータ調整支援方法、制御パラメータ調整支援プログラム、およびコンピュータ読取り可能な記録媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の制御パラメータ調整支援装置は、上記課題を解決するために、複数の制御パラメータによって機器の制御を行う制御装置に対して、上記制御パラメータの値の調整を支援する制御パラメータ調整支援装置であって、2種類または3種類の制御パラメータに対してのユーザによる調整を受け付ける制御パラメータ調整結果取得手段と、上記調整の結果に従った制御パラメータの値による上記機器の制御を上記制御装置に指示する制御パラメータ設定指示手段と、当該制御パラメータの値による上記機器の制御の結果に対するユーザの評価である評価値を受け付ける評価値取得手段と、上記調整の結果に従った制御パラメータの値と上記評価値とを対応付けて格納する格納部と、上記格納部から上記制御パラメータの値と当該制御パラメータの値に対応する評価値とを読み出し、上記2種類または3種類の制御パラメータをそれぞれ軸とする2次元または3次元空間内に、当該評価値の分布を示す調整マップを作成する調整マップ作成手段と、上記調整マップを表示する調整マップ表示手段とを備えることを特徴としている。
【0011】
また、本発明の制御パラメータ調整支援方法は、上記課題を解決するために、複数の制御パラメータによって機器の制御を行う制御装置に対して、上記制御パラメータの値の調整を支援する制御パラメータ調整支援方法であって、制御パラメータ調整結果取得手段によって、2種類または3種類の制御パラメータに対してのユーザによる調整を受け付ける制御パラメータ調整結果取得ステップと、制御パラメータ設定指示手段によって、上記調整の結果に従った制御パラメータの値による上記機器の制御を上記制御装置に指示する制御パラメータ設定指示ステップと、評価値取得手段によって、当該制御パラメータの値による上記機器の制御の結果に対するユーザの評価である評価値を受け付ける評価値取得ステップと、調整マップ作成手段によって、上記調整の結果に従った制御パラメータの値と上記評価値とを対応付けて格納する格納部から上記制御パラメータの値と当該制御パラメータの値に対応する評価値とを読み出し、上記2種類または3種類の制御パラメータをそれぞれ軸とする2次元または3次元空間内に、当該評価値の分布を示す調整マップを作成する調整マップ作成ステップと、調整マップ表示手段によって、上記調整マップを表示する調整マップ表示ステップとを含むことを特徴としている。
【0012】
上記の発明によれば、制御パラメータの値と当該制御パラメータの値に対応する評価値とを格納部から読み出し、調整マップ作成手段が2種類または3種類の制御パラメータをそれぞれ軸とする2次元または3次元空間内に、当該評価値の分布を示す調整マップを作成し、調整マップ表示手段で表示することになる。ここで、格納部に格納されている制御パラメータの値は、制御パラメータ調整結果取得手段で取得した、ユーザによる制御パラメータの調整の結果の値であり、上記評価値は、評価値取得手段で取得した、制御パラメータ設定指示手段の指示を受けた当該制御パラメータの値による上記機器の制御の結果に対するユーザの評価であるので、表示される調整マップには、個々のユーザの評価に応じて評価値の分布が示されることになる。また、調整マップには評価値の分布が示されるので、上記評価値の分布に基づいて、より高い評価値が得られる制御パラメータの値をユーザが予測することが容易になる。従って、複数の制御パラメータによって機器の制御を行う制御装置に対して、制御パラメータの設定を個々のユーザに合わせて、より容易に行うことを可能にし得る。
【0013】
ところで、制御パラメータ調整支援装置は、ハードウェアで実現してもよいし、プログラムをコンピュータに実行させることによって実現してもよい。具体的には、本発明に係る制御プログラムは、上記制御パラメータ調整支援装置としてコンピュータを動作させるプログラムであり、本発明に係る記録媒体には、当該プログラムが記録されている。
【0014】
これらの制御プログラムがコンピュータによって実行されると、当該コンピュータは、上記制御パラメータ調整支援装置として動作する。従って、上記制御パラメータ調整支援装置と同様に、複数の制御パラメータによって機器の制御を行う制御装置に対して、制御パラメータの設定を個々のユーザに合わせて、より容易に行うことを可能にし得る。
【0015】
また、本発明の制御パラメータ調整支援装置では、前記調整マップ作成手段は、さらに前記格納部から読み出した制御パラメータの値に対応する評価値をもとに、前記2次元または3次元空間内の、前記読み出した設定値を座標点とした場合に上記座標点によって囲まれる領域内の評価値を補間によって求め、上記領域内での評価値の分布を示す調整マップを作成することが好ましい。
【0016】
これにより、調整マップ作成手段によって、格納部から読み出した制御パラメータの値に対応する評価値をもとに、2次元または3次元空間内の、読み出した設定値を座標点とした場合に当該座標点によって囲まれる領域内の評価値を補間によって求め、当該領域内での評価値の分布を示す調整マップを作成するので、当該領域内での、格納部に格納されていない制御パラメータの値に対する評価値を調整マップに表示することが可能になる。従って、調整マップでの評価値の分布をユーザに対してより判りやすく表示することが可能になる。
【0017】
また、本発明の制御パラメータ調整支援装置では、前記読み出した制御パラメータの値と当該制御パラメータの値に対応する評価値とをもとに、上記読み出した制御パラメータの値に対応する評価値以上の評価値が得られると予測される制御パラメータの値である候補値を算出する候補値算出手段をさらに備え、上記候補値算出手段で算出した上記候補値を、前記調整マップ表示手段で表示する前記調整マップ中に示すことが好ましい。
【0018】
これにより、候補値算出手段によって、読み出した制御パラメータの値と当該制御パラメータの値に対応する評価値とをもとに、読み出した制御パラメータの値に対応する評価値以上の評価値が得られると予測される制御パラメータの値である候補値を算出すし、算出した候補値を調整マップ表示手段で表示するので、次に調整をすることが好ましい制御パラメータの値をユーザに示すことが可能になる。従って、より良い評価がユーザから得られると予想される制御パラメータの値をユーザが設定することが容易になる。
【0019】
また、本発明の制御パラメータ調整支援装置では、制御パラメータ調整結果取得手段で調整を受け付ける制御パラメータの値の範囲を変更する受け付け範囲変更手段をさらに備えることが好ましい。
【0020】
これにより、受け付け範囲変更手段によって、制御パラメータ調整結果取得手段で調整を受け付ける制御パラメータの値の範囲を変更することが可能になるので、調整を受け付けることが好ましくない制御パラメータの値の調整を制御パラメータ調整結果取得手段で受け付けないようにすることが可能なる。
【0021】
また、本発明の制御パラメータ調整支援装置では、制御パラメータ調整結果取得手段で調整を受け付けた制御パラメータの値が所定の範囲外であるか否かを判定する判定手段と、調整を受け付けた制御パラメータの値が所定の範囲外であると上記判定手段で判定した場合に、ユーザに対して警告を行う警告手段をさらに備えることが好ましい。
【0022】
