説明

半導体ウエハ検査装置

【課題】 過度な重量増を回避しつつ高精度な検査を実現しうる半導体ウエハ検査装置を提供すること。
【解決手段】 本願の半導体ウエハ検査装置は、鉛直方向上方を向く基準面210を有する定盤200と、定盤200によって自重の少なくとも一部が負担されており、x方向およびy方向に基準面210に沿って移動可能とされているとともに、集積回路が形成された機能面を有する半導体ウエハをこの機能面が鉛直方向上方を向く姿勢で支持するウエハ支持体300と、ウエハ支持体300をx方向およびy方向に移動させる移動手段400と、半導体ウエハの機能面を対象とした検査する検査ヘッドと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図20は、従来の半導体ウエハ検査装置の一例を示している。同図に示された半導体ウエハ検査装置900は、半導体ウエハ98の図中上面にあたる機能面を対象とした検査を行うものであり、位置決め装置91、ウエハテーブル96、および検査ヘッド97を備えている。検査ヘッド97には、たとえば上記機能面に形成された複数のパッドに各別に接触させる複数のプローブ(図示略)が設けられている。位置決め装置91は、検査ヘッド97に対して半導体ウエハ98を所望の位置および所望の姿勢となるように設定する装置であり、第1往復動機構92、第2往復動機構93、第3往復動機構94、および回転機構95によって構成されている。第1往復動機構92は、x方向における往復動を実現し、第2往復動機構93は、x方向およびz方向に対して直角である方向における往復動を実現し、第3往復動機構94は、z方向における往復動を実現する。回転機構95は、z軸周りの回転動を実現する。このような位置決め装置91によりウエハテーブル96に支持された半導体ウエハ98の位置および姿勢を、検査に適したものとし得る。
【0003】
近年、上記機能面に形成される上記複数のパッドは、高密度化される傾向にある。このため、位置決め装置91による位置決め精度に対する要求は高くなっている。位置決め装置91による位置決め精度を高めるには、たとえばウエハテーブル96の高剛性化が一方策となる。これに伴い、ウエハテーブル96は、その重量が増加することが避けられない。すると、ウエハテーブル96を支える位置決め装置91の可搬重量を増加させる必要がある。これに対応するには、第1往復動機構92、第2往復動機構93、第3往復動機構94、および回転機構95のそれぞれの重量を増やさざるを得ない。特に第1往復動機構92は、ウエハテーブル96と第1往復動機構92、第2往復動機構93、第3往復動機構94、および回転機構95との重量を負担するため、相当な重量増となってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−245508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、過度な重量増を回避しつつ高精度な検査を実現しうる半導体ウエハ検査装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供される半導体ウエハ検査装置は、鉛直方向上方を向く基準面を有する定盤と、上記定盤によって自重の少なくとも一部が負担されており、鉛直方向に対して直角でありかつ互いに直角である第1および第2の方向に上記基準面に沿って移動可能とされているとともに、集積回路が形成された機能面を有する半導体ウエハをこの機能面が鉛直方向上方を向く姿勢で支持するウエハ支持体と、上記ウエハ支持体を上記第1および第2方向に移動させる移動手段と、上記半導体ウエハの上記機能面を対象とした検査する検査ヘッドと、を備えることを特徴としている。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ウエハ支持体は、上記基準面に向けて気体を噴出することにより浮上力を生成する噴出領域を有する浮上支持部を具備する。
【0008】
本発明によって提供される半導体ウエハ検査装置は、鉛直方向上方を向く基準面を有する定盤と、上記定盤によって自重の少なくとも一部が負担されており、鉛直方向に対して直角でありかつ互いに直角である第1および第2の方向に上記基準面に沿って移動可能とされているとともに、集積回路が形成された機能面を有する半導体ウエハをこの機能面が鉛直方向上方を向く姿勢で支持するウエハ支持体と、上記ウエハ支持体を上記第1および第2方向に移動させる移動手段と、上記半導体ウエハの上記機能面を対象とした検査する検査ヘッドと、を備えることを特徴としている。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ウエハ支持体は、上記基準面に向けて気体を噴出することにより浮上力を生成する噴出領域を有する浮上支持部を具備する。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記噴出領域は、多孔質体からなる。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記噴出領域は、鉛直方向視において開口を有する形状であり、上記浮上支持部は、鉛直方向視において上記噴出領域の上記開口内に配置されて、気体を吸引する吸引領域を有する。
【0012】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記噴出領域は、その外形が円形または矩形である。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記吸引領域の鉛直方向下端面は、上記噴出領域の鉛直方向下端面よりも鉛直方向上方に位置する。
【0014】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記浮上支持部は、円盤状または矩形盤状である。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記定盤は、天然石または人造石からなる。
【0016】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記移動手段は、上記ウエハ支持体を上記第1方向に往復動させる第1往復動機構と、この第1往復動機構を上記第2方向に往復動させる第2往復動機構と、を備える。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記移動手段は、上記第1往復動機構が搭載され、上記第2移動機構によって移動させられる、連結板を備える。
【0018】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記連結板には、鉛直方向に貫通する開口が形成されており、上記ウエハ支持体は、上記浮上支持部の鉛直方向上側に連結され、鉛直方向視において上記浮上支持部の内方に含まれるとともに、上記開口に挿通された柱状部を有する。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記柱状部は、上記半導体ウエハを鉛直方向に往復動させる第3往復動機構を含む。
