説明

化粧品用途のためのピリミジンカルボン酸誘導体を含む塩

本発明は、カチオン成分またはアニオン成分として、ピリミジンカルボン酸誘導体、特にエクトインまたはヒドロキシエクトインの誘導体を含む新規の化合物、その調製方法、ならびにイオン性液体としてのその使用または医薬製剤、化粧品配合物および皮膚科用製剤におけるその使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カチオン成分またはアニオン成分として、ピリミジンカルボン酸誘導体、特にエクトイン誘導体またはヒドロキシエクトイン誘導体を含む新規の化合物、その調製方法、ならびにイオン性液体としてのその使用または医薬製剤、化粧品配合物および皮膚科用製剤におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
イオン性液体または液体塩は、有機カチオンおよび一般に無機アニオンからなるイオン種である。それらは、任意の中性分子を含有しておらず、373K以下の融点を一般に有する。イオン性液体として使用される多数の化合物が先行技術から知られている。
【0003】
特に、それらは、一連の特許および特許出願の主題でもある。したがって、無溶媒イオン性液体は、一連の米国特許(US2446331、US2446339およびUS2446350)においてHurleyおよびWierにより初めて開示された。これらの「室温で溶融される塩」は、AlCl3および多数のn−アルキルピリジニウムハロゲン化物(n-alkylpyridinium halide)を含む。
【0004】
近年、このテーマについていくつかの論説が公開された(R. Sheldon、「Catalytic reactions in ionic liquids」、Chem. Commun.、2001、2399〜2407;M.J. Earle, K.R. Sheddon、「Ionic liquids. Green solvent for the future」、Pure Appl. Chem.、72(2000)、1391〜1398;P. Wasserscheid、W. Keim「Ionische Flussigkeiten-neue Losungen fur die Ubergangsmetallkatalyse」[Ionic Liquids-Novel Solutions for Transition-Metal Catalysis]、Angew. Chem.、112(2000)、3926〜3945;T. Welton、「Room temperature ionic liquids. Solvents for synthesis and catalysis」、Chem. Rev., 92 (1999)、2071〜2083;R. Hagiwara、Ya. Ito「Room temperature ionic liquids of alkylimidazolium cations and fluoroanions」、Journal of Fluorine Chem.、105 (2000)、221〜227)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
イオン性液体の特性、例えば融点、熱安定性および電気化学的安定性、ならびに粘度などは、アニオンおよびカチオンの性質により強く影響を受ける。極性および親水性または親油性は、適切なカチオン/アニオン対の選択により調整できる。各新しいアニオンおよび各新しいカチオンは、イオン性液体の特性を調整するためのさらなる可能性を切り開く。したがって、その使用に関してさらなる可能性を助長する多様な特性を有する新規のイオン性液体が基本的に要求されている。
【0006】
エクトイン((S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)およびその誘導体であるヒドロキシエクトイン((S,S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)は、植物および微生物の浸透圧調節に関与し、これらの生物から単離され得る天然に存在するアミノ酸である。エクトインおよびヒドロキシエクトインは、スキンケア組成物および皮膚保護組成物中の活性化合物として使用され、それらはタンパク質および細胞構造の安定剤として、ならびに外部ストレス要因、例えば紫外線照射および乾燥などに対して作用する。
【0007】
したがって、本発明の目的は、イオン性液体の用途の古典的な分野に加えて、薬剤または化粧品の分野における新たな使用可能性も切り開く、新規の化合物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、主要請求項および従属請求項の特徴的特性により本発明に従って実現される。
【0009】
驚くべきことに、イオン性液体であり、溶解性およびバイオアベイラビリティに関してその特性をイオン性液体の対イオンにより変更できるエクトイン誘導体またはヒドロキシエクトイン誘導体を調製できることを今や見出した。
【0010】
したがって、本発明は、ピリミジンカルボン酸誘導体が、カチオン成分またはアニオン成分を表し、塩酸エクトインが除外される、カチオン成分およびアニオン成分を含む化合物に関する。
【0011】
ここで、本発明による塩は、エクトインおよびその誘導体であるヒドロキシエクトインについてやはりすでに知られている同じ分野で使用される。
【0012】
本発明による化合物は、中性ピリミジンカルボン酸誘導体のプロトン化により形成したピリミジンカルボン酸誘導体をカチオン成分として、または中性ピリミジンカルボン酸誘導体の脱プロトン化により形成したピリミジンカルボン酸誘導体をアニオン成分として含むことが好ましい。ここで、プロトン化は、カルボキシル基に隣接する窒素原子上で起こる一方で、脱プロトン化の場合、カルボキシル基はそのカルボキシレートに変換される。
【0013】
本発明による化合物は、ピリミジンカルボン酸のエクトイン((S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)およびヒドロキシエクトイン((S,S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)の誘導体を含むことが特に好ましい。
【0014】
本発明による化合物は、イオン性液体および/または化粧品活性化合物であることが好ましい。
【0015】
本発明による化合物は、その溶解性およびそのバイオアベイラビリティに関して非常に良好な柔軟性を示すことが有利であり、特に皮膚科用製剤またはスキンケア製品において活性化合物として非常に適したものとなる。ここで、溶解性およびバイオアベイラビリティの特性は、ピリミジンカルボン酸イオンの対イオンにより非常に簡単に変えることができる。当業者であれば対応する対イオンの選択に困ることは一切ない。
【0016】
イオン性液体に特有のアニオンを有する本発明による化合物、例えばイミド、トリフレート、フルオロアルキルホスフェートなどを、イオン性液体という意味の触媒材料として使用することが好ましい。使用する化粧品活性化合物は、本発明による塩の親油性イオンの組合せであることが好ましい。これにより、本発明によるエクトイン誘導体を油相に運ぶことができ、特に水相中のエクトインとの相乗効果が選択された組合せの場合に生じる。
【0017】
本発明による化合物の対イオンの選択に関して、それ自体制限はない。ピリミジンカルボン酸誘導体がそのアニオンの形態である場合、付随するカチオンは、好ましくは有機カチオン、特に好ましくはアンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、ウロニウムカチオン、チオウロニウムカチオンもしくはグアニジニウムカチオン、または複素環カチオンである。ピリミジンカルボン酸誘導体がそのカチオンの形態である場合、付随するアニオンは、イオン性液体に特有のアニオンであることが好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明による好ましい化合物は、例えば一般式(I)によって示すことができる
【0019】
【化1】

【0020】
[式中、基は、以下
0=H、または1〜12個のC原子を有するアルキル、
1=H、または1〜4個のC原子を有するアルキル、
2、R3、R4、R5=各々互いに独立にH、OH、NH2または1〜4個のC原子を有するアルキル、
6=H、または1〜8個のC原子を有するアルキル、
-=[R9C(O)O]-、[RFC(O)O]-、[R9SO3-、[RFSO3-、[R9OSO3-、[RFOSO3-、[(RFSO22N]-、[(R9SO22N]-、[(RFC(O))2N]-、[(R9C(O))2N]-、[(RFSO2)(RFC(O))N]-、[(R9SO2)(R9C(O))N]-、[(FSO23C]-、[(RFSO23C]-、[(R9SO23C]-、[CCl3C(O)O]-、[(CN)3C]-、[(CN)2CR9-、[(R9O(O)C)2CR9-、[P(RFy6-y-、[P(C65y6-y-、[R92P(O)O]-、[R9P(O)O22-、[(R9O)2P(O)O]-、[(R9O)P(O)O22-、[(R9O)(R9)P(O)O]-、[RF2P(O)O]-、[RFP(O)O22-、[(RF2P(O)]2-、[BFzF4-z-、[BFz(CN)4-z-、[B(C654-、[B(C654-、[B(OR94-、[N(CF32-、[N(CN)2-、[AlCl4-、[SiF62-、[R9OSO3-、[HSO4-、Br-、[SO42-、[SCN]-、[NO3-、[AlCl4-、[Al2Cl7-、[SnCl3-、[CO32-、[SbF6-および[AsF6-
のとおり定義され、
式中、置換基RFは各々互いに独立に
− 1〜20個のC原子を有する過フッ素化された直鎖または分岐のアルキル、
− 2〜20個のC原子および1つまたは複数の二重結合を有する過フッ素化された直鎖または分岐のアルケニル、
− ペルフルオロアルキル基で置換されていてもよい、3〜7個のC原子を有する過フッ素化された飽和、部分不飽和または完全不飽和のシクロアルキル、特にフェニル
を示し、
置換基RFは、単結合または二重結合により対になって互いに結合していてもよく、
隣接しておらず、ヘテロ原子に対してα位にあるRFの1個もしくは2個の炭素原子は、基−O−、−C(O)−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−SO2O−、−N=、−N=N−、−NH−、−NR'−、−PR'−および−P(O)R'−から選択される原子ならびに/もしくは原子団で置き換えられていてもよく、または末端基R'−O−SO2−もしくはR'−O−C(O)−を有していてもよく、式中、R'は、1〜6個のC原子を有する非フッ素化、部分フッ素化もしくは過フッ素化されたアルキル、3〜7個のC原子を有する飽和もしくは部分不飽和のシクロアルキル、−C65を含む非置換もしくは置換のフェニル、または非置換もしくは置換の複素環を示し、
置換基R9は各々互いに独立に
− H、
− 1〜20個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル、
− 2〜20個のC原子および1つまたは複数の二重結合を有する直鎖または分岐のアルケニル、
− アルキル基で置換されていてもよい、3〜7個のC原子を有する飽和、部分不飽和または完全不飽和のシクロアルキル、特にフェニル
を示し、
複数の置換基R9は、単結合または二重結合により対になって互いに結合していてもよく、
隣接しておらず、α位にないR9の1個または2個の炭素原子は、基−O−、−C(O)−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−SO2O−、−N=、−N=N−、−NH−、−NR'−、−PR'−、−P(O)R'−、−P(O)R'O−、−OP(O)R'O−、−PR'2=N−、−C(O)NH−、−C(O)NR'−、−SO2NH−および−SO2NR'から選択される原子ならびに/または原子団で置き換えられていてもよく、式中、R'は、1〜6個のC原子を有する非フッ素化、部分フッ素化もしくは過フッ素化されたアルキル、3〜7個のC原子を有する飽和もしくは部分不飽和のシクロアルキル、−C65を含む非置換もしくは置換のフェニル、または非置換もしくは置換の複素環を示し、
y=0、1、2、3、4、5または6、
z=0、1、2、3または4である]。
【0021】
あるいは、本発明による好ましい化合物は、例えば一般式(II)によって示すことができる
【0022】
【化2】

【0023】
[式中、基は、以下
0=H、または1〜12個のC原子を有するアルキル、
1=H、または1〜4個のC原子を有するアルキル、
2、R3、R4、R5=各々互いに独立にH、OH、NH2または1〜4個のC原子を有するアルキル、
+=アンモニウム[N(R74+
ホスホニウム[P(R74+
ウロニウム[((R72N)−C(=OR8)(N(R72)]+
チオウロニウム[((R72N)−C(=SR8)(N(R72)]+
グアニジニウム[C((N(R723+
スルホニウム[S(R73+
または複素環カチオン[HetN]+
のとおり定義され、
式中、R7、R8は各々互いに独立に
− H、ただし、[(R74N]+の場合、最大2つのR7がHであり、R8についてはHは除外され、
− OR’、NR’2、ただし、[(R74N]+の場合、最大1つのR7がOR’、NR’2であり、[((R72N)−C(=OR8)(N(R72)]+および[((R72N)−C(=SR8)(N(R72)]+の場合、OR’、NR’2は除外され、
− CN、ただし、[N(R74+、[P(R74+、[((R72N)−C(=OR8)(N(R72)]+および[((R72N)−C(=SR8)(N(R72)]+の場合、CNは除外され、
− 1〜20個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル、
− 2〜20個のC原子および1つまたは複数の二重結合を有する直鎖または分岐のアルケニル、
− 2〜20個のC原子および1つまたは複数の三重結合を有する直鎖または分岐のアルキニル、
− 1〜6個のC原子を有するアルキル基で置換されていてもよい、3〜7個のC原子を有する飽和、部分不飽和または完全不飽和のシクロアルキル
を示し、
1つまたは複数のR7、R8は、ハロゲン、特に−Fおよび/もしくは−Clで部分的にまたは完全に、または−OH、−OR'、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR'2、−SO2NR'2、−C(O)X、−SO2OH、−SO2X、−NO2もしくは−(CH2n−フェニルで部分的に置換されていてもよく、隣接しておらず、α位にないR7の1個または2個の炭素原子は、基−O−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−SO2O−、−C(O)−、−C(O)O−、−N+R'2−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SO2NR'−、−OP(O)R'O−、−P(O)(NR'2)NR'−、−PR'2=N−または−P(O)R'−から選択される原子および/または原子団で置換されていてもよく、
式中、n=1〜4であり、R'=H、非フッ素化、部分フッ素化または過フッ素化されたC1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、非置換または置換のフェニルであり、X=ハロゲンであり、
複素環カチオン[HetN]+は、以下の群
【0024】
【化3−1】

【0025】
【化3−2】

【0026】
【化3−3】

【0027】
から選択され、
置換基R1'、R2'、R3'およびR4'は各々互いに独立に
− H、−CN、−OR'、−NR'2、−P(O)R'2、−P(O)(OR')2、−P(O)(NR'22、−C(O)R'、−C(O)OR'、
− 1〜20個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル、
− 2〜20個のC原子および1つまたは複数の二重結合を有する直鎖または分岐のアルケニル、
− 2〜20個のC原子および1つまたは複数の三重結合を有する直鎖または分岐のアルキニル、
− 1〜6個のC原子を有するアルキル基で置換されていてもよい、3〜7個のC原子を有する飽和、部分不飽和または完全不飽和のシクロアルキル
− 飽和、部分不飽和または完全不飽和のヘテロアリール
− ヘテロアリールC1〜C6アルキルまたはアリールC1〜C6アルキル、
を示し、
置換基R1'、R2'、R3'および/またはR4'は一緒に環系を形成していてもよく、
1つまたは複数の置換基R1'〜R4'は、ハロゲン、特に−Fおよび/もしくは−Cl、または−OH、−OR'、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR'2、−SO2NR'2、−C(O)X、−SO2OH、−SO2X、−NO2もしくは−(CH2n−フェニルで部分的または完全に置換されていてもよいが、R1'およびR4'は同時にハロゲンで完全に置換できず、
隣接しておらず、ヘテロ原子に結合していない1つまたは2つの置換基R1'〜R4'炭素原子は、−O−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−SO2O−、−C(O)−、−C(O)O−、−N+R'2−、−P(O)R'O−、−C(O)NR'−、−SO2NR'−、−OP(O)R'O−、−P(O)(NR'2)NR'−、−PR'2=N−または−P(O)R'−から選択される原子および/または原子団で置き換えられていてもよく、
式中、n=1〜4であり、R'=H、非フッ素化、部分フッ素化または過フッ素化されたC1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、非置換または置換のフェニルであり、X=ハロゲンである]。
【0028】
本発明の意味での完全不飽和置換基は、芳香族置換基も意味すると解釈される。
【0029】
本発明によれば、式(II)の化合物の適切な置換基R7およびR8は、Hに加えて、C1〜C20アルキル基、特にC1〜C14アルキル基、およびC1〜C6アルキル基で置換されていてもよい、飽和または不飽和、すなわちさらに芳香族のC3〜C7シクロアルキル基、特にフェニルであることが好ましい。
【0030】
式(II)の化合物における置換基R7は、同一でもまたは異なっていてもよい。置換基R7は、異なっていることが好ましい。アンモニウムの場合、いずれの場合にも、4つの置換基R7のうち2つが同一であるか、または3つが同一で1つが異なるかのいずれかであることが特に好ましい。スルホニウムの場合、3つの置換基R7のうち2つが同一であることが特に好ましい。
【0031】
式(II)の化合物におけるアンモニウムイオンおよびホスホニウムイオンの特に好ましい置換基R7は、互いに独立にメチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシルまたはテトラデシルである。
【0032】
グアニジニウムカチオン[C(N(R7)23+の最大4つの置換基は、単環式カチオン、二環式カチオンまたは多環式カチオンが生じるような方法で対になって結合していてもよい。一般性を限定することなく、このようなグアニジウムカチオンの例としては、
【0033】
【化4】