これにより、判定手段によって、制御パラメータ調整結果取得手段で調整を受け付けた制御パラメータの値が所定の範囲内であるか否かを判定し、警告手段によって、所定の範囲内で受け付けることが好ましくない制御パラメータの値の調整が行われようとした場合に警告を行うことが可能になる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、調整マップには、個々のユーザの評価に応じて評価値の分布が示されることになる。また、調整マップには評価値の分布が示されるので、上記評価値の分布に基づいて、より高い評価値が得られる制御パラメータの値をユーザが予測することが容易になる。したがって、複数の制御パラメータによって機器の制御を行う制御装置に対して、制御パラメータの設定を個々のユーザに合わせて、より容易に行うことを可能にし得るという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について図1ないし図7に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0025】
最初に、図1を用いて制御パラメータ調整支援装置2の構成の概要について説明を行う。図1は、本実施の形態の制御パラメータ調整支援装置2の構成を示す機能ブロック図である。制御パラメータ調整支援装置2は、図1に示すように、入力部10、制御パラメータ設定指示部(制御パラメータ設定指示手段)14、第1格納部(格納部)16、調整マップ作成部(調整マップ作成手段)17、候補値算出部(候補値算出手段)18、および表示部(調整マップ表示手段)19を備えている。そして、入力部10は、設定点選択取得部11、制御パラメータ選択結果取得部12、制御パラメータ設定値取得部(制御パラメータ調整結果取得手段)13、および評価値取得部(評価値取得手段)15を含んでいる。なお、制御パラメータ調整支援装置2は、複数の制御パラメータによって機器の制御を行う制御装置に対して、上記制御パラメータの値の調整を支援するものである。
【0026】
まず、入力部10は、ユーザからの指示入力を受け付けるものであり、各種キーやボタン、あるいは表示部19上に設けられたタッチパネルなどによって構成される。なお、入力部10を、音声入力によってユーザからの指示を受け付ける音声認識装置によって構成してもよい。また、設定点選択取得部11は、第1格納部16に格納されている、後述する評価を過去に行った制御パラメータの値(評価点)のうちからの、ユーザによる後述する調整マップの作成に用いる評価点(設定点)の選択を受け付けるものであり、選択された設定点の情報(選択結果)を制御パラメータ設定指示部14と調整マップ作成部17に送るものである。なお、過去に評価を行った設定点のうち、評価値の良かった設定点を表示部19に表示してユーザに提示を行う構成であってもよい。
【0027】
また、制御パラメータ選択結果取得部12は、調整を行う制御パラメータとして、複数の制御パラメータのうちから2種類または3種類の制御パラメータのユーザによる選択を受け付けるものであり、選択された制御パラメータの組み合わせの情報(選択結果)を取得し、取得した選択結果を調整マップ作成部17に送るものである。そして、制御パラメータ設定値取得部13は、ユーザによって選択された2種類または3種類の制御パラメータに対してのユーザによる調整を受け付けるものであり、受け付けた調整に応じた制御パラメータの値を取得し、制御パラメータ設定指示部14および第1格納部16に送るものである。
【0028】
続いて、制御パラメータ設定指示部14は、まず、設定点選択取得部11でユーザによって選択された設定点の各制御パラメータの値の設定を保持する。そして、次に制御パラメータ設定値取得部13から送られてきた2種類または3種類に対する制御パラメータの値の設定を、設定点選択取得部11によって得られた制御パラメータの値に上書きすることによって、当該制御パラメータの値に従った上記機器の制御を上記制御装置に指示するものである。なお、ここで言うところの機器の制御の結果とは、制御パラメータ設定指示部14からの指示に従った上記機器の動作を表している。
【0029】
また、評価値取得部15は、当該制御パラメータの値による上記機器の制御の結果に対するユーザの評価である評価値を受け付けて取得するものであり、取得した評価値を第1格納部16に送るものである。そして、第1格納部16は、制御パラメータ設定値取得部13から送られてきた制御パラメータの値(設定値)と、評価値取得部15から送られてきた、当該制御パラメータの値に従った上記機器の制御の結果に対する評価値とを対応付けて設定点として格納するものである。なお、評価値は、例えば“非常に悪い”を「−2」、“悪い”を「−1」、“普通”を「0」、“良い”を「1」、“非常に良い”を「1」などといったように、段階ごとに数値を当てはめて用いる構成であってもよい。
【0030】
続いて、調整マップ作成部17は、設定点選択取得部11で取得した選択結果と制御パラメータ選択結果取得部12で取得した選択結果とをもとに、設定点選択取得部11で取得した選択結果(設定点)に該当する制御パラメータの値のうちの、制御パラメータ選択結果取得部12で取得した選択結果(制御パラメータ選択結果取得部12で選択された制御パラメータ)に該当する種類の制御パラメータ以外の制御パラメータの値を抽出し、抽出した当該制御パラメータ以外の値が一致する制御パラメータの値をもつ設定点を第1格納部16から読み出す。
【0031】
以上の処理について、図2を用いてより詳細に説明を行う。図2は、第1格納部16に格納されているデータのデータ構造の一例を示した図である。図2に示すように、第1格納部16に格納されているデータのデータ構造は、設定点ごとにデータ番号が与えられている構造になっており、設定点ごとに各制御パラメータの設定値および評価値が対応付けられている構造になっている。なお、図2では制御パラメータをP〜Pまで記載しているように、制御パラメータの数には制限はなくてもよい。
【0032】
まず、P〜Pまである制御パラメータに対して(5,20,・・・,70,・・・,25,・・・,6)・・・(pj1,pj2,・・・,pjl,・・・,pjm,・・・,pjn)といったようにNo.1〜No.jの設定値と当該設定値に対応する評価値とがNo.1〜No.jの設定点として第1格納部16に格納されているとする。ここで、制御パラメータ選択結果取得部12で取得した選択結果が、制御パラメータPおよび制御パラメータPを調整マップを作成する軸として選択するものであり、設定点選択取得部11で取得した選択結果が、No.3の設定点を選択するものであった場合には、(10,20,・・・,20,・・・,50,・・・,80)の設定値のうち、Pの値である20とPの値である50以外の制御パラメータの値が一致する設定点を、調整マップ作成部17が第1格納部16から読み出す構成になっている。
【0033】
また、調整マップ作成部17は、制御パラメータ選択結果取得部12で取得した選択結果と同じ組み合わせの制御パラメータをそれぞれ軸とする2次元または3次元空間内に、当該設定点ごとの評価値の分布を示す調整マップを作成するものである。そして、調整マップ作成部17は、作成した調整マップのデータを表示部19に送るものである。
【0034】