【0020】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記開口は、鉛直方向上側にある小断面部と、鉛直方向下側にあるとともに鉛直方向視において上記小径部を内方に含む大断面部と、を有し、上記大断面部には、上記浮上支持部の少なくとも一部が収容されている。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1往復動機構は、各々が複数のボールを介して互いに螺合するねじ軸およびナットからなる1対の第1ボールねじと、各々が複数のボールを介して互いに相対動可能に嵌め合わされたレールおよびスライドブロックからなる1対の第1直動ガイドと、上記1対の第1ボールねじに各別に連結された1対の第1サーボモータと、を備えており、上記1対の第1ボールねじの上記ナットおよび上記1対の第1直動ガイドの上記スライドブロックは、上記ウエハ支持体に対して少なくとも第1方向において固定されている。
【0022】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記1対の第1直動ガイドは、上記開口を挟んで互いに平行に配置されている。
【0023】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記1対の第1ボールねじは、上記開口を挟んで互いに平行に配置されている。
【0024】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ウエハ支持体は、上記1対の第1ボールねじの上記ナットおよび上記1対の第1直動ガイドの上記スライドブロックのうち上記開口に対して一方側にあるものに対して、上記第1および第2方向において固定されており、かつ鉛直方向周りの回転が許容されており、上記開口に対して他方側にあるものに対して、上記第1方向において固定され、上記第2方向において相対動可能とされており、かつ鉛直方向周りの回転が許容されている。
【0025】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1往復動機構は、上記1対の第1サーボモータを同期制御する第1制御部を備えており、上記第1制御部は、上記1対の第1ボールねじの上記ナットを相対動を伴わずに移動させるように上記1対の第1ボールねじの上記ねじ軸を回転させることにより、上記ウエハ支持体を上記第1方向において並進運動させる並進制御と、上記1対の第1ボールねじの上記ナットを相対動させるように上記1対の第1ボールねじの上記ねじ軸を回転させることにより、上記ウエハ支持体を上記鉛直方向周りに回転させる回転制御とを、上記1対の第1サーボモータに対して行う。
【0026】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第2往復動機構は、各々が複数のボールを介して互いに螺合するねじ軸およびナットからなる1対の第2ボールねじと、各々が複数のボールを介して互いに相対動可能に嵌め合わされたレールおよびスライドブロックからなる1対の第2直動ガイドと、上記1対の第2ボールねじに各別に連結された1対の第2サーボモータと、を備えており、上記1対の第2ボールねじの上記ナットおよび上記1対の第2直動ガイドの上記スライドブロックは、上記連結板に対して固定されている。
【0027】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記1対の第2直動ガイドは、上記開口を挟んで互いに平行に配置されている。
【0028】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記1対の第2ボールねじは、上記開口を挟んで互いに平行に配置されている。
【0029】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第2往復動機構は、上記1対の第2サーボモータを同期制御する第2制御部を備えている。
【0030】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記検査ヘッドは、上記半導体ウエハの上記機能面に対する導通検査を行うための接触式の複数のプローブを備える。
【0031】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記検査ヘッドは、上記半導体ウエハに形成された複数の半導体チップの上記機能面を対象とした検査を一括して行う。
【0032】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記複数の半導体チップは、マトリクス状に配置されている。
【0033】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記検査ヘッドによる検査時には、上記検査ヘッドが固定され、上記ウエハ支持体が上記検査ヘッドに対して相対動させられる。
【0034】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第1往復動機構は、各々が磁力によって相対動自在とされたリニアレールおよびリニアブロックからなる1対の第1リニアモータ駆動部と、各々が気体を介して互いに相対動可能に嵌め合わされたエアレールおよびエアブロックからなる1対の第1エアスライドガイドと、を備えている。
【0035】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記第2往復動機構は、各々が磁力によって相対動自在とされたリニアレールおよびリニアブロックからなる1対の第2リニアモータ駆動部と、各々が気体を介して互いに相対動可能に嵌め合わされたエアレールおよびエアブロックからなる1対の第2エアスライドガイドと、を備えている。
【0036】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ウエハ支持体は、磁力を発生するウエハ側磁力発生部を有しており、上記定盤は、定盤側磁力発生部を有しており、上記ウエハ側磁力発生部と上記定盤側磁力発生部とによって発生する反発力によって上記ウエハ支持体が上記定盤に対して浮遊する。
【0037】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ウエハ支持体は、上記基準面に向けて気体を噴出することにより浮上力を生成するとともに、鉛直方向視において開口を有する形状とされた噴出領域と、上記開口内に配置され、磁力を発生するウエハ側磁力発生部を有しており、上記定盤は、上記ウエハ側磁力発生部との間に磁力を生じうる定盤側磁力発生部を有しており、上記ウエハ支持体は、上記ウエハ側磁力発生部と上記定盤側磁力発生部との間に発生する引力を超える浮上力を上記噴出領域が発揮することにより、上記定盤に対して浮遊する。