【0034】
(式中、置換基R7は各々互いに独立に上に示された意味または特に好ましい意味を有する)
がある。
【0035】
ウロニウムカチオン[((R7)2N)−C(=OR8)(N(R7)2)]+またはチオウロニウムカチオン[((R7)2N)−C(=SR8)(N(R7)2)]+の最大4つの置換基は、単環式カチオン、二環式カチオンまたは多環式カチオンが生じるような方法で対になって結合していてもよい。一般性を限定することなく、このようなカチオンの例は、以下の式、
【0036】
【化5】

【0037】
(式中、Y=OまたはSであり、置換基R7およびR8が各々互いに独立に上に示された意味または特に好ましい意味を有していてもよい)
で示される。
【0038】
特に好ましい例として上に示したグアニジニウムカチオン、ウロニウムカチオンまたはチオウロニウムカチオンの炭素環または複素環は、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルケニル、NO2、F、Cl、Br、I、OH、C1〜C6アルコキシ、SCF3、SO2CF3、COOH、SO2NR'2、SO2XまたはSO3H(式中、XおよびR'が上に示した意味を有する)あるいは置換もしくは非置換のフェニルまたは非置換もしくは置換の複素環で場合により置換されていてもよい。
【0039】
式(II)の化合物におけるグアニジニウムカチオン、ウロニウムカチオンまたはチオウロニウムカチオンの置換基R7およびR8は、いずれの場合にも、互いに独立に、1〜10個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル基であることが好ましい。ここで、置換基R7およびR8は、同一でもまたは異なっていてもよい。R7およびR8は各々互いに独立にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、フェニルまたはシクロヘキシルであることが特に好ましく、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルまたはn−ブチルであることが非常に特に好ましい。
【0040】
本発明によれば、式(II)の化合物の複素環カチオンの適切な置換基R1'〜R4'は、Hに加えて、C1〜C20アルキル基、特にC1〜C12アルキル基、およびC1〜C6アルキル基で置換されていてもよい、飽和または不飽和、すなわちさらに芳香族のC3〜C7シクロアルキル基、特にフェニルであることが好ましい。
【0041】
置換基R1'およびR4'は各々互いに独立に特に好ましくはメチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル、シクロヘキシル、フェニルまたはベンジルである。それらは、非常に特に好ましくはメチル、エチル、n−ブチルまたはヘキシルである。ピロリジニウム化合物、ピペリジニウム化合物またはインドリニウム化合物において、2つの置換基R1'およびR4'は異なっていることが好ましい。
【0042】
置換基R2'またはR3'は、いずれの場合にも、互いに独立に、特にH、メチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、シクロヘキシル、フェニルまたはベンジルである。R2'は、特に好ましくはH、メチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチルまたはsec−ブチルである。R2'およびR3'は、非常に特に好ましくはHである。
【0043】
一般性を限定することなく、C1〜C12アルキル基は、例えばメチル、エチル、イソプロピル、プロピル、ブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチル、さらにまたペンチル、1−、2−もしくは3−メチルブチル、1,1−、1,2−もしくは2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシルまたはドデシルである。
【0044】
複数の二重結合が存在していてもよい、2〜20個のC原子を有する直鎖または分岐のアルケニルは、例えばアリル、2−もしくは3−ブテニル、イソブテニル、sec−ブテニル、さらに4−ペンテニル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、−C917、−C1019〜−C2039であり、好ましくはアリル、2−もしくは3−ブテニル、イソブテニル、sec−ブテニル、さらに好ましくは4−ペンテニル、イソペンテニルまたはヘキセニルである。
【0045】
複数の三重結合が存在していてもよい、2〜20個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキニルは、例えばエチニル、1−もしくは2−プロピニル、2−もしくは3−ブチニル、さらに4−ペンチニル、3−ペンチニル、ヘキシニル、へプチニル、オクチニル、−C915、−C1017〜−C2037であり、特に好ましくはエチニル、1−もしくは2−プロピニル、2−もしくは3−ブチニル、4−ペンチニル、3−ペンチニルまたはヘキシニルである。
【0046】
一般性を限定することなく、アリールC1〜C6アルキルは、例えばベンジル、フェニルエチル、フェニルプロピル、フェニルブチル、フェニルペンチルまたはフェニルヘキシルを示し、フェニル環とさらにアルキレン鎖の両方が、上に記載されているように、ハロゲン、特に−Fおよび/もしくは−Clで部分的または完全に、または−OH、−OR'、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR'2、−SO2NR'2、−C(O)X、−SO2OH、−SO2X、−NO2または−(CH2n−フェニル(n=1〜4である)で部分的に置換されていてもよい。
【0047】
したがって、3〜7個のC原子を有する非置換の飽和または部分不飽和もしくは完全不飽和のシクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロへキシル、シクロへプチル、シクロペンテニル、シクロペンタ−1,3−ジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサ−1,3−ジエニル、シクロヘキサ−1,4−ジエニル、フェニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタ−1,3−ジエニル、シクロヘプタ−1,4−ジエニルまたはシクロヘプタ−1,5−ジエニルであり、それらは各々C1〜C6アルキル基で置換されていてもよく、次いで、シクロアルキル基、またはC1〜C6アルキル基で置換されているシクロアルキル基は、ハロゲン原子、例えばF、Cl、BrもしくはI、特にFもしくはClで、または−OH、−OR'、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR'2、−SO2NR'2、−C(O)X、−SO2OH、−SO2X、−NO2または−(CH2n−フェニル(n=1〜4である)で置換されていてもよい。
【0048】
置換基R7、R8およびR1'〜R4'において、隣接しておらず、α位でヘテロ原子に結合していない1個または2個の炭素原子は、基−O−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−SO2O−、−C(O)−、−C(O)O−、−N+R'2−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SO2NR'−、−OP(O)R'O、−P(O)(NR'2)NR'−、−PR'2=N−または−P(O)R'−(式中、R'=非フッ素化、部分フッ素化もしくは過フッ素化されたC1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、非置換または置換のフェニルである)から選択される原子および/または原子団で置き換えられていてもよい。
【0049】
一般性を限定することなく、このようにして修飾された置換基R7、R8およびR1'〜R4'の例は、−OCH3、−OCH(CH32、−CH2OCH3、−CH2−CH2−O−CH3、−C24OCH(CH32、−C24SC25、−C24SCH(CH32、−S(O)CH3、−SO2CH3、−SO265、−SO237、−SO2CH(CH32、−SO2CH2CF3、−CH2SO2CH3、−O−C48−O−C49、−CF3、−C25、−C37、−C49、−C(CF33、−CF2SO2CF3、−C24N(C25)C25、−CHF2、−CH2CF3、−C223、−C3FH6、−CH237、−C(CFH23、−CH2C(O)OH、−CH265、−C(O)C65、および−P(O)(C252である。
【0050】
R'において、C3〜C7シクロアルキルは、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルである。
【0051】
R'において、置換フェニルは、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルケニル、NO2、F、Cl、Br、I、OH、C1〜C6アルコキシ、SCF3、SO2CF3、COOH、SO2X'、SO2NR''2またはSO3H(式中、X'は、F、ClまたはBrを示し、R"は、R'について定義されているように非フッ素化、部分フッ素化または過フッ素化されたC1〜C6アルキルまたはC3〜C7シクロアルキルを示す)で置換されているフェニル、例えばo−、m−またはp−メチルフェニル、o−、m−またはp−エチルフェニル、o−、m−またはp−プロピルフェニル、o−、m−またはp−イソプロピルフェニル、o−、m−またはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−またはp−ニトロフェニル、o−、m−またはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−またはp−メトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシフェニル、o−、m−、p−(トリフルオロメチル)フェニル、o−、m−、p−(トリフルオロメトキシ)−フェニル、o−、m−、p−(トリフルオロメチルスルホニル)フェニル、o−、m−またはp−フルオロフェニル、o−、m−またはp−クロロフェニル、o−、m−またはp−ブロモフェニル、o−、m−またはp−ヨードフェニル、さらに好ましくは2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジメチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジヒドロキシフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジクロロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジブロモフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジメトキシフェニル、5−フルオロ−2−メチルフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニルまたは2,4,5−トリメチルフェニルを示す。
【0052】
1'〜R4'において、ヘテロアリールは、5〜13個の環員を有する飽和または不飽和の単環式または二環式の複素環基を示し、1個、2個、もしくは3個のN原子および/または1個もしくは2個のS原子もしくはO原子が存在していてもよく、複素環基は、C1〜C6アルキル、C1〜C6アルケニル、NO2、F、Cl、Br、I、OH、C1〜C6アルコキシ、SCF3、SO2CF3、COOH、SO2X'、SO2NR''2またはSO3H(式中、X'およびR''は上に示す意味を有する)で一置換または複数置換されてよい。
【0053】
ここで複素環基は、置換または非置換の2−または3−フリル、2−または3−チエニル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2−、4−または5−イミダゾリル、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソオキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−、5−または6−ピリミジニル、さらに好ましくは1,2,3−トリアゾール−1−、−4−または−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−4−または−5−イル、1−または5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−または−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−または−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−または−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−または−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−または−5−イル、2−、3−、4−、5−または6−2H−チオピラニル、2−、3−または4−4H−チオピラニル、3−または4−ピリダジニル、ピラジニル、2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾフリル、2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾチエニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−1H−インドリル、1−、2−、4−または5−ベンゾイミダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾオキサゾリル、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾイソオキサゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾチアゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾイソチアゾリル、4−、5−、6−または7−ベンゾ−2,1,3−オキサジアゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−キノリニル、1−、3−、4−、5−、6−、7−または8−イソキノリニル、1−、2−、3−、4−または9−カルバゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−または9−アクリジニル、3−、4−、5−、6−、7−または8−シンノリニル、2−、4−、5−、6−、7−または8−キナゾリニルまたは1−、2−または3−ピロリジニルであることが好ましい。
【0054】
本発明によれば、ヘテロアリールC1〜C6アルキルは、アリールC1〜C6アルキルと同様に、例えばピリジニルメチル、ピリジニルエチル、ピリジニルプロピル、ピリジニルブチル、ピリジニルペンチル、ピリジニルヘキシルを意味すると解釈され、上に記載した複素環は、さらに、このような方法でアルキレン鎖に結合していてもよい。
【0055】
本発明による式(II)の化合物のカチオンは、好ましくはアンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、グアニジニウムカチオン、スルホニウムカチオンまたは複素環カチオンである。
【0056】
本発明による式(II)の化合物のカチオンは、特に好ましくはアンモニウムイオン[N(R74+および複素環カチオン[HetN]+
[式中、R7はいずれの場合にも互いに独立に、
− H、ただし、最大2つのR7がHであり、
− OR'、NR'2、ただし、最大1つのR7がOR'、NR'2であり、
− 1〜20個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル、
− 2〜20個のC原子および1つまたは複数の二重結合を有する直鎖または分岐のアルケニル、
− 2〜20個のC原子および1つまたは複数の三重結合を有する直鎖または分岐のアルキニル、
− 1〜6個のC原子を有するアルキル基で置換されていてもよい、3〜7個のC原子を有する飽和、部分不飽和または完全不飽和のシクロアルキル
を示し、
1つまたは複数のR7は、ハロゲン、特に−Fおよび/もしくは−Clで部分的にまたは完全に、または−OH、−OR'、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR'2、−SO2NR'2、−C(O)X、−SO2OH、−SO2X、−NO2もしくは−(CH2n−フェニルで部分的に置換されていてもよく、隣接しておらず、α位にないR7の1個または2個の炭素原子は、基−O−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−SO2O−、−C(O)−、−C(O)O−、−N+R'2−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SO2NR'−、−OP(O)R'O−、−P(O)(NR'2)NR'−、−PR'2=N−または−P(O)R'−から選択される原子および/または原子団で置換されていてもよく、
式中、n=1〜4であり、R'=H、非フッ素化、部分フッ素化または過フッ素化されたC1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、非置換または置換のフェニルであり、X=ハロゲンである]
である。
【0057】
複素環カチオン[HetN]+は、以下の基、
【0058】
【化6】

