説明

半導体装置

【課題】従来の分圧回路では、電源電圧の変動に対して分圧電圧を一定に保つことができないために定電圧発生回路が必要であり回路規模が大きくなる問題があった。
【解決手段】本発明の分圧回路は、第1の電源VCCと第2の電源VNEGとの間に直列に接続される第1の抵抗素子R1と第1のトランジスタN1とを備え、第1のトランジスタに流れる第1の電流iN1の大きさに応じて設定される第1の抵抗素子R1と第1のトランジスタN1との抵抗比に基づき第1の電源VCCの電圧と第2の電源の電圧VNEGとの電圧差を分圧して分圧電圧を生成する分圧電圧生成回路11と、第1のトランジスタN1とミラー接続され、第1の端子から第2の端子に流れる制御電流i3により第1の電流iN1の大きさを決定する第2のトランジスタN2を有し、第1の電源VCCと接地電源との電圧差の増減に応じて制御電流i3を増減させる電流制御回路12と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置に関し、特に第1の電源と第2の電源との電圧差を分圧して分圧電圧を生成する分圧回路を有する半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体装置では、性能向上のために装置内部で電源電圧とは異なる電圧を生成し、生成した電圧により内部回路を動作させることが行われている。このような電圧の一例としてバイアス電圧(又は基準電圧)がある。バイアス電圧は、回路動作の基準となる電圧であり、電源電圧の変動に依存することなく安定した電圧を維持することが求められる。そこで、バイアス電圧発生回路の一例が特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1に記載のバイアス電圧発生回路100のブロック図を図15に示す。図15に示すように、バイアス電圧発生回路100は、抵抗素子R40、出力トランジスタNT40、電流制御回路140を有する。抵抗素子R40及び出力トランジスタNT40は、電源VCCと電源VSSとの間に直列に接続される。バイアス回路電圧生成回路100では、抵抗素子R40と出力トランジスタNT40との間のノードが出力ノードN10となる。また、出力トランジスタNT40は、ゲートとドレインが接続される。電流制御回路140は、抵抗素子R41、トランジスタNT41、NT42を有する。電流制御回路140は、出力トランジスタNT40と並列に設けられる。電流制御回路140は、出力ノードNTから電源VSSに流れる電流I12を電源VCCの電圧が増加するほど増加させる。これにより、バイアス電圧発生回路100は、出力ノードN10から出力されるバイアス電圧VBSの値を電源VCCの電圧の増加に対してほぼ一定の値又は減少させることができる。
【0004】
しかし、バイアス電圧発生回路100では、バイアス電圧VBSの基準となる電圧レベルを電源VSSに対して出力トランジスタNT40の閾値電圧(又はダイオード電圧)により決定している。半導体装置では、性能向上のために装置内部で負電圧を生成して装置内の回路に用いるものがある。このような場合に、バイアス電圧発生回路100を用いた場合、バイアス電圧VBSが負電圧の変動により変化するため、バイアス電圧発生回路100は、電源VCC及び電源VSSの両方が変動する回路に用いることができない問題がある。
【0005】
このような負電圧を用いる半導体装置の1つにDRAM(Dynamic Random Access Memory)がある。DRAMでは、基板電圧VBB用に負電圧を生成し、記憶セルのトランジスタの基板電圧として使用している。DRAMでは、基板電圧VBBを負電圧とすることで、記憶セルのリーク電流を低減してデータ保持性能を向上させることができる(非特許文献1参照)。この負電圧は、一般にチャージポンプ回路により生成される。ここで、チャージポンプ回路を用いて負電圧を生成する負電圧生成回路の一例が特許文献2に開示されている。
【0006】
特許文献2に開示されている負電圧生成回路200のブロック図を図16に示す。図16に示すように、負電圧生成回路200は、基準電圧発生回路210、分圧回路220、比較器230、オシレータ240、クロックバッファ250、負電圧チャージポンプ260を有する。基準電圧発生回路210は、電源電圧とグランド電位との間の電圧値を有する定電圧を生成し基準電圧201として出力する。分圧回路220は、基準電圧201と負電圧204との間の電圧を分割して分圧電圧として出力する。そして、分圧回路220は、負電圧204が設定したい電圧値となった場合に分圧電圧202がグランド電位となるように分割比が設定されている。比較器230は、分圧電圧202の電圧値をグランド電位と比較し、分圧電圧202の電圧値がグランド電位より高い場合にはオシレータ制御信号203をアクティブとし、分圧電圧202の電圧値がグランド電位より低い場合にはオシレータ制御信号203をインアクティブとする。オシレータ240は、オシレータ制御信号203がアクティブとなると位相が反対の第1のオシレータ出力信号205と第2のオシレータ出力信号206とを出力する。クロックバッファ250は、第1のオシレータ出力信号205に対応して第1の相補パルス信号207を出力し、第2のオシレータ出力信号206に対応して第2の相補パルス信号208を出力する。負電圧チャージポンプ260は、第1の相補パルス信号207及び第2の相補パルス信号208から負電圧204を出力する。
【0007】
