加速度センサおよびその製造方法
【課題】加速度センサの小型化、薄型化を維持して、加速度の検出感度を高めることを可能とする。
【解決手段】支持部21に一端が支持された複数の弾性支持部22と、前記各弾性支持部22の他端側に支持された質量部23と、前記質量部23の変位検出手段25とを備えた加速度センサ1であって、前記各弾性支持部22に支持される側の前記質量部23に凹部24が形成され、前記弾性支持部22は前記凹部24内で前記質量部23から離間させた状態で延長形成されて前記質量部23を支持しているものである。
【解決手段】支持部21に一端が支持された複数の弾性支持部22と、前記各弾性支持部22の他端側に支持された質量部23と、前記質量部23の変位検出手段25とを備えた加速度センサ1であって、前記各弾性支持部22に支持される側の前記質量部23に凹部24が形成され、前記弾性支持部22は前記凹部24内で前記質量部23から離間させた状態で延長形成されて前記質量部23を支持しているものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多軸方向の加速度を検出できる加速度センサおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、多軸方向の加速度を同時に検出可能な圧電型やピエゾ抵抗型や静電容量型の半導体加速度センサが考案されてきた。最近、半導体加速度センサは、モバイル機器(例えば、携帯電話、ハードディスク搭載型の音楽プレーヤー、ノート型パーソナルコンピュータ等)の姿勢検知や落下検出を目的として搭載されてきており、搭載機器の小型・軽量化に伴い、半導体加速度センサも小型・薄型かつ高感度化で多軸方向の加速度を同時に検出できるものが要求されている。
【0003】
従来から、3軸方向からの加速度を検出できる半導体加速度センサ(例えば、特許文献1、2参照。)が知られている。その一例を図11および図12に示す。図11(1)は斜視図を示し、図11(2)は裏面側から見た斜視図を示す。また図12(1)は平面図を示し、図12(2)は(1)図中のB−B’線断面拡大図を示す。
【0004】
図11および図12に示すように、半導体加速度センサ101は、半導体基板の周縁部に形成された枠部111と、半導体基板の中央部に形成された質量部112と、質量部112と枠部111の上方に設けられたもので質量部112および枠部111とを接続する複数の弾性支持部113と、弾性支持部113の上面側に形成された複数対の応力電気変換素子(この例はピエゾ抵抗素子)114を備え、弾性支持部113の下部に位置する質量部112はエッチングにより除去されているものである。
【0005】
この半導体加速度センサ101による加速度の検出原理を以下に説明する。
【0006】
半導体加速度センサ101に加速度が作用すると、質量部112が加速度に比例した力を受けて変位したときの弾性支持部112のたわみ量を弾性支持部113の上面側に形成された複数対の応力電気変換素子(この例はピエゾ抵抗素子)114で検出する。この検出結果に基づいて3軸方向の加速度を求める。
【0007】
一般的に、半導体加速度センサ101を高感度化するには、質量部112の体積を大きくする、もしくは弾性支持部113の長さを長くすることが効果的であり、感度はほぼ両者に比例することが知られている。
【0008】
つまり、質量部112の体積を大きくする、もしくは弾性支持部113の長さを長くすることにより、弾性支持部113はより変形し易くなり、応力電気変換素子(この例はピエゾ抵抗素子)114へ応力を効果的に伝えることができるので感度が向上する。
【0009】
【特許文献1】特開2003−172745号公報
【特許文献2】特開2005−17080号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
解決しようとする問題点は、弾性支持部の下部に位置する質量部がエッチングにより除去されていることから、質量部の体積が減じられている。このため、質量部が減じられた分だけ、加速度の検出感度の低下が生じていた点である。すなわち、加速度の検出感度を高い状態に維持することと、小型・薄型化を行うこととは、相反することで両立させることが困難な点である。
【0011】
本発明は、加速度センサの小型化、薄型化を維持して、加速度の検出感度を高めることを可能にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の加速度センサは、支持部に一端が支持された複数の弾性支持部と、前記各弾性支持部の他端側に支持された質量部と、前記質量部の変位検出手段とを備えた加速度センサであって、前記各弾性支持部に支持される側の前記質量部に凹部が形成され、前記弾性支持部は前記凹部内で前記質量部から離間させた状態で延長形成されて前記質量部を支持していることを特徴とする。
【0013】
本発明の加速度センサでは、弾性支持部が、質量部の各弾性支持部に支持される側に形成された凹部内で、質量部から離間させた状態で延長形成されて質量部を支持していることから、弾性支持部直下にも質量部が形成されている。このため、チップサイズを変更することなく、質量部の質量(体積)を大きくすることが可能となる。つまり、質量部−弾性支持部の系の固有振動数を一定とした場合、従来技術では除去していた質量部を有効に使用できるので、質量部の外形を小さくしても質量部の質量(体積)は変わらないので、チップサイズのさらなる小型・薄型化が可能となる。
【0014】
本発明の加速度センサの製造方法は、支持部に一端が支持された複数の弾性支持部と、前記各弾性支持部の他端側に支持された質量部と、前記質量部の変位検出手段とを備えた加速度センサの製造方法であって、前記弾性支持部は、基板上に絶縁層と半導体層とが積層された状態で、該基板を加工して、前記支持部と、この支持部に一端が支持される複数の弾性支持部と、各弾性支持部の他端側に支持される質量部とを形成する工程と、前記各弾性支持部に支持される側の前記質量部に弾性支持部が延長形成される領域の両側に凹部を形成する工程と、弾性支持部が延長形成される領域下の前記絶縁層を除去して、前記凹部内で前記質量部から離間させた状態で前記質量部に支持される弾性支持部を延長形成する工程とを備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明の加速度センサの製造方法では、各弾性支持部に支持される側の質量部に弾性支持部が延長形成される領域の両側に凹部を形成した後、弾性支持部が延長形成される領域下の絶縁層を除去して、凹部内で質量部から離間させた状態で質量部に支持される弾性支持部を延長形成することから、弾性支持部直下にも質量部が形成される。このため、チップサイズを変更することなく、質量部の質量(体積)を大きくすることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の加速度センサによれば、チップサイズを変更することなく、質量部の質量(体積)を大きくなるので、検出感度を高めることができる。よって、高感度な加速度センサを提供できるという利点がある。また、従来技術と比較して、質量部の外形を小さくしても質量部の質量(体積)は変わらなくすることができるので、チップサイズのさらなる小型・薄型化が可能となる。
【0017】
