半導体装置の製造方法
【課題】ボンディングパッド12の輪郭Xよりも内側で輪郭Xに沿った第1のラインL1より内側の第1領域に形成され、ボンディングパッド12の表面が露出した第1の開口部21Aと、第1の開口部21A上に第1の開口部21Aよりも大きい開口面積で形成され、ボンディングパッド12の輪郭Xよりも外側で輪郭Xに沿った第2のラインL2より内側の第2領域に形成された第2の開口部21Bとからなる開口部21を有する保護膜21を備えた半導体装置を製造効率良く低コストに製造する。
【解決手段】露光工程において、フォトマスクとして、第1のラインL1より内側の領域と、第1のラインL1から第2のラインL2までの領域と、第2のラインL2より外側の領域の光透過量がそれぞれ異なるレチクル51を用いる。
【解決手段】露光工程において、フォトマスクとして、第1のラインL1より内側の領域と、第1のラインL1から第2のラインL2までの領域と、第2のラインL2より外側の領域の光透過量がそれぞれ異なるレチクル51を用いる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボンディングパッドが形成された半導体ウェハ上に保護膜が形成され、この保護膜にボンディングパッドの表面が露出した開口部が形成された半導体装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図9に示す半導体装置101は、配線(図示略)及び配線に接続されたボンディングパッド112が形成された半導体ウェハ111上に保護膜120が形成され、保護膜120にボンディングパッド112の表面が露出した開口部121が形成され、ボンディングパッド112にボンディングボール131とボンディングワイヤ132を介して、リード133、134が接続され、封止樹脂141により封止された半導体パッケージである。
保護膜120としては、フォトレジスト膜が不要な感光性ポリイミドが好ましく用いられている。
【0003】
図10(A)、(B)に示すように、従来、開口部121の開口径は厚み方向に一様に近く、通常のバイナリーレクチル150を用いた1回の露光により感光性ポリイミドを露光し、これを現像することで、開口部121を形成している。図中、符号120Pは露光前の保護膜を示している。
図10(A)に示すように、ポジ型の感光性ポリイミドを用いる場合、バイナリーレクチル150としては、開口部121を形成する領域(図中、ラインL1より内側の領域)は光を通し、それより外側は光を通さないものが使用される。ネガ型の感光性ポリイミドを用いる場合、バイナリーレクチル150としては、開口部121を形成する領域は光を通さず、それより外側は光を通すものが使用される(図10(A)の反転パターン)。
【0004】
近年、半導体部品は益々、高集積化・高密度化の傾向にある。それに伴って、上記半導体装置101のボンディングパッド112のサイズ及びピッチも微細化の傾向にあり、ボンディングパッド112の露出径は例えば50μm以下となっている。
【0005】
図10(C)に示すように、ボンディングパッド112へのボンディングワイヤ132の接続は、中空部を有する棒状のボンディング治具160を用い、ボンディング治具160の中空部に通常金線からなる金属ワイヤ161を通したものを通常Alからなるボンディングパッド112に接触させ、超音波接合することでなされている。
放電により球状となった金属ワイヤ161の先端部をボンディングパッド112に接触させ、熱と超音波をかけることで、ボンディングパッド112とボンディングボール131との接合面にAu−Al合金が形成されて、ボンディングパッド112とボンディングボール131とが良好に接合される。
【0006】
例えば、ボンディングパッドの露出径40〜45μm程度に対して、ボンディングボール131の径は35〜40μm程度、保護膜の厚みは5μm程度である。
かかる微細構造では、図10(C)に示すように、開口径が厚み方向に一様に近くほぼストレートな開口部121では、開口部121の開口径とボンディング治具160の先端部の外径とが近く、ボンディング治具160の先端部が保護膜120に接触する恐れが生じるようになっている。
ボンディング治具160の先端部が保護膜120に接触すると、保護膜120にダメージを与える恐れがあり、また超音波のエネルギーが分散されて接合面におけるAu−Al合金が良好に生成せず、ボンディングパッド112とボンディングボール131との接合強度の低下を招く恐れがある。
【0007】
特許文献1、2には、図11に示すように、保護膜の開口部121を、ボンディングパッド112の輪郭よりも内側でこの輪郭に沿った第1のラインL1より内側の領域に形成され、ボンディングパッド112の表面が露出した第1の開口部121Aと、第1の開口部121A上に第1の開口部121Aよりも大きい開口面積で形成され、ボンディングパッド112の輪郭よりも外側でこの輪郭に沿った第2のラインL2より内側の領域に形成され、第1のラインL1から第2のラインL2の間の領域はボンディングパッド112の表面が露出していない第2の開口部121Bとの2段構造として開口を広げた構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3751731号公報
【特許文献2】特開平06-318614号公報
【特許文献3】特開2005-266025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1には、2種類のバイナリーレチクルを用いて計2回露光を行うことにより、図11に示した2段構造の開口部121を形成する方法(図1)と、同一のバイナリーレチクルを用い、1回目はフォーカスを意図的にずらしてレチクルの設計寸法よりも広く感光させ、2回目はジャストフォーカスでレチクルの設計寸法どおりに感光させて、図11に示した2段構造の開口部121を形成する方法(図4)が記載されている。
【0010】
特許文献2には、保護膜上に1回目のフォトレジスト膜の塗布・露光・現像を行い、このフォトレジスト膜をマスクとして第2の開口部121Bを開口し、さらに2回目のフォトレジスト膜の塗布・露光・現像を行い、このフォトレジスト膜をマスクとして第1の開口部121Aを開口して、図11に示した2段構造の開口部121形成する方法(図2)が記載されている。
【0011】
特許文献1、2に記載のいずれの方法においても、2回の露光と現像を行うため工程数が多く、製造効率が悪い。特に特許文献2の方法では、フォトレジスト膜の塗布・露光・現像、及び保護膜のエッチングを2回繰り返す必要があり、工程数が多く、非効率である。また、特許文献1では感光性ポリイミドを使用しているため、フォトレジスト膜の塗布や保護膜のエッチングは不要であるが、感光性ポリイミドは露光に要する時間が長く、露光スループット(ステッパー占有時間)への影響が大きい。
特許文献1の図1に記載の方法及び特許文献2に記載の方法では、2種類のレチクルを使用するため、レチクル費用が2倍になる。また、異なるレチクルを露光機にセットし直すため、効率が悪く、露光スループットが低下する。
特許文献1の図4に記載の方法では、フォーカスの調整を2回行う必要があり、効率が悪く、露光スループットが低下する。また、フォーカスを意図的にずらす際の露光条件の制御が難しく、所望の形状の開口部を安定的に形成することが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の半導体装置の製造方法は、
ボンディングパッドが形成された半導体ウェハ上に保護膜が形成され、当該保護膜に前記ボンディングパッドの表面が露出した開口部が形成されたものであり、
前記開口部は、
前記ボンディングパッドの輪郭よりも内側で当該輪郭に沿った第1のラインより内側の領域に形成され、前記ボンディングパッドの表面が露出した第1の開口部と、
前記第1の開口部上に当該第1の開口部よりも大きい開口面積で形成され、前記ボンディングパッドの輪郭よりも外側で当該輪郭に沿った第2のラインより内側の領域に形成され、前記第1のラインから前記第2のラインの間の領域は前記ボンディングパッドの表面が露出していない第2の開口部とからなる半導体装置の製造方法であって、
前記ボンディングパッドが形成された前記半導体ウェハ上に、前記開口部が未開口のポジ型の感光性材料からなる保護膜を形成する工程(1a)と、
フォトマスクとして、前記第1のラインより内側の領域における露光に用いる光の透過量をx1とし、前記第1のラインから前記第2のラインまでの領域における露光に用いる光の透過量をx2とし、前記第2のラインより外側の領域における露光に用いる光の透過量をx3としたとき、x1>x2>x3を充足するレチクルを用いて、前記保護膜を露光する工程(1b)と、
前記保護膜を現像する工程(1c)とを順次有するものである。
【0013】
本発明の第2の半導体装置の製造方法は、
ボンディングパッドが形成された半導体ウェハ上に保護膜が形成され、当該保護膜に前記ボンディングパッドの表面が露出した開口部が形成されたものであり、
前記開口部は、
前記ボンディングパッドの輪郭よりも内側で当該輪郭に沿った第1のラインより内側の領域に形成され、前記ボンディングパッドの表面が露出した第1の開口部と、
前記第1の開口部上に当該第1の開口部よりも大きい開口面積で形成され、前記ボンディングパッドの輪郭よりも外側で当該輪郭に沿った第2のラインより内側の領域に形成され、前記第1のラインから前記第2のラインの間の領域は前記ボンディングパッドの表面が露出していない第2の開口部とからなる半導体装置の製造方法であって、
前記ボンディングパッドが形成された前記半導体ウェハ上に、前記開口部が未開口のネガ型の感光性材料からなる保護膜を形成する工程(2a)と、
フォトマスクとして、前記第1のラインより内側の領域における露光に用いる光の透過量をx1とし、前記第1のラインから前記第2のラインまでの領域における露光に用いる光の透過量をx2とし、前記第2のラインより外側の第3領域における露光に用いる光の透過量をx3としたとき、x1<x2<x3を充足するレチクルを用いて、前記保護膜を露光する工程(2b)と、
前記保護膜を現像する工程(2c)とを順次有するものである。
【0014】
本発明の第3の半導体装置の製造方法は、
ボンディングパッドが形成された半導体ウェハ上に保護膜が形成され、当該保護膜に前記ボンディングパッドの表面が露出した開口部が形成されたものであり、
前記開口部は、
前記ボンディングパッドの輪郭よりも内側で当該輪郭に沿った第1のラインより内側の領域に形成され、前記ボンディングパッドの表面が露出した第1の開口部と、
前記第1の開口部上に当該第1の開口部よりも大きい開口面積で形成され、前記ボンディングパッドの輪郭よりも外側で当該輪郭に沿った第2のラインより内側の領域に形成され、前記第1のラインから前記第2のラインの間の領域は前記ボンディングパッドの表面が露出していない第2の開口部とからなる半導体装置の製造方法であって、
前記ボンディングパッドが形成された前記半導体ウェハ上に、前記開口部が未開口の保護膜を形成する工程(3a)と、
前記保護膜上にポジ型のフォトレジスト膜を形成する工程(3b)と、
