説明

加工装置

【課題】被加工物に応じて光の当て具合を適宜調整可能な加工装置を提供する。
【解決手段】撮像手段は、チャックテーブル20に保持された被加工物Wを撮像するカメラ94と、ハーフミラー72と、被加工物Wを照明する第1ストロボ光源70と、環状に配設された複数の光ファイバ112と、該複数の光ファイバ112の他方の端面に光を入射して該チャックテーブル20に保持された被加工物Wをリング照明する第2ストロボ光源98と、該第1ストロボ光源70と該ハーフミラー72との間に配設された第1光量調整器82と、該第2ストロボ光源98と該複数の光ファイバ112の他方の端面との間に配設された第2光量調整器100と、を含み、該第1光量調整器82及び該第2光量調整器100は、回転軸を有する回転板88,106と、開口部とを備え、該開口部は該回転軸の回転角度に応じて透過する光量が連続的に変化するように末広がりに形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエーハ等の被加工物に加工を施す切削装置、レーザ加工装置等の加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
IC、LSI等の複数のデバイスが分割予定ラインによって区画されてその表面に形成されたウエーハは、ダイシング装置(切削装置)又はレーザ加工装置によって分割予定ラインに沿って個々のデバイスに分割され、分割されたデバイスは携帯電話、パソコン等の電気機器に広く利用されている。
【0003】
ダイシング装置又はレーザ加工装置等の加工装置は、半導体ウエーハ等の被加工物を保持するチャックテーブルと、チャックテーブルに保持された被加工物に加工を施す加工手段と、チャックテーブルに保持された被加工物を撮像する撮像手段と、チャックテーブルと加工手段とを相対的に加工送りする加工送り手段とを少なくとも備えている。
【0004】
撮像手段は、一般的に、被加工物を撮像するカメラとカメラで撮像された像を拡大する顕微鏡を含んでおり、加工すべき領域である分割予定ラインを検出して高精度に切削ブレード又はレーザ加工ヘッドを加工すべき分割予定ラインに位置付けることができる。
【0005】
従来の加工装置では、撮像手段で加工すべき分割予定ラインを検出してアライメントを遂行するために、チャックテーブルを停止して撮像手段で切削すべき領域を撮像するようにしていたため、アライメントの遂行に比較的時間がかかり、生産性が悪いという問題がある。
【0006】
そこで、本願の出願人は、光源にストロボ光を採用し、撮像手段のCCDカメラがストロボ光の照射に同期してウエーハの撮像領域を撮像するようにした撮像手段を特開2010−76053号公報で提案した。この撮像手段を具備した切削装置によると、ウエーハが未だ移動中であっても静止画像を取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2010−76053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示された撮像手段では、ストロボ光はチャックテーブルに保持された被加工物に垂直に照射される。このように被加工物がストロボ光により垂直に照射されると、被加工物で反射された反射光の強度によって撮像手段で撮像された画像が不鮮明になることがあるという問題がある。
【0009】
また、垂直照明では被加工物の撮像画像が不鮮明になる場合でも、カメラの光軸に対して傾斜した光を被加工物に照射すると鮮明な撮像画像が得られる場合があるにもかかわらず、従来の撮像手段では光の当て具合を被加工物に対応して適宜調整できないという問題がある。
【0010】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、チャックテーブルに保持された被加工物への照明光の当て具合を適宜調整可能な加工装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明によると、被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物に加工を施す加工手段と、該チャックテーブルに保持された被加工物を撮像する撮像手段と、該チャックテーブルと該加工手段とを相対的に加工送りする加工送り手段とを備えた加工装置であって、該撮像手段は、該チャックテーブルに保持された被加工物を撮像するカメラと、該カメラの光軸上に配設されたハーフミラーと、該ハーフミラーを介して該チャックテーブルに保持された被加工物を垂直照明する第1ストロボ光源と、該カメラの光軸を中心として一方の端面が該チャックテーブルに保持された被加工物に対面して環状に配設された複数の光ファイバと、該複数の光ファイバの他方の端面に光を入射して該チャックテーブルに保持された被加工物をリング照明する第2ストロボ光源と、該第1ストロボ光源と該ハーフミラーとの間に配設された第1光量調整器と、該第2ストロボ光源と該複数の光ファイバの他方の端面との間に配設された第2光量調整器と、を含み、該第1光量調整器及び該第2光量調整器の各々は、回転軸を有する回転板と、該第1ストロボ光源又は該第2ストロボ光源から照射されるストロボ光を透過する該回転板に形成された開口部とを備え、該開口部は該回転軸の回転角度に応じて透過する光量が小から大に連続的に変化するように末広がりに形成されていることを特徴とする加工装置が提供される。
