説明

医薬組成物

【課題】抗癌剤又は抗炎症剤として有用な不活性型前駆体血漿ヒアルロナン結合タンパク質の自己活性化阻害剤の提供。
【解決手段】例えば、放線菌の培養液から単離・精製することができるサーファクチンC、イソハロバシリン、イチュリン、又糸状菌の培養液から単離・精製することができるビカベリン等やその他の市販されている容易に入手することことができる化合物で、不活性型前駆体血漿ヒアルロナン結合タンパク質の自己活性化阻害活性を示す化合物を有効成分とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬組成物及び不活性型前駆体血漿ヒアルロナン結合タンパク質の自己活性化阻害剤に関する。
【背景技術】
【0002】
癌細胞はその悪性化に伴って、周囲の組織へと浸潤し、さらには他の臓器へと転移して二次腫瘍を形成する。この浸潤・転移の過程は非常に複雑であり様々な因子がその制御に関わるが、このうち基底膜や血管壁の分解は浸潤・転移の過程の中でも重要なステップである。このステップにおいて中心的な役割を果たすのが、血漿中に存在する一連のセリンプロテアーゼやそのインヒビターであり、中でも組織線溶にはウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーター(u−PA)が重要な役割を担っている。
【0003】
u−PAによって生じたプラスミンは細胞外マトリックスを直接の基質とするマトリックスメタロプロテアーゼ前駆体(pro−MMPs)を活性化し、このことによって組織線溶が生じる[非特許文献1]。これら一連のプロテアーゼ活性と癌の浸潤・転移能との関わりについてはこれまで多くの報告がなされており[非特許文献2]、これらの酵素活性、あるいはそのレセプターとの相互作用を阻害することによる転移阻害剤の研究が行われている。u−PAは多くのセリンプロテアーゼがそうであるように、血中では不活性型前駆体として存在し、何らかの要因によって活性化し線溶反応を引き起こす。近年、u−PAの活性化の引き金となる酵素として、血漿中からプロウロキナーゼ活性化能を有する新規セリンプロテアーゼが発見された。
【0004】
PHBP(plasma hyaluronan binding protein)は、1994年に三浦らによって、ヒアルロン酸に特異的に結合するタンパク質として血漿中から発見された[非特許文献3]。PHBPは主として肝臓で翻訳されたのち、N末端のシグナルペプチドが切断され、酵素活性を持たない不活性型前駆体pro−PHBPとして血中に分泌される[非特許文献4]。Pro−PHBPは、3つのEGF様ドメインと、1つのクリングルドメイン、さらにセリンプロテアーゼ様ドメインを有する、537アミノ酸残基からなる分子量70kDaの一本鎖型の前駆体である[非特許文献5]。正常血中ではこの不活性型前駆体のみが存在し、活性型PHBPはマウスの肝障害時、あるいは肝切除の場合にのみ検出されている[非特許文献6]。
【0005】
PHBPの生理的な役割は未だ不明な点が多いが、in vitroにおいてフィブリン、フィブロネクチンの切断[非特許文献6]やpro−u−PAをu−PAへと変換するプロウロキナーゼ活性化能を有することが報告されており[非特許文献7]、さらに、PHBPの細胞表面の局在に伴い、線溶が促進されることも明らかにされている[非特許文献8]。
【0006】
また、PHBPには、Marburg症と名付けられた511番目のアミノ酸がGからEに置換された遺伝子多型が報告されており、このアミノ酸置換をもつ患者では、PHBP依存性のu−PA活性が正常と比較して50−80%減少しており、u−PA依存性のプラスミン生成量の減少も見られる[非特許文献9]。さらにMarburg症が動脈硬化の進行に関与していること、Marburg症患者の頚動脈血管壁にPHBPが高発現していることも報告されている[非特許文献10]。これらの知見はPHBPが線溶系の最上流に位置し、血栓の溶解反応や炎症反応、さらには癌の浸潤・転移の際に生じる一連の組織線溶にも関わる重要なタンパク質の一つであることを示している。
【0007】
Pro−PHBPからPHBPへの変換を触媒する酵素の存在は、現在までに報告されておらず、自己活性化によって変換されると考えられている[非特許文献11,12]。自己触媒作用によりArg290−Ile291の間が切断され、活性型2本鎖分子(3つのEGFドメインとクリングルドメインを含む50kDaの重鎖:Phe1−Arg290およびセリンプロテアーゼドメインを含む27kDaの軽鎖:Ile291−Phe537)が生じ、さらなる自己開裂によって、失活型4本鎖分子となる。その後もさらなる自己開裂によって断片化が進行する[非特許文献5]。
【0008】
PHBPの自己活性化機構は、凝固系因子 Factor XIIに類似しており、その自己開裂は、ポリ−L−リジンやヘパリン、デキストラン硫酸といった電荷物質によって促進される[非特許文献5,11]。また線溶促進化合物plactin D、生体内ポリアミンの一つであるスペルミジンによっても、自己活性化が促進されることが明らかとされた[非特許文献8]。
【0009】
しかし、これらの活性化促進因子がどのようなメカニズムで(pro−)PHBPに結合し作用を及ぼしているのかは不明であり、前述したようにpro−PHBPの自己活性化機構、およびその生理的役割は不明な点が多い。また活性型二本鎖PHBPの阻害剤としては、内因性阻害因子としてC−1インヒビターやa2−アンチプラスミンが報告されており、また一般的なセリンプロテアーゼ阻害剤によって阻害されるが[非特許文献12]、これらはいずれもPHBP特異的なものではなく、また自己活性化に対する特異性も有していない。
【0010】
【化7】

