半導体装置
【課題】IGBTとセットでFWダイオードとして使用される単体のショットキ・バリア・ダイオードにおいては、半田層を介して、表面のアノード電極をメタル・クリップに接続するケースが多い。この場合、アルミニウム系アノード電極上のポリイミド系ファイナル・パッシベーション膜の開口上にUBM層を設けるが、UBM層およびポリイミド系膜がともに、引っ張り応力を有するため、下地のアルミニウム系膜に両引っ張り応力によるクラックが発生する。
【解決手段】本願発明は、半導体基板の主面に設けられたSBDの活性領域および、その端部から外側の周辺部に設けられたPSG膜被覆領域を有するSBD素子において、アノード電極を構成するアルミニウム系メタル膜上に相補的に設けられた有機系ファイナル・パッシベーション膜とUBM層の境界部分をPSG膜被覆領域に設けたものである。
【解決手段】本願発明は、半導体基板の主面に設けられたSBDの活性領域および、その端部から外側の周辺部に設けられたPSG膜被覆領域を有するSBD素子において、アノード電極を構成するアルミニウム系メタル膜上に相補的に設けられた有機系ファイナル・パッシベーション膜とUBM層の境界部分をPSG膜被覆領域に設けたものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置におけるパッシベーション技術または電極形成技術等に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
日本特開2009−64848号公報(特許文献1)または、その対応米国出願である米国特許公開2009−57893号公報(特許文献2)には、LSI(Large Scale Integration)チップ外周の半田バンプ直下において、UBM(Under Bump Metal)下層の配線層にクラックが発生することを防止するために、当該部分の近傍に応力均衡部材を設ける技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−64848号公報
【特許文献2】米国特許公開2009−57893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
IGBT(InsulatednGate Bipolar Transistor)とセットでFW(Free Wheeling)ダイオードとして使用される単体のショットキ・バリア・ダイオード(Schottky Barrier Diode、以後「SBD」と呼ぶ)においては、半田層を介して、表面のアノード電極をメタル・クリップに接続するケースが多い。この場合、アルミニウム系アノード電極上のポリイミド系ファイナル・パッシベーション膜の開口上にUBM層を設けるが、UBM層およびポリイミド系膜がともに、引っ張り応力を有するため、下地のアルミニウム系膜に両引っ張り応力によるクラックが発生することが、本願発明者らによって、明らかとされた。
【0005】
このようなアルミニウム系膜のクラックは、容易にアクティブ領域に達し、リーク電流の増大を招く。
【0006】
本願発明は、これらの課題を解決するためになされたものである。
【0007】
本発明の目的は、信頼性の高い半導体装置を提供することにある。
【0008】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0010】
すなわち、本願の一つの発明は、半導体基板の主面に設けられたSBDの活性領域および、その端部から外側の周辺部に設けられたPSG(Phosphorus Silicate Glass)膜被覆領域を有するSBD素子において、アノード電極を構成するアルミニウム系メタル膜上に相補的に設けられた有機系ファイナル・パッシベーション膜とUBM層の境界部分をPSG膜被覆領域に設けたものである。
【発明の効果】
【0011】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0012】
すなわち、半導体基板の主面に設けられたSBDの活性領域および、その端部から外側の周辺部に設けられたPSG膜被覆領域を有するSBD素子において、アノード電極を構成するアルミニウム系メタル膜上に相補的に設けられた有機系ファイナル・パッシベーション膜とUBM層の境界部分をPSG膜被覆領域に設けるようにすることにより、有機系ファイナル・パッシベーション膜とUBM層の引っ張り応力に起因する下層のアルミニウム系メタル膜のクラックの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本願の一実施の形態の半導体装置(SBD素子)の全体上面図である。
【図2】図1のSBD活性領域内部領域R1の拡大上面図である。
【図3】図2のX−X’断面に対応するデバイス断面図(基本構造である非エピタキシャル基板を用いたもの)である。
【図4】図2のX−X’断面に対応するデバイス断面図(基本構造の一変形例であるエピタキシャル基板を用いたもの)である。
【図5】図1のSBD周辺領域R2のB−B’断面に対応するデバイス要部拡大断面図である。
【図6】本願の各実施の形態の半導体装置(SBD素子)をFWダイオードとして使用したIGBT&SBD複合素子のパッケージ上面図(内部が見えるように上半部のレジンを除去している)である。
【図7】図6のA−A’断面に対応するパッケージ断面図である。
【図8】図6に示すIGBT&SBD複合素子を三相モータの駆動に適用したモータ駆動回路の回路図である。
【図9】図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(P+不純物領域の導入工程)である。
【図10】図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(P+不純物拡散工程)である。
【図11】図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(PSG成膜工程)である。
【図12】図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(PSG膜被覆領域パターニング工程)である。
【図13】図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(アルミニウム系メタル膜成膜工程)である。
【図14】図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(アルミニウム系メタル膜パターニング工程)である。
【図15】図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(ポリイミド系ファイナル・パッシベーション膜パターニング工程)である。
【図16】図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(UBMメッキ工程)である。
【図17】図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(パッケージング工程)である。
【図18】本願の他の実施の形態の半導体装置(SBD素子;多層アノード・メタル構造)の全体上面図である。
【図19】図18のSBD周辺領域R2のB−B’断面に対応するデバイス要部拡大断面図である。
【図20】本願のその他の実施の形態の半導体装置(SBD素子;先行メッキ構造)の図18のSBD周辺領域R2のB−B’断面に対応するデバイス要部拡大断面図である。
【図21】図20に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(UBM膜先行メッキ工程)である。
【図22】本願の更にその他の実施の形態の半導体装置(SBD素子;基本構造の変形例)の全体上面図である。
【図23】図22のSBD周辺領域R2のB−B’断面に対応するデバイス要部拡大断面図である。
【図24】図22に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(PSG膜被覆領域パターニング工程)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔実施の形態の概要〕
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。
【0015】
1.以下を含む半導体装置:
(a)SBDのアノードが設けられた第1の主面、および、前記SBDのカソードが設けられた第2の主面を有する半導体基板;
(b)前記半導体基板の前記第1の主面の内部領域に設けられたSBD活性領域;
(c)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を囲むようにPSG膜で覆われたPSG膜被覆領域;
(d)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を覆い、その周辺の前記PSG膜被覆領域に渉って形成されたアルミニウム系金属アノード電極膜;
(e)前記アルミニウム系金属アノード電極膜および前記PSG膜上に形成された有機系ファイナル・パッシベーション膜;
(f)前記有機系ファイナル・パッシベーション膜に形成された開口部;
(g)前記アルミニウム系金属アノード電極膜上の前記開口部に設けられたUBM膜、
ここで、前記開口部に臨む前記有機系ファイナル・パッシベーション膜の内端は、前記PSG膜被覆領域上にある。
【0016】
2.前記1項の半導体装置において、更に、以下を含む:
(h)前記第1の主面に、前記SBD活性領域を囲むように設けられたP型不純物領域、
ここで、前記P型不純物領域の内端部は前記アルミニウム系金属アノード電極膜に接続されており、前記P型不純物領域の主要部は前記PSG膜被覆領域下にある。
【0017】
3.前記2項の半導体装置において、更に、以下を含む:
(i)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を囲むように前記PSG膜上に設けられたフィールド・プレート、
ここで、前記フィールド・プレートは、前記アルミニウム系金属アノード電極膜と同層の部材で構成されており、前記P型不純物領域に接続されている。
【0018】
4.前記1から3項のいずれか一つの半導体装置において、前記半導体基板は、N型シリコン系半導体基板である。
【0019】
5.前記4項の半導体装置において、前記N型シリコン系半導体基板は、エピタキシャル基板である。
【0020】
6.前記4項の半導体装置において、前記N型シリコン系半導体基板は、非エピタキシャル基板の前記第2の主面側をイオン打ち込みによって、より高濃度のN型シリコン系半導体としたものである。
【0021】
7.前記1から6項のいずれか一つの半導体装置において、前記有機系ファイナル・パッシベーション膜は、主にポリイミド系樹脂膜から構成されている。
【0022】
8.前記1から7項のいずれか一つの半導体装置において、前記アルミニウム系金属アノード電極膜は、主に単層のアルミニウムを主要な成分とするメタル膜から構成されている。
【0023】
9.以下を含む半導体装置:
(a)SBDのアノードが設けられた第1の主面、および、前記SBDのカソードが設けられた第2の主面を有する半導体基板;
(b)前記半導体基板の前記第1の主面の内部領域に設けられたSBD活性領域;
(c)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を囲むようにPSG膜で覆われたPSG膜被覆領域;
(d)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を覆い、その周辺の前記PSG膜被覆領域に渉って形成されたアルミニウム系金属アノード電極膜;
(e)前記アルミニウム系金属アノード電極膜および前記PSG膜上に形成された有機系ファイナル・パッシベーション膜;
(f)前記有機系ファイナル・パッシベーション膜に形成された開口部;
(g)前記アルミニウム系金属アノード電極膜上の前記開口部に設けられたUBM膜、
ここで、前記アルミニウム系金属アノード電極膜は、以下を含む:
(d1)第1のアルミニウム系金属膜;
(d2)前記第1のアルミニウム系金属膜上に設けられたアルミニウム拡散バリア・メタル膜;
(d3)前記アルミニウム拡散バリア・メタル膜上に設けられた第2のアルミニウム系金属膜。
【0024】
10.前記9項の半導体装置において、前記アルミニウム拡散バリア・メタル膜は、TiW系膜、Ti系膜、W系膜、または、これらの複合膜から構成されている。
【0025】
11.前記9または10項の半導体装置において、第1のアルミニウム系金属膜および第2のアルミニウム系金属膜は、それぞれ主に単層のアルミニウムを主要な成分とするメタル膜から構成されている。
【0026】
12.前記9から11項のいずれか一つの半導体装置において、前記半導体基板は、N型シリコン系半導体基板である。
【0027】
13.前記9から12項のいずれか一つの半導体装置において、前記有機系ファイナル・パッシベーション膜は、主にポリイミド系樹脂膜から構成されている。
【0028】
14.前記12項の半導体装置において、前記N型シリコン系半導体基板は、非エピタキシャル基板の前記第2の主面側をイオン打ち込みによって、より高濃度のN型シリコン系半導体としたものである。
【0029】
15.以下を含む半導体装置:
(a)SBDのアノードが設けられた第1の主面、および、前記SBDのカソードが設けられた第2の主面を有する半導体基板;
(b)前記半導体基板の前記第1の主面の内部領域に設けられたSBD活性領域;
(c)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を囲むようにPSG膜で覆われたPSG膜被覆領域;
(d)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を覆い、その周辺の前記PSG膜被覆領域に渉って形成されたアルミニウム系金属アノード電極膜;
(e)前記アルミニウム系金属アノード電極膜の上面及び側面を覆うUBM膜;
(f)前記UBM膜および前記PSG膜上に形成された有機系ファイナル・パッシベーション膜;
(g)前記有機系ファイナル・パッシベーション膜に形成された前記UBM膜上の開口部。
【0030】
16.前記15項の半導体装置において、前記半導体基板は、N型シリコン系半導体基板である。
【0031】
17.前記15または16項の半導体装置において、前記有機系ファイナル・パッシベーション膜は、主にポリイミド系樹脂膜から構成されている。
【0032】
18.前記15から17項のいずれか一つの半導体装置において、前記アルミニウム系金属アノード電極膜は、主に単層のアルミニウムを主要な成分とするメタル膜から構成されている。
【0033】
19.前記15から18項のいずれか一つの半導体装置において、前記UBM膜は、メッキ膜である。
【0034】
20.前記19項の半導体装置において、前記UBM膜は、下層のニッケル膜および上層の金膜を含む。
【0035】
