化粧不燃材
【課題】 化粧不燃材の提供
【解決手段】 ISO5660−1に準拠した発熱性試験において試験時間20分間の総発熱量が40MJ/m2以下である基材の上に、化粧単板が被覆された化粧材であって、
前記基材と前記化粧単板との間に、アルミニウム箔及び繊維質シートの積層体からなる不燃化シートを挿入して積層一体化してなり、この際、前記化粧単板及び前記不燃化シートはラテックス系熱硬化性接着剤又は酢酸ビニル系接着剤で接着され、前記基材及び前記不燃化シートはウレタン系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、酢酸ビニル−アクリル共重合体接着剤、ラテックス系熱硬化性接着剤又は水性ビニルウレタン系接着剤で接着されており、上記発熱性試験において試験時間20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であることを特
徴とする化粧不燃材。
【解決手段】 ISO5660−1に準拠した発熱性試験において試験時間20分間の総発熱量が40MJ/m2以下である基材の上に、化粧単板が被覆された化粧材であって、
前記基材と前記化粧単板との間に、アルミニウム箔及び繊維質シートの積層体からなる不燃化シートを挿入して積層一体化してなり、この際、前記化粧単板及び前記不燃化シートはラテックス系熱硬化性接着剤又は酢酸ビニル系接着剤で接着され、前記基材及び前記不燃化シートはウレタン系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、酢酸ビニル−アクリル共重合体接着剤、ラテックス系熱硬化性接着剤又は水性ビニルウレタン系接着剤で接着されており、上記発熱性試験において試験時間20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であることを特
徴とする化粧不燃材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ISO5660−1に準拠した発熱性試験において試験時間20分間の総発熱量が40MJ/m2以下である基材を用いれば、該基材上に可燃性の化粧単板を貼付し
た際にも、基材が本来有していた防火性能を維持・向上させ、結果として安定した不燃性(前記発熱性試験において試験時間20分間の総発熱量が8MJ/m2以下)を呈しうる
化粧不燃材に関する。
詳細には、ISO5660−1に準拠した発熱性試験において試験時間20分間の総発熱量が40MJ/m2以下である基材と化粧単板との間に、アルミニウム箔及び繊維質シ
ートの積層体からなる不燃化シートを挿入して積層一体化してなる化粧不燃材に関する。
【背景技術】
【0002】
建築内装材例えば壁面材、天井表面材、柱被覆材および可動間仕切り等の表面材:自動車、船舶の内装製品の表面材:箪笥等の家具の外面化粧材:什器等の一般木製品の外面化粧材:並びに電子機器および楽器の外面化粧材などに使用することを目的として、現在までに多くの難燃性や不燃性の化粧材が開発されてきた。
【0003】
また、基材と化粧単板の間にアルミニウム箔等の金属箔を挿入することによる防火性の化粧材が幾つか報告されている。
例えば、プリント紙・木材単板等/紙/アルミニウム箔/ベニヤ・下地材から構成される耐火性を目的とする不燃性新建材(特許文献1参照。)、化粧薄単板/紙/アルミ箔/防火薬剤含浸処理合板から構成される防火性能の向上を目的とする難燃性化粧合板(特許文献2参照。)、UV塗装層/化粧シート・突板/アルミ箔/基板から構成される熱拡散効果を目的とする化粧板(特許文献3参照。)、木材単板/粉末無機物3〜10%混入水性接着剤/化学繊維紙/アルミ箔(厚さ30〜50μm)/化学繊維紙/木質系基材から構成される熱拡散効果を目的とする耐熱性化粧板(特許文献4参照。)、突板/紙間強化紙/ポリエチレン樹脂/アルミ箔/木質基材から構成される表面平滑性向上と干割れ防止を目的とする突板化粧板(特許文献5参照。)、UV塗装層/化粧材/銅箔又は銅箔とアルミニウム箔の金属箔/基礎板材から構成される耐熱性、難燃性、耐久性及び耐候性の向上を目的とする耐熱性化粧板(特許文献6参照。)並びに銘木単板/紙・不織布/アルミ箔又はガラス繊維シート/紙・不織布/基材よりなる高い防火性を目的とする防燃性銘木化粧板(特許文献7参照。)等が開示されている。
【特許文献1】特開昭61−102943号公報
【特許文献2】特開昭50−31012号公報
【特許文献3】特開平02−175240号公報
【特許文献4】特開平08−1865号公報
【特許文献5】特開2003−145503号公報
【特許文献6】特開平09−216308号公報
【特許文献7】特開平06−115008号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の化粧材で表示されている防火性能の多くは、日本独自の試験方法であった表面試験や基材試験等により評価されたものであり、平成12年に改正された建築基準法に従ったISOに準拠した試験方法により確認されたものではなかった。
そして、現在流通している化粧材をISO5660−1に準拠した発熱性試験で評価したところ、必ずしも表示されている防火性能が反映されない場合があることが判った。
特に、上記化粧材に無機質系の不燃材が基材として使用されている場合、該基材の発熱
性試験における20分間の総発熱量が2〜3MJ/m2前後と良好な値を示すものもある
が、多くは5MJ/m2程度かそれ以上の値を示す基材であることが確認され、このよう
な基材を化粧単板で化粧した場合、隠ぺい処理(隠ぺい剤塗布や、紙等の挿入)、接着剤、化粧単板、表面塗装等の有機物が表層に配置されるので、発熱性試験における20分間の総発熱量は前記有機物の発熱により、おおよそ4〜6MJ/m2程度高くなることにな
り、不燃の規格(発熱性試験における20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であること
)を満たしきれないという問題があることが判った。
【0005】
また、有機物系の薬剤で防燃処理された木質等の基材を使用する化粧材の場合、不燃性(発熱性試験における20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であること)とするために
は、基材における無機系材料の含有比率を極端に上げたり、基材表面に使用する化粧単板等を難燃化したり、無機系物質に変更すること等が考えられるが、そのために、木質素材の良さが極端に失われ、更にコスト高になるという問題があった。
【0006】
従って、本発明は、可燃性の化粧単板を基材に貼付した化粧材において、基材が本来有している防火性能を維持・向上させ、結果として安定した不燃性(発熱性試験における20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であること)を呈しうる化粧不燃材の提供を課題と
する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、発熱性試験における20分間の総発熱量が、40MJ/m2以下の基材であれば、該基材上に化粧単板が被覆され
た場合でも、前記基材と前記化粧単板との間に、アルミニウム箔及び繊維質シートの積層体からなる不燃化シートを挿入し、この際、前記化粧単板及び前記不燃化シートがラテックス系熱硬化性接着剤又は酢酸ビニル系接着剤で接着され、前記基材及び前記不燃化シートがウレタン系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、酢酸ビニル−アクリル共重合体接着剤、ラテックス系熱硬化性接着剤又は水性ビニルウレタン系接着剤で接着されれば、安定して不燃性(発熱性試験における20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であること)を示すこ
とを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
即ち、本発明は、
1.ISO5660−1に準拠した発熱性試験において試験時間20分間の総発熱量が40MJ/m2以下である基材の上に、化粧単板が被覆された化粧材であって、前記基材と
前記化粧単板との間に、アルミニウム箔及び繊維質シートの積層体からなる不燃化シートを挿入して積層一体化してなり、この際、前記化粧単板及び前記不燃化シートはラテックス系熱硬化性接着剤又は酢酸ビニル系接着剤で接着され、前記基材及び前記不燃化シートはウレタン系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、酢酸ビニル−アクリル共重合体接着剤、ラテックス系熱硬化性接着剤又は水性ビニルウレタン系接着剤で接着されており、上記発熱性試験において試験時間20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であることを特徴とする化
粧不燃材、
2.前記基材がホウ素系難燃剤若しくはホウ酸系難燃剤を含浸させた木材合板である前記1.記載の化粧不燃材、
3.前記基材が火山性ガラス質発泡体を主成分とし、ロックウール粒状綿、水酸化アルミニウム粉末及び有機系結合材を含む基材である前記1.記載の化粧不燃材、
4.前記基材が水酸化アルミニウムを主成分とし、繊維及び樹脂を含む基材である前記1.記載の化粧不燃材、
5.前記基材が珪酸カルシウムを主成分とし、バーミキュライト及びパルプを含む基材である前記1.記載の化粧不燃材、
6.前記基材が古紙を主成分とし、ロックウール及び珪酸マグネシウムを含む基材である前記1.記載の化粧不燃材、
7.前記基材が古紙を主成分とし、無機物及び難燃薬剤を含む基材である前記1.記載の化粧不燃材、
8.前記基材が石こうを主成分とし、パルプを含む基材である前記1.記載の化粧不燃材、
に関するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、発熱性試験における20分間の総発熱量が、40MJ/m2以下の基材を用