【発明の効果】
【0012】
本発明の加工装置は、垂直照明とリング照明とを適宜選択して、又は両照明を複合して被加工物を照明する撮像手段を備えているので、被加工物に対する照明光の当て具合を被加工物に応じて最適に調整することができ、鮮明な撮像画像を得ることができる。
【0013】
また、垂直照明とリング照明との光量を調整する光量調整器がそれぞれに対応して配設されているので、被加工物の撮像に適した光量を選択できる。特に、キセノンフラッシュの如く光の強さを調整できないストロボ光源を用いて撮像する場合には好都合である。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明実施形態の切削装置の概略構成図である。
【図2】ダイシングテープを介して環状フレームに支持された半導体ウエーハの斜視図である。
【図3】分割予定ライン検出時の本発明実施形態の撮像ユニットの構成及びその作用を説明する模式図である。
【図4】図4(A)は光量調整器の斜視図、図4(B)はその正面図である。
【図5】対物レンズユニットの底面図である。
【図6】切削溝の状態確認時の本発明実施形態の撮像ユニットの作用を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明実施形態に係る切削装置2を図面を参照して詳細に説明する。図1は、切削装置2の概略構成図を示している。切削装置2は、静止基台4上に搭載されたX軸方向に伸長する一対のガイドレール6を含んでいる。
【0016】
X軸移動ブロック8は、ボール螺子10及びパルスモータ12とから構成されるX軸送り機構(X軸送り手段)14により加工送り方向、即ちX軸方向に移動される。X軸移動ブロック8上には円筒状支持部材22を介してチャックテーブル20が搭載されている。
【0017】
チャックテーブル20は多孔性セラミックス等から形成された吸着部(吸着チャック)24を有している。チャックテーブル20には図2に示す環状フレームFをクランプする複数(本実施形態では4個)のクランパ26が配設されている。
【0018】
図2に示すように、切削装置2の加工対象である半導体ウエーハWの表面においては、第1のストリートS1と第2のストリートS2とが直交して形成されており、第1のストリートS1と第2のストリートS2とによって区画された領域に多数のデバイスDが形成されている。
【0019】
ウエーハWは粘着テープであるダイシングテープTに貼着され、ダイシングテープTの外周部は環状フレームFに貼着されている。これにより、ウエーハWはダイシングテープTを介して環状フレームFに支持された状態となり、図1に示すクランパ26により環状フレームFをクランプすることにより、チャックテーブル20上に支持固定される。
【0020】
X軸送り機構14は、ガイドレール6に沿って静止基台4上に配設されたスケール16と、スケール16のX座標値を読みとるX軸移動ブロック8の下面に配設された読み取りヘッド18とを含んでいる。読み取りヘッド18は切削装置2のコントローラに接続されている。
【0021】
静止基台4上には更に、Y軸方向に伸長する一対のガイドレール28が固定されている。Y軸移動ブロック30は、ボール螺子32及びパルスモータ34とから構成されるY軸送り機構(割り出し送り機構)36によりY軸方向に移動される。
【0022】
Y軸移動ブロック30にはZ軸方向に伸長する一対の(一本のみ図示)ガイドレール38が形成されている。Z軸移動ブロック40は、図示しないボール螺子とパルスモータ42から構成されるZ軸送り機構44によりZ軸方向に移動される。
【0023】
46は切削ユニット(切削手段)であり、切削ユニット46のスピンドルハウジング48がZ軸移動ブロック40中に挿入されて支持されている。スピンドルハウジング48中にはスピンドルが収容されて、エアベアリングにより回転可能に支持されている。スピンドルはスピンドルハウジング48中に収容された図示しないモータにより回転駆動され、スピンドルの先端部には切削ブレード50が着脱可能に装着されている。
【0024】
スピンドルハウジング48にはアライメントユニット(アライメント手段)52が搭載されている。アライメントユニット52はチャックテーブル20に保持されたウエーハWを撮像する撮像ユニット(撮像手段)54を有している。切削ブレード50と撮像ユニット54はX軸方向に整列して配置されている。
【0025】
次に、図3を参照して、本発明実施形態に係る撮像ユニット54の構成について説明する。撮像ユニット54は撮像領域に対面する対物レンズアセンブリ74を収容する枠体56を有しており、枠体56の先端部近傍には透明体から形成された隔壁58が取り付けられている。
