創傷治療用の管取付装置
本発明は、真空補助創傷手当てのための真空管取付装置を提供する。本装置は、一次創傷カバーに取り付けられ得るパッチの形態である。該パッチは、一次創傷カバーに対して実質的に気密性のあるシールを形成し、真空管はパッチに固定され、この際、減圧が創傷に伝えられることを可能にするため、カバーにおける開口付近に管を位置付けるようにパッチが創傷カバー上において配向され得るようにされる。パッチは、創傷カバー上の任意の都合のよい位置にて創傷カバーに対し実質的に気密なシールでパッチを取り付けるための粘着性領域を外周部に有する。パッチのいくつかの実施形態が記述される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の言及
本出願は、2004年11月8日付け出願、タイトル「TUBE ATTACHMENT COVER FOR VACUUM APPLICATION IN WOUND TREATMENT AND METHOD OF MANUFACTURING SAME」の米国仮出願第60/625,880号、及び2005年7月11日付け出願の米国出願第11/181,128号に関連し、その優先権を主張する。その開示は、参照によりそっくりそのまま本明細書中に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、創傷治療の一般的な分野、更に具体的には、真空による創傷ドレナジ(排液)及び治療のための装置の分野に関連する。
【背景技術】
【0003】
創傷の治療において気密創傷カバー下に真空(減圧)を適用することは良く知られている。真空は、創傷及び創傷パッキング材料から創傷滲出物及び他の液体を吸引するために使用され得、また、周知の殺菌効果及び組織再生効果のための治癒療法として適用され得る。
【0004】
真空補助創傷療法用の初期の装置は、例えばJackson Pratt hemovac drain又はポート付き先端部を有する他の類似の管等の管を、創傷カバーの縁の下に単に走らせて、気密シールを保つために管周囲に粘着物又はペーストを適用していた。管の他端部は、病院の真空システムの圧力調整器に接続され、創傷を排液して治癒を支援するために十分な減圧が適用された。これらの装置は、慣用の手当てに比べて、手当用品の交換頻度及び感染のリスクを低減した。例えばM. E. Chariker等の「Effective Management of Incisional and Cutaneous Fistulae with Closed Suction Wound Drainage」Contemporary Surgery、34巻1989年6月、59−63頁を参照のこと。他の同様の装置は、真空吸引管の端部をフォームパッド又は他の創傷パッキング内へと接続し、また、薬剤を導入するための又はパッドもしくは創傷パッキング内へと流体を流すための別個の流体供給管を使用した。例えば米国特許第4,382,441号(Svedman)参照。
【0005】
これら従来の創傷手当てにおいて創傷カバーの縁の下を走る一又は複数の真空管の周りの粘着性シールは、該カバーによって作り出される気密シールの亀裂及び破断を受け易い。より耐久性のある真空管接続部を有する装置は、米国特許第3,367,332号(Groves)に示されるように、カバーに打ち抜かれた穴にわたって損傷カバーに直接固定され得るフレア付き又はフランジ付き先端部を有する管の使用を含む。米国特許第6,071,267号(Zamierowski)は、それらの先行技術装置の組合せを開示し、ここでは、薬物供給管が一次カバーの縁の下を走り、真空管が一次カバーの穴に対して配置されたフォームパッド内に接続される。米国特許第6,345,623号(Heaton)は別のアプローチを開示し、このアプローチにおいて、真空管コネクタを有する吸込みヘッドが創傷におけるフォームパッド上に配置され、次いで、中央に穴を有する外科的ドレープが、コネクタが穴から突き出るように吸込みヘッド上にわたって配置される。
【0006】
これらの先行技術装置を改良するそれらの取り組みにおいて、本発明者は、いくつかの設計目標(次創傷カバーと皮膚との間のシールに対してより高度な一体性(保全性もしくは完全性)を与える目標を含む)を考慮し、また、カバーの縁の下に又はカバーにおけるスロットもしくはシーム(継ぎ目)を通って一又は複数の管を走らせるよりも、管取付部材を一次創傷カバーの外部に配置することが好ましいであろうということを突き止めた。より確実なシールを提供するのに加えて、管取付部材を一次創傷カバーの外部に配置することは、創傷パッキング材料が管に対する支持又は接続部を与える必要がないので、創傷パッキング材料が最適化されることを可能にし、組織成長及び創傷治癒を助長する。
【0007】
一次創傷カバーの外部に真空管取付部材を位置付けることは、公開された米国出願第20040064132号に示されるように、該一次カバーに一体的に取り付けられる管にして、該一次カバーの穴上に対して配置される側壁ポートを有する管によって成し遂げられ得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、本発明に対する別の設計思考は、該カバーの外側面の一体部分ではなく、一次創傷カバーに適用され得るパッチの形態で管取付けを与えることが先行真空手当用品に対し有利となる点であった。この特徴は、同じパッチが異なる大きさ及び形状の一次創傷手当カバーと共に使用されることを許容し、また、管が一次カバー上の固定位置における穴に対して取り付けられる一体型装置を使用するのとは対照的に、介護者が創傷に対して最も都合のよい位置にパッチを配置することを可能にする。更なる利点として、同じパッチが取り外され、また、手当用品が交換される際に新たな一次カバーに再使用され得る。パッチが取替えを要する滅多にないケースにおいて、パッチは、一次カバーを創傷から取り外すことなく交換され得る。
【0009】
管取付パッチを用いる真空補助創傷システムを開発する途中で、本発明者は、小さい創傷に対する真空アプリケータを提供するためにパッチが単独で使用され得ることを発見した。主要な目的ではないが、この別の使用は、本発明の付加的側面として考慮されるべきである。
【0010】
