説明

原動機付き二輪車の運転者による発進動作の検出方法及びその装置

【課題】エンジントルクについての情報を得ない場合であっても、運転者の発進意思を高い信頼性をもって検出することが可能な検出方法及びその装置を提供すること。
【解決手段】原動機付き二輪車の運転者による発進動作の検出方法において、原動機付き二輪車のスロットルバルブ開度及びエンジン回転数のうち少なくともいずれかを検出するとともに、これを評価する。また、この評価を行うために、前記スロットルバルブ開度及びエンジン回転数のうち少なくともいずれかを時間微分することにより発進動作を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念に基づく検出方法及び請求項8の上位概念に基づく検出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
原動機付き二輪車(以下単に「二輪車」という。)は、この数十年間、安価な移動手段からレジャー用の乗物へと発展してきた。また、この間、安全性及び快適性の向上が強調されてきた。
【0003】
そして、自動車と同じように、ここ数年、二輪車についてもアンチロックブレーキシステム(ABS)が装備されてきている。例えば、特許文献1には二輪車用のアンチロックブレーキシステムが開示されている。さらに、特許文献2には二輪車のアンチロックブレーキシステム制御方法及び接着因子の決定方法が開示されている。
【0004】
従来、二輪車には前輪の液圧回路用及び後輪の液圧回路用にそれぞれ1つずつブレーキ操作手段が設けられており、通常、前輪の液圧回路用にはブレーキレバーが用いられ、後輪用の液圧回路にはブレーキペダルが用いられる。
【0005】
ここで、二輪車に関連して、「インテグラルブレーキシステム」とは、ブレーキレバー又はブレーキペダルを操作すると、1つの液圧回路だけではなくもう一方の液圧回路にも積極的なブレーキ圧の増圧がなされるようなブレーキシステムをいう。すなわち、1つのブレーキ操作手段を操作することによって両ブレーキが動作することになる。
【0006】
また、ブレーキレバー及びブレーキペダルの操作によってそれぞれ両ブレーキを動作させるものは、「フルインテグラルブレーキシステム」と呼ばれる。また、種々組み合わせることも可能で、1つのブレーキ操作手段によって1つの車輪を制動し、もう一方のブレーキ操作手段によって2つの車輪を制動するようにすることができる(パーシャリインテグラルブレーキシステム)。なお、このようなインテグラルブレーキシステムは、例えば特許文献3及び特許文献4に記載されている。
【0007】
そして、向上した安全性及び/又は快適性によって、将来、前輪及び/又は後輪における積極的なブレーキ圧の増圧時に運転者をサポートし、ブレーキ動作を最適化するようなパーシャリインテグラルブレーキシステム及びフルインテグラルブレーキシステムの使用がますます見込まれている。
【0008】
そのほか、二輪車の分野において運転者補助システムの重要性がますます高まっており、特に、更なる快適性を高める機能及び/又は安全性を高める機能を実行するために、ハードウェアを十分に利用するコストを抑えた運転者補助システムの需要が大きくなってきている。また、この二輪車用の運転者補助システムにはブレーキ圧保持機能及び/又はブレーキ圧解除機能を備えたシステムも含まれており、このブレーキ圧保持機能及びブレーキ圧解除機能は、それぞれ、例えば傾斜路上に停止している二輪車の停止を維持し、一方、運転者の発進意思に基づき二輪車の発進を可能にするものである。
【0009】
また、四輪車(乗用車)の分野における発進検出方法が、例えば特許文献5に開示されている。この特許文献5においては特にエンジントルクが評価されており、発進意思が存在するか否かを判断するために、エンジンとパワートレインの間で動力伝達が行われているか否か、及びエンジントルクの上昇によって運転者が発進しようとしているかあるいは発進可能であるのか否かの情報が必要である。
【0010】
これについて、例えばクラッチ及びギヤ段の信号並びにエンジントルクが考慮されるようになっているが、二輪車においては、各制御装置間のネットワークが小さいことから、通常、このような情報を利用することができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許第0548985号明細書
【特許文献2】独国特許出願公開第4000212号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第3803563号明細書