フォトマスクとして、前記第1のラインより内側の領域における露光に用いる光の透過量をx1とし、前記第1のラインから前記第2のラインまでの領域における露光に用いる光の透過量をx2とし、前記第2のラインより外側の領域における露光に用いる光の透過量をx3としたとき、x1>x2>x3を充足するレチクルを用いて、前記フォトレジスト膜を露光する工程(3c)と、
前記フォトレジスト膜を現像する工程(3d)と、
前記フォトレジスト膜をマスクとして、前記保護膜をエッチングする工程(3e)と、
前記フォトレジスト膜を除去する工程(3f)とを順次有するものである。
【0015】
本発明の第4の半導体装置の製造方法は、
ボンディングパッドが形成された半導体ウェハ上に保護膜が形成され、当該保護膜に前記ボンディングパッドの表面が露出した開口部が形成されたものであり、
前記開口部は、
前記ボンディングパッドの輪郭よりも内側で当該輪郭に沿った第1のラインより内側の領域に形成され、前記ボンディングパッドの表面が露出した第1の開口部と、
前記第1の開口部上に当該第1の開口部よりも大きい開口面積で形成され、前記ボンディングパッドの輪郭よりも外側で当該輪郭に沿った第2のラインより内側の領域に形成され、前記第1のラインから前記第2のラインの間の領域は前記ボンディングパッドの表面が露出していない第2の開口部とからなる半導体装置の製造方法であって、
前記ボンディングパッドが形成された前記半導体ウェハ上に、前記開口部が未開口の保護膜を形成する工程(4a)と、
前記保護膜上にネガ型のフォトレジスト膜を形成する工程(4b)と、
フォトマスクとして、前記第1のラインより内側の領域における露光に用いる光の透過量をx1とし、前記第1のラインから前記第2のラインまでの領域における露光に用いる光の透過量をx2とし、前記第2のラインより外側の領域における露光に用いる光の透過量をx3としたとき、x1<x2<x3を充足するレチクルを用いて、前記フォトレジスト膜を露光する工程(4c)と、
前記フォトレジスト膜を現像する工程(4d)と、
前記フォトレジスト膜をマスクとして、前記保護膜をエッチングする工程(4e)と、
前記フォトレジスト膜を除去する工程(4f)とを順次有するものである。
【0016】
本発明の第1、第2の半導体装置の製造方法では、ボンディングパッドの輪郭よりも内側でこの輪郭に沿った第1のラインより内側の第1領域と、第1のラインからボンディングパッドの輪郭よりも外側でこの輪郭に沿った第2のラインまでの第2領域と、第2のラインより外側の第3領域における露光に用いる光の透過量がそれぞれ異なるレチクルを用いて感光性材料からなる保護膜の露光を行うようにしている。
【0017】
本発明の第1、第2の半導体装置の製造方法では、開口部が未開口の保護膜に対して、1回の露光と現像で、ボンディングパッドの輪郭よりも内側でこの輪郭に沿った第1のラインより内側の領域に形成され、ボンディングパッドの表面が露出した第1の開口部と、第1の開口部上に第1の開口部よりも大きい開口面積で形成され、ボンディングパッドの輪郭よりも外側でこの輪郭に沿った第2のラインより内側の領域に形成され、第1のラインから第2のラインの間の領域はボンディングパッドの表面が露出していない第2の開口部とからなる開口部を開口することができる。
【0018】
本発明の第3、第4の半導体装置の製造方法では、ボンディングパッドの輪郭よりも内側でこの輪郭に沿った第1のラインより内側の第1領域と、第1のラインからボンディングパッドの輪郭よりも外側でこの輪郭に沿った第2のラインまでの第2領域と、第2のラインより外側の第3領域における露光に用いる光の透過量がそれぞれ異なるレチクルを用いて、フォトレジスト膜の露光を行うようにしている。
【0019】
本発明の第3、第4の半導体装置の製造方法では、フォトレジスト膜に対して、1回の露光と現像で、ボンディングパッドの輪郭よりも内側でこの輪郭に沿った第1のラインより内側の領域に形成され、ボンディングパッドの表面が露出した第1の開口部と、第1の開口部上に第1の開口部よりも大きい開口面積で形成され、ボンディングパッドの輪郭よりも外側でこの輪郭に沿った第2のラインより内側の領域に形成され、第1のラインから第2のラインの間の領域はボンディングパッドの表面が露出していない第2の開口部とからなる開口部を開口することができる。
上記フォトレジスト膜をマスクとして開口部が未開口の保護膜をエッチングし、フォトレジスト膜を除去することで、開口部が未開口の保護膜に対して、ボンディングパッドの輪郭よりも内側でこの輪郭に沿った第1のラインより内側の領域に形成され、ボンディングパッドの表面が露出した第1の開口部と、第1の開口部上に第1の開口部よりも大きい開口面積で形成され、ボンディングパッドの輪郭よりも外側でこの輪郭に沿った第2のラインより内側の領域に形成され、第1のラインから第2のラインの間の領域はボンディングパッドの表面が露出していない第2の開口部とからなる開口部を開口することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の第1〜第4の製造方法によれば、ボンディングパッドの輪郭よりも内側でこの輪郭に沿った第1のラインより内側の領域に形成され、ボンディングパッドの表面が露出した第1の開口部と、第1の開口部上に第1の開口部よりも大きい開口面積で形成され、ボンディングパッドの輪郭よりも外側でこの輪郭に沿った第2のラインより内側の領域に形成され、第1のラインから第2のラインの間の領域はボンディングパッドの表面が露出していない第2の開口部とからなる2段構造の開口部を有する保護膜を備えた半導体装置を、製造効率良く低コストに、かつ開口部の形状精度良く、製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】半導体装置の概略断面図の一例である。
【図2】図1の半導体装置の要部平面図及び要部断面図である。
【図3】(A)、(B)は第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【図4】図3(A)で示す工程で用いるレチクルの平面図である。
【図5】(A)、(B)は第2実施形態の半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【図6】(A)、(B)は第3実施形態の半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【図7】(A)〜(C)は第3実施形態の半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【図8】(A)、(B)は第4実施形態の半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【図9】従来の半導体装置の概略断面図の一例である。
【図10】(A)〜(C)は従来の方法を説明する図である。
【図11】2段構造の開口部を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
「第1実施形態の半導体装置の製造方法」
図面を参照して、本発明に係る第1実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。図1は半導体装置の概略断面図の一例、図2の上図は図1の半導体装置の要部平面図、図2の下図は同装置の要部断面図(A−A'断面図)、図3(A)、(B)は製造工程図、図4は製造工程で用いるレチクルの平面図である。視認しやすくするため、各構成要素の縮尺や位置等は適宜実際のものとは異ならせてある。
【0023】
図1に示す半導体装置1は、配線(図示略)及び配線に接続されたボンディングパッド12等が形成された半導体ウェハ11上に保護膜20が形成され、保護膜20にボンディングパッド12の表面が露出した開口部21が形成され、ボンディングパッド12にボンディングボール31とボンディングワイヤ32を介して、リード33、34が接続され、封止樹脂41により封止された半導体パッケージである。
保護膜20としては、フォトレジスト膜が不要な感光性樹脂等の感光性材料が好ましく用いられる。感光性樹脂としては、感光性ポリイミド等が挙げられる。
【0024】
図2に示すように、保護膜20の開口部21は、ボンディングパッド12の輪郭Xよりも内側で輪郭Xに沿った第1のラインL1より内側の領域(L1〜L1の領域)に形成され、ボンディングパッド12の表面が露出した第1の開口部21Aと、第1の開口部21A上に第1の開口部21Aよりも大きい開口面積で形成され、ボンディングパッド12の輪郭Xよりも外側で輪郭Xに沿った第2のラインL2より内側の領域(L2〜L2の領域)に形成され、第1のラインL1から第2のラインL2の間の第2領域(L1〜L2の領域)はボンディングパッド12の表面が露出していない第2の開口部21Bとの2段構造となっている。
【0025】
例えば、ボンディングボール31の径は30〜35μm程度、保護膜20の厚み(=第2のラインL2より外側の第3領域の厚み)は5μm程度、第1の開口部21Aの径(=L1〜L1の長さ)は40〜45μm程度、第2の開口部21Bの径(=L2〜L2の長さ)は50〜55μm程度である。
【0026】
図3(A)に示すように、配線及び配線に接続されたボンディングパッド12等が形成された半導体ウェハ11(図示略)上に、開口部21が未開口のポジ型の感光性材料からなる保護膜20Pを形成する(工程(1a))。
次に同図に示すように、フォトマスクとして、第1のラインL1より内側の第1領域における露光に用いる光の透過量をx1とし、第1のラインL1から第2のラインL2までの第2領域における露光に用いる光の透過量をx2とし、第2のラインL2より外側の第3領域における露光に用いる光の透過量をx3としたとき、x1>x2>x3を充足するレチクル(いわゆるハーフトーンレチクル)51を用いて、保護膜を露光する(工程(1b))。
図4は、レチクル51の平面図の例である。図4中、符号51Aは第1領域、符号51Bは第2領域、符号51Cは第3領域を示している。
図3(A)、図4においては、レチクル51の各領域の色及び各領域上の矢印がそれぞれの領域の光透過量の大小を模式的に示している。
【0027】
次に図3(B)に示すように、保護膜20Pを現像する(工程(1c))。以上の工程により、第1の開口部21Aと第2の開口部21Bとの2段構造を有する開口部21を備えた保護膜20を形成することができる。
【0028】
保護膜20Pは、第1のラインL1より内側の第1領域は充分に露光されて現像後に残存せず、第2のラインL2より外側の第3領域はほとんど露光されず現像後に大部分が残存し、第1のラインL1から第2のラインL2までの第2領域は第1領域と第3領域の中間的なレベルで露光されて現像後に中間的な厚みで残存する。
【0029】
各領域の光透過量x1〜x3は保護膜20Pの材料や露光に用いる光の波長、露光時間等によって好適な条件が変わり、上記関係式を充足し、現像後に保護膜20Pの第1領域が残存しないレベルであれば特に制限されない。
x1は通常ほぼ100%であり、例えば80%以上が好ましい。x1は現像後に保護膜20Pの第1領域が残存しないレベルである必要がある。
