説明

加湿および流体加温のための特定の適用による電気ヒーター

【課題】低コスト、製造の容易さ、重量の減少、および効率の向上を図る。
【解決手段】加熱部材72は導電回路を有する第一ポリマーフィルムを含み、導電回路は導電インク、第二ポリマーフィルム、及び/又は抵抗性又は導電性オーバーモールド材料を含み、第一ポリマーフィルムは成型品46の表面に成型され、成型品46は加湿器又は加湿器の構成品となり、インモールド加熱部材41は第一ポリマーフィルム表面に導電回路を設けるステップと、ポリマーフィルムの非プリント面が金型に隣接するよう第一ポリマーフィルムを金型に置くステップと、第一ポリマーフィルムが成型品の少なくとも1つの表面に組み込まれるよう成型樹脂を挿入するステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2007年6月5日出願の豪州仮出願第2007902992号、2007年7月4日出願の豪州仮出願第2007903599号、および2007年11月8日出願の米国仮出願第60/986404号の優先権を主張し、これらの出願の内容を参照としてここに組み込んでいる。
【0002】
技術分野
本発明は、概して電気ヒーター、および特に流体の加熱に使用するための一体化した電気ヒーターに関する。より具体的には、本発明は容器内の流体を加熱するためのインモールド成型されたヒーターに関連する。電気ヒーターは、例えば加湿装置、電気ポット、他の流体を過熱する容器、ファンおよび類似のものを含む装置の範囲内において使用することができる。ヒーターは、呼吸用の加湿装置に使用することができる。
【背景技術】
【0003】
患者の気道の乾燥、ならびにその結果起こる患者の不快さおよび関連する障害を軽減するために、通常呼吸用の装置は、呼吸に適した気体の湿度を変化させるための装置を有する。気道陽圧(PAP)装置および患者のマスクの間に配置された加湿器の使用は、鼻粘膜の乾燥を最小にし、かつ患者の気道の快適性を増すための加湿気体を生成する。
【0004】
呼吸用装置に一体化した加湿器、または呼吸用装置に連結して構成された加湿器を含む多くのタイプの加湿器が提案された。また独立した加湿器も提案された。人工鼻(passive humidifier)は、若干の安心感を提供することができるが、患者が快適であるように、通常加温加湿器は、空気に十分な湿度および温度を提供することが要求される。
【0005】
通常加湿器は、数百ミリリットルの容量を有する水槽、槽内の水を加熱するための加熱部材、加湿レベルの変化を可能にするための制御機器、PAP装置からの気体を受け入れる気体流入口、および加湿、加圧された呼吸に適した気体の流れを患者のマスクへ供給するための気体導管に接続するよう設けられた気体流出口を備える。
【0006】
通常、加湿器槽は、加湿器制御ベースまたはシステムベース、または加湿器を有するPAP装置の正しい組み立てを容易にするためのクレードルのいずれかに直接取り付けられる。通常、加湿器制御ベースまたはシステムベース、もしくはクレードルは、加湿器槽内の水の加熱を促進するために加湿器槽のベースに接触する加熱プレートを備えている。
【0007】
図1は、加熱プレート18を備える制御ベース16を有する従来技術の加湿装置10を示す。空気流入口20、空気流出口22および熱伝導性槽ベース14、を備えた水槽12は、制御ベース16の加熱プレート18の上に乗るように設けられている。通常ベースシステムは、その上に水槽12が取り付くバネ仕掛けの加熱プレート18を備える。加熱プレート18および水槽12の間においていくらかの熱損失が起こるものの、バネ仕掛けの加熱プレート18は、水槽12の槽ベース14と良好な熱接触を保証する。例えばFisher& Paykel HC200(TM)システムおよびRespironics RemStar(TM)加温加湿器は、バネ仕掛けの加熱プレートを有する。しかし、このバネ仕掛けの加熱プレートは、水槽の挿入に対して摩擦力を与え、ある使用者、特に年配または虚弱な使用者にとって、水槽の設置が難しくなる場合がある。
【0008】
水槽12中の水は、加熱プレート18および水槽12の槽ベース14の間の熱伝導を介して加熱される。通常槽ベース14は、アルミニウムまたはステンレス鋼から形成される。通常槽ベース14は、水槽12から分離する構成品として形成され、かつ例えば接着剤を使用して水槽の上部、または型打ちした圧延縁に密閉して連結される。例えば、出願人の特許文献1を参照のこと。その全体の内容は、参照として組み込まれている。この結果、多数の構成品は加湿器の製造中に組み立てを必要とし、装置の大きさおよび重量が増加する。さらに組立構造により、密閉された構成品間の漏れの危険性が増加する。
【0009】
他の形のヒーターが知られているが、現在まで商業的に入手可能な呼吸用の加湿器の中にめったに、または全く使用されていない。ひとつの例は、出願人の特許文献2に記載されている誘導ヒーターであり、この内容全体は参照として組み込まれている。また柔軟な層状ヒーターが知られており、鏡、テレビ、ビデオカメラおよび携帯電話の画面の曇り取り、ならびに毛布ヒーターを含む利用範囲内にて使用されている。例えば、カーボンインクまたはシルバーインクなどの導電および抵抗インクを備えるプリント厚膜加熱部材が使用されている。図2は、プリント厚膜加熱部材28の一般構造を示し、プリント厚膜加熱部材は、プリントされた導電および抵抗インク層34を有する第一膜基板層30および第二膜32を備えている。二つの膜30、32は、圧感接着剤にてインク層34を挟み込むように共に重ね合わせられている。通常膜は、例えばポリエステルまたはポリイミドのような熱可塑性または熱硬化性ポリマーである。このような柔軟な層状ヒーターは、所望の加熱機能を提供するために、所望の表面に取り付けることができる。
【0010】
多くの製品には、表面に取り付けられたラベルが設けられている。通常ラベルは、装飾図案、ブランド、質感、説明、警告および他の図式的な事柄を製品に提供するために使用される。多くの異なる形の製品ラベルおよび、このようなラベルを目的物に付けるための技術がある。インモールドラベリングは、成型品の表面にラベルを付けるために使用される方法であり、ラベルは成型品の壁の中に付けられる。インモールドラベリングは、例えばおもちゃ、洗浄剤の容器、モーターオイル、飲料および類似のものなどのブロー成型および射出成型製品に使用される。ラベルは、既知のプリント技術、例えばフレキソ印刷、オフセット印刷、スクリーン印刷、または型押印刷などを使用してフィルムの上にプリントされる。特許文献3(Nishizawa et al.)は、インモールドラベリングの工程について記載している。
【0011】
図3は、インモールドラベル35の一般構造を示しており、図38がフィルム36上にプリントされている。形成されたプリントフィルム36、38は、開放金型内にフィルム36表面が金型に接するように配置され、保持される。金型は閉じられ、例えばプラスチックポリマーなどの熱い成型樹脂40が、一体的成型されたラベルと共に所望の物体の形に形成する金型に押し出される、または射出される。通常フィルム36は、プリントフィルムを成型品の壁内に接着し易くする加熱活性化接着剤を備えるポリプロピレンまたはポリエチレン共重合体からなる。
【0012】
通常の加湿器は、組み立てを必要とし、および重量が増加するという、多くの異なる構成品による不都合さを有する。異なる構成品の組み立て、ならびに加熱プレートおよび導電ベースプレートを有する槽の使用は、水漏れの危険を増加させる。本発明は、1つ以上のこれらの不都合点に対応するか、または少なくとも適切な代替形を提供しようとする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第2007/019626号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2007/101298号パンフレット
【特許文献3】米国特許第6,551,671号明細書
【特許文献4】米国特許出願第61/034,318号明細書
【特許文献5】米国特許出願第61/042,112号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の態様は、安全かつ有効な加熱を提供する加熱部材に対するものである。本発明の他の態様は、製造中に容器内に成型される加熱部材を提供する。さらなる態様は、少なくともひとつの表面上にプリントされた導電インクを有するポリマーフィルムを備えるインモールド加熱部材に関する。他の態様において、導電インクはカーボンおよび/またはシルバーインクである。さらなる態様において、ポリマーフィルムは、ポリエステル、ポリイミド、ポリカーボネートまたはポリプロピレンである。
【0015】
他の態様は、少なくともひとつの表面上にプリントされた導電インクを有するポリマーフィルムを備える加熱部材に関し、成型品の少なくともひとつの表面にポリマーフィルムが成型されている。追加的な態様において加熱部材は、電力および/または制御信号を提供するために導電インクに固定された電気コネクタを備える。さらなる態様において、加熱部材は、例えば加熱部材の温度を制御するための温度センサなどのセンサを備える。さらに他の態様は、加熱部材の過熱に対して保護するための保護システムを提供する温度ヒューズを含む。