本発明のこれら及び他の利点及び側面は、以下の詳細な説明及び図面を読むことにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
真空補助創傷手当のための真空管取付けに関連する本発明の側面において、本発明は、一次創傷カバーに取り付けられ得るパッチ形態の取付装置を提供する。該パッチは、一次創傷カバーに対し実質的に気密なシールを形成する。真空管は、次のようにパッチに固定される。すなわち、該管は、減圧が創傷に伝えられることを可能にするため、該管を該カバーの開口付近に位置付けるようにパッチが創傷カバー上において配向され得る。パッチは、カバー上の任意の都合のよい位置にて創傷カバーに対し実質的に気密のシールでパッチを取り付けるため、その外周部に粘着性領域を有する。介護者は、単にカバーに開口を切り込み、該開口にわたってパッチを適用するだけであり、このようなパッチは開口付近で管をサポートする。
【0012】
一実施形態において、パッチは、真空管、又は真空管を含む複数の管を保持するフレームに固定されている。本発明の好ましいバージョンにおいて、フレームにおいて離隔平行関係の二つの管が存在し、パッチは、該管間に開口が位置付けられて一次カバーに適用され得る。その第2の管は、該システム内の圧力を監視するため、又は、手当用品又は創傷のいくつかの他のパラメータを監視するために使用され得る。あるいは、第2の管は、創傷へと投薬もしくはフラッシング(液体を流すこと)を与えるために用いられ得る。フレームはまた、一つ又は複数の管のポートがある部分の周囲に有効な吸引室を作り出すエンクロージャ(囲包体)として形成され得る。パッチは、フレームの側部に結合される透明薄膜(薄フィルム)を含む。該薄膜は、フレームから外側へと拡張し、パッチの外周部にて該薄膜に塗布された粘着性材料を有する。
【0013】
真空管は、複数の円周フランジを有する部分を先端部又は先端付近に有し、また、隣り合うフランジ間のトラフに設けられたポートを有する。本発明は、フランジが部分的で、円周の底部部分のみにわたって突出する場合でも機能する。フランジは、一次創傷カバーがポートに対して又はポート内へと引き込まれて、ポートを閉塞することを防止する。
【0014】
別の実施形態において、パッチは、一次創傷カバーの厚さよりも実質的に厚い厚さを有する可撓性材料からなるシートである。該シートには開口が切り込まれ、側壁にポートを有する真空管が該開口に対して、次のような配向で取り付けられる。すなわち、該管の前記開口上の部分がシートと実質的に平行に横たわり、かつ該部分が実質的に開口と位置合わせされる。パッチは、一次創傷カバー上の任意の都合のよい位置において創傷カバーに実質的に気密のシールにて該パッチを取り付けるため、その外周部に粘着性領域を有する。
【0015】
真空補助創傷手当てに関連した本発明の側面において、管取付装置は、一次創傷カバーと組み合わせて使用され得、又は、より小さい創傷を囲む皮膚に対して直接適用され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次の図面及び記述において、真空補助創傷手当用品に対して真空管を取り付けるための装置が示され、その実施形態において、本装置は管取付パッチであり、該パッチは、シールされた創傷カバー上の様々な位置のうちの任意の一つの該カバーの外側面に付着され得る。従って、傷上に固定管コネクタを位置付けること、又は、管を貫通させる膜シート間に(管を貫通させる)継ぎ目を作り出すことを意識することなく、標準的なサイズ又は形状の薄膜創傷手当用品が、傷周囲の皮膚に実質的に気密なシールで適用され得る。その代わりに、膜手当用品は、患者の快適さ及び気密シールの完全性(保全性)にとって適した向きで、一次創傷カバーとして適用され得る。その後、小さな空気開口がカバーを切り込んで形成され、全真空シールを保つため、管取付パッチが該開口に対して適用される。管取付パッチのいくつかの実施形態が、完全に開示すること又は限定することを企図せず、ここに記述される。
【0017】
管取付パッチ10の実施形態が図1A及び図1Bに示され、パッチ10は、該パッチを、実質的に気密なシールで一次創傷カバー(図2に14として示される)に取り付けるため、その周囲に適用された粘着性材料12を有する。真空管16は、次のようにパッチに固定される。すなわち、パッチは、減圧が創傷に伝えられることを可能にするため、管を創傷カバーに形成された開口(図示せず)付近に位置付けるように創傷カバー上において配向され得る。図1及び2に示す好ましい実施形態において、管取付パッチ10は、真空管16を保持するフレーム18を含む。
【0018】
真空補助創傷手当てには減圧に適用する単一の管で十分ではあるが、フレーム18は、真空管16と離隔平行関係の第2の管20を保持し得る。これにより、パッチ10は、カバーに形成された開口(図示せず)が二つの管16、20間に位置付けられるように創傷カバー14上に向けられ得る。第2の管20は、例えば、創傷カバー内又は該カバー周りにおける漏出の兆候としての過度な空気流を検出する等、真空補助創傷手当ての操作を監視するために適用され得る。あるいは、第2の管は、真空管を超えて伸長され得る。これは、例えば、第2の管が創傷カバーに形成された開口を通じて創傷パッキングへと挿入され得るように、また、液体を送ってより効果的に傷に対し水をかけるため又は薬剤を適用するために使用され得るようにするためである。別の選択肢は、真空管16は、二つのルーメン(図示せず)を有する同軸管であり得、一方のルーメンは減圧をかけ、他方のルーメンは、傷の手当ての監視又は流体の送出のためのものである。
【0019】
フレーム18は、一又は複数の管が物理的に連結される単に上記パッチの頑強な構造部であり、それら管をパッチの薄膜材料に連結するのではない。簡易なフレームは、例えば、比較的厚いプラスチック(10ミル厚のウレタン等)部品を、一又は複数の管の上部面に熱溶着し、次いで、該厚いウレタン部品の縁をパッチの薄膜に熱溶着することによって形成され得る。しかしながら、図1A及び1Bに示す実施形態において、フレーム18は、真空管16のポート(口)付き部分22の周り(及び、第2の管が図1及び2に示す態様で使用される場合、第2の管20のポート付き部分24の周り)に有効吸引室を作り出すことができるエンクロージャ(囲包体)である。図1及び2に示すフレーム18は矩形であるが、他の形状も使用可能であり、管周囲にやはり有効吸引室を作り出す。吸引室は、次のように形成される。すなわち、フレーム18は、熱溶着等により真空管が結合される本体26と、該本体から下方に突出する(ぶら下がる)可撓性スカート28とを有し、該スカートと創傷カバーとの間に適合気密シールを与える。