負電圧生成回路200では、負電圧204が予め設定された電圧となったときに分圧電圧202が比較器230の比較電圧として入力されるグランド電位となる回路構成となっている。ここで、負電圧生成回路200では、電源電圧VCCが変動した場合においても負電圧202の電圧が安定して得られるように、基準電圧発生回路210によって電源電圧VCCの変動に依存しない基準電圧201を生成する。また、分圧回路220は、抵抗ストリングスにより基準電圧201と負電圧204との分割比を決定する。つまり、負電圧生成回路200では、安定した基準電圧201と固定された分割比とに基づき負電圧204の電圧値を反映した分圧電圧202を生成する。これにより、負電圧生成回路200は、負電圧204の電圧値を電源電圧VCCによらず安定させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−173213号公報
【特許文献2】特開平11−150230号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】「超LSIメモリ」著伊藤清男、培風館
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献2に記載の負電圧生成回路200では、基準電圧発生回路210が高精度な基準電圧201を生成する必要がある。このように高精度な基準電圧201を生成するためには、基準電圧発生回路210の回路規模が増大する。そのため、特許文献2に記載の負電圧生成回路200では、回路規模が増大する問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明にかかる半導体装置の一態様は、第1の電源と第2の電源との間に直列に接続される第1の抵抗素子と第1のトランジスタとを備え、前記第1のトランジスタに流れる第1の電流の大きさに応じて設定される前記第1の抵抗素子と前記第1のトランジスタとの抵抗比に基づき前記第1の電源の電圧と前記第2の電源の電圧との電圧差を分圧して分圧電圧を生成する分圧電圧生成回路と、前記第1のトランジスタとミラー接続され、第1の端子から第2の端子に流れる制御電流により前記第1の電流の大きさを決定する第2のトランジスタを有し、前記第1の電源と接地電源との電圧差の増減に応じて前記制御電流を増減させる電流制御回路と、を有する。
【0012】
本発明にかかる半導体装置の別の態様は、第1の電源と第2の電源との間に直列に接続される第1の抵抗素子と第1のトランジスタとを備え、前記第1のトランジスタに流れる第1の電流の大きさに応じて設定される前記第1の抵抗素子と前記第1のトランジスタとの抵抗比に基づき前記第1の電源の電圧と前記第2の電源の電圧との電圧差を分圧して分圧電圧を生成する分圧電圧生成回路と、前記第1のトランジスタとミラー接続され、ドレイン端子からソース端子に流れる制御電流により前記第1の電流の大きさを決定する第2のトランジスタを備え、前記第1の電源と接地電源との電圧差の増減に応じて前記制御電流を増減させる電流制御回路とを有し、前記電流制御回路は、少なくとも一つ以上の抵抗素子が直列に接続された抵抗群と、ドレイン端子とゲート端子が短絡された第3のトランジスタと、が前記第1の電源と接地電源の間に直列に接続され、前記抵抗群の各抵抗間の接続点と前記抵抗群の抵抗と前記第3のトランジスタとの接続点のいずれかから前記第1の電源の電圧の増減に応じて増減する電源検出電圧を出力する回路と、前記電源検出電圧を出力するノードと前記第2のトランジスタとの間に設けられ、前記制御電流の量を設定する第3の抵抗素子とを、有し、前記第2のトランジスタは、ソース端子が前記第2の電源に接続され、ドレイン端子とゲート端子が短絡される。
【0013】
本発明にかかる半導体装置の別の態様は、第1の電源と接地電源とに基づき第2の電源を生成する電圧生成回路であって、前記第1の電源と前記第2の電源との間に直列に接続される第1の抵抗素子と第1のトランジスタとを備え、前記第1のトランジスタに流れる第1の電流の大きさに応じて設定される前記第1の抵抗素子と前記第1のトランジスタとの抵抗比に基づき前記第1の電源の電圧と前記第2の電源の電圧との電圧差を分圧して分圧電圧を生成する分圧電圧生成回路と、前記第1のトランジスタとミラー接続され、第1の端子から第2の端子に流れる制御電流により前記第1の電流の大きさを決定する第2のトランジスタを有し、前記第1の電源と接地電源との電圧差の増減に応じて前記制御電流を増減させる電流制御回路と、前記分圧電圧に基づき前記第2の電源の電圧を前記第1の電源の電圧と前記抵抗比とにより決定される目標電圧に制御する電圧制御回路と、を有する。
【0014】
本発明にかかる半導体装置の別の態様は、抵抗素子と制御電流に応じて抵抗値が変化する素子とを有し、正の電圧である第1の電圧(例えば、電源VCCの電圧)と負の電圧である第2の電圧(例えば、負電圧VNEGの電圧)を分圧して第3の電圧(例えば、分圧電圧VDIV)を出力する分圧回路と、前記第1の電圧と接地電圧との電圧差に基づいて前記分圧回路に制御電流を出力する電流制御回路を有し、前記電流制御回路は、前記第1の電圧が上昇した際には前記制御電流を増加させると共に、前記第1の電圧が下降した際には前記制御電流を減少させることによって、前記第1の電圧の変動による前記第3の電圧の変動を軽減する。
【0015】
本発明にかかる半導体装置では、電流制御回路によって第1の電源の変動量に応じた制御電流を生成し、当該制御電流に基づき第1のトランジスタの抵抗値を可変する。これにより、分圧回路では、第1の電源の変動に応じて第1の抵抗素子と第1のトランジスタの抵抗比が可変する。これにより、本発明にかかる分圧回路及び電圧生成回路では、第1の電源の変動に依存することなく分圧回路が第2の電源の電圧値を反映した分圧電圧を生成することができる。また、本発明にかかる分圧回路及び電圧生成回路では、高精度な基準電圧を生成する必要がないため回路規模を削減することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかる半導体装置によれば、高い精度で第2の電源の電圧レベルを反映した分圧電圧を生成しながら、回路面積を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】実施の形態1にかかる電圧生成回路のブロック図である。
