説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】第1,第2のゲート電極の実効ゲート長が短くなることを防止する。
【解決手段】第1のMISトランジスタnTr1は、第1のゲート電極18aにおけるゲート幅方向の側面上に形成された第1のオフセットサイドウォール22aと、第1のゲート電極におけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に第1のオフセットサイドウォールを介して形成された第2のオフセットサイドウォール24aと、第1のエクステンション領域26aとを備えている。第2のMISトランジスタnTr2は、第2のゲート電極18bにおけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に形成された第3のオフセットサイドウォール22bと、第2のゲート電極におけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に第3のオフセットサイドウォールを介して形成された第4のオフセットサイドウォール24bと、第2のエクステンション領域23bとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に関し、特に、金属膜を含むゲート電極を有するMISFET(Metal-Insulator-Semiconductor Field-Effect Transistor)を備えた半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体集積回路装置の微細化に伴い、短チャネル効果(SCE(Short Channel Effect))が発生する、即ち、ゲート電極のゲート長が短くなるに従い、MISFET(以下、MISトランジスタという)の閾値電圧が低下するという問題がある。この問題を解決する為に、オフセットサイドウォールを有するMISトランジスタを備えた半導体装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
以下に、オフセットサイドウォールの有用性について、図28(a) 〜(b) を参照しながら説明する。図28(a) は、第1の比較例の半導体装置の構成を示すゲート長方向の断面図である。図28(b) は、第2の比較例の半導体装置の構成を示すゲート長方向の断面図である。
【0004】
図28(a) に示すように、第1の比較例の半導体装置は、オフセットサイドウォールを有さないMISトランジスタTrAを備えている。図28(b) に示すように、第2の比較例の半導体装置は、オフセットサイドウォール53bを有するMISトランジスタTrBを備えている。
【0005】
MISトランジスタTrAは、図28(a) に示すように、半導体基板50における活性領域50x上に形成されたゲート絶縁膜51aと、ゲート絶縁膜51a上に形成されたゲート電極52aと、活性領域50xにおけるゲート電極52aの側方下に形成されたエクステンション領域54aとを備えている。
【0006】
MISトランジスタTrBは、図28(b) に示すように、半導体基板50における活性領域50x上に形成されたゲート絶縁膜51bと、ゲート絶縁膜51b上に形成されたゲート電極52bと、ゲート電極52bの側面上に形成されたオフセットサイドウォール53bと、活性領域50xにおけるゲート電極52bの側方下に形成されたエクステンション領域54bとを備えている。
【0007】
エクステンション領域54aは、次のようにして形成される。ゲート電極52aをマスクとして、活性領域50xに、不純物を注入する。これにより、エクステンション注入領域を自己整合的に形成する。その後、熱処理により、該エクステンション注入領域に含まれる不純物を活性化させて、エクステンション領域54aを形成する。
【0008】
エクステンション領域54bは、次のようにして形成される。オフセットサイドウォール53bをマスクとして、活性領域50xに、不純物を注入する。これにより、エクステンション注入領域を自己整合的に形成する。その後、熱処理により、該エクステンション注入領域に含まれる不純物を活性化させて、エクステンション領域54bを形成する。
【0009】
ゲート電極52aのゲート長をLaとし、エクステンション領域54aがゲート電極52aとオーバーラップするオーバーラップ長をΔLaとすると、ゲート電極52aの実効ゲート長Leffaは、
Leffa=La−2×ΔLa
である。
【0010】
ゲート電極52bのゲート長をLbとし、オフセットサイドウォール53bの幅をWbとし、エクステンション領域54bがオフセットサイドウォール53b及びゲート電極52bとオーバーラップするオーバーラップ長をΔLbとすると、ゲート電極52bの実効ゲート長Leffbは、
Leffb=Lb+2×Wb−2×ΔLb
である。
【0011】
ゲート長Laとゲート長Lbとが同じであり(La=Lb)、且つ、オーバーラップ長ΔLaとオーバーラップ長ΔLbとが同じである(ΔLa=ΔLb)場合、実効ゲート長Leffbは、実効ゲート長Leffaよりも、幅Wbの2倍に相当する長さ(Wb×2)だけ、長くなる(Leffb>Leffa)。
【0012】
このように、オフセットサイドウォールにより、ゲート電極の実効ゲート長を長くすることができる。
【0013】
ゲート電極のゲート長と、MISトランジスタの閾値電圧との関係について、図29を参照しながら説明する。図29は、ゲート電極のゲート長と、MISトランジスタの閾値電圧との関係を示す図である。
【0014】
上述の通り、オフセットサイドウォール有りの場合の実効ゲート長Leffbは、オフセットサイドウォール無しの場合の実効ゲート長Leffaよりも、オフセットサイドウォールの幅Wbの2倍に相当する長さ(Wb×2)だけ、長くなる(Leffb>Leffa)。
【0015】
このため、図29に示すように、オフセットサイドウォール有りの場合での閾値電圧が低下する度合い(太線参照)は、オフセットサイドウォール無しの場合での閾値電圧が低下する度合い(細線参照)よりも低い。言い換えれば、オフセットサイドウォールにより、ゲート電極の実効ゲート長を長くすることができるため、ゲート電極のゲート長が短くなっても、MISトランジスタの閾値電圧が低下することを抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】特開2003−100902号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
ところで、第1のMISトランジスタと第2のMISトランジスタとを備えた半導体装置の場合、エクステンション領域を形成する方法として、以下に示す方法が考えられる。この方法について、図30(a) 〜(b) 及び図31(a) 〜(b) を参照しながら説明する。図30(a) 〜図31(b) は、エクステンション領域の形成方法を工程順に示すゲート長方向の断面図である。
【0018】
まず、図30(a) 〜(b) に示すように、半導体基板100上に、第1のMIS領域を覆う一方第2のMIS領域を露出する第1のレジストパターン(図示省略)を形成する。その後、第1のレジストパターン及びオフセットサイドウォール105bをマスクとして、活性領域100bに、不純物を注入する。これにより、エクステンション注入領域106yを自己整合的に形成する。なお、100は、半導体基板であり、101は、素子分離領域であり、102a,102bは、ウェル領域であり、103a,103bは、ゲート絶縁膜である。
【0019】
その後、第1の洗浄により、第1のレジストパターンを除去する。このとき、第1の洗浄により、オフセットサイドウォール105a,105bが削れる。
【0020】
次に、図31(a) 〜(b) に示すように、半導体基板100上に、第1のMIS領域を露出する一方第2のMIS領域を覆う第2のレジストパターン(図示省略)を形成する。その後、第2のレジストパターン及びオフセットサイドウォール105aをマスクとして、活性領域100aに、不純物を注入する。これにより、エクステンション注入領域107xを自己整合的に形成する。
【0021】
その後、第2の洗浄により、第2のレジストパターンを除去する。このとき、第2の洗浄により、オフセットサイドウォール105a,105bが削れる。
【0022】
その後、図示を省略するが、熱処理を行う。これにより、エクステンション注入領域107x,106yに含まれる不純物を活性化させて、エクステンション領域を形成する。
【0023】
しかしながら、この方法では、以下に示す問題がある。
【0024】
この方法では、図30(a) 〜(b) に示すように、オフセットサイドウォール105aの形成後、第1の洗浄により、第1のレジストパターンを除去する。その後、図31(a) 〜(b) に示すように、オフセットサイドウォール105aをマスクとして、エクステンション注入領域107xを形成する。このため、第1の洗浄により削れたオフセットサイドウォール105a(言い換えれば、所望の幅よりも狭い幅を有するオフセットサイドウォール105a)をマスクとして、エクステンション注入領域107xを形成せざるを得ない。このため、ゲート電極105aの実効ゲート長が短くなるという問題がある。従って、第1のMISトランジスタの閾値電圧が、所望の閾値電圧よりも低くなる虞がある。
【0025】
前記に鑑み、本発明の目的は、第1,第2のMISトランジスタを備えた半導体装置において、第1,第2のゲート電極の実効ゲート長が短くなることを防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
前記の目的を達成するため、本発明に係る半導体装置は、第1のMISトランジスタと第2のMISトランジスタとを備えた半導体装置であって、第1のMISトランジスタは、半導体基板における第1の活性領域上に形成され、第1の高誘電率膜を有する第1のゲート絶縁膜と、第1のゲート絶縁膜上に形成された第1のゲート電極と、第1のゲート電極におけるゲート幅方向の側面上に形成された第1のオフセットサイドウォールと、第1のゲート電極におけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に第1のオフセットサイドウォールを介して形成された第2のオフセットサイドウォールと、第1の活性領域における第1のゲート電極の側方下に形成された第1のエクステンション領域とを備え、第2のMISトランジスタは、半導体基板における第2の活性領域上に形成され、第2の高誘電率膜を有する第2のゲート絶縁膜と、第2のゲート絶縁膜上に形成された第2のゲート電極と、第2のゲート電極におけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に形成された第3のオフセットサイドウォールと、第2のゲート電極におけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に第3のオフセットサイドウォールを介して形成された第4のオフセットサイドウォールと、第2の活性領域における第2のゲート電極の側方下に形成された第2のエクステンション領域とを備え、第1のゲート電極におけるゲート長方向の側面上には、第1のオフセットサイドウォールが形成されていないことを特徴とする。
【0027】
本発明に係る半導体装置によると、第1,第2のゲート電極の実効ゲート長が短くなることを防止することができる。従って、半導体装置の微細化に伴い、第1,第2のゲート電極のゲート長が短くなることがあっても、第1,第2のMISトランジスタの閾値電圧が低下することを防止することができる。
【0028】
本発明に係る半導体装置において、第2のゲート絶縁膜の膜厚は、第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも厚いことが好ましい。
