説明

反応性カップリング製品及び関連方法

本発明は、(a)官能化ニトロキシドの反応性カップリング、又は(b)ポリマー、有機ペルオキシド、及び官能化ニトロキシドから作製された、もしくはそれらを含有するポリマーマトリックス内の成分の接着を通して積層材料に接着結合された製品から形成された構造製品である。最初の製品を拡張することができる。最初の製品は、極性であっても非極性であってもよい。同様に、積層材料は、極性であっても非極性であってもよい。その他の製品及び前記製品を製造するための方法を含む、本発明の他の実施形態について記載する。本発明の有用な製品には、靴の外底及び中底、塗料、オーバーモールド製品、気密用充填材、ガスケット、形材、ベルト、ホース、チューブ、耐久消費財、タイヤ、建設用パネル、レジャー・スポーツ製品用フォーム材、エネルギー管理用フォーム材、音響管理用フォーム材、絶縁用フォーム材、その他のフォーム材、自動車部品(バンパーフェーシア、垂直板、軟質熱可塑性ポリオレフィン皮膜、及び内装品を含む)、玩具、裏付フィルム(単層フィルム及び共押出フィルムを含む)、合わせガラス、レザー製品(合成及び天然)、パーソナルヘルスケア製品及び衛生製品、その他の金属積層板、複合木材、自動車用ベルト、ホース、チューブ、コンベヤーベルト、フットウエア、スポーツ用品、及び充填製品が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(a)官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーの反応性カップリングであって、前記官能基がカップリング部位を提供する反応性カップリング、又は(b)ポリマー、有機ペルオキシド、及び官能化ニトロキシドから作製された、もしくはそれらを含有するポリマーマトリックス内の成分の接着によるポリマー製品の反応性カップリングに関する。
【背景技術】
【0002】
非極性ポリオレフィンは、極性物質に対するそれらの不良な接着に起因してわずかな程度が靴底及び中底に使用されている。非極性ポリオレフィン及び極性ポリマーのブレンド(例えばエチレンと不飽和エステルとのコポリマー)は、同様の理由からそれらの使用が限定されている。注目すべきことに、エチレン/ビニルアセテートコポリマーを含有するブレンドは、さらにまた最終製品の特性、例えば、摩耗、使用温度、つかみ、及び柔軟性の領域におけるバランスを限定する可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、基質、例えばレザー(天然及び合成)及びその他の極性材料への接着が改善されている、ポリオレフィンベース材料が必要である。さらにその必要性は、特殊なプライマー(UV硬化系など)もしくは特殊な表面処理(コロナ処理など)を使用せずに、ポリウレタン系接着剤を使用することによってそれらのポリオレフィンベース材料をそれらの基質へ接着させることに及んでいる。特に、接着剤系は溶剤系もしくは水性であることが望ましい。
【0004】
さらに、上述した必要性は、接着結合の耐用年数、安定性、及び強度を改善することを含んでいる。さらにまた、接着は基礎にあるポリマーの結晶化度には実質的に依存していないことが望ましい。
【0005】
さらに、ポリオレフィンベース材料を基質へ接着させるための工程は、できる限り迅速に進行することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、(a)官能化ニトロキシドの反応性カップリング、又は(b)ポリマー、有機ペルオキシド、及び官能化ニトロキシドから作製された、もしくはそれらを含有するポリマーマトリックス内の成分の接着を通して積層材料に接着結合された製品から形成された構造製品である。最初の製品を拡張することができる。最初の製品は、極性であっても非極性であってもよい。同様に、積層材料は、極性であっても非極性であってもよい。その他の製品及び前記製品を製造するための方法を含む、本発明の他の実施形態について記載する。
【0007】
本発明の有用な製品には、靴の外底及び中底、塗料、オーバーモールド製品、気密用充填材、ガスケット、形材、耐久消費財、タイヤ、建設用パネル、レジャー・スポーツ製品用フォーム材、エネルギー管理用フォーム材、音響管理用フォーム材、絶縁用フォーム材、その他のフォーム材、自動車部品(バンパーフェーシア、垂直板、軟質熱可塑性ポリオレフィン皮膜、及び内装品を含む)、玩具、裏付フィルム(単層フィルム及び共押出フィルムを含む)、合わせガラス、レザー製品(合成及び天然)、パーソナルヘルスケア製品及び衛生製品、その他の金属積層板、複合木材、自動車用ベルト、ホース、チューブ、コンベヤーベルト、フットウエア、スポーツ用品、及び充填製品が含まれる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
第1実施形態では、本発明は、(a)官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーを含むニトロキシド含有ポリマー組成物から形成された製品であって、前記官能基は前記ニトロキシドに共有結合した、第2の相補的官能基へ反応性カップリングさせるために利用できる第1官能基である製品と;(b)前記第1官能基と反応性カップリングできる第2官能基を有する官能化カップリング剤を含む接着剤と;(c)前記接着剤の第2官能基と前記官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーの第1官能基とを反応性カップリングさせる工程によって前記形成された製品に接着結合された積層材料と、から製造された構造製品である。
【0009】
前記官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーは、官能化ニトロキシドと様々なポリマーとのフリーラジカル反応の反応生成物として調製される。それらのポリマーは、好ましくは炭化水素ベースであり、適切なポリマー、例えばエチレン/プロピレンゴム、エチレン/α−オレフィンコポリマー、エチレンホモポリマー、プロピレンホモポリマー、エチレン/不飽和エステルコポリマー、エチレン/α−オレフィン/ジエン共重合体(エチレン/プロピレン/ジエンモノマーを含む)、エチレン/スチレン共重合体、ハロゲン化エチレンポリマー、プロピレンコポリマー、天然ゴム、スチレン/ブタジエンゴム、スチレン/ブタジエン/スチレンブロックコポリマー、スチレン/エチレン/ブタジエン/スチレンコポリマー、ポリブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エチレン/ジエンコポリマー、及びニトリルゴム、ならびにそれらのブレンドなどが含まれる。これらのポリマーは、非極性であっても極性であってもよい。
【0010】
適切なエチレンポリマーに関して、ポリマーは、一般には4つの主要区分に分類される。(1)高度の分枝状;(2)不均一な直鎖状;(3)均一に分岐した直鎖状;及び(4)均一に分岐した実質的直鎖状。これらのポリマーは、チーグラー・ナッタ触媒、メタロセンもしくはバナジウムをベースとするシングルサイト触媒、又は束縛構造のシングルサイト触媒を用いて調製できる。
【0011】
高度の分枝状エチレンポリマーには、低密度ポリエチレン(LDPE)が含まれる。それらのポリマーは、高温及び高圧でフリーラジカル開始剤を用いて調製できる。又は、それらは高温及び相当に低圧で配位触媒を用いて調製できる。これらのポリマーは、ASTM D−792によって測定した場合に0.910g/cmから0.940g/cmの密度を有する。
【0012】
不均一な直鎖状エチレンポリマーには、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、及び高密度ポリエチレン(HDPE)が含まれる。直鎖状低密度エチレンポリマーは、ASTM 1238、条件Iによって測定した0.850g/cmから0.940g/cmの密度及び0.01から100g/10分のメルトインデックスを有する。好ましくは、メルトインデックスは、0.1から50g/10分である。さらに、好ましくは、LLDPEは、3から18個の炭素原子、より好ましくは3から8個の炭素原子を有するエチレンと1つ又はそれ以上の他のα−オレフィンとの共重合体である。好ましいコモノマーには、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、及び1−オクテンが含まれる。
【0013】
超低密度(Ultra-low density)ポリエチレン及び超低密度(very low density)ポリエチレンは互換可能であることが公知である。これらのポリマーは、0.870g/cmから0.910g/cmの密度を有する。高密度エチレンポリマーは、一般に、0.941g/cmから0.965g/cmの密度を備えるホモポリマーである。
【0014】
均一に分岐した直鎖状エチレンポリマーには、均一LLDPEに含まれる。一様に分岐した/均一なポリマーは、コモノマーが所定の共重合体分子内にランダムに分布しているポリマーであり、このとき共重合体分子は、その共重合体内で類似のエチレン/コモノマー比を有する。
【0015】