次に、本願において開示される発明のその他の実施の形態について概要を説明する。
【0036】
21.以下を含む半導体装置:
(a)SBDのアノードが設けられた第1の主面、および、前記SBDのカソードが設けられた第2の主面を有する半導体基板;
(b)前記半導体基板の前記第1の主面の内部領域に設けられたSBD活性領域;
(c)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を囲むように絶縁膜で覆われた絶縁膜被覆領域;
(d)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を覆い、その周辺の前記絶縁膜被覆領域に渉って形成されたアルミニウム系金属アノード電極膜;
(e)前記アルミニウム系金属アノード電極膜および前記絶縁膜上に形成された有機系ファイナル・パッシベーション膜;
(f)前記有機系ファイナル・パッシベーション膜に形成された開口部;
(g)前記アルミニウム系金属アノード電極膜上の前記開口部に設けられたUBM膜、
ここで、前記開口部に臨む前記有機系ファイナル・パッシベーション膜の内端は、前記絶縁膜被覆領域上にある。
【0037】
22.前記21項の半導体装置において、更に、以下を含む:
(h)前記第1の主面に、前記SBD活性領域を囲むように設けられたP型不純物領域、
ここで、前記P型不純物領域の内端部は前記アルミニウム系金属アノード電極膜に接続されており、前記P型不純物領域の主要部は前記絶縁膜被覆領域下にある。
【0038】
23.前記22項の半導体装置において、更に、以下を含む:
(i)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を囲むように前記絶縁膜上に設けられたフィールド・プレート、
ここで、前記フィールド・プレートは、前記アルミニウム系金属アノード電極膜と同層の部材で構成されており、前記P型不純物領域に接続されている。
【0039】
24.前記21から23項のいずれか一つの半導体装置において、前記半導体基板は、N型シリコン系半導体基板である。
【0040】
25.前記24項の半導体装置において、前記N型シリコン系半導体基板は、エピタキシャル基板である。
【0041】
26.前記24項の半導体装置において、前記N型シリコン系半導体基板は、非エピタキシャル基板の前記第2の主面側をイオン打ち込みによって、より高濃度のN型シリコン系半導体としたものである。
【0042】
27.前記21から26項のいずれか一つの半導体装置において、前記有機系ファイナル・パッシベーション膜は、主にポリイミド系樹脂膜から構成されている。
【0043】
28.前記21から27項のいずれか一つの半導体装置において、前記アルミニウム系金属アノード電極膜は、主に単層のアルミニウムを主要な成分とするメタル膜から構成されている。
【0044】
29.以下を含む半導体装置:
(a)SBDのアノードが設けられた第1の主面、および、前記SBDのカソードが設けられた第2の主面を有する半導体基板;
(b)前記半導体基板の前記第1の主面の内部領域に設けられたSBD活性領域;
(c)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を囲むように絶縁膜で覆われた絶縁膜被覆領域;
(d)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を覆い、その周辺の前記絶縁膜被覆領域に渉って形成されたアルミニウム系金属アノード電極膜;
(e)前記アルミニウム系金属アノード電極膜および前記絶縁膜上に形成された有機系ファイナル・パッシベーション膜;
(f)前記有機系ファイナル・パッシベーション膜に形成された開口部;
(g)前記アルミニウム系金属アノード電極膜上の前記開口部に設けられたUBM膜、
ここで、前記アルミニウム系金属アノード電極膜は、以下を含む:
(d1)第1のアルミニウム系金属膜;
(d2)前記第1のアルミニウム系金属膜上に設けられたアルミニウム拡散バリア・メタル膜;
(d3)前記アルミニウム拡散バリア・メタル膜上に設けられた第2のアルミニウム系金属膜。
【0045】
30.前記29項の半導体装置において、前記アルミニウム拡散バリア・メタル膜は、TiW系膜、Ti系膜、W系膜、または、これらの複合膜から構成されている。
【0046】
31.前記29または30項の半導体装置において、第1のアルミニウム系金属膜および第2のアルミニウム系金属膜は、それぞれ主に単層のアルミニウムを主要な成分とするメタル膜から構成されている。
【0047】
32.前記29から31項のいずれか一つの半導体装置において、前記半導体基板は、N型シリコン系半導体基板である。
【0048】
33.前記29から32項のいずれか一つの半導体装置において、前記有機系ファイナル・パッシベーション膜は、主にポリイミド系樹脂膜から構成されている。
【0049】
34.前記32項の半導体装置において、前記N型シリコン系半導体基板は、非エピタキシャル基板の前記第2の主面側をイオン打ち込みによって、より高濃度のN型シリコン系半導体としたものである。
【0050】
35.以下を含む半導体装置:
(a)SBDのアノードが設けられた第1の主面、および、前記SBDのカソードが設けられた第2の主面を有する半導体基板;
(b)前記半導体基板の前記第1の主面の内部領域に設けられたSBD活性領域;
(c)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を囲むように絶縁膜で覆われた絶縁膜被覆領域;
(d)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を覆い、その周辺の前記絶縁膜被覆領域に渉って形成されたアルミニウム系金属アノード電極膜;
(e)前記アルミニウム系金属アノード電極膜の上面及び側面を覆うUBM膜;
(f)前記UBM膜および前記絶縁膜上に形成された有機系ファイナル・パッシベーション膜;
(g)前記有機系ファイナル・パッシベーション膜に形成された前記UBM膜上の開口部。
【0051】
36.前記35項の半導体装置において、前記半導体基板は、N型シリコン系半導体基板である。
【0052】
37.前記35または36項の半導体装置において、前記有機系ファイナル・パッシベーション膜は、主にポリイミド系樹脂膜から構成されている。
【0053】
38.前記35から37項のいずれか一つの半導体装置において、前記アルミニウム系金属アノード電極膜は、主に単層のアルミニウムを主要な成分とするメタル膜から構成されている。
【0054】
39.前記35から38項のいずれか一つの半導体装置において、前記UBM膜は、メッキ膜である。
【0055】
40.前記39項の半導体装置において、前記UBM膜は、下層のニッケル膜および上層の金膜を含む。
【0056】
41.前記1から40項のいずれか一つの半導体装置において、前記SBDの前記アノードおよび前記カソードが、前記半導体基板と別の半導体基板に形成されたIGBTのエミッタおよびコレクタとそれぞれ接続されている。
【0057】
〔本願における記載形式・基本的用語・用法の説明〕
1.本願において、実施の態様の記載は、必要に応じて、便宜上複数のセクションに分けて記載する場合もあるが、特にそうでない旨明示した場合を除き、これらは相互に独立別個のものではなく、単一の例の各部分、一方が他方の一部詳細または一部または全部の変形例等である。また、原則として、同様の部分は繰り返しを省略する。また、実施の態様における各構成要素は、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、必須のものではない。
【0058】
更に、本願において、「半導体装置」または「半導体集積回路装置」というときは、主に、各種のダイオードまたは各種トランジスタ(能動素子)単体、あるいは、それらを中心に、抵抗、コンデンサ等を半導体チップ等(たとえば単結晶シリコン基板)上に集積したものをいう。
【0059】
2.同様に実施の態様等の記載において、材料、組成等について、「AからなるX」等といっても、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかに、そうでない場合を除き、A以外の要素を主要な構成要素のひとつとするものを排除するものではない。たとえば、成分についていえば、「Aを主要な成分として含むX」等の意味である。
【0060】
具体的に言えば、「アルミニウム膜」、「ニッケル膜」、「金膜」、「チタン膜」等といっても、特にそうでない旨明示した場合を除き、純粋なこれらの膜を指すものではなく、「アルミニウム系膜」、「ニッケル系膜」、「金系膜」、「チタン系膜」等、すなわち、「アルミニウムを主要な成分とする膜」、「ニッケルを主要な成分とする膜」、「金を主要な成分とする膜」、「チタンを主要な成分とする膜」等を表している。
【0061】
また、「シリコン部材」等といっても、純粋なシリコンに限定されるものではなく、SiGe合金やその他シリコンを主要な成分とする多元合金、その他の添加物等を含む部材も含むものであることはいうまでもない。同様に、「酸化シリコン膜」、「酸化シリコン系絶縁膜」等と言っても、比較的純粋な非ドープ酸化シリコン(Undoped Silicon Dioxide)だけでなく、FSG(Fluorosilicate Glass)、TEOSベース酸化シリコン(TEOS-based silicon oxide)、SiOC(Silicon Oxicarbide)またはカーボンドープ酸化シリコン(Carbon-doped Silicon oxide)またはOSG(Organosilicate glass)、PSG(Phosphorus Silicate Glass)、BPSG(Borophosphosilicate Glass)等の熱酸化膜、CVD酸化膜、SOG(Spin ON Glass)、ナノ・クラスタリング・シリカ(Nano-Clustering Silica:NCS)等の塗布系酸化シリコン、これらと同様な部材に空孔を導入したシリカ系Low-k絶縁膜(ポーラス系絶縁膜)、およびこれらを主要な構成要素とする他のシリコン系絶縁膜との複合膜等を含むことは言うまでもない。
【0062】
また、酸化シリコン系絶縁膜と並んで、半導体分野で常用されているシリコン系絶縁膜としては、窒化シリコン系絶縁膜がある。この系統の属する材料としては、SiN,SiCN,SiNH,SiCNH等がある。ここで、「窒化シリコン」というときは、特にそうでない旨明示したときを除き、SiNおよびSiNHの両方を含む。同様に、「SiCN」というときは、特にそうでない旨明示したときを除き、SiCNおよびSiCNHの両方を含む。
【0063】
なお、SiCは、SiNと類似の性質を有するが、SiONは、むしろ、酸化シリコン系絶縁膜に分類すべき場合が多い。
【0064】
3.同様に、図形、位置、属性等に関して、好適な例示をするが、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、厳密にそれに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0065】
4.さらに、特定の数値、数量に言及したときも、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、その特定の数値を超える数値であってもよいし、その特定の数値未満の数値でもよい。
【0066】
5.「ウエハ」というときは、通常は半導体装置(半導体集積回路装置、電子装置も同じ)をその上に形成する単結晶シリコンウエハを指すが、エピタキシャルウエハ、SOI基板、LCDガラス基板等の絶縁基板と半導体層等の複合ウエハ等も含むことは言うまでもない。
【0067】
6.本願においてSBDに関して「内部領域」とは、セル状P+不純物領域とともにアノードの一部を構成するSBD活性領域周辺P+不純物領域(P型不純物領域)を含み、SBD活性領域、P−不純物領域等、それよりも内部の領域を言う。また、ここで言う「SBD活性領域」は、内部領域からPSG膜被覆領域(絶縁膜被覆領域)を除いた部分である。更に、本願においてSBDとは、純粋なショットキ・バリア・ダイオードばかりでなく、ショットキ・バリア・ダイオードと通常のPN接合ダイオードを組み合わせて集積したものも含むことは言うまでもない。なお、本願の実施の形態で例示したSBDが純粋なSBDとPN接合ダイオードの組み合わせとなっているのは、リカバリ特性を改善しつつ、スイッチングによるサージ電圧によるダメージを回避するためである。
【0068】
更に、ここで、「PSG膜被覆領域」は、マクロ的にPSG膜等で被覆されている領域をいい、微細なコンタクト・ホール等のために、局所的にPSG膜等が抜けていても、近傍にPSG膜等があれば、その部分もPSG膜被覆領域に含まれる。
【0069】
なお、「UBM膜」とは、外部接続用等の半田膜(たとえば、半田ペーストを印刷したもの)とアルミニウム系電極(または、その他の電極金属膜)との間にあって、相互の干渉を防止したり、相互接続を良好にするための中間金属膜を言う。従って、半田膜は、いわゆるバンプ形状をしている必要はない。
【0070】
〔実施の形態の詳細〕
実施の形態について更に詳述する。各図中において、同一または同様の部分は同一または類似の記号または参照番号で示し、説明は原則として繰り返さない。
【0071】
また、添付図面においては、却って、煩雑になる場合または空隙との区別が明確である場合には、断面であってもハッチング等を省略する場合がある。これに関連して、説明等から明らかである場合等には、平面的に閉じた孔であっても、背景の輪郭線を省略する場合がある。更に、断面でなくとも、空隙でないことを明示するために、ハッチングを付すことがある。
【0072】
1.本願の一実施の形態の半導体装置(SBD素子)の構造(基本構造)等の説明(主に図1から図5)
図1は本願の一実施の形態の半導体装置(SBD素子)の全体上面図である。図2は図1のSBD活性領域内部領域R1の拡大上面図である。図3は図2のX−X’断面に対応するデバイス断面図(基本構造である非エピタキシャル基板を用いたもの)である。図4は図2のX−X’断面に対応するデバイス断面図(基本構造の一変形例であるエピタキシャル基板を用いたもの)である。図5は図1のSBD周辺領域R2のB−B’断面に対応するデバイス要部拡大断面図である。これらに基づいて、本願の一実施の形態の半導体装置(SBD素子)の構造を説明する。
【0073】
まず、SBDチップ2(ここでは、一例として、耐圧600ボルト、最大電流300アンペア、チップ寸法は8ミリ・メートル角とする)の全体上面レイアウトを説明する。図1に示すように、チップ2のエッジ領域ではその表面1a(裏面1bの反対の面)は露出しており、その直近から矢印で示すチップ2の周辺部は、ポリイミド系樹脂膜6(有機系ファイナル・パッシベーション膜)で被覆されている。チップ2のエッジ領域には、クローズド・ループを形成するアルミニウム系メタル層から形成されたメタル・ガードリング3が設けられており、その内側のチップ周辺部には複数のフローティング・フィールド・リング、フィールド・プレート等から構成されたフローティング・フィールド・リング領域4(フィールド・リミッティング・リング領域)がある。フローティング・フィールド・リング領域4の内側の内部領域は、ほぼ全部がアルミニウム系金属アノード電極膜5(アルミニウム系金属膜)となっており、この例では、その内部に有機系ファイナル・パッシベーション膜6の開口部8がある。この開口部8内には、SBD部や接合ダイオード部を集積したSBD活性領域7が設けられている。
