半導体発光装置
【課題】高効率な半導体発光装置を提供する。
【解決手段】実施形態によれば、半導体発光装置は、半導体層と、第1の電極と、第2の電極と、第1の絶縁層と、第1の配線層と、第2の配線層と、第1の金属ピラーと、第2の金属ピラーと、第2の絶縁層とを備えた。第1の電極は半導体層の第2の主面に設けられた。第2の電極は半導体層における発光層と第1の主面との間の部分の側面に設けられた。第1の配線層は、第2の主面に対する反対側の第1の絶縁層上及び第1の開口内に設けられ、第1の電極と接続された。第2の配線層は、第2の主面に対する反対側の第1の絶縁層上及び第2の開口内に設けられ、側面に設けられた第2の電極と接続された。
【解決手段】実施形態によれば、半導体発光装置は、半導体層と、第1の電極と、第2の電極と、第1の絶縁層と、第1の配線層と、第2の配線層と、第1の金属ピラーと、第2の金属ピラーと、第2の絶縁層とを備えた。第1の電極は半導体層の第2の主面に設けられた。第2の電極は半導体層における発光層と第1の主面との間の部分の側面に設けられた。第1の配線層は、第2の主面に対する反対側の第1の絶縁層上及び第1の開口内に設けられ、第1の電極と接続された。第2の配線層は、第2の主面に対する反対側の第1の絶縁層上及び第2の開口内に設けられ、側面に設けられた第2の電極と接続された。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体層における一方の主面側にn側電極とp側電極が形成された構造が知られている。その構造において、p側電極の平面面積を相対的に大きくすれば、発光面積を大きくして輝度の向上が図れる。しかし、チップサイズ(平面サイズ)を変えずにp側電極の平面面積を大きくすると、相対的にn側電極の平面面積が縮小する。n側電極の平面面積が縮小するとn側電極への電流集中により、信頼性の低下が懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−330631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、高効率な半導体発光装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、半導体発光装置は、半導体層と、第1の電極と、第2の電極と、第1の絶縁層と、第1の配線層と、第2の配線層と、第1の金属ピラーと、第2の金属ピラーと、第2の絶縁層とを備えた。前記半導体層は、第1の主面と、その反対側に形成された第2の主面と、発光層とを含む。前記第1の電極は、前記半導体層の前記第2の主面に設けられた。前記第2の電極は、前記半導体層における前記発光層と前記第1の主面との間の部分の側面に設けられた。前記第1の絶縁層は、前記半導体層の前記第2の主面側に設けられ、前記第1の電極に達する第1の開口と、前記側面に設けられた前記第2の電極に達する第2の開口とを有する。前記第1の配線層は、前記第2の主面に対する反対側の前記第1の絶縁層上及び前記第1の開口内に設けられ、前記第1の電極と接続された。前記第2の配線層は、前記第2の主面に対する反対側の前記第1の絶縁層上及び前記第2の開口内に設けられ、前記側面に設けられた前記第2の電極と接続された。前記第1の金属ピラーは、前記第1の配線層における前記第1の電極に対する反対側の面に設けられた。前記第2の金属ピラーは、前記第2の配線層における前記第2の電極に対する反対側の面に設けられた。前記第2の絶縁層は、前記第1の金属ピラーの周囲及び前記第2の金属ピラーの周囲を覆う。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第1実施形態に係る半導体発光装置の模式図。
【図2】第1実施形態に係る半導体発光装置における、電極、配線層及び金属ピラーの平面レイアウトを例示する模式平面図。
【図3】第1実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を示す模式断面図。
【図4】第1実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を示す模式断面図。
【図5】第1実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を示す模式断面図。
【図6】第1実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を示す模式断面図。
【図7】第1実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を示す模式断面図。
【図8】第2実施形態に係る半導体発光装置の模式図。
【図9】第2実施形態に係る半導体発光装置における、電極、配線層及び金属ピラーの平面レイアウトを例示する模式平面図。
【図10】第3実施形態に係る半導体発光装置の模式図。
【図11】第3実施形態に係る半導体発光装置の模式断面図。
【図12】第3実施形態に係る半導体発光装置における、電極、配線層及び金属ピラーの平面レイアウトを例示する模式平面図。
【図13】第4実施形態に係る半導体発光装置の模式図。
【図14】第4実施形態に係る半導体発光装置における、電極、配線層及び金属ピラーの平面レイアウトを例示する模式平面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。なお、各図面中、同じ要素には同じ符号を付している。
【0008】
(第1実施形態)
図1(a)は、第1実施形態に係る半導体発光装置の模式断面図である。図1(b)は、同半導体発光装置における半導体層15及び電極17、18の模式斜視図である。図1(a)では半導体層15の第1の主面15aを上側に、図1(b)では第1の主面15aを下側に表している。
【0009】
半導体層15は、第1の半導体層11と第2の半導体層13を有する。第1の半導体層11は、例えばn型のGaN層であり、電流の横方向経路として機能する。但し、第1の半導体層11の導電型はn型に限らず、p型であってもよい。第2の半導体層13は、発光層(活性層)12と、発光層12を挟む例えばp型のGaN層とn型のGaN層とを含む。第2の半導体層13は、第1の主面15aの反対側に設けられている。半導体層15の第1の主面15aから、主として光が外部に放出される。
【0010】
半導体層15における第1の主面15aの反対側の第2の主面側は、凹凸形状に加工され、その第2の主面側には上段部15bと下段部15cが設けられている。上段部15bは、第1の主面15aから見て下段部15cよりも上段側に位置する。
【0011】
上段部15bは、発光層12を含む。下段部15cは、発光層12を含まず、発光層12と第1の主面15aとの間の部分に設けられている。
【0012】
上段部15bにおける第2の主面(第2の半導体層13の表面)には、第1の電極としてp側電極17が設けられている。
【0013】
下段部15cにおける第2の主面(第1の半導体層11の表面)には、第2の電極としてn側電極18が設けられている。さらに、下段部15cの側面15dにもn側電極18が形成されている。側面15dに形成されたn側電極18と、下段部15cの表面(第2の主面)に形成されたn側電極18とは、同じ材料で一体に形成され、側面15dと下段部15cの表面との間のコーナー部でつながっている。側面15dに形成されたn側電極18は、下段部15cの外周を囲み、すなわち側面15dに連続してつながって形成されている。n側電極18において、側面15dに設けられた部分の面積は、第2の主面上に設けられた部分の面積よりも大きい。
【0014】
p側電極17は、半導体層15の面方向において発光層12を有する領域(発光領域)である上段部15bの表面に形成されている。そして、第2の主面上において、p側電極17の面積の方が、下段部15cの表面(第2の主面上)に形成されたn側電極18の面積よりも広い。
【0015】
上段部15bの側面には、例えばシリコン酸化膜等の絶縁膜16が設けられ、発光層12の側面は絶縁膜16で覆われている。絶縁膜16は、p側電極17とn側電極18との間に介在され、それらを絶縁分離している。
【0016】
さらに、半導体層15の第2の主面及び側面15dは、絶縁層(第1の絶縁層)19で覆われている。絶縁層19は、例えば、樹脂あるいはシリコン酸化膜である。
【0017】
絶縁層19において、第2の主面に対する反対側の面は平坦化され、その面に第1の配線層としてのp側配線層21と、第2の配線層としてのn側配線層22が設けられている。n側配線層22において、下段部15c表面(第2の主面)上のn側電極18と接続する面よりも、その面の反対側の面の方が大きい。すなわち、n側配線層22は、下段部15c表面上のn側電極18よりも大きな面積で、絶縁層19上にレイアウトされている。
【0018】
p側配線層21は、p側電極17に達して絶縁層19に形成された第1の開口19a内にも設けられ、p側電極17と接続されている。
【0019】
また、絶縁層19には、n側電極18に達する第2の開口19bが形成される。第2の開口19bは、下段部15cの表面上のn側電極18に達すると共に、側面15dに形成されたn側電極18の横の部分にも形成される。したがって、第2の開口19bは、側面15dに形成されたn側電極18に通じる。n側配線層22は、第2の開口19b内にも設けられる。すなわち、n側配線層22は、側面15dに形成されたn側電極18の横の部分にも設けられれる。したがって、n側配線層22は、下段部15cの表面上及び側面15cに設けられたn側電極18と接続される。
【0020】
側面15dは、第1の主面15a及び第2の主面に対して傾斜し、第2の開口19bにおける側面15dの横の部分の幅は、第1の主面15a側から第2の主面側に向かって漸次大きくなっている。このため、側面15dの横の部分へのn側配線層22の埋め込み性がよく、側面15dに設けられたn側電極18に対してn側配線層22を確実に接続させることができる。
【0021】
p側配線層21においてp側電極17に対する反対側の面には、第1の金属ピラーとしてp側金属ピラー24が設けられている。n側配線層22において、第2の主面上のn側電極18に対する反対側の面には、第2の金属ピラーとしてn側金属ピラー25が設けられている。
【0022】