【図2】実施の形態1にかかる電圧生成回路の負電圧生成動作を示すグラフである。
【図3】実施の形態1にかかる分圧回路の回路図である。
【図4】実施の形態1にかかる電圧生成回路の電源電圧特性を示すグラフである。
【図5】実施の形態1にかかる分圧回路の電源電圧変動に対する分圧比の変動特性を示すグラフである。
【図6】実施の形態2にかかる分圧回路の回路図である。
【図7】実施の形態2にかかる電圧生成回路の電源電圧特性を示すグラフである。
【図8】実施の形態3にかかる分圧回路の回路図である。
【図9】実施の形態1にかかる分圧回路においてトランジスタの閾値にばらつきが生じた場合の電源電圧特性を示すグラフである。
【図10】実施の形態3にかかる電圧生成回路の電源電圧特性を示すグラフである。
【図11】実施の形態4にかかる分圧回路の回路図である。
【図12】実施の形態4にかかる電圧生成回路の電源電圧特性を示すグラフである。
【図13】実施の形態5にかかる分圧回路の回路図である。
【図14】実施の形態6にかかる分圧回路の回路図である。
【図15】特許文献1に記載のバイアス電圧生成回路の回路図である。
【図16】特許文献2に記載の負電圧生成回路のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。実施の形態1にかかる電圧生成回路のブロック図を図1に示す。図1に示すように、実施の形態1にかかる電圧生成回路は、第1の電源(例えば電源VCC)と接地電源とに基づき第2の電源を生成する電圧生成回路である。実施の形態1にかかる電圧生成回路は、分圧回路10、比較器1、オシレータ2、クロックバッファ3、負電圧チャージポンプ4を有する。ここで、本実施の形態では、比較器1、オシレータ2、クロックバッファ3、及び負電圧チャージポンプ4により電圧制御回路が構成されるものとする。電圧制御回路は、分圧回路10が出力する分圧電圧VDIVに基づき第2の電源(例えば負電圧VNEG)の電圧値を分圧回路に内蔵される抵抗素子の抵抗比と電源VCCとにより決定される目標電圧に制御する。
【0019】
分圧回路10は、電源VCCと負電圧VNEGとを内蔵される抵抗素子の抵抗比に従って分圧した分圧電圧VDIVを生成する。分圧回路10は、負電圧VNEGが設定したい電圧値(目標電圧)となった場合に分圧電圧VDIVが比較器1に入力される基準電圧(本実施の形態では接地電位)となるように分割比が設定されている。この分圧回路10の詳細は、後述する。
【0020】
比較器1は、非反転端子側に基準電圧(例えば接地電位)が入力され、反転端子側に分圧電圧VDIVが入力される。そして、比較器1は、分圧電圧VDIVの電圧値を接地電位と比較し、分圧電圧VDIVの電圧値が接地電位より高い場合にはオシレータ制御信号S1をアクティブとし、分圧電圧VDIVの電圧値が接地電位より低い場合にはオシレータ制御信号S1をインアクティブとする。
【0021】
オシレータ2は、オシレータ制御信号S1がアクティブとなると位相が反対の第1のオシレータ出力信号S2と第2のオシレータ出力信号S3とを出力する。クロックバッファ3は、第1のオシレータ出力信号S2に対応して第1の相補パルス信号S4を出力し、第2のオシレータ出力信号S3に対応して第2の相補パルス信号S5を出力する。負電圧チャージポンプ4は、第1の相補パルス信号S4及び第2の相補パルス信号S5から負電圧VNEGを出力する。
【0022】
ここで、実施の形態1にかかる電圧生成回路の負電圧生成動作ついて説明する。図2に実施の形態1にかかる電圧生成回路の動作を示すグラフを示す。図2に示すグラフでは、横軸に時間を示し、縦軸に電源VCC、接地電位GND、分圧電圧VDIV、負電圧VNEGの電圧を示した。図2に示すように、実施の形態1にかかる電圧生成回路では、負電圧VNEGの電圧が目標電圧である場合に分圧電圧VDIVが接地電位GNDとなる。そして、負電圧VNEGは負電圧チャージポンプ4により生成されるが、この負電圧VNEGは、他の回路(例えば、DRAMの基盤電位)に供給されるため、負電圧チャージポンプ4を動作させなければ上昇する特性を有する。
【0023】
そこで、実施の形態1にかかる電圧生成回路では、分圧回路10により、電源VCCの電圧と負電圧VNEGとを分圧して分圧電圧VDIVを生成する。そのため、電源VCCの電圧が一定であれば分圧電圧VDIVは、負電圧VNEGの変動に応じて変動する。つまり、実施の形態1にかかる電圧生成回路では、負電圧VNEGの変動を分圧電圧VDIVにより検出し、負電圧VNEGの電圧が目標電圧より上昇した場合には負電圧チャージポンプ4を動作させて負電圧VNEGを降下させる。一方、負電圧VNEGが目標電圧よりも降下した場合には負電圧チャージポンプを停止して負電圧VNEGの降下を防ぐ。これにより、実施の形態1にかかる電圧生成回路では、負電圧VNEGを目標電圧付近の電圧で維持する。なお、図2に示す動作例では、負電圧VNEG及び分圧電圧VDIVの変動を説明するために、これら電圧の変動を強調した。
【0024】
上記動作例では、電源VCCが一定としたが、電源VCCは、ノイズ又は消費電流の増減に応じて変動する。そのため、電源VCCが分圧回路10内の抵抗の抵抗比が一定であった場合、分圧電圧VDIVに電源VCCの変動の影響が現れ、負電圧VNEGの電圧値が不安定になる問題がある。そこで、本実施の形態では、分圧回路10が電源VCCの変動に対しては分圧電圧VDIVを変動させないための構成を有する。この分圧回路10の詳細について以下で説明する。