【特許文献4】独国特許出願公開第10316351号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第10306363号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は上記問題にかんがみてなされたもので、その目的とするところは、エンジントルクについての情報を得ない場合であっても、運転者の発進意思を高い信頼性をもって検出することが可能な検出方法及びその装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的は、請求項1記載の方法及び請求項8記載の装置によって達成される。
すなわち、本発明は、状態量であるスロットルバルブ開度及びエンジン回転数のうち少なくともいずれかを検出するとともに、これらの情報に基づき発進を検出するために、このスロットルバルブ開度及びエンジン回転数のうち少なくともいずれかを評価することを特徴としている。
【0014】
また、本発明は、特に前記評価を行うために、前記状態量のうち少なくともいずれかを時間微分することを特徴としている。この時間微分を利用することにより、状態量の変化が急激であるのか、偶然のものであるのか、運転者によって意図しない不意のものであるのか、又は運転者によって継続的になされているものであるのかをより良好に判断することができる。そして、これにより運転者による発進意思の検出をより高い信頼性をもって行うことが可能である。
【0015】
また、本発明の一実施形態は、エンジン回転数及びその時間微分のみを評価することを特徴としている。これにより、エンジン回転数以外の状態量を検出する必要がなくなる。
【0016】
また、本発明の一実施形態は、エンジン回転数がその所定の閾値を上回るとともに、エンジン回転数の時間微分がその所定の閾値を下回ったときに、発進動作を検出することを特徴としている。これにより、二輪車の加速状態及び運転者によって発進が中断されていないことを確実に把握することが可能である。
【0017】
また、特に、発進検出を、運転者補助システムのブレーキ圧保持機能及び/又はブレーキ圧解除機能において行うのが好ましい。ブレーキ圧保持機能においては、二輪車の停止状態を維持するために、通常、少なくとも1つのブレーキ液圧回路内でブレーキ圧が保持される。そして、運転者の発進意思が検出されると、本発明の一実施形態によれば、二輪車の停止を維持するために少なくとも1つのブレーキ油圧回路内で保持されていたブレーキ圧を減圧して、発進を行えるようにしている。
【0018】
なお、上記減圧を特に線形関数に従って行うのが望ましい。こうすることで、二輪車が後方へ転動することなく発進することが可能である。また、特に、線形関数を表す線の傾きをあらかじめ設定するのが好ましい。
【0019】
また、本発明の一実施形態は、ブレーキ圧の減圧を、少なくとも1つの周囲状況パラメータ及び/又は上記状態量に応じて行うことを特徴としている。すなわち、仮にブレーキ圧が線形関数に従って減圧されるとすると、その減圧度合(線形関数を表す線の傾き)は、少なくとも1つの周囲状況パラメータ及び/又は上記状態量に応じて決定されることになる。ここで、周囲状況パラメータ及び/又は上記状態量を、それぞれ路面の勾配及び/又はエンジン回転数変化率とするのが好ましい。
【0020】
また、エンジントルクを検出するのであれば、これを評価して発進検出に利用するのが好ましい。
【0021】
さらに、本発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の方法を実施するよう構成された検出装置にも関するものである。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、四輪車(乗用車)では行われるが二輪車では通常行われないエンジントルクの検出を行うことなく、確実に発進検出を行うことが可能である。また、これにより、発進時の安全性が向上し、運転者の負担が軽減されて、運転者が他の交通に集中することができる。
【0023】
さらに、本発明によれば、追加的なセンサ及び/又は各制御装置間の追加的なネットワークも不要であり、コストを抑えることができるという利点も得られる。
【0024】
なお、他の実施形態及び利点は、各従属請求項及び以下の説明に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】傾斜路上に位置する二輪車の概要を示す図である。