【0011】
図中、uPAは、ウロキナーゼ型プラスミノーゲンアクチベーターであり、uPARは、uPAレセプターであり、PLGは、プラスミノーゲンであり、PMは、プラスミンである。
【0012】
そこで、pro−PHBPの自己活性化を特異的に抑制する化合物の開発が望まれていた。
【非特許文献1】Werb, Z. (1997). ECM and cell surface proteolysis: regulating cellular ecology. Cell 91, 439-42
【非特許文献2】Pepper, M.S. (2001). Role of matrix metalloproteinase and plasminogen activator-plasmin systems in angiogenesis. Arterioscler thromb vasc biol. 21, 1104-1117
【非特許文献3】Choi-Miura, N.H. Tobe, T. Sumiya, J. Nakano, Y. Sano, Y. Mazda, T. and Tomita, M. (1996). Purification and characterization of a novel hyaluronan-binding protein (PHBP) from human plasma: it has three EGF, a kringle and a serine protease domain, similar to hepatocyte growth factor activator. J. Biochem. 119, 1157-1165
【非特許文献4】Choi-Miura, N.H. Yoda, M. Saito, K. Takahashi, K. and Tomita, M. (2001). Identification of the substrates for plasma hyaluronan binding protein. Biol. Pharm. Bull. 24, 140-143
【非特許文献5】Choi-Miura, N.H. Takahashi, K. Yoda, M. Saito, K. Mazda, T. and Tomita, M. (2001). Proteolytic activation and inactivation of the serine protease activity of plasma hyaluronan binding protein. Biol. Pharm. Bull. 24, 448-452
【非特許文献6】Choi-Miura, N.H. Otsuyama, K. Sano, K. Takahashi, K. and Tomita, M. (2001). Hepatic injury-specific conversion of mouse plasma hyaluronan binding protein to the active hetero-dimer form. Biol. Pharm. Bull. 24, 892-896
【非特許文献7】Romish, J. Vermohlen, S. Feussner, A. Stohr, H.A. (1999). The FVII activating protease cleaves single-chain plasminogen activators. Haemostasis. 29, 292-299
【非特許文献8】山本英作 (2002). プラクチンはPHBPを介した新たな組織線溶開始経路を促進する (修士論文)
【非特許文献9】Romish, J. Feussner, A. Nerlich, C. Stoehr, H.A. and Weimer, T. (2002). The frequent Marburg I polymorphism impairs the pro-urokinase activating potency of the factor VII activating protease (FSAP). Blood Coag. Fibl. 13, 433-441
【非特許文献10】Ireland, H. Miller, G.J. Webb, K.E. Cooper, J.A. and Humphies, S.E. (2004). The factor VII activating protease G511E (Murburg) variant and cardiovascular risk
【非特許文献11】Etscheid, M. Hunfeld, A. Konig, H. Seitz, R. and Dodt, J. (2000). Activation of proPHBSP, the zymogen of a plasma hyaluronan binding serine protease, by an intermolecular autocatalytic mechanism. Biol. Chem. 381, 1223-1231
【非特許文献12】Choi-Miura, N.H. Saito, K. Takahashi, K. Yoda, M. and Tomita, M. (2001). Regulation mechanism of the serine protease activity of plasma. Biol. Pharm. Bull. 24, 221-225
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意努力し、本発明の化合物が、pro−PHBPの自己活性化を特異的に抑制することを見出し、本発明を完成させた。
【0014】
したがって、本発明は、下記:
下記式:
【化8】