【0059】
[式中、置換基R2'がHを示し、
置換基R1'およびR4'が各々互いに独立に、
− 1〜20個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル、
− 2〜20個のC原子および1つまたは複数の二重結合を有する直鎖または分岐のアルケニル、
− 2〜20個のC原子および1つまたは複数の三重結合を有する直鎖または分岐のアルキニル、
− 1〜6個のC原子を有するアルキル基で置換されていてもよい、3〜7個のC原子を有する飽和、部分不飽和または完全不飽和のシクロアルキル、
− 飽和、部分不飽和または完全不飽和のヘテロアリール、
− ヘテロアリールC1〜C6アルキルまたはアリールC1〜C6アルキル
を示し、
置換基R1'およびR4'は一緒に環系を形成していてもよく、
置換基R1'および/またはR4'は、ハロゲン、特に−Fおよび/もしくは−Cl、または−OH、−OR'、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR'2、−SO2NR'2、−C(O)X、−SO2OH、−SO2X、−NO2もしくは−(CH2n−フェニルで部分的または完全に置換されていてもよいが、R1'およびR4'は同時にハロゲンで完全に置換されず、
隣接しておらず、ヘテロ原子に結合していない1つまたは2つの置換基R1'〜R4'炭素原子は、基−O−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−SO2O−、−C(O)−、−C(O)O−、−N+R'2−、−P(O)R'O−、−C(O)NR'−、−SO2NR'−、−OP(O)R'O−、−P(O)(NR'2)NR'−、−PR'2=N−または−P(O)R'−から選択される原子および/または原子団で置き換えられていてもよく、
式中、n=1〜4であり、R'=H、非フッ素化、部分フッ素化もしくは過フッ素化されたC1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、非置換もしくは置換のフェニルであり、X=ハロゲンである]
から選択されることが特に好ましい。
【0060】
本発明による式(II)の化合物の非常に特に好ましいカチオンは、1,3−ジアルキルイミダゾリウム、[(HO3S)(CH2n(NC55)]+、[N(Cn2n+13(CH265)]+および[NH(Cn2n+12((CH2nOH)]+(式中、m=2、3または4およびn=1、2または3である)からなる群から選択される。
【0061】
本発明による式(I)の化合物のアニオンは、
アリールカルボキシレートおよびアルキルカルボキシレート[R9C(O)O]-または[R9O(CH2CH2O)nCH2C(O)O]-
アリールスルホネートおよびアルキルスルホネート[R9SO3-
アリールスルフェートおよびアルキルスルフェート[R9O(CH2CH2O)nSO3-、[R9OSO3-または[HSO4-、[CF3SO3-、[(CF3SO22N]-、[P(RFy6-y-、[P(C65y6-y-、[B(CN)4-およびN(CN)2-
(式中、R9が、1〜36個のC原子、好ましくは1〜20個、特に好ましくは10〜14個のC原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル、または2〜36個のC原子、好ましくは2〜20個、特に好ましくは10〜14個のC原子および1つもしくは複数の二重結合を有する直鎖もしくは分岐のアルケニルであり、
Fが、1〜36個のC原子、好ましくは1〜20個、特に好ましくは10〜14個のC原子を有する過フッ素化された直鎖もしくは分岐のアルキル、または2〜36個のC原子、好ましくは2〜20個、特に好ましくは10〜14個のC原子および1つもしくは複数の二重結合を有する過フッ素化された直鎖もしくは分岐のアルケニルであり、
n=2、3、4または5であり、
y=0、1、2、3、4、5または6である)
からなる群から選択されるアニオンであることが好ましい。
【0062】
カルボキシレート、特にエーテルカルボキシレート[RO(CH2CH2O)nCH2C(O)O]-、アシルグルタメート[RCONHCH(COO-)−CH2CH2C(O)O]-またはサルコシネート[RCON(CH3)CH2C(O)O]-、特に好ましくはステアレートまたはパルミテート、アルキルスルフェート、特に脂肪アルコールエーテルスルフェート[RO(CH2CH2O)nSO3-または脂肪アルコールスルフェート[ROSO3-、特に好ましくはエチルスルフェート、ブチルスルフェート、オクチルスルフェート、2−エチルヘキシルスルフェートまたはドデシルスルフェート、およびアルキルスルホネート、特にスルホサクシネート[RO(CH2CH2O)nC(O)CH2CH(COO-)−SO3-、脂肪酸イセチオネート[RC(O)OCH2CH2SO3-またはオレフィンスルホネート[RCH2CH=CHCH2SO3-または[RCH2CH(OH)CH2CH2SO3-を含む本発明による化合物を、化粧品用途で使用することが好ましい。一方、アニオン[HSO4-、[CF3SO3-、[(CF3SO22N]-、[P(RFy6-y-、[P(C65y6-y-、[B(CN)4-または[N(CN)2-を含む本発明による化合物を、通常のイオン性液体として使用することが好ましい。
【0063】
本発明による化合物の好ましい実施形態において、一般式(I)または(II)の化合物中のピリミジンカルボン酸イオンの置換基R1は、メチル基またはエチル基である。置換基R4、R5およびR6は、非常に特に好ましくは代替的にまたは同時にHである。
【0064】
本発明により、一般式が
【0065】
【化7】

【0066】
(式中、R2は、Hまたはヒドロキシル基の意味を有する)
から選択される化合物が非常に特に優先され、すなわち、エクトインカチオン、ヒドロキシエクトインカチオン、エクトインアニオンもしくはヒドロキシエクトインアニオンを含有する化合物が非常に特に優先される。
【0067】
さらに、本発明は、ピリミジンカルボン酸誘導体が、カチオン成分またはアニオン成分を表し、そこで中性ピリミジンカルボン酸誘導体が、遊離ブレンステッド酸を使用するプロトン化により四級化されるか、または塩基による脱プロトン化により本発明による化合物に変換される、カチオン成分およびアニオン成分を含む本発明による化合物の調製方法に関する。
【0068】
一般性を限定することなく、本発明に従って使用できるブレンステッド酸は、例えばトリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、HNO3、H2SO4またはHClである。
【0069】
一般性を限定することなく、本発明に従って使用する塩基は、例えば、複素環化合物、アミン、水酸化テトラアルキルアンモニウムおよびホスフィンからなる群から選択される。ここで、複素環化合物は、アルキル側鎖が1〜4個のC原子、例えばピリジノプロパン−1−スルホネートなどを有する、アルキル−SO3H側鎖を有する、例えばイミダゾールまたはピリジンであってよい。使用するアミンは、例えばNH3またはNR3(式中、Rは1〜4個のC原子を有するアルキルである)であってよい。適切なホスフィンは、例えばPR3(式中、Rは1〜4個のC原子を有するアルキルである)である。
【0070】
反応は、0〜150℃、好ましくは0〜50℃の範囲の温度、特に好ましくは室温で行うことができる。
【0071】
遊離ブレンステッド酸または塩基は、中性ピリミジンカルボン酸誘導体に対して、ブレンステッド酸または塩基の触媒量と等モル量との間の量でこの反応物に加えられる。遊離ブレンステッド酸または塩基は、中性ピリミジンカルボン酸誘導体に対して等モル量で加えられることが好ましい。
【0072】
適切な溶媒または溶媒混合物は、水、アルコール、ジアルキルエーテル、エステル、ニトリル、炭酸ジアルキル、ジクロロメタンまたはそれらの混合物である。溶媒は、水、メタノール、エタノール、i−プロパノール、アセトニトリル、プロピオニトリル、ジエチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、炭酸ジメチルまたは炭酸ジエチルであることが好ましい。水を溶媒として使用することが非常に特に好ましい。
【0073】
一般性を制限することなく、本発明による化合物を調製するための本発明による方法のさらなる変形を実施例に記載する。
【0074】
さらに、古典的なイオン性液体の調製に使用する他の方法も、本発明による化合物の調製に適している。ここで、当業者であれば、適切な方法に頼る際に困ることはないであろう。
【0075】
さらに、本発明は、イオン性液体としての本発明による化合物の使用に関する。
【0076】
本発明による化合物は、多くの合成反応または触媒反応、例えばフリーデルクラフツアシル化およびフリーデルクラフツアルキル化、ディールスアルダー付加環化、遷移金属触媒反応もしくは酵素触媒反応、水素化反応および酸化反応、ヘック反応、鈴木カップリング、エステル化、異性化反応、ヒドロホルミル化反応、オリゴマー化反応のための溶媒または溶媒添加物として使用できるが、前記リストは限定的なものではない。
【0077】
さらに、本発明は、抽出剤として、伝熱媒体として、界面活性物質として、可塑剤として、滑沢剤として、帯電防止剤として、防炎剤として、場合により当業者に公知の他の電解質と組み合わせた非水性電解質として、または電気化学電池の導電性塩もしくは導電性添加物としての本発明による化合物の使用に関する。
【0078】
本発明による化合物は、抽出剤として使用したとき、本発明による化合物の各成分の溶解性に応じて、反応生成物を分離するだけでなく不純物を分離するためにも使用できる。さらに、本発明による化合物は、複数の成分の分離、例えば蒸留による混合物の複数の成分の分離における分離剤としても利用できる。
【0079】
さらに、本発明による塩は、適切な反応における非水性極性物質として、相間移動触媒として、界面活性剤(surfactant)(界面活性剤(surface-active agent))としてまたは均一触媒の不均一化のための媒体として使用できる。
【0080】
本発明による化合物のさらに可能な用途は、ポリマー材料中の可塑剤として、いくつかの材料または用途のための防炎剤として、ならびに様々な電気化学電池および電気化学的用途、例えばガルバーニ電池、コンデンサーまたは燃料電池の導電性塩または導電性添加物としての用途がある。
【0081】
さらに、本発明は、上に記載されているように、化粧品活性化合物としての本発明による化合物、特に好ましいとして示した化合物の使用に関する。
【0082】
ここで、本発明による塩は、有利な化粧作用、例えば抗加齢、抗光加齢(antiphotoageing)、抗酸化作用、メラニン形成促進作用または皮膚美白作用、抗脂肪沈着、抗ニキビ、抗癌、抗炎症作用、酸化過敏性物質(oxidation-sensitive substances)、例えばビタミン、芳香成分および天然物に関して安定化作用、例えばUVフィルター、例えばブチルメトキシジベンゾイルメタンおよびメトキシケイヒ酸エチルヘキシルを含む光不安定性物質(photounstable substances)に対する安定化作用、例えば、化粧品配合物の紫外線保護性能に関するブースト作用(boost action)、化粧品配合物における不適切な可溶性成分に対する可溶化剤としての作用、色、レオロジー、臭気などの配合特性に対する一般的な安定化作用を示す。
【0083】
したがって、本発明による化合物は、皮膚保護特性およびスキンケア特性を示す。したがって、それらは、適合溶質としても使用できる。
【0084】
本来の意味において、適合溶質は、植物または微生物の浸透圧調節に関与する物質であり、これらの生物から単離され得る。
【0085】
適合溶質として、本発明による化合物は、水溶液および有機溶媒中で酵素、細胞構造および他の生体分子を安定させる。さらに、それらは、特に、塩、極端なpH値、界面活性剤、尿素、塩化グアニジウムおよび他の化合物などの変性条件に対して酵素を安定させる。
【0086】
化粧品用途および皮膚科用用途において、老化肌、乾燥肌または敏感肌をケアするための本発明による化合物の使用が、特に言及されるべきである。この場合、本発明による化合物は、皮膚および頭皮の主として保湿剤として機能する。
【0087】
本発明による化合物は、髪をトリートメントするための組成物の調製のためにさらに使用できる。これらの化合物は、従来のヘアトリートメント組成物および毛髪洗浄組成物に導入されたとき、傷んだ髪を修復し、酸化ヘアカラーリング(oxidative hair colouring)中の酸化的損傷を低減できる。さらに、本発明による塩は、ケラチン成分、特にケラチン繊維、例えば髪の化粧処置に有利に使用できる。本発明による化合物は、ヘアシャンプー、ヘアリンス、ヘアキュア、パーマネントウェーブおよびヘアカラーリング組成物、ヘアカラーリングシャンプー、ヘアトニック、ヘア硬化組成物(hair stiffening composition)、ヘアセッティング組成物(hair setting composition)ならびに/またはヘアスタイリング組成物(hair-styling composition)に取り込むことができる。この点においての適用は、洗浄中および/またはコンディショニング中に行われることが好ましい。
【0088】
本発明による化合物の使用のさらなる分野は、本発明による化合物をさらなる活性化合物、特に乾燥したツルシュート抽出物(dried vine shoot extract)と合わせることによる皮膚の再生および保護ならびに/または活性化のための化粧品組成物または皮膚科用組成物の調製である。
【0089】
さらに、本発明による化合物はp53遺伝子の安定化のために使用される。この場合、これらの化合物は局所組成物の形態で通常使用される。
【0090】
本発明による塩は、口腔ケアのための組成物中でも有利に使用できる。この場合、本発明による化合物は、無傷の皮膚のバリヤーに重要である皮膚および粘膜の微生物叢を乾燥によるストレス、フリーラジカル、界面活性剤および高イオン濃度から保護し、かつ該化合物は細胞代謝に反応しない。
【0091】
本発明による化合物は、薬剤および医薬製剤でさらに有利に使用できる。特に、それらは、皮膚疾患、特に神経皮膚炎の局所的な予防、治療および/またはケアのための薬剤または皮膚科用組成物の調製に使用できる。ここで、薬剤または皮膚科用組成物を従来の補助剤と混合し、チンキ剤、ローション、O/Wエマルジョン、W/Oエマルジョン、クリーム、軟膏、ハイドロゲルまたはスプレーを得ることが好ましい。
【0092】
本発明による化合物の使用のさらなる分野は、肺組織に対する浮遊粉塵の作用により生じる疾患、および/またはそれに関連する心血管疾患に対抗するための薬剤の調製である。
【0093】
エクトイン誘導体の使用の他の医薬品分野は、通常、例えばトレハロースを添加物として使用する分野である。したがって、エクトイン誘導体は、例えば乾燥酵母および細菌性細胞における保護物質として使用できる。医薬品、例えば非グリコシル化された、薬学的に活性なペプチドおよびタンパク質、例えばt−PAも、エクトイン誘導体を使用して保護できる。
【0094】
さらに、本発明は、本発明による少なくとも1種のピリミジンカルボン酸誘導体を含む、医薬組成物、化粧品組成物および皮膚科用組成物に関する。これらの配合物は、本発明による化合物を0.01〜15重量%、特に好ましくは0.1〜10重量%、非常に特に好ましくは0.5〜5重量%の量で含むことが好ましい。
【0095】
ここで、組成物は、通常、局所適用できる組成物、例えば化粧品配合物または皮膚科用製剤である。この場合、組成物は、化粧品にまたは皮膚科用に適したビヒクル、および所望の特性プロファイルに応じて、場合によりさらに適切な成分を含む。医薬組成物の場合、組成物は、薬学的に忍容される添加剤、場合によりさらに医薬活性化合物を含む。
【0096】
本発明の目的のために、調製物(preparation)または配合物(formulation)という用語は、組成物(composition)という用語と同義でも使用される。
【0097】
組成物中で使用できるすべての化合物または成分は、公知であり市販されているか、または公知の方法により合成できる。
【0098】
本発明による少なくとも1つの化合物を含む記載の組成物および混合物は、顔料の層構造を限定しない顔料もさらに含むことができる。
【0099】
着色顔料は、0.5〜5重量%の使用で好ましくは皮膚色または褐色であるべきである。対応する顔料の選択は、当業者によく知られている。
【0100】
有利な着色顔料は、例えば二酸化チタン、マイカ、酸化鉄(例えば、Fe23、Fe34、FeO(OH))および/または酸化スズである。有利な染料は、例えばカルミン、ベルリンブルー、酸化クロムグリーン、ウルトラマリンブルーおよび/またはマンガンバイオレットである。
【0101】
以下のリストから染料および/または着色顔料を選択することが特に有利である。カラーインデックス番号(CIN)は、Rowe Colour Index、第3版、Society of Dyers and Colourists、Bradford、England、1971年から採用される。
【0102】
【表1−1】

【0103】
【表1−2】

【0104】
【表1−3】

【0105】
【表1−4】

【0106】
【表1−5】

【0107】
【表1−6】

【0108】
以下に列挙されている真珠光沢顔料の種類が特に優先される:
1.天然の真珠光沢顔料、例えば
1.「真珠箔(Fischsilber)」(うろこ由来のグアニン/ヒポキサンチン混晶)および
2.「真珠層(Perlmutt)」(細かくしたイガイ)など
2.単結晶真珠光沢顔料、例えばオキシ塩化ビスマス(BiOCl)など
3.層状基材顔料;例えばマイカ/酸化金属。
【0109】
真珠光沢顔料の基礎は、例えば、オキシ塩化ビスマスおよび/または二酸化チタン、ならびにマイカ上のオキシ塩化ビスマスおよび/または二酸化チタンの粉末顔料またはヒマシ油分散液により形成される。例えば、CIN77163に基づき列挙されているラスター顔料が特に有利である。
【0110】
例えば、マイカ/酸化金属に基づく以下の真珠光沢顔料の種類も有利である。
【0111】
【表2】

