説明

加熱調理器

【課題】水槽内の水の状態(水温・水量)を自動で確認し、その状態に応じて加熱制御を変更して、水槽内の水を調整する手間なしに加熱できる加熱調理器を提供する。
【解決手段】加熱調理中に炊飯釜2内の食品から発生する蒸気を外部へと導く蒸気排出路6と、蒸気排出路6より導かれた蒸気を復水して回収する水槽7と、水槽7内の水温を検知する温度センサ11と、加熱手段5の加熱を制御する制御部12とを備え、制御手段12は、温度センサ11により検知された水槽7の水温と閾値を比較し、水温が閾値以上のときに加熱手段5の加熱パターンを変更し、炊飯釜2内の食品から発生する蒸気量を軽減させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば炊飯器に係わり、特に加熱調理中に発生する蒸気を回収する加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の炊飯器には、炊飯器本体内に着脱自在に収納され、水タンクを有する容器と、一端が内釜の内蓋を貫通して取り付けられ、他端が容器の連通孔に接続された蒸気導入管とを備えたものがある。この炊飯器は、炊飯中に発生する内釜内の蒸気を蒸気導入管を通して容器内に導き、その蒸気を水タンク内に案内して冷却水で凝縮させている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】実開昭60−106532号公報(第2−3頁、第2図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した従来の炊飯器では、炊飯開始の前に容器の水タンク内にどの程度の水が入っているのかを確認しなければならず、水タンク内に蒸気を凝縮させるのに最低限必要な水量が入っていない場合には、水タンク内の水温は短時間で上昇して蒸気回収が困難になり、また、満水に近い状態で炊飯を行った場合には、水タンクから漏れる恐れがある。また、炊飯開始の前に水タンク内の水が高温になっていた場合には、水タンク内での蒸気の凝縮率が低下し、蒸気が容器から漏れる可能性がある。以上のように、水タンク内の水の状態によっては、蒸気を回収しながらの加熱は困難であるため、加熱前に水タンクの水を調整しなければならないという課題があった。
【0005】
本発明は、前記のような課題を解決するためになされたもので、水槽内の水の状態(水温・水量)を自動で確認し、その状態に応じて加熱制御を変更し、また、水槽内の水温に応じて水を冷却することによって、水槽内の水を調整する手間なしに加熱できる加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る加熱調理器は、調理器本体に着脱可能に収納された食品調理用の容器と、容器を加熱する加熱手段と、加熱調理中に容器内の食品から発生する蒸気を該容器から外部へと導く蒸気排出路と、蒸気排出路より導かれた蒸気を復水して回収する水槽と、水槽内の水温を検知する水温検知手段と、加熱手段の加熱を制御する制御手段とを備え、制御手段は、水温検知手段により検知された水槽内の水温と閾値を比較し、水温が閾値以上のときに加熱手段の加熱パターンを変更する。
【発明の効果】
【0007】
本発明においては、例えば加熱調理の直前時に水温検知手段により検知された水槽の水温と閾値を比較し、水温が閾値以上のときは加熱手段の加熱パターンを変更し、例えば容器内の食品から発生する蒸気量を軽減させるようにしたので、水槽内の水を閾値よりも低い温度の水に取り替える手間をなくすと共に、水槽内の水温が通常より高くなっても調理を中断することなく最後まで実施することができる出来るという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の例えば炊飯器の内部を示す側面図である。
図1において、炊飯器本体1の内部に食品調理用の炊飯釜2が着脱可能に収納され、炊飯器本体1の上部に一端が開閉自在に軸支された蓋体3が取り付けられている。この蓋体3には、内蓋4が着脱可能に取り付けられ、また、一端が内蓋4の中央部に着脱可能に装着された蒸気排出管6(蒸気排出路)が配設されている。内蓋4は、蓋体3が炊飯器本体1の上面開口部を覆った際に、炊飯釜2の上面開口部を塞いで内部を密閉状態にする。炊飯器本体1の底部上方には、炊飯釜2を加熱する例えばヒータあるいは誘導加熱コイルで構成された加熱手段5が配置され、炊飯釜2の脇には、水槽7が炊飯器本体1に着脱可能に設置されている。
【0009】
この水槽7は、例えば熱伝導が良くプラスチックなどの絶縁材で構成され、上面開口部を着脱可能に覆う水槽蓋7aと、この水槽蓋7aに上端が固着された蒸気導入管7b(蒸気排出路)とを有している。この蒸気導入管7bの上端は、蓋体3に配設された蒸気排出管6の他端と着脱可能に連結されている。蓋体3が開けられたとき蒸気排出管6が蒸気導入管7bから離れ、蓋体3が閉じられたときに蒸気排出管6と蒸気導入管7bとが密閉状態で連結される。蒸気排出管6と蒸気導入管7bは、加熱調理中に発生する炊飯釜2内の蒸気を水槽7に貯えられた水8(回収水)に導くものであり、水槽7は、蒸気導入管7bに流入した蒸気を水で凝縮させ、回収水8として貯留する。
【0010】
水槽7の側面には、水量検知手段である例えば水位センサ10と、水温検知手段である温度センサ11とが配置されている。前述した水位センサ10は、例えば静電容量センサからなり、その検知電極は、水槽7の側面に近接して配置され、仮想GNDとの間の静電容量に比例した電圧を生成する。つまり、水槽7内の回収水8の水位が高くなるに従って電圧が上がる。水位センサ10の設置位置(高さ)は、水槽7内の回収水8がその高さにあるときに通常の加熱制御で加熱して終了した場合、その回収水8が水槽7から溢れる危険性のある水量(水位)となる位置である。なお、水量検知手段として水位センサ10を使用したことを述べたが、これに代えて水槽7の重量を検知する重量センサを用いて水槽7の水量を検知するようにしても良い。また、水量検知手段は、特定位置の水の有無を検知可能な光学式水位センサを複数用いて、水量を検知しても良い。
ちなみに、温度センサ11は、水槽7壁面の温度を検知している構成となっているが、水槽7壁面温度と水槽7内の水は略同一温度となることから、水槽7壁面温度を水槽7内の水温として検知している。また、耐水性を備えた温度センサを用いて、水槽7内に水没させ直接水槽7内の水温を計っても良い。
【0011】
制御部12は、例えばマイコンからなり、温度センサ11により検知される水温Tの閾値T0、水位センサ10により検知される水量Vの閾値V0をデータとして有している。その閾値V0は、前述した水位センサ10の設置位置に対応して設定された値である。この制御部12は、例えば、加熱スイッチ(図示せず)のON操作を検知した際に水位センサ10によって検知された水量Vと閾値V0を比較し、水量Vが閾値V0以上のときにブザーと液晶表示器(図示せず)を介して水槽7内の回収水8の排水を促す。この報知は、加熱制御に入る前で、加熱調理(例えば煮込み調理、スープ調理など)に何ら影響を与えないので、回収水8の排水を促すようにしている。水量Vが閾値V0よりも低いときに、温度センサ11によって検知された水槽7の水温Tが閾値T0よりも低い場合は、通常モードを選択し、また、水量Vが閾値V0よりも低いときに、水温Tが閾値T0以上の場合は、蒸気少なめモードを選択する。通常モードは、例えば炊飯器に設定されている標準の電力で加熱手段5を加熱制御するモードであり、蒸気少なめモードは、通常モードと比べ、炊飯釜2内の食品から発生する蒸気量が少なくなるように、即ち電力が低くなるように加熱手段5の加熱パターンを変更して加熱制御するモードである。