また、図3を用いて、本実施の形態における調整マップの一例を示す。図2は、本実施の形態における調整マップの一例を示した図である。なお、図2では、2種類の制御パラメータを軸とした場合の調整マップを示す。
【0035】
図3に示すように、調整マップは、2つの制御パラメータ(パラメータlおよびパラメータm)をそれぞれx軸、y軸としたxy座標系上に、過去にパラメータの調整を行った結果得られた設定値をプロットしている。そして、プロットしてある設定値は、当該設定値に対応する評価値ごとに色の濃淡で分けられており、例えば、色が薄いほどユーザにとって好ましい評価値として示すなどといったように、どの設定値がユーザにとってどの程度好ましいのかが判別できるようになっている。また、プロットしてある設定値で囲まれる領域についても、プロットしてある設定値と当該設定値に対応する評価値とをもとに、調整マップ作成部17で内挿補間(補間)を行うことによって評価値を求め、評価値の変化を連続した色の濃淡の段階的な変化で示している。例えば、上述したように評価値の低い順から「−2」、「−1」、「0」、「1」、「2」と5段階の数値に割り当てている場合には、評価値が低いほど色が濃くなるように5段階の色の濃淡で示す構成にすればよく、内挿補間によって上述した5段階の評価値の中間値が評価値として算出された場合には、当該中間値に応じてさらに細かく濃淡を段階分けして示す構成にすればよい。また、中間値を四捨五入するなどして、さらに細かい濃淡の段階分けをせずに示す構成であってもよい。
【0036】
なお、図3では、評価値を色の濃淡によって示しているが、必ずしもこれに限らず、評価値の違いを表現できさえすれば他の構成であってもよい。例えば、評価値を色の種類の違いによって示す構成であってもよい。
【0037】
続いて、上述の内挿補間について説明を行う。なお、ここで言うところの内挿補間とは、ある座標点の周りの値を参照して当該座標点に従った値を割り出す処理であり、本実施の形態では、既知の評価値をもとに、既知の設定値の間にある未知の設定値に対応する評価値を計算によって埋める処理を表している。内挿補間の方法としては、例えば、線形(直線)内挿、多項式補間、関数当てはめ、重み付け平均などの方法がある。調整マップ作成部17で用いる内挿補間の種類については、制御パラメータ調整支援装置2によって制御パラメータの値の調整を受ける上記制御装置の種類に応じて最適なものを用いることが可能である。
【0038】
まず、線形(直線)内挿は、データ点間の関係が、狭い範囲では1次関数であると仮定する方法であり、既知の設定値間の未知の評価値が直線的に変化すると考えられる場合に有効な方法である。また、多項式補間は、n個のデータ点があれば、その全てを通る(n−1)次の多項式を作ることが可能になる方法(スプライン補間など)であり、既知の設定値間の未知の評価値が滑らかに変化すると考えられる場合に有効な方法である。さらに、関数当てはめは、観測値は連続的な変数の場とランダムなノイズとの合計であると考え、シグナルは所定の数式に従う座標の関数であると仮定する、関数が観測値に近い値を通るように係数を決める方法(最小2乗法など)であり、既知の設定値間の未知の評価値に連続的な関係があり、上記数式が既知である場合に有効な方法である。そして、重み付け平均は、距離が近いデータ点ほど、求めたい点に近い値を持っていると仮定して、重み付け平均値を、求めたい点の推定評価値とする方法であり、既知の設定値間の関係を数式で表せない場合に有効な方法である。
【0039】
続いて、候補値算出部18は、候補値算出部18は、第1格納部16に格納された最新の設定値と当該設定値に対応する評価値とをもとに、調整マップにプロットされるすべての設定値に対応する評価値以上の評価値が得られると予測される制御パラメータの値である候補値を算出するものである。また、候補値算出部18は、算出した候補値を調整マップ作成部17に送るものである。なお、調整マップ作成部17は、候補値が候補値算出部18から送られてきた場合には、上記候補値を示す点を調整マップ中に含むデータを作成することになる。なお、候補値を求める具体的な方法としては、例えば外挿法を用いる方法がある。なお、ここで言うところの外挿法とは、数値データを何らかの関数にあてはめ、数値データの存在しない範囲の数値データを推定する方法であり、上記関数としては、例えば2次関数、ガウス関数などを用いることができる。
【0040】
そして、表示部19は、調整マップ作成部17から送られてきた調整マップのデータをもとに、図3に示したような調整マップを表示するものである。また、候補値算出部18で算出した候補値を示す点を含む調整マップのデータが調整マップ作成部17から送られてきた場合には、図4に示すように、候補値を示す点を含む調整マップを表示部19で表示することになる。
【0041】
なお、図4では、調整マップ中に候補値が点で示される構成を示したが、上記点を点滅させて表示する構成であってもよく、あらゆる他の形状およびあらゆる色によって上記候補値を示してもよい。
【0042】
次に、図5を用いて、制御パラメータ調整支援装置2の動作フローについて説明を行う。図5は、制御パラメータ調整支援装置2での動作フローを示すフローチャートである。
【0043】
まず、ステップS1では、調整マップ作成部17が、過去にユーザが評価した制御パラメータの値と評価値とのデータを第1格納部16から読み出して表示部19に表示する。そして、上記データをユーザに提示することにより、ユーザが今回評価したい制御パラメータの値である設定値以外の制御パラメータの値のユーザによる選択を促す。なお、表示部19に表示する上記データとしては、過去に評価した履歴のうち最新のデータを所定数表示してもよいし、評価値の高いものだけを表示してもよい。また、複数の制御パラメータをユーザが設定可能であればユーザが複数の制御パラメータを直接設定する調整画面を表示部19に表示してもよい。
【0044】
まず、ステップS2では、設定点選択取得部11が、調整マップの作成に用いる設定点としてユーザによって入力部10で選択された設定点(選択結果)を取得し、ステップS2に移る。なお、第1格納部16に設定点が格納されていない場合には、設定点として所定のデフォルト値を用いればよい。ここで言うところの所定のデフォルト値とは、任意に設定可能な値である。ステップS3では、制御パラメータ選択結果取得部12が、調整を行う制御パラメータとして、ユーザによって入力部10で選択された、複数の制御パラメータのうちの2種類の制御パラメータの組み合わせの情報(選択結果)を取得する。
【0045】
続いて、ステップS4では、設定点選択取得部11で取得した選択結果(設定点)に該当する制御パラメータの値のうちの、制御パラメータ選択結果取得部12で選択された制御パラメータに該当する種類の制御パラメータ以外の値が一致する設定点を抽出して当該設定点の設定値と評価値とを第1格納部16から読み出し、読み出した設定値および評価値に基づいて、調整マップ作成部17が調整マップのデータを作成する。そして、ステップS5では、表示部19が、調整マップを表示する。なお、制御パラメータ調整支援装置2が候補値算出部18を備えている場合には、候補値を示す点を含む調整マップを表示部19が表示する。
【0046】
