説明

医療支援システム

【課題】
本発明では、医療施設内及び医療施設外において使用可能であるとともに、音声通話機能、データ通信機能、ハンズフリー機能、個人認証機能等を備えた携帯端末を用いて、電子カルテ管理、オーダー管理、業務スケジュール管理等を行う医療支援システムを提案することを目的とする。
【解決手段】
外部ネットワーク21及び内部ネットワーク22に接続された医療施設管理装置3と、外部ネットワーク21または内部ネットワーク22を介して医療施設管理装置3と通信する携帯端末6とからなり、携帯端末は入力手段と出力手段と通信手段と記憶手段と処理手段と音声変換手段を備え、通信手段は、内部ネットワーク22に接続可能であるか否か判断して通信方式を切り替えて通信し、処理手段は、電源起動時に携帯端末保持者が入力手段により入力した生体情報と記憶手段に記録されている生体情報とを比較し一致した場合に電源を起動する医療支援システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療従事者が患者情報等を管理するための医療支援システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近日、社会のIT化に伴って医療現場におけるシステム化は急速に進んでおり、医療従事者に携帯され医療業務を支援する携帯端末について提案されている。
【0003】
引用文献1には、医療従事者が携帯して、バーコードリーダにより患者情報を入力すると実施予定の医療行為の内容を表示する携帯端末が記載されている。また、引用文献2には、院内無線LANを使用し患者の治療計画データ、治療内容データを送受信して記憶する携帯端末が記載されている。
【0004】
しかしながら、上記引用文献1、2の携帯端末では、患者の病状の急変等の早急な報告が必要な場合においても音声通話ができず、緊急連絡が行えないという問題がある。
【0005】
また、引用文献1、2の携帯端末が患者の個人情報を保持した状態で第三者の手に渡ってしまうと、個人情報が漏洩する恐れがあるという問題がある。
【0006】
さらに、引用文献1、2の携帯端末は、医療現場で患者の病状が急変したり治療計画が変更されたりした場合においても、情報が即座に更新されないという問題がある。
【0007】
【特許文献1】特開2003−99529号公報
【特許文献2】特開2003−70851号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記従来の事情に鑑みなされたものであり、医療施設内及び医療施設外において使用可能であるとともに、音声通話機能、データ通信機能、ハンズフリー機能、個人認証機能等を備えた携帯端末を用いて、電子カルテ管理、オーダー管理、業務スケジュール管理、物品管理、医療知識管理等を行う医療支援システムを提案することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明に係る医療支援システムは、以下に記載の手段を採用する。
【0010】
すなわち、請求項1は、インターネット等の広域に接続される外部ネットワーク及び医療施設内に複数の基地局が設置されて医療施設内でのみ通信可能に設けられた内部ネットワークに接続された医療施設管理装置と、前記外部ネットワークまたは前記内部ネットワークを介して前記医療施設管理装置と通信する携帯端末とからなり、前記携帯端末は、音声や文字列等のデータを入力する入力手段と、音声や文字列等のデータを出力する出力手段と、前記基地局と通信可能であるか否か判断して通信可能である場合は通信方式を内部ネットワーク用に設定して内部ネットワークを介して通信し、通信不可能である場合は通信方式を外部ネットワーク用に設定して外部ネットワークを介して通信する通信手段と前記通信手段により受信した音声のデジタルデータをアナログデータに変換して前記出力手段により出力するとともに、入力手段から入力された音声のアナログデータをデジタルデータに変換して前記通信手段により送信する音声変換手段と、携帯端末保持者の声紋や指紋等の生体情報が予め記録されている記憶手段と、電源起動時に携帯端末保持者の生体情報を出力手段により要求し、携帯端末保持者が入力手段により入力した生体情報と前記記憶手段に記録されている生体情報とを比較し一致した場合に電源を起動する処理手段と、を有することを特徴とする。
【0011】
この手段によると、携帯端末は、医療施設内では内部ネットワークを介して、医療施設外では外部ネットワークを介して医療施設管理装置に接続され、医療施設管理装置と通信を行う。
【0012】
さらに、携帯端末は、記憶手段に生体情報を記録した医療従事者のみにより起動される。
【0013】
また、請求項2は、請求項1に記載の医療支援システムにおいて、医療施設管理装置は、医療施設内で用いられる患者や医療従事者等の所定の情報が格納されたデータベースと、前記データベースの所定の情報を携帯端末に配信するとともに、前記携帯端末から受信した所定の情報を前記データベースに格納するサーバと、前記携帯端末から受信した所定の情報を記憶する記憶装置と、前記情報の送受信処理及び前記所定の情報の格納処理を行う処理装置と、を有することを特徴とする。
【0014】
この手段によると、医療施設管理装置がデータベースに格納された情報を携帯端末に送信することにより携帯端末は医療施設管理装置から情報を取得し、また、携帯端末が医療施設管理装置に送信した情報を医療施設管理装置が受信してデータベースに格納する。
【0015】
また、請求項3は、請求項1または2に記載の医療支援システムにおいて、医療施設管理装置のデータベースには予め生体情報が格納されていて、携帯端末が医療施設管理装置に情報を送信する際に携帯端末保持者の生体情報を併せて送信し、前記情報を受信した医療施設管理装置は、データベース内の生体情報と携帯端末から受信した生体情報とを比較し前記携帯端末保持者の認証を行うことを特徴とする。
【0016】
この手段によると、携帯端末から医療施設管理装置に情報を送信する際に、医療施設管理装置において受信した生体情報とデータベースに格納された生体情報とを用いて送信者の個人認証が行われる。
【0017】
また、請求項4は、請求項1から3のいずれかに記載の医療支援システムにおいて、医療施設管理装置のサーバは秘密鍵を生成して携帯端末に送信し、前記医療施設管理装置及び携帯端末は、情報を送信する際に前記秘密鍵に基づいて送信する情報を暗号化するとともに、情報を受信する際に前記秘密鍵に基づいて受信する情報を復号化することを特徴とする。
【0018】
この手段によると、携帯端末同士で、及び、医療施設管理装置と携帯端末との間でやり取りされる情報が暗号化される。
【0019】
また、請求項5は、請求項1から4のいずれかに記載の医療支援システムにおいて、携帯端末の記憶手段は、任意に選択された単語である命令語の音声パターンの符号化情報と、前記命令語に対応付けられた処理コマンドとを保持し、携帯端末の処理手段は、入力手段により入力された音声を符号化して前記命令語の符号化情報と比較し、それらが一致した場合には前記命令語に対応付けられた処理コマンドを実行することを特徴とする。
【0020】
この手段によると、音声入力により携帯端末に設定されたコマンドが実行される。
【0021】
また、請求項6は、請求項2から5のいずれかに記載の医療支援システムにおいて、所定の情報には、医療施設内で患者を区別する患者IDとそれに対応した処方薬の処方薬品名や処方日時とからなるオーダー情報が含まれ、携帯端末が前記医療施設管理装置に対して患者IDを送信するとともに前記オーダー情報を要求すると、サーバは前記データベースから受信した患者IDに対応するオーダー情報を取得して携帯端末に送信し、前記携帯端末が前記医療施設管理装置に対して患者IDとオーダー情報とを送信すると、前記サーバはオーダー情報を受信して前記データベースに格納することを特徴とする。
【0022】
この手段によると、医療施設管理装置のデータベースに格納されているオーダー情報を携帯端末で受信することができる。また、携帯端末から医療施設管理装置に対してオーダー情報を送信することができる。
【0023】
また、請求項7は、請求項2から6のいずれかに記載の医療支援システムにおいて、所定の情報には、各患者に関して、医療施設内で患者を区別する患者IDと症状や疾患名とからなるカルテ情報が含まれ、携帯端末が前記医療施設管理装置に対して患者IDを送信するとともにカルテ情報を要求すると、サーバは前記データベースから受信した患者IDに対応するオーダー情報を取得してその情報を携帯端末に送信し、前記携帯端末が前記医療施設管理装置に対して患者IDとカルテ情報とを送信すると、前記サーバはカルテ情報を受信して前記データベースに格納することを特徴とする。
【0024】
この手段によると、医療施設管理装置のデータベースに格納されているカルテ情報を携帯端末で受信することができる。また、携帯端末により医療施設管理装置に対してカルテ情報を送信することができる。
【0025】
また、請求項8は、請求項2から7のいずれかに記載の医療支援システムにおいて、所定の情報には、複数の医療情報とそれに関連付けられるキーワードとからなる医療知識情報が含まれ、携帯端末が前記医療施設管理装置に対してキーワードを送信するとともに医療知識情報を要求すると、サーバは前記データベースから受信したキーワードに関連付けられた医療情報を取得してその情報を携帯端末に送信することを特徴とする。
【0026】
この手段によると、携帯端末にキーワードを入力して医療施設管理装置に送信することにより、医療施設管理装置のデータベースに格納されている医療情報の内のそのキーワードに関連する情報を携帯端末で取得することができる。
【0027】
また、請求項9は、請求項2から8のいずれかに記載の医療支援システムにおいて、所定の情報には、医療施設内で使用される物品を区別する物品IDとそれに対応した在庫数とからなる物品情報が含まれ、携帯端末が前記医療施設管理装置に対して物品IDを送信するとともに物品情報を要求すると、サーバは前記データベースから受信した物品IDに対応する物品情報を取得してその情報を携帯端末に送信するとともに、前記携帯端末が前記医療施設管理装置に対して物品IDと物品情報とを送信すると、前記サーバは物品情報を受信して前記データベースに格納することを特徴とする。
【0028】
この手段によると、医療施設管理装置のデータベースに格納されている物品情報を携帯端末で受信することができる。また、携帯端末により医療施設管理装置に対して物品情報を送信して医療施設管理装置のデータベースに格納することができるである。
【0029】
また、請求項10は、請求項2から9のいずれかに記載の医療支援システムにおいて、所定の情報には、医療施設内で医療従事者を区別する医療従事者IDとそれに対応した業務内容や業務実施予定日時とからなる業務スケジュール情報が含まれ、携帯端末が前記医療施設管理装置に対して医療従事者IDを送信するとともに業務スケジュール情報を要求すると、サーバは前記データベースから受信した医療従事者IDに対応する業務スケジュール情報を取得してその情報を携帯端末に送信することを特徴とする。
【0030】
この手段によると、医療施設管理装置のデータベースに格納されている業務スケジュール情報を携帯端末で受信することができる。
【0031】
また、請求項11は、請求項1から10のいずれかに記載の医療支援システムにおいて、所定の情報には、医療行為とそれに対応した点数とからなる診療報酬情報が含まれ、携帯端末が前記医療施設管理装置に対して患者ID、行った医療行為の情報を含んだカルテ情報を送信すると、サーバは前記データベースから受信したカルテ情報の医療行為に対応する点数を取得することを特徴とする。
【0032】
この手段によると、携帯端末から医療施設管理装置にカルテ情報を送信することにより、医療施設管理装置は、実施された医療行為に関してデータベースに格納されている医療報酬情報から点数を取得することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によると、医療従事者は携帯端末により医療施設管理装置のデータベースに格納された情報を取得することができる。また、医療従事者は携帯端末から医療施設管理装置に業務に関する情報を送信することにより、その情報を医療施設管理装置のデータベースに格納することができる。
【0034】
また、携帯端末が医療施設内と医療施設外とにおいて通信方式を自動的に切り替えて接続を行うことにより、医療施設内や医療施設外において医療機器の誤作動等を気にせずに携帯端末で通信を行うことができる。
【0035】
さらに、携帯端末が所有者として登録されている医療従事者のみにより起動されるため、携帯端末が盗難にあった場合や携帯端末を紛失した場合においても情報の漏洩を防止することができる。
【0036】
そして、医療施設管理装置が携帯端末から情報を受信するする際に送信者の個人認証を行うことにより、医療施設管理装置への不正アクセスが防止される。
【0037】
それから、医療施設管理装置及び携帯端末でやり取りされる全ての情報が暗号化されるため、それらの情報の盗聴や改ざんが防止される。
【0038】
その上、音声により携帯端末に設定されたコマンドを実行できるため、医療従事者が手術中等の手を使えない状況にあっても、携帯端末による処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
以下、本発明の実施の形態(1)を図1〜図31を用いて説明する。図1に、本発明の医療支援システム1の概略構成を示す。