【0020】
フレーム18が形成する領域内の真空管16の一部は、複数の円周フランジ30を有し、また、隣り合うフランジ管のトラフ34に配置される真空伝達口32を有する。第2の管20も同様の構成を有し得る。図1の実施形態において各管に二つのポートが図示されるが、少なくとも一つのポートを有することだけが必要である。隣り合うフランジ間のトラフにポートを配置することは、真空圧力が、創傷カバーをのパートに対して又はポート内へと引き上げて傷への真空伝達を遮断することを防止することを支援する。
【0021】
図1のパッチは、フレームの側部に接合されて、パッチの外周に向かって外側に延びる、1ミル厚ウレタン等の比較的薄い膜の区域を更に含む。薄膜36は、外周までずっと連続し得るが、図1Aの実施形態では、一次創傷カバーと同一又は類似の透明度を有する透明膜38がウレタンフィルム36に溶着され、パッチの外周へと延在する。一次創傷カバーに材料を合わせることは、該手当用品を取り除くことなく、傷が点検されることを可能にする。例えば、一次カバーがTegaderm(登録商標)手当用品であるなら、パッチの透明膜部分38もTegarderm(登録商標)膜から形成され得、該膜は、ウレタン膜36に熱溶着又は他の方法で接合される。あるいは、Tegarderm(登録商標)膜は、フレーム18に直接接合され得る。これも好ましいことには、一次カバーが膜を通る酸素の進入及び水蒸気の脱出を許容しつつ傷の周りに真空を保つのに十分な透過性を有する膜である場合、パッチの透明薄膜部分38は、同一又は類似の透過性を有するべきである。
【0022】
粘着性材料12は、一次カバーに対する液密付着をもたらすため、パッチの外周部の膜38の裏面に適用され得る。好ましくは、粘着性材料は、圧力解放粘着物であり、該圧力解放粘着物は、気密シールを保つのに十分であるが、パッチ10が取り去られ、かつ同じカバー又は手当用品の変更時の新規カバーに再度適用されることを可能にする程度に低い解放力を有する。
【0023】
図2に示すように、パッチ10は、傷上にわたって気密シールにて皮膚に取り付けられている一次創傷カバー14に対しどのような向きでも適用され得る。通常、傷パッキング材料(図示せず)は、一次カバーが皮膚に取り付けられる前に傷溝内に置かれる。次いで、介護人は、患者にとって快適であると介護者が選ぶ箇所にて一次カバー内へと小さな穴を切り込み、真空管のポート付き区域がカバーの該穴に隣り合うようにパッチを適用することができる。
【0024】
出荷、輸送及び適用の便利さのため、図3に示すパッチ10には、パッチの粘着性材料12が塗られる側面に付着されて該側面を覆う、硬い紙又はプラスチック等の適切な裏当て材からなる剥離カバー40が与えられ得る。この剥離カバーは、パッチの形状を保ち、また、パッチが一次カバーに適用される準備ができるまで、粘着材が周囲の物又は包装に付着することを防ぐ。パッチはまた、ポリマーフォーム等の適切な裏当て材からなる剥離カラー42を有し得る。該カラーは、パッチの反対側側面の周囲の環状ストリップに適用される。該カラーは、パッチの形状を保ち、また、一次創傷カバーとの気密シールを作るため、粘着性材料に対して押し下げるパッチ上のプレス領域を与える。カラー42は、パッチがカバーにセットされた後に剥がされ得る。
【0025】
図4A及び4Bに示す第2実施形態において、パッチ50は、一次創傷カバーよりも厚い厚さを有する、熱可塑性エラストマー等の可撓性材料からなるシート52から形成される。開口54が該シートに形成される。真空管56には、閉鎖端部58と、その側壁のポート60とが設けられる。管56は、開口54上にわたるシート52に取り付けられ、更に、開口をおおう管部分がシートと実質的に平行に横たわり、かつポート60が開口54と位置合わせされるように配向される。この配向は、管が一次カバーから直立する代わりに、管が一次カバーに沿って本質的に平坦に横たわることを許容する。パッチは、創傷カバーに対し、該カバーの任意の都合のよい箇所にパッチを実質気密シールで取り付けるための粘着性領域(図示せず)をその外周部に有する。図4Aに示すように、ポリマーフォーム等の適切な裏当て材からなる剥離カラー62は、粘着性材料とは反対側の上面におけるパッチの外周部にストリップで適用され得る。カラー62は、パッチの形状を保ち、また、一次創傷カバーと気密シールを形成すためにパッチを上から粘着性材料に対して押し下げるプレス領域を与える。カラー62は、パッチがカバーにセットされた後に剥がされ得る。
【0026】
図示し上述した管取付パッチは、一次創傷カバーを含む組合せ真空補助創傷システムの一部として使用することができ、又は、より小さい創傷に対し、真空治療を施すために直接適用することができる。より小さい創傷に対して直接適用される場合、パッチの粘着性材料は、パッチ外周と傷を囲む皮膚との間に適合気密シールを与える。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1A】真空管取付パッチの一実施形態の底面図である。
【図1B】図1Aに示す管取付フレーム及び管の拡大図である。
【図2】図1に示す実施形態のパッチが創傷上の一次創傷カバーから離隔して示される、真空補助創傷手当ての図である。
【図3】出荷のためにパッチに適用され、適用時に取り外される剥離カバー及び剥離カラーを示す図1及び2のパッチの図である。
【図4A】管取付パッチの第2実施形態の斜視図である。
【図4B】図4Aのパッチの断面図である。
【符号の説明】
【0028】
10 管取付パッチ
12 粘着性材料
14 創傷カバー
16 真空管
18 フレーム
20 第2の管
24 ポート付き部分
26 本体
28 可撓性スカート
30 円周フランジ
32 真空伝達口
34 トラフ
【技術分野】
【0001】
関連出願の言及