【0026】
枠体56の先端部と、隔壁58と、チャックテーブル20に保持されたウエーハWにより仕切られた空間内に水充填室60が画成される。枠体56の先端56aとチャックテーブル20に保持されたウエーハWとの間の間隔は約0.5〜1mm程度であるのが好ましい。ウエーハWのカーフチェック時には、水充填室60内には開閉弁66及び水供給口62を介して水源64からの水が供給されて充填される。
【0027】
対物レンズアセンブリ74は、環状部材76と、環状部材76中に収容された対物レンズ78を含んでおり、透明隔壁58上に載置されている。図5に最もよく示されるように、環状部材76には環状に配設された複数の貫通孔77が形成されている。
【0028】
110は複数の光ファイバ112から構成された光ファイバ束であり、各光ファイバ112の一端が貫通孔77中に挿入されてチャックテーブル20に保持されたウエーハWに対面するように配設されている。光ファイバ112の他端は透明ブロック108に接続されている。
【0029】
本実施形態の撮像ユニット54はストロボ光源の一種である二つのキセノンフラッシュ70,98を備えている。キセノンフラッシュ70から出射されたストロボ光の一部はハーフミラー72により反射されて、対物レンズ78及び透明隔壁58を介してチャックテーブル20に保持されたウエーハWに照射される。
【0030】
対物レンズ78の光軸上にはストロボ光で照射されたウエーハWを撮像するCCDカメラ94が配設されている。CCDカメラ94で撮像された画像はモニタ96上に表示される。
【0031】
キセノンフラッシュ70とハーフミラー72との間には、キセノンフラッシュ70から発せられた光の光量を調整する光量調整器82が配設されている。光量調整器82は、図4に示すように、パルスモータ84と、パルスモータ84に連結された回転軸86と、回転軸86の先端に固定された回転板88とを含んでいる。
【0032】
回転板88には、キセノンフラッシュ70から照射される光を透過する開口部(隙間部)90が形成されており、開口部90は回転軸86の回転角度に応じて透過する光量を最小値と最大値の間で徐々に(連続的に)変化させるように末広がりに形成されている。即ち、開口部90は幅の狭い一端90aから幅が広い他端90bに渡りその幅が徐々に変化するように形成されている。
【0033】
再び図3を参照すると、CCDカメラ94はキセノンフラッシュ70の発光に同期して、チャックテーブル20に保持されたウエーハWの撮像領域を撮像し、撮像された画像はモニタ96上に表示される。キセノンフラッシュ70、CCDカメラ94及びパルスモータ84は制御手段80に接続されており、制御手段80により制御される。
【0034】
他のキセノンフラッシュ98と光ファイバー束110が接続された透明ブロック108との間には、キセノンフラッシュ98から発せられた光の光量を調整する光量調整器100が配設されている。
【0035】
光量調整器100は図4に示された光量調整器82と実質的に同一構造であり、パルスモータ102と、パルスモータ102に連結された回転軸104と、回転軸104の先端に固定された回転板106とを含んでいる。
【0036】
回転板106には開口部が形成されており、回転軸104の回転角度に応じて開口部を透過する光量を最大値と最小値の間で変化させる開口部に配設された図4の回転板88と同様な構成になっている。
【0037】
キセノンフラッシュ98が発光すると、光量調整器100で最適な光量に調整された光が透明ブロック108に入射し、光ファイバ112を伝搬してリング状(環状)に配設された複数の貫通孔77内に挿入された光ファイバ112の端面より、チャックテーブル20に保持されたウエーハWに向かってリング状に照明される。本明細書では、キセノンフラッシュ98からの照明をリング照明と称することにする。一方、キセノンフラッシュ70からの照明を垂直照明と称することにする。
【0038】
CCDカメラ94はキセノンフラッシュ98の発光に同期して、チャックテーブル20に保持されたウエーハWの撮像領域を撮像し、撮像された画像はモニタ96上に表示される。キセノンフラッシュ98及びパルスモータ102は制御手段80に接続されており、制御手段80により制御される。
【0039】
上述のように構成された撮像ユニット54の作用について以下に説明する。まず、切削加工の対象となるウエーハWをチャックテーブル20により吸引保持し、X軸送り機構14を駆動して撮像ユニット54の直下にウエーハWを位置付ける。
【0040】
本実施形態の撮像ユニット54では、CCDカメラ94がキセノンフラッシュ70,98からのストロボ光の照射に同期してウエーハWの撮像領域を撮像するため、ウエーハWが未だ移動中であっても明瞭な静止画像を取得することができる。
【0041】
撮像ユニット54でウエーハWの撮像領域を撮像する場合には、ウエーハWの種類等に応じて垂直照明とリング照明とを適宜選択する。或いは、垂直照明とリング照明とを併用してウエーハWを照明することができるので、光の当て具合をウエーハWに対応して調整することができる。
