説明

単結晶製造装置

【課題】昇華法を用いて炭化ケイ素単結晶を製造する際に、単結晶の径方向への成長を促進することができる単結晶製造装置を提供する。
【解決手段】単結晶製造装置1は、所定の結晶方位を有する種結晶10と、昇華用原料20とを収容する反応容器30と、蓋部40とを有する円筒状の坩堝50を備える。種結晶10と昇華用原料20との間に、第1ガイド部材61,第2ガイド部材62,第3ガイド部材63が設けられる。第1ガイド部材61は、種結晶10を基に成長する単結晶の成長範囲を規制する規制面61aを有する。第2ガイド部材62は、第1ガイド部材61よりも昇華用原料20に近い位置に配設され、原料ガスを反応容器30の内壁31に向けて導く。第3ガイド部材63は、第1ガイド部材61と第2ガイド部材62との間に配設され、第1ガイド部材61の規制面61aに対向する案内面63aを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハーの材料となる単結晶インゴットの製造に用いられる単結晶製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
炭化ケイ素等の単結晶を製造する方法の一つに昇華法がある。昇華法では、単結晶の原料となる原料物質が加熱され、原料ガスとなって種結晶の上で再結晶化する。昇華法では、単結晶は、種結晶の表面に垂直な方向に成長しやすく、種結晶の表面に沿う直径方向には成長しにくい。
【0003】
そこで、昇華法において、種結晶の径方向への単結晶の成長を促進させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された方法では、略円筒状の坩堝の底面の中央部よりも外側の内壁部側に原料物質を配置することにより、種結晶の周囲に優先的に原料ガスを供給している。
【0004】
また、原料物質が昇華した昇華ガスを種結晶の表面に導くガイド部材を設けることにより、原料ガスを種結晶の表面上に効率的に供給する方法が開示されている(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−268990号公報(第1図)
【特許文献2】特開2002−60297号公報(第8頁、第1図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した方法を用いても、種結晶の径方向への成長を促進することは難しい。特許文献1に開示された方法では、坩堝の底面の中央部よりも外側の内壁部側に原料を配置し加熱している。原料物質は発熱源であるため、坩堝内部には、径方向外側ほど温度が高く、中心部ほど温度が低い温度分布が生じる。一方、坩堝内部の径方向の温度分布に比べて、坩堝の高さ方向(種結晶の厚さ方向)の温度分布は小さい。
【0007】
このように、坩堝の底面中央部よりも外側の内壁部側に原料を配置したとしても、周囲よりも温度が低い中央部において再結晶化し易い傾向があるため、依然として、単結晶を径方向に沿って優先的に成長させることは困難であった。
【0008】
そこで、本発明は、昇華法を用いて炭化ケイ素単結晶を製造する単結晶製造装置であって、単結晶の径方向への成長を促進することができる単結晶製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有する。本発明の第1の特等は、単結晶の成長に用いられる種結晶(種結晶10)と、前記単結晶の原料である原料物質(昇華用原料20)とを収容する坩堝(坩堝50,反応容器30)と、前記坩堝を加熱する加熱部(誘電加熱コイル90)とを備え、前記原料物質を昇華させた原料ガスを前記種結晶上に再結晶させる昇華法により単結晶を製造する単結晶製造装置(単結晶製造装置1)であって、前記坩堝の内部に配設され、前記種結晶を基に成長する前記単結晶の成長範囲を規制する規制面(規制面61a)を有する第1ガイド部材(第1ガイド部材61)と、前記第1ガイド部材よりも前記原料物質に近い位置に配設され、前記原料ガスを前記坩堝の内壁に向けて導く第2ガイド部材(第2ガイド部材62)と、前記第1ガイド部材と前記第2ガイド部材との間に配設され、前記第1ガイド部材の前記規制面に対向する案内面(案内面63a)を有する第3ガイド部材(第3ガイド部材63)とを備えることを要旨とする。
