説明

印刷物出力装置の印刷物への識別情報の自動付加出力方法

【課題】 印刷物出力装置の印刷物に識別情報を付加し印刷物自体に新たな原本性を付与することで、複写の混用を抑制し、違法な複写や改竄等の牽制、防止をする。
【解決手段】
印刷文書識別情報取得として個人認証情報を取得し、印刷物出力装置により、個人認証情報の入力を指示し、入力手段により入力された個人認証情報を登録記憶し、個人認証情報と登録された前記個人認証情報とを照合識別し、その結果に応じて、印刷処理を許可し、前記個人識別情報を前記印刷文書識別情報として前記印刷物に合成して印刷出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷物出力装置における識別情報付加方法に関し、詳細には単独、またはネットワークに接続された印刷物出力装置の出力物のセキュリティ管理を行う識別情報の自動付加出力の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、オフィスのディジタル化が進展するのに伴い、情報量の飛躍的に増大している。印刷物出力装置である複合機(以下単にMFP)などにおいて複写(コピー)、印刷(プリント)、ファクシミリ(FAX)、PC−FAX、読込み(スキャナ)等の各機能の性能が向上し、その結果として出力されるディジタル化された文書類は原本と副本との区別、あるいは作成者、所有者などの情報が曖昧化する。また、文書個々の識別が容易でなく、情報セキュリティの面からもその脆弱性が問題となる。
【0003】
このような問題を解決するために様々な、セキュリティ管理方法や文書管理システムが提案されている。
特許文献1によれば、利用者はホスト装置から印刷(プリント)するときに、印刷指示を印刷データの作成をするプリンタドライバに管理者用ホスト装置から管理情報を問合せる。その後に管理情報内に問合せた利用者のユザー名があれば地文印刷を行うようにしている。つまり地文印刷の目的であるコピー防止を管理者が管理できるようにすることで、コピー防止を確実に行うことができる。また、印刷をした利用者の特定をすることを容易にすることでコピー防止力を高めることができるプリンタシステムが提案されている。
【0004】
特許文献2によれば、ネットワークを介して印刷データを送受信する場合に、アクセス権管理者の認証、アクセス権の設定、文書をアクセスする利用者の認証を行っている。さらに利用者が文書を印刷する場合に認証と共に印刷ウォータマークの生成、印刷ログ、印刷物受取者の認証と共に印刷された文書がどのサーバから送られたものかも管理している。上記のようにネットワークを介して送受信される印刷データの機密性、印刷の対象となるファイルへのアクセス権限の管理、重要度による管理、トレーサビリティを比較的容易にできるプリンタシステムが提案されている。
【特許文献1】特開2004−78752号公報
【特許文献2】特開2004−280227号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、印刷物(印刷媒体)と共に、各種の印刷パターンを印刷して違法コピー防止を行うだけでは、印刷物の原本の真実性、存在性、改竄性の証明をするには十分でないという問題がある。
【0006】
例えば、複写(コピー)、印刷(プリント)の場合は、識別情報を付加することで、複写物自体に新たな原本性を付与することまで考えていない。また、PC−FAX送信をする場合に、正常に送信終了したドキュメントの控えを、識別情報を伴って紙としてファイルすることができる。その控えに対して原本性を付与することまで考えられていない。
【0007】
また、FAX受信文書には、通常ヘッダなどに受信日時や送信元情報などが付されるケースが多いが、基本的に相手側の機器任せの情報であり、その信頼性は高くない。
特許文献1によれば、地文印刷に各種利用者を特定するためのパターンを付加して印刷をし、特許文献2によれば、印刷ウォータマークを付加して複写の濫用や、違法性な複写をすることで、ある程度の防止と抑制効果を持たせているが、文書管理に対してのメリットに重点をおいているため十分な効果がでにくい。上記のようなことから情報セキュリティの脆弱性が問題となっている。
【0008】
本発明は上記のような実情に鑑みてなされたものであり、複写(コピー)、印刷(プリント)、FAX通信(PC−FAX通信等)、読込み(スキャナ)等の機能を利用して印刷物を出力する場合、識別情報を利用して印刷物自体に新たな原本性を付与することができ、複写の混用を抑制することができる。また、違法な複写や改竄等の牽制、防止を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、印刷を記録媒体に印刷して出力する印刷物出力装置において、印刷文書識別情報を取得する印刷文書識別情報取得手段と、
前記記録媒体である印刷物を出力する際には、前記印刷文書識別情報を該印刷物に合成印刷する合成印刷手段と、を具備する構成とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、前記印刷文書識別情報取得手段は、個人認証情報を取得し、前記印刷物出力装置により、前記個人認証情報の入力を指示する入力手段と、前記入力手段により入力された前記個人認証情報を登録記憶する手段と、前記入力手段から入力する前記個人認証情報と登録された前記個人認証情報とを照合識別し、その結果に応じて、印刷処理を許可する制御手段と、
前記個人識別情報を前記印刷文書識別情報として前記印刷物に合成して印刷出力する構成とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、前記印刷文書識別情報取得手段は、内蔵時計から発生する時刻情報を取得し、前記時刻情報を前記印刷文書識別情報として前記印刷物に合成して印刷出力する構成とする。
【0012】
請求項4前記印刷文書識別情報取得手段は、外部からの電波による時刻情報を受信して取得し、前記時刻情報を前記印刷文書識別情報として前記印刷物に合成して印刷出力する構成とする。
【0013】
請求項5に記載の発明によれば、前記印刷文書識別情報を複写牽制画像として記録する複写牽制画像データに変換する手段を有し、前記印刷文書識別情報は、印刷物に複写牽制画像として合成して印刷出力する構成とする。
【0014】
請求項6に記載の発明によれば、前記時刻情報は、タイムスタンプ情報である構成とする。