【0016】
本発明の他の態様は、インモールド加熱部材を備える目的物の製造方法に関する。さらなる態様において、目的物は射出成型によって形成される。代替の態様において、目的物は押出成型によって形成される。
【0017】
本発明の他の態様は、インモールド加熱部材を備える加湿器の製造方法に関する。さらなる態様において、加湿器は部品数が少なく、および/または組み立て工程が単純である。
【0018】
さらに本発明の別の態様は、インモールド加熱部材から形成されたヒーターを備える呼吸用の加湿器に関する。
【0019】
なお本発明の別の態様は、単純な電気接続を有する電気ヒーターに関する。
【0020】
本発明のひとつのサンプル実施形態によると、加熱部材は表面上に設けられた導電回路を有する第一ポリマーフィルムを備える。第一ポリマーフィルムは電気的に絶縁であり、成型品の少なくともひとつの表面に成型されている。
【0021】
本発明の他のサンプル実施形態によると、インモールド加熱部材の製造方法は、i)第一ポリマーフィルムの第一表面上に導電回路を設けるステップ、ii)導電回路を含む第一ポリマーフィルムを、第一表面と逆の第一ポリマーフィルムの第二表面が金型に接するように金型に置くステップ、およびiii)第一ポリマーフィルムが、成型品の少なくともひとつの表面と一体になるように、所定の成型品を形成するために成型樹脂を挿入するステップを備える。
【0022】
本発明のさらなるサンプル実施形態によると、加湿器は、供給水を収容するよう構成された槽およびヒーターを備え、該ヒーターは表面に設けられた導電回路を有する第一ポリマーフィルムを備える。第一ポリマーフィルムは電気的に絶縁であり、槽は成型樹脂から形成され、ヒーターは少なくとも部分的に樹脂内に成型されている。
【0023】
なお本発明のさらなるサンプル実施形態によると、加圧された呼吸に適した気体の流れを加湿する方法は、加圧された呼吸に適した気体の流れを槽に収容した供給水に通過させるステップを備え、槽は成型樹脂から形成され、第一表面に導電回路を有する第一ポリマーフィルムを備えるヒーターは少なくとも部分的に樹脂内に成型されている。
【0024】
本発明のさらに他のサンプル実施形態によると、成型品は加熱部材を備え、該加熱部材は表面に導電回路を有する第一ポリマーフィルムを備えている。第一ポリマーフィルムは、成型品の少なくともひとつの表面に成型される。制御システムは、加熱部材の温度を制御するよう構成されている。
【0025】
本発明の他の態様、特徴および好都合点は、この開示の一部であり、一例として本発明の原理を示す添付の図面と関連させる場合、以下の詳細な説明により明らかになるだろう。
【0026】
本発明のサンプル実施形態は以下の添付の図面に関して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】従来技術の加湿装置の概念図である。
【図2】従来技術の厚膜カーボンヒーターの概念図である。
【図3】従来技術のインモールドラベルの概念図である。
【図4a】本発明のサンプル実施形態のインモールド厚膜カーボンヒーターの概念図である。
【図4b】本発明のサンプル実施形態のインモールド厚膜カーボンヒーターの概念図である。
【図4c】本発明のサンプル実施形態のインモールド厚膜カーボンヒーターの概念図である。
【図4d】平行な帯を有する導電インクパターンの本発明のサンプル実施形態の概念図である。
【図4e】1つの連続した回路を有する導電インクパターンの本発明のサンプル実施形態の概念図である。
【図4f】本発明のサンプル実施形態による加熱部材の概念図である。
【図4g】本発明の他のサンプル実施形態による加熱部材の概念図である。
【図4h】本発明の他のサンプル実施形態による加熱部材の概念図である。
【図4i】本発明の他のサンプル実施形態による加熱部材の概念図である。
【図4j】本発明の他のサンプル実施形態による加熱部材の概念図である。
【図4k】本発明の他のサンプル実施形態による加熱部材の概念図である。
【図5a】本発明のサンプル実施形態による加湿器の概念図である。
【図5b】本発明のサンプル実施形態による加湿器の概念図である。
【図5c】本発明のサンプル実施形態による加湿器の概念図である。
【図5d】本発明のサンプル実施形態による加湿器の概念図である。
【図6a】本発明の電気接続サンプル実施形態の概念図である。
【図6b】本発明の電気接続サンプル実施形態の概念図である。
【図6c】本発明の電気接続サンプル実施形態の概念図である。
【図6d】本発明の電気接続サンプル実施形態の概念図である。
【図6e】本発明の電気接続サンプル実施形態の概念図である。
【図7a】本発明のサンプル実施形態による加湿器に成型された加熱部材の電気接続用アクセスを提供する構成の概念図である。
【図7b】本発明のサンプル実施形態による加湿器に成型された加熱部材の電気接続用アクセスを提供する構成の概念図である。
【図8】本発明のサンプル実施形態による加熱部材コネクタ構造の概念図である。
【図9a】給電装置を有する成型加熱部材コネクタの接合配置の本発明のサンプル実施形態の概念図である。
【図9b】図9aの接合配置のA−Aに沿った断面の概念図である。
【図10】本発明の他のサンプル実施形態による電気コネクタ設計の概念図である。
【図11】本発明の他のサンプル実施形態による加熱部材および制御回路の概念図である。
【図12】本発明の他のサンプル実施形態による加熱部材および制御回路の概念図である。
【図13】本発明の他のサンプル実施形態による加熱部材および制御回路の概念図である。
【図14】本発明の他のサンプル実施形態による加湿器槽に使用される加熱部材および制御回路の概念図である。
【図15】本発明の他のサンプル実施形態による加湿器槽に使用される加熱部材および制御回路の概念図である。
【図16】本発明の他のサンプル実施形態による加湿器槽に使用される加熱部材および制御回路の概念図である。
【図17】本発明の他のサンプル実施形態による加湿器槽に使用される加熱部材および制御回路の概念図である。
【図18】本発明の他のサンプル実施形態による加湿器槽に使用される加熱部材および制御回路の概念図である。
【図19】本発明の他のサンプル実施形態による加湿器槽に使用される加熱部材および制御回路の概念図である。
【図20】本発明の他のサンプル実施形態による加湿器槽に使用される加熱部材および制御回路の概念図である。
【図21】本発明の他のサンプル実施形態による加湿器槽に使用される加熱部材および制御回路の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
加熱部材の第一実施形態
図4aは、本発明の方法により形成されたインモールド加熱部材41の一般構造を示す。カーボンインクまたはシルバーインクのような導電インク44が、フィルム42の表面にプリントされている。さらに、プリントフィルムおよび加熱部材の結合体72は、開放金型にフィルム42が金型に接するように配置される。金型は閉じられ、所望の物体を形成するために、成型樹脂46が閉じられた金型に射出される、または押し出される。得られた成型品は、成型品の壁に成型されたプリントフィルム加熱部材72を有する。
【0029】
一の実施形態において、フィルム42は例えばポリエステル、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリプロピレンまたは他のポリマーなどの熱可塑性または熱硬化性ポリマー材料であり、電気の絶縁特性と共に良好な熱伝導性、およびプリントインクの機械的な保護を提供する。フィルムは、十分な熱移動を提供すると同時に、プリントインクに対して安定したフィルムを提供するのに十分厚い。フィルムの厚さは0.01mm〜1mm、例えば0.05mm〜0.5mmとすることができる。
【0030】
加熱部材の第二実施形態
図4bに示すさらなるサンプル実施形態において、導電インク44および成型樹脂46の間に保護層を設けるために、第二フィルム43が導電インク44を挟むことに使用される。また第二フィルム43は、熱可塑性または熱硬化性ポリマー材料から形成されることができる。第二フィルム43はフィルム42と同様に電気的に絶縁性である。あるいは、さらに詳細に後述するように、第二フィルム43は抵抗性または導電性とすることができる。
【0031】
加熱部材の第三実施形態
図4cに示す他のサンプル実施形態において、保護層を提供するためにインク保護の第二層45が導電インク44の上にプリントされている。
【0032】
導電インクは、カーボンインクまたはシルバーインクもしくは他の任意の適当な導電インクとすることができでる。導電インクは通常約5μm〜40μm、例えば約10μm〜25μmの厚さに印刷される。しかし、厚さがさらに厚い、またはさらに薄い導電インクも本発明の範囲内であると考慮することができる。サンプル実施形態において、導電インクは、スクリーン印刷プロセスを使用してフィルム上にプリントされる。しかし、他の印刷工程、例えばエッチングなども使用可能であることを理解されるべきである。