均一に分岐した実質的直鎖状ポリマーには、(a)C−C20オレフィンのホモポリマー、例えばエチレン、プロピレン、及び4−メチル−1−ペンテン、(b)エチレンと、C−C20α−オレフィン、C−C20アセチレン性不飽和モノマー、C−C18ジオレフィン、もしくはモノマーの組み合わせのうちの少なくとも1つとの共重合体、及び(c)他の不飽和モノマーと組み合わせた、エチレンと、C−C20α−オレフィン、ジオレフィン、もしくはアセチレン性不飽和モノマーのうちの少なくとも1つとの共重合体が含まれる。これらのポリマーは、一般には0.850g/cmから0.970g/cmの密度を有する。好ましくは、密度は、0.85g/cmから0.955g/cm、より好ましくは0.850g/cmから0.920g/cmである。
【0016】
適切なエチレン/α−オレフィン共重合体には、
(a)1.7から3.5のMw/Mn、少なくとも1つの融点Tm(℃)、及び密度d(g/cm)を有しており、このときTm及びdの数値は関係、
Tm>−2002.9+4538.5(d)−2422.2(d)
に対応する共重合体;又は
(b)1.7から3.5のMw/Mnを有しており、融解熱ΔH(J/g)、及び最高DSCピークと最高CRYSTAFピークとの間の温度差と規定されたデルタ量ΔT(℃)を特徴としており、このときΔT及びΔHの数値は以下の関係、
ΔHが0より大きく130J/gまでの場合は、ΔT>−0.1299(ΔH)+62.81、
ΔHが130J/gより大きいは、ΔT≧48℃
を有しており、このときCRYSTAFピークは累積ポリマーの少なくとも5%を用いて決定され、5%未満のポリマーが同定可能なCRYSTAFピークを有する場合は、CRYSTAF温度は30℃である共重合体;又は
(c)エチレン/α−オレフィン共重合体の圧縮成形フィルムを用いて測定された300%の歪み及び1サイクルでの弾性回復率Re(%)を特徴とし、密度d(g/cm)を有しており、このときRe及びdの数値は、エチレン/α−オレフィン共重合体が実質的に架橋相を含んでいない場合は以下の関係、
Re>1481−1629(d)
を満たす共重合体;又は
(d)TREFを用いて分画される場合、40℃から130℃の間で溶出する分子画分を有しており、その画分が同一温度下で溶出する匹敵するランダムエチレン共重合体画分のコモノマーモル含量より少なくとも5%高いコモノマーモル含量を有することを特徴とし、このとき前記匹敵するランダムエチレン共重合体は同一コモノマー(単数又は複数)を有し、エチレン/α−オレフィン共重合体のものの(ポリマー全体に基づいて)10%以内のメルトインデックス、密度、及びコモノマーモル含量を有する共重合体;又は
(e)25℃での貯蔵弾性率G’(25℃)、及び100℃での貯蔵弾性率G’(100℃)を有するが、このときG’(25℃)対G’(100℃)の比は、1:1から9:1の範囲内にある共重合体が含まれる。
【0017】
その他の有用なエチレン/α−オレフィン共重合体は、
(a)TREFを用いて分画した場合に40℃から130℃で溶出する分子画分を有し、その分画は少なくとも0.5から1までのブロックインデックス及び1.3より大きい分子量分布、Mw/Mnを有することを特徴とする;又は
(b)ゼロより大きく1.0までの平均ブロックインデックス及び1.3より大きい分子量分布Mw/Mnを有する、可能性がある。
【0018】
本発明のエチレン/α−オレフィン/ジエン共重合体は、その中に重合されたエチレン、少なくとも1つのα−オレフィン(例えば、C−C20α−オレフィンモノマー)、及びジエン(例えば、C−C40ジエンモノマー)を有する。好ましくは、エチレンは、ASTM D−3900によって決定した場合に20質量%から90質量%の範囲内の量で存在する。
【0019】
α−オレフィンは、脂肪族もしくは芳香族化合物のいずれであってもよく、ビニル不飽和もしくは環状化合物、例えばスチレン、p−メチルスチレン、シクロブテン、シクロペンテン、ならびに5及び6位においてC−C20ヒドロカルビル基で置換されたノルボルネンを含むノルボルネンを含有していてよい。α−オレフィンは、好ましくはC−C20脂肪族化合物、好ましくはC−C16脂肪族化合物、及びより好ましくはC−C10脂肪族化合物である。
【0020】
好ましいエチレン性不飽和モノマーには、4−ビニルシクロヘキセン、ビニルシクロヘキサン、及びC−C10脂肪族α−オレフィン(詳細には、プロピレン、イソブチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン及び1−ドデセン)が含まれる。より好ましいC−C10脂肪族α−オレフィンは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン及び1−オクテンからなる群より選択され、より好ましくはプロピレンである。
【0021】
ジエンモノマーは、架橋のための硬化部位として従来、使用されている非共役ジオレフィンであってよい。非共役ジオレフィンは、C−C15直鎖状、分枝状又は環状炭化水素ジエンであってよい。例示的な非共役ジエンは、直鎖状非環式ジエン、例えば1,4−ヘキサジエン及び1,5−ヘプタジエン;分枝状非環式ジエン、例えば5−メチル−1,4−ヘキサジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエン、3,7−ジメチル−1,6−オクタジエン、3,7−ジメチル−1,7−オクタジエン、5,7−ジメチル−1,7−オクタジエン、1,9−デカジエン、及びジヒドロミルセンの混合異性体;単環非環式ジエン、例えば1,4−シクロヘキサジエン、1,5−シクロオクタジエン及び1,5−シクロドデカジエン;多環非環式縮合環及び架橋環ジエン、例えばテトラヒドロインデン、メチルテトラヒドロインデン;アルケニル、アルキリデン、シクロアルケニル及びシクロアルキリデンノルボルネン、例えば5−メチレン−2−ノルボルネン(MNB)、5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−プロペニル−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(4−シクロペンテニル)−2−ノルボルネン及び5−シクロヘキシリデン−2−ノルボルネンである。
【0022】
ジエンは、好ましくはENB、ジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンからなる群より選択される非共役ジエンであり、好ましくは、ENB、ジシクロペンタジエン及び1,4−ヘキサジエンであり、より好ましくはENB及びジシクロペンタジエン、及び一層より好ましくはENBである。最も好ましくは、ジエンがENBである場合は、ジエンは、ASTM D−6047によって測定した場合に0.3質量%から20質量%の範囲内の量で存在する。
【0023】
ジエンは、1,3−ペンタジエン、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、4−メチル−1,3−ペンタジエン、又は1,3−シクロペンタジエンからなる群より選択される共役ジエンであってよい。
【0024】
好ましくは、エチレン/α−オレフィン/ジエン共重合体は、1.1から5、より好ましくは1.2から4及び最も好ましくは1.5から3の分子量分布(Mw/Mn)を有する。全個別値及び1.1から5の部分範囲は、本明細書に含まれ、本明細書に開示されている。
【0025】
さらに、そのMooney粘度によって特徴付けた場合に、エチレン/α−オレフィン/ジエン共重合体は、好ましくは5から50、より好ましくは10から40、及び一層より好ましくは15から30のMooney粘度(125℃でML(1+4))(ASTM D1646−06(Alpha Technologies Rheometer MV 2000))を有する。全個別値及び5から50の部分範囲は、本明細書に含まれ、開示されている。ポリマーのMooney粘度は、任意の分配剤及び油が存在しない「純粋」ポリマーの粘度を意味する。
【0026】
本発明において有用なエチレン/スチレン共重合体には、オレフィンモノマー(すなわち、エチレン、プロピレン、もしくはα−オレフィンモノマー)をビニリデン芳香族モノマー、ヒンダード脂肪族ビニリデンモノマー、もしくは脂環式ビニリデンモノマーと重合させる工程によって調製された実質的にランダムな共重合体が含まれる。適切なオレフィンモノマーは、2から20個、好ましくは2から12個、より好ましくは2から8個の炭素原子を含有している。好ましいそのようなモノマーには、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、及び1−オクテンが含まれる。最も好ましいのは、エチレン及びエチレンとプロピレンもしくはC4−8α−オレフィンとの組み合わせである。任意で、エチレン/スチレン共重合体の重合成分は、エチレン性不飽和モノマー、例えば歪んだ環状(strained ring)オレフィンをさらに含むことができる。歪んだ環状オレフィンの例には、ノルボルネン及びC1−10アルキル置換又はC6−10アリール置換ノルボルネンが含まれる。
【0027】