【0074】
次に、図1のSBD活性領域内部領域R1の拡大上面図で図2に示す。図2に示すように、SBD活性領域7の内部のほとんどの部分には、ここに示すような格子状のセル状P+不純物領域9が配置されている。ここで、一例としての寸法を示すと、セル状P+不純物領域9の径は10マイクロ・メートル程度であり、その横方向のピッチは、25マイクロ・メートル程度であり、その縦方向のピッチは、21.5マイクロ・メートル程度である。
【0075】
次に、図2のX−X’断面の構造を図3に基づいて説明する。図3に示すように、半導体基板部1は、たとえば、非エピタキシャル基板1n(デバイス完成時の厚さは、たとえば100マイクロ・メートル程度)である単結晶シリコン基板(ウエハ工程の開始時材料ウエハ)から作られており、もともとの基板部である半導体基板部のn−層1sと工程途中で裏面からイオン打ち込みにより高濃度N型不純物領域とした半導体基板部のn+層(厚さは、たとえば2マイクロ・メートル程度で、抵抗率は、たとえば0.01から0.02Ωcm程度である)から構成されている。半導体基板部1の裏面側1b(第2の主面)の表面上には、裏面電極12が設けられており、たとえば、半導体基板側から裏面電極のニッケル膜(厚さは、たとえば50nm程度)12a、裏面電極のチタン膜12b(厚さは、たとえば100nm程度)、裏面電極のニッケル膜12c(厚さは、たとえば600nm程度)、裏面電極の金膜12d(厚さは、たとえば100nm程度)等から構成されている。半導体基板部1の表面側1a(第1の主面)の表面領域には、多数のセル状P+不純物領域9(ピーク濃度1x1018/cm3程度、深さは、たとえば6マイクロ・メートル程度)および、それらよりも浅く且つ、濃度が薄いP−不純物領域11が設けられている。なお、実質的にこのP−不純物領域11がショットキ接合のアノード部を形成している。更に、半導体基板部1の表面側1a(第1の主面)の表面上には、P−不純物領域11とともにショットキ接合のアノードを構成する金属アノード電極、すなわち、アルミニウム系金属アノード電極膜5(アルミニウム系金属膜;厚さは、たとえば5.5マイクロ・メートル程度)が設けられており、その上には、アノード電極を半田接続するための中間金属膜としてのUBM膜14が設けられている。UBM膜14は、アノード電極側から、たとえば、ニッケル膜14a(厚さは、たとえば1から4マイクロ・メートル程度)、金膜14b(厚さは、たとえば70nm程度)等のメッキ膜から構成されている。
【0076】
ウエハ工程の開始時材料ウエハとしては、非エピタキシャル基板のほか、図4に示すように、当初から半導体基板部のn+層1c(デバイス完成時における厚さ、たとえば200マイクロ・メートル程度)上にエピタキシャル層としての半導体基板部のn−層1s(厚さ、たとえば80マイクロ・メートル程度)を有するエピタキシャル基板1eを用いることもできる。なお、ここに表示した以外の部分の寸法、抵抗率、不純物濃度等は、ほぼ図3と同じである。
【0077】
次に、図1のSBD周辺領域R2(SBD活性領域7の周辺領域とチップ2の周辺領域を含む領域)のB−B’断面の模式的なデバイス断面を図5に示す。この断面は、デバイス全体の特徴的断面構造をほぼ全て含むので、これを説明することで、副次的なコンタクト部等を除き、デバイス断面構造を基本的に全て説明可能である。図5に示すように、チップ内部領域側には、SBD活性領域7があり、その反対側には、PSG膜10p(層間絶縁膜)等の無機系絶縁膜10でほぼ被覆されたPSG膜被覆領域10r(絶縁膜被覆領域)がある。SBD活性領域7とPSG膜被覆領域10rとの境界領域には、SBD活性領域7を平面的に取り囲むように設けられたリング状のSBD活性領域周辺P+不純物領域17(P型不純物領域)があり、拡散ガード・リングとして耐圧の向上に寄与する一方、接合型ダイオードの一部となっている。また、アルミニウム系金属アノード電極膜5の外部端は、無機系絶縁膜10に延び、アノード電極膜に連結したフィールド・プレート5fとなっている。フローティング・フィールド・リング領域4内には、この例では、内部領域を取り囲むように、3個のリング状のP+フローティング・フィールド・リング(フィールド・リミッティング・リング)18(18a,18b,18c)が設けられており、そのうちの2つに併設された独立したフィールド・プレート15(15a,15b)とともに、ダイオードの耐圧向上に寄与している。なお、各フィールド・プレート15a,15bは、平面的には、それらが接続されたP+フローティング・フィールド・リング18b,18cに沿ったリング形状をしている。更に、チップ2(図1)のエッジ領域には、N+チャネル・ストップ不純物領域16(リン濃度は、たとえば1x1019/cm3程度)が、設けられており、先に説明したメタル・ガードリング3は、それに接続されている。ここで、有機系ファイナル・パッシベーション膜6の内端6i、すなわち、開口部8の外端は、PSG膜10p(層間絶縁膜)上、すなわち、PSG膜被覆領域10r(絶縁膜被覆領域)上にある。従って、UBM膜14と有機系ファイナル・パッシベーション膜6の引っ張り応力が相互に反対方向に作用して、アルミニウム系金属アノード電極膜5(アルミニウム系金属膜)にクラックが発生したとしても、その影響が、SBD活性領域7に達する可能性は小さい。
【0078】
2.本願の一実施の形態の半導体装置(SBD素子)の応用段階におけるパッケージ構造および応用回路等の説明(主に図6から図8)
ここで説明するIGBT&SBD複合素子、パッケージ構造、応用回路は、セクション1で説明したSBDに限らず、他の例のSBDに同様に適用できる。
【0079】
図6は本願の各実施の形態の半導体装置(SBD素子)をFWダイオードとして使用したIGBT&SBD複合素子のパッケージ上面図(内部が見えるように上半部のレジンを除去している)である。図7は図6のA−A’断面に対応するパッケージ断面図である。図8は図6に示すIGBT&SBD複合素子を三相モータの駆動に適用したモータ駆動回路の回路図である。これらに基づいて、本願の一実施の形態の半導体装置(SBD素子)の応用段階におけるパッケージ構造および応用回路等を説明する。
【0080】
まず、IGBT&SBD複合素子のパッケージ構造を説明する。通常の使用形態においては、SBDのアノードおよびカソードが、別の半導体チップに形成されたIGBTのエミッタおよびコレクタとそれぞれ接続された状態でレジン封止されている。すなわち、図6および図7に示すように、たとえば銅系の金属ヒートシンク23(金属ベース)上に(IGBTのコレクタおよびSBD素子のカソード側である)、たとえば、半田層21を介して、IGBTチップ20(IGBT素子)およびSBDチップ2(SBD素子)が固定されており、IGBTチップ20のエミッタおよびSBDチップ2のアノードは、半田層19を介して、たとえば銅系の金属クリップ22と接続されている。この金属クリップ22は、別の半田層21を介して、たとえば銅系のリード25aに接続され、外部に取り出されている。一方、IGBTチップ20のゲートに対応するボンディング・パッド26とリード25bの間は、たとえばアルミニウム系ボンディング・ワイヤ24(銅系ワイヤでも金系ワイヤでもよい)で相互接続されている。なお、金属ヒートシンク23、リード25a、25bには、封止レジン27の接着性を向上させるための線状溝28が設けられている。
【0081】
次に、IGBT&SBD複合素子32a,32b,32c,32d,32e,32fの具体的適用回路の一例(3相モータ駆動回路)を図8に示す。図8に示すように、この3相モータ駆動回路は、IGBT&SBD複合素子32a,32b,32c,32d,32e,32fを用いて、直流電源31からの出力を高速スイッチングすることで、3相モータ30を駆動している。各IGBT&SBD複合素子32a,32b,32c,32d,32e,32fは、IGBT素子20a,20b,20c,20d,20e,20fとSBD素子2a,2b,2c,2d,2e,2fの組み合わせで構成されている。
【0082】
尚、本願発明に係るSBD素子は、上記IGBTに限らず、MOSトランジスタやバイポーラトランジスタ等のスイッチング素子に用いても良く、また、3相モータに限らず2相モータやソレノイド駆動等の回路等に広く用いることができる。
【0083】
3.本願の一実施の形態の半導体装置(SBD素子)の製造プロセスの概要等の説明(主に図9から図17および図5)
このセクションに示す製造プロセスは、図5に示すデバイス構造を例にとって説明するが、基本的に、他の構造についても、ほぼそのまま適用できる。従って、後の他の構造の説明の部分では、製造プロセスについては、異なる部分のみを説明する。
【0084】
図9は図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(P+不純物領域の導入工程)である。図10は図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(P+不純物拡散工程)である。図11は図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(PSG成膜工程)である。図12は図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(PSG膜被覆領域パターニング工程)である。図13は図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(アルミニウム系メタル膜成膜工程)である。
図14は図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(アルミニウム系メタル膜パターニング工程)である。図15は図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(ポリイミド系ファイナル・パッシベーション膜パターニング工程)である。図16は図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(UBMメッキ工程)である。図17は図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(パッケージング工程)である。これらに基づいて、本願の一実施の形態の半導体装置(SBD素子)の製造プロセスの概要等を説明する。
【0085】
まず、たとえば、200φ(ウエハの径は、必要に応じて、100φ、150φ、200φ、300φ、450φのいずれであってもよい)のフローティング・ゾーン(Floating Zone)法による非エピタキシャル基板1nであるn−型シリコン単結晶ウエハ1(抵抗率は、たとえば20から30Ωcm程度)を準備する(ウエハの厚さは、たとえば、500マイクロ・メートル程度である。好適な範囲としては、400から1000マイクロ・メートル程度である)。なお、シリコン結晶成長法としては、チョクラルスキ(Czochralski)法でもよい。なお、セクション1で説明したように、スターティング・ウエハとしては、エピタキシャル基板1eを用いてもよい。その場合は、図15の裏面イオン打ち込みは不要である。
【0086】
次に、図9に示すように、ウエハ1の表面1aを熱酸化して、表面1aにシリコン酸化膜10f(フィールド絶縁膜)を形成する。次に、リソグラフィにより、シリコン酸化膜10fをパターニングして、P+不純物導入のためのシリコン酸化膜パターン10fを形成する。シリコン酸化膜パターン10fのない部分に、ボロンをイオン打ち込みすることにより、多数のセル状P+不純物領域9、SBD活性領域周辺P+不純物領域17、P+フローティング・フィールド・リング18a,18b,18c等を導入する。
【0087】
次に、図10に示すように、ボロン拡散処理(熱処理、たとえば摂氏1200度、125分程度)を実行して、多数のセル状P+不純物領域9、SBD活性領域周辺P+不純物領域17、P+フローティング・フィールド・リング18a,18b,18c等を引き伸ばすとともに、表面の露出部に熱酸化膜を形成する。ここで、再度、ウエハ1の表面1aのほぼ全体が、シリコン酸化膜10fに覆われることとなる。
【0088】
次に、図11に示すように、シリコン酸化膜10fのチップ・エッジ部をリソグラフィにより、開口した状態で表面リン処理(熱処理、たとえば摂氏1000度、10分程度)を実行することで、チップ・エッジ部にN+チャネル・ストップ不純物領域16を形成すると同時に、シリコン酸化膜10fの表面領域をリン・ガラスに変化させる。続いて、ウエハ1の表面1a側のほぼ全体に、CVDにより、PSG膜10p(層間絶縁膜)を成膜する。これにより、シリコン酸化膜10fとPSG膜10pと一体と成って、無機系絶縁膜10を構成することとなる。
【0089】
次に、図12に示すように、無機系絶縁膜10をリソグラフィにより、パターニングすることにより、SBD活性領域7に対応する開口およびフィールド・プレート・コンタクト・ホール33b,33cを形成する。
【0090】
次に、図13に示すように、ウエハ1の表面1a側のほぼ全体に、たとえばスパッタリング(基板温度は、たとえば摂氏150から200度程度)により、アルミニウムを主要な成分とするアルミニウム系金属膜5(たとえば、1%程度のシリコンを含み、残りは主にアルミニウム)を成膜する。
【0091】
次に、図14に示すように、アルミニウム系金属膜5をリソグラフィにより、パターニングすることにより、アルミニウム系金属膜5のアノード部分、フィールド・プレート15a,15b、メタル・ガードリング3を分離する。続いて、熱処理(たとえば摂氏450度、60分程度)を施すと、アルミニウムが若干、半導体基板部のn−層1sに拡散して、P−不純物領域11が形成される。
【0092】
次に、図15に示すように、ウエハ1の表面1a側のほぼ全体に、たとえば感光性ポリイミド樹脂膜(厚さは、たとえば10マイクロ・メートル程度)を塗布して、リソグラフィにより、パターニングすることにより、有機系ファイナル・パッシベーション膜6の開口部8等を形成する。なお、感光性ポリイミド樹脂膜の代わりに、非感光性ポリイミド樹脂膜を塗布して、レジスト膜を用いたリソグラフィにより、パターニングしてもよい。
【0093】
次に、図16に示すように、アルミニウム系金属アノード電極膜5(アルミニウム系金属膜)上の有機系ファイナル・パッシベーション膜6の開口部8にメッキにより、UBM膜14を成膜する。
【0094】