【0038】
このような構成によれば、上記ウエハ支持体の自重は、上記定盤によって負担される。このため、上記移動手段には、上記ウエハ支持体の自重が作用しない。これにより、上記ウエハ支持体に支持された半導体ウエハの位置決めの高精度化を目的として上記ウエハ支持体を高剛性化することに伴い、上記ウエハ支持体の自重が増加しても、上記移動手段をの可搬能力を増強する必要はない。したがって、上記半導体ウエハ検査装置の検査精度を高めつつ、過度な重量増を回避することができる。
【0039】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係るウエハ検査装置の一例を示す全体概略図である。
【図2】本発明に係るウエハ検査装置の位置決め装置を示す平面図である。
【図3】図2の位置決め装置を示す正面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】図2の位置決め装置を示す側面図である。
【図6】図2のVI−VI線に沿う断面図である。
【図7】図2の位置決め装置の浮上支持部を示す底面図である。
【図8】図7のVIII−VIII線に沿う断面図である。
【図9】図2の位置決め装置によるy方向の並進動を示す平面図である。
【図10】図2の位置決め装置によるx方向の並進動を示す平面図である。
【図11】図2の位置決め装置によるz方向周りの回転動を示す平面図である。
【図12】検査ヘッドの変形例を示す要部斜視図である。
【図13】検査ヘッドの他の変形例を示す要部斜視図である。
【図14】検査ヘッドの他の変形例を示す要部斜視図である。
【図15】検査ヘッドの他の変形例を示す要部斜視図である。
【図16】浮上支持部の変形例示す底面図である。
【図17】浮上支持部の他の変形例示す断面図である。
【図18】浮上支持部の他の変形例示す断面図である。
【図19】第1往復動機構の変形例示す要部平面図である。
【図20】従来の半導体ウエハ検査装置の一例を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0042】
図1は、本発明に係る半導体ウエハ検査装置の一例を示している。本実施形態の半導体ウエハ検査装置101は、位置決め装置110および検査ヘッド800を備えている。半導体ウエハ検査装置101は、半導体ウエハ890の機能面891を対象とした検査を行う。たとえば、検査ヘッド800には、複数のプローブ810が設けられている。プローブ810は、たとえば金属製の針状部材であり、図示しない検査コントローラの検査端子を構成している。複数のプローブ810は、機能面891に形成された複数のパッド892に各別に当接させられる。この状態で、上記検査コントローラは、機能面891に作り込まれた機能素子の導通や抵抗値を検査する。機能面891には、図示したものを含み、多数のパッド892がたとえばマトリクス状に形成されている。複数のプローブ810に対する半導体ウエハ890の位置を変更することと、複数のプローブ810を複数のパッド892に当接させることを繰り返すことにより、半導体ウエハ890の機能面891全体の検査が完了する。この半導体ウエハ890の位置は、位置決め装置110によって設定される。位置決め装置110は、機能面891が鉛直方向であるz方向上方を向く姿勢で半導体ウエハ890を保持している。検査ヘッド800による検査がなされる間は、検査ヘッド800は、たとえば地面などの固定側に固定されており、半導体ウエハ890が位置決め装置110によって検査ヘッド800に対して相対動される。
【0043】
図2〜図6に示すように、位置決め装置110は、定盤200、ウエハ支持体300、および移動手段400を備えている。
【0044】
定盤200は、位置決め装置110の土台となるものであり、本実施形態においては、石からなり、天然石あるいは人造石のいずれであってもよい。定盤200は、たとえばy方向寸法が1000mm程度、x方向寸法が1000mm程度、z方向厚さが150mm程度とされている。定盤200は、基準面210を有する。基準面210は、z方向上方を向いている。本実施形態においては、基準面210の平面度は、たとえば3.5μm以下である。
【0045】
ウエハ支持体300は、半導体ウエハ890を支持しつつ、定盤200の基準面210に沿ってy方向およびx方向に滑るように移動可能とされたものである。ウエハ支持体300は、浮上支持部310、柱状部320、およびウエハテーブル330を有する。
【0046】
浮上支持部310は、ウエハ支持体300の土台となる部位であり、定盤200の基準面210に対してわずかな隙間をおいて浮上しつつ、少なくともウエハ支持体300の自重を負担可能とされている。図7および図8に示すように、浮上支持部310は、噴出領域311および吸引領域312を有する。本実施形態においては、浮上支持部310は円盤状であるが、浮上支持部310の形状はこれに限定されるものではなく、たとえばz方向視多角形状であってもよい。
【0047】
噴出領域311は、浮上支持部310を基準面210から浮上させるための気体が噴出する領域であり、本実施形態においては、多孔質体からなる(多孔質体の例がございましたらご教示願います)。噴出領域311には、噴出用接続口314に接続されたホースなど(図示略)から供給された気体が図示しない内部経路を経て供給される。本実施形態においては、噴出領域311は、z方向視において、外形が円形状であり、その内部に開口を有する、いわゆる円環状とされている。
【0048】
吸引領域312は、浮上支持部310を基準面210から浮上させつつ、この浮上力に抗しながら浮上支持部310を基準面210へと引き寄せる機能を果たす部位である。本実施形態においては、吸引領域312は、z方向視において噴出領域311の上記開口内に配置された円形状とされており、噴出領域311のz方向下端面よりもz方向上方に若干凹んだ領域である。吸引領域312には、吸引口313が設けられている。吸引口313は、吸引用接続口315に通じている。吸引用接続口315に負圧を生じうるホースなど(図示略)を接続することにより、吸引領域312は、浮上支持部310を定盤200の基準面210へと引き寄せる力を発揮する。
【0049】
本実施形態においては、浮上支持部310の外径が300mm程度、噴出領域311の内径(吸引領域312の外径)が250mm程度とされている。所定の圧力を噴出用接続口314および吸引用接続口315に作用させることにより、浮上支持部310は、噴出領域311と基準面210との間に6μm程度の隙間をおいて浮上する。この状態で、浮上支持部310にz方向下方への外力を作用させた場合、浮上支持部310が浮上位置を維持しようとする見かけのバネ定数は、553N/μm程度である。
【0050】