【0033】
導電インクのパターンは、回路の熱および抵抗の分布に影響を及ぼす。フィルムに適用された導電インクのパターンは、異なる電力密度を提供するように調整することができる。導電インクパターンの厚さ、幅、長さ、および材料特性(抵抗性/導電性)は、回路の抵抗を決定する。厚い、または広いインクパターンは、薄い、または狭いインクパターンよりも抵抗が小さく、導電インクパターンが長くなると、抵抗は大きくなる。
加熱部材の第四実施形態
【0034】
サンプル実施形態において、回路に作用する特定の電圧を許容するために、インクパターンは所定の抵抗を設けるように設計される。例えば導電インクは、垂直の帯に例えば帯の縁にて連結された一連の平行の帯に適用することができ、またはインクはひとつの連続的な回路に適用することができる。
【0035】
図4dは、一連の連結された平行帯を有するインクパターンを示す。矢印は、回路の端に行われる電気接続を表す。これは単なる例であり、他のインクパターンも本発明の範囲内であることを理解されるべきである。
【0036】
加熱部材において異なる抵抗特性を提供するために、導電インク回路は、例えばカーボンおよびシルバーインクなどの導電インクの組み合わせを含むことができる。カーボンインクはシルバーインクに比べて抵抗が高い。例えば、図4dに示す一連の平行帯を形成するためにカーボンインク47を使用することができ、カーボンインク帯47をその周辺で連結するためにシルバーインク49を使用することができる。
【0037】
加熱部材の第五実施形態
図4eは、ひとつの連続的な回路を有するインクパターンを示す。図4dと同様に、矢印は回路の端に行われる電気接続を表す。またこれは、連続的な回路の一例であり、他の連続的なインクパターンも本発明の範囲内であることを理解されるべきである。
【0038】
加熱部材の第六実施形態
またさらなるサンプル実施形態において、導電インク回路は、他の導電要素構成品例えば一連の導電インク帯を連結するための、または電気接続のための金属帯含むことができる。図4fは、プリントされた導電インク44を有する第一層フィルム42a、および第一層フィルム42aの上のインク44にかぶせられた金属層70を備える加熱部材72を示す。第二フィルム42bは、金属層70を保持するために、重ねられている。任意の導電金属または合金、例えば銅、金、およびニッケルクロム、または他の任意の導電性金属を使用することができる。
【0039】
加熱部材の第七実施形態
導電インクの使用に関する多様な加熱部材のサンプル実施形態を示したが、加熱部材の回路は例えば、導電または抵抗性ポリマーフィルム、もしくは導電インクの代わりに、または追加としてオーバーモールド層から形成することができるということを理解されるべきである。例えば図4gに示すように、加熱部材41は回路パターンを設けるために型押しされた導電または抵抗性ポリマーフィルム43から形成された回路を含むことができる。導電または抵抗性ポリマーフィルム43回路は、型押しフィルム加熱部材73を形成するためにポリマーフィルム42の上に設けることができる
【0040】
加熱部材の第八実施形態
図4hに示すように、オーバーモールドフィルム加熱部材75を形成するために、加熱部材回路はフィルム42上の回路パターンへのオーバーモールディング57によって形成される。オーバーモールド層57は、抵抗性または導電材料から形成され得る。
【0041】
加熱部材の第九実施形態
図4iを参照すると、加熱部材41およびそのための制御回路を導電インク44、導電または抵抗性ポリマーフィルム43、および/またはオーバーモールディング57の任意の組み合わせによって形成することができる。さらに加熱部材41および制御回路は例えば図4fに関して示された金属層と共に使用されることを理解されるべきである。熱特性を制御するために、加熱部材回路および/または制御回路は、導電インク、導電または抵抗性ポリマーフィルム、および/またはオーバーモールディングの多数の層から形成されることができる。
【0042】
加熱部材の第10実施形態
図4jを参照すると、加熱部材回路は導電インク44から形成され、フィルムまたはフォイル43は例えばサーミスタのような熱センサ90、94の位置を決め、接続し、および/または熱的に保護することができる。センサの熱特性を制御するために、および/または加湿器槽の水からセンサを隔離するために、熱センサは、オーバーモールド57されることができる。
【0043】
加熱部材の第11実施形態
図4kに示すように、加熱部材は、プリントフィルム加熱部材72、型押しフィルム加熱部材73、および/またはオーバーモールド加熱部材75のいずれかとすることができ、水流の形成をもたらす加熱の差の原因となるよう構成された、例えば渦巻きの形などに形成することができる。例えば、加熱部材は渦巻き流を発生するよう構成することができる。他の例においては、加熱部材は、加湿器エリアに加熱の差を生じる部分を有して形成することができ、その部分は、加湿器の他の部分と比べて水の流れが少ないか、または停滞する傾向にある。
【0044】
上述した実施形態において、ポリカーボネート、例えばAstaloy(TM)などのポリカーボネートABS混合材、ポリエチレンおよびポリプロピレンのような樹脂を含む任意の適する成型樹脂が使用できる。成型品46は押出成型または射出成型技術または任意の適切な成型技術を用いて形成することができる。プリントフィルム加熱部材72、型押しフィルム加熱部材73、および/またはオーバーモールド加熱部材75を含む本発明のインモールドヒーター41を備える成型品46は、所望の形に作られることが可能であり、例えば、ウォーターバス、ヒーター、加熱ラック、注射器ヒーター、加湿器、例えばバッテリーヒーターなどの加熱容器、および他の適した成型可能な目的物および製品などの加熱の用途に使用することができる。
【0045】
加湿器および加湿器槽第一実施形態
ひとつのサンプル実施形態において、インモールド加熱部材41が加湿装置、例えば呼吸用加湿装置51内に形成される。図5aは、呼吸用加湿装置51内に使用される本発明のインモールド加熱部材41の実施形態を示す。導電インク44は、フィルム42にプリントされ、その後形成されたプリントインクフィルム加熱部材72は、加湿器槽50の成型中に、加湿器槽50のベースおよび/または側面に成型される。この実施形態において、加湿器槽50は上部54および下部52を備える。上部52は、加湿器槽50のベースにインモールド加熱部材41を備える。しかし、インモールド加熱部材41は加湿器槽50の例えば側面、ベース、上端部、またはそれらの組み合わせなどの任意の部分に形成することができることを理解されるべきである。
【0046】
加湿器および加湿器槽の第二実施形態
図5bに示される他のサンプル実施形態において、空気によって吸収される湿気を増加させるために、または供給空気の温度を調整するために、インモールドプリント加熱部材41は、加湿器を通過する空気を加熱するために使用される。
【0047】
加湿器槽50の上部54は、空気流入口120および空気流出口122を備える。しかし、空気流入口120または空気流出口122またはこれら両方を下部52に配置することもできる。槽の清掃および/または水の充填を容易にするために上部54は、取り外し可能なふたとして形成することができる。別の方法としては、上部54は、下部52に例えば溶接または接着、もしくはしっかり構成品を固定するための既知の他の任意の技術によって、恒久的に固定することこができる。上部54および下部52の間の密封は、水漏れの危険を減らすために行うことができる。加湿器槽50からの水漏れの可能性を減らすために、上部54および下部52の間の接合は、加湿器槽50の水充填の最大ラインより上に位置する。
【0048】
下記に詳細が示されるように、電気接続48は、形加湿器槽内に成型プロセスの一部として形成されたインモールド加熱部材41に電力を提供する。サンプル実施形態において、電気接続48は、電力源および/または制御源に取り付けられ、加湿器槽の水充填の最大ラインより上に配置される。
【0049】
成型された呼吸用の加湿器は、独立の加湿装置として構成することができる、または例えばResMed S8(TM)PAP装置およびHumidAire(TM) 3i加湿装置に類似した方法にて、PAP装置などの関連製品に取り付けるための一体化装置として設計することができる。インモールド加熱部材は、加熱部材を必要とする任意の適切な成型品に成型することができるということを理解されるべきである。
【0050】
加湿器槽の第三実施形態