【0042】
キセノンフラッシュ70を使用した垂直照明で撮像する場合には、まず光量調整器82のパルスモータ84を駆動して回転板88を回転し、回転板88の開口部90を透過するキセノンフラッシュ70からのストロボ光の光量が最適位置となる位置でパルスモータ84の駆動を停止する。
【0043】
最適位置の検出は、パルスモータ84により開口部90を有する回転板88を回転させながらCCDカメラ94でウエーハWを撮像し、その撮像画像をモニタ96上で観察することにより決定する。
【0044】
開口部90を透過する光量が最適となる位置を検出して回転板88を該位置で固定した後、アライメント工程を実施する。本実施形態のアライメント工程では、X軸送り機構14でチャックテーブル20に保持されたウエーハWをX軸方向に移動させながら、ウエーハWのある点(これをA点とする)が撮像ユニット54の直下にきた時点でキセノンフラッシュ70を発光させてウエーハWの撮像領域を照明する。
【0045】
キセノンフラッシュ70の発光と同期してCCDカメラ94でA点でのデバイスDを撮像し、アライメントユニット52に予め記憶されているターゲットパターンの画像と一致するターゲットパターンを検出し、A点でのターゲットパターンの座標値をアライメントユニット52のメモリに格納する。
【0046】
次いで、チャックテーブル20を移動してA点から離れたB点でA点で撮像したストリートS1と同一のストリートS1に隣接するデバイスDを撮像し、同様な操作によりターゲットパターンを検出して、B点でのターゲットパターンの座標値をアライメントユニット52のメモリに格納する。
【0047】
次いで、A点でのターゲットパターンの座標値とB点でのターゲットパターンの座標値を結んだ直線が、X軸方向と平行となる様にチャックテーブル20を回転する。次いで、ターゲットパターンとストリートS1の中心線との距離分だけ切削ユニット46をY軸方向に移動することにより、切削ブレード50を切削すべきストリートS1に整列させるアライメントが達成される。
【0048】
第1のストリートS1のアライメント実施後、チャックテーブル24を90度回転してから、ストリートS2についても同様な操作を実行して、第2のストリートS2のアライメントを遂行する。
【0049】
アライメント遂行時には、チャックテーブル20に保持されたウエーハWには切削水又は切削屑等が付着していないので、水充填室60内に水を供給する必要はない。本実施形態の撮像ユニット54でのアライメント時の撮像では、キセノンフラッシュ70からの照射に同期してCCDカメラ94でウエーハWの切削すべき領域が撮像されるため、チャックテーブル20に保持されたウエーハWが撮像ユニット54の下を移動中にも静止画像を撮像することができる。その結果、迅速にウエーハWの撮像を行うことができ、アライメントにかかる時間を短縮することができる。
【0050】
キセノンフラッシュ98を使用したリング照明の場合にも、CCDカメラ94がキセノンフラッシュ98からのストロボ光の照射に同期して、リング状に照明されたウエーハWの撮像領域を撮像するため、ウエーハWが未だ移動中であっても明瞭な静止画像を取得することができる。
【0051】
リング照明の場合にも、光量調整器100で回転板106に装着された遮光板の最適セグメントを選択した後、アライメント工程を実施する。キセノンフラッシュ98を使用したリング照明の場合もキセノンフラッシュ70を使用した垂直照明と同様であるので、アライメント工程の詳細は省略する。
【0052】
本実施形態の撮像ユニット54では、キセノンフラッシュ70を使用した垂直照明とキセノンフラッシュ98を使用したリング照明とを適宜選択して、又は両者を併用してウエーハWを照明することができるので、光の当て具合をウエーハWの種類に対応して調整でき、モニタ96上に鮮明な撮像画像を表示することができる。
【0053】
アライメントが終了すると、チャックテーブル20をX軸送り機構14でX軸方向に加工送りしながら高速回転する切削ブレード50を、ウエーハWを通してダイシングテープTまで所定量切り込ませることにより第1のストリートS1を切削する。
【0054】
Y軸送り機構36を駆動して切削ブレード50を割り出し送りしながら同一方向の全ての第1のストリートS1を切削する。次いで、チャックテーブル20を90度回転させて第1のストリートS1に直交する第2のストリートS2を切削する。
【0055】
ウエーハWの切削途中で切削溝の状態を確認したい場合、即ちカーフチェックを行いたい場合には、X軸送り機構14を駆動してチャックテーブル20に保持されたウエーハWを撮像ユニット54の直下に位置付ける。
【0056】
図6に示すように、開閉弁66を開いて水充填室60内に水を供給して、ウエーハWに付着している切削屑及び/又は切削水を綺麗な水で洗い流す。水充填室60内に常に水を供給しながらキセノンフラッシュ70又はキセノンフラッシュ98を発光してウエーハWの撮像領域をストロボ光で照明する。
【0057】