p側金属ピラー24の周囲、n側金属ピラー25の周囲、p側配線層21およびn側配線層22は、第2の絶縁層として、例えば樹脂層23で覆われている。なお、第2の絶縁層は、無機物層であってもよい。
【0023】
図2に、半導体層15、p側電極17、n側電極18、p側配線層21、n側配線層22、p側金属ピラー24およびn側金属ピラー25の平面レイアウトの一例を示す。図2は、図1(a)を下面(実装面)側から見た平面図に対応する。なお、樹脂層23は、図示を省略している。
【0024】
半導体層15の第2の主面上で、p側電極17はn側電極18よりも広い面積でレイアウトされている。絶縁層19の平面サイズは半導体層15の平面サイズよりも大きく、その絶縁層19の下面における半分ほどの領域にp側配線層21がレイアウトされ、残りの半分ほどの領域にn側配線層22がレイアウトされている。n側配線層22は、n側電極18の第2の主面上に設けられた部分よりも広い面積で、絶縁層19上に広がって形成されている。
金属ピラー24、25は円柱状に限らず、角柱状、他形状の柱状もしくはパッド状であってもよい。
【0025】
第1の半導体層11は、n側電極18及びn側配線22を介してn側金属ピラー25と電気的に接続されている。第2の半導体層13は、p側電極17及びp側配線層21を介してp側金属ピラー24と電気的に接続されている。n側金属ピラー25及びp側金属ピラー24における樹脂層23から露出する下端面には、例えばはんだボール、金属バンプなどの外部端子が設けられ、その外部端子を介して、半導体発光装置は外部回路と電気的に接続可能である。
【0026】
n側金属ピラー25及びp側金属ピラー24のそれぞれの厚み(図1(a)において上下方向の厚み)は、半導体層15、n側電極18、p側電極17、絶縁膜16、絶縁層19、n側配線層22およびp側配線層21を含む積層体の厚みよりも厚い。各金属ピラー24、25のアスペクト比(平面サイズに対する厚みの比)は1以上であることに限らず、その比は1よりも小さくてもよい。すなわち、金属ピラー24、25は、その平面サイズよりも厚みが小さくてもよい。
【0027】
本実施形態の構造によれば、半導体層15が薄くても、n側金属ピラー25、p側金属ピラー24および樹脂層23を厚くすることで機械的強度を保つことが可能となる。また、回路基板等に実装した場合に、外部端子を介して半導体層15に加わる応力をn側金属ピラー25とp側金属ピラー24が吸収することで緩和することができる。
【0028】
n側配線層22、p側配線層21、n側金属ピラー25、p側金属ピラー24の材料としては、銅、金、ニッケル、銀などを用いることができる。これらのうち、良好な熱伝導性、高いマイグレーション耐性及び絶縁膜との優れた密着性を備えた銅がより好ましい。
【0029】
n側金属ピラー25及びp側金属ピラー24を補強する役目をする樹脂層23は、回路基板等と熱膨張率が同じもしくは近いものを用いるのが望ましい。そのような樹脂層23として、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などを一例として挙げることができる。
【0030】
半導体層15の第1の主面15a上には、蛍光体層26が設けられている。蛍光体層26は、発光層12からの光を吸収し波長変換光を放出可能である。このため発光層12からの光と蛍光体層26における波長変換光との混合光が放出可能となる。例えば発光層12を窒化物系とすると、その発光層12からの青色光と、例えば黄色蛍光体層26における波長変換光である黄色光との混合色として白色または電球色などを得ることができる。また、蛍光体層26は、複数種の蛍光体(例えば、赤色蛍光体と緑色蛍光体)を含む構成であってもよい。
【0031】
発光層12から発光された光は、主に、第1の半導体層11、第1の主面15a、蛍光体層26を進んで、外部に放出される。
【0032】
半導体層における一方の主面側にn側電極とp側電極が形成された構造において、発光層を含む領域に形成されるp側電極の平面面積を相対的に大きくすれば、発光面積を大きくして発光効率の向上が図れる。しかし、チップサイズ(平面サイズ)を変えずにp側電極の平面面積を大きくすると、相対的にn側電極の平面面積が縮小する。n側電極の平面面積が縮小するとn側電極への電流集中により、信頼性の低下が懸念される。
【0033】
しかし、本実施形態では、半導体層15の側面15dにもn側電極18を形成している。これにより、第2の主面上のp側電極17の面積を減少させることなく、n型層である第1の半導体層11と接触するn側電極18の面積を増大させることができる。したがって、p側電極15の面積縮小を抑えて高輝度化を図れ、且つn側電極18の面積を増大させて信頼性を高めることができる。また、チップサイズの増大を抑制できる。
半導体層15の第2の主面上においては、図1(b)に示すように、発光層12を有する領域に形成されたp側電極17の方が、n側電極18の面積(第2の主面上での面積)よりも大きく、広い発光領域を確保できる。
実装面においては、図2に示すように、p側もn側もほぼ同じ面積で形成され、効率よく電流を供給できる。
【0034】
また、n側電極18は、発光層12が発する光に対して遮光性を有する金属からなる。したがって、半導体層15の側面15aが遮光膜で覆われた構造となっている。このため、側面15aからの光漏れを防止でき、色むらや輝度むらを抑制できる。さらに、n側電極18を構成する金属は発光層が発する光に対して反射性を有するため、側面で反射して第1の主面15a側から取り出される光の量が増え、輝度を向上できる。
【0035】
次に、図3(a)〜図7(b)を参照して、本実施形態に係る半導体発光装置の製造方法について説明する。
【0036】
図3(a)に示すように、基板10の主面上に第1の半導体層11を形成し、その上に発光層12を含む第2の半導体層13を形成する。これら半導体層15が例えば窒化物系半導体の場合、半導体層15は例えばサファイア基板上に結晶成長させることができる。
【0037】
次に、図示しないレジストを用いた例えばRIE(Reactive Ion Etching)法で、図3(b)に示すように、半導体層15を貫通して基板10に達する分離溝9を形成する。分離溝9は、基板10上で例えば格子状に形成され、半導体層15を複数に分離する。
【0038】
次に、図示しないレジストを用いた例えばRIE法で、発光層12を含む第2の半導体層13の一部を除去して、図4(a)に示すように、第1の半導体層11の一部を露出させる。これにより、半導体層15の第2の主面側に、基板10から見て相対的に上段に位置する上段部15bと、上段部15bよりも基板10側の下段に位置する下段部15cが形成される。上段部15bは発光層12を含み、下段部15cは発光層12を含まない。
【0039】
次に、図4(b)に示すように、基板10上の露出しているすべての面に、例えばCVD(chemical vapor deposition)法で、シリコン酸化膜等の絶縁膜16を形成する。絶縁膜16は、半導体層15の第2の主面及び側面15dを覆い、さらに分離溝9の側面及び底面にも形成される。
【0040】
次に、例えばウェットエッチングにより絶縁膜16に選択的に開口を形成し、下段部15cの上面(第2の主面)及び側面15dを露出させる。そして、その露出された部分に、例えばスパッタ法により、図5(a)に示すようにn側電極18を形成する。このとき、n側電極18を形成する部分以外の部分は、図示しないレジスト等のマスクで覆われている。n側電極18は、例えば第1の半導体層11側に形成されたニッケル膜と、そのニッケル膜に積層されたアルミニウム膜とを含む。
【0041】
次に、例えばウェットエッチングにより上段部15b上の絶縁膜16に選択的に開口を形成し、上段部15bの上面(第2の半導体層13の上面)を露出させる。そして、その露出された部分に、例えばスパッタ法により、図5(b)に示すようにp側電極17を形成する。このとき、p側電極17を形成する部分以外の部分は、図示しないレジスト等のマスクで覆われている。p側電極17は、例えば第2の半導体層13側に形成されたニッケル膜と、そのニッケル膜に積層された金膜とを含む。
【0042】
なお、p側電極17をn側電極18よりも先に形成してもよく、また、p側電極17とn側電極18とを同じ材料で同時に形成してもよい。
【0043】
次に、基板10上の露出している部分すべてを絶縁層19で覆った後、図6(a)に示すように、例えばウェットエッチングにより絶縁層19をパターニングし、絶縁層19に第1の開口19aと第2の開口19bを形成する。絶縁層19は、微細パターンのパターニング性に優れた、例えばポリイミド等の樹脂からなる。
【0044】
第1の開口19aは、p側電極17に達する。第2の開口19bは、下段部15cの上面に形成されたn側電極18に達する。さらに、第2の開口19bは、側面15dの横の部分にも形成され、側面15dに形成されたn側電極18に通じる。
【0045】
次に、絶縁層19の上面、第1の開口19aおよび第2の開口19bの内面に、連続したシード金属20を形成し、さらに図示しないめっきレジストを形成した後、シード金属20を電流経路としたCuめっきを行う。シード金属20は、例えばCuを含む。
【0046】
これにより、図6(b)に示すように、絶縁層19上に、選択的にp側配線層21とn側配線層22が形成される。すなわち、p側配線層21及びn側配線層22はめっき法により同時に形成される。p側配線層21は、第1の開口19a内にも形成され、p側電極17と接続される。n側配線層22は、第2の開口19b内にも形成され、n側電極18と接続される。
【0047】
側面15dは、図3(b)を参照して前述した分離溝9の形成により得られる。分離溝9は、半導体層15上に選択的に形成されたレジスト膜をマスクにしたRIEにより形成される。このとき、レジスト膜は膜厚方向及び平面方向に等方的に消費され、エッチングの進行に伴って平面サイズが縮小する。したがって、分離溝9の幅は、深さ方向に漸次小さくなる。したがって、基板10上で複数に分割された半導体層15の各々の断面形状は台形状になり、分離溝9に隣接する側面15dは、第1の主面15a及び第2の主面に対して傾斜する。
【0048】
このため、第2の開口19bにおける側面15dの横の部分は上側ほど幅が広く、第2の開口19bの底の方まで確実にシード金属20及びn側配線層22を形成することができる。