本発明の加速度センサの製造方法によれば、チップサイズを変更することなく、質量部の質量(体積)を大きく形成することができるため、検出感度を高めることができるので、高感度な加速度センサを製造できる。また、従来技術と比較して、質量部の外形を小さくしても質量部の質量(体積)は変わらなく形成することができるので、チップサイズのさらなる小型・薄型化が可能となるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の加速度センサに係わる一実施の形態(第1実施例)を、図1〜図2によって説明する。図1(1)は斜視図を示し、図1(2)は裏面側から見た斜視図を示す。また図2(1)は平面図を示し、図2(2)は(1)図中のA−A’線断面拡大図を示す。
【0019】
図1〜図2に示すように、加速度センサ1は、シリコン基板11上に絶縁層12、シリコン層13が形成されたSOI(Silicon on insulator)基板10に形成されている。すなわち、SOI基板10からなる枠体に形成された支持部21を備え、この支持部21の4辺上部のそれぞれにシリコン層13からなる弾性支持部22(22−1、22−2、22−3、22−4)の一端が支持され、各弾性支持部22の他端側には、SOI基板10からなる質量部23が、上記支持部21の中央部に支持されている。
【0020】
上記質量部23の各弾性支持部22に支持される側には凹部24が形成され、各弾性支持部22は凹部24内で質量部23から離間させた状態で延長形成されて、質量部23を支持している。よって、各弾性支持部22の下部側にも質量部23が形成されていて、かつ質量部23は各弾性支持部22によって支持部21に浮動状態に支持されている。この各弾性支持部22とその直下の質量部23との間隔は、加速度により質量部23と弾性支持部22が変形するのに必要な距離を有していることが必要である。
【0021】
また、各弾性支持部22には質量部23の変位を検出するための変位検出手段25が備えられている。この変位検出手段25は、例えば応力電気変換素子からなる。例えば、X軸方向に形成された弾性支持部22(22−1、22−3)上には、支持部21側に2箇所並列に形成され、質量部23の支持側に2箇所並列に形成されている。また、Y軸方向に形成された弾性支持部22(22−2、22−4)上には、支持部21側の1箇所と、質量部23側の1箇所に形成されている。したがって、変位検出手段25は、各弾性支持部22上の合計12箇所に設置されている。この変位検出手段25は、例えば、ピエゾ抵抗素子からなる。このように、加速度センサ1は構成されている。
【0022】
上記加速度センサ1では、弾性支持部22が、質量部23の各弾性支持部22に支持される側に形成された凹部24内で、質量部23から離間させた状態で延長形成されて質量部23を支持していることから、弾性支持部22直下にも質量部23が形成されている。このため、チップサイズを変更することなく、質量部23の質量(体積)を大きくすることが可能となる。よって、検出感度を高めることができるので、高感度な加速度センサを提供できるという利点がある。
【0023】
また、質量部−弾性支持部の系の固有振動数を一定とした場合、従来技術では除去していた質量部23を有効に使用できるので、質量部23の外形を小さくしても質量部23の質量(体積)は変わらない。このため、チップサイズのさらなる小型・薄型化が可能となる。尚、チップ全体を立方縮小して小型・薄型化を図る方法もあるが、弾性支持部への配線形成や製造ばらつき等があるので、立方縮小する方法では限界がある。したがって、本発明の構成が有用である。
【0024】
したがって、加速度センサ1の質量部23が大きく減じられることがないため、小型・薄型かつ高感度化された加速度センサ1を提供することが可能となる。
【0025】
次に、上記加速度センサ1の動作原理を説明する。上記加速度センサ1に加速度が作用すると、枠体に形成された支持部21中央部に、弾性支持部22に浮動状態に支持された質量部23が加速度に比例した力を受けて変位することで、弾性支持部22にたわみを生じ、弾性支持部22の上面側に形成された12ヶ所の変位検出手段(ピエゾ抵抗素子)25が、弾性支持部22上にある2つの直行する検出軸(X軸とY軸)および弾性支持部22に垂直な1つの検出軸(Z軸)に対応して、各軸それぞれ4ヶ所の変位検出手段(ピエゾ抵抗素子)25で構成されたホイートストンブリッジ回路を用いて3軸方向の加速度を検出する。
【0026】
次に、本発明の加速度センサの製造方法に係わる一実施の形態(第1実施例)を、図3〜図5の製造工程断面図によって説明する。図3〜図5では、代表して、前記図2のA部を示した。
【0027】
加速度センサ1を形成するために、弾性支持部の厚さと弾性支持部とその直下の質量部との間隔を高精度に制御できるように酸化シリコン(SiO2)からなる絶縁層を介してシリコン層(SOI層)が形成されたSOI(Silicon On Insulator)基板を用いた。本実施例では、図3(1)に示すように、SOI基板10にシリコン基板11の厚さが300μm〜500μm、絶縁層12の厚さが4μm、シリコン層13の厚さが20μmのものを用いた。
【0028】
次に、図3(2)に示すように、シリコン層13を所望の膜厚となるようにエッチングを行う。このエッチング方法は、例えばウエットエッチングにより行い、このエッチング液には、例えばテトラメチルアンモニウムハイドロキシド(TMAH:tetramethylammonium hydroxide)や水酸化カリウム(KOH)水溶液を用いる。このエッチングには、例えば化学的ドライエッチング、物理的ドライエッチングを用いることもできる。また、予め、所望の膜厚がわかっているならば、そのような厚さを有するSOI基板を用意しても良い。
【0029】
次に、図3(3)に示すように、シリコン層13の表面に、フォトレジストもしくは酸化シリコン(SiO2)膜、例えば熱酸化膜などで所定形状のマスクパターン(図示せず)を形成した後、イオン打ち込みなどの不純物導入工程により、シリコン層13に例えばp型不純物(例えばボロン)を導入して、変位検出手段(ピエゾ抵抗素子)25を形成する。
【0030】
次に、図4(4)に示すように、ピエゾ抵抗素子25の保護を目的として、シリコン層13上に保護膜31を形成する。この保護膜31には、例えば可動イオンのゲッタリング効果を持たせたものとして、酸化シリコン(SiO2)とPSG(Phosphorous silicated glass)との多層膜を用いる。または、酸化シリコン(SiO2)と窒化シリコン(SiN)の2層膜を用いることもできる。
【0031】
次に、図4(5)に示すように、ピエゾ抵抗素子25の両端部上の保護膜31に、電極接続用のスルーホール32を形成する。この加工には、例えばフッ酸蒸気を主体としたウエットエッチングを用いる。
【0032】
次に、図4(6)に示すように、上記スルーホール32を通じてピエゾ抵抗素子25に接続するように、電極配線形成膜を成膜する。この電極配線形成膜は、例えばスパッタリングによって、アルミニウム合金(アルミニウム、銅、Siなど主組成)膜で形成される。次いで、通常のリソグラフィー技術によるマスク形成、そのマスクを用いたエッチングにより、上記電極配線形成膜を加工して、電極配線33を形成する。
【0033】
次に、例えば両面アライナー装置(図示せず)を用いて、SOI基板10の裏面側からシリコン基板11に表面に形成されたピエゾ抵抗素子25との位置合わせを行い、質量部や枠体からなる支持部の形状にフォトレジスト膜(図示せず)を露光する。その後、現像工程を経てフォトレジスト膜からなるエッチングマスク(図示せず)を形成し、ドライエッチングを行う。すなわち、通常のリソグラフィー工程とエッチング工程とを行う。このエッチング工程により、シリコン基板11を除去加工して、図5(7)および図6に示すように、シリコン基板11で形成される部分の枠体からなる支持部21と質量部23を形成する。
【0034】