キセノンフラッシュ70又はキセノンフラッシュ98の発光に同期してCCDカメラ94で撮像されるため、チャックテーブル20が未だ移動中であってもCCDカメラ94で綺麗な静止画像を撮像することができる。
【0058】
CCDカメラ94の出力はモニタ96に入力され、モニタ96上には撮像した切削溝114が表示される。オペレータはモニタ96上の画像を見ながら切削溝114に発生するチッピング116等を観察することができ、切削溝114の状態を確認可能である。
【0059】
切削溝114の両側に形成されたチッピング116の発生割合が多くなった場合には、切削ブレード50に目詰まり等が生じていると判断し、オペレータは切削ブレード50を新たな切削ブレードに交換する等の処置を実施する。
【0060】
本実施形態の撮像ユニット54でのアライメント時の撮像では、キセノンフラッシュ70又はキセノンフラッシュ98からのストロボ光の照射に同期してCCDカメラ94で適切な光量で照射された切削すべき領域を撮像するため、チャックテーブル20に保持されたウエーハWが撮像ユニット54の下を移動中にも静止画像を撮像することができる。その結果、迅速にウエーハWの撮像を行うことができ、アライメントにかかる時間を短縮することができる。
【0061】
また、カーフチェックを行う場合には、水充填室60内に水を供給しながらキセノンフラッシュ70又はキセノンフラッシュ98の発光に同期してCCDカメラ94で適切な光量で照射された撮像領域を撮像するため、チャックテーブル20が未だ移動中であってもCCDカメラ94で静止画像を撮像することができる。よって、カーフチェックを迅速に行うことができ、カーフチェックを行っても生産性を低下させることが抑制される。
【0062】
更に、本実施形態では、キセノンフラッシュ70を使用した垂直照明とキセノンフラッシュ98を使用したリング照明と適宜選択して、又は両者を併用してチャックテーブル20に保持されたウエーハWを照明することができるので、光の当て具合をウエーハWの種類に対応して調整でき、CCDカメラ94で常に鮮明な画像を取得することができる。
【0063】
上述した実施形態では、本発明の撮像ユニット54を切削装置2に適用した例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の切削ユニット54はレーザ加工装置等の他の加工装置にも同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0064】
2 切削装置
14 X軸送り機構
20 チャックテーブル
36 Y軸送り機構
44 Z軸送り機構
46 切削ユニット
50 切削ブレード
52 アライメントユニット
54 撮像ユニット
60 水充填室
68 対物レンズ
70 キセノンフラッシュ
74 対物レンズアセンブリ
77 貫通孔
78 対物レンズ
82 光量調整器
94 CCDカメラ
96 モニタ
98 キセノンフラッシュ
100 光量調整器
112 光ファイバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工物を保持するチャックテーブルと、該チャックテーブルに保持された被加工物に加工を施す加工手段と、該チャックテーブルに保持された被加工物を撮像する撮像手段と、該チャックテーブルと該加工手段とを相対的に加工送りする加工送り手段とを備えた加工装置であって、
該撮像手段は、該チャックテーブルに保持された被加工物を撮像するカメラと、
該カメラの光軸上に配設されたハーフミラーと、
該ハーフミラーを介して該チャックテーブルに保持された被加工物を垂直照明する第1ストロボ光源と、
該カメラの光軸を中心として一方の端面が該チャックテーブルに保持された被加工物に対面して環状に配設された複数の光ファイバと、
該複数の光ファイバの他方の端面に光を入射して該チャックテーブルに保持された被加工物をリング照明する第2ストロボ光源と、
該第1ストロボ光源と該ハーフミラーとの間に配設された第1光量調整器と、
該第2ストロボ光源と該複数の光ファイバの他方の端面との間に配設された第2光量調整器と、を含み、
該第1光量調整器及び該第2光量調整器の各々は、回転軸を有する回転板と、該第1ストロボ光源又は該第2ストロボ光源から照射されるストロボ光を透過する該回転板に形成された開口部とを備え、
該開口部は該回転軸の回転角度に応じて透過する光量が小から大に連続的に変化するように末広がりに形成されていることを特徴とする加工装置。
【請求項2】
該第1及び第2光量調整器は、該回転軸に連結されたパルスモータを更に含む請求項1記載の加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−250338(P2012−250338A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−127008(P2011−127008)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(000134051)株式会社ディスコ (2,397)
【Fターム(参考)】