(式中、XがGluでありそしてYがLeuであるか、又はXがGlnでありそしてYがIleであり、Rは、i−ドデシル又はa−ドデシルである。)、
【化9】


(式中、Zは、Aspであり、Rは、a−トリデシルである。)、
【化10】






で示される化合物を有効成分として含む、医薬組成物、
抗癌剤又は抗炎症剤である、上記1に記載の医薬組成物、
不活性型前駆体血漿ヒアルロナン結合タンパク質の自己活性化に関連する疾患の治療剤である、上記2に記載の医薬組成物、及び
下記式:
【化11】


(式中、XがGluでありそしてYがLeuであるか、又はXがGlnでありそしてYがIleであり、Rは、i−ドデシル又はa−ドデシルである。)、
【化12】


(式中、Zは、Aspであり、Rは、a−トリデシルである。)、
【化13】






で示される化合物を含む、不活性型前駆体血漿ヒアルロナン結合タンパク質の自己活性化阻害剤に関する。
【0015】
式(1)の化合物(XがGluでありそしてYがLeuである)は、サーファクチンC(Surfactin C)呼ばれ、従来公知の方法によって放線菌の培養液から単離・精製することができる。より具体的には、培養液を菌体とろ液に分離し、菌体をアセトンで抽出する。アセトンを留去し、ろ液とあわせたのち、塩酸にてpH3に調整し、酢酸エチルにて抽出する。酢酸エチル相に硫酸ナトリウムを加えて脱水後、減圧乾固し、褐色油状物質を得る。これをシリカゲルカラムに供し、ヘキサン:アセトン=8:2で洗浄した後、ヘキサン:アセトン=6:4で溶出した画分を減圧乾固し、の褐色物質を得る。これをアセトンに溶解し、HPLCに供し、アセトニトリル:0.1%リン酸水(8:2)で展開する。活性画分を減圧濃縮後、酸性条件化にて酢酸エチル抽出をし、減圧乾固する。
【0016】
式(1)の化合物(XがGlnでありそしてYがIleである)は、イソハロバシリンと呼ばれ、従来公知の方法によって放線菌の培養液から単離・精製することができる。より具体的には、培養液を遠心分離し、その上清にリン酸カルシウム緩衝液を加え、pH8.0とした後、カラムクロマトグラフィーに供する。カラムをリン酸カリウム緩衝液で洗浄後、活性画分をメタノールで溶出する。これを減圧濃縮し、pHを3.0に調整し、ブタノールで抽出する。ブタノール層を濃縮して得られた油状物質をシリカゲルクロマトグラフィーに供し、ジクロロメタン、ジクロロメタン:酢酸エチル(1:1)、酢酸エチルで順次洗浄した後、酢酸エチル:メタノール(4:1)で溶出する。得られた油状物質をHPLCに供し、メタノール:0.1%リン酸水(95:5)で展開し、活性画分を酢酸エチルで抽出し、白色粉末状物質を得る。
【0017】
式(2)の化合物は、イチュリン(Iturin)とも呼ばれ、従来公知の方法によって放線菌の培養液から単離・精製することができる。より具体的には、培養液を遠心分離し、菌体をアセトンで抽出する。アセトンを留去し、ろ液とあわせたのち、1M塩酸にてpH3に調整し、酢酸エチルにて抽出する。酢酸エチル相に硫酸ナトリウムを加えて脱水後、減圧乾固し、褐色油状物質を得る。これをシリカゲルカラムに供し、酢酸エチルで洗浄後、酢酸エチル:メタノール(1:1)で溶出させ、活性画分を集め減圧濃縮する。得られた油状物質をHPLCに供し、メタノール:0.1%リン酸水(80:20)で展開し、活性画分を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで脱水後減圧乾固を行い、淡黄色粉末状物質を得る。
【0018】
式(3)の化合物は、ビカベリン(bikaverin)とも呼ばれる。ビカベリンは、赤色の色素リコペルシン(lycopersin)として1949年にKreitmanらによってF. lycopersiciとF. vasinfectumの培養液から発見された化合物である。ビカベリンは、従来公知の方法によって糸状菌の培養液から単離・精製することができる。より具体的には、液体培地を含む三角フラスコに、Talaromyces wortmannii IFO7238株を植菌し、前培養液を得る。液体培地に前培養液を播種し、培養する。培養終了後、上清をとり除き、沈殿物をクロロホルムで抽出する。減圧濾過で不溶物を取り除き、乾固させる。乾固物をクロロホルム:メタノール=9:1の混合溶媒に溶解して、HPLCで精製する。
【0019】
式(4)〜式(14)の化合物は、すべて市販されており、容易に入手することができる。
【0020】
本発明で不活性型前駆体血漿ヒアルロナン結合タンパク質の自己活性化に関連する疾患とは、活性型血漿ヒアルロナン結合タンパク質の存在に起因して生じる病態をいい、たとえば、癌や炎症を挙げることができる。本発明の医薬は、癌や炎症の予防剤又は治療剤として用いることができる。
【0021】
本発明の結晶の投与形態は、例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤又はシロップ剤等による経口投与、或いは、注射剤又は座剤等による非経口投与であり得る。更に、本発明の結晶は、粉末、溶液又は懸濁液の形態として経肺投与することもできる。これらのための製剤は賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、安定剤、矯味矯臭剤、希釈剤などの添加剤を用いて周知の方法で製造される。
【0022】
本発明の医薬組成物の使用量は症状、年齢、投与方法等によって異なるが、例えば経口投与の場合には、成人に対して1日あたり、下限として0.1mg(好ましくは、1mg、更に好ましくは、5mg)、上限として、1000mg(好ましくは、100mg、更に好ましくは、50mg)を1回または数回に分けて、症状に応じて投与することが望ましい。静脈内投与の場合には、成人に対して1日当たり、下限として0.01mg(好ましくは0.1mg)、上限として、100mg(好ましくは10mg)を1回または数回に分けて、症状に応じて投与することが望ましい。
