医用画像診断装置
【課題】血流情報を三次元的に画像表示可能な医用画像診断装置を実現する。
【解決手段】被検体に同期計測装置を装着しMRI装置で4D高速撮像を開始し生体モニタ情報に同期して造影剤を注入し時系列血流4D画像を取得する(ステップ101〜104)。各時相における画像処理を行い画素単位の血流ベクトルを描出しナビゲーションを起動し血流4D画像情報を読み込み手術開始する(ステップ105〜109)。生体同期計測装置に同期して4Dナビゲーションを表示しその上に血流情報を重畳表示する(ステップ110、111)。術具の位置を検出し術具の針先端を中心とした三次元血流情報を計算し針に向かって流れてくる血流と離れていく血流とを色分け表示し血流ベクトルと体積から血流量を計算し設定血流値を越える血管に近づいた時は警告する(ステップ112、113)。ナビゲーションにより目的部位に到達し治療を開始する(ステップ114、115)。
【解決手段】被検体に同期計測装置を装着しMRI装置で4D高速撮像を開始し生体モニタ情報に同期して造影剤を注入し時系列血流4D画像を取得する(ステップ101〜104)。各時相における画像処理を行い画素単位の血流ベクトルを描出しナビゲーションを起動し血流4D画像情報を読み込み手術開始する(ステップ105〜109)。生体同期計測装置に同期して4Dナビゲーションを表示しその上に血流情報を重畳表示する(ステップ110、111)。術具の位置を検出し術具の針先端を中心とした三次元血流情報を計算し針に向かって流れてくる血流と離れていく血流とを色分け表示し血流ベクトルと体積から血流量を計算し設定血流値を越える血管に近づいた時は警告する(ステップ112、113)。ナビゲーションにより目的部位に到達し治療を開始する(ステップ114、115)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴イメージング装置等の医用画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医用画像診断装置である核磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)は、連続的に被検体中の水素や燐等からの核磁気共鳴信号(MR信号)を測定し、核の密度分布や緩和時間分布等を映像化するものである。
【0003】
MRI装置を用いた心臓イメージングや、手術時の穿刺モニタリング、経皮的治療などに使用されるI−MRI装置(interventional−MRI装置、または、Intraoperative−MRI装置の略称)では、リアルタイムで撮像する断層面を任意に設定したいという要望がある。撮像する断層面を任意に選択する手法として、グラフィカルユーザインタフェースにMRI画像を表示して、画面上のボタンをクリックして、次に撮像する断層面を決定する方法(非特許文献1)や、3次元マウスなどを使う方法(特許文献1)などが提案されている。
【0004】
これらの方法では、撮像する断層面の位置や向きをマウスなどの入力手段で調整、設定しなければならず煩雑なので、MRI装置としては、より簡便に撮像する断層面の位置や向きを調整、設定できることが望ましい。その手法として、特許文献2や特許文献3などの断層面指示デバイス(ポインタなど)を用いて撮像する断層面を決定するMRI装置が提案されている。
【0005】
特許文献2では、断層面指示デバイスであるポインタに発光ダイオードが設けられ、操作者がポインタで指し示した位置を赤外線カメラで検出したり、関節にセンサが備えられたアームの先端部にポインタを設け、アームの関節の角度などでポインタの位置を検出し、これに基づいて、断層面を自動的に調整するものである。また、特許文献3は、2個の赤外線カメラと3個の反射球を備えたポインタとを使って指示した断層面を自動的に決定して撮像するものである。実際に実用レベルにあるシステムは、学会等においても臨床適用結果についても多数発表されている(特許文献4)。
【0006】
また、位置検出装置と過去に撮像したボリュームデータを用いた手術ナビゲーションシステムは手術時に患者に対してポインタなどにより指定される位置を、当該位置を含む患者の直交3平面それぞれを断面とする断層画像上に表示することにより手術操作をナビゲーションするシステムであり、脳神経外科手術などの高精度の外科手術に適用されている。
【0007】
ここで、このような手術ナビゲーションシステムにおける患者の断層画像は、予め、MRI装置によって撮像した3次元のデータであるボリュームデータにより生成される。一方、ポインタによる指定位置を定めるために必要とされるポインタの位置検出の方式には、機械式、光学式、磁気式、超音波式などの方式がある。
【0008】
その他、生体リズム(呼吸、脈波、心拍等)に応じた4D画像を予め取得しておき、手術時に4D画像を表示するシステムも提案されている(特許文献5)。
【0009】
高速撮像シーケンスの応用のひとつとして、フルオロスコピー(透視撮像)と呼ばれるリアルタイム動態画像化法が臨床応用されつつある。フルオロスコピーでは、1秒以下程度の周期で撮像と画像再構成を繰り返すことにより、あたかもX線透視撮像のように体内組織の動態抽出や体内に外部から挿入した器具の位置把握に用いることができる動態画像を生成・表示する。
【0010】
この応用は三次元高速撮像にも応用されている。方法として、Rawデータを間引いて撮像し、以前のデータを用いて補完・再構成する技術がある(特許文献6)。例えば、TR=1、Phase Encode=20、Slice Encode=20とすれば、400ms毎に1ボリュームの三次元画像を連続取得することができる。
【0011】
また、医用画像診断装置として、超音波診断装置があるが、被検体内に超音波を送受信し得られた反射エコー信号を用いて診断部位について2次元超音波画像或いは3次元超音波画像を形成して表示するものである。超音波診断装置は、被検体に超音波を照射し受信する振動子素子を備えた超音波探触子と、超音波信号を送受信する超音波送受信部と、受信信号に基づいて2次元超音波画像(Bモード画像)或いは3次元超音波画像を構成する超音波画像構成部と、超音波画像構成部により構成された超音波画像を表示する表示部と、これらを制御する制御部と、制御部に指示を与えるコントロールパネルとを有している。
【0012】
現在、超音波画像処理の技術は進歩しており、探触子に向かう方向の血流を赤色で、遠ざかる方向の血流を青色で表示するカラードップラー法がある(特許文献7)。利点としては、早い血流と遅い血流とを同時に表示できるだけでなく、カラーゲインを調節して速度が早いほど明るく表示することで血流を評価する。
【0013】
【特許文献1】米国特許第5512827号明細書
【特許文献2】米国特許第5365927号明細書
【特許文献3】米国特許第6026315号明細書
【特許文献4】国際公開第03/026505号パンフレット
【特許文献5】特開2007−185278号公報
【特許文献6】米国特許第6044290号明細書
【特許文献7】特許第3029706号明細書
【非特許文献1】Magnetic Resonance in Medicine:Real-time interactive MRI on a conventional scanner;AB。Kerr他、38巻、pp。355−367(1997)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記カラードップラー法による画像は超音波二次元画像を用いてリアルタイム血流情報を閲覧することができるので、診断だけでなく手術分野においても重要な役割を果たす機能である。
【0015】
しかし、表示される血流情報は二次元画像であり、奥行き情報等の三次元的に血流情報を閲覧することは未だ実現していない。また、現状カラードップラー機能は超音波装置に付属する機能なので、超音波が届く範囲でしか描出できないデメリットもある。
【0016】