いれば、該基材上に化粧単板が被覆された場合でも、前記基材と前記化粧単板との間に、アルミニウム箔及び繊維質シートの積層体からなる不燃化シートを挿入し、この際、前記化粧単板及び前記不燃化シートをラテックス系熱硬化性接着剤又は酢酸ビニル系接着剤で接着し、前記基材及び前記不燃化シートをウレタン系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、酢酸ビニル−アクリル共重合体接着剤、ラテックス系熱硬化性接着剤又は水性ビニルウレタン系接着剤で接着するだけで安定して不燃性(発熱性試験における20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であること)を示すことを初めて見出したものである。
【0010】
即ち、本発明に従えば、既存の発熱性試験における20分間の総発熱量が、40MJ/m2以下の基材から簡単な操作により、そして安価に化粧単板で化粧された化粧不燃材を
製造することができる。
また、本発明の化粧不燃材は、施工後裏面からの湿気・水分を遮蔽(バリヤー)して突板の変色を防ぐ、裏面からのバリヤー性に優れる。
更に、本発明の化粧不燃材は、隠ぺい性(基材の写り防止)にも優れている。
従って、本発明の化粧不燃材は、建築内装材例えば壁面材、天井表面材、柱被覆材および可動間仕切り等の表面材:自動車、船舶の内装製品の表面材:箪笥等の家具の外面化粧材:什器等の一般木製品の外面化粧材:並びに電子機器および楽器の外面化粧材などへの使用に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の化粧不燃材に使用する基材は、発熱性試験における20分間の総発熱量が、40MJ/m2以下である基材である。
尚、本発明中に記載の発熱性試験とは、ISO5660−1に準拠したコーンカロリメータ試験法を意味する。
本発明の化粧不燃材に使用する好ましい基材としては、ホウ素系難燃剤若しくはホウ酸系難燃剤を含浸させた木材であるか又は火山性ガラス質発泡体、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、古紙若しくは石こうを主成分とする基材等が挙げられる。
【0012】
ホウ素系難燃剤若しくはホウ酸系難燃剤を含浸させた木材としては、木材にホウ素系難燃剤若しくはホウ酸系難燃剤を含浸させた木材であれば特に限定しないが、好ましいホウ素系難燃剤を含浸させた木材としては、準不燃性(発熱性試験における10分間の総発熱量が、8MJ/m2以下となる。)の基材が挙げられ、好ましいホウ酸系難燃剤を含浸さ
せた木材としては、難燃性(発熱性試験における5分間の総発熱量が、8MJ/m2以下
となる。)の基材が挙げられる。
【0013】
火山性ガラス質発泡体を主成分とする基材としては、ロックウール粒状綿、水酸化アルミニウム粉末及び有機系結合材(澱粉、フェノール樹脂等)を含むものが挙げられ、好ましくは難燃性(発熱性試験における5分間の総発熱量が、8MJ/m2以下となる。)の
基材が挙げられる。
【0014】
水酸化アルミニウムを主成分とする基材としては、少量の繊維と樹脂を含むものが挙げられる。
【0015】
珪酸カルシウムを主成分とする基材としては、バーミキュライト及びパルプを含むものが挙げられ、不燃性(発熱性試験における20分間の総発熱量が、8MJ/m2以下とな
る。)の基材が好ましい。
【0016】
古紙を主成分とする基材としては、ロックウール及び珪酸マグネシウムを含むものが挙げられ、好ましくは不燃性(発熱性試験における20分間の総発熱量が、8MJ/m2以
下となる。)の基材が挙げられる。
また、古紙を主成分とする基材として、無機物及び難燃薬剤を含むものが挙げられ、好ましくは難燃性(発熱性試験における5分間の総発熱量が、8MJ/m2以下となる。)
の基材が挙げられる。
石こうを主成分とする基材としては、パルプを含むものが挙げられる。
【0017】
本発明の化粧不燃材に使用する、アルミニウム箔及び繊維質シートの積層体からなる不燃化シートとしては、繊維質シート;アルミニウム箔;繊維質シートから形成される積層体及び繊維質シート;アルミニウム箔から形成される積層体等が挙げられる。
繊維質シートとしては、紙または不織布等が挙げられ、前記紙または不織布としては、紙間強化紙、和紙、洋紙(上質紙、中質紙等)、クラフト紙、薄葉紙または樹脂含浸紙、並びに、ポリエステル不織布、ポリエステル/パルプ不織布、ビニロン混抄不織布等の各種不織布などが包含される。
繊維質シートは、化粧シートの接着性を容易にし、下地の凹凸を緩衝して化粧シートの浮き上がりを防止するために、また内側のアルミニウム箔の輝きを隠蔽するために、積層要素とされるものである。
繊維質シートの坪量は、15〜100 g/m2 、好ましくは20〜50 g/m2 である。
【0018】
アルミニウム箔は、化粧不燃材に適度の剛性を持たせて化粧単板の寸法変化、あばれ、反りを抑えるために、また化粧不燃材に高い寸法安定性を付与するために、積層要素とされるものである。
アルミニウム箔は、その厚さが厚い程、難燃性を向上することが容易となるが、厚くすると加工性が悪くなり、また、経済性も低下する。
そのため、アルミニウム箔の厚さは、不燃性が得られる範囲で、できるだけ薄くすることが好ましい。
前記の観点において、アルミニウム箔の厚さは通常5〜40μmであり、好ましくは8〜30μmであり、また、より好ましくは8〜20μmであり、また、特に好ましくは8〜15μmであり、例えば、10μm、12μm、15μm、20μm及び30μmのアルミニウム箔が挙げられ、より好ましくは、10μm、12μm及び15μmが挙げられる。
【0019】
アルミニウム箔と繊維質シートを接着させる際、通常、繊維質シートとアルミニウム箔の間に接着性樹脂を介在させて接着する。
形成される接着性樹脂層は、繊維質シートとアルミニウム箔との接着一体化を可能とし、適度の柔軟性を付与して施工時下地の凹凸を吸収し、また基材に貼着する際に十分な可撓性を与えて曲面部や角部の下地にも適合可能とする作用を有し、さらにアルミニウム箔の腐食防止を抑え、そしてまたアルミニウム箔と一緒になって化粧単板のあばれ、反りを抑える作用を有する。
接着性樹脂層の厚さは、1〜80μm、好ましくは2〜30μmである。
アルミニウム箔の両面に繊維質シートを接着する場合、2つの接着面に形成される接着性樹脂層は、同種であっても異種であっても、また各樹脂層は単層であっても複層であってもよい。その厚さは、それぞれ、1〜80μm、好ましくは2〜30μmである。
【0020】
前記樹脂層の例としては、ポリオレフィン共重合体例えばポリエチレンコポリマー、エチレン−酢酸アクリル共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマー、ポリアミド樹脂及びウレタン系のドライラミネート用接着剤等を挙げることができるが、これらに限定されず、広範囲にわたって適用することができる。
【0021】
前記樹脂層として、難燃剤を配合した接着性樹脂層を使用することができるが、繊維質シートがアルミニウム箔の両面に存在する場合、両面の2箇所に形成される接着性樹脂層のいずれか一方または双方に含有することができる。
前記難燃剤としては、三酸化アンチモン、燐酸系、ハロゲン系のものが挙げられる。
【0022】
また、アルミニウム箔の腐食防止のため、繊維質シートを貼る前に、予め、アルミニウム箔にバイヤー性の高い防食用のアンカーコート剤をコート処理してもよい。
【0023】
前述で形成される繊維質シート;アルミニウム箔;繊維質シートより形成される積層体又は繊維質シート;アルミニウム箔より形成される積層体は、施工後裏面からの湿気・水分を遮蔽(バリヤー)して表面の化粧単板の変色を防ぐ働きをし、また、隠ぺい性(基材の写り防止)を呈する働きをする。
【0024】
本発明の化粧不燃材に使用する化粧単板としては、各種の銘木より、例えば0.05ないし3.0mmの厚さに、好ましくは0.10ないし0.4mmの厚さに、切削加工された挽板または突板を適用することができる。
化粧単板の木理は、特に限定されず、柾目、追柾、板目またはこぶ杢など、いずれでもよい。
また、化粧単板の樹種も特には、限定されないが、好ましい樹種の例は、次の通りである。:檜、楢、欅、桜、楡、黒柿、栃、桂、楓、槐、楠木等:ローズウッド、チーク、マホガニー、コクタン(黒壇)、シタン(紫檀)、バーズアイメープル、アメリカンブラックウォールナット、クラロウォールナット、ラテヌォールナット、クィンスランドウォールナット、ゼブラウッド、マンガシロ、ブラジリアンローズ、カリン(花梨)、バーシモン、シルバーローズ、パルマ、レッドウッド、パープルウッド、シルキーオーク、タイワンクス、チェリー、マグノリヤ、黒レオ(ダオ)、白レオ、サベリ、ブビンカ、マコレ、マドローナー、ミルトル、メープル、アッシン、インブイヤー等。
【0025】
化粧単板は繊維質シート上に、通常、接着剤を介在させて接着される。
前記接着剤の種類は、ラテックス系熱硬化型接着剤、酢酸ビニル系接着剤が使用される。
上記酢酸ビニル系接着剤には、酢酸ビニル接着剤だけでなく、ポリ酢酸ビニルを主剤とする接着剤、例えば、硬化機構を組み込んだ水性2液型の接着剤(反応型特殊酢酸ビニル樹脂エマルジョン)等も含まれる。
【0026】
基材上にアルミニウム箔、繊維質シート;アルミニウム箔よりなる積層体、繊維質シート;アルミニウム箔;繊維質シートよりなる積層体又は化粧単板;繊維質シート;アルミニウム箔;繊維質シートよりなるシートを貼着する際も、通常、接着剤を介在させて接着される。
前記接着剤の種類は、ウレタン系接着剤、ラテックス系熱硬化型接着剤、酢酸ビニル系接着剤、酢酸ビニル−アクリル共重合体接着剤、水性ビニルウレタン系接着剤が使用される。
上記酢酸ビニル系接着剤には、酢酸ビニル接着剤だけでなく、ポリ酢酸ビニルを主剤とする接着剤、例えば、硬化機構を組み込んだ水性2液型の接着剤(反応型特殊酢酸ビニル樹脂エマルジョン)等も含まれる。
【0027】
本発明の化粧不燃材は以下に示す方法により、製造することができる。
(a)まず、押出しラミネート法に従い、必要により接着性樹脂を介在させて、繊維質シー
ト;アルミニウム箔;繊維質シートよりなる積層体を成形し、続いて、必要により接着剤を介在させて該積層体を基材上に貼着し、さらにその上に必要により接着剤を介在させて化粧単板をオーバーレイして熱圧接着する。
(b)基材上にアルミニウム箔を必要により接着剤を介在させて貼着し、この上に繊維質シートを必要により接着性樹脂を介在させて貼着し、さらにその上に化粧単板を必要により接着剤を介在させて貼着する。
