説明

加工機械に板状要素を配置するための装置及び方法

ペース配分された流れで板状要素(10)を連続するステーション(3、4、5)内に搬送するコンベヤ(30)の複数の把持部材(31)内にこれらの板状要素(10)を配置するための給送器(20)を含み、給送器(20)には固定装置(21)が設けられており、給送器(20)が、計算及び制御ユニット(40)によって駆動される加工機械(1)内に板状要素(10)を配置する方法。本方法は、各板状要素(10)の前進中に、板状要素(10)の前縁又は後縁を検出することによって理論上の位置に対する板状要素(10)の長手方向配置誤差及び斜め配置誤差を測定すること、測定された長手方向配置誤差及び斜め配置誤差に応じて給送器(20)を制御すること、板状要素(10)を給送器(20)に取り付けるために固定装置(21)を作動させること、板状要素(10)上に印刷された位置合わせマーク(12)を検出することによって理論上の位置に対する給送器(20)に取り付けられた板状要素(10)の長手方向配置誤差、横断方向配置誤差、及び斜め配置誤差を測定することを含む、連続する段階を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、板状要素を加工するための機械の給送器ステーション内に板状要素を配置するための装置及び方法、及びこの装置を含むか又はこの方法を用いる板状要素を加工するための機械である。
【背景技術】
【0002】
そのような機械は、例えば、予め印刷が施されたボール紙シートのような板状要素からボール紙箱を製造するために、特に、印刷及び包装の業界において用いられている。給送器ステーションでは、これらのシートは、機械の上流にあるスタックから取り出され、次に、給送器により、無限チェーンの次のライン上に一定の間隔で装着された挟みバー内に配置される。無限チェーンは、機械の様々な次の加工ステーション内にシートを搬送することを可能にする。一般的に、そのようなステーションは、シートの打ち抜き、打ち抜き屑の排出、及びこれらの打ち抜き済みシートのスタックへの受け取りに割り当てられる。
【0003】
ペース配分された流れでは、一連のチェーンは、定期的に移動及び停止し、従って、各移動中に、シートと係合する全ての挟みバーは、1つのステーションから隣接する下流のステーションへ送られる。上質印刷又は変換作業を得ることが望ましい場合には、様々な連続するステーション内のシートの配置は極めて重要である。印刷済みシートの打ち抜きの場合、打ち抜きステーションにおけるシートの配置は正確でなければならない。特に、打ち抜きに用いられるツール、例えば、プラテンプレス機の打ち抜き型の位置は、シート上に予め施されている印刷と完全に位置合わせしていることに注意を払う必要がある。
【0004】
スイス国特許第690470号は、パッケージを製造するためのプレス機の生産の質を保証するための装置を説明している。これを行うために、この装置は、一方で印刷に関連付けられた位置合わせマークと、一方で打ち抜き機の位置を位置合わせするように設計されたマークとを読み取るように設計されたカメラを含む。これらの位置合わせマークは、挟みバーによって保持されたシートの前部廃棄区画上に配置される。打ち抜きマークは、打ち抜きツールに取り付けられた穿孔器によって作られる。穿孔器は、シートの打ち抜きと同時に、シートの前部廃棄区画に孔を作る。更に下流では、別の装置を用いて、カメラによって不具合があると識別されたシート、すなわち、印刷と打ち抜きの間に許容範囲外のオフセットを有するシートをマーク付けする。
【0005】
欧州特許第1044908号は、板状要素を給送器ステーション内に配置するための装置及び方法に関連している。開始後方位置にあるテーブルから、この方法は、板状要素を固定するための手段をテーブル上に係合すること、及び次にテーブル上の板状要素の位置に応じてそれを前方に移動することを可能にするためのアクチュエータを制御すること、とを含む。その結果、板状要素の前縁は、搬送され、停止され、次に、テーブルが最終的に開始位置に戻される前に、搬送装置の挟みバーの挟み内の所定の位置に放出される。テーブルを適切な量だけ前方に、かつ必要に応じて横方向又は斜めに移動することができるように、光電子手段が、板状要素の位置の座標を読み取り、可能な最善の方法でそれを挟みバー内に配置することができるのに必要な移動を計算する。