x3は通常ほぼ0%であるが、現像後に保護膜20Pの第3領域の大部分が残存するレベルであればよい。第3領域の残存厚みは、露光前の保護膜20Pの厚みによって好適な範囲は変わり、露光前の保護膜20Pの厚みが5μm程度であれば、80%以上の残存厚みが好ましい。
x2は例えば20〜50%程度が好ましい。
x2が高くなる程、同じ露光時間に対して現像後に保護膜20Pの第2領域に残存する厚みが薄くなる。保護膜20Pの第2領域に残存する厚みが過度に薄くなりすぎると、ボンディングパッド12に接続された配線を充分に保護できなくなる恐れがある。
通常、第1領域の保護膜20Pを完全に露光するため、露光時間は第1領域の保護膜20Pが完全に露光される最小の露光時間よりも長めに設定される。保護膜20Pの第2領域に残存する厚みが過度に薄くなりすぎないように、x2は例えば20〜30%程度に低めに設定することがより好ましい。
【0030】
その後、「背景技術」の項において、図10(C)を参照して説明したように、中空部を有する棒状のボンディング治具を用い、ボンディング治具の中空部に通常金線からなる金属ワイヤを通したものを通常Alからなるボンディングパッド12に接触させ、超音波接合することで、ボンディングパッド12にボンディングボール31及びボンディングワイヤ32を接続する。
ボンディングワイヤ32の他端とリード33、34とを接続し、樹脂封止することで、半導体装置1が製造される。
【0031】
本実施形態の半導体装置の製造方法では、ボンディングパッド12の輪郭Xよりも内側で輪郭Xに沿った第1のラインL1より内側の第1領域と、第1のラインからボンディングパッド12の輪郭Xよりも外側で輪郭Xに沿った第2のラインL2までの第2領域と、第2のラインL2より外側の第3領域における露光に用いる光の透過量がそれぞれ異なるレチクル51を用いて、ポジ型の感光性材料からなる保護膜20Pの露光を行うようにしている。
【0032】
かかる製造方法では、開口部21が未開口の保護膜20Pに対して、1回の露光と現像で、第1の開口部21Aと第2の開口部21Bとからなる2段構造の開口部21を開口することができる。
本実施形態の製造方法では、工程数が少なく、用いるレチクルも1種でよく、露光の際にフォーカスを変える必要がないので、製造効率良く低コストに、かつ開口部21の形状精度良く、半導体装置1を製造することができる。
【0033】
なお、従来においても、ハーフトーンレチクルを用いて露光を行うことはなされている。ただし、ハーフトーンレチクルは光の波長程度以下(例えばi線の場合、具体的には365nm程度以下)の微細パターン形成を目的としたものである。かかる微細パターン形成において通常のバイナリーレチクルを用いた場合には、回折光の影響が無視できず、遮光したい領域にも光が漏れてしまう。そこで、レチクルにおいて光漏れが起こる領域を部分的に光を通すハーフトーン部として回折光の逆位相の光を供給することで、回折光を相殺させて遮光したい領域に光が漏れない工夫がなされている。しかしながら、ハーフトーンレチクルを用いる場合、ハーフトーン領域において膜減りが生じることが知られ、それをいかに防ぐかが課題とされている。例えば、「背景技術」の項において挙げた特許文献3には、この膜減りを防ぐ露光技術が提案されている。
【0034】
すなわち、従来より、ハーフトーン領域において膜減りが生じること自体は課題として知られているが、本発明はこれを逆手に取って積極的に利用するものである。
上記のように、従来のハーフトーンレチクルは光の波長以下の微細パターン形成を目的に使用されている。本発明は、光の波長より2桁大きいサイズ(例えば20〜50μm程度)のパターン加工を対象としており、従来はハーフトーンレチクルの用途として考えられていなかった用途にハーフトーンレチクルを用いるものである。
【0035】
「第2実施形態の半導体装置の製造方法」
図面を参照して、本発明に係る第2実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。図5(A)、(B)は製造工程図である。第1実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明を省略する。
【0036】
図5(A)に示すように、配線及び配線に接続されたボンディングパッド12等が形成された半導体ウェハ11(図示略)上に、開口部21が未開口のネガ型の感光性材料からなる保護膜20Nを形成する(工程(2a))。
次に同図に示すように、フォトマスクとして、ボンディングパッド12の輪郭Xよりも内側で輪郭Xに沿った第1のラインL1より内側の第1領域における露光に用いる光の透過量をx1とし、第1のラインL1からボンディングパッド12の輪郭Xよりも外側で輪郭Xに沿った第2のラインL2までの第2領域における露光に用いる光の透過量をx2とし、第2のラインL2より外側の第3領域における露光に用いる光の透過量をx3としたとき、x1<x2<x3を充足するレチクル(ハーフトーンレチクル)52を用いて、保護膜20Nを露光する(工程(2b))。
【0037】
次に図5(B)に示すように、保護膜20Nを現像する(工程(2c))。以上の工程により、第1の開口部21Aと第2の開口部21Bとの2段構造を有する開口部21を備えた保護膜20を形成することができる。
【0038】
保護膜20Nは、第1のラインL1より内側の第1領域は実質的に露光されず現像後に残存せず、第2のラインL2より外側の第3領域は充分に露光されて現像後に大部分が残存し、第1のラインL1から第2のラインL2までの第2領域は第1領域と第3領域の中間的なレベルで露光されて現像後に中間的な厚みで残存する。
【0039】
各領域の光透過量x1〜x3は保護膜20Nの材料や露光に用いる光の波長、露光時間等によって好適な条件が変わり、上記関係式を充足し、現像後に保護膜20Nの第1領域が残存しないレベルであれば特に制限されない。
x1は通常ほぼ0%であり、現像後に保護膜20Nの第1領域が残存しないレベルである必要がある。
x3は通常ほぼ100%であるが、現像後に保護膜20Nの第3領域の大部分が残存するレベルであればよい。第3領域の残存厚みは、露光前の保護膜20Nの厚みによって好適な範囲は変わり、露光前の保護膜20Nの厚みが5μm程度であれば、80%以上の残存厚みが好ましい。
x2は例えば50〜80%程度が好ましい。
x2が低くなる程、同じ露光時間に対して現像後に保護膜20Nの第2領域に残存する厚みが薄くなる。保護膜20Nの第2領域に残存する厚みが過度に薄くなりすぎると、ボンディングパッド12に接続された配線を充分に保護できなくなる恐れがある。
通常、第3領域の保護膜20Nをほぼ完全に露光するため、露光時間は第3領域の保護膜20Nが完全に露光される最小の露光時間よりも長めに設定される。保護膜20Nの第2領域に残存する厚みが過度に薄くなりすぎないように、x2は例えば70〜80%程度に高めに設定することがより好ましい。
【0040】
本実施形態の半導体装置の製造方法では、ボンディングパッド12の輪郭Xよりも内側で輪郭Xに沿った第1のラインL1より内側の第1領域と、第1のラインからボンディングパッド12の輪郭Xよりも外側で輪郭Xに沿った第2のラインL2までの第2領域と、第2のラインL2より外側の第3領域における露光に用いる光の透過量がそれぞれ異なるレチクル52を用いて、ネガ型の感光性材料からなる保護膜20Nの露光を行うようにしている。
【0041】
かかる製造方法では、開口部21が未開口の保護膜20Nに対して、1回の露光と現像で、第1の開口部21Aと第2の開口部21Bとからなる2段構造の開口部21を開口することができる。
本実施形態の製造方法では、工程数が少なく、用いるレチクルも1種でよく、露光の際にフォーカスを変える必要がないので、製造効率良く低コストに、かつ開口部21の形状精度良く、半導体装置1を製造することができる。
【0042】
「第3実施形態の半導体装置の製造方法」
図面を参照して、本発明に係る第2実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。図6(A)、(B)及び図7(A)〜(C)は製造工程図である。第1実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明を省略する。
【0043】
図6(A)に示すように、配線及び配線に接続されたボンディングパッド12等が形成された半導体ウェハ11(図示略)上に、開口部21が未開口の保護膜20Rを形成する(工程(3a))。
本実施形態においては、保護膜20Rとして任意の絶縁材料が使用できる。保護膜20Rとしては、感光性を有さないポリイミド等の有機材料、SiO2あるいはSixNy等の無機材料を使用できる。
【0044】
次に同図に示すように、保護膜20R上にポジ型のフォトレジスト膜30Pを形成する(工程(3b))。
次に同図に示すように、フォトマスクとして、ボンディングパッド12の輪郭Xよりも内側で輪郭Xに沿った第1のラインL1より内側の第1領域における露光に用いる光の透過量をx1とし、第1のラインL1からボンディングパッド12の輪郭Xよりも外側で輪郭Xに沿った第2のラインL2までの第2領域における露光に用いる光の透過量をx2とし、第2のラインL2より外側の第3領域における露光に用いる光の透過量をx3としたとき、x1>x2>x3を充足するレチクル51を用いて、フォトレジスト膜30Pを露光する(工程(3c))。
【0045】
次に図6(B)に示すように、フォトレジスト膜30Pを現像する(工程(3d))。
フォトレジスト膜30Pは、第1のラインL1より内側の第1領域は充分に露光されて現像後に残存せず、第2のラインL2より外側の第3領域はほとんど露光されず現像後に大部分が残存し、第1のラインL1から第2のラインL2までの第2領域は第1領域と第3領域の中間的なレベルで露光されて現像後に中間的な厚みで残存する。
以上の工程により、第1の開口部31Aと第2の開口部31Bとの2段構造を有する開口部31を備えたフォトレジスト膜30が形成される。
【0046】
次に図6(B)、図7(A)、(B)に示すように、フォトレジスト膜30をマスクとして、保護膜20Rをエッチングする(工程(3e))。エッチング方法は特に制限されず、ドライエッチングでもウエットエッチングでもよく、保護膜20Rの材料に応じて適宜選択される。
図7(A)に示すように、保護膜20Rにおいて、第1のラインL1より内側の第1領域はフォトレジスト膜30がないため、他の領域よりも早くエッチングが進行する。第1のラインL1から第2のラインL2までの第2領域は、第2のラインL2より外側の第3領域よりもフォトレジスト膜30の厚みが薄いので、エッチングによりフォトレジスト膜30の第2領域は容易に除去される。フォトレジスト膜30の第2領域が除去された後、保護膜20Rの第2領域のエッチングが開始される。その結果、図7(B)に示すように、フォトレジスト膜30と同様のパターンの第1の開口部21Aと第2の開口部21Bとからなる2段構造の開口部21を備えた保護膜20を形成することができる。
次に、フォトレジスト膜30を除去する(工程(3f))。
【0047】