(c)予め、化粧単板;繊維質シート;アルミニウム箔;繊維質シートよりなるシートを必要により接着性樹脂及び/又は接着剤を介在させて製作し、該シートを基材上に貼着する。
【実施例】
【0028】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1 火山性ガラス質発泡体を主成分とする基材を用いた化粧不燃材の製造
実施例1を図1を用いて説明する。
図1に示すように、ドライラミネート法に従い、坪量30 g/m2 の紙間強化紙2;ウレタン系接着剤;厚さ15μmのアルミニウム箔3;ウレタン系接着剤;坪量30 g/m2 の紙間強化紙4よりなるアルミニウム箔入りシートを製造した。
また、厚さ10μmのアルミニウム箔を使用し、上記と同様の方法により、アルミニウム箔入りシートを製造した。
火山性ガラス質発泡体を主成分とし、ロックウール粒状綿、水酸化アルミニウム粉末及び有機系結合材(澱粉、フェノール樹脂等)を含む基材1(6mm厚)上に、ラテックス系熱硬化性接着剤を塗布し、上記アルミニウム箔入りシート(アルミニウム箔の厚さ10μm)をホットプレスにて貼着した。
更に、アルミニウム箔入りシート(アルミニウム箔の厚さ10μm)上に酢酸ビニル系接着剤を塗布し、突板5(0.2mm厚、気乾重量90g/m2)をホットプレスにて貼
着した。突板表面を研磨後、合成樹脂塗料で塗装し、仕上げを行った。
【0029】
比較試験用として同様な方法で、上記基材(6mm厚)上に、ラテックス系熱硬化性接着剤を塗布し、上記の突板(0.2mm厚、気乾重量90g/m2)を直接ホットプレス
にて貼着し、突板表面を研磨後、合成樹脂で塗装して仕上げた化粧材を製造した。
【0030】
実施例2〜8
アルミニウム箔入りシートのアルミニウム箔の厚さ、基材とアルミニウム箔入りシートとの接着に用いた接着剤の種類及びアルミニウム箔入りシートと突板との接着に用いた接着剤の種類を種々変えた以外は実施例1と同様にして表1に示すような実施例2ないし8の化粧材を製造した。
尚、表中、「アルミ厚」は、使用したアルミニウム箔入りシートのアルミニウム箔の厚さを示し、「接着剤(基材/アルミシート)」は、基材とアルミニウム箔入りシートとの接着に用いた接着剤の種類を示し、「接着剤(アルミシート/突板)」は、アルミニウム箔入りシートと突板との接着に用いた接着剤の種類を示す。
表1
【表1】
実施例1〜8で製造した8種の化粧材、実施例1で使用した基材に突板を接着しただけの化粧材及び実施例1で使用した基材単体(6mm厚)の計10種の試験体を準備し、発熱性試験を実施した。
尚、上記10種の試験体を用いる発熱性試験結果のグラフを図3ないし図12に示した。
【0031】
実施例9 珪酸カルシウムを主成分とする基材を用いた化粧不燃材の製造
ドライラミネート法に従い、坪量30 g/m2 の紙間強化紙;ウレタン系接着剤;厚さ15μmのアルミニウム箔;ウレタン系接着剤;坪量30 g/m2 の紙間強化紙よりなるアルミニウム箔入りシートを製造した。
また、厚さ10μmのアルミニウム箔を使用し、上記と同様の方法により、アルミニウム箔入りシートを製造した。
珪酸カルシウムを主成分とし、バーミキュライト及びパルプを含む基材(6mm厚)上に、ウレタン系接着剤を塗布し、上記アルミニウム箔入りシート(アルミニウム箔の厚さ10μm)をホットプレスにて貼着した。
更に、アルミニウム箔入りシート(アルミニウム箔の厚さ10μm)上に酢酸ビニル系接着剤を塗布し、突板(0.2mm厚、気乾重量90g/m2)をホットプレスにて貼着
した。突板表面を研磨後、合成樹脂塗料で塗装し、仕上げを行った。
【0032】
比較試験用として同様な方法で、上記基材(6mm厚)上に、ラテックス系熱硬化性接着剤を塗布し、上記の突板(0.2mm厚、気乾重量90g/m2)を直接ホットプレス
にて貼着し、突板表面を研磨後、合成樹脂で塗装して仕上げた化粧材を製造した。
【0033】
実施例10〜17
アルミニウム箔入りシートのアルミニウム箔の厚さ、基材とアルミニウム箔入りシートとの接着に用いた接着剤の種類及びアルミニウム箔入りシートと突板との接着に用いた接着剤の種類を種々変えた以外は実施例9と同様にして表2に示すような実施例10ないし17の化粧材を製造した。
尚、表中、「アルミ厚」は、使用したアルミニウム箔入りシートのアルミニウム箔の厚さを示し、「接着剤(基材/アルミシート)」は、基材とアルミニウム箔入りシートとの接着に用いた接着剤の種類を示し、「接着剤(アルミシート/突板)」は、アルミニウム箔入りシートと突板との接着に用いた接着剤の種類を示す。
表2
【表2】
実施例9〜17で製造した9種の化粧材、実施例9で使用した基材に突板を接着しただけの化粧材及び実施例9で使用した基材単体(6mm厚)の計11種の試験体を準備し、発熱性試験を実施した。
尚、上記11種の試験体を用いる発熱性試験結果のグラフを図13ないし図23に示した。
【0034】
実施例18 ホウ酸系難燃剤を含浸させた木材を基材として用いた化粧不燃材の製造
ドライラミネート法に従い、坪量30 g/m2 の紙間強化紙;ウレタン系接着剤;厚さ15μmのアルミニウム箔;ウレタン系接着剤;坪量30 g/m2 の紙間強化紙よりなるアル
ミニウム箔入りシートを製造した。
厚単板をホウ酸系難燃剤に含浸し乾燥した後、該厚単板を積層して10mm厚の難燃合板を作成した。
前記難燃合板上に、ラテックス系熱硬化性接着剤を塗布し、上記アルミニウム箔入りシート(アルミニウム箔の厚さ15μm)をホットプレスにて貼着した。
更に、アルミニウム箔入りシート(アルミニウム箔の厚さ15μm)上にラテックス系熱硬化性接着剤を塗布し、突板(0.2mm厚、気乾重量90g/m2)をホットプレス
にて貼着した。突板表面を研磨後、合成樹脂塗料で塗装し、仕上げを行った。
上記で製造した化粧材と上記の基材単体(10mm厚)の2種の試験体を準備し、発熱性試験を実施した。
【0035】
実施例19 ホウ素系難燃剤を含浸させた木材を基材として用いた化粧不燃材の製造
ドライラミネート法に従い、坪量30 g/m2 の紙間強化紙;ウレタン系接着剤;厚さ15μmのアルミニウム箔;ウレタン系接着剤;坪量30 g/m2 の紙間強化紙よりなるアルミニウム箔入りシートを製造した。
厚単板をホウ素系難燃剤に含浸し乾燥した後、該厚単板を積層して10.3mm厚の難燃合板を作成した。
前記難燃合板上に、ラテックス系熱硬化性接着剤を塗布し、上記アルミニウム箔入りシート(アルミニウム箔の厚さ15μm)をホットプレスにて貼着した。
更に、アルミニウム箔入りシート(アルミニウム箔の厚さ15μm)上にラテックス系熱硬化性接着剤を塗布し、突板(0.2mm厚、気乾重量90g/m2)をホットプレス
にて貼着した。突板表面を研磨後、合成樹脂塗料で塗装し、仕上げを行った。
上記で製造した化粧材と上記の基材単体(10.3mm厚)の2種の試験体を準備し、発熱性試験を実施した。
【0036】
実施例20 古紙を主成分とする基材を用いた化粧不燃材の製造
実施例18で使用した基材(ホウ酸系難燃剤を含浸させた木材)に代えて、古紙を主成分とし、ロックウール及び珪酸マグネシウムを含む基材(9mm厚)を用いた以外は実施例18と同様にして化粧材を製造した。
また、比較試験用として実施例1と同様な方法で、実施例20で使用した基材上に突板が貼着された化粧材を製造し、実施例20で使用した基材単体(9mm厚)と共に3種の試験体とし、発熱性試験を実施した。
尚、上記3種の試験体を用いる発熱性試験結果のグラフを図24ないし図26に示した。
【0037】
実施例21 古紙を主成分とする基材を用いた化粧不燃材の製造
実施例18で使用した基材(ホウ酸系難燃剤を含浸させた木材)に代えて、古紙を主成分とし、無機物及び難燃薬剤を含む基材(10mm厚)を用いた以外は実施例18と同様にして化粧材を製造した。
【0038】
実施例22,23
アルミニウム箔入りシートのアルミニウム箔の厚さ、基材とアルミニウム箔入りシートとの接着に用いた接着剤の種類及びアルミニウム箔入りシートと突板との接着に用いた接着剤の種類を種々変えた以外は実施例21と同様にして表3に示すような実施例22,23の化粧材を製造した。
尚、表中、「アルミ厚」は、使用したアルミニウム箔入りシートのアルミニウム箔の厚さを示し、「接着剤(基材/アルミシート)」は、基材とアルミニウム箔入りシートとの接着に用いた接着剤の種類を示し、「接着剤(アルミシート/突板)」は、アルミニウム箔入りシートと突板との接着に用いた接着剤の種類を示す。
表3
【表3】
実施例21ないし23で製造した3種の化粧材に加え、比較試験用として実施例1と同様な方法で、実施例21で使用した基材上に突板が貼着された化粧材を製造し、実施例21で使用した基材単体(9mm厚)と共に5種の試験体とし、発熱性試験を実施した。
尚、上記5種の試験体のうち、基材単体、基材上に突板のみを接着した化粧材及び実施例21の化粧材の発熱性試験結果のグラフを図27ないし図29に示した。
【0039】
比較例1
実施例18で使用した基材(ホウ酸系難燃剤を含浸させた木材)に代えて、薬剤を含浸させた木材(12mm厚)を基材として用いた以外は実施例18と同様にして化粧材を製造した。
上記基材単体(12mm厚)と共に2種の試験体とし、発熱性試験を実施した。
【0040】
比較例2
実施例18で使用した基材(ホウ酸系難燃剤を含浸させた木材)に代えて、薬剤を含浸させた木材(9.3mm厚)を基材として用いた以外は実施例18と同様にして化粧材を製造した。
【0041】
比較例3
実施例18で使用した基材(ホウ酸系難燃剤を含浸させた木材)に代えて、木材(9mm厚)を基材として用いた以外は実施例18と同様にして化粧材を製造した。
【0042】
比較例4
実施例18で使用した基材(ホウ酸系難燃剤を含浸させた木材)に代えて、木材(12mm厚)を基材として用いた以外は実施例18と同様にして化粧材を製造した。
【0043】
比較例5
実施例18で使用した基材(ホウ酸系難燃剤を含浸させた木材)に代えて、木材(9mm厚)を基材として用いた以外は実施例18と同様にして化粧材を製造した。
【0044】
比較例6
実施例18で使用した基材(ホウ酸系難燃剤を含浸させた木材)に代えて、木材(9mm厚:有孔加工:径5、P25)を基材として用いた以外は実施例18と同様にして化粧材を製造した。
【0045】
試験例1 化粧材の発熱性試験
