説明

医用画像ビューア

医用画像ビューアアプリケーションは、グレースケール画像を処理し、かつインタラクティブに表示する。当該グレースケール画像は、より低いグレースケールレンジのために最適化されたプラットフォーム上でより高いグレースケールレンジ(ビット深度)を有する。
当該アプリケーションは、更にウインドウセンター及びウインドウ幅のユーザーによる選択に基づいてピクセル計算を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
世界中の医師は、患者を診断し疾患を治療するのを支援し、同僚と協力して、意志決定サポートと教育を提供するために医用画像にアクセスする。医師は、病院、医院を含む種々の場所、並びに高解像度専用表示、PC、携帯電話、PDA等を含むが、これらに限定されない各種機器上で医用画像を表示する。
【0002】
臨床的品質の画像は、12ビット以上の深度であり得、4096以上のグレーの諧調で表示することができる。この広いグレースケールのレンジは、(腫瘍、カルシウム沈着および骨折など)の非常に小さい病理学上又は構造上の異常が、診断目的のためのヒト目に見えることを可能にする。ウェブ・ベースのプラットフォーム上で充分なグレースケール再生の提供は、挑戦である。多くの既存の解決策がオペレーティングプラットフォーム(例えば、Windows、MacおよびLinux)に特定の実装(例えばActiveX control、Netscape plug−in)を要求している。「純粋な」ウェブブラウザに基づいた解決策は、ウェブサーバーがすべての提供し得る状況のために画像を生成し、送達することを要求する。このアプローチは、まさにサーバーおよびネットワークの集約であるので、このアプローチでインタラクティブ操作を達成することは非常に難しい。インターネットに基づいた解決にこれらのアプローチを推定することはさらに難しい。レンダリングは、画像用の仕様をコンピューター・スクリーン(例えば、アドビ・フラッシュ、マイクロソフトSilverlight)上の表示用ピクセルに変換するレンダリングエンジンの使用によって、ときとして促進される。レンダリングエンジンは専門のソフトウェアまたはハードウェア構成を含み得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
医用画像(例えば、DICOM画像)のインタラクティブ操作を可能にする専用ハードウェアおよびソフトウェアに典型的には依存する従来の技術は、パーソナルコンピュータ、携帯電話および他のモバイルデバイス上で動作するウェブブラウザなどの、特定の限定されたバンド幅およびコンピュータ環境においては動作不能である。これらの限定された環境での現在のアプローチは、画像のフル(full)ビット深度のインタラクティブ操作および表示を可能にしない。これらの従来のアプローチは、当該分野における医師による、許容可能な性能または有用性を提供するものではない。これらの限定された環境において使用されるさらに他のアプローチは、データを前処理し、連続的にクライアントに最更新された画像を送るサーバーに依存している。これらのアプローチは一般的計算及びバンド幅集約的な方法であり、同時にユーザーの大多数に役立つかどうかの点については限定があるが、スケーラビリティ、帯域幅および効率に限定がある。他のアプローチは専用ソフトウェアアプリケーションを必要とする。
【0004】
例えば、従来のビューアの1つのタイプは、ユーザーのコンピュータへの所有権を主張できるダウンロード可能な「クライアント」を必要とするソフトウェアに頼っている。病院の内部で使用された時、このアプローチはダウンロード可能なクライアントをサポートしなければならない病院IT部に確認を要求する。更に、連続的な色調、臨床の品質画像、12〜16またはそれ以上のビット深度を有することができる。また、いくつかの臨床の確認アプリケーションは、十分な性能でそのレンジのサブセットを視覚化する能力を必要とする。いくつかの商用のレンダリングエンジン、例えば、Adobe(登録商標)Flash(登録商標)プレーヤーは、8ビットの連続色調ピクセルデータ上でのみ動作することができ、レンダリング可能なトゥルー・カラー画像を扱うために設計されており最適化される。これらのエンジンにのみ基づいた医用画像ビューアは、診断目的のためのあまりにもわずかのグレーの濃淡に限定され得る。更に、これらのビューアは、臨床用途のためにインタラクティブ操作を十分に速く行なわないであろう。
【0005】
本明細書に述べられた技術は、先行技術中で既知の追加の方法並びに上述のような従来のアプリケーションに関して逸脱している。特に本明細書の実施形態は、ユーザーが比較的高いビット深度を見て、上述したとおりの限定された環境において操作可能な診断の確認のためのこれらの画像の表示とインタラクトすることができる。これらの環境の例は、市場で入手し得るレンダリングエンジンを有する、標準的なパーソナルコンピュータおよびモバイルデバイス上で利用可能である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
例えば、さらに本明細書に記載されているとおりの技術は、第1ビット深度を有する第1画像を得ること、サブレンジ画像セットを生成することを含み、各セットがそれぞれ第2ビット深度でサブレンジ画像を含み、当該技術はさらに、表示のためにサブレンジ画像を選ぶことを含んでいる。前記技術は、さらに、第2ビット深度で選択されたサブレンジ画像上でピクセル計算を実行するのに動作可能なレンダリングエンジンでの選択されたサブレンジ画像上でピクセル計算を実行すること、当該レンダリングエンジンを用いて画像を表示することを含んでいる。かかる技術は、ピクセル毎の深度が8ビット以上の画像に関するピクセル毎の特定の計算のインタラクティブ表示を許可する、加速された計算を提供する。
【0007】
他の技術は、連続色調デジタル画像上で特定の医学的に関連する計算のインタラクティブ視覚化を可能にすることを含んでいる。より明確には、当該方法は、一般的に利用可能な、最適化された8ビットの赤緑青(RGB)のピクセル毎のデジタル画像計算を実行し得るレンダリングエンジンを利用している。
【0008】
ピクセル毎にわずか8ビットしかないソース画像上で計算を行なう場合、インタラクティブ計算は利用可能な最適化された8ビットRGB動作で達成される。ソース画像が1つのピクセルル毎8ビットを超える時、8ビットまで写像する単純な構造は正確に画像のサブレンジ上で計算(したがって視覚化)を扱わない。この問題の1つの例が医用画像に生じる。ピクセルデータ上の「関心値」の一次変換を視覚化する場合である(一般的にウィンドウィングおよびレベリングと呼ばれる)。
【0009】
一例は、1つのピクセル毎12ビット(12ビットの画像深度)を含める頭の典型的なCT画像の視覚化である。ユーザーがヒトの脳において見出されるように組織の厚さにおける少しの変化を視覚化することに興味を持っていれば、画像の一次変換がソース画像からピクセル値を狭い範囲で注目するように要求される。フル12ビットレンジから8ビット画像への直接の線形写像を使用することは重大なグレースケールの価値の損失を引き起こすが、さもなければオリジナルソース画像で利用可能である。強引に計算することは可能であるが、典型的な画像のための計算の数により、このアプローチは医用画像と表示に許容可能なインタラクティブな視覚化を生産することはない。
