説明

加熱調理器

【課題】、タイマーキーの故障や誤動作により長押し状態になった場合、ゼロから設定可能時間の最大時間を繰り返し表示し続けてしまうこと。
【解決手段】タイマーキー12の長押し状態中のタイマー時間の増加時間が前記増加停止時間に到達するとタイマー時間の増加を一旦停止させることにより、タイマーキーの異常により長押し状態が継続してしまった場合でも、タイマー時間が繰り返し表示されないようにすることとなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用や業務用のキッチン等に用いられる加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のこの種の加熱調理器について図8から図10を用いて説明する。図8は従来の加熱調理器を示すブロック図である。図8において1は商用電源、2は加熱手段で鍋等を誘導加熱するための加熱コイル3と加熱コイル3に高周波電流を流すインバータ回路4からなる。5は制御手段で、6の操作部からの信号を受けて、「弱」から「強」の8段階の火力が鍋に加わるようにインバータ回路4を制御している。7はLEDやLCDからなるタイマー時間表示手段、8はLEDからなる火力表示手段、9はダウンキー、10はアップキー、11は加熱切/入キー、12はタイマーキー、13はタイマー取消キーである。
【0003】
以下に加熱調理器の一連の動作について説明する。加熱を行うには、まず加熱切/入キー11を押す。すると設定火力が「5」となるように操作部6から制御手段5に信号が送られ、制御手段5がインバータ回路4を制御するとともに、火力表示手段8には「弱」から「5」までのLEDが点灯する。ここで、火力の「弱」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「強」はそれぞれ約120W、235W、370W、500W、700W、1000W、1450W、2000Wに設定されている。そして、ダウンキー9やアップキー10により任意の火力に設定変更可能とともに、それに合わせて火力表示手段8にて表示する。また、加熱を終了するときは、再度加熱切/入キー11を押す。更に、タイマー加熱により、設定された時間後に加熱の自動オフをさせたい場合にタイマーを設定する。タイマー設定は、タイマーキー12を押すとタイマー時間表示手段7に時間を表示するとともに、タイマーキー12が押されるたびにタイマー時間を増加させ、最大9時間30分まで設定することができる。通常各キーは0.1秒でそのキーが押されたと認識するが、それ以上は長押しと判断しタイマーキー12以外は、連続した動作になることはない。(例えばアップキー10を長押ししても、火力がアップするのは1段階のみである。)タイマーキー12は、長押しを検知すると0.2秒間隔でタイマー時間を増加させる。また、タイマーは加熱の有無に関わらず設定可能である。次に、図9にてタイマーキー12のフローチャートを示す。まず、タイマーキー12が押される(ステップ200)とタイマーモードとなり、タイマー時間表示手段7にタイマー時間1分を表示する(ステップ201)、その後もタイマーキー12が押され続けていると判断(ステップ202)すると、タイマー時間が最大時間かを判断(ステップ203)する。タイマー時間が最大であれば“―――”をセットし(ステップ204)、“―――”を表示(ステップ207)し、ステップ202に戻り再度繰り返す。もしステップ203でタイマー時間が最大でなければ、タイマー時間が“―――”かを判断(ステップ205)し、“―――”であればステップ201に戻り再度繰り返す。もし、タイマー時間が“―――”でなければ、現在のタイマー時間を増加(ステップ206)させ、その時間を表示する(ステップ207)。ここで、ステップ206のタイマー時間の増加は長時間になればタイマーの設定時間の5分や10分の違いはあまり意味がないため、タイマー時間は1分から20分までは1分刻み、20分から1時間までは5分刻み、1時間から3時間までは10分刻み、3時間から9時間30分までは30分刻みの設定になるようになっている。以上のようなフローを繰り返すことで、タイマー時間表示手段7には図10のように表示される(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3264235号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、タイマーキーの故障や誤動作により長押し状態になった場合、ゼロから設定可能時間の最大時間である9時間30分までを繰り返し表示し続けてしまう、あるいは望まない時間に設定が変わってしまうという課題を有していた。
