説明

単結晶シリコン製の装置

【課題】最大限の機械的安定性、あるいは最大限の接着面を有するキャップウエハをボンディングパッドのできるだけ近くに配置できるため、出来るだけ急勾配のフランクが形成されている単結晶シリコン製の装置およびその製造方法を提供する。
【解決手段】面方位が100であるシリコン基板の表面20から裏面30に向かって貫通するエッチング開口を形成するにあたって、表面20に形成したエッチングマスクより小さい開口を有するエッチングマスクを裏面30に形成し、両面からエッチングすることで、表面20から裏面30に向かって延在する面方位111の側面42、側面42から延在し裏面30に対して垂直な側面44、側面44から延在する面方位111の側面48が構成されるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1の側面と、この第1の側面に対向して配置された第2の側面と、第1の側面から第2の側面に向かって延びる第3の側面とを有する単結晶シリコン製の装置であって、この場合、第1の側面及び第2の側面は、それぞれ単結晶シリコンの100の平面内に延びており、第3の側面は単結晶シリコンの111の平面内の第1の領域に延びている形式のものから出発する。
【背景技術】
【0002】
100のSi材料をKOHエッチングする際には、ウェハ表面に方形の開口を正確にエッチングするために、Siウェハの結晶学上の特性を利用する。この場合、深さ方向には垂直な壁ではなく、54.7°の角度を有する傾斜フランクが生じる。この特性も、100のウェハ材料の結晶学上の1特性である。傾斜フランクは111の平面に相当し且つ事実上、KOHにおけるエッチストップ特性を有している。111の平面は、Si結晶において断然最低のエッチング率を有しているので、規定された傾斜の壁を備えた、良好に規定される開口の形成に役立つことができる。
【0003】
KOHエッチングの場合はシリコンウェハの片面から、深さ方向で常に54.7°の角度を有する壁が形成される。従って、より急勾配のフランクは結晶学的な観点から実現不可能である。
【0004】
しかし、いくつかのマイクロマシニング構造においては、最大限の機械的安定性を得るために、又は最大限の接着面を有するキャップウェハをボンディングパッドのできるだけ近くに配置できるようにするために、できるだけ急勾配のフランクを有していることが望ましい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は従来技術における欠点を回避することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題を解決するために本発明では、第3の側面が、単結晶シリコンの110の平面内の第2の領域に延在しているようにした。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、第1の側面と、この第1の側面に対向して配置された第2の側面と、第1の側面から第2の側面に向かって延びる第3の側面とを備えた、単結晶シリコン製の装置から出発する。この場合、第1の側面及び第2の側面は、それぞれ単結晶シリコンの100の平面内に延びており、第3の側面は、単結晶シリコンの111の平面内の第1の領域に延在している。本発明の核心は、第3の側面が、単結晶シリコンの110の平面内の第2の領域に延在しているという点にある。有利には、第3の側面は、第1の側面及び第2の側面に対して垂直に延びる領域を有している。有利には、111の平面に沿ってのみ延在する、従来技術における第3の側面よりも急勾配の第3の側面(フランク)が形成されている。
【0008】
本発明による装置の有利な構成では、第3の側面は単結晶シリコンの111の平面内の第3の領域に延在しており、この場合、第2の領域は第1の領域と第3の領域との間に配置されている。
【0009】
本発明による装置の別の有利な構成では、当該装置が第1の側面から第2の側面に通じる貫通開口を有しており、該貫通開口の側壁が第3の側面である。有利には、当該装置は急勾配の側壁(フランク)を備えた溝又は穴を有していてよい。
【0010】
貫通開口が、第1の側面では第1の開口幅を有しており且つ第2の側面では第2の開口幅を有しており、第1の開口幅が第2の開口幅よりも大きく、第2の開口幅が、第1の側面と第2の側面との間の装置の厚さ及び第1の開口幅から出発する単結晶の111の平面の角度によって予め規定される開口幅よりも大であることも有利である。有利には、第2の開口幅は、第1のウェハ側面における貫通開口から出発して、100の平面に対する111のエッチストップ平面の角度を考慮して、規定された厚さを有する100のシリコンウェハをKOHエッチングにより貫通エッチングする場合に第2の側面に形成される可能性のある開口幅よりも、大である。