【0006】
欧州特許第1044908号の文献に説明された装置及び方法は、良好に作動し、各板状要素の配置の測定及び修正をオンザフライで(板状要素を停止させる必要なく)行うことにより、加工機械の生産速度を大幅に増大させることを可能にした。それにも関わらず、板状要素が非常に大きく前進した時、又はそれが非常に片側に寄った時には、固定手段が、前部廃棄区画上ではなく、印刷が施された部分上で板状要素を保持するという事態が発生する場合があり、印刷と前部廃棄区画外の板状要素の構造とを損傷する危険性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】スイス国特許第690470号
【特許文献2】欧州特許第1044908号
【特許文献3】欧州特許第1170228号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上述の欠点を是正し、得られる品質を改善することである。本発明はまた、より深刻である配置誤差を補正し、従って、板状要素の許容範囲外の配置誤差に関連付けられた機械停止の危険性を低減することも可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従って、本発明の主題は、請求項1に説明する機械内に板状要素を配置する方法、及び請求項2に説明する本方法を用いた板状要素加工機械である。
【0010】
本発明は、非限定的に用いられかつ添付図面によって図示される実施形態を考察すれば、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】板状要素が挟みバーによって搬送されて流れる第1の種類の加工機械の概略図である。
【図2】挟みバーによって把持されるように挟みバーの方向に移動する板状要素の前縁の概略平面図である。
【図3】板状要素が挟みバーによって搬送されて流れる第2の種類の加工機械の概略図である。
【図4】板状要素が挟みバーによって搬送されて流れる第2の種類の加工機械の概略図である。
【図5A】本発明による加工機械による本発明による方法の使用の概略図である。
【図5B】本発明による加工機械による本発明による方法の使用の概略図である。
【図5C】本発明による加工機械による本発明による方法の使用の概略図である。
【図5D】本発明による加工機械による本発明による方法の使用の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明におけるあらゆる混乱を防ぐために、用語「上流」及び「下流」は、図2に矢印Dに示す板状要素10の移動方向に関連して定めることになる。これらの要素は、定期的停止によってペース配分された移動で、全体として機械の主軸線Xに沿って上流から下流へ移動する。板状要素の前縁は、下流に対応し、後縁は、上流に対応する。また、形容詞「長手方向の」及び「横方向の」は、この主軸Xに対して指定されることになる。用語「板状要素」及び「シート」は、均等物と見なされることになり、かつ両方とも、包装業界で日常的に用いられる紙又はあらゆる他の材料の段ボール紙及び平らなボール紙から構成される要素に関連することになる。
【0013】
図1に、本発明の方法を適用することができる加工機械1の概略全体図を示している。この機械は、一連の加工ステーションを含み、それらの中に一般的に給送器ステーション2があり、次に打ち抜きステーション3、屑排出ステーション4、及び受け取りステーション5が続くことになる。加工ステーションの数及び種類は、板状要素10上で行われることになる変換作業の複雑度に応じて変えることができる。
【0014】
給送器ステーション2では、これらの板状要素10は、特に、これらの要素のフロントストップとしても用いられるゲージ6に押し当てて置かれたスタック11内に配置される。ゲージ6の底部に間隙が残されているために、これらの要素は、スタック11の底部から1つずつ引き抜き、次に給送器20へ移送することができる。図2においてより良く見ることができるように、この装置は、要素10の各々をコンベヤ30の把持部材31内に給送することを可能にすることになる。このコンベヤは、通常、一連のチェーン32で構成され、このチェーンの間には、各々が板状要素10の把持部材31として用いられる複数の挟みバーが配列される。
【0015】