【0029】
本発明に係る半導体装置において、第2のゲート絶縁膜は、第2の活性領域上に形成された第1の下地膜と第1の下地膜上に形成された第2の高誘電率膜とを有し、第1の下地膜の膜厚は、第2の高誘電率膜の膜厚よりも厚いことが好ましい。
【0030】
本発明に係る半導体装置において、第1のゲート絶縁膜は、第1の活性領域上に形成された第2の下地膜と第2の下地膜上に形成された第1の高誘電率膜とを有し、第2の下地膜の膜厚は、第1の高誘電率膜の膜厚及び第1の下地膜の膜厚よりも薄いことが好ましい。
【0031】
本発明に係る半導体装置において、第1のゲート電極におけるゲート長方向の幅は、第2のゲート電極におけるゲート長方向の幅よりも狭いことが好ましい。
【0032】
本発明に係る半導体装置において、第1の活性領域におけるゲート幅方向の幅は、第2の活性領域におけるゲート幅方向の幅よりも狭いことが好ましい。
【0033】
本発明に係る半導体装置において、半導体基板に第1の活性領域及び第2の活性領域のそれぞれを取り囲むように形成された素子分離領域をさらに備え、第1のゲート電極は、第1の活性領域及び素子分離領域上に形成され、第2のゲート電極は、第2の活性領域及び素子分離領域上に形成され、第1のゲート電極が素子分離領域上に突き出す突き出し量は、第2のゲート電極が素子分離領域上に突き出す突き出し量よりも少ないことが好ましい。
【0034】
本発明に係る半導体装置において、第1のオフセットサイドウォールの幅は、第3のオフセットサイドウォールの幅と同じであり、第2のオフセットサイドウォールの幅は、第4のオフセットサイドウォールの幅よりも狭い、又は第4のオフセットサイドウォールの幅と同じであることが好ましい。
【0035】
本発明に係る半導体装置において、第1のオフセットサイドウォールの幅は、第2のオフセットサイドウォールの幅よりも広く、第3のオフセットサイドウォールの幅は、第4のオフセットサイドウォールの幅よりも広いことが好ましい。
【0036】
本発明に係る半導体装置において、第1のエクステンション領域の拡散深さは、第2のエクステンション領域の拡散深さよりも浅いことが好ましい。
【0037】
本発明に係る半導体装置において、第1のエクステンション領域の不純物濃度は、第2のエクステンション領域の不純物濃度よりも高いことが好ましい。
【0038】
本発明に係る半導体装置において、第1のゲート電極の平面形状は、矩形状であり、第2のゲート電極の平面形状は、矩形状の角部が丸みを帯びた形状であることが好ましい。
【0039】
本発明に係る半導体装置において、第1のMISトランジスタの電源電圧は、第2のMISトランジスタの電源電圧よりも低いことが好ましい。
【0040】
本発明に係る半導体装置において、第1のゲート電極は、第1のゲート絶縁膜上に形成された第1の金属膜と、第1の金属膜上に形成された第1のシリコン膜とを有し、第2のゲート電極は、第2のゲート絶縁膜上に形成された第2の金属膜と、第2の金属膜上に形成された第2のシリコン膜とを有することが好ましい。
【0041】
本発明に係る半導体装置において、第1のゲート絶縁膜は、調整用金属を含むことが好ましい。
【0042】
本発明に係る半導体装置において、第1のMISトランジスタ及び第2のMISトランジスタは、n型MISトランジスタであり、調整用金属は、ランタンであることが好ましい。
【0043】
本発明に係る半導体装置において、第1のMISトランジスタ及び第2のMISトランジスタは、p型MISトランジスタであり、調整用金属は、アルミニウムであることが好ましい。
【0044】
前記の目的を達成するため、本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体基板における第1の活性領域上に形成された第1のゲート絶縁膜、第1のゲート電極、第1のオフセットサイドウォール、第2のオフセットサイドウォール及び第1のエクステンション領域を有する第1のMISトランジスタと、半導体基板における第2の活性領域上に形成された第2のゲート絶縁膜、第2のゲート電極、第3のオフセットサイドウォール、第4のオフセットサイドウォール及び第2のエクステンション領域を有する第2のMISトランジスタとを備えた半導体装置の製造方法であって、半導体基板上に高誘電率膜を有するゲート絶縁膜用膜を形成する工程(a)と、ゲート絶縁膜用膜上にゲート電極用膜を形成する工程(b)と、ゲート電極用膜及びゲート絶縁膜用膜をパターニングして、第1の活性領域を覆い、且つ、第1のゲート電極におけるゲート幅方向の幅と同じ幅を有する第1のゲート電極用膜及び第1のゲート絶縁膜用膜を形成すると共に、第2の活性領域上にゲート絶縁膜用膜からなる第2のゲート絶縁膜及びゲート電極用膜からなる第2のゲート電極を形成する工程(c)と、第1のゲート電極用膜におけるゲート幅方向の側面上に第1のオフセットサイドウォール用膜を形成すると共に、第2のゲート電極におけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に第3のオフセットサイドウォールを形成する工程(d)と、工程(d)の後に、第2の活性領域における第2のゲート電極の側方下に第2のエクステンション領域を形成する工程(e)と、工程(e)の後に、第1のゲート電極用膜、第1のゲート絶縁膜用膜及び第1のオフセットサイドウォール用膜をパターニングして、第1の活性領域上に第1のゲート絶縁膜用膜からなる第1のゲート絶縁膜及び第1のゲート電極用膜からなる第1のゲート電極を形成すると共に、第1のゲート電極におけるゲート幅方向の側面上に第1のオフセットサイドウォール用膜からなる第1のオフセットサイドウォールを形成する工程(f)と、第1のゲート電極におけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に、第1のオフセットサイドウォールを介して第2のオフセットサイドウォールを形成すると共に、第2のゲート電極におけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に、第3のオフセットサイドウォールを介して第4のオフセットサイドウォールを形成する工程(g)と、工程(g)の後に、第1の活性領域における第1のゲート電極の側方下に第1のエクステンション領域を形成する工程(h)とを備えることを特徴とする。
【0045】
本発明に係る半導体装置の製造方法によると、第2のゲート電極におけるゲート長方向の側面と接する第3のオフセットサイドウォールの形成後、洗浄を行わずに、第2のエクステンション領域を形成する。このため、洗浄による削れのない第3のオフセットサイドウォール(言い換えれば、所望の幅を有する第3のオフセットサイドウォール)をマスクとして、第2のエクステンション注入領域を形成することができる。このため、第2のゲート電極の実効ゲート長が短くなることを防止することができる。従って、半導体装置の微細化に伴い、第2のゲート電極のゲート長が短くなることがあっても、第2のMISトランジスタの閾値電圧が低下することを防止することができる。
【0046】
一方、第1のゲート電極におけるゲート長方向の側面と接する第2のオフセットサイドウォールの形成後、洗浄を行わずに、第1のエクステンション領域を形成する。このため、洗浄による削れのない第2のオフセットサイドウォール(言い換えれば、所望の幅を有する第2のオフセットサイドウォール)をマスクとして、第1のエクステンション注入領域を形成することができる。このため、第1のゲート電極の実効ゲート長が短くなることを防止することができる。従って、半導体装置の微細化に伴い、第1のゲート電極のゲート長が短くなることがあっても、第1のMISトランジスタの閾値電圧が低下することを防止することができる。
【0047】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、第2のゲート絶縁膜の膜厚は、第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも厚いことが好ましい。
【0048】
本発明に係る半導体装置の製造方法において、工程(e)は、第1のゲート電極用膜及び第3のオフセットサイドウォールをマスクとして、第2の活性領域に不純物を注入することにより、第2のエクステンション注入領域を形成する工程(e1)と、工程(e1)の後に、熱処理により、第2のエクステンション領域を形成する工程(e2)とを有し、工程(h)は、第2の活性領域を覆うレジストパターン及び第2のオフセットサイドウォールをマスクとして、第1の活性領域に不純物を注入することにより、第1のエクステンション注入領域を形成する工程(h1)と、洗浄により、レジストパターンを除去する工程(h2)と、工程(h2)の後に、熱処理により、第1のエクステンション領域を形成する工程(h3)とを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0049】
本発明に係る半導体装置及びその製造方法によると、第1,第2のゲート電極の実効ゲート長が短くなることを防止することができる。従って、半導体装置の微細化に伴い、第1,第2のゲート電極のゲート長が短くなることがあっても、第1,第2のMISトランジスタの閾値電圧が低下することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】図1(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示す平面図である。
【図2】図2(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示すゲート長方向の断面図である。図2(a) は、図1(a) に示すIIa-IIa線における断面図であり、図2(b) は、図1(b) に示すIIb-IIb線における断面図である。
【図3】図3(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示すゲート幅方向の断面図である。図3(a) は、図1(a) に示すIIIa-IIIa線における断面図であり、図3(b) は、図1(b) に示すIIIb-IIIb線における断面図である。
【図4】図4(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。
【図5】図5(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示すゲート長方向の断面図である。図5(a) は、図4(a) に示すVa-Va線における断面図であり、図5(b) は、図4(b) に示すVb-Vb線における断面図である。
【図6】図6(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示すゲート幅方向の断面図である。図6(a) は、図4(a) に示すVIa-VIa線における断面図であり、図6(b) は、図4(b) に示すVIb-VIb線における断面図である。
【図7】図7(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。
【図8】図8(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示すゲート長方向の断面図である。図8(a) は、図7(a) に示すVIIIa-VIIIa線における断面図であり、図8(b) は、図7(b) に示すVIIIb-VIIIb線における断面図である。
【図9】図9(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示すゲート幅方向の断面図である。図9(a) は、図7(a) に示すIXa-IXa線における断面図であり、図9(b) は、図7(b) に示すIXb-IXb線における断面図である。
