説明

半導体装置の検査方法および検査装置

【課題】半導体ウエハ上に形成された半導体装置の特性不良を精度よく検出することができる半導体装置の検査方法および検査装置を提供すること。
【解決手段】実施形態によれば、第1ウエハ検査工程と、2ウエハ検査工程と、判定工程とを含む半導体装置の検査方法が提供される。第1ウエハ検査工程は、複数個の半導体装置に同時にプローブ針を接触させるプローブカードを用いて半導体ウエハ上に形成された半導体装置の特性を検査する。第2ウエハ検査工程は、第1ウエハ検査工程によって特性不良と判定された半導体装置の半導体ウエハ上の分布に基づいて、プローブカードの半導体ウエハに対する位置を第1ウエハ検査工程の位置からずらして、半導体装置の特性を再検査する。判定工程は、第2ウエハ検査工程による再検査の結果に基づいて、半導体装置の特性不良のうち、複数個の半導体装置単位で行われる製造処理において生じる特性不良を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置の検査方法および検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体製造プロセスの微細化およびウエハの大口径化により、1枚の半導体ウエハ上に非常に多くの半導体装置が形成されるようになってきた。その結果、半導体ウエハ上に形成された半導体装置のそれぞれの特性を検査するウエハ検査の時間が増大する傾向にある。
【0003】
かかるウエハ検査の時間短縮を図るために、多くのプローブ針(検査針)を有するプローブカードによって、同時に複数個の半導体装置にプローブ針を接触させて複数個の半導体装置の特性を同時に検査する多数個検査が実施されている。
【0004】
このようなウエハ検査においては、例えば、磨耗やごみ付着などによって特定のプローブ針の接触不良が発生したり、プローブカードに接続されたパフォーマンスボード内の特定の接続端子に接続不良などが発生したりする場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−038547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、半導体ウエハ上に形成された半導体装置の特性不良を精度よく検出することができる半導体装置の検査方法および検査装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、第1ウエハ検査工程と、2ウエハ検査工程と、判定工程とを含む半導体装置の検査方法が提供される。前記第1ウエハ検査工程は、複数個の半導体装置に同時にプローブ針を接触させるプローブカードの半導体ウエハに対する位置を移動させながら、前記複数個単位で前記半導体ウエハ上に形成された半導体装置の特性を検査する。前記第2ウエハ検査工程は、前記第1ウエハ検査工程によって特性不良と判定された半導体装置の前記半導体ウエハ上の分布に基づいて、前記プローブカードの半導体ウエハに対する位置を前記第1ウエハ検査工程の位置からずらして、前記半導体装置の特性を再検査する。前記判定工程は、前記第2ウエハ検査工程による再検査の結果に基づいて、前記半導体装置の特性不良のうち、複数個の半導体装置単位で行われる製造処理において生じる特性不良を判定する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施形態にかかる検査方法の説明図。
【図2】プローブ針の接触不良によって生じる誤判定の一例を示す図。
【図3】製造工程によって生じる特性不良に対する判定方法の一例を示す説明図。
【図4】実施形態にかかる検査装置の模式図。
【図5】実施形態にかかる検査管理装置の構成図。
【図6】実施形態にかかるプローブカードと半導体装置の位置との関係を示す図。
【図7】実施形態にかかるプローブカードと半導体ウエハ上の半導体装置の位置との関係を示す図。
【図8】半導体ウエハ上に形成される半導体装置の特性不良の分布の一例を示す図。
【図9】露光工程と半導体装置の位置との関係を示す図。
【図10】半導体装置の特性不良の分布の一例を示す図。
【図11】半導体装置の特性不良と露光位置およびDUT位置との関係例を示す図。
【図12】半導体装置の特性不良の分布の一例を示す図。
【図13】半導体装置の特性不良と露光位置およびDUT位置との関係例を示す図。
【図14】半導体装置の特性不良の分布の一例を示す図。
【図15】半導体装置の特性不良と露光位置およびDUT位置との関係例を示す図。
【図16】半導体装置の特性不良の分布の一例を示す図。
【図17】半導体装置の特性不良と露光位置およびDUT位置との関係例を示す図。
【図18】半導体装置の特性不良の分布の一例を示す図。
【図19】半導体装置の特性不良と露光位置およびDUT位置との関係例を示す図。
【図20】実施形態にかかる検査装置が実行する処理手順を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、実施形態にかかる半導体装置の検査方法および検査装置を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によって本発明が限定されるものではない。また、以下では、半導体装置の検査方法を単に「検査方法」と、半導体装置の検査装置を単に「検査装置」と、それぞれ記載する。
【0010】