【図2】ブレーキ圧保持方法及び/又はブレーキ圧解除方法を示すフローチャートである。
【図3】本発明による方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。すなわち、本発明による発進検出方法を電子制御式の二輪車用ブレーキシステムのブレーキ圧保持機能及び/又はブレーキ圧解除機能(発進機能)との関係において説明する。
【0027】
なお、この発進検出は、他の二輪車用補助システムにおいても実行することができるとともに、四輪車(乗用車)にも応用可能なものである。
【0028】
図1には傾斜路34における二輪車30の概要が示されており、この二輪車30は、制御装置31、前輪VR及び後輪HRにそれぞれ設けられた車輪回転数センサ32並びに車両の長手方向の加速度を検出する加速度センサ33を備えて傾斜路34上に位置している。ここで、制御装置31(例えばECU(電子制御ユニット))は、電子制御式ブレーキ装置及びブレーキ圧保持機能及び/又は発進機能を制御するように設定されている。また、加速度センサ33は、例えば二輪車の車体フレームに設けられている。
【0029】
しかして、本発明の発進検出方法の実施形態を説明する前に、まず、ブレーキ圧保持機能及び発進機能について以下に説明する。
【0030】
図2には、ブレーキ圧保持機能及び発進機能のフローチャートが示されている。ステップ40において、二輪車30が停止状態又はほぼ停止状態にあるか否かが判断される。ステップ41においては、所定の作動条件が満足されているか否かが判断される。
【0031】
そして、二輪車30が停止状態又はほぼ停止状態にあるという条件と、所定の作動条件とが同時に又は所定時間内に満たされた場合には、ブレーキ液圧回路(例えば後輪のブレーキ液圧回路)においてブレーキ圧が増圧され(ステップ42)、つづいてこの増圧されたブレーキ圧が保持される(ステップ43)。次に、ステップ44において運転者の発進意思が判断され(発進検出)、仮に運転者の発進意思が検出されると、ステップ43で保持されていたブレーキ圧が減圧される(ステップ45)。
【0032】
上記例えば後輪におけるブレーキ圧の増圧(ステップ42,43)により、運転者がブレーキレバーを操作することなく、二輪車を傾斜路34上で確実に停止させることが可能となっている。
【0033】
また、二輪車30の停止状態又はほぼ停止した状態の検出(ステップ40)は例えば車輪回転数センサ32からの信号に基づき行われ、例えば後輪の車輪回転数が所定の閾値より小さければ、二輪車30が停止又はほぼ停止していると判断される。なお、車輪回転数に代えて、この車輪回転数に相当する車輪回転速度を用いてもよい。
【0034】
また、上記作動条件(ステップ41)とは、例えば二輪車30が傾斜路34上に位置していることである。ここで、二輪車30が傾斜路34上に位置していることの検出は、例えば加速度センサ33によりなされ、この加速度センサ33により勾配が検出され、かつ、測定される。そして、勾配が所定値(例えば5%)以上となると、システムはスタンバイ状態となる。
【0035】
仮に、二輪車30が例えば上記所定値を上回る勾配に停止していれば(ステップ40)、ブレーキシステムによって、例えば後輪のブレーキ液圧回路におけるブレーキ圧が増圧される(ステップ42)。そして、この増圧されたブレーキ圧は、切換弁を閉弁することによって保持される(ステップ43)。このとき、二輪車30の停止後において運転者がブレーキレバー及び/又はブレーキペダルを解除したとしても、このブレーキ圧はほぼ一定に保持される。
【0036】
しかして、後輪のブレーキ液圧回路におけるブレーキ圧の増圧量は例えば二輪車30のタイプ及び/又は傾斜路34の勾配に応じて決定されるが、これに代えて、又はこれに加えて、増圧量を二輪車30の積載量に応じて決定することも考えられる。すなわち、ブレーキ圧は、二輪車30が最大積載量状態にあっても、該二輪車30を確実に傾斜路34上で停止させることができるものでなければならない。
【0037】
ところで、上記作動条件(ステップ41)を、例えばブレーキレバーなどのブレーキ操作要素の操作とすることもできる。この場合には、二輪車30に加速度センサ33を設ける必要がなくなる。すなわち、ブレーキ圧の増圧は、二輪車30の停止状態又はほぼ停止状態の検出時(ステップ40)又は検出後に運転者によりなされる。
【0038】
この際、運転者が例えば右側のブレーキレバー(例えばインテグラルブレーキを含む。)を操作して前輪ブレーキに、二輪車30を停止させるのに必要なブレーキ圧pHZよりも大きなブレーキ圧p’HZを供給してブレーキ圧保持機能(ブレーキ圧の増圧及びその保持)が作動する。さらに、二輪車30を傾斜路34上に保持するに十分なブレーキ圧がシステムによって後輪へ供給され(ステップ42)、このブレーキ圧が保持される(ステップ43)。