【図10】図10(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。
【図11】図11(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示すゲート長方向の断面図である。図11(a) は、図10(a) に示すXIa-XIa線における断面図であり、図11(b) は、図10(b) に示すXIb-XIb線における断面図である。
【図12】図12(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示すゲート幅方向の断面図である。図12(a) は、図10(a) に示すXIIa-XIIa線における断面図であり、図12(b) は、図10(b) に示すXIIb-XIIb線における断面図である。
【図13】図13(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。
【図14】図14(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示すゲート長方向の断面図である。図14(a) は、図13(a) に示すXIVa-XIVa線における断面図であり、図14(b) は、図13(b) に示すXIVb-XIVb線における断面図である。
【図15】図15(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示すゲート幅方向の断面図である。図15(a) は、図13(a) に示すXVa-XVa線における断面図であり、図15(b) は、図13(b) に示すXVb-XVb線における断面図である。
【図16】図16(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。
【図17】図17(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示すゲート長方向の断面図である。図17(a) は、図16(a) に示すXVIIa-XVIIa線における断面図であり、図17(b) は、図16(b) に示すXVIIb-XVIIb線における断面図である。
【図18】図18(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示すゲート幅方向の断面図である。図18(a) は、図16(a) に示すXVIIIa-XVIIIa線における断面図であり、図18(b) は、図16(b) に示すXVIIIb-XVIIIb線における断面図である。
【図19】図19(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。
【図20】図20(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示すゲート長方向の断面図である。図20(a) は、図19(a) に示すXXa-XXa線における断面図であり、図20(b) は、図19(b) に示すXXb-XXb線における断面図である。
【図21】図21(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示すゲート幅方向の断面図である。図21(a) は、図19(a) に示すXXIa-XXIa線における断面図であり、図21(b) は、図19(b) に示すXXIb-XXIb線における断面図である。
【図22】図22(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示す平面図である。
【図23】図23(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示すゲート長方向の断面図である。図23(a) は、図22(a) に示すXXIIIa-XXIIIa線における断面図であり、図23(b) は、図22(b) に示すXXIIIb-XXIIIb線における断面図である。
【図24】図24(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を示すゲート幅方向の断面図である。図24(a) は、図22(a) に示すXXIVa-XXIVa線における断面図であり、図24(b) は、図22(b) に示すXXIVb-XXIVb線における断面図である。
【図25】図25(a) 〜(b) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の構成を示す平面図である。
【図26】図26(a) 〜(b) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の構成を示すゲート長方向の断面図である。図26(a) は、図25(a) に示すXXVIa-XXVIa線における断面図であり、図26(b) は、図25(b) に示すXXVIb-XXVIb線における断面図である。
【図27】図27(a) 〜(b) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の構成を示すゲート幅方向の断面図である。図27(a) は、図25(a) に示すXXVIIa-XXVIIa線における断面図であり、図27(b) は、図25(b) に示すXXVIIb-XXVIIb線における断面図である。
【図28】図28(a) は、第1の比較例の半導体装置の構成を示すゲート長方向の断面図であり、図28(b) は、第2の比較例の半導体装置の構成を示すゲート長方向の断面図である。
【図29】図29は、ゲート電極のゲート長とMISトランジスタの閾値電圧との関係を示す図である。
【図30】図30(a) 〜(b) は、エクステンション領域の形成方法を示すゲート長方向の断面図である。
【図31】図31(a) 〜(b) は、エクステンション領域の形成方法を示すゲート長方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下に、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0052】
(第1の実施形態)
以下に、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置について、図1(a) 〜(b) 、図2(a) 〜(b) 及び図3(a) 〜(b) を参照しながら説明する。図1(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示す平面図である。図2(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示すゲート長方向の断面図である。図3(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の構成を示すゲート幅方向の断面図である。図1(a) 〜図3(a) 及び後述の図4(a) 〜図24(a) に示す「L−nMIS領域」とは、低電圧系n型MISトランジスタが形成される領域をいう。図1(b) 〜図3(b) 及び後述の図4(b) 〜図24(b) に示す「H−nMIS領域」とは、高電圧系n型MISトランジスタが形成される領域をいう。
【0053】
図1(a) 〜図3(a) に示すように、本実施形態に係る半導体装置は、低電圧系n型MISトランジスタnTr1(第1のMISトランジスタ)と、高電圧系n型MISトランジスタnTr2(第2のMISトランジスタ)とを備えている。低電圧系n型MISトランジスタnTr1の電源電圧は、例えば1.0Vである。高電圧系n型MISトランジスタnTr2の電源電圧は、例えば1.8Vである。
【0054】
低電圧系n型MISトランジスタnTr1は、図1(a) 〜図3(a) に示すように、活性領域10a(第1の活性領域)上に形成されたゲート絶縁膜18a(第1のゲート絶縁膜)と、ゲート絶縁膜18a上に形成されたゲート電極21a(第1のゲート電極)と、ゲート電極21aにおけるゲート幅方向の側面上に形成された内側オフセットサイドウォール22a(第1のオフセットサイドウォール)と、ゲート電極21aにおけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に内側オフセットサイドウォール22aを介して形成された外側オフセットサイドウォール24a(第2のオフセットサイドウォール)と、活性領域10aにおけるゲート電極21aの側方下に形成されたn型エクステンション領域26a(第1のエクステンション領域)と、ゲート電極21aにおけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上にオフセットサイドウォール25Aを介して形成されたサイドウォール29Aと、活性領域10aにおけるサイドウォール29Aの外側方下に形成されたn型ソースドレイン領域30aと、ゲート電極21a上に形成されたシリサイド膜31aと、n型ソースドレイン領域30a上に形成されたシリサイド膜32aとを備えている。
【0055】
高電圧系n型MISトランジスタnTr2は、図1(b) 〜図3(b) に示すように、活性領域10b(第2の活性領域)上に形成されたゲート絶縁膜18b(第2のゲート絶縁膜)と、ゲート絶縁膜18b上に形成されたゲート電極21b(第2のゲート電極)と、ゲート電極21bにおけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に形成された内側オフセットサイドウォール22b(第3のオフセットサイドウォール)と、ゲート電極21bにおけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に内側オフセットサイドウォール22bを介して形成された外側オフセットサイドウォール24b(第4のオフセットサイドウォール)と、活性領域10bにおけるゲート電極21bの側方下に形成されたn型エクステンション領域23b(第2のエクステンション領域)と、ゲート電極21bにおけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上にオフセットサイドウォール25Bを介して形成されたサイドウォール29Bと、活性領域10bにおけるサイドウォール29Bの外側方下に形成されたn型ソースドレイン領域30bと、ゲート電極21b上に形成されたシリサイド膜31bと、n型ソースドレイン領域30b上に形成されたシリサイド膜32bとを備えている。
【0056】
ゲート絶縁膜18aは、図2(a) 〜図3(a) に示すように、下地膜14a及び調整用金属(例えばランタン(La))を含む高誘電率膜17aを有している。ゲート絶縁膜18bは、図2(b) 〜図3(b) に示すように、下地膜13b及び調整用金属(例えばLa)を含む高誘電率膜17bを有している。
【0057】
下地膜14aの膜厚(例えば0.7nm)は、下地膜13bの膜厚(例えば3.0nm)よりも薄い。高誘電率膜17aの膜厚は、高誘電率膜17bの膜厚と同じである。よって、ゲート絶縁膜18aの膜厚は、ゲート絶縁膜18bの膜厚よりも薄い。
【0058】
下地膜14aの膜厚(例えば0.7nm)は、高誘電率膜17a,17bの膜厚(例えば1.5nm)よりも薄い。一方、下地膜13bの膜厚(例えば3.0nm)は、高誘電率膜17a,17bの膜厚(例えば1.5nm)よりも厚い。
【0059】
ゲート電極21aは、図2(a) 〜図3(a) に示すように、金属膜19a及びシリコン膜20aを有している。ゲート電極21bは、図2(b) 〜図3(b) に示すように、金属膜19b及びシリコン膜20bを有している。
【0060】