請求項7に記載の発明によれば、前記時刻情報は、タイムコード情報である構成とする。
【0015】
請求項8に記載の発明によれば、前記タイムスタンプと前記タイムコード情報は、複写(コピー)原稿の走査読み取り時刻である構成とする。
請求項9に記載の発明によれば、前記タイムスタンプと前記タイムコード情報は、FAX送受信の正常終了時において発生する時刻である構成にする。
【0016】
請求項10に記載の発明によれば、前記タイムスタンプと前記タイムコード情報は、印刷(プリント)排出時刻である構成にする。
請求項11に記載の発明によれば、前記個人認証情報は、指紋情報である構成にする。
【0017】
請求項12に記載の発明によれば、前記個人認証情報は、声紋情報である構成にする。
請求項13に記載の発明によれば、前記個人認証情報は、虹彩情報である構成にする。
請求項14に記載の発明によれば、印刷物出力装置は、複写機である構成にする。
【0018】
請求項15に記載の発明によれば、印刷物出力装置は、印刷機である構成にする。
請求項16に記載の発明によれば、印刷物出力装置は、ファクシミリ装置である構成にする。
【0019】
請求項17に記載の発明によれば、印刷物出力装置は、多機能記録装置である構成にする。
上記構成により複写(コピー)を行う際には、取得可能な情報に基づき、複写結果である印刷出力物の表面または裏面に、自動的に識別情報を付加して出力する。PCから印刷(プリント)を行う際に、PCより取得可能な情報を基づき、印刷出力物の表面または裏面に、自動的に識別情報を付加する。またFAX通信をする際に、取得可能な情報とFAX通信によって得られた情報を基づいて、FAX受信の結果たる印刷出力物の表面または裏面に、自動的に識別情報を付加する。PCからFAX送信(以下単にPC−FAX)を行う際には、MFP、PCによって取得可能な情報と、FAX通信を確認するドキュメントの表面または裏面に、自動的に識別情報を付加して、送信控えとして出力する。上記構成にすることで、印刷物の出力の違法複写や改竄等の牽制、防止をすることができる。
【0020】
請求項18に記載の発明によれば、印刷を記録媒体に印刷して出力する印刷物出力方法において、印刷文書識別情報を取得する印刷文書識別情報取得し、前記記録媒体である印刷物を出力する際には、前記印刷文書識別情報を該印刷物に合成印刷する、ことを特徴とする。
【0021】
請求項19に記載の発明によれば、前記印刷文書識別情報取得は、個人認証情報を取得し、前記印刷物出力方法により、前記個人認証情報の入力を指示し、前記入力により入力された前記個人認証情報を登録記憶し、前記入力する前記個人認証情報と登録された前記個人認証情報とを照合識別し、その結果に応じて、印刷処理を許可制御し、前記個人識別情報を前記印刷文書識別情報として前記印刷物に合成して印刷出力することを特徴とする。
【0022】
請求項20に記載の発明によれば、前記印刷文書識別情報取得は、内蔵時計から発生する時刻情報を取得し、前記時刻情報を前記印刷文書識別情報として前記印刷物に合成して印刷出力することを特徴とする。
【0023】
請求項21に記載の発明によれば、前記印刷文書識別情報取得は、外部からの電波による時刻情報を受信して取得し、前記時刻情報を前記印刷文書識別情報として前記印刷物に合成して印刷出力することを特徴とする。
【0024】
請求項22に記載の発明によれば、前記印刷文書識別情報を複写牽制画像として記録する複写牽制画像データに変換し、前記印刷文書識別情報は、印刷物に複写牽制画像として合成して印刷出力されることを特徴とする。上記方法にすることで、印刷物の出力の違法複写や改竄等の牽制、防止することができる。
【0025】
請求項23に記載の発明によれば、印刷を記録媒体に印刷して出力する印刷物出力装置のプログラムであって、印刷文書識別情報を取得する印刷文書識別情報取得機能と、前記記録媒体である印刷物を出力する際には、前記印刷文書識別情報を該印刷物に合成印刷する合成印刷機能と、をコンピュータに提供されるプログラムである。
【0026】
請求項24に記載の発明によれば、前記印刷文書識別情報取得機能は、個人認証情報を取得し、前記印刷物出力装置により、前記個人認証情報の入力を指示する入力機能と、前記入力機能により入力された前記個人認証情報を登録記憶する機能と、前記入力機能から入力する前記個人認証情報と登録された前記個人認証情報とを照合識別し、その結果に応じて、印刷処理を許可する制御機能と、前記個人識別情報を前記印刷文書識別情報として前記印刷物に合成して印刷出力するコンピュータに提供されるプログラムである。
【0027】
請求項25に記載の発明によれば、前記印刷文書識別情報取得機能は、内蔵時計から発生する時刻情報を取得し、前記時刻情報を前記印刷文書識別情報として前記印刷物に合成して印刷出力するコンピュータに提供されるプログラムである。
【0028】
請求項26に記載の発明によれば、前記印刷文書識別情報取得機能は、外部からの電波による時刻情報を受信して取得し、前記時刻情報を前記印刷文書識別情報として前記印刷物に合成して印刷出力するコンピュータに提供されるプログラムである。
【0029】
請求項27に記載の発明によれば、前記印刷文書識別情報を複写牽制画像として記録する複写牽制画像データに変換する機能と、前記印刷文書識別情報は、印刷物に複写牽制画像として合成して印刷出力されるコンピュータに提供されるプログラムである。上記プログラムにより、印刷物の出力の違法複写や改竄等の牽制、防止することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明による複写(コピー)をする場合に、識別情報を付加することで、複写物自体に新たな原本性を付与することができ、複写の混用を抑制することができる。
また、FAX受信したドキュメントには、通常付与される情報の他に、FAX通信により取得される相手先情報やタイムスタンプ情報などを付加することができ、真実性の精度をより高めることができる。また、受信文書の原本織別を行うことも可能となる。
【0031】
また、プリント)をする場合に、識別情報を付加することで、原本性を付与することができ、複写の濫用を抑制することができる。さらに、個人認証情報やタイムスタンプ情報により、ドキュメント個々の識別も容易となる。
【0032】