【0049】
p側配線層21及びn側配線層22のめっきに使っためっきレジストは薬液で除去される。この後、金属ピラー形成用の別のめっきレジスト(図示せず)を形成し、前述したシード金属20を電流経路としたCuめっきを行う。これにより、図7(a)に示すように、p側配線層21の上方にp側金属ピラー24が形成され、n側配線層22の上方にn側金属ピラー25が形成される。すなわち、p側金属ピラー24及びn側金属ピラー25は、めっき法により同時に形成される。
【0050】
その後、金属ピラー形成用のめっきレジストを薬液で除去し、さらにシード金属20の露出している部分を除去する。これにより、p側配線層21とn側配線層22とのシード金属20を介した電気的接続が分断される。
【0051】
次に、p側配線層21、n側配線層22、p側金属ピラー24およびn側金属ピラー25を樹脂層23で覆う。その後、樹脂層23の表面を研削してp側金属ピラー24及びn側金属ピラー25の端面(上面)を露出させる。
【0052】
この後、基板10を除去する。基板10は、例えばレーザーリフトオフ法により除去される。具体的には、基板10の裏面側から第1の半導体層11に向けてレーザ光が照射される。レーザ光は、基板10に対して透過性を有し、第1の半導体層11に対しては吸収領域となる波長を有する。
【0053】
レーザ光が基板10と第1の半導体層11との界面に到達すると、その界面付近の第1の半導体層11はレーザ光のエネルギーを吸収して分解する。例えば、第1の半導体層11がGaNの場合、Gaと窒素ガスに分解する。この分解反応により、基板10と第1の半導体層11との間に微小な隙間が形成され、基板10と第1の半導体層11とが分離する。レーザ光の照射を、設定された領域ごとに複数回に分けてウェーハ全体にわたって行い、基板10を除去する。
【0054】
基板10の除去後、図7(b)に示すように、第1の主面15a上に蛍光体層26を形成する。例えば、蛍光体粒子が混合された液状の樹脂をスピンコート法で塗布した後、熱硬化させることで、蛍光体層26が形成される。
【0055】
第1の主面15a上から基板10を除去した後に蛍光体層26を形成することで、第1の主面15aと蛍光体層26との間に基板10が存在せず、光取り出し効率の向上を図れる。
【0056】
その後、ダイシングし、図1(a)に示す個片化された半導体発光装置が得られる。ダイシング時、基板10はすでに除去され、さらにダイシング領域である分離溝9には、半導体層15は存在せず、樹脂である絶縁層19が埋め込まれている。したがって、樹脂層23および樹脂である絶縁層19を切断することで、容易にダイシングでき生産性を向上できる。さらに、ダイシング時に半導体層15が受けるダメージを回避することができる。また、個片化後に、デバイスの周囲が樹脂で覆われて保護された構造が得られる。
【0057】
個片化された半導体発光装置は、1つの半導体層15を含むシングルチップ構造であってもよいし、複数の半導体層15を含むマルチチップ構造であってもよい。
【0058】
ダイシングされる前までの前述した各工程は、ウェーハ状態で一括して行われるため、個片化された個々のデバイスごとに、配線及びパッケージングを行う必要がなく、大幅な生産コストの低減が可能になる。すなわち、個片化された状態で、すでに配線及びパッケージングが済んでいる。また、個々のデバイスの平面サイズをベアチップ(半導体層15)の平面サイズに近くした小型化が容易になる。また、ウェーハレベルで検査することが可能となる。このため、生産性を高めることができ、その結果として価格低減が容易となる。
【0059】
(第2実施形態)
図8(a)は、第2実施形態に係る半導体発光装置の模式断面図である。図8(b)は、同半導体発光装置における半導体層15及び電極17、18の模式斜視図である。図8(a)では半導体層15の第1の主面15aを上側に、図8(b)では第1の主面15aを下側に表している。
【0060】
図9は、本実施形態における、半導体層15、p側電極17、p側配線層21、n側配線層22、p側金属ピラー24およびn側金属ピラー25の平面レイアウトの一例を示す。図9は、図8(a)を下面(実装面)側から見た平面図に対応する。なお、樹脂層23は、図示を省略している。
【0061】
本実施形態においても、半導体層15における発光層12と第1の主面15aとの間の第1の半導体層11の側面15dにn側電極18を形成している。これにより、p側電極17の面積縮小を抑えて高輝度化を図れ、且つn側電極18の面積を増大させて信頼性を高めることができる。また、側面15dからの光漏れを防止でき、色むらや輝度むらを抑制できる。さらに、側面で反射して第1の主面15a側から取り出される光の量が増え、輝度を向上できる。
【0062】
また、本実施形態では、n側電極18は、第2の主面上には設けられず、側面15aにのみ設けられている。したがって、図8(b)及び図9に示すように、第2の主面上に設けられるp側電極17の面積をより広くでき、より広い発光領域を確保できる。これにより、発光効率がより向上できる。また、第1の半導体層11の第2の主面を露出させる前述した図4(a)に示す工程が省略できるため、コスト低減も図れる。
【0063】
(第3実施形態)
図10(a)は、第3実施形態に係る半導体発光装置における半導体層15及び電極17、18の模式斜視図である。
図10(b)は、図10(a)の平面図に対応する。
図11(a)は、図10(b)におけるA−A断面に対応する。
図11(b)は、図11(a)におけるB−B断面に対応する。
【0064】
図12は、本実施形態における、半導体層15、p側電極17、n側電極18、p側配線層21、n側配線層22、p側金属ピラー24およびn側金属ピラー25の平面レイアウトの一例を示す。図12は、図11(b)を下面(実装面)側から見た平面図に対応する。なお、樹脂層23は、図示を省略している。
【0065】
半導体層15の第2の主面上で、p側電極17はn側電極18よりも広い面積でレイアウトされている。n側配線層22は、n側電極18の第2の主面上に設けられた部分よりも広い面積で、絶縁層19上に広がって形成されている。
【0066】
本実施形態においても、半導体層15における下段部15cの上面(第2の主面)及び側面15dにn側電極18が形成されている。さらに本実施形態では、下段部15cに溝41が形成されている。溝41は、基板10上に半導体層15が形成されている状態で、下段部15cにおける第2の主面から基板10に達して形成される。すなわち、溝41は、下段部15cにおける第2の主面から第1の主面15aに達する。そして、その溝41の側面にも、n側電極18が形成されている。
【0067】
下段部15cの外周面である側面15dに加えて、その外周面よりも内側に形成された溝41の側面にもn側電極18を形成することで、第2の主面上におけるn側電極18の領域の縮小を図れる。相対的に第2の主面上におけるp側電極17の面積の増大を図れ、発光効率を向上できる。
【0068】
そして、本実施形態においても、側面15dからの光漏れを防止でき、色むらや輝度むらを抑制できる。さらに、側面で反射して第1の主面15a側から取り出される光の量が増え、輝度を向上できる。
【0069】
また、図11(a)に示すように、溝41の底部にもn側電極18が形成される。半導体層15が基板10上に形成されている状態で、溝41の底部、すなわち基板10の主面上にn側電極18が形成される。このため、基板10を除去した後に第1の主面15a上に蛍光体層26を形成する際に、溝41内に蛍光体層26が入り込まず、均一な厚さで蛍光体層26を形成可能となる。
【0070】
また、溝41内におけるn側電極18の内側にもn側配線層22が埋め込まれる。したがって、n側電極18とn側配線層22とは、溝41内でも接触するため、それら両者の接触面積が増大し接触抵抗を低減できる。
【0071】
溝41は、下段部15cにおける第2の主面からその反対側の第1の主面15aに達して形成される。すなわち、基板10が、溝41を加工する際のストッパーとなり、一定深さの溝41を得ることができる。このため、溝41の側面を介したn側電極18と第1の半導体層11との接触面積のばらつきによる特性ばらつきを防ぐことができる。
【0072】
(第4実施形態)
図13(a)は、第4実施形態に係る半導体発光装置の模式断面図である。図13(b)は、同半導体発光装置における半導体層15及び電極17、18の模式斜視図である。
【0073】
図14は、本実施形態における、半導体層15、p側電極17、n側電極18、p側配線層21、n側配線層22、p側金属ピラー24およびn側金属ピラー25の平面レイアウトの一例を示す。図14は、図13(a)を下面(実装面)側から見た平面図に対応する。なお、樹脂層23は、図示を省略している。
【0074】
半導体層15の第2の主面上で、p側電極17はn側電極18よりも広い面積でレイアウトされている。n側配線層22は、第2の主面上に設けられたn側電極18よりも広い面積で、絶縁層19上に広がって形成されている。
【0075】
p側電極17は、発光層12を含む上段部15bの第2の主面に設けられ、n側電極18は、発光層12の外周より外側に設けられた下段部15cの第2の主面に設けられている。
【0076】
さらに、本実施形態では、半導体層15の側面15d側にもp側電極17が設けられている。側面15dには絶縁膜16が形成され、その側面15dに設けられた絶縁膜16にもp側電極17が設けられている。
【0077】
下段部15cに対して、上段部15bを挟んだ反対側の側面15dに、絶縁膜16を介してp側電極17が設けられている。p側電極17は、上段部15bの第2の主面から側面15d側にかけて連続して形成されている。
【0078】
p側電極17にはn側電極18に対して高電位(正電位)が印加される。そして、n側電極18から第1の半導体層11に注入された電子は、側面15d側に設けられたp側電極17の電位に引かれて、図13(a)において破線矢印で表すように、発光層12におけるn側電極18に対して離れた部分にも効率よく注入される。
【0079】
したがって、発光層12においてn側電極18に近い側に電子が集中するのを抑制し、発光層12における面方向の電流分布の均一化を図れ、局所的な電流密度の増加を抑制できる。すなわち、電子がより効率よく発光に寄与し発光効率が向上する。