ここで、図2を用いて水温Tの閾値T0について説明する。図2は水槽内の水温と水量の相関を示す図である。横軸は水槽7内の初期水量(mL)、縦軸は蒸気処理後の水槽内の水温(℃)を示している。初期水量をV1以下とした場合、水温は100℃に達してしまうため、加熱調理中に発生する蒸気を凝縮できなくなる。そして、図示するように、水槽7の水温の閾値T0は、水槽7を構成する材料、例えば樹脂材料の耐熱を考慮する場合、90℃以下とし、さらに、加熱調理後の水槽7の清掃時の火傷防止を考慮する場合、60℃以下とすることが望ましい。
【0012】
次に、図3を用いて動作を説明する。図3は実施の形態1における加熱制御の動作を示すフローチャートである。
制御部12は、加熱スイッチのON操作を検知すると(S1)、図3には示していないが、まず、水位センサ10により検知された水槽7の水量Vを読み込んで閾値V0と比較する。水量Vが閾値V0以上のときは、前述の如くブザーと液晶表示器を介して水槽7内の回収水8の排水を促す。また、水量Vが閾値V0よりも低いときは、温度センサ11により検知された水槽7の水温Tを読み込んで閾値T0と比較する(S2)。水温Tが閾値T0よりも低い場合は、通常モードを選択し(S3)、通常の加熱制御で加熱手段5を加熱する(S4)。そして、加熱調理に必要な所定時間を経過したか否かを判定し(S5)、所定時間を経過していないときは通常モードによる加熱制御を継続し(S4、S5)、所定時間を経過したときは通常モードによる加熱制御を終了して、その旨をブザーと液晶表示器を介して報知する(S6)。
【0013】
また、水槽7の水温Tが閾値T0以上のときは(S2)、蒸気少なめモードを選択し(S7)、炊飯釜2内の食品から発生する蒸気量が少なくなるように加熱手段5の加熱パターンを変更して加熱制御する(S8)。そして、加熱調理に必要な所定時間を経過したか否かを判定し(S9)、所定時間を経過していないときは蒸気少なめモードによる加熱制御を継続し(S8、S9)、所定時間を経過したときは蒸気少なめモードによる加熱制御を終了して、その旨を前記と同様にブザーと液晶表示器を介して報知する(S6)。蒸気少なめモード時の所定時間は、通常モードのときの所定時間よりも長く設定されている。
【0014】
以上のように実施の形態1によれば、水温Tが閾値T0以上のときに、蒸気少なめモードを選択して、炊飯釜2内の食品から発生する蒸気量が少なくなるように加熱手段5の加熱パターンを変更して加熱制御するようにしたので、水槽7の水温Tが高く蒸気の凝縮率が低下していても、蒸気量が少ないために水8の温度を調整する手間なしに加熱することが可能となる。また、蒸気少なめモードを設けることで、加熱調理中に炊飯器本体1からの蒸気漏れを抑えることができるため、炊飯器本体1の設置付近の壁などが結露して汚れたり傷んだり、漏れた蒸気により使用者が火傷するということを防止できる。
【0015】
実施の形態2.
実施の形態1では、水槽7の水温Tが閾値T0以上のときに蒸気少なめモードの加熱制御に変更するようにしたが、実施の形態2は、予約設定による待機時間の経過後に水温Tを検知して閾値T0と比較し、水温Tが閾値T0以上のときに蒸気少なめモードの加熱制御(加熱パターン)に変更するようにしたものである。なお、実施の形態2の加熱調理器の炊飯器は、制御部12を除いて、実施の形態1と同様の構成であるため図1を用いて説明する。
【0016】
実施の形態2における制御部12は、前記と同様にマイコンからなり、温度センサ11により検知される水温Tの閾値T0、水位センサ10により検知される水量Vの閾値V0をデータとして有している。この制御部12は、例えば、予約スイッチ(図示せず)のON操作を検知すると、水位センサ10によって検知された水量Vと閾値V0を比較し、水量Vが閾値V0より低いときは、現在時刻及び予約で設定された加熱終了時刻、加熱調理に要する時間から、加熱調理を開始する直前の時刻を算出し、その時刻までの待機時間を積算する。そして、待機時間を経過したときに水温Tと閾値T0を比較し、その結果に基づいて通常モードあるいは蒸気少なめモードを選択する。また、予約スイッチを検知した際の水量Vが閾値V0以上のときは、ブザーと液晶表示器を介して水槽7内の回収水8の排水を促す。この報知により、水量Vが閾値V0よりも低くなったときは、前述したように加熱終了時刻から待機時間を求めて積算し、待機時間を経過したときに水温Tと閾値T0を比較し、前記と同様に比較結果に基づいて通常モードあるいは蒸気少なめモードを選択する。
【0017】
次に、図4を用いて動作を説明する。図4は実施の形態2における加熱制御の動作を示すフローチャートである。
制御部12は、予約スイッチのON操作を検知すると(S11)、図4には示していないが、まず、水位センサ10により検知された水槽7の水量Vを読み込んで閾値V0と比較する。水量Vが閾値V0以上のときは、ブザーと液晶表示器を介して水槽7内の回収水8の排水を促す。また、水量Vが閾値V0よりも低いとき、又は排水の催促により水量Vが閾値V0よりも低くなったときは、前述したように、予約で設定された加熱終了時刻から待機時間を算出して積算する(S12、S13)。そして、待機時間を経過すると(S13)、温度センサ11により検知された水槽7の水温Tを読み込んで閾値T0と比較する(S14)。予約設定による待機時間の経過後に水温Tと閾値T0を比較するのは、予約スイッチのON操作時の水温Tが閾値T0よりも低くなっていても、夏場や直射日光が当たるような環境下であった場合に、待機時間の積算中に水槽7の水温Tが上昇し、加熱調理の開始直前に水温Tが閾値T0よりも高くなっている可能性があるからである。
【0018】
待機時間経過後の水温Tが閾値T0よりも低い場合は、通常モードを選択し(S15)、通常の加熱制御で加熱手段5を加熱する(S16)。そして、加熱調理に必要な所定時間を経過したか否かを判定し(S17)、所定時間を経過していないときは通常モードによる加熱制御を継続し(S16、S17)、所定時間を経過したときは通常モードによる加熱制御を終了して、その旨をブザーと液晶表示器を介して報知する(S18)。
【0019】
また、待機時間経過後の水温Tが閾値T0以上のときは、蒸気少なめモードを選択し(S19)、炊飯釜2内の食品から発生する蒸気量が少なくなるように加熱手段5の加熱パターンを変更して加熱制御する(S20)。そして、加熱調理に必要な所定時間を経過したか否かを判定し(S21)、所定時間を経過していないときは蒸気少なめモードによる加熱制御を継続し(S20、S21)、所定時間を経過したときは蒸気少なめモードによる加熱制御を終了して、その旨を前記と同様にブザーと液晶表示器を介して報知する(S18)。蒸気少なめモード時の所定時間は、前述したように通常モードのときの所定時間よりも長く設定されている。
【0020】
以上のように実施の形態2によれば、予約スイッチがON操作された場合、予約設定による待機時間の経過後に水槽7の水温Tと閾値T0を比較することで、待機時間の積算中の水温Tの上昇に応じて加熱手段5を加熱制御することが可能となる。
【0021】
また、通常モードの加熱制御の機能しか有してない場合に、水槽7の水温Tが高いと、加熱不可の状態と判定されて予約無効になってしまう、もしくは水温Tが高いまま加熱して蒸気が漏れてしまう危険性があるが、蒸気少なめモードを設けることで、予約を無効にせず、蒸気漏れの危険性のない状態で加熱手段5を加熱することができる。
【0022】
実施の形態3.