本発明において有用なエチレン/不飽和エステルコポリマーは、従来型の高圧法によって調製できる。不飽和エステルは、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、又はビニルカルボキシレートであってよい。アルキル基は、1から8個の炭素原子を有してよく、好ましくは1から4個の炭素原子を有してよい。カルボキシレート基は、2から8個の炭素原子を有してよく、好ましくは2から5個の炭素原子を有してよい。エステルコモノマーに属するコポリマーの部分は、コポリマーの重量に基づいて5から50重量%の範囲内にあってよく、好ましくは15から40重量%の範囲内にある。アクリレート及びメタクリレートの例は、エチルアクリレート、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチルメタクリレート、及び2−エチルヘキシルアクリレートである。ビニルカルボキシレートの例は、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、及びビニルブタノエートである。エチレン/不飽和エステルコポリマーのメルトインデックスは、0.5から50g/10分の範囲内にあってよい。
【0028】
本発明において有用なハロゲン化エチレンポリマーには、フッ素化、塩素化、及び臭素化オレフィンポリマーが含まれる。ベースオレフィンポリマーは、2から18個の炭素原子を有するオレフィンのホモポリマー又は共重合体であってよい。好ましくは、オレフィンポリマーは、エチレンと4から8個の炭素原子を有するプロピレン又はα−オレフィンモノマーとの共重合体である。好ましいα−オレフィンコモノマーには、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、及び1−オクテンが含まれる。好ましくは、ハロゲン化オレフィンポリマーは、塩素化ポリエチレンである。
【0029】
本発明において有用なプロピレンポリマーの例には、プロピレンホモポリマー及びプロピレンとエチレンもしくは他の不飽和コモノマーとのコポリマーが含まれる。コポリマーには、さらにまたターポリマー、テトラポリマーなどが含まれる。典型的には、ポリプロピレンコポリマーは、少なくとも60重量%の量でプロピレンに由来する単位を含んでいる。好ましくは、プロピレンモノマーは、コポリマーの少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも80重量%である。
【0030】
本発明において適する天然ゴムには、イソプレンの高分子量ポリマーが含まれる。好ましくは、天然ゴムは、5,000の数平均重合度及び広範囲の分子量分布を有する。
【0031】
有用なスチレン/ブチレンゴムには、スチレン及びブタジエンのランダムコポリマーが含まれる。典型的には、これらのゴムは、フリーラジカル重合もしくはアニオン溶液重合によって製造される。本発明のスチレン/ブタジエン/スチレンブロックコポリマーは、相分離系である。本発明において有用なスチレン/エチレン/ブタジエン/スチレンコポリマーは、スチレン/ブタジエン/スチレンコポリマーの水素化から調製される。
【0032】
本発明において有用なポリブタジエンゴムは、好ましくは1,4−ブタジエンのホモポリマーである。好ましくは、本発明のブチルゴムは、イソブチレン及びイソプレンのコポリマーである。イソプレンは、典型的には1.0重量%から3.0重量%の量で使用される。
【0033】
本発明では、ポリシクロプロペンゴムは、一般には2−クロロ−1,3−ブタジエンのポリマーである。好ましくは、ゴムは、エマルジョン重合によって製造される。さらに、重合は、ポリマー内に架橋結合を組み込むために硫黄の存在下で発生し得る。
【0034】
好ましくは、本発明のニトリルゴムは、ブタジエン及びアクリロニトリルのランダムコポリマーである。
【0035】
その他の有用なフリーラジカル架橋可能なポリマーには、シリコーンゴム及びフルオロカーボンゴムが含まれる。シリコーンゴムには、式−Si−O−Si−O−のシロキサン骨格を備えるゴムが含まれる。本発明において有用なフルオロカーボンゴムには、フッ化ビニリデンとフリーラジカル架橋結合を許容するための硬化部位モノマーとのコポリマー又はターポリマーが含まれる。
【0036】
適切な官能化ニトロキシドは、ヒンダードアミン由来の安定性有機フリーラジカルであり、2,2,6,6,−テトラメチルピペリジニルオキシ(TEMPO)の誘導体を含んでいる。第1官能基は、ニトロキシドの置換基によって提供され、第2の相補性官能基へ反応性カップリングさせるために利用できる。好ましくは、ヒンダードアミン由来の安定性有機フリーラジカルは、ビス−TEMPO、オキソ−TEMPO、4−ヒドロキシ−TEMPO、4−ヒドロキシ−TEMPOのエステル、ポリマー結合TEMPO、PROXYL、DOXYL、ジ−第3級ブチルNオキシル、ジメチルジフェニルピロリジン−1−オキシル、4−ホスホノキシ−TEMPO、4−アミンTEMPO、4−イソシアネート−TEMPO、又は第1級ヒドロキシル基を含有するTEMPO誘導体である。
【0037】
好ましくは、官能化ニトロキシドは、0.05重量%から10.0重量%、より好ましくは0.1重量%から5.0重量%の量で存在する。一層より好ましくは、官能化ニトロキシドは、0.25重量%から2.0重量%で存在する。
【0038】
一般に、官能化ニトロキシドは、フリーラジカル誘導種、例えば有機ペルオキシド及びアゾフリーラジカル開始剤また電子線などの放射線を使用することによって、官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーを形成するために以前に記載されたポリマーへグラフト化される。有機ペルオキシドは、直接注入によって加えることができる。これらのフリーラジカル誘導種は、他のフリーラジカル開始剤、例えばビクメン(bicumene)、酸素、及び空気などと組み合わせて使用できる。酸素富裕環境は、さらにまた有用なフリーラジカルを開始することができる。有用な有機ペルオキシドの例には、ジ−(2−t−ブチルペルオキシ−イソプロピル)ベンゼン、ジクミルペルオキシド、t−ブチルペルオキシ安息香酸塩、1,1−ジ(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、及び2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサンが含まれる。有機ペルオキシドを選択した場合は、関連活性化熱は特定の製品もしくはその製造のためのペルオキシドの適合性に影響を及ぼす可能性があるので、関連活性化熱を考慮に入れなければならない。
【0039】
好ましくは、フリーラジカル誘導種は、0.05重量%から10.0重量%、より好ましくは0.1重量%から5.0重量%の量で存在する。一層より好ましくは、フリーラジカル誘導種は、0.20重量%から2.0重量%の量で存在する。
【0040】
有機ペルオキシドの代替法として、電子線放射、UV放射、又は温度を使用して官能化ニトロキシドをポリマー上にグラフト化させるために必要なフリーラジカルを生成することができる。
【0041】
好ましくは、官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーは、低剪断速度及び長い滞留時間の条件下で調製されるので、得られる製品は所望レベルの接着を達成できるが、これらのパラメーターは望ましくない特徴、例えば早期架橋結合と平衡が保たれなければならない。
【0042】
その組成物が官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーを含む要素(a)であると同定された製品を製造するための組成物は、さらに発泡形にある製品を産生するための発泡剤をさらに含んでいてよい。発泡剤は、化学的もしくは物理的発泡剤であってよい。好ましくは、発泡剤は、化学的発泡剤である。有用な化学的発泡剤の例は、アゾジカルボンアミドである。好ましくは、発泡剤が化学的発泡剤である場合は、化学的発泡剤は0.05から6.0phrの量で存在する。より好ましくは、化学的発泡剤は0.5から5.0phr、一層より好ましくは1.5から3.0phrで存在する。
【0043】
さらに、有機ペルオキシドもしくはフリーラジカル誘導種は、官能化ニトロキシド−グラフト化ポリオレフィンの架橋結合を達成するために第2量又は過剰量で加えられてよい。
【0044】
その組成物が官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーを含む要素(a)であると同定された製品を製造するための組成物は、さらに生成された製品を架橋結合させるのに役立つ硬化ブースターもしくは架橋助剤をさらに含んでいてよい。有用な硬化ブースターには、ポリビニル系物質及び所定のモノビニル物質、例えばαメチルスチレンダイマー、アリルペンタエリトリトール(もしくはペンタエリトリトールトリアクリレート)、TAC、TAIC、4−アリル−2−メトキシフェニルアリルエーテル、及び1,3−ジ−イソプロペニルベンゼンなどが含まれる。その他の有用な硬化ブースターには、以下の化学構造を有する化合物が含まれる。
【化1】