柱状部320は、図2〜図6に示すように、浮上支持部310に対してz方向上側に連結された部位であり、z方向に延びる矩形柱状である。柱状部320は、z方向視において対角線長が浮上支持部310の外径よりも小であり、z方向視において浮上支持部310の内方に含まれている。本実施形態においては、柱状部320には、本発明で言う第3往復動機構が設けられている。この第3往復動機構は、たとえばサーボモータおよび直動ガイド(いずれも図示略)によって構成されており、ウエハテーブル330をz方向に往復動させる。上記第3往復動機構のストロークは、たとえば20mm程度である。
【0051】
ウエハテーブル330は、機能面891をz方向上方に向けた姿勢で半導体ウエハ890を保持する部位である。本実施形態においては、外形が300mm程度の円盤状とされている。
【0052】
移動手段400は、ウエハ支持体300を定盤200の基準面210に沿ってy方向およびx方向における任意の方向および距離に移動させるためのものであり、本実施形態においては、往復動機構500、往復動機構600、連結板700を備える。
【0053】
往復動機構600は、本発明で言う第2往復動機構に相当し、ウエハ支持体300をy方向(本発明で言う第2方向)に移動させる機能を果たす。往復動機構600は、1対のボールねじ610,620、1対の直動ガイド630,640、1対のサーボモータ650,660、および制御部690を備えている。本実施形態においては、往復動機構600のy方向ストロークは、たとえば690mm程度である。
【0054】
1対のボールねじ610,620は、本発明で言う1対の第2ボールねじに相当する。ボールねじ610は、ねじ軸611およびナット612を有しており、ボールねじ620は、ねじ軸621およびナット622を有している。ナット612は、図示しない複数のボールを介してねじ軸611に螺合しており、ナット622は、図示しない複数のボールを介してねじ軸621に螺合している。ねじ軸611,621は、定盤200の基準面210に固定されており、x方向に互いに離間しつつ、y方向に沿って互いに平行に配置されている。
【0055】
1対の直動ガイド630,640は、本発明で言う1対の第2直動ガイドに相当する。直動ガイド630は、レール631および2つのスライドブロック632を有しており、直動ガイド640は、レール641および2つのスライドブロック642を有している。スライドブロック632は、図示しない複数のボールを介してレール631に対してy方向に相対動可能に嵌め込まれており、スライドブロック642は、図示しない複数のボールを介してレール641に対してy方向に相対動可能に嵌め込まれている。レール631,641は、定盤200の基準面210に固定されており、x方向に互いに離間しつつ、y方向に沿って互いに平行に配置されている。レール631,641は、1対のボールねじ610,620のねじ軸611,621の内側に配置されている。
【0056】
1対のサーボモータ650,660は、本発明で言う1対の第2サーボモータに相当する。サーボモータ650は、その出力軸がボールねじ610のねじ軸611に連結されており、サーボモータ660は、その出力軸がボールねじ620のねじ軸621に連結されている。1対のサーボモータ650,660は、制御部690によって互いに同期制御されている。制御部690は、たとえばサーボアンプおよびサーボコントローラからなる。
【0057】
連結板700は、往復動機構600によってy方向に並進動される部位であり、往復動機構500が搭載されている。連結板700は、往復動機構500を介してウエハ支持体300に連結されている。連結板700は、ブラケット720,730および開口710を有する。ブラケット720,730は、x方向両側に突出した部位である。ブラケット720は、ボールねじ610のナット612および直動ガイド630の2つのスライドブロック632と接続されている。ブラケット730は、ボールねじ620のナット622および直動ガイド640の2つのスライドブロック642と接続されている。これにより、連結板700は、1対のサーボモータ650,660が同期制御によって同方向に回転することに伴い、y方向に並進動される。
【0058】
開口710は、連結板700のほぼ中央に設けられており、連結板700をz方向に貫通している。開口710は、小断面部711および大断面部712を有する。小断面部711は、開口710のz方向上側部分であり、本実施形態においては、x方向を長手方向とする略長矩形状とされている。小断面部711のy方向寸法は、ウエハ支持体300の柱状部320のy方向寸法よりも若干大であり、小断面部711に柱状部320が挿通されている。大断面部712は、開口710のz方向下側部分であり、本実施形態においては、x方向を長手方向とする小判形状である。大断面部712のy方向寸法は、小断面部711のy方向寸法よりも大であり、z方向視において小断面部711が大断面部712の内方に含まれている。さらに、大断面部712のy方向寸法は、ウエハ支持体300の浮上支持部310の外径よりも若干大である。図4および図6に示すように、浮上支持部310のz方向上側部分が大断面部712に収容された格好となっている。
【0059】
往復動機構500は、本発明で言う第1往復動機構に相当し、ウエハ支持体300をx方向(本発明で言う第1方向)に移動させる機能を果たす。また、本実施形態においては、往復動機構500は、ウエハ支持体300をz方向周りに回転動させる機能を兼ねている。往復動機構500は、1対のボールねじ510,520、1対の直動ガイド530,540、1対のサーボモータ550,560、および制御部590を備えている。本実施形態においては、往復動機構500のx方向ストロークは、たとえば380mm程度であり、z方向周りの回転量は5度程度である。
【0060】
1対のボールねじ510,520は、本発明で言う1対の第1ボールねじに相当する。ボールねじ510は、ねじ軸511およびナット512を有しており、ボールねじ520は、ねじ軸521およびナット522を有している。ナット512は、図示しない複数のボールを介してねじ軸511に螺合しており、ナット522は、図示しない複数のボールを介してねじ軸521に螺合している。ねじ軸511,521は、連結板700に固定されており、開口710を挟んでy方向に互いに離間しつつ、x方向に沿って互いに平行に配置されている。
【0061】
1対の直動ガイド530,540は、本発明で言う1対の第1直動ガイドに相当する。直動ガイド530は、レール531および2つのスライドブロック532を有しており、直動ガイド540は、レール541および2つのスライドブロック542を有している。スライドブロック532は、図示しない複数のボールを介してレール531に対してx方向に相対動可能に嵌め込まれており、スライドブロック542は、図示しない複数のボールを介してレール541に対してx方向に相対動可能に嵌め込まれている。レール531,541は、連結板700に固定されており、開口710を挟んでy方向に互いに離間しつつ、x方向に沿って互いに平行に配置されている。レール531,541は、1対のボールねじ510,520のねじ軸511,521の内側に配置されている。