インモールド加熱部材41が加湿器槽150の内表面に配置されておらず、槽150外表面に配置されている、加湿器槽のサンプル実施形態が図5cに示される。この実施形態において、インモールド加熱部材41は、上述のように槽150ベースの外表面に成型されることができる。または加熱部材41は、例えば接着剤を使用して槽150のベースに取り付けることができる厚いフィルムヒーターの形のプリントインクフィルム加熱部材72とすることができる。加熱部材41へのアクセスを防ぐために、また槽150は槽150のベースに取り付けられたベースカバー176を備える。一実施形態において、例えば食器洗浄機において、加熱部材41を乱すことなく槽の清掃を容易にするようにベースカバー176は接触点178にて封じられる。絶縁を設けるために空洞174が加熱部材41およびベースカバー176の間に形成される。熱がベースカバー176に伝えられるのを防ぐために、絶縁材料が空洞174に挿入される。この実施形態は、槽の外表面に電気接続が設けられている場合、電気接続に容易にアクセスすることができる。
【0051】
加湿器槽の第四実施形態
加湿器槽の他のサンプル実施形態が図5dに示される。この実施形態において、加湿器槽250は、開放ベースを有して成型されている。加熱部材41は、加湿器槽250のベースに配置され、ベースカバー276が加湿器槽250のベースに取り付けられる。ベースカバー276は、底の周辺の周りにクランプ290を用いて加湿器槽250のベースに取り付けることができる。水漏れを防ぐために封印材278を加湿器槽250およびベースカバー276の間に配置することができる。クランプ290は、例えば接着剤、または圧延エッジクランプ(rolled edge clamp)を使用して恒久的にベースカバー276を加湿器槽250に接着することができる。別の方法としては、清掃または消毒のためにクランプ290はベースカバー276の移動を許容する。この実施形態において、クランプ290は、ネジ式、または圧入装置または1つ以上のクリップの形とすることができる。さらにクランプ290は、例えばネジ式ベースカバー(図示せず)の形で、ベースカバー276の一体部分として形成することができる。加熱部材41は、上述のベースカバー276に成型され、または積層加熱部材272として加湿器のベースに配置される。積層加熱部材272は、接着剤などを使用してベースカバー276につけることができ、または積層加熱部材272の下に空洞274を設けるためにベースカバー276の上方に配置される。積層加熱部材272は、槽の中の水が積層加熱部材272の下に流れることができないように、加湿器槽250の内部ベースを設けることができる。この実施形態において、ベースカバー276を過剰な加熱から保護するために、加熱部材の下の空洞274は、絶縁層を提供することができる。別の方法としては、加熱部材272の両側の水が加熱されるよう、水が加熱部材272の両側に流れるように積層加熱部材272を加湿器槽250内に配置することができる。
【0052】
電気接続
インモールド加熱部材41は、加熱部材の動作のために電気接続を必要とする。電力供給装置への接続を可能にするために、少なくともインモールド加熱部材41の部分、または加熱部材41に取り付けられたコネクタへのアクセスが成型品(例えば加湿器槽)の適切な外部の位置に必要である。電気コネクタ構造は、例えば導電インク、導電または抵抗性ポリマーフィルム、および/またはオーバーモールディングなどの加熱部材回路および電気接点の間の電気接続を確立しなければならない。
【0053】
サンプル実施形態において、電気接続は、成型プロセス中に加熱部材と共に目的物に成型される。電気接続は、ヒーター回路への直接接触を介して、または追加的な構成品、例えば電電線または金属接点への接続を介してなされる。図6a〜図6eは、電気接続のサンプル実施形態を示す。これら全ての実施形態において、加熱部材回路、例えばプリントインクフィルム加熱部材72のプリント導電インク層44を備えるフィルム42が成型樹脂46に成型された状態で示されている。
【0054】
電気接続の第一実施形態
図6a、6bおよび6cは、例えばベース装置またはスタンド装置の上の電気タブまたはコネクタへの直接接触のための、インモールド加熱部材41、例えば導電インク44への直接アクセス60の例を示す。インモールド加熱部材41は、電力供給装置または電気プラグに接続された相補的な形状のタブまたはコネクタの上に配置される。図6aおよび6bにおいて、成型樹脂46は、くぼみ60を形成するように形付けられている。対照的に図6cにおいて、フィルム42および導電インク44は金型の一区画に露出しており、成型樹脂46がプリントフィルムの一部分に形成されていない。
【0055】
電気接続の第二実施形態
図6dおよび6eは、電気接続のための追加的な構成品の使用を示す。図6dはフィルム42上の導電インク44に固定された電線62を示す。圧着または端子ブロックなどの電気接続を固定する技術を用いて、フィルム42上の導電インク44に電線62を固定することができる。別の方法としては、フィルム42上の導電インク44への接続のために、固定された電線62は、硬い機械的な接触コネクタ、例えばプラグおよびスペードコネクタまたはバレットコネクタなどのソケットタイプコネクタを含むことができる。電線62は、成型樹脂による成型ステップより前にフィルム42上の導電インク44に固定される。したがって電気接続および電線62は、フィルム42上の導電インク44と共に成型品に成型される。図6eに示される他のサンプル実施形態において、金属接点などの導電材料64は、フィルム42上の導電インク44に固定され、導電材料64は、成型品46の外表面に露出し、図6a−6cに示す実施形態について上述したようにベースまたはスタンド装置の相補的な電気接触に直接の電気接触を提供する。
【0056】
加湿器槽の第5実施形態
図7aは、成型加湿器槽350に成型されている加熱部材41を有する加湿器槽350を示す。加熱部材41は、プリントインクフィルム加熱部材72とすることができ、加湿器槽350のベース351に形成され、少なくともひとつの側壁352の上方に延在している。側壁352は、電力および制御接続のための外部アクセスを提供するために、加湿器槽350内の水Wの上方に、および/または水Wから離れるように、加熱部材72と共に成型される。図7bは、電気接続のためのアクセスを提供する代替構成を示しており、加熱部材72は加湿器槽の側壁352を通って成型される。加熱部材72が側壁352の上部表面に示されるが、また下部表面に設けることもできる。
【0057】
電気接続の第3実施形態
成型品、例えば加湿器槽の電気のコネクタは、プリントインクフィルム加熱部材72などのインモールド加熱部材41の特徴を使用して形成される。図8は、コネクタ部の実施形態を示す。コネクタ部はフィルム42を備え、フィルム42はプリントされた導電インク層44を有し、かつさらに導電インク層44を覆うさらなる金属層70を有する。成型品、例えば加湿器槽を形成するために、成型樹脂46が加熱部材72の周囲に加えられる。この設計において、成型樹脂46は目的物の内表面に形成され、かつ加熱部材72は外表面にある。成型樹脂46は、構造的、および物理的な支持を電気接続に提供する。また成型は、加熱部材コネクタが電力供給コネクタと係合する場合に、案内補助を提供するよう設計することができる。導電接触コネクタを設けるために、金属層70を外表面に露出させることができる。
【0058】
電気接続の第4実施形態
図9aおよび9bは、接合コネクタ設計の例を示す。インモールド加熱部材41、例えば上述したプリントインクフィルム加熱部材72は、露出した成型品46の表面に形成される。相補的な形のコネクタ部分は、電力供給装置74に形成される。電力供給装置74の方向78へ成型品46が挿入された場合に、電力供給装置74のバネ接触76は、露出した接点、例えば成型品46の加熱部材72上の金属層70への電気接続を提供する。図9bは、成型品の接触部分の断面を示す。成型されたコネクタ部の形は、コネクタの位置合わせのために使用することができる。位置合わせの部分は、80および82に示される形と異なる形に形成することができる。
【0059】
電気接続の第5実施形態
図10は、加熱部材および電気接点の間の電気接続を提供する電気コネクタ構造の他のサンプル実施形態を示す。この実施形態において、頭部85と共にピン状構造83を有する電気コネクタ81は、成型品46およびインモールド加熱部材41、例えばプリントインクフィルム/膜加熱部材72を通って挿入される。電気コネクタ81のピン部分83は、成型品46内部から、頭部85が成型品46の内表面にあたって配置されるまで挿入される。ひとつの実施形態において、電気コネクタ81は、製造中に成型品46に成型される。代替実施形態において、電気コネクタ81は、成型品46が作られた後に挿入される。電気コネクタ81は、成型品46の壁を通過しながら加熱部材回路、例えば導電インク層44に接触する。また成型品46は、外表面のフィルム42を露出するよう設計することにより、導電インク44の一部分が外表面に露出することができる。導電インターフェース42aを増やすために、かつ電気コネクタ81を適切な位置に固定するために、保護装置84が電気コネクタ81のピン部分83に取り付られる。保護装置84は、ネジ式、リベット、または接着アダプタまたは類似の形とすることができる。しっかりした安全な接続を保証するために、封止86を設けることができる。電気コネクタは、加湿器槽の水位の上にすることができる。