【0039】
このように、ブレーキ操作要素を操作することによりブレーキ圧保持機能を作動させる場合には、通常は勾配を検出するセンサが設けられていないため、後輪におけるブレーキ圧の増圧は傾斜路34の勾配に応じたものとはならない。したがって、ブレーキ圧の増圧量(又はブレーキ圧の大きさ)は、二輪車の停止状態においていかなる場合でも一定(すなわち所定の一定値)であるか、又は例えば二輪車30の積載状態及び/又はタイプのようなパラメータに応じたものとなる。なお、このブレーキ圧を、二輪車30が最大積載量状態にあっても傾斜路34上に確実に停止させることができる程度とするのが望ましい。そして、発進及びこれに伴うブレーキ圧保持機能の終了がシステムによって検出される。
【実施例1】
【0040】
本実施例によれば、発進検出はスロットルバルブ開度α及び/又はエンジン回転数nMotorの検出に基づき行われる。このようにスロットルバルブ開度αを検出することで、アイドリング時のスロットルレバーの遊びと発進意思とを判別することが可能である。
【実施例2】
【0041】
本実施例においては、発進検出はエンジン回転数nMotor及びその変化率(時間変化率)n’Motorの評価のみに基づいて行われ、二輪車30における他の状態パラメータは考慮されないようになっている。ここで、ブレーキ圧の減圧(ステップ45)によって発進を制御する制御装置31にはエンジン回転数nMotorが入力され、この制御装置31内でエンジン回転数nMotorの変化率n’Motorが評価される。そして、制御装置31は、このような情報に基づいて二輪車が加速状態にあるか否かを判断する。
【実施例3】
【0042】
図3には、エンジン回転数nMotor及びその変化率(時間変化率)n’Motorの評価によって発進検出を行う本発明の他の実施例がフローチャートで示されている。
ステップ50において、二輪車30は、運転者補助システムのブレーキ圧保持機能によって停止状態にある(図2におけるステップ43に相当)。そして、運転者によってエンジントルクが増大され(ステップ51)、エンジン回転数nMotorが所定の閾値nsよりも大きくなる(ステップ52、nMotor>ns)。
【0043】
ステップ53では、二輪車30が加速状態にあるか否かが判断される。例えば、エンジン回転数の変化率n’Motorが所定の閾値n’sよりも小さいか否かが判定される(ステップ53、n’Motor<n’s?)。ここで、エンジン回転数変化率n’Motorが所定の閾値n’sよりも大きければ(ステップ53における「NO」)、二輪車30の停止状態が運転者補助システムのブレーキ圧保持機能によって継続する。一方、エンジン回転数変化率n’Motorが所定の閾値n’sよりも小さければ(ステップ53における「YES」)、二輪車30が加速状態にあると判断され、運転者補助システムによってブレーキ圧が減圧されて発進可能となる(ステップ54(図2におけるステップ45に相当))。
【0044】
そして、ステップ55ではエンジン回転数nMotorが継続して所定の閾値nsよりも大きいか否かが判断される(nMotor>ns?)。ここで、エンジン回転数nMotorが所定の閾値nsより小さくなっていれば(ステップ55における「NO」)、ステップ56においてブレーキ圧が再び増圧され、二輪車30は運転者補助システムのブレーキ圧保持機能によって再び停止状態となる(ステップ50)。一方、エンジン回転数nMotorが所定の閾値nsより継続して大きければ(ステップ55における「YES」)、発進動作が終了し、二輪車30が走行状態となるまで、発進動作が行われる。
【0045】
しかして、二輪車30が加速状態にあるか否かを判断するために、例えばエンジン回転数変化率n’Motorが評価される。加速状態において、加速度は特定の範囲内に収まるため、運転者の発進意思を検出することが可能である。そして、エンジン回転数nMotorが所定の閾値nsを下回れば、運転者が発進動作を中断したと判断され、ブレーキ圧が保持されるか、又は再び増圧される。
【0046】
また、運転者の意思によらないエンジン回転数nMotorの変動によって誤った発進検出がなされるのを防止するために、最低エンジン回転数を上回るように所定のエンジン回転数閾値nsを設定する必要がある。すなわち、最低エンジン回転数を超えないと、ブレーキ圧解除がなされないようになっている(ステップ52、55参照)。