次に、図5に示すように、裏面研削を実施することによって、ウエハ1の厚さをたとえば、100マイクロ・メートル程度まで薄くする。続いて、ウエハ1の裏面1bからN型不純物をイオン打ち込みすることにより、半導体基板部のn−層1sよりも高濃度の半導体基板部のn+層1cを形成する。更に、裏面1bに、たとえばメッキにより、裏面電極膜12を成膜する。
【0095】
次に、ダイシングを実行して、図1に示すようなここのチップ2に分割する。
【0096】
次に、図17に示すように、このチップ2を図6および図7に示すように、半田膜21を介して金属ヒートシンク(金属ベース)23上に置き、UBM膜14上に半田膜19を塗布し、その上にクリップ22をセットして、その状態で半田リフローを実施する。その後、ワイヤ・ボンディングを実施して、レジン封止して、パッケージが完成する。
【0097】
4.本願の他の実施の形態の半導体装置(SBD素子)の構造(多層アノード・メタル構造)等の説明(主に図18および図19)
図18は本願の他の実施の形態の半導体装置(SBD素子;多層アノード・メタル構造)の全体上面図である。図19は図18のSBD周辺領域R2のB−B’断面に対応するデバイス要部拡大断面図である。これらに基づいて、本願の他の実施の形態の半導体装置(SBD素子)の構造(多層アノード・メタル構造)等を説明する。
【0098】
図18または図19に示すように、この例では、セクション1から3で説明した単層のアルミニウム系金属アノード電極膜5(アルミニウム系金属膜)に代わって、下から下層アルミニウム系金属膜5a(第1のアルミニウム系金属膜、厚さ、たとえば3マイクロ・メートル程度)、アルミニウム拡散バリア・メタル膜5b(厚さ、たとえば0.5マイクロ・メートル程度)、上層アルミニウム系金属膜5c(第2のアルミニウム系金属膜、厚さ、たとえば2マイクロ・メートル程度)等からなる多層のアルミニウム系金属アノード電極膜5(アルミニウム系金属膜)としたことによって、クラック耐性が向上している。従って、有機系ファイナル・パッシベーション膜6の内端6i、すなわち、有機系ファイナル・パッシベーション膜6の開口部8の外端をSBD活性領域7上に持ってきても問題が起こらない。なお、アルミニウム拡散バリア・メタル膜5bとしては、ここでは、TiW系膜としてチタン・タングステン合金膜を適用したが、それ以外に、たとえば、Ti系膜、W系膜、又はこれらの複合膜が適用できる。
【0099】
製法的にはセクション3において、図13のアルミニウム系金属膜5を多層膜に置き換えればよい。
【0100】
この構造のメリットは、UBM膜14の外端、すなわち、有機系ファイナル・パッシベーション膜6の内端の位置の自由度が高い点にある。
【0101】
5.本願のその他の実施の形態の半導体装置(SBD素子)の構造(先行メッキ構造)等の説明(主に図20および図21)
図20は本願のその他の実施の形態の半導体装置(SBD素子;先行メッキ構造)の図18のSBD周辺領域R2のB−B’断面に対応するデバイス要部拡大断面図である。図21は図20に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(UBM膜先行メッキ工程)である。これらに基づいて、本願のその他の実施の形態の半導体装置(SBD素子)の構造(先行メッキ構造)等を説明する。
【0102】
図20または図21に示すように、この例では、セクション1から4で説明した例と相違して、UBM膜14と有機系ファイナル・パッシベーション膜6の形成順序を入れ替えたところが特徴となっている。すなわち、UBM膜14のメッキを先行して実施する。このことにより、構造的には、UBM膜14の上方に有機系ファイナル・パッシベーション膜6が来ることに成り、下層のアルミニウム系金属アノード電極膜5からすると、両膜の応力が相殺されることと成る。この構造であれば、有機系ファイナル・パッシベーション膜6の内端6i、すなわち、有機系ファイナル・パッシベーション膜6の開口部8の外端(「境界部」という)をSBD活性領域7上に持ってきても問題が起こらない。すなわち、有機系ファイナル・パッシベーション膜6がUBM膜14の上方にオーバラップしている限り、境界部はどこにあってもよい。
【0103】
なお、製法的には、セクション3において、図15と図16の順序を入れ替えればよい。
【0104】
この構造は、金メッキの消費量は多くなるが、有機系ファイナル・パッシベーション膜6の内端の位置の自由度が高いほか、応力の相殺効果があることである。
【0105】
6.本願の更にその他の実施の形態の半導体装置(SBD素子)の構造(基本構造の変形例)等の説明(主に図22から図24)
図22は本願の更にその他の実施の形態の半導体装置(SBD素子;基本構造の変形例)の全体上面図である。図23は図22のSBD周辺領域R2のB−B’断面に対応するデバイス要部拡大断面図である。図24は図22に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(PSG膜被覆領域パターニング工程)である。これらに基づいて、本願の更にその他の実施の形態の半導体装置(SBD素子)の構造(基本構造の変形例)等を説明する。
【0106】
図22または図23に示すように、この例は、セクション1の例の改良に当たる。すなわち、アノード電極膜に連結したフィールド・プレート5fをアルミニウム系金属アノード電極膜本体5から切り離すことによって、アノード電極に接続された独立したフィールド・プレート5gとし、そのことによって、有機系ファイナル・パッシベーション膜6の引っ張り応力がかかる部分の長さを短くしたものである。この構造においては、フィールド・プレート5gとアルミニウム系金属アノード電極膜本体5との接続は、SBD活性領域周辺P+不純物領域17を介して行われるので、セクション3の図12に対応するステップで、図24に示すように、フィールド・プレート・コンタクト・ホール29gを形成しておく必要がある。
【0107】
この構造の利点は、工程数を変えずに、アルミニウム系金属アノード電極膜本体5にかかる引っ張り応力自体を減少させ、且つ、全体の引っ張り応力自体を分散させられる点にある。
【0108】
7.サマリ
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0109】
例えば、前記実施の形態では、アルミニウム系メタルをアノード電極として使用するダイオードに例をとり具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その他の金属をアノード電極として使用するダイオードその他の単体デバイスおよびそれらを集積した集積回路装置にも適用できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0110】
1 (チップ又はウエハの)半導体基板部
1a 半導体基板部の表面または表面側(第1の主面)
1b 半導体基板部の裏面または裏面側(第2の主面)
1c 半導体基板部のn+層
1e エピタキシャル基板
1n 非エピタキシャル基板
1s 半導体基板部のn−層
2,2a,2b,2c,2d,2e,2f 半導体チップ(SBDチップまたはSBD素子)
3 メタル・ガードリング
4 フローティング・フィールド・リング領域(フィールド・リミッティング・リング領域)
5 アルミニウム系金属アノード電極膜(アルミニウム系金属膜)
5a 下層アルミニウム系金属膜(第1のアルミニウム系金属膜)
5b アルミニウム拡散バリア・メタル膜
5c 上層アルミニウム系金属膜(第2のアルミニウム系金属膜)
5f アノード電極膜に連結したフィールド・プレート
5g アノード電極に接続された独立したフィールド・プレート
6 有機系ファイナル・パッシベーション膜
6i 有機系ファイナル・パッシベーション膜の内端
7 SBD活性領域
8 開口部
9 セル状P+不純物領域
10 無機系絶縁膜
10f フィールド絶縁膜等
10p PSG膜(層間絶縁膜)
10r PSG膜被覆領域(絶縁膜被覆領域)
11 P−不純物領域
12 裏面電極(裏面電極膜)
12a 裏面電極のニッケル膜(内側)
12b 裏面電極のチタン膜
12c 裏面電極のニッケル膜(外側)
12d 裏面電極の金膜
14 UBM膜
14a UBM膜のニッケル膜
14b UBM膜の金膜
15,15a,15b 独立したフィールド・プレート
16 N+チャネル・ストップ不純物領域
17 SBD活性領域周辺P+不純物領域(P型不純物領域)
18,18a,18b,18c P+フローティング・フィールド・リング(フィールド・リミッティング・リング)
19 電極上半田膜
20,20a,20b,20c,20d,20e,20f IGBTチップ(IGBT素子)
21 裏面その他の半田膜
22 金属クリップ
23 金属ヒートシンク(金属ベース)
24 アルミニウム系ボンディング・ワイヤ
25a,25b リード
26 ボンディング・パッド
27 レジン封止体
28 線状溝
29b,29c,29g フィールド・プレート・コンタクト・ホール
30 三相モータ
31 電源
32a,32b,32c,32d,32e,32f IGBT&SBD複合素子
R1 SBD活性領域内部領域
R2 SBD周辺領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置におけるパッシベーション技術または電極形成技術等に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
日本特開2009−64848号公報(特許文献1)または、その対応米国出願である米国特許公開2009−57893号公報(特許文献2)には、LSI(Large Scale Integration)チップ外周の半田バンプ直下において、UBM(Under Bump Metal)下層の配線層にクラックが発生することを防止するために、当該部分の近傍に応力均衡部材を設ける技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−64848号公報
【特許文献2】米国特許公開2009−57893号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
IGBT(InsulatednGate Bipolar Transistor)とセットでFW(Free Wheeling)ダイオードとして使用される単体のショットキ・バリア・ダイオード(Schottky Barrier Diode、以後「SBD」と呼ぶ)においては、半田層を介して、表面のアノード電極をメタル・クリップに接続するケースが多い。この場合、アルミニウム系アノード電極上のポリイミド系ファイナル・パッシベーション膜の開口上にUBM層を設けるが、UBM層およびポリイミド系膜がともに、引っ張り応力を有するため、下地のアルミニウム系膜に両引っ張り応力によるクラックが発生することが、本願発明者らによって、明らかとされた。
【0005】
このようなアルミニウム系膜のクラックは、容易にアクティブ領域に達し、リーク電流の増大を招く。
【0006】
本願発明は、これらの課題を解決するためになされたものである。
【0007】
本発明の目的は、信頼性の高い半導体装置を提供することにある。
【0008】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0010】
すなわち、本願の一つの発明は、半導体基板の主面に設けられたSBDの活性領域および、その端部から外側の周辺部に設けられたPSG(Phosphorus Silicate Glass)膜被覆領域を有するSBD素子において、アノード電極を構成するアルミニウム系メタル膜上に相補的に設けられた有機系ファイナル・パッシベーション膜とUBM層の境界部分をPSG膜被覆領域に設けたものである。
【発明の効果】
【0011】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0012】
すなわち、半導体基板の主面に設けられたSBDの活性領域および、その端部から外側の周辺部に設けられたPSG膜被覆領域を有するSBD素子において、アノード電極を構成するアルミニウム系メタル膜上に相補的に設けられた有機系ファイナル・パッシベーション膜とUBM層の境界部分をPSG膜被覆領域に設けるようにすることにより、有機系ファイナル・パッシベーション膜とUBM層の引っ張り応力に起因する下層のアルミニウム系メタル膜のクラックの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本願の一実施の形態の半導体装置(SBD素子)の全体上面図である。
【図2】図1のSBD活性領域内部領域R1の拡大上面図である。
【図3】図2のX−X’断面に対応するデバイス断面図(基本構造である非エピタキシャル基板を用いたもの)である。
【図4】図2のX−X’断面に対応するデバイス断面図(基本構造の一変形例であるエピタキシャル基板を用いたもの)である。
【図5】図1のSBD周辺領域R2のB−B’断面に対応するデバイス要部拡大断面図である。
【図6】本願の各実施の形態の半導体装置(SBD素子)をFWダイオードとして使用したIGBT&SBD複合素子のパッケージ上面図(内部が見えるように上半部のレジンを除去している)である。
【図7】図6のA−A’断面に対応するパッケージ断面図である。
【図8】図6に示すIGBT&SBD複合素子を三相モータの駆動に適用したモータ駆動回路の回路図である。
【図9】図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(P+不純物領域の導入工程)である。
【図10】図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(P+不純物拡散工程)である。
【図11】図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(PSG成膜工程)である。
【図12】図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(PSG膜被覆領域パターニング工程)である。
【図13】図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(アルミニウム系メタル膜成膜工程)である。
【図14】図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(アルミニウム系メタル膜パターニング工程)である。
【図15】図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(ポリイミド系ファイナル・パッシベーション膜パターニング工程)である。
【図16】図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(UBMメッキ工程)である。
【図17】図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(パッケージング工程)である。
【図18】本願の他の実施の形態の半導体装置(SBD素子;多層アノード・メタル構造)の全体上面図である。
【図19】図18のSBD周辺領域R2のB−B’断面に対応するデバイス要部拡大断面図である。