【0010】
本明細書のさらに他の実施形態は、上述のとおりに要約され、以下に詳細に開示される工程及び動作を実行するためのソフトウエアプログラムを含んでいる。ひとつのそのような実施形態は、コンピュータプログラム製品を含んでおり、当該コンピュータプログラムプロダクトはコンピュータ・読み取り可能な媒体を有し、当該媒体は、当該媒体上でエンコードされるコンピュータプログラム論理を含んでおり、メモリーとプロセッサと表示の結合を有するコンピュータ化されたデバイスで実行されるとき、プロセッサが本明細書に開示された動作を実行するようにプログラムされる。そのような構成は、光学的媒体(例えば、CD−ROM)、フロッピー又はハードディスク若しくは1つ以上のROMチップ又はRAMチップ又はPROMチップにおけるファームウェア又はマイクロコードなどの他の媒体などのコンピュータ読み取り可能な媒体上で配列され、又はエンコードされるソフトウェア、コード、及び/又は他のデータ(例えば、データ構造)として提供されるか、あるいは特定アプリケーション集積回路(ASIC)として提供される。ソフトウェアまたはファームウェア、または他のそのような形態は、コンピュータ化されたデバイスに、本明細書で説明した技術を実行させる、コンピュータ化されたデバイス上でインストールすることができる。
【0011】
本発明の前述の目的及び他の目的、特徴並びに利点は、添付図面において図示されたとおりの、本発明の好ましい実施形態の、以下のより詳しい説明から明らかになるであろう。同様の参照符号は、異なる図面を通じて同一の部分を指す。図面は、実施形態、原理および概念を説明することを強調していて、必ずしも縮尺どおりではない。明瞭さについては、図面への画像のうちのいくつかはグレースケールに反転されている(例えば、黒から白、及び白から黒)。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】先行技術に係るインドウ・センターよびウインドウ幅並びに結果として生じる表示画像の選択の医用画像選択の8ビットの表示を示す図である。
【図2】本明細書の実施形態によるウインドウセンター(WC)およびウインドウ幅(WW)並びに結果として生じる表示画像の選択のためのツールを含むユーザ・インターフェースを示す図である。
【図3A】本明細書の実施形態によるウインドウセンターおよびウインドウ幅の第1選択を有するサブレンジ画像を表示するスクリーンの図である。
【図3B】ウインドウセンターおよびウインドウ幅の第2選択を有する図3Aのサブレンジ画像を表示するスクリーンの図である。
【図4A】図4Aは、本明細書の実施形態によるSROIの第1選択を有するレンダリング画像より比較的高い画像ビット深度のオリジナル画像のヒストグラムの図である。
【図4B】本明細書の実施形態によるSROIの第2選択を使用する図4Aのオリジナル画像のヒストグラムの図である。
【図5】本明細書の実施形態によるオリジナルソース画像中で利用可能なピクセル値のサブセットを表わす、生成されたサブレンジ画像の図である。
【図6】本明細書の実施形態による、いかにしてサブレンジ画像および画像交換が12ビット画像に適用するかを示す図である。
【図7】本明細書の実施形態による12ビット画像上でのウインドウ幅とウインドウセンター計算の図である。
【図8】本明細書の実施形態による12ビット画像上のウインドウ幅とウインドウセンター計算をするために構築されたサブレンジ画像の図である。
【図9】本明細書の実施形態によるビューアアプリケーションに関連した技術を示すフローチャートである。
【図10】本明細書の実施形態によるビューアアプリケーションに関連した技術を示すフローチャートである。
【図11】本明細書の実施形態によるビューアアプリケーションに関連した技術を示すフローチャートである。
【図12】本明細書の実施形態によるコンピュータ/ネットワーク環境への計算機装置の見本になる構造を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
1つのピクセル毎8ビットを超えて有するソース画像を視覚化する場合、この発明に応よる実施形態は十分なビット深度の一部レンジに関するこれらの計算のインタラクティブ表示を提供するために即座に利用可能な最適化された8ビット画像計算に利用することを可能にする。本明細書に開示された実施形態は、ダイナミックに8ビットの赤緑青(RGB)または赤緑青アルファ(RGBA)「サブレンジ」画像を生成する。当該「サブレンジ画像」は、ピクセルグレースケール毎8ビット以上を有する画像のサブレンジの表示および計算のために使用される。これらのサブレンジ画像上の動作は、特定のレンダリングエンジンへの最適化された画像操作から利益を得る。その後、サブレンジ画像は、画像計算のインタラクティブ表示の間に交換され、計算の最適化された比率のフルレンジの有効な表示を作る。
【0014】
図1は、本実施形態では、比較的低い画像ビット深度、ここでは1ピクセル毎8ビットで画像(100)を表示する、より高いビット深度画像(例えば、12〜16ビット)の図である。画像(100)は8ビットの画像でのサブレンジ計算をレンダリングする従来の方法を使用する試みの例であり、オリジナルの12ビットのソース画像のフルレンジの線形マッピングである。本実施形態で、オリジナル画像の特定の特徴は、低い画像ビット深度による画像内でのピクセル化の効果によって不明瞭になる。
【0015】
図2は、本発明の一実施形態によるサブレンジの画像計算を使用することで図1の先行技術の画像と比較して、改善された詳細を示す例示的な画像(210)を表示する例示的なユーザー・インターフェース(200)を示す図であり、インターフェースは、ウインドウレベル(WL)(ウインドウ・センター(WC)ともいう)およびウインドウ幅(WW)の選択のためのツール(220)、関連する画像(212)および(214)のサムネイル、画像パラメータ及びユーザー選択の表示(230)、および追加の画像処理ツールを表わすユーザーの選択及びアイコン(232)を含んでいる。一実施形態において、ウインドウセンターおよびウインドウ幅の選択は、表示・スクリーンのビューイング領域、本実施形態ではツール(220)において、インジケータを有するポインタ・デバイスの移動監視に基づいて、同定される。
【0016】
レンジは、画像ビット深度に応じて一定のピクセル値用のすべての可能な値として定義することができる。例えば、ピクセル毎の8ビットの画像は、各ピクセルに対して0〜255の値を有することができ、256ものレンジを有している。ピクセル毎12ビットの画像は、各ピクセルに対して0〜4095の値を有することができ、4096ものレンジを有している。サブレンジ画像は、サブレンジの最初と終りの値によって特定されるピクセル値のみを含む画像である。ツール(220)または他の選択ツールを使用して、ユーザーは有効に興味のあるサブレンジ(SROI)を選択し、SROIは画像計算および表示に使用する、サブレンジ画像を選択するために使用される。
【0017】