本出願は、2004年11月8日付け出願、タイトル「TUBE ATTACHMENT COVER FOR VACUUM APPLICATION IN WOUND TREATMENT AND METHOD OF MANUFACTURING SAME」の米国仮出願第60/625,880号、及び2005年7月11日付け出願の米国出願第11/181,128号に関連し、その優先権を主張する。その開示は、参照によりそっくりそのまま本明細書中に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本発明は、創傷治療の一般的な分野、更に具体的には、真空による創傷ドレナジ(排液)及び治療のための装置の分野に関連する。
【背景技術】
【0003】
創傷の治療において気密創傷カバー下に真空(減圧)を適用することは良く知られている。真空は、創傷及び創傷パッキング材料から創傷滲出物及び他の液体を吸引するために使用され得、また、周知の殺菌効果及び組織再生効果のための治癒療法として適用され得る。
【0004】
真空補助創傷療法用の初期の装置は、例えばJackson Pratt hemovac drain又はポート付き先端部を有する他の類似の管等の管を、創傷カバーの縁の下に単に走らせて、気密シールを保つために管周囲に粘着物又はペーストを適用していた。管の他端部は、病院の真空システムの圧力調整器に接続され、創傷を排液して治癒を支援するために十分な減圧が適用された。これらの装置は、慣用の手当てに比べて、手当用品の交換頻度及び感染のリスクを低減した。例えばM. E. Chariker等の「Effective Management of Incisional and Cutaneous Fistulae with Closed Suction Wound Drainage」Contemporary Surgery、34巻1989年6月、59−63頁を参照のこと。他の同様の装置は、真空吸引管の端部をフォームパッド又は他の創傷パッキング内へと接続し、また、薬剤を導入するための又はパッドもしくは創傷パッキング内へと流体を流すための別個の流体供給管を使用した。例えば米国特許第4,382,441号(Svedman)参照。
【0005】
これら従来の創傷手当てにおいて創傷カバーの縁の下を走る一又は複数の真空管の周りの粘着性シールは、該カバーによって作り出される気密シールの亀裂及び破断を受け易い。より耐久性のある真空管接続部を有する装置は、米国特許第3,367,332号(Groves)に示されるように、カバーに打ち抜かれた穴にわたって損傷カバーに直接固定され得るフレア付き又はフランジ付き先端部を有する管の使用を含む。米国特許第6,071,267号(Zamierowski)は、それらの先行技術装置の組合せを開示し、ここでは、薬物供給管が一次カバーの縁の下を走り、真空管が一次カバーの穴に対して配置されたフォームパッド内に接続される。米国特許第6,345,623号(Heaton)は別のアプローチを開示し、このアプローチにおいて、真空管コネクタを有する吸込みヘッドが創傷におけるフォームパッド上に配置され、次いで、中央に穴を有する外科的ドレープが、コネクタが穴から突き出るように吸込みヘッド上にわたって配置される。
【0006】
これらの先行技術装置を改良するそれらの取り組みにおいて、本発明者は、いくつかの設計目標(次創傷カバーと皮膚との間のシールに対してより高度な一体性(保全性もしくは完全性)を与える目標を含む)を考慮し、また、カバーの縁の下に又はカバーにおけるスロットもしくはシーム(継ぎ目)を通って一又は複数の管を走らせるよりも、管取付部材を一次創傷カバーの外部に配置することが好ましいであろうということを突き止めた。より確実なシールを提供するのに加えて、管取付部材を一次創傷カバーの外部に配置することは、創傷パッキング材料が管に対する支持又は接続部を与える必要がないので、創傷パッキング材料が最適化されることを可能にし、組織成長及び創傷治癒を助長する。
【0007】
一次創傷カバーの外部に真空管取付部材を位置付けることは、公開された米国出願第20040064132号に示されるように、該一次カバーに一体的に取り付けられる管にして、該一次カバーの穴上に対して配置される側壁ポートを有する管によって成し遂げられ得る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、本発明に対する別の設計思考は、該カバーの外側面の一体部分ではなく、一次創傷カバーに適用され得るパッチの形態で管取付けを与えることが先行真空手当用品に対し有利となる点であった。この特徴は、同じパッチが異なる大きさ及び形状の一次創傷手当カバーと共に使用されることを許容し、また、管が一次カバー上の固定位置における穴に対して取り付けられる一体型装置を使用するのとは対照的に、介護者が創傷に対して最も都合のよい位置にパッチを配置することを可能にする。更なる利点として、同じパッチが取り外され、また、手当用品が交換される際に新たな一次カバーに再使用され得る。パッチが取替えを要する滅多にないケースにおいて、パッチは、一次カバーを創傷から取り外すことなく交換され得る。
【0009】
管取付パッチを用いる真空補助創傷システムを開発する途中で、本発明者は、小さい創傷に対する真空アプリケータを提供するためにパッチが単独で使用され得ることを発見した。主要な目的ではないが、この別の使用は、本発明の付加的側面として考慮されるべきである。
【0010】
本発明のこれら及び他の利点及び側面は、以下の詳細な説明及び図面を読むことにより明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0011】
真空補助創傷手当のための真空管取付けに関連する本発明の側面において、本発明は、一次創傷カバーに取り付けられ得るパッチ形態の取付装置を提供する。該パッチは、一次創傷カバーに対し実質的に気密なシールを形成する。真空管は、次のようにパッチに固定される。すなわち、該管は、減圧が創傷に伝えられることを可能にするため、該管を該カバーの開口付近に位置付けるようにパッチが創傷カバー上において配向され得る。パッチは、カバー上の任意の都合のよい位置にて創傷カバーに対し実質的に気密のシールでパッチを取り付けるため、その外周部に粘着性領域を有する。介護者は、単にカバーに開口を切り込み、該開口にわたってパッチを適用するだけであり、このようなパッチは開口付近で管をサポートする。
【0012】