【0112】
例えば、Timiron(登録商標)、Colorona(登録商標)、Dichrona(登録商標)、Xirona(登録商標)またはRonastar(登録商標)の商品名でMerckより販売されている真珠光沢顔料が、特に優先される。
【0113】
前記真珠光沢顔料のリストは、当然ながら限定することは意図されていない。本発明の目的のために有利な真珠光沢顔料は、それ自体公知の数多くの経路により得ることができる。例えば、マイカに加えて他の基材は、さらなる酸化金属、例えばシリカなどで被覆されていてもよい。例えば、Merckから販売されており、小皺の光学的減少に特に適したTiO2−およびFe23−被覆したSiO2粒子(「ロナスフェレ(Ronasphere)」等級)が有利である。
【0114】
マイカなどの基材を完全に省略することがさらに有利であり得る。SiO2を使用して調製した真珠光沢顔料が特に優先される。ゴニオクロマチック効果(goniochromatic effect)をさらに有し得るこのような顔料は、例えばBASFからSicopearl Fantasticoの商品名で入手できる。
【0115】
二酸化チタンで被覆したホウケイ酸カルシウムナトリウムに基づくEngelhard/Mearl顔料を使用することも有利であり得る。これらは、Reflecks(登録商標)の名称で入手できる。40〜80μmのその粒径により、それらは、色の他に光輝性効果を有する。
【0116】
Flora TechからMetasomes(登録商標)Standard/Glitterの商品名で入手できる様々な色(黄、赤、緑、青)のエフェクト顔料も特に有利である。ここで光沢粒子は、様々な補助剤および染料(例えば、カラーインデックス(CI)番号19140、77007、77289、77491の染料など)との混合物の形態である。
【0117】
予混合物中で特に適した顔料は、例えばRonastar(登録商標)SliverまたはColorona(登録商標)Bronzeである。
【0118】
さらに、本発明による化粧品組成物は、さらなる活性物質、例えば忌避剤(repellent)、特に防虫剤(insect repellent)、UVフィルター、フラボン誘導体、クロモン誘導体、アリールオキシムおよびパラベンなども好ましくは含むことができる。
【0119】
大部分の忌避活性化合物は、アミド、アルコール、エステルおよびエーテルの物質分類に属する。ここで、忌避剤は、以下の条件を通常満たすべきである:忌避剤は、あまりにも急速に蒸発してはならず、かつ皮膚に浸透してはならない。忌避剤は、皮膚に対する主な刺激作用または感作作用を有していてはならず、さらに非毒性であるべきである。その効果は、皮膚水分および/または紫外線に曝された場合も保持されなければならない。
【0120】
好ましい忌避剤は、N,N−ジエチル−3−メチルベンズアミド、エチル3−(アセチルブチルアミノ)プロピオネート、ジメチルフタレート、ブトピロノキシル、2,3,4,5−ビス(2−ブチレン)テトラヒドロ−2−フルアルデヒド、N,N−ジエチルカプリルアミド、N,N−ジエチルベンズアミド、o−クロロ−N,N−ジエチルベンズアミド、N−(2−エチルヘキシル)−8,9,10−トリノルボルン−5−エン−2,3−ジカルボキシイミド、ジメチルカルベート、ジ−n−プロピルイソシンコメロネート、(R)−p−メンタ−1,8−ジオール、2−エチルヘキサン−1,3−ジオール、N−オクチルビシクロヘプテンジカルボキシイミド、ピペロニルブトキシド、1−(2−メチルプロピルオキシカルボニル)−2−(ヒドロキシエチル)ピペリジン(Bayrepel(登録商標);Bayer)またはそれらの混合物から選択され、忌避剤は、N,N−ジエチル−3−メチルベンズアミド、エチル3−(アセチルブチルアミノ)プロピオネート、1−(2−メチルプロピルオキシカルボニル)−2−(ヒドロキシエチル)ピペリジンまたはそれらの混合物から選択されることが特に好ましい。
【0121】
パラベンは、食品、化粧品および薬剤の分野で組成物の保存のために遊離形態でまたはナトリウム塩として使用する4−ヒドロキシ安息香酸エステルである。エステルの作用は、アルキル基の鎖長に直接比例するが、反対に、溶解性は、鎖長が増加すると低下する。非解離化合物として、エステルは、実質的にpH非依存性であり、3.0〜8.0のpH範囲で作用する。抗菌作用機構は、PHBエステルの表面活性による微生物膜の損傷およびタンパク質変性に基づいている。さらに、相互作用は、補酵素によって生じる。該作用は、真菌、酵母および細菌を対象とする。保存剤として最も重要なパラベンは、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピルおよび4−ヒドロキシ安息香酸ブチルである。
【0122】
アリールオキシムのうち、HMLO、LPOまたはF5としても知られる2−ヒドロキシ−5−メチルラウロフェノンオキシムの使用が優先される。化粧品組成物での使用についてのその適合性は、例えばDE4116123に開示されている。したがって、2−ヒドロキシ−5−メチルラウロフェノンオキシムを含む組成物は、炎症を伴う皮膚疾患の治療に適している。この種の組成物は、例えば乾癬、様々な形態の湿疹、刺激性および毒性皮膚炎、紫外線皮膚炎、ならびに皮膚および皮膚付属器の他のアレルギー性および/または炎症性疾患の治療に使用できることが知られている。前記化合物に加えて、アリールオキシム、好ましくは2−ヒドロキシ−5−メチルラウロフェノンオキシムをさらに含む本発明による組成物は、驚くべき抗炎症適合性を示す。ここで、組成物は、アリールオキシムを0.01〜10重量%含むことが好ましく、組成物がアリールオキシムを0.05〜5重量%含むことが特に好ましい。
【0123】
本発明によれば、フラボン誘導体は、フラボノイドおよびクマラノンも意味すると解釈される。本発明によれば、フラボノイドは、フラバノン、フラボン、3−ヒドロキシフラボン(=フラボノール)、オーロン、イソフラボンおよびロテノイドのグリコシドも意味すると解釈される[Rompp Chemie Lexikon [Rompp's Lexicon of Chemistry]9巻、1993年]。しかし、本発明の目的のために、それらは、アグリコン、すなわち無糖成分、ならびにフラボノイドおよびアグリコンの誘導体も意味すると解釈される。さらに、本発明の目的のために、フラボノイドという用語は、アントシアニジン(シアニジン)も意味すると解釈される。本発明の目的のために、クマラノンは、その誘導体も意味すると解釈される。クマラノンの内、4,6,3',4'−テトラヒドロキシベンジルクマラノン−3が好ましい。
【0124】
クロモン誘導体は、老化過程および有害な環境の影響に対するヒト皮膚およびヒト毛髪の予防的処置のための活性化合物として適した、ある種のクロメン−2−オン誘導体も意味すると解釈されることが好ましい。同時に、それらは、皮膚を刺激する可能性が低く、皮膚における水の結合に対してプラス効果を有し、皮膚の弾力性を維持するか、または増加させ、したがって皮膚の滑らかさを助長する。これらの化合物は、次式
【0125】
【化8】

【0126】
[式中、
1およびR2は、同一でもまたは異なっていてもよく、
− H、−C(=O)−R7、−C(=O)−OR7
− 直鎖もしくは分岐のC1〜C20アルキル基
− 直鎖もしくは分岐のC3〜C20アルケニル基、ヒドロキシル基が、鎖の第1級もしくは第2級炭素原子に結合していてもよく、さらにアルキル鎖が、酸素により中断されていてもよい、直鎖もしくは分岐のC1〜C20ヒドロキシルアルキル基、ならびに/または
− 環が各々−(CH2n−基(式中、n=1〜3である)により架橋されていてもよい、C3〜C10シクロアルキル基および/もしくはC3〜C12シクロアルケニル基
から選択され、
3は、Hまたは直鎖もしくは分岐のC1〜C20アルキル基を表し、
4は、HまたはOR8を表し、
5およびR6は、同一でもまたは異なっていてもよく、
− H、−OH,
− 直鎖または分岐のC1〜C20アルキル基、
− 直鎖または分岐のC3〜C20アルケニル基、
− ヒドロキシル基が、鎖の第1級または第2級炭素原子に結合していてもよく、さらにアルキル鎖が、酸素により中断されていてもよい、直鎖または分岐のC1〜C20ヒドロキシルアルキル基、
から選択され、
7は、H、直鎖または分岐のC1〜C20アルキル基、ポリヒドロキシル化合物、例えば好ましくはアスコルビン酸基またはグリコシド基を表し、
8は、Hまたは直鎖もしくは分岐のC1〜C20アルキル基を表し、置換基R1、R2、R4〜R6の少なくとも2つは、Hと異なるか、またはR1およびR2の少なくとも1つの置換基は−C(=O)−R7もしくは−C(=O)−OR7を表す]
に従うことが好ましい。
【0127】
組成物中でクロモン誘導体およびクマラノンから選択される1種または複数の化合物の比率は、組成物全体に対して、好ましくは0.001〜5重量%、特に好ましくは0.01〜2重量%である。
【0128】
組成物が、1種または複数の抗酸化剤を含む場合、酸化ストレスに対するまたはフリーラジカルの作用に対する組成物の保護作用を改善でき、当業者であれば、適切に素早く作用するか、または遅延的に作用する抗酸化剤を選択する際に困ることは一切ない。
【0129】
したがって、好ましい実施形態において、組成物は、他の成分に加えて1種または複数の抗酸化剤を含むことで特徴付けられる、酸化ストレスに対して体細胞を保護するため、特に皮膚の老化を低減するための組成物である。
【0130】
抗酸化剤として使用できる、専門家の文献から知られている実績のある物質が数多く存在しており、例えば、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)およびその誘導体、ペプチド、例えばD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびそれらの誘導体(例えばアンセリン)、カロテノイド、カロテン(例えば、α−カロテン、β−カロテン、リコペン)およびそれらの誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、ならびにそれらのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチルおよびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)およびそれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびそれらの誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、非常に低い許容用量(例えば、pmol〜μmol/kg)でスルホキシミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタチオニンスルホキシミン、ヘキサチオニンスルホキシミンおよびヘプタチオニンスルホキシミン)、さらに(金属)キレート化剤(例えば、αヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、αヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびそれらの誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体、ビタミンCおよび誘導体(例えば、アスコルビルパルミテート、マグネシウムアスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート)、トコフェロールおよび誘導体(例えばビタミンEアセテート)、ビタミンAおよび誘導体(例えばビタミンAパルミテート)、ベンゾイン樹脂のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸およびその誘導体、αグリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク樹脂酸、トリヒドロキシブチロフェノン、ケルセチン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(例えばZnO、ZnSO4)、セレンおよびその誘導体(例えばセレノメチオニン)、スチルベンおよびその誘導体(例えば酸化スチルベン、酸化trans−スチルベン)がある。
【0131】
一般式AまたはBの化合物
【0132】
【化9】

【0133】
[式中、
1は、基−C(O)CH3、−CO23、−C(O)NH2および−C(O)N(R42からなる群から選択でき、
Xは、OまたはNHを示し、
2は、1〜30個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキルを示し、
3は、1〜20個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキルを示し、
4は、いずれの場合にも互いに独立に、Hまたは1〜8個のC原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキルを示し、
5は、1〜8個のC原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキルまたは1〜8個のC原子を有する直鎖もしくは分岐のアルコキシを示し、
6は、1〜8個のC原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル、好ましくは2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジリデン)マロン酸および/または2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジル)マロン酸、特に好ましくはビス(2−エチルヘキシル)2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジリデン)マロネート(例えば、Oxynex(登録商標)ST Liquid)および/またはビス(2−エチルヘキシル)2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジル)マロネート(例えば、RonaCare(登録商標)AP)の誘導体を示す]
も適切な抗酸化剤である。
【0134】
抗酸化剤の混合物も同様に本発明による化粧品組成物での使用に適している。例えば、公知であり市販されている混合物は、有効成分として、レシチン、L−(+)−アスコルビルパルミテートおよびクエン酸(例えばOxynex(登録商標)AP)、天然トコフェロール、L−(+)−アスコルビルパルミテート、L−(+)−アスコルビン酸およびクエン酸(例えばOxynex(登録商標)K LIQUID)、天然源由来のトコフェロール抽出物、L−(+)−アスコルビルパルミテート、L−(+)−アスコルビン酸およびクエン酸(例えばOxynex(登録商標)L LIQUID)、DL−α−トコフェロール、L−(+)−アスコルビルパルミテート、クエン酸およびレシチン(例えばOxynex(登録商標)LM)またはブチルヒドロキシトルエン(BHT)、L−(+)−アスコルビルパルミテートおよびクエン酸(例えばOxynex(登録商標)2004)を含む混合物である。この種の抗酸化剤は、1000:1〜1:1000の範囲の重量%比で、好ましくは100:1〜1:100の重量%比で本発明による化合物を含むこのような組成物において通常使用される。
【0135】
本発明に従って使用できるフェノールのうち、その一部が天然物として存在するポリフェノールは、医薬品、化粧品または栄養物の領域での用途で特に興味深い。例えば、植物染料として主として知られているフラボノイドまたはビオフラボノイドは、抗酸化剤能をしばしば有する。モノヒドロキシフラボンおよびジヒドロキシフラボンの置換パターンの効果は、K.Lemanska、H.Szymusiak、B.Tyrakowska、R.Zielinski、I.M.C.M.Rietjens;Current Topics in Biophysics 2000、24(2)、101〜108で調査されており、ケト官能基と隣接するOH基、または、3',4'−位、6,7−位または7,8−位のOH基を含有するジヒドロキシフラボンは、抗酸化特性を有しているが、他のモノヒドロキシフラボンおよびジヒドロキシフラボンは、場合によっては抗酸化特性を有していないことが観察されている。
【0136】
ケルセチン(シアニダノール、シアニデノロン1522、メレチン、ソホレチン、エリシン、3,3',4',5,7−ペンタヒドロキシフラボン)は、特に有効な抗酸化剤としてしばしば言及される(例えばC.A.Rice−Evans、N.J.Miller、G.Paganga、Trends in Plant Science 1997、2(4)、152〜159)。K.Lemanska、H.Szymusiak、B.Tyrakowska、R.Zielinski、A.E.M.F.Soffers、I.M.C.M.Rietjens;Free Radical Biology & Medicine 2001、31(7)、869〜881は、ヒドロキシフラボンの抗酸化作用のpH依存性について調査している。ケルセチンは、pH範囲全体について調査された構造の中で最も高い活性を示す。
【0137】
さらに、適切な抗酸化剤は、独国特許出願DE−A−10244282に記載の式(C)の化合物
【0138】
【化10】