【0060】
制御システムの第一実施形態
インモールド加熱部材による加熱レベルは、例えばサーミスタまたは熱電対などの温度センサを使用して制御することができる。図11に示すサンプル実施形態において、インモールドヒーター72は電気的に電力供給に直列な1つ以上のサーミスタ90、92およびフィルム42上のプリント導電インク44を含む。用途に応じて、正温度係数(PTC)サーミスタまたは負温度係数(NTC)サーミスタを加熱レベル制御に使用することができる。例えば、PTCサーミスタは、温度が所望の温度に増加している場合、加熱部材に対し発熱量を減少させるよう作用する。PTCサーミスタは、呼吸用の加湿装置に使用することができる。
【0061】
制御システムの第二実施形態
図12に図示されたサンプル実施形態が示すように、温度センサ94、またはサーミスタ、またはPTC電気特性を有する導電熱可塑性エラストマー(PTC−TPE)は、フィルム42上の導電インク44などの加熱部材回路と共に成型品46に成型することができる。
【0062】
制御システムの第3実施形態
図13に示す他のサンプル実施形態において、過熱から守るために、温度ヒューズ96をヒーター72表面の近くのフィルム42上の導電インク44に組み込むことができる。
【0063】
制御システムの第4実施形態
図14および15を参照すると、加湿器槽50は、例えば型押し抵抗性または導電ポリマーフィルム43およびポリマーフィルム42を含む型押しフィルム加熱部材73を備えるインモールド加熱部材を含むことができる。また槽50は、ポリマーフィルム43の43a、43b、43c部分を分けるオーバーモールド材料57を含むことができる。図14に示すように、水位Wがオーバーモールド材料57より上の場合、水は、ポリマーフィルム43の43a、43b、43c部分と共に導電回路を形成する水位Wがオーバーモールド材料57より下の場合、43a、43b、43c部分の導電路が切れる。したがってポリマーフィルム43は、水位センサとして使用することができる。例えば、電流計をポリマーフィルム43に接続することができる。水位Wがオーバーモールド材料57より下がった場合、導電路が切れ、電流計は電流が流れていないことを検出する。導電インクはポリマーフィルム43の代わりに、または追加して使用できるということを理解されるべきである。またポリマーフィルム43は、例えば導電インクフォイルに置換できるということを理解されるべきである。
【0064】
制御システムの第5実施形態
図16および17に示す他のサンプル実施形態によると、加湿器槽50は、導電インク44およびポリマーフィルム42を備えるプリントインクフィルム加熱部材72を含むことができる。また加湿器槽50は、加熱部材72の上に形成されたオーバーモールド材料57を含むことができる。図16および17に示すように、オーバーモールド材料57は、オーバーモールド材料57の残留物の上に形成された1つ以上の小山、または1つ以上の”噴火口”57aを含むことができる。小山57aは、例えば他のプリントインクフィルムヒーター72または型押しフィルムヒーター73を含む別のヒーター、サーミスタ90または92、温度センサ94または98、および/または温度ヒューズ96を含むことができる。図16に示すように、水位Wがオーバーモールド小山57aより上の場合、追加的な加熱部材72または73は導電となり、図17に示すように水位Wが小山57aより下の場合、非導電となる。したがって、小山57aにより追加的な加熱部材72または73は、上述したように水位センサとして作用することができる。同様にサーミスタ90または92および/または温度センサ94または98も水位センサとして動作することができる。例えば水位がオーバーモールド小山57aより下がる場合、水位が小山57aより下に下がったことを示す大きい温度差が検出されるだろう。
【0065】
制御システムの第6実施形態
図18に示す他のサンプル実施形態において、温度センサ98を加湿器槽ベースに隣接して配置することができ、水位の指標を提供するために使用することができる。例えば水位が非常に低い場合、加熱部材は非常に早く加熱する。また他のセンサ、例えば湿度センサを湿度レベルの指標を提供するために成型品に加熱部材の上に含むことができる。センサは、加熱部材の上に導電性接着剤を使用して導電インクに接触するよう設置され、保護のためにエポキシにて覆われる。また成型品の異なる部分に成型された温度センサは、二つの温度センサ間の温度および割合を検出することにより、流量の指標を提供する。
【0066】
制御システムの第7実施形態
図19を参照すると、加湿器槽は下部52および上部54を備えることができる。上部54は、空気流入口120および空気流出口122を備えることができる。下部52は、プリントフィルム加熱部材72を備えることができるが、上述のように、加熱部材を型押しフィルム加熱部材またはオーバーモールドフィルム加熱部材とすることができるということを理解されるべきである。
【0067】
下部52は、複数の温度センサ98、100、102、104を備えることができる。下部52の水位が下がる場合、各センサ104、102、100、98は、連続的に加湿器を通る空気の流れに露出する。水から空気の流れの検出温度の変化は、水位の指標を提供する。
【0068】
制御システムの第8実施形態
図20を参照すると、加熱部材72は加湿器槽50の下部52の側壁に沿って延在することができ、水位の指標を提供するために加熱部材に設けられた複数のセンサ98、100、102、104を含む。加熱部材72は、下部52の水にさらされていない区域ではより急速に加熱し、水にさらされていない加熱部材の区域のセンサは、高い温度を示す。また加熱部材72の回路は他の実施形態において示されたように例えばサーミスタおよび/または温度ヒューズを含むことができることを理解されるべきである。さらに加熱部材は上述したように型押しフィルム加熱部材またはオーバーモールドフィルム加熱部材とすることができるということを理解されるべきである。
【0069】
制御システムの第9実施形態
図21を参照すると、加湿器槽50は上部54および下部52を備えることができる。また上部は、熱センサ、またはセンサ106、108、110を備えることができる。上部54の空気の温度を検出するために、熱センサ106、108、110を水位、例えば下部52に規定された最大充填レベルの上に配置することができる。空気の温度が所定の温度、例えば40℃を越えた場合、空気の温度を下げるように加熱部材72に提供される電力を制御することができる。
【0070】
加熱部材72を図21に示すように下部52のベースに設けることができる、または加熱部材72を図20のように構成することができることを理解されるべきである。さらに任意の正数の温度センサ106、108、110を設けることができ、温度センサを加湿器槽50の上部54の多数の位置に設けることができることを理解されるべきである。加熱部材の制御をするために、例えば温度センサを入口120および/または出口122に設けることができる。入口の空気の温度が変化した場合、出口を所定の温度に保持するために加熱部材72に供給する電力を制御することができる。
【0071】
制御システムの変形
またフィルムは水位センサを含むことができる。例えば陰極プローブまたは温度センサを使用した熱勾配を含む水位センサは、成型品例えば加湿器槽に含まれる。センサは、ヒーターおよび水の間の熱の関係、および成型品の形を加湿器の機械的な要求に適応させる成型の能力に依存する。加熱部材を制御できるように、絶対および/または相対湿度センサ、いずれの湿度センサを加湿器に設けることができる。このような制御システムは、例えば、2008年3月6日出願の特許文献4および2008年4月3日出願の特許文献5に開示されており、双方の内容全体は参照としてここに組み込まれている。
【0072】
またヒーターは、区画に分けることができる。例えば水加熱区画および空気加熱区画を含むように、ヒーターをフィルムまたはオーバーモールド材料に設けることができる。各区画のそれぞれのヒーターはフィルム上に設けられた別々の検出部材、制御部材、および/または熱保護部材を含むことができる。また区画化は、検出および加熱のために水平方向とすることができる。水平の区画化により、水表面の加熱が予熱時間を改善し、エネルギー損失を減少させる。
【0073】
フィルムまたはオーバーモールド材料を介して成型品に成型されている温度センサに加えて、電子回路、または回路をフィルムまたはオーバーモールド材料の上に設け、および成型品に成型することができる。例えば、通常は消失する熱損失を回復するためにスイッチング制御部材をフィルムまたはオーバーモールド材料に設けることができる。回復した熱を加湿器室内の水の加熱に使用することができる。
【0074】
電力供給
電力供給は、独立の電力供給装置とすることができ、または一体型加湿装置のように、インモールドヒーターを備える装置のための電力および電気制御システムを提供するPAP装置のような補足装置に組み込むことができる。別の方法としては、電力供給装置は、加湿装置の構成品を形成する。