【0005】
また、タイマーキーの構成をメカ式のスイッチではなく、静電容量式のタッチ式とした場合、水や異物がスイッチ部に付着した場合にもタイマーキーの長押し状態となる可能性があった。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、タイマーキーの長押しが継続している場合に、所定時間までタイマー時間が到達すると一旦停止させることで、不用意に長時間のタイマー設定にならないようにした加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱調理器は、加熱手段と、タイマー時間を設定するタイマーキーと、前記タイマー時間または残時間を表示するタイマー時間表示手段と、前記タイマーキーは長押しすることによりタイマー時間を増加し続ける機能と、タイマー時間の増加停止時間を備え、前記タイマーキーの長押し状態中のタイマー時間の増加時間が前記増加停止時間に到達するとタイマー時間の増加を一旦停止させるものである。
【0008】
これによって、タイマー操作の使い勝手をあまり悪くすることなく、タイマーキーの異常により長押し状態が継続してしまった場合に、タイマー時間を繰り返し表示したり、不用意に長時間のタイマー設定にならないようにすることがでる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の加熱調理器は、タイマー操作の使い勝手をあまり悪くすることなく、タイマーキーの異常により長押し状態が継続してしまった場合に、タイマー時間が繰り返し表示されることを防止する、または、不用意に長時間のタイマー設定にならないようにすることがでる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
第1の発明の加熱調理器は、加熱手段と、タイマー時間を設定するタイマーキーと、前記タイマー時間または残時間を表示するタイマー時間表示手段と、前記タイマーキーは長押しすることによりタイマー時間を増加し続ける機能と、タイマー時間の増加停止時間を備え、前記タイマーキーの長押し状態中のタイマー時間の増加時間が前記増加停止時間に到達するとタイマー時間の増加を一旦停止することにより、タイマーキーが長押し状態となった場合にもタイマー時間が、前記増加停止時間までしかならず、タイマー時間を繰り返し続けたり、不用意に長時間のタイマー設定になることを防止できる。
【0011】
第2の発明は、特に第1の発明の加熱調理器において、加熱手段は複数の火力を有し、増加停止時間を加熱火力により変えるものであり、高火力の時ほど増加停止時間を短くすることで、通常タイマー調理に使用されやすい低火力で行う煮込み調理には長時間の時間設定ができるようにすることで、タイマー操作の使い勝手を低下させることなく、タイマー時間を繰り返し続けたり、不用意に長時間のタイマー設定になることを防止できる。
【0012】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の加熱調理器において、タイマー時間が増加停止時間に到達によりタイマー時間の増加が停止した後は、一旦タイマーキーの長押し状態が解除されると、増加停止時間以上のタイマー時間を設定可能とするものであり、不用意な長時間のタイマー設定を防ぐとともに、タイマー時間の刻み幅が長時間のタイマー時間にはるほど大きくなる場合に、一旦前記タイマーキーから指を離すことを促し、時間設定のミスを起こしにくくすることが可能である。
【0013】
第4の発明は、第3の発明の加熱調理器において、増加停止時間以上の時間にタイマー時間を合わせる場合は、タイマーキーの長押しを禁止することにより、一旦増加停止時間で止まり、その後再度何らかの異常にて長押し状態となった場合でもタイマー時間を繰り返し続けたり、不用意に長時間のタイマー設定になることを防止できるとともに、使用者の時間設定ミスを起こしにくくすることが可能である。
【0014】
第5の発明は、特に第1から第4の発明の加熱調理器において、所定時間機器の操作がない場合に機器の加熱を停止させるためのしきい値時間として切り忘れ防止時間を有し、加熱中は増加停止時間を切り忘れ防止時間と同じにするものであり、一旦タイマー調理が開始されたらその後の時間変更は切り忘れ防止時間までとすることで、通常の安全機能と同等の性能を確保することができる。
【0015】
第6の発明は、特に第1から第5の発明の加熱調理器において、報知手段を設け、タイマーキーの長押し時に増加停止時間にてタイマー時間の増加が停止した際に報知するものであり、使用者が前記タイマーキーを押し続けてタイマー時間を合わせている際に、なぜ時間増加が停止したか、あるいは機器の側から離れている場合にも機器に異常が起きていることを知らしめることができる。