実施例1〜23及び比較例1〜6で製造した試験体を、それぞれISO5660−1に準拠したコーンカロリメータ試験法に供した。
試験方法
試験体(寸法99mm×99mm)を水平に置き、その上方からコーン型の電気ヒーターにより50kW/m2の輻射加熱を与え、電気スパークの口火により着火させ、燃焼性
を発熱量により判定した(試験時間20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であるものを
不燃、10分間の総発熱量が8MJ/m2以下であるものを準不燃、5分間の総発熱量が
8MJ/m2以下であるものを難燃とする。)。発熱量は燃焼ガス分析による酸素消費量
から求めた。試験体の亀裂や溶融については目視により評価した。
判定基準
1.加熱開始後20分間の総発熱量が、8MJ/m2以下であること。
2.加熱開始後20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないこと。
3.加熱開始後20分間、最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えな
いこと。
試験結果を表4及び表5に示した。
表4
【表4】
表5
【表5】
【0046】
試験結果
実施例1で使用した基材単体は、試験時間5分間の総発熱量が8.0MJ/m2であっ
たため難燃性であることが判った。また、該基材における試験時間20分間の総発熱量、19.6MJ/m2が該基材上に突板を貼着することにより、22.0MJ/m2と高くなり結果として規格外となった。これに対し、アルミニウム箔入り不燃化シートが挿入された実施例1の化粧材では、試験時間20分間の総発熱量は、7.2MJ/m2と基材単体
よりも総発熱量が減少し、結果として不燃性の規格を満たすものであった。
【0047】
また、基材上に突板が貼着された化粧材では、基材の色(赤褐色)が突板に写って突板本来の色でなくなっていたのに対して、実施例1の化粧材では、基材の色写りが無く、良好な隠ぺい性を示した。
尚、実施例1の化粧材は、施工時の裏面からの湿気や水分による突板の変色を抑える、充分なバリヤー性を発揮するものであった。
【0048】
実施例2ないし23の化粧材は、実施例1と同様に、基材単体と同等かそれよりも低い総発熱量を示し、結果として全て不燃性の規格を満たすものであった。
【0049】
表4及び表5の発熱性試験結果を基に、化粧材(実施例及び比較例)と該化粧材に使用した基材単体との試験時間20分間の総発熱量における相関を観るために、化粧材の総発熱量(20分間)を縦軸に、該化粧材に使用した基材単体の総発熱量(20分間)を横軸に示すグラフを作成し図30に示した。図30から基材単体の総発熱量が40MJ/m2
以下であれば、該基材を用いて製造された化粧材が不燃性(試験時間20分間の総発熱量が8MJ/m2以下となる。)となることが示された。
【0050】
実施例24
厚さ10μmのアルミニウム箔に代えて、厚さ30μmのアルミニウム箔を用いた以外は実施例1と同様にして化粧材を製造した。
発熱性試験において、厚さ10μmのアルミニウム箔を用いた時とほぼ同様の結果が得られた。
【0051】
実施例25
実施例25を図2により説明する。
図2に示すように、実施例1で使用した基材1上に、水性ビニルウレタン系接着剤を塗布し、アルミニウム箔3を貼着し、その上にウレタン系接着剤を塗布して坪量30 g/m2 の紙間強化紙4を貼着し、この上にラテックス系熱硬化性接着剤を塗布し、突板5(0.2mm厚、気乾重量90g/m2)をホットプレスにて貼着した。突板表面を研磨後、合
成樹脂塗料で塗装し、仕上げを行うことにより化粧不燃材を製造した。
【0052】
実施例26
坪量30 g/m2 の紙間強化紙;ウレタン系接着剤;厚さ15μmのアルミニウム箔;ウレタン系接着剤;坪量30 g/m2 の紙間強化紙;ラテックス系熱硬化性接着剤;突板(0.2mm厚、気乾重量90g/m2)をホットプレスにて貼着してアルミニウム箔入り化
粧シートを製造した。
実施例1で使用した基材上に、ラテックス系熱硬化性接着剤を塗布し、上記アルミニウム箔入り化粧シートをホットプレスにて貼着した。
突板表面を研磨後、合成樹脂塗料で塗装し、仕上げを行うことにより化粧不燃材を製造した。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施例1ないし23で製造した化粧不燃材の断面を表す図である。
【図2】本発明の実施例25で製造した化粧不燃材の断面を表す図である。
【図3】本発明の実施例1で使用した基材単体における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例1で使用した基材上に突板のみを接着して製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例1で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図6】本発明の実施例2で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図7】本発明の実施例3で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図8】本発明の実施例4で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図9】本発明の実施例5で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図10】本発明の実施例6で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図11】本発明の実施例7で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図12】本発明の実施例8で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図13】本発明の実施例9で使用した基材単体における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図14】本発明の実施例9で使用した基材上に突板のみを接着して製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図15】本発明の実施例9で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図16】本発明の実施例10で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図17】本発明の実施例11で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図18】本発明の実施例12で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図19】本発明の実施例13で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図20】本発明の実施例14で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図21】本発明の実施例15で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図22】本発明の実施例16で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図23】本発明の実施例17で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図24】本発明の実施例20で使用した基材単体における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図25】本発明の実施例20で使用した基材上に突板のみを接着して製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図26】本発明の実施例20で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図27】本発明の実施例21で使用した基材単体における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図28】本発明の実施例21で使用した基材上に突板のみを接着して製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図29】本発明の実施例21で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図30】化粧材(実施例及び比較例)と該化粧材に使用した基材単体との試験時間20分間の総発熱量における相関を示すグラフである。
【符号の説明】
【0054】
1 基材
2 繊維質シート
3 アルミニウム箔
4 繊維質シート
5 化粧単板
【技術分野】
【0001】
本発明は、ISO5660−1に準拠した発熱性試験において試験時間20分間の総発熱量が40MJ/m2以下である基材を用いれば、該基材上に可燃性の化粧単板を貼付し
た際にも、基材が本来有していた防火性能を維持・向上させ、結果として安定した不燃性(前記発熱性試験において試験時間20分間の総発熱量が8MJ/m2以下)を呈しうる
化粧不燃材に関する。
詳細には、ISO5660−1に準拠した発熱性試験において試験時間20分間の総発熱量が40MJ/m2以下である基材と化粧単板との間に、アルミニウム箔及び繊維質シ
ートの積層体からなる不燃化シートを挿入して積層一体化してなる化粧不燃材に関する。
【背景技術】
【0002】
建築内装材例えば壁面材、天井表面材、柱被覆材および可動間仕切り等の表面材:自動車、船舶の内装製品の表面材:箪笥等の家具の外面化粧材:什器等の一般木製品の外面化粧材:並びに電子機器および楽器の外面化粧材などに使用することを目的として、現在までに多くの難燃性や不燃性の化粧材が開発されてきた。
【0003】
また、基材と化粧単板の間にアルミニウム箔等の金属箔を挿入することによる防火性の化粧材が幾つか報告されている。