【0010】
本発明の第1の特徴によれば、原料物質から昇華した原料ガスは、第2ガイド部により坩堝の内壁に向けて導かれた後、内壁に沿って種結晶側に上昇し、第1ガイド部材と第3ガイド部材との間の空間を種結晶に向けて移動する。種結晶に近い領域が第1ガイド部材と第3ガイド部材とに規制されていることにより、原料ガスは、種結晶の外縁部分に供給されやすい。このため、種結晶の径方向への結晶成長が促進される。また、単結晶の成長中においても、原料ガスは、結晶成長面の外縁周辺に供給されやすい。このため、径方向への結晶成長が促進される。
【0011】
本発明の第2の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記坩堝の内側は、円筒形状を有し、前記規制面及び前記案内面は、前記種結晶の中心を通る中心軸(中心軸CL)の上にそれぞれ仮想の頂点を有し、前記原料物質側に底面を有する円錐面の一部であることを要旨とする。
【0012】
本発明の第3の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記坩堝の内側は、円筒形状を有し、前記第2ガイド部材(第2ガイド部材65)は、前記原料ガスを前記坩堝の内壁に向けて導く原料ガス案内面(原料ガス案内面65a)を有し、前記原料ガス案内面は、前記種結晶の表面に平行な平面であることを要旨とする。
【0013】
本発明の第4の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記坩堝の内側は、円筒形状を有し、前記第2ガイド部材は、前記原料ガスを前記坩堝の内壁に向けて導く原料ガス案内面を有し、前記原料ガス案内面は、前記種結晶の中心を通る中心軸の上に仮想の頂点を有し、前記種結晶側に底面を有する円錐面の一部であることを要旨とする。
【0014】
本発明の第5の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記種結晶は、円板形状を有し、前記第3ガイド部材の前記種結晶に対応する位置には、前記種結晶の直径と少なくとも同じかそれ以上の孔径を有する開口部(開口部63b)が形成されることを要旨とする。
【0015】
本発明の第6の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記第2ガイド部材と前記第3ガイド部材とを連結する連結部を有することを要旨とする。
【0016】
本発明の第7の特徴は、本発明の第1の特徴に係り、前記第3ガイド部材は、交換可能であることを要旨とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、昇華法を用いて炭化ケイ素単結晶を製造する際に、単結晶の径方向への成長を促進することができる単結晶製造装置を提供することを目的とする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る単結晶製造装置を説明する断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態に係る単結晶製造装置の黒鉛製坩堝内部のガイド部材と昇華用原料との位置関係を説明する斜視図である。
【図3】図3は、ガイド部材の形状を説明する平面図である。
【図4】図4は、ガイド部材の別の形状を説明する平面図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態に係る単結晶の製造方法を説明するフローチャートである。
【図6】図6は、本発明の別の実施形態に係る単結晶製造装置を説明する断面図である。
【図7】図7は、本発明の別の実施形態に係る単結晶製造装置を説明する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本実施の形態に係る単結晶製造装置について、図面を参照しながら説明する。具体的に、(1)単結晶製造装置の概略構成、(2)ガイド部材の構成、(3)炭化ケイ素単結晶の製造方法、(4)作用・効果、(5)ガイド部材の別の実施形態、(6)その他の実施形態について説明する。
【0020】
なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。
