説明

包装袋

【課題】 本発明は自動充填機により上記半生の米や、乾燥海藻を自動充填し多量包装に適する合成樹脂フィルムによる透水性包装袋を得ることを目的とする。
【解決手段】 合成樹脂透明フィルム1による一端開口袋2の本体部分に袋の内外に通じる無数の微細透水孔3を穿設して透水性部分となし、上記一端開口部2に吸盤5,5吸着用の不透水性部分4を形成し、上記不透水性部分4を加熱溶着密封可能となし、上記微細透水孔が整然と穿設され、透水性又は不透水性部分に引裂き用切欠部を形成した包装袋。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は合成樹脂透明フィルムによる透水性でしかも吸盤による自動給袋、開口、充填包装可能な包装袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一端開口部をチャックで開閉できる合成樹脂フィルムに無数の微孔を穿設した透水性の炊飯用生米収容袋が開発された(例えば特許文献1)。
【0003】
生米又は半生(軽く蒸した状態)の米又は乾燥海藻等を収容し、これを包装状態のまま蒸煮又は熱湯あるいは水浸漬によりアルファー化し又は戻しを行うことができた。
【0004】
しかし、自動包装装置によって袋を供給し中身を充填する際には吸盤が用いられる為、袋全面に微孔を配すると吸盤に開口部を吸着させ袋を供給・開口し多量充填包装することは困難であり、袋の供給や開口部の開閉に際し収容袋を手で把持すると多量自動包装ができない。また、袋を手で扱う際に微孔から熱湯又は汁が浸出して火傷を負ったり手を汚し、取扱いが容易ではなかった。又フックに吊るして養生することもできず、熱湯等での処理後の取扱いにくさや多量包装に適さないという問題があった。
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3002455号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は自動充填機により上記半生の米や、乾燥海藻を自動充填し多量包装に適する合成樹脂フィルムによる透水性包装袋を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため本発明は
第1に合成樹脂透明フィルムによる一端開口袋の本体部分に袋の内外に通じる無数の微細透水孔を穿設して透水性部分となし、
上記一端開口部に吸盤吸着用の不透水性部分を形成し、
上記不透水性部分を加熱溶着密封可能となした包装袋、
第2に上記微細透水孔が整然と穿設され、透水性又は不透水性部分に引裂き用切欠部を形成してなる上記第1発明記載の包装袋、
第3に上記不透水性部分にフック引掛孔を穿設した上記第1又は第2発明記載の包装袋、
第4に上記本体部分及び不透水性部分からなる袋1袋以上を不透水性フィルム外袋内に内装し2重袋または集積袋とした上記第1〜第3発明のいずれか記載の包装袋、
によって構成される。
【0008】
従って上記不透水性部分の片面に吸盤を接し、吸着状態において袋を充填機に供給し、充填機において不透水性部分の両面に吸盤を接し、吸着状態において両吸盤を反対向に開くと不透水性部分は互に反対向に開き、その状態において半生米定量充填機又は乾燥海藻定量充填機によって半生米又は乾燥海藻を定量宛包装袋内に自動供給することができる。
【0009】
その後上記不透水性部分の一端開口部を加熱溶着密封し、蒸煮釜又は熱湯・水内に該包装を投入し、包装のまま半生米を煮蒸し、又は海藻を戻すことができる。
【0010】
この充填包装袋はフック引掛孔をフックに挿通して垂下養生し、又は不透水性フィルム外袋内に1袋以上収容して店頭に陳列販売することができる。
【0011】
購入者は上記外袋から内袋を取出し、上述のように内袋をそのまま蒸煮し、又は熱湯又は水で生に戻すことができる。湯や水から取出すときには、フック穴に箸等を通して吊り上げ、手を濡らさず火傷や汚れなどを負わずに引上げることができ、袋のまま水切りもできる。
【0012】
開封する場合は引裂き用切欠き部から引裂いて開口し、収容した飯又は戻した海藻を食器に排出することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明は上述のように構成したので、
不透水性部分を吸盤に吸着させ袋を充填口まで供給した後、両面から吸着させた吸盤を開いて開口し得て自動給袋及自動充填により多量包装に適用し得るばかりでなく、透水性部分により閉鎖状態のまま自動炊飯や自動戻し或はフック垂下養生(ねかせ)に適用し得る効果がある。
【0014】
又外袋に収容密封して店頭販売を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
