説明

反応性希釈剤中におけるポリマー粒子の非水分散体

本発明は、反応性希釈剤中に有機ポリマー粒子を含む非水分散体に関する。前記非水分散体は、少なくとも1つのモノマーを反応性希釈剤中で重合して有機ポリマー粒子を形成することにより得られる。反応性希釈剤は、モノマーに対して直交型反応性を示すため前記重合に関与しないが、後に行われる標的化された重合を許容する官能性を有する。使用される有機ポリマー粒子又は反応性希釈剤に依存して、幅広い応用プロファイルを有する多面的な応用において非水分散体を使用することができる。前記非水分散体を製造するため、撹拌タンク反応器内において反応性希釈剤の存在下で少なくとも1つのモノマーを重合させることが特に好適である。この変換は撹拌速度が少なくとも2m/sで行われ、容器直径に対する攪拌機直径の比率は0.3〜0.80に設定され、攪拌機から容器床までの距離は攪拌機直径の0.25〜0.5倍に設定される。本発明は、特に衝撃強度変更剤として、特にフィルムにおいて、及び接着剤、鋳造樹脂、又は塗料として、多面的な有利な応用を提供する。特に有利な応用は、成形部品又はポリマー半製品の製造である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、反応性希釈剤中に有機ポリマー粒子を含む非水分散体、その製造方法、及びその使用に関する。
反応性希釈剤中に有機ポリマー粒子を含む非水分散体は、従来の技術に記載されている。本明細書中では、特に、本発明と関連するEP 1 910 436 B1を参照する。具体的には、EP 1 910 436 B1では、反応性希釈剤中にポリウレタン(メタ)アクリレート粒子を含む透明の非水分散体が請求項に記載されている。この透明の非水分散体は、少なくとも1つのポリオール及び求核的に官能化された(メタ)アクリル酸エステルを用いて、反応性希釈剤中でポリイソシアネートを変換することにより得ることができる。この透明の非水分散体の具体的な特性は、ポリウレタン(メタ)アクリレート粒子の平均径が40nm未満であることである。
【0002】
上述のポリウレタン(メタ)アクリレート粒子を含む透明の非水分散体の有利な製造方法も、EP 1 910 436 B1に記載されている。本明細書では、少なくとも1つのポリオール及び求核的に官能化された(メタ)アクリル酸エステルを用いて反応性希釈剤中でポリイソシアネートを変換する。この変換は、撹拌タンク反応器内で行われる。ここでは、ポリイソシアネートの変換が、周囲撹拌機速度が少なくとも5m/s、容器直径に対する撹拌機直径の比率が0.3〜0.8、及び容器ベースからの撹拌機の距離が撹拌機直径の0.25〜0.5倍で行われることが重要である。
【0003】
分散体接着剤やその成分、又は鋳造ガラスやその成分等の本分散体の有利な使用も開示されている。さらに、本分散体の有利な使用は、成形材料、接着剤又は鋳造ガラス中の衝撃強度改良剤としての使用を含む。さらに、上述の分散体を硬化させることにより得られる成形体について、EP 1 910 436 B1に記載されている。
【0004】
上述の周知の教示は、特に、完全に透明な接着材結合を達成可能な接着剤系の必要性に基づいている。これは、最終製品においても透明性が維持されるガラス接着において特に意義深い。機械的に負荷可能な接着剤接続を得るために、硬化した接着剤の衝撃強度を最小限に抑えることも同様に重要であることが証明されている。さらに、比較的少ない成分から得ることができる非水分散体の提供は、周知の教示の目的であることが証明されており、これにより製造費用がさらに抑えられる。最後に、衝撃強度特性を最適化するため、指定された分散体はポリウレタンの高固形分を含むことが、上述の従来技術の目的である。しかし、同時に、目的とする分散体は、取り扱い易さと処理し易さにおいて優れている必要がある。
【0005】
この目的の解決策は、指定された製造手段及び開示されたポリウレタン(メタ)アクリレート粒子の平均径が40nm未満であることを考慮して、反応性希釈剤中にポリウレタン(メタ)アクリレート粒子を含む既に上述した透明の非水分散体に見出すことができる。以上のように、上記した従来技術によって、上述のポリウレタン(メタ)アクリレート粒子を含む非水分散体を例えば接着剤、鋳造ガラス又は衝撃強度変更剤として使用する場合に有利であることがわかる。しかし、容易に理解できるように、上述の教示は、特別なポリアクリレート粒子に非常に特定且つ限定される。EP 1 910 436 B1の開示は、いずれにしても、本技術分野において有利な一般化が可能であることを示唆するものではない。