【0040】
本発明の医療支援システム1は、広域ネットワークである外部ネットワーク21と、医療施設内のみで通信可能である内部ネットワーク22と、外部ネットワーク21及び内部ネットワーク22に接続されて医療施設内の情報を一括管理する医療施設管理装置3と、医者、看護師等の医療従事者が所持し外部ネットワーク21用及び内部ネットワーク22用の通信方式の切替が可能な携帯端末6と、を備えている。
【0041】
外部ネットワーク21は、WAN(Wide Area Network)、インターネット等の広域ネットワークであり、携帯端末6と直接交信する複数の基地局211、交換機(図示せず)が医療施設外に設置されている。医療施設管理装置3及び携帯端末6は、外部ネットワーク21を介して音声、文字、画像等のデータ通信が可能である。
【0042】
内部ネットワーク22は、医療施設内に複数の基地局221、交換機(図示せず)を設置することにより、医療施設内のみを通信可能とする無線LAN(Local Area Network)等のネットワークである。医療施設内における、携帯端末6同士の通信、及び医療施設管理装置3と携帯端末6との通信は、この基地局221を介して行われる。
【0043】
基地局211、221は、携帯端末6との間で無線通信を行う無線送受信部、携帯端末6からの受信データを復調するモデム復調器、データを符号化圧縮させ、再生時に展開するチャネルコーディック、音声信号のデジタル/アナログ変換を行う音声コーディック、交換機側からのデータを変調して無線送受信部へ送出するモデム変調器、携帯端末6との通信制御を行う無線処理装置、基地局IDが格納される補助記憶装置、様々な処理が行われるメインメモリ、交換機との間で通信制御を行う回線処理装置、交換機側と回線を介してデータ伝送を行うための伝送回路からなる。
【0044】
なお、無線送受信部は、受信アンプ、第1ミキサ、第2ミキサ、中間周波発生部、直交変調器、第3ミキサ、受信アンプ、アンテナスイッチ、及び第1〜第3ミキサと直交変調器の周波数を制御するシンセサイザからなる。
【0045】
ここで無線処理装置は、携帯端末6の発信操作に基づくダイヤル操作情報等を示す制御データを、無線送受信部、モデム復調器及びチャネルコーディックを介して受信すると、この制御データを回線処理装置に送信する。回線処理装置は、この制御データを伝送回路を介し交換機側へ送信することにより、相手の呼出が行われる。
【0046】
一方、回線処理装置が伝送回路を介して交換機側から着信データ等の制御データを受信すると、この制御データを無線処理装置へ送信する。無線処理装置は受信した制御データをチャネルコーディックへ送る。
【0047】
この結果、その制御データは、チャネルコーディック、モデム変調器及び無線送受信部を介して携帯端末6へ送信され携帯端末6は着信鳴動する。
【0048】
このような制御データの流れに対して、無線送受信部、モデム復調器及びチャネルコーディックを経由する携帯端末6からの音声データは音声コーディックに送出される。そして音声コーディックでアナログ信号に変換され交換機側へ送信される。また、交換機側からのアナログ音声信号は音声コーディックでデジタル信号に変換され、チャネルコーディック、モデム変調器及び無線送受信部を経由して携帯端末6へ送信される。
【0049】
医療施設管理装置3は、図2に示すように、音声、文字、画像等の各種情報を入力する入力装置31と、それらの各種情報を出力する出力装置32と、各種情報を記憶する記憶装置34と、入力装置31、出力装置32、記憶装置34等の制御や、後述する様々な処理を行う処理装置33とを備えている。
【0050】
また、医療施設管理装置3は、セキュリティ保護のために、ファイヤーウォール35とVPN(Visual Private Network)ゲートウェイ等のセキュリティゲートウェイ36とを備えている。
【0051】
ファイヤーウォール35は、医療施設外から医療施設内へのアクセスを制限し、許可されたもののみのアクセスを可能とする。セキュリティゲートウェイ36は、通信経路を暗号化して、仮想的に専用回線で接続されている状態を作り出す。セキュリティゲートウェイ36は外部ネットワークと内部ネットワークとの接点に置かれ、内部ネットワーク22から外部ネットワークへの通信データはセキュリティゲートウェイ36にて暗号化される。そして、受信した端末のセキュリティゲートウェイにて復号化されて目的のコンピュータに受信される。なお、宛先のコンピュータにより受信されてから復号化されてもよい。
【0052】
また、医療施設管理装置3のデータベース構成図を図3に示す。医療施設管理装置3は、患者データベース41、医療従事者データベース42、診療履歴データベース43、オーダーデータベース44、物品データベース45、診療報酬データベース46、医療知識データベース47等からなるデータベース群4を備えている。これらのデータベース群4は、後述のサーバ群5によりレコードの追加、修正、削除等の処理が行われる。
【0053】
さらに、医療施設管理装置3は、オーダー情報の管理を行うオーダリングサーバ51、電子カルテの管理を行う電子カルテサーバ52、医療従事者の業務の管理を行う業務管理サーバ53、医療費等の計算、配信を行う医事会計サーバ54、医療材料等の在庫管理、流通管理を行う物品管理サーバ55、医療従事者の管理を行う医療従事者管理サーバ56、医療知識等を配信する医療知識サーバ57、共通鍵管理サーバ58等からなるサーバ群5を備えている。
【0054】
患者データベース41は、各患者の、医療施設内で患者を区別するための患者ID、及び、氏名、住所、電話番号、性別、生年月日、血液型、アレルギーの有無、保険種別、保険証番号等の個人情報等が格納されている患者情報テーブルと、患者ID、処理予定日時、処理内容が格納されている予定表テーブルと、患者ID、実施予定日時、オーダー内容、オーダー日時、オーダーを行った医療従事者の医療従事者ID等が格納されているオーダーテーブルとを有している。
【0055】
医療従事者データベース42は、施設内で医療従事者を区別する医療従事者ID、医師、看護師等の職種、外科や内科等の所属、チーム医療を行う際のチームID、使用端末ID、指紋や声紋等の生体情報等が格納されている医療従事者情報テーブルと、上記チーム医療を行う際のチームID、チーム名、チームに属する医療従事者の医療従事者ID、チームの代表者の医療従事者ID,チームで担当する患者ID等が格納されているチームテーブルと、医療従事者ID、勤務予定日時、勤務予定時間、担当患者ID等が格納されている勤務日程データベースと、実施予定日時、担当する患者の患者ID、患者名、病棟、病室、指示内容等が格納されている業務日程データベースとを有している。
【0056】
診療履歴データベース43は、診療を受けた患者の患者ID、患者名、病棟、病室、担当した医療従事者の医療従事者ID、医療従事者名、診療科名、自覚症状、症状、疾患名、検査名、検査結果、検査結果所見、方針、処置、指示内容、指示実施日時、身長や体重や体脂肪率等の身体検査結果、血圧や体温や脈拍数や呼吸数等のバイタル検査結果、診察日時等が格納されているカルテテーブルと、オーダーを行う患者の患者ID、患者名、オーダーした医療従事者の医療従事者ID、オーダー種別、オーダー内容、実施日時等が格納されているオーダー履歴テーブルと、画像診断を行った患者の患者ID、患者名、画像診断名、画像診断結果、画像診断実施日等が格納されている画像診断履歴データベースとを有している。
【0057】
オーダーデータベース44は、オーダーを行う患者の患者ID、患者名、疾患名、注射日、注射薬品名、注射量、実施予定日時、オーダーを行った医療従事者ID、備考等が格納されている注射テーブルと、オーダーを行う患者の患者ID、患者名、疾患名、薬品ID、薬品名、処方期間、処方回数、一回の処方量、実施予定日時、オーダーを行った医療従事者ID、備考等が格納されている処方薬テーブルと、オーダーを行う患者の患者ID、患者名、入院期間、病棟、病室、実施予定日時、オーダーを行った医療従事者ID、備考等が格納されている入院テーブルと、オーダーを行う患者の患者ID、患者名、疾患名、検査内容、検査日、実施予定日時、オーダーを行った医療従事者ID、備考等が格納されている検査テーブルと、オーダーを行う患者の患者ID、患者名、疾患名、低カロリー食等の食事種別、実施予定日時、オーダーを行った医療従事者ID、備考等が格納されている食事テーブルとを有している。
【0058】
物品データベース45は、物品ID、物品名、取り扱い企業ID、取り扱い企業名、価格、在庫数、保管場所、補足説明等が格納されている在庫テーブルと、物品ID、物品名、使用量、使用した医療従事者ID、備考等が格納されている使用履歴テーブルとを有している。
【0059】
診療報酬データベース46は、医療行為ID、医療行為名、点数、備考等が格納されている診療報酬テーブルを有している。
【0060】
医療知識データベース47は、医療知識ID、医療知識のタイトル、分類、具体的内容、キーワード、関連する医療知識ID等が格納されている医療知識テーブルと、薬品ID、薬品名、分類、処方法、効能、注意事項等が格納されている薬知識テーブルとを有している。
【0061】
オーダリングサーバ51は、携帯端末6からの要求に応じてオーダーデータベース44から該当するオーダー情報を取得して携帯端末6に送信する。また、携帯端末6において入力、送信されたオーダー情報を受信してオーダーデータベース44に格納する。
【0062】
また、医療施設管理装置3には注射箋等の処方箋を発行するための処方箋発行機が接続されていて、オーダリングサーバ51は、医療従事者の指示、または、タイマー機能により、このオーダー情報に基づいた注射箋等の処方箋の発行を行う。
【0063】
電子カルテサーバ52は、携帯端末6からの要求に応じて、診療履歴データベース43から適切なカルテ情報を取得して、携帯端末6に送信する。また、携帯端末6にカルテ情報が入力されてその情報が電子カルテサーバ52に送信されると、電子カルテサーバ52はカルテ情報を受信して診療履歴データベース43の該当するカラムに格納する。
【0064】
業務管理サーバ53は、携帯端末6からの要求により、医療従事者データベース42から当該医療従事者の勤務時間や担当患者、バイタル検査の時間、巡回の時間等のスケジュール等の業務情報を取得し携帯端末6に送信する。また、当該医療従事者や、チーム内の医療従事者により業務日程が書き換えられた場合は、書き換えられた業務情報を即座に携帯端末6に送信する。
【0065】
医事会計サーバ54は、医療行為に対する診療報酬計算作業に際して、行われた医療行為に対して診療報酬データベース46から点数を抽出し、診療報酬の計算を行う。携帯端末6より医療行為に対する診療報酬情報の要求があった場合は、診療報酬の計算を行って携帯端末6にその計算結果を送信する。
【0066】
物品管理サーバ55は、携帯端末6から物品情報を要求されると、物品データベースから物品情報を取得し携帯端末6に送信する。また、物品の補充、消費の情報を受信すると、物品管理サーバ55はその物品の在庫数等の情報を計算して物品データベース45の所定カラムを書き換える。
【0067】
また、物品管理サーバ55は、物品管理棚72において物品の出し入れが確認されるとその情報を取得し、物品データベース45にその情報を反映させる。
【0068】
医療従事者管理サーバ56は、携帯端末6から医療従事者ID、生体情報等の医療従事者情報を受信した際に、医療従事者情報と医療従事者データベース42に登録された医療従事者情報とを照らし合わせて個人認証を行う。また、医療従事者の勤務スケジュール、業務スケジュールを管理し、携帯端末6に配信する。
【0069】
医療知識サーバ57は、携帯端末6からキーワードを受信すると、医療知識データベース47からそのキーワードを有する項目を抽出して、携帯端末6にその項目の具体的内容を送信する。また、論文や最新医療等の情報を携帯端末6に配信する。さらに、必要に応じて、外部ネットワーク21を介して医療施設外の端末にそれらの情報を配信する。
【0070】
共通鍵管理サーバ58は、無線回線上のデータを暗号化するのに使用される秘密鍵を管理するサーバであり、秘密鍵を生成、更新するとともに、外部ネットワーク21及び内部ネットワーク22を介して携帯端末6に秘密鍵を配信する。
【0071】
なお、秘密鍵の生成、更新は、定期的に行われており、医療施設管理装置3及び携帯端末6から要求があった時には随時秘密鍵の生成、更新が行われる。
【0072】
携帯端末6同士で、及び医療施設管理装置3と携帯端末6の間で送受信される信号は秘密鍵を用いて暗号化されることにより、データの盗聴または改ざんが防止されている。また、この暗号化およびその復号はデータを受信した医療施設管理装置3または携帯端末6にて行われる。
【0073】
次に、携帯端末6は、主に、文字、画像、音声等を出力する出力手段61、音声、文字等を入力する入力手段62、通信処理やデータ処理等の様々な処理を行う処理手段63、データを電気的及び磁気的に記録する記憶手段64、データの送受信を行う通信手段65、音声と音声データ間の変換をする音声変換手段66、静止画、動画を撮影する撮影手段67、電源手段68からなる。
【0074】
出力手段61は、文字、画像等を出力するディスプレイ611、音声を出力するスピーカ等を備えている。なお、スピーカは、ハンドフリーで使用する際等に、医療従事者が携帯端末6を耳に当てなくても音声が十分に聞き取れる程度の音声の拡張が可能である。
【0075】