続いて、ステップS6では、制御パラメータ設定値取得部13が、ユーザによって入力部10に入力された制御パラメータの値を取得し、制御パラメータ設定指示部14に送り、ステップS7に移る。なお、ここでは、表示部19上にタッチパネルが設けられており、表示部19に表示されている調整マップ中の任意の位置にユーザがタッチペンなどで触れることにより、触れた位置の座標に応じた制御パラメータの値を制御パラメータ設定値取得部13が取得する構成であってもよい。また、表示部19上にタッチパネルを設けず、各種キーなどで入力された制御パラメータの値を制御パラメータ設定値取得部13が取得する構成であってもよい。
【0047】
ステップS7では、制御パラメータ設定指示部14が、制御パラメータ設定値取得部13で取得した制御パラメータの値の設定を上記制御装置に指示し、ステップS8に移る。ステップS8では、評価値取得部15が、ユーザによって入力部10に入力された評価値を取得し、当該評価値とステップS6で制御パラメータ設定値取得部13が取得した制御パラメータの値(対応する制御パラメータの値)とを対応付けて新たに第1格納部16に格納し、ステップS9に移る。
【0048】
ステップS8では、調整マップ作成部17が、ステップS7で新たに格納された制御パラメータの値と評価値とを含む第1格納部16に格納された設定値と評価値とに基づいて、調整マップのデータを作成する。そして、ステップS10では、表示部19が、調整マップを表示し、フローを終了する。なお、制御パラメータ調整支援装置2が候補値算出部18を備えている場合には、候補値を示す点を含む調整マップを表示部19が表示する。
【0049】
次に、図6を用いて、第1格納部16に格納されている設定値および評価値などの過去の履歴から調整マップを表示する動作フローの説明を行う。なお、ここでは、制御パラメータ調整支援装置2が候補値算出部18を備えている場合を例に挙げて説明を行う。図6は、制御パラメータ調整支援装置2での動作フローの一部をより詳細に示したフローチャートである。
【0050】
まず、ステップS31では、制御パラメータ設定指示部14が、設定点選択取得部11でユーザによって選択された設定点の各制御パラメータの値の設定(選択結果)を保持する。そして、ステップS32では、制御パラメータ設定指示部14が、制御パラメータ設定値取得部13から送られてきた2種類または3種類に対する制御パラメータの値の設定(選択結果)を、設定点選択取得部11によって得られた制御パラメータの値に上書き(保持)する。
【0051】
続いて、ステップS33では、図2を用いて説明したように、設定点選択取得部11で取得した選択結果と制御パラメータ選択結果取得部12で取得した選択結果とをもとに、設定点選択取得部11で取得した選択結果(設定点)に該当する制御パラメータの値のうちの、制御パラメータ選択結果取得部12で取得した選択結果(制御パラメータ選択結果取得部12で選択された制御パラメータ)に該当する種類の制御パラメータ以外の制御パラメータ(非選択制御パラメータ)の値を抽出し、非選択制御パラメータの値が一致する制御パラメータの値をもつ設定点を読み出す。
【0052】
さらに、ステップS34では、読み出した当該設定点の情報を候補値算出部18に送り、当該設定点の情報に基づいて、上述した候補値を候補値算出部18で求める。そして、ステップS35では、上記候補値と上記読み出した設定点の情報とを調整マップ作成部17に送り、調整マップ作成部17で上記候補値を示す点を含む調整マップのデータを作成する。そして、作成したデータを表示部19に送り、表示部19で上記候補値を示す点を含む調整マップを表示して、フローを終了する。
【0053】
次に、図7を用いて制御パラメータ調整支援装置2をステアリングアシストシステム1に適用した場合の構成についての説明を行う。図7は、本実施形態に係るステアリングアシストシステム1の概略構成を示すブロック図である。なお、ステアリングアシストシステム1は、自動車に搭載され、該自動車のステアリング動作を行うものである。なお、自動車の種類は特に限定されるものではなく、原動機を装置し、その動力によって車輪を回転し、軌条によらずに道路上を走る車であればどのような車であってもよい。
【0054】
図7に示すように、ステアリングアシストシステム1は、制御パラメータ調整支援装置2、モータ制御部3、アシストモータ4、およびステアリング装置5を備えた構成となっている。
【0055】
ステアリング装置5は、ユーザの操作によって自動車の操舵を行う装置である。ステアリング装置5によるステアリング操作は自動車の前輪および/または後輪の向きを変化させ、自動車の進行方向を変化させる。このステアリング装置5は、ユーザによる回転駆動を受け付けるステアリングホイール5A、ステアリングホイール5Aの回転を自動車の前輪および/または後輪の向きを変更させる部位に伝達する伝達部5B、および、伝達部5Bにおける回転トルクを検知するトルク検知部5Cを備えた構成となっている。
【0056】
アシストモータ4は、ユーザによるステアリング操作をより軽快にするために、ステアリングホイール5Aの回転駆動力をアシストする動力を伝達部に供給するモータである。すなわち、本実施形態のステアリングアシストシステム1は、EPS(Electric Power Steering)方式によってステアリングのアシストを行うようになっている。アシストモータ4には、該アシストモータ4の回転数を検知する回転数検知部4Aが設けられている。
【0057】
なお、回転数検知部4Aは、アシストモータ4の端子電圧値およびアシストモータ4に流れている電流値に基づいて回転数を推定するようにしてもよい。また、アシストモータ4は、上記のように、ステアリングホイール5Aの回転駆動力をアシストするようになっているが、これに限定されるものではなく、ラックアシスト型やピニオンアシスト型にも適用可能である。
【0058】
ステアリングアシストシステム1に制御パラメータ調整支援装置2を適用する場合、制御パラメータ調整支援装置2は、ユーザからの指示入力に基づいて、操舵感の調整値を設定する処理を行うものとなる。なお、制御パラメータ調整支援装置2によって設定された調整値(制御パラメータ)はモータ制御部3に送信される。また、制御パラメータ調整支援装置2を、カーナビゲーションシステムの端末装置によって実行される一つのアプリケーションとして実現してもよい。
【0059】
モータ制御部3は、アシストモータ4による伝達部5Bに対するアシスト力を制御する。モータ制御部3による制御は、制御パラメータ調整支援装置2から受信する調整値、図示しない車速検知部から受信する、自動車のその時点での走行速度を示す車速値、回転数検知部4Aから受信するアシストモータ4の回転数値、および、トルク検知部5Cから受信するトルクセンサ値(トルク値)に基づいて行われる。また、モータ制御部3は、アシストモータ4に対して供給される駆動電流量を制御することによってアシスト力を制御する。なお、このモータ制御部3は、例えばECU(Electronic Control Unit)と呼ばれるマイクロコンピュータによって構成されるが、これに限定されるものではなく、他の用途にも用いられるコンピュータシステム(例えばカーナビゲーションシステムや、自動車制御汎用コンピュータシステムなど)における特定のアプリケーションによって実現されるようになっていてもよい。
【0060】