本発明の目的は、血流情報を三次元的に画像表示可能な医用画像診断装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するため、本発明は次のように構成される。
【0018】
被検体の三次元画像情報を撮像する撮像手段と、術具検出手段と、被検体の断面画像及び術具を表示する画像表示手段とを有する医用画像診断装置において、上記撮像手段、術具検出手段及び画像表示手段を制御する制御演算手段を備え、この制御演算手段は、上記撮像手段によりされた被検体の三次元画像情報から血管の血流ベクトルを算出し、上記術具検出手段により検出された術具の先端位置に対する血管の血流方向を上記血流ベクトルに基づいて算出し、算出した血流方向に対して予め定めた色彩を、上記被検体の断面画像の血管部分に付加し、上記術具と共に上記画像表示手段に三次元画像表示させる。
【発明の効果】
【0019】
血流情報を三次元的に画像表示可能な医用画像診断装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の位置実施形態における動作フローチャートであり、図2は本発明が適用されるMRI装置の概略構成図である。
【0022】
まず、図2に示すMRI装置1について説明する。MRI装置1は、例えば、垂直磁場方式0.3T永久磁石方式のMRI装置であり、垂直な静磁場を発生させる上部磁石3と、下部磁石5と、これら磁石を連結するとともに上部磁石3を支持する支柱7と、位置検出デバイス9と、アーム11と、モニタ13、14と、モニタ支持部15と、基準ツール17と、パーソナルコンピュータ19と、ベッド21と、制御部23とを備えている。
【0023】
MRI装置1の図示しない傾斜磁場発生部は、領斜磁場をパルス的に発生させ、最大傾磁場強度15mT/mで、スルーレート20mT/m/msである。さらに、MRI装置1は、静磁場中の被検体24に核磁気共鳴を生じさせるための図示しないRF送信器と、被検体24からの核磁気共鳴信号を受信する図示しないRF受信器とを備え、これらは12.88MHzの共振型コイルである。
【0024】
位置検出デバイス(術具検出手段)9は、2台の赤外線カメラ25と、赤外線を発光する図示しない発光ダイオードを含んで構成され、断層面指示デバイスであるポインタ27の位置及び姿勢を検出する。また、位置検出デバイス9は、アーム11により移動可能に上部磁石3に連結され、図2に示すように、MRI装置1に対する配置を適宜変更することができる。
【0025】
モニタ13は、操作者29が把持するポインタ27により指示された被検体24の断層面の画像を表示するもので、モニタ支持部15により、赤外線カメラ25と同様に上部磁石3に連結されている。基準ツール17は、赤外線カメラ25の座標系とMRI装置1の座標系をリンクさせるもので、3つの反射球35を備え、上部磁石3の側面に設けられている。
【0026】
パーソナルコンピュータ19には、赤外線カメラ25が検出し算出したポインタ27の位置が、位置データとして、例えば、RS232Cケーブル33を介して送信される。制御部23は、ワークステーションで構成され、図示しないRF送信器、RF受信器などを制御する。また、制御部23は、パーソナルコンピュータ19と接続されている。パーソナルコンピュータ19では赤外線カメラ25が検出し算出したポインタ27の位置をMRI装置1で利用可能な位置データに変換し制御部23へ送信する。位置データは、撮像シーケンスの撮像断面へ反映される。新たな撮像断面で取得された画像は液晶モニタ13に表示される。
【0027】
パーソナルコンピュータ19及び制御部23により制御演算手段が構成される。
【0028】
また、画像は映像記録装置(画像記憶手段)34に同時記録される。例えば断層面指示デバイスであるポインタ27を穿刺針36などに取り付け、穿刺針36のある位置を常に撮像断面とする様に構成した場合、モニタ13には針を常に含む断面が表示されることになる。被検体24には、同期計測装置(生体情報取得手段)38が取り付けられている。この同期計測装置38により計測された生体情報(呼吸、脈拍、心拍等)が計測され、4Dボリューム画像が取得される。
【0029】
図3に4Dボリューム画像取得例の説明図である。図3において、患者に取り付けられた同期計測装置38から生体情報(呼吸、脈波、心拍等)を取得する(処理301)。ここでは、被検体の呼吸情報をモニタしており、吸気・吸気−呼気中間・呼気の3Phaseの例を示している。吸気Phase302に同期した3D撮像305、吸気−呼気中間Phaseに同期した3D撮像306、呼気Phaseに同期した3D撮像307を時系列で行い、メモリ34上に記録する(処理308)。
【0030】
図4は4Dボリューム画像再構成例の説明図である。図4において、被検体401に取り付けられた生体同期計測装置405で生体情報を取得し、三次元位置検出カメラ403にて術具402の位置を検出し、撮像断面404を計算する。ここで、生体情報(呼吸情報)は吸気407、呼気409、その中間408の3パターンあり、それぞれの3Dボリューム画像410〜412はメモリ上に記録されているので、手術時は呼吸情報に同期した画像413をリアルタイムに提供することができる。
【0031】
図2に示したMRI装置を用いた本発明の一実施形態の動作について図1を参照して説明する。
【0032】
図1において、被検体24にモニタ用の同期計測装置38を装着し(ステップ101)、MRI装置1にて4D高速撮像を開始する(ステップ102)。生体モニタ情報に同期させて造影剤を注入し(ステップ103)、時系列血流4D画像を取得する(ステップ104)。各時相における画像処理を行い(ステップ105)、画素単位の血流ベクトルをそれぞれ描出する(ステップ106)。
【0033】
次に、ナビゲーションを起動し(ステップ107)、血流4D画像情報を読み込み(ステップ108)、手術開始する(ステップ109)。生体同期計測装置38はリアルタイムに生体情報を取得可能なことから、それに同期して4Dナビゲーションを表示する(ステップ110)、その上に血流情報を重畳表示する(ステップ111)。
【0034】
ここで、三次元術具位置検出装置(17、25等)にて術具36の位置を検出し、術具36の針先端を中心とした三次元血流情報をリアルタイムに計算し、針に向かって流れてくる血流と離れていく血流情報とを色分け表示する(ステップ112)。さらに、血流ベクトルと体積から血流量を計算し、予め設定した血流値を越える血管に術具が一定距離以下に接近した時には画像表示手段13、14に警告を表示する(ステップ113)。そして、各種ナビゲーションを用いて目的部位に到達し(ステップ114)、その後、治療を開始する(ステップ115)。
【0035】
図5は、3D高速撮像法による血流ベクトル描出方法の説明図である。図5において、撮像シーケンスはシングルエコーのグラディエントエコー又はマルチエコーのエコープラナー法(EPI)の3D撮像が一般的である。RFパルス701の印加と同時にスライス幅を決定するエンコードパルス702とスライス位置を決定するためのエンコードパルス704を印加する。さらに、位相エンコードパルス705、706を制御し、エコーを取得するためのリードアウトパルス703によりエコーを取得する。取得したデータ707はk空間上に再構成されるが、高速撮像をするために中心データ708のみを連続的に撮像して、周辺データは過去のデータを用いて補完する。
【0036】
例えば、呼吸動は約4秒周期なので、時相数を4とすれば1時相に対して1秒間の撮像時間を確保できる。TR=1、Phase Encode=30、Slice Encode=30とすれば、900msで1ボリュームの三次元画像が取得でき、時相に応じてそれぞれ3D撮像(つまり4D撮像)が行われる。
【0037】
ここで、図5には、動脈(又は静脈)に造影剤710を注入した時の例を示している。連続撮像中の3D画像711に造影剤710が流入することで、次のスキャンでは流入分713が3D画像712上に検出される。この撮像を繰り返すことで(画像714、716)、時系列的な画像と血流情報715、717が描出される。
【0038】