本発明者らは、従来のレンダリングエンジンの利用可能な8ビットのRGBまたはRGBAランタイムの最適化された計算を使用して、当該サブレンジ画像上で動作する性能を開示した。データセットのインタラクティブ視覚化は、当該サブレンジ画像上で動作する。サブレンジ画像はオリジナルのフル深度ソース画像から生成され、ピクセル値の特定の連続的なレンジを表わす。サブレンジ画像は、オリジナルのピクセル値に重複があるように選択される。当該ピクセル値の重複は、インタラクティブ視覚化中に、サブレンジ画像間のシームレスの変化を許可する成分である。計算が現在のサブレンジ画像の外側にあるピクセル値を必要とする場合、隣接したサブレンジ画像は表示と交換される。
【0018】
図3Aは、ウインドウセンターおよびウインドウ幅の第1選択を有するサブレンジ画像(300)を表示するユーザー・インターフェース(200)のスクリーンの図である。オリジナル画像深度、すなわちピクセル毎12ビットは、画像を処理するためにレンダリングエンジンを使用するより比較的高いビット深度にある。示されているサブレンジ画像(300)は、ユーザー選択されたSROIに基づいて、所定の幅とセンター値の適切な視覚化を達成するために加えられる適切な線形計算で前計算されたサブレンジ画像である。ウインドウ幅(WW)およびウインドウ・センター(WC)は任意に表示画面に示される。ここでユーザーは、80/40のWW/WL、ウインドウ幅およびウインドウレベル(ウインドウセンター)のさらなる選択をした。
【0019】
図3Bは、ウインドウセンターおよびウインドウ幅の第2選択を有する図3Aのサブレンジ画像(300)を表示するスクリーンの図である。ここで、ユーザーは、100/60のWW/WL、ウインドウ幅およびウインドウセンターのさらなる選択をし、その結果生じる画像(330)が追加の特徴を示している。
【0020】
図4Aは、画像のレンダリングに使用されるよりも比較的高い画像ビット深度のオリジナル画像のヒストグラム(400)の図である。曲線(430)は、オリジナル画像のレンジにわたり各ピクセル値のピクセル数を表し、ここでは、結果として生じる4096ものピクセル値のレンジでの12ビット深度の画像を表す。ピクセル値レンジは、マイナス1024〜3096まで計られる。負のピクセル値は、いくつかの実施形態で使用され、例えば、標準CT Hounsfieldウインドウ/レベル値は描くことができる。幅(422)、本実施形態では80、及びウインドウレベル又はセンター(424)、本実施形態では40は、本明細書の実施形態によるSROIの第1選択を有する対応するサブレンジを選択するために使用される。256未満のウインドウで、グレースケールのすべてを使用することができないが、目的はオリジナルの値がすべて表わされることを保証することである。
【0021】
図4Bは、SROI(420´)の第2選択を使用する図4Aのオリジナル画像のヒストグラム(400)の図である。SROI(420´)インジケータのウインドウ・幅(422´)、本実施形態では100、およびウインドウレベル又はセンター(424)、本実施形態では60は、オリジナルソース画像で利用可能なピクセル値のサブセットとしてのレンジを描く。
【0022】
図5を参照すると、サブレンジ画像セット(502)は、複数の生成されたサブレンジ画像(510)〜(510)(一般的にサブレンジ画像(510)という)を含んでおり、第1ビット深度でオリジナルソース画像(500)で利用可能なピクセル値のサブセットを表わす。関心サブレンジ(SROI)および前もって定義した重複(520)パラメータは、サブレンジ画像(510)のレンジおよび値を決定するために使用される。これらのサブレンジ画像(510)〜(510)は、8ビットのサブレンジ画像における利用し得るグレースケールに対するオリジナルソース画像(500)でのオリジナルのピクセル値をマッピングする。一実施形態において、レンダリングエンジンは、オリジナルソース画像(500)の第1ビット深度より低い第2ビット深度で動作する。特定の実施形態において、レンダリングエンジンは複数のチャネルを提供し、おのおのが、当該複数のチャネルを使用してグレースケールを拡張する第2ビット深度で動作する。これによってマルチチャネルのグレーレベルを提供する。一実施形態において、マルチチャネルのグレースケールは表示に真のグレースケールを提供するためにフィルタがかけられる。
【0023】
他の実施形態は、第2ビット深度として8ビットを使用し、複数のチャネルはRGB又はRGBAのいずれかである。パック形式のRGB値が使用される一実施形態においては、766もの特有のグレースケールが存在する。グレースケール値は、チャネルの数である3を8ビットのグレー値(253)に掛けて、2つのエンド・ポイントを引くことで得られる(256*3−2=766)。サブレンジ画像上のレンジインジケータ(524)は、ソース画像ピクセル値を定義し、当該ソース画像ピクセル値のために表される。サブレンジ画像は前計算され得るか、又はオリジナル画像を経てループ化し、サブレンジ画像を生成することによってダイナミックに算出することができる。第1ビット深度での第1画像は、サブレンジが選択された後、第2ビット深度でサブレンジにマッピングされる。
【0024】
一実施形態において、サブレンジ値および重複が予め決められる。それらの値は、アプリケーション、画像タイプ(例えば、コンピュータ化された断層撮影(CT)画像に比してコンピュータ化されたラジオグラフィー)(CR)の機能になり得る。これらの値は利用者の好みによって決定されることができ、代替の前記実施形態において、例えば、所望の最小生成の諧調、表示装置の品質がそのような因子にもとづいてダイナミックに設定され得る。例えば、デバイス上でレンダリング200の弁別域(JND)を最小で達成するために、ユーザーは重複とサブレンジ値をセットし得る。
【0025】
サブレンジの他の形態、セットの数、サブレンジ画像の数および重複は、第1画像のダイナミック・レンジおよび特徴に基づくことができる。例えば、画像は、コンピュータ化された断層撮影(CT)、コンピュータ化されたラジオグラフィー(CR)、磁気共鳴(MR)、デジタルラジオグラフィ(DX)、マンモグラフィー(MG)またはイントラオーラルラジオグラフィー(IO)といった特定のモダリティーを有するDICOM医用画像になり得る。
【0026】
図6は、サブレンジマッピングを本発明の一態様による12ビット画像に如何にして適用するかを示す。本明細書の実施形態の動作は正確なピクセルレベルに依存しておらず、閾値、サブレンジ、サブレンジ重複は例としてのみ含まれる。この実施形態は、画像を表わすために「パック形式の」RGB/RGBAを使用する。1つのサブレンジ画像および追加の連続濃淡は、利用可能な8ビットのRGB/RGBAチャネル(例えば、RGBに対して3チャネル、又はRGBAがサポートされる場合は4チャネル)にパック化される。これは、標準カラー表示が表わすことができる3または4倍のレンジである有効な8ビットのピクセルレンジを可能にする。このパック技術は、標準的なコンピューター・ビデオ・グラフィックハードウェアおよび表示で利用可能なグレーの最大の利用に重要である。他の実施形態において、画像は規則的なRGB値で表わすことができ、より少ないグレーの諧調を表示することができる。
【0027】
