説明

印刷装置

【課題】 修正テーブルの作成に関するトナー消費および待機時間を低減できる印刷装置を提供する。
【解決手段】 本印刷装置では、制御部が、16種類のテスト入力階調に応じたテストパッチを用いてあるコピーモード(第1モード)の修正テーブルを作成した後、16種類よりも少ない3種類のテストパッチ(出力階調Pout)を用いて、プリンターモード(第2モード)の修正テーブルを作成するようになっている。すなわち、プリンターモードの修正テーブルを作成する際、コピーモードで得られた出力階調の測定値Coutを利用している。従って、実際に印刷するテストパッチの数を少なくすることが可能となっている。これにより、修正テーブルの作成に関するトナー消費および待機時間を低減することが可能となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のモードで入力される画像データに応じた画像を印刷する印刷部と、モードに応じた入力階調修正式を用いて、画像データの入力階調を修正して修正入力階調を生成し、印刷部に出力することで、印刷画像の出力階調を調整する調整部とを備えた印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
デジタル複合機は、原稿画像を読み取って画像データを生成するスキャナーと、スキャナーや外部から得られた画像データを印刷する印刷部とを備えている。そして、複写機(コピー機),プリンターおよびFAXの3つのモードで動作するようになっている。
【0003】
ところで、通常、このようなデジタル複合機では、ユーザーの望む適切な画像を得るために、入力される画像データの階調(入力階調)を修正式(あるいは修正テーブル)によって修正して修正入力階調を生成し、これを印刷エンジンに出力するようになっている。
【0004】
しかしながら、「どのような修正式を用いるべきか」については、環境変動・経時変動などの影響により変化する。
従って、従来、内蔵しているテストデータに応じた画像パッチ(テストパッチ)に基づいて、修正式を再作成(補正)する技術が開発されている(特許文献1参照)。
この技術では、CMYK各色からなる所定のテストパッチを生成し、検出器で読み取る。そして、読み取り結果に基づいて、印刷部における現時点での出力階調特性を求め、これを用いて修正式や修正テーブルを生成するようになっている。
【特許文献1】特開2002−335401号公報(公開日;2002年11月22日)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、通常、適切な修正式や修正テーブルは、印刷モードによって異なっている。これは、各モードによって、使用される画像データの質が異なるためである(例えば、FAXでは低質である一方、プリンターでは上質)。
このため、従来では、上記のような修正式の作成を、印刷モード毎に行うようになっており、そのためのトナー消費や待機時間(補正にかかる時間)がユーザーの負担となっていた。
【0006】
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑みてなされたものである。そして、その目的は、修正式の作成に関するトナー消費および待機時間を低減することの可能な印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明の印刷装置(本印刷装置)は、
複数のモードで入力される画像データに応じた画像を印刷する印刷部と、
モードに応じた入力階調修正式を用いて、画像データの入力階調を修正して修正入力階調を生成し、印刷部に出力することで、印刷画像の出力階調を調整する調整部とを備えた印刷装置において、
上記の調整部は、
印刷された画像の出力階調を測定する測定部と、
複数の異なる入力階調に応じた複数の画像を印刷部に印刷させて、測定部によってこれらの画像の出力階調を測定し、
上記の複数の入力階調と、測定部によって得た出力階調の測定値との関係式である入出力関係式を求め、
この入出力関係式に基づいて、上記の複数の入力階調に応じた出力階調の理想値を得られるような修正入力階調を求め、入力階調と修正入力階調との関係を表す入力階調修正式を作成する制御部とを備えており、
所定数の入力階調を用いて第1モードの修正入力階調を作成した後、他の第2モードの修正入力階調を作成する際、
上記の制御部が、
第1モードの入力階調修正式を作成したときに使用した入力階調に応じた、第2モードでの出力階調の理想値を求め、
上記の出力関係式に基づいて、この理想値を得られるような修正入力階調を求めるように設計されている構成である。
【0008】
本印刷装置は、印刷部によって、コピー,FAX,プリンターといった、複数の印刷モードで入力される画像データを印刷できるものである。
ここで、印刷にかかる画像データは、印刷部(印刷エンジン)に出力される前に、階調(入力階調)を修正されるようになっている。
【0009】
すなわち、通常、画像データの入力モードや印刷部の特性によって、印刷される画像データの階調(出力階調)は変化する。このような変換に対応するため、本印刷装置では、調整部によって入力階調を適切に修正して印刷画像の出力階調を調整し、ユーザーの所望とする画像を得るようになっている。
また、このような修正は、モード毎に設定された入力階調修正式によって行われる。この入力階調修正式は、入力階調と修正後の入力階調(修正入力階調)との対応を示すものである。
【0010】
なお、入力階調と、これに応じた適切な修正入力階調との関係は、環境変動・経時変動などの影響を受けて変化する。
従って、上記のような入力階調修正式については、適切なタイミングで補正(再作成)する必要がある。
【0011】
そこで、本印刷装置では、調整部に、このような入力階調修正式を作成するための構成(測定部,制御部)を備えている。
すなわち、調整部は、印刷された画像の出力階調を測定する測定部を備えている。この測定部は、入力階調修正式の作成のためのテストパッチ(テストに使用する印刷画像)の階調(出力階調)を測定するものである。
また、制御部は、印刷部および測定部を制御して、入力階調修正式を作成するものである。
【0012】
すなわち、制御部は、印刷部を制御して、複数の異なる入力階調(テスト入力階調)に応じた、複数の画像(テストパッチ)を印刷させる。この入力階調は、どのように選択されてもよいが、あらかじめ設定されている値であることが好ましい。
そして、制御部は、測定部によって、これらの画像の出力階調を測定する。
【0013】
その後、制御部は、テスト入力階調と、測定部によって得た出力階調の測定値とから、これらの関係式(入出力関係式)を求める。
例えば、上記の入出力関係式を1次式とする場合、テスト入力階調をIn,出力階調の測定値をCoutとすると、入出力関係式は、
Cout(In)=α・In … (1)
となる(αは定数)。
【0014】
その後、制御部は、この入出力関係式に基づいて、テスト入力階調に応じた出力階調の理想値(ユーザーの所望とする値;設定値)を得られるような,修正入力階調を求める。
すなわち、上記の例では、理想値(設定値)をCrefとすると、修正入力階調Cnは、
Cref(In)=Cout(Cn)
を逆算することによって得られる。
なお、上記のような出力階調の理想値は、本印刷装置に設けられた記憶部に記憶しておくことが可能である。
【0015】
次に、制御部は、テスト入力階調と修正入力階調との関係を表す入力階調修正式を作成する。
すなわち、制御部は、全てのテスト入力階調Inに関し、修正入力階調Cnとの関係を表す以下のような補正係数Anを求める。
An=Cn/In
その後、制御部は、入力階調修正式として、
Cn=An・In
を求める。これにより、1つのモードに関する入力階調修正式の作成(補正)処理が終了する。