【0011】
更に本発明は、以下の製作ステップを有する、単結晶シリコン製の装置を製作するための方法に関する。即ち:
‐第1の側面と、この第1の側面に対向して配置された第2の側面とを有する単結晶シリコン製の基板を用意する。この場合、第1の側面及び第2の側面は、それぞれ単結晶シリコンの100の平面内に延びており、基板は第1の側面と第2の側面との間に所定の厚さを有している。
‐基板の第1の側面に、第1の開口幅を有する第1の開口を備えた第1のマスクを設ける。
‐基板の第2の側面に、第2の開口幅を有する第2の開口を備えた第2のマスクを設ける。この場合、第1の開口と第2の開口とは互いに対向位置するように配置され、しかも、第1の開口幅は第2の開口幅よりも大きく規定されており、第2の開口幅は、基板の厚さ及び第1の開口幅から出発する単結晶シリコンの111の平面の角度によって予め規定される開口幅よりも大である。
‐第1の側面及び第2の側面から基板をKOHエッチングして、第1の側面から第2の側面に向かって延びる第3の側面を形成する。この場合、この第3の側面は、単結晶シリコンの111の平面内の第1の領域及び単結晶シリコンの110の平面内の第2の領域に延在している。
【0012】
両面KOHエッチングを用いた本発明による2マスクプロセスによって、従来技術におけるよりも大きな勾配を有する第3の側面(エッチフランク)を製作することが可能である。この製作法に基づき、エッチフランクは最早シリコン基板の111の平面に沿ってのみ延在するのではなく、部分的に110の平面に沿っても延在しており、つまり100の平面内に延在する第1の側面及び第2の側面に対して垂直方向でも延在している。従って、平均するとより大きな勾配を有するエッチフランクが生ぜしめられる。
【0013】
本発明による製作法の有利な手段では、KOHエッチングの製作ステップにおいて、単結晶シリコンの111の平面内の第3の領域に延在する第3の側面を製作する。この場合、第2の領域は第1の領域と第3の領域との間に配置されている。
【0014】
本発明による製作法の別の有利な手段では、基板のKOHエッチングを第1の側面と第2の側面とから同時に行う。本発明による製作法の更に別の有利な手段では、第1の側面及び第2の側面からの基板のKOHエッチングを時間的にずらして行う。有利には、各エッチング開始時点及び各エッチング時間を選択することにより、フランクのデザインを制御することができる。
【0015】
100のウェハにKOHエッチングされた貫通部を製作する際に「2マスク技術」を使用することにより、一貫して扁平な面は形成しないという特徴のみを有する、より急勾配のフランクをシリコンウェハにおいて実現することが可能である。一貫して扁平な面の代わりに、当該のシリコンウェハは変化する勾配を備えた、つまり111の平面の角度及び110の平面の角度を有する、段付けされた面を有している。
【0016】
本発明により、有利にはフランクの勾配が、ワイヤボンディング用の楔形ボンディング工具の断面にほぼ等しくなるように調節可能な勾配を有するフランクを備えた貫通開口が形成され得、これにより、楔形ボンディング工具は貫通開口に良好な適合精度を以て収容され得る。本発明によるフランクデザインは、できるだけ大きなボンディング面を、貫通開口を巡る構造のできるだけ大きな機械的安定性と組み合わせるということを保証する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面につき詳しく説明する。
【0018】
図1には、従来技術による単結晶シリコン製の装置が示されている。図示のマイクロマシニング装置10は、単結晶のシリコン基板1から成っている。当該のマイクロマシニング装置10は、第1の側面20と、対向位置する第2の側面30とを有しており、これらの側面20,30は、単結晶のシリコン基板1の結晶学上の100の平面に配置されている。マイクロマシニング装置10は、第1の側面20と、対向位置する第2の側面30との間に所定の厚さ60を有している。当該のマイクロマシニング装置10にはKOHを用いて第1の側面20から切欠きがエッチングされた。この切欠きは、図示のように止まり穴であってよいか、又は第1の側面20から第2の側面30に向かう貫通開口(ここでは図示せず)であってよい。これにより、第1の側面20から第2の側面30に向かって延びる第3の側面40が形成されている。