【0025】
分圧回路10の回路図を図3に示す。図3に示すように、分圧回路10は、分圧電圧生成回路11、電流制御回路12を有する。分圧電圧生成回路11は、第1の抵抗素子(例えば、抵抗R1)、第4の抵抗素子(例えば、抵抗R2)、第1のトランジスタN1を有する。ここで、本実施の形態では第1のトランジスタN1はNMOSトランジスタであるものとする。抵抗R1と第1のトランジスタN1とは第1の電源(例えば電源VCC)と第2の電源(例えば負電圧VNEG)との間に直列に接続される。また、抵抗R2は、第1のトランジスタN1と並列に接続される。そして、分圧電圧生成回路11は、第1のトランジスタN1に流れる第1の電流iN1の大きさに応じて設定される抵抗R1と第1のトランジスタN1との抵抗比に基づき電源VCCの電圧と負電圧VNEGの電圧との電圧差を分圧して分圧電圧VDIVを生成する。より具体的には、分圧電圧生成回路11では、抵抗R2の抵抗値と第1のトランジスタN1の抵抗値との合成抵抗値と抵抗R1の抵抗値との比率によって電源VCCと負電圧VNEGとを分圧して分圧電圧VDIVを生成する。
【0026】
電流制御回路12は、第2のトランジスタN2、第3のトランジスタN3、電圧電流変換部(例えば、抵抗R3)第2の抵抗素子(例えば、抵抗R4)を有する。ここで、本実施の形態では、第2のトランジスタN2と第3のトランジスタN3としてNMOSトランジスタを用いる。第2のトランジスタN2は、第1のトランジスタN1とミラー接続される。また、第2のトランジスタN2の制御端子(例えば、ゲート)とドレインは互いに接続される。つまり、第2のトランジスタN2は、第1の端子(例えば、ドレイン)から第2の端子(例えばソース)に流れる制御電流により第1のトランジスタN1に流れる第1の電流iN1の大きさを制御する。ここで、以下の説明では、第2のトランジスタN2のゲートに発生する電圧を電流制御電圧V1と称す。
【0027】
第3のトランジスタN3は、第2の端子(例えば、ソース)が接地端子に接続され、第1の端子(例えば、ドレイン)が抵抗R4を介して電源VCCに接続される。また、第3のトランジスタN3は、制御端子(例えば、ゲート)とドレインが互いに接続される。つまり、第3のトランジスタN3は、ダイオードとして機能し、抵抗R4を介して入力される電流i4に応じてドレインに電源検出電圧V2を生成する。つまり、電流制御回路12は、少なくとも一つ以上の抵抗素子が直列に接続された抵抗群(本実施の形態では抵抗R4)と、ドレイン端子とゲート端子が短絡された第3のトランジスタN3と、が電源VCCと接地電源の間に直列に接続され、抵抗R4と前記第3のトランジスタとの接続点から電源VCCの電圧の増減に応じて増減する電源検出電圧V2を出力する回路を有する。なお、後述する他の実施の形態にあるように、抵抗群が複数の抵抗から構成される場合、電源検出電圧V2は、抵抗群の各抵抗間の接続点と抵抗群の抵抗と前記第3のトランジスタとの接続点のいずれかから出力されるものであればよい。
【0028】
電流電圧変換部は、電源検出電圧V2と第2のトランジスタN2のゲートの電流制御電圧V1との電圧差を電流i3に変換して制御電流を生成する。本実施の形態では、電流電圧変換部として第3の抵抗素子を用いた。この第3の抵抗素子は、図中において抵抗R3で示されるものである。すなわち、抵抗R3は、電源検出電圧V2を出力するノードと第2のトランジスタN2との間に設けられ、制御電流の量を設定する。
【0029】
つまり、電流制御回路12は、電源VCCに変動すると当該変動量を電流i4として電流に変換し、電流i4の変動に伴い第3のトランジスタN3のドレインに発生する電源検出電圧V2を変動させる。この電源検出電圧V2の変動は、第3のトランジスタN3のソース・ドレイン間に流れる電流の変動により第3のトランジスタN3のソース・ドレイン間の電圧Vdsが変動するために生じる。一方、第2のトランジスタN2の閾値電圧Vtn2は電源VCCの変動の影響を受けないため一定になる。そのため、この電源検出電圧V2の変動により抵抗R3の両端に生じる電圧差が変動し、電流i3(つまり制御電流)が変動する。このように、電流制御回路12は、電源VCCと接地電源との電圧差の増減に応じて制御電流を増減させる。
【0030】
また、電流制御回路12では、第2のトランジスタN2と第3のトランジスタN3とを同一の極性のトランジスタで形成することで、トランジスタの閾値ばらつきが生じた場合においても電源VCCの電圧変動を閾値ばらつきによらず一定の感度で制御電流の変動に反映させることができる。これは、同一極性のトランジスタを用いた場合、第2のトランジスタN2の閾値Vtn2と第3のトランジスタN3の閾値Vtn3とにばらつきの影響が均等に生じ、抵抗R3の両端に生じる電圧差は、これら閾値の相対値であるため、2つのトランジスタの閾値のばらつきが互いに相殺されるためである。また、第2のトランジスタN2と第3のトランジスタN3とは、実質的に同一な温度特性を有していることが好ましい。温度特性が同一であれば、環境温度及び半導体基板の温度による感度の変動を低減させることができる。この効果を得るためには、第2のトランジスタN2と第3のトランジスタN3とが同一のプロセス(イオン注入工程)を経て製造されていることが好ましい。より厳密には、第2のトランジスタN2と第3のトランジスタN3とが同一の工程を経て製造されていることが好ましい。同一の工程を経て形成されるトランジスタは、トランジスタのゲート長やゲート幅による閾値電圧の違いを作りながら閾値電圧のばらつき及び温度特性を実質的に同じ(例えば、ばらつき量の比及び温度変化に対する変化率がほぼ同等となる状態)にすることができる。また、第1のトランジスタN1と第2のトランジスタN2とはカレントミラーを構成しているため、同一極性かつ同一プロセスで製造されていることが好ましい。