図5は本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の例えば炊飯器の内部を示す側面図である。なお、図1で説明した実施の形態1と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
図5において、冷却装置9(冷却手段)は、例えばペルチェ素子やファンからなり、水槽7の底部に装着され、後述する制御部12bによって駆動されたときに水槽7内の回収水8を冷却する。制御部12aは、温度センサ11により検知される水温Tの閾値T0、水位センサ10により検知される水量Vの閾値V0をデータとして有している。この制御部12aは、前述したように、水位センサ10によって検知された水量Vが閾値V0以上のときに、ブザーと液晶表示器(図示せず)を介して水槽7内の回収水8の排水を促すようにしている。そして、温度センサ11によって検知された水槽7の水温Tが閾値T0よりも低い場合は、通常モードを選択し、また、水温Tが閾値T0以上の場合は、蒸気少なめモードを選択して、蒸気少なめモードによる加熱制御を行うと共に、冷却装置9を駆動して水槽7内の回収水8を冷却し、水温Tが閾値T0よりも低くなったときは冷却装置9の駆動を停止する。つまり、蒸気少なめモードにおいては、水槽7の水温Tが閾値T0以上にならないようにしている。
【0023】
次に、図6用いて動作を説明する。図6は実施の形態3における加熱制御及び冷却の動作を示すフローチャートである。なお、通常モード(S33〜S36)における加熱制御の動作については、図3に示すS3〜S6と同様であるため、説明を省略する。
制御部12aは、S32において、閾値T0以上の水温Tを検知すると(S32)、蒸気少なめモードを選択し(S37)、炊飯釜2内の食品から発生する蒸気量が少なくなるように加熱手段5の加熱パターンを変更して加熱制御する(S38)。そして、加熱調理に必要な所定時間を経過したか否かを判定し(S39)、所定時間を経過していないときは、水槽7の水温Tと閾値T0を比較する(S40)。加熱パターンの変更時は、水温Tが閾値T0以上であるため、冷却装置9を駆動し(S41)、水槽7内の回収水8の冷却を行うと共に、蒸気少なめモードによる加熱制御を継続する。所定時間を経過する前に水温Tが閾値T0よりも低くなったときは、冷却装置9の駆動を停止して蒸気少なめモードによる加熱制御を継続する(S38、S39)。これを繰り返し行っているうちに、所定時間を経過したときは、蒸気少なめモードによる加熱制御を終了して、その旨をブザーと液晶表示器を介して報知する(S36)。
【0024】
以上のように実施の形態3によれば、蒸気少なめモードで加熱手段5の加熱制御を開始した際、また、蒸気少なめモードによる加熱制御を計測しているときに、水温Tが閾値T0以上であったとき冷却装置9を駆動して、水槽7の水温Tが閾値T0よりも低くなるまで冷却するようにしたので、水槽7内の回収水8による蒸気の凝縮率の低下を抑えることが可能になり、このため、途中で加熱停止することなく最後まで加熱調理を行うことができる。
【0025】
なお、実施の形態3では、水温Tから蒸気少なめモードに切り替えた際、また、蒸気少なめモードによる加熱制御を行っているときに、水温Tが閾値T0以上であった場合、冷却装置9を駆動して水槽7内の回収水8を冷却するようにしたが、例えば通常モードのみを備えた炊飯器で、煮込みやスープなどを加熱調理しているときに閾値T0以上の水温Tを検知した場合、冷却装置9を駆動して水槽7内の回収水8を冷却するようにしても良い。これにより、加熱手段5の加熱パターンを変更することなく、蒸気の凝縮率の低下を抑えることができ、途中で加熱停止することなく最後まで加熱調理を行うことが可能になる。さらに、蒸気少なめモードが不要になるため、制御部12bを簡素化でき、コスト削減を図ることが可能になる。
また、加熱開始の予約設定の待機時間中に閾値T0以上の水温Tを検知した場合、冷却装置9を駆動して水槽7内の回収水8を冷却するようにしても良い。
【0026】
実施の形態4.
図7は本発明の実施の形態4に係る加熱調理器の例えば炊飯器の内部を示す側面図である。なお、図1で説明した実施の形態1と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
図7において、制御部12bは、例えばマイコンからなり、加熱調理の開始時に通常モードを選択して加熱手段5を加熱制御し、この通常モードによる加熱制御により、水量Vが閾値V0以上になったときは、通常モードから蒸気少なめモードに切り替えて加熱手段5の加熱パターンを変更し加熱制御する。つまり、通常モードで加熱しているときに発生する炊飯釜2内の蒸気量よりも少なくなるように加熱手段5を加熱制御する。なお、実施の形態4においては、水量Vを基に蒸気少なめモードに切り替えるか否かを判定するようにしているので、温度センサ11が不要になり、コストを削減できる。
【0027】
次に、図8を用いて動作を説明する。図8は実施の形態4における加熱制御の動作を示すフローチャートである。
制御部12bは、加熱スイッチ(図示せず)のON操作を検知すると(S51)、通常モードで加熱を開始すると共に、加熱時間の積算を行う(S52、S53)。そして、水位センサ10により検知された水槽7の水量Vを読み込んで閾値V0と比較し(S54)、水槽7の水量Vが閾値V0よりも低い場合は、加熱調理に必要な所定時間を経過したか否かを判定する(S55)。積算した時間が所定時間を経過していないときは、S53に戻って前述した動作を繰り返し行う。水槽7の水量Vが閾値V0よりも低い状態で所定時間を経過したときは、通常モードによる加熱制御を終了して、その旨をブザーと液晶表示器(図示せず)を介して報知する(S56)。
【0028】
また、制御部12bは、通常モードを開始した際に水槽7の水量Vが閾値V0以上であった場合、又は通常モードによる加熱制御により水槽7の水量Vが閾値V0以上になったときは、蒸気少なめモードの加熱パターンに変更して加熱制御する(S57)。そして、加熱調理に必要な所定時間を経過したか否かを判定し(S58)、所定時間を経過していないときは、蒸気少なめモードによる加熱制御を継続する(S57、S58)。蒸気少なめモードへの切り替えにより、炊飯釜2内の食品から発生する蒸気量は通常モード時よりも少なくなり、水槽7内に回収される。蒸気少なめモードの動作を繰り返し行っているうちに所定時間を経過したときは、蒸気少なめモードによる加熱制御を終了して、その旨をブザーと液晶表示器を介して報知する(S56)。
【0029】
以上のように実施の形態4によれば、まず、通常モードで加熱し、水槽7の水量Vが閾値V0よりも低い場合は、通常モードによる加熱制御を継続し、通常モードで加熱した際に水槽7の水量Vが閾値V0以上であった場合、また、通常モードによる加熱制御により水槽7の水量Vが閾値V0以上になったときは、通常モードから蒸気少なめモードに切り替えるようにしたので、例えば、加熱途中に振動などの影響で炊飯釜2内の炊飯液が水槽7内に逆流して閾値V0以上になったとしても、それに応じて蒸気少なめモードに変更することで、水槽7からの水漏れを抑制することが可能になり、途中で加熱停止することなく最後まで加熱調理を行うことが可能となる。
【0030】
また、例えば、炊飯器では、おかゆのように精白米に対して多くの水を加えて加熱する場合、通常の炊飯モードで加熱すると途中で大量の炊飯液が吹きこぼれてしまうため、「おかゆモード」と「普通モード」として、それぞれに加熱モードを設定している。もし、使用者が加熱モードの設定ミスをして、おかゆを「普通モード」とした場合、水槽7内に吹きこぼれが混入し、水槽7から水が溢れてしまう危険性がある。このように、使用者の設定ミスなどにより、通常の使用方法で想定される蒸気量よりもはるかに多い蒸気量が発生したり、吹きこぼれが起こるような状態になったとしても、水槽7の水量Vが閾値V0以上になったときに蒸気少なめモードに切り替えるので、水槽7からの水漏れを抑えることが可能になり、途中で加熱停止することなく最後まで加熱調理を行うことができる。
【0031】
実施の形態5.