【0075】
利点
インモールド加熱部材の使用は、低コスト、製造の容易さ、重量の減少、および効率の向上を含む、従来の加熱技術に勝るいくつかの好都合点を提供する。例えば加熱部材を成型品に成型する能力は構成品の数、および完成品の組み立ての時間および複雑さを減少させる。ホットプレートおよび加熱導電プレートはもはや必要ないが、同等の機能を果たすインモールド加熱部材として結合できる。またこのような減少は、著しい費用節減を導くことができる。さらに加熱部材を、加熱が要求される場所に正確に含むことができる場合、加熱効率および応答時間を増すことができる。また加熱部材を成型品に成型することは、加湿器のように流体を保持するよう設計された成型品の漏れの可能性を最小にする。
【0076】
呼吸用の加湿器にインモールド加熱部材を使用することには、いくつかの有意な利点がある。例えば加湿器には、ホットプレートおよび加湿器槽ベースおよびホットプレートの間の良好な熱接触を保証するために加湿器槽を固定する構造的特徴を通常含むクレードルまたは台座装置はもはや必要ない。加湿器槽ベースの密封はもはや必要なく、漏れの問題は減少し、または最小化する。これらは、構成品の費用節減を導き、かつ加湿器装置製造の単純化された組み立ては、製造コストを少なくする。成型加湿器槽に加熱部材を組み込むことは、特に加湿器の使用時に、熱い加熱部材の露出の安全および保護を強化することができる。
【0077】
本発明は、現在考えられる最も実用的な実施形態に関連して説明されたが、本発明は開示された実施形態に限定されず、むしろ本発明の精神と技術範囲内に含まれる多様な改良形および同等の装置を包含するよう意図されているということを理解されるべきである。また例えばさらに他の実施形態を実現するためにひとつの実施形態の態様が他の実施形態の態様と組み合わさるというように、上述の多様な実施形態は、他の実施形態と関連して実行することができる。さらに、それぞれの独立した特徴または任意の所定のアセンブリの構成品は、追加的な実施形態を構成することができる。さらに、本発明が加湿およびOSAを患う患者への特定の適用によって示されているが、他の疾患を患う患者(例えば、うっ血性心不全、糖尿病、病的肥満、脳卒中、肥満手術など)も上記の技術の利益を享受することができることを理解されるべきである。さらに上記の技術は、患者および患者ではない人に同様に非医療の用途として適用することができる。
【0078】
本願に係る発明は、下記の実施形態を含む。
(1)加熱部材が、導電回路が表面に設けられた第一ポリマーフィルムを備え、前記第一ポリマーフィルムが電気的に絶縁性であり、かつ成型品の少なくともひとつの表面に成型されている、加熱部材。
(2)前記導電回路が導電インク、第二ポリマーフィルム、および前記加熱部材にオーバーモールドされた導電性または抵抗性材料のうち少なくともひとつを備える項目1に記載の加熱部材。
(3)前記導電インクが約5μm〜40μmの厚さに、例えば約10μm〜25μmの厚さにプリントされている項目2に記載の加熱部材。
(4)前記導電インクがカーボンインク、シルバーインク、またはそれらの組み合わせである項目2または3に記載の加熱部材。
(5)前記導電インクが前記第一ポリマーフィルムにエッチングまたはスクリーンプリントされている項目2〜4のいずれか一項に記載の加熱部材。
(6)前記第一ポリマーフィルムが熱可塑性または熱硬化性ポリマー材料である項目1〜5のいずれか一項に記載の加熱部材。
(7)前記第一ポリマーフィルムがポリエステル、ポリイミド、ポリカーボネートまたはポリプロピレンから作られている項目6に記載の加熱部材
(8)前記第一ポリマーフィルムの厚さが約0.01mm〜1mm、例えば約0.05mm〜0.5mmである項目1〜7のいずれか一項に記載の加熱部材。
(9)前記第二ポリマーフィルムが前記導電インクを前記成型品内に挟み込んでいる項目2〜8のいずれか一項に記載の加熱部材。
(10)前記第二ポリマーフィルムが電気的に絶縁である項目2〜9のいずれか一項に記載の加熱部材。
(11)前記第二ポリマーフィルムが電気的に抵抗性または導電性であり、かつ前記導電回路の少なくとも一部を形成するために型押しされ、かつ前記第一ポリマーフィルムに設けられている項目2〜9のいずれか一項に記載の加熱部材。
(12)加熱部材が、保護層を提供するために、前記導電インクの上にプリントされる第二層インクをさらに備える項目2〜11のいずれか一項に記載の加熱部材。
(13)加熱部材が、前記導電インクの上に金属層をさらに備える項目2〜11のいずれか一項に記載の加熱部材。
(14)前記金属が銅、金、ニッケル、クロムまたは他の任意の導電性金属または合金を備える項目13に記載の加熱部材。
(15)前記回路が前記金属層の上に前記第二ポリマーフィルムを備える項目13または14に記載の加熱部材。
(16)前記第二ポリマーフィルムが層状である項目15に記載の加熱部材。
(17)前記回路が複数の平行帯を備え、前記平行帯は少なくともひとつの垂直の帯によって連結されている項目1〜16のいずれか一項に記載の加熱部材。
(18)前記平行帯がカーボンインクであり、かつ前記少なくともひとつの垂直の帯がシルバーインクまたは金属である項目17に記載の加熱部材。
(19)前記回路がひとつの連続的なパターンを備える項目1〜16のいずれか一項に記載の加熱部材。
(20)前記ひとつの連続的なパターンが渦巻き状またはらせん状である項目19に記載の加熱部材。
(21)前記回路が所定の抵抗を提供するよう構成されている項目1〜20のいずれか一項に記載の加熱部材。
(22)加熱部材が、電力および電気制御信号を提供するために前記回路に接続された電気コネクタをさらに備える項目1〜21のいずれか一項に記載の加熱部材。
(23)前記電気コネクタが、前記電力供給の電気接点に接触するよう構成された前記導電インクの露出した部分を備える項目22に記載の加熱部材。
(24)前記電気コネクタがワイヤを備え、該ワイヤは前記導電インク層に固定され、かつ部分的に前記成型品に成型されている項目22に記載の加熱部材。
(25)前記ワイヤが圧着または端子ブロックのような電気接続によって前記導電インクに接続されている項目24に記載の加熱部材。
(26)前記ワイヤが例えばプラグおよびスペードコネクタまたはバレットコネクタなどのソケットタイプコネクタのような機械的な接触コネクタによって前記導電インクに接続されている項目24に記載の加熱部材。
(27)前記電気コネクタが導電性材料を備え、該導電性材料は前記導電インクに接触し、かつ部分的に成型品に成型されている項目22に記載の加熱部材。
(28)前記導電材料が金属接点である項目27に記載の加熱部材。
(29)前記電気コネクタが、前記導電インクに接触するように前記成型品および前記加熱部材
を通って延在可能なピン状部材を備える項目22に記載の加熱部材。
(30)前記ピン状部材が、前記成型品の内表面にあるよう構成された頭部を備える項目29に記載の加熱部材。
(31)加熱部材が、前記ピン状部材の前記頭部および前記内表面の間の封止をさらに備える請求項30に記載の加熱部材。
(32)加熱部材が、前記ピン状部材のピン部分に接続された保護装置をさらに備え、前記保護装置が前記導電インクに接触する導電性インターフェースを備える項目29〜31のいずれか一項に記載の加熱部材。
(33)前記加熱部材の少なくとも一部が前記成型品の内表面に露出している項目1〜32のいずれか一項に記載の加熱部材。
(34)前記加熱部材の少なくとも一部が前記成型品の外表面に露出している項目1〜32のいずれか一項に記載の加熱部材。
(35)前記加熱部材の少なくとも一部分が前記成型品の壁を通っている項目1〜34のいずれか一項に記載の加熱部材。
(36)加熱部材が、前記導電回路に電気的に接続された少なくともひとつの温度センサをさらに備える項目1〜35のいずれか一項に記載の加熱部材。
(37)前記少なくともひとつの温度センサが熱電対を備える項目36に記載の加熱部材。
(38)前記少なくともひとつの温度センサがPTCまたはNTCサーミスタである項目36に記載の加熱部材。
(39)加熱部材が、過熱から保護するために前記導電回路に温度ヒューズをさらに備える請求項1〜38のいずれか一項に記載の加熱部材。
(40)前記回路がスイッチング制御部材を備える項目1〜39のいずれか一項に記載の加熱部材。
(41)前記成型品が射出成型により形成されている項目1〜40のいずれか一項に記載の加熱部材。
(42)前記成型品が押出成型により形成されている項目1〜40のいずれか一項に記載の加熱部材。
(43)前記成型品がポリカーボネート、ポリカーボネーABS混合材、ポリエチレン、またはポリプロピレンから形成されている項目1〜42のいずれか一項に記載の加熱部材。
(44)前記成型品が加湿器または加湿器の構成品である項目1〜43のいずれか一項に記載の加熱部材。
(45)加湿器水槽の内表面に組み込まれた項目1〜43のいずれか一項に記載の加熱部材を有する加湿器水槽。