【0031】
続いて、実施の形態1にかかる分圧回路10を含む電圧生成回路の電源電圧特性について説明する。図4に実施の形態1にかかる電圧生成回路の電源電圧特性のグラフを示す。図4に示すように、実施の形態1にかかる電圧生成回路は、電源VCCが所定の電圧(電圧生成回路が動作可能な電圧)以上になると、電源VCCの値にかかわらず一定の電圧値を有する負電圧VNEGを生成する。このような電源電圧特性は分圧回路10の動作によるものである。
【0032】
分圧回路10では、電源VCCの電圧が上昇すると電源検出電圧V2を上昇させる。この電源検出電圧V2の上昇に伴い制御電流(電流i3)が増加する。そして、第1のトランジスタN1と第2のトランジスタN2とがカレントミラー接続となっているため、第1の電流iN1は制御電流の増加に伴い増加する。これにより、第1のトランジスタN1の抵抗値は減少し、第1のトランジスタN1と抵抗R2との合成抵抗値も減少する。一方、電源VCCが降下した場合には、電源検出電圧V2が降下する。この電源検出電圧V2の降下に伴い制御電流(電流i3)が減少する。そして、第1のトランジスタN1と第2のトランジスタN2とがカレントミラー接続となっているため、第1の電流iN1は制御電流の減少に伴い減少する。これにより、第1のトランジスタN1の抵抗値は増加し、第1のトランジスタN1と抵抗R2との合成抵抗値も増加する。
【0033】
つまり、分圧回路10は、抵抗R1と、第1のトランジスタN1と抵抗R2との合成抵抗と、の抵抗比を電源VCCの変動に応じて可変することで一定の負電圧VNEGに対して分圧電圧VDIVを接地電位で維持することができる。
【0034】
また、分圧回路10は、負電圧VNEGが上昇した場合、電流制御電圧V1の電圧値が上昇するため、抵抗R3の両端の電圧差が小さくなる。そのため、制御電流(電流i3)が小さくなる。この制御電流の減少により第1の電流iN1も大きくなるため、第1のトランジスタN1の抵抗値が増加し、抵抗R2と第1のトランジスタN1の合成抵抗値も増加する。従って、負電圧VNEGが上昇した場合、負電圧VNEGの上昇と、抵抗R2と第1のトランジスタN1の合成抵抗値の増加によって分圧電圧VDIVは上昇する。この分圧電圧VDIVの上昇に伴い、比較器1はオシレータ制御信号S1をアクティブとするため、負電圧チャージポンプ4が動作し、負電圧VNEGを降下させる。
【0035】
一方、負電圧VNEGが降下した場合、電流制御電圧V1の電圧値が降下するため、抵抗R3の両端の電圧差が大きくなる。そのため、制御電流(電流i3)が大きくなる。この制御電流の増加により第1の電流iN1も小さくなるため、第1のトランジスタN1の抵抗値が減少し、抵抗R2と第1のトランジスタN1の合成抵抗値も減少する。従って、負電圧VNEGが降下した場合、負電圧VNEGの降下と、抵抗R2と第1のトランジスタN1の合成抵抗値の減少によって分圧電圧VDIVは降下する。そして、負電圧VNEGが目標電圧を下回ると分圧電圧VDIVも接地電位を下回るため、比較器1がオシレータ制御信号S1をインアクティブとし、負電圧チャージポンプ4が停止する。そして、負電圧VNEGには分圧回路10及び他の回路から電流が流入し、上昇する。
【0036】
上記したように、実施の形態1に記載の分圧回路10では、電源VCCの変動に応じて第1の抵抗R1と、抵抗R2と第1のトランジスタN1の合成抵抗と、により決定される分圧比を変動させる。この電源VCCの変動に対する分圧比の変動特性を示すグラフを図5に示す。図5に示すように、分圧回路10では、電源VCCが上昇した場合は分圧比を低下させ、電源VCCが降下した場合は分圧比を上昇させる。このように電源VCCの変動に合わせて分圧比を変動させることで、分圧回路10は、一定の電圧値を有する負電圧VNEGに対して分圧電圧VDIVの値を一定に保つことができる。
【0037】
上記説明より、実施の形態1にかかる電圧生成回路では、分圧回路10の電流制御回路12が電源VCCの電圧変動に応じて制御電流を増減させる。そして、第1のトランジスタN1と第2のトランジスタN2とにより構成されるカレントミラーにより第1のトランジスタN1に流れる第1の電流iN1を制御電流の増減に応じて増減させることで、抵抗R1と第1のトランジスタN1と抵抗R2の合成抵抗の抵抗比を変化させる。これによって、実施の形態1にかかる電圧生成回路では、電源VCCの電圧によらず一定の負電圧VNEGの値に対する分圧電圧VDIVの値を一定に保つことができる。従って、実施の形態1にかかる電圧生成回路は、電源VCCの変動に対しても負電圧VNEGの電圧レベルを高精度に維持することができる。
【0038】
ここで、実施の形態1にかかる電圧生成回路が生成する負電圧VNEGは以下の(1)式により表される。なお、(1)式においては、R2aが抵抗R2と第1のトランジスタN1の合成抵抗であり、R1が抵抗R1の抵抗値であり、VCCが電源VCCの電圧値である。
VNEG=−(R2a/R1)×VCC・・・(1)
【0039】
つまり、実施の形態1にかかる分圧回路10は、電源VCCの電圧が上昇した場合には、合成抵抗R2aの抵抗値を減少させ、また電源VCCの電圧が下降した場合には、合成抵抗R2aの抵抗値が増大させるように動作し、VCCの電圧が変動した場合のVNEGの電圧変動を抑制するように動作する。
【0040】