実施の形態5は、例えば炊飯器の加熱調理である予熱工程、強火工程、弱火工程、ドライアップ工程及び蒸らし工程の各工程の直前に、水槽7の水温Tと閾値T0を比較し、水温Tが閾値T0以上のときに、炊飯釜2内の炊飯物(米と水)から発生する蒸気量が通常よりも少なくなるように加熱手段5の加熱パターンを変更するようにしたものである。なお、実施の形態5の炊飯器は、実施の形態1と同様の構成であるため図1を用いて説明する。
【0032】
実施の形態5における制御部12は、例えばマイコンからなり、前述した実施の形態1と同様に水槽7の水量Vに対する閾値V0、炊飯の各工程に応じてそれぞれ設定された水温Tに対する複数の閾値をデータとして有している。例えば、予熱工程の閾値はT1、強火工程の閾値はT2、弱火工程の閾値はT3、ドライアップ工程の閾値はT4、蒸らし工程の閾値はT5として有している。この制御部12は、炊飯の各工程の直前でそれぞれ水槽7の水温Tを読み込んで閾値と比較し、水温Tが閾値以上のときに炊飯釜2内の炊飯物から発生する蒸気量が少なくなるように蒸気少なめモードを選択して加熱手段5の加熱パターンを変更する。なお、図1には示していないが、炊飯中の炊飯釜2の温度を検知する釜温度センサ(例えばサーミスタ)が設けられているものとする。
【0033】
次に、図9を用いて動作を説明する。図9は実施の形態5における加熱制御の動作を示すフローチャートである。
制御部12は、炊飯スイッチのON操作を検知すると(S61)、図9には示していないが、まず、水位センサ10により検知された水槽7の水量Vを読み込んで閾値V0と比較する。前述したように、水量Vが閾値V0以上のときは、ブザーと液晶表示器(図示せず)を介して水槽7内の回収水8の排水を促す。また、水量Vが閾値V0より低いときは、温度センサ11により検知された水槽7の水温Tを読み込んで閾値T1と比較する(S62)。水温Tが閾値T1よりも低い場合は、通常モードの予熱工程1を選択して時間の積算を開始すると共に、釜温度センサにより検知された炊飯釜2の温度が所定温度t1になるように加熱手段5を制御する(S63)。そして、積算時間が所定時間A1を経過したか否かを判定し(S64)、積算時間が所定時間A1を経過していないときは、前述したS63、S64の動作を繰り返し行い、積算時間が所定時間A1を経過したときは、通常モードの予熱工程1終了と判断してS65に進む。
【0034】
また、水槽7の水温Tが閾値T1以上の場合は(S62)、蒸気少なめモードの予熱工程2を選択して時間の積算を開始すると共に、釜温度センサにより検知された炊飯釜2の温度が所定温度t2になるように加熱手段5を制御し(S79)、そして、積算時間が所定時間A2を経過したか否かを判定する(S80)。予熱工程2における炊飯釜2の所定温度t2は、予熱工程1の温度t1よりも高く(t2>t1)、所定時間A2は、予熱工程1の時間A1よりも長く設定されている(A2>A1)。これは、予熱工程2において温度t2を高く、また時間A2を長くして米粒内部への吸水を促進させるためである。沸騰するときに、米粒に吸水されずに残っている遊離水の量が多いほど、蒸気量の発生が増加するので、予熱工程2で予め米粒内に多くの水を吸水させて蒸気量の発生を抑えている。積算した時間が所定時間A2を経過していないときは、前述したS79、S80の動作を繰り返し行い、積算時間が所定時間A2を経過したときは、蒸気少なめモードの予熱工程2終了と判断してS65に進む。
【0035】
予熱工程1、2の何れか一方が終了すると、温度センサ11により検知された水槽7の水温Tと閾値T2を比較する(S65)。水温Tが閾値T2よりも低い場合は、通常モードの強火工程1を選択して所定電力W1で炊飯釜2が加熱されるように制御すると共に、時間の積算を開始する(S66)。そして、積算時間が所定時間A3を経過したか否かを判定し(S67)、積算時間が所定時間A3を経過していないときは、前述したS66、S67の動作を繰り返し行い、積算時間が所定時間A3を経過したときは、通常モードの強火工程1終了と判断してS68に進む。
【0036】
また、水槽7の水温Tが閾値T2以上の場合は、蒸気少なめモードの強火工程2を選択して所定電力W2で炊飯釜2が加熱されるように制御すると共に、時間の積算を開始し(S81)、積算時間が所定時間A4を経過したか否かを判定する(S82)。強火工程2は、強火工程1と比べ、電力W2が低く(W2<W1)、時間A4が短く設定されている(A4<A3)。これは、電力が低く、また時間が短いほど蒸気量の発生が少ないからである。積算時間が所定時間A4を経過していないときは、前述したS81、S82の動作を繰り返し行い、積算時間が所定時間A4を経過したときは、蒸気少なめモードの強火工程2終了と判断してS68に進む。
【0037】
強火工程1、2の何れか一方が終了すると、前記と同様に温度センサ11により検知された水槽7の水温Tと閾値T3を比較する(S68)。水温Tが閾値T3よりも低い場合は、通常モードの弱火工程1を選択して所定電力W3で炊飯釜2が加熱されるように制御すると共に、時間の積算を開始し(S69)、積算時間が所定時間A5を経過したか否かを判定する(S70)。積算時間が所定時間A5を経過していないときは、前述したS69、S70の動作を繰り返し行い、積算時間が所定時間A5を経過したときは、通常モードの弱火工程1終了と判断してS71に進む。
【0038】
また、水槽7の水温Tが閾値T3以上の場合は、蒸気少なめモードの弱火工程2を選択して所定電力W4で炊飯釜2が加熱されるように制御すると共に、時間の積算を開始し(S83)、積算時間が所定時間A6を経過したか否かを判定する(S84)。弱火工程2においては、弱火工程1と比べ、電力W4が低く(W4<W3)、時間A6が長く設定されている(A6>A5)。これは、電力W4が低いほど蒸気量の発生が少なくなるためであり、また、弱火工程2の時間A6を長くすることによって、ドライアップ工程に進む前に米粒に吸水されずに残っている遊離水をできるだけ多く吸水させるためである。これにより、弱火工程よりも蒸気が発生しやすいドライアップ工程での蒸気量を抑えることができる。積算した時間が所定時間A6を経過していないときは、前述したS83、S84の動作を繰り返し行い、積算時間が所定時間A6を経過したときは、蒸気少なめモードの弱火工程2終了と判断してS71に進む。