ゲート電極21aの平面形状は、図1(a) に示すように、例えば矩形状である。ゲート電極21bの平面形状は、図1(b) に示すように、例えば矩形状の角部が丸みを帯びた形状である。言い換えれば、ゲート電極21bは、平面形状が矩形状の部分と、該部分の一端と接続し平面形状が半円形状の部分とを有している。
【0061】
ゲート電極21aのゲート長l1(図1(a),図2(a) 参照,例えば30nm)は、ゲート電極21bのゲート長l2(図1(b),図2(b) 参照,例えば150nm)よりも狭い。ゲート電極21a,21bのゲート長とは、ゲート電極21a,21bにおけるゲート長方向の幅をいう。
【0062】
活性領域10aのゲート幅w1(図1(a),図3(a) 参照,例えば150nm)は、活性領域10bのゲート幅w2(図1(b),図3(b) 参照,例えば300nm)よりも狭い。活性領域10a,10bのゲート幅とは、活性領域10a,10bの表面におけるゲート幅方向の幅をいう。
【0063】
ゲート電極21aが素子分離領域11上に突き出す突き出し量d1(図1(a),図3(a) 参照,例えば100nm)は、ゲート電極21bが素子分離領域11上に突き出す突き出し量d2(図1(b),図3(b) 参照,例えば200nm)よりも少ない。突き出し量d1,d2は、活性領域10a,10bにおけるゲート幅方向の一端から、ゲート電極21a,21bにおけるゲート幅方向の一端(側面)までの量である。
【0064】
内側オフセットサイドウォール22aの幅は、内側オフセットサイドウォール22bの幅と同じである。
【0065】
外側オフセットサイドウォール24aの幅は、外側オフセットサイドウォール24bの幅よりも狭い、又は外側オフセットサイドウォール24bの幅と同じである。
【0066】
内側オフセットサイドウォール22aの幅は、外側オフセットサイドウォール24aの幅よりも広い。内側オフセットサイドウォール22bの幅は、外側オフセットサイドウォール24bの幅よりも広い。
【0067】
n型エクステンション領域26aの拡散深さは、n型エクステンション領域23bの拡散深さよりも浅い。n型エクステンション領域26aのn型不純物濃度は、n型エクステンション領域23bのn型不純物濃度よりも高い。n型エクステンション領域26a,23bの拡散深さとは、活性領域10a,10bの表面からn型エクステンション領域26a,23bの接合面までの深さをいう。
【0068】
サイドウォール29A,29Bは、図2(a) 〜図3(b) に示すように、断面形状がL字状の内側サイドウォール27a,27b及び外側サイドウォール28a,28bを有している。サイドウォール29Aの幅は、サイドウォール29Bの幅と同じである。
【0069】
n型ソースドレイン領域30aの拡散深さは、n型ソースドレイン領域30bの拡散深さと同じである。n型ソースドレイン領域30aのn型不純物濃度は、n型ソースドレイン領域30bのn型不純物濃度と同じである。
【0070】
以下に、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法について、図4(a) 〜(b) 〜図24(a) 〜(b) を参照しながら説明する。図4(a) 〜(b) 、図7(a) 〜(b) 、図10(a) 〜(b) 、図13(a) 〜(b) 、図16(a) 〜(b) 、図19(a) 〜(b) 及び図22(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示す平面図である。図5(a) 〜(b) 、図8(a) 〜(b) 、図11(a) 〜(b) 、図14(a) 〜(b) 、図17(a) 〜(b) 、図20(a) 〜(b) 及び図23(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート長方向の断面図である。図6(a) 〜(b) 、図9(a) 〜(b) 、図12(a) 〜(b) 、図15(a) 〜(b) 、図18(a) 〜(b) 、図21(a) 〜(b) 及び図24(a) 〜(b) は、本発明の第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法を工程順に示すゲート幅方向の断面図である。
【0071】
まず、図4(a) 〜図6(b) に示すように、例えばSTI(Shallow Trench Isolation)法により、例えばシリコンからなる半導体基板10の上部に、素子分離領域11を形成する。これにより、半導体基板10におけるL−nMIS領域に、素子分離領域11に囲まれた活性領域10aが形成される。それと共に、半導体基板10におけるH−nMIS領域に、素子分離領域11に囲まれた活性領域10bが形成される。
【0072】
活性領域10aのゲート幅w1は、例えば150nmである。活性領域10bのゲート幅w2は、例えば300nmである。
【0073】
その後、図4(a) 〜図6(b) に示すように、半導体基板10におけるL−nMIS領域に、p型ウェル領域12aを形成する。それと共に、半導体基板10におけるH−nMIS領域に、p型ウェル領域12bを形成する。
【0074】
次に、図4(a) 〜図6(b) に示すように、例えば熱酸化法により、活性領域10b上に、例えば膜厚が3.0nmの酸化シリコンからなる下地膜13を形成する。その後、例えば熱酸化法により、活性領域10a上に、例えば膜厚が0.7nmの酸化シリコンからなる下地膜14を形成する。
【0075】
次に、図4(a) 〜図6(b) に示すように、半導体基板10上に、例えば膜厚が1.5nmの高誘電率膜15を形成する。高誘電率膜15の材料としては、比誘電率が例えば8以上の金属酸化物、具体的には例えばHfSiO、HfSiON、HfO、HfON、HfZrO及びHfZrON等のハフニウム酸化物が挙げられる。その後、高誘電率膜15上に、調整用金属を含む調整用金属膜16を形成する。調整用金属は、例えばLaである。
【0076】
次に、図7(a) 〜図9(b) に示すように、熱処理により、高誘電率膜15に、調整用金属膜16に含まれる調整用金属を導入する。これにより、調整用金属を含む高誘電率膜17を形成する。その後、例えばウェットエッチングにより、調整用金属膜16における未反応の部分(言い換えれば、高誘電率膜17上に残存する部分)を除去する。
【0077】
このようにして、図7(a) 〜図9(a) に示すように、下地膜13,14及び高誘電率膜17を有するゲート絶縁膜用膜18を形成する。
【0078】
次に、図7(a) 〜図9(b) に示すように、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法により、ゲート絶縁膜用膜18上に、例えば膜厚が10nmの窒化チタン(TiN)又は窒化タンタル(TaN)からなる金属膜19を形成する。その後、例えばCVD法により、金属膜19上に、例えば膜厚が60nmのポリシリコンからなるシリコン膜20を形成する。
【0079】
このようにして、ゲート絶縁膜用膜18上に、金属膜19及びシリコン膜20を有するゲート電極用膜21を形成する。
【0080】
次に、図7(a) 〜図9(b) に示すように、フォトリソグラフィ法により、ゲート電極用膜21におけるL−nMIS領域に位置する部分上に、レジストパターンRe1を形成する。それと共に、フォトリソグラフィ法により、ゲート電極用膜21におけるH−nMIS領域に位置する部分上に、レジストパターンRe2を形成する。
【0081】
図7(a) 〜図9(a) に示すように、レジストパターンRe1により、ゲート電極用膜21における活性領域10a上に位置する部分を覆う。
【0082】
図7(a) 〜図9(a) に示すように、レジストパターンRe1におけるゲート幅方向の一端を、活性領域10aにおけるゲート幅方向の一端から、素子分離領域11上に突き出して形成する。突き出し量Dr1は、例えば100nmである。突き出し量Dr1は、ゲート電極が素子分離領域11上に突き出す突き出し量(後述の図16(a),図18(a):d1参照)と同じである。
【0083】
レジストパターンRe1におけるゲート幅方向の幅は、ゲート電極(後述の図16(a) 〜図18(a):21a参照)におけるゲート幅方向の幅と同じである。
【0084】
図7(b) 〜図9(b) に示すように、レジストパターンRe2におけるゲート幅方向の一端を、活性領域10bにおけるゲート幅方向の一端から、素子分離領域11上に突き出して形成する。突き出し量Dr2は、例えば200nmである。突き出し量Dr2は、ゲート電極が素子分離領域11上に突き出す突き出し量(後述の図10(b),図12(b):d2参照)と同じである。
【0085】
レジストパターンRe2におけるゲート長方向の幅Lr2は、例えば150nmである。幅Lr2は、ゲート電極のゲート長(後述の図10(b),図11(b):l2参照)と同じである。
【0086】
レジストパターンRe2におけるゲート幅方向の幅は、ゲート電極(後述の図10(b) 〜図12(b):21b参照)におけるゲート幅方向の幅と同じである。
【0087】
図7(b) に示すように、レジストパターンRe2の平面形状は、フォトリソグラフィ法の解像の都合により、矩形状ではなく、矩形状の角部が丸みを帯びた形状になる。このため、レジストパターンRe2をマスクとしてパターニングされるゲート電極の平面形状は、後述の図10(a) に示すように、レジストパターンRe2と同様に、矩形状の角部が丸みを帯びた形状になる。
【0088】
次に、図10(a) 〜図12(b) に示すように、例えばドライエッチングにより、レジストパターンRe1,Re2をマスクとして、ゲート電極用膜21及びゲート絶縁膜用膜18を順次パターニングする。これにより、活性領域10aを覆うゲート絶縁膜用膜18x(第1のゲート絶縁膜用膜)及びゲート電極用膜21x(第1のゲート電極用膜)を形成する。それと共に、活性領域10b上に、ゲート絶縁膜18b(第2のゲート絶縁膜)及びゲート電極21b(第2のゲート電極)を順次形成する。ゲート絶縁膜用膜18xは、下地膜14x及び高誘電率膜17xを有する。ゲート電極用膜21xは、金属膜19x及びシリコン膜20xを有する。ゲート絶縁膜18bは、下地膜13b及び高誘電率膜17bを有する。ゲート電極21bは、金属膜19b及びシリコン膜20bを有する。
【0089】
図10(a) 〜図12(a) に示すように、ゲート電極用膜21xにおけるゲート幅方向の一端が、活性領域10aにおけるゲート幅方向の一端から、素子分離領域11上に突き出して形成される。活性領域10aにおけるゲート幅方向の一端から、ゲート電極用膜21xにおけるゲート幅方向の一端までの突き出し量D1は、突き出し量Dr1(図7(a),図9(a) 参照)と同じであり、例えば100nmである。突き出し量D1は、ゲート電極が素子分離領域11上に突き出す突き出し量(後述の図16(a),図18(a):d1参照)と同じである。
【0090】
ゲート電極用膜21xにおけるゲート幅方向の幅は、ゲート電極(後述の図16(a) 〜図18(a):21a参照)におけるゲート幅方向の幅と同じである。
【0091】
図10(b) 〜図12(b) に示すように、ゲート電極21bにおけるゲート幅方向の一端が、活性領域10bにおけるゲート幅方向の一端から、素子分離領域11上に突き出して形成される。ゲート電極21bが素子分離領域11上に突き出す突き出し量d2は、突き出し量Dr2(図7(b),図9(b) 参照)と同じであり、例えば200nmである。
【0092】
ゲート電極21bのゲート長l2は、幅Lr2(図7(b),図8(b) 参照)と同じであり、例えば150nmである。
【0093】
その後、レジストパターンRe1,Re2を除去する。
【0094】