入力手段62は、音声を入力するマイク、音声による命令を入力するコマンドマイクを備えている。また、図3に示すように、携帯端末6は、上下左右キー621、OKキー622、電源キー623、通話キー624、メニューキー625、クリアキー626、テンキー627を備えている。
【0076】
処理手段63は、各装置の制御や演算を行うCPUを備えている。このCPUは、後述の、音声通話処理、通信処理、画像処理、撮影処理、通信方式切り替え処理、音声認識処理、生体情報認識処理、生体情報登録処理、データの暗号化処理等の、様々な処理を行う。
【0077】
記憶手段64は、電気的にデータを記憶するRAM(Random Accress Memory)等の主記憶装置と、磁気的にデータを記録するハードディスクやROM(Read Only Memory)等の補助記憶装置とを備えている。なお、補助記憶装置には携帯端末6自身の携帯端末ID情報が格納されている。
【0078】
また、記憶手段64の補助記憶装置には、オーダー情報取得プログラム、オーダー情報入力プログラム、カルテ情報取得プログラム、カルテ情報入力プログラム、業務スケジュール管理プログラム、物品管理情報取得プログラム、物品管理情報入力プログラム、医療知識取得プログラム等の各種プログラムが記憶されている。
【0079】
上記プログラムは携帯端末6上で動作するJava(登録商標)等の言語により作成され、コンパイルされた実行可能な状態で記録されている。なお、携帯端末6には予めJava(登録商標)等の上記プログラムを実行可能な環境がインストールされている。
【0080】
上記プログラムは、入力手段62のメニューキー625を押下すると、図12に示すように、出力手段61のディスプレイ611に上記の補助記憶装置に記録されているプログラムのリストが表示される。上下左右キー621によりカーソルを移動させリストから実行したいプログラムを選択してOKキー622を押下するか、実行コマンドに対応するテンキー627を押下することにより、起動される。
【0081】
なお、上記プログラムは処理手段63により削除することができ、また、後述の通信手段65により受信することで新規プログラムを追加することができる。
【0082】
通信手段65は、通信コネクタ、送受信手段、モデム復調器、チャネルコーディック、音声コーディック、モデム復調器、及びアンテナ等を有している。送受信手段は、処理手段63からの指令により、画像データやディレクトリ等のデータを符号化し、複合化して搬送波に乗せ、アンテナを介して送信又は受信する。
【0083】
通信コネクタは、画像データ等の情報の送受信を有線で行うためのコネクタであり、通信コネクタに対応した機器に対して記憶手段64に記憶されているデータを送信し、また、相手方から送信されてきたデータを記憶手段64に記憶する。
【0084】
音声変換手段66は、音声変換回路を備えている。音声変換回路は、アナログ信号とデジタル信号とを相互に変換するコーディック機能と、1つの周波数を短時間ずつ交代で複数の発信者で共有するTDMA(Time Division MultipleAccess、時分割多元接続)方式の音声通信機能を備えており、送受信手段で受信した音声信号をスピーカへ出力すると共に、マイクから入力した音声を送信信号として送受信手段へ出力する。
【0085】
なお、音声通信方式は上記TDMA方式に限らず、複数の発信者の音声信号にそれぞれ異なる符号を乗算し、すべての音声信号を合成して1つの周波数を使って送る無線通信方式であるCDMA(Code Division Multiple Access、符号分割多重接続)等を利用することにより、クリアな音声通話がなされる。
【0086】
撮影手段67は、半導体素子を使って映像を電気信号に変換するCCD(Charge Coupled Devices、電荷結合素子)カメラ等のデジタルカメラと、映像、画像の処理を行うDSP(Disital Signal Processor)と、CCDに光を当てる時間を調節するシャッターと、絞りを調節するプラスチックレンズ等のレンズと 、瞬間的に発光するフラッシュとを備えている。
【0087】
記憶手段64の補助記憶装置には、静止画、動画を撮影する動作を制御する撮影手段が記憶されていて、また、処理手段63により撮影処理が実行される。
【0088】
なお、処理手段63は、デジタルカメラの画像データのサンプリングタイミング制御、絞りやシャッタースピード等を含む露光制御、フォーカス制御、ズーム制御、ホワイトバランス設定、画像データの記録制御、表示制御、画像データの画素数変換処理、画像データの各種変換処理等の撮影処理を行う。
【0089】
また、記憶手段64の補助記憶装置は、画像データの画像処理手段、画像圧縮手段を備えていて、それらの手段は処理手段63により実行される。
【0090】
画像処理手段は、画素数の変更、シャープネス補正、ガンマ補正、コントラスト補正、ホワイトバランス補整等の画像処理を行うもので、画像処理された画像データは記憶手段64の主記憶装置に一時的に記憶される。
【0091】
画像圧縮手段は、画像データ等のデータをJPEG、MPEG等のデータに圧縮する処理をしたり、圧縮したデータを解凍する処理をしたりするものである。これにより、画像データ等の大容量のデータを効率よく送受信できる。
【0092】
次に、携帯端末6の起動時に行われる生体認証について説明する。記憶手段64の補助記憶装置は、携帯端末6の所持者である医療従事者の指紋、掌紋、指型、音声、網膜、虹彩等の生体情報を取得して、その生体情報から所持者本人であるか否かの認証を行う生体情報認証手段を備えている。
【0093】
携帯端末6において個人認証を行う手順を図5のフローチャート図に基づいて説明する。なお、携帯端末6は、通常の処理が行える通常使用状態と個人認証のみを行う待機状態とのいずれかの状態をとり、通常使用状態では状態管理手段が、待機状態では生態情報認証手段が動作している。
【0094】
携帯端末6は、電源OFF時または不使用時には待機状態となり生体情報認証手段が動作している(S101)。医療従事者が携帯端末6の電源キー623を押下し携帯端末6の処理手段63は電源キー623の押下を示す信号を検知すると(S102)、処理手段63は、出力手段61のディスプレイ611に文章を表示するか、またはスピーカから音声を再生する等して医療従事者の生体情報の入力を要求し(S103)、医療従事者による生体情報の入力を検知するまで待機する(S104)。
【0095】
ここで、医療従事者による生体情報の入力は、例えば、生体情報が声紋である場合は医療従事者が入力手段62のマイクによって音声を入力し、生体情報が指紋であった場合は医療従事者が撮影手段67により指紋を撮影して入力して行う。
【0096】
そして、処理手段63は、生体情報の入力を検知すると(S105)入力された生体情報を記憶手段64の主記憶装置に一時的に記憶する(S106)。
【0097】
生体情報認証手段は複数の生体情報に関して同一人のものか否かを判定する判定基準を備えており、処理手段63は生体情報認証手段を実行した時に、上記の入力手段により入力された生体情報と補助記憶装置に記録された生体情報とが同一人のものであるか否かを判定する(S107)。
【0098】
その判定結果にが同一人のものであった場合は、処理手段63は携帯端末6を通常使用状態に移行させる(S108)。判定結果が同一人のものでなかった場合は、再度生体情報の入力を促したり、携帯端末6の電源をOFFにしたりする等の処理を行う。
【0099】
以上の手順により、携帯端末6による個人認証が行われ、個人認証に成功した場合のみ携帯端末6は通常使用状態へ移行する。
【0100】
また、記憶手段64の補助記憶装置は、携帯端末6が通常使用状態である時に一定時間使用されないと自動的に待機状態へ移行させる使用状態管理手段を備えている。
【0101】
使用状態管理手段は、携帯端末6が通常使用状態である時に、使用状態を監視し、当該携帯端末6が一定時間不使用の状態が続いた場合に、直前までのプログラムカウンタや動作していたメモリ領域を退避させ、生体情報認証手段を起動する。
【0102】
生体情報認証手段は、上記の個人認証を再度行い携帯端末6の正当な所有者であると認められた場合に、使用状態を通常使用状態へと移行させて、上記退避させたプログラムカウンタや動作していたメモリ領域を元の状態に復元させる。
【0103】
なお、待機状態、すなわち、生体情報認証手段が起動している場合であっても携帯端末6が電話やメールの着信等が受けられるように予め設定することが可能である。
【0104】
また、同一の携帯端末6を複数の医療従事者で共有する際には、携帯端末6の記憶手段64に使用する医療従事者全員の生体情報を記録しておき、その記録された医療従事者全員を正当な所持者として使用許可を与えることもできる。
【0105】
さらに、認証方法はこれらの生体情報認証に限らず、数列、文字列等のパスワード認証であってもよい。
【0106】
これにより、外部ネットワーク21または内部ネットワーク22を使用せずとも携帯端末6での生体情報による個人認証が行える。すなわち、携帯端末6が医療施設外に持ち出された場合等の、携帯端末6が電波の届かない圏外領域に置かれた場合でも個人認証が問題なく行える。
【0107】
また、携帯端末6は、生体情報認証が行えたときでも一定期間使用しないと待機状態となり、復帰するためには再度生体情報認証が要求されるので、紛失した場合や盗難にあった場合にも携帯端末6の不正使用が防止される。
【0108】
次に、携帯端末6の所持者となる医療従事者の生体情報を記憶手段64に登録する手順を図6のフローチャート図に基づいて説明する。記憶手段64の補助記憶装置は、上記の生体情報認証を行うために携帯端末6に所持者の生体情報を記録する生体情報登録手段を備えている。
【0109】
携帯端末6において生体情報登録手段を実行すると、処理手段63は出力手段61のディスプレイ611に医療従事者ID、生体情報の入力欄を表示して生体情報の入力を要求して(S121)、医療従事者による入力が終了するまで待機する(S122)。携帯端末6の所持者となる医療従事者は、医療従事者IDを所定入力欄に入力手段62により入力し、生体情報を入力手段62または撮影手段67により入力する。
【0110】
処理手段63がそれらの入力を検知すると(S123)、入力された医療従事者ID、生体情報を通信手段65により医療施設管理装置3の医療従事者管理サーバ56に送信する(S124)。
【0111】
医療従事者管理サーバ56は携帯端末6からの情報を受信するまで待機しているが(S131)、医療従事者ID、生体情報の受信を検知すると(S132)、医療従事者データベース42より医療従事者IDをキーとして対応する生体情報を取得し、携帯端末6から受信した生体情報と比較して同一人のものか否かを判定する(S133)。
【0112】
判定の結果、同一人のものと判定された場合は、医療従事者管理サーバ56は携帯端末6に対して登録を許可する旨の登録許可データを送信し(S134)、医療従事者データベース42の当該医療従事者の携帯端末IDを格納するカラムに、当該携帯端末6の携帯端末IDを格納する(S135)。また、判定の結果、同一人のものではないと判定された場合は、医療従事者管理サーバ56は携帯端末6に対して登録を拒否する旨の登録拒否データを送信する。
【0113】
携帯端末6は、医療従事者管理サーバ56からの登録許可データの受信を検知すると(S126、S127)、処理手段63により記憶手段64に生体情報が記録され(S128)、登録された旨が出力手段61に出力させる(S129)。また、登録拒否データの受信を検知すると(S126、S127N)、処理手段63は出力手段61に登録が拒否された旨を出力させ(S128N)、生体情報登録手段を終了するか、再度医療従事者ID、生体情報の入力を行う(S121)よう促す。
【0114】
以上の手順により、携帯端末6の記憶手段64に所持者である医療従事者の生体情報が記録(登録)される。
【0115】
次に、医療従事者が手を使わずに音声のみで携帯端末6の処理を促す、ハンズフリー機能について説明する。以下に一例として、ハンズフリー機能によりダイヤルを行う手法について説明する。
【0116】
記憶手段64の補助記憶装置には、入力手段62から入力された音声を認識する音声認識手段と、複数の命令語が登録されている命令語集辞書とが備えられている。また、補助記憶装置には、半音節標準音声パターン「ア」「イ」「ウ」・・・の符号化情報が一語づつ記録されている。
【0117】
主な命令語としては、ダイヤル入力の開始や通話の終了等を命令する開始キーワード及び終了キーサード、音声合成によって出力される確認要求メッセージに対して応答するための肯定ワード及び否定ワードがある。これら命令語は、ユーザーが任意に設定することができる。また、固定語としては、数字称呼が予め登録されている。
【0118】
命令語の例としては、開始キーワードを「カイシ」、終了キーワードを「シュウリョウ」、肯定ワードを「ハイ」、否定ワードを「イイエ」と登録する。また、固定語は、0「ゼロ」、1「イチ」〜9「キュウ」である。なお、これらのキーワードは、音声認識手段の誤作動を防ぐため、日常会話で通常発音しない言葉を設定することが望ましい。
【0119】
また、例えば、発呼時の入力要求メッセージを「名前か番号を入れてください」、確認要求メッセージを「確認します」、着信時メッセージを「電話をとりますか」、通話終了時メッセージを「終了します」と登録する。
【0120】