【0039】
制御部2は、弱火工程1、2の何れか一方が終了すると、温度センサ11により検知された水槽7の水温Tと閾値T4を比較する(S71)。水温Tが閾値T4よりも低い場合は、通常モードのドライアップ工程1を選択して、釜温度センサにより検知された炊飯釜2の温度が所定温度t3になるように所定電力W5で加熱する(S72)。そして、炊飯釜2の温度が所定温度t3まで上昇したか否かを判定し(S73)、炊飯釜2の温度が所定温度t3まで達していないときは、前述したS72、S73の動作を繰り返し行い、炊飯釜2の温度が所定温度t3まで上昇したときは、ドライアップ検知と判断して通常モードのドライアップ工程1を終了しS74に進む。
【0040】
また、水温Tが温度T4以上の場合は、蒸気少なめモードのドライアップ工程2を選択して、釜温度センサにより検知された炊飯釜2の温度が所定温度t4になるように所定電力W6で加熱する(S85)。ドライアップ工程2においては、ドライアップ工程1と比べ、電力W6が低く(W6<W5)、温度t4も低く設定されている(t4<t3)。これは、蒸気量の発生を少なくするためである。所定電力W6で加熱した際に、炊飯釜2の温度が所定温度t4まで上昇したか否かを判定し(S86)、炊飯釜2の温度が所定温度t4まで達していないときは、前述したS85、S86の動作を繰り返し行い、炊飯釜2の温度が所定温度t4まで上昇したときは、ドライアップ検知と判断して蒸気少なめモードのドライアップ工程2を終了しS74に進む。
【0041】
ドライアップ工程1、2の何れか一方が終了すると、温度センサ11により検知された水槽7の水温Tと閾値T5を比較する(S74)。水温Tが閾値T5よりも低い場合は、通常モードの蒸らし工程1を選択して所定電力W7で炊飯釜2が加熱されるように制御すると共に、時間の積算を開始し(S75)、積算時間が所定時間t5を経過したか否かを判定する(S76)。積算時間が所定時間t5を経過していないときは、前述したS75、S76の動作を繰り返し行い、積算時間が所定時間t5を経過したときは通常モードの蒸らし工程1終了と判断してS77に進む。
【0042】
また、水温Tが閾値T5以上の場合は、蒸気少なめモードの蒸らし工程2を選択して前記の電力W7よりも低い所定電力W8で炊飯釜2が加熱されるように制御すると共に、時間の積算を開始し(S87)、積算時間が所定時間t6(t6<t5)を経過したか否かを判定する(S88)。蒸らし工程2の電力W8が蒸らし工程1の電力W7よりも低いのは、発生する蒸気量を少なくするためである。積算した時間が所定時間t6を経過していないときは、前述したS87、S88の動作を繰り返し行い、積算時間が所定時間t6を経過したときは蒸気少なめモードの蒸らし工程2終了と判断してS77に進む。
【0043】
そして、ドライアップ工程1、2の何れか一方が終了したときは、炊飯終了を例えばブザーと液晶表示器を介して報知し(S77)、炊飯の保温に入る(S78)。
【0044】
以上のように実施の形態5によれば、炊飯の各工程の直前にそれぞれ水槽7の水温Tを読み込んで、該当する閾値と比較し、水温Tが閾値以上のときに炊飯釜2内の炊飯物から発生する蒸気量が少なくなるように加熱手段5の加熱パターンを変更するようにしたので、水槽7の水温Tが高い場合でも蒸気量が少ないために蒸気を水槽7内の水8(回収水)で凝縮することが可能になり、水槽7からの蒸気漏れを抑えることができ、このため、途中で加熱停止することなく最後まで炊飯を行うことができる。また、夏場など水道水の温度が高い状態でもわざわざ水を冷やす手間無しに炊飯することが可能となる。
【0045】
なお、前記の実施の形態5では、炊飯の各工程の直前にそれぞれ水槽7の水温Tを読み込んで、該当する閾値と比較し、水温Tが閾値以上のときに蒸気少なめモードを選択して加熱パターンを変更するようにしたが、通常モードの各工程の実行中にそれぞれ水槽7の水温Tを読み込んで、該当する閾値と比較し、水温Tが閾値以上のときに蒸気少なめモードに切り替えて加熱手段5の加熱パターンを変更するようにしても良い。
【0046】
また、前述したように、炊飯の各工程の直前にそれぞれ水槽7の水温Tを読み込んで、該当する閾値と比較し、水温Tが閾値以上のときに蒸気少なめモードに切り替えるようにしたが、水温Tに代えて水槽7の水量Vから通常モードか蒸気少なめモードかを判定するようにしても良い。例えば、炊飯の各工程の直前、あるいは各工程の実行中に、それぞれ水位センサ10により検知された水槽7の水量Vを読み込んで、該当する閾値と比較し、水量Vが閾値以上のときに、炊飯釜2内の炊飯物から発生する蒸気量が通常よりも少なくなるように加熱手段5の加熱パターンを変更して加熱制御する。これにより、炊飯途中で水槽7の水量Vが水位センサ10の水位以上になったとしても、蒸気量が少ないために水槽7から蒸気が漏れること無く、蒸気を水槽7内の水8(回収水)で凝縮することが可能になり、このため、途中で加熱停止することなく最後まで炊飯を行うことができる。
【0047】
また、水槽7の底部に冷却装置9を装着し、炊飯の各工程において、水槽7の水温Tから蒸気少なめモードを実行しているときに、水槽7の水温Tが閾値T0以上になった場合、冷却装置9を駆動して水槽7内の回収水8を冷却し、蒸気の凝縮率の低下を抑制するようにしても良い。
【0048】
また、実施の形態5では、炊飯スイッチのON操作を検知したときに、予熱工程の直前で水温Tと閾値T1を比較するようにしたが、予約設定による待機時間の経過後に水温Tと閾値T1を比較するようにしても良い。これにより、待機時間の積算中の水温Tの上昇に応じて加熱手段5を加熱制御することができる。
【0049】
実施の形態6.