また、PC−FAX送信をする場合に、正常に送信終了したドキュメントの控えを、識別情報を伴って紙としてファイルすることができる。その控えに対して原本性を付与することもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下図面に基づいて、本発明の実施形態について詳細を説明する。
(実施例1)
MFPの利用方法は例えばMFP単独で用いる場合と、MFPをネットワーク上に設置して用いる場合とが基本的な利用方法として考えられる。
【0034】
また、認証許可によって、複写(コピー)、印刷(プリント)、ファクシミリ送受信、PC−FAX送受信等が許可され、許可後出力される印刷物に、印刷物識別情報が合成印刷される。そして、後述する印刷文書識別情報は、単に印刷物の隅の特定領域に合成印刷される場合と、複写牽制印刷や、印刷面全面に邪魔になるように印刷される場合とがある。
【0035】
図1にMFP単独で用いる場合の構成図を示す。同図に示すMFP1は、スキャナ部2、MFPメイン部3、MFPメイン部3内部のFAX通信制御部4、プリンタ部5から構成される。そして、FAX通信制御部4は回線網(例えば公衆回線網、専用回線網等)に接続される。
【0036】
次にMFP1をネットワーク上に設置して用いる場合は、図2に示すようにクライアントPC6とルータ7等とMFP1をネットネットワーク(例えばLAN)上に接続した例である。ルータ7はインターネット等と接続される。
【0037】
次に図3を用いMFP1の詳細について説明する。クライアントPC6は、上述したLAN等のネットワークに接続されMFP1と通信することにより、利用者がMFP1を利用することができる。(MFP1本体を直接操作して利用することもできる)
MFP1のスキャナ部2は読取機構部8を有し各種画像を取込み、電子データに変換をする。
【0038】
MFPメイン部3は、スキャナ制御部9、表示操作制御部10、表示操作部11、FAX通信制御部B12、LAN通信制御13、インターネット通信制御14、タイムスタンプ制御部15、記憶装置制御部16、記憶装置部17、MFP制御部18、タイムコード取得部19から構成される。
【0039】
読取機構制御部9は、上記スキャナ部2の読取機構部8を制御して各種画像データを読込み、その画像データをMFP18に転送する。
表示操作制御部10は、後述するMFP1を利用するときの操作を制御する。
【0040】
制御の1つとして、本人であることを認証するために、表示操作部11に備えた入力手段(キーボード、各種センサー等)から個人情報であるパスワードや生体情報を入力し、その入力情報をMFP制御部18へ転送するための制御をする。
【0041】
FAX通信制御部12は、回線網を介してFAX通信を行うために通信制御をする。
LAN通信制御部13は、ネットワーク上に設置されたクライアントPC6等のLAN通信可能な装置とMFP1との交信を行うためにLAN通信の制御を行う。インターネット通信制御部14は、インターネットにアクセス等の、インターネットを利用するときの通信制御をする。
【0042】
タイムスタンプ制御部15は、複写(コピー)、印刷(プリント)、PC−FAX、ファクシミリ、読込み(スキャナ)などで作成されるデータの作成日時を記録したデータを有し、作成された日時、修正された日時などを記録できるようになっている。
【0043】
タイムスタンプによって示される時刻にデータが存在していたことや、また、タイムスタンプが付与された時刻以降、そのデータが改竄されていないことを第三者に証明する。
記憶装置制御部16は、ハードディスク等の記憶装置部17の制御をする。記憶装置部17には個人別の認証用の情報、ネットワークで接続されているクライアントPC6やルータ7などの識別情報、過去にMFP1を利用した利用者、利用者の利用した機能、FAX、PC−FAXの送信先等の利用状況をログとして記憶している。
【0044】
MFP制御部18は、MFPメイン部1内の各機能の制御と、スキャナ部2とプリンタ部5との遣り取りを制御する。詳細については後述する。
タイムコード取得部19は、JJY(標準時報局)から送信される電波時計のタイムコードを受信する機能を備えている。
【0045】
電波時計のタイムコードを受信可能な機能を搭載することにより、以下の特徴を備えることが可能となる。
スキャナ操作時に、タイムコードを読込み(スキャナ)画像に取込むことにより、その情報の真実性を確保する。
【0046】
この場合、読込み(スキャナ)操作に際して、読込み(スキャン)実行時を特定できる手法を提供することとなる。例えば電子文書法(e一文書法)などの要求する。証憑としての真実性の確保に、スキャン画像の真実性の要素を付加できる利便性が確保される。(改悪等の入り込む余地を最小化することに寄与。)
読込み(スキャナ)文書のタイムコードは、保持されている画像データのイメージデータ(Tiff/Jpeg/pdf形式ファイルなど)によって確認することが可能である。
【0047】
FAX送信操作時に、前記タイムコードを(送信に伴う)読込み(スキャナ)画像に取込むことにより、その情報の真実性を確保する。
また、FAX送信実行に際して、スキャン実行時と送信完了時の2点を特定できる手法を提供する。FAX送信文書のタイムコードは、保持されているイメージデータ(Tiff/Jpeg/pdf形式ファイルなど)にて確認することが可能である。記録媒体である紙への出力が行われる場合は、タイムコードを文字列として付加して印字する。
【0048】
FAX受信時には、上記タイムコードを受信画像に取込むことにより、その情報の真実性を確保する。
FAX受信に際して、受信完了時を特定できる手法を提供する。FAX受信文書のタイムコードは、保持されているイメージデータ(Tiff/Jpeg/pdf形式ファイルなど)にて確認することが可能である。記録媒体である紙への出力が行われる場合は、タイムコードを文字列として付加して印字できるものとする。
【0049】
複写(コピー)操作時に、タイムコードを複写(コピー)に伴うスキャナ画像に取込むことにより、その情報の真実性を確保する。
その場合、コピー操作に際して、スキャン実行時を特定できる手法を提供する。
【0050】
コピー操作は、記録媒体である紙への出力が前提となり、タイムコードを文字列として付加して印字できるものとする。
コピー操作の過程としてスキャナ取込文書を保持する場合は、タイムコードは、保持されているイメージデータ(Tiff/Jpeg/pdf形式ファイルなど)にて確認することが可能である。
【0051】
プリント操作時に、タイムコードを印刷データに取込むことにより、その情報の真実性を確保する。