なお、コマンドを入力する際には携帯端末6のコマンドマイクに音声を入力する。コマンドマイクから入力された音声は、音声をデジタルデータに変換する方式であるADPCM(Adaptive Differential Pilse Code Modulation、適応的差分パルス符号変調)等で符号化されレジスタを介し記憶手段64の主記憶装置に一時的に記憶される。
【0121】
音声認識手段は16ビット文字コードに対応しており、補助記憶装置に記録されている半音節標準音声パターンの符号化情報を一語づつ読み出し主記憶装置に記憶されている入力音声の符号化情報と比較し一致する半音節標準音声パターンを検出して、入力音声を標準音声パターンに組み換える。入力音声が標準音声パターンに組み立てられた時点で、命令語集辞書から各ワードを読み出し、認識結果との比較をし一致不一致の判断を行う。
【0122】
また、携帯端末6の記憶手段64の補助記憶装置には、予め名前と電話番号とが対応付けられたデータであるアドレス帳が記録されている。
【0123】
以下に、携帯端末6のハンズフリー機能を用いて電話の発呼処理を行う手順を、図7のフローチャート図に基づいて説明する。
【0124】
音声認識手段を起動すると、携帯端末6の処理手段63は開始ワードの入力があるまで待機する(S201)。医療従事者がコマンドマイクに音声を入力し、音声認識手段により入力された語句が開始パスワードであると判断された際に(S202)、処理手段63は出力手段61により発呼時の入力要求メッセージを出力し、医療従事者による宛先情報の入力が終了するまで待機する(S203)。
【0125】
医療従事者が、相手先端末Tの電話番号か名前をコマンドマイクから入力し、処理手段63が音声入力を検知すると上述のような音声認識がされて、名前が入力された場合はアドレス帳から一致判断がされた宛先の電話番号情報が抽出される(S204)。そして、処理手段63は、音声合成し出力手段61により確認要求を行い(例えば「ヤマダ0301234567」と出力して確認を促す)、医療従事者による確認情報入力を検知するまで待機する(S205)。
【0126】
なお、音声認識に失敗した場合やアドレス帳から入力された音声と一致する宛先が見つからなかった場合は、再度宛先情報を要求する。
【0127】
医療従事者が肯定ワード、否定ワード等の確認情報を入力すると、処理手段63が確認情報の入力を検知し(S206)、確認情報が肯定ワードであった場合は、処理手段63は発呼処理を行う(S207)。また、確認情報が否定ワードであった場合は、処理手段63は再度宛先情報の入力を要求する。
【0128】
なお、所有者が否定ワードと入力した時に、音声認識手段は再度、一致はしなかったが最も近い宛先を選択して確認要求を行ってもよい。
【0129】
以上により、キー操作を行うことなく音声を入力するのみにより電話の発呼処理が行われる。
【0130】
発呼処理がされ相手が応答して通話状態となると、コマンドマイクを通じて入力された音声及びスピーカから出力される音声は、携帯電話回路と通信手段を介して通信される。また、音声認識手段は終了ワードのみを認証する。
【0131】
医療従事者がコマンドマイクから入力した音声が、音声認識手段により終了ワードだと判断された場合(S208)、処理手段63は通信を切断する(S209)。
【0132】
なお、このときに終了ワードの入力ではなく、通話相手による回線の切断に応じて携帯端末6の回線切断処理を行ってもよい。
【0133】
次に、携帯端末6における通信方式切り替えについて説明する。携帯端末6には通信方式が設定されており、この通信方式の切り替えにより接続するネットワークが選択される。携帯端末6は内部ネットワーク22を用いて通信可能である時は内部ネットワークに接続され、そうでないときは外部ネットワーク21に接続される。
【0134】
すなわち、内部ネットワーク22に通信可能である時は医療施設内用の通信方式に設定し、内部ネットワーク22に通信不可能である時は医療施設外用の通信方式に設定する。その設定は、携帯端末6への着信データを、無線送受信部内のシンセサイザを制御することにより無線周波数帯域を医療施設内用の周波数帯、医療施設外用の周波数帯のいずれかに設定することにより行われる。
【0135】
以下に、その携帯端末6が通信方式を切り替える手順を図8、図9に基づいて説明する。図8は、携帯端末6が医療施設内にある時のフローチャート図であり、図9は、携帯端末6が医療施設外にある時のフローチャート図である。
【0136】
基地局221は、携帯端末6の位置登録を行っている。基地局221の無線送受信部の制御チャネルを介して定期的に補助記憶装置の基地局221の基地局ID情報を送信し(S311)、一定時間だけ携帯端末6からの応答があるまで待機する(S312)。
【0137】
携帯端末6の処理手段63は基地局221からの基地局ID情報の受信があるまで待機しているが(S301)、基地局221の通信エリア内で基地局221からの基地局ID情報を受信すると(S302)、処理手段63は基地局221に対して携帯端末ID情報を返送するとともに(S303)、通信方式を医療施設内用の方式に設定する(S304)。
【0138】
携帯端末6の携帯端末ID情報を受信した基地局221は(S313)、携帯端末ID情報を主記憶装置に記憶し、携帯端末6の位置登録が行われる(S314)。また、時間内に基地局221が携帯端末ID情報を受信しなかった場合は、位置登録されている携帯端末ID情報が主記憶装置から削除される(S314N)。
【0139】
こうして基地局221において携帯端末6の位置登録がされている状態で基地局221が携帯端末6宛の着信を検出すると、基地局221は位置登録された携帯端末6に着信を報知する。
【0140】
なお、基地局221の処理装置により無線周波数帯域を様々な周波数帯域に設定することにより、他の通信方式、例えばPHS方式(Personal Handyohone System)やPDC方式(Personal Digital Cellular)の基地局として用いることが可能である。
【0141】
また、この際には携帯端末6も同様に無線送受信部内のシンセサイザを制御して周波数帯を変えることによりPHS方式、PDC方式の携帯端末として使用することができる。すなわち、携帯端末6は、周波数を変更することにより、例えば無線LAN通信、PDC通信兼用の携帯端末6として使用される。
【0142】
また、携帯端末6の処理手段63は、定期的に基地局221へ携帯端末ID情報を送信している(S321)。
【0143】
基地局221は携帯端末6からの携帯端末ID情報の受信があるまで待機していて(S331)、携帯端末ID情報を受信すると(S332)、自身の基地局端末ID情報を携帯端末6に送信する(S333)。
【0144】
そして、携帯端末6は一定時間、基地局221からの応答を待ち(S302)、基地局221からの基地局端末IDの送信があった場合は(S323)上記の位置登録を行い、通信方式を医療施設内用の方式に設定する(S324)。また、一定時間経っても基地局221からの応答がなかった場合はタイムアウトし、通信方式を医療施設外用の方式に設定する(S324N)。
【0145】
なお、携帯端末6では、通話中にも通信方式を切り替えるための判定を行っているが、通信方式の切り替え自体は行わない。ここで、医療施設外用の方式で通話している時に位置登録が行われた(医療施設内に移動した)場合は、その終話時点で通信方式の切り替えを行う必要がある。また、医療施設内用の方式で通話している時に位置登録が行われた(医療施設外に移動した)場合は医療施設外用の方式に切り替える必要がある。このように通話中に位置登録の有無により通信方式の切り替えの必要が生じた場合は、変更を行ってもよい。
【0146】
以上説明した動作例は、位置登録等を検出した時点で通信方式を切り替える例であるが、発信時に通信方式の切り替えを行ってもよい。
【0147】
次に、本形態の医療支援システムは、医療機器群7を備えている。医療機器群7は、血圧計、心電図検査器等の各種検査機器や、X線、CT、MRI等の各種画像診断器等の院内にある様々な医療機器や、薬品や包帯等の医療材料医療材料等に貼付されたバーコードやICタグを読み取って認識するバーコードリーダ、ICタグリーダ等の、様々な医療機器から構成される。
【0148】
携帯型のICタグリーダ71は、携帯端末6の通信手段65の通信コネクタに着脱自在に接続されるICタグリーダである。携帯端末6は、ICタグリーダ71に接続されている際には、ICタグリーダ71により読み取られたICタグのデータを通信コネクタを介して受信することができる。
【0149】
物品管理棚72は、滅菌された手術器具、薬剤、医療機器等の物品を収納する収納棚であり、上記の収納される物品にはICタグが取り付けられている。また、物品管理棚72の側面には収納された物品のICタグを読み取る移動式のICタグリーダが取り付けられている。
【0150】
すなわち、物品管理棚72の側面にはレールが水平に取り付けられ、ICタグリーダには物品管理棚72のレール上を走行する車輪、及び制御装置で制御されたエアシリンダ、モータが取り付けられ、ICタグリーダは物品管理棚72の側面の一面においてロッド(二次導体)を物品管理棚72の内部に向けた状態で水平に端から端まで移動する。
【0151】
また、制御装置は内部ネットワーク22との通信手段を有しており、ICタグリーダにより読み取られたデータを、内部ネットワーク22を介して医療施設管理装置3へ送信する。
【0152】
次に、物品管理棚72における在庫情報の更新処理を図10のフローチャート図に基づいて説明する。医療施設管理装置3は、物品管理棚72からICタグリーダで検出された、物品の物品IDと現在庫データを受信すると、その物品ID、在庫データを物品管理サーバ55に送信する。
【0153】
物品管理サーバ55の制御装置は定期的にICタグリーダを移動させ、物品データベース45内のICタグが取り付けられた物品情報を検出し(S401)、その物品情報を医療施設管理装置3に送信する(S402)。
【0154】
物品管理サーバ55は、物品管理棚72からの物品情報の受信があるまで待機しているが(S411)、物品情報を受信すると(S412)、物品データベース45からそのその物品の物品情報を取得し物品管理棚72から受信した情報と比較する(S413)。その結果、それらの情報が異なっていたら物品管理棚72から受信した情報を物品データベース45に格納する(S414)。
【0155】
物品管理棚72は物品情報の検出を一定時間毎に(例えば1時間毎に)行っているが、医療従事者により上記動作を促す起動スイッチ等を設け、起動スイッチにより物品情報の検出を行ってもよい。
【0156】
なお、医療従事者は、所定時刻毎に医療施設管理装置3あるいは携帯端末6により物品情報を確認し、物品の在庫数が既定量に満たないときのみ、その物品の補充を行えばよい。
【0157】
このように、物品管理棚72内に収納されているICタグを有する物品が、移動式ICタグリーダにより自動的に読み取られて、制御装置を介して医療施設管理装置3へ送信され、物品データベース45の在庫情報が自動的に更新されることにより、医療従事者の手間と負担を軽減することができる。特に、医療施設では、医療従事者が忙しい場合が多く、その効果は大きい。
【0158】
また、医療施設管理装置3は、物品管理棚72に新しく収納された物品を確認した際に、物品データベース45にその物品と収納された日時とを記憶されてその時点からの経過時間を管理することによって、物品の在庫期間を管理することもできる。
【0159】
次に、医療施設管理装置3による個人認証について説明する。携帯端末6が医療施設管理装置3から情報を取得する際には、携帯端末6に医療従事者の生体情報を入力し、その生体情報を携帯端末6から医療施設管理装置3に送信することにより、個人認証を行う必要がある。その手順を図11のフローチャートに基づいて以下に説明する。
【0160】
医療従事者により入力手段62のメニューキー625が押下されると、処理手段63は、図12に示すように、出力手段61のディスプレイ611に上記の各プログラムのリストを表示させる。医療従事者がいずれかのプログラムを選択すると、処理手段63は、携帯端末6のディスプレイ611に医療従事者ID、生体情報等の医療従事者情報の入力欄を含んだ個人認証画面(図示せず)を表示し(S501)、医療従事者による医療従事者ID、生体情報の入力を待機する(S502)。
【0161】
医療従事者は携帯端末6の入力手段62により自身の医療従事者IDを入力する。また、医療従事者は、携帯端末のマイクから音声を入力するかカメラにより指紋を撮影する等により、自身の生体情報を入力する。
【0162】
処理手段63は、医療従事者ID、生体情報の入力を検知すると(S503)、それらの医療従事者情報を医療施設管理装置3の医療従事者管理サーバ56に送信して(S504)、医療施設管理装置3からの応答があるまで待機する(S505)。
【0163】
なお、医療従事者管理サーバ56に送信された生体情報は、携帯端末6を不正に所持した者による使い回しを避けるために、送信と同時に携帯端末6の記憶手段64から削除される。
【0164】
医療従事者管理サーバ56は携帯端末6からのアクセスがあるまで待機しているが(S511)、医療従事者情報の受信を検知すると(S512)、一時的に記憶装置に格納する。医療従事者管理サーバ56は、医療従事者データベース42より、携帯端末6から受信した医療従事者IDをキーとして、該当する医療従事者の生体情報を取得し、医療従事者データベース42から取得した生体情報と携帯端末6から受信した生体情報とを比較する(S513)。