図10は本発明の実施の形態6に係る加熱調理器の例えば炊飯器の内部を示す側面図、図11は図10に示す炊飯器における弁開放時の蒸気の放出例を示す側面図である。なお、図1及び図7で説明した実施の形態1、4と同一又は相当部分には同じ符号を付し説明を省略する。
図10、11において、炊飯器本体1の水槽7側の側面に形成された蒸気排出口13(蒸気排出手段)は、蒸気排出管6により水槽7内に導かれた蒸気を外部に排出するために設けられている。その蒸気排出口13から高温の蒸気が出ることがあるため、炊飯器本体1の蒸気排出口13近傍の側面表面に「高温注意」の注意書が大きく表示されている。水槽7の前記蒸気排出口13側の側面には、蒸気排出口14a(蒸気排出手段)を開閉する常閉の開閉弁14(開閉手段)が取り付けられ、また、水槽7内に設けられた蒸気導入管7bの前記開閉弁14側の側面には、蒸気排出口15a(蒸気排出手段)を開閉する常閉の開閉弁15が取り付けられている。前述した蒸気排出口14a、15aは、ほぼ同じ中心軸を中心として配置されている。
【0050】
制御部12cは、温度センサ11により検知される水温Tの閾値T0、水位センサ10により検知される水量Vの閾値V0をデータとして有している。水位センサ10によって検知された水量Vが閾値V0以上のときは、前述したようにブザーと液晶表示器(図示せず)を介して水槽7内の回収水8の排水を促す。この報知は、加熱制御の前で、加熱調理に何ら影響を与えないので、回収水8の排水を促すようにしている。水量Vが閾値V0よりも低いとき、また、回収水8の排水により水量Vが閾値V0よりも低くなったときに、温度センサ11によって検知された水槽7の水温Tが閾値T0よりも低い場合は、通常モードを選択し、また、水温Tが閾値T0以上の場合は、蒸気少なめモードを選択して加熱手段5の加熱パターンを変更すると共に、開閉弁14、15を開き、蒸気を蒸気排出口13から排出させる。さらに、蒸気少なめモードで加熱手段5を加熱制御しているときに、水温Tが閾値T0以上になると冷却装置9を駆動し水槽7内の回収水8を冷却する。
【0051】
次に、実施の形態6の動作を図10及び図11を参照しながら説明する。
制御部12cは、水位センサ10により検知された水量Vが閾値V0よりも低いときに、温度センサ11によって検知された水槽7の水温Tが閾値T0よりも低い場合は、通常モードで加熱手段5を加熱制御する。この加熱制御により炊飯釜2内の食品から蒸気が発生すると、その蒸気は図10に示す矢印のように蒸気排出管6、蒸気導入管7bを通って水槽7内の水8(回収水)により凝縮される。一方、制御部12cは、加熱調理に必要な所定時間を経過したか否かを判定し、所定時間を経過していないときは、水槽7の水温Tと閾値T0を比較する。水温Tが閾値T0よりも低い場合は、通常モードによる加熱制御を継続し、所定時間を経過したときは、通常モードによる加熱制御を終了して、その旨をブザーと液晶表示器を介して報知する。
【0052】
また、水槽7内の水温Tが閾値T0以上のときは、蒸気少なめモードを選択し、炊飯釜2内の食品から発生する蒸気量が少なくなるように加熱手段5の加熱パターンを変更して加熱制御する。次いで、図11に示すように、開閉弁14、15を開放すると共に、蒸気排出による注意を例えばブザーを鳴動して促す。この場合、開閉弁15は下方に開いて蒸気導入管7bを塞ぎ、開閉弁14は上方に開いて蒸気排気口15aの上縁部に当接する。この時、蒸気導入管7bに導入された蒸気は、矢印に示すように、蒸気排出口15a、14aを順に通って炊飯器本体1に設けられた蒸気排出口13から外部へ排出される。
【0053】
一方、制御部12cは、所定時間を経過したか否かを判定し、所定時間を経過していないときは、蒸気少なめモードによる加熱制御を継続すると共に、開閉弁14、15の開状態を保持する。そして、所定時間を経過したときは、蒸気少なめモードによる加熱制御を終了して、その旨をブザーと液晶表示器を介して報知し、開閉弁14、15を閉じる。
【0054】
以上のように実施の形態6によれば、水槽7の水温Tから蒸気少なめモードを選択した際に、開閉弁14、15を開いて通常モード時よりも少ない蒸気を炊飯器本体1の蒸気排出口13から排出するようにしたので、蒸気の凝縮率が低下するほど水槽7の水温Tが高くなったとしても、途中で加熱停止することなく最後まで加熱調理を行うことができる。
【0055】
また、炊飯器本体1に蒸気排出口13を設けることによって蒸気の出る部位を特定できるため、その部位が壁などに当たらないように設置することで、結露による壁や床材の傷みを防止することができ、また、蒸気排出口13から蒸気を排出している際に、ブザーでその旨を報知し、その蒸気排出口13近傍に「高温注意」の注意書を表示しているので、その部位に不意に手を近づけたりすることが無くなり、火傷の危険性を防止できる。
【0056】
なお、実施の形態6では、水槽7の水温Tから蒸気少なめモードを選択した際に、開閉弁14、15を開くようにしたが、水量センサ10により検知された水槽7の水量Vと閾値V0を比較し、水量Vが閾値V0以上のときに、蒸気少なめモードを選択し、開閉弁14、15を開いて、水槽7内に導かれた蒸気を蒸気排出口15a、14a、13を介して調理器本体1から外部に排出させるようにしても良い。これにより、水槽7から回収水8が漏れるということがなくなり、途中で加熱停止することなく最後まで加熱調理を行うことができる。
【0057】
また、実施の形態6では、水槽7の水温Tから蒸気少なめモードを選択した際に、開閉弁14、15を開いて、水槽7内の蒸気を炊飯器本体1の容器排出口13から外部へ排出するようにしたが、例えば、通常モードで加熱制御しているときに、水槽7の水温Tが閾値T0以上になった場合、開閉弁14、15を開いて、水槽7内の蒸気を炊飯器本体1の容器排出口13から外部へ排出するようにしても良いし、また、通常モードで加熱制御しているときに、水槽7の水量Vが閾値V0以上になった場合、開閉弁14、15を開いて、水槽7内の蒸気を炊飯器本体1の容器排出口13から外部へ排出するようにしても良い。これにより、加熱手段5の加熱パターンを変更することなく、水槽7から回収水8が漏れるということがなくなり、途中で加熱停止することなく最後まで加熱調理を行うことができる。
【0058】
前述した実施の形態では、水槽7の水温Tあるいは水量Vを検知することで加熱制御を変更する、あるいは水槽7内の水8を冷却することで水槽7内の水8による蒸気の凝縮を行えるようにしたが、水位センサ10や温度センサ11が加熱途中で故障した場合は、水槽7内の水8の状態を検知することが不可能となるため、制御部12、12a〜12cにより蒸気少なめモードを選択し、加熱調理(炊飯)終了するまでそのモードで加熱制御を行うようにしても良い。これにより、加熱調理終了まで蒸気漏れや水槽7からの水漏れの危険性が無くなる。
【0059】
また、冬のように寒い季節であれば、加熱調理中でも外気によって水槽7の水8が冷やされるため、夏場のように暑い環境下で加熱するときと比べて、水槽7の水温Tが高くても加熱調理中に蒸気漏れが起こる危険性が低い。そのため、水槽7の温水Tの閾値T0や、水量Vの閾値V0を季節や外気温に応じて変更するようにしても良い。その各閾値T0、V0は予め制御部12、12a〜12cに設定しておき、その制御部12、12a〜12cにより季節や外気温に応じて自動的に変更する。このように閾値を変更することによって、必要以上に冷却装置9で水槽7を冷却しなくてもよいため、省エネにつながる。また、蒸気の発生を抑える制御として、図9のS80及びS84に示すように、通常モードよりも工程時間(所定時間A2又はA6)を長くしているが、それらの工程時間を短くすることができ、炊飯時間の短縮にもつながる。
【0060】
また、前述した実施の形態では、温度センサ11を炊飯器本体1内に設けて、水槽7の設置時に水槽7の側面に接触するようにしたが、温度センサを水槽7内に設け、温度データを非接触で制御部12、12a〜12cに通信するようにしても良い。また、水槽7に熱伝導の良い素材を用いたことを述べたが、前述の如く水槽7内に温度センサを配置する構成とした場合、水槽7に熱伝導の悪い素材を用いても良い。
【0061】
また、加熱調理器として炊飯器を例に挙げて説明したが、加熱調理時に蒸気の発生する例えばコーヒーメーカや、自動パン焼き器に適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の例えば炊飯器の内部を示す側面図である。
【図2】水槽内の水温と水量の相関を示す図である。
【図3】実施の形態1における加熱制御の動作を示すフローチャートである。
【図4】実施の形態2における加熱制御の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の例えば炊飯器の内部を示す側面図である。