【0006】
従って、本発明は、上述の従来技術から発し、この技術を一般化して、多様な有機ポリマー粒子を、反応性希釈剤中の非水分散体という形態で使用できるように、特に要件が課せられる同等に多様な応用に関して反応性希釈剤中で使用できるようにするという目的に基づいている。
【0007】
本発明によれば、指定された目的は、少なくとも1つのモノマーを反応性希釈剤中で重合させて有機ポリマー粒子を形成することにより得られる、反応性希釈剤中に有機ポリマー粒子を含む非水分散体によって達成される。本発明では、反応性希釈剤は、モノマーに対して直交反応性を示すため、この重合に関与しないが、後に行われる標的化された重合を許容する官能性を有する。従って、重合を実質的に「制御された」方法で行うことができる。
【0008】
従って、発明者らの主要な認識は、少なくとも1つのモノマーを、随意にこの少なくとも1つのモノマーと異なるさらなるモノマーの存在下で、反応性希釈剤中で重合し、有機ポリマー又は共重合体粒子を形成することである。反応性希釈剤は、この過程で次の機能を発揮する。即ち、本発明の非水分散体の製造に用いられる出発モノマー等の反応のために、反応性希釈剤を液体反応媒体として用いる。この反応性希釈剤は、ポリマー形成反応に関与しない。しかし、例えば、事後的にポリマー粒子に付着し且つ本目的のために好ましくは求核的に官能化されるさらなる追加のモノマー及びコモノマーのための溶媒でもある。この随意の手順は、以下にさらに詳しく説明され、又は請求項5に記載される。この反応性希釈剤は、重合して有機ポリマー粒子が形成されると、形成された有機ポリマー粒子のための液体分散剤となる。さらに、この反応性希釈剤は、さらなる段階において、既に述べたように、重合によって硬化され、その前に形成された有機ポリマー粒子はこの反応の最後には、硬化した反応性希釈剤中に埋め込まれ得る。この目的のため、反応性希釈剤は官能性を有し、反応性希釈剤の反応性は、粒子に形成されるモノマーの反応性に対して直交である。従って、「直交反応性」という特徴は、ポリマー粒子の重合中に、成長するポリマー鎖が反応性希釈剤と反応し得ないことを意味することが理解される。
【0009】
好適な反応性希釈剤の選択は、当業者であれば、前述の条件を考慮して問題なく行うことができる。反応性希釈剤の重合により、上述のように、有機粒子は不可逆的に反応性希釈剤中に埋め込まれる。このようにして得られた製品は、「硬化分散体」と呼ぶこともできる。
【0010】
この重合は、所定の反応パートナーを有する応用の場合、例えば好適な触媒を用いて接着剤接続を形成する場合、起こり得る。さらに、指定された重合中に得られた有機ポリマー粒子を改質し、これらのポリマー粒子が、重合中に反応性希釈剤と反応し得るさらなるモノマーを担持するようにすることもできる。反応性希釈剤がこのようにして官能化された有機ポリマー粒子と反応し得るように、システム全体を調節することができる。反応は、例えば加熱、UV又は赤外光等の照射、及び/又は、好適な触媒又は硬化剤の導入により起こり得る。
【0011】
ポリマー粒子表面の上述の官能化は、分散体の安定化に貢献し得るが、安定した分散体の形成はいずれにせよ重要ではない。
従って、本発明は、上述の従来技術の著しく有利な一般化を含み、上述の拡張された応用の範囲において特に有利であることが証明される。これについて、以下に詳述する。
【0012】
本発明の改質Aにおいて、ステージ成長メカニズム(Stufenwachstumsmechanismus)、具体的には付加メカニズム又は縮合メカニズムにより、少なくとも1つのモノマーを重合して有機ポリマー粒子を形成すると有利であることが証明される。これらの用語は制限なく当業者に知られている。
【0013】
有機ポリマー粒子を形成するための1つ以上のモノマーを選択する場合、本発明は、重要な制限は受けない。しかし、1つ以上のモノマーが、カルボン酸又はその誘導体とアミン、エポキシドとジオール、尿素誘導体とアルデヒド、アルキルポリシリケートとジシロキサン、ホスゲンとジオール、ジアルコキシアリール誘導体とアリールジオール、又は1,4−ジクロロベンゼンと硫化ナトリウムからなる群から選択される化合物の標的とされる組み合わせであることが好ましい。当業者であれば、例として挙げられた組み合わせの本リストから、これらの組み合わせは重合中に適宜反応し、ポリアミド又はポリイミド、エポキシ樹脂、尿素樹脂、シリコン樹脂、ポリカーボネート、ポリアリールエーテルケトン及びポリフェニレンサルファイドを形成することを容易に推測できる。