【0019】
100のSi材料をKOHエッチングする際には、方形の開口をウェハ表面に正確にエッチングするために、Siウェハの結晶学上の特性を利用する。KOHエッチングでは、深さ方向に垂直な壁は形成されず、54.7°の角度を有する傾斜フランクが形成される。この特性も、100のウェハ材料の結晶学上の1特性である。傾斜フランクは、111の平面に相当し且つKOHでのエッチングにおけるエッチストップ特性を有している。111の平面は、Si結晶では断然最低のエッチング率を有しているので、規定された傾斜壁を有する規定された開口が著しく良好に生ぜしめられる。
【0020】
従って、第3の側面40は単結晶のシリコン基板1の結晶学上の111の平面に沿って延びている。この平面は、100の平面に対して54.7°の角度を有している。つまり、結晶学的な視点から見てより急勾配のフランクは実現不能である。
【0021】
図2には、本発明による単結晶シリコン製の装置の予備成形が示されている。前述の54.7°の角度よりも急勾配で延びる第3の側面40、即ち、貫通開口のより一層急勾配のフランクが、本発明による2マスク式KOHエッチングプロセスにより得られる。この2マスク式KOHエッチングプロセスでは両側面から100のウェハが貫通エッチングされる。このためには、シリコン基板1の第1の側面20に、第1の開口幅52を有する第1の開口を備えた第1のマスク70が付与される。対向位置するシリコン基板1の第2の側面30には、第2の開口幅54を有する第2の開口を備えた第2のマスク80が付与される。第1のマスク70と第2のマスク80とは対向位置して配置されており且つ上から見て規定されたオーバラップを有している必要がある。その後、両側面からKOHでエッチングされる。図2には、(例えば1枚のウェハの)シリコン基板1を貫通エッチングした直後のマイクロマシニング装置10の状態が示されている。KOHエッチングの結果、貫通開口50が形成されており、この貫通開口50の側方は、第3の側面40によって制限されている。貫通開口50は、マイクロマシニング装置10の第1の側面20に第1の開口幅52を有しており且つ第2の側面30に第2の開口幅54を有している。この場合、間隔「b」は第1のマスク70と第2のマスク80とのオーバラップを示している。第3の側面40は、第1の側面20から出発してそれぞれ第1の領域42を有しており、この第1の領域42は、従来技術で公知のように、111の平面に沿って延びている。第3の側面40は、図示の成形において更に各1つの尖端部を有しており、これらの尖端部は、100の平面に沿った縁部と、第1の領域42と同一ではあるが、符号だけが逆の角度を有する、別の111の平面に沿った第3の領域46とから成っている。
【0022】
図3には、本発明による単結晶シリコン製の装置の第1実施例が示されている。KOHエッチングが時間にわたって進行すると付加的に、形成されたシリコン尖端部から出発し且つ110の方向でシリコン基板1内へ先行して進むエッチフロントが生じる。100の平面に対して垂直に位置するこの110の平面は、第2の領域44を形成し且つエッチング時間の経過に伴って、ますますシリコン基板1内へ進入する。
【0023】
図4には、本発明による単結晶シリコン製の装置の第2実施例が示されている。この第2実施例は、連続的なKOHエッチングにより得られる。この場合、110の平面内に配置された第2の領域44は、第2のマスク80の縁部にぶつかる。上で説明した111の平面内に配置された第3の領域46は、この時点では最早存在していない。連続的にKOHエッチングし、これにより第2の領域44が更に前進すると、新たに第3の領域48が形成され、この第3の領域48は111の平面に沿って、第1の領域42と同じ角度で延びている。即ち、110の平面内の第2の領域44は、第1のマスク70から出発する(第1の111の平面の)第1の領域42の結合部と、第2のマスク80から出発する(第2の111の平面の)第3の領域48の結合部とを形成している。
【0024】