また、分圧回路10では、制御電流を第2のトランジスタN2の制御端子に発生する電流制御電圧V1と第3のトランジスタN3のドレインに発生する電源検出電圧V2との相対的な大きさにより決定される。電流制御電圧V1と電源検出電圧V2は、共にトランジスタの閾値電圧によりその電圧値が決定される。そのため、第2のトランジスタN2と第3のトランジスタN3とが同一の極性かつ同一のプロセスにより形成されるものであれば、製造工程において発生する閾値のばらつきは、第2のトランジスタN2と第3のトランジスタN3とはほぼ同じ閾値のばらつきとなる。従って、分圧回路10では、制御電流の大きさにトランジスタの閾値の影響が現れない。ここで、上記した特許文献1に記載のバイアス電圧発生回路100では、出力トランジスタNT40とトランジスタNT41、NT42とが異なる敷地電圧のばらつき量を有する場合、当該ばらつきによりバイアス電圧VBSを一定に保つことはできない問題がある。つまり、特許文献1に記載のバイアス電圧生成回路100では、実施の形態1にかかる分圧回路10よりも出力する電圧の精度が低くなる。
【0041】
なお、分圧回路10においては、制御電流の最低電流量として所定の電流値を設定する場合、第3のトランジスタN3のサイズ(例えば、ゲート長やゲート幅)を第2のトランジスタN2と異なるサイズとすることが好ましい。これにより第3のトランジスタN3と第2のトランジスタN2は、同一の電流量に対して異なる電圧をドレインに発生させることができる。
【0042】
実施の形態2
実施の形態2では、分圧回路10の変形例となる分圧回路20について説明する。分圧回路20の回路図を図6に示す。図6に示すように、分圧回路20では、電流制御回路12に代えて電流制御回路22を有する。
【0043】
電流制御回路22では、第3のトランジスタN3のドレインに発生した第1の電源検出電圧V3を増幅器により増幅して第2の電源検出電圧V2とする。この第2の電源検出電圧V2は、実施の形態1における電源検出電圧V2に相当するものである。
【0044】
電流制御回路22の増幅器は、差動増幅器OP、抵抗R5、R6、PMOSトランジスタP1により構成される。PMOSトランジスタP1はソースが電源VCCに接続されドレインが抵抗R5に接続される。抵抗R5は抵抗R6を介して接地端子に接続される。差動増幅器OPは非反転入力端子が抵抗R5と抵抗R6の間に接続され、反転入力端子が第3のトランジスタN3のドレインに接続される。そして、差動増幅器OPは、反転入力端子と非反転入力端子とに入力される電圧の電圧差を増幅して制御信号V5を出力する。この制御信号V5はPMOSトランジスタP1のゲートに入力される。また、電流制御回路22の増幅器は、PMOSトランジスタP1のドレインから第2の電源検出電圧V2を出力する。
【0045】
つまり、電流制御回路22では、第3のトランジスタN3のドレインに発生した電源検出電圧V2を増幅した第2の電源検出電圧V2と電流制御電圧V1との電圧差に基づき制御電流を生成する。
【0046】
続いて、分圧回路20を用いた場合の電圧生成回路の電源電圧特性のグラフを図7に示す。図7に示すように、実施の形態2にかかる電圧生成回路では、第1の電源検出電圧V3よりも高い電圧値を有する第2の電源検出電圧V2が生成される。この第2の電源検出電圧V2は、第1の電源検出電圧V3よりも若干傾きが大きくなる。この傾きの違いは、電流制御回路22の増幅器の増幅率(抵抗R5、R6の抵抗比により決まる増幅率)により生じるものである。そして、実施の形態2にかかる電圧生成回路では、第2の電源検出電圧V2に従って負電圧VNEGの電圧が電源VCCの電圧変動によらず一定に保たれる。
【0047】
上記説明より、実施の形態2の分圧回路20では、電流制御回路22の増幅器により第2の電源検出電圧V2の電源VCCの電圧の変動に対する傾きを調節することができる。これにより、実施の形態2にかかる分圧回路20では、実施の形態1にかかる分圧回路10よりも高精度に分圧電圧VDIVを生成することができる。また、実施の形態2にかかる電圧生成回路では、高精度な分圧電圧VDIVに基づき実施の形態1にかかる電圧生成回路よりも高精度な負電圧VNEGを生成することができる。
【0048】
実施の形態3
実施の形態3では、分圧回路10の変形例となる分圧回路30について説明する。分圧回路30の回路図を図8に示す。図8に示すように、分圧回路30では、電流制御回路12に代えて電流制御回路32を有する。
【0049】
電流制御回路32は、電流制御回路12の第3の抵抗素子(例えば、抵抗R42)を追加したものである。また、図8では、抵抗R4に対応する抵抗を抵抗R41とした。抵抗R42は、抵抗R41と第3のトランジスタN3のドレインとの間に設けられる。そして、電流制御回路32では、抵抗R41と抵抗R42との間から電源検出電圧V21を出力する。この電源検出電圧V21は、電源検出電圧V2と電源VCCとを抵抗R41と抵抗R42の抵抗比で分圧した電圧に相当するものである。
【0050】
分圧回路30では、第2のトランジスタN2と第3のトランジスタN3のサイズの違いを小さいまま所望の電源電圧依存を電流制御回路に持たせるものである。第2のトランジスタN2と第3のトランジスタN3のサイズが、大きく異なると、閾値ばらつき特性が異なる可能性があるため、抵抗分圧を利用して電源電圧依存を加味する。
【0051】
ここで、実施の形態1にかかる分圧回路10において、第2のトランジスタN2と第3のトランジスタN3のサイズを大きく異なるものとした場合の電圧生成回路の電源電圧特性のグラフを図9に示す。図9に示すように、第2のトランジスタN2と第3のトランジスタN3のサイズを大きく異なるものとした場合、実施の形態1にかかる電圧生成回路では、負電圧VNEGが電源電圧変動に応じて変動する問題が発生する。図9では、負電圧VNEGが所望の制御レベルに対して降下したケースについて一例として示している。