【図6】実施の形態3における加熱制御の動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態4に係る加熱調理器の例えば炊飯器の内部を示す側面図である。
【図8】実施の形態4における加熱制御及び冷却の動作を示すフローチャートである。
【図9】実施の形態5における加熱制御の動作を示すフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態6に係る加熱調理器の例えば炊飯器の内部を示す側面図である。
【図11】図10に示す炊飯器における弁開放時の蒸気の放出例を示す側面図である。
【符号の説明】
【0063】
1 炊飯器本体、2 炊飯釜、3 蓋体、4 内蓋、5 加熱手段、6 蒸気排出管、7 水槽、7a 水槽蓋、7b 蒸気導入管、8 水(回収水)、9 冷却装置、
10 水位センサ、11 温度センサ、12、12a〜12c 制御部、13 本体側の蒸気排出口、14、15 開閉弁、14a 水槽側の蒸気排出口、15a 蒸気導入管側の蒸気排出口。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理器本体に着脱可能に収納された食品調理用の容器と、
前記容器を加熱する加熱手段と、
加熱調理中に前記容器内の食品から発生する蒸気を該容器から外部へと導く蒸気排出路と、
前記蒸気排出路より導かれた蒸気を復水して回収する水槽と、
前記水槽内の水温を検知する水温検知手段と、
前記加熱手段の加熱を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記水温検知手段により検知された前記水槽内の水温と閾値を比較し、水温が閾値以上のときに前記加熱手段の加熱パターンを変更することを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記制御手段は、加熱開始の予約設定による待機時間の経過後に前記水温検知手段により検知された前記水槽内の水温と閾値を比較し、水温が閾値以上のときに前記加熱手段の加熱パターンを変更することを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記水槽内の水を冷却する冷却手段を備え、
前記制御手段は、前記水温検知手段により検知された前記水槽内の水温が閾値以上のときに前記冷却手段を駆動することを特徴とする請求項1又は2記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記蒸気排出路に設けられ、調理器本体外部と連通する蒸気排出手段と、
前記蒸気排出手段に設けられた常閉の開閉手段とを備え、
前記制御手段は、前記水温検知手段により検知された前記水槽内の水温が閾値以上のときに前記開閉手段を開放し、前記蒸気排出路内の蒸気を前記蒸気排出手段を介して調理器本体から外部に排出させることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項5】
調理器本体に着脱可能に収納された食品調理用の容器と、
前記容器を加熱する加熱手段と、
加熱調理中に前記容器内の食品から発生する蒸気を該容器から外部へと導く蒸気排出路と、
前記蒸気排出路より導かれた蒸気を復水して回収する水槽と、
前記水槽内の水量を検知する水量検知手段と、
前記加熱手段の加熱を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記水量検知手段により検知された前記水槽内の水量と閾値を比較し、水量が閾値以上のときに前記加熱手段の加熱パターンを変更することを特徴とする加熱調理器。
【請求項6】
前記蒸気排出路に設けられ、調理器本体外部と連通する蒸気排出手段と、
前記蒸気排出手段に設けられた常閉の開閉手段とを備え、
前記制御手段は、前記水量検知手段により検知された前記水槽内の水量が閾値以上のときに前記開閉手段を開放し、前記蒸気排出路内の蒸気を前記蒸気排出手段を介して調理器本体から外部に排出させることを特徴とする請求項5記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記制御手段は、炊飯工程として、前記容器内の米及び水を所定温度にて加熱する予熱工程、米の澱粉を糊化させる強火工程、米の内部まで十分に糊化させる弱火工程、前記容器内の余分な水分を蒸発させるドライアップ工程及び蒸らし工程を有し、前記各工程毎に応じて設定された水温に対する複数の閾値を有し、炊飯の各工程の直前、あるいは各工程の実行中に、それぞれ前記水温検知手段により検知された前記水槽内の水温と閾値を比較し、水温が閾値以上のときに前記加熱手段の加熱パターンを変更することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記制御手段は、前記各工程のうち予熱工程の直前、あるいは予熱工程の実行中に前記水温検知手段により検知された前記水槽内の水温を読み込んで、前記複数の閾値から該当する閾値と比較し、水温が閾値以上のときに、前記予熱工程の加熱温度を所定温度よりも高くする加熱パターンに変更することを特徴とする請求項7記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記制御手段は、前記各工程のうち予熱工程の直前、あるいは予熱工程の実行中に前記水温検知手段により検知された前記水槽内の水温を読み込んで、前記複数の閾値から該当する閾値と比較し、水温が閾値以上のときに、前記予熱工程の工程時間を所定時間よりも長くする加熱パターンに変更することを特徴とする請求項7又は8記載の加熱調理器。
【請求項10】
前記制御手段は、前記各工程のうち強火工程の直前、あるいは強火工程の実行中に前記水温検知手段により検知された前記水槽内の水温を読み込んで、前記複数の閾値から該当する閾値と比較し、水温が閾値以上のときに、前記強火工程の電力を所定電力よりも低くする加熱パターンに変更することを特徴とする請求項7乃至9の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項11】
前記制御手段は、前記各工程のうち強火工程の直前、あるいは強火工程の実行中に前記水温検知手段により検知された前記水槽内の水温を読み込んで、前記複数の閾値から該当する閾値と比較し、水温が閾値以上のときに、前記強火工程の工程時間を所定時間よりも短くする加熱パターンに変更することを特徴とする請求項7乃至10の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項12】
前記制御手段は、前記各工程のうち弱火工程の直前、あるいは弱火工程の実行中に前記水温検知手段により検知された前記水槽内の水温を読み込んで、前記複数の閾値から該当する閾値と比較し、水温が閾値以上のときに、前記弱火工程の電力を所定電力よりも低くする加熱パターンに変更することを特徴とする請求項7乃至11の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項13】
前記制御手段は、前記各工程のうち弱火工程の直前、あるいは弱火工程の実行中に前記水温検知手段により検知された前記水槽内の水温を読み込んで、前記複数の閾値から該当する閾値と比較し、水温が閾値以上のときに、前記弱火工程の工程時間を所定時間よりも長くする加熱パターンに変更することを特徴とする請求項7乃至12の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項14】
前記制御手段は、前記各工程のうちドライアップ工程の直前、あるいはドライアップ工程の実行中に前記水温検知手段により検知された前記水槽内の水温を読み込んで、前記複数の閾値から該当する閾値と比較し、水温が閾値以上のときに、前記ドライアップ工程の電力を所定電力よりも低くする加熱パターンに変更することを特徴とする請求項7乃至13の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項15】
前記制御手段は、前記各工程のうちドライアップ工程の直前、あるいはドライアップ工程の実行中に前記水温検知手段により検知された前記水槽内の水温を読み込んで、前記複数の閾値から該当する閾値と比較し、水温が閾値以上のときに、前記ドライアップ工程の加熱温度を所定温度よりも低くする加熱パターンに変更することを特徴とする請求項7乃至14の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項16】
前記制御手段は、前記各工程のうち蒸らし工程の直前、あるいは蒸らし工程の実行中に前記水温検知手段により検知された前記水槽内の水温を読み込んで、前記複数の閾値から該当する閾値と比較し、水温が閾値以上のときに、前記蒸らし工程の電力を所定電力よりも低くする加熱パターンに変更することを特徴とする請求項7乃至15の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項17】