【0139】
[式中、
1〜R10は、同一でもまたは異なっていてもよく
− H、
− OR11
− 直鎖もしくは分岐のC1〜C20アルキル基、
− 直鎖もしくは分岐のC3〜C20アルケニル基、
− ヒドロキシル基が、鎖の第1級もしくは第2級炭素原子に結合していてもよく、さらにアルキル鎖が、酸素により中断されていてもよい、直鎖もしくは分岐のC1〜C20ヒドロキシアルキル基、ならびに/または
− 環が各々−(CH2n−基(式中、n=1〜3である)により架橋されていてもよい、C3〜C10シクロアルキル基および/もしくはC3〜C12シクロアルケニル基
から選択され、
− すべてのOR11は互いに独立に、
− OH、
− 直鎖もしくは分岐のC1〜C20アルコキシ基、
− 直鎖もしくは分岐のC3〜C20アルケニルオキシ基、
− ヒドロキシル基(複数可)が、鎖の第1級もしくは第2級炭素原子に結合していてもよく、さらにアルキル鎖が、酸素により中断されていてもよい、直鎖もしくは分岐のC1〜C20ヒドロキシアルコキシ基、および/または
− 環が各々−(CH2n−基(式中、n=1〜3である)により架橋されていてもよい、C3〜C10シクロアルコキシ基および/もしくはC3〜C12シクロアルケニルオキシ基、ならびに/または
− モノグリコシル基および/もしくはオリゴグリコシル基
を表し、
但し、R1〜R7の少なくとも4つの基がOHを表し、隣接する−OH基の少なくとも2つの対が分子中に存在するか、または
2、R5およびR6はOHを表し、基R1、R3、R4およびR710がHを表す]
である。
【0140】
本発明による組成物は、ビタミンをさらなる成分として含むことができる。ビタミンA、ビタミンAプロピオネート、ビタミンAパルミテート、ビタミンAアセテート、レチノール、ビタミンB、チアミン塩化物塩酸塩(ビタミンB1)リボフラビン(ビタミンB2)、ニコチンアミド、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD、エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、ビタミンE、DL−α−トコフェロール、トコフェロールEアセテート、トコフェロールハイドロゲンスクシネート、ビタミンK1、エスクリン(ビタミンP活性化合物)、チアミン(ビタミンB1)、ニコチン酸(ナイアシン)、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン(ビタミンB6)、パントテン酸、ビオチン、葉酸およびコバラミン(ビタミンB12)、特に好ましくはビタミンAパルミテート、ビタミンCおよびそれらの誘導体、DL−α−トコフェロール、トコフェロールEアセテート、ニコチン酸、パントテン酸およびビオチンから選択されるビタミンならびにビタミン誘導体が優先される。化粧品用途において、ビタミンは、全重量に対して0.01〜5.0重量%の範囲でフラボノイド含有予混合物またはフラボノイド含有組成物と共に通常加えられる。栄養生理学的用途は、各推奨されるビタミンの必要性に依存する。
【0141】
好ましい組成物は、日焼け防止のためにも利用でき、その場合には本発明による化合物および任意の他の成分に加えてUVフィルターも含むことができる。
【0142】
原則として、UVフィルターはすべて、本発明に従って使用するためにDHA誘導体と組み合わせるのに適している。その生理学的受容性がすでに証明されているUVフィルターが特に優先される。UVAとUVBフィルターの両方について、専門家の文献から知られている実績のある物質が数多く存在しており、例えば以下のものがある:
ベンジリデンカンファー誘導体、例えば3−(4'−メチルベンジリデン)−dl−カンファー(例えばEusolex(登録商標)6300)、3−ベンジリデンカンファー(例えばMexoryl(登録商標)SD)、N−{(2および4)−[(2−オキソボロン−3−イリデン)メチル]ベンジル}アクリルアミドのポリマー(例えばMexoryl(登録商標)SW)、N,N,N−トリメチル−4−(2−オキソボロン−3−イリデンメチル)アニリニウムメチルスルフェート(例えばMexoryl(登録商標)SK)または(2−オキソボロン−3−イリデン)トルエン−4−スルホン酸(例えばMexoryl(登録商標)SL)、
ベンゾイルメタンまたはジベンゾイルメタン、例えば1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン(例えばEusolex(登録商標)9020)または4−イソプロピルジベンゾイルメタン(例えばEusolex(登録商標)8020)、
ベンゾフェノン、例えば2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(例えばEusolex(登録商標)4360)または2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびそのナトリウム塩(例えばUvinul(登録商標)MS−40)、
メトキシケイ皮酸エステル、例えばオクチルメトキシシンナメート(例えばEusolex(登録商標)2292)、イソペンチル4−メトキシシンナメート、例えば異性体の混合物(例えばNeo Heliopan(登録商標)E1000)、
サリシレート誘導体、例えば2−エチルヘキシルサリシレート(例えばEusolex(登録商標)OS)、4−イソプロピルベンジルサリシレート(例えばMegasol(登録商標))または3,3,5−トリメチルシクロヘキシルサリシレート(例えばEusolex(登録商標)HMS)、
4−アミノ安息香酸および誘導体、例えば4−アミノ安息香酸、2−エチルヘキシル4−(ジメチルアミノ)ベンゾエート(例えばEusolex(登録商標)6007)、エトキシ化エチル4−アミノベンゾエート(例えばUvinul(登録商標)P25)、
フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、例えば2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸およびそのカリウム、ナトリウムおよびトリエタノールアミンの塩(例えばEusolex(登録商標)232)、2,2−(1,4−フェニレン)ビスベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸およびその塩(例えばNeoheliopan(登録商標)AP)または2,2−(1,4−フェニレン)ビスベンズイミダゾール−6−スルホン酸、
ならびにさらなる物質、例えば
− 2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート(例えばEusolex(登録商標)OCR)、
− 3,3'−(1,4−フェニレンジメチレン)ビス(7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イルメタンスルホン酸およびその塩(例えばMexoryl(登録商標)SX)、
− 2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2'−エチルヘキシル−1'−オキシ)−1,3,5−トリアジン(例えばUvinul(登録商標)T150)、ならびに
− ヘキシル2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾエート(例えばUvinul(登録商標)UVA Plus、BASF)。
【0143】
リストに挙げた化合物は例としてのみみなされるべきである。当然ながら他のUVフィルターも使用できる。
【0144】
さらに適切な有機UVフィルターは、例えば以下のものがある:
− 2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フェノール(例えば、Silatrizole(登録商標)、ドロメトリゾール、トリシロキサン、Mexoryl(登録商標)XL)、
− 2−エチルヘキシル4,4'−[(6−[4−((1,1−ジメチルエチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ]ビス(ベンゾエート)(例えばUvasorb(登録商標)HEB)、
− α−(トリメチルシリル)−ω−[トリメチルシリル)オキシ]ポリ[オキシ(ジメチル)[および約6%のメチル[2−[p−[2,2−ビス(エトキシカルボニル]ビニル]フェノキシ]−1−メチレンエチル]および約1.5%のメチル[3−[p−[2,2−ビス(エトキシカルボニル)ビニル]フェノキシ)プロペニル)および0.1〜0.4%の(メチルハイドロゲン)シリレン]](n=60)(CAS番号207 574−74−1)
− 2,2'−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)(CAS番号103 597−45−1)
− 2,2'−(1,4−フェニレン)ビス(1H−ベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸、モノナトリウム塩(CAS番号180 898−37−7)、ならびに
− 2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(CAS番号103 597−45−,187 393−00−6)。
【0145】
独国特許出願DE−A−10232595に対応するメトキシフラボンまたはPCT出願WO2008/17346A2によるアスコルビン酸誘導体も、さらに適したUVフィルターである。
【0146】
有機UVフィルターは、0.5〜20重量%、好ましくは1〜15重量%の量で配合物に一般に組み込まれる。
【0147】
最適化された紫外線保護を確実にするために、光保護特性を有する組成物については、無機UVフィルターも含むことがさらに好ましい。考えられる無機UVフィルターは、二酸化チタン、例えば、被覆した二酸化チタン(例えば、Eusolex(登録商標)T−2000、Eusolex(登録商標)T−AQUA、Eusolex(登録商標)T−AVO)、酸化亜鉛(例えばSachtotec(登録商標))、酸化鉄、またはさらに酸化セリウムの群からなるものである。これらの無機UVフィルターは、0.5〜20重量%、好ましくは2〜10重量%の量で化粧品組成物に一般に組み込まれる。
【0148】
UVフィルター特性を有する好ましい化合物は、3−(4'−メチルベンジリデン)−dl−カンファー、1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、オクチルメトキシシンナメート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシルサリシレート、2−エチルヘキシル4−(ジメチルアミノ)−ベンゾエート、2−エチルヘキシル2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸、ならびにそれらのカリウム、ナトリウムおよびトリエタノールアミンの塩である。
【0149】
紫外線の悪影響に対する保護作用は、UVフィルター作用を有する前記化合物の1種または複数を合わせることにより最適化できる。
【0150】
前記UVフィルターはすべて、カプセル化形態でも使用できる。特に、カプセル化形態の有機UVフィルターを使用することが有利である。詳細には、以下の利点が生じる:
− カプセル壁の親水性は、UVフィルターの溶解性とは関係なく設定できる。したがって、例えば、疎水性UVフィルターを純粋な水性組成物に組み込むこともできる。さらに、疎水性UVフィルターを含む組成物を施用した際のしばしば不快とみなされる油っぽい印象が抑制される。
− ある種のUVフィルター、特にジベンゾイルメタン誘導体は、化粧品組成物において光安定性の低下のみを示す。これらのフィルター、または例えばケイ皮酸誘導体などのこれらのフィルターの光安定性を損なう化合物のカプセル化は、組成物全体の光安定性を高めることができる。
− 有機UVフィルターによる皮膚浸透、およびヒト皮膚に直接施用したときの付随する刺激可能性が、文献において繰り返し考察されている。ここで提案されている対応する物質のカプセル化は、この作用を抑制する。
− 一般に、相互作用が抑制されるため、個々のUVフィルターまたは他の成分のカプセル化により、結晶化プロセス、沈殿および凝集形成など、個々の組成物の成分が互いに相互作用することにより生じる配合物の問題を回避できる。
【0151】
したがって、上記のUVフィルターの1つまたは複数がカプセル化形態であることが好ましい。ここで、カプセルは、肉眼で見ることができないほど小さいことが有利である。上記の効果を実現するために、カプセルが十分に安定であり、カプセル化活性化合物(UVフィルター)のみが環境にわずかに放出されるか、またはまったく放出されないことがさらに必要である。
【0152】
適切なカプセルは、無機ポリマーまたは有機ポリマーの壁を有することができる。例えばUS6242099B1は、キチン、キチン誘導体またはポリヒドロキシル化ポリアミンの壁を有する適切なカプセルの製造について記載している。使用することが特に好ましいカプセルは、出願WO00/09652、WO00/72806およびWO00/71084に記載されているように、ゾルゲル法により得ることができる壁を有する。ここでは、壁がシリカゲル(シリカ;不定形の酸化水酸化ケイ素)で構築されたカプセルがやはり優先される。対応するカプセルの製造は、例えば、引用した特許出願から当業者に知られており、その内容は本出願の主題にも明確に属する。
【0153】
本発明に従って使用すべき組成物中のカプセルは、カプセル化されたUVフィルターが、上に示された重量%比で組成物中に存在することが確実である量で存在することが好ましい。
【0154】
さらに、本発明に従って使用すべき組成物は、さらに従来の皮膚保護活性化合物またはスキンケア活性化合物を含むことができる。原則として、これらは、当業者に公知のすべての活性化合物であってよい。
【0155】
特にスキンケア組成物に特に好ましい活性化合物は、例えばいわゆる適合溶質でもある。これらは、植物または微生物の浸透圧調節に関与し、これらの生物から単離できる物質である。ここで、適合溶質という総称は、独国特許出願DE−A−10133202に記載の浸透圧調節物質も包含する。適切な浸透圧調節物質は、例えばポリオール、メチルアミン化合物およびアミノ酸、ならびにそれらの各前駆体である。独国特許出願DE−A−10133202の目的のために、浸透圧調節物質は、特にポリオール、例えばミオイノシトール、マンニトールもしくはソルビトールの群からの物質、および/または以下に挙げる浸透圧活性物質の1種もしくは複数:タウリン、コリン、ベタイン、ホスホリルコリン、グリセロホスホリルコリン、グルタミン、グリシン、α−アラニン、グルタメート、アスパルテート、プロリンおよびタウリンを意味すると解釈される。これらの物質の前駆体は、例えばグルコース、グルコースポリマー、ホスファチジルコリン、ホスファチジルイノシトール、無機ホスフェート、タンパク質、ペプチドおよびポリアミノ酸である。前駆体は、例えば、代謝段階で浸透圧調節物質に変換される化合物である。
【0156】
本発明に従って使用するのが好ましい適合溶質は、ピリミジンカルボン酸(例えばエクトインおよびヒドロキシエクトイン)、プロリン、ベタイン、グルタミン、環状ジホスホグリセレート、N−アセチルオルニチン、トリメチルアミンN酸化物、ジ−ミオ−イノシトールホスフェート(DIP)、環状2,3−ジホスホグリセレート(cDPG)、1,1−ジグリセロホスフェート(DPG)、βマンノシルグリセレート(フィロイン)、βマンノシルグリセルアミド(フィロイン−A)および/もしくはジマンノシルジイノシトールホスフェート(DMIP)、または光学異性体、誘導体、例えばこれらの化合物の酸、塩もしくはエステル、またはそれらの組合せからなる群から選択される物質である。
【0157】
ピリミジンカルボン酸の内、エクトイン((S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)およびヒドロキシエクトイン((S,S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)ならびにそれらの誘導体がここで特に挙げられるべきである。これらの化合物は、水溶液および有機溶媒中で酵素および他の生体分子を安定させる。さらに、それらは、例えば、塩、過剰pH値、界面活性剤、尿素、塩化グアニジニウムおよび他の化合物などの変性条件に対して酵素を特に安定させる。
【0158】
エクトインおよびエクトイン誘導体、例えばヒドロキシエクトインは、薬剤で有利に使用できる。特に、ヒドロキシエクトインは、皮膚疾患の治療用薬剤の調製のために使用できる。ヒドロキシエクトインおよび他のエクトイン誘導体の用途の他の分野は、通常、例えばトレハロースを添加物として使用する分野である。したがって、エクトイン誘導体、例えばヒドロキシエクトインは、乾燥酵母および細菌細胞の保護剤として使用できる。医薬品、例えば非グリコシル化された、薬学的に活性なペプチドおよびタンパク質、例えばt−PAも、エクトインまたはその誘導体で保護できる。
【0159】
化粧品用途のうち、老化肌、乾燥肌または敏感肌のケアのためのエクトインおよびエクトイン誘導体の使用が特に挙げられるべきである。したがって、欧州特許出願EP−A−0671161は、特に、エクトインおよびヒドロキシエクトインを、化粧品組成物、例えば粉末、石鹸、界面活性剤含有クレンジング製品、リップスティック、口紅、化粧品(make-up)、ケア用クリームおよび日焼け止め調製物で使用することについて記載している。
【0160】
ここで、次式のピリミジンカルボン酸
【0161】
【化11】