本実施形態の半導体装置の製造方法では、ボンディングパッド12の輪郭Xよりも内側で輪郭Xに沿った第1のラインL1より内側の第1領域と、第1のラインL1からボンディングパッド12の輪郭Xよりも外側で輪郭Xに沿った第2のラインL2までの第2領域と、第2のラインL2より外側の第3領域における露光に用いる光の透過量が異なるレチクル51を用いて、ポジ型のフォトレジスト膜30Pの露光を行うようにしている。
【0048】
かかる製造方法では、フォトレジスト膜30Pに対して、1回の露光と現像で、第1の開口部31Aと第2の開口部31Bとからなる2段構造の開口部31を開口することができる。
上記フォトレジスト膜30をマスクとして、開口部が未開口の保護膜20Rをエッチングし、フォトレジスト膜30を除去することで、第1の開口部21Aと第2の開口部21Bとからなる2段構造の開口部21を開口することができる。
【0049】
本実施形態の製造方法では、工程数が少なく、用いるレチクルも1種でよく、露光の際にフォーカスを変える必要がないので、製造効率良く低コストに、かつ開口部21の形状精度良く、半導体装置1を製造することができる。
【0050】
「第4実施形態の半導体装置の製造方法」
図面を参照して、本発明に係る第2実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。図8(A)、(B)は製造工程図である。第2〜第3実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明を省略する。
【0051】
図8(A)に示すように、配線及び配線に接続されたボンディングパッド12等が形成された半導体ウェハ11(図示略)上に、開口部21が未開口の保護膜20Rを形成する(工程(4a))。
本実施形態においては、保護膜20Rとして任意の絶縁材料が使用できる。保護膜20Rとしては、感光性を有さないポリイミド等の有機材料、SiO2あるいはSixNy等の無機材料を使用できる。
【0052】
次に同図に示すように、保護膜20R上にネガ型のフォトレジスト膜30Nを形成する(工程(3b))。
次に同図に示すように、フォトマスクとして、ボンディングパッド12の輪郭Xよりも内側で輪郭Xに沿った第1のラインL1より内側の第1領域における露光に用いる光の透過量をx1とし、第1のラインL1からボンディングパッド12の輪郭Xよりも外側でこの輪郭に沿った第2のラインL2までの第2領域における露光に用いる光の透過量をx2とし、第2のラインL2より外側の第3領域における露光に用いる光の透過量をx3としたとき、x1<x2<x3を充足するレチクル52を用いて、フォトレジスト膜30Nを露光する(工程(4c))。
【0053】
次に図8(B)に示すように、フォトレジスト膜30Nを現像する(工程(4d))。
フォトレジスト膜30Nは、第1のラインL1より内側の第1領域は実質的に露光されず現像後に残存せず、第2のラインL2より外側の第3領域は充分に露光されて現像後に大部分が残存し、第1のラインL1から第2のラインL2までの第2領域は第1領域と第3領域の中間的なレベルで露光されて現像後に中間的な厚みで残存する。
以上の工程により、第1の開口部31Aと第2の開口部31Bとの2段構造を有する開口部31を備えたフォトレジスト膜30が形成される。
【0054】
その後、第3実施形態において図6(B)、図7(A)、(B)に示したのと同様に、フォトレジスト膜30をマスクとして、保護膜20Rをエッチングし(工程(4e))、第3実施形態において図7(C)に示したのと同様に、フォトレジスト膜30を除去する(工程(4f))。
【0055】
本実施形態の半導体装置の製造方法では、ボンディングパッド12の輪郭Xよりも内側で輪郭Xに沿った第1のラインL1より内側の第1領域と、第1のラインL1からボンディングパッド12の輪郭Xよりも外側で輪郭Xに沿った第2のラインL2までの第2領域と、第2のラインL2より外側の第3領域における露光に用いる光の透過量がそれぞれ異なるレチクル52を用いて、ネガ型のフォトレジスト膜30Nの露光を行うようにしている。
【0056】
かかる製造方法では、フォトレジスト膜30Nに対して、1回の露光と現像で、第1の開口部31Aと第2の開口部31Bとからなる2段構造の開口部31を開口することができる。
上記フォトレジスト膜30をマスクとして、開口部が未開口の保護膜20Rをエッチングし、フォトレジスト膜30を除去することで、第1の開口部21Aと第2の開口部21Bとからなる2段構造の開口部21を開口することができる。
【0057】
本実施形態の製造方法では、工程数が少なく、用いるレチクルも1種でよく、露光の際にフォーカスを変える必要がないので、製造効率良く低コストに、かつ開口部21の形状精度良く、半導体装置1を製造することができる。
【0058】
「設計変更」
本発明は上記実施例に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において適宜設計変更可能である。
【符号の説明】
【0059】
1 半導体装置
11 半導体ウェハ
12 ボンディングパッド
20 保護膜
20P、20N、20R 開口部が未開口の保護膜
21 開口部
21A 第1の開口部
21B 第2の開口部
30 フォトレジスト膜
30P、30N 露光前のフォトレジスト膜
31A 第1の開口部
31B 第2の開口部
51、52 レチクル
L1 第1のライン
L2 第2のライン
X ボンディングパッドの輪郭
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボンディングパッドが形成された半導体ウェハ上に保護膜が形成され、この保護膜にボンディングパッドの表面が露出した開口部が形成された半導体装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図9に示す半導体装置101は、配線(図示略)及び配線に接続されたボンディングパッド112が形成された半導体ウェハ111上に保護膜120が形成され、保護膜120にボンディングパッド112の表面が露出した開口部121が形成され、ボンディングパッド112にボンディングボール131とボンディングワイヤ132を介して、リード133、134が接続され、封止樹脂141により封止された半導体パッケージである。
保護膜120としては、フォトレジスト膜が不要な感光性ポリイミドが好ましく用いられている。
【0003】
図10(A)、(B)に示すように、従来、開口部121の開口径は厚み方向に一様に近く、通常のバイナリーレクチル150を用いた1回の露光により感光性ポリイミドを露光し、これを現像することで、開口部121を形成している。図中、符号120Pは露光前の保護膜を示している。
図10(A)に示すように、ポジ型の感光性ポリイミドを用いる場合、バイナリーレクチル150としては、開口部121を形成する領域(図中、ラインL1より内側の領域)は光を通し、それより外側は光を通さないものが使用される。ネガ型の感光性ポリイミドを用いる場合、バイナリーレクチル150としては、開口部121を形成する領域は光を通さず、それより外側は光を通すものが使用される(図10(A)の反転パターン)。
【0004】
近年、半導体部品は益々、高集積化・高密度化の傾向にある。それに伴って、上記半導体装置101のボンディングパッド112のサイズ及びピッチも微細化の傾向にあり、ボンディングパッド112の露出径は例えば50μm以下となっている。
【0005】
図10(C)に示すように、ボンディングパッド112へのボンディングワイヤ132の接続は、中空部を有する棒状のボンディング治具160を用い、ボンディング治具160の中空部に通常金線からなる金属ワイヤ161を通したものを通常Alからなるボンディングパッド112に接触させ、超音波接合することでなされている。
放電により球状となった金属ワイヤ161の先端部をボンディングパッド112に接触させ、熱と超音波をかけることで、ボンディングパッド112とボンディングボール131との接合面にAu−Al合金が形成されて、ボンディングパッド112とボンディングボール131とが良好に接合される。
【0006】
例えば、ボンディングパッドの露出径40〜45μm程度に対して、ボンディングボール131の径は35〜40μm程度、保護膜の厚みは5μm程度である。
かかる微細構造では、図10(C)に示すように、開口径が厚み方向に一様に近くほぼストレートな開口部121では、開口部121の開口径とボンディング治具160の先端部の外径とが近く、ボンディング治具160の先端部が保護膜120に接触する恐れが生じるようになっている。
ボンディング治具160の先端部が保護膜120に接触すると、保護膜120にダメージを与える恐れがあり、また超音波のエネルギーが分散されて接合面におけるAu−Al合金が良好に生成せず、ボンディングパッド112とボンディングボール131との接合強度の低下を招く恐れがある。
【0007】
特許文献1、2には、図11に示すように、保護膜の開口部121を、ボンディングパッド112の輪郭よりも内側でこの輪郭に沿った第1のラインL1より内側の領域に形成され、ボンディングパッド112の表面が露出した第1の開口部121Aと、第1の開口部121A上に第1の開口部121Aよりも大きい開口面積で形成され、ボンディングパッド112の輪郭よりも外側でこの輪郭に沿った第2のラインL2より内側の領域に形成され、第1のラインL1から第2のラインL2の間の領域はボンディングパッド112の表面が露出していない第2の開口部121Bとの2段構造として開口を広げた構造が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第3751731号公報
【特許文献2】特開平06-318614号公報
【特許文献3】特開2005-266025号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1には、2種類のバイナリーレチクルを用いて計2回露光を行うことにより、図11に示した2段構造の開口部121を形成する方法(図1)と、同一のバイナリーレチクルを用い、1回目はフォーカスを意図的にずらしてレチクルの設計寸法よりも広く感光させ、2回目はジャストフォーカスでレチクルの設計寸法どおりに感光させて、図11に示した2段構造の開口部121を形成する方法(図4)が記載されている。
【0010】
特許文献2には、保護膜上に1回目のフォトレジスト膜の塗布・露光・現像を行い、このフォトレジスト膜をマスクとして第2の開口部121Bを開口し、さらに2回目のフォトレジスト膜の塗布・露光・現像を行い、このフォトレジスト膜をマスクとして第1の開口部121Aを開口して、図11に示した2段構造の開口部121形成する方法(図2)が記載されている。
【0011】
特許文献1、2に記載のいずれの方法においても、2回の露光と現像を行うため工程数が多く、製造効率が悪い。特に特許文献2の方法では、フォトレジスト膜の塗布・露光・現像、及び保護膜のエッチングを2回繰り返す必要があり、工程数が多く、非効率である。また、特許文献1では感光性ポリイミドを使用しているため、フォトレジスト膜の塗布や保護膜のエッチングは不要であるが、感光性ポリイミドは露光に要する時間が長く、露光スループット(ステッパー占有時間)への影響が大きい。