比較的高いビット深度を有する画像を得るいくつかの方法があり、該方法は限定されるものではないが、256を超えるグレーの諧調をピクセルにパック化するために8ビットRGB/RGBAを利用することを含む。RGB(766の諧調)またはRGBA(1021の諧調)は、8ビットRGBグレー、すなわち0、0、0;1、1、1;2、2、2;・・・;255、255、255を使用する場合、グレー諧調を生じさせる256ものピクセル値をもたらし、パック化されたRGB、すなわち0、0、0;0、0、1;0、1、1;1、1、1;1、1、2;1、2、2;2、2、2;・・・;255、255、255を使用する場合、766ものピクセル値をもたらす。視覚化の際、結果として生じる値は、まず、グレースケールフィルターを通過して、パック化されたRGBを用いて、R=G=Bの値にマッピングする。すなわち、いくつかの実施形態では、アルファチャネルを利用して1021のピクセル値をもたらすが、そうでない場合は、パック化されたRGBに類似している。
【0028】
ここでは、12ビット画像(500)は、4096のフルレンジから819のサブレンジ幅(620)を有する7つのサブレンジ画像(610)〜(610)のセット(602)を用いて表示される。この例における隣接したサブレンジ画像(610)間の重複(622)は、273である。ここで示されたように、重複(622)およびサブレンジ幅(620)は、フルレンジにわたってほぼ同一に分割されるが、一定のセットのための最大の達成可能な幅を満たす重複がある限り、これが必要ではないことが分かる。
【0029】
ここで図7を参照すると、サブレンジ画像(710)のさらなる例が示される。一実施形態において、医用画像中で既知の単純な線形計算は、これらのサブレンジ上で行なわれる。当該計算は一般に、画像を「ウインドウ」処理すると呼ばれる。計算には、チャネル幅(WW)とウインドウ・センター(WC)の2つの入力がある。これらの値は、画像の各ピクセル上で実行される単純な一次方程式を定義するために使用することができる。この方程式は、次のように説明され得る。
y=mx+b
(1)ここで、
yは出力されたピクセル値で、xは入力されたピクセル値であり、
mはWWによって分割されたレンジであり、
bはレンジの半分から、W掛けるmを引くか、または言い換えると、
outPixelVlue=((レンジ/WW))*inPixelValue)+(レンジ/2)−(WC*(レンジ/WW))。
(2)他の実施形態では非線形の計算も、下位ビット深度レンダリングエンジンを用いて実行することができる。
【0030】
ここで図7を再び参照すると、ウインドウ計算は、1ピクセル毎12ビットを含むソース画像(700)上で実行される。第1計算(702)は、如何にして256のチャネル幅および128のセンターが、第1サブレンジ画像上で実行されるのかを示している。視覚化のために計算された時、利用可能な最適化されたRGB画像計算はサブレンジ画像上で有利に使用される。このサブレンジ画像はピクセル値の対応するサブレンジを満足し得るウインドウ計算をインタラクティブに視覚化するために使用される。
【0031】
計算(704)及び(706)は、現在表示されたサブレンジ画像の境界を横断する場合、本発明の挙動を示す。ウインドウ幅は、この例では一定である。計算(704)において、ウインドウセンターは691であり、それはサブレンジ画像(1)を使用して計算することができる、(チャネル幅256のための)最大の中心値である。この計算のために、サブレンジ画像(1)の(710)がレンダリングに使用される。計算(706)において、ウインドウセンターは692であり、サブレンジ画像(1)の(710)を用いては計算できない。この計算のために、サブレンジ画像(2)の(710)は、サブレンジ画像(1)の(710)と置換して、レンダリングのための計算が進む。
【0032】
ここで図8を参照すると、本発明のアプリケーションは、1ピクセル毎12ビットを有するソース画像(800)のウインドウ計算のために示される。ここでは、サブレンジ画像(811)〜(811)、(812)〜(812)、(81X)〜(81X)まで、サブレンジ画像セット(802)〜(802)にグループ化される(一般的にサブレンジ画像セット(802)と呼ばれる)。サブレンジ画像セット(802)は、それぞれ、ウインドウ幅のレンジのための計算を満たす。ピクセル値の重複は、1セットのサブレンジ画像内の最大の有効レンジを定義する。サブレンジ画像セットの数802をセットすると、それらの間で切り替わるための閾値は調整可能で、客観的及び主観的な種々の基準をいずれも使用して予め定めることができる。当該基準は、出力時に利用されるグレースケール値、所望のセット毎のサブレンジ画像の数、そして所望のセットの全数を含む。本発明の実施形態はサブレンジ画像セット(802)の数および如何なる重複の量を満たすことができる。サブレンジ画像および重複が、ダイナミック・レンジの画分であることを図及びダイアグラムが示唆しているが、それらは任意に選ぶことができる。これらのサブレンジ画像の選択は、背景的な最適化計算が当該サブレンジが実用で生成されなければならない画像の数にどのように影響を及ぼすかの観点から行なわれるべきである。ピクセル計算毎に、サブレンジ画像セット(802)のためのサブレンジと重複が、前述された変数およびサブレンジ画像が、結果として生じる計算が視覚化されるときまで生成されることに基づいて、予め決定される。これらの変数に対する新しい値を決定して、画像を再処理することができることが理解される。その場合、新しいサブレンジ画像が生成されるだろう。
【0033】
動作中、ユーザーがウインドウ幅選択を調節すると、どのセットかを決定するウインドウを通して処理が進み、サブレンジ画像セット(802)のどの画像かをレベルが決定する。セット(802)〜(802)およびそれらの関連する閾値は、所望のグレースケール品質を提供するために一実施形態において任意に定義される。画像処理は、1ピクセル毎8ビットを超える任意の画像ビット深度に適用することができる。ピクセル毎のビットが増加すると、正確なグレースケールの表現を提供するためにのより多くのサブレンジ画像が必要である。例えば、ウインドウ幅計算が、4096と4096/7(ほぼ585に等しい)の間にあれば、3つのサブレンジ画像(811)〜(811)のうちの1つが使用され、この画像のセットをセット1と呼ぶ。ウインドウ幅が585と4096/15(ほぼ273に等しい)の間にあれば、7つのサブレンジ画像(811)〜(811)のうちの1つが使用され、この画像のセットをセット2と呼ぶ。ウインドウ幅のけ計算が変化すると、対応するサブレンジ画像セットへの様々なサブレンジ画像はインタラクティブに表示される。
【0034】
ハードウェアの充分な能力を使用するために、一実施形態において、サブ画像レンジが前述のセットのサブ画像のほぼ2分の1までセットされる。例えば、最小の200レベルのグレーを達成する一実施形態において、サブ画像レンジは、前のセットのサブ画像レンジの200/255にセットされる。
【0035】
レベルの数及びこれらのレベルの閾値を決定する1の例示的方法は、一定のレンジの出力である最小のグレー数を設定することである。例えば、12ビット画像のセット0での、パック形式のRGBを用いることで、ウインドウ幅が1024にまで減少されると、視覚化されたグレー数は、191(レンジ(4096)/ウインドウ幅(1024)*利用可能なグレー(766))である。