【0080】
なお、図13(a)及び(b)に示す構造では、n側電極18は第2の主面上にしか設けられていないが、前述した実施形態と同様に下段部15cの側面にn側電極18を形成してもよい。その場合、p側電極17とn側電極18とが側面15dで接触しないように、絶縁膜によって両電極17、18を隔てる。
【0081】
前述した各実施形態において、基板10をすべて除去しないで、薄く研削した上で第1の主面15a上に残してもよい。基板10を薄層化して残すことにより、基板10をすべて除去する構造よりも機械的強度を高めることができ、信頼性の高い構造とすることができる。また、基板10が残っていることで、個片化した後の反りを抑制でき、回路基板等への実装が容易になる。
【0082】
以上、実施形態について説明したが、本発明は、それらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形、代用、省略が可能である。
【0083】
赤色蛍光体層は、例えば、窒化物系蛍光体CaAlSiN3:Euやサイアロン系蛍光体を含有することができる。
サイアロン系蛍光体を用いる場合、特に、
(M1−x,Rx)a1AlSib1Oc1Nd1・・・組成式(1)
(MはSi及びAlを除く少なくとも1種の金属元素であり、特に、Ca若しくはSrの少なくとも一方が望ましい。Rは発光中心元素であり、特に、Euが望ましい。x、a1、b1、c1、d1は、次の関係を満たす。0<x≦1、0.6<a1<0.95、2<b1<3.9、0.25<c1<0.45、4<d1<5.7)を用いることが好ましい。
組成式(1)で表されるサイアロン系蛍光体を用いることで、波長変換効率の温度特性が向上し、大電流密度領域での効率をさらに向上させることができる。
【0084】
黄色蛍光体層は、例えば、シリケート系蛍光体(Sr,Ca,Ba)2SiO4:Euを含有することができる。
【0085】
緑色蛍光体層は、例えば、ハロ燐酸系蛍光体(Ba,Ca,Mg)10(PO4)6・Cl2:Euやサイアロン系蛍光体を含有することができる。
サイアロン系蛍光体を用いる場合、特に、
(M1−x,Rx)a2AlSib2Oc2Nd2・・・組成式(2)
(MはSi及びAlを除く少なくとも1種の金属元素であり、特に、Ca若しくはSrの少なくとも一方が望ましい。Rは発光中心元素であり、特に、Euが望ましい。x、a2、b2、c2、d2は、次の関係を満たす。0<x≦1、0.93<a2<1.3、4.0<b2<5.8、0.6<c2<1、6<d2<11)を用いることが好ましい。
組成式(2)で表されるサイアロン系蛍光体を用いることで、波長変換効率の温度特性が向上し、大電流密度領域での効率をさらに向上させることができる。
【0086】
青色蛍光体層は、例えば、酸化物系蛍光体BaMgAl10O17:Euを含有することができる。
【0087】
実施形態によれば、半導体発光装置の製造方法は、
基板上に、第1の主面と、その反対側に形成された第2の主面と、発光層とを含む半導体層を形成する工程と、
前記基板上で前記半導体層を複数に分離する分離溝を形成する工程と、
前記半導体層の前記第2の主面に、第1の電極を形成する工程と、
前記分離溝に隣接する側面であって、前記半導体層における前記発光層と前記第1の主面との間の部分の側面に、第2の電極を形成する工程と、
前記半導体層の前記第2の主面側に、前記第1の電極及び前記第2の電極を覆う第1の絶縁層を形成する工程と、
前記第1の絶縁層に、前記第1の電極に達する第1の開口と、前記側面に設けられた前記第2の電極に達する第2の開口とを形成する工程と、
前記第2の主面に対する反対側の前記第1の絶縁層上及び前記第1の開口内に、第1の配線層を形成する工程と、
前記第2の主面に対する反対側の前記第1の絶縁層上及び前記第2の開口内に、第2の配線層を形成する工程と、
前記第1の配線層における前記第1の電極に対する反対側の面に、第1の金属ピラーを形成する工程と、
前記第2の配線層における前記第2の電極に対する反対側の面に、第2の金属ピラーを形成する工程と、
前記第1の金属ピラーの周囲及び前記第2の金属ピラーの周囲を覆う第2の絶縁層を形成する工程と、
を備えた。
【0088】
また、前記半導体層の前記第2の主面側に、前記発光層を含む上段部と、前記発光層を含まない下段部とを形成する工程をさらに備えた。
【0089】
また、前記第2の電極を、前記下段部の側面に形成する。
【0090】
また、前記第2の電極を、前記下段部の上面にも形成する。
【0091】
また、前記下段部を貫通して前記基板に達する溝を形成する工程をさらに備え、前記第2の電極を、前記溝の側面にも形成する。
【0092】
また、前記分離溝内に、前記絶縁層として樹脂を埋め込み、前記分離溝内の前記樹脂を切断して個片化する。
【符号の説明】
【0093】
9…分離溝、10…基板、12…発光層、15…半導体層、15a…第1の主面、15b…上段部、15c…下段部、15d…側面、16…絶縁膜、17…p側電極、18…n側電極、19…絶縁層、21…p側配線層、22…n側配線層、23…樹脂層、24…p側金属ピラー、25…n側金属ピラー、26…蛍光体層、41…溝
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体層における一方の主面側にn側電極とp側電極が形成された構造が知られている。その構造において、p側電極の平面面積を相対的に大きくすれば、発光面積を大きくして輝度の向上が図れる。しかし、チップサイズ(平面サイズ)を変えずにp側電極の平面面積を大きくすると、相対的にn側電極の平面面積が縮小する。n側電極の平面面積が縮小するとn側電極への電流集中により、信頼性の低下が懸念される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−330631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実施形態は、高効率な半導体発光装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、半導体発光装置は、半導体層と、第1の電極と、第2の電極と、第1の絶縁層と、第1の配線層と、第2の配線層と、第1の金属ピラーと、第2の金属ピラーと、第2の絶縁層とを備えた。前記半導体層は、第1の主面と、その反対側に形成された第2の主面と、発光層とを含む。前記第1の電極は、前記半導体層の前記第2の主面に設けられた。前記第2の電極は、前記半導体層における前記発光層と前記第1の主面との間の部分の側面に設けられた。前記第1の絶縁層は、前記半導体層の前記第2の主面側に設けられ、前記第1の電極に達する第1の開口と、前記側面に設けられた前記第2の電極に達する第2の開口とを有する。前記第1の配線層は、前記第2の主面に対する反対側の前記第1の絶縁層上及び前記第1の開口内に設けられ、前記第1の電極と接続された。前記第2の配線層は、前記第2の主面に対する反対側の前記第1の絶縁層上及び前記第2の開口内に設けられ、前記側面に設けられた前記第2の電極と接続された。前記第1の金属ピラーは、前記第1の配線層における前記第1の電極に対する反対側の面に設けられた。前記第2の金属ピラーは、前記第2の配線層における前記第2の電極に対する反対側の面に設けられた。前記第2の絶縁層は、前記第1の金属ピラーの周囲及び前記第2の金属ピラーの周囲を覆う。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】第1実施形態に係る半導体発光装置の模式図。
【図2】第1実施形態に係る半導体発光装置における、電極、配線層及び金属ピラーの平面レイアウトを例示する模式平面図。
【図3】第1実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を示す模式断面図。
【図4】第1実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を示す模式断面図。
【図5】第1実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を示す模式断面図。
【図6】第1実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を示す模式断面図。
【図7】第1実施形態に係る半導体発光装置の製造方法を示す模式断面図。
【図8】第2実施形態に係る半導体発光装置の模式図。
【図9】第2実施形態に係る半導体発光装置における、電極、配線層及び金属ピラーの平面レイアウトを例示する模式平面図。
【図10】第3実施形態に係る半導体発光装置の模式図。
【図11】第3実施形態に係る半導体発光装置の模式断面図。
【図12】第3実施形態に係る半導体発光装置における、電極、配線層及び金属ピラーの平面レイアウトを例示する模式平面図。
【図13】第4実施形態に係る半導体発光装置の模式図。
【図14】第4実施形態に係る半導体発光装置における、電極、配線層及び金属ピラーの平面レイアウトを例示する模式平面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照し、実施形態について説明する。なお、各図面中、同じ要素には同じ符号を付している。
【0008】
(第1実施形態)
図1(a)は、第1実施形態に係る半導体発光装置の模式断面図である。図1(b)は、同半導体発光装置における半導体層15及び電極17、18の模式斜視図である。図1(a)では半導体層15の第1の主面15aを上側に、図1(b)では第1の主面15aを下側に表している。
【0009】
半導体層15は、第1の半導体層11と第2の半導体層13を有する。第1の半導体層11は、例えばn型のGaN層であり、電流の横方向経路として機能する。但し、第1の半導体層11の導電型はn型に限らず、p型であってもよい。第2の半導体層13は、発光層(活性層)12と、発光層12を挟む例えばp型のGaN層とn型のGaN層とを含む。第2の半導体層13は、第1の主面15aの反対側に設けられている。半導体層15の第1の主面15aから、主として光が外部に放出される。
【0010】