まず、実施形態にかかる検査方法を、図1、図2および図3を用いて説明する。図1は、実施形態にかかる検査方法の説明図、図2は、プローブ針の接触不良によって生じる特性不良の誤判定の一例を示す説明図、図3は、製造工程によって生じる特性不良に対する判定方法の一例を示す説明図である。
【0011】
実施形態にかかる検査方法は、パフォーマンスボードに取り付けられたプローブカードを用いて、半導体ウエハ上に形成された半導体装置を検査するウエハ検査を行う。
【0012】
プローブカードは、多くのプローブ針を有しており、同時に複数個の被検査半導体装置(Device Under Test:DUT)にプローブ針を接触させることができる。これにより、同時に複数個の半導体装置の特性を検査する多数個検査を可能としている。
【0013】
具体的には、図1に示すように、プローブカードは、X方向に2個分、かつY方向に2個分の合計4個分の半導体装置に対して同時にプローブ針を接触させることができる。ここでは、説明の便宜上、プローブカードのプローブ針に同時に接触する4個のDUT位置をDUT位置p1〜p4として規定する。
【0014】
そして、実施形態にかかるウエハ検査では、プローブカードと半導体ウエハとの相対位置を変えながら、4個の半導体装置単位で特性検査を行っており、これにより、1つずつ半導体装置を検査する検査方法に比べて、ウエハ検査の時間を短縮することができる。
【0015】
なお、同時に検査できる半導体装置の数はこれに限られるものではなく、2個以上の半導体装置を同時に検査できればよく、例えば、X方向に3個分、かつY方向に2個分の合計で6個の半導体装置に同時にプローブ針を接触できるプローブカードとしてもよい。
【0016】
かかるウエハ検査においては、例えば、特定のプローブ針の接触不良が発生したり、プローブカードに接続されたパフォーマンスボード内の特定の接続端子に接続不良などが発生したりする場合がある。特定のプローブ針の接触不良や特定の接続端子の接続不良が発生した場合、同時に検査される半導体装置のうち特定位置の半導体装置が特性不良として誤判定される場合がある。
【0017】
かかる特性不良はプローブカードに対する半導体装置の位置に応じて発生する。例えば、プローブカードのうちDUT位置p1の半導体装置に対するプローブ針の接触が良好でない場合、図2(a)に示すように、DUT位置p1にある半導体装置の特性不良が多く検出される。
【0018】
なお、図2(a)においては、半導体ウエハに形成される半導体装置のうち、X方向に4列分(X1〜X4)かつY方向に4行分(Y1〜Y4)の半導体装置に対するプローブカードの位置関係と、特性不良として検出される半導体装置との位置を示している。
【0019】
このように、プローブカードの特定位置に対応した特性不良が検出される場合、実際の半導体装置は特性不良でなく、誤判定した可能性がある。
【0020】
そこで、半導体ウエハに対するプローブカードの位置をX方向に半導体装置1個分だけずらして再検査した場合、例えば、図2(b)に示す結果になる。図2(b)に示すような結果になった場合、プローブカードのうちDUT位置p1に関する検査に問題があり、特性不良の判定が検査側の誤判定であることを検出できる。
【0021】
ところが、半導体ウエハ上に形成される半導体装置の特性不良は、検査工程以前の製造装置のゆらぎなどに起因して、半導体ウエハにおいて規則的な不良分布を有することがある。
【0022】
例えば、半導体ウエハ上にパターンを形成する際に露光装置によって行われる露光処理は、複数個の半導体装置を一つの露光処理単位とし、かかる露光処理を複数個の半導体装置ごとに行う。そして、露光位置によってフォトマスクの形状や露光強度などの露光条件が異なる場合、同時に露光される半導体装置間で露光結果にばらつきが発生する。
【0023】
このように、同時に露光される半導体装置間で露光結果にばらつきが発生すると、特性不良となる半導体装置が半導体ウエハ上に露光位置に応じた分布で発生する場合がある。そのため、検査側の誤判定なのか、露光処理に起因する特性不良なのかを精度よく判定できない恐れがある。このことは、露光処理に限らず、例えば、複数個の半導体装置単位ごとに製造処理を行う場合にも発生する恐れがある。また、半導体ウエハの最外周など半導体ウエハの特定の位置にプローブカードの特定のDUT位置が偏りやすい場合など、DUT位置と半導体ウエハ上の位置との関係に偏りがある場合にも、発生する恐れがある。
【0024】
ここで、露光装置による露光処理が、図1に示すように、X方向で2個、かつY方向で2個の合計4個の半導体装置に対して同時に行われるとする。なお、説明の便宜上、同時に露光される4個の半導体装置の位置を露光位置a〜dとして規定する。
【0025】
そして、図3(a)に示すような位置の半導体装置が特性不良と判定されたとする。すなわち、X1:Y1の位置、X1:Y3の位置、X4:Y1の位置およびX4:Y3の位置でそれぞれ半導体装置の特性不良が判定されたとする。この場合、プローブカードにおけるDUT位置p1およびDUT位置p2で特性不良と判定される半導体装置の数が多いため、検査側の誤判定の可能性がある。
【0026】
しかし、露光処理において、同時露光範囲が、[X1〜X2:Y1〜Y2]の範囲、[X1〜X2:Y3〜Y4]の範囲、[X3〜X4:Y1〜Y2]の範囲、[X3〜X4:Y3〜Y4]の範囲であるとした場合、露光位置aおよび露光位置b(図1参照)の半導体装置の一部が特性不良と判定されている。
【0027】