第2の領域44の高さhは、マスクオーバラップbに関連している。エッチフランクにおける第2の領域44の側方位置は、エッチング時間に関連している。このエッチング特性は、b<dのマスクオーバラップについてのみ有効である。この場合、符号dは、ウェハの表側からのみ完全に貫通エッチングされた場合に生じる可能性のある、x軸線に投影されたフランク幅を示すものである。b>dの値では、相応に長いKOHエッチング時間を前提として、第1の111の平面が実際にはエッチストップ平面として働く。この場合の貫通エッチングの形状は、公知の54.7°のエッチフランクを有する、従来技術における片側貫通エッチングの形状に相当する。換言すると、第1の開口幅52は、第2の開口幅54よりも大きく規定されている。但しこの場合、111の平面を第2の側面30まで進行させるつもりならば、第2の開口幅54は、基板1の厚さ60及び第1の側面20における第1の開口幅52から出発する単結晶シリコンの111の平面の角度によって予め規定されるよりも大きく設けられている。
【0025】
本発明の構成では、エッチフランクは、ワイヤボンディング用のボンディング工具、即ち楔形ボンディング工具の断面に対してほぼ相補的な断面を有している。貫通開口は、エッチフランクの適当な設定において、例えば約30°の角度を有する楔形ボンディング工具を、ほぼ正確に適合して収容するために適している。第2の側面30において、第2の開口幅54の領域にはボンディングパッドを設けることができ、このボンディングパッドは、第1の側面20から楔形ボンディング工具によりボンディングワイヤと結合可能である(図示せず)。
【0026】
図5には、本発明による単結晶シリコン製の装置を製作するための方法が概略的に示されている。この方法は以下の製作ステップを有している。即ち:
(A)第1の側面20及びこの第1の側面20に対向して配置された第2の側面30を備えた、単結晶シリコン製の基板1を用意する。この場合、第1の側面20及び第2の側面30は、それぞれ単結晶シリコンの100の平面内に延在しており、基板1は第1の側面20と第2の側面30との間に厚さ60を有している。
(B)基板1の第1の側面20に、第1の開口幅52を有する第1の開口を備えた第1のマスク70を設ける。
(C)基板1の第2の側面30に、第2の開口幅54を有する第2の開口を備えた第2のマスク80を設ける。この場合、第1の開口と第2の開口とは互いに対向位置するように配置され、しかも、第1の開口幅52は第2の開口幅54よりも大きく規定されており、第2の開口幅54は、基板1の厚さ60及び第1の開口幅52から出発する単結晶シリコンの111の平面の角度によって予め規定される開口幅よりも大である。
(D)第1の側面20と第2の側面30とから基板1をKOHエッチングする。この場合、第1の側面20から第2の側面30に向かって延びる第3の側面40が形成される。この第3の側面40は、単結晶シリコンの111の平面内の第1の領域42と、単結晶シリコンの110の平面内の第2の領域44とに延在している。
【0027】
1実施例では、製作ステップ(D)において、単結晶シリコンの111の平面内の第3の領域46,48に延在する第3の側面40を形成することが規定されている。この場合、第2の領域44は、第1の領域42と第3の領域46,48との間に配置されている。
【0028】
即ち、100のウェハにKOHエッチングされた貫通開口を製作する際に「2マスク技術」を使用することにより、シリコンウェハにおいて、一貫して平らな面は形成しないという特徴のみを有する、より一層急勾配のフランクを実現することが可能である。
【0029】
この方法は、時間制御式で行うこともできる。つまり、第1の側面及び第2の側面30からのエッチングは同じ時間に行うことができるか、又は予め規定可能な違う時間に行うこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】従来技術による単結晶シリコン製の装置を示した図である。
【図2】本発明による単結晶シリコン製の装置の予備成形を示した図である。
【図3】本発明による単結晶シリコン製の装置の第1実施例を示した図である。
【図4】本発明による単結晶シリコン製の装置の第2実施例を示した図である。
【図5】本発明による単結晶シリコン製の装置の第2実施例を示した図である。
【符号の説明】
【0031】
1 シリコン基板、 10 マイクロマシニング装置、 20 第1の側面、 20 第2の側面、 40 第3の側面、 42 第1の領域 44 第2の領域、 46,48 第3の領域、 50 貫通開口、 52 第1の開口幅、 54 第2の開口幅、 60 厚さ、 70 第1のマスク、 80 第2のマスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の側面(20)と、この第1の側面(20)に対向して配置された第2の側面(30)と、第1の側面(20)から第2の側面(30)に向かって延びる第3の側面(40)とを有する単結晶シリコン製の装置(10)であって、第1の側面(20)及び第2の側面(30)が、それぞれ単結晶シリコンの100の平面内に延在しており、第3の側面(40)が、単結晶シリコンの111の平面内の第1の領域(42)に延在している形式のものにおいて、