【発明の効果】
【0023】
本発明の医薬組成物は、Pro−PHBPの自己活性化を抑制することにより、副作用が少なく、炎症反応や癌の浸潤・転移の際の組織線溶を抑制する効果という効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0025】
サーファクチンCの調製
[液体培地]
組成は以下の通りである。
グルコース 1%
コーンスターチ 3%
ペプトン 0.5%
酵母エキス 0.5%
重炭酸カルシウム 0.2%
消泡剤 CB442 0.01% (w/v)
これを水酸化ナトリウムにてpH7.0に調整した。本培地100mlを500ml容三角フラスコにいれ、121℃、15分間オートクレーブした。これに保存用斜面培地よりA9184株を植菌し、ロータリーシェーカーにて180rpm、28℃、3日間、前培養した。この前培養液1mlを上記培地100mlを含む500ml容三角フラスコに接種し、前培養と同様の条件で、6日間培養した。
【0026】
2.5Lの培養液を菌体とろ液に分離し、菌体を500mlのアセトンで3回抽出した。アセトンを留去し、ろ液とあわせたのち、1M塩酸にてpH3に調整し、酢酸エチルにて等量で1回、半量で2回抽出した。酢酸エチル相に硫酸ナトリウムを加えて脱水後、減圧乾固し、5.8gの褐色油状物質を得た。これをシリカゲルカラムに供し、ヘキサン:アセトン=8:2で洗浄した後、ヘキサン:アセトン=6:4、5Lで溶出した画分を減圧乾固し、1.84gの褐色物質を得た。これをアセトンに溶解し、うち360mgをHPLCに供し、アセトニトリル:0.1%リン酸水(8:2)で展開した。活性画分を減圧濃縮後、酸性条件化にて酢酸エチル抽出をし、減圧乾固した。
【0027】
イソハロバシリンの調製
培地組成
グルコース 1%
大豆ミール 1%
コーンスターチ 3%
ポリペプトン 0.5%
酵母エキス 0.5%
重炭酸カルシウム 0.2%
消泡剤 CB442 0.01% (w/v)
これを水酸化ナトリウムにてpH7.0に調整した。本培地100mlを500ml容坂口フラスコにいれ、121℃、15分間オートクレーブした。これに保存用斜面培地よりA9184株を植菌し、180rpm、28℃、3日間、往復振とう培養し、これを前培養とした。この前培養液1mlを上記培地100mlを含む500ml容坂口フラスコに接種し、前培養と同様の条件で、4日間培養した。
【0028】
培養4日目の培養液を遠心分離し、その上清6Lを1Mリン酸カルシウム緩衝液(pH8.0)を加え、pH8.0とした後、アンバーライトXAD−7によるカラムクロマトグラフィーに供した。カラムを10mMのリン酸カリウム緩衝液(pH8.0)で洗浄後、活性画分を3Lのメタノールで溶出した。これを減圧濃縮し、水で容量を200mlとした後、塩酸でpH3.0に調整し、ブタノールで3回抽出を行った。ブタノール層を濃縮して得られた油状物質4.76gをシリカゲルクロマトグラフィーに供し、ジクロロメタン、ジクロロメタン:酢酸エチル(1:1)、酢酸エチルで順次洗浄した後、酢酸エチル:メタノール(4:1)で溶出した。得られた油状物質をHPLCに供し、メタノール:0.1%リン酸水(95:5)で展開し、14.5分に活性画分を認めた。これを酢酸エチルで抽出し、白色粉末状物質を178.4mgを得た。
【0029】
イチュリンの調製
培地組成
グルコース 1%
大豆ミール 1%
コーンスターチ 3%
ポリペプトン 0.5%
酵母エキス 0.5%
重炭酸カルシウム 0.2%
消泡剤 CB442 0.01% (w/v)
これを水酸化ナトリウムにてpH7.0に調整した。本培地100mlを500ml容坂口フラスコにいれ、121℃、15分間オートクレーブした。これに保存用斜面培地よりA9184株を植菌し、180rpm、28℃、3日間、往復振とう培養し、これを前培養とした。この前培養液1mlを上記培地100mlを含む500ml容坂口フラスコに接種し、前培養と同様の条件で、4日間培養した。
【0030】
培養4日目の培養液5Lを遠心分離し、菌体を500mlのアセトンで3回抽出した。アセトンを留去し、ろ液とあわせたのち、1M塩酸にてpH3に調整し、酢酸エチルにて等量で1回、半量で2回抽出した。酢酸エチル相に硫酸ナトリウムを加えて脱水後、減圧乾固し、5.8gの褐色油状物質を得た。これをシリカゲルカラムに供し、酢酸エチルで洗浄後、酢酸エチル:メタノール(1:1)で溶出させ、活性画分を集め減圧濃縮した。得られた油状物質をHPLCに供し、メタノール:0.1%リン酸水(80:20)で展開し、活性画分を酢酸エチルで抽出し、無水硫酸ナトリウムで脱水後減圧乾固を行い、淡黄色粉末状物質を得た。
【0031】
ビカベリンの調製
[液体培地]
培地の組成は下記のとおりである。
グルコース 3.5%
コーンスターチ 1%
大豆ミール 2%
ポリペプトン 0.5%
肉エキス 0.5%
酵母エキス 0.3%
NaCl 0.2%
HPO 0.05%
MgSO・7HO 0.005%
百分率は、全てw/vで示した。
さらに、消泡剤であるCB442を0.1%(v/v)加えた。
なお、pHは5N HClで5.8に調整した。
【0032】
上記の液体培地100mlを含む500ml容三角フラスコに、Talaromyces wortmannii IFO7238株を保存用斜面培地より植菌し、25℃、180rpmで3日間培養し、前培養液を得た。上記の液体培地100mlを含む500ml容三角フラスコ50本に、前培養液を終濃度%となるように播種し、25℃、180rpmで5日間培養した(計5L)。培養終了後、減圧濾過によって上清をとり除き、沈殿物をクロロホルム3Lで抽出した。減圧濾過で不溶物を取り除き、乾固させた。乾固物をクロロホルム:メタノール=9:1の混合溶媒に溶解して、HPLCで精製した。