このような状況において、上述したように、半導体ウエハに対するプローブカードの位置をX方向に半導体装置1個分だけずらして半導体ウエハ上の半導体装置の特性を再検査したとする。かかる再検査を行った結果が図3(b)に示す結果になった場合、再検査でもDUT位置p1およびDUT位置p2で特性不良と判定される半導体装置の数が多い。
【0028】
半導体装置の実際特性が正常と判定される範囲のぎりぎりにあるような場合、検査環境によって同じ半導体装置でも特性不良と判定したりしなかったりする。そのため、再検査を行った結果が図3(b)に示す結果になった場合でも検査側の誤判定の可能性は排除することができない。
【0029】
そこで、実施形態にかかる検査方法では、特性不良と判定された半導体装置の半導体ウエハ上の分布に基づいて、ウエハ検査を再度実施するようにしている。例えば、初回のウエハ検査の結果が図3(a)に示す結果となった場合、X方向に連続する半導体装置が特性不良として判定される数が多い。そこで、例えば、X方向に加えY方向へも半導体装置1個分だけずらして再検査を行うようにする。
【0030】
かかる再検査の結果が例えば、図3(c)に示す結果となった場合、特性不良の判定が検査側の誤判定ではなく、製造処理に起因することを判定することができる。一方、図3(d)に示す結果となった場合、特性不良の判定が製造処理に起因するものではなく、検査側の誤判定によるものであることを判定することができる。また、Y方向に連続して半導体装置が特性不良として判定された場合、X方向へ半導体装置1個分だけずらして再検査を行うようにする。
【0031】
このように、実施形態にかかる検査方法では、規則的な特性不良の判定が製造処理に起因するものか、検査側の誤判定によるものであるかを精度よく検出することができる。そのため、半導体ウエハ上に形成された半導体装置の特性不良を精度よく検出することができる。
【0032】
以下、実施形態にかかる検査方法および検査装置について、さらに具体的に説明する。図4は、実施形態にかかる検査装置の模式図であり、図5は、実施形態にかかる検査管理装置の構成図である。
【0033】
図4に示すように、実施形態にかかる検査装置10は、検査処理装置11と検査管理装置12を備える。なお、ここでは、検査処理装置11と検査管理装置12とに分けているが、一例に過ぎず、検査装置10の構成はこれに限られるものではない。
【0034】
検査処理装置11は、プローブ部20と、載置ユニット30とを備える。さらに、プローブ部20は、テストヘッド21と、パフォーマンスボード22と、装着部材23と、プローブカード24とを備える。
【0035】
テストヘッド21は、半導体ウエハW上に形成された半導体装置に印加する電源電圧および電気信号を生成し、かかる電気信号に対して半導体装置から出力される電気信号を取得する。また、テストヘッド21は、半導体装置から取得した電気信号に基づいて半導体装置の電気的特性の良否を判定する。なお、テストヘッド21が判定する電気的特性の良否判定は、検査管理装置12側で行ってもよい。
【0036】
パフォーマンスボード22は、テストヘッド21とプローブカード24との間の信号の受け渡しを行う。かかるパフォーマンスボード22の下側にはプローブカード24を装着する装着部材23が設けられている。装着部材23の下側には、プローブカード24を嵌め込むための凹部が設けられ、かかる凹部内にプローブカード24が嵌め込まれる。
【0037】
プローブカード24は、N個の半導体装置に形成された複数のパッドのそれぞれに接触させる複数のプローブ針25を有しており、半導体ウエハW上に形成されたN個の半導体装置のそれぞれの入力パッドにプローブ針25から電気信号を印加する。また、プローブカード24は、さらにN個の半導体装置の出力パッドからそれぞれ出力された複数の電気信号をプローブ針25によって取得し、パフォーマンスボード22へ送る。
【0038】
載置ユニット30は、半導体ウエハWを上面に吸着するステージ31と、ステージ31を図示しない複数のモータによってX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向に移動させる移動機構32とを備えている。
【0039】
検査管理装置12は、検査処理装置11に半導体装置の検査を行わせ、検査処理装置11から出力される検査結果に基づいて半導体装置の再検査を実行させる。
【0040】
かかる検査管理装置12は、図5に示すように、制御部40と、記憶部41とを備える。さらに、制御部40は、第1検査処理部40aと、特性不良分布解析部40bと、第2検査条件決定部40cと、第2検査処理部40dと、判定部40eとを備える。
【0041】
また、記憶部41は、第1検査条件データ41aと、第1検査結果データ41bと、特性不良分布データ41cと、第2検査条件データ41dと、第2検査結果データ41eとを記憶する記憶領域を有する。
【0042】
第1検査処理部40aは、記憶部41から第1検査条件データ41aを読み出し、かかる第1検査条件データ41aに基づいて、検査処理装置11に第1ウエハ検査を実行させる。第1検査条件データ41aには、プローブカード24で同時に検査するN個以下の半導体装置の組(以下、検査グループと記載する)の情報が含まれている。
【0043】
ここでは、図6に示すように、行方向にX方向で3個、かつY方向で2個の合計6個の半導体装置に対してプローブ針25を同時に接触させるプローブカード24を用いる例を説明する。図6は、プローブカード24と半導体装置の位置との関係を示す図であり、以下においては、図6に示す1〜6の位置をそれぞれDUT位置1〜6として規定する。
【0044】