一連のチェーン32は、移動中に各把持部材31が1つのステーションから隣接する下流のステーションに渡されるように、定期的に移動及び停止する。把持部材31の停止の位置は、一定距離を移動している一連のチェーン32によって判断される。この距離は、一連のチェーン上のこれらの部材の理論上のピッチに対応する。加工ステーション2、3、4、及び5は固定され、かつこの同じピッチだけ隔てて配置され、従って、把持部材31は、各停止の度にこれらのステーションのツールと位置を合わせて停止する。このような種類の機械は、段ボール紙の板状要素を加工するために最も頻繁に用いられる。
【0016】
図2に、給送器20によって挟みバーの方へ移動されている板状要素10の下流部分を上から見た概略図に示している。図2に示す加工機械の例では、給送器20には、吸引プレートから構成される固定装置21が設けられている。この固定装置21は、板状要素をスタック11の底部から吸引し、そのようにして板状要素を給送器20に取り付け、それによって板状要素10をゲージ6の下に摺動させ、把持部材31の挟みと係合する所定の位置内に板状要素10を持ってくることを可能にする。給送器20の軌道は、スタックの底部での板状要素10の初期位置に依存する。この位置は、ゲージ6の直ぐ下流にある第1のセンサ7によって測定される(図1)。これらのセンサのうちの1つは、板状要素の通過平面の上方に配置されることになり、別のものは、下方に配置されることになることが好ましい。この配列により、印刷されたマーク12(図2)を読み取ることが可能になり、板状要素の前面上又は裏面上のいずれかに施された印刷の位置合わせができるようなる。そのような位置合わせマーク12は、通常、板状要素の前部部分上、すなわち、板状要素を把持するために把持部材によって用いられる前部廃棄区画上に配置されるが、横方向アラインメントを行うために、特に、板状要素の横位置を測定するために板状要素10の横部分上に配置する場合がある。センサ7は、位置合わせマークのある所定の区域内で板状要素10が照明装置によって照明された時に板状要素10の表面によって反射された光の強度を測定する。次に、得られた信号を処理することにより、位置合わせマークの位置を計算することが可能になる。空間要件上の理由から、照明装置がセンサ7に組み込まれる場合もあるが、それは不可欠ではない。図2の例示的な実施形態では、センサ7は、照明装置を組み込んでいる。
【0017】
上述の第1のセンサ7によって測定値が取られると、これらの測定値は、直ちに計算及び制御ユニット40に送信され、位置合わせマークの位置及び給送器20の軌道が計算される。給送器ステーション内での把持部材31の理論上の停止位置が分かれば、制御ユニットは、給送器20が板状要素10を正しく誘導し、それによって板状要素10の最初の開始位置に応じて給送器20が把持部材31内に搬送することができるように、給送器20の移動パラメータ(横方向、長手方向、又は斜めの)の値を計算することができる。これらの計算は、給送器20の制御も行う計算及び制御ユニット40によって行われる。
【0018】
次に、板状要素10は、把持部材31によって打ち抜きステーション3内に搬送されることになり、打ち抜きステーション3において、板状要素10は、例えば、所定の形状の複数の箱を得る目的で、得ることが望ましい展開形状に対応する金型によって打ち抜かれることになる。このステーションでは又は1つ又はそれよりも多くのその後のステーションでは、例えば、折り線の折り目付け、ある一定の表面のエンボス加工、及び/又は金属化ストリップからのモチーフの配置のような他の作業も行うことができる。
【0019】
図3に、現在公知である金型プレス機の別の例を示し、この例では、加工される板状要素10はシートであり、シートは、スタック11の最上部から取られ、重なり合う流れの形態で配置され、次に、給送ボードに搬送され、その後、プレス機の打ち抜きステーションの搬送部材30の挟み31に挿入される。従って、欧州特許第1170228号の文献は、重なり合う流れの状態で配置するためにシート別に給送するための装置の例を記載しており、欧州特許第0680906号の文献は、挟みバーを用いたプレス機の打ち抜きステーションの搬送部材の例を記載している。
【0020】