半導体層15における第1の主面15aの反対側の第2の主面側は、凹凸形状に加工され、その第2の主面側には上段部15bと下段部15cが設けられている。上段部15bは、第1の主面15aから見て下段部15cよりも上段側に位置する。
【0011】
上段部15bは、発光層12を含む。下段部15cは、発光層12を含まず、発光層12と第1の主面15aとの間の部分に設けられている。
【0012】
上段部15bにおける第2の主面(第2の半導体層13の表面)には、第1の電極としてp側電極17が設けられている。
【0013】
下段部15cにおける第2の主面(第1の半導体層11の表面)には、第2の電極としてn側電極18が設けられている。さらに、下段部15cの側面15dにもn側電極18が形成されている。側面15dに形成されたn側電極18と、下段部15cの表面(第2の主面)に形成されたn側電極18とは、同じ材料で一体に形成され、側面15dと下段部15cの表面との間のコーナー部でつながっている。側面15dに形成されたn側電極18は、下段部15cの外周を囲み、すなわち側面15dに連続してつながって形成されている。n側電極18において、側面15dに設けられた部分の面積は、第2の主面上に設けられた部分の面積よりも大きい。
【0014】
p側電極17は、半導体層15の面方向において発光層12を有する領域(発光領域)である上段部15bの表面に形成されている。そして、第2の主面上において、p側電極17の面積の方が、下段部15cの表面(第2の主面上)に形成されたn側電極18の面積よりも広い。
【0015】
上段部15bの側面には、例えばシリコン酸化膜等の絶縁膜16が設けられ、発光層12の側面は絶縁膜16で覆われている。絶縁膜16は、p側電極17とn側電極18との間に介在され、それらを絶縁分離している。
【0016】
さらに、半導体層15の第2の主面及び側面15dは、絶縁層(第1の絶縁層)19で覆われている。絶縁層19は、例えば、樹脂あるいはシリコン酸化膜である。
【0017】
絶縁層19において、第2の主面に対する反対側の面は平坦化され、その面に第1の配線層としてのp側配線層21と、第2の配線層としてのn側配線層22が設けられている。n側配線層22において、下段部15c表面(第2の主面)上のn側電極18と接続する面よりも、その面の反対側の面の方が大きい。すなわち、n側配線層22は、下段部15c表面上のn側電極18よりも大きな面積で、絶縁層19上にレイアウトされている。
【0018】
p側配線層21は、p側電極17に達して絶縁層19に形成された第1の開口19a内にも設けられ、p側電極17と接続されている。
【0019】
また、絶縁層19には、n側電極18に達する第2の開口19bが形成される。第2の開口19bは、下段部15cの表面上のn側電極18に達すると共に、側面15dに形成されたn側電極18の横の部分にも形成される。したがって、第2の開口19bは、側面15dに形成されたn側電極18に通じる。n側配線層22は、第2の開口19b内にも設けられる。すなわち、n側配線層22は、側面15dに形成されたn側電極18の横の部分にも設けられれる。したがって、n側配線層22は、下段部15cの表面上及び側面15cに設けられたn側電極18と接続される。
【0020】
側面15dは、第1の主面15a及び第2の主面に対して傾斜し、第2の開口19bにおける側面15dの横の部分の幅は、第1の主面15a側から第2の主面側に向かって漸次大きくなっている。このため、側面15dの横の部分へのn側配線層22の埋め込み性がよく、側面15dに設けられたn側電極18に対してn側配線層22を確実に接続させることができる。
【0021】
p側配線層21においてp側電極17に対する反対側の面には、第1の金属ピラーとしてp側金属ピラー24が設けられている。n側配線層22において、第2の主面上のn側電極18に対する反対側の面には、第2の金属ピラーとしてn側金属ピラー25が設けられている。
【0022】
p側金属ピラー24の周囲、n側金属ピラー25の周囲、p側配線層21およびn側配線層22は、第2の絶縁層として、例えば樹脂層23で覆われている。なお、第2の絶縁層は、無機物層であってもよい。
【0023】
図2に、半導体層15、p側電極17、n側電極18、p側配線層21、n側配線層22、p側金属ピラー24およびn側金属ピラー25の平面レイアウトの一例を示す。図2は、図1(a)を下面(実装面)側から見た平面図に対応する。なお、樹脂層23は、図示を省略している。
【0024】
半導体層15の第2の主面上で、p側電極17はn側電極18よりも広い面積でレイアウトされている。絶縁層19の平面サイズは半導体層15の平面サイズよりも大きく、その絶縁層19の下面における半分ほどの領域にp側配線層21がレイアウトされ、残りの半分ほどの領域にn側配線層22がレイアウトされている。n側配線層22は、n側電極18の第2の主面上に設けられた部分よりも広い面積で、絶縁層19上に広がって形成されている。
金属ピラー24、25は円柱状に限らず、角柱状、他形状の柱状もしくはパッド状であってもよい。
【0025】
第1の半導体層11は、n側電極18及びn側配線22を介してn側金属ピラー25と電気的に接続されている。第2の半導体層13は、p側電極17及びp側配線層21を介してp側金属ピラー24と電気的に接続されている。n側金属ピラー25及びp側金属ピラー24における樹脂層23から露出する下端面には、例えばはんだボール、金属バンプなどの外部端子が設けられ、その外部端子を介して、半導体発光装置は外部回路と電気的に接続可能である。
【0026】
n側金属ピラー25及びp側金属ピラー24のそれぞれの厚み(図1(a)において上下方向の厚み)は、半導体層15、n側電極18、p側電極17、絶縁膜16、絶縁層19、n側配線層22およびp側配線層21を含む積層体の厚みよりも厚い。各金属ピラー24、25のアスペクト比(平面サイズに対する厚みの比)は1以上であることに限らず、その比は1よりも小さくてもよい。すなわち、金属ピラー24、25は、その平面サイズよりも厚みが小さくてもよい。
【0027】
本実施形態の構造によれば、半導体層15が薄くても、n側金属ピラー25、p側金属ピラー24および樹脂層23を厚くすることで機械的強度を保つことが可能となる。また、回路基板等に実装した場合に、外部端子を介して半導体層15に加わる応力をn側金属ピラー25とp側金属ピラー24が吸収することで緩和することができる。
【0028】
n側配線層22、p側配線層21、n側金属ピラー25、p側金属ピラー24の材料としては、銅、金、ニッケル、銀などを用いることができる。これらのうち、良好な熱伝導性、高いマイグレーション耐性及び絶縁膜との優れた密着性を備えた銅がより好ましい。
【0029】
n側金属ピラー25及びp側金属ピラー24を補強する役目をする樹脂層23は、回路基板等と熱膨張率が同じもしくは近いものを用いるのが望ましい。そのような樹脂層23として、例えばエポキシ樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などを一例として挙げることができる。
【0030】
半導体層15の第1の主面15a上には、蛍光体層26が設けられている。蛍光体層26は、発光層12からの光を吸収し波長変換光を放出可能である。このため発光層12からの光と蛍光体層26における波長変換光との混合光が放出可能となる。例えば発光層12を窒化物系とすると、その発光層12からの青色光と、例えば黄色蛍光体層26における波長変換光である黄色光との混合色として白色または電球色などを得ることができる。また、蛍光体層26は、複数種の蛍光体(例えば、赤色蛍光体と緑色蛍光体)を含む構成であってもよい。
【0031】
発光層12から発光された光は、主に、第1の半導体層11、第1の主面15a、蛍光体層26を進んで、外部に放出される。
【0032】
半導体層における一方の主面側にn側電極とp側電極が形成された構造において、発光層を含む領域に形成されるp側電極の平面面積を相対的に大きくすれば、発光面積を大きくして発光効率の向上が図れる。しかし、チップサイズ(平面サイズ)を変えずにp側電極の平面面積を大きくすると、相対的にn側電極の平面面積が縮小する。n側電極の平面面積が縮小するとn側電極への電流集中により、信頼性の低下が懸念される。
【0033】
しかし、本実施形態では、半導体層15の側面15dにもn側電極18を形成している。これにより、第2の主面上のp側電極17の面積を減少させることなく、n型層である第1の半導体層11と接触するn側電極18の面積を増大させることができる。したがって、p側電極15の面積縮小を抑えて高輝度化を図れ、且つn側電極18の面積を増大させて信頼性を高めることができる。また、チップサイズの増大を抑制できる。
半導体層15の第2の主面上においては、図1(b)に示すように、発光層12を有する領域に形成されたp側電極17の方が、n側電極18の面積(第2の主面上での面積)よりも大きく、広い発光領域を確保できる。
実装面においては、図2に示すように、p側もn側もほぼ同じ面積で形成され、効率よく電流を供給できる。
【0034】
また、n側電極18は、発光層12が発する光に対して遮光性を有する金属からなる。したがって、半導体層15の側面15aが遮光膜で覆われた構造となっている。このため、側面15aからの光漏れを防止でき、色むらや輝度むらを抑制できる。さらに、n側電極18を構成する金属は発光層が発する光に対して反射性を有するため、側面で反射して第1の主面15a側から取り出される光の量が増え、輝度を向上できる。
【0035】
次に、図3(a)〜図7(b)を参照して、本実施形態に係る半導体発光装置の製造方法について説明する。
【0036】
図3(a)に示すように、基板10の主面上に第1の半導体層11を形成し、その上に発光層12を含む第2の半導体層13を形成する。これら半導体層15が例えば窒化物系半導体の場合、半導体層15は例えばサファイア基板上に結晶成長させることができる。
【0037】
次に、図示しないレジストを用いた例えばRIE(Reactive Ion Etching)法で、図3(b)に示すように、半導体層15を貫通して基板10に達する分離溝9を形成する。分離溝9は、基板10上で例えば格子状に形成され、半導体層15を複数に分離する。
【0038】