【0021】
ただし、図面は模式的なのものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることを留意すべきである。従って、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0022】
(1)単結晶製造装置の概略構成
本発明に係る単結晶製造装置の構成について、図1を参照しながら説明する。本実施形態では、単結晶は、炭化ケイ素単結晶である。図1は、本実施の形態に係る単結晶製造装置1(単結晶の成長前状態)を示す断面図である。単結晶製造装置1は、所定の結晶方位を有する単結晶である種結晶10と、単結晶の成長に用いられる昇華用原料20とを収容する反応容器30と、反応容器30に着脱可能な蓋部40とを有する円筒状の黒鉛製坩堝(以下、坩堝50)を備える。蓋部40は、反応容器30に螺合により着脱自在に設けられる。ここで、昇華用原料20は、原料物質を構成する。
【0023】
蓋体40の内側表面41には、昇華用原料20と略対向する位置に種結晶10が配設されている。種結晶10と昇華用原料20との間には、第1ガイド部材61,第2ガイド部材62,第3ガイド部材63が設けられる。ガイド部材の詳細は後述する。
【0024】
坩堝50は、断熱材(不図示)で覆われている。また、坩堝50は、支持棒70を介して石英管80の内部に固定される。石英管80の外周には、坩堝50(すなわち、反応容器30及び蓋部40)を加熱する誘電加熱コイル90が設けられている。
【0025】
反応容器30の内部は、例えば、アルゴン等の不活性ガスが充填されて、不活性雰囲気になっている。反応容器30の内部の圧力及び温度は、変更可能である。昇華用原料20は、炭化ケイ素を含む炭化ケイ素原料である。坩堝50の内部が所定の温度条件及び圧力条件になると、昇華用原料20は昇華し、種結晶10上に再結晶し、炭化ケイ素単結晶を形成する。
【0026】
(2)ガイド部材の構成
次に、第1ガイド部材61,第2ガイド部材62,第3ガイド部材63の構成について、図1,図2を参照して説明する。
【0027】
第1ガイド部材61は、坩堝50(すなわち、反応容器30)内部に配設され、種結晶10を基に成長する単結晶の成長範囲を規制する規制面61aを有する。第2ガイド部材62は、第1ガイド部材61よりも昇華用原料20に近い位置に配設され、原料ガスを坩堝50の反応容器30の内壁31に向けて導く。第3ガイド部材63は、第1ガイド部材61と第2ガイド部材62との間に配設され、第1ガイド部材61の規制面61aに対向する案内面63aを有する。
【0028】
第1ガイド部材61の規制面61、及び第2ガイド部材62の案内面63aは、種結晶10の中心を通る中心軸CLの上にそれぞれ仮想の頂点を有し、昇華用原料20側に底面を有する円錐面の一部である。
【0029】
第2ガイド部材62は、原料ガスを反応容器30の内壁31に向けて導く原料ガス案内面62aを有する。原料ガス案内面62aは、種結晶10の中心を通る中心軸CLの上に仮想の頂点を有し、種結晶10側に底面を有する円錐面の一部である。本実施形態では、第2ガイド部材62と第3ガイド部材63とは、連結部64により連結されている。なお、第3ガイド部材63は、交換可能である。
【0030】
図3,図4は、反応容器30を種結晶10の上部から中心軸方向に沿ってみた平面図である。なお、説明のため、蓋部40、種結晶10及び第1ガイド部材は、図3,図4に示していない。図3に示すように、第2ガイド部材62は、ブリッジ部71,72,73によって反応容器30の内壁31に取り付けられる。ブリッジ部71,72,73が設けられる場所以外の反応容器30と第2ガイド部材62との間には、空隙74が形成される。そのため、昇華用原料20が昇華した原料ガスは、空隙74を通過して第1ガイド部材61と第3ガイド部材63との間を通って種結晶10に導かれる。
【0031】
また、図4に示すように、第2ガイド部材62は、取付部80によって取り付けられていてもよい。取付部80には、開口部81が形成される。そのため、昇華用原料20が昇華した原料ガスは、開口部81を通過して第1ガイド部材61と第3ガイド部材63との間を通って種結晶10に導かれる。このように、第1ガイド部材61は、成長する単結晶の成長範囲を規制するだけでなく、原料ガスを種結晶10の外縁部に優先的に導くガイドとしても機能している。
