説明

動力伝達装置

【課題】 重量増を抑えて、固有振動数を上げることで、騒音特性の向上を図った動力伝達装置を提供する。
【解決手段】 各プーリ2の円錐状シーブ面2c,2dと反対側の面に環状突出部4が設けられている。環状突出部4の外径D2は、プーリ2の外径Dの40〜60%とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車等の車両の無段変速機(CVT)に好適な動力伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車用無段変速機(動力伝達装置)として、図9に示すように、固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)を有しエンジン側に設けられたプライマリプーリ(2)と、固定シーブ(3b)および可動シーブ(3a)を有し駆動輪側に設けられたセカンダリプーリ(3)と、両者間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなり、油圧アクチュエータによって可動シーブ(2b)(3a)を固定シーブ(2a)(3b)に対して接近・離隔させることにより、油圧でチェーン(1)をクランプし、このクランプ力によりプーリ(2)(3)とチェーン(1)との間に接触荷重を生じさせ、この接触部の摩擦力によりトルクを伝達するものが知られている。
【0003】
特許文献1には、このような動力伝達装置において、騒音を低減するために、プーリに制振部材を設けることが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−207514号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この種の動力伝達装置では、特許文献1にも示されているように、騒音を低減することが課題となっている。プーリに関しては、n次固有振動数が3000Hz付近にあり、この比較的低周波の音は耳障りな音になる可能性がある。そこで、剛性を上げることでプーリの固有振動数を高い方にずらすことが好ましいが、剛性を上げるために厚さを厚くする手法は、重量増というデメリットを招くことになる。
【0006】
この発明の目的は、重量増を抑えて、固有振動数を上げることで、騒音特性の向上を図った動力伝達装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による動力伝達装置は、円錐状シーブ面をそれぞれ有する固定シーブおよび可動シーブからなるプライマリプーリと、円錐状シーブ面をそれぞれ有する固定シーブおよび可動シーブからなるセカンダリプーリと、両プーリ間に巻き掛けられた巻き掛け伝動部材とを備えている動力伝達装置において、各プーリのシーブ面と反対側の面に環状突出部が設けられており、環状突出部の外径は、プーリ外径の40〜60%とされていることを特徴とするものである。
【0008】
動力伝達装置は、チェーン式(巻き掛け伝動部材がチェーン)とされることがあり、ベルト式(巻き掛け伝動部材がベルト)とされることがある。
【0009】
固有振動数を上げることを目的として、プーリのシーブ面と反対側の面に環状突出部を設け、そのn次固有振動モードの解析を行い、Dをプーリの外径、D2を環状突出部の外径(突出部の内径はシーブ面の内径に合わせる)として、D2/Dとn次の固有振動数との関係を求めたところ、固有振動数が最大となるのは、D2/D=100%(プーリ全体にわたって増厚する)のときではなく、D2/D=50%近傍であることが分かった。すなわち、環状突出部の外径をプーリ外径の40〜60%とすることで、環状突出部による固有振動数上昇効果を最大のものにすることができる。
【0010】
プーリは、機械構造用合金鋼製、浸炭用鋼製などとされ、環状突出部は、例えば断面方形とされて、例えば熱間鍛造時にプーリに一体に形成される。環状突出部の断面形状は方形に限られるものではなく、また、リング状の部材を溶接等によってプーリに一体化することによって環状突出部を形成することもできる。
【0011】
環状突出部の突出量(プーリ軸方向の寸法)については、大きくするほど固有振動数は上がるが、環状突出部を設ける前のプーリの厚さ(最外径における厚さ)をL、環状突出部の突出量をL’として、例えばD2/D=50%の場合におけるL’/Lとn次の固有振動数との関係を求めることで適切な突出量を求めることができ、固有振動数を例えば5000Hz近傍以上としたい場合には、D2/D=50%でかつL’がLの40%以上とすればよい。
【0012】
環状突出部を設ける範囲は、広い方が好ましいので、環状突出部の内径は、シーブ面の内径に等しくなされていることが好ましい。このようにすることで固有振動数を効果的に大きくすることができる。また、環状突出部をプーリの径方向中間部分にのみ設けることで軽量化を図りたい場合には、環状突出部を設ける効果が最も大きいプーリ外径の40〜60%に環状突出部を設ければよい。このようにすると、環状突出部の内径がシーブ面の内径に等しいものに比べると、固有振動数は若干下がるものの、軽くすることができる。いずれにしろ、環状突出部の外径をプーリ外径の40〜60%とすることにより、全体を増厚するものに比べて、プーリの重量増が大幅に抑えられ、しかも、プーリの固有振動数を大幅に大きくすることができる。