次に、図示しないレジストを用いた例えばRIE法で、発光層12を含む第2の半導体層13の一部を除去して、図4(a)に示すように、第1の半導体層11の一部を露出させる。これにより、半導体層15の第2の主面側に、基板10から見て相対的に上段に位置する上段部15bと、上段部15bよりも基板10側の下段に位置する下段部15cが形成される。上段部15bは発光層12を含み、下段部15cは発光層12を含まない。
【0039】
次に、図4(b)に示すように、基板10上の露出しているすべての面に、例えばCVD(chemical vapor deposition)法で、シリコン酸化膜等の絶縁膜16を形成する。絶縁膜16は、半導体層15の第2の主面及び側面15dを覆い、さらに分離溝9の側面及び底面にも形成される。
【0040】
次に、例えばウェットエッチングにより絶縁膜16に選択的に開口を形成し、下段部15cの上面(第2の主面)及び側面15dを露出させる。そして、その露出された部分に、例えばスパッタ法により、図5(a)に示すようにn側電極18を形成する。このとき、n側電極18を形成する部分以外の部分は、図示しないレジスト等のマスクで覆われている。n側電極18は、例えば第1の半導体層11側に形成されたニッケル膜と、そのニッケル膜に積層されたアルミニウム膜とを含む。
【0041】
次に、例えばウェットエッチングにより上段部15b上の絶縁膜16に選択的に開口を形成し、上段部15bの上面(第2の半導体層13の上面)を露出させる。そして、その露出された部分に、例えばスパッタ法により、図5(b)に示すようにp側電極17を形成する。このとき、p側電極17を形成する部分以外の部分は、図示しないレジスト等のマスクで覆われている。p側電極17は、例えば第2の半導体層13側に形成されたニッケル膜と、そのニッケル膜に積層された金膜とを含む。
【0042】
なお、p側電極17をn側電極18よりも先に形成してもよく、また、p側電極17とn側電極18とを同じ材料で同時に形成してもよい。
【0043】
次に、基板10上の露出している部分すべてを絶縁層19で覆った後、図6(a)に示すように、例えばウェットエッチングにより絶縁層19をパターニングし、絶縁層19に第1の開口19aと第2の開口19bを形成する。絶縁層19は、微細パターンのパターニング性に優れた、例えばポリイミド等の樹脂からなる。
【0044】
第1の開口19aは、p側電極17に達する。第2の開口19bは、下段部15cの上面に形成されたn側電極18に達する。さらに、第2の開口19bは、側面15dの横の部分にも形成され、側面15dに形成されたn側電極18に通じる。
【0045】
次に、絶縁層19の上面、第1の開口19aおよび第2の開口19bの内面に、連続したシード金属20を形成し、さらに図示しないめっきレジストを形成した後、シード金属20を電流経路としたCuめっきを行う。シード金属20は、例えばCuを含む。
【0046】
これにより、図6(b)に示すように、絶縁層19上に、選択的にp側配線層21とn側配線層22が形成される。すなわち、p側配線層21及びn側配線層22はめっき法により同時に形成される。p側配線層21は、第1の開口19a内にも形成され、p側電極17と接続される。n側配線層22は、第2の開口19b内にも形成され、n側電極18と接続される。
【0047】
側面15dは、図3(b)を参照して前述した分離溝9の形成により得られる。分離溝9は、半導体層15上に選択的に形成されたレジスト膜をマスクにしたRIEにより形成される。このとき、レジスト膜は膜厚方向及び平面方向に等方的に消費され、エッチングの進行に伴って平面サイズが縮小する。したがって、分離溝9の幅は、深さ方向に漸次小さくなる。したがって、基板10上で複数に分割された半導体層15の各々の断面形状は台形状になり、分離溝9に隣接する側面15dは、第1の主面15a及び第2の主面に対して傾斜する。
【0048】
このため、第2の開口19bにおける側面15dの横の部分は上側ほど幅が広く、第2の開口19bの底の方まで確実にシード金属20及びn側配線層22を形成することができる。
【0049】
p側配線層21及びn側配線層22のめっきに使っためっきレジストは薬液で除去される。この後、金属ピラー形成用の別のめっきレジスト(図示せず)を形成し、前述したシード金属20を電流経路としたCuめっきを行う。これにより、図7(a)に示すように、p側配線層21の上方にp側金属ピラー24が形成され、n側配線層22の上方にn側金属ピラー25が形成される。すなわち、p側金属ピラー24及びn側金属ピラー25は、めっき法により同時に形成される。
【0050】
その後、金属ピラー形成用のめっきレジストを薬液で除去し、さらにシード金属20の露出している部分を除去する。これにより、p側配線層21とn側配線層22とのシード金属20を介した電気的接続が分断される。
【0051】
次に、p側配線層21、n側配線層22、p側金属ピラー24およびn側金属ピラー25を樹脂層23で覆う。その後、樹脂層23の表面を研削してp側金属ピラー24及びn側金属ピラー25の端面(上面)を露出させる。
【0052】
この後、基板10を除去する。基板10は、例えばレーザーリフトオフ法により除去される。具体的には、基板10の裏面側から第1の半導体層11に向けてレーザ光が照射される。レーザ光は、基板10に対して透過性を有し、第1の半導体層11に対しては吸収領域となる波長を有する。
【0053】
レーザ光が基板10と第1の半導体層11との界面に到達すると、その界面付近の第1の半導体層11はレーザ光のエネルギーを吸収して分解する。例えば、第1の半導体層11がGaNの場合、Gaと窒素ガスに分解する。この分解反応により、基板10と第1の半導体層11との間に微小な隙間が形成され、基板10と第1の半導体層11とが分離する。レーザ光の照射を、設定された領域ごとに複数回に分けてウェーハ全体にわたって行い、基板10を除去する。
【0054】
基板10の除去後、図7(b)に示すように、第1の主面15a上に蛍光体層26を形成する。例えば、蛍光体粒子が混合された液状の樹脂をスピンコート法で塗布した後、熱硬化させることで、蛍光体層26が形成される。
【0055】
第1の主面15a上から基板10を除去した後に蛍光体層26を形成することで、第1の主面15aと蛍光体層26との間に基板10が存在せず、光取り出し効率の向上を図れる。
【0056】
その後、ダイシングし、図1(a)に示す個片化された半導体発光装置が得られる。ダイシング時、基板10はすでに除去され、さらにダイシング領域である分離溝9には、半導体層15は存在せず、樹脂である絶縁層19が埋め込まれている。したがって、樹脂層23および樹脂である絶縁層19を切断することで、容易にダイシングでき生産性を向上できる。さらに、ダイシング時に半導体層15が受けるダメージを回避することができる。また、個片化後に、デバイスの周囲が樹脂で覆われて保護された構造が得られる。
【0057】
個片化された半導体発光装置は、1つの半導体層15を含むシングルチップ構造であってもよいし、複数の半導体層15を含むマルチチップ構造であってもよい。
【0058】
ダイシングされる前までの前述した各工程は、ウェーハ状態で一括して行われるため、個片化された個々のデバイスごとに、配線及びパッケージングを行う必要がなく、大幅な生産コストの低減が可能になる。すなわち、個片化された状態で、すでに配線及びパッケージングが済んでいる。また、個々のデバイスの平面サイズをベアチップ(半導体層15)の平面サイズに近くした小型化が容易になる。また、ウェーハレベルで検査することが可能となる。このため、生産性を高めることができ、その結果として価格低減が容易となる。
【0059】
(第2実施形態)
図8(a)は、第2実施形態に係る半導体発光装置の模式断面図である。図8(b)は、同半導体発光装置における半導体層15及び電極17、18の模式斜視図である。図8(a)では半導体層15の第1の主面15aを上側に、図8(b)では第1の主面15aを下側に表している。
【0060】
図9は、本実施形態における、半導体層15、p側電極17、p側配線層21、n側配線層22、p側金属ピラー24およびn側金属ピラー25の平面レイアウトの一例を示す。図9は、図8(a)を下面(実装面)側から見た平面図に対応する。なお、樹脂層23は、図示を省略している。
【0061】
本実施形態においても、半導体層15における発光層12と第1の主面15aとの間の第1の半導体層11の側面15dにn側電極18を形成している。これにより、p側電極17の面積縮小を抑えて高輝度化を図れ、且つn側電極18の面積を増大させて信頼性を高めることができる。また、側面15dからの光漏れを防止でき、色むらや輝度むらを抑制できる。さらに、側面で反射して第1の主面15a側から取り出される光の量が増え、輝度を向上できる。
【0062】
また、本実施形態では、n側電極18は、第2の主面上には設けられず、側面15aにのみ設けられている。したがって、図8(b)及び図9に示すように、第2の主面上に設けられるp側電極17の面積をより広くでき、より広い発光領域を確保できる。これにより、発光効率がより向上できる。また、第1の半導体層11の第2の主面を露出させる前述した図4(a)に示す工程が省略できるため、コスト低減も図れる。
【0063】
(第3実施形態)
図10(a)は、第3実施形態に係る半導体発光装置における半導体層15及び電極17、18の模式斜視図である。
図10(b)は、図10(a)の平面図に対応する。
図11(a)は、図10(b)におけるA−A断面に対応する。
図11(b)は、図11(a)におけるB−B断面に対応する。
【0064】
図12は、本実施形態における、半導体層15、p側電極17、n側電極18、p側配線層21、n側配線層22、p側金属ピラー24およびn側金属ピラー25の平面レイアウトの一例を示す。図12は、図11(b)を下面(実装面)側から見た平面図に対応する。なお、樹脂層23は、図示を省略している。
【0065】
半導体層15の第2の主面上で、p側電極17はn側電極18よりも広い面積でレイアウトされている。n側配線層22は、n側電極18の第2の主面上に設けられた部分よりも広い面積で、絶縁層19上に広がって形成されている。
【0066】