【0165】
その結果、それらが一致した場合は携帯端末6からの送信者が該当する医療従事者であると判断されると(S507)、医療施設管理装置3の各サーバから携帯端末6へ情報が送信される(S514)。また、それらが一致しなかった場合は携帯端末6からの送信者が該当する医療従事者ではないと判断され、認証失敗情報が携帯端末6に送信される。
【0166】
携帯端末6の処理手段63は医療従事者管理サーバ56からの情報の受信を検知し(S506)、その情報が適切な情報であった場合はその情報を出力手段61により出力し(S507)、また、認証失敗情報であった場合は認証に失敗した旨を出力手段61に出力する(S507N)。
【0167】
なお、携帯端末6と医療施設管理装置3とがデータ送受信を行う際には、必ず上記の個人認証が行われる。
【0168】
本形態の携帯端末6によるオーダー情報の入力、閲覧に関して詳細に説明する。始めに、携帯端末6によりオーダー情報を受信して閲覧する手順を図13のフローチャート図に基づいて説明する。
【0169】
オーダー情報の取得、追加、修正、削除等は、携帯端末6からオーダリングサーバ51にアクセスすることにより行われる。ここで、オーダーとは処方薬、注射、輸液、内視鏡等の検査、及び、食事、入院等の指示であり、オーダー情報とは患者とオーダーとが関連付けられた情報である。
【0170】
入力手段62のメニューキー625を押下すると処理手段63は出力手段61のディスプレイ611にプログラムのリストを表示する。医療従事者がオーダー情報取得プログラムに対応するテンキー627を押下するか、上下左右キー621によりカーソルを当該プログラムの位置に移動させてOKキー622を押下すると、オーダー情報取得プログラムが起動する。
【0171】
オーダー情報取得プログラムを起動すると、処理手段63は、上記個人認証画面に医療従事者ID、生体情報の入力欄とともに患者ID入力欄が表示し(S601)、医療従事者による入力が終了するまで待機する(S602)。
【0172】
医療従事者は、医療従事者情報とともに携帯端末6の入力手段62によりオーダー情報を取得したい患者の患者ID等のオーダー要求情報を入力する。このとき、複数の患者の患者IDを入力して、一度に複数の患者のオーダー情報を取得することもできる。
【0173】
携帯端末6の処理手段63が医療従事者による患者情報、医療従事者情報の入力を検知すると(S603)、それらの情報を医療施設管理装置3の医療従事者管理サーバ56に送信し(S604)、医療施設管理装置3からの応答があるまで待機する(S605)。
【0174】
医療従事者管理サーバ56は携帯端末6からのアクセスがあるまで待機しているが(S611)、携帯端末からのオーダー要求情報の受信を検知すると(S612)、上述のように受信した生体情報を用いて個人認証を行う(S613)。個人認証に成功すると、(受信した医療従事者IDをもつ医療従事者だと判断されると)、それらの情報はオーダリングサーバ51に送信される。
【0175】
オーダリングサーバ51は、携帯端末6からの送信者が当該患者の担当であり、オーダー情報を取得してもよい医療従事者であるか否かを判断する医療従事者認証を行う(S614)。医療従事者認証に成功した場合は(送信者が情報の受信が許可されている医療従事者であった場合は)、オーダリングサーバ51は、携帯端末6に要求されたオーダー情報を送信する(S615)。なお、個人認証、または医療従事者認証に失敗した場合は、携帯端末6に認証失敗情報を送信する。
【0176】
携帯端末6の処理手段63が医療施設管理装置からの情報の受信を検知し(S606)、その情報がオーダー情報であった場合は出力手段61にそのオーダー情報を出力する。また、認証失敗情報であった場合は、認証に失敗した旨を出力手段61に出力する。
【0177】
以上により、携帯端末6によるオーダー情報取得が完了する。
【0178】
次に、医療従事者が携帯端末6からオーダーを行う手順を、図14に示すフローチャートに基づいて説明する。なお、一例として、処方薬のオーダリングについて説明する。
【0179】
医療従事者が入力手段62のメニューキー625を押下すると出力手段61のディスプレイ611にプログラムのリストが表示され、医療従事者がオーダー情報入力プログラムに対応するテンキー627を押下するか、上下左右キー621によりカーソルを当該プログラムの位置に移動させてOKキー622を押下することにより、オーダー情報入力プログラムが起動する。
【0180】
オーダー情報入力プログラムが起動すると、処理手段63は、図15に示すように、携帯端末6のディスプレイ611に医療従事者情報、及び、患者ID、患者の氏名、処方薬の種類、処方機関等のオーダー情報の入力欄を表示してそれらの情報を要求し(S621)、医療従事者による入力があるまで待機する(S622)。
【0181】
医療従事者は、携帯端末6に要求された情報を入力手段62により入力し、入力が終了したらディスプレイ611に表示された送信ボタン612を選択する。
【0182】
処理手段63は、送信ボタン612の選択を検知すると(S623)、オーダー情報、医療従事者情報を医療施設管理装置3に通信手段65により送信し(S624)、医療施設管理装置3からの応答があるまで待機する(S625)。
【0183】
医療施設管理装置3は、携帯端末6からのアクセスがあるまで待機しているが(S631)、携帯端末6からのオーダー情報、医療従事者情報のを受信を検知すると(S632)、それらの情報を一時的に記憶装置34に格納する。医療従事者管理サーバ56は、送信者の個人認証(S633)、医療従事者認証(S634)を行う。それらの認証に成功した場合は、薬を処方される患者の患者情報を患者データベース41、診療履歴データベース43、及びオーダーデータベース44から取得する。
【0184】
取得する情報は、患者のアレルギー等の体質、現在処方されている薬、患者の疾患名や治療内容等の情報であり、患者情報と、携帯端末より受信したオーダー情報とを比較し、オーダーされた薬の処方が安全であるか否かが判断される。そして、その判断結果が安全だと判断された場合はオーダー情報を記憶装置34に格納するとともに再度携帯端末6に確認情報として送信して(S635)、携帯端末6より応答があるまで待機する(S636)。また、安全ではないと判断された場合は、安全ではない旨とその理由とを携帯端末6に送信する。
【0185】
また、上記の個人認証、医療従事者認証に失敗した場合は、認証失敗情報を携帯端末6に送信する。
【0186】
携帯端末6は、医療施設管理装置3からの情報の受信を検知し(S626)、その情報が要求したオーダー情報であった場合はその情報を出力手段61により出力する(S627)。薬の処方が安全ではない旨を受信した場合も、同様に出力手段61に出力する。また、携帯端末6が認証失敗情報を受信した場合は、認証に失敗した旨を出力手段61に出力する(S627N)。
【0187】
医療従事者が出力手段61に出力されたオーダー情報を確認して、オーダーに変更がなければオーダーを確定する旨の確認情報が携帯端末6からオーダリングサーバ51に送信される(S628)。また、医療従事者がオーダーを変更する場合は、オーダリングサーバ51への確認情報の送信は行わない
【0188】
オーダリングサーバ51は、携帯端末6からの確認情報の受信を検知すると(S637)、記憶装置34に記憶されているオーダー情報、オーダーを行った医療従事者の医療従事者情報を、オーダーデータベース44、患者データベース41の所定カラムに格納する(S638)。また、必要に応じて、当該患者を担当している医師、看護師等の医療従事者が所有する携帯端末6に対して、更新されたオーダー情報を送信する。このとき、オーダー情報を送信する代わりに情報が更新された旨の情報を送信し、担当の医療従事者がオーダー情報を取得し直すように促してもよい。
【0189】
以上のように、携帯端末6から医療施設管理装置3に対してオーダリングを行うことにより、オーダー情報はオーダリングサーバ51により一元的に管理される。これにより、オーダー情報が医療従事者間で遅滞なく確実に伝達され、医療従事者の負担が軽減される。
【0190】
次に、本形態の携帯端末6によるカルテの入力、閲覧に関して詳細に説明する。なお、本形態ではカルテの改ざんを防止するため、一旦、診療履歴データベース43に格納されたカルテ情報を修正する機能が設けられていない。
【0191】
以下に、本発明の医療従事者が患者のカルテ情報を受信して閲覧する手順を図16に示すフローチャートを用いて詳細に説明する。
【0192】
医療従事者が入力手段62のメニューキー625を押下すると出力手段61のディスプレイ611にプログラムのリストが表示され、医療従事者がカルテ情報取得プログラムに対応するキーを押下するか、上下左右キー621によりカーソルを当該プログラムの位置に移動させてOKキー622を押下することにより、カルテ情報取得プログラムが起動する。
【0193】
カルテ情報取得プログラムが起動すると、携帯端末6の処理手段63は、ディスプレイ611に患者ID、医療従事者情報等の入力欄を表示してそれらの情報を要求し(S641)、医療従事者の情報入力が終了するまで待機する(S642)。
【0194】
医療従事者は、医療従事者情報、及び、担当する患者の患者ID等のカルテ要求情報を各入力欄に入力手段62を用いて入力する。
【0195】
処理手段63は、医療従事者によるカルテ要求情報の入力を検知すると(S643)、入力された情報を医療施設管理装置3に送信して当該患者のカルテ情報の要求を行い(S644)、医療施設管理装置3からの応答があるまで待機する(S645)。
【0196】
医療施設管理装置3は、携帯端末6からのアクセスがあるまで待機しているが(S651)、携帯端末6からのカルテ要求情報の受信を検知すると(S652)、受信した情報を一時的に記憶装置34に格納する。そして、上述のように医療従事者管理サーバ56により携帯端末6からの送信者の個人認証を行う(S653)。そして、個人認証に成功すると、それらの情報は電子カルテサーバ52に送信される。
【0197】
電子カルテサーバ52は、送信者の医療従事者認証を行う(S654)。そして、医療従事者認証に成功した場合は、電子カルテサーバ52は、診療履歴データベース43から指定された患者のカルテ情報を患者IDをキーとして取得し、携帯端末6へ送信する(S655)。また、送信者の個人認証または医療従事者認証に失敗した場合は認証失敗情報を携帯端末6に送信する。
【0198】
携帯端末6は、電子カルテサーバ52からのカルテ情報の受信を検知すると(S646)カルテ情報を記憶手段64に記録するとともに、図19に示すように、出力手段61のディスプレイ611に受信したカルテ情報を表示する(S647)。また、携帯端末6は電子カルテサーバ52から認証失敗情報を受信すると、認証に失敗した旨を出力手段61により出力する(S647N)。
【0199】
以上のようにして、携帯端末6は医療施設管理装置3からカルテ情報を取得する。
【0200】
なお、カルテ情報は、患者ID、患者名から始まり、病棟、病室、疾患名、症状等の各項目が羅列されているものであり、ディスプレイ611には最初に「疾患名」等の項目名のみが表示される。それらの項目名は各項目の具体的内容にリンクされており、医療従事者により項目が選択されると、その項目の具体的内容を表示される。
【0201】
携帯端末6の入力手段62の終了に対応する電源キー623を押下することにより、出力手段61はカルテ情報の表示を停止するが、このとき同時に、個人情報の漏洩を防止するために携帯端末6の記憶手段64からカルテ情報が削除される。
【0202】
なお、このときに、状況に応じて、受信したカルテ情報をカルテ情報の履歴情報として削除指示があるまで記憶手段64に記録しておいたり、また、履歴情報が一定量に達するまで記録しておいたりする設定にしてもよい。
【0203】
次に、患者が外来患者である場合の、患者による受付情報の入力について、図17に示すフローチャート図に基づいて説明する。医療施設の診察受付には、受付端末が設置されている。受付端末は、医療施設管理装置3と同様の、出力手段、入力手段、処理手段、記憶手段を備えており、内部ネットワーク22に接続されている。
【0204】
診察を希望する患者は、上記の診察受付に設置された受付端末の入力手段により、受付情報を入力し、診察希望である旨を登録する。このとき入力する受付情報は、氏名、住所、電話番号、性別、生年月日、血液型、アレルギーの有無、希望する診療科名、自覚症状、及び、発行されている場合は患者ID等である。
【0205】
患者により入力された受付情報は受付端末により医療施設管理装置3の電子カルテサーバ52に送信される。医療施設管理装置3の電子カルテサーバ52は、受付端末からのアクセスがあるまで待機しているが(S661)、受付端末からの受付情報の受信を検知すると(S662)、受付情報に基づき患者データベース41から患者情報を取得し(S663)、患者データベース41に当該患者の患者ID、氏名、生年月日を有する患者が登録されているか否かを判断する(S664)。
【0206】
その判断の結果、当該患者に関する情報が存在した場合には、電子カルテサーバ52は患者データベース41の情報と受付情報とを比較し異なる項目があったら患者データベース41の該当カラムを新規の情報(受付情報)に書き換え(S665)、診療履歴データベース43の該当カラムに診療科名、自覚症状等の情報を追加する。
【0207】