【0014】
反応性希釈剤は、上記したように、本発明の構成において特に重要である。上述の改質Aを適用する場合、後者が1つ以上のオレフィン系のモノ不飽和モノマー又はポリ不飽和モノマーの形態で存在すると有利である。この点で一定の所見を示すため、好ましい例を次のリストAに列挙する。
【0015】
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート等の、飽和アルコールから誘導されるアルキル(メタ)アクリレート;
例えばオレイル(メタ)アクリレート、2−プロピニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート等の、不飽和アルコールから誘導されるアルキル(メタ)アクリレート;
N−(3−ジメチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(ジエチルホスホノ)(メタ)アクリルアミド、N−(3−ジブチルアミノプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−t−ブチル−N−(ジエチルホスホノ)(メタ)アクリルアミド、N,N−ビス(2−ジエチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルアミドアセトニトリル((Meth)acryloylamidoacetonitril)、N−(メトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N−アセチル(メタ)アクリルアミド、N−(ジメチルアミノエチル)(メタ)アクリルアミド、N−メチル−N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド等の、(メタ)アクリル酸のアミド及びニトリル;
トリス(2−(メタ)アクリロキシエチル)アミン、n−メチルホルムアミドエチル(メタ)アクリレート、3−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、2−ウレイドエチル(メタ)アクリレート等の、アミノアルキル(メタ)アクリレート;
N−((メタ)アクリロイルオキシエチル)ジイソブチルケチミン(N-((Meth)acryloyloxyethyl)diisobutylketimin)、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルメチルシアナミド、シアノ−メチル(メタ)アクリレート、2,2,6,6−テトラメチルピペリジル(メタ)アクリレート等の、その他の窒素含有(メタ)アクリレート;
ノニルフェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2−ナフチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート等の、各ケース毎に4回までアリール基の非置換又は置換を行ってもよいアリール(メタ)アクリレート;
2−カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシメチル(メタ)アクリレート、N−(2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2−ピロリジノン、N−(3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル)−2−ピロリジノン、N−(メタ)アクリロイルモルホリン、オキサゾリジニルエチル(メタ)アクリレート、N−((メタ)アクリロイルオキシ)ホルムアミド、アセトニル(メタ)アクリレート、N−(メタ)アクリロイル−2−ピロリドン等の、カルボニル含有(メタ)アクリレート;
シクロブチル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロオクチル(メタ)アクリレート、3−ビニルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、シクロペンタ−2,4−ジエニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、1−メチルシクロ−ヘキシル(メタ)アクリレート等の、シクロアルキル(メタ)アクリレート;