その場合、プリント操作に際して、プリントアウト時を特定できる手法を提供する。プリント操作は、紙への出力が前提となり、タイムコードを文字列として付加して印字できるものとする。
【0052】
プリント操作の過程として印刷文書を保持する場合は、タイムコードは、保持されているプリントデータ(Raw/Emf/Ps形式ファイルなど)によって確認することが可能である。
【0053】
中小規模オフィスにおいて、公的な認証力を有し、かつ精度の高い時間取得の手法を獲得する事ができる。(結果的に、信頼度の高いタイムサーバを得たことになる)。
また、時間認証とは別次元だが、併用を可能とすることで、特に中小規模オフィスからの潜在的ニーズを満たすことができる。
【0054】
ネットワークのアドレス(IP Address)管理を行う「DHCPサーバ」機能を搭載することにより、中小規模オフィスにおいて、面倒な設定を行うことなく、ネットワーク上に接続されるPCなどの機器に関して、有効なアドレス管理をすることができる。
【0055】
次に、プリンタ部5は、プリンタ制御部20、印刷機構部21を有し、プリンタ制御部20、印刷機構部21から構成されている。プリンタ制御部20は、MFP制御部18から印刷するために必要なデータを取得し、印刷機構部21を制御することにより印刷結果として印刷物を出力する。
【0056】
本実施例のMFP1で使用する印刷出力できる機能について図4を用い説明をする。同図の黒丸がついている部分は付加情報を印刷することができる機能を示している。
複写(コピー)、印刷(プリント)、PC−FAX送信、FAX受信の4つの機能について付加情報(複写牽制/タイムスタンプ)を印刷することができる。
【0057】
機能として付加情報である複写牽制措置、タイムスタンプを印刷する場合は白丸で表示している。ここで、FAX送信と読込み(スキャナ)は出力結果に印刷物である紙などの記録媒体がないために付加情報の印刷から除いている。
【0058】
基本機能を搭載したMFP1を用いて複写(コピー)をする場合に、印刷文書識別情報を付加することで、(あくまでも合法的な範囲において)複写物自体に新たな原本性を付与することができ、複写の混用を抑制することができる。
【0059】
また、FAX受信文書には、通常ヘッダなどに受信日時や送信元情報などが付されるケースが多いが、基本的に相手側の機器任せの情報であり、その信頼性は高くない。しかし、FAX受信したドキュメントには、通常付与される情報の他に、FAX通信により取得される相手先情報やタイムスタンプ情報などを付加することで、真実性の精度をより高めることができる。さらに、受信文書の原本織別を行うことも可能となる。
【0060】
また、印刷(プリント)をする場合に、印刷文書識別情報を付加することで、原本性を付与することができ、複写の濫用を抑制することができる。さらに、個人認証情報やタイムスタンプ情報により、ドキュメント個々の識別も容易となる。
【0061】
また、PC−FAX送信をする場合に、正常に送信終了したドキュメントの控えを、印刷文書識別情報を伴って紙としてファイルすることができる。その控えに対して原本性を付与することもできる。
【0062】
図5はMFP1の複写(コピー)、印刷(プリント)、ファクシミリ送受信、PC−FAX、読込み(スキャナ)等の各機能における印刷文書識別情報の付加の仕方を示した概略図である。
【0063】
同図において利用者が複写(コピー)をする場合は、同図(1)処理を行った後、複写を実行する。
FAX送受信の場合は、FAX受信時は処理(4)を実行しFAX受信処理を行い、さらに処理(5)を実行する。
【0064】
PC−FAX(パソコン−ファクシミリ)送信の場合は同図(2)処理を行った後送信を実行し、さらに(3)処理を実行する。
印刷(プリント)をする場合は、同図(6)処理を行った後、印刷を実行する。
【0065】
本例ではFAX送信、読込(スキャナ)時には印刷文書識別情報を付加してないが、印刷文書識別情報を付加してもかまわない。
MFP1で複写(コピー)を行う場合は、MFP1のオペレーションパネル(表示操作部11)操作により、個人認証情報としてパスワード、生体情報(指紋、声紋、虹彩)、IC社員証、などの情報を取得する。またタイムスタンプ情報、タイムコードを時刻情報として取得する。そして複写(コピー)の結果である出力(印刷物)に印刷文書識別情報として付加する。また、複写(コピー)を行う場合は、MFP1を単独で運用する事も可能であるし、ネットワーク(LAN等)上にMFPが接続された環境であっても構わない。ここで、複写(コピー)として利用する場合、MFP1が、単体で取得可能な情報として個人認証情報、タイムスタンプ情報、タイムコード情報等の情報を予めMFP1に取得しておく。
【0066】
(1)処理について図6のフロー図を用い説明する。図5に示したように複写(コピー)を実行する場合に、(1)処理によって印刷文書識別情報の付加措置をするかを判定する必要がある。
【0067】
ステップS61ではMFP1のオペレーションパネル(表示操作部11)により印刷文書識別情報自動付加の要否を選択する。なお、予めMFP1のシステム設定することにより、強制的に印刷文書識別情報が付加される設定であってもかまわない。
【0068】
ステップS62では上記説明した個人認証情報を取得し、ステップS63ではタイムスタンプ情報を取得する。S63、S64で取得した情報に基づき、ステップS64は印刷文書識別情報自動付加措置を実行する。その後、複写(コピー)実行を行う。
【0069】
次にS62について詳細に説明する。個人認証情報の取得例を図7に示す。例えば、MFP1に標準的に搭載されているオペレーションパネル(表示操作部11)を利用し、S71に示すパスワードを入力することにより、個人認証を行う方法がある。この場合利用者は、予めMFP1にパスワードが登録されていることを前提とし、認証結果に基づき個人を特定し、その情報をもって印刷文書識別情報の構成要素とする。
【0070】
また、同図S72の指紋認証、S73の声紋認証、S74の虹彩認証に示すように生体情報を読取る各種センサーをMFP1に搭載することにより、生体情報を利用して認証をする。なお、簡易的にはIC社員証などによって個人認証を行ってもよい。
【0071】
同図ステップS75では、上記S71〜S74に示した方法により印刷文書識別情報を取得し情報の認証が成立していれば個人識別情報として記憶装置部17に格納する。ここで、認証がされない場合は複写(コピー)自体を許可しない。また、認証の不成立を情報として、印刷文書識別情報の構成要素としてもかまわない。