【0033】
HPLCは、JASCO MD-2010 Plus Multiwavelength Detecter, JASCO AS-2055 Plus Intelligent Sampler, JASCO PU-2087 Plus Intelligent Prep. Pump, JASCO MV-2080-32 Dynamic Mixer, GL Sciences MODEL 556 LC COLUMN OVEN, Inertsil PREP-ODS C18 column (250mm×30mm, GL Science)を用いた。移動層には、クロロホルム:メタノール:水=5:10:4 0.1%トリフルオロ酢酸(A)とクロロホルム:メタノール=5:10:0.1%トリフルオロ酢酸(B)の直線勾配を用い、25ml/分で流した(勾配比;0%B[0分]、50%B[15分])。8.8分の活性ピークを分取した。
【0034】
5Lの培養液から、40mgのビカベリンが得られた。
【0035】
Pro−PHBPの精製およびPHBPの調製
Pro−PHBPは、Etscheidらの方法[Biol. Chem. 381, 1223-1231(2000)]にしたがい、6Mウレア存在下において、二段階の陰イオンカラムクロマトグラフィーに付した。ビシコニン酸(BCA)法によりタンパク定量を行った後、使用時まで−80℃で保存し、凍結融解後は4℃で保存し一週間以内に使用した。活性型二本鎖PHBPは、0.2mMpro−PHBPをprocessing buffer(50mMTris−HCl,pH6.0(25℃),0.15MNaCl,10mMCaCl、0.1%Tween−20)中で37℃,20分間インキュベーションすることにより調製した。
【0036】
Pro-PHBP自己活性化および酵素活性測定法
以下に示す自己活性化および酵素活性は、いずれも丸底96ウェルプレートを用いて50mlのSubstrate buffer(50mMTris−HCl,pH7.4(25℃),75mMNaCl,5mMCaCl,0.05%Tween−20)中、37℃で測定した。405nmの吸収波長を60分間連続的に測定し、遊離するp−ニトロアニリンを定量した。酵素(前駆体)、合成発色基質および評価系に添加するpro−PHBP自己活性化促進因子の濃度は以下に示すとおりである。
【0037】
(1) 活性化促進因子によるpro−PHBP自己活性化:
Pro−PHBP 5nM,スペクトロザイムTH 0.1mM,自己活性化促進因子として以下のいずれかを添加
(i)スペルミジントリヒドロクロリド5mM;
(ii)プラクチンD 30mg/ml;
(iii)ヘパリン 0.5mg/ml;
(iv)ヒストン2A 0.5mg/ml;
(2)pro−PHBP単独の自己活性化:
Pro−PHBP 20nM,スペクトロザイムTH 0.1mM;
(3)PHBPのアミド分解活性:
PHBP 2 nM,スペクトロザイムTH 0.1mM;
(4)トリプシン活性測定:
トリプシン 1nM,Bz−Arg−pNA 50mM;
(5)ウロキナーゼ活性測定:
ウロキナーゼ 3nM,スペクトロザイムUK 0.1mM;
(6)プラスミン活性測定:
プラスミン 50nM,VLK−pNA 0.1mM;
(7)トロンビン活性測定:
トロンビン 40nM,スペクトロザイムTH 0.1mM;
(8)FXa活性測定:
FXa 0.1nM,スペクトロザイムFXa 0.1mM;
(9)pro−ウロキナーゼ活性化測定:
pro−u−PA 20 nM,PHBP 0.2nM,スペクトロザイムUK 0.1mM。
それぞれの測定はいずれもトリプリケートで行った。
【0038】
スクリーニング方法
東京農工大学発酵学研究室保有の糸状菌または放線菌由来の培養抽出液の1710サンプルを探索源とした。一次スクリーニングとしてサンプル添加量5%を反応液に加え、上述の方法でスペルミジンを活性化促進因子として用い、pro−PHBP自己活性化阻害活性を測定した。
【0039】
機器分析
MALDI−TOF−MSは、マトリックスとしてa−シアノ−4−ヒドロキシ桂皮酸を用い、Voyager DE STR (Perseptive Biosystems)により測定した。
UVスペクトルは、溶媒にエタノールを用い、50mg/ml濃度にて320型自記分光光度計(HITACHI)により測定した。IRスペクトルはJIR−WINSPEC50フーリエ変換赤外分光光度計(日本電子)を用い、NaCl法により測定した。
NMRスペクトルは溶媒にジメチルスルホキシド−d6(MERCK):クロロホルム−d1(MERCK)=1:1の混合溶媒を用い、Alpha−600スペクトロメーター(日本電子株式会社)(1H,600MHz,13C,150MHz)により測定した。得られたデータはALICE2 Ver. 2.05(日本電子データム株式会社)を用いて処理および解析を行った。
【0040】
結果
活性物質の探索および同定
Pro−PHBP自己活性化阻害物質の新規スクリーニングを行った結果、バチルス属放線菌由来のスクリーニングサンプルが複数選択された。サーファクチンに代表される環状リポペプチドは、バチルス属放線菌の主要な二次代謝産物として良く知られており、界面活性作用を始めとした種々の生理活性作用が報告されている。そこでHPLC分析によって選択されたスクリーニングサンプルのクロマトグラムを環状リポペプチドのうちイツリンC3と比較した結果、同一のピークが確認された(データは示さず)。これらの結果をもとに、研究室保有の環状リポペプチド化合物数種類についてpro−PHBP自己活性化阻害作用を確認したところ、サーファクチンC,イソハロバチリン、イツリンC3の三種類の化合物に活性を認めたため、本サンプルに含まれる活性成分は環状リポペプチド化合物に由来するものと同定した。
【0041】
【表1】