【0162】
(式中、R1は、基HまたはC1〜8アルキルであり、R2は、基HまたはC1〜4アルキルであり、R3、R4、R5およびR6は、各々、互いに独立にH、OH、NH2およびC1〜4アルキルからなる群からの基である)の使用が優先される。R2が、メチル基またはエチル基であり、R1またはR5およびR6がHである、ピリミジンカルボン酸の使用が優先される。ピリミジンカルボン酸のエクトイン((S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)およびヒドロキシエクトイン((S,S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)の使用が特に優先される。この場合、本発明に従って使用すべき組成物は、この種のピリミジンカルボン酸を最大15重量%の量で含むことが好ましい。
【0163】
ここで、適合溶質が、ジ−ミオ−イノシトールホスフェート(DIP)、環状2,3−ジホスホグリセレート(cDPG)、1,1−ジグリセロールホスフェート(DPG)、βマンノシルグリセレート(フィロイン)、βマンノシルグリセルアミド(フィロイン−A)および/もしくはジマンノシルジイノシトールホスフェート(DMIP)、エクトイン、ヒドロキシエクトインまたはそれらの混合物から選択されることが特に好ましい。特に、これらの適合溶質は、水相中に配置される一方で、本発明による化合物は、適合溶質としての使用時に油相中に配置される。
【0164】
本発明による組成物は、さらなる成分として少なくとも1種のセルフタンニング剤をさらに含むことができる。
【0165】
使用できる有利なセルフタンニング剤は、とりわけ
【0166】
【化12】

【0167】
である。
【0168】
新鮮なクルミの殻から抽出される5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(ジュグロン)、
【0169】
【化13】

【0170】
およびヘナの葉に存在する2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(ローソン)
【0171】
【化14】

【0172】
がさらに挙げられるべきである。
【0173】
1,3−ジヒドロキシアセトン(DHA)、
【0174】
【化15】

【0175】
ヒトの体内に存在する三官能性糖(trifunctional sugar)およびその誘導体が非常に特に優先される。
【0176】
本発明による化合物および任意の他の活性化合物は、化粧品組成物、皮膚科用組成物または医薬組成物に通常の方式、例えば混合により組み込むことができる。
【0177】
適切な組成物は、例えばクリーム、ローション、ゲルの形態で、または皮膚にスプレーできる溶液としての外用の組成物である。例えばカプセル剤、被覆錠剤、粉末、錠剤溶液(tablet solutions)または溶液などの投与形態が内用に適している。
【0178】
使用すべき組成物の施用形態の挙げることができる例としては、溶液、懸濁液、エマルジョン、PITエマルジョン、ペースト、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、粉末、石鹸、界面活性剤含有クレンジング調製物、油、エアゾールおよびスプレーがある。好ましい施用形態は、スプレータンニング(spray tans)またはエアブラシタンニング(airbrush tans)として商業的セルフタンニングスタジオ(self-tanning studios)からも知られている、シャンプー、タンニングローションおよびスプレー製品でもある。
【0179】
好ましい補助剤は、保存剤、安定化剤、可溶化剤、着色剤、臭気改善剤の群に由来する。
【0180】
軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、通常のビヒクル、例えば動物性脂肪および植物性脂肪、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、シリカ、タルクおよび酸化亜鉛、またはこれらの物質の混合物を含むことができる。
【0181】
粉末およびスプレーは、通常のビヒクル、例えばラクトース、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末またはこれらの物質の混合物を含むことができる。スプレーは、通常の易揮発性液化噴射剤、例えばクロロフルオロカーボン、プロパン/ブタンまたはジメチルエーテルをさらに含むことができる。圧縮空気も有利に使用できる。
【0182】
溶液およびエマルジョンは、通常のビヒクル、例えば溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば水、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコール、油、特に綿実油、落花生油、小麦胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油、グリセロール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールおよびソルビタン脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物を含むことができる。
【0183】
懸濁液は、通常のビヒクル、例えば液体賦形剤、例えば水、エタノールまたはプロピレングリコール、懸濁媒、例えばエトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステルおよびポリオキシエチレンソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカント、ならびにこれらの物質の混合物を含むことができる。
【0184】
石鹸は、通常のビヒクル、例えば、脂肪酸のアルカリ金属塩、脂肪酸モノエステルの塩、脂肪酸タンパク質加水分解物、イソチオネート、ラノリン、脂肪アルコール、植物油、植物抽出物、グリセロール、糖またはこれらの物質の混合物を含むことができる。
【0185】
界面活性剤含有クレンジング製品は、通常のビヒクル、例えば脂肪アルコールスルフェートの塩、脂肪アルコールエーテルスルフェート、スルホコハク酸モノエステル、脂肪酸タンパク質加水分解物、イソチオネート、イミダゾリニウム誘導体、メチルタウレート、サルコシネート、脂肪酸アミドエーテルスルフェート、アルキルアミドベタイン、脂肪アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物油および合成油、ラノリン誘導体、エトキシ化グリセロール脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物を含むことができる。
【0186】
フェースオイルおよびボディオイルは、通常のビヒクル、例えば合成油、例えば脂肪酸エステル、脂肪アルコール、シリコーン油、天然油、例えば植物油および油性植物抽出物、パラフィン油、ラノリン油またはこれらの物質の混合物を含むことができる。
【0187】
さらに通常の化粧品の施用形態は、リップスティック、リップケアスティック、粉末化粧品、エマルジョン化粧品およびワックス化粧品、ならびに日焼け止め、日焼け前組成物および日焼け後組成物でもある。
【0188】
好ましい組成物の形態としては、特にエマルジョンも挙げられる。
【0189】
エマルジョンは有利であり、例えば前記脂肪、油、ワックスおよび他の脂肪物質、ならびにこの種の組成物に通常使用するような水および乳化剤を含む。
【0190】
脂質相は、以下の群の物質
− 鉱油、鉱物性ワックス
− 油、例えばカプリン酸トリグリセリドまたはカプリル酸トリグリセリド、さらに天然油、例えばヒマシ油など、
− 脂肪、ワックスおよび他の天然および合成の脂肪物質、好ましくは脂肪酸と、低炭素数を有するアルコール、例えばイソプロパノール、プロピレングリコールもしくはグリセロールとのエステル、または脂肪族アルコールと、低炭素数を有するアルカン酸もしくは脂肪酸とのエステル、
− シリコーン油、例えばジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサンおよびそれらの混合形態
から有利に選択できる。
【0191】
本発明の目的のために、エマルジョン、オレオゲルまたは水分散液もしくは脂質分散液の油相は、3〜30個のC原子の鎖長を有する、飽和および/もしくは不飽和の、分岐および/もしくは非分岐のアルカンカルボン酸と、3〜30個のC原子の鎖長を有する、飽和および/もしくは不飽和の、分岐および/もしくは非分岐のアルコールとのエステルの群から、または芳香族カルボン酸と、3〜30個のC原子の鎖長を有する、飽和および/もしくは不飽和の、分岐および/もしくは非分岐のアルコールとのエステルの群から有利に選択される。その場合に、この種のエステル油は、イソプロピルミリステート、イソプロピルパルミテート、イソプロピルステアレート、イソプロピルオレエート、n−ブチルステアレート、n−ヘキシルラウレート、n−デシルオレエート、イソオクチルステアレート、イソノニルステアレート、イソノニルイソノナノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、2−エチルヘキシルラウレート、2−ヘキシルデシルステアレート、2−オクチルドデシルパルミテート、オレイルオレエート、オレイルエルケート、エルシルオレエート、エルシルエルケートおよびこの種のエステルの合成、半合成および天然の混合物、例えばホホバ油の群から有利に選択できる。
【0192】
油相は、分岐および非分岐の炭化水素および炭化水素ワックス、シリコーン油、ジアルキルエーテルの群、または飽和もしくは不飽和の、分岐もしくは非分岐のアルコールおよび脂肪酸トリグリセリド、特に、8〜24個、特に12〜18個のC原子の鎖長を有する、飽和および/もしくは不飽和の、分岐および/もしくは非分岐のアルカンカルボン酸のトリグリセロールエステルの群からさらに有利に選択できる。脂肪酸トリグリセリドは、例えば合成、半合成および天然の油、例えばオリーブ油、ヒマワリ油、大豆油、落花生油、菜種油、アーモンド油、パーム油、ヤシ油、パーム核油などの群から有利に選択できる。
【0193】
この種の油およびワックスの成分の任意の所望の混合物も、本発明の目的のために有利に使用できる。ワックス、例えばセチルパルミテートを、油相の唯一の脂質成分として使用することも有利であり得る。
【0194】
使用すべき組成物の水相は、低炭素数を有するアルコール、ジオールまたはポリオール、およびそれらのエーテル、好ましくはエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテルもしくはエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルもしくはプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルもしくはジエチレングリコールモノエチルエーテルおよび類似生成物、さらに低炭素数を有するアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、1,2−プロパンジオール、グリセロール、ならびに有利には二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、多糖およびその誘導体、例えばヒアルロン酸、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの群から、特に有利にはポリアクリレート、好ましくはいわゆるカルボポール、例えばカルボポールグレード980、981、1382、2984、5984の群からのポリアクリレートから選択できる1種または複数の増粘剤をいずれの場合も個別にまたは組み合わせて場合により含むことが有利である。
【0195】
特に上記の溶媒の混合物が使用される。アルコール溶媒の場合、水がさらなる成分であってよい。
【0196】
エマルジョンは有利であり、例えば前記脂肪、油、ワックスおよび他の脂肪物質、ならびにこの種の配合物に通常使用するような水および乳化剤を含む。
【0197】
好ましい実施形態において、使用すべき組成物は親水性界面活性剤を含む。親水性界面活性剤は、アルキルグルコシド、アシルラクチレート、ベタインおよびココナツアンホアセテートの群から選択されることが好ましい。
【0198】
Plantaren(登録商標)1200(Henkel KGaA)、Oramix(登録商標)NS10(Seppic)など、本発明に従って使用する活性化合物の有効含有量により区別される、天然または合成の原料および補助剤または混合物を使用することが同様に有利である。
【0199】
化粧品組成物および皮膚科用組成物は様々な形態で存在し得る。したがって、それらは、例えば溶液、無水組成物、油中水(W/O)型もしくは水中油(O/W)型のエマルジョンもしくはマイクロエマルジョン、例えば水中油中水(W/O/W)型の多相エマルジョン、ゲル、固形スティック、軟膏またはエアゾールであってよい。例えばコラーゲンマトリックスおよび他の従来のカプセル化材料、例えばセルロースカプセル化、ゼラチン内、ワックスマトリックスまたはリポソームによるカプセル化などカプセル化された形態のエクトインを投与することも有利である。特に、DE−A−4308282に記載されているワックスマトリックスが好ましいことが証明されている。エマルジョンが優先される。O/Wエマルジョンが特に好ましい。エマルジョン、W/OエマルジョンおよびO/Wエマルジョンは、従来の方式で得ることができる。
【0200】
使用できる乳化剤は、例えば公知のW/O乳化剤およびO/W乳化剤である。好ましいO/Wエマルジョン中でさらに従来の共乳化剤を使用することが有利である。
【0201】
O/W乳化剤が飽和基RおよびR'を有する限り、選択した共乳化剤は、例えば、主として11〜16のHLB値を有し、非常に特に有利には14.5〜15.5のHLB値を有する物質の群からのO/W乳化剤であることが有利である。O/W乳化剤が不飽和基Rおよび/もしくはR'を有する場合、またはイソアルキル誘導体が存在する場合、このような乳化剤の好ましいHLB値は、より低い場合もまたはより高い場合もある。
【0202】
脂肪アルコールエトキシレートをエトキシ化ステアリルアルコール、セチルアルコール、セチルステアリルアルコール(セテアリルアルコール)の群から選択することが有利である。以下のものが特に優先される:ポリエチレングリコール(13)ステアリルエーテル(ステアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)ステアリルエーテル(ステアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)ステアリルエーテル(ステアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)ステアリルエーテル(ステアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)ステアリルエーテル(ステアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)ステアリルエーテル(ステアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)ステアリルエーテル(ステアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)ステアリルエーテル(ステアレス−20)、ポリエチレングリコール(12)イソステアリルエーテル(イソステアレス−12)、ポリエチレングリコール(13)イソステアリルエーテル(イソステアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)イソステアリルエーテル(イソステアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)イソステアリルエーテル(イソステアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)イソステアリルエーテル(イソステアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)イソステアリルエーテル(イソステアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)イソステアリルエーテル(イソステアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)イソステアリルエーテル(イソステアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)イソステアリルエーテル(イソステアレス−20)、ポリエチレングリコール(13)セチルエーテル(セテス−13)、ポリエチレングリコール(14)セチルエーテル(セテス−14)、ポリエチレングリコール(15)セチルエーテル(セテス−15)、ポリエチレングリコール(16)セチルエーテル(セテス−16)、ポリエチレングリコール(17)セチルエーテル(セテス−17)、ポリエチレングリコール(18)セチルエーテル(セテス−18)、ポリエチレングリコール(19)セチルエーテル(セテス−19)、ポリエチレングリコール(20)セチルエーテル(セテス−20)、ポリエチレングリコール(13)イソセチルエーテル(イソセテス−13)、ポリエチレングリコール(14)イソセチルエーテル(イソセテス−14)、ポリエチレングリコール(15)イソセチルエーテル(イソセテス−15)、ポリエチレングリコール(16)イソセチルエーテル(イソセテス−16)、ポリエチレングリコール(17)イソセチルエーテル(イソセテス−17)、ポリエチレングリコール(18)イソセチルエーテル(イソセテス−18)、ポリエチレングリコール(19)イソセチルエーテル(イソセテス−19)、ポリエチレングリコール(20)イソセチルエーテル(イソセテス−20)、ポリエチレングリコール(12)オレイルエーテル(オレス−12)、ポリエチレングリコール(13)オレイルエーテル(オレス−13)、ポリエチレングリコール(14)オレイルエーテル(オレス−14)、ポリエチレングリコール(15)オレイルエーテル(オレス−15)、ポリエチレングリコール(12)ラウリルエーテル(ラウレス−12)、ポリエチレングリコール(12)イソラウリルエーテル(イソラウレス−12)、ポリエチレングリコール(13)セチルステアリルエーテル(セテアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)セチルステアリルエーテル(セテアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)セチルステアリルエーテル(セテアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)セチルステアリルエーテル(セテアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)セチルステアリルエーテル(セテアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)セチルステアリルエーテル(セテアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)セチルステアリルエーテル(セテアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)セチルステアリルエーテル(セテアレス−20)。
【0203】
脂肪酸エトキシレートを以下の群から選択することがさらに有利である:ポリエチレングリコール(20)ステアレート、ポリエチレングリコール(21)ステアレート、ポリエチレングリコール(22)ステアレート、ポリエチレングリコール(23)ステアレート、ポリエチレングリコール(24)ステアレート、ポリエチレングリコール(25)ステアレート、ポリエチレングリコール(12)イソステアレート、ポリエチレングリコール(13)イソステアレート、ポリエチレングリコール(14)イソステアレート、ポリエチレングリコール(15)イソステアレート、ポリエチレングリコール(16)イソステアレート、ポリエチレングリコール(17)イソステアレート、ポリエチレングリコール(18)イソステアレート、ポリエチレングリコール(19)イソステアレート、ポリエチレングリコール(20)イソステアレート、ポリエチレングリコール(21)イソステアレート、ポリエチレングリコール(22)イソステアレート、ポリエチレングリコール(23)イソステアレート、ポリエチレングリコール(24)イソステアレート、ポリエチレングリコール(25)イソステアレート、ポリエチレングリコール(12)オレエート、ポリエチレングリコール(13)オレエート、ポリエチレングリコール(14)オレエート、ポリエチレングリコール(15)オレエート、ポリエチレングリコール(16)オレエート、ポリエチレングリコール(17)オレエート、ポリエチレングリコール(18)オレエート、ポリエチレングリコール(19)オレエート、ポリエチレングリコール(20)オレエート。
【0204】
有利に使用できるエトキシ化アルキルエーテルカルボン酸またはその塩は、ナトリウムラウレス−11カルボキシレートである。有利に使用できるアルキルエーテルスルフェートは、ナトリウムラウレス−14スルフェートである。有利に使用できるエトキシ化コレステロール誘導体は、ポリエチレングリコール(30)コレステリルエーテルである。ポリエチレングリコール(25)ソヤステロールも有効であることが証明された。有利に使用できるエトキシ化トリグリセリドは、ポリエチレングリコール(60)月見草グリセリドである。
【0205】
ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステルを、ポリエチレングリコール(20)グリセリルラウレート、ポリエチレングリコール(21)グリセリルラウレート、ポリエチレングリコール(22)グリセリルラウレート、ポリエチレングリコール(23)グリセリルラウレート、ポリエチレングリコール(6)グリセリルカプレート/カプリネート、ポリエチレングリコール(20)グリセリルオレエート、ポリエチレングリコール(20)グリセリルイソステアレート、ポリエチレングリコール(18)グリセリルオレエート/ココエートの群から選択することがさらに有利である。
【0206】
ソルビタンエステルを、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノラウレート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノイソステアレート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノパルミテート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノオレエートの群から選択することが同様に好ましい。
【0207】
以下は、任意選択のW/O乳化剤として使用できるが、それにもかかわらず本発明に従って有利となり得る:
8〜30個の炭素原子を有する脂肪アルコール、8〜24個、特に12〜18個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の分岐および/または非分岐のアルカンカルボン酸のモノグリセロールエステル、8〜24個、特に12〜18個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の分岐および/または非分岐のアルカンカルボン酸のジグリセロールエステル、8〜24個、特に12〜18個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の分岐および/または非分岐のアルコールのモノグリセロールエーテル、8〜24個、特に12〜18個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の分岐および/もしくは非分岐のアルコールのジグリセロールエーテル、8〜24個、特に12〜18個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の分岐および/または非分岐のアルカンカルボン酸のプロピレングリコールエステル、ならびに8〜24個、特に12〜18個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の分岐および/もしくは非分岐のアルカンカルボン酸のソルビタンエステル。
【0208】
特に有利なW/O乳化剤は、グリセリルモノステアレート、グリセリルモノイソステアレート、グリセリルモノミリステート、グリセリルモノオレエート、ジグリセリルモノステアレート、ジグリセリルモノイソステアレート、プロピレングリコールモノステアレート、プロピレングリコールモノイソステアレート、プロピレングリコールモノカプリレート、プロピレングリコールモノラウレート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノカプリレート、ソルビタンモノイソオレエート、スクロースジステアレート、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、イソベヘニルアルコール、セラキルアルコール、キミルアルコール、ポリエチレングリコール(2)ステアリルエーテル(ステアレス−2)、グリセリルモノラウレート、グリセリルモノカプリネート、グリセリルモノカプリレートである。
【0209】
本発明に従って好ましい組成物は、老化過程に対して、および酸化ストレスに対して、すなわち、例えば日光、熱または他の影響により生じるフリーラジカルによって引き起こされる損傷に対してヒトの皮膚を保護するのにも適している。この関連において、該組成物は、この用途のために通常使用する様々な投与形態で存在する。例えば、特に、ローションもしくはエマルジョンの形態、例えばクリームもしくは乳液(O/W、W/O、O/W/O、W/O/W)の形態、油性−アルコール性、油性−水性もしくは水性−アルコール性のゲルもしくは溶液の形態、固形スティックの形態であってよく、またはエアゾールとして配合されてもよい。
【0210】
組成物は、この種の組成物で通常使用する化粧品アジュバント、例えば増粘剤、軟化剤、保湿剤、界面活性剤、乳化剤、保存剤、消泡剤、香料、ワックス、ラノリン、噴射剤、組成物自体または皮膚を着色する染料および/または顔料、ならびに化粧品で通常使用する他の成分などを含むことができる。
【0211】
使用する分散剤または可溶化剤は、油、ワックスもしくは他の脂肪物質、低級モノアルコールもしくは低級ポリオールまたはそれらの混合物であってよい。特に好ましいモノアルコールまたはポリオールとしては、エタノール、i−プロパノール、プロピレングリコール、グリセロールおよびソルビトールが挙げられる。
【0212】
本発明の好ましい実施形態は、例えば脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、特に脂肪酸トリグリセリド、ラノリン、天然および合成の油またはワックス、ならびに乳化剤を水の存在下で含む保護クリームまたは乳液の形態のエマルジョンである。
【0213】
さらに好ましい実施形態は、天然または合成の油およびワックス、ラノリン、脂肪酸エステル、特に脂肪酸トリグリセリドに基づく油性ローション、エタノールなどの低級アルコール、プロピレングリコールなどのグリコールおよび/またはグリセロールなどのポリオール、ならびに油、ワックスおよび脂肪酸トリグリセリドなどの脂肪酸エステルに基づく油性−アルコール性ローションである。
【0214】
組成物は、エタノール、プロピレングリコールまたはグリセロールなどの1種または複数の低級アルコールまたはポリオール、ならびにケイ質土などの増粘剤を含むアルコール性ゲルの形態であってもよい。油性−アルコール性ゲルは、天然または合成の油またはワックスも含む。
【0215】
固形スティックは、天然または合成のワックスおよび油、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、ラノリンならびに他の脂肪物質からなる。
【0216】
組成物をエアゾールとして配合する場合、従来の噴射剤、例えばアルカン、フルオロアルカンおよびクロロフルオロアルカン、好ましくはアルカンを一般に使用する。
【0217】
使用すべき組成物は、当業者に周知の技法の補助により調製できる。
【0218】
上に記載の組成物は、前記必須のまたは任意選択の成分(constitutents/ingredients)を含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなるものであってよい。
【0219】
さらなる所見がなくとも、当業者は、最も広い範囲において上記説明を利用できるであろうことが想定される。したがって、好ましい実施形態および例は、何らまったく限定するものではない単なる説明的開示とみなされるべきである。上記および以下に挙げられているすべての特許出願および刊行物の完全な開示内容は、参照により本出願に組み込まれている。
【0220】
以下に示す本発明による主題の例は、単に説明のために利用され、本発明を決して限定するものではない。さらに、記載の発明は、特許請求の範囲に規定する範囲全体で行うことができる。組成物中で使用できるすべての化合物または成分は、公知であり、市販されているか、または公知の方法で合成できる。使用する原料のINCI名を示す(INCI名は、定義上英語で示される)。
【0221】
例において別段の指示がない限り、NMRスペクトルを、20℃にて、重水素ロックを伴う5mmの1H/BB広帯域ヘッドを有するBruker Avance300分光計で、重水素化された溶媒中の溶液について測定した。1H−NMRの測定周波数は、300.13MHzである。
【実施例】
【0222】
例1:6−カルボキシ−2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムオクタノエート
【0223】
【化16】