また、判断の結果、該当患者に関する情報が存在しなかった場合には、電子カルテサーバ52により、患者データベース41に新たな患者情報が追加され、診療履歴データベース43に診療科名、自覚症状等が記載された新たなカルテ情報が追加される(S665N)。
【0208】
以上により、受付端末による患者の受付情報の入力が行われる。
【0209】
次に、本発明の医療従事者が携帯端末6の入力手段62により患者のカルテ情報を入力して、その情報を電子カルテサーバ52に送信する手順を、図18に示すフローチャート図を用いて詳細に説明する。
【0210】
医療従事者が入力手段62のメニューキー625を押下すると出力手段61のディスプレイ611にプログラムのリストが表示され、医療従事者がカルテ情報入力プログラムに対応するキーを押下することにより、電子カルテ情報入力プログラムが起動する。
【0211】
カルテ情報入力プログラムが起動すると、携帯端末6の処理手段63は、ディスプレイ611に医療従事者情報、患者ID等の入力欄を表示して医療従事者情報、患者ID等を要求し(S681)、医療従事者による入力があるまで待機する(S682)。
【0212】
医療従事者は、携帯端末6の入力手段62により担当する患者の患者ID等の患者情報、医療従事者自身の医療従事者ID、生体情報を入力する。
【0213】
携帯端末6の処理手段63は、医療従事者による情報入力を検知すると(S683)、入力された情報を医療施設管理装置3に対して送信するとともに当該患者のカルテ情報の要求を行い(S684)、医療施設管理装置3からの応答があるまで待機する(S685)。
【0214】
医療施設管理装置3は、携帯端末6からの情報の受信があるまで待機しているが(S691)、携帯端末6からのカルテ情報、医療従事者情報の受信を検知すると(S692)それらの情報を受信して一時的に記憶装置34に格納する。医療従事者管理サーバ56において個人認証を行い(S693)、成功した場合は受信した患者情報、医療従事者情報を電子カルテサーバ52に送信する。
【0215】
電子カルテサーバ52は、医療従事者認証を行い(S694)、成功した場合は、当該患者の電子カルテ情報を診療履歴データベース43から抽出して携帯端末6に送信する(S695)。また、個人認証または医療従事者認証に失敗した場合は、認証失敗情報を携帯端末6に送信する。
カルテ情報を受信した携帯端末6は確認情報を出力手段61に出力する。
【0216】
なお、携帯端末6は、電子カルテサーバ52からカルテ情報を受信すると、出力手段61のディスプレイ611に後述の電子カルテ画面を表示する(S687)。また、認証失敗情報を受信すると、認証に失敗した旨をディスプレイ611に表示する(S687N)。
【0217】
なお、医療従事者が後述の電子カルテ画面に対して入力手段62により入力を行うとともに、送信の指示を入力すると、携帯端末6は電子カルテサーバ52にカルテ情報、カルテ情報の入力を行った医療従事者情報を送信する(S688)。電子カルテサーバ52は、カルテ情報、医療従事者情報の受信を検知すると(S697)、受信した電子カルテ情報を診療履歴データベース43の所定のカラムに格納する(S698)。
【0218】
以上により、携帯端末6による医療施設管理装置3へのカルテ情報の送信が行われる。
【0219】
また、以下に携帯端末6によりカルテ情報を入力する方法を具体的に説明する。携帯端末6によりカルテ情報を入力する際のディスプレイ611の画面図である図19に示すように、ディスプレイ611には、疾患名、症状、バイタル、検査値、投薬オーダー、処置オーダー、スケジュール等の項目名のリストを有する電子カルテ画面が表示される。
【0220】
上記リストの各項目名は項目内容にリンクされており、医療従事者により項目名が選択されると、ディスプレイ611にその項目についての項目内容や入力欄が表示される。図20に、例として、医療従事者により投薬オーダーの項目が選択された場合の、投薬オーダー入力画面を示してある。
【0221】
また、医療従事者は電子カルテ画面を閲覧しつつ、患者の診察を行い、必要に応じて、上記各入力欄にそれぞれ対応した情報を入力する。このとき、上下左右キー621によりカーソルを移動させ、入力したい入力欄を選択した上でOKキー622を押下すると、出力手段61のディスプレイ611に、図21に示すような、入力欄が表示される。医療従事者が入力欄に入力手段62により入力を行いOKボタン614を選択すると、入力情報は記憶手段64に記録される。
【0222】
医療従事者が患者に対してX線診断等の画像診断を行った場合、画像診断名、撮影された画像である画像診断結果、画像診断実施日等の情報はそれらの画像診断装置から携帯端末6に無線で、またはケーブルを介して送信され、携帯端末6はその結果を通信手段65により受信し出力手段61のディスプレイ611上の電子カルテ画面の検査結果の欄に表示する。このとき、画像診断装置は同時に、画像診断名、画像診断結果、画像診断実施日等の情報を診療履歴データベース43にも送信する。
【0223】
また、携帯端末6は検査結果を画像として受信した場合、出力手段61のディスプレイ611上の電子カルテ画面の検査結果の欄に受信した画像を表示する。そして、医療従事者が携帯端末6においてその画像を選択した際には、画像処理手段を介して検査結果の画像上に図形、線、点、テキスト情報等を描画するとともに、その描写された状態を記憶手段64に記録することができる。
【0224】
なお、電子カルテ画面の検査結果の欄は、上記画像上の描画以外の修正、削除等の処理が禁止されている。また、上記の各入力欄はテキスト入力に限らず、選択肢を表示して選択させることにより入力を行うものでもよい。
【0225】
全てのカルテ情報の入力が終了すると、医療従事者は携帯端末6においてカルテ情報を医療施設管理装置3に送信する。その際、医療施設管理装置3の処理装置33はカルテ情報を電子カルテサーバ52に送信し、電子カルテサーバ52はそのカルテ情報に基づいて、患者データベース41の患者の予定表テーブル、診療履歴データベース43の電子カルテテーブルに各カラムにそれぞれ対応した情報を格納する。
【0226】
また、電子カルテサーバ52は医事会計サーバ54にカルテ情報を送信する。医事会計サーバ54では、診療報酬データベース46に格納された医療行為と点数との情報に基づいて、カルテ情報に含まれる処置、検査等の情報から当該患者が支払うべき診療報酬の総合金額を計算する。
【0227】
さらに、電子カルテサーバ52は物品管理サーバ55に電子カルテ情報を送信する。物品管理サーバ55は、電子カルテ情報が有する処置、検査等の情報から、使用した医療材料等の物品の使用状況を把握し、物品データベース45の在庫数等を更新する。
【0228】
以上のように、携帯端末6を用いて医療施設管理装置3から電子カルテ情報を取得したり、携帯端末6により電子カルテ情報を入力して医療施設管理装置3へ送信したりすることができる。
【0229】
なお、医療従事者が医療施設外にいる場合でも、生体情報等を外部ネットワーク21を介して送信することにより、携帯端末保持者が情報の送受信を許可された医療従事者であることが確認されれば、携帯端末6によりカルテ情報を受信すること、上記カルテ情報を入力すること、及び入力されたカルテ情報を送信することができる。したがって、医療従事者が医療施設外に往診に行った場合でも、医療施設内にいるときと同様に電子カルテの記入を行うことができる。
【0230】
次に、本発明の看護師等の医療従事者が携帯端末6により業務スケジュールを受信する手順を、図22に示すフローチャート図を用いて詳細に説明する。
【0231】
医療従事者が入力手段62のメニューキー625を押下すると出力手段61のディスプレイ611にプログラムのリストが表示され、医療従事者が業務スケジュール取得プログラムに対応するキーを押下するか、上下左右キー621によりカーソルを当該プログラムの位置に移動させてOKキー622を押下すると、電子カルテ情報管理プログラムが起動する。
【0232】
業務スケジュール管理プログラムが起動すると、処理手段63は、携帯端末6のディスプレイ611に、医療従事者ID、生体情報、チームID等の医療従事者情報の入力欄を表示して医療従事者に医療従事者情報の入力を要求し(S701)、医療従事者による入力があるまで待機する(S702)。
【0233】
医療従事者は、入力手段62により、個人で業務を行う際には医療従事者IDを、チームで業務を行う際にはチームIDを生体情報とともに入力する。
【0234】
携帯端末6の処理手段63は、医療従事者による医療従事者情報の入力を検知すると(S703)、入力された医療従事者情報を医療施設管理装置3に送信するとともに業務スケジュール情報を要求し(S704)、医療施設管理装置3からの応答があるまで待機する(S705)。
【0235】
医療施設管理装置3は、携帯端末6からのアクセスがあるまで待機しているが(S711)、携帯端末6から医療従事者情報と業務スケジュール情報の要求を受信すると(S711)、それらの情報を一時的に記憶装置34に格納する。医療従事者管理サーバ56は、受信した医療従事者情報と医療従事者データベース42に格納された情報とにより上述の個人認証が行う(S713)。
【0236】
個人認証に成功すると、業務管理サーバ53は、医療従事者データベース42の業務日程テーブルから当該医療従事者または医療チームの業務スケジュール情報を医療従事者IDまたはチームIDをキーとして取得し、携帯端末6へ送信する(S714)。また、個人認証に失敗した場合は、医療従事者管理サーバ56は携帯端末6に認証失敗情報を送信する。
【0237】
なお、チームで業務を行う際には、医療従事者管理サーバ56が受信した生体情報がそのチームに属している医療従事者のうちのいずれかの生体情報と一致すれば、携帯端末6により業務スケジュール情報を取得することができるが、状況に応じて、チームの代表者の生態情報と一致しなければ業務スケジュール情報を取得できないようにしてもよい。
【0238】
携帯端末6は、通信手段65により上記の業務スケジュール情報を受信すると(S706)、記憶手段64の補助記憶装置に業務スケジュール情報を記憶し、出力手段61のディスプレイ611にそれらの情報含んだ業務スケジュール画面を表示する(S707)。また、携帯端末6は、通信手段65により認証失敗情報を受信すると、出力手段61のディスプレイ611に認証に失敗した旨を出力する(S707N)。
【0239】
なお、業務スケジュール情報は、実施予定日時、患者ID、患者名、病棟、病室、指示内容等の情報を有する業務内容が列挙されたものである。また、業務スケジュール画面には、各業務の実行日時、患者名、指示内容等がリストとして表示されている。医療従事者がそのリストから上下左右キー621によりカーソルを移動させて実施する業務を選択し、OKキー622を押下することにより、その業務の詳細情報が表示される。
【0240】
業務スケジュール管理プログラムには、携帯端末6に情報を入力した際にその情報に対して入力日時を付与するタイムスタンプ機能が含まれている。
【0241】
また、携帯端末6に着脱自在に接続され、読み取った情報を携帯端末6に送信するICタグリーダ71を使用し、医療従事者は業務を行う際に、患者情報を有するICタグを備えた患者について、ICタグから患者情報を携帯端末6に入力して患者確認を行うことができる。
【0242】
以下に、一例として看護師等の医療従事者が携帯端末6により業務スケジュール管理プログラムを実行して患者の巡回を行う手順を、図23に示すフローチャート図に基づいて説明する。
【0243】
処理手段63は、記憶手段64に記憶した巡回順序データに基づいて出力手段61に、図24に示すような巡回順序表示画面を表示する。そして、医療従事者が巡回順序表示画面に表示された患者の中から上下左右キー621によりカーソルを移動させて患者を選択したときに、出力手段61のディスプレイ611に、図25に示すような、選択された患者の患者情報の入力を促す検査結果入力画面を表示して、医療従事者に患者情報の入力を要求し(S721)、医療従事者による入力が終了するまで待機する(S722)。
【0244】
出力手段61は、患者毎に巡回検査の結果を入力するための検査結果入力画面を出力手段61に表示する。本形態の検査結果入力画面の上部には、患者ID、氏名、病棟、病室、疾患名、診療科名等が表示されている。
【0245】
また、検査結果入力画面の中央には、体温、脈拍、血圧の最高値・最低値、水分量、尿量、血糖値等の項目の入力欄が表示されている。このとき、各検査項目について既に数値等が表示されている。この数値等は、前回の巡回検査の結果データを示すものである。
【0246】
このように、携帯端末の入力画面に前回の結果データを表示しておくことにより、今回の巡回検査を行って得られた数値と素早く比較して、患者の容体の変化を迅速に認識することができる。
【0247】
まず、携帯端末6にICタグリーダ71を接続してICタグ情報を読み取って携帯端末6の記憶手段64に一時的に記憶できるようにする。患者のベッドまたは患者の身体(ネックレス、リストバンド等)には患者IDを示すICタグが取り付けられている。そのICタグのICタグ情報を患者一人一人について読み取ることにより患者の確認を行い、患者の誤認を防止する。
【0248】
医療従事者が患者の体温を測定して数値を入力する時には、入力画面の体温の入力欄を選択する。これにより、処理手段63は入力すべき候補数値をポップアップメニューとしてディスプレイ611に表示する(図示せず)。本形態では、通常、前回測定した時のデータが表示される。入力手段62の上下左右キー621を押下すると、数値が上下して再表示される。小数点以下の数値は、別個のポップアップメニューに表示される。