(46)インモールド加熱部材製造方法が
i)導電回路を第一ポリマーフィルムの第一表面に設けるステップと、
ii)前記第一表面と逆の前記第一ポリマーフィルムの第二表面が金型に隣接するように、前記導電回路を含む前記ポリマーフィルムを前記金型に置くステップと、
iii)前記第一ポリマーフィルムが前記成型品の少なくともひとつの表面に組み込まれるように、所定の成型品を形成するために成型樹脂を挿入するステップと、
を備えるインモールド加熱部材製造方法。
(47)前記導電回路が、導電インク、第二ポリマーフィルム、および前記加熱部材にオーバーモールドされた導電性または抵抗性材料のうち少なくともひとつを備える項目46に記載の方法。
(48)前記導電インクが約5μm〜40μmの厚さに、例えば約10μm〜25μmの厚さにプリントされている項目47に記載の方法。
(49)前記導電インクがカーボンインク、シルバーインク、またはそれらの組み合わせである項目47または48に記載の方法。
(50)前記第一ポリマーフィルムが熱可塑性または熱硬化性ポリマー材料である項目46〜49のいずれか一項に記載の方法。
(51)前記第一ポリマーフィルムがポリエステル、ポリイミド、ポリカーボネートまたはポリプロピレンから作られている項目50に記載の方法。
(52)前記第一ポリマーフィルムの厚さが約0.01mm〜1mm、例えば約0.05mm〜0.5mmである項目46〜51のいずれか一項に記載の方法。
(53)前記所定の成型品が加湿装置の構成品である項目46〜53のいずれか一項に記載の方法。
(54)加湿器が、
供給水を収容するよう構成された槽と、
表面に設けられた導電回路を有する第一ポリマーフィルムを備えるヒーターとを備え、前記第一ポリマーフィルムが電気的に絶縁であり、かつ前記槽が成型樹脂から形成され、かつ前記ヒーターが少なくとも部分的に前記樹脂内に成型されている加湿器。
(55)前記導電回路が導電インク、第二ポリマーフィルム、および前記加熱部材にオーバーモールドされた導電性または抵抗性材料のうち少なくともひとつを備える項目54に記載の加湿器。
(56)前記第一ポリマーフィルムが熱可塑性または熱硬化性ポリマーである項目54または55に記載の加湿器。
(57)前記第一ポリマーフィルムがポリエステル、ポリイミド、ポリカーボネート、またはポリプロピレンである項目56に記載の加湿器。
(58)前記第一ポリマーフィルムの厚さが約0.01mm〜1mm、例えば約0.05mm〜0.5mmである項目54〜57のいずれか一項に記載の加湿器。
(59)前記成型樹脂がポリカーボネート、ポリカーボネートABS混合材、ポリエチレン、またはポリプロピレンである項目54〜58のいずれか一項に記載の加湿器。
(60)
前記樹脂が射出成型されている項目54〜59のいずれか一項に記載の加湿器。
(61)前記樹脂が押出成型されている項目54〜59のいずれか一項に記載の加湿器。
(62)前記導電インク層の厚さが約5μm〜40μm、例えば約10μm〜25μmである請求項55〜61のいずれか一項に記載の加湿器。
(63)前記導電インク層が前記第一ポリマーフィルムにスクリーンプリントされている項目55〜62のいずれか一項に記載の加湿器
(64)前記導電インク層が前記第一ポリマーフィルムにエッチングされている項目55〜62のいずれか一項に記載の加湿器。
(65)前記導電インク層がカーボンインク、シルバーインク、またはそれらの組み合わせである項目55〜64のいずれか一項に記載の加湿器。
(66)前記回路がひとつの連続的なパターンを備える項目54〜65のいずれか一項に記載の加湿器。
(67)前記ひとつの連続的なパターンが渦巻き形状またはらせん形状を備える項目66に記載の加湿器。
(68)前記回路が複数の平行帯を備え、前記平行帯は少なくともひとつの垂直の帯によって連結されている項目54〜65のいずれか一項に記載の加湿器。
(69)前記平行帯がカーボンインクであり、かつ前記少なくともひとつの垂直の帯がシルバーインクまたは金属である項目68に記載の加湿器。
(70)前記回路が所定の抵抗を提供するよう構成されている項目54〜69のいずれか一項に記載の加湿器。
(71)前記導電インク層の上に保護インク層をさらに備える項目55〜70のいずれか一項に記載の加湿器。
(72)前記導電インク層の上に金属層をさらに備える項目55〜70のいずれか一項に記載の加湿器。
(73)前記金属層が銅、金、ニッケル、クロム、または他の任意の導電性金属または合金を備える項目72に記載の加湿器。
(74)前記金属層の上に第二ポリマーフィルムをさらに備える項目72または73に記載の加湿器。
(75)前記第二ポリマーフィルムが層状である項目74に記載の加湿器。
(76)前記導電インク層の上に第二ポリマーフィルムをさらに備える項目55〜70のいずれか一項に記載の加湿器。
(77)前記槽が上部および下部を備え、かつ前記上部が前記下部から取り外し可能である請求項54〜76のいずれか一項に記載の加湿器。
(78)前記上部が呼吸に適した気体が流れる入口および出口を備える項目77に記載の加湿器。
(79)前記ヒーターが前記上部にある項目77に記載の加湿器。
(80)前記ヒーターが前記下部にある項目77に記載の加湿器。
(81)前記ヒーターが前記槽の最大水充填ラインより下に設けられている項目54〜80のいずれか一項に記載の加湿器。
(82)前記槽がベースを備え、かつ前記ヒーターが少なくとも部分的に前記ベースの外表面に成型されている項目54〜81のいずれか一項に記載の加湿器。
(83)前記ベースに取り付けられたベースカバーをさらに備える項目82に記載の加湿器。
(84)前記ベースカバーが前記ベースに密閉して取り付けられる項目83に記載の加湿器。
(85)空洞が前記ベースおよび前記ベースカバーの間に形成されている項目83または84に記載の加湿器。
(86)前記空洞が絶縁材料にて充填されている項目85に記載の加湿器。
(87)前記ベースが開いたベースである項目82〜87のいずれか一項に記載の加湿器。
(88)前記ヒーターを電源に接続するよう構成された電気コネクタをさらに備える項目54〜87のいずれか一項に記載の加湿器。
(89)前記電気コネクタが、前記電源の電気接点に接触するよう構成された前記回路の露出した部分を備える項目88に記載の加湿器。
(90)前記電気コネクタが、前記回路に接続されかつ部分的に前記樹脂内に成型されているワイヤを備える項目88に記載の加湿器。
(91)前記ワイヤが例えば圧着または端子ブロックなど電気接続を固定する方法にて前記回路に接続されている項目90に記載の加湿器。
(92)前記ワイヤが例えばプラグおよび、スペードコネクタまたはバレットコネクタなどのソケットタイプコネクタなどの機械的な接触コネクタによって前記回路に固定されている請求項90に記載の加湿器。
(93)前記電気コネクタが導電性材料を備え、該導電性材料が前記回路に接触し、かつ部分的に前記樹脂内に成型されている項目88に記載の加湿器。
(94)前記導電性材料が金属接点である項目93に記載の加湿器。
(95)前記電気コネクタが、前記導電インク層に接触するように前記成型樹脂および前記ヒーターを通って延在するピン状部材を備える項目88に記載の加湿器。
(96)前記ピン状部材が前記槽の内表面の上に頭部を備える項目95に記載の加湿器。
(97)前記ピン状部材の前記頭部および前記内表面の間に封止をさらに備える項目96に記載の加湿器
(98)加湿器が、前記ピン状部材のピン部分に接続された保護装置をさらに備え、前記保護装置が前記導電インク層に接触する導電インターフェースを備える項目95〜97のいずれか一項に記載の加湿器。
(99)前記電源がベースまたはスタンド装置に設けられている項目88〜98のいずれか一項に記載の加湿器。
(100)前記ヒーターの少なくとも一部分が前記槽の内表面に露出している項目54〜99のいずれか一項に記載の加湿器。
(101)前記ヒーターの少なくとも一部分が前記槽の外表面に露出している項目54〜99のいずれか一項に記載の加湿器。
(102)前記ヒーターの少なくとも一部分が前記槽の壁を通っている項目54〜99のいずれか一項に記載の加湿器。
(103)前記ヒーターが温度センサを備える項目54〜102のいずれか一項に記載の加湿器。
(104)前記温度センサが熱電対を備える項目103に記載の加湿器。
(105)前記温度センサが正温度係数サーミスタまたは負温度係数サーミスタを備える項目103に記載の加湿器。
(106)前記ヒーターが温度ヒューズを備える項目54〜105のいずれか一項に記載の加湿器。
(107)前記ヒーターが湿度センサを備える項目54〜106のいずれか一項に記載の加湿器。
(108)前記ヒーターがスイッチング制御部材を備える項目54〜107のいずれか一項に記載の加湿器。
(109)前記ヒーターが水位センサを備える項目54〜108のいずれか一項に記載の加湿器。
(110)前記水位センサが陰極プローブを備える項目109に記載の加湿器。
(111)前記水位センサが温度勾配を備える項目109に記載の加湿器。
(112)前記ヒーターが区画を備える項目54〜111のいずれか一項に記載の加湿器。