【0013】
巻き掛け伝動部材は、好ましくは、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされている動力伝達チェーンとされる。このような動力伝達チェーンでは、第1ピンおよび第2ピンの少なくとも一方がプーリと接触して摩擦力により動力伝達する。第1ピンおよび第2ピンは、例えば、いずれか一方の接触面が平坦面とされ、他方の接触面が相対的に転がり接触移動可能なインボリュート曲面に形成される。
【0014】
リンクは、例えば、ばね鋼や炭素工具鋼製とされる。リンクの材質は、ばね鋼や炭素工具鋼に限られるものではなく、軸受鋼などの他の鋼でももちろんよい。リンクは、前後挿通部がそれぞれ独立の貫通孔(柱有りリンク)とされていてもよく、前後挿通部が1つの貫通孔(柱無しリンク)とされていてもよい。ピンの材質としては、軸受鋼などの適宜な鋼が使用される。
【0015】
この動力伝達装置は、自動車等の車両の無段変速機としての使用に好適なものとなる。このような無段変速機では、各プーリは、円錐状のシーブ面を有する固定シーブと、固定シーブのシーブ面に対向する円錐状のシーブ面を有する可動シーブとからなり、両シーブのシーブ面間にチェーンを挟持し、可動シーブを油圧アクチュエータによって移動させることにより、無段変速機のシーブ面間距離したがってチェーンの巻き掛け半径が変化するものとされる。
【発明の効果】
【0016】
この発明の動力伝達装置によると、各プーリのシーブ面と反対側の面に環状突出部が設けられており、環状突出部の外径がプーリ外径の40〜60%とされているので、プーリ全体を増厚するものに比べて、プーリの重量増が大幅に抑えられ、しかも、プーリの固有振動数を大幅に大きくすることができる。これにより、比較的低周波で耳障りとなる3000Hzの音を耳障りでなくなる5000Hz近傍にずらすことができ、騒音特性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、この発明による動力伝達装置の第1実施形態を模式的に示す正面図である。
【図2】図2は、この発明による動力伝達装置の振動モード解析結果の1例を示す図である。
【図3】図3は、この発明による動力伝達装置の振動モード解析結果の他の例を示す図である。
【図4】図4は、この発明による動力伝達装置の第2実施形態を模式的に示す正面図である。
【図5】図5は、この発明による動力伝達装置で使用されている動力伝達チェーンの一部を示す平面図である。
【図6】図6は、リンクの拡大側面図である。
【図7】図7は、従来の動力伝達装置を模式的に示す正面図である。
【図8】図8は、従来の動力伝達装置の振動モード解析結果の1例を示す図である。
【図9】図9は、従来の動力伝達装置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。
【0019】
図1は、この発明による動力伝達装置の第1実施形態を模式的に示すもので、動力伝達装置は、固定シーブ(2a)および可動シーブ(2b)を有する1対のプーリ(2)と、これらのプーリ(2)間に架け渡された無端状動力伝達チェーン(1)とからなる。
【0020】
図1に示す動力伝達装置では、図7に示す従来ものに比べて、各プーリ(2)の円錐状シーブ面(2c)(2d)と反対側の面に環状突出部(4)が設けられている点で相違している。
【0021】
図7に示した従来の動力伝達装置で使用されている環状突出部のないプーリ(10)を使用して振動解析を行ったところ、そのn次固有振動モードは、図8に示すものとなった。同図において、E<D<C<B<Aの順で変形が大きくなっており、シーブ面が脈動していることが分かる。具体的には、プーリ外径側において、周方向に等間隔で4カ所変形が大きい箇所があり、また、プーリ内径側においても、変形が大きい箇所があり、そのn次固有振動数が3000Hz付近にある。この3000Hzという周波数の音は耳障りな音になる可能性があるので、これを周波数が高い側にずらすことが好ましい。
【0022】
本発明においては、固有振動数を上げることを目的として、プーリ(2)のシーブ面(2c)(2d)と反対側の面に環状突出部(4)が設けられている。そして、環状突出部(4)形状を最適化するために、プーリ(2)のn次固有振動モードの解析を行い、Dをプーリ(2)の外径、D2を環状突出部(4)の外径として、D2/Dとn次の固有振動数との関係を求めている。環状突出部(4)の内径は、シーブ面(2c)(2d)の内径に等しくなされている。
【0023】
D2/Dとn次の固有振動数との関係は、図2に示されており、同図によると、固有振動数が最大となるのは、D2/D=100%(プーリ(2)全体にわたって増厚する)のときではなく、D2/D=50%近傍となっている。すなわち、プーリ(2)の径方向外側部分を増厚することは、n次の固有振動数を上げるという点では逆効果であり、環状突出部(4)の外径をプーリ(2)外径の40〜60%とすることで、環状突出部(4)による固有振動数上昇効果を最大のものにすることができることが分かる。
【0024】