次に、図5(8)および図7に示すように、シリコン層13の加工を行う。通常のリソグラフィー工程とエッチング工程とによって、シリコン層13を除去加工して、弾性支持部22を形成するとともに、質量部23のシリコン層13の部分を形成する。ここでは、支持部21の4辺上部中央に接続するように弾性支持部22(22−1、22−2、22−3、22−4)が支持部21と連続した状態に形成される。その際、弾性支持部22の両側の質量部23のシリコン層13および絶縁層12に凹部24を形成する。次に、凹部24内から絶縁層12をエッチングして、弾性支持部22の下部の絶縁層12を除去する。この除去加工は、例えばウエットエッチングにより行い、弾性支持部22とその直下のシリコン基板11からなる質量部23との間に空間を形成する。この弾性支持部22とその直下の質量部23との間隔は、絶縁層12の膜厚によって決定されるため、正確に間隔を形成することができる。
【0035】
なお、弾性支持部22を形成する際の絶縁層12のエッチングでは、弾性支持部22の幅方向に絶縁層12のエッチングを進行させるために、図8および図9に示すように、弾性支持部22の幅をwとすると、支持部21の絶縁層12、質量部23の絶縁層12にw/2程度のサイドエッチングが生じるが、加速度センサ1の機能には問題は生じない。
【0036】
次に、本発明の加速度センサに係わる一実施の形態(第2実施例)を、前記図1〜図2によって説明する。この加速度センサ1は、変位検出手段25に圧電素子をもちいたもので、その他の構成は、第1実施例と同様である。
【0037】
前記図1〜図2に示すように、加速度センサ1は、シリコン基板11上に絶縁層12、シリコン層13が形成されたSOI(Silicon on insulator)基板10に形成されている。すなわち、SOI基板10からなる枠体に形成された支持部21を備え、この支持部21の4辺上部のそれぞれにシリコン層13からなる弾性支持部22(22−1、22−2、22−3、22−4)の一端が支持され、各弾性支持部22の他端側には、SOI基板10からなる質量部23が、上記支持部21の中央部に支持されている。
【0038】
上記質量部23の各弾性支持部22に支持される側には凹部24が形成され、各弾性支持部22は凹部24内で質量部23から離間させた状態で延長形成されて、質量部23を支持している。よって、各弾性支持部22の下部側にも質量部23が形成されていて、かつ質量部23は各弾性支持部22によって支持部21に浮動状態に支持されている。この各弾性支持部22とその直下の質量部23との間隔は、加速度により質量部23と弾性支持部22が変形するのに必要な距離を有していることが必要である。
【0039】
また、各弾性支持部22には変位検出手段25が備えられている。例えば、X軸方向に形成された弾性支持部22(22−1、22−3)上には、支持部21側に2箇所並列に形成され、質量部23の支持側に2箇所並列に形成されている。また、Y軸方向に形成された弾性支持部22(22−2、22−4)上には、支持部21側の1箇所と、質量部23側の1箇所に形成されている。したがって、変位検出手段25は、各弾性支持部22上の合計12箇所に設置されている。この変位検出手段25は、例えば、圧電素子からなる。このように、加速度センサ1は構成されている。
【0040】
上記加速度センサ1では、弾性支持部22が、質量部23の各弾性支持部22に支持される側に形成された凹部24内で、質量部23から離間させた状態で延長形成されて質量部23を支持していることから、弾性支持部22直下にも質量部23が形成されている。このため、チップサイズを変更することなく、質量部23の質量(体積)を大きくすることが可能となる。よって、検出感度を高めることができるので、高感度な加速度センサを提供できるという利点がある。
【0041】
また、質量部−弾性支持部の系の固有振動数を一定とした場合、従来技術では除去していた質量部23を有効に使用できるので、質量部23の外形を小さくしても質量部23の質量(体積)は変わらない。このため、チップサイズのさらなる小型・薄型化が可能となる。尚、チップ全体を立方縮小して小型・薄型化を図る方法もあるが、弾性支持部への配線形成や製造ばらつき等があるので、立方縮小する方法では限界がある。したがって、本発明の構成が有用である。
【0042】
したがって、加速度センサ1の質量部23が大きく減じられることがないため、小型・薄型かつ高感度化された加速度センサ1を提供することが可能となる。
【0043】
次に、上記加速度センサ1の動作原理を説明する。上記加速度センサ1に加速度が作用すると、枠体に形成された支持部21中央部に、弾性支持部22に浮動状態に支持された質量部23が加速度に比例した力を受けて変位することで、弾性支持部22にたわみを生じ、弾性支持部22の上面側に形成された12ヶ所の変位検出手段(圧電素子)25が、弾性支持部22上にある2つの直行する検出軸(X軸とY軸)および弾性支持部22に垂直な1つの検出軸(Z軸)に対応して、各軸それぞれ4ヶ所の変位検出手段(圧電素子)25で構成されたホイートストンブリッジ回路を用いて3軸方向の加速度を検出する。
【0044】
次に、本発明の加速度センサの製造方法に係わる一実施の形態(第2実施例)を、前記図3〜図5の製造工程断面図によって説明する。図3〜図5では、代表して、前記図2のA部を示した。
【0045】
加速度センサ1を形成するために、弾性支持部の厚さと弾性支持部とその直下の質量部との間隔を高精度に制御できるように酸化シリコン(SiO2)からなる絶縁層を介してシリコン層(SOI層)が形成されたSOI(Silicon On Insulator)基板を用いた。本実施例では、図3(1)に示すように、SOI基板10にシリコン基板11の厚さが300μm〜500μm、絶縁層12の厚さが4μm、シリコン層13の厚さが20μmのものを用いた。
【0046】
次に、図3(2)に示すように、シリコン層13を所望の膜厚となるようにエッチングを行う。このエッチング方法は、例えばウエットエッチングにより行い、このエッチング液には、例えばテトラメチルアンモニウムハイドロキシド(TMAH:tetramethylammonium hydroxide)や水酸化カリウム(KOH)水溶液を用いる。このエッチングには、例えば化学的ドライエッチング、物理的ドライエッチングを用いることもできる。また、予め、所望の膜厚がわかっているならば、そのような厚さを有するSOI基板を用意しても良い。
【0047】
次に、図3(3)に示すように、シリコン層13の表面に、フォトレジストもしくは酸化シリコン(SiO2)膜、例えば熱酸化膜などで所定形状のマスクパターン(図示せず)を形成した後、CVDやPVDにて変位検出手段(圧電素子)25を形成する。
【0048】
次に、図4(4)に示すように、圧電素子25の保護を目的として、シリコン層13上に保護膜31を形成する。この保護膜31には、例えば可動イオンのゲッタリング効果を持たせたものとして、酸化シリコン(SiO2)とPSG(Phosphorous silicated glass)との多層膜を用いる。または、酸化シリコン(SiO2)と窒化シリコン(SiN)の2層膜を用いることもできる。
【0049】
次に、図4(5)に示すように、圧電素子25の両端部上の保護膜31に、電極接続用のスルーホール32を形成する。この加工には、例えばフッ酸蒸気を主体としたウエットエッチングを用いる。
【0050】
次に、図4(6)に示すように、上記スルーホール32を通じて圧電素子25に接続するように、電極配線形成膜33を成膜する。この電極配線形成膜33は、例えばスパッタリングによって、アルミニウム合金(アルミニウム、銅、Siなど主組成)膜で形成される。
【0051】