次に、図10(a) 〜図12(b) に示すように、例えばALD(Atomic Layer Deposition)法により、半導体基板10上の全面に、例えば膜厚が5nmの窒化シリコン(SiN)からなる内側オフセットサイドウォール用膜を形成する。その後、内側オフセットサイドウォール用膜に対して、例えば異方性ドライエッチングを行う。これにより、ゲート電極用膜21xにおけるゲート幅方向の側面上に、内側オフセットサイドウォール用膜22x(第1のオフセットサイドウォール用膜)を形成する。それと共に、ゲート電極21bにおけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に、内側オフセットサイドウォール22b(第3のオフセットサイドウォール)を形成する。
【0095】
内側オフセットサイドウォール用膜22x及び内側オフセットサイドウォール22bの幅は、例えば5nmである。
【0096】
次に、図10(a) 〜図12(b) に示すように、ゲート電極用膜21x及び内側オフセットサイドウォール22bをマスクとして、イオン注入により、例えば注入エネルギーが10keV,注入ドーズ量が2×1014cm-2の注入条件で、活性領域10bに、例えばヒ素(As)等のn型不純物を注入する。これにより、n型エクステンション注入領域23yを自己整合的に形成する。
【0097】
本実施形態では、ゲート電極21bにおけるゲート長方向の側面と接する内側オフセットサイドウォール22bの形成後、洗浄を行わずに、n型エクステンション注入領域23yを形成する。このため、洗浄による削れのない内側オフセットサイドウォール22b(言い換えれば、所望の幅(例えば5nm)を有する内側オフセットサイドウォール22b)をマスクとして、n型エクステンション注入領域23yを形成することができる。このため、ゲート電極21bの実効ゲート長が短くなることを防止することができる。
【0098】
本実施形態では、ゲート電極用膜21xにより、活性領域10aが覆われている。このため、L−nMIS領域を覆うレジストパターンの代わりに、ゲート電極用膜21xをマスクにして、n型エクステンション注入領域23yを形成することができる。このため、n型エクステンション注入領域23yの形成前に、該レジストパターンを形成する必要がなく、n型エクステンション注入領域23yの形成後に、該レジストパターンを除去する為の洗浄を行う必要はない。
【0099】
次に、図13(a) 〜図15(b) に示すように、例えば800℃・30秒の熱処理を行う。これにより、n型エクステンション注入領域23yに含まれるn型不純物を拡散させ、ゲート電極21bとオーバーラップするn型エクステンション領域23b(第2のエクステンション領域)を形成する。このように、比較的低温(例えば800℃)の熱処理により、主に、n型エクステンション領域23bを、ゲート電極21bにオーバーラップさせる。一方、後述の図22(a) 〜図24(b) に示すように、該熱処理後に行う比較的高温(例えば1000℃)の熱処理により、主に、n型エクステンション領域23bに含まれるn型不純物を活性化させる。
【0100】
次に、図13(a) 〜図15(b) に示すように、フォトリソグラフィ法により、ゲート電極用膜21x及び素子分離領域11上に、レジストパターンRe3を形成する。それと共に、半導体基板10におけるH−nMIS領域上の全面に、レジストパターンRe4を形成する。
【0101】
図13(a) 〜図15(a) に示すように、レジストパターンRe3におけるゲート幅方向の一端を、内側オフセットサイドウォール用膜22xの側面から、素子分離領域11上に突き出して形成する。
【0102】
レジストパターンRe3におけるゲート長方向の幅Lr3は、例えば30nmである。幅Lr3は、ゲート電極のゲート長(後述の図16(a),図17(a):l1参照)と同じである。
【0103】
次に、図16(a) 〜図18(b) に示すように、例えばドライエッチングにより、レジストパターンRe3,Re4をマスクとして、ゲート電極用膜21x、ゲート絶縁膜用膜18x及び内側オフセットサイドウォール用膜22xをパターニングする。これにより、活性領域10a上に、ゲート絶縁膜18a(第1のゲート絶縁膜)及びゲート電極21a(第1のゲート電極)を順次形成する。それと共に、ゲート電極21aにおけるゲート幅方向の側面上に、内側オフセットサイドウォール22a(第1のオフセットサイドウォール)を形成する。ゲート絶縁膜18aは、下地膜14a及び高誘電率膜17aを有する。ゲート電極21aは、金属膜19a及びシリコン膜20aを有する。
【0104】
ゲート電極21aのゲート長l1は、幅Lr3(図13(a),図14(a) 参照)と同じであり、例えば30nmである。
【0105】
ゲート電極21aが素子分離領域11上に突き出す突き出し量d1は、突き出し量Dr1(図7(a),図9(a) 参照)及び突き出し量D1(図10(a),図12(a) 参照)と同じであり、例えば100nmである。
【0106】
本実施形態では、図7(a) 〜図12(b) に示すように、ゲート電極用膜21及びゲート絶縁膜用膜18を順次パターニングして、ゲート絶縁膜用膜18x及びゲート電極用膜21xを順次形成すると共に、ゲート絶縁膜18b及びゲート電極21bを順次形成する。その後、図13(a) 〜図18(b) に示すように、ゲート電極用膜21x及びゲート絶縁膜用膜18xを順次パターニングして、ゲート絶縁膜18a及びゲート電極21aを順次形成する。
【0107】
本実施形態では、2回のパターニングにより、ゲート電極21aを形成するため、図16(a) に示すように、ゲート電極21aの平面形状は、矩形状となる。一方、1回のパターニングにより、ゲート電極21bを形成するため、図10(b) に示すように、ゲート電極21bの平面形状は、矩形状の角部が丸みを帯びた形状となる。
【0108】
本実施形態では、ゲート電極21aの平面形状を、矩形状にすることができる。このため、突き出し量d1(例えば100nm)を、突き出し量d2(例えば200nm)よりも少なくしても、ゲート電極21aのゲート長を、活性領域10aにおけるゲート幅方向の一端から他端まで、一定にすることができる。このため、ゲート電極21aにおけるゲート幅方向の幅を、短くすることができる。
【0109】
その後、レジストパターンRe3,Re4を除去する。
【0110】
次に、図16(a) 〜図18(b) に示すように、例えばALD法により、半導体基板10上の全面に、例えば膜厚が3nmのSiNからなる外側オフセットサイドウォール用膜を形成する。その後、外側オフセットサイドウォール用膜に対して、例えば異方性ドライエッチングを行う。これにより、ゲート電極21aにおけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に、内側オフセットサイドウォール22aを介して、外側オフセットサイドウォール24a(第2のオフセットサイドウォール)を形成する。それと共に、ゲート電極22bにおけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に、内側オフセットサイドウォール22bを介して、外側オフセットサイドウォール24b(第4のオフセットサイドウォール)を形成する。
【0111】
オフセットサイドウォール24a,24bの幅は、例えば3nmである。
【0112】
このようにして、内側オフセットサイドウォール22a及び外側オフセットサイドウォール24aを有するオフセットサイドウォール25Aを形成する。それと共に、内側オフセットサイドウォール22b及び外側オフセットサイドウォール24bを有するオフセットサイドウォール25Bを形成する。
【0113】
次に、図16(a) 〜図18(b) に示すように、半導体基板10上に、L−nMIS領域を露出する一方H−nMIS領域を覆うレジストパターン(図示省略)を形成する。その後、レジストパターン及び外側オフセットサイドウォール24aをマスクとして、イオン注入により、例えば注入エネルギーが1.5keV,注入ドーズ量が1×1015cm-2の注入条件で、活性領域10aに、例えばAs等のn型不純物を注入する。これにより、n型エクステンション注入領域26xを自己整合的に形成する。
【0114】
本実施形態では、ゲート電極21aにおけるゲート長方向の側面と接する外側オフセットサイドウォール24aの形成後、洗浄を行わずに、n型エクステンション注入領域26xを形成する。このため、洗浄による削れのない外側オフセットサイドウォール24a(言い換えれば、所望の幅(例えば3nm)を有する外側オフセットサイドウォール24a)をマスクとして、n型エクステンション注入領域26xを形成することができる。このため、ゲート電極21aの実効ゲート長が短くなることを防止することができる。
【0115】
その後、例えば洗浄温度が40℃,洗浄時間が10分の洗浄条件で、例えば硫酸系の薬液を用いた洗浄を行う。これにより、レジストパターンを除去する。このとき、洗浄により、外側オフセットサイドウォール24a,24bが削れる虞がある。
【0116】
本実施形態では、洗浄前の外側オフセットサイドウォール24aは、レジストパターンで覆われていない。一方、洗浄前の外側オフセットサイドウォール24bは、レジストパターンで覆われている。
【0117】
このため、外側オフセットサイドウォール24aは、洗浄が開始されてから洗浄が終了する迄の間(比較的長い時間の間)、薬液に晒される。一方、外側オフセットサイドウォール24bは、レジストパターンが除去されてから洗浄が終了する迄の間(比較的短い時間の間)、薬液に晒される。
【0118】
このため、外側オフセットサイドウォール24a,24bが、洗浄により削れ易い場合、外側オフセットサイドウォール24aの削れ量は、外側オフセットサイドウォール24bの削れ量よりも多い。このため、洗浄後の外側オフセットサイドウォール24aの幅は、洗浄後の外側オフセットサイドウォール24bの幅よりも狭い。
【0119】
一方、外側オフセットサイドウォール24a,24bが、洗浄により削れ難い場合、外側オフセットサイドウォール24aと外側オフセットサイドウォール24bとで、薬液に晒される時間は異なるものの、削れ量は実質的に同じである。このため、洗浄後の外側オフセットサイドウォール24aの幅は、洗浄後の外側オフセットサイドウォール24bの幅と同じである。
【0120】
なお、本実施形態では、洗浄前の外側オフセットサイドウォール24a,24bの幅が、例えば3nmである場合を具体例に挙げて説明したが、洗浄前の外側オフセットサイドウォール24a,24bの幅は、以下の通りであればよい。
【0121】
洗浄前の外側オフセットサイドウォール24a,24bの幅を、広くし過ぎた場合、洗浄後に行う熱処理により、n型エクステンション領域(後述の図23(a):26a参照)を、ゲート電極21aにオーバーラップさせることが困難になる。よって、洗浄前の外側オフセットサイドウォール24a,24bの幅は、例えば5nm以下であることが好ましい。
【0122】
洗浄前の外側オフセットサイドウォール24a,24bの幅を、狭くし過ぎた場合、洗浄により、外側オフセットサイドウォール24a,24bが、完全に除去されて、洗浄により、金属膜19a,19bが溶解する虞がある。よって、洗浄前の外側オフセットサイドウォール24a,24bの幅は、例えば0.7nm(=0.5nm+0.2nm)よりも広いことが好ましい。なお、本願発明者が実測したところ、次の実測結果を得た。ALD法により形成されたSiNからなるオフセットサイドウォールに対し、洗浄温度が40℃,洗浄時間が10分の洗浄条件で、硫酸系の薬液を用いた洗浄を行った場合、該オフセットサイドウォールの削れ量は、例えば0.5nm±0.2nmであった。
【0123】
