説明

印刷制御装置

【課題】 印刷物を使用する場所とユーザが印刷物を観察する距離により、最適な見易さが得られないことがある。
【解決手段】 本発明は、印刷する前にその印刷物を使用する場所とその印刷物が使用される距離をユーザが選択できるようにした。これにより、一般的に印刷物が使用される場所で自動的に見やすい結果を得られる。更に、ユーザがその場所の明るさや暗さを微調整しながら画像ファイルを調整できるようにした。これにより、最適な印刷結果を得ることが可能になる。また、微調整した照明の明るさや暗さを選択肢に登録する。これにより、毎回微調整を行う必要がなくなり最適な印刷結果をユーザに提供できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷する前にその印刷物を使用する場所とその印刷物が使用される距離をユーザが選択でき、更にその場所の明るさや暗さを微調整しながら画像ファイルを確認でき、一般的に見やすい印刷物に出力することが可能になる。また、微調整した照明の明るさや暗さを選択肢に登録することで毎回微調整を行う必要がなくなり最適な印刷結果をユーザに伝える伝達手段印刷制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷制御装置においては、周囲照度センサーを使用し、その情報を取り込むことで実現可能とする方式であり、プリンタドライバの画面から会議室、オフィスといった場所の選択ができる方式ではなかった。また、照明の明るさや暗さの調整ができても、その調整したデータをプリンタドライバの画面上で登録できる方式は存在しなかった。また、印刷物が実際に閲覧される距離の指定ができる方式もなく、作成したデータによって印刷結果が決まってしまう方式であった。
【特許文献1】特開平5−216452号公報
【特許文献2】特開2003−298854号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
然しながら、上述の従来例では、印刷物が使用される場所を選択し、その場所の照度に応じて簡単に最適な印刷結果を導く手段がなかったため、ユーザが微調整しなければならない操作の手間といった課題があった。また、ユーザが微調整したデータを登録しておく手段もなかったため、次に同じ場所で印刷物を使用する場合でもユーザが同じように画像データも微調整する時間を無駄にするという課題があった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
(1)画像や文字データのプレビュー機能を備えたプリンタドライバにおいて、印刷物が使われる場所(照明の明るさや暗さの度合い)を選択できる選択手段と選択された場所によってインクと照明の反射率を考慮した画像テーブルデータにより人間の目に最適な印刷結果を導くことを特徴とする印刷制御装置。
【0005】
(2)前記記載の印刷制御装置において、限られた選択肢の中からだけでなく照明の明るさや暗さの微調整を可能とし、更にその微調整された照明データと画像データを微調整しながら実際に印刷されるデータを印刷する前にCRT上で確認できることを特徴とする印刷制御装置。
【0006】
(3)前記記載の印刷制御装置において、照明の明るさや暗さ、画像ファイルを微調整したデータを(1)記載の選択肢に追加が可能となる機能を特徴とする印刷制御装置。
【0007】
(4)前記請求項記載の印刷制御装置において、印刷物を参照する距離を入力可能とする機能を特徴とする印刷制御装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、印刷する前に印刷物を使用する場所を選択可能にすることでユーザにとって一般的に見やすい印刷物を自動的に調整することでユーザの操作を軽減することが可能になる。また、使用する場所が選択肢にない場合においてもユーザが明るさや暗さの微調整が行え、そのデータを登録しておくことで次回以降の印刷では、同じような操作が不要になるため、ユーザ操作の軽減にもなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1に、画像や文字データのプレビュー機能を有する装置の例として、コンピュータに照度読取装置を接続したものを図示する。図1における符号1は、装置全体の制御を行う制御部で、マイクロプロセッサなどの中央演算処理装置(以下、CPUという)や各種I/Oポートを備え、各部に制御信号やデータ信号などを出力する。また、後述の各部からの制御信号やデータ信号を入力して制御を行っている。符号2は、図2に示す手順のプログラム、システムプログラムやマネージャプログラムおよびその他のアプリケーションプログラム等や文字フォント及び辞書などを記憶する読み出し専用メモリ(ROM)である。符号3は、外部に増設された読み出し専用メモリ(外部ROM)4からロードされたアプリケーションプログラムや文書情報などを記憶する読み書き可能なメモリ(RAM)である。符号5は、文書情報や各種コマンドなどを入力するキーボード6を制御するキーボード制御装置(以下、KBCという)である。符号7は、例えば、液晶などを利用した平面または略平面の表示領域を有するフラットパネルなどの表示装置(表示手段;以下、CRTという)8を制御する表示制御装置(以下、CRTCという)である。符号9は、外部記憶装置としてのフロッピー(登録商標)ディスク駆動装置(以下、FDDという)10やハードディスク駆動装置(以下、HDDという)11を制御する周辺装置制御装置(以下、PKCという)である。なお、上記FDD10または、HDD11に図2に示す手順のプログラムを記憶させてもよい。符号12は、ヘッドを用いて画像形成を行うプリント装置(以下、PRTという)である。このPRT12は、本発明の印刷制御装置の一部を構成する要素である。符号13は、マウス等のポインティングデバイス(以下、PDという)であり、上記CRT8上の表示を選択的に指示するのに用いることができる。かかる特定手段と上述の表示手段とは、スピード印刷を選定する選定手段を構成する。符号14は、その場所の明るさを検知する読み取りセンサーである。