第3の側面(40)が、単結晶シリコンの110の平面内の第2の領域(44)に延在していることを特徴とする、単結晶シリコン製の装置。
【請求項2】
第3の側面(40)が、単結晶シリコンの111の平面内の第3の領域(46,48)に延在しており、この場合、第2の領域(44)は第1の領域(42)と第3の領域(46,48)との間に配置されている、請求項1記載の単結晶シリコン製の装置。
【請求項3】
当該装置が、第1の側面(20)から第2の側面(30)に通じる貫通開口(50)を有しており、第3の側面(40)が前記貫通開口(50)の側壁である、請求項1又は2記載の単結晶シリコン製の装置。
【請求項4】
貫通開口(50)が、第1の側面(20)では第1の開口幅(52)を有しており且つ第2の側面(30)では第2の開口幅(54)を有しており、第1の開口幅(52)が第2の開口幅(54)よりも大であり、第2の開口幅(54)が、第1の側面(20)と第2の側面(30)との間の装置の厚さ(60)及び第1の開口幅(52)から出発する単結晶シリコンの111の平面の角度によって予め規定された開口幅よりも大である、請求項3記載の単結晶シリコン製の装置。
【請求項5】
単結晶シリコン製の装置(10)を製作するための方法であって、以下の製作ステップ、即ち:
(A)第1の側面(20)及びこの第1の側面(20)に対向して配置された第2の側面(30)を備えた、単結晶シリコン製の基板(1)を用意し、この場合、第1の側面(20)及び第2の側面(30)は、それぞれ単結晶シリコンの100の平面内に延在しており、基板(1)は第1の側面(20)と第2の側面(30)との間に厚さ(60)を有しており、
(B)基板(1)の第1の側面(20)に、第1の開口幅(52)を有する第1の開口を備えた第1のマスク(70)を設け、
(C)基板(1)の第2の側面(30)に、第2の開口幅(54)を有する第2の開口を備えた第2のマスク(80)を設け、この場合、第1の開口と第2の開口とは互いに対向位置するように配置され、しかも、第1の開口幅(52)は第2の開口幅(54)よりも大きく規定されており、第2の開口幅(54)は、基板(1)の厚さ(60)及び第1の開口幅(52)から出発する単結晶シリコンの111の平面の角度によって予め規定される開口幅よりも大であり、
(D)第1の側面(20)と第2の側面(30)とから基板(1)をKOHエッチングし、この場合、第1の側面(20)から第2の側面(30)に向かって延びる第3の側面(40)が形成され、この第3の側面(40)は、単結晶シリコンの111の平面内の第1の領域(42)と、単結晶シリコンの110の平面内の第2の領域(44)とに延在していることを特徴とする、単結晶シリコン製の装置を製作するための方法。
【請求項6】
製作ステップ(D)において、単結晶シリコンの111の平面内の第3の領域(46,48)に延在する第3の側面(40)を形成し、この場合、第2の領域(44)は、第1の領域(42)と第3の領域(46,48)との間に配置されている、請求項5記載の方法。
【請求項7】
基板(1)のKOHエッチングを、第1の側面(20)及び第2の側面(30)から同時に行う、請求項5又は6記載の方法。
【請求項8】
第1の側面(20)及び第2の側面(30)からの基板(1)のKOHエッチングを、時間的にずらして行う、請求項5又は6記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−12179(P2009−12179A)
【公開日】平成21年1月22日(2009.1.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−177211(P2008−177211)
【出願日】平成20年7月7日(2008.7.7)
【出願人】(390023711)ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (2,908)
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
【住所又は居所原語表記】Stuttgart, Germany
【Fターム(参考)】