【0047】
そして、発進時には、例えば後輪ブレーキの液圧回路内でそれまで保持されていたブレーキ圧(保持ブレーキ圧)は、二輪車30が後方へ転動するような問題が生じることなく発進できるよう例えば所定の関数に従って減圧される。この関数を所定のものに固定することも可能であるが、ブレーキ圧の減圧(又は関数を表すグラフの傾き)を傾斜路34の勾配に応じて変えるようにしてもよい。
【0048】
さらに、これに代えて、又はこれに加えて、ブレーキ圧の減圧(又は関数を表すグラフの傾き)を二輪車30のパラメータに応じて変えるようにすることも考えられる。例えば、エンジン回転数変化率n’Motor及び/又はエンジントルクを検出する場合には、これらに応じてブレーキ圧を減圧することが可能である。
【0049】
また、発進時に、ブレーキ圧を一気に減圧したり、所定の圧まで一気に減圧し、その後は線形関数に従って減圧するようなことも考えられる。さらに、ブレーキ圧を所定の線形関数によって減圧し、その際、この線形関数を表すグラフの傾き(ブレーキ圧減圧量変化率)をスロットルバルブ開度及び保持ブレーキ圧に応じて変えるようにすることも考えられる。
【符号の説明】
【0050】
30 原動機付き二輪車
31 制御装置
32 車輪回転数センサ
33 加速度センサ
34 傾斜路
40〜45 ステップ
50〜56 ステップ
VR 前輪
HR 後輪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原動機付き二輪車の運転者による発進動作の検出方法において、
原動機付き二輪車のスロットルバルブ開度(α)及びエンジン回転数(nMotor)のうち少なくともいずれかを検出するとともに、これを評価することにより発進動作を検出することを特徴とする検出方法。
【請求項2】
前記評価を行うために、前記スロットルバルブ開度及びエンジン回転数のうち少なくともいずれかを時間微分することを特徴とする請求項1記載の検出方法。
【請求項3】
エンジン回転数(nMotor)及びその時間微分(n’Motor)のみを評価することを特徴とする請求項2記載の検出方法。
【請求項4】
エンジン回転数(nMotor)がその所定の閾値(ns)を上回るとともに、エンジン回転数の時間微分(n’Motor)がその所定の閾値(n’s)を下回ったときに、発進動作を検出することを特徴とする請求項3記載の検出方法。
【請求項5】
原動機付き二輪車(30)の発進が検出された際に、該原動機付き二輪車(30)の停止を維持するために前輪又は後輪のブレーキ油圧回路内で保持されていたブレーキ圧を、特に所定の関数に従って減圧することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の検出方法。
【請求項6】
前記ブレーキ圧の減圧を、少なくとも1つの周囲状況パラメータ(34)及び/又は原動機付き二輪車のスロットルバルブ開度(α)及びエンジン回転数(nMotor)のうちいずれか、特に路面(34)の勾配及び/又はエンジン回転数変化率(n’Motor)に応じて行うことを特徴とする請求項5記載の検出方法。
【請求項7】
原動機付き二輪車のエンジントルクを更に評価することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の検出方法。
【請求項8】
原動機付き二輪車の運転者による発進動作の検出装置であって、
スロットルバルブ開度(α)及びエンジン回転数(nMotor)のうち少なくともいずれかを検出する検出手段と、
該手段手段によって検出された値を評価する評価手段と
を備えて成る前記検出装置において、
請求項1〜7のいずれかに記載の方法を実施するよう構成したことを特徴とする検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2010−529341(P2010−529341A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514777(P2009−514777)
【出願日】平成19年6月12日(2007.6.12)
【国際出願番号】PCT/EP2007/055746
【国際公開番号】WO2007/144337
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(399023800)コンティネンタル・テーベス・アクチエンゲゼルシヤフト・ウント・コンパニー・オッフェネ・ハンデルスゲゼルシヤフト (162)
【Fターム(参考)】