図6は、血流ベクトル描出方法の説明図である。図6において、時系列に得られる3Dボリューム画像801に対して、直前に取得した3D画像802との差分を算出することで、画素単位(1スキャン単位)の血流ベクトルが描出できる(画像803に示す)。この演算を複数回繰り返したものを加算することで(複数枚の画像804)、ボリュームにおける画素単位の血流ベクトルを求めることができる(画像805に示す。
【0039】
図12は、本発明の一実施形態における造影剤注入時の4D撮像タイミング(4時相)の一例を示す図である。この図12に示した例では、呼気1502、中間(1)1503、吸気1504、中間(2)1505の4時相例である。最初に呼気のタイミングで造影剤を注入し(時点1530、呼気(時点1502))、中間(1)(1503、データ1512)、吸気1504(データ1518)、中間(2)(1505、データ1524)のタイミングでデータを取得する。
【0040】
取得したデータはRawデータとして、k空間上に再構成される(データ1509、1515、1521、1527)。さらに、必要に応じてマルチスライス撮像もでき、異なるスライス位置のデータを次のタイミングで撮像し(データ1507、1508)、Rawデータとして蓄えておくこともできる(データ1510、1511)。
【0041】
同様に、中間(1)についても、取得データ1513、1514とRawデータ1516、1517、吸気についても取得データ1519、1520とRawデータ1522、1523、中間(2)についても取得データ1525、1526とRawデータ1528、1529の関係が成り立ち、メモリ上に記録される。
【0042】
図13は、本発明の一実施形態における4D画像再配置例を示す図である。ここでは、呼吸波形に対して呼気1601、中間1602、吸気1603の3時相例である。図13において、呼気のタイミングで造影剤を注入し(時点1604)、呼気(時点1601)、中間(時点1602)、吸気(時点1603)のタイミングでボリューム画像を取得する(画像1605〜1607)。
【0043】
ただし、画像再構成(再配置)では、呼気画像1608、中間画像1609、吸気画像1610がメモリ上で保存される。次の造影タイミングは呼気−吸気の中間タイミングで造影剤が注入され、ボリューム画像が取得される(画像1612〜1614)。上記と同様に、画像再構成(再配置)では、呼気画像1615、中間画像1616、吸気画像1617がメモリ上で保存される。
【0044】
ここで、前のボリュームデータから差分処理をすることで、血流ベクトルを算出し、画素単位のベクトル成分を抽出しておく。3回目の造影(時点1621)では呼気のタイミングで造影し、ボリューム画像1622〜1624を取得した後、画像再構成(再配置)することで呼気画像1625、中間画像1626、吸気画像1627をメモリ上に保存する。上記と同様に、前のボリュームデータから差分処理をすることで、血流ベクトルを算出し、画素単位のベクトル成分を抽出する。これらの情報をそれぞれ加算することで、時相数に応じた4D画像が得られることになる(画像1631〜1633)。
【0045】
図7は、本発明の一実施形態における臨床時のGUI表示例およびカラードップラー表示方法の説明図である。
【0046】
図7において、被検体901に対して術者902は右側からアプローチしている。術者902は術具903を被検体901の右側からアプローチしているので、GUI904上には3軸断面上の画像905〜907とVolume Rendering画像908上に術具909が表示される。ここで、術具909の先端を基準として血流方向の関係を画素単位でリアルタイムに計算し、先端に向かう方向の血流を赤色表示部911で、遠ざかる血流を青色表示部910で示している。
【0047】
つまり、術具909の方向ベクトル(術具909の長さ方向に沿ってこの術具グ909の先端に向かうベクトル)と、血流のベクトルから血流が術具909の先端に向かうか遠ざかるかを判断する。なお、血流方向と、術具909の長さ方向とが直交し、術具909の先端に向かうか遠ざかるかを判定することが困難な場合は、その血管部位を黄色表示することが可能である。
【0048】
図8は、被検体1001に対して術者1002が左側からアプローチしている様子を示している。上記と同様に、術者1002は術具1003を被検体1001の右側からアプローチしているので、GUI 1004上には3軸断面上の画像1005〜1007とVolume Rendering画像1008上に術具1009が表示される。
【0049】
ここで、術具1002の先端を基準として血流方向の関係を画素単位でリアルタイムに計算し、術具1002の先端に向かう方向の血流を赤色表示部1010で、遠ざかる血流を青色表示部1011で示している。
【0050】
図8に示した例と図7に示した例と異なるのは、術具方向が逆方向に起因した血流情報の逆転、つまり、赤色表示部と青色表示部とが互いに反転することである。これは、術具1002の位置に追随して血流情報を表示しているからである。
【0051】
術者は、断層画像及び血流の方向に基いて、その血管が動脈か静脈かの判断が容易となる。
【0052】
図9は、本発明の一実施形態における術前のGUI表示例を示す図である。図9において、全体画面上1100には装置情報、患者情報、各機能情報、術具情報の状態を示す画面部1130の他、患者モニタ情報を示す画面部1127がある。また、時相数設定ボタン1101で、時相数を設定することで、患者モニタ情報上に1周期分1126における分割情報が表示される(時点1121〜1125)。
【0053】
また、4D撮像ボタン1102、1103及び造影剤注入ボタン1104を押下することで、モニタ上に各時相に応じたボリューム撮像が自動的に行われ、一覧表示される(表示部1111〜1119)。さらに、4D血流解析ボタン1105を押下することで、血流情報と合わせて表示することもできる。
【0054】
また、4Dナビゲーションボタン1106、4Dカラードップラーボタン1107、2Dナビゲーションボタン1108、三次元位置情報ボタン1109も表示されている。
【0055】
図10は、術中のGUI表示例1201を示す図である。図10において、4Dナビゲーションボタン1106を押下することで、GUI1201上には3軸断面上の画像1203〜1205とVolume Rendering画像1206が表示され、術具1209が表示される。
【0056】
さらに、4Dカラードップラーボタン1107を押下することで、生体情報モニタ1211に現在の状況1213とリアルタイム波形1212が表示され、それに同期して術具先端に向かう方向の血流を赤色表示部1208で表示し、遠ざかる血流を青色表示部1207で表示する。
【0057】
必要に応じて、2Dナビゲーションボタン1108を押下することで、画面1221上に術具1222を含むリアルタイム撮像断面が表示され、三次元位置情報ボタン1109を押下することで三次元立体画面1231が表示され、術具情報1232、1233およびセグメンテーション情報1234〜1236が表示され、三次元立体位置構成が一目で分かるように画面構成されている。
【0058】
図11は、本発明の一実施形態における手術時のタイムチャートを示す図である。図11において、被検体に生体モニタを装着し(ステップ1301)、その後、造影剤を注入し(ステップ1302)、4D撮像を行う(ステップ1303)。差分画像から血流ベクトルを算出し(ステップ1304)、手術を開始し(ステップ1305)、その後、術具位置の検出を行う(ステップ1306)。
【0059】
一方、生体モニタに同期して4Dナビゲーションを表示し(ステップ1307)、そのモニタ上に、術具位置情報によるリアルタイム血流ベクトルを算出することで、血流情報を重畳表示することが可能となる(ステップ1308)。具体的には術具先端位置を中心として、血流方向を色分け表示し(ステップ1309)、必要に応じて警告機能を働かせることもできる(ステップ1310)。この機能は治療が開始(ステップ1311)されるまで繰り返される。