次に、例えば両面アライナー装置(図示せず)を用いて、SOI基板10の裏面側からシリコン基板11に表面に形成された圧電素子25との位置合わせを行い、質量部や枠体からなる支持部の形状にフォトレジスト膜(図示せず)を露光する。その後、現像工程を経てフォトレジスト膜からなるエッチングマスク(図示せず)を形成し、ドライエッチングを行う。すなわち、通常のリソグラフィー工程とエッチング工程とを行う。このエッチング工程により、シリコン基板11を除去加工して、図5(7)および図6に示すように、シリコン基板11で形成される部分の枠体からなる支持部21と質量部23を形成する。
【0052】
次に、図5(8)および図7に示すように、シリコン層13の加工を行なう。通常のリソグラフィー工程とエッチング工程とによって、シリコン層13を除去加工して、弾性支持部22を形成するとともに、質量部23のシリコン層13の部分を形成する。ここでは、支持部21の4辺上部中央に接続するように弾性支持部22(22−1、22−2、22−3、22−4)が支持部21と連続した状態に形成される。その際、弾性支持部22の両側の質量部23に凹部24を形成する。次に、凹部24内から絶縁層12をエッチングして、弾性支持部22の下部の絶縁層12を除去する。この除去加工は、例えばウエットエッチングにより行い、弾性支持部22とその直下のシリコン基板11からなる質量部23との間に空間を形成する。この弾性支持部22とその直下の質量部23との間隔は、絶縁層12の膜厚によって決定されるため、正確に間隔を形成することができる。
【0053】
なお、弾性支持部22を形成する際の絶縁層12のエッチングでは、弾性支持部22の幅方向に絶縁層12のエッチングを進行させるために、図8および図9に示すように、弾性支持部22の幅をwとすると、支持部21の絶縁層12、質量部23の絶縁層12にw/2程度のサイドエッチングが生じるが、加速度センサ1の機能には問題は生じない。
【0054】
次に、本発明の加速度センサに係わる一実施の形態(第3実施例)を、図10によって説明する。この加速度センサ1は、弾性支持部22の構成を除き前記第1、第2実施例の構成と同様である。したがって、図10では弾性支持部22のみを示した。
【0055】
図10(1)に示すように、弾性支持部22の上面に形成された変位検出手段(ピエゾ抵抗素子、圧電素子)25に隣接した領域に、少なくとも1つ以上の孔26が形成されているものである。図面では、変位検出手段25の両側に1個ずつの孔26が形成されている構成を示した。孔26の配置は、図示した配置に限定されることはなく、例えば、変位検出手段25の片側に1個もしくは複数個を配置してもよく、また変位検出手段25の両側に1個もしくは複数個を配置してもよく、また変位検出手段25の一方側において複数列に孔26を配置してもよい。
【0056】
このように、弾性支持部22に孔26が形成されていることで、変位検出手段25を形成した際の応力、電極配線(図示せず)を形成した際の残留応力、周囲温度が変化することで構成部材の熱膨張係数の違いが原因で生じる熱応力等が緩和される。この応力緩和によって、変位検出手段25の特性が良好になる。また、加速度センサ1に加速度が加わった際、弾性支持部22に生じる応力を変位検出手段25に集中させる効果がある。これによっても、変位検出手段25の特性が良好になる。よって、高感度化された加速度センサ1を提供することが可能となる。
【0057】
一方、図10(2)に示すように、弾性支持部22に前記孔を形成しない場合には、弾性支持部22の上面に形成された変位検出手段25には、変位検出手段25を形成した際の応力、電極配線(図示せず)を形成した際の応力等が残留応力として残っていること、また周囲温度が変化することで構成部材の熱膨張係数の違いで熱応力が生じること等の理由により、変位検出手段25の特性、特に感度特性に悪影響が生じることがある。したがって、弾性支持部22に孔26を形成することは好ましく、この孔26を形成することによって、変位検出手段25の感度特性の向上が図れるという利点がある。
【0058】
本発明の加速度センサに用いられる上記質量部23の変位検出手段25は、上記説明したように、弾性支持部に形成された応力を電気信号に変換する応力電気変換素子からなり、その一例としては、ピエゾ型、圧電素子型がある。また、質量部23に形成された電極(図示せず)と質量部23と弾性支持部22で成す面に平行な位置に形成された電極(図示せず)との静電容量型がある。本発明では、いずれの型の変位検出手段を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の加速度センサに係わる一実施の形態(第1、第2実施例)を示した斜視図である。
【図2】本発明の加速度センサに係わる一実施の形態(第1、第2実施例)を示した平面図およびA−A’線断面拡大図である。
【図3】本発明の加速度センサの製造方法に係わる一実施の形態(第1、第2実施例)を示した製造工程断面図である。
【図4】本発明の加速度センサの製造方法に係わる一実施の形態(第1、第2実施例)を示した製造工程断面図である。
【図5】本発明の加速度センサの製造方法に係わる一実施の形態(第1、第2実施例)を示した製造工程断面図である。
【図6】本発明の加速度センサの製造方法に係わる一実施の形態(第1、第2実施例)を示した斜視図である。
【図7】本発明の加速度センサの製造方法に係わる一実施の形態(第1、第2実施例)を示した斜視図である。
【図8】製造工程で生じるサイドエッチングを説明した概略構成断面図である。
【図9】製造工程で生じるサイドエッチングを説明した斜視図およびその拡大斜視図である。
【図10】本発明の加速度センサに係わる一実施の形態(第3実施例)および比較例を示した平面図である。
【図11】従来の加速度センサの一例を示した斜視図である。
【図12】従来の加速度センサの一例を示した平面図およびB−B’線断面拡大図である。
【符号の説明】
【0060】
1…加速度センサ、21…支持部、22…弾性支持部、23…質量部、24…凹部
【技術分野】
【0001】
本発明は、多軸方向の加速度を検出できる加速度センサおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、多軸方向の加速度を同時に検出可能な圧電型やピエゾ抵抗型や静電容量型の半導体加速度センサが考案されてきた。最近、半導体加速度センサは、モバイル機器(例えば、携帯電話、ハードディスク搭載型の音楽プレーヤー、ノート型パーソナルコンピュータ等)の姿勢検知や落下検出を目的として搭載されてきており、搭載機器の小型・軽量化に伴い、半導体加速度センサも小型・薄型かつ高感度化で多軸方向の加速度を同時に検出できるものが要求されている。
【0003】
従来から、3軸方向からの加速度を検出できる半導体加速度センサ(例えば、特許文献1、2参照。)が知られている。その一例を図11および図12に示す。図11(1)は斜視図を示し、図11(2)は裏面側から見た斜視図を示す。また図12(1)は平面図を示し、図12(2)は(1)図中のB−B’線断面拡大図を示す。
【0004】
図11および図12に示すように、半導体加速度センサ101は、半導体基板の周縁部に形成された枠部111と、半導体基板の中央部に形成された質量部112と、質量部112と枠部111の上方に設けられたもので質量部112および枠部111とを接続する複数の弾性支持部113と、弾性支持部113の上面側に形成された複数対の応力電気変換素子(この例はピエゾ抵抗素子)114を備え、弾性支持部113の下部に位置する質量部112はエッチングにより除去されているものである。
【0005】
この半導体加速度センサ101による加速度の検出原理を以下に説明する。