1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオール−ジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,5−ジメチル−1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等の、グリコールジ(メタ)アクリレート;
テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ビニルオキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシエトキシエチル(メタ)アクリレート、1−ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、1−メチル−(2−ビニルオキシ)エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシルオキシメチル(メタ)アクリレート、メトキシメトキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジルオキシメチル(メタ)アクリレート、フェニルオキシエチルメタクリレート、フルフリル(メタ)アクリレート、2−ブトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエトキシメチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、アリオキシメチル(メタ)アクリレート(Allyloxymethyl(meth)acrylat)、1−エトキシブチ(メタ)アクリレート、メトキシメチル(メタ)アクリレート、1−エトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシメチル(メタ)アクリレート等の、エーテルアルコールからの(メタ)アクリレート;
2,3−ジブロモプロピル(メタ)アクリレート、4−ブロモフェニル(メタ)アクリレート、1,3−ジクロロ−2−プロピル(メタ)アクリレート、2−ブロモエチル(メタ)アクリレート、2−ヨードエチル(メタ)アクリレート、クロロメチル(メタ)アクリレート等の、ハロゲン化アルコールの(メタ)アクリレート;
10,11−エポキシウンデシル(メタ)アクリレート、2,3−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2,3−エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等の、オキシラニル(メタ)アクリレート;
2−(ジブチルホスホノ)エチル(メタ)アクリレート、2,3−ブチレン(メタ)アクリロイルエチルボラート(2,3−Butylen(meth)acryloylethylborat)、2−(ジメチルホスフェイト)プロピル(メタ)アクリレート、メチルジエトキシ(メタ)アクリロイルエトキシシラン、2−(エチレンホスフィット(Ethylenphosphito))プロピル(メタ)アクリレート、ジメチルホスフィノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルホスホノエチル(メタ)アクリレート、ジエチル(メタ)アクリロイルホスホネート(Diethyl(meth)acryloylphosphonat)、ジエチルホスフェイトエチル(メタ)アクリレート、ジプロピル(メタ)アクリオイルホスフェート等の、リン、ホウ素及び/又はケイ素含有(メタ)アクリレート;
チオメチル(メタ)アクリレート、チオシクロヘキシル(メタ)アクリレート、チオフェニル(メタ)アクリレート、エチルスルフィニルエチル(メタ)アクリレート、4−チオシアナトブチル(メタ)アクリレート、エチルスルホニルエチル(メタ)アクリレート、チオシアナトメチル(メタ)アクリレート、メチルスルフィニルメチル(メタ)アクリレート、ビス((メタ)アクリロイルオキシエチル)スルフィド等の、硫黄含有(メタ)アクリレート;
トリメチロイルプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセロールトリ(メタ)アクリレート等の、トリ(メタ)アクリレート;