一実施形態において、パッチは、真空管、又は真空管を含む複数の管を保持するフレームに固定されている。本発明の好ましいバージョンにおいて、フレームにおいて離隔平行関係の二つの管が存在し、パッチは、該管間に開口が位置付けられて一次カバーに適用され得る。その第2の管は、該システム内の圧力を監視するため、又は、手当用品又は創傷のいくつかの他のパラメータを監視するために使用され得る。あるいは、第2の管は、創傷へと投薬もしくはフラッシング(液体を流すこと)を与えるために用いられ得る。フレームはまた、一つ又は複数の管のポートがある部分の周囲に有効な吸引室を作り出すエンクロージャ(囲包体)として形成され得る。パッチは、フレームの側部に結合される透明薄膜(薄フィルム)を含む。該薄膜は、フレームから外側へと拡張し、パッチの外周部にて該薄膜に塗布された粘着性材料を有する。
【0013】
真空管は、複数の円周フランジを有する部分を先端部又は先端付近に有し、また、隣り合うフランジ間のトラフに設けられたポートを有する。本発明は、フランジが部分的で、円周の底部部分のみにわたって突出する場合でも機能する。フランジは、一次創傷カバーがポートに対して又はポート内へと引き込まれて、ポートを閉塞することを防止する。
【0014】
別の実施形態において、パッチは、一次創傷カバーの厚さよりも実質的に厚い厚さを有する可撓性材料からなるシートである。該シートには開口が切り込まれ、側壁にポートを有する真空管が該開口に対して、次のような配向で取り付けられる。すなわち、該管の前記開口上の部分がシートと実質的に平行に横たわり、かつ該部分が実質的に開口と位置合わせされる。パッチは、一次創傷カバー上の任意の都合のよい位置において創傷カバーに実質的に気密のシールにて該パッチを取り付けるため、その外周部に粘着性領域を有する。
【0015】
真空補助創傷手当てに関連した本発明の側面において、管取付装置は、一次創傷カバーと組み合わせて使用され得、又は、より小さい創傷を囲む皮膚に対して直接適用され得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次の図面及び記述において、真空補助創傷手当用品に対して真空管を取り付けるための装置が示され、その実施形態において、本装置は管取付パッチであり、該パッチは、シールされた創傷カバー上の様々な位置のうちの任意の一つの該カバーの外側面に付着され得る。従って、傷上に固定管コネクタを位置付けること、又は、管を貫通させる膜シート間に(管を貫通させる)継ぎ目を作り出すことを意識することなく、標準的なサイズ又は形状の薄膜創傷手当用品が、傷周囲の皮膚に実質的に気密なシールで適用され得る。その代わりに、膜手当用品は、患者の快適さ及び気密シールの完全性(保全性)にとって適した向きで、一次創傷カバーとして適用され得る。その後、小さな空気開口がカバーを切り込んで形成され、全真空シールを保つため、管取付パッチが該開口に対して適用される。管取付パッチのいくつかの実施形態が、完全に開示すること又は限定することを企図せず、ここに記述される。
【0017】
管取付パッチ10の実施形態が図1A及び図1Bに示され、パッチ10は、該パッチを、実質的に気密なシールで一次創傷カバー(図2に14として示される)に取り付けるため、その周囲に適用された粘着性材料12を有する。真空管16は、次のようにパッチに固定される。すなわち、パッチは、減圧が創傷に伝えられることを可能にするため、管を創傷カバーに形成された開口(図示せず)付近に位置付けるように創傷カバー上において配向され得る。図1及び2に示す好ましい実施形態において、管取付パッチ10は、真空管16を保持するフレーム18を含む。
【0018】
真空補助創傷手当てには減圧に適用する単一の管で十分ではあるが、フレーム18は、真空管16と離隔平行関係の第2の管20を保持し得る。これにより、パッチ10は、カバーに形成された開口(図示せず)が二つの管16、20間に位置付けられるように創傷カバー14上に向けられ得る。第2の管20は、例えば、創傷カバー内又は該カバー周りにおける漏出の兆候としての過度な空気流を検出する等、真空補助創傷手当ての操作を監視するために適用され得る。あるいは、第2の管は、真空管を超えて伸長され得る。これは、例えば、第2の管が創傷カバーに形成された開口を通じて創傷パッキングへと挿入され得るように、また、液体を送ってより効果的に傷に対し水をかけるため又は薬剤を適用するために使用され得るようにするためである。別の選択肢は、真空管16は、二つのルーメン(図示せず)を有する同軸管であり得、一方のルーメンは減圧をかけ、他方のルーメンは、傷の手当ての監視又は流体の送出のためのものである。
【0019】
フレーム18は、一又は複数の管が物理的に連結される単に上記パッチの頑強な構造部であり、それら管をパッチの薄膜材料に連結するのではない。簡易なフレームは、例えば、比較的厚いプラスチック(10ミル厚のウレタン等)部品を、一又は複数の管の上部面に熱溶着し、次いで、該厚いウレタン部品の縁をパッチの薄膜に熱溶着することによって形成され得る。しかしながら、図1A及び1Bに示す実施形態において、フレーム18は、真空管16のポート(口)付き部分22の周り(及び、第2の管が図1及び2に示す態様で使用される場合、第2の管20のポート付き部分24の周り)に有効吸引室を作り出すことができるエンクロージャ(囲包体)である。図1及び2に示すフレーム18は矩形であるが、他の形状も使用可能であり、管周囲にやはり有効吸引室を作り出す。吸引室は、次のように形成される。すなわち、フレーム18は、熱溶着等により真空管が結合される本体26と、該本体から下方に突出する(ぶら下がる)可撓性スカート28とを有し、該スカートと創傷カバーとの間に適合気密シールを与える。
【0020】
フレーム18が形成する領域内の真空管16の一部は、複数の円周フランジ30を有し、また、隣り合うフランジ管のトラフ34に配置される真空伝達口32を有する。第2の管20も同様の構成を有し得る。図1の実施形態において各管に二つのポートが図示されるが、少なくとも一つのポートを有することだけが必要である。隣り合うフランジ間のトラフにポートを配置することは、真空圧力が、創傷カバーをのパートに対して又はポート内へと引き上げて傷への真空伝達を遮断することを防止することを支援する。
【0021】