【0072】
次に、S63のタイムスタンプ情報の取得例を図8に示す。例えばS81に示すようにMFP1の内部時計を利用して、機器単体レベルでのタイムスタンプ情報とする。内部時計を用いるのは小規模な運用ではあれば、ある程度の情報の一貫性を保つことができるため有効な方法である。
【0073】
また、S82に示すようなMFP1内に例えば電波時計の電波受信機能を搭載し、その時刻情報を用いてタイムスタンプ情報とすれば、運用規模に関係なく、内外に対する情報の一貫性を保つことができる。
【0074】
その他、S83に示すように近接するPCの内部時計の平均値を取得し、グループレベルのタイムスタンプ情報とする方法や、S84に示すタイムサーバを指定しそこから得られる時刻情報を用いてタイムスタンプ情報とする方法などを利用する。
【0075】
上述したS81〜S84等の方法によりタイムスタンプ情報を取得し記憶装置部17に格納する。
次に図9にS64の処理を示す。ステップS91では、上記説明したS61のオペレーションパネル(表示操作部11)で印刷文書識別情報の自動付加の判定結果に基づいて、複写牽制措置を行うか、ヘッダ/フッタ付加措置を行うかを判定する。
【0076】
複写牽制措置(YES)をする場合であればステップS92で複写牽制措置により、複写牽制文字として印刷文書識別情報を付加する。例えば、出力の表面への付加が選択されている場合、複写(コピー)内容と複写牽制文字が表面に合成された状態で出力することができる。
【0077】
ここで、複写牽制印刷とは、印刷時に複写牽制画像の写し込みが行われ、原本からの複写時には見えない複写牽制画像が合成印刷することができる印刷である。 また、この複写物を再複写すると複写牽制画像が可視できるようになり、印刷物の利用が妨げられるようになる。
【0078】
従って、原本には、このような印刷文書識別情報が印刷されていないが、複写物には、複写したときに写し込まれた印刷文書識別情報が付加印刷される。そしていつどこで誰が複写作成した印刷物であるかなどが識別できるようになる。この事により複写物を原稿にして再度複写すると必ずいつ誰が複写を作成したかがわかってしまうため、極秘文書などのセキュリティに効果がある。
【0079】
次に、ヘッダ/フッタ付加措置(No)の場合であればステップS93では、ステップS63へ進んでヘッダ/フッタ情報として、印刷文書識別情報を付加するための措置を行う。
【0080】
次に図10を用いS92複写牽制措置の説明をする。複写牽制画像としてS101に示す固定文字列(パスワード、IC社員証等)、S102に示すタイムスタンプ情報、S103に示す個人認証情報(パスワード、IC社員証、生体情報等)、S104に示す相手先情報を取得し、S105で複写牽制画像をパターンとして印刷物に合成反映させる。
【0081】
図12に自動生成した例を示す。本例では複写牽制文字列として利用者名「TANAKA」、時刻「2004/09/30」などを付加している。また、同図に示す「TANAKA」、「2004/09/30」を隠蔽するために図12では網点で示した地模様を使用する。なお、地模様で示した文字を判り易くするために中央に実線で示す。
【0082】
S93ヘッダ/フッタ付加措置の説明をする。図10と同様にS111固定文字列、S112タイムスタンプ情報、S113個人認証情報、S114相手先情報を取得し、ヘッダ/フッタとして印刷物に反映させる。
【0083】
上記処理が完了後、図5に示すように複写(コピー)の実行により、印刷文書識別情報を付加して印刷出力が行われる。
なお、印刷文書識別情報は、予め設定することにより複写(コピー)出力物の表面または裏面を指定して付加できる他、その様態を選択することができる。
【0084】
なお、複写(コピー)時に付加する情報は、個人認証情報とタイムスタンプ情報から取得しているが、それ以外の情報を取得してもかまわない。
また、個人認証が成立しない場合は、前記の通り複写(コピー)自体を許可しないか、固定文字列例えば図13のように複写牽制文字列として「CONFIDENTIAL」、「2004/09/30」などを付加してもかまわない。
(実施例2)
実施例2は、MFP1でファクシミリ(FAX)受信を行う場合を想定する。実施例2の構成は実施例1で説明したMFP1単独の環境において実現され、ネットワーク(LAN等)上にMFPが接続された環境であってもよい。
【0085】
図5にFAX受信時の(4)(5)の処理を実施するフローを示す。
MFP1でFAX受信を行い、FAX受信の結果である印刷出力物に印刷文書識別情報を付加するには、MFP1のオペレーションパネル操作(操作表示部11)によって取得可能な情報と、FAX通信によって得られた情報を用いて印刷文書識別情報を生成する。
【0086】
図5に示す(4)処理を図14を用い説明する。図14のステップS141で印刷文書識別情報の自動付加を行うかを判断する。自動付加を行う場合は図9を用い説明した(9)処理を行い、複写牽制画像をパターンとして印刷文書識別情報を記録媒体に付加する。
【0087】
また、ヘッダ/フッタ情報として印刷文書識別情報を付加する場合は、ヘッダ、フッタとして、出力物である記録媒体の欄外等に印刷文書識別情報を付加する。
次に図5の(5)処理について図14を用い説明する。先ず、ステップS142でFAX受信を実行し、受信開始のトリガーによって手続きに入る。
【0088】
ステップS143では、FAXで取得することができる通信相手の情報を、相手先情報として取得する。S143について相手先情報の取得例を図15に示す(12)処理により説明する。FAX通信によって得られる情報には制約があり、基本的にS151相手先のFAX電話番号またはそれに代わるS152アンサーバック程度である。また、相手先情報は取得できない場合も存在する。
【0089】
ステップS144では、受信の完了を検出し、ステップS145で正常に受信を終了していればS146に進み、ステップS146で、自動付加を行う設定であれば、ステップS147でその時点のタイムスタンプ情報を取得する。上記(8)処理で説明したように、MFP1の内部時計を利用して、機器単体レベルでのタイムスタンプ情報とする方法を用いることができる。小規模な運用ではある程度の情報の一貫性を保つことができる。また、MFP1内に例えば電波時計の電波受信機能を搭載し、その時刻情報を用いてタイムスタンプ情報とする方法を用いることも可能である。そうすることで規模に関係なく、内外に対する情報の一貫性を保つことができる。その他、近接するPCの内部時計の平均値を取得し、グループレベルのタイムスタンプ情報とする方法、タイムサーバを指定しそこから得られる時刻情報を用いてタイムスタンプ情報とする方法などを用いてもよい。