例えば、プリント紙・木材単板等/紙/アルミニウム箔/ベニヤ・下地材から構成される耐火性を目的とする不燃性新建材(特許文献1参照。)、化粧薄単板/紙/アルミ箔/防火薬剤含浸処理合板から構成される防火性能の向上を目的とする難燃性化粧合板(特許文献2参照。)、UV塗装層/化粧シート・突板/アルミ箔/基板から構成される熱拡散効果を目的とする化粧板(特許文献3参照。)、木材単板/粉末無機物3〜10%混入水性接着剤/化学繊維紙/アルミ箔(厚さ30〜50μm)/化学繊維紙/木質系基材から構成される熱拡散効果を目的とする耐熱性化粧板(特許文献4参照。)、突板/紙間強化紙/ポリエチレン樹脂/アルミ箔/木質基材から構成される表面平滑性向上と干割れ防止を目的とする突板化粧板(特許文献5参照。)、UV塗装層/化粧材/銅箔又は銅箔とアルミニウム箔の金属箔/基礎板材から構成される耐熱性、難燃性、耐久性及び耐候性の向上を目的とする耐熱性化粧板(特許文献6参照。)並びに銘木単板/紙・不織布/アルミ箔又はガラス繊維シート/紙・不織布/基材よりなる高い防火性を目的とする防燃性銘木化粧板(特許文献7参照。)等が開示されている。
【特許文献1】特開昭61−102943号公報
【特許文献2】特開昭50−31012号公報
【特許文献3】特開平02−175240号公報
【特許文献4】特開平08−1865号公報
【特許文献5】特開2003−145503号公報
【特許文献6】特開平09−216308号公報
【特許文献7】特開平06−115008号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の化粧材で表示されている防火性能の多くは、日本独自の試験方法であった表面試験や基材試験等により評価されたものであり、平成12年に改正された建築基準法に従ったISOに準拠した試験方法により確認されたものではなかった。
そして、現在流通している化粧材をISO5660−1に準拠した発熱性試験で評価したところ、必ずしも表示されている防火性能が反映されない場合があることが判った。
特に、上記化粧材に無機質系の不燃材が基材として使用されている場合、該基材の発熱
性試験における20分間の総発熱量が2〜3MJ/m2前後と良好な値を示すものもある
が、多くは5MJ/m2程度かそれ以上の値を示す基材であることが確認され、このよう
な基材を化粧単板で化粧した場合、隠ぺい処理(隠ぺい剤塗布や、紙等の挿入)、接着剤、化粧単板、表面塗装等の有機物が表層に配置されるので、発熱性試験における20分間の総発熱量は前記有機物の発熱により、おおよそ4〜6MJ/m2程度高くなることにな
り、不燃の規格(発熱性試験における20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であること
)を満たしきれないという問題があることが判った。
【0005】
また、有機物系の薬剤で防燃処理された木質等の基材を使用する化粧材の場合、不燃性(発熱性試験における20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であること)とするために
は、基材における無機系材料の含有比率を極端に上げたり、基材表面に使用する化粧単板等を難燃化したり、無機系物質に変更すること等が考えられるが、そのために、木質素材の良さが極端に失われ、更にコスト高になるという問題があった。
【0006】
従って、本発明は、可燃性の化粧単板を基材に貼付した化粧材において、基材が本来有している防火性能を維持・向上させ、結果として安定した不燃性(発熱性試験における20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であること)を呈しうる化粧不燃材の提供を課題と
する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、発熱性試験における20分間の総発熱量が、40MJ/m2以下の基材であれば、該基材上に化粧単板が被覆され
た場合でも、前記基材と前記化粧単板との間に、アルミニウム箔及び繊維質シートの積層体からなる不燃化シートを挿入し、この際、前記化粧単板及び前記不燃化シートがラテックス系熱硬化性接着剤又は酢酸ビニル系接着剤で接着され、前記基材及び前記不燃化シートがウレタン系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、酢酸ビニル−アクリル共重合体接着剤、ラテックス系熱硬化性接着剤又は水性ビニルウレタン系接着剤で接着されれば、安定して不燃性(発熱性試験における20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であること)を示すこ
とを見出し、本発明を完成させた。
【0008】
即ち、本発明は、
1.ISO5660−1に準拠した発熱性試験において試験時間20分間の総発熱量が40MJ/m2以下である基材の上に、化粧単板が被覆された化粧材であって、前記基材と
前記化粧単板との間に、アルミニウム箔及び繊維質シートの積層体からなる不燃化シートを挿入して積層一体化してなり、この際、前記化粧単板及び前記不燃化シートはラテックス系熱硬化性接着剤又は酢酸ビニル系接着剤で接着され、前記基材及び前記不燃化シートはウレタン系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、酢酸ビニル−アクリル共重合体接着剤、ラテックス系熱硬化性接着剤又は水性ビニルウレタン系接着剤で接着されており、上記発熱性試験において試験時間20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であることを特徴とする化
粧不燃材、
2.前記基材がホウ素系難燃剤若しくはホウ酸系難燃剤を含浸させた木材合板である前記1.記載の化粧不燃材、
3.前記基材が火山性ガラス質発泡体を主成分とし、ロックウール粒状綿、水酸化アルミニウム粉末及び有機系結合材を含む基材である前記1.記載の化粧不燃材、
4.前記基材が水酸化アルミニウムを主成分とし、繊維及び樹脂を含む基材である前記1.記載の化粧不燃材、
5.前記基材が珪酸カルシウムを主成分とし、バーミキュライト及びパルプを含む基材である前記1.記載の化粧不燃材、
6.前記基材が古紙を主成分とし、ロックウール及び珪酸マグネシウムを含む基材である前記1.記載の化粧不燃材、
7.前記基材が古紙を主成分とし、無機物及び難燃薬剤を含む基材である前記1.記載の化粧不燃材、
8.前記基材が石こうを主成分とし、パルプを含む基材である前記1.記載の化粧不燃材、
に関するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、発熱性試験における20分間の総発熱量が、40MJ/m2以下の基材を用
いれば、該基材上に化粧単板が被覆された場合でも、前記基材と前記化粧単板との間に、アルミニウム箔及び繊維質シートの積層体からなる不燃化シートを挿入し、この際、前記化粧単板及び前記不燃化シートをラテックス系熱硬化性接着剤又は酢酸ビニル系接着剤で接着し、前記基材及び前記不燃化シートをウレタン系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、酢酸ビニル−アクリル共重合体接着剤、ラテックス系熱硬化性接着剤又は水性ビニルウレタン系接着剤で接着するだけで安定して不燃性(発熱性試験における20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であること)を示すことを初めて見出したものである。
【0010】
即ち、本発明に従えば、既存の発熱性試験における20分間の総発熱量が、40MJ/m2以下の基材から簡単な操作により、そして安価に化粧単板で化粧された化粧不燃材を
製造することができる。
また、本発明の化粧不燃材は、施工後裏面からの湿気・水分を遮蔽(バリヤー)して突板の変色を防ぐ、裏面からのバリヤー性に優れる。
更に、本発明の化粧不燃材は、隠ぺい性(基材の写り防止)にも優れている。
従って、本発明の化粧不燃材は、建築内装材例えば壁面材、天井表面材、柱被覆材および可動間仕切り等の表面材:自動車、船舶の内装製品の表面材:箪笥等の家具の外面化粧材:什器等の一般木製品の外面化粧材:並びに電子機器および楽器の外面化粧材などへの使用に有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の化粧不燃材に使用する基材は、発熱性試験における20分間の総発熱量が、40MJ/m2以下である基材である。
尚、本発明中に記載の発熱性試験とは、ISO5660−1に準拠したコーンカロリメータ試験法を意味する。
本発明の化粧不燃材に使用する好ましい基材としては、ホウ素系難燃剤若しくはホウ酸系難燃剤を含浸させた木材であるか又は火山性ガラス質発泡体、水酸化アルミニウム、珪酸カルシウム、古紙若しくは石こうを主成分とする基材等が挙げられる。
【0012】
ホウ素系難燃剤若しくはホウ酸系難燃剤を含浸させた木材としては、木材にホウ素系難燃剤若しくはホウ酸系難燃剤を含浸させた木材であれば特に限定しないが、好ましいホウ素系難燃剤を含浸させた木材としては、準不燃性(発熱性試験における10分間の総発熱量が、8MJ/m2以下となる。)の基材が挙げられ、好ましいホウ酸系難燃剤を含浸さ
せた木材としては、難燃性(発熱性試験における5分間の総発熱量が、8MJ/m2以下
となる。)の基材が挙げられる。
【0013】
火山性ガラス質発泡体を主成分とする基材としては、ロックウール粒状綿、水酸化アルミニウム粉末及び有機系結合材(澱粉、フェノール樹脂等)を含むものが挙げられ、好ましくは難燃性(発熱性試験における5分間の総発熱量が、8MJ/m2以下となる。)の
基材が挙げられる。
【0014】
水酸化アルミニウムを主成分とする基材としては、少量の繊維と樹脂を含むものが挙げられる。
【0015】
珪酸カルシウムを主成分とする基材としては、バーミキュライト及びパルプを含むものが挙げられ、不燃性(発熱性試験における20分間の総発熱量が、8MJ/m2以下とな
る。)の基材が好ましい。
【0016】
古紙を主成分とする基材としては、ロックウール及び珪酸マグネシウムを含むものが挙げられ、好ましくは不燃性(発熱性試験における20分間の総発熱量が、8MJ/m2以
下となる。)の基材が挙げられる。