特許文献1の図1に記載の方法及び特許文献2に記載の方法では、2種類のレチクルを使用するため、レチクル費用が2倍になる。また、異なるレチクルを露光機にセットし直すため、効率が悪く、露光スループットが低下する。
特許文献1の図4に記載の方法では、フォーカスの調整を2回行う必要があり、効率が悪く、露光スループットが低下する。また、フォーカスを意図的にずらす際の露光条件の制御が難しく、所望の形状の開口部を安定的に形成することが難しい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の第1の半導体装置の製造方法は、
ボンディングパッドが形成された半導体ウェハ上に保護膜が形成され、当該保護膜に前記ボンディングパッドの表面が露出した開口部が形成されたものであり、
前記開口部は、
前記ボンディングパッドの輪郭よりも内側で当該輪郭に沿った第1のラインより内側の領域に形成され、前記ボンディングパッドの表面が露出した第1の開口部と、
前記第1の開口部上に当該第1の開口部よりも大きい開口面積で形成され、前記ボンディングパッドの輪郭よりも外側で当該輪郭に沿った第2のラインより内側の領域に形成され、前記第1のラインから前記第2のラインの間の領域は前記ボンディングパッドの表面が露出していない第2の開口部とからなる半導体装置の製造方法であって、
前記ボンディングパッドが形成された前記半導体ウェハ上に、前記開口部が未開口のポジ型の感光性材料からなる保護膜を形成する工程(1a)と、
フォトマスクとして、前記第1のラインより内側の領域における露光に用いる光の透過量をx1とし、前記第1のラインから前記第2のラインまでの領域における露光に用いる光の透過量をx2とし、前記第2のラインより外側の領域における露光に用いる光の透過量をx3としたとき、x1>x2>x3を充足するレチクルを用いて、前記保護膜を露光する工程(1b)と、
前記保護膜を現像する工程(1c)とを順次有するものである。
【0013】
本発明の第2の半導体装置の製造方法は、
ボンディングパッドが形成された半導体ウェハ上に保護膜が形成され、当該保護膜に前記ボンディングパッドの表面が露出した開口部が形成されたものであり、
前記開口部は、
前記ボンディングパッドの輪郭よりも内側で当該輪郭に沿った第1のラインより内側の領域に形成され、前記ボンディングパッドの表面が露出した第1の開口部と、
前記第1の開口部上に当該第1の開口部よりも大きい開口面積で形成され、前記ボンディングパッドの輪郭よりも外側で当該輪郭に沿った第2のラインより内側の領域に形成され、前記第1のラインから前記第2のラインの間の領域は前記ボンディングパッドの表面が露出していない第2の開口部とからなる半導体装置の製造方法であって、
前記ボンディングパッドが形成された前記半導体ウェハ上に、前記開口部が未開口のネガ型の感光性材料からなる保護膜を形成する工程(2a)と、
フォトマスクとして、前記第1のラインより内側の領域における露光に用いる光の透過量をx1とし、前記第1のラインから前記第2のラインまでの領域における露光に用いる光の透過量をx2とし、前記第2のラインより外側の第3領域における露光に用いる光の透過量をx3としたとき、x1<x2<x3を充足するレチクルを用いて、前記保護膜を露光する工程(2b)と、
前記保護膜を現像する工程(2c)とを順次有するものである。
【0014】
本発明の第3の半導体装置の製造方法は、
ボンディングパッドが形成された半導体ウェハ上に保護膜が形成され、当該保護膜に前記ボンディングパッドの表面が露出した開口部が形成されたものであり、
前記開口部は、
前記ボンディングパッドの輪郭よりも内側で当該輪郭に沿った第1のラインより内側の領域に形成され、前記ボンディングパッドの表面が露出した第1の開口部と、
前記第1の開口部上に当該第1の開口部よりも大きい開口面積で形成され、前記ボンディングパッドの輪郭よりも外側で当該輪郭に沿った第2のラインより内側の領域に形成され、前記第1のラインから前記第2のラインの間の領域は前記ボンディングパッドの表面が露出していない第2の開口部とからなる半導体装置の製造方法であって、
前記ボンディングパッドが形成された前記半導体ウェハ上に、前記開口部が未開口の保護膜を形成する工程(3a)と、
前記保護膜上にポジ型のフォトレジスト膜を形成する工程(3b)と、
フォトマスクとして、前記第1のラインより内側の領域における露光に用いる光の透過量をx1とし、前記第1のラインから前記第2のラインまでの領域における露光に用いる光の透過量をx2とし、前記第2のラインより外側の領域における露光に用いる光の透過量をx3としたとき、x1>x2>x3を充足するレチクルを用いて、前記フォトレジスト膜を露光する工程(3c)と、
前記フォトレジスト膜を現像する工程(3d)と、
前記フォトレジスト膜をマスクとして、前記保護膜をエッチングする工程(3e)と、
前記フォトレジスト膜を除去する工程(3f)とを順次有するものである。
【0015】
本発明の第4の半導体装置の製造方法は、
ボンディングパッドが形成された半導体ウェハ上に保護膜が形成され、当該保護膜に前記ボンディングパッドの表面が露出した開口部が形成されたものであり、
前記開口部は、
前記ボンディングパッドの輪郭よりも内側で当該輪郭に沿った第1のラインより内側の領域に形成され、前記ボンディングパッドの表面が露出した第1の開口部と、
前記第1の開口部上に当該第1の開口部よりも大きい開口面積で形成され、前記ボンディングパッドの輪郭よりも外側で当該輪郭に沿った第2のラインより内側の領域に形成され、前記第1のラインから前記第2のラインの間の領域は前記ボンディングパッドの表面が露出していない第2の開口部とからなる半導体装置の製造方法であって、
前記ボンディングパッドが形成された前記半導体ウェハ上に、前記開口部が未開口の保護膜を形成する工程(4a)と、
前記保護膜上にネガ型のフォトレジスト膜を形成する工程(4b)と、
フォトマスクとして、前記第1のラインより内側の領域における露光に用いる光の透過量をx1とし、前記第1のラインから前記第2のラインまでの領域における露光に用いる光の透過量をx2とし、前記第2のラインより外側の領域における露光に用いる光の透過量をx3としたとき、x1<x2<x3を充足するレチクルを用いて、前記フォトレジスト膜を露光する工程(4c)と、
前記フォトレジスト膜を現像する工程(4d)と、
前記フォトレジスト膜をマスクとして、前記保護膜をエッチングする工程(4e)と、
前記フォトレジスト膜を除去する工程(4f)とを順次有するものである。
【0016】
本発明の第1、第2の半導体装置の製造方法では、ボンディングパッドの輪郭よりも内側でこの輪郭に沿った第1のラインより内側の第1領域と、第1のラインからボンディングパッドの輪郭よりも外側でこの輪郭に沿った第2のラインまでの第2領域と、第2のラインより外側の第3領域における露光に用いる光の透過量がそれぞれ異なるレチクルを用いて感光性材料からなる保護膜の露光を行うようにしている。
【0017】
本発明の第1、第2の半導体装置の製造方法では、開口部が未開口の保護膜に対して、1回の露光と現像で、ボンディングパッドの輪郭よりも内側でこの輪郭に沿った第1のラインより内側の領域に形成され、ボンディングパッドの表面が露出した第1の開口部と、第1の開口部上に第1の開口部よりも大きい開口面積で形成され、ボンディングパッドの輪郭よりも外側でこの輪郭に沿った第2のラインより内側の領域に形成され、第1のラインから第2のラインの間の領域はボンディングパッドの表面が露出していない第2の開口部とからなる開口部を開口することができる。
【0018】
本発明の第3、第4の半導体装置の製造方法では、ボンディングパッドの輪郭よりも内側でこの輪郭に沿った第1のラインより内側の第1領域と、第1のラインからボンディングパッドの輪郭よりも外側でこの輪郭に沿った第2のラインまでの第2領域と、第2のラインより外側の第3領域における露光に用いる光の透過量がそれぞれ異なるレチクルを用いて、フォトレジスト膜の露光を行うようにしている。
【0019】
本発明の第3、第4の半導体装置の製造方法では、フォトレジスト膜に対して、1回の露光と現像で、ボンディングパッドの輪郭よりも内側でこの輪郭に沿った第1のラインより内側の領域に形成され、ボンディングパッドの表面が露出した第1の開口部と、第1の開口部上に第1の開口部よりも大きい開口面積で形成され、ボンディングパッドの輪郭よりも外側でこの輪郭に沿った第2のラインより内側の領域に形成され、第1のラインから第2のラインの間の領域はボンディングパッドの表面が露出していない第2の開口部とからなる開口部を開口することができる。
上記フォトレジスト膜をマスクとして開口部が未開口の保護膜をエッチングし、フォトレジスト膜を除去することで、開口部が未開口の保護膜に対して、ボンディングパッドの輪郭よりも内側でこの輪郭に沿った第1のラインより内側の領域に形成され、ボンディングパッドの表面が露出した第1の開口部と、第1の開口部上に第1の開口部よりも大きい開口面積で形成され、ボンディングパッドの輪郭よりも外側でこの輪郭に沿った第2のラインより内側の領域に形成され、第1のラインから第2のラインの間の領域はボンディングパッドの表面が露出していない第2の開口部とからなる開口部を開口することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の第1〜第4の製造方法によれば、ボンディングパッドの輪郭よりも内側でこの輪郭に沿った第1のラインより内側の領域に形成され、ボンディングパッドの表面が露出した第1の開口部と、第1の開口部上に第1の開口部よりも大きい開口面積で形成され、ボンディングパッドの輪郭よりも外側でこの輪郭に沿った第2のラインより内側の領域に形成され、第1のラインから第2のラインの間の領域はボンディングパッドの表面が露出していない第2の開口部とからなる2段構造の開口部を有する保護膜を備えた半導体装置を、製造効率良く低コストに、かつ開口部の形状精度良く、製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】半導体装置の概略断面図の一例である。
【図2】図1の半導体装置の要部平面図及び要部断面図である。
【図3】(A)、(B)は第1実施形態の半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【図4】図3(A)で示す工程で用いるレチクルの平面図である。
【図5】(A)、(B)は第2実施形態の半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【図6】(A)、(B)は第3実施形態の半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【図7】(A)〜(C)は第3実施形態の半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【図8】(A)、(B)は第4実施形態の半導体装置の製造方法を示す工程図である。
【図9】従来の半導体装置の概略断面図の一例である。