重なり合う流れの状態でシートを配置し、かつ重なり合う流れを搬送するための装置は、図4により詳細に示されている。スタック11は、吸引器ユニット50によって重なり合う流れに分配され、スタック11の最上部は、モータ52によって駆動されるスタックホルダトレイ51の上昇によって一定の高さに保たれている。スタック11の最上部のシートは、後部から取り上げられ、次に、重なり合う流れを形成するように吸引器ユニット50によって前方に押され、シート10の前部部分は、前のシートの下に摺り込む。
【0021】
重なり合う流れのシートは、図1及び図2に示す加工機械の給送器20の作動と同様の作動を有する配置装置60により、長手方向及び横方向に正確に配置される。欧州特許第1044908号の文献は、重なり合う流れ3を形成するシートを配置するための装置の例を記載している。この文献に説明されているように、この配置は、シートが停止することを必要としない高性能のシステムを用いることにより、打ち抜きステーションの搬送部材5に最も近い給送ボードの端部で行われる。配置装置60は、挟みを含む固定装置が備えられたテーブルを含み、図2に示す給送器20の吸引プレート21の機能と同一であるその機能は、上述の方法と同様の方法で板状要素10の最初の開始位置に応じて板状要素10を把持部材31内に搬送するために板状要素10をテーブルに取り付けることである。すなわち、センサは、反射光の強度を測定し、これは、位置合わせマークの位置と、板状要素の前縁を把持部材31内に正しく配置するために配置装置のテーブルが行う必要がある移動とを計算することを可能にする。この種類のプレス機は、板状要素10が平らなボール紙のシートである時に最も頻繁に用いられる。
【0022】
従って、本発明の目的は、大幅に改善された位置補正機能を用いて把持部材31内への板状要素10の完璧な配置を保証し、許容範囲外の配置誤差に関連付けられた機械の停止数を低減することである。本発明は、配置方法、及びこの配置方法を用いることができる板状要素を加工する機械に関する。本発明の例示的な実施形態の以下の詳細説明では、用語「給送器」は、その機能が板状要素10の下流縁部を把持部材31内に給送することである装置を示すために用いられることになる。そのような装置は、図1及び図2に示す給送器20、又は図3に示す配置装置60に対応し、かつ欧州特許第1044908号の文献に詳細に説明されている。給送器には、板状要素10を給送器に取り付けることを可能にする固定装置が備えられている。上述の例は、固定装置が、図2に示す吸引プレート21の形状又は挟みの形状のような様々な形状を取ることができることを示している。
【0023】
本明細書の残り部分については、要素の用語及び付番は、図1及び図2のものであることになる。「マーク」は、反射光の強度に鮮明な変化を得るために施されたいずれかの表面処理であると理解される。
【0024】
本発明による板状加工機械は、通常、固定装置21を備えた給送器20を含む。給送器20は、ペース配分された流れで板状要素10を連続するステーション内に搬送するコンベヤ30の複数の把持部材31内に板状要素10を配置することを可能にする。通常、本発明による加工機械は、少なくとも3つのセンサ7も含み、センサ7は、板状要素上に印刷された位置合わせマーク12の位置を測定するために、固定装置21によって給送器20に板状要素が取り付けられた時にその表面によって反射された光の強度を測定する。センサ7のうちの1つは、板状要素10の横縁部上に印刷された位置合わせマーク12の横位置を測定することができ、他の2つのセンサ7は、板状要素10の前縁上に印刷された2つの位置合わせマーク12の長手方向位置を測定することができる。
【0025】
本発明による加工機械は、センサ7によって行われる測定を改善するために印刷された位置合わせマーク12を照らすように配置された典型的にはLED型の3つの照明装置を含むことが好ましい。照明装置は、有利な態様では、センサ7内に組み込むことができ、これは、空間要件、機械的設置及び調節の容易さの観点からのみでなく、保守の観点からも利点を提供する。
【0026】
本発明による加工機械は、給送器20を移動することができる駆動装置、典型的にはリニアモータを含む。横方向駆動装置は、給送器20を横方向に移動するために用いられる。2つの長手方向駆動装置は、給送器20を長手方向に移動するために用いられる。2つの長手方向駆動装置が異なる信号を受信した場合、それらは、給送器20をその表面に垂直な軸線を中心としてかつ必要であればそれが搬送する板状要素の表面に垂直な軸線を中心として回転させる。