【0016】
第7の発明の加熱調理器は、加熱手段と、タイマー時間を設定するタイマーキーと、前記タイマー時間または残時間を表示するタイマー時間表示手段と、前記タイマーキーは長押しすることによりタイマー時間を増加し続ける機能と、前記タイマーキーの長押し時間を計時する長押し計時手段と、前記長押し計時手段により計時した時間が所定時間以上のときタイマー時間を無効とするものであり、タイマーキーの長押し継続時間を人が押し続けることに対して苦痛に思う時間以上とすれば、タイマーキーの異常を判断することができ、タイマーを無効にすることで、タイマー時間を繰り返し続けたり、不用意に長時間のタイマー設定になることを防止できる。
【0017】
第8の発明は、特に第7の発明の加熱調理器において、計時手段によりタイマーキーの長押しを計時している際に、所定時間経過する前にタイマーキーの長押しが解除されると、前記計時手段にて計時している時間をリセットするものであり、タイマーキーの長押しの累積が所定時間に達してタイマー時間を無効にするのを防ぎ、操作性を低下させることはない。
【0018】
第9の発明は、特に第7または第8の発明の加熱調理器において、加熱中は加熱を停止させるものであり、タイマーキーの異常により不用意に長時間のタイマー加熱になることを防ぐことができる。
【0019】
第10の発明は、特に第7から第9の発明の加熱調理器において、報知手段を設け、計時手段により計時した時間が所定時間となった際に報知するものであり、誤ってタイマーキーを押し続けてタイマー時間を合わせようとし、所定時間経過でタイマーが無効や加熱停止した場合や、タイマーキーに異常が発生し長押し状態が継続した場合に異常を知らせることができる。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0021】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における加熱調理器の全体構成図を図示したブロック図を示すものである。
【0022】
図1において、1は商用電源、2は加熱手段で、鍋等を誘導加熱するための加熱コイル3と加熱コイル3に高周波電流を流すインバータ回路4からなる。5は制御手段で、6の操作部からの信号を受けて、「弱」から「強」の8段階の火力が鍋に加わるようにインバータ回路4を制御している。7はLEDやLCDからなるタイマー時間表示手段、8はLEDからなる火力表示手段、9はダウンキー、10はアップキー、11は加熱切/入キー、12はタイマーキー、13はタイマー取消キー、14はブザー等からなる報知手段で、各キーの受付や異常時の警告報知時に吹鳴する。
【0023】
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
【0024】
まず、加熱を行うには、加熱切/入キー11を押す。すると設定火力が「5」となるように操作部6から制御手段5に信号が送られ、制御手段5がインバータ回路4を制御するとともに、火力表示手段8には「弱」から「5」までのLEDが点灯する。ここで、火力の「弱」、1、2、3、4、5、6、「強」はそれぞれ約120W、235W、370W、500W、700W、1000W、1450W、2000Wに設定されている。そして、ダウンキー9やアップキー10により任意の火力に設定変更可能とともにそれに合わせて火力表示手段8にて表示する。また、加熱を終了するときは再度加熱切/入キー11を押す。また、何も操作されていない状態が45分続くと切り忘れ防止として、加熱停止させる機能を有している。更にタイマー加熱により、設定された時間後に加熱の自動オフをさせたい場合にタイマーを設定できる。タイマー設定はタイマーキー12を押すとタイマー時間表示手段7に時間を表示するとともに、タイマーキー12が押されるたびにタイマー時間を増加させ、最大9時間30分まで設定することができる。通常各キーは0.1秒でそのキーが押されたと認識するが、それ以上は長押しと判断しタイマーキー12以外は、連続した動作になることはない(例えばアップキー10を長押ししても、火力がアップするのは1段階のみである)。タイマーキー12は、長押しを検知すると0.2秒間隔でタイマー時間を増加させる。ここでタイマーの時間増加刻みは、長時間になればタイマーの設定時間の5分や10分の違いはあまり意味がないため、タイマー時間は1分から20分までは1分刻み、20分から1時間までは5分刻み、1時間から3時間までは10分刻み、3時間から9時間30分までは30分刻みの設定になるようになっている。また、タイマーは加熱の有無に関わらず設定可能である。