【0032】
なお、第2ガイド部材62を反応容器30に取り付けた構成について、図3,図4を用いて説明したが、第3ガイド部材63を同様の手法で反応容器30に取り付けてもよい。本実施形態では、第2ガイド部材62と第3ガイド部材63とは、連結部64により連結されているため、何れか一方を反応容器30に取り付ける。
【0033】
(3)炭化ケイ素単結晶の製造方法
本実施形態に係る炭化ケイ素単結晶の製造方法について、図5を参照して説明する。図5は、炭化ケイ素単結晶の製造方法を説明する図である。炭化ケイ素単結晶の製造方法は、工程S1乃至工程S6を有する。
【0034】
工程S1は、上述した昇華用原料を準備する工程である。工程S2は、昇華用原料20、種結晶10及びガイド部材61,62,63を単結晶製造装置1に配置する工程である。工程S3は、坩堝50(反応容器30及び蓋部40)を加熱し、昇華用原料20を昇華させる工程である。工程S4では、加熱によって昇華用原料20が昇華した原料ガスは、ガイド部材62の原料ガス案内面62aに沿って反応容器30の内壁31に導かれる。原料ガスは、連結部64と内壁31との間を通って、第1ガイド部材61と第3ガイド部材63との間を進み、種結晶10に導かれる。昇華用原料20から昇華した炭化ケイ素は、種結晶10の外縁部に優先的に到達し、外縁部において再結晶化する。
【0035】
原料ガスは、第1ガイド部材61と第3ガイド部材63との間の空間を種結晶10に向けて移動する。上述のガイド部材を備えることにより、原料ガスは、種結晶10の外縁部に供給されやすい。これにより、種結晶10の径方向への結晶成長が促進される。
【0036】
工程S4に続いて、工程S5において炭化ケイ素単結晶の外周面を研削し、更に、工程S6において、工程S5で製造されたインゴットからスライス加工により半導体ウエハーを切り出す。
【0037】
(4)作用・効果
単結晶製造装置1によれば、昇華用原料20から昇華した原料ガスは、第2ガイド部材62により坩堝50(反応容器30)の内壁31に向けて導かれた後、内壁31に沿って種結晶10側に上昇し、第1ガイド部材61と第3ガイド部材63との間の空間を種結晶10に向けて移動する。種結晶10に近い領域が第1ガイド部材61と第3ガイド部材63とによって規制されていることにより、原料ガスは、種結晶10の外縁部に優先的に供給されやすい。
【0038】
このため、種結晶10の径方向への結晶成長が促進される。また、単結晶の成長中においても、原料ガスは、結晶成長面の外縁部に優先的に供給されやすい。このため、結晶成長中において、結晶成長面の径方向への結晶成長が促進される。
【0039】
また、単結晶製造装置1において、第1ガイド部材61の規制面61a、及び第3ガイド部材63の案内面63aは、円錐面の一部であることから、原料ガスを種結晶10の周縁部へ効率的に導くことができる。従って、結晶成長面の径方向への結晶成長が促進される。
【0040】
第2ガイド部材62は、底面を種結晶10側とする円錐面である原料ガス案内面62aを有する。このため、原料ガスを反応容器30の内壁31側へ均等に導きやすい。
【0041】
(5)単結晶製造装置の別の実施形態
上述した実施形態では、第2ガイド部材62は、昇華用原料20から種結晶10側に向けて除々に拡大する円錐面である。しかし、以下のように変更してもよい。上述した実施形態に係る単結晶製造装置1と同一部分には同一の符号を付し、相違する部分についてのみ説明する。
【0042】
単結晶製造装置2は、第2ガイド部材65を有する第2ガイド部材65は、原料ガスを反応容器30の内壁31に向けて導く原料ガス案内面65aを有する。原料ガス案内面65aは、種結晶10の表面に平行な平面である。
【0043】
単結晶製造装置3は、第3ガイド部材63の種結晶10と対向する位置に、種結晶10の直径と少なくとも同じかそれ以上の孔径を有する開口部63bが形成される。単結晶製造装置3では、第1ガイド部材61の規制面61aと第3ガイド部材63の案内面63aとの間を流れる原料ガスが第3ガイド部材63に形成された開口部63bを通って下方に流れるため、種結晶10周囲の原料ガスの流れが円滑になり、再結晶化が促進される。単結晶製造装置1,2,3の何れにおいても、必ずしも連結部64を設ける必要はない。