【0224】
エクトイン20gを、100mlのビーカー内で水25mlに溶解させ、次いでオクタン酸22.3mlを、室温で撹拌しながら加える。この反応液を、室温でさらに1時間撹拌し、次いで水浴を備えたロータリーエバポレーターで約60℃にて蒸発乾燥させ、白色のワックス様塊を残す。
【0225】
例2:ベンジルトリメチルアンモニウム2−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−4−カルボキシレート
【0226】
【化17】

【0227】
エクトイン17gを、磁気撹拌棒を備えた250mlのプラスチックビーカー内で水25mlに溶解させる。次いで水酸化ベンジルトリメチルアンモニウム50gを、室温で撹拌しながら加える。この反応混合物を、室温でさらに約30分撹拌し、次いで水浴を備えたロータリーエバポレーターで約90℃にて蒸発乾燥させ、透明でわずかに粘性の液体を残す。
1H NMR(d6−DMSO):δ=7.54(m,5H)、4.54(s,2H)、3.72(m,1H)、3.04(s,9H)、2.80(m,2H)、2.03(m,1H)、1.75(s,3H)、1.66(m,2H)。
【0228】
例3:2−ヒドロキシエチルジメチルアンモニウム2−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−4−カルボキシレート
【0229】
【化18】

【0230】
エクトイン42.65gを、250mlのビーカー内で水60mlに溶解させ、次いで2−(ジメチルアミノ)エタノール30mlを、室温で撹拌しながら加える。この反応液を、室温でさらに1時間撹拌し、次いで水浴を備えたロータリーエバポレーターで約60℃にて蒸発乾燥させ、白色の固体を残す。
【0231】
例4:1−(3−スルホプロピル)ピリジニウム2−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−4−カルボキシレート
【0232】
【化19】

【0233】
エクトイン35.26gを、250mlのビーカー内で水50mlに溶解させ、次いで3−ピリジノプロパン−1−スルホネート50gを、室温で撹拌しながら加える。この反応液を、室温でさらに1時間撹拌し、次いで水浴を備えたロータリーエバポレーターで約60℃にて蒸発乾燥させ、白色の固体を残す。
【0234】
例5:6−カルボキシ−2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムハイドロゲンスルフェート
【0235】
【化20】

【0236】
エクトイン20gを、磁気撹拌棒を備えた250mlのプラスチックビーカー内で水25mlに溶解させる。次いで、96〜97%の硫酸7.83mlを、室温で撹拌しながら加える。この反応混合物を、室温でさらに約30分撹拌し、次いで水浴を備えたロータリーエバポレーターで約90℃にて蒸発乾燥させ、透明で粘性の高い液体を残す。
【0237】
例6:6−カルボキシ−2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムトリフルオロメタンスルホネート
【0238】
【化21】

【0239】
エクトイン20gを、磁気撹拌棒を備えた250mlのプラスチックビーカー内で水25mlに溶解させる。次いで、トリフルオロメタンスルホン酸21.16gを、室温で撹拌しながら加える。この反応混合物を、室温でさらに約30分撹拌し、次いで水浴を備えたロータリーエバポレーターで約90℃にて蒸発乾燥させ、透明でわずかに粘性の液体を残す。
【0240】
例7:6−カルボキシ−2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド
【0241】
【化22】

【0242】
エクトイン20gを、磁気撹拌棒を備えた250mlのプラスチックビーカー内で水25mlに溶解させる。次いで、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド56.63gを、室温で撹拌しながら加える。反応混合物を、室温でさらに約30分撹拌し、次いで水浴を備えたロータリーエバポレーターで約90℃にて蒸発乾燥させ、透明でわずかに粘性の液体を残す。
1H NMR(d6−DMSO):δ=4.25(t,1H)、3.34(m,1H)、3.17(m,1H)、2.50(m,1H)、2.14(s,3H)、2.05(m,2H)。
【0243】
例8:6−カルボキシ−2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムパルミテート
【0244】
【化23】

【0245】
エクトイン20gを、磁気撹拌棒を備えた250mlのプラスチックビーカー内で水25mlに溶解させ、次いでパルミチン酸36.894gを、室温で撹拌しながら加える。この反応混合物を、室温でさらに30分撹拌し、次いで水浴を備えたロータリーエバポレーターで約90℃にて蒸発乾燥させ、白色の固体を残す。融点61℃。
【0246】
例9:6−カルボキシ−2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムステアレート
【0247】
【化24】

【0248】
エクトイン20gを、250mlの丸底フラスコ内で水25mlに溶解させ、次いでステアリン酸41.352gを、室温で撹拌しながら加える。反応混合物を、室温でさらに30分撹拌し、次いで水浴を備えたロータリーエバポレーターで約90℃にて蒸発乾燥させ、白色の固体を残す。融点69℃。
【0249】
例10:W/Oエマルジョン
【0250】
【表3】

【0251】
調製:Pelemol(登録商標)BIP、Arlasolve DMIおよび乳化剤を、最初に導入する。ベンジルトリメチルアンモニウム2−メチル−3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−4−カルボキシレートおよびUvinul(登録商標)A Plusをそこに溶解させる。油相の残りの成分を加え、均一に混合する。pH=4〜5に調整した水相を、撹拌しながら乳化する。次いで、混合物を均一化する。
【0252】
例11:W/Oエマルジョン
【0253】
【表4】

【0254】
調製:Pelemol(登録商標)BIP、Arlasolve DMIおよび乳化剤を、最初に導入する。6−カルボキシ−2−メチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウムオクタノエートおよびUvinul(登録商標)A Plusをそこに溶解させる。油相の残りの成分を加え、均一に混合する。pH=4〜5に調整した水相を、撹拌しながら乳化する。次いで、混合物を均一化する。
【0255】
例12:防水日焼け止めスプレー(Water-resistant sunscreen spray)
【0256】
【表5】

【0257】
調製:相Aの成分を室温で合わせ、撹拌する。次いで、相Bを混合し、相Aに撹拌しながら加える。
【0258】
例13:防水日焼け止めスプレー
【0259】
【表6】

【0260】
調製:相Aの成分を室温で合わせ、撹拌する。次いで、相Bを混合し、相Aに撹拌しながら加える。
【0261】
例14:ポンプ式ヘアスプレー
【0262】
【表7】

【0263】
調製:予備溶解相A。相Bを相Aに撹拌しながら加える。予混合相Cを残りに加えて、均一な混合物が形成されるまで撹拌する。
【0264】
例15:ポンプ式ヘアスプレー
【0265】
【表8】

【0266】
調製:予備溶解相A。相Bを相Aに撹拌しながら加える。予混合相Cを残りに加えて、均一な混合物が形成されるまで撹拌する。
【0267】
例16:W/Oエマルジョン
【0268】
【表9−1】