【0010】
図1に示した印刷制御装置においては、ROM2、PRT12、HDD11あるいは、RAM3上にプログラムが存在しており、逐次プログラムを読み出しながら目的の処理を行うように設定されている。
【0011】
次に図2の処理工程を示すフローチャートを図3〜図6を用いて、目的の印刷処理手順、作用などを説明する。このフローチャートはROM2に格納され、CPUにより実行される。
【0012】
まず、図2のステップ211において、印刷物を使用する場所の選択肢があるかどうか判断を行う。使用場所の選択肢は、図4で示すダイアログ画面上で「印刷物を使用する場所の選択」欄での設定を判断することになる。仮に図4のダイアログ画面で「指定なし」が選択された場合は、図2のステップ212に進み通常表示を行う。図4のダイアログ画面で「指定なし」以外を選択した場合は、図2のステップ213に進み、照度データテーブル(例を図3に示す)の取得処理を行う。例えば、図4のダイアログ画面でオフィスを選択した場合、図3のオフィス用の照度データテーブルを取得する。このデータテーブルにより、オリジナルの画像ファイルRGB(21、53、67)というデータに対しては、RGB(A、B、C)というデータに変換されることになる。図3の照度データテーブルは、インクと照明の反射率を考慮した値が予め記憶されている。次に図2ステップ214では参照距離の入力があるかどうか確認を行う。参照距離の入力があるかどうかの判断は、図4のダイアログ画面の「この印刷物を参照する距離の入力」欄において「距離の入力なし」が選択されているか、距離の入力があるかの判断で行われる。仮に図4のダイアログ画面において、「距離の入力」が選択された場合は、ステップ215に進み、ステップ213で取得したデータテーブルに基づいて画像ファイルを表示する。サンプル画像ファイルが表示された例を図5に示す。図5(a)は、少し暗い場所で使用される場合の例を示しており、図5(a)の画面上で「明るく」ボタンを入力することで、図5(b)の画面を得られることになる。更にこの画面で使用される場所の照度がより明るい場合は、図5(b)の画面上で「明るく」ボタンを押下することでより明るい場所での画像データを得ることが可能になる。逆により暗い場所で印刷物が使用される場合には、「暗く」ボタンを押下することでより暗い場所で使用される場合の画像ファイルが表示されることになる。図4のダイアログ画面で仮に「この印刷物を参照する距離の入力」欄において距離の入力があった場合は、図2のステップ216に進み、照度データテーブルと距離算出を行う。次にマッチング処理を行い、ステップ217で画像ファイルの表示処理を行う。図6は、印刷物が使用される明るさや暗さによって印刷物が参照しづらい部分を確認することができ、図5の「拡大/縮小」ボタンを選択することで図6の画面で確認が可能になる。図6(a)の画面で「拡大」を選択した場合は、図6(b)の結果が得られる。図6の「OK」ボタン又は、キャンセルボタンにより、図5の画面に戻ることなる。ユーザが微調整したデータは、次に同じ場所で印刷物を使用する場合に毎回同じような微調整が不要になるように印刷物を使用する場所の名称を登録することも可能になる。図5の画面上で「登録ボタン」を選択することで図7の画面を表示し、図7画面で使用する場所の名称をユーザ自身が登録を行うことが可能になり、登録した場合は、図4のダイアログ画面上の印刷物を使用する場所の選択肢のひとつに追加される。なお、図2のステップ211において、印刷物を使用する場所の選択肢を表示する変わりに、照明の明るさ(または暗さ)の度合いを選択肢とし、その度合いに応じた照度データテーブルを使用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の印刷制御装置の一実施形態を示すブロック図である。
【図2】画像データの表示処理を示すフローチャート図である。
【図3】照度データテーブルを示す図である。
【図4】プリンタドライバで使用する場所と参照する距離の選択を意味するダイアログ図である。
【図5】対象画像ファイルをより明るい場所で使用する場合のプレビュー表示図である。
【図6】対象画像ファイルをより離れた場所で使用する場合のプレビュー表示図である。
【図7】使用する場所の名称を登録するダイアログ画面を示す図である。
【符号の説明】
【0014】
1 制御部(ヘッド制御手段)
2 ROM
3 RAM
4 外部ROM
5 キーボード制御装置
6 キーボード(特定手段)
7 表示制御装置
8 表示装置(表示手段)
9 周辺装置制御装置
10 フロッピー(登録商標)ディスク
11 ハードディスク
12 プリント装置
13 ポインティングデバイス
14 照度読み取り装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像や文字データのプレビュー機能を備えたプリンタドライバにおいて、印刷物が使われる場所を選択できる選択手段と選択された場所によってインクと照明の反射率を考慮した照度データテーブルにより印刷結果を導くことを特徴とする印刷制御装置。
【請求項2】
限られた選択肢の中からだけでなく照明の明るさや暗さの微調整を可能とし、更にその微調整された照明データと画像データを微調整しながら実際に印刷されるデータを印刷する前にCRT上で確認できることを特徴とする請求項1記載の印刷制御装置。
【請求項3】
照明の明るさや暗さ、画像ファイルを微調整したデータを前記選択肢に追加が可能となる機能を特徴とする請求項2記載の印刷制御装置。
【請求項4】
印刷制御装置において、印刷物を参照する距離を入力する機能を有することを特徴とする請求項2記載の印刷制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−152759(P2009−152759A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−327556(P2007−327556)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】