【0060】
以上のように、本発明の一実施形態は、MRI装置において、得られた生体情報(各時相)に同期して造影剤を注入して4D撮像を行い、画像処理にて血流ベクトルを算出し、手術ナビゲーション時に血流情報を重畳表示するものである。また、手術ナビゲーションは生体情報を同期させて4D画像を表示し、術具先端位置から見て血流方向を色分け表示する構成となっている。
【0061】
これより、立体表示(四次元)化して、4D流体情報を可視化できるようになり、一般的に行われている4Dナビゲーション機能に加えて、手術情報量を増加することができ、手術精度向上の支援を行うことができる。
【0062】
また、本発明は血流情報の重畳表示だけでなく、超音波装置では補えない軟部組織も同時描出可能なことから、ターゲット疾患を見つけられるメリットもあり、術者・患者に対するストレス低減と手術時間短縮による低侵襲が期待できる。
【0063】
なお、上述した例は、血管の血流方向を3次元的に画像表示する例であるが、血管等の流体情報を画像化できることから、血管だけでなくリンパ液や脳脊髄液の流れ方向を可視化することも可能である。
【0064】
また、上述した例は、本発明をMRI装置に適用した場合の例であるが、本発明は、MRI装置のみならず、CT装置等の三次元撮像が可能な他の医用画像診断装置にも適用可能である。
【0065】
ここで、4D撮像タイミングについて、本発明とは異なる例について説明する。これは、本発明と比較するために行うものである。
【0066】
図14は、本発明とは異なる方法による4D撮像タイミングを示す図である。図14に示した例は、被検体の呼吸波形1401と同期させた例であり、呼気1402、中間(1)1403、吸気1404、中間(2)1405の4つに分かれている。ここで、高速撮像を行うが、データ取得方法は呼気のタイミングでデータ1406を取得し、次のデータは中間(1)用のデータ1407、吸気用データ1408、中間(2)用データ1409と順番にデータ取得を行い、最初の呼気のデータ1410の取得に戻る。
【0067】
ただし、取得するデータは位相エンコードパルスを制御することで前回とは異なる部分のデータをそれぞれ取得する(データ1410〜1413)。これを所定回数繰り返すことで、4時相の二次元データが取得できる(データ1410〜1421)。さらに、スライスエンコードをkz方向に印加して、再度二次元データの取得を行う(データ1430〜1432)。これを所定回数繰り返す処理1440を行うことで、最終的に4時相分の3Dボリューム画像が得られ(データ1450〜1453)、その結果4Dデータ1441が得られる。
【0068】
図14に示した例では、中心データのみならず、周辺データも取得しているが、図12に示した本願発明の一実施形態においては、中心データのみ取得している。つまり、本発明の一実施形態においては、図12に示したように、高速撮像法を実行するため、中心データのみ取得している。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施形態の動作フローチャートである。
【図2】本発明の一実施形態が適用されるMRI装置の概略構式図である。
【図3】4Dボリューム画像取得例の説明図である。
【図4】4Dボリューム画像再構成例の説明図である。
【図5】本発明の一実施形態における高速3D撮像法による血流ベクトル抽出方法の説明図である。
【図6】本発明の一実施形態における高速3D撮像法による血流ベクトル抽出方法の説明図である。
【図7】本発明の一実施形態における臨床時のGUI表示例およびカラードップラー表示方法の説明図である。
【図8】本発明の一実施形態における臨床時のGUI表示例およびカラードップラー表示方法の説明図である。
【図9】本発明の一実施形態におけるGUI(術前)模式図である。
【図10】本発明の一実施形態におけるGUI(術中)模式図である。
【図11】本発明の一実施形態における手術時の動作タイムチャートである。
【図12】本発明の一実施形態における造影剤注入時の4D撮像タイミングの一例を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態における4D画像再配置例を示す図である。
【図14】本発明とは異なる方法による4D撮像タイミングを示す図である。
【符号の説明】
【0070】
1・・・MRI装置、3・・・上部磁石、5・・・下部磁石、7・・・支柱、9・・・位置検出デバイス、11・・・アーム、13、14・・・モニタ、15・・・モニタ支持部、17・・・基準ツール、19・・・パーソナルコンピュータ、21・・・ベッド、23・・・制御部、24・・・被検体、25・・・赤外線カメラ、27・・・ポインタ、29・・・操作者、34・・・映像記録装置、35・・・反射球、36・・・術具、38・・・同期計測装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気共鳴イメージング装置等の医用画像診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医用画像診断装置である核磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)は、連続的に被検体中の水素や燐等からの核磁気共鳴信号(MR信号)を測定し、核の密度分布や緩和時間分布等を映像化するものである。
【0003】
MRI装置を用いた心臓イメージングや、手術時の穿刺モニタリング、経皮的治療などに使用されるI−MRI装置(interventional−MRI装置、または、Intraoperative−MRI装置の略称)では、リアルタイムで撮像する断層面を任意に設定したいという要望がある。撮像する断層面を任意に選択する手法として、グラフィカルユーザインタフェースにMRI画像を表示して、画面上のボタンをクリックして、次に撮像する断層面を決定する方法(非特許文献1)や、3次元マウスなどを使う方法(特許文献1)などが提案されている。
【0004】
これらの方法では、撮像する断層面の位置や向きをマウスなどの入力手段で調整、設定しなければならず煩雑なので、MRI装置としては、より簡便に撮像する断層面の位置や向きを調整、設定できることが望ましい。その手法として、特許文献2や特許文献3などの断層面指示デバイス(ポインタなど)を用いて撮像する断層面を決定するMRI装置が提案されている。
【0005】
特許文献2では、断層面指示デバイスであるポインタに発光ダイオードが設けられ、操作者がポインタで指し示した位置を赤外線カメラで検出したり、関節にセンサが備えられたアームの先端部にポインタを設け、アームの関節の角度などでポインタの位置を検出し、これに基づいて、断層面を自動的に調整するものである。また、特許文献3は、2個の赤外線カメラと3個の反射球を備えたポインタとを使って指示した断層面を自動的に決定して撮像するものである。実際に実用レベルにあるシステムは、学会等においても臨床適用結果についても多数発表されている(特許文献4)。
【0006】
また、位置検出装置と過去に撮像したボリュームデータを用いた手術ナビゲーションシステムは手術時に患者に対してポインタなどにより指定される位置を、当該位置を含む患者の直交3平面それぞれを断面とする断層画像上に表示することにより手術操作をナビゲーションするシステムであり、脳神経外科手術などの高精度の外科手術に適用されている。
【0007】
ここで、このような手術ナビゲーションシステムにおける患者の断層画像は、予め、MRI装置によって撮像した3次元のデータであるボリュームデータにより生成される。一方、ポインタによる指定位置を定めるために必要とされるポインタの位置検出の方式には、機械式、光学式、磁気式、超音波式などの方式がある。
【0008】
その他、生体リズム(呼吸、脈波、心拍等)に応じた4D画像を予め取得しておき、手術時に4D画像を表示するシステムも提案されている(特許文献5)。
【0009】