【0052】
これに対して、実施の形態3にかかる分圧回路30を用いた場合の電圧生成回路の電源電圧特性のグラフを図10に示す。図10に示すように、分圧回路30を用いた場合、負電圧VNEGを一定に保つことができる。
【0053】
上記説明より、実施の形態3にかかる分圧回路30では、第3のトランジスタN3と第2のトランジスタN2との閾値ばらつき特性をほぼ同程度に維持したまま高精度な負電圧VNEGを生成することができる。
【0054】
実施の形態4
実施の形態4では、実施の形態2にかかる分圧回路20に実施の形態3にかかる分圧回路30の抵抗R41及び抵抗R42を適用した分圧回路40について説明する。実施の形態4にかかる分圧回路40の回路図を図11に示す。図11に示すように、分圧回路40の電流制御回路42では、電流制御回路22の抵抗R4に代えて、抵抗R41が用いられる。また、電流制御回路42では、第3のトランジスタN3と抵抗R41との間に抵抗R42が設けられる。そして、差動増幅器OPの反転入力端子には、抵抗R41と抵抗R42との接続点から第1の電源検出電圧V21が出力される。
【0055】
この分圧回路40を用いた場合の電圧生成回路の電源電圧特性のグラフを図12に示す。図12に示すように、実施の形態4にかかる電圧生成回路においても、負電圧VNEGは電源VCCの大きさにかかわらず一定の電圧値を維持する。
【0056】
上記説明より、分圧回路40では、実施の形態3にかかる分圧回路の抵抗R41と抵抗R42を用いることで増幅器が搭載される電流制御回路においても、高精度な負電圧VNEGの生成を可能とする。
【0057】
実施の形態5
実施の形態5にかかる分圧回路50の回路図を図13に示す。実施の形態5では、実施の形態1の分圧電圧生成回路11の変形例となる分圧電圧生成回路51について説明する。分圧電圧生成回路51は、分圧電圧生成回路11の抵抗R2を削減したものである。
【0058】
このように、抵抗R2がない場合であっても第1のトランジスタN1により抵抗R2と同等の抵抗値が実現できれば抵抗R2を削減したとしても、分圧電圧生成回路11と同様の動作を行うことが可能である。
【0059】
実施の形態6
実施の形態6にかかる分圧回路60の回路図を図14に示す。実施の形態6では、実施の形態1の分圧電圧生成回路11の変形例となる分圧電圧生成回路61について説明する。分圧電圧生成回路61は、分圧電圧生成回路11の第1のトランジスタN1と抵抗R2とを直列に接続したものである。
【0060】
このように、抵抗R2と第1のトランジスタN1とを直列に接続した場合であっても第1のトランジスタN1と抵抗R2との合成抵抗は、第1のトランジスタN1に流れる第1の電流iN1を制御することで可変できる。つまり、この場合においても第1の電流iN1を制御することで、分圧電圧生成回路11と同様の動作を行うことが可能である。
【0061】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0062】
N1〜N3 NMOSトランジスタ
P1 PMOSトランジスタ
OP 差動増幅器
R1〜R6、R41、R42 抵抗
V1 電流制御電圧
V2 電源検出電圧
VDIV 分圧電圧
VNEG 負電圧
1 比較器
2 オシレータ
3 クロックバッファ
4 負電圧チャージポンプ
4 負電圧チャージポンプ
10、20、30、40、50、60 分圧回路
11、51、61 分圧電圧生成回路
12、22、32、42 電流制御回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電源と第2の電源との間に直列に接続される第1の抵抗素子と第1のトランジスタとを備え、前記第1のトランジスタに流れる第1の電流の大きさに応じて設定される前記第1の抵抗素子と前記第1のトランジスタとの抵抗比に基づき前記第1の電源の電圧と前記第2の電源の電圧との電圧差を分圧して分圧電圧を生成する分圧電圧生成回路と、
前記第1のトランジスタとミラー接続され、第1の端子から第2の端子に流れる制御電流により前記第1の電流の大きさを決定する第2のトランジスタを有し、前記第1の電源と接地電源との電圧差の増減に応じて前記制御電流を増減させる電流制御回路と、
を有する半導体装置。
【請求項2】
前記電流制御回路は、
第2の端子が前記接地電源に接続され、前記第1の電源の電圧に応じて第1の端子に発生する電源検出電圧を変動させる第3のトランジスタと、
前記第3のトランジスタの前記第1の端子と前記第1の電源との間に接続される第2の抵抗素子と、
前記電源検出電圧と前記第2のトランジスタの制御端子の電流制御電圧との電圧差を電流に変換して前記制御電流を生成する電圧電流変換部と、
を有する請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記電流制御回路は、前記第3のトランジスタの第1の端子と前記第2の抵抗素子との間に設けられる第3の抵抗素子を有し、前記第2、第3の抵抗素子の接続点から前記電源検出電圧を出力する請求項2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記電流制御回路は、前記電源検出電圧を増幅して前記電圧電流変換部に出力する増幅器を有する請求項2又は3に記載の半導体装置。
【請求項5】