【0006】
半導体加速度センサ101に加速度が作用すると、質量部112が加速度に比例した力を受けて変位したときの弾性支持部112のたわみ量を弾性支持部113の上面側に形成された複数対の応力電気変換素子(この例はピエゾ抵抗素子)114で検出する。この検出結果に基づいて3軸方向の加速度を求める。
【0007】
一般的に、半導体加速度センサ101を高感度化するには、質量部112の体積を大きくする、もしくは弾性支持部113の長さを長くすることが効果的であり、感度はほぼ両者に比例することが知られている。
【0008】
つまり、質量部112の体積を大きくする、もしくは弾性支持部113の長さを長くすることにより、弾性支持部113はより変形し易くなり、応力電気変換素子(この例はピエゾ抵抗素子)114へ応力を効果的に伝えることができるので感度が向上する。
【0009】
【特許文献1】特開2003−172745号公報
【特許文献2】特開2005−17080号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
解決しようとする問題点は、弾性支持部の下部に位置する質量部がエッチングにより除去されていることから、質量部の体積が減じられている。このため、質量部が減じられた分だけ、加速度の検出感度の低下が生じていた点である。すなわち、加速度の検出感度を高い状態に維持することと、小型・薄型化を行うこととは、相反することで両立させることが困難な点である。
【0011】
本発明は、加速度センサの小型化、薄型化を維持して、加速度の検出感度を高めることを可能にすることを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の加速度センサは、支持部に一端が支持された複数の弾性支持部と、前記各弾性支持部の他端側に支持された質量部と、前記質量部の変位検出手段とを備えた加速度センサであって、前記各弾性支持部に支持される側の前記質量部に凹部が形成され、前記弾性支持部は前記凹部内で前記質量部から離間させた状態で延長形成されて前記質量部を支持していることを特徴とする。
【0013】
本発明の加速度センサでは、弾性支持部が、質量部の各弾性支持部に支持される側に形成された凹部内で、質量部から離間させた状態で延長形成されて質量部を支持していることから、弾性支持部直下にも質量部が形成されている。このため、チップサイズを変更することなく、質量部の質量(体積)を大きくすることが可能となる。つまり、質量部−弾性支持部の系の固有振動数を一定とした場合、従来技術では除去していた質量部を有効に使用できるので、質量部の外形を小さくしても質量部の質量(体積)は変わらないので、チップサイズのさらなる小型・薄型化が可能となる。
【0014】
本発明の加速度センサの製造方法は、支持部に一端が支持された複数の弾性支持部と、前記各弾性支持部の他端側に支持された質量部と、前記質量部の変位検出手段とを備えた加速度センサの製造方法であって、前記弾性支持部は、基板上に絶縁層と半導体層とが積層された状態で、該基板を加工して、前記支持部と、この支持部に一端が支持される複数の弾性支持部と、各弾性支持部の他端側に支持される質量部とを形成する工程と、前記各弾性支持部に支持される側の前記質量部に弾性支持部が延長形成される領域の両側に凹部を形成する工程と、弾性支持部が延長形成される領域下の前記絶縁層を除去して、前記凹部内で前記質量部から離間させた状態で前記質量部に支持される弾性支持部を延長形成する工程とを備えたことを特徴とする。
【0015】
本発明の加速度センサの製造方法では、各弾性支持部に支持される側の質量部に弾性支持部が延長形成される領域の両側に凹部を形成した後、弾性支持部が延長形成される領域下の絶縁層を除去して、凹部内で質量部から離間させた状態で質量部に支持される弾性支持部を延長形成することから、弾性支持部直下にも質量部が形成される。このため、チップサイズを変更することなく、質量部の質量(体積)を大きくすることが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の加速度センサによれば、チップサイズを変更することなく、質量部の質量(体積)を大きくなるので、検出感度を高めることができる。よって、高感度な加速度センサを提供できるという利点がある。また、従来技術と比較して、質量部の外形を小さくしても質量部の質量(体積)は変わらなくすることができるので、チップサイズのさらなる小型・薄型化が可能となる。
【0017】
本発明の加速度センサの製造方法によれば、チップサイズを変更することなく、質量部の質量(体積)を大きく形成することができるため、検出感度を高めることができるので、高感度な加速度センサを製造できる。また、従来技術と比較して、質量部の外形を小さくしても質量部の質量(体積)は変わらなく形成することができるので、チップサイズのさらなる小型・薄型化が可能となるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の加速度センサに係わる一実施の形態(第1実施例)を、図1〜図2によって説明する。図1(1)は斜視図を示し、図1(2)は裏面側から見た斜視図を示す。また図2(1)は平面図を示し、図2(2)は(1)図中のA−A’線断面拡大図を示す。
【0019】
図1〜図2に示すように、加速度センサ1は、シリコン基板11上に絶縁層12、シリコン層13が形成されたSOI(Silicon on insulator)基板10に形成されている。すなわち、SOI基板10からなる枠体に形成された支持部21を備え、この支持部21の4辺上部のそれぞれにシリコン層13からなる弾性支持部22(22−1、22−2、22−3、22−4)の一端が支持され、各弾性支持部22の他端側には、SOI基板10からなる質量部23が、上記支持部21の中央部に支持されている。
【0020】
上記質量部23の各弾性支持部22に支持される側には凹部24が形成され、各弾性支持部22は凹部24内で質量部23から離間させた状態で延長形成されて、質量部23を支持している。よって、各弾性支持部22の下部側にも質量部23が形成されていて、かつ質量部23は各弾性支持部22によって支持部21に浮動状態に支持されている。この各弾性支持部22とその直下の質量部23との間隔は、加速度により質量部23と弾性支持部22が変形するのに必要な距離を有していることが必要である。
【0021】
また、各弾性支持部22には質量部23の変位を検出するための変位検出手段25が備えられている。この変位検出手段25は、例えば応力電気変換素子からなる。例えば、X軸方向に形成された弾性支持部22(22−1、22−3)上には、支持部21側に2箇所並列に形成され、質量部23の支持側に2箇所並列に形成されている。また、Y軸方向に形成された弾性支持部22(22−2、22−4)上には、支持部21側の1箇所と、質量部23側の1箇所に形成されている。したがって、変位検出手段25は、各弾性支持部22上の合計12箇所に設置されている。この変位検出手段25は、例えば、ピエゾ抵抗素子からなる。このように、加速度センサ1は構成されている。
【0022】
上記加速度センサ1では、弾性支持部22が、質量部23の各弾性支持部22に支持される側に形成された凹部24内で、質量部23から離間させた状態で延長形成されて質量部23を支持していることから、弾性支持部22直下にも質量部23が形成されている。このため、チップサイズを変更することなく、質量部23の質量(体積)を大きくすることが可能となる。よって、検出感度を高めることができるので、高感度な加速度センサを提供できるという利点がある。
【0023】