また、制御パラメータ調整支援装置2をステアリングアシストシステム1に適用する場合、制御パラメータとしては、トルク、操舵速度、粘性、電流、およびトルク微分値などがある。ここで、トルクは操舵トルク、電流はモータ制御部3への電流指令値、操舵速度はハンドルの回転速度、粘性はモータ制御部3への補償ゲイン、トルク微分値は操舵トルクの微分値である。また、評価値は、ステアリングを回転させる場合の操舵感に対する評価値となる。
【0061】
なお、本実施の形態では、制御パラメータ調整支援装置2を、ステアリングアシストシステム1のモータ制御部3(例えば、ECUなど)に対して制御パラメータの設定を行うために適用した例を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、オーディオ機器などの音響装置の音質を変更するイコライザ、もしくは画像表示装置の画質を変更するDSP(Digital Signal Processor)などといった制御装置での制御パラメータの設定に用いるようにすることも可能である。すなわち、複数の制御パラメータを調整することにより、ユーザの好みに合わせて設定を行うことが可能な制御装置であれば、同様に制御パラメータ調整支援装置2によって制御パラメータの設定を行うことが可能である。
【0062】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について図8ないし図10(b)に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0063】
本実施の形態の制御パラメータ調整支援装置2aは、前記実施の形態1の制御パラメータ調整支援装置2の構成に対して、制御パラメータ設定値取得部13でユーザから受け付ける制御パラメータの調整の範囲を変更可能な点が異なっている。
【0064】
最初に、図8を用いて制御パラメータ調整支援装置2aの構成の概要について説明を行う。図8は本実施の形態における制御パラメータ調整支援装置2aの構成の一部を示す機能ブロック図である。制御パラメータ調整支援装置2aは、図8に示す、第2格納部20および受け付け範囲変更部(受け付け範囲変更手段)21をさらに備えている点以外は、制御パラメータ調整支援装置2と同様の部材を有している。
【0065】
まず、第2格納部20は、入力部10で選択される入力モードの種類ごとに制御パラメータの値の範囲の情報(範囲情報)が格納されているものである。なお、ここで言うところの入力モードとは、任意に設定可能なものであり、例えば、対象となる制御装置の制御パラメータの値の調整についての熟練度、または対象となる制御装置によって制御される機器の操作についての熟練度などで分けられるものである。
【0066】
続いて、受け付け範囲変更部21は、入力部10から送られてきたモード情報に基づいて第2格納部20に照会を行い、当該モード情報に対応した範囲情報を得るものである。また、受け付け範囲変更部21は、第2格納部20から得た範囲情報をもとに、制御パラメータ設定値取得部13に受け付け範囲変更命令を送るものである。なお、ここで言うところの受け付け範囲変更命令とは、第2格納部20から得た範囲情報で示される範囲内の制御パラメータの値を制御パラメータ設定値取得部13で受け付けないようにさせる命令である。
【0067】
また、本実施の形態では、入力部10は、ユーザからの入力モードの選択を受け付け、選択された入力モードの情報(モード情報)を受け付け範囲変更部21に送る処理も行うものである。
【0068】
次に、図9を用いて、制御パラメータ調整支援装置2aでの、ユーザから受け付ける制御パラメータの調整の範囲を変更する動作フローについて説明を行う。なお、ここでは、制御パラメータ調整支援装置2aによって、上述のステアリングアシストシステム1に含まれるモータ制御部3に設定する制御パラメータの値を調整する場合を例として説明を行う。
【0069】
まず、ステップS11では、入力部10がユーザからの入力モードの選択を受け付け、どの入力モードが選択されたのかの情報(モード情報)を受け付け範囲変更部21に送る。ここでは、制御パラメータ調整支援装置2aによって、上述のステアリングアシストシステム1に含まれるモータ制御部3に設定する制御パラメータの値を調整する場合を例としているので、入力モードとしては、例えばステアリングの操作および自動車の運転の熟練度の高いユーザを対象とするエキスパートモードと上記熟練度の低いユーザを対象とするビギナーモードとを選択するものとする。また、第2格納部20に格納される範囲情報としては、例えばエキスパートモードに対しては、制御パラメータの値として調整可能なすべての範囲を対応付けて格納し、ビギナーモードに対しては、モータ制御部3に設定した場合に、上記熟練度の低いユーザの自動車の運転に危険を生じさせる制御パラメータの値の範囲を対応付ける。
【0070】
続いて、ステップS12では、受け付け範囲変更部21が、入力部10から送られてきたモード情報に基づいて第2格納部20に照会を行い、当該モード情報に対応した範囲情報を得る。そして、ステップS13では、第2格納部20から得た範囲情報をもとに、受け付け範囲変更部21が制御パラメータ設定値取得部13に受け付け範囲変更命令を送り、ステップS14に移る。ステップS14では、受け付け範囲変更命令に応じて、制御パラメータ設定値取得部13で受け付ける制御パラメータに対する調整の範囲(調整を受け付ける制御パラメータの値の範囲)を変更し、フローを終了する。
【0071】
また、ステップS15では、受け付け範囲変更部21が調整マップ作成部17に第2格納部20から得た範囲情報を送り、ステップS16に移る。ステップS16では、調整マップ作成部17が、当該範囲情報に応じて、作成する調整マップのデータを変更する。詳しくは、表示部19で表示させる調整マップの範囲を変更する。そして、ステップS17では、調整マップ作成部17から送られてきた調整マップのデータに応じた調整マップの表示を表示部19が行い、フローを終了する。
【0072】
ここで、図10(a)および図10(b)を用いて、入力モードごとに変更される調整マップの表示例について説明を行う。図10(a)は、上記エキスパートモードが選択された場合に表示部19に表示される調整マップの一例であり、図10(b)は上記ビギナーモードが選択された場合に表示部19に表示される調整マップの一例である。なお、制御パラメータの種類としては電流とトルクとを選択した場合を例にとって示している。
【0073】
図10(a)に示すように、入力部10でエキスパートモードが選択された場合には、制御パラメータの値として電流およびトルクの値をすべての範囲で調整可能なことを示す調整マップが表示部19に表示される。また、図10(b)に示すように、入力部10でビギナーモードが選択された場合には、制御パラメータの値として電流およびトルクの値を一部の範囲(熟練度の低いユーザの自動車の運転に危険性を生じさせない制御パラメータの値の範囲)でしか調整できないことを示す調整マップが表示部19に表示される。例えば、図10(b)中の円で囲まれた部分に対応する制御パラメータの値のように、ステアリングをアシストするトルクが大きく、ステアリングをアシストするモータへの電流指令値が大きいために、ハンドリングが非常に軽くなり自動車の操作が難しくなる箇所は調整マップに表示しないことになる。
【0074】