【図10】(A)〜(C)は従来の方法を説明する図である。
【図11】2段構造の開口部を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
「第1実施形態の半導体装置の製造方法」
図面を参照して、本発明に係る第1実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。図1は半導体装置の概略断面図の一例、図2の上図は図1の半導体装置の要部平面図、図2の下図は同装置の要部断面図(A−A'断面図)、図3(A)、(B)は製造工程図、図4は製造工程で用いるレチクルの平面図である。視認しやすくするため、各構成要素の縮尺や位置等は適宜実際のものとは異ならせてある。
【0023】
図1に示す半導体装置1は、配線(図示略)及び配線に接続されたボンディングパッド12等が形成された半導体ウェハ11上に保護膜20が形成され、保護膜20にボンディングパッド12の表面が露出した開口部21が形成され、ボンディングパッド12にボンディングボール31とボンディングワイヤ32を介して、リード33、34が接続され、封止樹脂41により封止された半導体パッケージである。
保護膜20としては、フォトレジスト膜が不要な感光性樹脂等の感光性材料が好ましく用いられる。感光性樹脂としては、感光性ポリイミド等が挙げられる。
【0024】
図2に示すように、保護膜20の開口部21は、ボンディングパッド12の輪郭Xよりも内側で輪郭Xに沿った第1のラインL1より内側の領域(L1〜L1の領域)に形成され、ボンディングパッド12の表面が露出した第1の開口部21Aと、第1の開口部21A上に第1の開口部21Aよりも大きい開口面積で形成され、ボンディングパッド12の輪郭Xよりも外側で輪郭Xに沿った第2のラインL2より内側の領域(L2〜L2の領域)に形成され、第1のラインL1から第2のラインL2の間の第2領域(L1〜L2の領域)はボンディングパッド12の表面が露出していない第2の開口部21Bとの2段構造となっている。
【0025】
例えば、ボンディングボール31の径は30〜35μm程度、保護膜20の厚み(=第2のラインL2より外側の第3領域の厚み)は5μm程度、第1の開口部21Aの径(=L1〜L1の長さ)は40〜45μm程度、第2の開口部21Bの径(=L2〜L2の長さ)は50〜55μm程度である。
【0026】
図3(A)に示すように、配線及び配線に接続されたボンディングパッド12等が形成された半導体ウェハ11(図示略)上に、開口部21が未開口のポジ型の感光性材料からなる保護膜20Pを形成する(工程(1a))。
次に同図に示すように、フォトマスクとして、第1のラインL1より内側の第1領域における露光に用いる光の透過量をx1とし、第1のラインL1から第2のラインL2までの第2領域における露光に用いる光の透過量をx2とし、第2のラインL2より外側の第3領域における露光に用いる光の透過量をx3としたとき、x1>x2>x3を充足するレチクル(いわゆるハーフトーンレチクル)51を用いて、保護膜を露光する(工程(1b))。
図4は、レチクル51の平面図の例である。図4中、符号51Aは第1領域、符号51Bは第2領域、符号51Cは第3領域を示している。
図3(A)、図4においては、レチクル51の各領域の色及び各領域上の矢印がそれぞれの領域の光透過量の大小を模式的に示している。
【0027】
次に図3(B)に示すように、保護膜20Pを現像する(工程(1c))。以上の工程により、第1の開口部21Aと第2の開口部21Bとの2段構造を有する開口部21を備えた保護膜20を形成することができる。
【0028】
保護膜20Pは、第1のラインL1より内側の第1領域は充分に露光されて現像後に残存せず、第2のラインL2より外側の第3領域はほとんど露光されず現像後に大部分が残存し、第1のラインL1から第2のラインL2までの第2領域は第1領域と第3領域の中間的なレベルで露光されて現像後に中間的な厚みで残存する。
【0029】
各領域の光透過量x1〜x3は保護膜20Pの材料や露光に用いる光の波長、露光時間等によって好適な条件が変わり、上記関係式を充足し、現像後に保護膜20Pの第1領域が残存しないレベルであれば特に制限されない。
x1は通常ほぼ100%であり、例えば80%以上が好ましい。x1は現像後に保護膜20Pの第1領域が残存しないレベルである必要がある。
x3は通常ほぼ0%であるが、現像後に保護膜20Pの第3領域の大部分が残存するレベルであればよい。第3領域の残存厚みは、露光前の保護膜20Pの厚みによって好適な範囲は変わり、露光前の保護膜20Pの厚みが5μm程度であれば、80%以上の残存厚みが好ましい。
x2は例えば20〜50%程度が好ましい。
x2が高くなる程、同じ露光時間に対して現像後に保護膜20Pの第2領域に残存する厚みが薄くなる。保護膜20Pの第2領域に残存する厚みが過度に薄くなりすぎると、ボンディングパッド12に接続された配線を充分に保護できなくなる恐れがある。
通常、第1領域の保護膜20Pを完全に露光するため、露光時間は第1領域の保護膜20Pが完全に露光される最小の露光時間よりも長めに設定される。保護膜20Pの第2領域に残存する厚みが過度に薄くなりすぎないように、x2は例えば20〜30%程度に低めに設定することがより好ましい。
【0030】
その後、「背景技術」の項において、図10(C)を参照して説明したように、中空部を有する棒状のボンディング治具を用い、ボンディング治具の中空部に通常金線からなる金属ワイヤを通したものを通常Alからなるボンディングパッド12に接触させ、超音波接合することで、ボンディングパッド12にボンディングボール31及びボンディングワイヤ32を接続する。
ボンディングワイヤ32の他端とリード33、34とを接続し、樹脂封止することで、半導体装置1が製造される。
【0031】
本実施形態の半導体装置の製造方法では、ボンディングパッド12の輪郭Xよりも内側で輪郭Xに沿った第1のラインL1より内側の第1領域と、第1のラインからボンディングパッド12の輪郭Xよりも外側で輪郭Xに沿った第2のラインL2までの第2領域と、第2のラインL2より外側の第3領域における露光に用いる光の透過量がそれぞれ異なるレチクル51を用いて、ポジ型の感光性材料からなる保護膜20Pの露光を行うようにしている。
【0032】
かかる製造方法では、開口部21が未開口の保護膜20Pに対して、1回の露光と現像で、第1の開口部21Aと第2の開口部21Bとからなる2段構造の開口部21を開口することができる。
本実施形態の製造方法では、工程数が少なく、用いるレチクルも1種でよく、露光の際にフォーカスを変える必要がないので、製造効率良く低コストに、かつ開口部21の形状精度良く、半導体装置1を製造することができる。
【0033】
なお、従来においても、ハーフトーンレチクルを用いて露光を行うことはなされている。ただし、ハーフトーンレチクルは光の波長程度以下(例えばi線の場合、具体的には365nm程度以下)の微細パターン形成を目的としたものである。かかる微細パターン形成において通常のバイナリーレチクルを用いた場合には、回折光の影響が無視できず、遮光したい領域にも光が漏れてしまう。そこで、レチクルにおいて光漏れが起こる領域を部分的に光を通すハーフトーン部として回折光の逆位相の光を供給することで、回折光を相殺させて遮光したい領域に光が漏れない工夫がなされている。しかしながら、ハーフトーンレチクルを用いる場合、ハーフトーン領域において膜減りが生じることが知られ、それをいかに防ぐかが課題とされている。例えば、「背景技術」の項において挙げた特許文献3には、この膜減りを防ぐ露光技術が提案されている。
【0034】
すなわち、従来より、ハーフトーン領域において膜減りが生じること自体は課題として知られているが、本発明はこれを逆手に取って積極的に利用するものである。
上記のように、従来のハーフトーンレチクルは光の波長以下の微細パターン形成を目的に使用されている。本発明は、光の波長より2桁大きいサイズ(例えば20〜50μm程度)のパターン加工を対象としており、従来はハーフトーンレチクルの用途として考えられていなかった用途にハーフトーンレチクルを用いるものである。
【0035】
「第2実施形態の半導体装置の製造方法」
図面を参照して、本発明に係る第2実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。図5(A)、(B)は製造工程図である。第1実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明を省略する。
【0036】
図5(A)に示すように、配線及び配線に接続されたボンディングパッド12等が形成された半導体ウェハ11(図示略)上に、開口部21が未開口のネガ型の感光性材料からなる保護膜20Nを形成する(工程(2a))。
次に同図に示すように、フォトマスクとして、ボンディングパッド12の輪郭Xよりも内側で輪郭Xに沿った第1のラインL1より内側の第1領域における露光に用いる光の透過量をx1とし、第1のラインL1からボンディングパッド12の輪郭Xよりも外側で輪郭Xに沿った第2のラインL2までの第2領域における露光に用いる光の透過量をx2とし、第2のラインL2より外側の第3領域における露光に用いる光の透過量をx3としたとき、x1<x2<x3を充足するレチクル(ハーフトーンレチクル)52を用いて、保護膜20Nを露光する(工程(2b))。
【0037】
次に図5(B)に示すように、保護膜20Nを現像する(工程(2c))。以上の工程により、第1の開口部21Aと第2の開口部21Bとの2段構造を有する開口部21を備えた保護膜20を形成することができる。
【0038】
保護膜20Nは、第1のラインL1より内側の第1領域は実質的に露光されず現像後に残存せず、第2のラインL2より外側の第3領域は充分に露光されて現像後に大部分が残存し、第1のラインL1から第2のラインL2までの第2領域は第1領域と第3領域の中間的なレベルで露光されて現像後に中間的な厚みで残存する。
【0039】
各領域の光透過量x1〜x3は保護膜20Nの材料や露光に用いる光の波長、露光時間等によって好適な条件が変わり、上記関係式を充足し、現像後に保護膜20Nの第1領域が残存しないレベルであれば特に制限されない。
x1は通常ほぼ0%であり、現像後に保護膜20Nの第1領域が残存しないレベルである必要がある。
x3は通常ほぼ100%であるが、現像後に保護膜20Nの第3領域の大部分が残存するレベルであればよい。第3領域の残存厚みは、露光前の保護膜20Nの厚みによって好適な範囲は変わり、露光前の保護膜20Nの厚みが5μm程度であれば、80%以上の残存厚みが好ましい。
x2は例えば50〜80%程度が好ましい。
x2が低くなる程、同じ露光時間に対して現像後に保護膜20Nの第2領域に残存する厚みが薄くなる。保護膜20Nの第2領域に残存する厚みが過度に薄くなりすぎると、ボンディングパッド12に接続された配線を充分に保護できなくなる恐れがある。
通常、第3領域の保護膜20Nをほぼ完全に露光するため、露光時間は第3領域の保護膜20Nが完全に露光される最小の露光時間よりも長めに設定される。保護膜20Nの第2領域に残存する厚みが過度に薄くなりすぎないように、x2は例えば70〜80%程度に高めに設定することがより好ましい。