また、質量部−弾性支持部の系の固有振動数を一定とした場合、従来技術では除去していた質量部23を有効に使用できるので、質量部23の外形を小さくしても質量部23の質量(体積)は変わらない。このため、チップサイズのさらなる小型・薄型化が可能となる。尚、チップ全体を立方縮小して小型・薄型化を図る方法もあるが、弾性支持部への配線形成や製造ばらつき等があるので、立方縮小する方法では限界がある。したがって、本発明の構成が有用である。
【0024】
したがって、加速度センサ1の質量部23が大きく減じられることがないため、小型・薄型かつ高感度化された加速度センサ1を提供することが可能となる。
【0025】
次に、上記加速度センサ1の動作原理を説明する。上記加速度センサ1に加速度が作用すると、枠体に形成された支持部21中央部に、弾性支持部22に浮動状態に支持された質量部23が加速度に比例した力を受けて変位することで、弾性支持部22にたわみを生じ、弾性支持部22の上面側に形成された12ヶ所の変位検出手段(ピエゾ抵抗素子)25が、弾性支持部22上にある2つの直行する検出軸(X軸とY軸)および弾性支持部22に垂直な1つの検出軸(Z軸)に対応して、各軸それぞれ4ヶ所の変位検出手段(ピエゾ抵抗素子)25で構成されたホイートストンブリッジ回路を用いて3軸方向の加速度を検出する。
【0026】
次に、本発明の加速度センサの製造方法に係わる一実施の形態(第1実施例)を、図3〜図5の製造工程断面図によって説明する。図3〜図5では、代表して、前記図2のA部を示した。
【0027】
加速度センサ1を形成するために、弾性支持部の厚さと弾性支持部とその直下の質量部との間隔を高精度に制御できるように酸化シリコン(SiO2)からなる絶縁層を介してシリコン層(SOI層)が形成されたSOI(Silicon On Insulator)基板を用いた。本実施例では、図3(1)に示すように、SOI基板10にシリコン基板11の厚さが300μm〜500μm、絶縁層12の厚さが4μm、シリコン層13の厚さが20μmのものを用いた。
【0028】
次に、図3(2)に示すように、シリコン層13を所望の膜厚となるようにエッチングを行う。このエッチング方法は、例えばウエットエッチングにより行い、このエッチング液には、例えばテトラメチルアンモニウムハイドロキシド(TMAH:tetramethylammonium hydroxide)や水酸化カリウム(KOH)水溶液を用いる。このエッチングには、例えば化学的ドライエッチング、物理的ドライエッチングを用いることもできる。また、予め、所望の膜厚がわかっているならば、そのような厚さを有するSOI基板を用意しても良い。
【0029】
次に、図3(3)に示すように、シリコン層13の表面に、フォトレジストもしくは酸化シリコン(SiO2)膜、例えば熱酸化膜などで所定形状のマスクパターン(図示せず)を形成した後、イオン打ち込みなどの不純物導入工程により、シリコン層13に例えばp型不純物(例えばボロン)を導入して、変位検出手段(ピエゾ抵抗素子)25を形成する。
【0030】
次に、図4(4)に示すように、ピエゾ抵抗素子25の保護を目的として、シリコン層13上に保護膜31を形成する。この保護膜31には、例えば可動イオンのゲッタリング効果を持たせたものとして、酸化シリコン(SiO2)とPSG(Phosphorous silicated glass)との多層膜を用いる。または、酸化シリコン(SiO2)と窒化シリコン(SiN)の2層膜を用いることもできる。
【0031】
次に、図4(5)に示すように、ピエゾ抵抗素子25の両端部上の保護膜31に、電極接続用のスルーホール32を形成する。この加工には、例えばフッ酸蒸気を主体としたウエットエッチングを用いる。
【0032】
次に、図4(6)に示すように、上記スルーホール32を通じてピエゾ抵抗素子25に接続するように、電極配線形成膜を成膜する。この電極配線形成膜は、例えばスパッタリングによって、アルミニウム合金(アルミニウム、銅、Siなど主組成)膜で形成される。次いで、通常のリソグラフィー技術によるマスク形成、そのマスクを用いたエッチングにより、上記電極配線形成膜を加工して、電極配線33を形成する。
【0033】
次に、例えば両面アライナー装置(図示せず)を用いて、SOI基板10の裏面側からシリコン基板11に表面に形成されたピエゾ抵抗素子25との位置合わせを行い、質量部や枠体からなる支持部の形状にフォトレジスト膜(図示せず)を露光する。その後、現像工程を経てフォトレジスト膜からなるエッチングマスク(図示せず)を形成し、ドライエッチングを行う。すなわち、通常のリソグラフィー工程とエッチング工程とを行う。このエッチング工程により、シリコン基板11を除去加工して、図5(7)および図6に示すように、シリコン基板11で形成される部分の枠体からなる支持部21と質量部23を形成する。
【0034】
次に、図5(8)および図7に示すように、シリコン層13の加工を行う。通常のリソグラフィー工程とエッチング工程とによって、シリコン層13を除去加工して、弾性支持部22を形成するとともに、質量部23のシリコン層13の部分を形成する。ここでは、支持部21の4辺上部中央に接続するように弾性支持部22(22−1、22−2、22−3、22−4)が支持部21と連続した状態に形成される。その際、弾性支持部22の両側の質量部23のシリコン層13および絶縁層12に凹部24を形成する。次に、凹部24内から絶縁層12をエッチングして、弾性支持部22の下部の絶縁層12を除去する。この除去加工は、例えばウエットエッチングにより行い、弾性支持部22とその直下のシリコン基板11からなる質量部23との間に空間を形成する。この弾性支持部22とその直下の質量部23との間隔は、絶縁層12の膜厚によって決定されるため、正確に間隔を形成することができる。
【0035】
なお、弾性支持部22を形成する際の絶縁層12のエッチングでは、弾性支持部22の幅方向に絶縁層12のエッチングを進行させるために、図8および図9に示すように、弾性支持部22の幅をwとすると、支持部21の絶縁層12、質量部23の絶縁層12にw/2程度のサイドエッチングが生じるが、加速度センサ1の機能には問題は生じない。
【0036】
次に、本発明の加速度センサに係わる一実施の形態(第2実施例)を、前記図1〜図2によって説明する。この加速度センサ1は、変位検出手段25に圧電素子をもちいたもので、その他の構成は、第1実施例と同様である。
【0037】
前記図1〜図2に示すように、加速度センサ1は、シリコン基板11上に絶縁層12、シリコン層13が形成されたSOI(Silicon on insulator)基板10に形成されている。すなわち、SOI基板10からなる枠体に形成された支持部21を備え、この支持部21の4辺上部のそれぞれにシリコン層13からなる弾性支持部22(22−1、22−2、22−3、22−4)の一端が支持され、各弾性支持部22の他端側には、SOI基板10からなる質量部23が、上記支持部21の中央部に支持されている。
【0038】
上記質量部23の各弾性支持部22に支持される側には凹部24が形成され、各弾性支持部22は凹部24内で質量部23から離間させた状態で延長形成されて、質量部23を支持している。よって、各弾性支持部22の下部側にも質量部23が形成されていて、かつ質量部23は各弾性支持部22によって支持部21に浮動状態に支持されている。この各弾性支持部22とその直下の質量部23との間隔は、加速度により質量部23と弾性支持部22が変形するのに必要な距離を有していることが必要である。
【0039】