なお、同図には、環状突出部(4)の突出量L’について、L’=10mmとL’=20mmとの2水準が示されており、目標の固有振動数を5000Hz近傍以上とすると、環状突出部(4)の突出量が10mm以上より好ましくは20mm程度とすればよいことが分かる。
【0025】
環状突出部(4)の突出量については、大きくするほど固有振動数は上がるが、環状突出部(4)を設ける前のプーリ(10)の厚さ(プーリ(2)の最外径における厚さ)をL、環状突出部(4)の突出量をL’として、D2/D=50%の場合におけるL’/Lとn次の固有振動数との関係を求めると、図3に示すようなものとなる。この図から、固有振動数を5000Hz近傍以上としたい場合には、D2/D=50%でかつL’がLの40%以上とすればよいことが分かる。
【0026】
図4は、この発明による動力伝達装置の第2実施形態を模式的に示すもので、この実施形態では、環状突出部(5)がリブ状、すなわち、環状突出部(5)の内径は、第1実施形態のようにシーブ面(2c)(2d)の内径に等しくなされているのではなく、シーブ面(2c)(2d)の中程に設けられている。
【0027】
図2に示したD2/Dとn次の固有振動数との関係によると、プーリ(2)外径の40〜60%にある環状突出部(4)(5)が固有振動数を上げることに効果があることが分かる。したがって、環状突出部(5)をリブ状とすることにより、環状突出部(4)の内径がシーブ面(2a)(2b)の内径に等しいものに比べると、固有振動数は若干下がるものの、軽くすることができ、重量増に対する効果からすると有利なものとなる。このリブ状環状突出部(5)の径については、図2を参照して、例えば、その外径がプーリ(2)外径の60%、その内径がプーリ(2)外径の40%としてもよく、その外径がプーリ(2)外径の55%、その内径がプーリ(2)外径の45%としてもよい。いずれにしろ、環状突出部(5)の内径および外径は、いずれもプーリ(2)外径の40〜60%内にあることが好ましい。なお、環状突出部(5)の径方向寸法L''については、環状突出部(5)の外径D2の50%程度(40〜60%)にすることが好ましい。
【0028】
図5は、この発明による動力伝達装置で好適に使用される動力伝達チェーンの一部を示しており、動力伝達チェーン(1)は、チェーン長さ方向に所定間隔をおいて設けられた前後挿通部(12)(13)を有する複数のリンク(11)(21)と、チェーン幅方向に並ぶリンク(11)(21)同士を長さ方向に屈曲可能に連結する複数のピン(第1ピン)(14)およびインターピース(第2ピン)(15)とを備えている。インターピース(15)は、ピン(14)よりも短くなされ、両者は、インターピース(15)が前側に、ピン(14)が後側に配置された状態で対向させられている。
【0029】
チェーン(1)は、幅方向同位相の複数のリンクで構成されるリンク列を進行方向(前後方向)に3つ並べて1つのリンクユニットとし、この3列のリンク列からなるリンクユニットを進行方向に複数連結して形成されている。この実施形態では、リンク枚数が9枚のリンク列とリンク枚数が8枚のリンク列2つとが1つのリンクユニットとされている。
【0030】
この発明の動力伝達チェーン(1)では、リンク(11)(21)については、ショートリンク(11)およびロングリンク(21)の2種類が使用されている。ショートリンク(11)とロングリンク(21)とでは、チェーン(1)の直線領域においてピン(14)とインターピース(15)とが接触している線(断面では点)間の距離(図6に符号Aで示す点とBで示す点との距離)=「ピッチ長」が異なっている。
【0031】
図6に示すように、ショートリンク(11)(ロングリンク(12)も同じ)の前挿通部(12)は、ピン(14)が移動可能に嵌め合わせられるピン可動部(16)およびインターピース(15)が固定されるインターピース固定部(17)からなり、後挿通部(13)は、ピン(14)が固定されるピン固定部(18)およびインターピース(15)が移動可能に嵌め合わせられるインターピース可動部(19)からなる。
【0032】
各ピン(14)は、インターピース(15)に比べて前後方向の幅が広くなされており、インターピース(15)の上下縁部には、各ピン(14)側にのびる突出縁部(15a)(15b)が設けられている。
【0033】
チェーン幅方向に並ぶリンク(11)(21)を連結するに際しては、一のリンク(11)(21)の前挿通部(12)と他のリンク(11)(21)の後挿通部(13)とが対応するようにリンク(11)(21)同士が重ねられ、ピン(14)が一のリンク(11)(21)の後挿通部(13)に固定されかつ他のリンク(11)(21)の前挿通部(12)に移動可能に嵌め合わせられ、インターピース(15)が一のリンク(11)(21)の後挿通部(13)に移動可能に嵌め合わせられかつ他のリンク(11)(21)の前挿通部(12)に固定される。そして、このピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動することにより、リンク(11)(21)同士の長さ方向(前後方向)の屈曲が可能とされる。
【0034】