また、古紙を主成分とする基材として、無機物及び難燃薬剤を含むものが挙げられ、好ましくは難燃性(発熱性試験における5分間の総発熱量が、8MJ/m2以下となる。)
の基材が挙げられる。
石こうを主成分とする基材としては、パルプを含むものが挙げられる。
【0017】
本発明の化粧不燃材に使用する、アルミニウム箔及び繊維質シートの積層体からなる不燃化シートとしては、繊維質シート;アルミニウム箔;繊維質シートから形成される積層体及び繊維質シート;アルミニウム箔から形成される積層体等が挙げられる。
繊維質シートとしては、紙または不織布等が挙げられ、前記紙または不織布としては、紙間強化紙、和紙、洋紙(上質紙、中質紙等)、クラフト紙、薄葉紙または樹脂含浸紙、並びに、ポリエステル不織布、ポリエステル/パルプ不織布、ビニロン混抄不織布等の各種不織布などが包含される。
繊維質シートは、化粧シートの接着性を容易にし、下地の凹凸を緩衝して化粧シートの浮き上がりを防止するために、また内側のアルミニウム箔の輝きを隠蔽するために、積層要素とされるものである。
繊維質シートの坪量は、15〜100 g/m2 、好ましくは20〜50 g/m2 である。
【0018】
アルミニウム箔は、化粧不燃材に適度の剛性を持たせて化粧単板の寸法変化、あばれ、反りを抑えるために、また化粧不燃材に高い寸法安定性を付与するために、積層要素とされるものである。
アルミニウム箔は、その厚さが厚い程、難燃性を向上することが容易となるが、厚くすると加工性が悪くなり、また、経済性も低下する。
そのため、アルミニウム箔の厚さは、不燃性が得られる範囲で、できるだけ薄くすることが好ましい。
前記の観点において、アルミニウム箔の厚さは通常5〜40μmであり、好ましくは8〜30μmであり、また、より好ましくは8〜20μmであり、また、特に好ましくは8〜15μmであり、例えば、10μm、12μm、15μm、20μm及び30μmのアルミニウム箔が挙げられ、より好ましくは、10μm、12μm及び15μmが挙げられる。
【0019】
アルミニウム箔と繊維質シートを接着させる際、通常、繊維質シートとアルミニウム箔の間に接着性樹脂を介在させて接着する。
形成される接着性樹脂層は、繊維質シートとアルミニウム箔との接着一体化を可能とし、適度の柔軟性を付与して施工時下地の凹凸を吸収し、また基材に貼着する際に十分な可撓性を与えて曲面部や角部の下地にも適合可能とする作用を有し、さらにアルミニウム箔の腐食防止を抑え、そしてまたアルミニウム箔と一緒になって化粧単板のあばれ、反りを抑える作用を有する。
接着性樹脂層の厚さは、1〜80μm、好ましくは2〜30μmである。
アルミニウム箔の両面に繊維質シートを接着する場合、2つの接着面に形成される接着性樹脂層は、同種であっても異種であっても、また各樹脂層は単層であっても複層であってもよい。その厚さは、それぞれ、1〜80μm、好ましくは2〜30μmである。
【0020】
前記樹脂層の例としては、ポリオレフィン共重合体例えばポリエチレンコポリマー、エチレン−酢酸アクリル共重合体(EAA)、エチレン−アクリル酸共重合体、アイオノマー、ポリアミド樹脂及びウレタン系のドライラミネート用接着剤等を挙げることができるが、これらに限定されず、広範囲にわたって適用することができる。
【0021】
前記樹脂層として、難燃剤を配合した接着性樹脂層を使用することができるが、繊維質シートがアルミニウム箔の両面に存在する場合、両面の2箇所に形成される接着性樹脂層のいずれか一方または双方に含有することができる。
前記難燃剤としては、三酸化アンチモン、燐酸系、ハロゲン系のものが挙げられる。
【0022】
また、アルミニウム箔の腐食防止のため、繊維質シートを貼る前に、予め、アルミニウム箔にバイヤー性の高い防食用のアンカーコート剤をコート処理してもよい。
【0023】
前述で形成される繊維質シート;アルミニウム箔;繊維質シートより形成される積層体又は繊維質シート;アルミニウム箔より形成される積層体は、施工後裏面からの湿気・水分を遮蔽(バリヤー)して表面の化粧単板の変色を防ぐ働きをし、また、隠ぺい性(基材の写り防止)を呈する働きをする。
【0024】
本発明の化粧不燃材に使用する化粧単板としては、各種の銘木より、例えば0.05ないし3.0mmの厚さに、好ましくは0.10ないし0.4mmの厚さに、切削加工された挽板または突板を適用することができる。
化粧単板の木理は、特に限定されず、柾目、追柾、板目またはこぶ杢など、いずれでもよい。
また、化粧単板の樹種も特には、限定されないが、好ましい樹種の例は、次の通りである。:檜、楢、欅、桜、楡、黒柿、栃、桂、楓、槐、楠木等:ローズウッド、チーク、マホガニー、コクタン(黒壇)、シタン(紫檀)、バーズアイメープル、アメリカンブラックウォールナット、クラロウォールナット、ラテヌォールナット、クィンスランドウォールナット、ゼブラウッド、マンガシロ、ブラジリアンローズ、カリン(花梨)、バーシモン、シルバーローズ、パルマ、レッドウッド、パープルウッド、シルキーオーク、タイワンクス、チェリー、マグノリヤ、黒レオ(ダオ)、白レオ、サベリ、ブビンカ、マコレ、マドローナー、ミルトル、メープル、アッシン、インブイヤー等。
【0025】
化粧単板は繊維質シート上に、通常、接着剤を介在させて接着される。
前記接着剤の種類は、ラテックス系熱硬化型接着剤、酢酸ビニル系接着剤が使用される。
上記酢酸ビニル系接着剤には、酢酸ビニル接着剤だけでなく、ポリ酢酸ビニルを主剤とする接着剤、例えば、硬化機構を組み込んだ水性2液型の接着剤(反応型特殊酢酸ビニル樹脂エマルジョン)等も含まれる。
【0026】
基材上にアルミニウム箔、繊維質シート;アルミニウム箔よりなる積層体、繊維質シート;アルミニウム箔;繊維質シートよりなる積層体又は化粧単板;繊維質シート;アルミニウム箔;繊維質シートよりなるシートを貼着する際も、通常、接着剤を介在させて接着される。
前記接着剤の種類は、ウレタン系接着剤、ラテックス系熱硬化型接着剤、酢酸ビニル系接着剤、酢酸ビニル−アクリル共重合体接着剤、水性ビニルウレタン系接着剤が使用される。
上記酢酸ビニル系接着剤には、酢酸ビニル接着剤だけでなく、ポリ酢酸ビニルを主剤とする接着剤、例えば、硬化機構を組み込んだ水性2液型の接着剤(反応型特殊酢酸ビニル樹脂エマルジョン)等も含まれる。
【0027】
本発明の化粧不燃材は以下に示す方法により、製造することができる。
(a)まず、押出しラミネート法に従い、必要により接着性樹脂を介在させて、繊維質シー
ト;アルミニウム箔;繊維質シートよりなる積層体を成形し、続いて、必要により接着剤を介在させて該積層体を基材上に貼着し、さらにその上に必要により接着剤を介在させて化粧単板をオーバーレイして熱圧接着する。
(b)基材上にアルミニウム箔を必要により接着剤を介在させて貼着し、この上に繊維質シートを必要により接着性樹脂を介在させて貼着し、さらにその上に化粧単板を必要により接着剤を介在させて貼着する。
(c)予め、化粧単板;繊維質シート;アルミニウム箔;繊維質シートよりなるシートを必要により接着性樹脂及び/又は接着剤を介在させて製作し、該シートを基材上に貼着する。
【実施例】
【0028】
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
実施例1 火山性ガラス質発泡体を主成分とする基材を用いた化粧不燃材の製造
実施例1を図1を用いて説明する。
図1に示すように、ドライラミネート法に従い、坪量30 g/m2 の紙間強化紙2;ウレタン系接着剤;厚さ15μmのアルミニウム箔3;ウレタン系接着剤;坪量30 g/m2 の紙間強化紙4よりなるアルミニウム箔入りシートを製造した。
また、厚さ10μmのアルミニウム箔を使用し、上記と同様の方法により、アルミニウム箔入りシートを製造した。
火山性ガラス質発泡体を主成分とし、ロックウール粒状綿、水酸化アルミニウム粉末及び有機系結合材(澱粉、フェノール樹脂等)を含む基材1(6mm厚)上に、ラテックス系熱硬化性接着剤を塗布し、上記アルミニウム箔入りシート(アルミニウム箔の厚さ10μm)をホットプレスにて貼着した。
更に、アルミニウム箔入りシート(アルミニウム箔の厚さ10μm)上に酢酸ビニル系接着剤を塗布し、突板5(0.2mm厚、気乾重量90g/m2)をホットプレスにて貼
着した。突板表面を研磨後、合成樹脂塗料で塗装し、仕上げを行った。
【0029】
比較試験用として同様な方法で、上記基材(6mm厚)上に、ラテックス系熱硬化性接着剤を塗布し、上記の突板(0.2mm厚、気乾重量90g/m2)を直接ホットプレス
にて貼着し、突板表面を研磨後、合成樹脂で塗装して仕上げた化粧材を製造した。
【0030】
実施例2〜8
アルミニウム箔入りシートのアルミニウム箔の厚さ、基材とアルミニウム箔入りシートとの接着に用いた接着剤の種類及びアルミニウム箔入りシートと突板との接着に用いた接着剤の種類を種々変えた以外は実施例1と同様にして表1に示すような実施例2ないし8の化粧材を製造した。
尚、表中、「アルミ厚」は、使用したアルミニウム箔入りシートのアルミニウム箔の厚さを示し、「接着剤(基材/アルミシート)」は、基材とアルミニウム箔入りシートとの接着に用いた接着剤の種類を示し、「接着剤(アルミシート/突板)」は、アルミニウム箔入りシートと突板との接着に用いた接着剤の種類を示す。
表1
【表1】
実施例1〜8で製造した8種の化粧材、実施例1で使用した基材に突板を接着しただけの化粧材及び実施例1で使用した基材単体(6mm厚)の計10種の試験体を準備し、発熱性試験を実施した。
尚、上記10種の試験体を用いる発熱性試験結果のグラフを図3ないし図12に示した。
【0031】
実施例9 珪酸カルシウムを主成分とする基材を用いた化粧不燃材の製造
ドライラミネート法に従い、坪量30 g/m2 の紙間強化紙;ウレタン系接着剤;厚さ15μmのアルミニウム箔;ウレタン系接着剤;坪量30 g/m2 の紙間強化紙よりなるアルミニウム箔入りシートを製造した。
また、厚さ10μmのアルミニウム箔を使用し、上記と同様の方法により、アルミニウム箔入りシートを製造した。
珪酸カルシウムを主成分とし、バーミキュライト及びパルプを含む基材(6mm厚)上に、ウレタン系接着剤を塗布し、上記アルミニウム箔入りシート(アルミニウム箔の厚さ10μm)をホットプレスにて貼着した。
更に、アルミニウム箔入りシート(アルミニウム箔の厚さ10μm)上に酢酸ビニル系接着剤を塗布し、突板(0.2mm厚、気乾重量90g/m2)をホットプレスにて貼着