【0044】
(6)その他の実施形態
上述したように、本発明の実施の形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。
【0045】
昇華用原料20の結晶の多型、使用量、純度、製造方法等は、適宜選択可能である。また、坩堝50及びガイド部材60の材料としては、特に制限はなく、目的(昇華用原料及び種結晶の種類)に応じて適宜選択することができる。特に、坩堝50及びガイド部材60は、耐久性や耐熱性、伝熱性等に優れた材料で形成されることが好ましく、これらに加えてさらに不純物の発生による多結晶や多型の混入等が少なく、昇華用原料の昇華と再結晶の制御が容易である等の点で黒鉛製であることが好ましい。
【0046】
本実施形態では、第2ガイド部材62と第3ガイド部材63とは、連結部64により連結されているが、第2ガイド部材62と第3ガイド部材63とは連結されていなくてもよい。第2ガイド部材62と第3ガイド部材63とが連結されていない場合と、第3ガイド部材63の開口部63bとを組み合わせることが好ましい。
【0047】
この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0048】
1…単結晶製造装置、10…種結晶、20…昇華用原料、30…反応容器、40…蓋部、41…底部、50…坩堝、61…第1ガイド部材、61a…規制面、62…第2ガイド部材、62a…原料ガス案内面、63…第3ガイド部材、63a…案内面、63b…開口部、64…連結部、65…第3ガイド部材、70…支持棒、80…石英管、90…誘導加熱コイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
単結晶の成長に用いられる種結晶と、前記単結晶の原料である原料物質とを収容する坩堝と、前記坩堝を加熱する加熱部とを備え、前記原料物質を昇華させた原料ガスを前記種結晶上に再結晶させる昇華法により単結晶を製造する単結晶製造装置であって、
前記坩堝の内部に配設され、前記種結晶を基に成長する前記単結晶の成長範囲を規制する規制面を有する第1ガイド部材と、
前記第1ガイド部材よりも前記原料物質に近い位置に配設され、前記原料ガスを前記坩堝の内壁に向けて導く第2ガイド部材と、
前記第1ガイド部材と前記第2ガイド部材との間に配設され、前記第1ガイド部材の前記規制面に対向する案内面を有する第3ガイド部材と
を備える単結晶製造装置。
【請求項2】
前記坩堝の内側は、円筒形状を有し、
前記規制面及び前記案内面は、前記種結晶の中心を通る中心軸の上にそれぞれ仮想の頂点を有し、前記原料物質側に底面を有する円錐面の一部である請求項1に記載の単結晶製造装置。
【請求項3】
前記坩堝の内側は、円筒形状を有し、
前記第2ガイド部材は、前記原料ガスを前記坩堝の内壁に向けて導く原料ガス案内面を有し、
前記原料ガス案内面は、前記種結晶の表面に平行な平面である請求項1に記載の単結晶製造装置。
【請求項4】
前記坩堝の内側は、円筒形状を有し、
前記第2ガイド部材は、前記原料ガスを前記坩堝の内壁に向けて導く原料ガス案内面を有し、
前記原料ガス案内面は、前記種結晶の中心を通る中心軸の上に仮想の頂点を有し、前記種結晶側に底面を有する円錐面の一部である請求項1に記載の単結晶製造装置。
【請求項5】
前記種結晶は、円板形状を有し、
前記第3ガイド部材の前記種結晶に対応する位置には、前記種結晶の直径と少なくとも同じかそれ以上の孔径を有する開口部が形成される請求項1に記載の単結晶製造装置。
【請求項6】
前記第2ガイド部材と前記第3ガイド部材とを連結する連結部を有する請求項1に記載の単結晶製造装置。
【請求項7】
前記第3ガイド部材は、交換可能である請求項1に記載の単結晶製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−51824(P2011−51824A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−201712(P2009−201712)
【出願日】平成21年9月1日(2009.9.1)
【出願人】(000005278)株式会社ブリヂストン (11,469)
【Fターム(参考)】