【0016】
また、特に、本印刷装置では、制御部が、所定数のテスト入力階調に応じたテストパッチを用いて、あるモード(第1モード)の入力階調修正式を作成した後、テストパッチを用いずに、他のモード(第2モード)の入力階調修正式を作成するようになっている。
【0017】
すなわち、第2モードの入力階調修正式を作成するときには、制御部は、第1モードの入力階調修正式の作成時に使用した所定数の入力階調に応じた、第2モードでの出力階調の理想値(Pref)を求める。なお、このような理想値は、上記した記憶部にあらかじめ記憶させておくことが可能である。
【0018】
そして、制御部は、上記した(1)式を用いて、修正出力階調がこの理想値となるような修正入力階調を求める。すなわち、制御部は、以下の(2)式を満足するような修正出力階調Pnを算出(逆算)する。
Pref(In)=Cout(Pn) … (2)
このようなPnは、
Pn=Pref(In)/α
によって求められる。
【0019】
その後、制御部は、第1モードでの場合と同様に、テスト入力階調と修正入力階調との関係を表す、第2モードの入力階調修正式を作成する。
すなわち、制御部は、第1モードで使用したテスト入力階調Inと修正入力階調Pnに関し、以下のような補正係数Anpを求める。
Anp=Pn/In
その後、制御部は、入力階調修正式として、
Pn=Anp・In
を求める。これにより、第2モードに関する入力階調修正式の作成(補正)処理が終了する。
【0020】
このように、本印刷装置では、第2モードの入力階調修正式を作成する際、第1モードの入力階調修正式を作成する際に得られた出力階調の測定値を利用している。従って、実際にテストパッチを印刷することなく、入力階調修正式を導出することが可能となっている。
これにより、本印刷装置では、入力階調修正式の作成に関するトナー消費および待機時間を低減できるようになっている。
【0021】
なお、本印刷装置では、各モードの入力階調修正式を作成した後、この式に基づいて、修正テーブルを作成するようにしてもよい。この修正テーブルは、全ての(あるいは一部の)入力階調と、各入力階調に対応する修正入力階調を含むものである。
【0022】
また、本印刷装置は、原稿画像を複写するコピーモードと、外部から入力した画像データを印刷するプリンターモードとで画像を印刷できるように設計されていることが好ましい。
また、この場合、制御部は、上記の第1モードとして、コピーモードを選択することが好ましい。
【0023】
コピーモードは、原稿画像の複製を作成するモードであるため、できるだけ原稿に近い印刷物を作成することが好ましいといえる。従って、コピーモードの入力階調修正式については、正確な入力階調修正式を得られる方法で、優先的に生成することが好ましい。
【0024】
また、本印刷装置に、各モードの利用頻度を算出して記憶する頻度記憶部を備えることが好ましい。
このような頻度記憶部は、印刷モード毎に印刷枚数をカウントし、カウント数と総印刷数とから利用頻度を算出し、算出結果を記憶する装置である。このような頻度記憶部としては、例えば、コピーカウンターなどを利用できる。
このような場合、制御部は、第1モードとして、利用頻度の最も多いモードを選択するように設計されていることが好ましい。これにより、利用頻度の高いモードの入力階調修正式を高精度で生成できる。
【0025】
また、上記のような頻度記憶部を備えている場合、制御部は、各印刷モードにおける第1モードとなる頻度を、利用頻度に応じて決定するように設計されていてもよい。
この構成では、例えば、本印刷装置の印刷モードがコピーモードおよびプリンターモードである場合であって、これらの利用頻度の比率が3:1の場合、コピーモードを3回だけ第1モードとした後、プリンターモードを1回だけ第1モードとすることとなる。
【0026】
また、本印刷装置に、ユーザーの指示を入力可能な操作部を備えることも好ましい。また、この場合、制御部は、第1モードとなる印刷モードを、操作部を介して入力されるユーザーの指示に基づいて選択できるように設計されていることが好ましい。
この構成では、ユーザーは、重要と考える(例えば使用頻度の高い)モードの入力階調修正式を、高い精度で作成すること可能となる。
【0027】
なお、上記のような入力階調修正式の作成については、どのようなタイミングで行ってもよい。
例えば、本印刷装置を工場から出荷する直前(工場出荷時)、本印刷装置に電源を投入したとき(電源投入時)、所定の枚数を印刷した後、現像条件を変更したとき、感光体ドラムを交換したときなどのタイミングで行うことで、印刷画像に対する環境変動・経時変動などの影響を抑えられる。
【発明の効果】
【0028】
以上のように、本発明の印刷装置(本印刷装置)は、
複数のモードで入力される画像データに応じた画像を印刷する印刷部と、
モードに応じた入力階調修正式を用いて、画像データの入力階調を修正して修正入力階調を生成し、印刷部に出力することで、印刷画像の出力階調を調整する調整部とを備えた印刷装置において、
上記の調整部は、
印刷された画像の出力階調を測定する測定部と、
複数の異なる入力階調に応じた複数の画像を印刷部に印刷させて、測定部によってこれらの画像の出力階調を測定し、
上記の複数の入力階調と、測定部によって得た出力階調の測定値との関係式である入出力関係式を求め、
この入出力関係式に基づいて、上記の複数の入力階調に応じた出力階調の理想値を得られるような修正入力階調を求め、入力階調と修正入力階調との関係を表す入力階調修正式を作成する制御部とを備えており、
所定数の入力階調を用いて第1モードの修正入力階調を作成した後、他の第2モードの修正入力階調を作成する際、
上記の制御部が、
第1モードの入力階調修正式を作成したときに使用した入力階調に応じた、第2モードでの出力階調の理想値を求め、
上記の出力関係式に基づいて、この理想値を得られるような修正入力階調を求めるように設計されている構成である。
【0029】
本印刷装置では、制御部が、所定数のテスト入力階調に応じたテストパッチを用いてあるモード(第1モード)の入力階調修正式を作成した後、テストパッチを用いずに、他のモード(第2モード)の入力階調修正式を作成するようになっている。
【0030】
すなわち、本印刷装置では、第2モードの入力階調修正式を作成する際、第1モードの入力階調修正式を作成する際に得られた出力階調の測定値を利用している。従って、実際にテストパッチを印刷することなく、入力階調修正式を導出することが可能となっている。
これにより、本印刷装置では、入力階調修正式の作成に関するトナー消費および待機時間を低減できるようになっている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明の一実施形態について説明する。
図2は、本実施の形態にかかるディジタルカラー複合機(本複合機)の構成を示す説明図である。この本複合機は、通常の複写機としての機能(コピーモード)に加えて、ファクシミリ装置およびプリンターとしての機能(FAXモード,プリンターモード)を兼ね備えたものである。
【0032】
まず、本複合機の構成について説明する。
図2に示すように、本複合機は、RADF112,スキャナー部110,画像形成部210および給紙機構211が設けられた構成であり、さらに、図示しない操作パネルが備えられている。
【0033】
RADF112は、本複合機における原稿送り装置であり、両面自動原稿送り装置(RADF;Recirculating Automatic Document Feeder)としての機能を有している。
【0034】
すなわち、RADF112は、所定位置にセットされた原稿を、スキャナー部110における原稿台111上に搬送するものである。そして、スキャナー部110による原稿画像の読み取りが行われた後、所定の取出し位置にまで搬出する機能を有している。