ペンタエリスリットテトラ(メタ)アクリレート、スチレン、官能化スチレン、及び多価オレフィン系不飽和モノマー(ジビニルエーテル、ジアリルフタレート及びジビニルベンゼン等)等の、テトラ(メタ)アクリレート。
上記化合物は、明らかに、2つ以上を混合して使用することもできる。
【0016】
上記改質Aを用いる場合、有機ポリマー粒子の形成後、このポリマーの1つ以上のモノマーと反応希釈剤との双方と反応し得るさらなるモノマーを有利に含むこともできる。これらのモノマーはそれぞれのポリマー鎖の末端と選択的に結合し得るため、この反応は標的化した方法で制御することができる。このようなさらなるモノマーを用いることにより、有機ポリマー粒子の「キャッピング(Verkappung)」(又は「末端キャッピング」と呼ばれる)が行われる。反応性希釈剤とこれらの「官能化され」且つ「内部が重合され(einpolymerisierten)」たモノマーとの間の言及した反応は、制御及び誘導することができる。本明細書では、上述の加熱、照射等の手段を好適且つ制御された方法で用いることができる。
【0017】
本発明の非水分散体のさらに有利な構成では、改質Bにより、連鎖成長メカニズム、具体的にはラジカル連鎖成長メカニズム又はイオン連鎖成長メカニズムを利用して、少なくとも1つのモノマー又は複数のモノマーを重合してポリマー粒子を形成する。これらも、さらに説明する必要のない従来の技術用語である。本明細書において、ポリマー粒子を形成するための少なくとも1つのモノマー又は複数のモノマーは、1つ以上のオレフィン系モノ不飽和モノマー又はポリ不飽和モノマーであることが好ましい。本明細書では、上記リストAに記載されたモノマーを有利に使用することができる。
【0018】
言及した化合物を、単独で、又は2つ以上の混合物として用いることができることは明白である。
改質Bでは、反応性希釈剤がポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリウレア、ポリシロキサン又はポリホルムアルデヒド樹脂の成分であることが特に好都合である。反応性希釈剤がこれらの成分であることにより、これらがオレフィン系モノマーの重合に含まれないことを容易に確実にすることができる。上述のポリマーを実現可能な様々な成分の組み合わせ例を表1に示す。
【0019】
上述のポリマーの形成に必要な成分を反応性希釈剤として共に使用する必要はないが、このことは完全に無視されるものではない。従って、表1に示すように、例えば、形成されるポリウレタンのポリオール成分又はイソシアネート成分のいずれかを反応性希釈剤として使用し、欠けている第2の成分をポリマー粒子の形成後最初に添加することができる。当業者であれば、この手順を他の反応性希釈剤成分に容易に転用することができる。
【0020】
表2に示すような成分の組み合わせは、本発明の範囲内において特に有利であることが証明されている。
これらの成分を対応する混合物中で使用した場合、当業者は、反応性希釈剤の重合が自発的に進行できないように注意する必要がある。このことは、例えば、触媒又は開始剤をポリマー粒子の形成後に限って添加することによって確実にすることができる。反応を制御するこのような手段及びこれと同等の手段は、明らかに当業者に知られている。
【0021】
本発明の範囲において、ポリマー粒子の平均径を厳格に制限する必要はない。当業者にとって、この非水分散体を製造する際にかかる条件を調節することは、特に平均径を問題なく所望するように調節可能な撹拌タンク反応器内において、容易に可能なことである。本発明の非水分散体のポリマー粒子の平均径は50μm未満であると通常の場合有利である。さらに、ポリマー粒子の平均径が10μm未満、具体的には250nm未満であると好ましい。非水分散体が透明であることが目的とされる場合、直径が40nm未満であると特に有利である。特に非水分散体がコロイド状態である場合、付与される直径は光散乱によって決定することができる。本発明は、本明細書において、その応用を考慮して、ポリマー粒子の有利な平均径の調節において有利な制御又は融通性も提供することができる。
【0022】