した。突板表面を研磨後、合成樹脂塗料で塗装し、仕上げを行った。
【0032】
比較試験用として同様な方法で、上記基材(6mm厚)上に、ラテックス系熱硬化性接着剤を塗布し、上記の突板(0.2mm厚、気乾重量90g/m2)を直接ホットプレス
にて貼着し、突板表面を研磨後、合成樹脂で塗装して仕上げた化粧材を製造した。
【0033】
実施例10〜17
アルミニウム箔入りシートのアルミニウム箔の厚さ、基材とアルミニウム箔入りシートとの接着に用いた接着剤の種類及びアルミニウム箔入りシートと突板との接着に用いた接着剤の種類を種々変えた以外は実施例9と同様にして表2に示すような実施例10ないし17の化粧材を製造した。
尚、表中、「アルミ厚」は、使用したアルミニウム箔入りシートのアルミニウム箔の厚さを示し、「接着剤(基材/アルミシート)」は、基材とアルミニウム箔入りシートとの接着に用いた接着剤の種類を示し、「接着剤(アルミシート/突板)」は、アルミニウム箔入りシートと突板との接着に用いた接着剤の種類を示す。
表2
【表2】
実施例9〜17で製造した9種の化粧材、実施例9で使用した基材に突板を接着しただけの化粧材及び実施例9で使用した基材単体(6mm厚)の計11種の試験体を準備し、発熱性試験を実施した。
尚、上記11種の試験体を用いる発熱性試験結果のグラフを図13ないし図23に示した。
【0034】
実施例18 ホウ酸系難燃剤を含浸させた木材を基材として用いた化粧不燃材の製造
ドライラミネート法に従い、坪量30 g/m2 の紙間強化紙;ウレタン系接着剤;厚さ15μmのアルミニウム箔;ウレタン系接着剤;坪量30 g/m2 の紙間強化紙よりなるアル
ミニウム箔入りシートを製造した。
厚単板をホウ酸系難燃剤に含浸し乾燥した後、該厚単板を積層して10mm厚の難燃合板を作成した。
前記難燃合板上に、ラテックス系熱硬化性接着剤を塗布し、上記アルミニウム箔入りシート(アルミニウム箔の厚さ15μm)をホットプレスにて貼着した。
更に、アルミニウム箔入りシート(アルミニウム箔の厚さ15μm)上にラテックス系熱硬化性接着剤を塗布し、突板(0.2mm厚、気乾重量90g/m2)をホットプレス
にて貼着した。突板表面を研磨後、合成樹脂塗料で塗装し、仕上げを行った。
上記で製造した化粧材と上記の基材単体(10mm厚)の2種の試験体を準備し、発熱性試験を実施した。
【0035】
実施例19 ホウ素系難燃剤を含浸させた木材を基材として用いた化粧不燃材の製造
ドライラミネート法に従い、坪量30 g/m2 の紙間強化紙;ウレタン系接着剤;厚さ15μmのアルミニウム箔;ウレタン系接着剤;坪量30 g/m2 の紙間強化紙よりなるアルミニウム箔入りシートを製造した。
厚単板をホウ素系難燃剤に含浸し乾燥した後、該厚単板を積層して10.3mm厚の難燃合板を作成した。
前記難燃合板上に、ラテックス系熱硬化性接着剤を塗布し、上記アルミニウム箔入りシート(アルミニウム箔の厚さ15μm)をホットプレスにて貼着した。
更に、アルミニウム箔入りシート(アルミニウム箔の厚さ15μm)上にラテックス系熱硬化性接着剤を塗布し、突板(0.2mm厚、気乾重量90g/m2)をホットプレス
にて貼着した。突板表面を研磨後、合成樹脂塗料で塗装し、仕上げを行った。
上記で製造した化粧材と上記の基材単体(10.3mm厚)の2種の試験体を準備し、発熱性試験を実施した。
【0036】
実施例20 古紙を主成分とする基材を用いた化粧不燃材の製造
実施例18で使用した基材(ホウ酸系難燃剤を含浸させた木材)に代えて、古紙を主成分とし、ロックウール及び珪酸マグネシウムを含む基材(9mm厚)を用いた以外は実施例18と同様にして化粧材を製造した。
また、比較試験用として実施例1と同様な方法で、実施例20で使用した基材上に突板が貼着された化粧材を製造し、実施例20で使用した基材単体(9mm厚)と共に3種の試験体とし、発熱性試験を実施した。
尚、上記3種の試験体を用いる発熱性試験結果のグラフを図24ないし図26に示した。
【0037】
実施例21 古紙を主成分とする基材を用いた化粧不燃材の製造
実施例18で使用した基材(ホウ酸系難燃剤を含浸させた木材)に代えて、古紙を主成分とし、無機物及び難燃薬剤を含む基材(10mm厚)を用いた以外は実施例18と同様にして化粧材を製造した。
【0038】
実施例22,23
アルミニウム箔入りシートのアルミニウム箔の厚さ、基材とアルミニウム箔入りシートとの接着に用いた接着剤の種類及びアルミニウム箔入りシートと突板との接着に用いた接着剤の種類を種々変えた以外は実施例21と同様にして表3に示すような実施例22,23の化粧材を製造した。
尚、表中、「アルミ厚」は、使用したアルミニウム箔入りシートのアルミニウム箔の厚さを示し、「接着剤(基材/アルミシート)」は、基材とアルミニウム箔入りシートとの接着に用いた接着剤の種類を示し、「接着剤(アルミシート/突板)」は、アルミニウム箔入りシートと突板との接着に用いた接着剤の種類を示す。
表3
【表3】
実施例21ないし23で製造した3種の化粧材に加え、比較試験用として実施例1と同様な方法で、実施例21で使用した基材上に突板が貼着された化粧材を製造し、実施例21で使用した基材単体(9mm厚)と共に5種の試験体とし、発熱性試験を実施した。
尚、上記5種の試験体のうち、基材単体、基材上に突板のみを接着した化粧材及び実施例21の化粧材の発熱性試験結果のグラフを図27ないし図29に示した。
【0039】
比較例1
実施例18で使用した基材(ホウ酸系難燃剤を含浸させた木材)に代えて、薬剤を含浸させた木材(12mm厚)を基材として用いた以外は実施例18と同様にして化粧材を製造した。
上記基材単体(12mm厚)と共に2種の試験体とし、発熱性試験を実施した。
【0040】
比較例2
実施例18で使用した基材(ホウ酸系難燃剤を含浸させた木材)に代えて、薬剤を含浸させた木材(9.3mm厚)を基材として用いた以外は実施例18と同様にして化粧材を製造した。
【0041】
比較例3
実施例18で使用した基材(ホウ酸系難燃剤を含浸させた木材)に代えて、木材(9mm厚)を基材として用いた以外は実施例18と同様にして化粧材を製造した。
【0042】
比較例4
実施例18で使用した基材(ホウ酸系難燃剤を含浸させた木材)に代えて、木材(12mm厚)を基材として用いた以外は実施例18と同様にして化粧材を製造した。
【0043】
比較例5
実施例18で使用した基材(ホウ酸系難燃剤を含浸させた木材)に代えて、木材(9mm厚)を基材として用いた以外は実施例18と同様にして化粧材を製造した。
【0044】
比較例6
実施例18で使用した基材(ホウ酸系難燃剤を含浸させた木材)に代えて、木材(9mm厚:有孔加工:径5、P25)を基材として用いた以外は実施例18と同様にして化粧材を製造した。
【0045】
試験例1 化粧材の発熱性試験
実施例1〜23及び比較例1〜6で製造した試験体を、それぞれISO5660−1に準拠したコーンカロリメータ試験法に供した。
試験方法
試験体(寸法99mm×99mm)を水平に置き、その上方からコーン型の電気ヒーターにより50kW/m2の輻射加熱を与え、電気スパークの口火により着火させ、燃焼性
を発熱量により判定した(試験時間20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であるものを
不燃、10分間の総発熱量が8MJ/m2以下であるものを準不燃、5分間の総発熱量が
8MJ/m2以下であるものを難燃とする。)。発熱量は燃焼ガス分析による酸素消費量
から求めた。試験体の亀裂や溶融については目視により評価した。
判定基準
1.加熱開始後20分間の総発熱量が、8MJ/m2以下であること。
2.加熱開始後20分間、防火上有害な裏面まで貫通する亀裂及び穴がないこと。
3.加熱開始後20分間、最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えな
いこと。
試験結果を表4及び表5に示した。
表4
【表4】
表5
【表5】
【0046】
試験結果
実施例1で使用した基材単体は、試験時間5分間の総発熱量が8.0MJ/m2であっ
たため難燃性であることが判った。また、該基材における試験時間20分間の総発熱量、19.6MJ/m2が該基材上に突板を貼着することにより、22.0MJ/m2と高くなり結果として規格外となった。これに対し、アルミニウム箔入り不燃化シートが挿入された実施例1の化粧材では、試験時間20分間の総発熱量は、7.2MJ/m2と基材単体
よりも総発熱量が減少し、結果として不燃性の規格を満たすものであった。
【0047】
また、基材上に突板が貼着された化粧材では、基材の色(赤褐色)が突板に写って突板本来の色でなくなっていたのに対して、実施例1の化粧材では、基材の色写りが無く、良好な隠ぺい性を示した。
尚、実施例1の化粧材は、施工時の裏面からの湿気や水分による突板の変色を抑える、充分なバリヤー性を発揮するものであった。
【0048】
実施例2ないし23の化粧材は、実施例1と同様に、基材単体と同等かそれよりも低い総発熱量を示し、結果として全て不燃性の規格を満たすものであった。
【0049】
表4及び表5の発熱性試験結果を基に、化粧材(実施例及び比較例)と該化粧材に使用した基材単体との試験時間20分間の総発熱量における相関を観るために、化粧材の総発熱量(20分間)を縦軸に、該化粧材に使用した基材単体の総発熱量(20分間)を横軸に示すグラフを作成し図30に示した。図30から基材単体の総発熱量が40MJ/m2
以下であれば、該基材を用いて製造された化粧材が不燃性(試験時間20分間の総発熱量が8MJ/m2以下となる。)となることが示された。
【0050】
実施例24
厚さ10μmのアルミニウム箔に代えて、厚さ30μmのアルミニウム箔を用いた以外は実施例1と同様にして化粧材を製造した。
発熱性試験において、厚さ10μmのアルミニウム箔を用いた時とほぼ同様の結果が得られた。
【0051】
実施例25
実施例25を図2により説明する。
図2に示すように、実施例1で使用した基材1上に、水性ビニルウレタン系接着剤を塗布し、アルミニウム箔3を貼着し、その上にウレタン系接着剤を塗布して坪量30 g/m2 の紙間強化紙4を貼着し、この上にラテックス系熱硬化性接着剤を塗布し、突板5(0.2mm厚、気乾重量90g/m2)をホットプレスにて貼着した。突板表面を研磨後、合