【0035】
また、RADF112は、スキャナー部110による原稿画像の読み取り後、原稿を裏返し、再び原稿台111に搬送する機能も有している。これにより、本複合機では、原稿における両面の画像を、スキャナー部110に読み取らせることが可能となっている。
【0036】
さらに、RADF112は、原稿台111に対して開閉自在となっている。従って、ユーザーは、RADF112を使用する際には、このRADF112を閉じておく一方、RADF112を開けることで、原稿台111上に、原稿を直接載置することができる。
【0037】
スキャナー部110は、RADF112により搬送された原稿の画像を読み取るためものであり、本複合機における画像入力装置である。そして、このスキャナー部110は、図2に示すように、上記した原稿台111に加えて、第1の走査ユニット113,第2の走査ユニット114,光学レンズ115およびCCD116を備えている。
【0038】
走査ユニット113・114は、原稿台111と平行に往復移動することにより、この原稿台111上に載置された原稿の画像を読み取るためのものである。第1の走査ユニット113は、原稿画像を露光する露光ランプと、原稿からの反射光像を所定の方向に偏向させる第1ミラーとを有している。そして、原稿台111の下面に対して一定の距離を保ちながら、所定の走査速度で原稿台111と平行に往復移動するように設定されている。
【0039】
また、第2の走査ユニット114は、第1ミラーにより偏向された反射光像を、光学レンズ115が位置する方向に偏向させるための第2・第3ミラーを有している。そして、第1の走査ユニット113と一定の速度関係を保って、原稿台111と平行に往復移動するようになっている。
【0040】
光学レンズ115は、第1〜第3ミラーにより偏向された原稿からの反射光像を縮小し、CCD116上の所定位置に結像させるものである。
【0041】
CCD116は、結像された反射光像を光電変換して電気信号の画像情報を生成し、画像形成部210に出力するための光電変換素子(CCD;Charge Coupled Device)ラインセンサである。
【0042】
さらに、このCCD116は、カラー画像の読み取りが可能なものである。すなわち、CCD116は、カラーの反射光像から、R(赤),G(緑)およびB(青)の各色成分毎に色分解されたラインデータの画像情報を生成することができる。
【0043】
このCCD116により生成された画像情報は、さらに、後述する画像処理部(図3参照)に転送されて所定の画像処理が施された後、画像形成部210に出力される。
【0044】
画像形成部210は、CCD116から出力された画像情報に基づいて、シートに画像を印刷するためのものである。そして、この画像形成部210は、図2に示すように、黒画像転写部301,黄色画像転写部302,マゼンタ画像転写部303およびシアン画像転写部304から構成されている。
【0045】
これら転写部301〜304は、実質的に同一の構成を有しており、画像情報に基づいて、シートに対してそれぞれ黒画像,黄色画像,マゼンタ画像およびシアン画像を転写するように設定されている。
【0046】
図2に示すように、これら転写部301〜304は、それぞれLSU227a〜227dと、画像形成ステーションGa〜Pdとを有している。
【0047】
LSU(レーザビームスキャナユニット)227a〜227dには、それぞれ画像情報における黒色成分,黄色成分,マゼンタ成分およびシアン成分に対応する画素信号が入力されるようになっている。
そして、各LSU227a〜227dは、これらの画像信号に基づいて、画像形成ステーションGa〜Pdにおける後述する感光体ドラム222a〜222dを露光し、静電潜像を生成するように設定されている。
【0048】
また、これらLSU227a〜227dは、画像情報に応じて変調されたドット状のレーザービームを発生させるために、図示しない半導体レーザーダイオードと、半導体レーザーダイオードのパワーや光発生のタイミングを制御するレーザー調整部とを有している。
【0049】
さらに、LSU227a〜227dは、図2に示すように、ポリゴンミラー240a〜240d,f−θレンズ241a〜241dおよびミラー242a〜242d・243a〜243dを備えている。
【0050】
ポリゴンミラー240a〜240dは、半導体レーザー素子から発せられるレーザービームを、主走査方向に偏向させる機能を有している。また、上記した各f−θレンズおよびミラーは、ポリゴンミラー240a〜240dにより偏向されたレーザービームを、感光体ドラム222a〜222dの表面に結像させるためのものである。
【0051】
画像形成ステーションGa〜Pdは、LSU227a〜227dから照射されるレーザービームに基づいて、各色に応じたトナー像を生成し、順次的にシートに転写するものである。
図2に示すように、これら画像形成ステーションGa〜Pdは、感光体ドラム222a〜222dを備えている。そして、帯電器223a〜223d,現像装置224a〜224d,転写用放電器225a〜225dおよびクリーニング装置226a〜226dが、感光体ドラム222a〜222dの周囲に、矢印F方向に沿って配置されている。
【0052】
各感光体ドラム(転写ドラム)222a〜222dは、感光体材料を表面に有するドラム形状の転写ローラであり、矢印F方向に回転駆動されるように設定されている。
帯電器223a〜223dは、感光体ドラム222a〜222dをそれぞれ一様に帯電するための、スコロトロン方式のコロナ放電器である。
【0053】
また、現像装置224a〜224dは、それぞれ黒色,黄色,マゼンタおよびシアンのトナーを収容している。そして、これらのトナーによって、感光体ドラム222a〜222d上に生成された静電潜像を現像し、トナー像を生成する機能を有している。
【0054】
転写用放電器225a〜225dは、感光体ドラム222a〜222d上のトナー像を、シートへ転写するためのコロナ放電器である。なお、これら転写用放電器225a〜225dのパワー(電位)は、図示しないパワー調整部によって制御されるようになっている。
さらに、図2に示すクリーニング装置226a〜226dは、シートへの転写後に感光体ドラム222a〜222d上に残留するトナーを除去する機能を有している。
【0055】
給紙機構211は、画像形成部210にて生成された各色のトナー像をシートに転写させるために、シートを画像形成部210の所定位置に搬送するものである。さらに、給紙機構211は、トナー像が転写された後、シートを外部に排出する機能を有している。
【0056】
図2に示すように、給紙機構211は、シートカセット251,取出しローラ253,複数の搬送ローラ252・261,レジストローラ212,転写搬送ベルト機構213,定着装置217,搬送方向切り換えゲート218,排紙ローラ219および排紙トレイ220を備えている。
【0057】
シートカセット251は、本複合機において使用されるカットシート状のシートPを収容するためのものである。
取出しローラ252は、シートカセット251から、シートPを1枚毎に出紙するためのピックアップローラーである。
また、搬送ローラ252…は、シートカセット251から出紙されたシートPを、主搬送路Lに送り込み、この搬送路L上を搬送させるものである。
【0058】
レジスト前検知スイッチは、搬送ローラ252…によって搬送されたシートPが主搬送路L上の所定の位置を通過したことを検知し、所定の検知信号を出力するためのものである。
【0059】
レジストローラ212は、主搬送路Lを搬送されてきたシートPをいったん保持するものである。そして、感光体ドラム222a〜222d上のトナー像をシートPに良好に転写できるように、各画像形成ステーションGa〜Pdとタイミングをとって、転写搬送ベルト機構213に送り込む機能を有している。