そして、第1検査条件データ41aには、図7に示すように、検査グループの情報が含まれる。図7は、プローブカード24のDUT位置1〜6と半導体ウエハW上の半導体装置の位置との関係を示す図である。図7に示す1〜6の番号は、図6に示すプローブカード24のDUT位置1〜6に対応するものである。第1検査条件データ41aには、検査グループの検査順番の情報が含まれる。なお、検査グループの検査順番は、プローブカード24のプローブ針25による検査グループへの接触順番である。
【0045】
図5に示す第1検査処理部40aは、第1検査条件データ41aに規定された接触順番に従った順番で半導体装置を検査グループ単位で検査処理装置11に検査を実行させ、半導体ウエハW上に形成された全ての半導体装置の特性を検査処理装置11に検査させる。そして、第1検査処理部40aは、かかる第1ウエハ検査の結果を検査処理装置11から取得し第1検査結果データ41bとして記憶部41に記憶する。
【0046】
特性不良分布解析部40bは、記憶部41に記憶された第1検査結果データ41bを読み出し、かかる第1検査結果データ41bに基づき、第1ウエハ検査において特性不良として検出された半導体装置の半導体ウエハW上の分布(以下、特性不良チップ分布と記載する)を解析する。そして、特性不良分布解析部40bは、特性不良チップ分布を解析し、かかる特性不良チップ分布が規則的な分布を示すものであるかを判定する。
【0047】
例えば、図8に示すように、半導体ウエハW上に特性不良の半導体装置が分布しているとする。この場合、DUT位置1の半導体装置とDUT位置4の半導体装置とが特性不良となっている数が多いため、特性不良分布解析部40bは、特性不良チップ分布が規則的な分布を示すものであると判定する。図8は、半導体ウエハW上に形成される半導体装置の特性不良の分布の一例を示す図である。
【0048】
特性不良分布解析部40bは、このように解析した特性不良チップ分布を特性不良分布データ41cとして、記憶部41に記憶する。
【0049】
第2検査条件決定部40cは、記憶部41に記憶された特性不良分布データ41cを読み出し、かかる特性不良分布データ41cに基づいて、再検査である第2ウエハ検査の条件を含む第2検査条件データ41dを生成する。
【0050】
すなわち、第2検査条件決定部40cでは、特性不良チップ分布に規則的な特性不良の分布が見られる場合に、かかる特性不良チップ分布の原因が、プローブカード24を含む検査装置10に起因するものであるのかを判定可能とする検査条件を第2検査条件データ41dとして生成する。一方、第2検査条件決定部40cは、特性不良チップ分布に規則的な特性不良の分布が見られない場合には、第2検査条件データ41dを記憶部41に記憶しない。
【0051】
半導体ウエハW上に形成される半導体装置は、一部の製造工程において、複数個単位で製造処理が行われる。ここでは、露光装置による露光処理の工程において、図9に示すように、X方向で3個、かつY方向で4個の合計12個の半導体装置に対して同時に行われるものとする。図9は、露光工程と半導体装置の位置との関係を示す図である。説明の便宜上、図9に示すように、同時に露光される12個の半導体装置のそれぞれの位置を露光位置a〜lとして規定する。
【0052】
また、同時に露光される半導体装置の組(以下、露光グループと記載する)が図10に示すような状態であるとする。図10は、半導体装置の特性不良の分布の一例を示す図である。図10に示すアルファベットは、図9に示す露光処理単位の露光位置a〜lに対応する。
【0053】
また、図10に示す半導体装置の特性不良は、図8に示す半導体装置の特性不良と同じである。すなわち、図8は、半導体装置の位置をプローブカード24のDUT位置1〜6の位置と対応させて表し、図10は、半導体装置の位置を同時露光工程の露光位置a〜lの位置と対応させて表している。
【0054】
図11は、図8および図10に示す特性不良の分布状態の半導体ウエハWについて、同時露光工程の露光位置a〜lに対する特性不良、および、プローブ部20のDUT位置1〜6に対する特性不良をそれぞれ集計した表である。図11に示すように、DUT位置1の半導体装置およびDUT位置4の半導体装置が特性不良となっている数が多く、また、露光位置aの半導体装置、露光位置dの半導体装置および露光位置gの半導体装置が特性不良となっている数が多い。
【0055】
したがって、第1ウエハ検査の結果からは、規則的に分布する特性不良が検査装置10に起因するものなのか露光工程に起因するものなのかを区別することが難しい。
【0056】
そこで、図5に示す第2検査条件決定部40cは、第1ウエハ検査において規定した検査グループとは異なる検査グループを規定する。すなわち、第2検査条件決定部40cは、同時にプローブカード24のプローブ針25を接触させる6個の半導体装置のうちいくつかの半導体装置を置き換える。
【0057】
具体的には、第2検査条件決定部40cは、第1ウエハ検査におけるプローブカード24の位置(図7参照)をずらして新たな検査グループを規定する。この際、第2検査条件決定部40cは、第1ウエハ検査における特性不良分布データ41c、検査グループの情報および露光処理単位の情報に基づいて、第1ウエハ検査におけるプローブカード24の位置をどのようにずらして新たな検査グループを規定するかを判定する。
【0058】
図8および図10に示す特性不良の分布である場合、プローブカード24のDUT位置の観点からは、Y方向に2つ連続するDUT位置1,4の半導体装置に不良が多い。また、同時露光処理における露光位置の観点からは、Y方向に3つ連続する露光位置a,d,gの半導体装置に不良が多い。