【図20】本願のその他の実施の形態の半導体装置(SBD素子;先行メッキ構造)の図18のSBD周辺領域R2のB−B’断面に対応するデバイス要部拡大断面図である。
【図21】図20に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(UBM膜先行メッキ工程)である。
【図22】本願の更にその他の実施の形態の半導体装置(SBD素子;基本構造の変形例)の全体上面図である。
【図23】図22のSBD周辺領域R2のB−B’断面に対応するデバイス要部拡大断面図である。
【図24】図22に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(PSG膜被覆領域パターニング工程)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
〔実施の形態の概要〕
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。
【0015】
1.以下を含む半導体装置:
(a)SBDのアノードが設けられた第1の主面、および、前記SBDのカソードが設けられた第2の主面を有する半導体基板;
(b)前記半導体基板の前記第1の主面の内部領域に設けられたSBD活性領域;
(c)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を囲むようにPSG膜で覆われたPSG膜被覆領域;
(d)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を覆い、その周辺の前記PSG膜被覆領域に渉って形成されたアルミニウム系金属アノード電極膜;
(e)前記アルミニウム系金属アノード電極膜および前記PSG膜上に形成された有機系ファイナル・パッシベーション膜;
(f)前記有機系ファイナル・パッシベーション膜に形成された開口部;
(g)前記アルミニウム系金属アノード電極膜上の前記開口部に設けられたUBM膜、
ここで、前記開口部に臨む前記有機系ファイナル・パッシベーション膜の内端は、前記PSG膜被覆領域上にある。
【0016】
2.前記1項の半導体装置において、更に、以下を含む:
(h)前記第1の主面に、前記SBD活性領域を囲むように設けられたP型不純物領域、
ここで、前記P型不純物領域の内端部は前記アルミニウム系金属アノード電極膜に接続されており、前記P型不純物領域の主要部は前記PSG膜被覆領域下にある。
【0017】
3.前記2項の半導体装置において、更に、以下を含む:
(i)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を囲むように前記PSG膜上に設けられたフィールド・プレート、
ここで、前記フィールド・プレートは、前記アルミニウム系金属アノード電極膜と同層の部材で構成されており、前記P型不純物領域に接続されている。
【0018】
4.前記1から3項のいずれか一つの半導体装置において、前記半導体基板は、N型シリコン系半導体基板である。
【0019】
5.前記4項の半導体装置において、前記N型シリコン系半導体基板は、エピタキシャル基板である。
【0020】
6.前記4項の半導体装置において、前記N型シリコン系半導体基板は、非エピタキシャル基板の前記第2の主面側をイオン打ち込みによって、より高濃度のN型シリコン系半導体としたものである。
【0021】
7.前記1から6項のいずれか一つの半導体装置において、前記有機系ファイナル・パッシベーション膜は、主にポリイミド系樹脂膜から構成されている。
【0022】
8.前記1から7項のいずれか一つの半導体装置において、前記アルミニウム系金属アノード電極膜は、主に単層のアルミニウムを主要な成分とするメタル膜から構成されている。
【0023】
9.以下を含む半導体装置:
(a)SBDのアノードが設けられた第1の主面、および、前記SBDのカソードが設けられた第2の主面を有する半導体基板;
(b)前記半導体基板の前記第1の主面の内部領域に設けられたSBD活性領域;
(c)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を囲むようにPSG膜で覆われたPSG膜被覆領域;
(d)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を覆い、その周辺の前記PSG膜被覆領域に渉って形成されたアルミニウム系金属アノード電極膜;
(e)前記アルミニウム系金属アノード電極膜および前記PSG膜上に形成された有機系ファイナル・パッシベーション膜;
(f)前記有機系ファイナル・パッシベーション膜に形成された開口部;
(g)前記アルミニウム系金属アノード電極膜上の前記開口部に設けられたUBM膜、
ここで、前記アルミニウム系金属アノード電極膜は、以下を含む:
(d1)第1のアルミニウム系金属膜;
(d2)前記第1のアルミニウム系金属膜上に設けられたアルミニウム拡散バリア・メタル膜;
(d3)前記アルミニウム拡散バリア・メタル膜上に設けられた第2のアルミニウム系金属膜。
【0024】
10.前記9項の半導体装置において、前記アルミニウム拡散バリア・メタル膜は、TiW系膜、Ti系膜、W系膜、または、これらの複合膜から構成されている。
【0025】
11.前記9または10項の半導体装置において、第1のアルミニウム系金属膜および第2のアルミニウム系金属膜は、それぞれ主に単層のアルミニウムを主要な成分とするメタル膜から構成されている。
【0026】
12.前記9から11項のいずれか一つの半導体装置において、前記半導体基板は、N型シリコン系半導体基板である。
【0027】
13.前記9から12項のいずれか一つの半導体装置において、前記有機系ファイナル・パッシベーション膜は、主にポリイミド系樹脂膜から構成されている。
【0028】
14.前記12項の半導体装置において、前記N型シリコン系半導体基板は、非エピタキシャル基板の前記第2の主面側をイオン打ち込みによって、より高濃度のN型シリコン系半導体としたものである。
【0029】
15.以下を含む半導体装置:
(a)SBDのアノードが設けられた第1の主面、および、前記SBDのカソードが設けられた第2の主面を有する半導体基板;
(b)前記半導体基板の前記第1の主面の内部領域に設けられたSBD活性領域;
(c)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を囲むようにPSG膜で覆われたPSG膜被覆領域;
(d)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を覆い、その周辺の前記PSG膜被覆領域に渉って形成されたアルミニウム系金属アノード電極膜;
(e)前記アルミニウム系金属アノード電極膜の上面及び側面を覆うUBM膜;
(f)前記UBM膜および前記PSG膜上に形成された有機系ファイナル・パッシベーション膜;
(g)前記有機系ファイナル・パッシベーション膜に形成された前記UBM膜上の開口部。
【0030】
16.前記15項の半導体装置において、前記半導体基板は、N型シリコン系半導体基板である。
【0031】
17.前記15または16項の半導体装置において、前記有機系ファイナル・パッシベーション膜は、主にポリイミド系樹脂膜から構成されている。
【0032】
18.前記15から17項のいずれか一つの半導体装置において、前記アルミニウム系金属アノード電極膜は、主に単層のアルミニウムを主要な成分とするメタル膜から構成されている。
【0033】
19.前記15から18項のいずれか一つの半導体装置において、前記UBM膜は、メッキ膜である。
【0034】
20.前記19項の半導体装置において、前記UBM膜は、下層のニッケル膜および上層の金膜を含む。
【0035】
次に、本願において開示される発明のその他の実施の形態について概要を説明する。
【0036】
21.以下を含む半導体装置:
(a)SBDのアノードが設けられた第1の主面、および、前記SBDのカソードが設けられた第2の主面を有する半導体基板;
(b)前記半導体基板の前記第1の主面の内部領域に設けられたSBD活性領域;
(c)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を囲むように絶縁膜で覆われた絶縁膜被覆領域;
(d)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を覆い、その周辺の前記絶縁膜被覆領域に渉って形成されたアルミニウム系金属アノード電極膜;
(e)前記アルミニウム系金属アノード電極膜および前記絶縁膜上に形成された有機系ファイナル・パッシベーション膜;
(f)前記有機系ファイナル・パッシベーション膜に形成された開口部;
(g)前記アルミニウム系金属アノード電極膜上の前記開口部に設けられたUBM膜、
ここで、前記開口部に臨む前記有機系ファイナル・パッシベーション膜の内端は、前記絶縁膜被覆領域上にある。
【0037】
22.前記21項の半導体装置において、更に、以下を含む:
(h)前記第1の主面に、前記SBD活性領域を囲むように設けられたP型不純物領域、
ここで、前記P型不純物領域の内端部は前記アルミニウム系金属アノード電極膜に接続されており、前記P型不純物領域の主要部は前記絶縁膜被覆領域下にある。
【0038】
23.前記22項の半導体装置において、更に、以下を含む:
(i)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を囲むように前記絶縁膜上に設けられたフィールド・プレート、
ここで、前記フィールド・プレートは、前記アルミニウム系金属アノード電極膜と同層の部材で構成されており、前記P型不純物領域に接続されている。
【0039】
24.前記21から23項のいずれか一つの半導体装置において、前記半導体基板は、N型シリコン系半導体基板である。
【0040】
25.前記24項の半導体装置において、前記N型シリコン系半導体基板は、エピタキシャル基板である。
【0041】
26.前記24項の半導体装置において、前記N型シリコン系半導体基板は、非エピタキシャル基板の前記第2の主面側をイオン打ち込みによって、より高濃度のN型シリコン系半導体としたものである。
【0042】
27.前記21から26項のいずれか一つの半導体装置において、前記有機系ファイナル・パッシベーション膜は、主にポリイミド系樹脂膜から構成されている。
【0043】
28.前記21から27項のいずれか一つの半導体装置において、前記アルミニウム系金属アノード電極膜は、主に単層のアルミニウムを主要な成分とするメタル膜から構成されている。
【0044】
29.以下を含む半導体装置:
(a)SBDのアノードが設けられた第1の主面、および、前記SBDのカソードが設けられた第2の主面を有する半導体基板;
(b)前記半導体基板の前記第1の主面の内部領域に設けられたSBD活性領域;
(c)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を囲むように絶縁膜で覆われた絶縁膜被覆領域;
(d)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を覆い、その周辺の前記絶縁膜被覆領域に渉って形成されたアルミニウム系金属アノード電極膜;
(e)前記アルミニウム系金属アノード電極膜および前記絶縁膜上に形成された有機系ファイナル・パッシベーション膜;
(f)前記有機系ファイナル・パッシベーション膜に形成された開口部;
(g)前記アルミニウム系金属アノード電極膜上の前記開口部に設けられたUBM膜、
ここで、前記アルミニウム系金属アノード電極膜は、以下を含む:
(d1)第1のアルミニウム系金属膜;
(d2)前記第1のアルミニウム系金属膜上に設けられたアルミニウム拡散バリア・メタル膜;
(d3)前記アルミニウム拡散バリア・メタル膜上に設けられた第2のアルミニウム系金属膜。
【0045】
30.前記29項の半導体装置において、前記アルミニウム拡散バリア・メタル膜は、TiW系膜、Ti系膜、W系膜、または、これらの複合膜から構成されている。
【0046】
31.前記29または30項の半導体装置において、第1のアルミニウム系金属膜および第2のアルミニウム系金属膜は、それぞれ主に単層のアルミニウムを主要な成分とするメタル膜から構成されている。
【0047】
32.前記29から31項のいずれか一つの半導体装置において、前記半導体基板は、N型シリコン系半導体基板である。
【0048】
33.前記29から32項のいずれか一つの半導体装置において、前記有機系ファイナル・パッシベーション膜は、主にポリイミド系樹脂膜から構成されている。
【0049】
34.前記32項の半導体装置において、前記N型シリコン系半導体基板は、非エピタキシャル基板の前記第2の主面側をイオン打ち込みによって、より高濃度のN型シリコン系半導体としたものである。
【0050】
35.以下を含む半導体装置:
(a)SBDのアノードが設けられた第1の主面、および、前記SBDのカソードが設けられた第2の主面を有する半導体基板;
(b)前記半導体基板の前記第1の主面の内部領域に設けられたSBD活性領域;
(c)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を囲むように絶縁膜で覆われた絶縁膜被覆領域;
(d)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を覆い、その周辺の前記絶縁膜被覆領域に渉って形成されたアルミニウム系金属アノード電極膜;
(e)前記アルミニウム系金属アノード電極膜の上面及び側面を覆うUBM膜;
(f)前記UBM膜および前記絶縁膜上に形成された有機系ファイナル・パッシベーション膜;
(g)前記有機系ファイナル・パッシベーション膜に形成された前記UBM膜上の開口部。
【0051】
36.前記35項の半導体装置において、前記半導体基板は、N型シリコン系半導体基板である。
【0052】
37.前記35または36項の半導体装置において、前記有機系ファイナル・パッシベーション膜は、主にポリイミド系樹脂膜から構成されている。
【0053】
38.前記35から37項のいずれか一つの半導体装置において、前記アルミニウム系金属アノード電極膜は、主に単層のアルミニウムを主要な成分とするメタル膜から構成されている。
【0054】
39.前記35から38項のいずれか一つの半導体装置において、前記UBM膜は、メッキ膜である。
【0055】
40.前記39項の半導体装置において、前記UBM膜は、下層のニッケル膜および上層の金膜を含む。
【0056】
41.前記1から40項のいずれか一つの半導体装置において、前記SBDの前記アノードおよび前記カソードが、前記半導体基板と別の半導体基板に形成されたIGBTのエミッタおよびコレクタとそれぞれ接続されている。
【0057】
〔本願における記載形式・基本的用語・用法の説明〕