【0036】
外側で少なくとも191のグレー数であることを保証するために、1024未満のウインドウ幅が定義される際に引き起こされる新しいサブレンジ画像セットが定義される。例えば1023のウインドウ幅を達成するために、セット1からのサブレンジ画像が、交換される。メモリーにおけるサブレンジ画像を生成及び保存するのに関する費用により、サブレンジ画像セットの数は、品質性能トレードオフを表わす。
【0037】
表示の実施形態に関連した機能が、図9から図11におけるフローチャートで説明される。以下の説明の目的のために、フローチャートにおける矩形要素は、例えば(図9における)910は、「処理ブロック」を示し、例えば1122(図11における)において、ダイヤモンド形の要素は、決定ブロックを示し、両方とも、コンピュータソフトウェアの命令又はコンピュータで読み取り可能な媒体での命令の集まりを表わす。さらに、処理ブロックは、コンピュータ、デジタル信号プロセッサ回路、特定用途向け集積回路(ASIC)等のハードウェアにより実行される工程を表わす。
【0038】
特に、図9は、本明細書の実施形態による画像の改善された表示に関連した操作を示す。図9のフローチャート(900)及び以下の対応するテキストは、図2から図8について上述された、いくつかの内容と重複、言及及び拡張することに注意されたい。また、以下のフローチャートにおける工程は、必ずしも提示される順序で行われる必要はないことに注意されたい。第1ビットを有する第1画像を獲得することで、工程(910)において、基礎的なフローが開始する。フル深度画像をロードしてから、複数のサブレンジ画像セット、第2ビット深度の複数のサブレンジ画像を含む各セットが工程(920)で生成される。いくつかの実施形態において、各セットは第1画像のフルレンジに及び、各セットは、サブレンジの画像の異なる数を有する。また、セットにおける各サブレンジ画像は、同一のセットにおけるサブレンジ画像と重複する。工程(930)において、サブレンジ画像は表示のために選択される。
【0039】
工程(940)において、ピクセル計算は、選択されたサブレンジ画像に対して、レンダリングエンジンで実行され、該レンダリングエンジンは、第2ビット深度の選択されたサブレンジ画像に対してピクセル計算を実行するよう作動する。
ひとつの例において、結果として8ビットのRGB/RGBA画像を生成する際、ピクセル毎の計算が、そのソース画像に対して適用される。最後に、工程(950)において、画像は、図2、図3A及び図3Bに示されるように、レンダリングエンジンを用いて、ユーザーに対して表示される。さらなる詳細は、以下の図10及び図11とともに提供される。
【0040】
図10は、フローチャート(1000)であり、ビューアアプリケーションに関する技術を示す。技術は、オリジナルソース画像ビット深度のサブセットに対する計算を表示するのに適用するが、このフローチャートは、本発明の一部を示す。ソース画像をロードした後に、適切なサブレンジ画像が工程(920)において生成される。サブレンジ画像は、任意で工程(1010)でクライアントにて(例えばウェブブラウザを実行し、ユーザディスプレイを提供するPC)、または任意で工程(1020)で、画像リポジトリとして提供するサーバーで生成される。サーバーがクライアントから処理負荷を取り外す間、画像を送信するためのバンド幅要件が増加させられ、該増加は、制限されたバンド幅環境において問題がある。工程(1010)又は工程(1020)のいずれかにおいて、サブレンジ画像は、要求に応じて生成される、又は表示のためにフルレンジ画像をロードした後に、予め生成される。
【0041】
工程(1030)において、幅、すなわち開始と終了を有する関心サブレンジ(SROI:sub-range of interest)は、ユーザーによるウインドウレベル及びウインドウ幅の選択に応じて決定される。SROIを決定するもう1つ別の方法は、ウインドウセンター及びウインドウ幅に対応する、複数のプレセットされたウインドウセンター及びウインドウ幅の値の1をユーザーが選択することに応答する。工程(1040)において、複数のサブレンジ画像セットの1が選択される。工程(1050)において、サブレンジの計算が実行される。専用のレンダリングエンジンを用いることで、これらの計算は、特定のプロセッサに最適化される。計算は、サブレンジ画像に対して適用され、適切な視覚化を実現する。レンダリングエンジンは、クライアントウェブブラウザ内で作動する、あるいはスタンドアロンのアプリケーションに対してインターフェースで接続される。
【0042】
工程(1060)において、図6とともに上述されるように、レンダリングエンジンは、それぞれ第2ビット深度の、複数のチャネルを提供し、グレースケールは、マルチチャネルを用いることで拡張され、マルチチャネルのグレーレベルを提供する。
1つの実施形態において、マルチチャネルのグレースケールは、トゥルーグレースケールを提供するために任意でフィルタされる。もうひとつ別の実施形態において、第2ビット深度は8ビット(すなわち、レンダリングエンジンのビット深度)であり、複数のチャネルは、RGB又はRGBAのいずれかである。
【0043】
工程(1070)において、画像は、工程(930)に戻ることで、インタラクティブに表示され、ウインドウセンター及びウインドウ幅のさらなる選択を受信することに応じて、アップデートされたSROIを獲得する。1つの実施形態において、ウインドウ及びレベル調整を受信する後に、フル深度のインタラクティブな視覚化(full-depth interactive visualization)が、8ビットレンジよりも大きいオリジナル画像の、グレーの少なくとも256の階調で、提供され、サブレンジ画像が、秒毎1メガビット未満のレートを有するネットワークバンド幅接続により機能的に制限された環境において、ネットワークを介して、送信される。そして画像の視覚化は、処理されたサブレンジ画像を、少なくとも秒毎約15フレームで、ウェブブラウザに表示することにより、達成される。もうひとつ別の実施形態において、環境は、レンダリングエンジンのビット深度によって機能的に制限され、レンダリングエンジンは、8ビットのレンダリングエンジンであることを特徴とする。
【0044】
図11は、本明細書において実施形態に従って、ビューアアプリケーションに関する技術を示すフローチャート(1100)である。このフローチャートは、計算及び表示に使用されるサブレンジ画像の決定について記述する。サブレンジ画像セットの特定の番号、およびそれらのセット内のサブレンジ画像のレンジは、変更可能である。
工程(1100)において、サブレンジ画像セットが生成される。工程(1120)において、幅、すなわち開始と終了を有する関心サブレンジは、ユーザーによるウインドウレベル及びウインドウ幅の選択に応じて決定される。工程(1121)において、チェックされる第1セットはセット1に設定される。工程(1122)において、SROI幅は、セット1の最大レンジと比較される。SROI幅がセット1の最大レンジより大きいことが決定されると、セット0が選択される。
【0045】