【0062】
1対のサーボモータ550,560は、本発明で言う1対の第1サーボモータに相当する。サーボモータ550は、その出力軸がボールねじ510のねじ軸511に連結されており、サーボモータ560は、その出力軸がボールねじ520のねじ軸521に連結されている。1対のサーボモータ550,560は、制御部590によって互いに同期制御されている。制御部590は、たとえばサーボアンプおよびサーボコントローラからなる。
【0063】
ボールねじ510のナット512と直動ガイド530のスライドブロック532とは、ブラケット571によって互いに連結されている。ボールねじ520のナット522と直動ガイド540のスライドブロック542とは、ブラケット572によって互いに連結されている。
【0064】
図2および図4に示すように、ウエハ支持体300には、固定部341,351が設けられている。固定部341,351は、柱状部320からy方向両側に突出している。固定部341には、ピン穴343が形成されている。このピン穴343には、ピン342が挿通されている。ピン342の先端は、ブラケット571に対して固定されている。これにより、固定部341は、ブラケット571に対してz方向周りに回転可能であるとともに、x方向およびy方向における相対動が阻止された状態で連結されている。一方、固定部351には、ピン長穴353が形成されている。ピン長穴353は、y方向を長手方向とする長穴である。このピン長穴353には、ピン352が挿通されている。ピン352の先端は、ブラケット572に対して固定されている。これにより、固定部351は、ブラケット572に対してz方向周りに回転可能であるとともに、x方向における相対動が阻止される一方、y方向における若干の相対動が許容された状態で連結されている。
【0065】
次に、半導体ウエハ検査装置101の動作について、図9〜図11を参照しつつ、以下に説明する。
【0066】
図9は、往復動機構600によってウエハ支持体300がy方向に並進動する動作を示している。この場合、制御部690からの同期制御により、1対のサーボモータ650,660が等速で同方向に回転する。これにより、ナット612,622とともに、スライドブロック632,642、連結板700がy方向に並進する。本図においては、図中右方に並進する例を示している。したがって、連結板700に搭載された往復動機構500を介してウエハ支持体300がy方向に並進させられる。
【0067】
図10は、往復動機構500によってウエハ支持体300がx方向に並進動する動作を示している。この場合、制御部590からの同期制御により、1対のサーボモータ550,560が等速で同方向に回転する。これにより、ナット512,522とともにウエハ支持体300がx方向に並進させられる。本図においては、図中下方に並進する例を示している。
【0068】
図11は、往復動機構500によってウエハ支持体300がz方向周りに回転動する動作を示している。この場合、制御部590からの同期制御により、1対のサーボモータ550,560が互いに逆方向に回転する。これにより、本図の例の場合、ナット512がx方向において図中上方に移動し,ナット522がx方向において図中下方に移動する。すると、ウエハ支持体300がz方向周りに時計回りに回転させられることとなる。この際、ナット512,522は、ねじ軸511,521に螺合しているため、x方向において互いに逆方向に移動すると、互いの距離が長くなることとなる。しかしながら、ピン352がピン長穴353に挿通されていることにより、ウエハ支持体300の中心がy方向においてナット512に対してわずかに近接し、ナット522からわずかに離間することとなる。この回転動に伴うウエハ支持体300の中心のy方向における並進量は、回転量によって一義的に算出可能である。したがって、回転動に伴うy方向における並進量は、往復動機構600によってキャンセルすることができる。
【0069】
以上、図9〜図11を参照して説明したx方向およびy方向の並進動、およびz方向周りの回転動を組み合わせるように、制御部590,690によって制御することにより、z方向視において半導体ウエハ890を所望の位置に移動させ、所望の姿勢を取らせることができる。さらに、柱状部320に組み込まれた上記第3往復動機構により、半導体ウエハ890を検査ヘッド800に対して接近または離間させることができる。
【0070】
次に、半導体ウエハ検査装置101の作用について説明する。
【0071】
本実施形態によれば、ウエハ支持体300の自重は、定盤200によって負担される。このため、移動手段400を構成する往復動機構500,600には、ウエハ支持体300の自重が作用しない。これにより、位置決め装置110の高精度化を目的としてウエハ支持体300を高剛性化することに伴い、ウエハ支持体300の自重が増加しても、移動手段400を構成する往復動機構500,600の可搬能力を増強する必要はない。したがって、半導体ウエハ検査装置101の検査精度を高めつつ、過度な重量増を回避することができる。
【0072】
定盤200を石によって構成することにより、たとえば金属などを用いて構成した場合と比較して、定盤200の硬度を高め、線膨張係数を小さくすることができる。これは、定盤200の基準面210の平面度をより高い値に維持するのに適している。
【0073】
気体を噴出することによる浮上原理を用いた浮上支持部310を採用することにより、基準面210の凹凸がウエハ支持体300の並進動や回転動を乱すことを大幅に緩和することができる。石からなる定盤200の基準面210は、平面度を高めるのに適していることとの相乗効果により、ウエハ支持体300の並進動や回転動を顕著に滑らかにすることができる。すなわち、ウエハ支持体300の並進動や回転動の精度を、定盤200の基準面210の平面度以上に高めることを実現できる。
【0074】
浮上支持部310に噴出領域311と吸引領域312とを設けることにより、浮上支持部310を基準面210から確実に浮上させつつ、外力によって浮上支持部310と基準面210との間隔が変わってしまうことを抑制することができる。
【0075】
ウエハ支持体300を挟んで1対のボールねじ610,620および1対の直動ガイド630,640を配置し、1対のサーボモータ650,660を同期制御することにより、ウエハ支持体300をy方向に並進動させる際にウエハ支持体300に不当なモーメントが作用することを防止することができる。
【0076】