【0025】
次に図2にてタイマーキー12のフローチャートを示す。まずタイマーキーが押される(ステップ100)と、タイマーモードとなりタイマー時間表示手段7にタイマー時間1分を表示する(ステップ101)、その後もタイマーキー12が押され続けていると判断(ステップ102)すると、タイマー時間がT1時間かを判断(ステップ203)する。ここでT1時間は3時間とする。タイマー時間がT1でなければ、現在のタイマー時間を増加(ステップ106)させ、その時間を表示する(ステップ107)。ここでステップ106のタイマー時間の増加は、1分から20分までは1分刻み、20分から1時間までは5分刻み、1時間から3時間までは10分刻みとなる。そして、ステップ102に戻り再度繰り返す。もしステップ103でタイマー時間がT1であれば、タイマー時間T1を表示(ステップ104)し、タイマーキー12の長押しが解除されたか(ステップ105)を判断し、解除されていなければステップ104に戻り再度繰り返す。以上のようなフローにより、タイマーキー12の長押し状態でも、タイマー時間表示手段7の表示は図2のように3時間で止まり、タイマーキーが長押し状態となった場合にもタイマー時間が、増加停止時間T1までしかならず、タイマー時間を繰り返し続けたり、不用意に長時間のタイマー設定になることを防止できる。
【0026】
更にステップ105でタイマーキー12の長押しが解除されたなら、図4のB(ステップ108)に移行し、タイマーキー12が押されるまでタイマー時間T1を表示した状態で停止する。次にタイマーキー12が押されると(ステップ109)、タイマー時間が最大時間かを判断(ステップ110)する。タイマー時間が最大であれば“―――”をセットし(ステップ111)、“―――”を表示(ステップ114)し、タイマーキー12が長押しかを判断(ステップ115)し、長押しならばステップ110へ戻り、長押しでなければステップ109に戻り再度繰り返す。また、ステップ110でタイマー時間が最大でなければ、再度タイマー時間が“―――”かを判断(ステップ112)し、“―――”であれば図2のAに戻る。もし、タイマー時間が“―――”でなければ、現在のタイマー時間を増加(ステップ113)させ、その時間を表示する(ステップ114)。ここでステップ113のタイマー時間の増加は30分刻みの設定になるようになっている。その後ステップ115に移行し繰り返す。
【0027】
以上のように、本実施の形態においては、タイマーキーの長押しが継続している場合に、所定時間までタイマー時間が到達すると一旦停止させることで、タイマーキー12の長押し状態でも、タイマー時間表示手段7の表示は図2のように3時間で止まり、それ以降は一旦長押しが解除されないと時間増加にならないようにできる。ここで増加停止時間T1を3時間としているのは、一般にタイマーを設定しての加熱が3時間以内がほとんどであることと、タイマー設定時間の刻み幅が、3時間を越えると30分刻みとなるため、ユーザーが3時間以上設定したい場合でも、一旦タイマーキー12から指を離すことを促し、時間設定のミスを起こしにくくする狙いもある。
【0028】
これにより、タイマーキーが長押し状態となった場合にもタイマー時間が、増加停止時間T1までしかならず、タイマー時間を繰り返し続けたり、不用意に長時間のタイマー設定になることを防止できる。
【0029】
また、増加停止時間T1を加熱火力により変えて、例えば設定「弱」から「4」までは6時間、「5」、「6」は3時間、「強」は1時間とする。高火力の時ほど増加停止時間T1を短くすることで、通常タイマー調理に使用されやすい低火力で行う煮込み調理には長時間の時間設定まで連続でできるようにすることで、タイマー操作の使い勝手を低下させることなく、タイマー時間を繰り返し続けたり、不用意に長時間のタイマー設定になることを防止できる。
【0030】
更に増加停止時間T1以上の時間にタイマー時間を合わせる場合は、タイマーキーの長押しを禁止するようにする。具体的なフローを図5にて説明する。ここでステップ108のBに至るまでは図2と同じである。タイマーキー12が押されると(ステップ120)、タイマー時間が最大時間かを判断(ステップ121)する。タイマー時間が最大であれば“―――”をセットし(ステップ122)、“―――”を表示(ステップ125)し、タイマーキー12が長押しかを判断(ステップ126)し、長押しならばステップ126を繰り返す。長押しでなければステップ120に戻り再度繰り返す。また、ステップ121でタイマー時間が最大でなければ、タイマー時間が“―――”かを判断(ステップ123)し、“―――”であれば図2のAに戻る。もし、タイマー時間が“―――”でなければ、現在のタイマー時間を増加(ステップ124)させ、その時間を表示する(ステップ125)。ここでステップ113のタイマー時間の増加はタイマー設定時間の刻み幅にしたがって増加させる。その後ステップ126に移行し繰り返す。以上のようにすることで、一旦増加停止時間T1で止まり、その後、再度何らかの異常にて長押し状態となった場合でも、タイマー時間を繰り返し続けたり、不用意に長時間のタイマー設定になることを防止できる。