【0042】
環状リポペプチドのpro−PHBP自己活性化に対する影響
活性評価を行った計7種類の環状リポペプチド化合物のうち、サーファクチンC,イソハロバシリン,イツリンC3の3種類にpro−PHBP自己活性化阻害活性が認められた(図1)。このうちサーファクチンC,イソハロバシリンについては、0.1mMではいずれも数%程度の阻害活性しか認められないにも関わらず、0.3mMではそれぞれ91%,60%と高い阻害活性を示した。イツリンC3のみが濃度依存性を示し、0.03mM−0.3mMにおいて6−65%阻害を示した。
【0043】
そこでこれら3種の化合物について、pro−PHBP単独の自己活性化、PHBPのアミド分解活性を評価した。
【0044】
その結果、これら3種の環状リポペプチド化合物は、いずれもPHBPのアミド分解活性には、最大でも約6%程度とほとんど影響しなかった。またpro−PHBP単独の自己活性化についても、いずれの化合物も0.1mMで23−28%の阻害を示したが、高濃度においてもその阻害活性はイツリンC3の32%が最大であり、スペルミジンの誘導する自己活性化と比較して大きな影響は与えなかった(図2A,B)。
【0045】
さらにスペルミジン同様、陽電荷物質であるプラクチンDに対しては、3種類の環状リポペプチド化合物すべてが、活性化促進因子としてスペルミジンを用いた場合よりも低濃度から高い阻害活性を示した。0.03−0.3mM濃度においてサーファクチンC,イソハロバシリン,イツリンC3の持つ阻害活性はそれぞれ21−90%,19−100%,30−84%であり、どの化合物についても濃度依存性が認められた。また同じく陽電荷物質であるヒストン2Aに対しては、サーファクチンC,イソハロバシリンの2種が0.1mM濃度から60%前後と比較的高い阻害活性を示したのに対し、イツリンC3については0.1−0.3mM濃度において10−43%程度の阻害活性しか示さなかった。
【0046】
一方、陰電荷物質のひとつであるヘパリンに対しては、イツリンC3の処理によって最大でも28%の阻害活性しか示さないのに対し、サーファクチンC,イソハロバシリンでは0.03mMにおいてもおよそ60%という高い阻害活性を示した。
【0047】
さらに、SDS−PAGEによってイツリンC3によるpro−PHBP自己活性化阻害作用を評価した結果、20分間の反応によってコントロールで二本鎖PHBPへの変換が十分に見られたが、0.3mMのイツリンC3の処理によってその抑制が見られ、イツリンC3の有する阻害作用が、pro−PHBPからPHBPへの変換を抑制する機構に基づくものであることが示された。
【0048】
ビカベリンのpro−PHBP自己活性化に対する影響
スペルミジン存在下においては、0.075−7.5μg/mlのビカベリンの添加によって、4−92%の自己活性化阻害が、また、スペルミジン非存在下においては、同濃度で30−98%の自己活性化阻害が認められた。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明の化合物は、pro−PHBPの自己活性化に高い特異性を有し、pro−PHBPからPHBPへの変換を抑制することができる。したがって、組織線溶を制御することができる薬剤の開発またpro−PHBPの自己活性化機構の解析のために有用である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】Pro-PHBPの自己活性化は、Pro-PHPB 5nM、基質(スペクトロザイムTH)、およびスペルミジン5mM存在下において、各濃度の上記環状ポリペプチド化合物を添加し測定した。縦軸は、405nmでの吸光度である。すべての実験は3連で行った。
【図2】(A)Pro-PHBP自己活性化は、Pro-PHPB 20nMで行った。(B)PHBP活性測定は、PHPB 1nMで行った。いずれも、基質(スペクトロザイムTH)0.1mM存在下において、各濃度の上記環状ポリペプチド化合物を添加し、測定した。縦軸は、405nmでの吸光度である。すべての実験は3連で行った。
【図3】式(4)の化合物の結果を示す。Pro-PHBP自己活性化(黒三角)は、Pro-PHPB 5nM、スペルミジン5mM存在下で行った。PHBP活性測定(黒四角)は、PHPB 2nMで行った。いずれも、基質(スペクトロザイムTH)0.1mM存在下において、各濃度の化合物を添加し測定した。縦軸は、405nmでの吸光度である。横軸は化合物の濃度(μg/ml)である。すべての実験は3連で行った。