ウエハ支持体300を挟んで1対のボールねじ510,520および1対の直動ガイド530,540を配置し、1対のサーボモータ550,560を同期制御することにより、ウエハ支持体300をx方向に並進動させる際にウエハ支持体300に不当なモーメントが作用することを防止することができる。また、1対のサーボモータ550,560を互いに逆回転させることにより、ウエハ支持体300をz方向周りに回転動させることが可能である。これにより、z方向周りの回転動専用の駆動機構を備える必要が無い。したがって、半導体ウエハ検査装置101の軽量化を図るのに好ましい。また、互いに離間した位置にある1対のボールねじ510,520を互い逆方向に作動させる構成は、ウエハ支持体300をz方向周りに正確に回転動させるのに適している。
【0077】
連結板700の大断面部712に浮上支持部310の一部を収容することにより、位置決め装置110、ひいては半導体ウエハ検査装置101のz方向高さを低くすることができる。
【0078】
検査ヘッド800による検査において検査ヘッド800を固定しておくことにより、検査ヘッド800に接続される多数のケーブル(図示略)などが絡まったりねじれを受けたりすることを防止することができる。
【0079】
図12〜図15は、半導体ウエハ検査装置101の検査ヘッド800の変形例を示している。図12に示された変形例においては、半導体ウエハ890に作りこまれた複数の半導体チップのうち、隣り合う2つの半導体チップの機能面891に対して、検査ヘッド800が一括して検査を行うことが可能に構成されている。複数のプローブ810は、2つの半導体チップの機能面891に形成された複数のパッド892に対応した本数および配置とされている。図13に示した変形例においては、2X2のマトリクス配置とされた複数の半導体チップの機能面891に対して検査ヘッド800が一括して検査を行うことが可能に構成されている。図14に示した変形例においては、3X3のマトリクス配置とされた複数の半導体チップの機能面891に対して検査ヘッド800が一括して検査を行うことが可能に構成されている。図15に示した変形例においては、3X4のマトリクス配置とされた複数の半導体チップの機能面891に対して検査ヘッド800が一括して検査を行うことが可能に構成されている。
【0080】
これらの変形例においては、一括して検査される半導体チップの数が多いほど、検査ヘッド800の複数のプローブ810が配置される領域が大きくなる。このため、検査ヘッド800に対する半導体ウエハ890の位置決め精度は、一括して検査される半導体チップの数が多いほど高める必要がある。たとえば、半導体ウエハ890が、y軸周りに意図せず傾いてしまうと、端に配置されたプローブ810が当接すべきパッド892に当節しない。あるいは、半導体ウエハ890が、z軸周りに意図せず回転してしまうと、端に配置されたプローブ810が当節すべきパッド892からずれてしまう。半導体ウエハ検査装置101によれば、半導体ウエハ890が傾いてしまうことを適切に防止可能であり、マトリクス状に配置された複数の半導体チップの機能面891を一括して検査するのに好適である。
【0081】
図16は、浮上支持部310の変形例を示している。本変形例においては、浮上支持部310が矩形盤状とされている。浮上支持部310の外側寄り部分には、噴出領域311が設けられている。噴出領域311は、外形が矩形状であり、その内部に矩形状の開口を有している。この開口内には、吸引領域312が設けられている。このような変形例によっても、ウエハ支持体300を定盤200に対して適切に浮上させるとともに、精度よく並進動および回転動させることができる。
【0082】
図17は、定盤200および浮上支持部310の変形例を示している。本変形例においては、浮上支持部310は、上述した吸引領域312に代えて電磁石316を有する。電磁石316は、本発明で言うウエハ側磁力発生部に相当する。定盤200には、電磁石220が設けられている。電磁石220は、本発明で言う定盤側磁力発生部に相当する。たとえば上述した検査コントローラの指令により、電磁石316および電磁石220がON状態とされると、電磁石316と電磁石220との間には、引力が発生する。この引力は、噴出領域311によって発生される浮上力よりも小である。このような変形例によっても、浮上支持部310(ウエハ支持体300)を定盤200に対して精度よく浮上させることができる。なお、電磁石220および電磁石316のいずれか一方を鉄などの磁性体としてもよい。このような構成で会っても、電磁石220および電磁石316のいずれかから磁力を発生することにより、本願で言うウエハ側磁力発生部と定盤側磁力発生部との間に引力を発生させることができる。
【0083】
図18は、定盤200および浮上支持部310の他の変形例を示している。本変形例においては、定盤200と浮上支持部310との間に反発力のみを発生させることにより、ウエハ支持体300を浮遊させるための浮上力を得ている。定盤200には、電磁石220が設けられており、浮上支持部310には電磁石316が設けられている。電磁石220および電磁石316をON状態とすることにより、電磁石220と電磁石316とを互いに反発させる。この反発力を利用して、定盤200に対してウエハ支持体300を浮遊させることができる。
【0084】
図19は、往復動機構500の変形例を示している。本変形例においては、往復動機構500は、1対のリニアモータ駆動部581と1対のエアスライドガイド584によって構成されている。なお、本図においては、x方向において平行に離間配置された1対のリニアモータ駆動部581および1対のエアスライドガイド584の一方ずつのみを示している。
【0085】
リニアモータ駆動部581は、リニアレール582およびリニアブロック583からなる。リニアレール582は、y方向に延びている。リニアブロック583は、その一部がリニアレール582に若干の隙間を有して嵌合している。リニアブロック583は、磁力によってリニアレール582に沿ってy方向に並進動自在とされている。エアスライドガイド584は、エアレール585および2つのエアブロック586からなる。エアレール585は、y方向に延びている。各エアブロック586は、僅かな隙間を有してエアレール585に嵌合している。各エアブロック586には、図示しない配管から空気が供給される。この空気が各エアブロック586とエアレール585との間に介在することにより、各エアブロック586は、エアレール585に沿ってy方向に並進動可能とされている。エアスライドガイド584においては、2つのエアブロック586がx方向に直列に配置されている。
【0086】
このような変形例によっても、ウエハ支持体300をy方向に精度よく並進させる事ができる。また、本変形例と同様に往復動機構600を1対のリニアモータ駆動部と1対のエアスライドガイドとによって構成することができる。
【0087】
本発明に係る半導体ウエハ検査装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係る半導体ウエハ検査装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0088】