高速撮像シーケンスの応用のひとつとして、フルオロスコピー(透視撮像)と呼ばれるリアルタイム動態画像化法が臨床応用されつつある。フルオロスコピーでは、1秒以下程度の周期で撮像と画像再構成を繰り返すことにより、あたかもX線透視撮像のように体内組織の動態抽出や体内に外部から挿入した器具の位置把握に用いることができる動態画像を生成・表示する。
【0010】
この応用は三次元高速撮像にも応用されている。方法として、Rawデータを間引いて撮像し、以前のデータを用いて補完・再構成する技術がある(特許文献6)。例えば、TR=1、Phase Encode=20、Slice Encode=20とすれば、400ms毎に1ボリュームの三次元画像を連続取得することができる。
【0011】
また、医用画像診断装置として、超音波診断装置があるが、被検体内に超音波を送受信し得られた反射エコー信号を用いて診断部位について2次元超音波画像或いは3次元超音波画像を形成して表示するものである。超音波診断装置は、被検体に超音波を照射し受信する振動子素子を備えた超音波探触子と、超音波信号を送受信する超音波送受信部と、受信信号に基づいて2次元超音波画像(Bモード画像)或いは3次元超音波画像を構成する超音波画像構成部と、超音波画像構成部により構成された超音波画像を表示する表示部と、これらを制御する制御部と、制御部に指示を与えるコントロールパネルとを有している。
【0012】
現在、超音波画像処理の技術は進歩しており、探触子に向かう方向の血流を赤色で、遠ざかる方向の血流を青色で表示するカラードップラー法がある(特許文献7)。利点としては、早い血流と遅い血流とを同時に表示できるだけでなく、カラーゲインを調節して速度が早いほど明るく表示することで血流を評価する。
【0013】
【特許文献1】米国特許第5512827号明細書
【特許文献2】米国特許第5365927号明細書
【特許文献3】米国特許第6026315号明細書
【特許文献4】国際公開第03/026505号パンフレット
【特許文献5】特開2007−185278号公報
【特許文献6】米国特許第6044290号明細書
【特許文献7】特許第3029706号明細書
【非特許文献1】Magnetic Resonance in Medicine:Real-time interactive MRI on a conventional scanner;AB。Kerr他、38巻、pp。355−367(1997)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記カラードップラー法による画像は超音波二次元画像を用いてリアルタイム血流情報を閲覧することができるので、診断だけでなく手術分野においても重要な役割を果たす機能である。
【0015】
しかし、表示される血流情報は二次元画像であり、奥行き情報等の三次元的に血流情報を閲覧することは未だ実現していない。また、現状カラードップラー機能は超音波装置に付属する機能なので、超音波が届く範囲でしか描出できないデメリットもある。
【0016】
本発明の目的は、血流情報を三次元的に画像表示可能な医用画像診断装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記目的を達成するため、本発明は次のように構成される。
【0018】
被検体の三次元画像情報を撮像する撮像手段と、術具検出手段と、被検体の断面画像及び術具を表示する画像表示手段とを有する医用画像診断装置において、上記撮像手段、術具検出手段及び画像表示手段を制御する制御演算手段を備え、この制御演算手段は、上記撮像手段によりされた被検体の三次元画像情報から血管の血流ベクトルを算出し、上記術具検出手段により検出された術具の先端位置に対する血管の血流方向を上記血流ベクトルに基づいて算出し、算出した血流方向に対して予め定めた色彩を、上記被検体の断面画像の血管部分に付加し、上記術具と共に上記画像表示手段に三次元画像表示させる。
【発明の効果】
【0019】
血流情報を三次元的に画像表示可能な医用画像診断装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0021】
図1は、本発明の位置実施形態における動作フローチャートであり、図2は本発明が適用されるMRI装置の概略構成図である。
【0022】
まず、図2に示すMRI装置1について説明する。MRI装置1は、例えば、垂直磁場方式0.3T永久磁石方式のMRI装置であり、垂直な静磁場を発生させる上部磁石3と、下部磁石5と、これら磁石を連結するとともに上部磁石3を支持する支柱7と、位置検出デバイス9と、アーム11と、モニタ13、14と、モニタ支持部15と、基準ツール17と、パーソナルコンピュータ19と、ベッド21と、制御部23とを備えている。
【0023】
MRI装置1の図示しない傾斜磁場発生部は、領斜磁場をパルス的に発生させ、最大傾磁場強度15mT/mで、スルーレート20mT/m/msである。さらに、MRI装置1は、静磁場中の被検体24に核磁気共鳴を生じさせるための図示しないRF送信器と、被検体24からの核磁気共鳴信号を受信する図示しないRF受信器とを備え、これらは12.88MHzの共振型コイルである。
【0024】
位置検出デバイス(術具検出手段)9は、2台の赤外線カメラ25と、赤外線を発光する図示しない発光ダイオードを含んで構成され、断層面指示デバイスであるポインタ27の位置及び姿勢を検出する。また、位置検出デバイス9は、アーム11により移動可能に上部磁石3に連結され、図2に示すように、MRI装置1に対する配置を適宜変更することができる。
【0025】
モニタ13は、操作者29が把持するポインタ27により指示された被検体24の断層面の画像を表示するもので、モニタ支持部15により、赤外線カメラ25と同様に上部磁石3に連結されている。基準ツール17は、赤外線カメラ25の座標系とMRI装置1の座標系をリンクさせるもので、3つの反射球35を備え、上部磁石3の側面に設けられている。
【0026】
パーソナルコンピュータ19には、赤外線カメラ25が検出し算出したポインタ27の位置が、位置データとして、例えば、RS232Cケーブル33を介して送信される。制御部23は、ワークステーションで構成され、図示しないRF送信器、RF受信器などを制御する。また、制御部23は、パーソナルコンピュータ19と接続されている。パーソナルコンピュータ19では赤外線カメラ25が検出し算出したポインタ27の位置をMRI装置1で利用可能な位置データに変換し制御部23へ送信する。位置データは、撮像シーケンスの撮像断面へ反映される。新たな撮像断面で取得された画像は液晶モニタ13に表示される。
【0027】
パーソナルコンピュータ19及び制御部23により制御演算手段が構成される。
【0028】
また、画像は映像記録装置(画像記憶手段)34に同時記録される。例えば断層面指示デバイスであるポインタ27を穿刺針36などに取り付け、穿刺針36のある位置を常に撮像断面とする様に構成した場合、モニタ13には針を常に含む断面が表示されることになる。被検体24には、同期計測装置(生体情報取得手段)38が取り付けられている。この同期計測装置38により計測された生体情報(呼吸、脈拍、心拍等)が計測され、4Dボリューム画像が取得される。
【0029】
図3に4Dボリューム画像取得例の説明図である。図3において、患者に取り付けられた同期計測装置38から生体情報(呼吸、脈波、心拍等)を取得する(処理301)。ここでは、被検体の呼吸情報をモニタしており、吸気・吸気−呼気中間・呼気の3Phaseの例を示している。吸気Phase302に同期した3D撮像305、吸気−呼気中間Phaseに同期した3D撮像306、呼気Phaseに同期した3D撮像307を時系列で行い、メモリ34上に記録する(処理308)。
【0030】
図4は4Dボリューム画像再構成例の説明図である。図4において、被検体401に取り付けられた生体同期計測装置405で生体情報を取得し、三次元位置検出カメラ403にて術具402の位置を検出し、撮像断面404を計算する。ここで、生体情報(呼吸情報)は吸気407、呼気409、その中間408の3パターンあり、それぞれの3Dボリューム画像410〜412はメモリ上に記録されているので、手術時は呼吸情報に同期した画像413をリアルタイムに提供することができる。