図1のパッチは、フレームの側部に接合されて、パッチの外周に向かって外側に延びる、1ミル厚ウレタン等の比較的薄い膜の区域を更に含む。薄膜36は、外周までずっと連続し得るが、図1Aの実施形態では、一次創傷カバーと同一又は類似の透明度を有する透明膜38がウレタンフィルム36に溶着され、パッチの外周へと延在する。一次創傷カバーに材料を合わせることは、該手当用品を取り除くことなく、傷が点検されることを可能にする。例えば、一次カバーがTegaderm(登録商標)手当用品であるなら、パッチの透明膜部分38もTegarderm(登録商標)膜から形成され得、該膜は、ウレタン膜36に熱溶着又は他の方法で接合される。あるいは、Tegarderm(登録商標)膜は、フレーム18に直接接合され得る。これも好ましいことには、一次カバーが膜を通る酸素の進入及び水蒸気の脱出を許容しつつ傷の周りに真空を保つのに十分な透過性を有する膜である場合、パッチの透明薄膜部分38は、同一又は類似の透過性を有するべきである。
【0022】
粘着性材料12は、一次カバーに対する液密付着をもたらすため、パッチの外周部の膜38の裏面に適用され得る。好ましくは、粘着性材料は、圧力解放粘着物であり、該圧力解放粘着物は、気密シールを保つのに十分であるが、パッチ10が取り去られ、かつ同じカバー又は手当用品の変更時の新規カバーに再度適用されることを可能にする程度に低い解放力を有する。
【0023】
図2に示すように、パッチ10は、傷上にわたって気密シールにて皮膚に取り付けられている一次創傷カバー14に対しどのような向きでも適用され得る。通常、傷パッキング材料(図示せず)は、一次カバーが皮膚に取り付けられる前に傷溝内に置かれる。次いで、介護人は、患者にとって快適であると介護者が選ぶ箇所にて一次カバー内へと小さな穴を切り込み、真空管のポート付き区域がカバーの該穴に隣り合うようにパッチを適用することができる。
【0024】
出荷、輸送及び適用の便利さのため、図3に示すパッチ10には、パッチの粘着性材料12が塗られる側面に付着されて該側面を覆う、硬い紙又はプラスチック等の適切な裏当て材からなる剥離カバー40が与えられ得る。この剥離カバーは、パッチの形状を保ち、また、パッチが一次カバーに適用される準備ができるまで、粘着材が周囲の物又は包装に付着することを防ぐ。パッチはまた、ポリマーフォーム等の適切な裏当て材からなる剥離カラー42を有し得る。該カラーは、パッチの反対側側面の周囲の環状ストリップに適用される。該カラーは、パッチの形状を保ち、また、一次創傷カバーとの気密シールを作るため、粘着性材料に対して押し下げるパッチ上のプレス領域を与える。カラー42は、パッチがカバーにセットされた後に剥がされ得る。
【0025】
図4A及び4Bに示す第2実施形態において、パッチ50は、一次創傷カバーよりも厚い厚さを有する、熱可塑性エラストマー等の可撓性材料からなるシート52から形成される。開口54が該シートに形成される。真空管56には、閉鎖端部58と、その側壁のポート60とが設けられる。管56は、開口54上にわたるシート52に取り付けられ、更に、開口をおおう管部分がシートと実質的に平行に横たわり、かつポート60が開口54と位置合わせされるように配向される。この配向は、管が一次カバーから直立する代わりに、管が一次カバーに沿って本質的に平坦に横たわることを許容する。パッチは、創傷カバーに対し、該カバーの任意の都合のよい箇所にパッチを実質気密シールで取り付けるための粘着性領域(図示せず)をその外周部に有する。図4Aに示すように、ポリマーフォーム等の適切な裏当て材からなる剥離カラー62は、粘着性材料とは反対側の上面におけるパッチの外周部にストリップで適用され得る。カラー62は、パッチの形状を保ち、また、一次創傷カバーと気密シールを形成すためにパッチを上から粘着性材料に対して押し下げるプレス領域を与える。カラー62は、パッチがカバーにセットされた後に剥がされ得る。
【0026】
図示し上述した管取付パッチは、一次創傷カバーを含む組合せ真空補助創傷システムの一部として使用することができ、又は、より小さい創傷に対し、真空治療を施すために直接適用することができる。より小さい創傷に対して直接適用される場合、パッチの粘着性材料は、パッチ外周と傷を囲む皮膚との間に適合気密シールを与える。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1A】真空管取付パッチの一実施形態の底面図である。
【図1B】図1Aに示す管取付フレーム及び管の拡大図である。
【図2】図1に示す実施形態のパッチが創傷上の一次創傷カバーから離隔して示される、真空補助創傷手当ての図である。
【図3】出荷のためにパッチに適用され、適用時に取り外される剥離カバー及び剥離カラーを示す図1及び2のパッチの図である。
【図4A】管取付パッチの第2実施形態の斜視図である。
【図4B】図4Aのパッチの断面図である。
【符号の説明】
【0028】
10 管取付パッチ
12 粘着性材料
14 創傷カバー
16 真空管
18 フレーム
20 第2の管
24 ポート付き部分
26 本体
28 可撓性スカート
30 円周フランジ
32 真空伝達口
34 トラフ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷手当てのための管取付装置であって、
真空補助創傷手当用品における第1創傷カバーに対し実質的に気密のシールにて前記装置を取り付けるための粘着性材料を外周部に有するパッチと、
前記パッチに固定される真空管にして、減圧が創傷に伝えられることを可能にするため、第1創傷カバーの開口付近に位置付けられるポート付き部分を有する真空管とを備えた管取付装置。
【請求項2】
前記パッチは、真空管を保持するためのフレームを更に備える請求項1の管取付装置。
【請求項3】
前記パッチに固定される第2の管を更に備え、該第2の管は、第1創傷カバーの開口と連通するポート付き部分を有し、第2の管は、真空補助創傷手当用品の操作を監視するため、又は、真空補助創傷手当用品へと流体を送るために適合される請求項1の管取付装置。
【請求項4】
前記第2の管は、第1創傷カバーの開口を通って真空補助創傷手当用品へと延びる請求項3の管取付装置。
【請求項5】
前記真空管及び第2の管は、同軸ルーメンとして配置される請求項3の管取付装置。
【請求項6】
前記真空管のポート付き部分は、複数のフランジと、隣り合うフランジ間のトラフに配置された少なくとも一つのポートとを含む請求項1の管取付装置。
【請求項7】