【0040】
本実施形態の半導体装置の製造方法では、ボンディングパッド12の輪郭Xよりも内側で輪郭Xに沿った第1のラインL1より内側の第1領域と、第1のラインからボンディングパッド12の輪郭Xよりも外側で輪郭Xに沿った第2のラインL2までの第2領域と、第2のラインL2より外側の第3領域における露光に用いる光の透過量がそれぞれ異なるレチクル52を用いて、ネガ型の感光性材料からなる保護膜20Nの露光を行うようにしている。
【0041】
かかる製造方法では、開口部21が未開口の保護膜20Nに対して、1回の露光と現像で、第1の開口部21Aと第2の開口部21Bとからなる2段構造の開口部21を開口することができる。
本実施形態の製造方法では、工程数が少なく、用いるレチクルも1種でよく、露光の際にフォーカスを変える必要がないので、製造効率良く低コストに、かつ開口部21の形状精度良く、半導体装置1を製造することができる。
【0042】
「第3実施形態の半導体装置の製造方法」
図面を参照して、本発明に係る第2実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。図6(A)、(B)及び図7(A)〜(C)は製造工程図である。第1実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明を省略する。
【0043】
図6(A)に示すように、配線及び配線に接続されたボンディングパッド12等が形成された半導体ウェハ11(図示略)上に、開口部21が未開口の保護膜20Rを形成する(工程(3a))。
本実施形態においては、保護膜20Rとして任意の絶縁材料が使用できる。保護膜20Rとしては、感光性を有さないポリイミド等の有機材料、SiO2あるいはSixNy等の無機材料を使用できる。
【0044】
次に同図に示すように、保護膜20R上にポジ型のフォトレジスト膜30Pを形成する(工程(3b))。
次に同図に示すように、フォトマスクとして、ボンディングパッド12の輪郭Xよりも内側で輪郭Xに沿った第1のラインL1より内側の第1領域における露光に用いる光の透過量をx1とし、第1のラインL1からボンディングパッド12の輪郭Xよりも外側で輪郭Xに沿った第2のラインL2までの第2領域における露光に用いる光の透過量をx2とし、第2のラインL2より外側の第3領域における露光に用いる光の透過量をx3としたとき、x1>x2>x3を充足するレチクル51を用いて、フォトレジスト膜30Pを露光する(工程(3c))。
【0045】
次に図6(B)に示すように、フォトレジスト膜30Pを現像する(工程(3d))。
フォトレジスト膜30Pは、第1のラインL1より内側の第1領域は充分に露光されて現像後に残存せず、第2のラインL2より外側の第3領域はほとんど露光されず現像後に大部分が残存し、第1のラインL1から第2のラインL2までの第2領域は第1領域と第3領域の中間的なレベルで露光されて現像後に中間的な厚みで残存する。
以上の工程により、第1の開口部31Aと第2の開口部31Bとの2段構造を有する開口部31を備えたフォトレジスト膜30が形成される。
【0046】
次に図6(B)、図7(A)、(B)に示すように、フォトレジスト膜30をマスクとして、保護膜20Rをエッチングする(工程(3e))。エッチング方法は特に制限されず、ドライエッチングでもウエットエッチングでもよく、保護膜20Rの材料に応じて適宜選択される。
図7(A)に示すように、保護膜20Rにおいて、第1のラインL1より内側の第1領域はフォトレジスト膜30がないため、他の領域よりも早くエッチングが進行する。第1のラインL1から第2のラインL2までの第2領域は、第2のラインL2より外側の第3領域よりもフォトレジスト膜30の厚みが薄いので、エッチングによりフォトレジスト膜30の第2領域は容易に除去される。フォトレジスト膜30の第2領域が除去された後、保護膜20Rの第2領域のエッチングが開始される。その結果、図7(B)に示すように、フォトレジスト膜30と同様のパターンの第1の開口部21Aと第2の開口部21Bとからなる2段構造の開口部21を備えた保護膜20を形成することができる。
次に、フォトレジスト膜30を除去する(工程(3f))。
【0047】
本実施形態の半導体装置の製造方法では、ボンディングパッド12の輪郭Xよりも内側で輪郭Xに沿った第1のラインL1より内側の第1領域と、第1のラインL1からボンディングパッド12の輪郭Xよりも外側で輪郭Xに沿った第2のラインL2までの第2領域と、第2のラインL2より外側の第3領域における露光に用いる光の透過量が異なるレチクル51を用いて、ポジ型のフォトレジスト膜30Pの露光を行うようにしている。
【0048】
かかる製造方法では、フォトレジスト膜30Pに対して、1回の露光と現像で、第1の開口部31Aと第2の開口部31Bとからなる2段構造の開口部31を開口することができる。
上記フォトレジスト膜30をマスクとして、開口部が未開口の保護膜20Rをエッチングし、フォトレジスト膜30を除去することで、第1の開口部21Aと第2の開口部21Bとからなる2段構造の開口部21を開口することができる。
【0049】
本実施形態の製造方法では、工程数が少なく、用いるレチクルも1種でよく、露光の際にフォーカスを変える必要がないので、製造効率良く低コストに、かつ開口部21の形状精度良く、半導体装置1を製造することができる。
【0050】
「第4実施形態の半導体装置の製造方法」
図面を参照して、本発明に係る第2実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。図8(A)、(B)は製造工程図である。第2〜第3実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付して、説明を省略する。
【0051】
図8(A)に示すように、配線及び配線に接続されたボンディングパッド12等が形成された半導体ウェハ11(図示略)上に、開口部21が未開口の保護膜20Rを形成する(工程(4a))。
本実施形態においては、保護膜20Rとして任意の絶縁材料が使用できる。保護膜20Rとしては、感光性を有さないポリイミド等の有機材料、SiO2あるいはSixNy等の無機材料を使用できる。
【0052】
次に同図に示すように、保護膜20R上にネガ型のフォトレジスト膜30Nを形成する(工程(3b))。
次に同図に示すように、フォトマスクとして、ボンディングパッド12の輪郭Xよりも内側で輪郭Xに沿った第1のラインL1より内側の第1領域における露光に用いる光の透過量をx1とし、第1のラインL1からボンディングパッド12の輪郭Xよりも外側でこの輪郭に沿った第2のラインL2までの第2領域における露光に用いる光の透過量をx2とし、第2のラインL2より外側の第3領域における露光に用いる光の透過量をx3としたとき、x1<x2<x3を充足するレチクル52を用いて、フォトレジスト膜30Nを露光する(工程(4c))。
【0053】
次に図8(B)に示すように、フォトレジスト膜30Nを現像する(工程(4d))。
フォトレジスト膜30Nは、第1のラインL1より内側の第1領域は実質的に露光されず現像後に残存せず、第2のラインL2より外側の第3領域は充分に露光されて現像後に大部分が残存し、第1のラインL1から第2のラインL2までの第2領域は第1領域と第3領域の中間的なレベルで露光されて現像後に中間的な厚みで残存する。
以上の工程により、第1の開口部31Aと第2の開口部31Bとの2段構造を有する開口部31を備えたフォトレジスト膜30が形成される。
【0054】
その後、第3実施形態において図6(B)、図7(A)、(B)に示したのと同様に、フォトレジスト膜30をマスクとして、保護膜20Rをエッチングし(工程(4e))、第3実施形態において図7(C)に示したのと同様に、フォトレジスト膜30を除去する(工程(4f))。
【0055】
本実施形態の半導体装置の製造方法では、ボンディングパッド12の輪郭Xよりも内側で輪郭Xに沿った第1のラインL1より内側の第1領域と、第1のラインL1からボンディングパッド12の輪郭Xよりも外側で輪郭Xに沿った第2のラインL2までの第2領域と、第2のラインL2より外側の第3領域における露光に用いる光の透過量がそれぞれ異なるレチクル52を用いて、ネガ型のフォトレジスト膜30Nの露光を行うようにしている。
【0056】
かかる製造方法では、フォトレジスト膜30Nに対して、1回の露光と現像で、第1の開口部31Aと第2の開口部31Bとからなる2段構造の開口部31を開口することができる。
上記フォトレジスト膜30をマスクとして、開口部が未開口の保護膜20Rをエッチングし、フォトレジスト膜30を除去することで、第1の開口部21Aと第2の開口部21Bとからなる2段構造の開口部21を開口することができる。
【0057】
本実施形態の製造方法では、工程数が少なく、用いるレチクルも1種でよく、露光の際にフォーカスを変える必要がないので、製造効率良く低コストに、かつ開口部21の形状精度良く、半導体装置1を製造することができる。
【0058】
「設計変更」
本発明は上記実施例に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において適宜設計変更可能である。
【符号の説明】
【0059】
1 半導体装置
11 半導体ウェハ
12 ボンディングパッド
20 保護膜
20P、20N、20R 開口部が未開口の保護膜
21 開口部
21A 第1の開口部
21B 第2の開口部
30 フォトレジスト膜
30P、30N 露光前のフォトレジスト膜
31A 第1の開口部
31B 第2の開口部
51、52 レチクル
L1 第1のライン
L2 第2のライン
X ボンディングパッドの輪郭
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボンディングパッドが形成された半導体ウェハ上に保護膜が形成され、当該保護膜に前記ボンディングパッドの表面が露出した開口部が形成されたものであり、
前記開口部は、
前記ボンディングパッドの輪郭よりも内側で当該輪郭に沿った第1のラインより内側の領域に形成され、前記ボンディングパッドの表面が露出した第1の開口部と、
前記第1の開口部上に当該第1の開口部よりも大きい開口面積で形成され、前記ボンディングパッドの輪郭よりも外側で当該輪郭に沿った第2のラインより内側の領域に形成され、前記第1のラインから前記第2のラインの間の領域は前記ボンディングパッドの表面が露出していない第2の開口部とからなる半導体装置の製造方法であって、
前記ボンディングパッドが形成された前記半導体ウェハ上に、前記開口部が未開口のポジ型の感光性材料からなる保護膜を形成する工程(1a)と、
フォトマスクとして、前記第1のラインより内側の領域における露光に用いる光の透過量をx1とし、前記第1のラインから前記第2のラインまでの領域における露光に用いる光の透過量をx2とし、前記第2のラインより外側の領域における露光に用いる光の透過量をx3としたとき、x1>x2>x3を充足するレチクルを用いて、前記保護膜を露光する工程(1b)と、