往復動機構500によってz方向周りの回転動を実現する構成に代えて、回転動専用の駆動機構をたとえばウエハ支持体300の構成要素として追加した構成としてもよい。往復動機構500,600は、ボールねじ510,520,610,620と直動ガイド530,540,630,640を用いた構成、あるいはリニアモータ駆動部とエアスライドガイドとを用いた構成が、いわゆるバックラッシュが少なく、高精度であるという利点があるが、本願でいう第1および第2往復動機構は、上述した構成に限定されない。たとえば、ラックピニオン機構やベルト機構などを用いて第1および第2往復動機構を構成してもよい。
【0089】
定盤200は、石によって構成することが精度を高めるうえで好ましいが、たとえば金属によって構成してもよい。ウエハ支持体300を浮上させる原理は、気体の噴出が好ましいが、本願はこれに限定されず、たとえば上述したとおり磁力を用いてウエハ支持体300を浮上させる構成であってもよい。さらに、適切な精度を確保できる構成であれば、たとえば転がり機構を利用してウエハ支持体300を定盤200の基準面210に対して移動可能とした構成であってもよい。
【符号の説明】
【0090】
101 半導体ウエハ検査装置
110 位置決め装置
200 定盤
210 基準面
220 電磁石(定盤側磁力発生部)
300 ウエハ支持体
310 浮上支持部
311 噴出領域
312 吸引領域
313 吸引口
314 噴出用接続口
315 吸引用接続口
316 電磁石(ウエハ側磁力発生部)
320 柱状部
330 ウエハテーブル
341,351 固定部
342,352 ピン
343 ピン穴
353 ピン長穴
400 移動手段
500 (第1)往復動機構
510,520 (第1)ボールねじ
511,521 ねじ軸
512,522 ナット
530,540 (第1)直動ガイド
531,541 レール
532,542 スライドブロック
550,560 (第1)サーボモータ
571,572 ブラケット
581 リニアモータ駆動部
582 リニアレール
583 リニアブロック
584 エアスライドガイド
585 エアレール
586 エアブロック
590 (第1)制御部
600 (第2)往復動機構
610,620 (第2)ボールねじ
611,621 ねじ軸
612,622 ナット
630,640 (第2)直動ガイド
631,641 レール
632,642 スライドブロック
650,660 (第2)サーボモータ
690 (第2)制御部
700 連結板
710 開口
711 小断面部
712 大断面部
720,730 ブラケット
800 検査ヘッド
810 プローブ
890 半導体ウエハ
891 機能面
892 パッド
x (第1)方向
y (第2)方向
z (鉛直)方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鉛直方向上方を向く基準面を有する定盤と、
上記定盤によって自重の少なくとも一部が負担されており、鉛直方向に対して直角でありかつ互いに直角である第1および第2の方向に上記基準面に沿って移動可能とされているとともに、集積回路が形成された機能面を有する半導体ウエハをこの機能面が鉛直方向上方を向く姿勢で支持するウエハ支持体と、
上記ウエハ支持体を上記第1および第2方向に移動させる移動手段と、
上記半導体ウエハの上記機能面を対象とした検査する検査ヘッドと、
を備えることを特徴とする、半導体ウエハ検査装置。
【請求項2】
上記ウエハ支持体は、上記基準面に向けて気体を噴出することにより浮上力を生成する噴出領域を有する浮上支持部を具備する、請求項1に記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項3】
上記噴出領域は、多孔質体からなる、請求項2に記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項4】
上記噴出領域は、鉛直方向視において開口を有する形状であり、
上記浮上支持部は、鉛直方向視において上記噴出領域の上記開口内に配置されて、気体を吸引する吸引領域を有する、請求項2または3に記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項5】
上記噴出領域は、その外形が円形または矩形である、請求項4に記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項6】
上記吸引領域の鉛直方向下端面は、上記噴出領域の鉛直方向下端面よりも鉛直方向上方に位置する、請求項4または5に記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項7】
上記浮上支持部は、円盤状または矩形盤状である、請求項6に記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項8】
上記定盤は、天然石または人造石からなる、請求項2ないし7のいずれかに記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項9】
上記移動手段は、上記ウエハ支持体を上記第1方向に往復動させる第1往復動機構と、この第1往復動機構を上記第2方向に往復動させる第2往復動機構と、を備える、請求項2ないし8のいずれかに記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項10】
上記移動手段は、上記第1往復動機構が搭載され、上記第2移動機構によって移動させられる、連結板を備える、請求項9に記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項11】
上記連結板には、鉛直方向に貫通する開口が形成されており、
上記ウエハ支持体は、上記浮上支持部の鉛直方向上側に連結され、鉛直方向視において上記浮上支持部の内方に含まれるとともに、上記開口に挿通された柱状部を有する、請求項10に記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項12】
上記柱状部は、上記半導体ウエハを鉛直方向に往復動させる第3往復動機構を含む、請求項11に記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項13】
上記開口は、鉛直方向上側にある小断面部と、鉛直方向下側にあるとともに鉛直方向視において上記小径部を内方に含む大断面部と、を有し、
上記大断面部には、上記浮上支持部の少なくとも一部が収容されている、請求項11または12に記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項14】
上記第1往復動機構は、各々が複数のボールを介して互いに螺合するねじ軸およびナットからなる1対の第1ボールねじと、各々が複数のボールを介して互いに相対動可能に嵌め合わされたレールおよびスライドブロックからなる1対の第1直動ガイドと、上記1対の第1ボールねじに各別に連結された1対の第1サーボモータと、を備えており、