【0027】
本発明による加工機械は、マイクロプロセッサ型又はマイクロコントローラ型の計算及び制御ユニット40も含む。計算及び制御ユニットは、センサ7によって取られた測定値を受信し、これらの測定値と、給送器20によって搬送された板状要素の位置合わせマークが有するはずである理論上の位置とに従って、横方向、長手方向、及び斜めの配置誤差を計算する。
【0028】
計算及び制御ユニット40は、給送器20を移動する駆動装置を制御し、これらの横方向、長手方向、及び斜めの配置誤差を補正し、把持部材21内への板状要素10の前縁の完璧な配置を保証する。
【0029】
これらの要素全ては、組み合わせた形で既に公知である。これらは、各板状要素10の前進中に、固定装置21を作動させて板状要素10を給送器20に取り付け、次に、板状要素10上に印刷された位置合わせマーク12を検出することにより理論上の位置に対する給送器20に取り付けられた板状要素10の長手方向配置誤差、横断方向配置誤差、及び斜め配置誤差を測定し、最後に、給送器20が取り付けられた板状要素10の配置誤差に応じて給送器20を制御することにある連続する段階を実行することにより、欧州特許第1044908号の文献に説明された方法と同等の方法を適用することを可能にする。
【0030】
これらの段階全てが各板状要素10の前進中に行われることが不可欠である。これは、より詳細には、この板状要素が停止することなくオンザフライで固定装置21によって捕捉され、かつ測定及び補正もこの前進中に行われることを意味する。従って、板状要素10は、前進するのを決して中止せず、これは、1時間当たり12000シート程度という非常に高い加工速度を達成することを可能にする。
【0031】
本発明による配置方法は、それが、同じく板状要素10の前進中に行われるが、それが固定装置21によって給送器20に取り付けられる前である付加的段階を含む点で、既存の方法とは異なる。第1の付加的段階は、板状要素10の横縁部のうちの1つ、すなわち、板状要素10の前縁又は後縁のいずれかの長手方向配置誤差及び斜め配置誤差を測定することにある。第2の付加的段階は、測定された長手方向配置誤差及び斜め配置誤差に応じて給送器20を制御することにある。
【0032】
具体的には、既存のシステムでは、固定装置21は、各板状要素を同じ方式で捕捉するが、これは、捕捉を正しく行うことができないために、長手方向及び斜め配置の同時の有意な誤差を補正することを可能にしない。
【0033】
図5A及び図5Bに、本発明による配置方法を概略的に示している。図5Aでは、板状要素10は、かなりの斜め位置決め誤差及び普通の長手方向配置誤差を有する状態で呈示されている。2つの前部センサ8は、長手方向配置誤差及び斜め配置誤差を同時に測定することを可能にする。
【0034】
図5Bは、固定装置21が板状要素10を給送器20に取り付ける瞬間を示している。給送器20が、測定された配置誤差に応じて制御されているので、固定装置21は、板状要素10を前縁上にある前部廃棄区画13内で正確に摘み取ることにより、オンザフライで板状要素10を捕捉する。
【0035】
図5Cは、センサ7による板状要素10の横方向、長手方向、及び斜めの配置誤差の測定を概略的に示している。図5Dは、板状要素10が把持部材31の挟みによって捕捉される時の板状要素10の配置を概略的に示している。
【0036】
すなわち、本発明による加工機械は、板状要素10が動いているが、それを給送器20に取り付けるためにそれが固定装置21によってオンザフライで捕捉される前の時点で板状要素10の縦縁部の通過を検出することができる少なくとも2つのセンサ8を含む。このために、センサ8は、センサ7の上流に配置される。図5では、検出されるのは前縁の通過である。代替的に、板状要素10の後縁の通過を検出することによって上流縁部の配置を測定することも全く可能である。いずれにしても、センサ8は、極めて簡素な構造のものとすることができる。例えば、前縁の通過を検出するのには、2つの光線の遮断で十分である。代替的に、板状要素の表面上を摺るか又は転がる誘導センサによって供給される信号の突然の変化は、後縁を容易に検出することを可能にする。
【0037】