【0031】
図2に示したMRI装置を用いた本発明の一実施形態の動作について図1を参照して説明する。
【0032】
図1において、被検体24にモニタ用の同期計測装置38を装着し(ステップ101)、MRI装置1にて4D高速撮像を開始する(ステップ102)。生体モニタ情報に同期させて造影剤を注入し(ステップ103)、時系列血流4D画像を取得する(ステップ104)。各時相における画像処理を行い(ステップ105)、画素単位の血流ベクトルをそれぞれ描出する(ステップ106)。
【0033】
次に、ナビゲーションを起動し(ステップ107)、血流4D画像情報を読み込み(ステップ108)、手術開始する(ステップ109)。生体同期計測装置38はリアルタイムに生体情報を取得可能なことから、それに同期して4Dナビゲーションを表示する(ステップ110)、その上に血流情報を重畳表示する(ステップ111)。
【0034】
ここで、三次元術具位置検出装置(17、25等)にて術具36の位置を検出し、術具36の針先端を中心とした三次元血流情報をリアルタイムに計算し、針に向かって流れてくる血流と離れていく血流情報とを色分け表示する(ステップ112)。さらに、血流ベクトルと体積から血流量を計算し、予め設定した血流値を越える血管に術具が一定距離以下に接近した時には画像表示手段13、14に警告を表示する(ステップ113)。そして、各種ナビゲーションを用いて目的部位に到達し(ステップ114)、その後、治療を開始する(ステップ115)。
【0035】
図5は、3D高速撮像法による血流ベクトル描出方法の説明図である。図5において、撮像シーケンスはシングルエコーのグラディエントエコー又はマルチエコーのエコープラナー法(EPI)の3D撮像が一般的である。RFパルス701の印加と同時にスライス幅を決定するエンコードパルス702とスライス位置を決定するためのエンコードパルス704を印加する。さらに、位相エンコードパルス705、706を制御し、エコーを取得するためのリードアウトパルス703によりエコーを取得する。取得したデータ707はk空間上に再構成されるが、高速撮像をするために中心データ708のみを連続的に撮像して、周辺データは過去のデータを用いて補完する。
【0036】
例えば、呼吸動は約4秒周期なので、時相数を4とすれば1時相に対して1秒間の撮像時間を確保できる。TR=1、Phase Encode=30、Slice Encode=30とすれば、900msで1ボリュームの三次元画像が取得でき、時相に応じてそれぞれ3D撮像(つまり4D撮像)が行われる。
【0037】
ここで、図5には、動脈(又は静脈)に造影剤710を注入した時の例を示している。連続撮像中の3D画像711に造影剤710が流入することで、次のスキャンでは流入分713が3D画像712上に検出される。この撮像を繰り返すことで(画像714、716)、時系列的な画像と血流情報715、717が描出される。
【0038】
図6は、血流ベクトル描出方法の説明図である。図6において、時系列に得られる3Dボリューム画像801に対して、直前に取得した3D画像802との差分を算出することで、画素単位(1スキャン単位)の血流ベクトルが描出できる(画像803に示す)。この演算を複数回繰り返したものを加算することで(複数枚の画像804)、ボリュームにおける画素単位の血流ベクトルを求めることができる(画像805に示す。
【0039】
図12は、本発明の一実施形態における造影剤注入時の4D撮像タイミング(4時相)の一例を示す図である。この図12に示した例では、呼気1502、中間(1)1503、吸気1504、中間(2)1505の4時相例である。最初に呼気のタイミングで造影剤を注入し(時点1530、呼気(時点1502))、中間(1)(1503、データ1512)、吸気1504(データ1518)、中間(2)(1505、データ1524)のタイミングでデータを取得する。
【0040】
取得したデータはRawデータとして、k空間上に再構成される(データ1509、1515、1521、1527)。さらに、必要に応じてマルチスライス撮像もでき、異なるスライス位置のデータを次のタイミングで撮像し(データ1507、1508)、Rawデータとして蓄えておくこともできる(データ1510、1511)。
【0041】
同様に、中間(1)についても、取得データ1513、1514とRawデータ1516、1517、吸気についても取得データ1519、1520とRawデータ1522、1523、中間(2)についても取得データ1525、1526とRawデータ1528、1529の関係が成り立ち、メモリ上に記録される。
【0042】
図13は、本発明の一実施形態における4D画像再配置例を示す図である。ここでは、呼吸波形に対して呼気1601、中間1602、吸気1603の3時相例である。図13において、呼気のタイミングで造影剤を注入し(時点1604)、呼気(時点1601)、中間(時点1602)、吸気(時点1603)のタイミングでボリューム画像を取得する(画像1605〜1607)。
【0043】
ただし、画像再構成(再配置)では、呼気画像1608、中間画像1609、吸気画像1610がメモリ上で保存される。次の造影タイミングは呼気−吸気の中間タイミングで造影剤が注入され、ボリューム画像が取得される(画像1612〜1614)。上記と同様に、画像再構成(再配置)では、呼気画像1615、中間画像1616、吸気画像1617がメモリ上で保存される。
【0044】
ここで、前のボリュームデータから差分処理をすることで、血流ベクトルを算出し、画素単位のベクトル成分を抽出しておく。3回目の造影(時点1621)では呼気のタイミングで造影し、ボリューム画像1622〜1624を取得した後、画像再構成(再配置)することで呼気画像1625、中間画像1626、吸気画像1627をメモリ上に保存する。上記と同様に、前のボリュームデータから差分処理をすることで、血流ベクトルを算出し、画素単位のベクトル成分を抽出する。これらの情報をそれぞれ加算することで、時相数に応じた4D画像が得られることになる(画像1631〜1633)。
【0045】
図7は、本発明の一実施形態における臨床時のGUI表示例およびカラードップラー表示方法の説明図である。
【0046】
図7において、被検体901に対して術者902は右側からアプローチしている。術者902は術具903を被検体901の右側からアプローチしているので、GUI904上には3軸断面上の画像905〜907とVolume Rendering画像908上に術具909が表示される。ここで、術具909の先端を基準として血流方向の関係を画素単位でリアルタイムに計算し、先端に向かう方向の血流を赤色表示部911で、遠ざかる血流を青色表示部910で示している。
【0047】
つまり、術具909の方向ベクトル(術具909の長さ方向に沿ってこの術具グ909の先端に向かうベクトル)と、血流のベクトルから血流が術具909の先端に向かうか遠ざかるかを判断する。なお、血流方向と、術具909の長さ方向とが直交し、術具909の先端に向かうか遠ざかるかを判定することが困難な場合は、その血管部位を黄色表示することが可能である。
【0048】
図8は、被検体1001に対して術者1002が左側からアプローチしている様子を示している。上記と同様に、術者1002は術具1003を被検体1001の右側からアプローチしているので、GUI 1004上には3軸断面上の画像1005〜1007とVolume Rendering画像1008上に術具1009が表示される。
【0049】
ここで、術具1002の先端を基準として血流方向の関係を画素単位でリアルタイムに計算し、術具1002の先端に向かう方向の血流を赤色表示部1010で、遠ざかる血流を青色表示部1011で示している。
【0050】
図8に示した例と図7に示した例と異なるのは、術具方向が逆方向に起因した血流情報の逆転、つまり、赤色表示部と青色表示部とが互いに反転することである。これは、術具1002の位置に追随して血流情報を表示しているからである。