【0059】
このような特性不良の分布の場合に、第1ウエハ検査におけるプローブカード24の位置をY方向に半導体装置1個だけにずらして第2ウエハ検査を行った場合、その第2ウエハ検査の結果は、例えば、図12に示すような結果となる。図13は、かかる第2ウエハ検査において、同時露光工程の露光位置a〜lに対する特性不良、および、プローブカード24のDUT位置1〜6に対する特性不良をそれぞれ集計した表である。
【0060】
図13に示すように、第1ウエハ検査におけるプローブカード24の位置をY方向に半導体装置1個分だけずらして第2ウエハ検査を行った場合、第1ウエハ検査と同様に、DUT位置1,4の半導体装置に特性不良が多く、露光位置a,d,gの半導体装置に特性不良が多い。したがって、第2ウエハ検査を行っても、第1ウエハ検査において検出された特性不良が検査装置10に起因するものなのか露光工程に起因するものなのかを区別することが難しい。
【0061】
特に、特定のDUT位置に必ず特性不良が出現する場合、露光位置を考慮せずとも、検査装置10に起因するものであることを判定しやすいが、上述したように、特定のDUT位置で特性不良が出現したりしなかったりすることも多い。例えば、プローブ針25の摩耗程度やごみの付着程度によっては、特性不良が発生したりしなかったりする。また、特性を良品として判定する範囲が狭いような場合、プローブ針25の接触が少しでも悪ければ特性不良と判定される場合がある。
【0062】
そのため、複数の半導体ウエハWを検査した結果を重ね合わせた場合に初めて図8に示すような特性不良分布を示すことも多い。このような場合、特性不良が検査装置10に起因するものなのか否かを判断することが難しい。
【0063】
また、DUT位置と露光位置との関係が一定でない場合も多く、このような場合に、仮に露光工程に起因する特性不良があっても、露光工程に起因するか否かを判断することが難しい。しかも、露光工程の条件によって、特性不良の出現率が変わるような場合には、露光工程に起因するか否かの判断がさらに難しくなる。
【0064】
例えば、図10に示す例では、[Y7〜Y10:X4〜X6]における露光位置a〜fは、それぞれDUT位置1〜6(図8参照)に対応し、露光位置g〜lは、それぞれDUT位置1〜6(図8参照)に対応する。一方、[Y3〜Y6:X4〜X6]における露光位置a〜fは、それぞれDUT位置3,1,2,6,4,5(図8参照)に対応し、露光位置g〜lは、それぞれDUT位置1〜6(図8参照)に対応する。
【0065】
このように、特性不良の発生頻度やDUT位置と露光位置の関係などによって、特性不良が検査装置10に起因するものなのか露光工程に起因するものなのかを区別することが難しい。
【0066】
そこで、第2検査条件決定部40cは、図11に示すような特性不良の集計結果に基づいて、特性不良が所定数以上のDUT位置および露光位置から、第1ウエハ検査におけるプローブカード24の位置をどのようにずらして新たな検査グループを規定するかを決定する。
【0067】
図11に示す例では、DUT位置1,4の半導体装置および露光位置a,d,gの半導体装置に特性不良が多い傾向が見られる。そして、上述のように、第1ウエハ検査におけるプローブカード24の位置をY方向に半導体装置1個分だけずらした場合には、特性不良の要因を判断することが難しい。
【0068】
そこで、図11に示すような特性不良がある場合、第2検査条件決定部40cは、第1ウエハ検査におけるプローブカード24の位置をY方向に加えさらにX方向に半導体装置1個分だけずらした新たな検査グループを規定する。
【0069】
このように、第2検査条件決定部40cは、特性不良が所定数以上であるDUT位置と露光位置とから、第1ウエハ検査におけるプローブカード24の位置をどのようにずらすかを決定するようにしている。第2検査条件決定部40cは、このように決定したプローブカード24の位置から、複数の新たな検査グループを決定し、かかる複数の新たな検査グループの検査順番を決定する。そして、第2検査条件決定部40cは、新たな検査グループの情報と検査順番の情報を含む情報を第2検査条件データ41dとして記憶部41に記憶する。
【0070】
図5に戻って制御部40の説明を続ける。第2検査処理部40dは、記憶部41に記憶された第2検査条件データ41dに基づき、半導体ウエハW上に形成された全ての半導体装置の特性を検査処理装置11に再検査させる。具体的には、第2検査処理部40dは、第2検査条件データ41dを記憶部41から読み出し、かかる第2検査条件データ41dに基づいて、規定された検査順番に従って半導体装置を規定された検査グループ単位で検査処理装置11に検査を実行させる。
【0071】
これにより、半導体ウエハW上に形成された全ての半導体装置の特性が検査処理装置11によって再検査される。そして、第2検査処理部40dは、かかる第2ウエハ検査の結果を第2検査結果データ41eとして記憶部41に記憶する。なお、第2検査処理部40dは、記憶部41に第2検査条件データ41dが記憶されていない場合には、第1ウエハ検査が行われた半導体ウエハWに対して第2ウエハ検査は行わない。
【0072】
判定部40eは、記憶部41から第2検査結果データ41eを読み出し、特性不良分布が規則的な分布となっている原因が、プローブカード24を含む検査装置10に起因するものであるのか、露光工程に起因するものであるのかを判定する。
【0073】