【0045】
本組成物が硬化ブースターを含有する場合は、硬化ブースターは、好ましくは5.0phr未満の量で存在する。より好ましくは、硬化ブースターは、0.1から4.0phr、一層より好ましくは0.2から3.0phrで存在する。
【0046】
官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーの前記第1官能基と反応性カップリングできる第2官能基を有する官能化カップリング剤を含む接着剤には、様々な接着剤が含まれる。顕著な例には、第1官能基がヒドロキシルもしくはアミノ基である場合は、イソシアネートベースの接着剤が含まれる。
【0047】
積層材料は、様々な基質であってよい。適切な例には、極性及び非極性材料、例えば塗料、コーティング剤、フィルム、レザー(天然及び合成)、ガラス、繊維(天然及び合成)、複合木材、充填基質、工学的熱可塑性プラスチック、熱可塑性エラストマー、熱可塑性加硫物、ナノ複合物、強化セメント、コード織物、及び不織布が含まれる。
【0048】
コード織物に関して、それはポリエチレンテレフタレート(PET)から調製できる。ポリエステルは、接着剤、例えばレゾルシノール、ホルムアルデヒド及びビニルピリジンラテックスを含む接着剤組成物を用いてさらに処理できる。有用なラテックス調製物の例には、スチレン−ブタジエンゴム、アクリレート樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、ネオプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、及びニトリルもしくは水素化ニトリルゴムのエマルジョンが含まれる。好ましい実施形態では、接着剤は、ラテックスを含んでいる。より好ましくは、接着剤は、レゾルシノール及びホルムアルデヒドをさらに含んでいる。一層より好ましくは、ラテックスは、ビニルピリジンラテックスである。
【0049】
注目すべきことに、基質もしくは積層材料は、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アラミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、アクリル樹脂、ガラス、綿、炭素繊維、又はそれらの組み合わせから形成された少なくとも1つの成分を含むことができる。
【0050】
製品、接着剤、及び積層材料を考慮に入れると、製品及び積層材料を接着する条件の選択は接着の質に影響を及ぼす可能性がある。したがって、例えば第1官能基、接着剤、及び第2官能基などの因子に基づいて接着のための活性化熱を管理することが望ましい。
【0051】
本発明の有用な製品には、靴の外底及び中底、塗料、オーバーモールド製品、気密用充填材、ガスケット、形材、耐久消費財、タイヤ、建設用パネル、レジャー・スポーツ製品用フォーム材、エネルギー管理用フォーム材、音響管理用フォーム材、絶縁用フォーム材、その他のフォーム材、自動車部品(バンパーフェーシア、垂直板、軟質熱可塑性ポリオレフィン皮膜、及び内装品を含む)、玩具、裏付フィルム(単層フィルム及び共押出フィルムを含む)、合わせガラス、レザー製品(合成及び天然)、パーソナルヘルスケア製品及び衛生製品、その他の金属積層板、複合木材、自動車用ベルト、ホース、チューブ、コンベヤーベルト、フットウエア、スポーツ用品、及び充填製品が含まれる。
【0052】
次に、本実施形態を、ポリマーの架橋結合を促進することとは別に、官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーの調製を企図することによって記載する。ポリマーの架橋結合中のin−situグラフト化は、本発明の範囲内で考慮されることを留意されたい。この同時グラフト化及び架橋結合は、プロセスの工程の排除を可能にすると考えられ、プロセスの効率を改善することができる。
【0053】
また別の代替実施形態では、本発明は、(a)官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーを含むニトロキシド含有ポリマー組成物から形成された製品であって、前記官能基は前記ニトロキシドに共有結合した、第2の相補的官能基へ反応性カップリングさせるために利用できる第1官能基である製品と;(b)前記官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーの前記第1官能基と反応性カップリングできる第2の相補性官能基を有する有機ポリマーを含むオーバーモールドポリマーマトリックスと、から製造された構造製品である。第1実施形態を用いて上述した製品は、この代替実施形態に使用するために同等に適合する。
【0054】
有機ポリマーは、様々な有機ポリマーの官能化誘導体であってよい。それらの有機ポリマーには、以前に記載された炭化水素ベースのポリマーが含まれ、エチレン/プロピレン/ジエンモノマー、エチレン/プロピレンゴム、エチレン/α−オレフィンコポリマー、エチレンホモポリマー、プロピレンホモポリマー、エチレン/不飽和エステルコポリマー、エチレン/スチレン共重合体、ハロゲン化エチレンポリマー、プロピレンコポリマー、天然ゴム、スチレン/ブタジエンゴム、スチレン/ブタジエン/スチレンブロックコポリマー、スチレン/エチレン/ブタジエン/スチレンコポリマー、ポリブタジエンゴム、ブチルゴム、クロロプレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレンゴム、エチレン/ジエンコポリマー、及びニトリルゴム、ならびにそれらのブレンドなどを含んでいる。
【0055】
その他の有用な官能化有機ポリマーには、第1官能基に依存して、ポリオール、ポリイソシアネート、ポリアミン、及びその他が含まれる。
【0056】
本製品及びオーバーモールドポリマーマトリックスを考慮に入れると、製品及びオーバーモールドポリマーマトリックスを反応性カップリングさせるための条件の選択はカップリング結合の質に影響を及ぼす可能性がある。したがって、例えば第1官能基及び第2官能基などの因子に基づいて反応性カップリングのための活性化熱を管理することが望ましい。
【0057】
さらにまた別の実施形態では、本発明は、(a)官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーを含むニトロキシド含有ポリマー組成物を使用して構造製品を形成する工程であって、前記官能基は前記ニトロキシドに共有結合した、第2の相補的官能基へ反応性カップリングさせるために利用できる第1官能基である工程と;(b)前記形成された製品へ接着結合させるための積層材料を選択する工程と;(c)(1)前記形成された構造製品もしくは(2)前記積層材料の所望の結合表面に接着剤を適用する工程であって、前記接着剤は前記第1官能基と反応性カップリングできる第2官能基を有する官能化カップリング剤を含む工程と;(d)前記接着剤が前記製品及び前記積層材料を相互に付着させるように前記構造製品及び前記積層材料を近づけて配置する工程と;(e)前記積層材料を前記製品へ接着結合させるために前記接着剤の第2官能基を前記官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーの第1官能基と反応性カップリングさせる工程と、を含む積層構造製品を製造するための方法であってよい。
【0058】
また別の実施形態では、本発明は、(a)官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーを含むニトロキシド含有ポリマー組成物を使用して構造製品を形成する工程であって、前記官能基は前記ニトロキシドに共有結合した、第2の相補的官能基へ反応性カップリングさせるために利用できる第1官能基である工程と;(b)前記形成された製品へ接着結合させるためのコーティング材料を選択する工程と;(c)前記形成された構造製品の所望の結合表面に接着剤を適用する工程であって、前記接着剤は前記第1官能基と反応性カップリングできる第2官能基を有する官能化カップリング剤を含む工程と;(d)工程(c)において前記接着剤が適用されている前記製品の表面に前記コーティング材料を適用する工程と;(e)前記コーティングを前記形成された製品へ接着結合させるために前記接着剤の第2官能基を前記官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーの第1官能基と反応性カップリングさせる工程と、を含むコーティングされた構造製品を製造するための方法である。
【0059】
この実施形態では、コーティング材料は、製品へ接着させるために望ましい任意の材料であってよい。適切な例には、塗料、被覆剤、及び絶縁材料が含まれる。コーティングは、第1、第2、又は両方の官能基と反応性カップリングさせるために適切な官能基を含有していてよい。