【0060】
すなわち、レジストローラ212は、レジスト前検知スイッチが出力した検知信号に基づいて、感光体ドラム222a〜222d上のトナー画像の先端がシートPにおける印刷範囲の先端に押し付けられるように、シートPを転写搬送ベルト機構213に送り込むように設定されている。
【0061】
転写搬送ベルト機構213は、図2に示すように、駆動ローラ214,従動ローラ215,搬送ベルト216,吸着用帯電器228,除電器229,補助ローラ231,光学センサ232を有している。
【0062】
搬送ベルト216は、駆動ローラ214と従動ローラ215との間にかけられたベルトであり、ローラ214・215によって矢印Z方向に摩擦駆動されるようになっている。そして、レジストローラ212によって送り込まれたシートPを静電吸着させ、各画像形成ステーションGa〜Pdおよび定着装置217に搬送する機能を有している。
【0063】
吸着用帯電器228は、画像形成ステーションGaとレジストローラ212との間に設けられたブラシであり、搬送ベルト216の表面を帯電させるためのものである。すなわち、本複合機では、搬送ベルト216を帯電させ、シートPを静電吸着させることで、搬送中におけるシートのずれを防止するようになっている。
【0064】
除電器229は、画像形成ステーションGdと定着装置217との間に設けられており、交流電流によって搬送ベルト216の表面を除電するためのものである。
【0065】
すなわち、各画像形成ステーションGa〜Pdに搬送されたシートPには、各色のトナー像がそれぞれ転写され、重ね合わされる。そして、画像形成ステーションGdによる転写が完了すると、シートPは、除電器229により、その先端部分から順次、搬送ベルト216上から剥離され、定着装置217へと導かれるように設定されている。
【0066】
定着装置217は、シートPに転写された未定着のトナー像を熱定着させるものである。そして、熱定着処理されたシートPは、搬送方向切り換えゲート218に搬送される。
【0067】
切り換えゲート218は、定着後のシートPの搬送経路を、排紙トレイ220に向かう排出経路と、副搬送経路Sとの間で選択的に切り換えるものである。
【0068】
この副搬送経路Sは、シートPを裏返して画像形成部210に再供給するための搬送経路である。すなわち、副搬送経路Sに送り込まれたシートPは、スイッチバック搬送経路221を介して裏返された後、搬送ローラ261…によって副搬送経路S上を搬送されて、画像形成部210へと再度供給されるように設定されている。
【0069】
排紙ローラ219は、切り換えゲート218を抜けたシートを排紙トレイ220に向けて排出するローラである。
光学センサ232は、画像形成部210の印刷条件の補正に使用されるセンサである。なお、この光学センサ232については後述する。
【0070】
また、本複合機は、電話線などの通信回線,モバイル装置,デジタルカメラ,ディジタルビデオカメラ,パーソナルコンピュータ(PC)などの外部機器とともにネットワーク(イントラネット,インターネット)に接続される。そして、これらの機器から画像データを受信して、この画像データに応じた画像を印刷する、ディジタルプリンターあるいはデジタルファクシミリとして機能することもできる。
また、本複合機には、本複合機の全動作を制御する制御部(図示せず)が備えられている。
【0071】
次に、本複合機の画像処理部について説明する。
図3は、この画像処理部の構成を示す説明図である。この図に示すように、本複合機の画像処理部は、A/D変換部11,シェーディング補正部12,原稿種別自動判別部13,入力階調補正部14,色補正部15,領域分離処理部16,黒生成/下色除去部17,空間フィルタ処理部18,出力階調補正部19,階調再現処理部20を備えている。
【0072】
A/D(アナログ/デジタル)変換部11は、スキャナー部110から出力されたアナログのRGBデータを、デジタル信号(デジタルRGBデータ)に変換するものである。
【0073】
シェーディング補正部12は、A/D変換部11によって生成されたデジタルRGBデータに対し、スキャナー部110の照明系,結像系,撮像系に起因する各種の歪みを取り除く処理(歪み除去処理)を施して、原稿種別自動判別部13に出力するものである。
また、シェーディング補正部12は、外部機器から入力された画像データを入力し、原稿種別自動判別部13に出力する機能も有している。
【0074】
入力階調補正部14は、シェーディング補正部12によって歪み除去処理を施されたデジタルRGBデータ(RGBの反射率信号)に対し、カラーバランスを整える処理を施すものである。
【0075】
原稿種別自動判別部13は、シェーディング補正部12によって歪みの取り除かれたデジタルRGBデータに基づいて、入力された原稿画像が文字原稿であるか、写真原稿(印刷写真・印画紙写真)であるか、あるいはそれらが混在する文字/写真原稿であるかを判定するものである。
そして、原稿種別自動判別部13は、判定結果である原稿種別判別信号を、入力階調補正部14、色補正部15、黒生成/下色除去部17、空間フィルタ処理部18、および階調再現処理部20に出力するように設計されている。
【0076】
また、原稿種別自動判別部13は、デジタルRGBデータを補色反転して、CMY(C:シアン,M:マゼンタ,Y:イエロー)のデジタルデータ(CMYデータ)とし、画像処理部において採用している画像処理方式にとって扱い易い信号(濃度信号など)に変換する機能も有している。
【0077】
色補正部15は、色を忠実に再現するために、CMYデータから、トナーの分光特性に基づいた色濁りを取り除く処理(色濁り除去処理)を行うものである。この色濁りは、CMYトナーに不要吸収成分が含まれていることに起因するものである。
【0078】
領域分離処理部16は、『入力階調補正部14から出力されたデジタルRGBデータに応じた画像(原稿画像)中の各画素が、網点領域,文字領域,写真領域のいずれに属するのか』を判断する領域分離処理を行うものである。
【0079】
また、領域分離処理部16は、領域分離処理の結果に基づいて、各画素の属する領域を示す信号(領域識別信号)を、黒生成/下色除去部17,空間フィルタ処理部18,階調再現処理部20に出力する。
【0080】
黒生成/下色除去部17は、CMYデータから黒(K)データを生成するものである。また、黒生成/下色除去部17は、CMYデータからKデータを差し引いて、新たなCMYデータを生成し、さらに、この新たなCMYデータとKデータとから、CMYKからなる4色のデータ(CMYKデータ)を生成する機能を有している。
【0081】
空間フィルタ処理部18は、領域識別信号に基づいて、CMYKデータに対してデジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行うものである。すなわち、空間フィルタ処理部18は、CMYKデータの空間周波数特性を補正して、出力画像のぼやけや粒状性劣化を防止する機能を有している。
【0082】
出力階調補正部19は、画像形成部210の出力階調特性を調整するために、空間フィルタ処理部18から出力されるCMYKデータの階調データ(入力階調データ)を修正するものである。
なお、この補正は、本複合機の記憶部(図示せず)に記憶されている修正テーブルを用いて行われる。また、修正テーブルは、本複合機のモード(コピーモード,FAXモード,プリンターモード)毎に異なっている。
【0083】
階調再現処理部20は、出力階調補正部19から出力されるCMYKデータを画素毎に分離し、各画素の階調を再現できるように処理する階調再現処理(中間調生成処理)を実行するものである。そして、処理後のCMYKデータを、画像形成部210に出力するように設計されている。