いずれにしても、センサ8によって送信される測定値によって計算及び制御ユニット40が判断するのは通過時間である。計算及び制御ユニット40は、次に、移動速度の知識によって配置誤差を計算し、次に、その結果として、横断方向駆動装置及び長手方向駆動装置に制御信号を送信することによって給送器20を制御する。
【0038】
本方法及びそれを用いる機械は、従って、長手方向配置及び斜め配置の同時の有意な誤差を補正し、かつ許容範囲外の配置誤差による機械停止の危険性を大幅に低減することを可能にする。
【符号の説明】
【0039】
10 板状要素
12 位置合わせマーク
21 固定装置
31 把持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペース配分された流れで板状要素(10)を連続するステーション(3、4、5)内に搬送するコンベヤ(30)の複数の把持部材(31)内にこれらの板状要素(10)を配置するための給送器(20)を含み、該給送器(20)には固定装置(21)が設けられ、該給送器(20)が計算及び制御ユニット(40)によって駆動される加工機械(1)内に板状要素(10)を配置する方法であって、
各板状要素(10)の前進中に、
前記板状要素(10)の前縁又は後縁を検出することにより、理論上の位置に対する該板状要素(10)の長手方向配置誤差及び斜め配置誤差を測定すること、
前記測定された長手方向配置誤差及び前記斜め配置誤差に従って給送器(20)を制御すること、
前記板状要素(10)を前記給送器(20)に取り付けるために固定装置(21)を作動させること、
前記板状要素(10)上に印刷された位置合わせマーク(12)を検出することにより、理論上の位置に対する、前記給送器(20)に取り付けられた該板状要素(10)の前記長手方向配置誤差、横断方向配置誤差、及び前記斜め配置誤差を測定すること、及び
前記給送器(10)を、該給送器(10)が取り付けられた前記板状要素(10)の前記配置誤差に従って制御すること、
を含んだ連続するステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
ペース配分された流れで板状要素を連続するステーション(3、4、5)内に搬送するコンベヤ(30)の複数の把持部材(31)内にこれらの板状要素(10)を配置するための固定装置(21)が設けられた給送器(20)と、
前記給送器(20)を横方向に移動させることができる横方向駆動装置と、
前記給送器(20)を縦方向に移動させることができる2つの長手方向駆動装置と、
前記板状要素(10)の表面によって反射された光の強度を測定することができる少なくとも3つのセンサ(7)と、
前記センサ(7)から測定値を受信するとともに、前記横方向駆動装置、前記長手方向駆動装置、及び前記固定装置(21)を制御する計算及び制御ユニット(40)と、
を含む、板状要素を加工するための機械であって、
板状要素(10)の長手方向縁部の通過を検出することができる少なくとも2つのセンサ(8)、
も含み、
前記センサ(8)は、前記センサ(7)の上流に配置され、かつ計算及び制御ユニット(40)に接続される、
ことを特徴とする機械。
【請求項3】
前記センサ(8)は、前記板状要素(10)の前縁の通過を検出することができることを特徴とする請求項2に記載の板状要素を加工するための機械。
【請求項4】
前記センサ(8)は、前記板状要素(10)の後縁の通過を検出することができることを特徴とする請求項2に記載の板状要素を加工するための機械。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A−5D】
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【公表番号】特表2013−500218(P2013−500218A)
【公表日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−520939(P2012−520939)
【出願日】平成22年7月16日(2010.7.16)
【国際出願番号】PCT/EP2010/004332
【国際公開番号】WO2011/009567
【国際公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【出願人】(592233428)ボブスト ソシエテ アノニム (31)
【Fターム(参考)】