また、当業者は、各使用の要件に従って、本発明の非水分散体中の有機ポリマー粒子の濃度も所望するように調節するであろう。非水分散体中のポリマー粒子は20〜70重量%の量で好都合に存在することを有利なルールとして定めることができる。非水分散体中のポリマー粒子の含有量は、30〜60重量%であることが特に好ましい。ポリマー粒子の含有量が40〜50重量%であれば、考えられる複数の使用における非水分散体はさらに特に有利である。
【0023】
また、本発明は、さらに添加剤を含むと、有利な構成となり得る。非水分散体が、促進剤、抗酸化剤、反応性希釈剤の重合開始剤、ポリマーのバインダー及びオリゴマーのバインダー、湿潤剤、着色剤及び/又は効果付与剤、有機及び無機の充填剤、透明又は不透明の充填剤、UV吸収剤、光保護剤、脱ガス剤、脱泡剤、乳化剤、湿潤剤及び分散剤、接着促進剤、レオロジー制御添加剤、難燃剤、乾燥剤、腐食防止剤、ワックス剤及び艶消剤、安定剤又はこれらの混合物からなる群からの添加剤を含むと、本明細書において特に有利である。一般的に、液相中の粒子を安定化するための安定剤を本発明の非水分散体に添加する必要はない。しかし、1つ以上の安定剤を添加する場合、上述の種類の分散体を安定化するために当業者が一般的に考える種類のものを使用することができ、具体的にはジメチロールプロピオン酸及びそのエステル、エチレングリコール及び2−アミノ−2−メチルプロパノールをベースとした相増強剤(Phasenvermittler)、又は高級脂肪酸の塩、高級脂肪酸のアミド及び高級脂肪酸のエステルを使用することができる。これら高級脂肪酸の塩、アミド及びエステルは、ポリマー粒子のマトリックス内への取り込みを許容する官能基で随意に修飾される。
【0024】
さらに、上述のように、明らかに必要でない場合であっても、本発明の技術的基本概念に反するものでなければ、溶媒を使用する可能性が存在する。いずれにしても、このような溶媒は不活性でなければならない。例として、炭化水素、エーテル、エステル、ケトン及び/又はハロゲン炭化水素、具体的にはペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル、トルエン、ベンゼン、THF、ジエチルエーテル、酢酸エチルエステル、アセトン、メチルエチルケトン、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素が挙げられる。
【0025】
これらは有機ポリマー粒子の所望の形成を促すことができる一方、他方では、様々な考えられる応用において有利であり得る。従って、本発明の非水分散体の粘度は、それぞれの使用目的に有利に合致させることができる。材料を狭いノズル又はパイプラインを介してポンプで汲み上げたり、狭い細孔又は空洞内に注ぎ入れたりする必要がある場合は、低い粘度が有利である。接着剤又は2成分樹脂を用いる場合は、湿潤し得る表面用の樹脂を作成したり静的ミキサー内での混合性を許容したりするため、粘度を随意に適合させる必要もある。
【0026】
上記及び以下の請求項1に記載されている本発明の一般的な教示は、冒頭で説明した従来技術から直接的且つ明確に導き出されるものではない。それでも、従来技術は、様々な構成において、即ち非水分散体としての構成において、また後述する方法の構成及び後述する考えられる使用においても、明らかに本発明の構成要素ではない。従って、平均径が40nm未満であり且つ求核的に官能化された(メタ)アクリル酸エステルで追加的に変換されるポリウレタン(メタ)アクリレート粒子を反応性希釈剤中に含む透明の非水分散体は除外される。同様に、平均径が40nmのポリウレタン(メタ)アクリレート粒子と反応性希釈剤を有し、且つ追加的に求核的に官能化された(メタ)アクリル酸エステルが反応性希釈剤に存在する、透明の非水性分散体は、本発明の構成要素ではない。
【0027】
既に上述したように、本発明の非水分散体に関して、この非水分散体内に含まれ又は形成される有機ポリマー粒子の種類に関連する制限はなく、カルボン酸とアミンからなるポリアミド、エポキシドとジアミン又は二酸からなるエポキシ樹脂、尿素誘導体とアルデヒドの尿素・メラミン樹脂、フェノールとアルデヒドからなるフェノール樹脂、個々のオレフィンからなるポリオレフィン、エチルポリシリケートとジシロキサンからなるシリコン樹脂、ホスゲンとジオールからなるポリカーボネート、ジアルコキシアリール誘導体とアリールジオールからなるポリアリールエーテルケトン、アミンとカルボン酸誘導体からなるポリアミド、及び1,4−ジクロロベンゼンと硫化ナトリウムからなるポリフェニレンサルファイドを含む。これらの例示は包括的なものではないことが強調される。むしろ、当業者は、様々な他のポリマー材料も考えられることを容易に理解できる。