【図4】式(5)の化合物の結果を示す。Pro-PHBP自己活性化(黒三角)は、Pro-PHPB 5nM、スペルミジン5mM存在下で行った。PHBP活性測定(黒四角)は、PHPB 2nMで行った。いずれも、基質(スペクトロザイムTH)0.1mM存在下において、各濃度の化合物を添加し測定した。縦軸は、405nmでの吸光度である。横軸は化合物の濃度(μg/ml)である。すべての実験は3連で行った。
【図5】式(6)の化合物の結果を示す。Pro-PHBP自己活性化(黒三角)は、Pro-PHPB 5nM、スペルミジン5mM存在下で行った。PHBP活性測定(黒四角)は、PHPB 2nMで行った。いずれも、基質(スペクトロザイムTH)0.1mM存在下において各濃度の化合物を添加し測定した。縦軸は、405nmでの吸光度である。横軸は化合物の濃度(μg/ml)である。すべての実験は3連で行った。
【図6】式(7)の化合物の結果を示す。Pro-PHBP自己活性化(黒三角)は、Pro-PHPB 5nM、スペルミジン5mM存在下で行った。PHBP活性測定(黒四角)は、PHPB 2nMで行った。いずれも、基質(スペクトロザイムTH)0.1mM存在下において各濃度の化合物を添加し測定した。縦軸は、405nmでの吸光度である。横軸は化合物の濃度(μg/ml)である。すべての実験は3連で行った。
【図7】式(8)の化合物の結果を示す。Pro-PHBP自己活性化(黒三角)は、Pro-PHPB 5nM、スペルミジン5mM存在下で行った。PHBP活性測定(黒四角)は、PHPB 2nMで行った。いずれも、基質(スペクトロザイムTH)0.1mM存在下において各濃度の化合物を添加し測定した。縦軸は、405nmでの吸光度である。横軸は化合物の濃度(μg/ml)である。すべての実験は3連で行った。
【図8】式(9)の化合物の結果を示す。Pro-PHBP自己活性化(黒三角)は、Pro-PHPB 5nM、スペルミジン5mM存在下で行った。PHBP活性測定(黒四角)は、PHPB 2nMで行った。いずれも、基質(スペクトロザイムTH)0.1mM存在下において各濃度の化合物を添加し測定した。縦軸は、405nmでの吸光度である。横軸は化合物の濃度(μg/ml)である。すべての実験は3連で行った。
【図9】式(10)の化合物の結果を示す。Pro-PHBP自己活性化(黒三角)は、Pro-PHPB 5nM、スペルミジン5mM存在下で行った。PHBP活性測定(黒四角)は、PHPB 2nMで行った。いずれも、基質(スペクトロザイムTH)0.1mM存在下において各濃度の化合物を添加し測定した。縦軸は、405nmでの吸光度である。横軸は化合物の濃度(μg/ml)である。すべての実験は3連で行った。
【図10】式(11)の化合物の結果を示す。Pro-PHBP自己活性化(黒三角)は、Pro-PHPB 5nM、スペルミジン5mM存在下で行った。PHBP活性測定(黒四角)は、PHPB 2nMで行った。いずれも、基質(スペクトロザイムTH)0.1mM存在下において各濃度の化合物を添加し測定した。縦軸は、405nmでの吸光度である。横軸は化合物の濃度(μg/ml)である。すべての実験は3連で行った。
【図11】式(12)の化合物の結果を示す。Pro-PHBP自己活性化(黒三角)は、Pro-PHPB 5nM、スペルミジン5mM存在下で行った。PHBP活性測定(黒四角)は、PHPB 2nMで行った。いずれも、基質(スペクトロザイムTH)0.1mM存在下において各濃度の化合物を添加し測定した。縦軸は、405nmでの吸光度である。横軸は化合物の濃度(μg/ml)である。すべての実験は3連で行った。
【図12】式(13)の化合物の結果を示す。Pro-PHBP自己活性化(黒三角)は、Pro-PHPB 5nM、スペルミジン5mM存在下で行った。PHBP活性測定(黒四角)は、PHPB 2nMで行った。いずれも、基質(スペクトロザイムTH)0.1mM存在下において各濃度の化合物を添加し測定した。縦軸は、405nmでの吸光度である。横軸は化合物の濃度(μg/ml)である。すべての実験は3連で行った。
【図13】式(14)の化合物の結果を示す。Pro-PHBP自己活性化(黒三角)は、Pro-PHPB 5nM、スペルミジン5mM存在下で行った。PHBP活性測定(黒四角)は、PHPB 2nMで行った。いずれも、基質(スペクトロザイムTH)0.1mM存在下において各濃度の化合物を添加し測定した。縦軸は、405nmでの吸光度である。横軸は化合物の濃度(μg/ml)である。すべての実験は3連で行った。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式:
【化1】