また、各弾性支持部22には変位検出手段25が備えられている。例えば、X軸方向に形成された弾性支持部22(22−1、22−3)上には、支持部21側に2箇所並列に形成され、質量部23の支持側に2箇所並列に形成されている。また、Y軸方向に形成された弾性支持部22(22−2、22−4)上には、支持部21側の1箇所と、質量部23側の1箇所に形成されている。したがって、変位検出手段25は、各弾性支持部22上の合計12箇所に設置されている。この変位検出手段25は、例えば、圧電素子からなる。このように、加速度センサ1は構成されている。
【0040】
上記加速度センサ1では、弾性支持部22が、質量部23の各弾性支持部22に支持される側に形成された凹部24内で、質量部23から離間させた状態で延長形成されて質量部23を支持していることから、弾性支持部22直下にも質量部23が形成されている。このため、チップサイズを変更することなく、質量部23の質量(体積)を大きくすることが可能となる。よって、検出感度を高めることができるので、高感度な加速度センサを提供できるという利点がある。
【0041】
また、質量部−弾性支持部の系の固有振動数を一定とした場合、従来技術では除去していた質量部23を有効に使用できるので、質量部23の外形を小さくしても質量部23の質量(体積)は変わらない。このため、チップサイズのさらなる小型・薄型化が可能となる。尚、チップ全体を立方縮小して小型・薄型化を図る方法もあるが、弾性支持部への配線形成や製造ばらつき等があるので、立方縮小する方法では限界がある。したがって、本発明の構成が有用である。
【0042】
したがって、加速度センサ1の質量部23が大きく減じられることがないため、小型・薄型かつ高感度化された加速度センサ1を提供することが可能となる。
【0043】
次に、上記加速度センサ1の動作原理を説明する。上記加速度センサ1に加速度が作用すると、枠体に形成された支持部21中央部に、弾性支持部22に浮動状態に支持された質量部23が加速度に比例した力を受けて変位することで、弾性支持部22にたわみを生じ、弾性支持部22の上面側に形成された12ヶ所の変位検出手段(圧電素子)25が、弾性支持部22上にある2つの直行する検出軸(X軸とY軸)および弾性支持部22に垂直な1つの検出軸(Z軸)に対応して、各軸それぞれ4ヶ所の変位検出手段(圧電素子)25で構成されたホイートストンブリッジ回路を用いて3軸方向の加速度を検出する。
【0044】
次に、本発明の加速度センサの製造方法に係わる一実施の形態(第2実施例)を、前記図3〜図5の製造工程断面図によって説明する。図3〜図5では、代表して、前記図2のA部を示した。
【0045】
加速度センサ1を形成するために、弾性支持部の厚さと弾性支持部とその直下の質量部との間隔を高精度に制御できるように酸化シリコン(SiO2)からなる絶縁層を介してシリコン層(SOI層)が形成されたSOI(Silicon On Insulator)基板を用いた。本実施例では、図3(1)に示すように、SOI基板10にシリコン基板11の厚さが300μm〜500μm、絶縁層12の厚さが4μm、シリコン層13の厚さが20μmのものを用いた。
【0046】
次に、図3(2)に示すように、シリコン層13を所望の膜厚となるようにエッチングを行う。このエッチング方法は、例えばウエットエッチングにより行い、このエッチング液には、例えばテトラメチルアンモニウムハイドロキシド(TMAH:tetramethylammonium hydroxide)や水酸化カリウム(KOH)水溶液を用いる。このエッチングには、例えば化学的ドライエッチング、物理的ドライエッチングを用いることもできる。また、予め、所望の膜厚がわかっているならば、そのような厚さを有するSOI基板を用意しても良い。
【0047】
次に、図3(3)に示すように、シリコン層13の表面に、フォトレジストもしくは酸化シリコン(SiO2)膜、例えば熱酸化膜などで所定形状のマスクパターン(図示せず)を形成した後、CVDやPVDにて変位検出手段(圧電素子)25を形成する。
【0048】
次に、図4(4)に示すように、圧電素子25の保護を目的として、シリコン層13上に保護膜31を形成する。この保護膜31には、例えば可動イオンのゲッタリング効果を持たせたものとして、酸化シリコン(SiO2)とPSG(Phosphorous silicated glass)との多層膜を用いる。または、酸化シリコン(SiO2)と窒化シリコン(SiN)の2層膜を用いることもできる。
【0049】
次に、図4(5)に示すように、圧電素子25の両端部上の保護膜31に、電極接続用のスルーホール32を形成する。この加工には、例えばフッ酸蒸気を主体としたウエットエッチングを用いる。
【0050】
次に、図4(6)に示すように、上記スルーホール32を通じて圧電素子25に接続するように、電極配線形成膜33を成膜する。この電極配線形成膜33は、例えばスパッタリングによって、アルミニウム合金(アルミニウム、銅、Siなど主組成)膜で形成される。
【0051】
次に、例えば両面アライナー装置(図示せず)を用いて、SOI基板10の裏面側からシリコン基板11に表面に形成された圧電素子25との位置合わせを行い、質量部や枠体からなる支持部の形状にフォトレジスト膜(図示せず)を露光する。その後、現像工程を経てフォトレジスト膜からなるエッチングマスク(図示せず)を形成し、ドライエッチングを行う。すなわち、通常のリソグラフィー工程とエッチング工程とを行う。このエッチング工程により、シリコン基板11を除去加工して、図5(7)および図6に示すように、シリコン基板11で形成される部分の枠体からなる支持部21と質量部23を形成する。
【0052】
次に、図5(8)および図7に示すように、シリコン層13の加工を行なう。通常のリソグラフィー工程とエッチング工程とによって、シリコン層13を除去加工して、弾性支持部22を形成するとともに、質量部23のシリコン層13の部分を形成する。ここでは、支持部21の4辺上部中央に接続するように弾性支持部22(22−1、22−2、22−3、22−4)が支持部21と連続した状態に形成される。その際、弾性支持部22の両側の質量部23に凹部24を形成する。次に、凹部24内から絶縁層12をエッチングして、弾性支持部22の下部の絶縁層12を除去する。この除去加工は、例えばウエットエッチングにより行い、弾性支持部22とその直下のシリコン基板11からなる質量部23との間に空間を形成する。この弾性支持部22とその直下の質量部23との間隔は、絶縁層12の膜厚によって決定されるため、正確に間隔を形成することができる。
【0053】
なお、弾性支持部22を形成する際の絶縁層12のエッチングでは、弾性支持部22の幅方向に絶縁層12のエッチングを進行させるために、図8および図9に示すように、弾性支持部22の幅をwとすると、支持部21の絶縁層12、質量部23の絶縁層12にw/2程度のサイドエッチングが生じるが、加速度センサ1の機能には問題は生じない。
【0054】
次に、本発明の加速度センサに係わる一実施の形態(第3実施例)を、図10によって説明する。この加速度センサ1は、弾性支持部22の構成を除き前記第1、第2実施例の構成と同様である。したがって、図10では弾性支持部22のみを示した。
【0055】
図10(1)に示すように、弾性支持部22の上面に形成された変位検出手段(ピエゾ抵抗素子、圧電素子)25に隣接した領域に、少なくとも1つ以上の孔26が形成されているものである。図面では、変位検出手段25の両側に1個ずつの孔26が形成されている構成を示した。孔26の配置は、図示した配置に限定されることはなく、例えば、変位検出手段25の片側に1個もしくは複数個を配置してもよく、また変位検出手段25の両側に1個もしくは複数個を配置してもよく、また変位検出手段25の一方側において複数列に孔26を配置してもよい。