例えば、第1ウエハ検査におけるプローブカード24の位置をX方向とY方向にそれぞれ半導体装置1個分だけずらして新たな検査グループを規定した情報が第2検査条件データ41dに含まれるとする。
【0074】
そして、かかる新たな検査グループに対して第2ウエハ検査を行った場合にこの第2ウエハ検査の結果が、例えば、図14に示すようになったとすると、特性不良の集計結果は、図15に示すようになる。図14は、半導体装置の特性不良の分布の一例を示す図であり、図15は、半導体装置の特性不良と露光位置a〜lおよびDUT位置1〜6との関係例を示す図である。かかる集計結果から、DUT位置2,6の半導体装置および露光位置a,d,gの半導体装置に特性不良が多い傾向が見られる。
【0075】
上述したように、第1ウエハ検査では、DUT位置1,4の半導体装置および露光位置a,d,gの半導体装置に特性不良が多い傾向が見られる。したがって、第1ウエハ検査と第2ウエハ検査とで、露光位置a,d,gの半導体装置に特性不良が多い傾向は共通する。そこで、判定部40eは、特性不良分布が規則的な分布となっている原因が露光工程に起因するものであると判定する。
【0076】
一方、新たな検査グループに対して第2ウエハ検査を行った場合にこの第2ウエハ検査の結果が、例えば、図16に示すようになったとすると、特性不良の集計結果は、図17に示すようになる。図16は、半導体装置の特性不良の分布の一例を示す図であり、図17は、半導体装置の特性不良と露光位置a〜lおよびDUT位置1〜6との関係例を示す図である。かかる集計結果から、DUT位置1,4の半導体装置および露光位置kの半導体装置に特性不良が多い傾向が見られる。
【0077】
第1ウエハ検査では、図11に示すように、DUT位置1,4の半導体装置および露光位置a,d,gの半導体装置に特性不良が多い傾向が見られる。したがって、第1ウエハ検査と第2ウエハ検査とで、DUT位置1,4の半導体装置に特性不良が多い傾向は共通する。そこで、判定部40eは、特性不良分布が規則的な分布となっている原因がプローブカード24を含む検査装置10に起因するものであると判定する。
【0078】
このように、判定部40eは、特性不良分布が規則的な分布となっている原因が検査装置10に起因するものなのか露光工程に起因するものなのかを区別することができ、これにより、検査装置10の誤判定を精度よく検出することができる。
【0079】
上述においては、半導体ウエハWに形成される全ての半導体装置に対して第2ウエハ検査を行う第1モードについて説明したが、検査装置10は、一部の半導体装置に対して第2ウエハ検査を行う第2モードも実行することができる。
【0080】
第2ウエハ検査において全ての半導体装置を検査した場合に、第1ウエハ検査で特性不良を検出した半導体装置が、第2ウエハ検査でも特性不良の検出がされると、第2ウエハ検査が無駄になってしまう。そのため、このような場合には、半導体装置の製造コストの増加につながる。そこで、実施形態にかかる検査装置10では、一部の半導体装置に対して第2ウエハ検査を行う第2モードを実行することができるようにしている。
【0081】
具体的には、第2検査条件決定部40cは、記憶部41に記憶された特性不良分布データ41cを読み出し、特性不良の半導体装置が所定数以上のDUT位置および露光位置の中から、第2ウエハ検査を行う半導体装置をサンプリングして第2検査条件データ41dを生成する。
【0082】
例えば、図8に示すような特性不良の半導体装置があるとする。この場合、第2検査条件決定部40cは、第1ウエハ検査において特性不良が多い露光位置a,d,gの半導体装置に対して、第1ウエハ検査において特性不良の検出が少ないDUT位置2,3,5,6の中から3つのDUT位置を無作為にサンプリングする。
【0083】
そして、第2検査条件決定部40cは、第1ウエハ検査において特性不良と判定された露光位置a,d,gの一部の半導体装置に対して、DUT位置2,3,5,6の中から選択されたDUT位置となるように、第2検査条件データ41dを生成する。
【0084】
このように生成された第2検査条件データ41dに基づいて、第2検査処理部40dが第2ウエハ検査を実施した結果が、例えば、図18に示すようになったとすると、特性不良の集計結果は、図19に示すようになる。図18は、半導体装置の特性不良の分布の一例を示す図であり、図19は、半導体装置の特性不良と露光位置a〜lおよびDUT位置1〜6との関係例を示す図である。かかる集計結果から、第1ウエハ検査の結果と同様に、露光位置a,d,gの半導体装置が特性不良であることが分かる。
【0085】
そのため、第2検査処理部40dは、第2ウエハ検査において全ての半導体装置を検査しても、第1ウエハ検査と同様の位置の半導体装置が特性不良となる可能性が高いと判断し、残りの半導体装置に対して第2ウエハ検査を行わない。一方、露光位置a,d,gの半導体装置が特性不良でない場合には、残りの半導体装置に対して第2ウエハ検査を行う。これにより無駄な検査が回避され、結果として半導体装置の製造コストの増加を削減することができる。
【0086】
なお、上述した図18および図19に示す例では、露光位置a,d,gにある各1個の半導体装置に対して、第2ウエハ検査を行ったが、検査対象のサンプリングはこれに限られない。例えば、露光位置a,d,gにある各2個以上の半導体装置に対して第2ウエハ検査を行うようにしてもよい。
【0087】
また、第1ウエハ検査において、各半導体装置に対して複数の特性検査を行う場合、第2ウエハ検査では、第1ウエハ検査で行う複数の特性検査のうち一部の特性検査を実施するようにしてもよい。