前記フレームは、真空管のポート付き部分の周囲に吸引室を形成し、該フレームは、真空管を支持するための本体と、本体から下方に突出する可撓性スカートとを含み、該スカートと第1創傷カバーとの間に適合気密シールを与える請求項2の管取付装置。
【請求項8】
前記パッチは、第1薄膜と、透明な第2薄膜とを更に備え、第1薄膜は前記フレームと第2薄膜との間に置かれ、かつフレームに結合されてフレームから外側に拡張し、第2薄膜は、第1薄膜に結合されて第1薄膜から外側にパッチの外周部まで拡張し、前記粘着性材料は第2薄膜上に配置される請求項2の管取付装置。
【請求項9】
前記パッチは、フレームに結合され、かつフレームから外側にパッチの外周部まで拡張する透明膜を更に備え、該透明膜は、第1創傷カバーと同じ材料から成る請求項2の管取付装置。
【請求項10】
前記パッチは可撓性シートを備え、可撓性シートは該シートを通る開口を有し、真空管の側壁にポートが配置され、真空管は、ポートが前記開口に実質的に位置合わせされ、かつ開口付近の管部分が可撓性シートと実質的に平行に配置されるように前記可撓性シートに取り付けられる請求項1の管取付装置。
【請求項11】
創傷治療のための管取付装置であって、
真空補助創傷手当用品における第1創傷カバーを形成するため、創傷を囲む皮膚に対しパッチと、
減圧を創傷に伝えるための、パッチに固定されるポート付き部分を有する真空管とを備えた管取付装置。
【請求項12】
真空補助創傷手当用品であって、
創傷を囲む皮膚に対し実質的に気密のシールにて取り付けられるように適合された薄膜損傷カバーにして、該カバーを通る開口を有する薄膜損傷カバーと、
パッチを含む管取付装置にして、該パッチが、薄膜創傷カバーに対し実質的に気密のシールにて前記装置を取り付けるための粘着性材料を外周部に有する管取付装置と、
前記パッチに固定される真空管にして、減圧が創傷に伝えられることを可能にするため、薄膜創傷カバーの開口付近に位置付けられるポート付き部分を有する真空管とを備えた真空補助創傷手当用品。
【請求項13】
前記パッチは、真空管を保持するためのフレームを更に備える請求項12の真空補助創傷手当用品。
【請求項14】
前記パッチに固定される第2の管を更に備え、該第2の管は、薄膜創傷カバーの開口と連通するポート付き部分を有し、第2の管は、該創傷手当用品の操作を監視するため、又は、該創傷手当用品へと流体を送るために適合される請求項12の真空補助創傷手当用品。
【請求項15】
前記第2の管は、薄膜創傷カバーの開口を通って該創傷手当用品へと延びる請求項14の真空補助創傷手当用品。
【請求項16】
前記真空管及び第2の管は、同軸ルーメンとして配置される請求項14の真空補助創傷手当用品。
【請求項17】
前記真空管のポート付き部分は、複数のフランジと、隣り合うフランジ間のトラフに配置された少なくとも一つのポートとを含む請求項12の真空補助創傷手当用品。
【請求項18】
前記フレームは、真空管のポート付き部分の周囲に吸引室を形成し、該フレームは、真空管を支持するための本体と、本体から下方に突出する可撓性スカートとを含み、該スカートと第1創傷カバーとの間に適合気密シールを与える請求項13の真空補助創傷手当用品。
【請求項19】
前記パッチは、第1薄膜と、透明な第2薄膜とを更に備え、第1薄膜は前記フレームと第2薄膜との間に置かれ、かつフレームに結合されてフレームから外側に拡張し、第2薄膜は、第1薄膜に結合されて第1薄膜から外側にパッチの外周部まで拡張し、前記粘着性材料は第2薄膜上に配置される請求項13の真空補助創傷手当用品。
【請求項20】
前記パッチは、フレームに結合され、かつフレームから外側にパッチの外周部まで拡張する透明膜を更に備え、該透明膜は、第1創傷カバーと同じ材料から成る請求項13の真空補助創傷手当用品。
【請求項21】
前記パッチは可撓性シートを備え、可撓性シートは該シートを通る開口を有し、真空管の側壁にポートが配置され、真空管は、ポートが前記開口に実質的に位置合わせされ、かつ開口付近の管部分が可撓性シートと実質的に平行に配置されるように前記可撓性シートに取り付けられる請求項12の真空補助創傷手当用品。
【請求項22】
前記真空管のポート付き部分は、複数のフランジと、隣り合うフランジ間のトラフに配置された少なくとも一つのポートとを含む請求項11の管取付装置。
【請求項23】
前記パッチは、真空管を保持するためのフレームを更に備え、該フレームは、真空管のポート付き部分の周囲に吸引室を形成し、該フレームは、真空管を支持するための本体と、本体から下方に突出する可撓性スカートとを含み、該スカートと第1創傷カバーとの間に適合気密シールを与える請求項11の管取付装置。
【請求項24】
前記パッチは、真空管を保持するためのフレームと、第1薄膜と、透明な第2薄膜とを更に備え、第1薄膜は前記フレームと第2薄膜との間に置かれ、かつフレームに結合されてフレームから外側に拡張し、第2薄膜は、第1薄膜に結合されて第1薄膜から外側にパッチの外周部まで拡張し、前記粘着性材料は第2薄膜上に配置される請求項11の管取付装置。
【請求項1】
創傷手当てのための管取付装置であって、
真空補助創傷手当用品における第1創傷カバーに対し実質的に気密のシールにて前記装置を取り付けるための粘着性材料を外周部に有するパッチと、
前記パッチに固定される真空管にして、減圧が創傷に伝えられることを可能にするため、第1創傷カバーの開口付近に位置付けられるポート付き部分を有する真空管とを備えた管取付装置。
【請求項2】
前記パッチは、真空管を保持するためのフレームを更に備える請求項1の管取付装置。
【請求項3】
前記パッチに固定される第2の管を更に備え、該第2の管は、第1創傷カバーの開口と連通するポート付き部分を有し、第2の管は、真空補助創傷手当用品の操作を監視するため、又は、真空補助創傷手当用品へと流体を送るために適合される請求項1の管取付装置。
【請求項4】
前記第2の管は、第1創傷カバーの開口を通って真空補助創傷手当用品へと延びる請求項3の管取付装置。
【請求項5】
前記真空管及び第2の管は、同軸ルーメンとして配置される請求項3の管取付装置。
【請求項6】
前記真空管のポート付き部分は、複数のフランジと、隣り合うフランジ間のトラフに配置された少なくとも一つのポートとを含む請求項1の管取付装置。
【請求項7】