前記保護膜を現像する工程(1c)とを順次有する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
ボンディングパッドが形成された半導体ウェハ上に保護膜が形成され、当該保護膜に前記ボンディングパッドの表面が露出した開口部が形成されたものであり、
前記開口部は、
前記ボンディングパッドの輪郭よりも内側で当該輪郭に沿った第1のラインより内側の領域に形成され、前記ボンディングパッドの表面が露出した第1の開口部と、
前記第1の開口部上に当該第1の開口部よりも大きい開口面積で形成され、前記ボンディングパッドの輪郭よりも外側で当該輪郭に沿った第2のラインより内側の領域に形成され、前記第1のラインから前記第2のラインの間の領域は前記ボンディングパッドの表面が露出していない第2の開口部とからなる半導体装置の製造方法であって、
前記ボンディングパッドが形成された前記半導体ウェハ上に、前記開口部が未開口のネガ型の感光性材料からなる保護膜を形成する工程(2a)と、
フォトマスクとして、前記第1のラインより内側の領域における露光に用いる光の透過量をx1とし、前記第1のラインから前記第2のラインまでの領域における露光に用いる光の透過量をx2とし、前記第2のラインより外側の第3領域における露光に用いる光の透過量をx3としたとき、x1<x2<x3を充足するレチクルを用いて、前記保護膜を露光する工程(2b)と、
前記保護膜を現像する工程(2c)とを順次有する半導体装置の製造方法。
【請求項3】
ボンディングパッドが形成された半導体ウェハ上に保護膜が形成され、当該保護膜に前記ボンディングパッドの表面が露出した開口部が形成されたものであり、
前記開口部は、
前記ボンディングパッドの輪郭よりも内側で当該輪郭に沿った第1のラインより内側の領域に形成され、前記ボンディングパッドの表面が露出した第1の開口部と、
前記第1の開口部上に当該第1の開口部よりも大きい開口面積で形成され、前記ボンディングパッドの輪郭よりも外側で当該輪郭に沿った第2のラインより内側の領域に形成され、前記第1のラインから前記第2のラインの間の領域は前記ボンディングパッドの表面が露出していない第2の開口部とからなる半導体装置の製造方法であって、
前記ボンディングパッドが形成された前記半導体ウェハ上に、前記開口部が未開口の保護膜を形成する工程(3a)と、
前記保護膜上にポジ型のフォトレジスト膜を形成する工程(3b)と、
フォトマスクとして、前記第1のラインより内側の領域における露光に用いる光の透過量をx1とし、前記第1のラインから前記第2のラインまでの領域における露光に用いる光の透過量をx2とし、前記第2のラインより外側の領域における露光に用いる光の透過量をx3としたとき、x1>x2>x3を充足するレチクルを用いて、前記フォトレジスト膜を露光する工程(3c)と、
前記フォトレジスト膜を現像する工程(3d)と、
前記フォトレジスト膜をマスクとして、前記保護膜をエッチングする工程(3e)と、
前記フォトレジスト膜を除去する工程(3f)とを順次有する半導体装置の製造方法。
【請求項4】
ボンディングパッドが形成された半導体ウェハ上に保護膜が形成され、当該保護膜に前記ボンディングパッドの表面が露出した開口部が形成されたものであり、
前記開口部は、
前記ボンディングパッドの輪郭よりも内側で当該輪郭に沿った第1のラインより内側の領域に形成され、前記ボンディングパッドの表面が露出した第1の開口部と、
前記第1の開口部上に当該第1の開口部よりも大きい開口面積で形成され、前記ボンディングパッドの輪郭よりも外側で当該輪郭に沿った第2のラインより内側の領域に形成され、前記第1のラインから前記第2のラインの間の領域は前記ボンディングパッドの表面が露出していない第2の開口部とからなる半導体装置の製造方法であって、
前記ボンディングパッドが形成された前記半導体ウェハ上に、前記開口部が未開口の保護膜を形成する工程(4a)と、
前記保護膜上にネガ型のフォトレジスト膜を形成する工程(4b)と、
フォトマスクとして、前記第1のラインより内側の領域における露光に用いる光の透過量をx1とし、前記第1のラインから前記第2のラインまでの領域における露光に用いる光の透過量をx2とし、前記第2のラインより外側の領域における露光に用いる光の透過量をx3としたとき、x1<x2<x3を充足するレチクルを用いて、前記フォトレジスト膜を露光する工程(4c)と、
前記フォトレジスト膜を現像する工程(4d)と、
前記フォトレジスト膜をマスクとして、前記保護膜をエッチングする工程(4e)と、
前記フォトレジスト膜を除去する工程(4f)とを順次有する半導体装置の製造方法。
【請求項1】
ボンディングパッドが形成された半導体ウェハ上に保護膜が形成され、当該保護膜に前記ボンディングパッドの表面が露出した開口部が形成されたものであり、
前記開口部は、
前記ボンディングパッドの輪郭よりも内側で当該輪郭に沿った第1のラインより内側の領域に形成され、前記ボンディングパッドの表面が露出した第1の開口部と、
前記第1の開口部上に当該第1の開口部よりも大きい開口面積で形成され、前記ボンディングパッドの輪郭よりも外側で当該輪郭に沿った第2のラインより内側の領域に形成され、前記第1のラインから前記第2のラインの間の領域は前記ボンディングパッドの表面が露出していない第2の開口部とからなる半導体装置の製造方法であって、
前記ボンディングパッドが形成された前記半導体ウェハ上に、前記開口部が未開口のポジ型の感光性材料からなる保護膜を形成する工程(1a)と、
フォトマスクとして、前記第1のラインより内側の領域における露光に用いる光の透過量をx1とし、前記第1のラインから前記第2のラインまでの領域における露光に用いる光の透過量をx2とし、前記第2のラインより外側の領域における露光に用いる光の透過量をx3としたとき、x1>x2>x3を充足するレチクルを用いて、前記保護膜を露光する工程(1b)と、
前記保護膜を現像する工程(1c)とを順次有する半導体装置の製造方法。
【請求項2】
ボンディングパッドが形成された半導体ウェハ上に保護膜が形成され、当該保護膜に前記ボンディングパッドの表面が露出した開口部が形成されたものであり、
前記開口部は、
前記ボンディングパッドの輪郭よりも内側で当該輪郭に沿った第1のラインより内側の領域に形成され、前記ボンディングパッドの表面が露出した第1の開口部と、
前記第1の開口部上に当該第1の開口部よりも大きい開口面積で形成され、前記ボンディングパッドの輪郭よりも外側で当該輪郭に沿った第2のラインより内側の領域に形成され、前記第1のラインから前記第2のラインの間の領域は前記ボンディングパッドの表面が露出していない第2の開口部とからなる半導体装置の製造方法であって、
前記ボンディングパッドが形成された前記半導体ウェハ上に、前記開口部が未開口のネガ型の感光性材料からなる保護膜を形成する工程(2a)と、
フォトマスクとして、前記第1のラインより内側の領域における露光に用いる光の透過量をx1とし、前記第1のラインから前記第2のラインまでの領域における露光に用いる光の透過量をx2とし、前記第2のラインより外側の第3領域における露光に用いる光の透過量をx3としたとき、x1<x2<x3を充足するレチクルを用いて、前記保護膜を露光する工程(2b)と、
前記保護膜を現像する工程(2c)とを順次有する半導体装置の製造方法。
【請求項3】
ボンディングパッドが形成された半導体ウェハ上に保護膜が形成され、当該保護膜に前記ボンディングパッドの表面が露出した開口部が形成されたものであり、
前記開口部は、
前記ボンディングパッドの輪郭よりも内側で当該輪郭に沿った第1のラインより内側の領域に形成され、前記ボンディングパッドの表面が露出した第1の開口部と、
前記第1の開口部上に当該第1の開口部よりも大きい開口面積で形成され、前記ボンディングパッドの輪郭よりも外側で当該輪郭に沿った第2のラインより内側の領域に形成され、前記第1のラインから前記第2のラインの間の領域は前記ボンディングパッドの表面が露出していない第2の開口部とからなる半導体装置の製造方法であって、
前記ボンディングパッドが形成された前記半導体ウェハ上に、前記開口部が未開口の保護膜を形成する工程(3a)と、
前記保護膜上にポジ型のフォトレジスト膜を形成する工程(3b)と、
フォトマスクとして、前記第1のラインより内側の領域における露光に用いる光の透過量をx1とし、前記第1のラインから前記第2のラインまでの領域における露光に用いる光の透過量をx2とし、前記第2のラインより外側の領域における露光に用いる光の透過量をx3としたとき、x1>x2>x3を充足するレチクルを用いて、前記フォトレジスト膜を露光する工程(3c)と、
前記フォトレジスト膜を現像する工程(3d)と、
前記フォトレジスト膜をマスクとして、前記保護膜をエッチングする工程(3e)と、
前記フォトレジスト膜を除去する工程(3f)とを順次有する半導体装置の製造方法。
【請求項4】
ボンディングパッドが形成された半導体ウェハ上に保護膜が形成され、当該保護膜に前記ボンディングパッドの表面が露出した開口部が形成されたものであり、
前記開口部は、
前記ボンディングパッドの輪郭よりも内側で当該輪郭に沿った第1のラインより内側の領域に形成され、前記ボンディングパッドの表面が露出した第1の開口部と、
前記第1の開口部上に当該第1の開口部よりも大きい開口面積で形成され、前記ボンディングパッドの輪郭よりも外側で当該輪郭に沿った第2のラインより内側の領域に形成され、前記第1のラインから前記第2のラインの間の領域は前記ボンディングパッドの表面が露出していない第2の開口部とからなる半導体装置の製造方法であって、
前記ボンディングパッドが形成された前記半導体ウェハ上に、前記開口部が未開口の保護膜を形成する工程(4a)と、
前記保護膜上にネガ型のフォトレジスト膜を形成する工程(4b)と、
フォトマスクとして、前記第1のラインより内側の領域における露光に用いる光の透過量をx1とし、前記第1のラインから前記第2のラインまでの領域における露光に用いる光の透過量をx2とし、前記第2のラインより外側の領域における露光に用いる光の透過量をx3としたとき、x1<x2<x3を充足するレチクルを用いて、前記フォトレジスト膜を露光する工程(4c)と、
前記フォトレジスト膜を現像する工程(4d)と、
前記フォトレジスト膜をマスクとして、前記保護膜をエッチングする工程(4e)と、
前記フォトレジスト膜を除去する工程(4f)とを順次有する半導体装置の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−249655(P2011−249655A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−122783(P2010−122783)
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月28日(2010.5.28)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
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