【0084】
次に、本複合機における印刷条件の補正について説明する。
本複合機のような印刷装置では、環境(温度や湿度など)の変動や経時変動などの影響により、現像装置224a〜224dの現像電圧(現像バイアスおよびグリッド電圧)の適正値、および、画像形成部210の出力階調特性が変化する。
そこで、本複合機では、このような変化に対応するために、制御部が、現像電圧と、出力階調補正部19の使用する修正テーブルとを補正するように設計されている。
【0085】
まず、現像電圧(現像バイアスおよびグリッド電圧)の補正(高濃度補正)について説明する。
この補正では、まず、制御部が、LSU227a〜227dのレーザーパワーを100%に固定し、現像装置224a〜224dのグリッド電圧Vgを−600Vに固定する。
【0086】
そして、制御部は、現像バイアスVbを、−275V,−325V,−375Vの3種類に切り替えながら、図4に示すように、それぞれの電圧に応じた3個のパッチ(画像パターン)P1〜P3を生成する。これらパッチP1〜P3の生成は、シート上ではなく、搬送ベルト216上に行われる。
【0087】
次に、制御部は、これら3つのパッチP1〜P3の濃度を、光学センサ232によって測定する。
なお、この測定は、光学センサ232がパッチに光を照射し、その反射光の強度を測定することによってなされる。従って、濃度は反射光の強さに比例することとなる。
【0088】
図5は、パッチP1〜P3に関する、現像バイアスVbと濃度との関係を示すグラフである。このグラフに示すように、制御部は、3つのパッチP1〜P3の濃度を直線で結ぶ。そして、このグラフ上で、所定の基準濃度レベルIoとなる現像バイアスVboを求める
そして、制御部は、印刷時における現像装置224a〜224dの現像バイアスを、このVboに設定する。
また、制御部は、
グリッド電圧Vg(−600V)−現像バイアスVbo>−150V
である場合、画像かぶりを防止するために、グリッド電圧Vgを、
グリッド電圧Vg=現像バイアスVbo−150V
に変更する。
【0089】
その後、制御部は、図示しないクリーナーによって搬送ベルト216上のパッチP1〜P3を除去し、現像電圧の補正(高濃度補正)を終了する。
【0090】
次に、出力階調補正部19の使用する修正テーブルの補正(ハーフトーン補正)について説明する。
この補正は、修正テーブルを作成する(作り直す)処理である。
この処理では、まず、制御部は、コピーモードで使用する修正テーブル(コピー用修正テーブル)を作成する。
【0091】
すなわち、制御部は、図6に示すように、搬送ベルト216上に、コピーモードで、16種類の入力階調に応じた、16個のパッチD1〜D16を生成する(S1)。
次に、制御部は、これら16種類の入力階調に応じた、コピーモードでの理想的出力階調(設定値Cref)を読み出す(S2)。なお、これらの出力階調は、画像処理部に記憶された図示しない記憶部にあらかじめ記憶されている。
【0092】
その後、制御部は、光学センサ232を制御して、搬送ベルト216上のパッチD1〜D16の階調を測定する(S3)。
図7は、入力階調Inと設定値Crefおよび実測値Coutとの関係を示すグラフである。このグラフに示すように、通常、実測値と理想値とは一致しないことが多い。
【0093】
次に、制御部は、出力階調の実測値Coutにおける入力階調Inに対する変化の状態を、直線近似(一次式)で求める。
すなわち、
Cout(In)=α・In … (1)
なる近似式を求める(αは定数)。
【0094】
その後、制御部は、上記した16種類の入力階調Inに対応する出力階調の設定値Crefと同様の出力階調を実測値で得られるような、修正入力階調Cnを求める(S5)。
すなわち、制御部は、上記の(1)式を用いて、以下の(2)式を満足するようなCnを算出(逆算)する(S4)。
Cref(In)=Cout(Cn) … (2)
このようなCnは、
Cn=Cref(In)/α
によって求められる。
【0095】
次に、制御部は、16種類の入力階調In,Cnに関し、以下のような補正係数Anを求める(S6)。
An=Cn/In
その後、制御部は、16種類の補正係数Anに基づいて、全ての入力階調Inに対応する補正係数An,修正入力階調Cnを求める。そして、全ての入力階調Inに対応する修正入力階調Cn(=An・In)を含むコピー用修正テーブルを作成し、処理を終了する。
【0096】
これにより、出力階調補正部19は、空間フィルタ処理部18から出力されるCMYKデータの階調データ(入力階調In)を、コピー用修正テーブルに基づいて、修正入力階調Cnに修正することが可能となる。
【0097】
表1は、上記のS1〜S6に示した処理によって得られる、入力階調In,出力階調の設定値Cref,出力階調の実測値Cout,修正入力階調Cn,補正係数Anと、コピー用修正テーブルを用いた処理によって得られる補正後の出力階調(補正後出力)Caとの例を示すものである。
【0098】
【表1】

【0099】
また、この表に示した例では、上記したαの値が1.25となる。
また、図8は、表1における出力階調の設定値Cref,出力階調の実測値Cout,補正係数An,補正後の出力階調Caと、入力階調Inとの関係を示すグラフである。
【0100】
次に、制御部は、プリンターモードで使用する修正テーブル(プリンター用修正テーブル)を作成する。
この処理では、制御部は、コピー修正テーブルの作成に使用した16種類の入力階調に応じた、プリンターモードでの理想的な出力階調の値(設定値Pref)を読み出す(S11)。なお、これらの出力階調は、画像処理部に記憶された図示しない記憶部にあらかじめ記憶されている。
【0101】
次に、制御部は、コピー修正テーブルの作成に使用した、上記した
Cout(In)=α・In … (1)
を利用して、以下の(3)式を満足するようなPnを算出(逆算)する(S12)。
Pref(In)=Cout(Pn) … (3)
このようなPnは、
Pn=Pref(In)/α
によって求められる。
【0102】
次に、制御部は、16種類の入力階調In,Pnに関し、以下のような補正係数Anpを求める(S13)。
Anp=Pn/In
その後、制御部は、16種類の補正係数Anpに基づいて、全ての入力階調Inに対応する補正係数Anp,修正入力階調Pnを求める。そして、全ての入力階調Inに対応する修正入力階調Pnを含むプリンター用修正テーブルを作成し、処理を終了する。
【0103】
これにより、出力階調補正部19は、空間フィルタ処理部18から出力されるCMYKデータの階調データ(入力階調In)を、プリンター用修正テーブルに基づいて、修正入力階調Pn(=Anp・In)に修正することが可能となる。
【0104】
表2は、上記のS11〜S13に示した処理によって得られる、入力階調In,出力階調の設定値Pref,出力階調の実測値Cout,修正入力階調Pn,補正係数Anpと、プリンター用修正テーブルを用いた処理によって得られる補正後の出力階調(補正後出力)Paとの例を示すものである。
【0105】
【表2】

【0106】
また、この表に示した例では、上記したαの値が1.25となる。
また、図9は、表2における出力階調の設定値Pref,出力階調の実測値Cout,補正係数Anp,補正後の出力階調Paと、入力階調Inとの関係を示すグラフである。
【0107】
次に、制御部は、FAXーモードで使用する修正テーブル(FAX用修正テーブル)を、プリンター用修正テーブルと同様に作成し、処理を終了する。
【0108】
以上のように、本印刷装置では、制御部が、所定数のテスト入力階調に応じたテストパッチを用いてコピーモード(第1モード)の修正テーブルを作成した後、テストパッチを用いずに、プリンターモード(第2モード)の修正テーブルを作成するようになっている。