【0088】
例えば、第2検査条件決定部40cは、複数の特性検査のうち他の特性検査に比べて特性不良となる数が多い特性検査を選択して、第2検査条件データ41dを生成するようにしてもよい。このようにすることで、第2ウエハ検査において検査時間の短縮を図ることができ、結果として半導体装置の製造コストの増加を削減することができる。
【0089】
特に、第1ウエハ検査で行った特性検査のうち規則的な特性不良と判定された特性に対して第2ウエハ検査を行うことによって、さらに、第2ウエハ検査において検査時間の短縮を図ることができる。
【0090】
次に、実施形態にかかる検査装置10が実行する処理手順について図20を用いて説明する。図20は、実施形態にかかる検査装置10が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【0091】
図20に示すように、第1検査処理部40aは、検査処理装置11に第1ウエハ検査を実行させ、第1ウエハ検査の結果を記憶部41に記憶する(ステップS10)。次に、特性不良分布解析部40bは、記憶部41に記憶された第1ウエハ検査の結果に基づいて、特性不良分布を解析する(ステップS11)。
【0092】
次に、第2検査条件決定部40cは、記憶部41に記憶された特性不良分布データに基づいて、規則的な特性不良の分布があるか否かを判定する(ステップS12)。かかる判定において、規則的な特性不良の分布があると判定された場合(ステップS12,Yes)、第2検査条件決定部40cは、第2検査条件を決定し、記憶部41に記憶する(ステップS13)。
【0093】
次に、第2検査処理部40dは、一部の半導体装置に対する第2ウエハ検査を実行する(ステップS14)。そして、第2検査処理部40dは、かかる第2ウエハ検査を行った半導体装置が特性不良であると判定されたか否かを判定する(ステップS15)。
【0094】
第2ウエハ検査を行った半導体装置が特性不良であると判定した場合(ステップS15,Yes)、第2検査処理部40dは、第1ウエハ検査で検出した特性不良が、露光工程に起因する特性不良であると判定し、検査装置10に設けられた不図示の表示装置に判定結果を表示する(ステップS20)。
【0095】
一方、第2ウエハ検査を行った半導体装置が特性不良ではないと判定した場合(ステップS15,No)、第2検査処理部40dは、残りの半導体装置に対する第2ウエハ検査を実行する(ステップS16)。
【0096】
つづいて、判定部40eは、第2ウエハ検査の結果の解析を行い(ステップS17)、かかる解析結果が露光工程に起因する特性不良であるか否かを判定する(ステップS18)。そして、かかる解析結果が露光工程に起因する特性不良であると判定した場合(ステップS18,Yes)、判定部40eは、検査装置10に設けられた不図示の表示装置に判定結果を表示し(ステップS20)、検査処理を終了する。
【0097】
また、解析結果が露光工程に起因する特性不良ではないと判定した場合(ステップS18,No)、判定部40eは、同様に、検査装置10に設けられた不図示の表示装置に判定結果を表示し(ステップ19)、検査処理を終了する。また、ステップS12において、規則的な特性不良の分布がないと判定された場合(ステップS12,No)、検査処理を終了する。
【0098】
なお、ステップS12において、規則的な特性不良の分布があると判定された場合に、ステップS13以降の処理を行うこととしたが、規則的な特性不良の分布がない場合でも、特性不良となる半導体装置の数が所定数以上である場合には、ステップS13以降の処理を行ってもよい。また、規則的な特性不良の分布であるか否かは、例えば、特定のDUT位置や露光位置の特性不良が所定数以上であるか否かで判定する。
【0099】
このように、実施形態にかかる検査方法および検査装置は、複数個の半導体装置を同時に検査するためのプローブカード24の半導体ウエハWに対する位置を相対的に移動させて、第1ウエハ検査によって半導体ウエハW上に形成された全ての半導体装置の特性を検査する第1検査工程を実施する。
【0100】
その後、第1検査工程によって特性不良と判定された半導体装置の半導体ウエハW上の分布に基づいて、プローブカード24の半導体ウエハWに対する位置を第1ウエハ検査時から変更し、第2ウエハ検査によって半導体装置の特性を再検査する第2検査工程を実施する。
【0101】
そして、第2検査工程による再検査の結果に基づいて半導体装置の特性不良のうち、複数個の半導体装置単位で行われる製造処理において生じる特性不良を判定する判定工程を実施する。
【0102】
したがって、実施形態にかかる検査方法および検査装置によれば、特性不良分布が規則的な分布となっている原因がプローブカード24などの検査装置10に起因するものなのか露光工程に起因するものなのかを区別することができる。そのため、検査装置10の誤判定を精度よく検出することができる。
【0103】
なお、上述においては、半導体ウエハW毎に第1ウエハ検査および第2ウエハ検査を行うこととしたが、これに限定されるものではない。例えば、複数の半導体ウエハWに対して第1ウエハ検査を実施した結果に基づいて、第2ウエハ検査を行うようにしてもよい。
【0104】
このようにすることで、例えば、複数の半導体ウエハを検査した結果を何重にも重ね合わせた場合に初めて図8に示すような特性不良分布を示すような場合においても、検査装置の誤判定や製造不良を精度よく検出することができる。