上記1対の第1ボールねじの上記ナットおよび上記1対の第1直動ガイドの上記スライドブロックは、上記ウエハ支持体に対して少なくとも第1方向において固定されている、請求項11ないし13のいずれかに記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項15】
上記1対の第1直動ガイドは、上記開口を挟んで互いに平行に配置されている、請求項14に記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項16】
上記1対の第1ボールねじは、上記開口を挟んで互いに平行に配置されている、請求項15に記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項17】
上記ウエハ支持体は、上記1対の第1ボールねじの上記ナットおよび上記1対の第1直動ガイドの上記スライドブロックのうち上記開口に対して一方側にあるものに対して、上記第1および第2方向において固定されており、かつ鉛直方向周りの回転が許容されており、上記開口に対して他方側にあるものに対して、上記第1方向において固定され、上記第2方向において相対動可能とされており、かつ鉛直方向周りの回転が許容されている、請求項16に記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項18】
上記第1往復動機構は、上記1対の第1サーボモータを同期制御する第1制御部を備えており、
上記第1制御部は、上記1対の第1ボールねじの上記ナットを相対動を伴わずに移動させるように上記1対の第1ボールねじの上記ねじ軸を回転させることにより、上記ウエハ支持体を上記第1方向において並進運動させる並進制御と、上記1対の第1ボールねじの上記ナットを相対動させるように上記1対の第1ボールねじの上記ねじ軸を回転させることにより、上記ウエハ支持体を上記鉛直方向周りに回転させる回転制御とを、上記1対の第1サーボモータに対して行う、請求項17に記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項19】
上記第2往復動機構は、各々が複数のボールを介して互いに螺合するねじ軸およびナットからなる1対の第2ボールねじと、各々が複数のボールを介して互いに相対動可能に嵌め合わされたレールおよびスライドブロックからなる1対の第2直動ガイドと、上記1対の第2ボールねじに各別に連結された1対の第2サーボモータと、を備えており、
上記1対の第2ボールねじの上記ナットおよび上記1対の第2直動ガイドの上記スライドブロックは、上記連結板に対して固定されている、請求項14ないし18のいずれかに記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項20】
上記1対の第2直動ガイドは、上記開口を挟んで互いに平行に配置されている、請求項19に記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項21】
上記1対の第2ボールねじは、上記開口を挟んで互いに平行に配置されている、請求項20に記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項22】
上記第2往復動機構は、上記1対の第2サーボモータを同期制御する第2制御部を備えている、請求項19ないし21のいずれかに記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項23】
上記検査ヘッドは、上記半導体ウエハの上記機能面に対する導通検査を行うための接触式の複数のプローブを備える、請求項1ないし22のいずれかに記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項24】
上記検査ヘッドは、上記半導体ウエハに形成された複数の半導体チップの上記機能面を対象とした検査を一括して行う、請求項23に記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項25】
上記複数の半導体チップは、マトリクス状に配置されている、請求項24に記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項26】
上記検査ヘッドによる検査時には、上記検査ヘッドが固定され、上記ウエハ支持体が上記検査ヘッドに対して相対動させられる、請求項1ないし25のいずれかに記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項27】
上記第1往復動機構は、各々が磁力によって相対動自在とされたリニアレールおよびリニアブロックからなる1対の第1リニアモータ駆動部と、各々が気体を介して互いに相対動可能に嵌め合わされたエアレールおよびエアブロックからなる1対の第1エアスライドガイドと、を備えている、請求項9に記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項28】
上記第2往復動機構は、各々が磁力によって相対動自在とされたリニアレールおよびリニアブロックからなる1対の第2リニアモータ駆動部と、各々が気体を介して互いに相対動可能に嵌め合わされたエアレールおよびエアブロックからなる1対の第2エアスライドガイドと、を備えている、請求項27に記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項29】
上記ウエハ支持体は、磁力を発生するウエハ側磁力発生部を有しており、
上記定盤は、定盤側磁力発生部を有しており、
上記ウエハ側磁力発生部と上記定盤側磁力発生部とによって発生する反発力によって上記ウエハ支持体が上記定盤に対して浮遊する、請求項1に記載の半導体ウエハ検査装置。
【請求項30】
上記ウエハ支持体は、上記基準面に向けて気体を噴出することにより浮上力を生成するとともに、鉛直方向視において開口を有する形状とされた噴出領域と、上記開口内に配置され、磁力を発生するウエハ側磁力発生部を有しており、
上記定盤は、上記ウエハ側磁力発生部との間に磁力を生じうる定盤側磁力発生部を有しており、
上記ウエハ支持体は、上記ウエハ側磁力発生部と上記定盤側磁力発生部との間に発生する引力を超える浮上力を上記噴出領域が発揮することにより、上記定盤に対して浮遊する、請求項1に記載の半導体ウエハ検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−102086(P2013−102086A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245649(P2011−245649)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000116024)ローム株式会社 (3,539)
【Fターム(参考)】