【0060】
また別の実施形態では、本発明は、(a)官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーを含むニトロキシド含有ポリマー組成物を使用して構造製品を形成する工程であって、前記官能基は前記ニトロキシドに共有結合した、第2の相補的官能基へ反応性カップリングさせるために利用できる第1官能基である工程と;(b)前記官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーの前記第1官能基と反応性カップリングできる第2の相補性官能基を有する有機ポリマーを含むオーバーモールドポリマーマトリックスを選択する工程と;(c)前記形成された構造製品の所望の結合表面へオーバーモールドポリマーマトリックスを適用する工程と;(d)前記オーバーモールドポリマーマトリックスを前記製品へ結合させるために前記オーバーモールドポリマーマトリックスの第2官能基を前記官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーの第1官能基と反応性カップリングさせる工程と、を含むオーバーモールドされた構造製品を製造するための方法である。
【0061】
さらにまた別の実施形態では、本発明は、ポリマー、有機ペルオキシド、及び官能化ニトロキシドから作製された、もしくはそれらを含有するポリマーマトリックス内の成分の接着を通して積層材料に接着結合された製品から形成された構造製品である。この実施形態では、ポリマーマトリックスは、製品を形成するために使用される。上述したポリマー、有機ペルオキシド、及び官能化ニトロキシドは、この実施形態において有用である。
【0062】
詳細には、この実施形態の本発明は、(a)ポリマー、有機ペルオキシド、及び官能化ニトロキシドから製造されたもしくはそれらを含有するポリマーマトリックスから形成された製品であって、前記官能基は前記ニトロキシドに共有結合した、第2の相補的官能基へ反応性カップリングさせるために利用できる第1官能基である製品と;(b)前記第1官能基と反応性カップリングできる第2官能基を有する官能化カップリング剤を含む接着剤と;(c)前記接着剤の前記第2官能基と前記ポリマーマトリックスの第1官能基とを反応性カップリングさせる工程により前記形成された製品に接着結合された積層材料と、から製造された構造製品である。又は、この実施形態は、(a)ポリマー、有機ペルオキシド、及び官能化ニトロキシドから製造されたもしくはそれらを含有するポリマーマトリックスから形成された製品であって、前記官能基は前記ニトロキシドに共有結合した、第2の相補的官能基へ反応性カップリングさせるために利用できる第1官能基である製品と;(b)前記官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーの前記第1官能基と反応性カップリングできる第2の相補性官能基を有する有機ポリマーを含むオーバーモールドポリマーマトリックスと、から製造された構造製品を含んでいる。
【0063】
好ましい実施形態では、官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーは、エチレン/α−オレフィン/ジエン共重合体の官能化誘導体である。ここで、官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーは、90から99.8重量%のエチレン/α−オレフィン/ジエン共重合体;0.1から10重量%の官能化ニトロキシド;及び0.1から10重量%の有機ペルオキシドを含む組成物から調製される。より好ましくは、エチレン/α−オレフィン/ジエン共重合体は、94から97重量%の量で存在する。さらに、より好ましくは、エチレン/α−オレフィン/ジエン共重合体はEPDMである。この好ましい実施形態では、官能化ニトロキシドは、好ましくは0.5から5重量%の量で存在する。この実施形態のために好ましい官能化ニトロキシドは、4−ヒドロキシ−TEMPOである。この実施形態では、有機ペルオキシドは、好ましくは0.5から3重量%の量で存在する。
【実施例】
【0064】
以下の非限定的実施例は、本発明を例示する。
【0065】
実施例1及び比較例2
官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーは、Affinity EG8200エチレン/1−オクテンコポリマー、4−ヒドロキシ−TEMPO、及びPerkadox 1440(商標)ジ(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンから調製した。エチレン/1−オクテンコポリマーは、5.0デシグラム/分のメルトインデックス及び0.87g/cmの密度を有しており、The Dow Chemical Company社から入手できた。4−ヒドロキシ−TEMPOは、A.H. Marks社から市販で入手できた。Perkadox 1440(商標)ジ(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンは、エチレン/1−オクテンコポリマー上への4−ヒドロキシ−TEMPOのフリーラジカルグラフト化を開始させるために使用したペルオキシドであった。Perkadox 1440(商標)ジ(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンは、175℃の公称熱分解温度(そのペルオキシドの90%が12分間で分解される温度)及び140℃で94分間の半減期を有していた。これは、Akzo Nobel Chemicals BV社から市販で入手できた。
【0066】
官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーは、マスターバッチを提供するために130℃で5重量%(「pbw」)の4−ヒドロキシ−TEMPO、10pbwのPerkadox 1440(商標)ジ(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、及び85pbwのAffinity EG8200エチレン/1−オクテンコポリマーの乾燥ブレンドを供給することによって実験室用2軸押出し機(Polylab)内で調製した。マスターバッチは、1pbwの4−ヒドロキシ−TEMPO及び2pbwのPerkadox 1440(商標)ジ(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンを含有する組成物へ130℃での第2ランにおいて追加のエチレン/1−オクテンコポリマーで希釈した。
【0067】
得られた組成物は、2kg/時及び150rpmの供給速度で温度を180℃へ上昇させることによってPolylab内で反応させた。得られた官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマー(実施例1)は、ペレット化し、その後の試験のために適切なプラークにさせるために120℃で圧縮成形した。
【0068】
実施例1の官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーは、ポリエステル繊維へのポリウレタン系接着剤を使用した接着について評価した。例示した試験片は、フーリエ変換赤外分光(「FTIR」)によって決定した0.138重量%のレベルでのグラフト化を示した。実施例1は、DIN 53357Aによって測定した5.738N/mmの接着を示した。比較試験片(比較例2)は、それを官能化ニトロキシドを用いてグラフト化しなかったこと以外は、同一コポリマーを用いて調製した。比較例2は、接着を全く示さなかった。
【0069】
溶剤系接着:実施例3から5、8から10、及び比較例6、7、及び11
試験片は、The Dow Chemical Company社から入手できるエチレンポリマーから製造された官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーから調製した:(1)Affinity EG8200及び(2)Affinity PF 1140G。Affinity PF 1140Gポリエチレンは、1.6デシグラム/分のメルトインデックス及び0.897g/cmの密度を有していた。官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーは、上述した実施例1に関して記載した方法と同一方法を用いて調製した。基礎にある基質は、レザーストリップであった。
【0070】
比較例は、エチレンポリマーではなくポリマーとして、Pellethane 2355−80AE熱可塑性ポリウレタン(The Dow Chemical Company社から入手できた)から作製した熱可塑性ポリウレタンシートを使用した。
【表1】