【0056】
このように、弾性支持部22に孔26が形成されていることで、変位検出手段25を形成した際の応力、電極配線(図示せず)を形成した際の残留応力、周囲温度が変化することで構成部材の熱膨張係数の違いが原因で生じる熱応力等が緩和される。この応力緩和によって、変位検出手段25の特性が良好になる。また、加速度センサ1に加速度が加わった際、弾性支持部22に生じる応力を変位検出手段25に集中させる効果がある。これによっても、変位検出手段25の特性が良好になる。よって、高感度化された加速度センサ1を提供することが可能となる。
【0057】
一方、図10(2)に示すように、弾性支持部22に前記孔を形成しない場合には、弾性支持部22の上面に形成された変位検出手段25には、変位検出手段25を形成した際の応力、電極配線(図示せず)を形成した際の応力等が残留応力として残っていること、また周囲温度が変化することで構成部材の熱膨張係数の違いで熱応力が生じること等の理由により、変位検出手段25の特性、特に感度特性に悪影響が生じることがある。したがって、弾性支持部22に孔26を形成することは好ましく、この孔26を形成することによって、変位検出手段25の感度特性の向上が図れるという利点がある。
【0058】
本発明の加速度センサに用いられる上記質量部23の変位検出手段25は、上記説明したように、弾性支持部に形成された応力を電気信号に変換する応力電気変換素子からなり、その一例としては、ピエゾ型、圧電素子型がある。また、質量部23に形成された電極(図示せず)と質量部23と弾性支持部22で成す面に平行な位置に形成された電極(図示せず)との静電容量型がある。本発明では、いずれの型の変位検出手段を用いてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の加速度センサに係わる一実施の形態(第1、第2実施例)を示した斜視図である。
【図2】本発明の加速度センサに係わる一実施の形態(第1、第2実施例)を示した平面図およびA−A’線断面拡大図である。
【図3】本発明の加速度センサの製造方法に係わる一実施の形態(第1、第2実施例)を示した製造工程断面図である。
【図4】本発明の加速度センサの製造方法に係わる一実施の形態(第1、第2実施例)を示した製造工程断面図である。
【図5】本発明の加速度センサの製造方法に係わる一実施の形態(第1、第2実施例)を示した製造工程断面図である。
【図6】本発明の加速度センサの製造方法に係わる一実施の形態(第1、第2実施例)を示した斜視図である。
【図7】本発明の加速度センサの製造方法に係わる一実施の形態(第1、第2実施例)を示した斜視図である。
【図8】製造工程で生じるサイドエッチングを説明した概略構成断面図である。
【図9】製造工程で生じるサイドエッチングを説明した斜視図およびその拡大斜視図である。
【図10】本発明の加速度センサに係わる一実施の形態(第3実施例)および比較例を示した平面図である。
【図11】従来の加速度センサの一例を示した斜視図である。
【図12】従来の加速度センサの一例を示した平面図およびB−B’線断面拡大図である。
【符号の説明】
【0060】
1…加速度センサ、21…支持部、22…弾性支持部、23…質量部、24…凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持部に一端が支持された複数の弾性支持部と、
前記各弾性支持部の他端側に支持された質量部と、
前記質量部の変位検出手段と
を備えた加速度センサであって、
前記各弾性支持部に支持される側の前記質量部に凹部が形成され、
前記弾性支持部は前記凹部内で前記質量部から離間させた状態で延長形成されて前記質量部を支持している
ことを特徴とする加速度センサ。
【請求項2】
前記変位検出手段が前記弾性支持部に形成された応力電気変換素子である、
ことを特徴とする請求項1記載の加速度センサ。
【請求項3】
前記応力電気変換素子がピエゾ抵抗素子である、
ことを特徴とする請求項2記載の加速度センサ。
【請求項4】
前記応力電気変換素子が圧電素子である、
ことを特徴とする請求項2記載の加速度センサ。
【請求項5】
前記弾性支持部の変位検出手段が形成される領域に隣接して孔が形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の加速度センサ。
【請求項6】
支持部に一端が支持された複数の弾性支持部と、
前記各弾性支持部の他端側に支持された質量部と、
前記質量部の変位検出手段と
を備えた加速度センサの製造方法であって、
前記弾性支持部は、
基板上に絶縁層と半導体層とが積層された状態で、該基板を加工して、前記支持部と、この支持部に一端が支持される複数の弾性支持部と、各弾性支持部の他端側に支持される質量部とを形成する工程と、
前記各弾性支持部に支持される側の前記質量部に弾性支持部が延長形成される領域の両側に凹部を形成する工程と、
弾性支持部が延長形成される領域下の前記絶縁層を除去して、前記凹部内で前記質量部から離間させた状態で前記質量部に支持される弾性支持部を延長形成する工程と
を備えたことを特徴とする加速度センサの製造方法。
【請求項1】
支持部に一端が支持された複数の弾性支持部と、
前記各弾性支持部の他端側に支持された質量部と、
前記質量部の変位検出手段と
を備えた加速度センサであって、
前記各弾性支持部に支持される側の前記質量部に凹部が形成され、
前記弾性支持部は前記凹部内で前記質量部から離間させた状態で延長形成されて前記質量部を支持している
ことを特徴とする加速度センサ。
【請求項2】
前記変位検出手段が前記弾性支持部に形成された応力電気変換素子である、
ことを特徴とする請求項1記載の加速度センサ。
【請求項3】
前記応力電気変換素子がピエゾ抵抗素子である、
ことを特徴とする請求項2記載の加速度センサ。
【請求項4】
前記応力電気変換素子が圧電素子である、
ことを特徴とする請求項2記載の加速度センサ。
【請求項5】
前記弾性支持部の変位検出手段が形成される領域に隣接して孔が形成されている
ことを特徴とする請求項1記載の加速度センサ。
【請求項6】
支持部に一端が支持された複数の弾性支持部と、
前記各弾性支持部の他端側に支持された質量部と、
前記質量部の変位検出手段と
を備えた加速度センサの製造方法であって、
前記弾性支持部は、
基板上に絶縁層と半導体層とが積層された状態で、該基板を加工して、前記支持部と、この支持部に一端が支持される複数の弾性支持部と、各弾性支持部の他端側に支持される質量部とを形成する工程と、
前記各弾性支持部に支持される側の前記質量部に弾性支持部が延長形成される領域の両側に凹部を形成する工程と、
弾性支持部が延長形成される領域下の前記絶縁層を除去して、前記凹部内で前記質量部から離間させた状態で前記質量部に支持される弾性支持部を延長形成する工程と
を備えたことを特徴とする加速度センサの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−309654(P2007−309654A)
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−135994(P2006−135994)
【出願日】平成18年5月16日(2006.5.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年5月16日(2006.5.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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