【0090】
その後、ステップS148で、それらの情報に基づき印刷文書識別情報自動付加措置を施した上で、FAX受信文書を印刷出力する。
ステップS145で正常でない場合は(13)処理をする。S145について図16に示す(13)処理により説明する。正常に受信できない場合は、S161リトライ処理またはS162タイムアウトによる終結処理をする。なお、終結しないでリターンして次の処理に進んでもかまわない。
【0091】
なお、印刷時に付加できる印刷文書識別情報は、相手先情報とタイムスタンプ情報の内、取得可能な情報である。相手先情報を取得できない場合は、固定文字列として例えば、図12、13のように「UNKNOWN」など付加するなどが考えられる。なお、印刷文書識別情報の付加の要否は、オペレーションパネル操作(操作表示部11)により選択する。なお、予めMFP1のシステム設定により強制的に付加する設定にしてもかまわない。
【0092】
また、オペレーションパネル操作(操作表示部11)により出力の表面への付加が選択されている場合、印刷内容と複写牽制文字が合成された状態で出力とする。織別情報は、予め設定することにより、FAX受信出力物の表面または裏面を指定して付加できる他、その様態を選択することができる。
(実施例3)
本発明である印刷(プリント)について、MFP1とPC6とがネットワーク(LAN等)上に接続された環境に於いて実現される。図5により処理フローを示す。
【0093】
MFP1でPC6を介して印刷(プリント)を行う場合は、印刷(プリント)の結果による印刷出力物(記録媒体)に印刷文書識別情報を付加する。MFP1のオペレーションパネル操作(操作表示部11)による事前設定または、PC6のドライバによる設定に依存する。
【0094】
印刷文書識別情報自動付加の要否も、MFP1のオペレーションパネルでの選択または、PC6のドライバによる設定に依存する。但し事前のMFP1のシステム設定にて、強制的に付加される運用であっても構わない。
【0095】
図5の(6)処理において個人認証情報、タイムスタンプ情報のうち、取得可能な情報をもって、印刷文書識別情報自動付加措置を施した上で、印刷(プリント)実行を行う。
図17を用い印刷文書識別情報の取得例を示す。ステップS171ではMFP1のオペレーションパネル(表示操作部11)またはPC6により印刷文書識別情報自動付加の要否を選択する。なお、予めMFP1、PC6によりシステム設定することで強制的に印刷文書識別情報が付加される設定であってもかまわない。
、ステップS172では、印刷(プリント)の場合は、PC6の個人認証機能を利用する方法がある。この場合利用者は、MFP1の登録ユーザであることを必要としない。またPC6の認証結果で個人を特定し、その情報をもって印刷文書識別情報の構成要素とする。また、認証が成立しない場合に、印刷(プリント)自体を許可しない運用も可能であるし、認証の不成立を情報として印刷文書識別情報の構成要素とすることもできる。
【0096】
ステップS173では、上記図8で説明した(8)処理と同様にタイムスタンプ情報を取得する。MFP1の内部時計を利用して、機器単体レベルでのタイムスタンプ情報とする方法が考えられる。小規模な運用である程度の情報の一貫性を保つことができる。
【0097】
また、MFP1内に例えば電波時計の電波受信機能を搭載し、その時刻情報を用いてタイムスタンプ情報とする方法が考えられる。規模に関係なく、内外に対する情報の一貫性を保つことができる。
【0098】
その他、近接するPCの内部時計の平均値を取得し、グループレベルのタイムスタンプ情報とする方法、タイムサーバを指定しそこから得られる時刻情報を用いてタイムスタンプ情報としてもかまわない。また、PC6自身の内部時計を利用することもできる。
【0099】
ステップS174では、上記で取得した印刷文書識別情報に基づき印刷文書識別情報自動付加措置を実施しする。印刷文書識別情報自動付加措置は、図9で説明した(9)処理と同様の処理をする。
【0100】
複写牽制措置により、複写牽制文字として印刷文書識別情報を付加する。例えば出力の表面への付加を選択している場合、印刷(プリント)内容と複写牽制文字が合成された状態で、例えば図12に示すように出力する。
【0101】
ヘッダ/フッタ情報として、印刷文書識別情報を付加するには、ヘッダ、フッタとして、印刷物の欄外に印刷文書識別情報を付加する。
S174実施後、印刷(プリント)の実行により、印刷文書識別情報を付加しての印刷出力が行われる。
【0102】
ここで、印刷文書識別情報は、予め設定により印刷(プリント)出力物(記録媒体)の表面または裏面を指定して付加できる他、その様態を選択することができる。
なお、個人認証が成立しない場合は、前記の通り印刷(プリント)自体を許可しないか、固定文字列(例えば図13に示す「CONFIDENTIAL」など)を付加して印刷をする。
(実施例4)
MFP1とPC6とがネットワーク(LAN)上に接続された環境に於いて実現されるMFP1を利用したPC−FAX送信について図5に処理フローを示す。
【0103】
MFP1を利用してPC−FAX送信を行う場合は、基本的には送信文書を印刷する必要はない。
但し正常に送信を完了したドキュメントを、控えとして残したい場合は存在する。その場合に前記送信控えに印刷文書識別情報を付加する。PC−FAX送信の場合、FAX通信によって得られた情報とPC6のドライバにより設定に基づいて印刷文書識別情報を生成する。
【0104】
また、印刷文書識別情報自動付加の要否は、MFP1のオペレーションパネル(表示操作部11)での選択または、PC6のドライバによる設定に依存する。但し事前のMFP1のシステム設定することで、強制的に付加する運用であってもかまわない。
【0105】
PC−FAXでは、個人認証情報を取得し宛先情報を設定した上で送信を実行する。送信の正常終了をもって、その時点のタイムスタンプ情報を取得する。それらの情報を基に印刷文書識別情報自動付加措置を施した上で、PC−FAX送信控えを印刷出力する。
【0106】