前記フレームは、真空管のポート付き部分の周囲に吸引室を形成し、該フレームは、真空管を支持するための本体と、本体から下方に突出する可撓性スカートとを含み、該スカートと第1創傷カバーとの間に適合気密シールを与える請求項2の管取付装置。
【請求項8】
前記パッチは、第1薄膜と、透明な第2薄膜とを更に備え、第1薄膜は前記フレームと第2薄膜との間に置かれ、かつフレームに結合されてフレームから外側に拡張し、第2薄膜は、第1薄膜に結合されて第1薄膜から外側にパッチの外周部まで拡張し、前記粘着性材料は第2薄膜上に配置される請求項2の管取付装置。
【請求項9】
前記パッチは、フレームに結合され、かつフレームから外側にパッチの外周部まで拡張する透明膜を更に備え、該透明膜は、第1創傷カバーと同じ材料から成る請求項2の管取付装置。
【請求項10】
前記パッチは可撓性シートを備え、可撓性シートは該シートを通る開口を有し、真空管の側壁にポートが配置され、真空管は、ポートが前記開口に実質的に位置合わせされ、かつ開口付近の管部分が可撓性シートと実質的に平行に配置されるように前記可撓性シートに取り付けられる請求項1の管取付装置。
【請求項11】
創傷治療のための管取付装置であって、
真空補助創傷手当用品における第1創傷カバーを形成するため、創傷を囲む皮膚に対しパッチと、
減圧を創傷に伝えるための、パッチに固定されるポート付き部分を有する真空管とを備えた管取付装置。
【請求項12】
真空補助創傷手当用品であって、
創傷を囲む皮膚に対し実質的に気密のシールにて取り付けられるように適合された薄膜損傷カバーにして、該カバーを通る開口を有する薄膜損傷カバーと、
パッチを含む管取付装置にして、該パッチが、薄膜創傷カバーに対し実質的に気密のシールにて前記装置を取り付けるための粘着性材料を外周部に有する管取付装置と、
前記パッチに固定される真空管にして、減圧が創傷に伝えられることを可能にするため、薄膜創傷カバーの開口付近に位置付けられるポート付き部分を有する真空管とを備えた真空補助創傷手当用品。
【請求項13】
前記パッチは、真空管を保持するためのフレームを更に備える請求項12の真空補助創傷手当用品。
【請求項14】
前記パッチに固定される第2の管を更に備え、該第2の管は、薄膜創傷カバーの開口と連通するポート付き部分を有し、第2の管は、該創傷手当用品の操作を監視するため、又は、該創傷手当用品へと流体を送るために適合される請求項12の真空補助創傷手当用品。
【請求項15】
前記第2の管は、薄膜創傷カバーの開口を通って該創傷手当用品へと延びる請求項14の真空補助創傷手当用品。
【請求項16】
前記真空管及び第2の管は、同軸ルーメンとして配置される請求項14の真空補助創傷手当用品。
【請求項17】
前記真空管のポート付き部分は、複数のフランジと、隣り合うフランジ間のトラフに配置された少なくとも一つのポートとを含む請求項12の真空補助創傷手当用品。
【請求項18】
前記フレームは、真空管のポート付き部分の周囲に吸引室を形成し、該フレームは、真空管を支持するための本体と、本体から下方に突出する可撓性スカートとを含み、該スカートと第1創傷カバーとの間に適合気密シールを与える請求項13の真空補助創傷手当用品。
【請求項19】
前記パッチは、第1薄膜と、透明な第2薄膜とを更に備え、第1薄膜は前記フレームと第2薄膜との間に置かれ、かつフレームに結合されてフレームから外側に拡張し、第2薄膜は、第1薄膜に結合されて第1薄膜から外側にパッチの外周部まで拡張し、前記粘着性材料は第2薄膜上に配置される請求項13の真空補助創傷手当用品。
【請求項20】
前記パッチは、フレームに結合され、かつフレームから外側にパッチの外周部まで拡張する透明膜を更に備え、該透明膜は、第1創傷カバーと同じ材料から成る請求項13の真空補助創傷手当用品。
【請求項21】
前記パッチは可撓性シートを備え、可撓性シートは該シートを通る開口を有し、真空管の側壁にポートが配置され、真空管は、ポートが前記開口に実質的に位置合わせされ、かつ開口付近の管部分が可撓性シートと実質的に平行に配置されるように前記可撓性シートに取り付けられる請求項12の真空補助創傷手当用品。
【請求項22】
前記真空管のポート付き部分は、複数のフランジと、隣り合うフランジ間のトラフに配置された少なくとも一つのポートとを含む請求項11の管取付装置。
【請求項23】
前記パッチは、真空管を保持するためのフレームを更に備え、該フレームは、真空管のポート付き部分の周囲に吸引室を形成し、該フレームは、真空管を支持するための本体と、本体から下方に突出する可撓性スカートとを含み、該スカートと第1創傷カバーとの間に適合気密シールを与える請求項11の管取付装置。
【請求項24】
前記パッチは、真空管を保持するためのフレームと、第1薄膜と、透明な第2薄膜とを更に備え、第1薄膜は前記フレームと第2薄膜との間に置かれ、かつフレームに結合されてフレームから外側に拡張し、第2薄膜は、第1薄膜に結合されて第1薄膜から外側にパッチの外周部まで拡張し、前記粘着性材料は第2薄膜上に配置される請求項11の管取付装置。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【公表番号】特表2008−518737(P2008−518737A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−540308(P2007−540308)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/035302
【国際公開番号】WO2006/052338
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(506343999)ボリンジャー ラボラトリーズ インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【国際出願番号】PCT/US2005/035302
【国際公開番号】WO2006/052338
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(506343999)ボリンジャー ラボラトリーズ インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
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