なお、本実施の形態では、第2格納部20から得た範囲情報で示される範囲内の制御パラメータの値を制御パラメータ設定値取得部13で受け付けないようにさせる命令を受け付け範囲変更命令とする構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、第2格納部20から得た範囲情報で示される範囲外の制御パラメータの値を制御パラメータ設定値取得部13で受け付けないようにさせる命令を受け付け範囲変更命令とする構成であってもよい。
【0075】
また、受け付け範囲変更部21によって、制御パラメータ設定値取得部13でユーザから受け付ける制御パラメータの調整の範囲をより広い範囲で行うことが可能に変更する場合、より狭い範囲での制御パラメータの調整を所定回数以上行わなければ、変更を行うことが出来ないようにする構成であってもよい。例としては、ビギナーモードでの制御パラメータの調整を所定回数以上行わなければ、エキスパートモードでの制御パラメータの調整を行うことが出来ない構成などである。
【0076】
さらに、入力部10で選択を受け付けた入力モードに応じて、予め第2格納部20または他のメモリに格納されている制御パラメータの組み合わせ選択を表示部19で表示する構成であってもよい。制御パラメータ調整支援装置2・2aを、ステアリングアシストシステム1のモータ制御部3に対して制御パラメータの設定を行うために適用した場合を例にとって説明を行うと、ビギナーモードが選択されたときに、トルクと電流、操舵速度と電流、操舵速度と粘性、粘性とトルクといった予め第2格納部20または他のメモリに格納しておいた、お勧めの制御パラメータの組み合わせを表示部19で表示させる構成にすればよい。以上の構成によれば、制御パラメータの設定に慣れていないユーザであっても適切な制御パラメータの組合せに従って制御パラメータの調整を行うことが可能になる。
【0077】
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施の形態について図11ないし図13に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、本実施の形態において説明すること以外の構成は、前記実施の形態1または前記実施の形態2と同じである。また、説明の便宜上、前記の実施の形態1または前記実施の形態2の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0078】
本実施の形態の制御パラメータ調整支援装置2bは、前記実施の形態1の制御パラメータ調整支援装置2の構成に対して、ユーザから受け付ける制御パラメータの調整に応じて警告を行う点が異なっている。
【0079】
最初に、図11を用いて制御パラメータ調整支援装置2bの構成の概要について説明を行う。図11は本実施の形態における制御パラメータ調整支援装置2bの構成の一部を示す機能ブロック図である。制御パラメータ調整支援装置2bは、図11に示す、第3格納部22、判定部(判定手段)23、および警告部(警告手段)24をさらに備えている点以外は、制御パラメータ調整支援装置2と同様の部材を有している。
【0080】
まず、第3格納部22は、予め制御パラメータの値の範囲の情報(範囲情報)が格納されているものである。また、判定部23は、制御パラメータ設定値取得部13から送られてきた制御パラメータの値が所定の範囲内であるか否かを、第3格納部22に格納されている範囲情報をもとに判定するものである。また、判定部23は、制御パラメータの値が所定の範囲内であった場合に、警告部24に警告を行うように指示するものである。続いて警告部24は、判定部23からの指示に従って表示部19で表示する警告のデータ(警告データ)を作成し、表示部19に送るものである。
【0081】
次に、図12を用いて、制御パラメータ調整支援装置2bでの、ユーザから受け付けた制御パラメータの調整に応じて警告を行う動作フローについて説明を行う。なお、ここでは、制御パラメータ調整支援装置2bによって、上述のステアリングアシストシステム1に含まれるモータ制御部3に設定する制御パラメータの値を調整する場合を例として説明を行う。
【0082】
まず、ステップS21では、制御パラメータ設定値取得部13で取得した制御パラメータの値を判定部23に送る。続いて、ステップS22では、制御パラメータ設定値取得部13から送られてきた制御パラメータの値が所定の範囲外であるか否かを、第3格納部22に格納されている範囲情報をもとに判定部23が判定する。例えば、モータ制御部3に設定した場合に、上記熟練度の低いユーザの自動車の運転に危険性を生じさせる制御パラメータの値の範囲が第3格納部22に範囲情報として格納されていた場合には、制御パラメータの値が当該範囲内であるか否かを判定することになる。また、上記熟練度の低いユーザの自動車の運転に危険性を生じさせない制御パラメータの値の範囲が第3格納部22に範囲情報として格納されていた場合には、制御パラメータの値が当該範囲外であるか否かを判定することになる。
【0083】
そして、ステップS23では、制御パラメータの値が所定の範囲内であった場合(ステップS23でYes)には、ステップS24に移る。また、制御パラメータの値が所定の範囲内でなかった場合(ステップS23でNo)にはフローを終了する。
【0084】
ステップS24では、判定部23が警告部24に対して警告を行わせるよう指示(警告命令)を行う。続いて、ステップS25では、警告部24が、表示部19で表示させる警告のデータ(警告データ)を表示部19に送る。そして、ステップS26では、表示部19が警告を表示し、フローを終了する。具体的な例としては、図13に示すように、ユーザから受け付けた制御パラメータの調整を実行した場合に、どのような危険性が生じるのかをユーザに知らせる警告を表示部19に表示するなどすればよい。
【0085】
なお、前記実施の形態2の場合と同様にして、第3格納部22に入力部10で選択される入力モードの種類ごとに制御パラメータの値の範囲の情報(範囲情報)を格納し、入力部10での入力モードの選択結果に応じて警告を行う構成であってもよい。例えば、入力モードとしては、ステアリングの操作および自動車の運転の熟練度の高いユーザを対象とするエキスパートモードと上記熟練度の低いユーザを対象とするビギナーモードとを選択するものとする。そして、第3格納部22に格納される範囲情報としては、エキスパートモードに対しては、制御パラメータの値として調整可能なすべての範囲を対応付けて格納し、ビギナーモードに対しては、モータ制御部3に設定した場合に、上記熟練度の低いユーザの自動車の運転に危険を生じさせる制御パラメータの値の範囲を対応付ければよい。
【0086】
また、本実施の形態では、警告部24によって表示部19で表示する警告データを作成し、表示部19に送る構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、警告データが音声データである場合には、警告部24からスピーカなどの提示部に警告データを送り、音声によって警告を行う構成であってもよい。
【0087】
なお、本実施の形態では、調整を行う制御パラメータを2種類選び、2次元空間内に調整マップを作成する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、調整を行う制御パラメータを3種類選び、3次元空間内に調整マップを作成してもよい。この場合、3軸の座標系に3種類の制御パラメータに対する調整マップを立体的に表示する構成であってもよいし、2軸の座標系に2種類の制御パラメータに対する調整マップを平面的に表示し、残り1種類の制御パラメータの値の変化に応じて、2軸の座標系に平面的に表示されている2種類の制御パラメータに対する調整マップを変化させて表示する構成であってもよい。