前記制御手段は、炊飯工程として、前記容器内の米及び水を所定温度にて加熱する予熱工程、米の澱粉を糊化させる強火工程、米の内部まで十分に糊化させる弱火工程、前記容器内の余分な水分を蒸発させるドライアップ工程及び蒸らし工程を有し、前記各工程毎に応じて設定された水量に対する複数の閾値を有し、炊飯の各工程の直前、あるいは各工程の実行中に、それぞれ前記水量検知手段により検知された前記水槽内の水量と閾値を比較し、水量が閾値以上のときに前記加熱手段の加熱パターンを変更することを特徴とする請求項5又は6記載の加熱調理器。
【請求項18】
前記制御手段は、前記各工程のうち予熱工程の直前、あるいは予熱工程の実行中に前記水量検知手段により検知された前記水槽内の水量を読み込んで、前記複数の閾値から該当する閾値と比較し、水量が閾値以上のときに、前記予熱工程の加熱温度を所定温度よりも高くする加熱パターンに変更することを特徴とする請求項17記載の加熱調理器。
【請求項19】
前記制御手段は、前記各工程のうち予熱工程の直前、あるいは予熱工程の実行中に前記水量検知手段により検知された前記水槽内の水量を読み込んで、前記複数の閾値から該当する閾値と比較し、水量が閾値以上のときに、前記予熱工程の工程時間を所定時間よりも長くする加熱パターンに変更することを特徴とする請求項17又は18記載の加熱調理器。
【請求項20】
前記制御手段は、前記各工程のうち強火工程の直前、あるいは強火工程の実行中に前記水量検知手段により検知された前記水槽内の水量を読み込んで、前記複数の閾値から該当する閾値と比較し、水量が閾値以上のときに、前記強火工程の電力を所定電力よりも低くする加熱パターンに変更することを特徴とする請求項17乃至19の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項21】
前記制御手段は、前記各工程のうち強火工程の直前、あるいは強火工程の実行中に前記水量検知手段により検知された前記水槽内の水量を読み込んで、前記複数の閾値から該当する閾値と比較し、水量が閾値以上のときに、前記強火工程の工程時間を所定時間よりも短くする加熱パターンに変更することを特徴とする請求項17乃至20の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項22】
前記制御手段は、前記各工程のうち弱火工程の直前、あるいは弱火工程の実行中に前記水量検知手段により検知された前記水槽内の水量を読み込んで、前記複数の閾値から該当する閾値と比較し、水量が閾値以上のときに、前記弱火工程の電力を所定電力よりも低くする加熱パターンに変更することを特徴とする請求項17乃至21の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項23】
前記制御手段は、前記各工程のうち弱火工程の直前、あるいは弱火工程の実行中に前記水量検知手段により検知された前記水槽内の水量を読み込んで、前記複数の閾値から該当する閾値と比較し、水量が閾値以上のときに、前記弱火工程の工程時間を所定時間よりも長くする加熱パターンに変更することを特徴とする請求項17乃至22の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項24】
前記制御手段は、前記各工程のうちドライアップ工程の直前、あるいはドライアップ工程の実行中に前記水量検知手段により検知された前記水槽内の水量を読み込んで、前記複数の閾値から該当する閾値と比較し、水量が閾値以上のときに、前記ドライアップ工程の電力を所定電力よりも低くする加熱パターンに変更することを特徴とする請求項17乃至23の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項25】
前記制御手段は、前記各工程のうちドライアップ工程の直前、あるいはドライアップ工程の実行中に前記水量検知手段により検知された前記水槽内の水量を読み込んで、前記複数の閾値から該当する閾値と比較し、水量が閾値以上のときに、前記ドライアップ工程の加熱温度を所定温度よりも低くする加熱パターンに変更することを特徴とする請求項17乃至24の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項26】
前記制御手段は、前記各工程のうち蒸らし工程の直前、あるいは蒸らし工程の実行中に前記水量検知手段により検知された前記水槽内の水量を読み込んで、前記複数の閾値から該当する閾値と比較し、水量が閾値以上のときに、前記蒸らし工程の電力を所定電力よりも低くする加熱パターンに変更することを特徴とする請求項17乃至25の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項27】
調理器本体に着脱可能に収納され、食品調理用の容器と、
前記容器を加熱する加熱手段と、
加熱調理中に前記容器内の食品から発生する蒸気を外部へと導く蒸気排出路と、
前記蒸気排出路より導かれた蒸気を復水して回収する水槽と、
前記水槽内の水温を検知する水温検知手段と、
前記水槽を冷却する冷却手段と、
前記加熱手段の加熱を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記水温検知手段により検知された前記水槽内の水温と閾値を比較し、水温が閾値以上のときに前記冷却手段を駆動することを特徴とする加熱調理器。
【請求項28】
前記制御手段は、加熱開始の予約設定による待機時間の経過途中で前記水温検知手段を介して前記水槽内の水温を検知し、かつ該水温と前記閾値を比較し、水温が閾値以上のときには待機時間中に前記冷却手段を駆動することを特徴とする請求項27記載の加熱調理器。
【請求項29】
調理器本体に着脱可能に収納され、食品調理用の容器と、
前記容器を加熱する加熱手段と、
加熱調理中に前記容器内の食品から発生する蒸気を外部へと導く蒸気排出路と、
前記蒸気排出路より導かれた蒸気を復水して回収する水槽と、
前記水槽内の水温を検知する水温検知手段と、
前記蒸気排出路に設けられ、調理器本体外部と連通する蒸気排出手段と、
前記蒸気排出手段に設けられた常閉の開閉手段と、
前記加熱手段の加熱を制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、加熱調理中に前記水温検知手段により検知された前記水槽内の水温と閾値を比較し、水温が閾値以上のときに前記開閉手段を開放し、前記蒸気排出路内の蒸気を前記蒸気排出手段を介して調理器本体から外部に排出させることを特徴とする加熱調理器。
【請求項30】
前記水温検知手段に代えて、前記水槽内の水量を検知する水量検知手段を備え、
前記制御手段は、前記水量検知手段により検知された前記水槽内の水量と閾値を比較し、水量が閾値以上のときに前記開閉手段を開放し、前記蒸気排出路内の蒸気を前記蒸気排出手段を介して調理器本体から外部に排出させることを特徴とする請求項29記載の加熱調理器。
【請求項31】
前記制御手段は、前記水温検知手段の異常状態を検知したときに、蒸気の発生が少なくなるように前記加熱手段の加熱パターンを変更することを特徴とする請求項1乃至4、請求項7乃至16、及び請求項27乃至29の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項32】
前記制御手段は、前記水量検知手段の異常状態を検知したときに、蒸気の発生が少なくなるように前記加熱手段の加熱パターンを変更することを特徴とする請求項17乃至26、及び請求項30の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項33】
前記水量検知手段は、前記水槽内の水面の高さを検知する水位センサを用いることを特徴とする請求項17乃至26、及び請求項30、32の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項34】
前記水量検知手段は、前記水槽の重量を検知する重量センサを用いることを特徴とする請求項17乃至26、及び請求項30、32の何れかに記載の加熱調理器。
【請求項35】
前記制御手段は、前記各閾値を季節に応じて変更することを特徴とする請求項1乃至34の何れかに記載の加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−46123(P2010−46123A)
【公開日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−210615(P2008−210615)
【出願日】平成20年8月19日(2008.8.19)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】