【0109】
すなわち、本印刷装置では、プリンターモードの修正テーブルを作成する際、コピーモードの修正テーブルを作成する際に得られた出力階調の測定値Coutを利用している。従って、実際にテストパッチを印刷することなく、修正テーブルを導出することが可能となっている。
これにより、本印刷装置では、修正テーブルの作成に関するトナー消費および待機時間を低減することが可能となっている。
【0110】
また、本実施の形態では、プリンター用修正テーブルを作成する際、パッチの印刷を行わないとしている。
しかしながら、これに限らず、コピーモードの修正テーブルの作成に利用したよりも少ないパッチを生成するようにしてもよい。
この場合、制御部は、まず、図10に示すように、搬送ベルト216上に、プリンターモードで、3種類の入力階調に応じた、3個のパッチD21〜D23を生成する(S21)。
【0111】
次に、制御部は、コピー修正テーブルの作成に使用した16種類の入力階調に応じた、プリンターモードでの理想的な出力階調の値(設定値Pref)を読み出す(S22)。なお、これらの出力階調は、画像処理部に記憶された図示しない記憶部にあらかじめ記憶されている。
その後、制御部は、コピー修正テーブルの作成時に測定した、パッチD1〜D16の階調Coutを読み出す(S23)。なお、この階調は、上記の図示しない記憶部に記憶されている。
【0112】
次に、制御部は、光学センサ232を制御して、搬送ベルト216上の上記した3個のパッチD21〜D23の階調Poutを測定する(S24)。
そして、以下の式(4)を用いて、パッチ修正係数Daを算出する(S25)。
Da=Pout/Cout … (4)
次に、制御部は、出力階調の実測値Poutにおける入力階調Inに対する変化の状態を、直線近似(一次式)で求める(S26)。
すなわち、
Pout(In)=β・In … (5)
なる近似式を求める(βは定数)。これにより、パッチの足りない部分を補う(補間する)ことが可能となる。
【0113】
次に、制御部は、実測値Coutとパッチ修正係数Daとに基づいて、以下に示すような修正出力階調P’outを求める(S27)。
P’out=Cout・Da … (6)
その後、制御部は、修正出力階調P’outにおける入力階調Inに対する変化の状態を、二次曲線近似で求める(S28)。
すなわち、
P’out(In)=a・In+b・In+c … (7)
なる近似式を求める(a,b,cは定数)。
【0114】
次に、制御部は、(7)式を用いて、以下の(8)式を満足するようなPnを算出(逆算)する(S29)。
Pref(In)=P’out(Pn) … (8)
次に、制御部は、16種類の入力階調In,Pnに関し、以下のような補正係数Anpを求める(S30)。
Anp=Pn/In
その後、制御部は、16種類の補正係数Anpに基づいて、全ての入力階調Inに対応する補正係数Anp,修正入力階調Pn(=Anp・In)を求める。そして、全ての入力階調Inに対応する修正入力階調Pnを含むプリンター用修正テーブルを作成し、処理を終了する。
【0115】
これにより、出力階調補正部19は、空間フィルタ処理部18から出力されるCMYKデータの階調データ(入力階調In)を、プリンター用修正テーブルに基づいて、修正入力階調Pn(=Anp・In)に修正することが可能となる。
【0116】
表3は、上記のS21〜S30に示した処理によって得られる、入力階調In,出力階調の設定値Pref,出力階調の実測値Cout,Pout,パッチ修正係数Da,修正出力階調P’out,修正入力階調Pn,補正係数Anpと、プリンター用修正テーブルを用いた処理によって得られる補正後の出力階調(補正後出力)Paとの例を示すものである。
【0117】
【表3】

【0118】
また、この表に示した例では、(7)式に示したa,b,cが、
a=0.2902
b=0.6652,
c=0.04−(Prefの2乗根)
となっている。
また、プリンターモードで新たに作成したパッチD21〜D23に対応する入力階調は、正規化した値で0.1,0.4,0.8である。
【0119】
また、図1は、表3における出力階調の設定値Pref,出力階調の実測値Cout,Pout,パッチ修正係数Da,修正出力階調P’out,補正係数Anp,補正後出力Paと、入力階調Inとの関係を示すグラフである。
【0120】
以上のように、この構成では、制御部が、16種類のテスト入力階調に応じたテストパッチを用いてあるコピーモード(第1モード)の修正テーブルを作成した後、16種類よりも少ない3種類のテストパッチを用いて、プリンターモード(第2モード)の修正テーブルを作成するようになっている。
【0121】
すなわち、プリンターモードの修正テーブルを作成する際、コピーモードで得られた出力階調の測定値Coutを利用している。従って、実際に印刷するテストパッチの数を少なくすることが可能となっている。
これにより、修正テーブルの作成に関するトナー消費および待機時間を低減することが可能となっている。
【0122】
また、制御部は、プリンターモードで3種類のパッチを用いて修正テーブルを求める際、コピーモードの入力階調修正機を作成する際に求めた、入出力関係式(上記の(1)式)を利用するようにしてもよい。
この場合、制御部は、上記した(1)式およびDaを用いて、(8)式を満足するようなPnを算出することとなる。従って、この場合には、修正テーブルを簡単に求められる。
【0123】
また、制御部は、プリンターモードで16種類より少ない数(3種類)の入力階調に応じたパッチを印刷させる際、中間調の入力階調を選択するように設計されていてもよい。この場合には、修正テーブルの精度を中間調領域で向上させられる。従って、中間調の出力階調を特に適切に(正確に)印刷することが可能となる。
ここで、中間調領域とは、たとえば、255をフルスケールとする出力のデューテーで64〜192の範囲である。
【0124】
また、制御部は、プリンターモードで16種類より少ない数(3種類)の入力階調に応じた画像を印刷させる際、低階調の入力階調を選択するように設計されていてもよい。この場合には、修正テーブルの精度を低階調領域で向上させられる。従って、低階調の出力階調を特に適切に(正確に)印刷することが可能となる。
ここで、低階調領域とは、たとえば、255をフルスケールとする出力のデューテーで0〜64の範囲である。
【0125】
また、上記では、第1モードの修正テーブルを得るとき、16種類のパッチを用いるとし、第2モードの修正テーブルを得るとき、3種類のパッチを用いるとしている。しかしながら、これに限らず、パッチの数はいくつであってもよい。ただし、後者のパッチ数は、前者のパッチ数よりも少ないことが好ましい。
【0126】
また、本実施の形態では、16種類の入力階調に応じたパッチを生成するモード(第1モード)として、コピーモードを選択している。
しかしながら、これに限らず、第1モードとして、FAXモードやプリンターモードを選択してもよい。
【0127】
なお、コピーモードは、原稿画像の複製を作成するモードであるため、できるだけ原稿に近い印刷物を作成することが好ましいといえる。従って、コピーモードの修正テーブルについては、正確な修正テーブルを得られる方法で、優先的に生成することが好ましい。従って、コピーモードを第1モードとすることが好ましいといえる。
【0128】
また、制御部は、第1モードとなるモードを、操作パネルを介して入力されるユーザーの指示に基づいて選択できるように設計されていてもよい。
この構成では、ユーザーは、重要と考える(例えば使用頻度の高い)モードの修正テーブルを、高い精度で作成すること可能となる。
【0129】