【0088】
また、本発明の制御パラメータ調整支援装置2・2a・2bは、複数の制御パラメータのうちから、調整を行う制御パラメータとしてユーザに選択された2種類または3種類の制御パラメータに対してのユーザによる調整を受け付ける制御パラメータ設定値取得部13と、ユーザによって上記複数の制御パラメータのうちから選択された2種類または3種類の制御パラメータの選択結果(制御パラメータの種類の組み合わせ)を取得する制御パラメータ選択結果取得部12と、上記調整の結果に従った制御パラメータの値による上記機器の制御を上記制御装置に指示する制御パラメータ設定指示部14と、当該制御パラメータの値による上記機器の制御の結果に対するユーザの評価である評価値を受け付ける評価値取得部15と、上記調整の結果に従った制御パラメータの値と上記評価値とを対応付けて格納する第1格納部16と、第1格納部16に格納されている上記制御パラメータの設定値と上記評価値とのうちから、上記制御パラメータ選択結果取得手段で取得した選択結果と同じ制御パラメータの種類の組み合わせでの上記調整の結果により格納された制御パラメータの設定値と当該設定値に対応する評価値とを読み出し、当該選択結果と同じ制御パラメータをそれぞれ軸とする2次元または3次元空間内に、当該評価値の分布(当該評価値に基づいた当該設定値の好ましさの傾向)を示す調整マップを作成する調整マップ作成部17と、上記調整マップを表示する表示部19とを備え、少なくとも上記制御パラメータ選択結果取得部12で選択結果を取得するごと、または上記評価値取得部15で評価値を取得するごとのいずれかに、上記調整マップ作成部17によって上記調整マップを新しく作成し直し、表示部19で当該調整マップを表示する構成であってもよい。以上の構成によっても、複数の制御パラメータによって機器の制御を行う制御装置に対して、制御パラメータの設定を個々のユーザに合わせて、より容易に行うことが可能になる。
【0089】
また、本発明の調整マップ作成部17は、さらに第1格納部16から読み出した設定値に対応する評価値をもとに、上記2次元または3次元空間内の、上記読み出した設定値を座標点とした場合に上記座標点によって囲まれる領域内の評価値を内挿補間によって求め、当該設定値を座標点として示すとともに上記領域内での評価値の分布を示す調整マップを作成することが好ましい。
【0090】
これにより、当該領域内での、第1格納部16に格納されていない制御パラメータの値に対する評価値をも調整マップに表示することが可能になる。従って、調整マップでの評価値の分布をユーザに対してより判りやすく表示することが可能になる。
【0091】
なお、本実施の形態では、第1格納部16に格納されている設定値以外の上記設定値に囲まれる領域の評価値を内挿補間によって求めて調整マップに表示する構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、第1格納部16に格納されている設定値の評価値のみを調整マップに示す構成であってもよい。この場合でも、調整マップ中に点在する第1格納部16に格納されている設定値に対応する評価値をもとに、ユーザがより評価値が高くなると思われる制御パラメータの値を予測することができる。ただし、上述したように、第1格納部16に格納されている設定値以外の上記設定値に囲まれる領域の評価値を内挿補間によって求めて調整マップに表示した方が、調整マップでの評価値の分布をユーザに対してより判りやすいため、より好ましい。
【0092】
最後に、制御パラメータ調整支援装置2・2a・2bの各ブロックは、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0093】
すなわち、制御パラメータ調整支援装置2・2a・2bは、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである制御パラメータ調整支援装置2・2a・2bの制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読取り可能に記録した記録媒体を、制御パラメータ調整支援装置2・2a・2bに供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0094】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0095】
また、制御パラメータ調整支援装置2・2a・2bを通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを、通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0096】
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0097】
以上のように、本発明の制御パラメータ調整支援装置、制御パラメータ調整支援方法、制御パラメータ調整支援プログラム、およびコンピュータ読取り可能な記録媒体は、複数の制御パラメータによって機器の制御を行う制御装置に対して、制御パラメータの設定を個々のユーザに合わせて、より容易に行うことを可能にし得る。従って、本発明は、複数の制御パラメータによって機器の制御を行う制御装置に関連する産業分野に好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明における制御パラメータ調整支援装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図2】上記制御パラメータ調整支援装置の第1格納部に格納されているデータのデータ構造の一例を示した図である。
【図3】本発明における調整マップの一例を示した図である。
【図4】本発明における調整マップの一例を示した図である。
【図5】上記制御パラメータ調整支援装置での動作フローを示すフローチャートである。
【図6】上記制御パラメータ調整支援装置での動作フローの一部をより詳細に示したフローチャートである。
【図7】本発明におけるステアリングアシストシステムの概略構成を示すブロック図である。
【図8】本発明における制御パラメータ調整支援装置の他の実施の形態を示す機能ブロック図である。
【図9】上記制御パラメータ調整支援装置での動作フローを示すフローチャートである。
【図10】(a)および(b)は、本発明における調整マップの一例を示した図である。
【図11】本発明における制御パラメータ調整支援装置のさらに他の実施の形態を示す機能ブロック図である。
【図12】上記制御パラメータ調整支援装置での動作フローを示すフローチャートである。
【図13】上記制御パラメータ調整支援装置の表示部に表示する警告の一例を示した図である。
【符号の説明】
【0099】
1 ステアリングアシストシステム
2 制御パラメータ調整支援装置
3 モータ制御部(制御装置)
4 アシストモータ
4A 回転数検知部
5 ステアリング装置
5A ステアリングホイール
5B 伝達部
5C トルク検知部
10 入力部
11 設定点選択取得部