【0031】
更に、図6に示すように加熱中のタイマー設定あるいはタイマー時間変更は増加停止時間T1を切り忘れ防止時間である45分とする。また、タイマー設定時間が45分以上設定されて加熱している場合にはタイマー時間の変更を不可能とする。これにより、一旦加熱した後にタイマーキー12に異常が生じて、タイマーキー12の長押し状態になった場合でも、調理が開始されたらその後の時間変更は切り忘れ防止時間までとすることで、通常の安全機能と同等の性能を確保することができる。
【0032】
また、タイマーキー12の長押しにより増加停止時間にてタイマー時間の増加が止まった際に、報知手段14にて異常を報知することにより、使用者がタイマーキー12を押し続けてタイマー時間を合わせている際に、なぜ時間増加が停止したか、あるいは機器の側から離れている場合にも機器に異常が起きていることを知らしめることができる。
【0033】
なお本実施の形態ではタイマーキーをひとつとしたが、時間と分を独立したキーでタイマー設定できる構成としてもよい。更に加熱手段を誘導加熱としたが、ガスやシーズヒータ等の熱源としてもよい。また、各キーは一般にスイッチ構成をとっているが、静電容量検知式のタッチキーとしても同様の効果が得られる。
【0034】
(実施の形態2)
本発明の第2の実施の形態について図7を用いて説明する。なお加熱調理器の全体構成図を図示したブロック図は図1と同じであるために説明は省略する。
【0035】
図7は本実施の形態を示すフローチャートである。まずタイマーキーが押される(ステップ140)と、タイマーモードとなりタイマー時間表示手段7にタイマー時と1分を表示する(ステップ141)、その後タイマーキー12が連続押しかを判断(ステップ142)し、連続押してあれば連続押し時間を計時(ステップ144)し、連続1分かどうかを判断する(ステップ145)。タイマーキー連続押しが1分以内の場合は、ステップ147に移行しタイマー時間が最大時間の9時間30分か判断する。タイマー時間が最大であれば“―――”をセットし(ステップ150)、“―――”を表示(ステップ152)し、ステップ142に移行し繰り返す。ステップ147でタイマー時間が最大時間でなければ、タイマー時間が“―――”かを判断(ステップ149)し、“―――”であればタイマー時間を1分にセット(ステップ150)し、1分を表示(ステップ152)する。もし、タイマー時間が“―――”でなければ、現在のタイマー時間を増加(ステップ152)させ、その時間を表示する(ステップ152)。ここでステップ151のタイマー時間の増加は、タイマー設定時間の刻み幅にしたがって増加させる。ステップ152でタイマー時間を表示後はステップ142に移行し繰り返す。また、ステップ142でタイマーキーの長押しの継続がなくなったと判断されたら、計時していた時間をリセットする(ステップ143)。また、ステップ145でタイマーキー12の長押しの連続1分経過が成立したら、ステップ146に移行しタイマーキー12の入力を無効としてタイマーモードを終了させる。
【0036】
ここでは連続長押し時間を1分としたが、タイマーキーの長押し継続時間は、人が押し続けることに対して苦痛に思う時間以上とすれば、タイマーキーの異常を判断することができ、タイマーを無効にすることで、タイマー時間を繰り返し続けたり、不用意に長時間のタイマー設定になることを防止できる。
【0037】
更に加熱中に上記1分連続を検知した場合には、加熱を停止させるようにすれば、タイマーキーの異常により不用意に長時間のタイマー加熱になることを防ぐことができ、異常時の安全性を高めることができる。
【0038】
また、タイマー長押しが途切れたら、ステップ143で計時時間をリセットするので、タイマーキー12の長押しの累積が所定時間に達してタイマー時間を無効にするのを防ぎ、操作性を低下させることはない。
【0039】
更にタイマーキー12の長押しが1分連続し際に、報知手段14にて報知することで、誤ってタイマーキーを押し続けてタイマー時間を合わせようとし、1分経過でタイマーが無効や加熱停止した場合や、タイマーキーに異常が発生し長押し状態が1分継続した場合に異常を知らせることができる。
【0040】