1.本願において、実施の態様の記載は、必要に応じて、便宜上複数のセクションに分けて記載する場合もあるが、特にそうでない旨明示した場合を除き、これらは相互に独立別個のものではなく、単一の例の各部分、一方が他方の一部詳細または一部または全部の変形例等である。また、原則として、同様の部分は繰り返しを省略する。また、実施の態様における各構成要素は、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、必須のものではない。
【0058】
更に、本願において、「半導体装置」または「半導体集積回路装置」というときは、主に、各種のダイオードまたは各種トランジスタ(能動素子)単体、あるいは、それらを中心に、抵抗、コンデンサ等を半導体チップ等(たとえば単結晶シリコン基板)上に集積したものをいう。
【0059】
2.同様に実施の態様等の記載において、材料、組成等について、「AからなるX」等といっても、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかに、そうでない場合を除き、A以外の要素を主要な構成要素のひとつとするものを排除するものではない。たとえば、成分についていえば、「Aを主要な成分として含むX」等の意味である。
【0060】
具体的に言えば、「アルミニウム膜」、「ニッケル膜」、「金膜」、「チタン膜」等といっても、特にそうでない旨明示した場合を除き、純粋なこれらの膜を指すものではなく、「アルミニウム系膜」、「ニッケル系膜」、「金系膜」、「チタン系膜」等、すなわち、「アルミニウムを主要な成分とする膜」、「ニッケルを主要な成分とする膜」、「金を主要な成分とする膜」、「チタンを主要な成分とする膜」等を表している。
【0061】
また、「シリコン部材」等といっても、純粋なシリコンに限定されるものではなく、SiGe合金やその他シリコンを主要な成分とする多元合金、その他の添加物等を含む部材も含むものであることはいうまでもない。同様に、「酸化シリコン膜」、「酸化シリコン系絶縁膜」等と言っても、比較的純粋な非ドープ酸化シリコン(Undoped Silicon Dioxide)だけでなく、FSG(Fluorosilicate Glass)、TEOSベース酸化シリコン(TEOS-based silicon oxide)、SiOC(Silicon Oxicarbide)またはカーボンドープ酸化シリコン(Carbon-doped Silicon oxide)またはOSG(Organosilicate glass)、PSG(Phosphorus Silicate Glass)、BPSG(Borophosphosilicate Glass)等の熱酸化膜、CVD酸化膜、SOG(Spin ON Glass)、ナノ・クラスタリング・シリカ(Nano-Clustering Silica:NCS)等の塗布系酸化シリコン、これらと同様な部材に空孔を導入したシリカ系Low-k絶縁膜(ポーラス系絶縁膜)、およびこれらを主要な構成要素とする他のシリコン系絶縁膜との複合膜等を含むことは言うまでもない。
【0062】
また、酸化シリコン系絶縁膜と並んで、半導体分野で常用されているシリコン系絶縁膜としては、窒化シリコン系絶縁膜がある。この系統の属する材料としては、SiN,SiCN,SiNH,SiCNH等がある。ここで、「窒化シリコン」というときは、特にそうでない旨明示したときを除き、SiNおよびSiNHの両方を含む。同様に、「SiCN」というときは、特にそうでない旨明示したときを除き、SiCNおよびSiCNHの両方を含む。
【0063】
なお、SiCは、SiNと類似の性質を有するが、SiONは、むしろ、酸化シリコン系絶縁膜に分類すべき場合が多い。
【0064】
3.同様に、図形、位置、属性等に関して、好適な例示をするが、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、厳密にそれに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0065】
4.さらに、特定の数値、数量に言及したときも、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、その特定の数値を超える数値であってもよいし、その特定の数値未満の数値でもよい。
【0066】
5.「ウエハ」というときは、通常は半導体装置(半導体集積回路装置、電子装置も同じ)をその上に形成する単結晶シリコンウエハを指すが、エピタキシャルウエハ、SOI基板、LCDガラス基板等の絶縁基板と半導体層等の複合ウエハ等も含むことは言うまでもない。
【0067】
6.本願においてSBDに関して「内部領域」とは、セル状P+不純物領域とともにアノードの一部を構成するSBD活性領域周辺P+不純物領域(P型不純物領域)を含み、SBD活性領域、P−不純物領域等、それよりも内部の領域を言う。また、ここで言う「SBD活性領域」は、内部領域からPSG膜被覆領域(絶縁膜被覆領域)を除いた部分である。更に、本願においてSBDとは、純粋なショットキ・バリア・ダイオードばかりでなく、ショットキ・バリア・ダイオードと通常のPN接合ダイオードを組み合わせて集積したものも含むことは言うまでもない。なお、本願の実施の形態で例示したSBDが純粋なSBDとPN接合ダイオードの組み合わせとなっているのは、リカバリ特性を改善しつつ、スイッチングによるサージ電圧によるダメージを回避するためである。
【0068】
更に、ここで、「PSG膜被覆領域」は、マクロ的にPSG膜等で被覆されている領域をいい、微細なコンタクト・ホール等のために、局所的にPSG膜等が抜けていても、近傍にPSG膜等があれば、その部分もPSG膜被覆領域に含まれる。
【0069】
なお、「UBM膜」とは、外部接続用等の半田膜(たとえば、半田ペーストを印刷したもの)とアルミニウム系電極(または、その他の電極金属膜)との間にあって、相互の干渉を防止したり、相互接続を良好にするための中間金属膜を言う。従って、半田膜は、いわゆるバンプ形状をしている必要はない。
【0070】
〔実施の形態の詳細〕
実施の形態について更に詳述する。各図中において、同一または同様の部分は同一または類似の記号または参照番号で示し、説明は原則として繰り返さない。
【0071】
また、添付図面においては、却って、煩雑になる場合または空隙との区別が明確である場合には、断面であってもハッチング等を省略する場合がある。これに関連して、説明等から明らかである場合等には、平面的に閉じた孔であっても、背景の輪郭線を省略する場合がある。更に、断面でなくとも、空隙でないことを明示するために、ハッチングを付すことがある。
【0072】
1.本願の一実施の形態の半導体装置(SBD素子)の構造(基本構造)等の説明(主に図1から図5)
図1は本願の一実施の形態の半導体装置(SBD素子)の全体上面図である。図2は図1のSBD活性領域内部領域R1の拡大上面図である。図3は図2のX−X’断面に対応するデバイス断面図(基本構造である非エピタキシャル基板を用いたもの)である。図4は図2のX−X’断面に対応するデバイス断面図(基本構造の一変形例であるエピタキシャル基板を用いたもの)である。図5は図1のSBD周辺領域R2のB−B’断面に対応するデバイス要部拡大断面図である。これらに基づいて、本願の一実施の形態の半導体装置(SBD素子)の構造を説明する。
【0073】
まず、SBDチップ2(ここでは、一例として、耐圧600ボルト、最大電流300アンペア、チップ寸法は8ミリ・メートル角とする)の全体上面レイアウトを説明する。図1に示すように、チップ2のエッジ領域ではその表面1a(裏面1bの反対の面)は露出しており、その直近から矢印で示すチップ2の周辺部は、ポリイミド系樹脂膜6(有機系ファイナル・パッシベーション膜)で被覆されている。チップ2のエッジ領域には、クローズド・ループを形成するアルミニウム系メタル層から形成されたメタル・ガードリング3が設けられており、その内側のチップ周辺部には複数のフローティング・フィールド・リング、フィールド・プレート等から構成されたフローティング・フィールド・リング領域4(フィールド・リミッティング・リング領域)がある。フローティング・フィールド・リング領域4の内側の内部領域は、ほぼ全部がアルミニウム系金属アノード電極膜5(アルミニウム系金属膜)となっており、この例では、その内部に有機系ファイナル・パッシベーション膜6の開口部8がある。この開口部8内には、SBD部や接合ダイオード部を集積したSBD活性領域7が設けられている。
【0074】
次に、図1のSBD活性領域内部領域R1の拡大上面図で図2に示す。図2に示すように、SBD活性領域7の内部のほとんどの部分には、ここに示すような格子状のセル状P+不純物領域9が配置されている。ここで、一例としての寸法を示すと、セル状P+不純物領域9の径は10マイクロ・メートル程度であり、その横方向のピッチは、25マイクロ・メートル程度であり、その縦方向のピッチは、21.5マイクロ・メートル程度である。
【0075】
次に、図2のX−X’断面の構造を図3に基づいて説明する。図3に示すように、半導体基板部1は、たとえば、非エピタキシャル基板1n(デバイス完成時の厚さは、たとえば100マイクロ・メートル程度)である単結晶シリコン基板(ウエハ工程の開始時材料ウエハ)から作られており、もともとの基板部である半導体基板部のn−層1sと工程途中で裏面からイオン打ち込みにより高濃度N型不純物領域とした半導体基板部のn+層(厚さは、たとえば2マイクロ・メートル程度で、抵抗率は、たとえば0.01から0.02Ωcm程度である)から構成されている。半導体基板部1の裏面側1b(第2の主面)の表面上には、裏面電極12が設けられており、たとえば、半導体基板側から裏面電極のニッケル膜(厚さは、たとえば50nm程度)12a、裏面電極のチタン膜12b(厚さは、たとえば100nm程度)、裏面電極のニッケル膜12c(厚さは、たとえば600nm程度)、裏面電極の金膜12d(厚さは、たとえば100nm程度)等から構成されている。半導体基板部1の表面側1a(第1の主面)の表面領域には、多数のセル状P+不純物領域9(ピーク濃度1x1018/cm3程度、深さは、たとえば6マイクロ・メートル程度)および、それらよりも浅く且つ、濃度が薄いP−不純物領域11が設けられている。なお、実質的にこのP−不純物領域11がショットキ接合のアノード部を形成している。更に、半導体基板部1の表面側1a(第1の主面)の表面上には、P−不純物領域11とともにショットキ接合のアノードを構成する金属アノード電極、すなわち、アルミニウム系金属アノード電極膜5(アルミニウム系金属膜;厚さは、たとえば5.5マイクロ・メートル程度)が設けられており、その上には、アノード電極を半田接続するための中間金属膜としてのUBM膜14が設けられている。UBM膜14は、アノード電極側から、たとえば、ニッケル膜14a(厚さは、たとえば1から4マイクロ・メートル程度)、金膜14b(厚さは、たとえば70nm程度)等のメッキ膜から構成されている。
【0076】
ウエハ工程の開始時材料ウエハとしては、非エピタキシャル基板のほか、図4に示すように、当初から半導体基板部のn+層1c(デバイス完成時における厚さ、たとえば200マイクロ・メートル程度)上にエピタキシャル層としての半導体基板部のn−層1s(厚さ、たとえば80マイクロ・メートル程度)を有するエピタキシャル基板1eを用いることもできる。なお、ここに表示した以外の部分の寸法、抵抗率、不純物濃度等は、ほぼ図3と同じである。
【0077】
次に、図1のSBD周辺領域R2(SBD活性領域7の周辺領域とチップ2の周辺領域を含む領域)のB−B’断面の模式的なデバイス断面を図5に示す。この断面は、デバイス全体の特徴的断面構造をほぼ全て含むので、これを説明することで、副次的なコンタクト部等を除き、デバイス断面構造を基本的に全て説明可能である。図5に示すように、チップ内部領域側には、SBD活性領域7があり、その反対側には、PSG膜10p(層間絶縁膜)等の無機系絶縁膜10でほぼ被覆されたPSG膜被覆領域10r(絶縁膜被覆領域)がある。SBD活性領域7とPSG膜被覆領域10rとの境界領域には、SBD活性領域7を平面的に取り囲むように設けられたリング状のSBD活性領域周辺P+不純物領域17(P型不純物領域)があり、拡散ガード・リングとして耐圧の向上に寄与する一方、接合型ダイオードの一部となっている。また、アルミニウム系金属アノード電極膜5の外部端は、無機系絶縁膜10に延び、アノード電極膜に連結したフィールド・プレート5fとなっている。フローティング・フィールド・リング領域4内には、この例では、内部領域を取り囲むように、3個のリング状のP+フローティング・フィールド・リング(フィールド・リミッティング・リング)18(18a,18b,18c)が設けられており、そのうちの2つに併設された独立したフィールド・プレート15(15a,15b)とともに、ダイオードの耐圧向上に寄与している。なお、各フィールド・プレート15a,15bは、平面的には、それらが接続されたP+フローティング・フィールド・リング18b,18cに沿ったリング形状をしている。更に、チップ2(図1)のエッジ領域には、N+チャネル・ストップ不純物領域16(リン濃度は、たとえば1x1019/cm3程度)が、設けられており、先に説明したメタル・ガードリング3は、それに接続されている。ここで、有機系ファイナル・パッシベーション膜6の内端6i、すなわち、開口部8の外端は、PSG膜10p(層間絶縁膜)上、すなわち、PSG膜被覆領域10r(絶縁膜被覆領域)上にある。従って、UBM膜14と有機系ファイナル・パッシベーション膜6の引っ張り応力が相互に反対方向に作用して、アルミニウム系金属アノード電極膜5(アルミニウム系金属膜)にクラックが発生したとしても、その影響が、SBD活性領域7に達する可能性は小さい。
【0078】
2.本願の一実施の形態の半導体装置(SBD素子)の応用段階におけるパッケージ構造および応用回路等の説明(主に図6から図8)
ここで説明するIGBT&SBD複合素子、パッケージ構造、応用回路は、セクション1で説明したSBDに限らず、他の例のSBDに同様に適用できる。
【0079】
図6は本願の各実施の形態の半導体装置(SBD素子)をFWダイオードとして使用したIGBT&SBD複合素子のパッケージ上面図(内部が見えるように上半部のレジンを除去している)である。図7は図6のA−A’断面に対応するパッケージ断面図である。図8は図6に示すIGBT&SBD複合素子を三相モータの駆動に適用したモータ駆動回路の回路図である。これらに基づいて、本願の一実施の形態の半導体装置(SBD素子)の応用段階におけるパッケージ構造および応用回路等を説明する。
【0080】
まず、IGBT&SBD複合素子のパッケージ構造を説明する。通常の使用形態においては、SBDのアノードおよびカソードが、別の半導体チップに形成されたIGBTのエミッタおよびコレクタとそれぞれ接続された状態でレジン封止されている。すなわち、図6および図7に示すように、たとえば銅系の金属ヒートシンク23(金属ベース)上に(IGBTのコレクタおよびSBD素子のカソード側である)、たとえば、半田層21を介して、IGBTチップ20(IGBT素子)およびSBDチップ2(SBD素子)が固定されており、IGBTチップ20のエミッタおよびSBDチップ2のアノードは、半田層19を介して、たとえば銅系の金属クリップ22と接続されている。この金属クリップ22は、別の半田層21を介して、たとえば銅系のリード25aに接続され、外部に取り出されている。一方、IGBTチップ20のゲートに対応するボンディング・パッド26とリード25bの間は、たとえばアルミニウム系ボンディング・ワイヤ24(銅系ワイヤでも金系ワイヤでもよい)で相互接続されている。なお、金属ヒートシンク23、リード25a、25bには、封止レジン27の接着性を向上させるための線状溝28が設けられている。