【0051】
術者は、断層画像及び血流の方向に基いて、その血管が動脈か静脈かの判断が容易となる。
【0052】
図9は、本発明の一実施形態における術前のGUI表示例を示す図である。図9において、全体画面上1100には装置情報、患者情報、各機能情報、術具情報の状態を示す画面部1130の他、患者モニタ情報を示す画面部1127がある。また、時相数設定ボタン1101で、時相数を設定することで、患者モニタ情報上に1周期分1126における分割情報が表示される(時点1121〜1125)。
【0053】
また、4D撮像ボタン1102、1103及び造影剤注入ボタン1104を押下することで、モニタ上に各時相に応じたボリューム撮像が自動的に行われ、一覧表示される(表示部1111〜1119)。さらに、4D血流解析ボタン1105を押下することで、血流情報と合わせて表示することもできる。
【0054】
また、4Dナビゲーションボタン1106、4Dカラードップラーボタン1107、2Dナビゲーションボタン1108、三次元位置情報ボタン1109も表示されている。
【0055】
図10は、術中のGUI表示例1201を示す図である。図10において、4Dナビゲーションボタン1106を押下することで、GUI1201上には3軸断面上の画像1203〜1205とVolume Rendering画像1206が表示され、術具1209が表示される。
【0056】
さらに、4Dカラードップラーボタン1107を押下することで、生体情報モニタ1211に現在の状況1213とリアルタイム波形1212が表示され、それに同期して術具先端に向かう方向の血流を赤色表示部1208で表示し、遠ざかる血流を青色表示部1207で表示する。
【0057】
必要に応じて、2Dナビゲーションボタン1108を押下することで、画面1221上に術具1222を含むリアルタイム撮像断面が表示され、三次元位置情報ボタン1109を押下することで三次元立体画面1231が表示され、術具情報1232、1233およびセグメンテーション情報1234〜1236が表示され、三次元立体位置構成が一目で分かるように画面構成されている。
【0058】
図11は、本発明の一実施形態における手術時のタイムチャートを示す図である。図11において、被検体に生体モニタを装着し(ステップ1301)、その後、造影剤を注入し(ステップ1302)、4D撮像を行う(ステップ1303)。差分画像から血流ベクトルを算出し(ステップ1304)、手術を開始し(ステップ1305)、その後、術具位置の検出を行う(ステップ1306)。
【0059】
一方、生体モニタに同期して4Dナビゲーションを表示し(ステップ1307)、そのモニタ上に、術具位置情報によるリアルタイム血流ベクトルを算出することで、血流情報を重畳表示することが可能となる(ステップ1308)。具体的には術具先端位置を中心として、血流方向を色分け表示し(ステップ1309)、必要に応じて警告機能を働かせることもできる(ステップ1310)。この機能は治療が開始(ステップ1311)されるまで繰り返される。
【0060】
以上のように、本発明の一実施形態は、MRI装置において、得られた生体情報(各時相)に同期して造影剤を注入して4D撮像を行い、画像処理にて血流ベクトルを算出し、手術ナビゲーション時に血流情報を重畳表示するものである。また、手術ナビゲーションは生体情報を同期させて4D画像を表示し、術具先端位置から見て血流方向を色分け表示する構成となっている。
【0061】
これより、立体表示(四次元)化して、4D流体情報を可視化できるようになり、一般的に行われている4Dナビゲーション機能に加えて、手術情報量を増加することができ、手術精度向上の支援を行うことができる。
【0062】
また、本発明は血流情報の重畳表示だけでなく、超音波装置では補えない軟部組織も同時描出可能なことから、ターゲット疾患を見つけられるメリットもあり、術者・患者に対するストレス低減と手術時間短縮による低侵襲が期待できる。
【0063】
なお、上述した例は、血管の血流方向を3次元的に画像表示する例であるが、血管等の流体情報を画像化できることから、血管だけでなくリンパ液や脳脊髄液の流れ方向を可視化することも可能である。
【0064】
また、上述した例は、本発明をMRI装置に適用した場合の例であるが、本発明は、MRI装置のみならず、CT装置等の三次元撮像が可能な他の医用画像診断装置にも適用可能である。
【0065】
ここで、4D撮像タイミングについて、本発明とは異なる例について説明する。これは、本発明と比較するために行うものである。
【0066】
図14は、本発明とは異なる方法による4D撮像タイミングを示す図である。図14に示した例は、被検体の呼吸波形1401と同期させた例であり、呼気1402、中間(1)1403、吸気1404、中間(2)1405の4つに分かれている。ここで、高速撮像を行うが、データ取得方法は呼気のタイミングでデータ1406を取得し、次のデータは中間(1)用のデータ1407、吸気用データ1408、中間(2)用データ1409と順番にデータ取得を行い、最初の呼気のデータ1410の取得に戻る。
【0067】
ただし、取得するデータは位相エンコードパルスを制御することで前回とは異なる部分のデータをそれぞれ取得する(データ1410〜1413)。これを所定回数繰り返すことで、4時相の二次元データが取得できる(データ1410〜1421)。さらに、スライスエンコードをkz方向に印加して、再度二次元データの取得を行う(データ1430〜1432)。これを所定回数繰り返す処理1440を行うことで、最終的に4時相分の3Dボリューム画像が得られ(データ1450〜1453)、その結果4Dデータ1441が得られる。
【0068】
図14に示した例では、中心データのみならず、周辺データも取得しているが、図12に示した本願発明の一実施形態においては、中心データのみ取得している。つまり、本発明の一実施形態においては、図12に示したように、高速撮像法を実行するため、中心データのみ取得している。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施形態の動作フローチャートである。
【図2】本発明の一実施形態が適用されるMRI装置の概略構式図である。
【図3】4Dボリューム画像取得例の説明図である。
【図4】4Dボリューム画像再構成例の説明図である。
【図5】本発明の一実施形態における高速3D撮像法による血流ベクトル抽出方法の説明図である。
【図6】本発明の一実施形態における高速3D撮像法による血流ベクトル抽出方法の説明図である。
【図7】本発明の一実施形態における臨床時のGUI表示例およびカラードップラー表示方法の説明図である。
【図8】本発明の一実施形態における臨床時のGUI表示例およびカラードップラー表示方法の説明図である。
【図9】本発明の一実施形態におけるGUI(術前)模式図である。
【図10】本発明の一実施形態におけるGUI(術中)模式図である。
【図11】本発明の一実施形態における手術時の動作タイムチャートである。
【図12】本発明の一実施形態における造影剤注入時の4D撮像タイミングの一例を示す図である。
【図13】本発明の一実施形態における4D画像再配置例を示す図である。
【図14】本発明とは異なる方法による4D撮像タイミングを示す図である。
【符号の説明】
【0070】
1・・・MRI装置、3・・・上部磁石、5・・・下部磁石、7・・・支柱、9・・・位置検出デバイス、11・・・アーム、13、14・・・モニタ、15・・・モニタ支持部、17・・・基準ツール、19・・・パーソナルコンピュータ、21・・・ベッド、23・・・制御部、24・・・被検体、25・・・赤外線カメラ、27・・・ポインタ、29・・・操作者、34・・・映像記録装置、35・・・反射球、36・・・術具、38・・・同期計測装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の三次元画像情報を撮像する撮像手段と、術具検出手段と、被検体の断面画像及び術具を表示する画像表示手段とを有する医用画像診断装置において、