本実施形態においても、半導体層15における下段部15cの上面(第2の主面)及び側面15dにn側電極18が形成されている。さらに本実施形態では、下段部15cに溝41が形成されている。溝41は、基板10上に半導体層15が形成されている状態で、下段部15cにおける第2の主面から基板10に達して形成される。すなわち、溝41は、下段部15cにおける第2の主面から第1の主面15aに達する。そして、その溝41の側面にも、n側電極18が形成されている。
【0067】
下段部15cの外周面である側面15dに加えて、その外周面よりも内側に形成された溝41の側面にもn側電極18を形成することで、第2の主面上におけるn側電極18の領域の縮小を図れる。相対的に第2の主面上におけるp側電極17の面積の増大を図れ、発光効率を向上できる。
【0068】
そして、本実施形態においても、側面15dからの光漏れを防止でき、色むらや輝度むらを抑制できる。さらに、側面で反射して第1の主面15a側から取り出される光の量が増え、輝度を向上できる。
【0069】
また、図11(a)に示すように、溝41の底部にもn側電極18が形成される。半導体層15が基板10上に形成されている状態で、溝41の底部、すなわち基板10の主面上にn側電極18が形成される。このため、基板10を除去した後に第1の主面15a上に蛍光体層26を形成する際に、溝41内に蛍光体層26が入り込まず、均一な厚さで蛍光体層26を形成可能となる。
【0070】
また、溝41内におけるn側電極18の内側にもn側配線層22が埋め込まれる。したがって、n側電極18とn側配線層22とは、溝41内でも接触するため、それら両者の接触面積が増大し接触抵抗を低減できる。
【0071】
溝41は、下段部15cにおける第2の主面からその反対側の第1の主面15aに達して形成される。すなわち、基板10が、溝41を加工する際のストッパーとなり、一定深さの溝41を得ることができる。このため、溝41の側面を介したn側電極18と第1の半導体層11との接触面積のばらつきによる特性ばらつきを防ぐことができる。
【0072】
(第4実施形態)
図13(a)は、第4実施形態に係る半導体発光装置の模式断面図である。図13(b)は、同半導体発光装置における半導体層15及び電極17、18の模式斜視図である。
【0073】
図14は、本実施形態における、半導体層15、p側電極17、n側電極18、p側配線層21、n側配線層22、p側金属ピラー24およびn側金属ピラー25の平面レイアウトの一例を示す。図14は、図13(a)を下面(実装面)側から見た平面図に対応する。なお、樹脂層23は、図示を省略している。
【0074】
半導体層15の第2の主面上で、p側電極17はn側電極18よりも広い面積でレイアウトされている。n側配線層22は、第2の主面上に設けられたn側電極18よりも広い面積で、絶縁層19上に広がって形成されている。
【0075】
p側電極17は、発光層12を含む上段部15bの第2の主面に設けられ、n側電極18は、発光層12の外周より外側に設けられた下段部15cの第2の主面に設けられている。
【0076】
さらに、本実施形態では、半導体層15の側面15d側にもp側電極17が設けられている。側面15dには絶縁膜16が形成され、その側面15dに設けられた絶縁膜16にもp側電極17が設けられている。
【0077】
下段部15cに対して、上段部15bを挟んだ反対側の側面15dに、絶縁膜16を介してp側電極17が設けられている。p側電極17は、上段部15bの第2の主面から側面15d側にかけて連続して形成されている。
【0078】
p側電極17にはn側電極18に対して高電位(正電位)が印加される。そして、n側電極18から第1の半導体層11に注入された電子は、側面15d側に設けられたp側電極17の電位に引かれて、図13(a)において破線矢印で表すように、発光層12におけるn側電極18に対して離れた部分にも効率よく注入される。
【0079】
したがって、発光層12においてn側電極18に近い側に電子が集中するのを抑制し、発光層12における面方向の電流分布の均一化を図れ、局所的な電流密度の増加を抑制できる。すなわち、電子がより効率よく発光に寄与し発光効率が向上する。
【0080】
なお、図13(a)及び(b)に示す構造では、n側電極18は第2の主面上にしか設けられていないが、前述した実施形態と同様に下段部15cの側面にn側電極18を形成してもよい。その場合、p側電極17とn側電極18とが側面15dで接触しないように、絶縁膜によって両電極17、18を隔てる。
【0081】
前述した各実施形態において、基板10をすべて除去しないで、薄く研削した上で第1の主面15a上に残してもよい。基板10を薄層化して残すことにより、基板10をすべて除去する構造よりも機械的強度を高めることができ、信頼性の高い構造とすることができる。また、基板10が残っていることで、個片化した後の反りを抑制でき、回路基板等への実装が容易になる。
【0082】
以上、実施形態について説明したが、本発明は、それらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて種々の変形、代用、省略が可能である。
【0083】
赤色蛍光体層は、例えば、窒化物系蛍光体CaAlSiN3:Euやサイアロン系蛍光体を含有することができる。
サイアロン系蛍光体を用いる場合、特に、
(M1−x,Rx)a1AlSib1Oc1Nd1・・・組成式(1)
(MはSi及びAlを除く少なくとも1種の金属元素であり、特に、Ca若しくはSrの少なくとも一方が望ましい。Rは発光中心元素であり、特に、Euが望ましい。x、a1、b1、c1、d1は、次の関係を満たす。0<x≦1、0.6<a1<0.95、2<b1<3.9、0.25<c1<0.45、4<d1<5.7)を用いることが好ましい。
組成式(1)で表されるサイアロン系蛍光体を用いることで、波長変換効率の温度特性が向上し、大電流密度領域での効率をさらに向上させることができる。
【0084】
黄色蛍光体層は、例えば、シリケート系蛍光体(Sr,Ca,Ba)2SiO4:Euを含有することができる。
【0085】
緑色蛍光体層は、例えば、ハロ燐酸系蛍光体(Ba,Ca,Mg)10(PO4)6・Cl2:Euやサイアロン系蛍光体を含有することができる。
サイアロン系蛍光体を用いる場合、特に、
(M1−x,Rx)a2AlSib2Oc2Nd2・・・組成式(2)
(MはSi及びAlを除く少なくとも1種の金属元素であり、特に、Ca若しくはSrの少なくとも一方が望ましい。Rは発光中心元素であり、特に、Euが望ましい。x、a2、b2、c2、d2は、次の関係を満たす。0<x≦1、0.93<a2<1.3、4.0<b2<5.8、0.6<c2<1、6<d2<11)を用いることが好ましい。
組成式(2)で表されるサイアロン系蛍光体を用いることで、波長変換効率の温度特性が向上し、大電流密度領域での効率をさらに向上させることができる。
【0086】
青色蛍光体層は、例えば、酸化物系蛍光体BaMgAl10O17:Euを含有することができる。
【0087】
実施形態によれば、半導体発光装置の製造方法は、
基板上に、第1の主面と、その反対側に形成された第2の主面と、発光層とを含む半導体層を形成する工程と、
前記基板上で前記半導体層を複数に分離する分離溝を形成する工程と、
前記半導体層の前記第2の主面に、第1の電極を形成する工程と、
前記分離溝に隣接する側面であって、前記半導体層における前記発光層と前記第1の主面との間の部分の側面に、第2の電極を形成する工程と、
前記半導体層の前記第2の主面側に、前記第1の電極及び前記第2の電極を覆う第1の絶縁層を形成する工程と、
前記第1の絶縁層に、前記第1の電極に達する第1の開口と、前記側面に設けられた前記第2の電極に達する第2の開口とを形成する工程と、
前記第2の主面に対する反対側の前記第1の絶縁層上及び前記第1の開口内に、第1の配線層を形成する工程と、
前記第2の主面に対する反対側の前記第1の絶縁層上及び前記第2の開口内に、第2の配線層を形成する工程と、
前記第1の配線層における前記第1の電極に対する反対側の面に、第1の金属ピラーを形成する工程と、
前記第2の配線層における前記第2の電極に対する反対側の面に、第2の金属ピラーを形成する工程と、
前記第1の金属ピラーの周囲及び前記第2の金属ピラーの周囲を覆う第2の絶縁層を形成する工程と、
を備えた。
【0088】
また、前記半導体層の前記第2の主面側に、前記発光層を含む上段部と、前記発光層を含まない下段部とを形成する工程をさらに備えた。
【0089】
また、前記第2の電極を、前記下段部の側面に形成する。
【0090】
また、前記第2の電極を、前記下段部の上面にも形成する。
【0091】
また、前記下段部を貫通して前記基板に達する溝を形成する工程をさらに備え、前記第2の電極を、前記溝の側面にも形成する。
【0092】
また、前記分離溝内に、前記絶縁層として樹脂を埋め込み、前記分離溝内の前記樹脂を切断して個片化する。
【符号の説明】
【0093】
9…分離溝、10…基板、12…発光層、15…半導体層、15a…第1の主面、15b…上段部、15c…下段部、15d…側面、16…絶縁膜、17…p側電極、18…n側電極、19…絶縁層、21…p側配線層、22…n側配線層、23…樹脂層、24…p側金属ピラー、25…n側金属ピラー、26…蛍光体層、41…溝
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の主面と、その反対側に形成された第2の主面と、発光層とを含む半導体層と、
前記半導体層の前記第2の主面に設けられた第1の電極と、
前記半導体層における前記発光層と前記第1の主面との間の部分の側面に設けられた第2の電極と、
前記半導体層の前記第2の主面側に設けられ、前記第1の電極に達する第1の開口と、前記側面に設けられた前記第2の電極に達する第2の開口とを有する第1の絶縁層と、
前記第2の主面に対する反対側の前記第1の絶縁層上及び前記第1の開口内に設けられ、前記第1の電極と接続された第1の配線層と、
前記第2の主面に対する反対側の前記第1の絶縁層上及び前記第2の開口内に設けられ、前記側面に設けられた前記第2の電極と接続された第2の配線層と、
前記第1の配線層における前記第1の電極に対する反対側の面に設けられた第1の金属ピラーと、
前記第2の配線層における前記第2の電極に対する反対側の面に設けられた第2の金属ピラーと、
前記第1の金属ピラーの周囲及び前記第2の金属ピラーの周囲を覆う第2の絶縁層と、
を備えたことを特徴とする半導体発光装置。
【請求項2】