成樹脂塗料で塗装し、仕上げを行うことにより化粧不燃材を製造した。
【0052】
実施例26
坪量30 g/m2 の紙間強化紙;ウレタン系接着剤;厚さ15μmのアルミニウム箔;ウレタン系接着剤;坪量30 g/m2 の紙間強化紙;ラテックス系熱硬化性接着剤;突板(0.2mm厚、気乾重量90g/m2)をホットプレスにて貼着してアルミニウム箔入り化
粧シートを製造した。
実施例1で使用した基材上に、ラテックス系熱硬化性接着剤を塗布し、上記アルミニウム箔入り化粧シートをホットプレスにて貼着した。
突板表面を研磨後、合成樹脂塗料で塗装し、仕上げを行うことにより化粧不燃材を製造した。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施例1ないし23で製造した化粧不燃材の断面を表す図である。
【図2】本発明の実施例25で製造した化粧不燃材の断面を表す図である。
【図3】本発明の実施例1で使用した基材単体における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例1で使用した基材上に突板のみを接着して製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例1で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図6】本発明の実施例2で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図7】本発明の実施例3で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図8】本発明の実施例4で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図9】本発明の実施例5で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図10】本発明の実施例6で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図11】本発明の実施例7で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図12】本発明の実施例8で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図13】本発明の実施例9で使用した基材単体における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図14】本発明の実施例9で使用した基材上に突板のみを接着して製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図15】本発明の実施例9で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図16】本発明の実施例10で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図17】本発明の実施例11で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図18】本発明の実施例12で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図19】本発明の実施例13で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図20】本発明の実施例14で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図21】本発明の実施例15で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図22】本発明の実施例16で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図23】本発明の実施例17で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図24】本発明の実施例20で使用した基材単体における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図25】本発明の実施例20で使用した基材上に突板のみを接着して製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図26】本発明の実施例20で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図27】本発明の実施例21で使用した基材単体における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図28】本発明の実施例21で使用した基材上に突板のみを接着して製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図29】本発明の実施例21で製造した化粧材における発熱性試験結果を示すグラフである。
【図30】化粧材(実施例及び比較例)と該化粧材に使用した基材単体との試験時間20分間の総発熱量における相関を示すグラフである。
【符号の説明】
【0054】
1 基材
2 繊維質シート
3 アルミニウム箔
4 繊維質シート
5 化粧単板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ISO5660−1に準拠した発熱性試験において試験時間20分間の総発熱量が40MJ/m2以下である基材の上に、化粧単板が被覆された化粧材であって、前記基材と前記
化粧単板との間に、アルミニウム箔及び繊維質シートの積層体からなる不燃化シートを挿入して積層一体化してなり、この際、前記化粧単板及び前記不燃化シートはラテックス系熱硬化性接着剤又は酢酸ビニル系接着剤で接着され、前記基材及び前記不燃化シートはウレタン系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、酢酸ビニル−アクリル共重合体接着剤、ラテックス系熱硬化性接着剤又は水性ビニルウレタン系接着剤で接着されており、上記発熱性試験において試験時間20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であることを特徴とする化粧不
燃材。
【請求項2】
前記基材がホウ素系難燃剤若しくはホウ酸系難燃剤を含浸させた木材合板である請求項1記載の化粧不燃材。
【請求項3】
前記基材が火山性ガラス質発泡体を主成分とし、ロックウール粒状綿、水酸化アルミニウム粉末及び有機系結合材を含む基材である請求項1記載の化粧不燃材。
【請求項4】
前記基材が水酸化アルミニウムを主成分とし、繊維及び樹脂を含む基材である請求項1記載の化粧不燃材。
【請求項5】
前記基材が珪酸カルシウムを主成分とし、バーミキュライト及びパルプを含む基材である請求項1記載の化粧不燃材。
【請求項6】
前記基材が古紙を主成分とし、ロックウール及び珪酸マグネシウムを含む基材である請求項1記載の化粧不燃材。
【請求項7】
前記基材が古紙を主成分とし、無機物及び難燃薬剤を含む基材である請求項1記載の化粧不燃材。
【請求項8】
前記基材が石こうを主成分とし、パルプを含む基材である請求項1記載の化粧不燃材。
【請求項1】
ISO5660−1に準拠した発熱性試験において試験時間20分間の総発熱量が40MJ/m2以下である基材の上に、化粧単板が被覆された化粧材であって、前記基材と前記
化粧単板との間に、アルミニウム箔及び繊維質シートの積層体からなる不燃化シートを挿入して積層一体化してなり、この際、前記化粧単板及び前記不燃化シートはラテックス系熱硬化性接着剤又は酢酸ビニル系接着剤で接着され、前記基材及び前記不燃化シートはウレタン系接着剤、酢酸ビニル系接着剤、酢酸ビニル−アクリル共重合体接着剤、ラテックス系熱硬化性接着剤又は水性ビニルウレタン系接着剤で接着されており、上記発熱性試験において試験時間20分間の総発熱量が8MJ/m2以下であることを特徴とする化粧不
燃材。
【請求項2】
前記基材がホウ素系難燃剤若しくはホウ酸系難燃剤を含浸させた木材合板である請求項1記載の化粧不燃材。
【請求項3】
前記基材が火山性ガラス質発泡体を主成分とし、ロックウール粒状綿、水酸化アルミニウム粉末及び有機系結合材を含む基材である請求項1記載の化粧不燃材。
【請求項4】
前記基材が水酸化アルミニウムを主成分とし、繊維及び樹脂を含む基材である請求項1記載の化粧不燃材。
【請求項5】
前記基材が珪酸カルシウムを主成分とし、バーミキュライト及びパルプを含む基材である請求項1記載の化粧不燃材。
【請求項6】
前記基材が古紙を主成分とし、ロックウール及び珪酸マグネシウムを含む基材である請求項1記載の化粧不燃材。
【請求項7】
前記基材が古紙を主成分とし、無機物及び難燃薬剤を含む基材である請求項1記載の化粧不燃材。
【請求項8】
前記基材が石こうを主成分とし、パルプを含む基材である請求項1記載の化粧不燃材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2008−80637(P2008−80637A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−262988(P2006−262988)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【特許番号】特許第3965635号(P3965635)
【特許公報発行日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(591214619)北三株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【特許番号】特許第3965635号(P3965635)
【特許公報発行日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【出願人】(591214619)北三株式会社 (6)
【Fターム(参考)】
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