図18、図19を用いPC−FAX送信の印刷文書識別情報の説明をする。
ステップS181では、MFP1のオペレーションパネル(表示操作部11)またはPC6により印刷文書識別情報自動付加の要否を選択する。なお、予めMFP1、PC6によりシステム設定することで強制的に印刷文書識別情報が付加される設定であってもかまわない。
【0107】
ステップS182では、PC6の個人認証機能を利用する方法がある。この場合利用者は、MFP1の登録ユーザであることを必要としない。またPC6の認証結果で個人を特定し、その情報をもって印刷文書識別情報の構成要素とする。また、認証が成立しない場合に、印刷(プリント)自体を許可しない運用も可能であるし、認証の不成立を情報として印刷文書識別情報の構成要素とすることもできる。
【0108】
個人認証情報の取得例を示す。PC−FAX送信の場合は、基本的に、PCの個人認証機能に俵存する方法が考えられる。この場合利用者は、MFP1の登録ユーザであることを必要としない。前記認証結果で個人を特定し、その情報をもって印刷文書識別情報の構成要素とする。認証が成立しない場合には、PC−FAX送信自体を許可しない運用も可能であるし、認証の不成立を情報として、印刷文書識別情報の構成要素とすることもできる。
【0109】
ステップS183では、事前にPC6等のアプリケーションにより宛先情報取得する。
ステップS191では、PC−FAX送信実行し、ステップS192では、PC−FAXの相手先情報を取得する。ステップS193では、PC−FAX送信完了し、ステップS194では、正常終了したかを確認する。
【0110】
ステップS195では、図18のS181でYES(自動付加する)であるかを確認する。YESであればS196に進み、NOであればリターンに進む。
次に、ステップS196では、タイムスタンプ情報の取得をする。タイムスタンプの取得方法はMFP1の内部時計を利用して、機器単体レベルでのタイムスタンプ情報とする方法が考えられる。小規模な運用ではある程度の情報の一貫性を保つことができる。
【0111】
また、MFP1内に例えば電波時計の電波受信機能を搭載し、その時刻情報を用いてタイムスタンプ情報とする方法が考えられる。規模に関係なく、内外に対する情報の一貫性を保つことができる。
【0112】
その他、近接するPCの内部時計の平均値を取得し、グループレベルのタイムスタンプ情報とする方法、タイムサーバを指定しそこから得られる時刻情報を用いてタイムスタンプ情報とする方法なども考えられる。また、自身のPCの内部時計を利用してもかまわない。
【0113】
次に、図9に示した(9)処理により複写牽制措置またはフッダ、ヘッタ付加措置を実施する。複写牽制措置の場合は、複写牽制文字として、印刷文書識別情報 付加する。また、出力の表面への付加が選択されている場合、PC−FAX送信内容と複写牽制文字が合成された状態での図12に示したように出力する。
【0114】
また、ヘッダ/フッタ情報として、印刷文書識別情報を付加する場合は、ヘッダ、フッタとして、印刷物の欄外等に印刷文書識別情報を付加する。
個人認証が成立しない場合は、PC−FAX自体を許可しないか、図13に示したように固定文字列として、例えば「CONFIDENTIAL」、「UNKNOWN」などを付加する。
【0115】
ステップS187では、印刷文書識別情報付き送信完了文書(控)の印刷物を出力する。なお、印刷文書識別情報は、予めの設定によりPC−FAX送信出力物の表面または裏面を指定して付加できる他、その様態を選択することができる。
【0116】
なお、地模様は「花」、「波」等の模様を使用することも可能である。
また、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】MFP単独で用いる場合の構成を示す図である。
【図2】MFPをネットワーク上で用いる場合の構成を示す図である。
【図3】MFPの構成図を示す図である。
【図4】MFPの機能別の印刷文書識別情報を示した図である。
【図5】MFPの機能の処理を示した図である。
【図6】(1)処理のフローを示した図である。
【図7】(7)処理のフローを示した図である。
【図8】(8)処理のフローを示した図である。
【図9】(9)処理のフローを示した図である。
【図10】(10)処理のフローを示した図である。
【図11】(11)処理のフローを示した図である。
【図12】複写牽制文字列と地模様の合成印刷の例を示した図である。
【図13】複写牽制文字列と地模様の合成印刷の例を示した図である。
【図14】(4)(5)処理のフローを示した図である。
【図15】(12)処理のフローを示した図である。
【図16】(13)処理のフローを示した図である。
【図17】(6)処理のフローを示した図である。
【図18】(2)処理のフローを示した図である。
【図19】(3)処理のフローを示した図である。
【符号の説明】
【0118】
1 ・・・ 印刷物出力装置/複合機(MFP)
2 ・・・ スキャナ部
3 ・・・ MFPメイン部
4 ・・・ FAX通信制御部
5 ・・・ プリンタ部
6 ・・・ クライアントPC
7 ・・・ ルータ
8 ・・・ 読取機構部
9 ・・・ スキャナ制御部
10 ・・・ 表示操作制御部
11 ・・・ 表示操作部
12 ・・・ FAX通信制御部
13 ・・・ LAN通信制御部
14 ・・・ インターネット通信制御部
15 ・・・ タイムスタンプ制御部
16 ・・・ 記憶装置制御部
17 ・・・ 記憶装置部(HDD)
18 ・・・ MFP制御部(メイン)
19 ・・・ タイムコード取得部
20 ・・・ プリンタ制御部
21 ・・・ 印刷機構部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷を記録媒体に印刷して出力する印刷物出力装置において、
印刷文書識別情報を取得する印刷文書識別情報取得手段と、
前記記録媒体である印刷物を出力する際には、前記印刷文書識別情報を該印刷物に合成印刷する合成印刷手段と、
を具備することを特徴とする印刷物出力装置。
【請求項2】
前記印刷文書識別情報取得手段は、個人認証情報を取得し、前記印刷物出力装置により、前記個人認証情報の入力を指示する入力手段と、
前記入力手段により入力された前記個人認証情報を登録記憶する手段と、
前記入力手段から入力する前記個人認証情報と登録された前記個人認証情報とを照合識別し、その結果に応じて、印刷処理を許可する制御手段と、