【0081】
次に、IGBT&SBD複合素子32a,32b,32c,32d,32e,32fの具体的適用回路の一例(3相モータ駆動回路)を図8に示す。図8に示すように、この3相モータ駆動回路は、IGBT&SBD複合素子32a,32b,32c,32d,32e,32fを用いて、直流電源31からの出力を高速スイッチングすることで、3相モータ30を駆動している。各IGBT&SBD複合素子32a,32b,32c,32d,32e,32fは、IGBT素子20a,20b,20c,20d,20e,20fとSBD素子2a,2b,2c,2d,2e,2fの組み合わせで構成されている。
【0082】
尚、本願発明に係るSBD素子は、上記IGBTに限らず、MOSトランジスタやバイポーラトランジスタ等のスイッチング素子に用いても良く、また、3相モータに限らず2相モータやソレノイド駆動等の回路等に広く用いることができる。
【0083】
3.本願の一実施の形態の半導体装置(SBD素子)の製造プロセスの概要等の説明(主に図9から図17および図5)
このセクションに示す製造プロセスは、図5に示すデバイス構造を例にとって説明するが、基本的に、他の構造についても、ほぼそのまま適用できる。従って、後の他の構造の説明の部分では、製造プロセスについては、異なる部分のみを説明する。
【0084】
図9は図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(P+不純物領域の導入工程)である。図10は図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(P+不純物拡散工程)である。図11は図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(PSG成膜工程)である。図12は図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(PSG膜被覆領域パターニング工程)である。図13は図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(アルミニウム系メタル膜成膜工程)である。
図14は図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(アルミニウム系メタル膜パターニング工程)である。図15は図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(ポリイミド系ファイナル・パッシベーション膜パターニング工程)である。図16は図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(UBMメッキ工程)である。図17は図5に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(パッケージング工程)である。これらに基づいて、本願の一実施の形態の半導体装置(SBD素子)の製造プロセスの概要等を説明する。
【0085】
まず、たとえば、200φ(ウエハの径は、必要に応じて、100φ、150φ、200φ、300φ、450φのいずれであってもよい)のフローティング・ゾーン(Floating Zone)法による非エピタキシャル基板1nであるn−型シリコン単結晶ウエハ1(抵抗率は、たとえば20から30Ωcm程度)を準備する(ウエハの厚さは、たとえば、500マイクロ・メートル程度である。好適な範囲としては、400から1000マイクロ・メートル程度である)。なお、シリコン結晶成長法としては、チョクラルスキ(Czochralski)法でもよい。なお、セクション1で説明したように、スターティング・ウエハとしては、エピタキシャル基板1eを用いてもよい。その場合は、図15の裏面イオン打ち込みは不要である。
【0086】
次に、図9に示すように、ウエハ1の表面1aを熱酸化して、表面1aにシリコン酸化膜10f(フィールド絶縁膜)を形成する。次に、リソグラフィにより、シリコン酸化膜10fをパターニングして、P+不純物導入のためのシリコン酸化膜パターン10fを形成する。シリコン酸化膜パターン10fのない部分に、ボロンをイオン打ち込みすることにより、多数のセル状P+不純物領域9、SBD活性領域周辺P+不純物領域17、P+フローティング・フィールド・リング18a,18b,18c等を導入する。
【0087】
次に、図10に示すように、ボロン拡散処理(熱処理、たとえば摂氏1200度、125分程度)を実行して、多数のセル状P+不純物領域9、SBD活性領域周辺P+不純物領域17、P+フローティング・フィールド・リング18a,18b,18c等を引き伸ばすとともに、表面の露出部に熱酸化膜を形成する。ここで、再度、ウエハ1の表面1aのほぼ全体が、シリコン酸化膜10fに覆われることとなる。
【0088】
次に、図11に示すように、シリコン酸化膜10fのチップ・エッジ部をリソグラフィにより、開口した状態で表面リン処理(熱処理、たとえば摂氏1000度、10分程度)を実行することで、チップ・エッジ部にN+チャネル・ストップ不純物領域16を形成すると同時に、シリコン酸化膜10fの表面領域をリン・ガラスに変化させる。続いて、ウエハ1の表面1a側のほぼ全体に、CVDにより、PSG膜10p(層間絶縁膜)を成膜する。これにより、シリコン酸化膜10fとPSG膜10pと一体と成って、無機系絶縁膜10を構成することとなる。
【0089】
次に、図12に示すように、無機系絶縁膜10をリソグラフィにより、パターニングすることにより、SBD活性領域7に対応する開口およびフィールド・プレート・コンタクト・ホール33b,33cを形成する。
【0090】
次に、図13に示すように、ウエハ1の表面1a側のほぼ全体に、たとえばスパッタリング(基板温度は、たとえば摂氏150から200度程度)により、アルミニウムを主要な成分とするアルミニウム系金属膜5(たとえば、1%程度のシリコンを含み、残りは主にアルミニウム)を成膜する。
【0091】
次に、図14に示すように、アルミニウム系金属膜5をリソグラフィにより、パターニングすることにより、アルミニウム系金属膜5のアノード部分、フィールド・プレート15a,15b、メタル・ガードリング3を分離する。続いて、熱処理(たとえば摂氏450度、60分程度)を施すと、アルミニウムが若干、半導体基板部のn−層1sに拡散して、P−不純物領域11が形成される。
【0092】
次に、図15に示すように、ウエハ1の表面1a側のほぼ全体に、たとえば感光性ポリイミド樹脂膜(厚さは、たとえば10マイクロ・メートル程度)を塗布して、リソグラフィにより、パターニングすることにより、有機系ファイナル・パッシベーション膜6の開口部8等を形成する。なお、感光性ポリイミド樹脂膜の代わりに、非感光性ポリイミド樹脂膜を塗布して、レジスト膜を用いたリソグラフィにより、パターニングしてもよい。
【0093】
次に、図16に示すように、アルミニウム系金属アノード電極膜5(アルミニウム系金属膜)上の有機系ファイナル・パッシベーション膜6の開口部8にメッキにより、UBM膜14を成膜する。
【0094】
次に、図5に示すように、裏面研削を実施することによって、ウエハ1の厚さをたとえば、100マイクロ・メートル程度まで薄くする。続いて、ウエハ1の裏面1bからN型不純物をイオン打ち込みすることにより、半導体基板部のn−層1sよりも高濃度の半導体基板部のn+層1cを形成する。更に、裏面1bに、たとえばメッキにより、裏面電極膜12を成膜する。
【0095】
次に、ダイシングを実行して、図1に示すようなここのチップ2に分割する。
【0096】
次に、図17に示すように、このチップ2を図6および図7に示すように、半田膜21を介して金属ヒートシンク(金属ベース)23上に置き、UBM膜14上に半田膜19を塗布し、その上にクリップ22をセットして、その状態で半田リフローを実施する。その後、ワイヤ・ボンディングを実施して、レジン封止して、パッケージが完成する。
【0097】
4.本願の他の実施の形態の半導体装置(SBD素子)の構造(多層アノード・メタル構造)等の説明(主に図18および図19)
図18は本願の他の実施の形態の半導体装置(SBD素子;多層アノード・メタル構造)の全体上面図である。図19は図18のSBD周辺領域R2のB−B’断面に対応するデバイス要部拡大断面図である。これらに基づいて、本願の他の実施の形態の半導体装置(SBD素子)の構造(多層アノード・メタル構造)等を説明する。
【0098】
図18または図19に示すように、この例では、セクション1から3で説明した単層のアルミニウム系金属アノード電極膜5(アルミニウム系金属膜)に代わって、下から下層アルミニウム系金属膜5a(第1のアルミニウム系金属膜、厚さ、たとえば3マイクロ・メートル程度)、アルミニウム拡散バリア・メタル膜5b(厚さ、たとえば0.5マイクロ・メートル程度)、上層アルミニウム系金属膜5c(第2のアルミニウム系金属膜、厚さ、たとえば2マイクロ・メートル程度)等からなる多層のアルミニウム系金属アノード電極膜5(アルミニウム系金属膜)としたことによって、クラック耐性が向上している。従って、有機系ファイナル・パッシベーション膜6の内端6i、すなわち、有機系ファイナル・パッシベーション膜6の開口部8の外端をSBD活性領域7上に持ってきても問題が起こらない。なお、アルミニウム拡散バリア・メタル膜5bとしては、ここでは、TiW系膜としてチタン・タングステン合金膜を適用したが、それ以外に、たとえば、Ti系膜、W系膜、又はこれらの複合膜が適用できる。
【0099】
製法的にはセクション3において、図13のアルミニウム系金属膜5を多層膜に置き換えればよい。
【0100】
この構造のメリットは、UBM膜14の外端、すなわち、有機系ファイナル・パッシベーション膜6の内端の位置の自由度が高い点にある。
【0101】
5.本願のその他の実施の形態の半導体装置(SBD素子)の構造(先行メッキ構造)等の説明(主に図20および図21)
図20は本願のその他の実施の形態の半導体装置(SBD素子;先行メッキ構造)の図18のSBD周辺領域R2のB−B’断面に対応するデバイス要部拡大断面図である。図21は図20に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(UBM膜先行メッキ工程)である。これらに基づいて、本願のその他の実施の形態の半導体装置(SBD素子)の構造(先行メッキ構造)等を説明する。
【0102】
図20または図21に示すように、この例では、セクション1から4で説明した例と相違して、UBM膜14と有機系ファイナル・パッシベーション膜6の形成順序を入れ替えたところが特徴となっている。すなわち、UBM膜14のメッキを先行して実施する。このことにより、構造的には、UBM膜14の上方に有機系ファイナル・パッシベーション膜6が来ることに成り、下層のアルミニウム系金属アノード電極膜5からすると、両膜の応力が相殺されることと成る。この構造であれば、有機系ファイナル・パッシベーション膜6の内端6i、すなわち、有機系ファイナル・パッシベーション膜6の開口部8の外端(「境界部」という)をSBD活性領域7上に持ってきても問題が起こらない。すなわち、有機系ファイナル・パッシベーション膜6がUBM膜14の上方にオーバラップしている限り、境界部はどこにあってもよい。
【0103】
なお、製法的には、セクション3において、図15と図16の順序を入れ替えればよい。
【0104】
この構造は、金メッキの消費量は多くなるが、有機系ファイナル・パッシベーション膜6の内端の位置の自由度が高いほか、応力の相殺効果があることである。
【0105】
6.本願の更にその他の実施の形態の半導体装置(SBD素子)の構造(基本構造の変形例)等の説明(主に図22から図24)
図22は本願の更にその他の実施の形態の半導体装置(SBD素子;基本構造の変形例)の全体上面図である。図23は図22のSBD周辺領域R2のB−B’断面に対応するデバイス要部拡大断面図である。図24は図22に対応するデバイス断面プロセス・フロー図(PSG膜被覆領域パターニング工程)である。これらに基づいて、本願の更にその他の実施の形態の半導体装置(SBD素子)の構造(基本構造の変形例)等を説明する。
【0106】
図22または図23に示すように、この例は、セクション1の例の改良に当たる。すなわち、アノード電極膜に連結したフィールド・プレート5fをアルミニウム系金属アノード電極膜本体5から切り離すことによって、アノード電極に接続された独立したフィールド・プレート5gとし、そのことによって、有機系ファイナル・パッシベーション膜6の引っ張り応力がかかる部分の長さを短くしたものである。この構造においては、フィールド・プレート5gとアルミニウム系金属アノード電極膜本体5との接続は、SBD活性領域周辺P+不純物領域17を介して行われるので、セクション3の図12に対応するステップで、図24に示すように、フィールド・プレート・コンタクト・ホール29gを形成しておく必要がある。
【0107】
この構造の利点は、工程数を変えずに、アルミニウム系金属アノード電極膜本体5にかかる引っ張り応力自体を減少させ、且つ、全体の引っ張り応力自体を分散させられる点にある。
【0108】
7.サマリ
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0109】
例えば、前記実施の形態では、アルミニウム系メタルをアノード電極として使用するダイオードに例をとり具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その他の金属をアノード電極として使用するダイオードその他の単体デバイスおよびそれらを集積した集積回路装置にも適用できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0110】
1 (チップ又はウエハの)半導体基板部
1a 半導体基板部の表面または表面側(第1の主面)
1b 半導体基板部の裏面または裏面側(第2の主面)
1c 半導体基板部のn+層
1e エピタキシャル基板
1n 非エピタキシャル基板
1s 半導体基板部のn−層
2,2a,2b,2c,2d,2e,2f 半導体チップ(SBDチップまたはSBD素子)
3 メタル・ガードリング
4 フローティング・フィールド・リング領域(フィールド・リミッティング・リング領域)
5 アルミニウム系金属アノード電極膜(アルミニウム系金属膜)
5a 下層アルミニウム系金属膜(第1のアルミニウム系金属膜)
5b アルミニウム拡散バリア・メタル膜
5c 上層アルミニウム系金属膜(第2のアルミニウム系金属膜)