次に、図19(a) 〜図21(b) に示すように、例えばCVD法により、半導体基板10上の全面に、例えばSiO2からなる内側サイドウォール用膜及び例えばSiNからなる外側サイドウォール用膜を順次形成する。その後、外側サイドウォール用膜及び内側サイドウォール用膜に対して、例えば異方性ドライエッチングを順次行う。これにより、ゲート電極21aにおけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に、オフセットサイドウォール25Aを介して、サイドウォール29Aを形成する。それと共に、ゲート電極21bにおけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に、オフセットサイドウォール25Bを介して、サイドウォール29Bを形成する。サイドウォール29A,29Bは、断面形状がL字状の内側サイドウォール27a,27b及び外側サイドウォール28a,28bを有する。
【0124】
次に、図19(a) 〜図21(b) に示すように、イオン注入により、例えば注入エネルギーが10keV,注入ドーズ量が5×1015cm-2の注入条件で、活性領域10a,10bに、例えばAs等のn型不純物を注入する。これにより、n型ソースドレイン注入領域30x,30yを自己整合的に形成する。
【0125】
次に、図22(a) 〜図24(b) に示すように、例えば1000℃の熱処理を行う。
【0126】
これにより、n型エクステンション注入領域26xに含まれるn型不純物を活性化させると共に、該n型不純物を拡散させて、ゲート電極21aとオーバーラップするn型エクステンション領域26a(第1のエクステンション領域)を形成する。
【0127】
それと共に、n型エクステンション領域23bに含まれるn型不純物を活性化させる。
【0128】
それと共に、n型ソースドレイン注入領域30x,30yに含まれるn型不純物を活性化させて、n型ソースドレイン領域30a,30bを形成する。
【0129】
n型エクステンション注入領域26xの注入エネルギー(例えば1.5keV)は、n型エクステンション注入領域23yの注入エネルギー(例えば10keV)よりも低い。このため、n型エクステンション領域26aの拡散深さは、n型エクステンション領域23bの拡散深さよりも浅い。
【0130】
n型エクステンション注入領域26xの注入ドーズ量(例えば1×1015cm-2)は、n型エクステンション注入領域23yの注入ドーズ量(例えば2×1014cm-2)よりも多い。このため、n型エクステンション領域26aのn型不純物濃度は、n型エクステンション領域23bのn型不純物濃度よりも高い。
【0131】
前述の図19(a) 〜図21(b) に示すように、同一の工程で(言い換えれば、同一のイオン注入条件で)、n型ソースドレイン注入領域30x,30yを形成する。このため、n型ソースドレイン領域30aの拡散深さは、n型ソースドレイン領域30bの拡散深さと同じである。n型ソースドレイン領域30aのn型不純物濃度は、n型ソースドレイン領域30bのn型不純物濃度と同じである。
【0132】
次に、図22(a) 〜図24(b) に示すように、ゲート電極21a,21b上に、シリサイド膜31a,31bを形成する。それと共に、n型ソースドレイン領域30a,30b上に、シリサイド膜32a,32bを形成する。
【0133】
以上のようにして、本実施形態に係る半導体装置を製造することができる。
【0134】
本実施形態によると、図10(a) 〜図12(b) に示すように、ゲート電極21bにおけるゲート長方向の側面と接する内側オフセットサイドウォール22bの形成後、洗浄を行わずに、n型エクステンション注入領域23yを形成する。このため、洗浄による削れのない内側オフセットサイドウォール22b(言い換えれば、所望の幅を有する内側オフセットサイドウォール22b)をマスクとして、n型エクステンション注入領域23yを形成することができる。このため、ゲート電極21bの実効ゲート長が短くなることを防止することができる。従って、半導体装置の微細化に伴い、ゲート電極21bのゲート長が短くなることがあっても、高電圧系n型MISトランジスタnTr2の閾値電圧が低下することを防止することができる。
【0135】
一方、図16(a) 〜図18(b) に示すように、ゲート電極21aにおけるゲート長方向の側面と接する外側オフセットサイドウォール24aの形成後、洗浄を行わずに、n型エクステンション注入領域26xを形成する。このため、洗浄による削れのない外側オフセットサイドウォール24a(言い換えれば、所望の幅を有する外側オフセットサイドウォール24a)をマスクとして、n型エクステンション注入領域26xを形成することができる。このため、ゲート電極21aの実効ゲート長が短くなることを防止することができる。従って、半導体装置の微細化に伴い、ゲート電極21aのゲート長が短くなることがあっても、低電圧系n型MISトランジスタnTr1の閾値電圧が低下することを防止することができる。
【0136】
(第2の実施形態)
以下に、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置について、図25(a) 〜(b) 、図26(a) 〜(b) 及び図27(a) 〜(b) を参照しながら説明する。図25(a) 〜(b) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の構成を示す平面図である。図26(a) 〜(b) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の構成を示すゲート長方向の断面図である。図27(a) 〜(b) は、本発明の第2の実施形態に係る半導体装置の構成を示すゲート幅方向の断面図である。図25(a) 〜図27(a) に示す「L−pMIS領域」とは、低電圧系p型MISトランジスタが形成される領域をいう。図25(b) 〜図27(b) に示す「H−pMIS領域」とは、高電圧系p型MISトランジスタが形成される領域をいう。
【0137】
図25(a) 〜図27(a) に示すように、本実施形態に係る半導体装置は、低電圧系p型MISトランジスタpTr1(第1のMISトランジスタ)と、高電圧系p型MISトランジスタpTr2(第2のMISトランジスタ)とを備えている。低電圧系p型MISトランジスタpTr1の電源電圧は、例えば1.0Vである。高電圧系p型MISトランジスタpTr2の電源電圧は、例えば1.8Vである。
【0138】
低電圧系p型MISトランジスタpTr1は、図26(a) 〜図27(a) に示すように、活性領域10c(第1の活性領域)上に形成されたゲート絶縁膜18c(第1のゲート絶縁膜)と、ゲート絶縁膜18c上に形成されたゲート電極21c(第1のゲート電極)と、ゲート電極21cにおけるゲート幅方向の側面上に形成された内側オフセットサイドウォール22c(第1のオフセットサイドウォール)と、ゲート電極21cにおけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に内側オフセットサイドウォール22cを介して形成された外側オフセットサイドウォール24c(第2のオフセットサイドウォール)と、活性領域10cにおけるゲート電極21cの側方下に形成されたp型エクステンション領域26c(第1のエクステンション領域)と、ゲート電極21cにおけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上にオフセットサイドウォール25Cを介して形成されたサイドウォール29Cと、活性領域10cにおけるサイドウォール29Cの外側方下に形成されたp型ソースドレイン領域30cと、ゲート電極21c上に形成されたシリサイド膜31cと、p型ソースドレイン領域30c上に形成されたシリサイド膜32cとを備えている。
【0139】
高電圧系p型MISトランジスタpTr2は、図26(b) 〜図27(b) に示すように、活性領域10d(第2の活性領域)上に形成されたゲート絶縁膜18d(第2のゲート絶縁膜)と、ゲート絶縁膜18d上に形成されたゲート電極21d(第2のゲート電極)と、ゲート電極21dにおけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に形成された内側オフセットサイドウォール22d(第3のオフセットサイドウォール)と、ゲート電極21dにおけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に内側オフセットサイドウォール22dを介して形成された外側オフセットサイドウォール24d(第4のオフセットサイドウォール)と、活性領域10dにおけるゲート電極21dの側方下に形成されたp型エクステンション領域23d(第2のエクステンション領域)と、ゲート電極21dにおけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上にオフセットサイドウォール25Dを介して形成されたサイドウォール29Dと、活性領域10dにおけるサイドウォール29Dの外側方下に形成されたp型ソースドレイン領域30dと、ゲート電極21d上に形成されたシリサイド膜31dと、p型ソースドレイン領域30d上に形成されたシリサイド膜32dとを備えている。
【0140】
ゲート絶縁膜18cは、図26(a) 〜図27(a) に示すように、下地膜14c、高誘電率膜15c及び調整用金属(例えばアルミニウム(Al))を含む調整用金属膜16cを有している。ゲート絶縁膜18dは、図26(b) 〜図27(b) に示すように、下地膜13d、高誘電率膜15d及び調整用金属(例えばAl)を含む調整用金属膜16dを有している。
【0141】
下地膜14cの膜厚(例えば0.7nm)は、下地膜13dの膜厚(例えば3.0nm)よりも薄い。高誘電率膜15cの膜厚は、高誘電率膜15dの膜厚と同じである。調整用金属膜16cの膜厚は、調整用金属膜16dの膜厚と同じである。よって、ゲート絶縁膜18cの膜厚は、ゲート絶縁膜18dの膜厚よりも薄い。
【0142】
下地膜14cの膜厚(例えば0.7nm)は、高誘電率膜15c,15dの膜厚(例えば1.5nm)よりも薄い。一方、下地膜13dの膜厚(例えば3.0nm)は、高誘電率膜15c,15dの膜厚(例えば1.5nm)よりも厚い。
【0143】
下地膜14cの膜厚(例えば0.7nm)は、調整用金属膜16c,16dの膜厚(例えば0.5nm)よりも厚い。一方、下地膜13dの膜厚(例えば3.0nm)は、調整用金属膜16c,16dの膜厚(例えば0.5nm)よりも厚い。
【0144】
なお、製造途中に行う熱処理(例えば、p型ソースドレイン注入領域に含まれるp型不純物を活性化させる為の熱処理)時に、調整用金属膜16c,16dに含まれる調整用金属が、高誘電率膜15c,15dに導入される可能性がある。このため、高誘電率膜15c,15dは、調整用金属を含む可能性がある。
【0145】
ゲート電極21cは、図26(a) 〜図27(a) に示すように、金属膜19c及びシリコン膜20cを有している。ゲート電極21dは、図26(b) 〜図27(b) に示すように、金属膜19d及びシリコン膜20dを有している。
【0146】
ゲート電極21cの平面形状は、図25(a) に示すように、例えば矩形状である。ゲート電極21dの平面形状は、図25(b) に示すように、例えば矩形状の角部が丸みを帯びた形状である。言い換えれば、ゲート電極21dは、平面形状が矩形状の部分と、該部分の一端と接続し平面形状が半円形状の部分とを有している。
【0147】
ゲート電極21cのゲート長l3(図25(a),図26(a) 参照,例えば30nm)は、ゲート電極21dのゲート長l4(図25(b),図26(b) 参照,例えば150nm)よりも狭い。ゲート電極21c,21dのゲート長とは、ゲート電極21c,21dにおけるゲート長方向の幅をいう。
【0148】
活性領域10cのゲート幅w3(図25(a),図27(a) 参照,例えば150nm)は、活性領域10dのゲート幅w4(図25(b),図27(b) 参照,例えば300nm)よりも狭い。活性領域10c,10dのゲート幅とは、活性領域10c,10dの表面におけるゲート幅方向の幅をいう。