リンク(11)(21)のピン固定部(18)とインターピース可動部(19)との境界部分には、インターピース可動部(19)の上下の凹円弧状案内部(19a)(19b)にそれぞれ連なりピン固定部(18)に固定されているピン(14)を保持する上下の凸円弧状保持部(18a)(18b)が設けられている。同様に、インターピース固定部(17)とピン可動部(16)との境界部分には、ピン可動部(16)の上下の凹円弧状案内部(16a)(16b)にそれぞれ連なりインターピース固定部(17)に固定されているインターピース(15)を保持する上下の凸円弧状保持部(17a)(17b)が設けられている。
【0035】
ピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡は、円のインボリュートとされており、この実施形態では、ピン(14)の転がり接触面(14a)が、断面において半径Rb、中心Mの基礎円を持つインボリュート曲線とされ、インターピース(15)の転がり接触面(15c)が平坦面(断面形状が直線)とされている。これにより、各リンク(11)(21)がチェーン(1)の直線領域から曲線領域へまたは曲線領域から直線領域へと移行する際、前挿通部(12)においては、ピン(14)が固定状態のインターピース(15)に対してその転がり接触面(14a)がインターピース(15)の転がり接触面(15c)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながらピン可動部(16)内を移動し、後挿通部(13)においては、インターピース(15)がインターピース可動部(19)内を固定状態のピン(14)に対してその転がり接触面(15c)がピン(14)の転がり接触面(14a)に転がり接触(若干のすべり接触を含む)しながら移動する。
【0036】
この動力伝達チェーン(1)では、ピンの上下移動の繰り返しにより、多角形振動が生じ、これが騒音の要因となるが、ピン(14)とインターピース(15)とが相対的に転がり接触移動しかつピン(14)を基準としたピン(14)とインターピース(15)との接触位置の軌跡が円のインボリュートとされていることにより、ピンおよびインターピースの接触面がともに円弧面である場合などと比べて、振動を小さくすることができ、騒音を低減することができる。
【0037】
そして、CVTで使用された場合、ピン(14)とインターピース(15)とは、上述のように、各可動部(16)(19)に案内されて転がり接触移動するので、プーリ(2)のシーブ面(2c)(2d)に対してピン(14)はほとんど回転しないことになり、摩擦損失が低減し、高い動力伝達率が確保される。また、プーリ(2)が比較的低周波の固有振動数を有していると、これに動力伝達チェーン(1)を取り付けた場合の騒音特性悪化が懸念されるが、上述のように、プーリ(2)形状の工夫によって、比較的低周波で耳障りとなる3000Hzの音を耳障りでなくなる5000Hz近傍にずらすことができるので、優れた騒音特性を確保することができる。
【0038】
なお、図2に示した関係は、チェーンでなくベルトでも成り立つものであり、巻き掛け伝動部材がベルトであるベルト式の動力伝達装置(無段変速機)でも、プーリ(2)外径の40〜60%の外径を有する環状突出部(4)(5)を設けることで、騒音特性を向上することができる。
【符号の説明】
【0039】
(1) 動力伝達チェーン(巻き掛け伝動部材)
(2)(3) プーリ
(2a)(3b) 固定シーブ
(2b)(3a) 可動シーブ
(2c)(2d) 円錐状シーブ面
(4)(5) 環状突出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円錐状シーブ面をそれぞれ有する固定シーブおよび可動シーブからなるプライマリプーリと、円錐状シーブ面をそれぞれ有する固定シーブおよび可動シーブからなるセカンダリプーリと、両プーリ間に巻き掛けられた巻き掛け伝動部材とを備えている動力伝達装置において、
各プーリのシーブ面と反対側の面に環状突出部が設けられており、環状突出部の外径は、プーリ外径の40〜60%とされていることを特徴とする動力伝達装置。
【請求項2】
環状突出部の内径は、シーブ面の内径に等しくなされていることを特徴とする請求項1の動力伝達装置。
【請求項3】
環状突出部は、各プーリの径方向中間部分に設けられており、その内径および外径は、いずれもプーリ外径の40〜60%内にあることを特徴とする請求項1の動力伝達装置。
【請求項4】
巻き掛け伝動部材は、ピンが挿通される前後挿通部を有する複数のリンクと、一のリンクの前挿通部と他のリンクの後挿通部とが対応するようにチェーン幅方向に並ぶリンク同士を連結する前後に並ぶ複数の第1ピンおよび複数の第2ピンとを備え、第1ピンと第2ピンとが相対的に転がり接触移動することにより、リンク同士の長さ方向の屈曲が可能とされている動力伝達チェーンである請求項1から3までのいずれかの動力伝達装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−69385(P2011−69385A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218514(P2009−218514)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】