また、本印刷装置に、各モードの利用頻度を記憶する頻度記憶部を備えることが好ましい。このような頻度記憶部は、印刷モード毎に印刷枚数をカウントし、カウント数と総印刷数とから利用頻度を算出し、算出結果を記憶する装置である。このような頻度記憶部としては、例えば、コピーカウンターなどを利用できる。
このような場合、制御部は、第1モードとして、利用頻度の最も多いモードを選択するように設計されていることが好ましい。これにより、利用頻度の高いモードの修正テーブルを高精度で生成できる。
【0130】
また、上記のような頻度記憶部を備えている場合、制御部は、各印刷モードにおける第1モードとなる頻度を、利用頻度に応じて決定するように設計されていてもよい。
この構成では、例えば、本印刷装置の印刷モードがコピーモードおよびプリンターモードである場合であって、これらの利用頻度の比率が3:1の場合、コピーモードを3回だけ第1モードとした後、プリンターモードを1回だけ第1モードとすることとなる。
【0131】
また、上記した高濃度補正(現像電圧の補正)や、修正テーブルの作成(階調補正)については、どのようなタイミングで行ってもよい。
例えば、高濃度補正については、本印刷装置の電源投入時、スリープモード解除時で定着装置217の温度が45度以下のとき、高濃度補正後の印刷枚数が1000枚に達したとき、湿度変化によるトナー濃度補正が行われた後、感光体ドラム222a〜222dの交換後、トナーの交換後などに行うことが好ましい。
これにより、印刷画像に対する環境変動・経時変動などの影響を抑えられる。
【0132】
また、修正テーブルの作成については、本印刷装置を工場から出荷する直前(工場出荷時)、本印刷装置に電源を投入したとき(電源投入時)、所定の枚数を印刷した後、現像条件を変更したとき、感光体ドラム222a〜222dの交換後、高濃度補正により現像バイアスが45V以上変更されたとき、トナーの交換後などに行うことが好ましい。
これにより、印刷画像に対する環境変動・経時変動などの影響を抑えられる。
【0133】
また、本実施の形態では、階調補正の際、制御部が、画像処理部に記憶された図示しない記憶部から理想的な出力階調を読み出すとしている。しかしながら、これに限らず、記憶部から読み出す代わりに、これらの値を演算により設定(算出)してもよい。
【0134】
また、本実施の形態では、制御部が、全ての入力階調Inに対応する修正入力階調Cnを含むコピー用修正テーブルを作成するとしている。
しかしながら、これに限らず、制御部は、全ての入力階調Inに対応する補正係数Anを含むコピー用修正テーブルを作成してもよい。そして、入力されるCMYKデータの入力階調Inおよびテーブルの補正係数Anに基づいて、修正入力階調Cnを演算するように設計されていてもよい。
【0135】
また、本印刷装置では、各モードの入力階調修正式を作成した後、この式に基づいて、修正テーブルを作成するとしている。出力階調補正部19は、修正テーブルを用いた修正を行う必要はない。
例えば、入力階調Inに応じた補正係数An,Anpを記憶しておき、修正入力階調を導出する演算式(入力階調修正式)である
Cn=An・In
Pn=Anp・In
を用いて、入力階調を適宜修正して修正入力階調を生成するようにしてもよい。この場合、修正入力階調を含む修正テーブルは不要である。
【0136】
また、本実施の形態では、上記した(1)式を1次式、(7)式を2次式としている。しかしながら、これらの式は、何次式の近似式であってもかまわない。
【0137】
また、本実施の形態では、本印刷装置を、カラー印刷を行うものであるとしている。しかしながら、これに限らず、本印刷装置をモノクロの印刷装置として構成してもよい。また、本印刷装置の印刷モードとして、ファックス,コピー,プリンターモード以外のモードを採用してもよい。
【0138】
また、上記では、本印刷装置における全ての処理を、制御部の制御により行うとしている。しかしながら、これに限らず、これらの処理を行うためのプログラムを記録媒体に記録し、このプログラムを読み出すことのできる情報処理装置(コンピューター)を、制御部に代えて用いるようにしてもよい。
【0139】
この構成では、情報処理装置の演算装置(CPUやMPU)が、記録媒体に記録されているプログラムを読み出して処理を実行する。従って、このプログラム自体が処理を実現するといえる。
【0140】
ここで、上記の情報処理装置としては、一般的なコンピューター(ワークステーションやパソコン)の他に、コンピューターに装着される、機能拡張ボードや機能拡張ユニットを用いることができる。
【0141】
また、上記のプログラムとは、処理を実現するソフトウェアのプログラムコード(実行形式プログラム,中間コードプログラム,ソースプログラム等)のことである。このプログラムは、単体で使用されるものでも、他のプログラム(OS等)と組み合わせて用いられるものでもよい。また、このプログラムは、記録媒体から読み出された後、装置内のメモリ(RAM等)にいったん記憶され、その後再び読み出されて実行されるようなものでもよい。
【0142】
また、プログラムを記録させる記録媒体は、情報処理装置と容易に分離できるものでもよいし、装置に固定(装着)されるものでもよい。さらに、外部記憶機器として装置に接続するものでもよい。
【0143】
このような記録媒体としては、ビデオテープやカセットテープ等の磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROM,MO,MD,DVD,CD−R等の光ディスク(光磁気ディスク)、ICカード,光カード等のメモリカード、マスクROM,EPROM,EEPROM,フラッシュROM等の半導体メモリなどを適用できる。
また、ネットワーク(イントラネット・インターネット等)を介して情報処理装置と接続されている記録媒体を用いてもよい。この場合、情報処理装置は、ネットワークを介するダウンロードによりプログラムを取得する。すなわち、上記のプログラムを、ネットワーク(有線回線あるいは無線回線に接続されたもの)等の伝送媒体(流動的にプログラムを保持する媒体)を介して取得するようにしてもよい。なお、ダウンロードを行うためのプログラムは、装置内(あるいは送信側装置・受信側装置内)にあらかじめ記憶されていることが好ましい。
【0144】
また、本発明を、以下の第1〜11画像形成装置として表現することもできる。すなわち、第1画像形成装置は、感光体上にトナーにより複数の階調のテストパターンを作成し、階調特性を補正する画像形成装置において、第1のモード(コピーモード)で作成したテストパターンの検出結果Aを求め、第2のモード(プリンターモード)で作成した第1のモードのテストパターンより数の少ないテストパターンの検出結果Bを求め、検出結果Aから第2のモードの補正量を求める換算式もしくは換算結果Cを検出結果Bにより修正して、第2のモードの補正量を求める構成である。これにより、中間調補正の精度を落とすことなく第2のテストパターンの作成を大幅に削減でき、トナー消費、調整時間が削減できる。
【0145】
また、第2画像形成装置は、第1画像形成装置において、第2のモードのテストパッチが階調変化の大きな領域に作成される構成である。これにより、中間調補正の精度が維持できる。
また、第3画像形成装置は、第1画像形成装置において、第2のモードのテストパッチのハイライト部に作成される頻度が大きい構成である。これにより、ハイライト部分はパッチ濃度のばらつきが大きくなるが、中間調補正の精度が維持できる。
また、第4画像形成装置は、第1画像形成装置において、第1のモードがコピーモードである構成である。これにより、原稿と印刷物が比較されるコピーモードの画質を最優先できる。
【0146】
また、第5画像形成装置は、第1画像形成装置において、第1のモードが選択可能な構成である。これにより、印刷,デザインなどプリンターの画質が最優先されるユーザーへの対応が可能となる。