どの利用可能なセットが選択されたSROIを表示するのに使われるかを決定するために使用される最大レンジを、各セットがサポートする。セットによりサポートされる最小有効レンジは、次のセットの最大レンジにより定義される。セット最大レンジは、さらに、そのセットでの重複部分により決定される。表示するためのSROI幅を達成しようとする場合、セット及びサブレンジ画像は、関心サブレンジが、セット及びサブレンジ画像(すなわち、SROIの開始/終了レンジ内の)内に含まれるかどうかに基づいて選択される。例えば、図8では、セット1の最大レンジは585である。また、セット2の最大レンジは273である。重複部分は、SROIがインタラクティブに変更される、サブレンジ画像間のスムースな移動を確実にするために用いられるので、最大レンジは重複部分と同一である。
【0046】
工程(1122)は、1つのみの画像(セットにおけるフル画像)があるので、特別なケースである。SROI幅がセットOにあることが決定されると、処理は工程(1124)へと続き、この場合、ピクセル毎の計算は、セット0画像0で実行され、そうでなければ、処理は工程(1126)へ続く。
【0047】
工程(1126)及び工程(1128)は、選択されたセットに含まれる関心サブレンジに対応する複数のサブレンジ画像セットの1を選択する。工程(1126)で、次のセットが選択される。工程(1128)で、セットi最大レンジよりも大きいのは、SROI幅である。セットi(言い換えると、SROI幅が以前のセットにある)よりもSROI幅が大きいことが決定されると、処理が工程(1130)へ続き、そうでなければ、処理は工程(1126)へ続き、もう1つ別のセットを選択する。工程(1126)において、セットがこれ以上ない場合、最後のセットが使用され、処理は工程(1130)へ続く。
【0048】
工程(1130)及び工程(1134)は、選択されたセットにおける複数のサブレンジ画像の1を選択し、該選択されたセットは、表示のために選択されたサブレンジ画像に含まれる関心サブレンジの開始又は、表示のために選択されたサブレンジ画像に含まれる関心サブレンジの終了に対応する。工程(1130)で、SROIが選択されたサブレンジ画像セットの選択されたサブレンジ画像において、SROIが開始されるか終了するかを決定される。SROIが、選択されたサブレンジ画像のセットの選択されたサブレンジ画像で開始又は終了することが決定されると、処理は、工程(1132)へ続き、この場合、ピクセル毎の計算が、選択されたサブレンジ画像のセットにおける選択されたサブレンジ画像に対して実行され、そうでなければ、工程(1134)へ続き、次のサブレンジ画像を選択し、処理は工程(1130)へと戻る。例えば、再び図8を参照すると、SROI幅は、271であり、SROIは549で開始し、820で終了する。それから、セット2が選択され、サブレンジ画像2 812が表示のために使用される。
【0049】
利用可能なピクセル値のサブセットに対して潜在的に操作されるピクセル毎の画像計算について、これらの技術が適用され、どのサブレンジ画像が更なる計算に用いられるかを決定する。1つの実施形態において、Nセットおよびセット毎のMサブレンジ画像が選択され、操作すべき最低及び最高のピクセル値の間の「幅」又はデルタがその後、決定される。次に、使用されるサブレンジ画像のセットが決定される。サブレンジ画像のセットのそれぞれは、さまざまな幅計算を満たす。セット0は、セット1プラス1によりサポートされた最大幅へと減少されたフルレンジをサポートする。セット1は、セット2プラス1によりサポートされた最大幅へと減少された最大幅をサポートする。これは、最後のセットNへ続く。
【0050】
適切なサブレンジ画像のセットが決定されると、計算及び表示には、どの適切なサブレンジ画像を選択するかが決定される。これは、計算により要求される最初と最後の値により決定される。各サブレンジ画像は、オリジナルソースの画像レンジのサブセットを示す。その後、サブレンジ画像が選択されることで、最初と最後の値が上述のイメージ内に位置する。サブレンジ及び重複する変数が選択されることに応じて、2の画像が計算を満たすことが可能である。この場合、画像選択は任意である。適切なサブレンジ画像が識別されると、計算及び表示に用いられる。サブレンジ画像に適用される実際の計算は、オリジナルピクセル値からサブレンジ画像の値までのマッピングから導出される。従来技術において知られているように、複数セットに、サブレンジ画像を選択する他の方法が存在することが理解されている。
【0051】
本発明の実施形態は、民生品のレンダリングエンジンにおいて、最適化されたピクセル毎の8ビットRGB(又はRGBA)操作を、有益に用いる。1つの実施形態において、システムは、画像を表示するのに、Adobe(登録商標) Flash(登録商標) Playerソフトウェアを用いる、従って、インターネットにアクセスする全てのパーソナルコンピュータの非常に高い割合で利用可能である。実際には、本発明は、表示するソフトウェアのダウンロードを行なわずに、使用することを可能にする。あるいは、ピクセル毎の8ビットRGB(あるいはRGBA)操作に十分最適化されたほかのレンダリングエンジンが用いられる。
【0052】
1つの実施形態において、AdobeのFlash(登録商標)バージョン8あるいはそれ以降がレンダリングエンジンとして使用される。実施形態は、設計されたソフトウェアを、8ビットの深度(Adobe(登録商標) Flash(登録商標) Playerのフィルタなど)におけるグレースケールの画像を表示及び操作することが可能であり、8ビットの深度よりも大きい画像を表示及び操作することが可能である。1つの実施形態において、 Flash(登録商標)アクションスクリプトコードが用いられることで、ピクセル毎に8ビットよりも大きい連続階調(tone)グレースケールのソース画像からピクセル値のサブセットに対して、インタラクティブの計算を実行する。特に、最適化された8ビットのピクセル毎の操作は、例えば、Adobe(登録商標) Flash(登録商標) Player、flash.filters.Color MatrixFilterが用いられる。この実施形態において、標準のDICOMの線形VOIの操作は、ウインドウ幅及びウインドウセンターの値により特定される。他の最適化された8ビットのピクセル毎の操作(Adobe(登録商標) Flash(登録商標) Playerバージョン 10のピクセルベンダーインターフェース)の場合、DICOM VOI LUT(参照テーブル)又はDICOM VOI機能(例えば、線形又はS字状)などの実施形態が達成される。追加の詳細は、医用デジタル画像と通信(DICOM)の仕様、Part 3: Information Object Definitions, pages 794-796において、見出される。これらの技術は、フルレンジのサブセットに対して操作される任意の最適化された8ビット計算に及ぶ。
【0053】