【0249】
入力されたデータは入力欄に表示され、その際に、入力された入力欄または入力欄に入力されたデータは入力前とは異なった色で表示される。これにより、医療従事者は測定データがきちんと入力されたことを確認することができる。なお、これは他の項目の入力に際しても同様とする。
【0250】
また、このようにポップアップメニュー内に前回の結果データを表示することにより、医療従事者の入力作業の軽減を図ることができる。また、小数点以上と以下に分けて別々のウインドを表示するのは、体温測定の場合、上述したように少数点以下の数値だけが変わる場合が多いので、小数点以下の数値を変更するだけで体温のデータを入力することでき、したがって医療従事者の入力作業の更なる軽減を図るためである。
【0251】
次に、脈拍の入力欄を選択すると、脈拍の計測時間の候補数値がポップアップメニューに表示される。脈拍の場合、先ず、計測時間を選択するためのポップアップメニューが表示され、計測時間の候補数値、例えば、10、15、20、25、30、60(秒)が表示される。例えば計測時間として10秒を選択すると、次に、計測したデータを入力するためのポップアップメニューが表示される。例えば十の位と、一の位とを別個のウインドに表示する。医療従事者は十の位と一の位をそれぞれ選択して脈拍のデータを入力する。そして、処理手段63により1分間のデータに換算されて結果データとして脈拍の入力欄に表示されるとともに、記憶手段64に記憶される。
【0252】
なお、予め、計測時間を設定しておいてもよいし、或いは前回の脈拍の計測を行ったときの計測時間を記憶するようにしてもよい。これにより、計測時間のポップアップメニュー表示を省略し、設定された或いは記憶している計測時間のみを表示して計測時間を選択する手間を省略することができる。
【0253】
また、血圧の最高値を入力するときのように、入力数値が3桁の数値であるときには、百の位用の候補数値「0〜9」と拾の位の候補数値「0〜9」と一の位の候補数値「0〜9」とが表示される。このとき、前回の検査結果データが規定値として表示される。
【0254】
以下、同様にして、測定したデータを順次入力する。医療従事者は、グラフ表示ボタン615を選択することにより、上記のようにして入力されたデータを携帯端末6の出力手段61上でグラフ表示させることができる。例えば、医療従事者がバイタルデータのグラフを表示させたい時には、体温の項目のグラフ表示ボタン615を選択すると、図26に示すように、ディスプレイ611に、体温、呼吸、及び血圧の測定データを縦軸、測定した日時を横軸とした折線グラフ(または棒グラフ)が表示される。また、戻るボタン613が選択されると、出力手段61はグラフが表示される前の画面を表示する。
【0255】
グラフ表示の際、上下左右キー621を押下することにより、時間軸に対して表示を前後にスクロールさせることができる。このようにスケールを変えたり、スクロールさせたりすることにより、小さい画面であっも、その画面を有効に使用して視認の容易なグラフを表示することができる。
【0256】
また、医療従事者は、データ表示ボタン616を選択することにより、体温、脈拍、血圧の最低値・最高値等の測定結果を測定日時とともに表形式で表示させることができる。このときも同様に、戻るボタン613が選択されると、出力手段61は表が表示される前の画面を表示する。
【0257】
なお、医療従事者による上記各項目の入力欄への入力がされると、入力欄または入力欄に入力された文字列を入力前とは異なった色で表示されるため、医療従事者は入力欄の色により未入力項目を一目で認識することができる。
【0258】
医療従事者は、巡回検査の全ての項目の結果データを入力したら、医療従事者自身の医療従事者ID、生体情報を入力して、送信ボタン612を選択する。
【0259】
携帯端末6の処理手段63は、送信ボタン612の選択を検知すると(S723)、入力された巡回検査結果情報、医療従事者情報を医療施設管理装置3に送信し(S724)、ディスプレイ611に次の患者に関する入力画面を表示する。また、医療施設管理装置3からの応答を待機する(S725)。
【0260】
このようにして、医療従事者は順次、患者の巡回検査を行う。なお、通常は、端末に表示される巡回順序で巡回検査を行うのが、一番効率よく巡回検査を行うことができるが、必要に応じて、巡回順序を任意に変更してもよい。
【0261】
医療施設管理装置3は、携帯端末6からのアクセスがあるまで待機しているが(S731)、上記の患者情報を受信すると(S732)、医療従事者管理サーバ56において上述の個人認証を行う(S733)。
【0262】
個人認証に成功した場合は、上述の電子カルテサーバ52は医療従事者認証を行う(S734)。医療従事者認証に成功した場合は、電子カルテサーバ52は、携帯端末6から受信した巡回検査結果情報を診療履歴データベース43の所定のカラムに格納する(S735)。また、個人認証または医療従事者認証に失敗した場合は、電子カルテサーバ52は認証失敗情報を携帯端末6に送信する。
【0263】
携帯端末6の処理手段63は、認証失敗情報を受信すると(S726)出力手段61に認証に失敗した旨を出力する(S727N)。
【0264】
以上のようにして、医療従事者は携帯端末6により患者の巡回検査結果情報を医療施設管理装置3に送信する。
【0265】
なお、業務スケジュール管理プログラムが実行されるとタイマー機能が動作し続け、各業務の実施予定日時に実施結果の入力が行われていない場合は、警告音を発し、その業務内容が携帯端末6の出力手段61に表示される。このとき、状況に応じて警告音を発しないように設定することも可能である。
【0266】
また、本形態では、患者毎に結果データを医療施設管理装置3に送信するが、何人かの患者、または全患者について検査を終えてから、まとめて医療施設管理装置3に送信するようにしてもよい。
【0267】
また、本形態では、時計機能により検査項目毎に入力された結果データに入力時のタイムスタンプ(入力日時のデータ)が付与される。
【0268】
以下に、本発明の医師、看護師、薬剤師、医療事務員等の医療従事者が携帯端末6により医療機器、医療材料等の物品情報を受信する手順を図27に示すフローチャート図に基づいて詳細に説明する。
【0269】
医療従事者が入力手段62のメニューキー625を押下すると出力手段61のディスプレイ611にプログラムのリストが表示され、医療従事者が物品管理情報取得プログラムに対応するキーを押下するか、上下左右キー621によりカーソルを当該プログラムの位置に移動させてOKボタン622を押下することにより、物品管理情報取得プログラムが起動する。
【0270】
物品管理情報取得プログラムが起動すると、処理手段63は、携帯端末6のディスプレイ611に医療従事者情報、物品ID、物品名等の物品要求情報の入力欄を表示して医療従事者情報、物品情報を要求し(S741)、医療従者による入力が終了するまで待機する(S742)。
【0271】
医療従事者は、携帯端末6の入力手段62により物品要求情報を入力する。このとき、物品名の入力欄を選択すると、物品名のリストが表示され、上下キーにより物品を選択することにより、物品名が入力される。なお、物品名を複数選択することも可能である。
【0272】
携帯端末6の処理手段63は、医療従事者による物品要求情報の入力を検出すると(S743)、入力された情報を医療施設管理装置3に送信するとともに物品情報を要求し(S744)、医療施設管理装置3からの応答があるまで待機する(S745)。
【0273】
医療施設管理装置3は携帯端末6からのアクセスがあるまで待機しているが(S751)、携帯端末6からの物品要求情報の受信を検出すると(S752)、それらの情報を受信して一時的に記憶装置に格納する。また、医療従事者管理サーバ56において、受信した医療従事者情報と医療従事者データベース42に格納された情報とを用いて個人認証を行う(S753)。
【0274】
個人認証に成功した場合(S746、747)は、物品管理サーバ55が、送信者がその物品を取り扱うべき医療従事者か否かを判断する医療従事者認証を行う(S754)。医療従事者認証に成功した場合は、その物品データベース45から物品IDをキーとして物品情報を取得して携帯端末6に送信する(S755)。また、個人認証または医療従事者認証に失敗した場合は、認証失敗情報を携帯端末6に送信する。
【0275】
携帯端末6は通信手段により上記の物品情報を受信すると(S746)、記憶手段64の補助記憶装置に物品情報を記憶し、出力手段61のディスプレイ611に物品情報を含んだ物品画面を表示する。なお、物品情報は、物品ID、物品名、在庫数、保管場所等である。また、携帯端末6が認証失敗情報を受信すると、認証に失敗した旨をディスプレイ611に表示する。
【0276】
以上のようにして、医療従事者は携帯端末6を用いて物品情報を取得することができる。
【0277】
次に、本発明の医師、看護師、薬剤師、医療事務員等の医療従事者が携帯端末6により医療機器、医療材料等の物品情報を入力、送信する手順を図28に示すフローチャート図を用いて詳細に説明する。
【0278】
医療従事者が入力手段62のメニューキー625を押下すると出力手段61のディスプレイ611に各プログラムのリストが表示され、医療従事者が物品管理情報入力プログラムに対応するキーを押下すると、処理手段63により物品管理情報入力プログラムが起動する。
【0279】
物品管理情報入力プログラムが起動すると、処理手段63は、図29に示すように、携帯端末6のディスプレイ611に医療従事者ID、物品名、補充数、消費数、保管場所の入力欄を表示して、医療従事者に医療従事者情報、物品情報の入力を要求し(S762)、医療従事者により入力が行われるまで待機する(S761)。
【0280】
医療従事者は、携帯端末6の入力手段62により医療従事者ID、及び物品名等のそれぞれの入力欄にデータを入力する(S763)。このとき、物品名、保管場所の入力欄を選択すると、それぞれ物品名、保管場所のリストが表示され、上下キーにより物品、保管場所を選択することにより、物品名、保管場所が入力される。
【0281】
なお、補充数は物品を補充した場合のみ、消費数は物品を消費した場合のみ、保管場所は移動した場合のみ入力する。また、携帯端末のマイクから音声を入力するか、カメラにより指紋を撮影することにより、医療従事者の生体情報を入力する。
【0282】
携帯端末6の処理手段63は、医療従事者により医療従事者情報、物品情報が入力されると(S763)、それらの情報を医療施設管理装置3に送信するとともに物品情報を要求し(S764)、医療施設管理装置3からの応答があるまで待機する(S765)。
【0283】
医療従事者管理サーバ56は携帯端末6からの応答があるまで待機しているが(S771)、携帯端末6からの医療従事者情報、物品情報の受信を検知すると(S772)、それらの情報を受信して一時的に記憶装置34に格納する。医療従事者管理サーバ56は、受信した医療従事者情報と医療従事者データベース42に格納された情報とにより上述の個人認証を行う(S773)。
【0284】
個人認証に成功した場合、物品管理サーバ55は、携帯端末6より受信した物品情報を確認情報として、再度携帯端末に送信しS774)、携帯端末6から応答があるまで待機する(S775)。また、個人認証に失敗した場合は、携帯端末6に認証失敗情報を送信する。
【0285】
携帯端末6は、医療施設管理装置3から確認情報を受信すると(S766)出力手段61に確認情報を表示して(S767)、医療従事者に確認を促す。医療従事者により携帯端末6に物品情報の登録を指示する登録指示情報が入力されると、携帯端末6は登録指示情報を物品管理サーバ55に送信する(S768)。また、携帯端末6が医療施設管理装置3から認証失敗情報を受信すると、出力手段61に認証に失敗した旨を出力する(S767N)。
【0286】
物品管理サーバ55は、携帯端末6から登録指示情報を受信すると(S776)、受信した物品情報を物品データベース45の所定カラムに格納する。このとき、物品管理サーバ55は、物品データベース45の物品データベース45の該当する物品の行において、補充された場合は在庫数に補充数をプラスして書き換え、消費された場合は在庫数から消費数をマイナスして書き換え、移動された場合は保管場所を書き換える等して、物品データベース45に格納された物品情報を更新する。
【0287】
以上のようにして、医療従事者は、携帯端末6から医療施設管理装置3へ物品情報を送信する。
【0288】
次に、本発明の医師等の医療従事者が携帯端末6により医療知識を受信する手順を図30に示すフローチャート図を用いて詳細に説明する。
【0289】
医療従事者が入力手段62のメニューキー625を押下すると出力手段61のディスプレイ611にプログラムのリストが表示され、医療従事者が医療知識取得プログラムに対応するキーを押下するか、上下左右キー621によりカーソルを当該プログラムの位置に移動させてOKキー622を押下することにより、医療知識取得プログラムが起動する。
【0290】
医療知識取得プログラムが起動すると、処理手段63は、携帯端末6のディスプレイ611に、図31に示すように、医療従事者情報、検索キーワード等の入力欄、及びカテゴリのリストを表示して医療従事者情報、キーワード情報等を要求し(S781)、医療従事者によりそれらの情報の入力がされるまで待機する(S782)。