また、第6画像形成装置は、第1画像形成装置において、第1の工程が所定のタイミングで行われる構成である。これにより、工場出荷時、電源投入時、所定枚数印刷時、現像条件変更時、ドラム交換時などの所定タイミングで行うことで経時変化なく、高画質を維持できる。
【0147】
また、第7画像形成装置は、感光体上にトナーにより複数の階調のテストパターンを作成し、階調特性を補正する画像形成装置において、第1のモードと第2のモードを有し、各々の利用頻度を求め、利用頻度の多いモード(コピーモード)で作成したテストパターンの検出結果Aより、該モードの補正量を求めると伴に、検出結果Aからの換算から利用頻度の少ないのモード(プリンターモード)補正量をもとめる構成である。これにより、利用頻度高いモード補正を高精度に行い、かつ、トナー消費、調整時間が削減できる
また、第8画像形成装置は、感光体上にトナーにより複数の階調のテストパターンを作成し、階調特性を補正する画像形成装置において、第1のモードと第2のモードを有し、各々の利用頻度を求め、モードで作成したテストパターンの検出結果よりモードの補正量を求める補正と他のモードで作成したテストパターンの検出結果からの換算により補正量を求める補正が1つのモードで利用頻度に応じて切り換えられる構成である。例えばコピーモードに比率が3、プリンターモードの比率が1のとき3回はコピーモードでパッチを作成、4回目はプリンターモードでパッチを作成する
また、第9画像形成装置は、第7あるいは第8画像形成装置において、第1のモードがコピーモードである構成である。これにより、原稿と印刷物が比較されるコピーモードの画質を最優先にできる。
また、第10画像形成装置は、第7あるいは第8画像形成装置において、他モードのパッチの検出結果で換算する際に、自分のモードのパッチで得られて補正量を修正換算する構成である。また、第11画像形成装置は、第7あるいは第8画像形成装置において、換算で求める方も間引いたパッチを作成する構成である。これにより、精度を向上させられる。
【産業上の利用可能性】
【0148】
本発明は、複数の印刷モードで印刷を行える印刷装置に好適に利用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】プリンターモードでの、出力階調の設定値(Pref),出力階調の実測値(Cout,Pout),パッチ修正係数(Da),パッチ修正出力階調(P’out),補正係数(Anp),補正後出力(Pa)と、入力階調(In)との関係を示すグラフである。
【図2】本発明の一実施形態にかかるディジタルカラー複合機の構成を示す説明図である。
【図3】図2に示した複合機における画像処理部の構成を示す説明図である。
【図4】現像電圧の補正に使用されるパッチを示す説明図である。
【図5】図4に示したパッチに関する、現像バイアスと濃度との関係を示すグラフである。
【図6】コピー用修正テーブルを作成する際に使用されるパッチを示す説明図である。
【図7】コピーモードでの、入力階調Inと出力階調の設定値Crefおよび実測値Coutとの関係を示すグラフである。
【図8】コピーモードでの、出力階調の設定値(Cref),出力階調の実測値(Cout),補正係数(An),補正後の出力階調(Ca)と、入力階調(In)との関係を示すグラフである。
【図9】プリンターモードでの、出力階調の設定値(Pref),出力階調の実測値(Cout),補正係数(Anp),補正後の出力階調(Pa)と、入力階調(In)との関係を示すグラフである。
【図10】プリンター用修正テーブルを作成する際に使用されるパッチを示す説明図である。
【符号の説明】
【0150】
11 A/D変換部
12 シェーディング補正部
13 原稿種別自動判別部
14 入力階調補正部
15 色補正部
16 領域分離処理部
17 黒生成/下色除去部
18 空間フィルタ処理部
19 出力階調補正部
20 階調再現処理部
110 スキャナー部
111 原稿台
112 RADF
210 画像形成部
211 給紙機構
216 搬送ベルト
217 定着装置
222a〜222d 感光体ドラム
224a〜224d 現像装置
227a〜227d LSU
232 光学センサ(測定部)
301 黒画像転写部
302 黄色画像転写部
303 マゼンタ画像転写部
304 シアン画像転写部
An,Anp 補正係数
Ca,Pa 出力階調
Cn,Pn 修正入力階調
Cout,Pout 出力階調の測定値
Cref,Pref 出力階調の設定値(理想値)
Da パッチ修正係数
In 入力階調
P’out 修正出力階調

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のモードで入力される画像データに応じた画像を印刷する印刷部と、
モードに応じた入力階調修正式を用いて、画像データの入力階調を修正して修正入力階調を生成し、印刷部に出力することで、印刷画像の出力階調を調整する調整部とを備えた印刷装置において、
上記の調整部は、
印刷された画像の出力階調を測定する測定部と、
複数の異なる入力階調に応じた複数の画像を印刷部に印刷させて、測定部によってこれらの画像の出力階調を測定し、
上記の複数の入力階調と、測定部によって得た出力階調の測定値との関係式である入出力関係式を求め、
この入出力関係式に基づいて、上記の複数の入力階調に応じた出力階調の理想値を得られるような修正入力階調を求め、入力階調と修正入力階調との関係を表す入力階調修正式を作成する制御部とを備えており、
所定数の入力階調を用いて第1モードの修正入力階調を作成した後、他の第2モードの修正入力階調を作成する際、
上記の制御部が、
第1モードの入力階調修正式を作成したときに使用した入力階調に応じた、第2モードでの出力階調の理想値を求め、
上記の出力関係式に基づいて、この理想値を得られるような修正入力階調を求めるように設計されていることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
上記制御部は、入力階調修正式に基づいて、入力階調と修正入力階調とを含む修正テーブルを生成するように設計されていることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
各モードの利用頻度を算出して記憶する頻度記憶部を備えており、
上記の制御部は、第1モードとして、利用頻度の最も多いモードを選択するように設計されていることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
各モードの利用頻度を算出して記憶する頻度記憶部を備えており、
上記制御部は、各印刷モードにおける第1モードとなる頻度を、利用頻度に応じて決定するように設計されていることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項5】
原稿画像を複写するコピーモードと、外部から入力した画像データを印刷するプリンターモードとで画像を印刷できるように設計されており、
上記の制御部は、第1モードとしてコピーモードを選択するように設計されていることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項6】
ユーザーの指示を入力可能な操作部を備えており、
上記の制御部は、操作部を介して入力されたユーザーの指示に基づいて、第1モードを選択するように設計されていることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−110914(P2006−110914A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−302185(P2004−302185)
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】