【0149】
ゲート電極21cが素子分離領域11上に突き出す突き出し量d3(図25(a),図27(a) 参照,例えば100nm)は、ゲート電極21dが素子分離領域11上に突き出す突き出し量d4(図25(b),図27(b) 参照,例えば200nm)よりも少ない。突き出し量d3,d4は、活性領域10c,10dにおけるゲート幅方向の一端から、ゲート電極21c,21dにおけるゲート幅方向の一端(側面)までの量である。
【0150】
内側オフセットサイドウォール22cの幅は、内側オフセットサイドウォール22dの幅と同じである。
【0151】
外側オフセットサイドウォール24cの幅は、外側オフセットサイドウォール24dの幅よりも狭い、又は外側オフセットサイドウォール24dの幅と同じである。
【0152】
内側オフセットサイドウォール22cの幅は、外側オフセットサイドウォール24cの幅よりも広い。内側オフセットサイドウォール22dの幅は、外側オフセットサイドウォール24dの幅よりも広い。
【0153】
p型エクステンション領域26cの拡散深さは、p型エクステンション領域23dの拡散深さよりも浅い。p型エクステンション領域26cのp型不純物濃度は、p型エクステンション領域23dのp型不純物濃度よりも高い。p型エクステンション領域26c,23dの拡散深さとは、活性領域10c,10dの表面からp型エクステンション領域26c,23dの接合面までの深さをいう。
【0154】
サイドウォール29C,29Dは、図26(a) 〜図27(b) に示すように、断面形状がL字状の内側サイドウォール27c,27d及び外側サイドウォール28c,28dを有している。サイドウォール29Cの幅は、サイドウォール29Dの幅と同じである。
【0155】
p型ソースドレイン領域30cの拡散深さは、p型ソースドレイン領域30dの拡散深さと同じである。p型ソースドレイン領域30cのp型不純物濃度は、p型ソースドレイン領域30dのp型不純物濃度と同じである。
【0156】
本実施形態に係る半導体装置は、第1の実施形態に係る半導体装置の製造方法と同様の製造方法により、製造することができる。
【0157】
具体的には例えば、本実施形態に係る半導体装置を、以下のようにして製造することができる。
【0158】
まず、図4(a) 〜図6(b) に示す工程と同様の工程を行う。但し、本実施形態では、調整用金属(例えばLa)を含む調整用金属膜16の代わりに、調整用金属(例えばAl)を含む調整用金属膜を形成する。
【0159】
次に、図7(a) 〜図9(b) に示す工程と同様の工程を行う。但し、本実施形態では、第1の実施形態と同様の熱処理(具体的には、調整用金属膜16に含まれる調整用金属を高誘電率膜15に導入する為の熱処理)、及び第1の実施形態と同様のエッチング(具体的には、調整用金属膜16における未反応の部分を除去する為のウェットエッチング)を行わない。
【0160】
次に、図10(a) 〜図12(b) に示す工程と同様の工程を行う。但し、本実施形態では、n型エクステンション注入領域の代わりに、p型エクステンション注入領域を形成する。例えば、イオン注入により、注入エネルギーが5keV,注入ドーズ量が2×1014cm-2のイオン注入条件で、活性領域10dに、例えばフッ化ボロン(BF2)等のp型不純物を注入する。これにより、p型エクステンション注入領域を形成する。
【0161】
次に、図13(a) 〜図15(b) に示す工程と同様の工程を行う。
【0162】
次に、図16(a) 〜図18(b) に示す工程と同様の工程を行う。但し、本実施形態では、n型エクステンション注入領域の代わりに、p型エクステンション注入領域を形成する。例えば、イオン注入により、注入エネルギーが1keV,注入ドーズ量が1×1015cm-2のイオン注入条件で、活性領域10cに、例えばBF2等のp型不純物を注入する。これにより、p型エクステンション注入領域を形成する。
【0163】
次に、図19(a) 〜図21(b) に示す工程と同様の工程を行う。但し、本実施形態では、n型ソースドレイン注入領域の代わりに、p型ソースドレイン注入領域を形成する。
【0164】
次に、図22(a) 〜図24(b) に示す工程と同様の工程を行う。
【0165】
以上のようにして、本実施形態に係る半導体装置を製造することができる。
【0166】
本実施形態によると、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0167】
なお、第1の実施形態では、図2(a) 〜図3(a) に示すように、活性領域10aと高誘電率膜17aとの間に、下地膜14aを形成する場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、活性領域と高誘電率膜との間に、下地膜を形成しなくてもよい。同様に、第2の実施形態では、図26(a) 〜図27(a) に示すように、活性領域10cと高誘電率膜15cとの間に、下地膜14cを形成する場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、活性領域と高誘電率膜との間に、下地膜を形成しなくてもよい。
【0168】
なお、第1の実施形態では、SiO2からなる下地膜14a,13bを用いる場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、酸窒化シリコン(SiON)からなる下地膜を用いてもよい。
【0169】
なお、第1の実施形態では、調整用金属(例えばLa)を含む高誘電率膜17bを用いる場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、調整用金属を含まない高誘電率膜を用いてもよい。
【0170】
なお、第2の実施形態では、高誘電率膜15dと金属膜19dとの間に、調整用金属(例えばAl)を含む調整用金属膜16dを形成する場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、高誘電率膜と金属膜との間に、調整用金属膜を形成しなくてもよい。
【0171】
なお、第1の実施形態では、調整用金属として、例えばLaを用いる場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。Laの代わりに、例えば他のランタノイド元素又はマグネシウム(Mg)等を用いてもよい。
【0172】
なお、第2の実施形態では、調整用金属膜として、例えばAlを含む調整用金属膜(具体的には例えば、酸化アルミニウム(Al23)又はAlからなる調整用金属膜)を用いる場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、酸化タンタル(TaO)からなる調整用金属膜を用いてもよい。
【0173】
なお、第1の実施形態では、ALD法により、SiNからなる内側,外側オフセットサイドウォール用膜を形成する場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。第1に例えば、CVD法により、SiNからなる内側,外側オフセットサイドウォール用膜を形成してもよい。第2に例えば、ALD法又はCVD法により、SiO2からなる内側,外側オフセットサイドウォール用膜を形成してもよい。
【0174】
なお、第1の実施形態では、硫酸系の薬液を用いた洗浄により、n型エクステンション注入領域26xの形成時にマスクとして利用したレジストパターンを除去する場合を具体例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、アッシングにより、レジストパターンを除去した後、アンモニア系の薬液又は塩酸系の薬液を用いた洗浄により、アッシング時に生じたポリマーを除去してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0175】
以上説明したように、本発明は、第1,第2のゲート電極の実効ゲート長が短くなることを防止することを防止することができ、第1,第2のゲート電極を有する第1,第2のMISトランジスタを備えた半導体装置及びその製造方法に有用である。
【符号の説明】
【0176】
10 半導体基板
10a 活性領域(第1の活性領域)
10b 活性領域(第2の活性領域)
11 素子分離領域
12a,12b p型ウェル領域
13,13b 下地膜
14,14x,14a 下地膜
15 高誘電率膜
16 調整用金属膜
17,17x,17a,17b 高誘電率膜
18 ゲート絶縁膜用膜
18x ゲート絶縁膜用膜(第1のゲート絶縁膜用膜)
18a ゲート絶縁膜(第1のゲート絶縁膜)
18b ゲート絶縁膜(第2のゲート絶縁膜)
19,19x,19a,19b 金属膜
20,20x,20a,20b シリコン膜
21 ゲート電極用膜
21x ゲート電極用膜(第1のゲート電極用膜)
21a ゲート電極(第1のゲート電極)
21b ゲート電極(第2のゲート電極)
22x 内側オフセットサイドウォール用膜(第1のオフセットサイドウォール用膜)
22a 内側オフセットサイドウォール(第1のオフセットサイドウォール)
22b 内側オフセットサイドウォール(第3のオフセットサイドウォール)
23y n型エクステンション注入領域
23b n型エクステンション領域(第2のエクステンション領域)
24a 外側オフセットサイドウォール(第2のオフセットサイドウォール)
24b 外側オフセットサイドウォール(第4のオフセットサイドウォール)
25A,25B オフセットサイドウォール
26x n型エクステンション注入領域
26a n型エクステンション領域(第1のエクステンション領域)
27a,27b 内側サイドウォール
28a,28b 外側サイドウォール
29A,29B サイドウォール
30x,30y n型ソースドレイン注入領域
30a,30b n型ソースドレイン領域
31a,31b,32a,32b シリサイド膜
Re1〜Re4 レジストパターン
l1,l2 ゲート長
w1,w2 ゲート幅
d1,d2 突き出し量
Lr1,Lr2 幅
Dr1,Dr2,D1 突き出し量
nTr1 低電圧系n型MISトランジスタ(第1のMISトランジスタ)
nTr2 高電圧系n型MISトランジスタ(第2のMISトランジスタ)
10c 活性領域(第1の活性領域)
10d 活性領域(第2の活性領域)
12c,12d n型ウェル領域
13d 下地膜
14c 下地膜
15c,15d 高誘電率膜
16c,16d 調整用金属膜
18c ゲート絶縁膜(第1のゲート絶縁膜)
18d ゲート絶縁膜(第2のゲート絶縁膜)
19c,19d 金属膜
20c,20d シリコン膜
21c ゲート電極(第1のゲート電極)
21d ゲート電極(第2のゲート電極)
22c 内側オフセットサイドウォール(第1のオフセットサイドウォール)
22d 内側オフセットサイドウォール(第3のオフセットサイドウォール)
23d p型エクステンション領域(第2のエクステンション領域)
24c 外側オフセットサイドウォール(第2のオフセットサイドウォール)
24d 外側オフセットサイドウォール(第4のオフセットサイドウォール)
25C,25D オフセットサイドウォール
26c p型エクステンション領域(第1のエクステンション領域)
27c,27d 内側サイドウォール
28c,28d 外側サイドウォール
29C,29D サイドウォール
30c,30d p型ソースドレイン領域
31c,31d,32c,32d シリサイド膜
l3,l4 ゲート長
w3,w4 ゲート幅
d3,d4 突き出し量
pTr1 低電圧系p型MISトランジスタ(第1のMISトランジスタ)