12 制御パラメータ選択結果取得部
13 制御パラメータ設定値取得部(制御パラメータ調整結果取得手段)
14 制御パラメータ設定指示部(制御パラメータ設定指示手段)
15 評価値取得部(評価値取得手段)
16 第1格納部(格納部)
17 調整マップ作成部(調整マップ作成手段)
18 候補値算出部(候補値算出手段)
19 表示部(調整マップ表示手段)
20 第2格納部
21 受け付け範囲変更部(受け付け範囲変更手段)
22 第3格納部
23 判定部(判定手段)
24 警告部(警告手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の制御パラメータによって機器の制御を行う制御装置に対して、上記制御パラメータの値の調整を支援する制御パラメータ調整支援装置であって、
2種類または3種類の制御パラメータに対してのユーザによる調整を受け付ける制御パラメータ調整結果取得手段と、
上記調整の結果に従った制御パラメータの値による上記機器の制御を上記制御装置に指示する制御パラメータ設定指示手段と、
当該制御パラメータの値による上記機器の制御の結果に対するユーザの評価である評価値を受け付ける評価値取得手段と、
上記調整の結果に従った制御パラメータの値と上記評価値とを対応付けて格納する格納部と、
上記格納部から上記制御パラメータの値と当該制御パラメータの値に対応する評価値とを読み出し、上記2種類または3種類の制御パラメータをそれぞれ軸とする2次元または3次元空間内に、当該評価値の分布を示す調整マップを作成する調整マップ作成手段と、
上記調整マップを表示する調整マップ表示手段とを備えることを特徴とする制御パラメータ調整支援装置。
【請求項2】
前記調整マップ作成手段は、さらに前記格納部から読み出した制御パラメータの値に対応する評価値をもとに、前記2次元または3次元空間内の、前記読み出した設定値を座標点とした場合に上記座標点によって囲まれる領域内の評価値を補間によって求め、上記領域内での評価値の分布を示す調整マップを作成することを特徴とする請求項1に記載の制御パラメータ調整支援装置。
【請求項3】
前記読み出した制御パラメータの値と当該制御パラメータの値に対応する評価値とをもとに、上記読み出した制御パラメータの値に対応する評価値以上の評価値が得られると予測される制御パラメータの値である候補値を算出する候補値算出手段をさらに備え、
上記候補値算出手段で算出した上記候補値を、前記調整マップ表示手段で表示する前記調整マップ中に示すことを特徴とする請求項1に記載の制御パラメータ調整支援装置。
【請求項4】
制御パラメータ調整結果取得手段で調整を受け付ける制御パラメータの値の範囲を変更する受け付け範囲変更手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の制御パラメータ調整支援装置。
【請求項5】
制御パラメータ調整結果取得手段で調整を受け付けた制御パラメータの値が所定の範囲外であるか否かを判定する判定手段と、
調整を受け付けた制御パラメータの値が所定の範囲外であると上記判定手段で判定した場合に、ユーザに対して警告を行う警告手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の制御パラメータ調整支援装置。
【請求項6】
複数の制御パラメータによって機器の制御を行う制御装置に対して、上記制御パラメータの値の調整を支援する制御パラメータ調整支援方法であって、
制御パラメータ調整結果取得手段によって、2種類または3種類の制御パラメータに対してのユーザによる調整を受け付ける制御パラメータ調整結果取得ステップと、
制御パラメータ設定指示手段によって、上記調整の結果に従った制御パラメータの値による上記機器の制御を上記制御装置に指示する制御パラメータ設定指示ステップと、
評価値取得手段によって、当該制御パラメータの値による上記機器の制御の結果に対するユーザの評価である評価値を受け付ける評価値取得ステップと、
調整マップ作成手段によって、上記調整の結果に従った制御パラメータの値と上記評価値とを対応付けて格納する格納部から上記制御パラメータの値と当該制御パラメータの値に対応する評価値とを読み出し、上記2種類または3種類の制御パラメータをそれぞれ軸とする2次元または3次元空間内に、当該評価値の分布を示す調整マップを作成する調整マップ作成ステップと、
調整マップ表示手段によって、上記調整マップを表示する調整マップ表示ステップとを含むことを特徴とする制御パラメータ調整支援方法。
【請求項7】
複数の制御パラメータによって機器の制御を行う制御装置に対して、上記制御パラメータの値の調整を支援する制御パラメータ調整支援装置を動作させる制御パラメータ調整支援プログラムであって、
コンピュータに、
2種類または3種類の制御パラメータに対してのユーザによる調整を受け付ける制御パラメータ調整結果取得ステップと、
上記調整の結果に従った制御パラメータの値による上記機器の制御を上記制御装置に指示する制御パラメータ設定指示ステップと、
当該制御パラメータの値による上記機器の制御の結果に対するユーザの評価である評価値を受け付ける評価値取得ステップと、
上記調整の結果に従った制御パラメータの値と上記評価値とを対応付けて格納する格納部から上記制御パラメータの値と当該制御パラメータの値に対応する評価値とを読み出し、上記2種類または3種類の制御パラメータをそれぞれ軸とする2次元または3次元空間内に、当該評価値の分布を示す調整マップを作成する調整マップ作成ステップと、
上記調整マップを表示する調整マップ表示ステップとを動作させる制御パラメータ調整支援プログラム。
【請求項8】
複数の制御パラメータによって機器の制御を行う制御装置に対して、上記制御パラメータの値の調整を支援する制御パラメータ調整支援装置を動作させる制御パラメータ調整支援プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体であって、
コンピュータに、
2種類または3種類の制御パラメータに対してのユーザによる調整を受け付ける制御パラメータ調整結果取得ステップと、
上記調整の結果に従った制御パラメータの値による上記機器の制御を上記制御装置に指示する制御パラメータ設定指示ステップと、
当該制御パラメータの値による上記機器の制御の結果に対するユーザの評価である評価値を受け付ける評価値取得ステップと、
上記調整の結果に従った制御パラメータの値と上記評価値とを対応付けて格納する格納部から上記制御パラメータの値と当該制御パラメータの値に対応する評価値とを読み出し、上記2種類または3種類の制御パラメータをそれぞれ軸とする2次元または3次元空間内に、当該評価値の分布を示す調整マップを作成する調整マップ作成ステップと、
上記調整マップを表示する調整マップ表示ステップとを動作させる制御パラメータ調整支援プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−210291(P2008−210291A)
【公開日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−48097(P2007−48097)
【出願日】平成19年2月27日(2007.2.27)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】