【0105】
この場合、例えば、第1検査処理部40aは、規定された数の半導体ウエハに対して第1ウエハ検査を行い、その結果をそれぞれ第1検査条件データ41aとして記憶部41に記憶する。そして、特性不良分布解析部40bは、記憶部41から複数の第1検査条件データ41aを読み出し、これらの第1検査条件データ41aを重ね合わせる。
【0106】
第1検査条件データ41aが、例えば、図7に示す[X1〜X15:Y1〜Y20]の範囲にある300個の座標毎に、検査処理装置11において特性不良が検出された場合には「1」、特性不良が検出されない場合には「0」の情報が含まれるとする。この場合、特性不良分布解析部40bは、第1検査条件データ41aの各座標毎に、加算していくことで、第1検査条件データ41aを重ね合わせる。
【0107】
例えば、第1検査条件データ41aが10個ある場合、[X10:Y12]の座標のデータが、「0」、「1」、「0」、「0」、「1」、「1」、「1」、「0」、「0」、「0」である場合、[X10:Y12]の座標のデータは重ね合わせの結果、「5」になる。
【0108】
そして、特性不良分布解析部40bは、このように重ね合わせた第1検査条件データ41aに基づいて、特性不良チップ分布を解析し、かかる特性不良チップ分布が規則的な分布を示すものであるかを判定する。そして、特性不良チップ分布が規則的な分布を示すものである場合、第2検査条件決定部40cが第2検査条件データ41dを生成し、かかる第2検査条件データ41dに基づいて、第2検査処理部40dが第2ウエハ検査を行う。
【0109】
また、上述においては、プローブカード24によって同時に接触できる半導体装置の配列を2列×2行の4個や3列×2行の6個とし、露光工程で同時に露光する半導体装置の配列を2×2行の4個や3列×4行の12個としたが、これに限られない。例えば、プローブカード24によって同時に接触できる半導体装置の配列が露光工程で同時に露光する半導体装置の配列に含まれる場合やその逆の場合であればよい。
【0110】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0111】
10 検査装置、22 パフォーマンスボード、24 プローブカード、32 移動機構、40 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の半導体装置に同時にプローブ針を接触させるプローブカードの半導体ウエハに対する位置を移動させながら、前記複数個単位で前記半導体ウエハ上に形成された半導体装置の特性を検査する第1ウエハ検査工程と、
前記第1ウエハ検査工程によって特性不良と判定された半導体装置の前記半導体ウエハ上の分布に基づいて、前記プローブカードの半導体ウエハに対する位置を前記第1ウエハ検査工程の位置からずらして、前記半導体装置の特性を再検査する第2ウエハ検査工程と、
前記第2ウエハ検査工程による再検査の結果に基づいて、前記半導体装置の特性不良のうち、複数個の半導体装置単位で行われる製造処理において生じる特性不良を判定する判定工程と、
を含む半導体装置の検査方法。
【請求項2】
前記第2ウエハ検査工程は、
前記特性不良と判定された半導体装置の一部について再検査を行った後、当該一部の半導体装置が特性不良でないと判定された場合に、残りの半導体装置の再検査を継続することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の検査方法。
【請求項3】
前記第2ウエハ検査工程は、
前記第1ウエハ検査工程において特性不良と判定された特性に対して検査を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置の検査方法。
【請求項4】
前記製造処理は、
露光処理であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体装置の検査方法。
【請求項5】
複数個の半導体装置に同時にプローブ針を接触させるプローブカードと、
半導体ウエハに対する前記プローブカードの位置を移動させる移動機構と、
前記プローブカードを用いて前記半導体ウエハ上に形成された半導体装置の特性を検出する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記半導体ウエハに対する前記プローブカードの位置を移動させながら、前記複数個単位で前記半導体ウエハ上に形成された半導体装置の特性を検査する第1ウエハ検査処理と、
前記第1ウエハ検査処理によって特性不良と判定された半導体装置の前記半導体ウエハ上の分布に基づいて、前記プローブカードの前記半導体ウエハに対する位置を前記第1ウエハ検査工程の位置からずらして、前記半導体装置の特性を再検査する第2ウエハ検査処理と、
前記第2ウエハ検査処理による再検査の結果に基づいて、前記半導体装置の特性不良のうち、複数個の半導体装置単位で行われる製造処理において生じる特性不良を判定する判定処理と、
を実行することを特徴とする半導体装置の検査装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate


【公開番号】特開2012−204544(P2012−204544A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66701(P2011−66701)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】