pTr2 高電圧系p型MISトランジスタ(第2のMISトランジスタ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のMISトランジスタと第2のMISトランジスタとを備えた半導体装置であって、
前記第1のMISトランジスタは、
半導体基板における第1の活性領域上に形成され、第1の高誘電率膜を有する第1のゲート絶縁膜と、
前記第1のゲート絶縁膜上に形成された第1のゲート電極と、
前記第1のゲート電極におけるゲート幅方向の側面上に形成された第1のオフセットサイドウォールと、
前記第1のゲート電極におけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に前記第1のオフセットサイドウォールを介して形成された第2のオフセットサイドウォールと、
前記第1の活性領域における前記第1のゲート電極の側方下に形成された第1のエクステンション領域とを備え、
前記第2のMISトランジスタは、
前記半導体基板における第2の活性領域上に形成され、第2の高誘電率膜を有する第2のゲート絶縁膜と、
前記第2のゲート絶縁膜上に形成された第2のゲート電極と、
前記第2のゲート電極におけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に形成された第3のオフセットサイドウォールと、
前記第2のゲート電極におけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に前記第3のオフセットサイドウォールを介して形成された第4のオフセットサイドウォールと、
前記第2の活性領域における前記第2のゲート電極の側方下に形成された第2のエクステンション領域とを備え、
前記第1のゲート電極におけるゲート長方向の側面上には、前記第1のオフセットサイドウォールが形成されていないことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置において、
前記第2のゲート絶縁膜の膜厚は、前記第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも厚いことを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の半導体装置において、
前記第2のゲート絶縁膜は、前記第2の活性領域上に形成された第1の下地膜と前記第1の下地膜上に形成された前記第2の高誘電率膜とを有し、
前記第1の下地膜の膜厚は、前記第2の高誘電率膜の膜厚よりも厚いことを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
請求項3に記載の半導体装置において、
前記第1のゲート絶縁膜は、前記第1の活性領域上に形成された第2の下地膜と前記第2の下地膜上に形成された前記第1の高誘電率膜とを有し、
前記第2の下地膜の膜厚は、前記第1の高誘電率膜の膜厚及び前記第1の下地膜の膜厚よりも薄いことを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1のゲート電極におけるゲート長方向の幅は、前記第2のゲート電極におけるゲート長方向の幅よりも狭いことを特徴とする半導体装置。
【請求項6】
請求項1〜5のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1の活性領域におけるゲート幅方向の幅は、前記第2の活性領域におけるゲート幅方向の幅よりも狭いことを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記半導体基板に前記第1の活性領域及び前記第2の活性領域のそれぞれを取り囲むように形成された素子分離領域をさらに備え、
前記第1のゲート電極は、前記第1の活性領域及び前記素子分離領域上に形成され、
前記第2のゲート電極は、前記第2の活性領域及び前記素子分離領域上に形成され、
前記第1のゲート電極が前記素子分離領域上に突き出す突き出し量は、前記第2のゲート電極が前記素子分離領域上に突き出す突き出し量よりも少ないことを特徴とする半導体装置。
【請求項8】
請求項1〜7のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1のオフセットサイドウォールの幅は、前記第3のオフセットサイドウォールの幅と同じであり、
前記第2のオフセットサイドウォールの幅は、前記第4のオフセットサイドウォールの幅よりも狭い、又は前記第4のオフセットサイドウォールの幅と同じであることを特徴とする半導体装置。
【請求項9】
請求項1〜8のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1のオフセットサイドウォールの幅は、前記第2のオフセットサイドウォールの幅よりも広く、
前記第3のオフセットサイドウォールの幅は、前記第4のオフセットサイドウォールの幅よりも広いことを特徴とする半導体装置。
【請求項10】
請求項1〜9のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1のエクステンション領域の拡散深さは、前記第2のエクステンション領域の拡散深さよりも浅いことを特徴とする半導体装置。
【請求項11】
請求項1〜10のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1のエクステンション領域の不純物濃度は、前記第2のエクステンション領域の不純物濃度よりも高いことを特徴とする半導体装置。
【請求項12】
請求項1〜11のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1のゲート電極の平面形状は、矩形状であり、
前記第2のゲート電極の平面形状は、矩形状の角部が丸みを帯びた形状であることを特徴とする半導体装置。
【請求項13】
請求項1〜12のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1のMISトランジスタの電源電圧は、前記第2のMISトランジスタの電源電圧よりも低いことを特徴とする半導体装置。
【請求項14】
請求項1〜13のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1のゲート電極は、前記第1のゲート絶縁膜上に形成された第1の金属膜と、前記第1の金属膜上に形成された第1のシリコン膜とを有し、
前記第2のゲート電極は、前記第2のゲート絶縁膜上に形成された第2の金属膜と、前記第2の金属膜上に形成された第2のシリコン膜とを有することを特徴とする半導体装置。
【請求項15】
請求項1〜14のうちいずれか1項に記載の半導体装置において、
前記第1のゲート絶縁膜は、調整用金属を含むことを特徴とする半導体装置。
【請求項16】
請求項15に記載の半導体装置において、
前記第1のMISトランジスタ及び前記第2のMISトランジスタは、n型MISトランジスタであり、
前記調整用金属は、ランタンであることを特徴とする半導体装置。
【請求項17】
請求項15に記載の半導体装置において、
前記第1のMISトランジスタ及び前記第2のMISトランジスタは、p型MISトランジスタであり、
前記調整用金属は、アルミニウムであることを特徴とする半導体装置。
【請求項18】
半導体基板における第1の活性領域上に形成された第1のゲート絶縁膜、第1のゲート電極、第1のオフセットサイドウォール、第2のオフセットサイドウォール及び第1のエクステンション領域を有する第1のMISトランジスタと、前記半導体基板における第2の活性領域上に形成された第2のゲート絶縁膜、第2のゲート電極、第3のオフセットサイドウォール、第4のオフセットサイドウォール及び第2のエクステンション領域を有する第2のMISトランジスタとを備えた半導体装置の製造方法であって、
前記半導体基板上に高誘電率膜を有するゲート絶縁膜用膜を形成する工程(a)と、
前記ゲート絶縁膜用膜上にゲート電極用膜を形成する工程(b)と、
前記ゲート電極用膜及びゲート絶縁膜用膜をパターニングして、前記第1の活性領域を覆い、且つ、前記第1のゲート電極におけるゲート幅方向の幅と同じ幅を有する第1のゲート電極用膜及び第1のゲート絶縁膜用膜を形成すると共に、前記第2の活性領域上に前記ゲート絶縁膜用膜からなる前記第2のゲート絶縁膜及び前記ゲート電極用膜からなる前記第2のゲート電極を形成する工程(c)と、
前記第1のゲート電極用膜におけるゲート幅方向の側面上に第1のオフセットサイドウォール用膜を形成すると共に、前記第2のゲート電極におけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に前記第3のオフセットサイドウォールを形成する工程(d)と、
前記工程(d)の後に、前記第2の活性領域における前記第2のゲート電極の側方下に前記第2のエクステンション領域を形成する工程(e)と、
前記工程(e)の後に、前記第1のゲート電極用膜、前記第1のゲート絶縁膜用膜及び前記第1のオフセットサイドウォール用膜をパターニングして、前記第1の活性領域上に前記第1のゲート絶縁膜用膜からなる前記第1のゲート絶縁膜及び前記第1のゲート電極用膜からなる前記第1のゲート電極を形成すると共に、前記第1のゲート電極におけるゲート幅方向の側面上に前記第1のオフセットサイドウォール用膜からなる前記第1のオフセットサイドウォールを形成する工程(f)と、
前記第1のゲート電極におけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に、前記第1のオフセットサイドウォールを介して前記第2のオフセットサイドウォールを形成すると共に、前記第2のゲート電極におけるゲート長方向の側面及びゲート幅方向の側面上に、前記第3のオフセットサイドウォールを介して前記第4のオフセットサイドウォールを形成する工程(g)と、
前記工程(g)の後に、前記第1の活性領域における前記第1のゲート電極の側方下に前記第1のエクステンション領域を形成する工程(h)とを備えることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項19】
請求項18に記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2のゲート絶縁膜の膜厚は、前記第1のゲート絶縁膜の膜厚よりも厚いことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項20】
請求項18又は19に記載の半導体装置の製造方法において、
前記工程(e)は、前記第1のゲート電極用膜及び前記第3のオフセットサイドウォールをマスクとして、前記第2の活性領域に不純物を注入することにより、第2のエクステンション注入領域を形成する工程(e1)と、前記工程(e1)の後に、熱処理により、前記第2のエクステンション領域を形成する工程(e2)とを有し、
前記工程(h)は、前記第2の活性領域を覆うレジストパターン及び前記第2のオフセットサイドウォールをマスクとして、前記第1の活性領域に不純物を注入することにより、第1のエクステンション注入領域を形成する工程(h1)と、洗浄により、前記レジストパターンを除去する工程(h2)と、前記工程(h2)の後に、熱処理により、前記第1のエクステンション領域を形成する工程(h3)とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2012−74503(P2012−74503A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−217600(P2010−217600)
【出願日】平成22年9月28日(2010.9.28)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】