図12は、コンピュータシステム(1210)の構造を示す例示的ブロック図であり、該システムは、本明細書に記載される実施形態に従って、ビューアプロセス(1242−2)を実行する(execute)、実行する(run)、読み取る、操作する、あるいは、行なう(例えば、ユーザ(1206)により制御又は構成されるように、画像ビューアアプリケーション(1242−1)の実行バージョン)。コンピューターシステム(1210)は、パーソナルコンピュータ、クライアントコンピュータシステム、ワークステーション、ポータブルコンピューティングデバイス、コンソール、ラップトップ、ネットワークターミナル、携帯電話、PDAなどのような任意のタイプのコンピュータ化されたデバイスであることに注意されたい。このリストは、完全でなく、異なる可能な実施形態の例として提供される。単一のコンピュータの実施形態に加えて、コンピュータシステム(1210)は、本明細書に記載される実施形態を実行するために、ネットワーク環境における任意の数のコンピュータシステムを含む。したがって、当業者は、コンピュータシステム(1210)がハードウェアリソース又はマルチプルプロセッサの配分及び使用を制御する操作システムなどの、他の処理及び/又はソフトウェア及びハードウェア部品を含むことを理解する。
【0054】
現在の例において示されるように、コンピューターシステム(1210)は、データバス、マザーボード、またはメモリシステム(1212)、プロセッサ(1213)、入力/出力インターフェース(1214)及びディスプレイ(1230)を連結する他の回路といった相互接続メカニズム(1211)を含んでいる。レポジトリー(1281)は、処理前に、および処理後の両方に、文書とコンテンツを保存するために任意に使用することができる。そのように構成される場合、ディスプレイは、ビューア(1242−2)のグラフィカルユーザーインターフェースをユーザ(1206)に対して示すのに用いられる。入力装置(1216)(例えば、キーボード、マウス、タッチパッド、タッチセンサスクリーン、キーボードを有さない装置、音声入力などの1又はそれより多いユーザー/開発者の制御された装置)は、入力/出力(I/O)インターフェース(1214)を介して、コンピュータシステム(1210)及びプロセッサ(1213)に結合する。コンピューターシステム(1210)はクライアントシステム及び/又はサーバーシステムでありえる。上述されるように、実施形態に応じて、ビューアアプリケーション(1242−1)および/又はビューア(1242−2)は、コンピューターネットワーク環境における多数のノードにおいて実行される、あるいは、単一コンピュータ上で局所的に行なうことができる。
【0055】
コンピューターシステム(1210)の操作中に、プロセッサ(1213)は、相互接続(1211)を介して、メモリーシステム(1212)にアクセスし、ビューア(1242−2)の論理命令を開始、実行(run)、実行(execute)、読み込む、又は行なう。このような方法での、ビューアアプリケーション(1242−1の実行は、ビューアプロセス(1242−2)を生成する。言いかえれば、ビューアプロセス(1242−2)は、ビューアアプリケーション(1242−1)(あるいは全てのビューアアプリケーション(1242−1)の1又はそれより多い一部又はランタイムの例を示し、該ビューアアプリケーションは、実行時に、コンピュータ化されたデバイス(1210)におけるプロセッサ(1213)にてあるいはその内部で行なわれる、または実行される。
【0056】
ビューアアプリケーション(1242−1)は、コンピュータで読み取り可能なメディア(例えば、フロッピーディスク)、ハードディスク、電子的メディア、磁気的メディア、光学的メディアあるいは他のコンピュータで読み取り可能なメディアで保存される。本明細書で論じられた実施形態と技術が他のアプリケーションにも同様に適していることが理解される。当業者は、コンピューターシステム(1210)が他のプロセス及び/又はオペレーティングシステムなどのソフトウェア及びハードウェア部品を含むことを理解する。ディスプレイ(1230)は、コンピュータシステム(1210)に直接的に接続される必要はない。例えば、ビューアアプリケーション(1242−1)は、通信インタフェース(1215)を介して、遠隔でアクセス可能なコンピュータ化されたデバイス上で実行される。ディスプレイ(1230)は、コンテンツ領域の表示を提供する、レンダリングされたグラフィカルユーザーインターフェース(1260)を示す。ビューア(1242−2)は、ナビゲーションコマンドに応じてコンテンツ領域の表示を示す。
【0057】
以下の説明は、上述され、及び以下に述べられるビューア(1242−2)に関する機能を実行する方法を示す基本的な実施形態を提供することに注意されたい。しかしながら、ビューア(1242−2)を実行するための実際の構成は、それぞれのアプリケーションに応じて、変更する場合があることが注目されるべきである。コンピューターシステム(1210)にサポートされた機能、および特に、ビューア(1242−2)に関する機能は、図9から図11におけるフローチャートを用いて説明される。
【0058】
本発明は、特に、好ましい実施形態を参照にして、示され及び記載されているが、当業者は、様々な形式及詳細の変更は、添付の請求の範囲により定義される本発明の精神及び範囲を逸脱することなく、本発明において行なわれることを理解する。そのような変更は、本出願の範囲に及ぶことが意図される。そのため、本出願の実施形態の前述の記載は、制限するようには意図されない。むしろ、本発明に対するあらゆる制限は、以下のクレームで示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する方法であって、該方法は、
第1ビット深度を有する第1画像を得る工程と、
複数のサブレンジ画像セットを生成する工程を備え、各セットは、第2ビット深度の複数のサブレンジ画像を含み、
前記方法は、さらに、
表示するためのサブレンジ画像を選択する工程と、
前記選択されたサブレンジ画像に対してピクセル計算を、レンダリングエンジンで行う工程を備え、該エンジンは、第2ビットの前記選択されたサブレンジ画像に対してピクセル計算を行うのに動作可能であり、
前記方法は、さらに、
前記レンダリングエンジンを用いて前記画像を表示する工程を備えることを特徴とする、画像を表示する方法。
【請求項2】
各セットは、前記第1画像のフルレンジに及び、
各セットは、異なる数のサブレンジ画像を有し、
セットにおける各サブレンジ画像は、同一セットにおいて、サブレンジ画像と重複することを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項3】
表示のためのサブレンジ画像を選択する工程は、
ユーザによるウインドウレベル及びウインドウ幅の選択に応じて、幅、すなわち開始及び終了を有する関心サブレンジを決定する工程と、
前記選択されたセットの終点を含む関心サブレンジに対応する複数のサブレンジ画像セットの1を選択する工程を備えることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項4】
表示するための前記選択されたサブレンジ画像内に含まれる関心サブレンジの開始、及び表示するための前記選択されたサブレンジ画像に含まれる関心サブレンジの終了の1と対応する前記選択されたセットにおける複数のサブレンジ画像の1から、表示するための前記サブレンジ画像を、選択する工程をさらに含むことを特徴とする、請求項3記載の方法。
【請求項5】