分圧回路は、前記第1のトランジスタと並列に設けられ、予め抵抗値が定められた第4の抵抗素子を有する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記分圧回路は、前記第1のトランジスタと前記第1の抵抗素子との間に設けられた第4の抵抗素子を有し、前記第1の抵抗素子と前記第4の抵抗素子との接続点から前記分圧電圧を出力する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1乃至第3のトランジスタは、同一の工程を経て形成されたトランジスタである請求項1乃至6のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1の電源は正の電圧を有する電源であって、前記第2の電源は負の電圧を有する電源であって、前記分圧回路は、前記第2の電源が目標電圧となった場合に前記分圧電圧を接地電圧とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項9】
第1の電源と第2の電源との間に直列に接続される第1の抵抗素子と第1のトランジスタとを備え、前記第1のトランジスタに流れる第1の電流の大きさに応じて設定される前記第1の抵抗素子と前記第1のトランジスタとの抵抗比に基づき前記第1の電源の電圧と前記第2の電源の電圧との電圧差を分圧して分圧電圧を生成する分圧電圧生成回路と、
前記第1のトランジスタとミラー接続され、ドレイン端子からソース端子に流れる制御電流により前記第1の電流の大きさを決定する第2のトランジスタを備え、前記第1の電源と接地電源との電圧差の増減に応じて前記制御電流を増減させる電流制御回路とを有し、
前記電流制御回路は、
少なくとも一つ以上の抵抗素子が直列に接続された抵抗群と、ドレイン端子とゲート端子が短絡された第3のトランジスタと、が前記第1の電源と接地電源の間に直列に接続され、前記抵抗群の各抵抗間の接続点と前記抵抗群の抵抗と前記第3のトランジスタとの接続点のいずれかから前記第1の電源の電圧の増減に応じて増減する電源検出電圧を出力する回路と、
前記電源検出電圧を出力するノードと前記第2のトランジスタとの間に設けられ、前記制御電流の量を設定する第3の抵抗素子とを、有し、
前記第2のトランジスタは、ソース端子が前記第2の電源に接続され、ドレイン端子とゲート端子が短絡される半導体装置。
【請求項10】
前記電流制限回路は、前記第2のトランジスタと前記第3のトランジスタが、その閾値電圧のばらつき特性と温度特性が実質的に同じ特性である請求項9に記載の半導体装置。
【請求項11】
第1の電源と接地電源とに基づき第2の電源を生成する電圧生成回路であって、
前記第1の電源と前記第2の電源との間に直列に接続される第1の抵抗素子と第1のトランジスタとを備え、前記第1のトランジスタに流れる第1の電流の大きさに応じて設定される前記第1の抵抗素子と前記第1のトランジスタとの抵抗比に基づき前記第1の電源の電圧と前記第2の電源の電圧との電圧差を分圧して分圧電圧を生成する分圧電圧生成回路と、
前記第1のトランジスタとミラー接続され、第1の端子から第2の端子に流れる制御電流により前記第1の電流の大きさを決定する第2のトランジスタを有し、前記第1の電源と接地電源との電圧差の増減に応じて前記制御電流を増減させる電流制御回路と、
前記分圧電圧に基づき前記第2の電源の電圧を前記第1の電源の電圧と前記抵抗比とにより決定される目標電圧に制御する電圧制御回路と、
を有する半導体装置。
【請求項12】
前記電流制御回路は、
第1の端子が前記第1の電源に接続され、第2の端子が前記接地電源に接続され、ダイオードとして機能し、前記第1の電源の電圧に応じて第1の端子に発生する電源検出電圧を変動させる第3のトランジスタと、
前記第3のトランジスタの前記第1の端子と前記第1の電源との間に接続される第2の抵抗素子と、
前記電源検出電圧と前記第2のトランジスタの制御端子の電流制御電圧との電圧差を電流に変換して前記制御電流を生成する電圧電流変換部と、
を有する請求項11に記載の半導体装置。
【請求項13】
分圧回路は、前記第1のトランジスタと並列に設けられ、予め抵抗値が定められた第4の抵抗素子を有する請求項11又は12に記載の半導体装置。
【請求項14】
前記分圧回路は、前記第1のトランジスタと前記第1の抵抗素子との間に設けられた第4の抵抗素子を有し、前記第1の抵抗素子と前記第4の抵抗素子との接続点から前記分圧電圧を出力する請求項11乃至13のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1の電源は正の電圧を有する電源であって、前記第2の電源は負の電圧を有する電源であって、前記分圧回路は、前記第2の電源が目標電圧となった場合に前記分圧電圧を略接地電圧とする請求項11乃至14のいずれか1項に記載の半導体装置。
【請求項16】
抵抗素子と制御電流に応じて抵抗値が変化する素子とを有し、正の電圧である第1の電圧と負の電圧である第2の電圧を分圧して第3の電圧を出力する分圧回路と、
前記第1の電圧と接地電圧との電圧差に基づいて前記分圧回路に制御電流を出力する電流制御回路を有し、
前記電流制御回路は、前記第1の電圧が上昇した際には前記制御電流を増加させると共に、前記第1の電圧が下降した際には前記制御電流を減少させることによって、前記第1の電圧の変動による前記第3の電圧の変動を軽減する半導体装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate


【公開番号】特開2011−8514(P2011−8514A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151059(P2009−151059)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】