前記個人識別情報を前記印刷文書識別情報として前記印刷物に合成して印刷出力することを特徴とする請求項1に記載の印刷物出力装置。
【請求項3】
前記印刷文書識別情報取得手段は、内蔵時計から発生する時刻情報を取得し、前記時刻情報を前記印刷文書識別情報として前記印刷物に合成して印刷出力することを特徴とする請求項1に記載の印刷物出力装置。
【請求項4】
前記印刷文書識別情報取得手段は、外部からの電波による時刻情報を受信して取得し、前記時刻情報を前記印刷文書識別情報として前記印刷物に合成して印刷出力することを特徴とする請求項1に記載の印刷物出力装置。
【請求項5】
前記印刷文書識別情報を複写牽制画像として記録する複写牽制画像データに変換する手段を有し、前記印刷文書識別情報は、印刷物に複写牽制画像として合成して印刷出力されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載印刷物出力装置。
【請求項6】
前記時刻情報は、タイムスタンプ情報であることを特徴とする請求項3または4に記載の印刷物出力装置。
【請求項7】
前記時刻情報は、タイムコード情報であることを特徴とする請求項3または4に記載の印刷物出力装置。
【請求項8】
前記タイムスタンプと前記タイムコード情報は、複写(コピー)原稿の走査読み取り時刻であることを特徴とする請求項6または7に記載の印刷物出力装置。
【請求項9】
前記タイムスタンプと前記タイムコード情報は、FAX送受信の正常終了時において発生する時刻であることを特徴とする請求項6または7に記載の印刷物出力装置。
【請求項10】
前記タイムスタンプと前記タイムコード情報は、印刷(プリント)排出時刻であることを特徴とする請求項6または7に記載の印刷物出力装置。
【請求項11】
前記個人認証情報は、指紋情報であることを特徴とする請求項2に記載の印刷物出力装置。
【請求項12】
前記個人認証情報は、声紋情報であることを特徴とする請求項2に記載の印刷物出力装置。
【請求項13】
前記個人認証情報は、虹彩情報であることを特徴とする請求項2に記載の印刷物出力装置。
【請求項14】
印刷物出力装置は、複写機であることを特徴とする請求項1に記載の印刷物出力装置。
【請求項15】
印刷物出力装置は、印刷機であることを特徴とする請求項1に記載の印刷物出力装置。
【請求項16】
印刷物出力装置は、ファクシミリ装置であることを特徴とする請求項1に記載の印刷物出力装置。
【請求項17】
印刷物出力装置は、多機能記録装置であることを特徴とする請求項1に記載の印刷物出力装置。
【請求項18】
印刷を記録媒体に印刷して出力する印刷物出力方法において、
印刷文書識別情報を取得する印刷文書識別情報取得し、
前記記録媒体である印刷物を出力する際には、前記印刷文書識別情報を該印刷物に合成印刷する、
ことを特徴とする印刷物出力方法。
【請求項19】
前記印刷文書識別情報取得は、個人認証情報を取得し、前記印刷物出力方法により、前記個人認証情報の入力を指示し、
前記入力により入力された前記個人認証情報を登録記憶し、
前記入力する前記個人認証情報と登録された前記個人認証情報とを照合識別し、その結果に応じて、印刷処理を許可制御し、
前記個人識別情報を前記印刷文書識別情報として前記印刷物に合成して印刷出力することを特徴とする請求項18に記載の印刷物出力方法。
【請求項20】
前記印刷文書識別情報取得は、内蔵時計から発生する時刻情報を取得し、前記時刻情報を前記印刷文書識別情報として前記印刷物に合成して印刷出力することを特徴とする請求項18に記載の印刷物出力方法。
【請求項21】
前記印刷文書識別情報取得は、外部からの電波による時刻情報を受信して取得し、前記時刻情報を前記印刷文書識別情報として前記印刷物に合成して印刷出力することを特徴とする請求項18に記載の印刷物出力方法。
【請求項22】
前記印刷文書識別情報を複写牽制画像として記録する複写牽制画像データに変換し、前記印刷文書識別情報は、印刷物に複写牽制画像として合成して印刷出力されることを特徴とする請求項18〜21のいずれか1項記載印刷物出力方法。
【請求項23】
印刷を記録媒体に印刷して出力する印刷物出力装置のプログラムであって、
印刷文書識別情報を取得する印刷文書識別情報取得機能と、
前記記録媒体である印刷物を出力する際には、前記印刷文書識別情報を該印刷物に合成印刷する合成印刷機能と、
をコンピュータに提供されるプログラム。
【請求項24】
前記印刷文書識別情報取得機能は、個人認証情報を取得し、前記印刷物出力装置により、前記個人認証情報の入力を指示する入力機能と、
前記入力機能により入力された前記個人認証情報を登録記憶する機能と、
前記入力機能から入力する前記個人認証情報と登録された前記個人認証情報とを照合識別し、その結果に応じて、印刷処理を許可する制御機能と、
前記個人識別情報を前記印刷文書識別情報として前記印刷物に合成して印刷出力する請求項23に記載のコンピュータに提供されるプログラム。
【請求項25】
前記印刷文書識別情報取得機能は、内蔵時計から発生する時刻情報を取得し、前記時刻情報を前記印刷文書識別情報として前記印刷物に合成して印刷出力する 請求項23に記載のコンピュータに提供されるプログラム。
【請求項26】
前記印刷文書識別情報取得機能は、外部からの電波による時刻情報を受信して取得し、前記時刻情報を前記印刷文書識別情報として前記印刷物に合成して印刷出力する請求項23に記載のコンピュータに提供されるプログラム。
【請求項27】
前記印刷文書識別情報を複写牽制画像として記録する複写牽制画像データに変換する機能と、前記印刷文書識別情報は、印刷物に複写牽制画像として合成して印刷出力される請求項23〜26のいずれか1項記載のコンピュータに提供されるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図4】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−186814(P2006−186814A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−379816(P2004−379816)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000104124)カシオ電子工業株式会社 (601)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】