前記第2の電極は、前記側面を連続して囲んで設けられていることを特徴とする請求項1記載の半導体発光装置。
【請求項3】
前記第2の電極は、前記第2の主面上にも設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
前記第1の電極の面積は、前記第2の主面上の前記第2の電極の面積よりも大きいことを特徴とする請求項3記載の半導体発光装置。
【請求項5】
前記半導体層は、前記発光層を含む上段部と、前記発光層を含まない下段部とを有し、前記上段部の前記第2の主面に前記第1の電極が設けられ、前記下段部の側面に前記第2の電極が設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項6】
前記下段部に溝が形成され、
前記第2の電極は、前記溝の側面にも設けられたことを特徴とする請求項5記載の半導体発光装置。
【請求項7】
前記第2の電極は、前記溝の底部にも設けられたことを特徴とする請求項6記載の半導体発光装置。
【請求項8】
前記第2の配線層は、前記溝内における前記第2の電極の内側にも設けられたことを特徴とする請求項6または7に記載の半導体発光装置。
【請求項9】
前記側面は、前記第1の主面及び前記第2の主面に対して傾斜し、
前記第2の開口における前記側面の横の部分の幅は、前記第1の主面側から前記第2の主面側に向かって漸次大きくなっていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項10】
前記第2の配線層において、前記第2の主面上の前記第2の電極と接続する面よりも、前記第2の主面上の前記第2の電極に対する反対側の面が大きいことを特徴とする請求項3〜9のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項11】
前記第2の電極において、前記半導体層の前記側面に設けられた部分の面積は、前記第2の主面上に設けられた部分の面積よりも大であることを特徴とする請求項3〜10のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項12】
第1の主面と、その反対側に形成された第2の主面と、側面と、発光層とを含む半導体層と、
前記側面に設けられた絶縁膜と、
前記第2の主面における前記発光層を有する領域、および前記絶縁膜に設けられた第1の電極と、
前記第2の主面における前記発光層の外周よりも外側に設けられた第2の電極と、
前記半導体層の前記第2の主面側に設けられ、前記第1の電極に達する第1の開口と、前記第2の電極に達する第2の開口とを有する第1の絶縁層と、
前記第2の主面に対する反対側の前記第1の絶縁層上及び前記第1の開口内に設けられ、前記第1の電極と接続された第1の配線層と、
前記第2の主面に対する反対側の前記第1の絶縁層上及び前記第2の開口内に設けられ、前記第2の電極と接続された第2の配線層と、
前記第1の配線層における前記第1の電極に対する反対側の面に設けられた第1の金属ピラーと、
前記第2の配線層における前記第2の電極に対する反対側の面に設けられた第2の金属ピラーと、
前記第1の金属ピラーの周囲及び前記第2の金属ピラーの周囲を覆う第2の絶縁層と、
を備えたことを特徴とする半導体発光装置。
【請求項13】
前記半導体層は、前記発光層を含む上段部と、前記発光層を含まない下段部とを有し、前記上段部の前記第2の主面に前記第1の電極が設けられ、前記下段部の前記第2の主面に前記第2の電極が設けられたことを特徴とする請求項12記載の半導体発光装置。
【請求項14】
前記下段部に対して前記上段部を挟んだ反対側の前記側面に、前記絶縁膜を介して前記第1の電極が設けられたことを特徴とする請求項13記載の半導体発光装置。
【請求項15】
前記第1の電極は、前記第2の主面から前記側面側にかけて連続して形成されていることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項16】
前記第1の金属ピラー及び前記第2の金属ピラーのそれぞれの厚みは、前記半導体層、前記第1の電極、前記第2の電極、前記絶縁層、前記第1の配線層及び前記第2の配線層を含む積層体の厚みよりも厚いことを特徴とする請求項1〜15のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項1】
第1の主面と、その反対側に形成された第2の主面と、発光層とを含む半導体層と、
前記半導体層の前記第2の主面に設けられた第1の電極と、
前記半導体層における前記発光層と前記第1の主面との間の部分の側面に設けられた第2の電極と、
前記半導体層の前記第2の主面側に設けられ、前記第1の電極に達する第1の開口と、前記側面に設けられた前記第2の電極に達する第2の開口とを有する第1の絶縁層と、
前記第2の主面に対する反対側の前記第1の絶縁層上及び前記第1の開口内に設けられ、前記第1の電極と接続された第1の配線層と、
前記第2の主面に対する反対側の前記第1の絶縁層上及び前記第2の開口内に設けられ、前記側面に設けられた前記第2の電極と接続された第2の配線層と、
前記第1の配線層における前記第1の電極に対する反対側の面に設けられた第1の金属ピラーと、
前記第2の配線層における前記第2の電極に対する反対側の面に設けられた第2の金属ピラーと、
前記第1の金属ピラーの周囲及び前記第2の金属ピラーの周囲を覆う第2の絶縁層と、
を備えたことを特徴とする半導体発光装置。
【請求項2】
前記第2の電極は、前記側面を連続して囲んで設けられていることを特徴とする請求項1記載の半導体発光装置。
【請求項3】
前記第2の電極は、前記第2の主面上にも設けられたことを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光装置。
【請求項4】
前記第1の電極の面積は、前記第2の主面上の前記第2の電極の面積よりも大きいことを特徴とする請求項3記載の半導体発光装置。
【請求項5】
前記半導体層は、前記発光層を含む上段部と、前記発光層を含まない下段部とを有し、前記上段部の前記第2の主面に前記第1の電極が設けられ、前記下段部の側面に前記第2の電極が設けられたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項6】
前記下段部に溝が形成され、
前記第2の電極は、前記溝の側面にも設けられたことを特徴とする請求項5記載の半導体発光装置。
【請求項7】
前記第2の電極は、前記溝の底部にも設けられたことを特徴とする請求項6記載の半導体発光装置。
【請求項8】
前記第2の配線層は、前記溝内における前記第2の電極の内側にも設けられたことを特徴とする請求項6または7に記載の半導体発光装置。
【請求項9】
前記側面は、前記第1の主面及び前記第2の主面に対して傾斜し、
前記第2の開口における前記側面の横の部分の幅は、前記第1の主面側から前記第2の主面側に向かって漸次大きくなっていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項10】
前記第2の配線層において、前記第2の主面上の前記第2の電極と接続する面よりも、前記第2の主面上の前記第2の電極に対する反対側の面が大きいことを特徴とする請求項3〜9のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項11】
前記第2の電極において、前記半導体層の前記側面に設けられた部分の面積は、前記第2の主面上に設けられた部分の面積よりも大であることを特徴とする請求項3〜10のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項12】
第1の主面と、その反対側に形成された第2の主面と、側面と、発光層とを含む半導体層と、
前記側面に設けられた絶縁膜と、
前記第2の主面における前記発光層を有する領域、および前記絶縁膜に設けられた第1の電極と、
前記第2の主面における前記発光層の外周よりも外側に設けられた第2の電極と、
前記半導体層の前記第2の主面側に設けられ、前記第1の電極に達する第1の開口と、前記第2の電極に達する第2の開口とを有する第1の絶縁層と、
前記第2の主面に対する反対側の前記第1の絶縁層上及び前記第1の開口内に設けられ、前記第1の電極と接続された第1の配線層と、
前記第2の主面に対する反対側の前記第1の絶縁層上及び前記第2の開口内に設けられ、前記第2の電極と接続された第2の配線層と、
前記第1の配線層における前記第1の電極に対する反対側の面に設けられた第1の金属ピラーと、
前記第2の配線層における前記第2の電極に対する反対側の面に設けられた第2の金属ピラーと、
前記第1の金属ピラーの周囲及び前記第2の金属ピラーの周囲を覆う第2の絶縁層と、
を備えたことを特徴とする半導体発光装置。
【請求項13】
前記半導体層は、前記発光層を含む上段部と、前記発光層を含まない下段部とを有し、前記上段部の前記第2の主面に前記第1の電極が設けられ、前記下段部の前記第2の主面に前記第2の電極が設けられたことを特徴とする請求項12記載の半導体発光装置。
【請求項14】
前記下段部に対して前記上段部を挟んだ反対側の前記側面に、前記絶縁膜を介して前記第1の電極が設けられたことを特徴とする請求項13記載の半導体発光装置。
【請求項15】
前記第1の電極は、前記第2の主面から前記側面側にかけて連続して形成されていることを特徴とする請求項12〜14のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【請求項16】
前記第1の金属ピラー及び前記第2の金属ピラーのそれぞれの厚みは、前記半導体層、前記第1の電極、前記第2の電極、前記絶縁層、前記第1の配線層及び前記第2の配線層を含む積層体の厚みよりも厚いことを特徴とする請求項1〜15のいずれか1つに記載の半導体発光装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−249425(P2011−249425A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−118697(P2010−118697)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]