なお本実施の形態ではタイマーキーをひとつとしたが、時間と分を独立したキーでタイマー設定できる構成としてもよい。更に加熱手段を誘導加熱としたが、ガスやシーズヒータ等の熱源としてもよい。また、各キーは一般にスイッチ構成をとっているが、静電容量検知式のタッチキーとしても同様の効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
以上のように、本発明にかかる加熱調理器は、タイマー操作の使い勝手をあまり悪くすることなく、タイマーキーの異常により長押し状態が継続してしまった場合に、タイマー時間を繰り返し表示したり、不用意に長時間のタイマー設定にならないようにすることがでるとともに、同様の操作法によるタイマー機能を有する機器においても適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の第1の実施の形態における加熱調理器の構成図
【図2】同タイマーキー長押し継続時のフローチャート(1)
【図3】同タイマー時間表示手段の表示例を示す図
【図4】同タイマーキー長押し継続時のフローチャート(2)
【図5】同タイマーキー長押し継続時のフローチャート(3)
【図6】同タイマーキー長押し継続時のフローチャート(4)
【図7】本発明の第2の実施の形態のタイマーキー長押し継続時のフローチャート
【図8】従来例における加熱調理器の構成図
【図9】同タイマーキー長押し継続時のフローチャート
【図10】同タイマー時間表示手段の表示例を示す図
【符号の説明】
【0043】
2 加熱手段
7 タイマー時間表示手段
12 タイマーキー
14 報知手段
T1 増加停止時間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱手段と、タイマー時間を設定するタイマーキーと、前記タイマー時間または残時間を表示するタイマー時間表示手段と、前記タイマーキーは長押しすることによりタイマー時間を増加し続ける機能と、タイマー時間の増加停止時間を備え、前記タイマーキーの長押し状態中のタイマー時間の増加時間が、前記増加停止時間に到達するとタイマー時間の増加を一旦停止させる加熱調理器。
【請求項2】
加熱手段は複数の火力を有し、増加停止時間を加熱火力により変える請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
タイマー時間が増加停止時間に到達によりタイマー時間の増加が停止した後は、一旦タイマーキーの長押し状態が解除されると、増加停止時間以上のタイマー時間を設定可能とする請求項1または2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
増加停止時間以上の時間にタイマー時間を合わせる場合は、タイマーキーの長押しを禁止する請求項3に記載の加熱調理器。
【請求項5】
所定時間機器の操作がない場合に、機器の加熱を停止させるためのしきい値時間として切り忘れ防止時間を有し、加熱中は増加停止時間を切り忘れ防止時間と同じにする請求項1から4いずれか1項に記載の加熱調理器。
【請求項6】
報知手段を設け、タイマーキーの長押し時に増加停止時間にてタイマー時間の増加が停止した際に報知する請求項1から5いずれか1項に記載の加熱調理器。
【請求項7】
加熱手段と、タイマー時間を設定するタイマーキーと、前記タイマー時間または残時間を表示するタイマー時間表示手段と、前記タイマーキーは長押しすることによりタイマー時間を増加し続ける機能と、前記タイマーキーの長押し時間を計時する長押し計時手段と、前記長押し計時手段により計時した時間が所定時間以上のときタイマー時間を無効とする加熱調理器。
【請求項8】
計時手段によりタイマーキーの長押しを計時している際に、所定時間経過する前にタイマーキーの長押しが解除されると、前記計時手段にて計時している時間をリセットする請求項7に記載の加熱調理器。
【請求項9】
加熱中は加熱を停止させる請求項7または8に記載の加熱調理器。
【請求項10】
報知手段を設け、計時手段により計時した時間が所定時間となった際に報知する請求項7から9いずれか1項に記載の加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−75481(P2007−75481A)
【公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−269617(P2005−269617)
【出願日】平成17年9月16日(2005.9.16)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】