5f アノード電極膜に連結したフィールド・プレート
5g アノード電極に接続された独立したフィールド・プレート
6 有機系ファイナル・パッシベーション膜
6i 有機系ファイナル・パッシベーション膜の内端
7 SBD活性領域
8 開口部
9 セル状P+不純物領域
10 無機系絶縁膜
10f フィールド絶縁膜等
10p PSG膜(層間絶縁膜)
10r PSG膜被覆領域(絶縁膜被覆領域)
11 P−不純物領域
12 裏面電極(裏面電極膜)
12a 裏面電極のニッケル膜(内側)
12b 裏面電極のチタン膜
12c 裏面電極のニッケル膜(外側)
12d 裏面電極の金膜
14 UBM膜
14a UBM膜のニッケル膜
14b UBM膜の金膜
15,15a,15b 独立したフィールド・プレート
16 N+チャネル・ストップ不純物領域
17 SBD活性領域周辺P+不純物領域(P型不純物領域)
18,18a,18b,18c P+フローティング・フィールド・リング(フィールド・リミッティング・リング)
19 電極上半田膜
20,20a,20b,20c,20d,20e,20f IGBTチップ(IGBT素子)
21 裏面その他の半田膜
22 金属クリップ
23 金属ヒートシンク(金属ベース)
24 アルミニウム系ボンディング・ワイヤ
25a,25b リード
26 ボンディング・パッド
27 レジン封止体
28 線状溝
29b,29c,29g フィールド・プレート・コンタクト・ホール
30 三相モータ
31 電源
32a,32b,32c,32d,32e,32f IGBT&SBD複合素子
R1 SBD活性領域内部領域
R2 SBD周辺領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む半導体装置:
(a)SBDのアノードが設けられた第1の主面、および、前記SBDのカソードが設けられた第2の主面を有する半導体基板;
(b)前記半導体基板の前記第1の主面の内部領域に設けられたSBD活性領域;
(c)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を囲むようにPSG膜で覆われたPSG膜被覆領域;
(d)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を覆い、その周辺の前記PSG膜被覆領域に渉って形成されたアルミニウム系金属アノード電極膜;
(e)前記アルミニウム系金属アノード電極膜および前記PSG膜上に形成された有機系ファイナル・パッシベーション膜;
(f)前記有機系ファイナル・パッシベーション膜に形成された開口部;
(g)前記アルミニウム系金属アノード電極膜上の前記開口部に設けられたUBM膜、
ここで、前記開口部に臨む前記有機系ファイナル・パッシベーション膜の内端は、前記PSG膜被覆領域上にある。
【請求項2】
前記1項の半導体装置において、更に、以下を含む:
(h)前記第1の主面に、前記SBD活性領域を囲むように設けられたP型不純物領域、
ここで、前記P型不純物領域の内端部は前記アルミニウム系金属アノード電極膜に接続されており、前記P型不純物領域の主要部は前記PSG膜被覆領域下にある。
【請求項3】
前記2項の半導体装置において、更に、以下を含む:
(i)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を囲むように前記PSG膜上に設けられたフィールド・プレート、
ここで、前記フィールド・プレートは、前記アルミニウム系金属アノード電極膜と同層の部材で構成されており、前記P型不純物領域に接続されている。
【請求項4】
前記1項の半導体装置において、前記半導体基板は、N型シリコン系半導体基板である。
【請求項5】
前記4項の半導体装置において、前記N型シリコン系半導体基板は、エピタキシャル基板である。
【請求項6】
前記4項の半導体装置において、前記N型シリコン系半導体基板は、非エピタキシャル基板の前記第2の主面側をイオン打ち込みによって、より高濃度のN型シリコン系半導体としたものである。
【請求項7】
前記4項の半導体装置において、前記有機系ファイナル・パッシベーション膜は、主にポリイミド系樹脂膜から構成されている。
【請求項8】
前記7項の半導体装置において、前記アルミニウム系金属アノード電極膜は、主に単層のアルミニウムを主要な成分とするメタル膜から構成されている。
【請求項9】
以下を含む半導体装置:
(a)SBDのアノードが設けられた第1の主面、および、前記SBDのカソードが設けられた第2の主面を有する半導体基板;
(b)前記半導体基板の前記第1の主面の内部領域に設けられたSBD活性領域;
(c)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を囲むようにPSG膜で覆われたPSG膜被覆領域;
(d)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を覆い、その周辺の前記PSG膜被覆領域に渉って形成されたアルミニウム系金属アノード電極膜;
(e)前記アルミニウム系金属アノード電極膜および前記PSG膜上に形成された有機系ファイナル・パッシベーション膜;
(f)前記有機系ファイナル・パッシベーション膜に形成された開口部;
(g)前記アルミニウム系金属アノード電極膜上の前記開口部に設けられたUBM膜、
ここで、前記アルミニウム系金属アノード電極膜は、以下を含む:
(d1)第1のアルミニウム系金属膜;
(d2)前記第1のアルミニウム系金属膜上に設けられたアルミニウム拡散バリア・メタル膜;
(d3)前記アルミニウム拡散バリア・メタル膜上に設けられた第2のアルミニウム系金属膜。
【請求項10】
前記9項の半導体装置において、前記アルミニウム拡散バリア・メタル膜は、TiW系膜、Ti系膜、W系膜、または、これらの複合膜から構成されている。
【請求項11】
前記10項の半導体装置において、第1のアルミニウム系金属膜および第2のアルミニウム系金属膜は、それぞれ主に単層のアルミニウムを主要な成分とするメタル膜から構成されている。
【請求項12】
前記11項の半導体装置において、前記半導体基板は、N型シリコン系半導体基板である。
【請求項13】
前記9項の半導体装置において、前記有機系ファイナル・パッシベーション膜は、主にポリイミド系樹脂膜から構成されている。
【請求項14】
前記12項の半導体装置において、前記N型シリコン系半導体基板は、非エピタキシャル基板の前記第2の主面側をイオン打ち込みによって、より高濃度のN型シリコン系半導体としたものである。
【請求項15】
以下を含む半導体装置:
(a)SBDのアノードが設けられた第1の主面、および、前記SBDのカソードが設けられた第2の主面を有する半導体基板;
(b)前記半導体基板の前記第1の主面の内部領域に設けられたSBD活性領域;
(c)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を囲むようにPSG膜で覆われたPSG膜被覆領域;
(d)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を覆い、その周辺の前記PSG膜被覆領域に渉って形成されたアルミニウム系金属アノード電極膜;
(e)前記アルミニウム系金属アノード電極膜の上面及び側面を覆うUBM膜;
(f)前記UBM膜および前記PSG膜上に形成された有機系ファイナル・パッシベーション膜;
(g)前記有機系ファイナル・パッシベーション膜に形成された前記UBM膜上の開口部。
【請求項16】
前記15項の半導体装置において、前記半導体基板は、N型シリコン系半導体基板である。
【請求項17】
前記16項の半導体装置において、前記有機系ファイナル・パッシベーション膜は、主にポリイミド系樹脂膜から構成されている。
【請求項18】
前記17項の半導体装置において、前記アルミニウム系金属アノード電極膜は、主に単層のアルミニウムを主要な成分とするメタル膜から構成されている。
【請求項19】
前記18項の半導体装置において、前記UBM膜は、メッキ膜である。
【請求項20】
前記19項の半導体装置において、前記UBM膜は、下層のニッケル膜および上層の金膜を含む。
【請求項1】
以下を含む半導体装置:
(a)SBDのアノードが設けられた第1の主面、および、前記SBDのカソードが設けられた第2の主面を有する半導体基板;
(b)前記半導体基板の前記第1の主面の内部領域に設けられたSBD活性領域;
(c)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を囲むようにPSG膜で覆われたPSG膜被覆領域;
(d)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を覆い、その周辺の前記PSG膜被覆領域に渉って形成されたアルミニウム系金属アノード電極膜;
(e)前記アルミニウム系金属アノード電極膜および前記PSG膜上に形成された有機系ファイナル・パッシベーション膜;
(f)前記有機系ファイナル・パッシベーション膜に形成された開口部;
(g)前記アルミニウム系金属アノード電極膜上の前記開口部に設けられたUBM膜、
ここで、前記開口部に臨む前記有機系ファイナル・パッシベーション膜の内端は、前記PSG膜被覆領域上にある。
【請求項2】
前記1項の半導体装置において、更に、以下を含む:
(h)前記第1の主面に、前記SBD活性領域を囲むように設けられたP型不純物領域、
ここで、前記P型不純物領域の内端部は前記アルミニウム系金属アノード電極膜に接続されており、前記P型不純物領域の主要部は前記PSG膜被覆領域下にある。
【請求項3】
前記2項の半導体装置において、更に、以下を含む:
(i)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を囲むように前記PSG膜上に設けられたフィールド・プレート、
ここで、前記フィールド・プレートは、前記アルミニウム系金属アノード電極膜と同層の部材で構成されており、前記P型不純物領域に接続されている。
【請求項4】
前記1項の半導体装置において、前記半導体基板は、N型シリコン系半導体基板である。
【請求項5】
前記4項の半導体装置において、前記N型シリコン系半導体基板は、エピタキシャル基板である。
【請求項6】
前記4項の半導体装置において、前記N型シリコン系半導体基板は、非エピタキシャル基板の前記第2の主面側をイオン打ち込みによって、より高濃度のN型シリコン系半導体としたものである。
【請求項7】
前記4項の半導体装置において、前記有機系ファイナル・パッシベーション膜は、主にポリイミド系樹脂膜から構成されている。
【請求項8】
前記7項の半導体装置において、前記アルミニウム系金属アノード電極膜は、主に単層のアルミニウムを主要な成分とするメタル膜から構成されている。
【請求項9】
以下を含む半導体装置:
(a)SBDのアノードが設けられた第1の主面、および、前記SBDのカソードが設けられた第2の主面を有する半導体基板;
(b)前記半導体基板の前記第1の主面の内部領域に設けられたSBD活性領域;
(c)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を囲むようにPSG膜で覆われたPSG膜被覆領域;
(d)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を覆い、その周辺の前記PSG膜被覆領域に渉って形成されたアルミニウム系金属アノード電極膜;
(e)前記アルミニウム系金属アノード電極膜および前記PSG膜上に形成された有機系ファイナル・パッシベーション膜;
(f)前記有機系ファイナル・パッシベーション膜に形成された開口部;
(g)前記アルミニウム系金属アノード電極膜上の前記開口部に設けられたUBM膜、
ここで、前記アルミニウム系金属アノード電極膜は、以下を含む:
(d1)第1のアルミニウム系金属膜;
(d2)前記第1のアルミニウム系金属膜上に設けられたアルミニウム拡散バリア・メタル膜;
(d3)前記アルミニウム拡散バリア・メタル膜上に設けられた第2のアルミニウム系金属膜。
【請求項10】
前記9項の半導体装置において、前記アルミニウム拡散バリア・メタル膜は、TiW系膜、Ti系膜、W系膜、または、これらの複合膜から構成されている。
【請求項11】
前記10項の半導体装置において、第1のアルミニウム系金属膜および第2のアルミニウム系金属膜は、それぞれ主に単層のアルミニウムを主要な成分とするメタル膜から構成されている。
【請求項12】
前記11項の半導体装置において、前記半導体基板は、N型シリコン系半導体基板である。
【請求項13】
前記9項の半導体装置において、前記有機系ファイナル・パッシベーション膜は、主にポリイミド系樹脂膜から構成されている。
【請求項14】
前記12項の半導体装置において、前記N型シリコン系半導体基板は、非エピタキシャル基板の前記第2の主面側をイオン打ち込みによって、より高濃度のN型シリコン系半導体としたものである。
【請求項15】
以下を含む半導体装置:
(a)SBDのアノードが設けられた第1の主面、および、前記SBDのカソードが設けられた第2の主面を有する半導体基板;
(b)前記半導体基板の前記第1の主面の内部領域に設けられたSBD活性領域;
(c)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を囲むようにPSG膜で覆われたPSG膜被覆領域;
(d)前記第1の主面上において、前記SBD活性領域を覆い、その周辺の前記PSG膜被覆領域に渉って形成されたアルミニウム系金属アノード電極膜;
(e)前記アルミニウム系金属アノード電極膜の上面及び側面を覆うUBM膜;
(f)前記UBM膜および前記PSG膜上に形成された有機系ファイナル・パッシベーション膜;
(g)前記有機系ファイナル・パッシベーション膜に形成された前記UBM膜上の開口部。
【請求項16】
前記15項の半導体装置において、前記半導体基板は、N型シリコン系半導体基板である。
【請求項17】
前記16項の半導体装置において、前記有機系ファイナル・パッシベーション膜は、主にポリイミド系樹脂膜から構成されている。
【請求項18】
前記17項の半導体装置において、前記アルミニウム系金属アノード電極膜は、主に単層のアルミニウムを主要な成分とするメタル膜から構成されている。
【請求項19】
前記18項の半導体装置において、前記UBM膜は、メッキ膜である。
【請求項20】
前記19項の半導体装置において、前記UBM膜は、下層のニッケル膜および上層の金膜を含む。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2011−100811(P2011−100811A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−253753(P2009−253753)
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】
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