(式中、XがGluでありそしてYがLeuであるか、又はXがGlnでありそしてYがIleであり、Rは、i−ドデシル又はa−ドデシルである。)、
【化2】


(式中、Zは、Aspであり、Rは、a−トリデシルである。)、
【化3】






で示される化合物を有効成分として含む、医薬組成物。
【請求項2】
抗癌剤又は抗炎症剤である、請求項1に記載の医薬組成物。
【請求項3】
不活性型前駆体血漿ヒアルロナン結合タンパク質の自己活性化に関連する疾患の治療剤である、請求項2に記載の医薬組成物。
【請求項4】
下記式:
【化4】


(式中、XがGluでありそしてYがLeuであるか、又はXがGlnでありそしてYがIleであり、Rは、i−ドデシル又はa−ドデシルである。)、
【化5】


(式中、Zは、Aspであり、Rは、a−トリデシルである。)、
【化6】






で示される化合物を含む、不活性型前駆体血漿ヒアルロナン結合タンパク質の自己活性化阻害剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2008−201699(P2008−201699A)
【公開日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−38409(P2007−38409)
【出願日】平成19年2月19日(2007.2.19)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成19年2月1日 インターネットアドレス「http://nenkai.pharm.or.jp/127/pc/ipdfview.asp?i=3325」に発表
【出願人】(504132881)国立大学法人東京農工大学 (595)
【出願人】(507051732)株式会社ティムス (5)
【Fターム(参考)】