(113)前記区画のいくつかが前記槽に収容されている水を加熱するよう構成され、かつ前記区画のいくつかが前記槽の空気を加熱するよう構成されている項目112に記載の加湿器。
(114)前記各区画が温度センサ、湿度センサ、水位センサ、温度ヒューズ、および/またはスイッチング制御部材を備える項目112または113に記載の加湿器。
(115)前記ヒーターが前記槽に収容されている水表面に一致する1区画のみを加熱するよう構成されている項目114に記載の加湿器。
(116)前記オーバーモールド材料が前記導電インクおよび/または前記第二ポリマーフィルムの部分を隔離するように構成されて、第一水位において少なくともいくつかの前記隔離部分の間に導電路が形成され、かつ第二水位において、任意の前記隔離部分の間に導電路が設けられない項目55〜115のいずれか一項に記載の加湿器。
(117)前記オーバーモールド材料が温度センサ、ヒューズ、または第二ヒーターのうち少なくともひとつを支持するよう構成された少なくともひとつの部分を含み、第一水位において、前記温度センサ、前記ヒューズ、および/または前記第二ヒーターが水に覆われ、かつ第二水位において、前記温度センサ、前記ヒューズ、および/または前記第二ヒーターが水に覆われない項目55〜115のいずれか一項に記載の加湿器。
(118)項目54〜117のいずれか一項に記載の加湿器を備える、患者に呼吸に適した気体の流れを供給する呼吸装置。
(119)加圧された呼吸に適した気体の流れを加湿する方法が、前記加圧された呼吸に適した気体流れが槽に収容された供給水の上を通り過ぎるステップを備え、前記槽が成型樹脂から形成され、かつ第一表面に導電回路を有する第一ポリマーフィルムを備えるヒーターが前記樹脂内に少なくとも部分的に成型されている、加圧された呼吸に適した気体の流れを加湿する方法。
(120)成型品が、
加熱部材と、
前記加熱部材の温度を制御するよう構成された制御システムと、
を備え、前記加熱部材が表面に導電回路を有する第一ポリマーフィルムを備え、前記第一ポリマーフィルムが前記成型品の少なくともひとつの表面に成型されている成型品。
(121)前記制御システムが前記導電インクと直列に正温度係数サーミスタを備える項目120に記載の成型品。
(122)前記サーミスタが前記第一ポリマーフィルムに設けられている項目121に記載の成型品。
(123)前記サーミスタが前記成型品の前記少なくともひとつの表面に成型されている項目121または122に記載の成型品。
(124)前記制御システムが前記導電回路に組み込まれたヒューズを備える項目120〜123のいずれか一項に記載の成型品。
(125)前記成型品が供給水を収容するために構成された槽である項目120〜124のいずれか一項に記載の成型品。
(126)前記制御システムが、前記槽の少なくともひとつの表面に成型されている温度センサを備える項目125に記載の成型品。
(127)前記成型品が、前記成型品の少なくともひとつの表面に成型されている湿度センサをさらに備える項目120〜126のいずれか一項に記載の成型品。
【0079】
41 インモールド加熱部材
42 フィルム
42b 第二フィルム
42a 第一層フィルム
43 第二フィルム
44 導電インク
46 成型樹脂
47 カーボンインク
48 電気接続
49 シルバーインク
50 加湿器槽
51 呼吸用加湿装置
52 下部
54 上部
57 オーバーモールド層
70 金属層
72 プリントフィルム加熱部材
73 型押しフィルム加熱部材
74 電力供給装置
75 オーバーモールド加熱部材
81 電気コネクタ
83 ピン部分
90 熱センサ
96 温度ヒューズ
120 空気流入口
122 空気流出口
150 加湿器槽
174 空洞
176 ベースカバー
178 接触点
250 加湿器槽
272 加熱部材
274 空洞
276 ベースカバー
290 クランプ
350 加湿器槽
351 ベース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱部材が、導電回路が表面に設けられた第一ポリマーフィルムを備え、前記第一ポリマーフィルムが電気的に絶縁性であり、かつ成型品の少なくともひとつの表面に成型されている、加熱部材。
【請求項2】
加湿器水槽の内表面に組み込まれた請求項1に記載の加熱部材を有する加湿器水槽。
【請求項3】
インモールド加熱部材製造方法が
i)導電回路を第一ポリマーフィルムの第一表面に設けるステップと、
ii)前記第一表面と逆の前記第一ポリマーフィルムの第二表面が金型に隣接するように、前記導電回路を含む前記ポリマーフィルムを前記金型に置くステップと、
iii)前記第一ポリマーフィルムが前記成型品の少なくともひとつの表面に組み込まれるように、所定の成型品を形成するために成型樹脂を挿入するステップと、
を備えるインモールド加熱部材製造方法。
【請求項4】
加湿器が、
供給水を収容するよう構成された槽と、
表面に設けられた導電回路を有する第一ポリマーフィルムを備えるヒーターとを備え、前記第一ポリマーフィルムが電気的に絶縁であり、かつ前記槽が成型樹脂から形成され、かつ前記ヒーターが少なくとも部分的に前記樹脂内に成型されている加湿器。
【請求項5】
請求項4に記載の加湿器を備える、患者に呼吸に適した気体の流れを供給する呼吸装置。
【請求項6】
加圧された呼吸に適した気体の流れを加湿する方法が、前記加圧された呼吸に適した気体流れが槽に収容された供給水の上を通り過ぎるステップを備え、前記槽が成型樹脂から形成され、かつ第一表面に導電回路を有する第一ポリマーフィルムを備えるヒーターが前記樹脂内に少なくとも部分的に成型されている、加圧された呼吸に適した気体の流れを加湿する方法。
【請求項7】
成型品が、
加熱部材と、
前記加熱部材の温度を制御するよう構成された制御システムと、
を備え、前記加熱部材が表面に導電回路を有する第一ポリマーフィルムを備え、前記第一ポリマーフィルムが前記成型品の少なくともひとつの表面に成型されている成型品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図4d】
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【図4e】
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【図4f】
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【図4g】
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【図4h】
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【図4i】
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【図4j】
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【図4k】
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【図5a】
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【図5b】
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【図5c】
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【図5d】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図6e】
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【図7a】
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【図7b】
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【図8】
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【図9a】
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【図9b】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2013−62254(P2013−62254A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−239969(P2012−239969)
【出願日】平成24年10月31日(2012.10.31)
【分割の表示】特願2010−510611(P2010−510611)の分割
【原出願日】平成20年6月3日(2008.6.3)
【出願人】(500046450)レスメド・リミテッド (192)
【氏名又は名称原語表記】ResMed Limited
【Fターム(参考)】