【0291】
医療従事者は、携帯端末6の入力手段62により医療従事者情報、検索キーワードを入力し、携帯端末6の送信ボタン612を選択する。
【0292】
携帯端末6の処理手段63は、送信ボタンの選択を検知すると(S783)、入力された情報を医療施設管理装置3に送信するとともに医療知識情報を要求し(S784)、医療施設管理装置3からの応答があるまで待機する(S785)。
【0293】
医療施設管理装置3の処理装置33は、携帯端末6からのアクセスがあるまで待機しているが(S791)、携帯端末6からの医療従事者情報と検索キーワード情報との受信を検知すると(S792)、それらの情報を一時的に記憶装置34に格納する。
【0294】
医療従事者管理サーバ56により個人認証を行い(S793)、成功した場合は、医療知識サーバ57は、医療知識データベース47から受信した検索キーワードをキーとして、検索キーワードを含む医療知識情報を検索して抽出し、携帯端末6へ送信する(S794)。また、個人認証に失敗した場合は、認証失敗情報を携帯端末6に送信する。
【0295】
携帯端末6は、通信手段65により要求した医療知識情報を受信すると(S786)、記憶手段64の補助記憶装置に医療知識情報を記憶し、出力手段61のディスプレイ611にそれらの情報を含んだ医療知識画面を表示する(S787)。また、携帯端末6は、認証失敗情報を受信すると、出力手段61に認証に失敗した旨を出力する(S787N)。
【0296】
なお、医療知識情報は、医療知識のタイトル、分類、具体的な内容等の詳細情報を有し、医療知識画面においては各医療知識のタイトル等が列挙されたリストとして表示される。医療従事者がリストのタイトルの内のいずれかを選択することにより、その業務の具体的情報等が表示される。
【0297】
上記のようなキーワードにより医療知識情報を取得する方法の他に、カテゴリ別に情報を取得することもできる。なお、医療知識データベース47には、以下に示すような様々な医療知識情報を格納されている。
・検査値基準値データや診療ガイドライン、疾患診断マニュアル等の、医療従事者の基礎知識として診療に役立つ情報
・医療情報の交換、たとえば大学単位、医局単位、あるいは医師個人で日々進められている様々な研究の状況や成果などの情報
・国内及び国外の医療系学会の優秀抄録・先進抄録等の情報
・医学部生や現職医師の海外留学に必要な情報
・最新医薬品、最新医療機器、先進医療等の紹介情報及び医療関連フォーラム・展示会等の案内情報
【図面の簡単な説明】
【0298】
【図1】図1に、実施の形態(1)の全体の構成図を示す。
【図2】図2に、医療施設管理装置の構成図を示す。
【図3】図3に、医療施設管理装置のデータベース群のの構成図を示す。
【図4】図4に、携帯端末のキー入力手段の正面図を示す。
【図5】図5に、携帯端末において生体情報の認証を行う際のフローチャート図を示す。
【図6】図6に、携帯端末に生体情報を記録する際のフローチャート図を示す。
【図7】図7に、ハンズフリー機能により処理を行う際のフローチャート図を示す。
【図8】図8に、携帯端末の院内における通信切り替えを行う際のフローチャート図を示す。
【図9】図9に、携帯端末の院外における通信切り替えを行う際のフローチャート図を示す。
【図10】図10に、物品管理棚により物品の在庫数を管理する際のフローチャート図を示す。
【図11】図11に、医療施設管理装置において個人認証を行う際のフローチャート図を示す。
【図12】図12に、プログラムリストの表示画面図を示す。
【図13】図13に、オーダー情報を取得する際のフローチャート図を示す。
【図14】図14に、オーダー情報を入力する際のフローチャート図を示す。
【図15】図15に、オーダー情報の入力画面図を示す。
【図16】図16に、電子カルテ情報を取得する際のフローチャート図を示す。
【図17】図17に、患者が問診表を入力する際のフローチャート図を示す。
【図18】図18に、電子カルテ情報を入力する際のフローチャート図を示す。
【図19】図19に、電子カルテの表示画面図を示す。
【図20】図20に、投薬オーダー入力画面を示す。
【図21】図21に、電子カルテの入力画面図を示す。
【図22】図22に、業務スケジュール情報を取得する際のフローチャート図を示す。
【図23】図23に、業務スケジュール情報を入力する際のフローチャート図を示す。
【図24】図24に、巡回順序表示画面図を示す。
【図25】図25に、検査結果の入力画面図を示す。
【図26】図26に、検査結果のグラフ表示画面図を示す。
【図27】図27に、物品情報を取得する際のフローチャート図を示す。
【図28】図28に、物品情報を入力する際のフローチャート図を示す。
【図29】図29に、物品情報の入力画面図を示す。
【図30】図30に、医療知識情報を取得する際のフローチャート図を示す。
【図31】図31に、医療知識情報の表示画面図を示す。
【符号の説明】
【0299】
1 医療支援システム
21 外部ネットワーク
211 基地局
212 セキュリティゲートウェイ
22 内部ネットワーク
221 基地局
3 医療施設管理装置
31 出力装置
32 入力装置
33 処理装置
34 記憶装置
35 ファイヤーウォール
36 セキュリティゲートウェイ
4 データベース群
41 患者データベース
42 医療従事者データベース
43 診療履歴データベース
44 オーダーデータベース
45 物品データベース
46 診療報酬データベース
47 医療知識データベース
5 サーバ群
51 オーダリングサーバ
52 電子カルテサーバ
53 業務管理サーバ
54 医事会計サーバ
55 物品管理サーバ
56 医療従事者管理サーバ
57 医療知識サーバ
58 共通鍵管理サーバ
6 携帯端末
61 出力手段
611 ディスプレイ611
612 送信ボタン
613 戻るボタン
614 OKボタン
615 グラフ表示ボタン
616 データ表示ボタン
62 入力手段
621 上下左右キー
622 OKキー
623 電源キー
624 通話キー
625 メニューキー
626 クリアキー
627 テンキー
63 処理手段
64 記憶手段
65 通信手段
66 音声変換手段
67 撮影手段
68 電源手段
7 医療機器群
71 ICタグリーダ
72 物品管理棚
T 相手先端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネット等の広域に接続される外部ネットワーク及び医療施設内に複数の基地局が設置されて医療施設内でのみ通信可能に設けられた内部ネットワークに接続された医療施設管理装置と、前記外部ネットワークまたは前記内部ネットワークを介して前記医療施設管理装置と通信する携帯端末とからなり、
前記携帯端末は、
音声や文字列等のデータを入力する入力手段と、
音声や文字列等のデータを出力する出力手段と、
前記基地局と通信可能であるか否か判断して通信可能である場合は通信方式を内部ネットワーク用に設定して内部ネットワークを介して通信し、通信不可能である場合は通信方式を外部ネットワーク用に設定して外部ネットワークを介して通信する通信手段と
前記通信手段により受信した音声のデジタルデータをアナログデータに変換して前記出力手段により出力するとともに、入力手段から入力された音声のアナログデータをデジタルデータに変換して前記通信手段により送信する音声変換手段と、
携帯端末保持者の声紋や指紋等の生体情報が予め記録されている記憶手段と、
電源起動時に携帯端末保持者の生体情報を出力手段により要求し、携帯端末保持者が入力手段により入力した生体情報と前記記憶手段に記録されている生体情報とを比較し一致した場合に電源を起動する処理手段と、を有する
医療支援システム。
【請求項2】
請求項1に記載の医療支援システムにおいて、
医療施設管理装置は、
医療施設内で用いられる患者や医療従事者等の所定の情報が格納されたデータベースと、
前記データベースの所定の情報を携帯端末に配信するとともに、前記携帯端末から受信した所定の情報を前記データベースに格納するサーバと、
前記携帯端末から受信した所定の情報を記憶する記憶装置と、
前記情報の送受信処理及び前記所定の情報の格納処理を行う処理装置と、を有する
医療支援システム。
【請求項3】
請求項2に記載の医療支援システムにおいて、
医療施設管理装置のデータベースには予め生体情報が格納されていて、
携帯端末が医療施設管理装置に情報を送信する際に携帯端末保持者の生体情報を併せて送信し、前記情報を受信した医療施設管理装置は、データベース内の生体情報と携帯端末から受信した生体情報とを比較し前記携帯端末保持者の認証を行う
ことを特徴とする医療支援システム。
【請求項4】
請求項2または3に記載の医療支援システムにおいて、
医療施設管理装置のサーバは秘密鍵を生成して携帯端末に送信し、
前記医療施設管理装置及び携帯端末は、情報を送信する際に前記秘密鍵に基づいて送信する情報を暗号化するとともに、情報を受信する際に前記秘密鍵に基づいて受信する情報を復号化する
ことを特徴とする医療支援システム。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の医療支援システムにおいて、
携帯端末の記憶手段は、任意に選択された単語である命令語の音声パターンの符号化情報と、前記命令語に対応付けられた処理コマンドとを保持し、
携帯端末の処理手段は、入力手段により入力された音声を符号化して前記命令語の符号化情報と比較し、それらが一致した場合には前記命令語に対応付けられた処理コマンドを実行する
ことを特徴とする医療支援システム。
【請求項6】
請求項2から5のいずれかに記載の医療支援システムにおいて、
所定の情報には、医療施設内で患者を区別する患者IDとそれに対応した処方薬の処方薬品名や処方日時とからなるオーダー情報が含まれ、
携帯端末が前記医療施設管理装置に対して患者IDを送信するとともに前記オーダー情報を要求すると、サーバは前記データベースから受信した患者IDに対応するオーダー情報を取得して携帯端末に送信し、
前記携帯端末が前記医療施設管理装置に対して患者IDとオーダー情報とを送信すると、前記サーバはオーダー情報を受信して前記データベースに格納する
ことを特徴とする医療支援システム。
【請求項7】
請求項2から6のいずれかに記載の医療支援システムにおいて、
所定の情報には、各患者に関して、医療施設内で患者を区別する患者IDと症状や疾患名とからなるカルテ情報が含まれ、
携帯端末が前記医療施設管理装置に対して患者IDを送信するとともにカルテ情報を要求すると、サーバは前記データベースから受信した患者IDに対応するオーダー情報を取得してその情報を携帯端末に送信し、
前記携帯端末が前記医療施設管理装置に対して患者IDとカルテ情報とを送信すると、前記サーバはカルテ情報を受信して前記データベースに格納する
ことを特徴とする医療支援システム。
【請求項8】
請求項2から7のいずれかに記載の医療支援システムにおいて、
所定の情報には、複数の医療情報とそれに関連付けられるキーワードとからなる医療知識情報が含まれ、
携帯端末が前記医療施設管理装置に対してキーワードを送信するとともに医療知識情報を要求すると、サーバは前記データベースから受信したキーワードに関連付けられた医療情報を取得してその情報を携帯端末に送信する
ことを特徴とする医療支援システム。
【請求項9】
請求項2から8のいずれかに記載の医療支援システムにおいて、
所定の情報には、医療施設内で使用される物品を区別する物品IDとそれに対応した在庫数とからなる物品情報が含まれ、
携帯端末が前記医療施設管理装置に対して物品IDを送信するとともに物品情報を要求すると、サーバは前記データベースから受信した物品IDに対応する物品情報を取得してその情報を携帯端末に送信するとともに、
前記携帯端末が前記医療施設管理装置に対して物品IDと物品情報とを送信すると、前記サーバは物品情報を受信して前記データベースに格納する
ことを特徴とする医療支援システム。
【請求項10】
請求項2から9のいずれかに記載の医療支援システムにおいて、
所定の情報には、医療施設内で医療従事者を区別する医療従事者IDとそれに対応した業務内容や業務実施予定日時とからなる業務スケジュール情報が含まれ、
携帯端末が前記医療施設管理装置に対して医療従事者IDを送信するとともに業務スケジュール情報を要求すると、サーバは前記データベースから受信した医療従事者IDに対応する業務スケジュール情報を取得してその情報を携帯端末に送信する
ことを特徴とする医療支援システム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の医療支援システムにおいて、
所定の情報には、医療行為とそれに対応した点数とからなる診療報酬情報が含まれ、
携帯端末が前記医療施設管理装置に対して患者ID、行った医療行為の情報を含んだカルテ情報を送信すると、サーバは前記データベースから受信したカルテ情報の医療行為に対応する点数を取得する
ことを特徴とする医療支援システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2006−195669(P2006−195669A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−5698(P2005−5698)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【出願人】(504179255)国立大学法人 東京医科歯科大学 (228)
【Fターム(参考)】