【0269】
【表9−2】

【0270】
例17:W/Oエマルジョン
【0271】
【表10−1】

【0272】
【表10−2】

【0273】
例18:ヘアケア配合物
【0274】
【表11】

【0275】
例19:ヘアケア配合物
【0276】
【表12】

【0277】
例20:ヘアケア配合物
【0278】
【表13】

【0279】
例21:ヘアケア配合物
【0280】
【表14】

【0281】
例22:O/Wエマルジョン
【0282】
【表15−1】

【0283】
【表15−2】

【0284】
例23:O/Wエマルジョン
【0285】
【表16−1】

【0286】
【表16−2】

【0287】
例24:O/Wエマルジョン
【0288】
【表17−1】

【0289】
【表17−2】

【0290】
例25:O/Wエマルジョン
【0291】
【表18−1】

【0292】
【表18−2】

【0293】
例26:O/Wエマルジョン
【0294】
【表19−1】

【0295】
【表19−2】

【0296】
例27:O/Wエマルジョン
【0297】
【表20−1】

【0298】
【表20−2】

【0299】
例28:ヒドロ分散液(ローションおよびスプレー)
【0300】
【表21−1】

【0301】
【表21−2】

【0302】
例29:ヒドロ分散液(ローションおよびスプレー)
【0303】
【表22−1】

【0304】
【表22−2】

【0305】
例30:水性配合物および水性/アルコール性配合物
【0306】
【表23−1】

【0307】
【表23−2】

【0308】
例31:水性配合物および水性/アルコール性配合物
【0309】
【表24−1】

【0310】
【表24−2】

【0311】
例32:化粧用フォーム(schaume)
【0312】
【表25】

【0313】
例33:化粧用フォーム
【0314】
【表26−1】

【0315】
【表26−2】

【0316】
例34:化粧用フォーム
【0317】
【表27】

【0318】
例35:化粧用フォーム
【0319】
【表28】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピリミジンカルボン酸誘導体が、カチオン成分またはアニオン成分を表し、塩酸エクトインが除外されることを特徴とする、カチオン成分およびアニオン成分を含む化合物。
【請求項2】
前記ピリミジンカルボン酸誘導体が、中性ピリミジンカルボン酸誘導体のプロトン化によりカチオン成分に、または中性ピリミジンカルボン酸誘導体の脱プロトン化によりアニオン成分に変換されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
前記中性ピリミジンカルボン酸誘導体が、エクトインまたはヒドロキシエクトインであることを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物。
【請求項4】
一般式(I)に一致することを特徴とする、請求項1〜3の一項または複数項に記載の化合物
【化1】

[式中、基は、以下
0=H、または1〜12個のC原子を有するアルキル、
1=H、または1〜4個のC原子を有するアルキル、
2、R3、R4、R5=各々互いに独立にH、OH、NH2または1〜4個のC原子を有するアルキル、
6=H、または1〜8個のC原子を有するアルキル、
-=[R9C(O)O]-、[RFC(O)O]-、[R9SO3-、[RFSO3-、[R9OSO3-、[RFOSO3-、[(RFSO22N]-、[(R9SO22N]-、[(RFC(O))2N]-、[(R9C(O))2N]-、[(RFSO2)(RFC(O))N]-、[(R9SO2)(R9C(O))N]-、[(FSO23C]-、[(RFSO23C]-、[(R9SO23C]-、[CCl3C(O)O]-、[(CN)3C]-、[(CN)2CR9-、[(R9O(O)C)2CR9-、[P(RFy6-y-、[P(C65y6-y-、[R92P(O)O]-、[R9P(O)O22-、[(R9O)2P(O)O]-、[(R9O)P(O)O22-、[(R9O)(R9)P(O)O]-、[RF2P(O)O]-、[RFP(O)O22-、[(RF2P(O)]2-、[BFzF4-z-、[BFz(CN)4-z-、[B(C654-、[B(C654-、[B(OR94-、[N(CF32-、[N(CN)2-、[AlCl4-、[SiF62-、[R9OSO3-、[HSO4-、Br-、[SO42-、[SCN]-、[NO3-、[AlCl4-、[Al2Cl7-、[SnCl3-、[CO32-、[SbF6-および[AsF6-
のとおり定義され、
式中、置換基RFは各々互いに独立に
− 1〜20個のC原子を有する過フッ素化された直鎖または分岐のアルキル、
− 2〜20個のC原子および1つまたは複数の二重結合を有する過フッ素化された直鎖または分岐のアルケニル、
− ペルフルオロアルキル基で置換されていてもよい、3〜7個のC原子を有する過フッ素化された飽和、部分不飽和または完全不飽和のシクロアルキル、特にフェニル
を示し、
置換基RFは、単結合または二重結合により対になって互いに結合していてもよく、
隣接しておらず、ヘテロ原子に対してα位にないRFの1個もしくは2個の炭素原子は、基−O−、−C(O)−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−SO2O−、−N=、−N=N−、−NH−、−NR'−、−PR'−および−P(O)R'−から選択される原子ならびに/もしくは原子団で置き換えられていてもよく、または末端基R'−O−SO2−もしくはR'−O−C(O)−を有していてもよく、式中、R'は、1〜6個のC原子を有する非フッ素化、部分フッ素化もしくは過フッ素化されたアルキル、3〜7個のC原子を有する飽和もしくは部分不飽和のシクロアルキル、−C65を含む非置換もしくは置換のフェニル、または非置換もしくは置換の複素環を示し、
置換基R9は各々互いに独立に
− H、
− 1〜20個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル、
− 2〜20個のC原子および1つまたは複数の二重結合を有する直鎖または分岐のアルケニル、
− アルキル基で置換されていてもよい、3〜7個のC原子を有する飽和、部分不飽和または完全不飽和のシクロアルキル、特にフェニル
を示し、
複数の置換基R9は、単結合または二重結合により対になって互いに結合していてもよく、
隣接しておらず、α位にないR9の1個または2個の炭素原子は、基−O−、−C(O)−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−SO2O−、−N=、−N=N−、−NH−、−NR'−、−PR'−、−P(O)R'−、−P(O)R'O−、−OP(O)R'O−、−PR'2=N−、−C(O)NH−、−C(O)NR'−、−SO2NH−および−SO2NR'から選択される原子ならびに/または原子団で置き換えられていてもよく、式中、R'は、1〜6個のC原子を有する非フッ素化、部分フッ素化もしくは過フッ素化されたアルキル、3〜7個のC原子を有する飽和もしくは部分不飽和のシクロアルキル、−C65を含む非置換もしくは置換のフェニル、または非置換もしくは置換の複素環を示し、
y=0、1、2、3、4、5または6、
z=0、1、2、3または4である]。
【請求項5】
一般式(II)に一致することを特徴とする、請求項1〜3の一項または複数項に記載の化合物
【化2】

[式中、基は、以下
0=H、または1〜12個のC原子を有するアルキル、
1=H、または1〜4個のC原子を有するアルキル、
2、R3、R4、R5=各々互いに独立にH、OH、NH2または1〜4個のC原子を有するアルキル、
+=アンモニウム[N(R74+
ホスホニウム[P(R74+
ウロニウム[((R72N)−C(=OR8)(N(R72)]+
チオウロニウム[((R72N)−C(=SR8)(N(R72)]+
グアニジニウム[C((N(R723+
スルホニウム[S(R73+
または複素環カチオン[HetN]+
のとおり定義され、
式中、R7、R8は各々互いに独立に
− H、ただし、[(R74N]+の場合、最大2つのR7がHであり、R8についてはHは除外され、
− OR'、NR'2、ただし、[(R74N]+の場合、最大1つのR7がOR'、NR'2であり、[((R72N)−C(=OR8)(N(R72)]+および[((R72N)−C(=SR8)(N(R72)]+の場合、OR'、NR'2は除外され、
− CN、ただし、[N(R74+、[P(R74+、[((R72N)−C(=OR8)(N(R72)]+および[((R72N)−C(=SR8)(N(R72)]+の場合、CNは除外され、
− 1〜20個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル、
− 2〜20個のC原子および1つまたは複数の二重結合を有する直鎖または分岐のアルケニル、
− 2〜20個のC原子および1つまたは複数の三重結合を有する直鎖または分岐のアルキニル、
− 1〜6個のC原子を有するアルキル基で置換されていてもよい、3〜7個のC原子を有する飽和、部分不飽和または完全不飽和のシクロアルキル
を示し、
1つまたは複数のR7、R8は、ハロゲン、特に−Fおよび/もしくは−Clで部分的にまたは完全に、または−OH、−OR'、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR'2、−SO2NR'2、−C(O)X、−SO2OH、−SO2X、−NO2もしくは−(CH2n−フェニルで部分的に置換されていてもよく、隣接しておらず、α位にないR7の1個または2個の炭素原子は、基−O−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−SO2O−、−C(O)−、−C(O)O−、−N+R'2−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SO2NR'−、−OP(O)R'O−、−P(O)(NR'2)NR'−、−PR'2=N−または−P(O)R'−から選択される原子および/または原子団で置換されていてもよく、
式中、n=1〜4であり、R'=H、非フッ素化、部分フッ素化または過フッ素化されたC1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、非置換または置換のフェニルであり、X=ハロゲンであり、
複素環カチオン[HetN]+は、以下の群
【化3−1】

【化3−2】

【化3−3】

から選択され、
置換基R1'、R2'、R3'およびR4'は各々互いに独立に
− H、−CN、−OR'、−NR'2、−P(O)R'2、−P(O)(OR')2、−P(O)(NR'22、−C(O)R'、−C(O)OR'、
− 1〜20個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル、
− 2〜20個のC原子および1つまたは複数の二重結合を有する直鎖または分岐のアルケニル、
− 2〜20個のC原子および1つまたは複数の三重結合を有する直鎖または分岐のアルキニル、
− 1〜6個のC原子を有するアルキル基で置換されていてもよい、3〜7個のC原子を有する飽和、部分不飽和または完全不飽和のシクロアルキル
− 飽和、部分不飽和または完全不飽和のヘテロアリール
− ヘテロアリールC1〜C6アルキルまたはアリールC1〜C6アルキル、
を示し、
置換基R1'、R2'、R3'および/またはR4'は一緒に環系を形成していてもよく、
1つまたは複数の置換基R1'〜R4'は、ハロゲン、特に−Fおよび/もしくは−Cl、または−OH、−OR'、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR'2、−SO2NR'2、−C(O)X、−SO2OH、−SO2X、−NO2もしくは−(CH2n−フェニルで部分的または完全に置換されていてもよいが、R1'およびR4'は同時にハロゲンで完全に置換できず、
隣接しておらず、ヘテロ原子に結合していない1つまたは2つの置換基R1'〜R4'炭素原子は、基−O−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−SO2O−、−C(O)−、−C(O)O−、−N+R'2−、−P(O)R'O−、−C(O)NR'−、−SO2NR'−、−OP(O)R'O−、−P(O)(NR'2)NR'−、−PR'2=N−または−P(O)R'−から選択される原子および/または原子団で置き換えられていてもよく、
式中、n=1〜4であり、R'=H、非フッ素化、部分フッ素化または過フッ素化されたC1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、非置換または置換のフェニルであり、X=ハロゲンである]。
【請求項6】
一般式が、
【化4】

(式中、R2はHまたはヒドロキシル基の意味を有する)
から選択されることを特徴とする、請求項4〜5の一項または複数項に記載の化合物。
【請求項7】
-が、
[R9C(O)O]-、[R9O(CH2CH2O)nCH2C(O)O]-、[R9SO3-、[R9O(CH2CH2O)nSO3-、[R9OSO3-、[HSO4-、[CF3SO3-、[(CF3SO22N]-、[P(RFy6-y-、[P(C65y6-y-、[B(CN)4-またはN(CN)2-
(式中、R9が、1〜36個のC原子を有する直鎖もしくは分岐のアルキル、または2〜36個のC原子および1つもしくは複数の二重結合を有する直鎖もしくは分岐のアルケニルであり、
Fが、1〜36個のC原子を有する過フッ素化された直鎖もしくは分岐のアルキル、または2〜36個のC原子および1つもしくは複数の二重結合を有する過フッ素化された直鎖もしくは分岐のアルケニルであり、
n=2、3、4、または5であり、ならびに
y=0、1、2、3、4、5または6である)
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
+が、[HetN]+および[N(R74+
[式中、R7は、いずれの場合も互いに独立に、
− H、ただし、最大2つのR7がHであり、
− OR'、NR'2、ただし、最大1つのR7がOR'、NR'2であり、
− 1〜20個のC原子を有する直鎖または分岐のアルキル、
− 2〜20個のC原子および1つまたは複数の二重結合を有する直鎖または分岐のアルケニル、
− 2〜20個のC原子および1つまたは複数の三重結合を有する直鎖または分岐のアルキニル、
− 1〜6個のC原子を有するアルキル基で置換されていてもよい、3〜7個のC原子を有する飽和、部分不飽和または完全不飽和のシクロアルキル
を示し、
1つまたは複数のR7は、ハロゲン、特に−Fおよび/もしくは−Clで部分的にまたは完全に、または−OH、−OR'、−CN、−C(O)OH、−C(O)NR'2、−SO2NR'2、−C(O)X、−SO2OH、−SO2X、−NO2もしくは−(CH2n−フェニルで部分的に置換されていてもよく、隣接しておらず、α位にないR7の1個または2個の炭素原子は、基−O−、−S−、−S(O)−、−SO2−、−SO2O−、−C(O)−、−C(O)O−、−N+R'2−、−P(O)R’O−、−C(O)NR’−、−SO2NR'−、−OP(O)R'O−、−P(O)(NR'2)NR'−、−PR'2=N−または−P(O)R'−から選択される原子および/または原子団で置換されていてもよく、
式中、n=1〜4であり、R'=H、非フッ素化、部分フッ素化または過フッ素化されたC1〜C6アルキル、C3〜C7シクロアルキル、非置換または置換のフェニルであり、X=ハロゲンであり、
複素環カチオン[HetN]+は、請求項5に定義されているとおりである]
からなる群から選択されることを特徴とする、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
+が、1,3−ジアルキルイミダゾリウム、[(HO3S)(CH2n(NC55)]+、[N(Cn2n+13(CH265)]+および[NH(Cn2n+12((CH2nOH)]+(式中、m=2、3または4およびn=1、2または3である)からなる群から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
前記中性ピリミジンカルボン酸誘導体が、好ましくは、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、HNO3、H2SO4もしくはHClからなる群から選択されることが好ましい、遊離ブレンステッド酸を使用するプロトン化により四級化されるか、または複素環化合物、アミン、水酸化テトラアルキルアンモニウムおよびホスフィンからなる群から選択されることが好ましい、塩基による脱プロトン化により化合物に変換される、請求項1〜9の一項または複数項に記載の化合物の調製方法。
【請求項11】
イオン性液体としての請求項1〜9の一項または複数項に記載の化合物の使用。
【請求項12】
化粧品活性化合物としての請求項1〜9の一項または複数項に記載の化合物の使用。
【請求項13】
医薬製剤、化粧品配合物または皮膚科用製剤での請求項1〜9の一項または複数項に記載の化合物の使用。
【請求項14】
請求項1〜9の一項または複数項に記載の少なくとも1種の化合物を含む組成物。
【請求項15】
請求項1〜9の一項に記載の化合物を、化粧品に、皮膚科用にもしくは薬学的に、または食品に適したビヒクルと混合することを特徴とする、請求項14に記載の組成物の調製方法。

【公表番号】特表2011−526263(P2011−526263A)
【公表日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−515177(P2011−515177)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【国際出願番号】PCT/EP2009/004447
【国際公開番号】WO2010/000396
【国際公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】