【表2】

【0071】
レザーの引裂き面は、繊維を一様化かつ短縮させるためにサンドペーパー回転円板機を用いて研磨した。ポリマー表面は、グレード60のサンドペーパーを用いて研磨かつ粗面化し、引き続いてトルエンを用いてきれいに拭った。
【0072】
プライマーAは、ポリマー基質へブラシを用いて2回、そしてレザーへはレザーを湿らせるようにピペットを用いて適用した。ポリマー基質は、次に10分間、<50℃のオーブン内で乾燥させた。レザーサンプルは、それらが乾燥するまでのみ<50℃で乾燥させる。
【0073】
基質を冷却させた後、接着剤Bを両方の基質上にブラシで適用した。Affinity EG 8200ポリマー基質は、90℃で5分間、加熱し、Affinity PF 1140 Gポリマー基質は115から120℃で加熱し、レザー基質は90℃で1分間だけ加熱した。熱可塑性ポリウレタンシートは、5分間、115℃でオーブン内で加熱した。基質は、しっかりと接触させるために相互に押しつけた。最後に、それらを1分間、20℃及び10barで、ホットプレス内で厚さ10cmの2枚のフォーム材の間で圧縮した。サンプルは、硬化させるために少なくとも一晩放置した。
【0074】
層間剥離及び接着力は、各々、10kNロードセルを備えるZwick引張試験機Z010型上で測定した。試験速度は100mm/分であり、切断試験片ストリップは15×100mmであった。
【表3】

【表4】

【0075】
水性接着:実施例12〜13
試験片は、Affinity EG8200から入手できるエチレンポリマーから製造された官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーから調製した。官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーは、上述した実施例1に関して記載した方法と同一方法を用いて調製した。基礎にある基質は、レザーストリップであった。
【表5】

【0076】
ポリマーの表面を研磨し、トルエンで洗浄した。レザーは研磨した。ポリマー表面はブラシを用いて薄層のポリイソシアネート−ジオールプレポリマーでプライミングし、40分間、75℃で乾燥させた。接着剤Cをレザー表面上及びポリマー表面上にブラシで塗布し、ポリマー及びレザーの両方を40℃で1時間、乾燥させた。両方をオーブンから取り出し、オーブンを90℃まで加熱し、ポリマー及びレザーは90℃で1.5分間、活性化した。それらは軽度にハンマーリングしながら一緒に推し進め、20℃及び10barで1分間、ホットプレス内で圧縮した。
【0077】
層間剥離及び接着力は、各々、10kNロードセルを備えるZwick引張試験機Z010モデル上で測定した。試験速度は100mm/分であり、切断試験片ストリップは15×100mmであった。
【表6】