前記第2ビット深度は、前記第1ビット深度よりも低いビット深度であることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項6】
ウインドウ及びレベル調整を受信する工程と、
前記第1画像の、フル深度のインタラクティブな視覚化を、グレーの少なくとも256の階調で、提供する工程をさらに備え、前記第1画像は、8ビット深度よりも大きいビット深度を有し、
前記方法は、さらに、
レンダリングエンジンのビット深度によって機能的に制限された環境において、秒毎に少なくとも約15フレームで、ウェブブラウザにおける視覚化を表示する工程を備え、前記レンダリングエンジンは、8ビットレンダリングエンジンであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項7】
ウインドウ及びレベル調整を受信する工程をさらに備え、
前記第1画像の、フル深度のインタラクティブな視覚化を、グレーの少なくとも256の階調で、提供する工程をさらに備え、前記第1画像は、8ビット深度よりも大きいビット深度を有し、
前記方法は、さらに、
秒毎で1メガビット未満のレートを有するネットワークバンド幅接続によって機能的に制限された環境において、ネットワークを介して、サブレンジ画像を送信する工程と、
秒毎少なくとも約15フレームで、ウェブブラウザにおける視覚化を表示する工程を備えることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記レンダリングエンジンは、クライアントウェブブラウザにおいて操作可能であるレンダリングエンジンであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項9】
第2ビット深度の、複数のサブレンジ画像セットを生成する工程は、クライアント上の複数のサブレンジ画像セットを生成する工程を備えることを特徴とする、請求項8記載の方法。
【請求項10】
第2ビット深度の、複数のサブレンジ画像セットを生成する工程は、サーバ上の複数のサブレンジ画像セットを生成する工程を備えることを特徴とする、請求項8記載の方法。
【請求項11】
前記レンダリングエンジンは、それぞれ第2ビット深度の複数のチャネルを提供し、さらに、マルチチャネルのグレーレベルを提供するために、複数のチャネルを用いることで、グレースケールを拡張する工程をさらに備えることを特徴とする、請求項8記載の方法。
【請求項12】
トゥルーグレースケールを提供するために、マルチチャネルのグレースケールをフィルタする工程をさらに備えることを特徴とする、請求項11記載の方法。
【請求項13】
前記第2ビット深度は8ビットであり、前記複数のチャネルは、RGB及びRGBAの1であることを特徴とする、請求項11記載の方法。
【請求項14】
前記画像を表示する工程は、ウインドウセンター及びウインドウ幅の選択を受信することに応じて、前記画像をインタラクティブに表示する工程を含むことを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項15】
表示スクリーンのビュー領域において、インジケーターを有するポインタデバイスの移動をモニタリングすることに基づき、ウインドウセンター及びウインドウ幅の選択を識別する工程を更に備えることを特徴とする、請求項14記載の方法。
【請求項16】
複数のプリセットされたウインドウセンター及びウインドウ幅値の1の選択を受信することに基づいて、ウインドウセンター及びウインドウ幅の選択を識別する工程を更に備えることを特徴とする、請求項14記載の方法。
【請求項17】
前記第1画像のフルダイナミックレンジ及び特徴に基づいて、サブレンジ画像のセット及びレンジ数を決定する工程を備えることを特徴とする、請求項1記載の方法。
【請求項18】
前記第1画像は、DICOM医用画像であることを特徴とする、請求項17記載の方法。
【請求項19】
前記第1のDICOM画像は、CRの特定モダリティ、コンピューター断層撮影(CT)の特定モダリティ、磁気共鳴(MR)の特定モダリティ、マンモグラフィー(MG)の特定モダリティ、 口内法らジオグラフィー(10)の特定モダリティ、及び デジタルラジオグラフィー(DX)の特定モダリティの少なくとも1であることを特徴とする、請求項18記載の方法。
【請求項20】
画像を表示するためのシステムであって、該システムは、エンコードされたコンピュータプログラム論理を含むコンピュータで読み取り可能な保存メディアを備え、前記システム上で実行されると、以下の操作を行う画像表示を提供し、該操作は、第1ビット深度を有する第1画像を獲得する操作と、複数のサブレンジ画像セットを生成する操作であり、前記サブレンジ画像セットのそれぞれは、第2ビット深度の複数のサブレンジ画像を含み、前記操作はさらに、表示するためのサブレンジ画像を選択する操作と、レンダリングエンジンで、前記選択されたサブレンジ画像に対してピクセル計算を行う操作であり、前記レンダリングエンジンは、前記第2ビット深度の前記選択されたサブレンジ画像に対するピクセル計算を行うように作動し、前記操作はさらに、前記レンダリングエンジンを用いて前記画像を表示する操作であることを特徴とする、画像を表示するためのシステム。
【請求項21】
エンコードされたコンピュータプログラム論理を含むコンピュータで読み取り可能な保存メディアを有するコンピュータプログラム製品であって、コンピュータ化されたデバイス内のプロセッサ上で実行されると、以下の操作を行うことにより、画像を表示するための方法を提供し、該操作は、第1ビット深度を有する第1画像を獲得する操作と、複数のサブレンジ画像セットを生成する操作であり、前記サブレンジ画像セットのそれぞれは、第2ビット深度の複数のサブレンジ画像を含み、前記操作はさらに、表示するためのサブレンジ画像を選択する操作と、レンダリングエンジンで、前記選択されたサブレンジ画像に対してピクセル計算を行う操作であり、前記レンダリングエンジンは、前記第2ビット深度の前記選択されたサブレンジ画像に対するピクセル計算を行うように作動し、前記操作はさらに、前記レンダリングエンジンを用いて前記画像を表示する操作であることを特徴とする、コンピュータプログラム製品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3A】
image rotate

【図3B】
image rotate

【図4A】
image rotate

【図4B】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公表番号】特表2012−510641(P2012−510641A)
【公表日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−538717(P2011−538717)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【国際出願番号】PCT/US2009/066131
【国際公開番号】WO2010/065466
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WINDOWS
2.Linux
3.フロッピー
【出願人】(511132339)ライフ イメージ インク. (1)
【Fターム(参考)】