合成樹脂透明フィルム1,1を2重に重ね、両側縁1’,1’及び“底辺部1”を加熱溶着して一端開口袋2を形成する。
【0016】
上記開口袋2の本体部分2’には袋2の内外に通じる無数の微細透水孔3,3を整然と穿設する。
【0017】
上記一端開口袋2の開口部2”に沿って不透水性部分4を形成し、該不透水性部分4は図1(ロ)図に示すように空気吸引用吸盤5,5に吸着させ矢印a,a’の方向に外側に牽引して開口することができる。
【0018】
上記微細透水孔3,3は直径約0.1〜3.0m/m程度の孔又は長孔或はスリットで本体部分2’の内外に空気や水又は熱湯を流通させることができる。微細透水孔の大きさは、水や熱湯が充分流通し中味の米やひじきなどの海藻が漏れ出さない適切な大きさを選定する。
【0019】
上記フィルム1,1の対向内面には加熱溶着性合成樹脂層1a,1a(例えばポリエチレン)を重層し、上記開口部2”に沿って加熱溶着し、これを密封することができる。また上記フィルム1は片面加熱溶着性合成樹脂フィルム単体(例えばヒートシーラブルOPP<HOPP>)を用いても良い。
【0020】
上記一端開口袋2の一側縁又は両側縁には引裂き用切欠部6,6を形成し、該切欠部を手で引裂いて密封した上記一端開口袋2を開封することができる。なお引裂き用切欠部6は、上記不透水性部分4の内、袋を密封するために上記開口部2”に沿って加熱溶着する部分より下の位置に形成するのが好ましい。
【0021】
このようにした本体部分2’及び不透水性部分4よりなる一端開口袋2を不透水性フィルム外袋10内に内装(収容)密封して2重袋とし、上記一端開口袋2内に収容した収容物9を該外袋10によって不透水状態に密封し店頭に陳列することができる(図4仮想線)。
【0022】
又上記不透水性部分4には図1(イ)(ロ)図に示すようにフック引掛孔7(直径約4〜8m/m)を穿設し、壁に突設したフック8に該孔7を引掛けて上記本体部分2’及び不透水性部分4を懸垂し、収容物9を養生することができる(図3)。なおフック引掛孔
7は上記不透水性部分4の内、袋を密封するために上記開口部2”に沿って加熱溶着する部分の中に形成するのが好ましい。
【0023】
尚図4中4’10’は加熱溶着密封縁である。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明では合成樹脂透明フィルム1,1による上記一端開口袋2をそのまま流通販売し、上記収容物9を上述のように密封4’し、かつ透水性のまま販売することができる。
【0025】
又上記一端開口袋2に収容物9を収容密封した袋を、不透水性フィルム外袋10内に1袋以上収容密封して不透水状態にして収容物9を流通販売することができる。
【0026】
又上記一端開口袋2は吸盤5,5を用いた自動開封充填機に供給し得て、商品多量包装に適し、かつ密封状態のまま収容物9を煮沸、蒸煮によるα化又は熱湯・水に浸漬戻し等を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】(イ)図は本発明の包装袋を示す正面図、(ロ)図は(イ)図A−A線による一部拡大縦断面図である。
【図2】図1(イ)図の一部拡大正面図である。
【図3】フック引掛け懸垂状態の側面図である。
【図4】2重袋を実線及び仮想線で示す正面図である。
【符号の説明】
【0028】
1 合成樹脂透明フィルム
2 一端開口袋
2’ 本体部分
3 微細透水孔
4 不透水性部分
5 吸盤
6 引裂き用切欠部
7 フック引掛孔
10 不透水性フィルム外袋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂透明フィルムによる一端開口袋の本体部分に袋の内外に通じる無数の微細透水孔を穿設して透水性部分となし、
上記一端開口部に吸盤吸着用の不透水性部分を形成し、
上記不透水性部分を加熱溶着密封可能となした包装袋。
【請求項2】
上記微細透水孔が整然と穿設され、透水性又は不透水性部分に引裂き用切欠部を形成してなる請求項1記載の包装袋。
【請求項3】
上記不透水性部分にフック引掛孔を穿設した請求項1又は2記載の包装袋。
【請求項4】
上記本体部分及び不透水性部分からなる袋1袋以上を不透水性フィルム外袋内に内装し2重袋または集積袋とした請求項1〜3のいずれかに記載の包装袋。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2007−326625(P2007−326625A)
【公開日】平成19年12月20日(2007.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−160801(P2006−160801)
【出願日】平成18年6月9日(2006.6.9)
【出願人】(591230664)丸東産業株式会社 (9)
【Fターム(参考)】