【0078】
オーバーモールディング:実施例14〜15及び比較例16
ジオール及びイソシアネートの反応混合物を官能化材料の表面に適用した。イソシアネートは1官能基当たり1.0もしくは1.1の比率(過剰のイソシアネート)でジオールと混合し、各官能化材料の上方に手製の型内に注入した。
【0079】
官能化材料のサンプルは、ポリイソシアネート−ジオールプレポリマーでプライミングした。ポリイソシアネート−ジオールプレポリマーは室温で適用し、ポリマーは40分間、70℃のオーブン内で保持した。冷却させたサンプルを次にオーバーモールディングした。接着は有意であったが、界面は手では分離できなかった。未処理ポリオレフィンを備えるサンプルは、手でポリウレタンから分離することができた。
【表7】

【0080】
官能化ニトロキシド−グラフト化エチレン/プロピレン/ジエンターポリマー:実施例17及び18及び比較例19
実施例17及び18は、以下の成分及び比率から調製した。EPDMは、130,000の分子量、0.88の密度、70%のエチレン含量、0.6%及び125℃で測定したMooney粘度(ML1+4)20の5−エチリデン−2−ノルボルネン(ENB)含量を有していた。これは商標名NORDEL(商標)を付してThe Dow Chemical Company社から市販で入手できた。4−ヒドロキシ−TEMPOは、A.H. Marks社から市販で入手できた。ジクミルペルオキシドは、Atofina/Arkema(Luperox(商標)DCSC)から市販で入手できた。
【表8】

【0081】
実施例17の成分は乾性ブレンド法に適用したが、これは10分間、100℃でHaakeミキサー内で自動でEPDMを混合する工程を含んでいた。次に、上記の乾燥ブレンドをミキサー内に加え、次に得られた組成物を10分間、混合した。混合中、ミキサー温度を180℃へ上昇させ、この温度を10分間の混合期間に渡り維持した。組成物を取り出し、次に充填剤、油及び添加物と混合するために2本ロールミル内に配置した。
【0082】
実施例18の成分を添加法に適用して、樹脂を溶解させるために10分間、120℃のHaakeミキサー内で、自動でEPDMを混合する工程を含んでいた。次に、4−ヒドロキシ−TEMPOをミキサー内に加え、組成物を10分間、混合した。次に、DCPをミキサー内に加え、さらに10分間、組成物を混合した。ミキサー温度を180℃へ上昇させ、この温度を10分間、維持した。組成物を取り出し、次に充填剤、油及び添加物と混合するために2本ロールミル(Well Shyang Machinery社、モデルSYM−8−18)内に配置した。
【0083】
実施例17及び18及び比較例19についての最終調製物は、以下に示した。各量の単位はgである。
【0084】
カーボンブラックは、42.5g/kgのヨウ素吸収を有し、DC Chemical社から市販で入手できるN550カーボンブラックであった。Sunflex 2280は312℃の引火点を有し、Japan Sun Oil社から市販で入手できた。ジンクオキシド(white sealグレード)はUS Zinc社から市販で入手できた。Sartomer SR−350トリメチロールプロパントリメタクリレートは、Sartomer Company社から入手できた。
【表9】

【0085】
上記で考察したように、化合物の調製物は、シート混合物を形成するためにフロントロール内で20rpmの速度、及びリアロール内で16rpmの速度で、20から30分間、50から60℃の温度で2本ロールミルを用いて混合した。生成したシートは、24時間、冷却した。
【0086】
シート混合物を結合し、架橋結合EPDMゴム及び結合コードを形成するために圧縮成形サイクルを使用して、ポリエステルコード(レゾルシノールホルムアルデヒドラテックス処理ポリエステルコード)を用いて硬化させた。各シート混合物(2から3g)は、成形用のサンプルを提供するためにコード織物の「4cm×4cm」の上方に配置した。このサンプルは、圧縮成形サンプルを形成するために、2から3分間、180℃の温度、及び700psi(4.83MPa)の圧力で圧縮成形した。成形したサンプルは周囲温度へ冷却させ、周囲温度で24時間、維持した。
【0087】
加硫処理していない各組成物の硬化特性は、ASTM D5289−95によって180℃で30分間、移動式ダイ流量計(MDR)を用いて測定した。加硫処理した組成物の試験片の特性は、表5に規定した試験方法によって測定した。
【0088】
結合/剥離強度は、30mmの分離長さを提供するためにシート混合物をコードから剥離することによって測定した。Zwick万能試験機(Z010型)を使用して、圧縮サンプルを下記のように2つのつかみ内に配置した。剥離させたシートを上方つかみに配置し、繊維コードは下方つかみに配置した。上方つかみを移動させ,その間に下方つかみは静止したままにした。125mm/分の試験機速度で、つかみ間の距離が125mm(この距離はつかみ間の25mmの初期分離距離を含んでいた)に達するまでシートをコードから引張った。シートをコードから引張るために要した最大力及び平均力を記録した。
【表10】

【0089】
実施例17及び18では、共重合体において凝集破壊が発生したが、これはEPDM及びPET織物間の層間接着が共重合体における分子接着より強力であることを示していた。これとは対照的に、比較例19は、シート−織物界面で破壊したが、これは共重合体と織物間の接着が相当に不良であることを示していた。これは、4−ヒドロキシ−TEMPOを用いてグラフト化されたEPDMの剥離強度が、ベースの樹脂EPDMより有意に、そして驚くほど優れていることを証明している。
【0090】
官能化ニトロキシド−グラフト化EPDM(直接配合):実施例20
実施例20は、以下の成分及び比率から調製した。4−ヒドロキシ−TEMPOは、ポリマーのin−situグラフト化及び架橋結合を発生させるために、配合工程(2本ロールミル)中に加えた。
【表11】

【0091】
実施例20の試験片は、実施例17及び18ならびに比較例19に記載したように調製した。試験もまた、同一方法で実施した。硬化、機械的、及び接着特性は、表6に報告した。
【表12】