上記撮像手段、術具検出手段及び画像表示手段を制御する制御演算手段であり、上記撮像手段によりされた被検体の三次元画像情報から血管の血流ベクトルを算出し、上記術具検出手段により検出された術具の先端位置に対する血管の血流方向を上記血流ベクトルに基づいて算出し、算出した血流方向に対して予め定めた色彩を、上記被検体の断面画像の血管部分に付加し、上記術具と共に上記画像表示手段に三次元画像表示させる制御演算手段を備えることを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項2】
請求項1記載の医用画像診断装置において、被検体の生体情報を取得する生体情報取得手段を備え、上記制御演算手段は、上記生体情報取得手段により取得された生体情報に同期した被検体の断面画像を、上記色彩が付加された血管部分及び上記術具とともに上記画像表示手段に表示させることを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項3】
請求項2記載の医用画像診断装置において、上記制御演算手段は、上記生体情報から得られる生体リズムの周期を分割し、分割した時点における上記被検体の断面画像を撮像させ、上記画像表示手段に表示させることを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項4】
請求項3記載の医用画像診断装置において、画像記憶手段を備え、上記生体情報は、呼吸情報であり、呼吸情報の一周期における吸気、吸気−呼気間、呼気時点を分割時点とし、各分割時点毎の上記被検体の断面画像を上記画像記憶手段に格納することを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項5】
請求項1記載の医用画像診断装置において、上記制御演算手段は、時系列で上記被検体の複数の三次元画像を撮像し、時間的に前後する画像を互いに減算することにより血管の血流方向ベクトルを算出することを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項6】
請求項2記載の医用画像診断装置において、上記制御演算手段は、上記生体情報取得手段により取得された生体情報及び上記被検体の三次元画像を上記画像表示手段に表示させることを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項7】
請求項1記載の医用画像診断装置において、上記制御演算手段は、上記被検体の三次元画像情報から、血管の体積と上記血流ベクトルから血流量を算出し、予め定められた一定の血流値を血管に上記術具が一定距離に接近したとき、上記表示手段に警告を表示させることを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項8】
静磁場発生手段と、傾斜磁場発生手段と、高周波信号送受信手段と、画像表示手段と、上記静磁場発生手段、傾斜磁場発生手段、高周波信号送受信手段及び画像表示手段を制御し、上記高周波信号送受信手段が受信した核磁気共鳴信号に基づいて被検体の三次元画像情報を取得し、被検体の画像を再構成して上記画像表示手段に表示させる制御演算手段と、術具検出手段とを有する磁気共鳴イメージング装置において、
上記制御演算手段は、上記被検体の三次元画像情報から血管の血流ベクトルを算出し、上記術具検出手段により検出された術具の先端位置に対する血管の血流方向を上記血流ベクトルに基づいて算出し、算出した血流方向に対して予め定めた色彩を、上記被検体の断面画像の血管部分に付加し、上記術具と共に上記画像表示手段に三次元画像表示させることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【請求項1】
被検体の三次元画像情報を撮像する撮像手段と、術具検出手段と、被検体の断面画像及び術具を表示する画像表示手段とを有する医用画像診断装置において、
上記撮像手段、術具検出手段及び画像表示手段を制御する制御演算手段であり、上記撮像手段によりされた被検体の三次元画像情報から血管の血流ベクトルを算出し、上記術具検出手段により検出された術具の先端位置に対する血管の血流方向を上記血流ベクトルに基づいて算出し、算出した血流方向に対して予め定めた色彩を、上記被検体の断面画像の血管部分に付加し、上記術具と共に上記画像表示手段に三次元画像表示させる制御演算手段を備えることを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項2】
請求項1記載の医用画像診断装置において、被検体の生体情報を取得する生体情報取得手段を備え、上記制御演算手段は、上記生体情報取得手段により取得された生体情報に同期した被検体の断面画像を、上記色彩が付加された血管部分及び上記術具とともに上記画像表示手段に表示させることを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項3】
請求項2記載の医用画像診断装置において、上記制御演算手段は、上記生体情報から得られる生体リズムの周期を分割し、分割した時点における上記被検体の断面画像を撮像させ、上記画像表示手段に表示させることを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項4】
請求項3記載の医用画像診断装置において、画像記憶手段を備え、上記生体情報は、呼吸情報であり、呼吸情報の一周期における吸気、吸気−呼気間、呼気時点を分割時点とし、各分割時点毎の上記被検体の断面画像を上記画像記憶手段に格納することを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項5】
請求項1記載の医用画像診断装置において、上記制御演算手段は、時系列で上記被検体の複数の三次元画像を撮像し、時間的に前後する画像を互いに減算することにより血管の血流方向ベクトルを算出することを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項6】
請求項2記載の医用画像診断装置において、上記制御演算手段は、上記生体情報取得手段により取得された生体情報及び上記被検体の三次元画像を上記画像表示手段に表示させることを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項7】
請求項1記載の医用画像診断装置において、上記制御演算手段は、上記被検体の三次元画像情報から、血管の体積と上記血流ベクトルから血流量を算出し、予め定められた一定の血流値を血管に上記術具が一定距離に接近したとき、上記表示手段に警告を表示させることを特徴とする医用画像診断装置。
【請求項8】
静磁場発生手段と、傾斜磁場発生手段と、高周波信号送受信手段と、画像表示手段と、上記静磁場発生手段、傾斜磁場発生手段、高周波信号送受信手段及び画像表示手段を制御し、上記高周波信号送受信手段が受信した核磁気共鳴信号に基づいて被検体の三次元画像情報を取得し、被検体の画像を再構成して上記画像表示手段に表示させる制御演算手段と、術具検出手段とを有する磁気共鳴イメージング装置において、
上記制御演算手段は、上記被検体の三次元画像情報から血管の血流ベクトルを算出し、上記術具検出手段により検出された術具の先端位置に対する血管の血流方向を上記血流ベクトルに基づいて算出し、算出した血流方向に対して予め定めた色彩を、上記被検体の断面画像の血管部分に付加し、上記術具と共に上記画像表示手段に三次元画像表示させることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2009−279290(P2009−279290A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−136198(P2008−136198)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]