【0092】
表6は、剥離試験が実施例20に規定した条件下では実施できなかったことを示している。これは、グラフト化かつ架橋されたEPDMとレゾルシノールホルムアルデヒドラテックス処理ポリエステルコードとの間の極めて強力な接着を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーを含むニトロキシド含有ポリマー組成物から形成された製品であって、前記官能基は前記ニトロキシドに共有結合した、第2の相補的官能基へ反応性カップリングさせるために利用できる第1官能基である製品と;
(b)前記第1官能基と反応性カップリングできる第2官能基を有する官能化カップリング剤を含む接着剤と;
(c)前記接着剤の前記第2官能基と前記官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーの前記第1官能基とを反応性カップリングさせる工程により前記生成された製品に接着結合された積層材料と、から製造された構造製品。
【請求項2】
(a)官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーを含むニトロキシド含有ポリマー組成物から形成された製品であって、前記官能基は前記ニトロキシドに共有結合した、第2の相補的官能基へ反応性カップリングさせるために利用できる第1官能基である製品と;
(b)前記官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーの前記第1官能基と反応性カップリングできる第2の相補性官能基を有する有機ポリマーを含むオーバーモールドポリマーマトリックスと、から製造された構造製品。
【請求項3】
前記ポリマー組成物のニトロキシド−グラフト化ポリマーは、ポリオレフィン又はそのブレンドである、請求項1又は2に記載の構造製品。
【請求項4】
前記ニトロキシド−グラフト化ポリマーは、非極性である、請求項3に記載のポリマー組成物。
【請求項5】
前記反応性カップリングした結合は、ウレタン結合である、請求項1又は2に記載の構造製品。
【請求項6】
前記第1官能基は、ヒドロキシル基又はイソシアネート基である、請求項5に記載の構造製品。
【請求項7】
前記官能化ニトロキシドは、4−ヒドロキシ−TEMPO、4−アミノ−TEMPO、4−イソシアネート−TEMPO、及び第1級ヒドロキシル基を含有するTEMPO誘導体からなる群より選択される、請求項1又は2に記載の構造製品。
【請求項8】
前記ニトロキシド含有ポリマー組成物は、発泡剤をさらに含む、請求項1又は2に記載の構造製品。
【請求項9】
前記積層材料は、前記形成された製品へ接着させるための第1表面を有し、前記第1表面は極性である、請求項1に記載の構造製品。
【請求項10】
前記積層材料は、天然基質、極性基質、塗料、コーティング剤、フィルム、繊維、複合物、及び金属基質からなる群より選択される、請求項1に記載の構造製品。
【請求項11】
積層構造製品を製造するための方法であって、
(a)官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーを含むニトロキシド含有ポリマー組成物を使用して構造製品を形成する工程であって、前記官能基は前記ニトロキシドに共有結合した、第2の相補的官能基へ反応性カップリングさせるために利用できる第1官能基である工程と;
(b)前記形成された製品へ接着結合させるための積層材料を選択する工程と;
(c)任意で、(1)前記形成された構造製品もしくは(2)前記積層材料の所望の結合表面へプライマーを適用する工程と;
(d)(1)前記形成された構造製品もしくは(2)前記積層材料の所望の結合表面に接着剤を適用する工程であって、前記接着剤は前記第1官能基と反応性カップリングできる第2官能基を有する官能化カップリング剤を含む工程と;
(e)前記接着剤が前記製品及び前記積層材料を相互に付着させるように前記構造製品及び前記積層材料を近づけて配置する工程と;
(f)前記積層材料を前記製品へ接着結合させるために前記接着剤の第2官能基を前記官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーの第1官能基と反応性カップリングさせる工程と、を含む方法。
【請求項12】
コーティングされた構造製品を製造するための方法であって、
(a)官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーを含むニトロキシド含有ポリマー組成物を使用して構造製品を形成する工程であって、前記官能基は前記ニトロキシドに共有結合した、第2の相補的官能基へ反応性カップリングさせるために利用できる第1官能基である工程と;
(b)前記形成された製品へ接着結合させるためのコーティング材料を選択する工程と;
(c)任意で、前記形成された構造製品の所望の結合表面へプライマーを適用する工程と;
(d)前記形成された構造製品の所望の結合表面に接着剤を適用する工程であって、前記接着剤は前記第1官能基と反応性カップリングできる第2官能基を有する官能化カップリング剤を含む工程と;
(e)工程(c)において前記接着剤が適用されている前記製品の表面に前記コーティング材料を適用する工程と;
(f)前記コーティングを前記形成された製品へ接着結合させるために前記接着剤の前記第2官能基を前記官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーの前記第1官能基と反応性カップリングさせる工程と、を含む方法。
【請求項13】
オーバーモールド構造製品を製造するための方法であって、
(a)官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーを含むニトロキシド含有ポリマー組成物を使用して構造製品を形成する工程であって、前記官能基は前記ニトロキシドに共有結合した、第2の相補的官能基へ反応性カップリングさせるために利用できる第1官能基である工程と;
(b)前記官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーの前記第1官能基と反応性カップリングできる第2の相補性官能基を有する有機ポリマーを含むオーバーモールドポリマーマトリックスを選択する工程と、
(c)前記形成された構造製品の所望の結合表面へオーバーモールドポリマーマトリックスを適用する工程と;
(d)前記オーバーモールドポリマーマトリックスを前記製品へ結合させるために前記オーバーモールドポリマーマトリックスの前記第2官能基を前記官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーの前記第1官能基と反応性カップリングさせる工程と、を含む方法。
【請求項14】
a. ポリマー、有機ペルオキシド、及び官能化ニトロキシドから製造されたポリマーマトリックスから形成された製品であって、前記官能基は前記ニトロキシドに共有結合した、第2の相補的官能基へ反応性カップリングさせるために利用できる第1官能基である製品と;
b. 前記第1官能基と反応性カップリングできる第2官能基を有する官能化カップリング剤を含む接着剤と;
c. 前記接着剤の前記第2官能基と前記ポリマーマトリックスの第1官能基とを反応性カップリングさせる工程により前記形成された製品に接着結合された積層材料と、から製造された構造製品。
【請求項15】
(a)ポリマー、有機ペルオキシド、及び官能化ニトロキシドから製造されたもしくはポリマー、有機ペルオキシド、及び官能化ニトロキシドを含有するポリマーマトリックスから形成された製品であって、前記官能基は前記ニトロキシドに共有結合した、第2の相補的官能基へ反応性カップリングさせるために利用できる第1官能基である製品と;
(b)前記官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーの第1官能基と反応性カップリングできる第2の相補性官能基を有する有機ポリマーを含むオーバーモールドポリマーマトリックスと、から製造された構造製品。
【請求項16】
前記官能化ニトロキシド−グラフト化ポリマーは、官能化ニトロキシド−グラフト化エチレン/α−オレフィン/ジエン共重合体である、請求項1に記載の製品。
【請求項17】
前記積層材料は、ポリエステルを含む組成物から形成された少なくとも1つの成分を含む、請求項16に記載の製品。
【請求項18】
前記積層材料は、接着剤でコーティングされており、ポリエステルを含む組成物から形成された少なくとも1つの成分を含む、請求項16に記載の製品。
【請求項19】
前記接着剤は、ラテックスを含む、請求項17又は18に記載の製品。
【請求項20】
前記接着剤は、レゾルシノール及びホルムアルデヒドをさらに含む、請求項19に記載の製品。
【請求項21】
前記ラテックスは、ビニルピリジンラテックスである、請求項20に記載の製品。
【請求項22】
前記官能化ニトロキシド−グラフト化エチレン/α−オレフィン/ジエン共重合体は、架橋している、請求項20に記載の製品。
【請求項23】
請求項22に記載の製品から形成された少なくとも1つの成分を含むベルト。
【請求項24】
請求項22に記載の製品から形成された少なくとも1つの成分を含むホース又はチューブ。
【請求項25】
請求項22に記載の製品から形成された少なくとも1つの成分を含む織物コード。

【公表番号】特表2010−506751(P2010−506751A)
【公表日】平成22年3月4日(2010.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−532535(P2009−532535)
【出願日】平成19年10月9日(2007.10.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/080812
【国際公開番号】WO2008/048824
【国際公開日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(502141050)ダウ グローバル テクノロジーズ インコーポレイティド (1,383)
【Fターム(参考)】