【0028】
さらに、本発明の上述の種類の有機ポリマー粒子の非水分散体の製造方法は、請求項1〜15でも示されているように、課された目的を解決するための本発明の主題である。この製造方法は、撹拌タンク反応器内において既に述べた反応性希釈剤の存在下で行われる少なくとも1つのモノマーの有機ポリマー粒子への重合を含む。この方法は、特に、周囲撹拌機速度が少なくとも2m/sであり、容器直径に対する撹拌機直径の比率が0.3〜0.80に調節され、且つ容器ベースからの撹拌機の距離が撹拌機直径の0.25〜0.5倍に調節された環境で変換が行われることを特徴とする。
【0029】
本明細書において、周囲撹拌機速度が少なくとも5m/s、より具体的には少なくとも8m/sに調整されることは好都合で有利である。周囲撹拌機速度は製造されるポリマー粒子の粒径に重要な影響を及ぼすことを上述の記載から当業者は明らかに理解できる。従って、当業者は、周囲撹拌機速度を所望の粒径が得られるように調節する立場に容易にある。本発明の方法の実際の実施において、撹拌機として分散ディスクを使用すると有利であることも示された。
【0030】
様々な添加剤を含むことができることは、本発明の非水分散体に関連して既に指摘してきた。説明の繰り返しを避けるため、この点に関しては上記の記載を参照されたい。本明細書において、これらの添加剤は、官能性によって、本方法の実施中と本方法の完了時の両方で使用することができる。しかし、本発明の方法は、粒子を形成するモノマーの重合に好適な触媒又は反応開始剤の存在下で行うと有利である。反応メカニズムにより、触媒として例えば、酸、塩基、第3級芳香族アミン又は金属石けんを使用することができ、反応開始剤として例えば、過酸化物、アゾ化合物又はベンゾインエーテルを開示することができる。
【0031】
本発明の価値は、特に、多数の適用可能性を融通の利く方法で実践できる点にあることが証明されている。この融通性は、具体的には、含有される有機ポリマー粒子の種類に起因するが、共に組み合わせて使用される反応性希釈剤にも起因する。従って、当業者は、本明細書において、例えば、温度の好適な導入によって、及び/又は所望の種類又は所望の官能性の添加剤の追加的導入によって、さらに制御できる様々な可能性を有する。
【0032】
本発明の非水分散体の具体的な利点は、特にフィルムにおいて衝撃強度変更子として使用可能な点にある。これらのフィルムは、例えば、ポリアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、又はPVCであってもよい。
【0033】
さらに、本発明の分散体を直接硬化して接着剤化合物又は鋳造体を形成することもできる。硬化開始剤以外には、さらなる物質を添加する必要はない。しかし、本発明の分散体を従来の接着剤系又は鋳造化合物と混合し、その後その混合物を硬化することも可能である。
【0034】
成形体に硬化される本発明の分散体は、その中に含有される有機ポリマー粒子により、その種類によって、所望の応用特性、例えば、個々のケースにおいて、優れた衝撃強度特性等の価値ある他の機械特性、具体的には高い引張強度を有する。
【0035】
本発明の非水分散体の上述の有利な衝撃強度及び引張強度のため、本発明の非水分散体は、平均粒径の対応した低調節と高い透明性により実現される接着剤への応用に非常に適している。従って、本発明の分散体はガラス用接着剤として有利に使用することができる。制御された方法で調節される透明性と優れた衝撃強度により、本発明の分散体は、透明で衝撃耐性のある製品を製造するための鋳造化合物としても好適である。本発明の分散体は比較的長期間にわたって、例えば少なくとも2ヶ月間、室温で安定化することも有利であり、従って所望する長い期間保管することができる。また、本発明の分散体は、高固形分、即ち特に有機ポリマー粒子の高固形分を有し得ることも有利であることが証明されている。
【0036】
一般的に、本発明の非水分散体は、様々な応用に好適な粘度も有する。しかし、個々のケースにおいて、粘度を低減するため、本発明の適用前、又はそうでなければ本発明の製造方法の実施中に、好適な溶媒を予め使用することは好都合であり得る。
【0037】
本発明の非水分散体のさらに有利な使用可能性は、以下の表3中に、このために使用されるポリマー粒子と反応性希釈剤と共に示されている。
様々な実施例を参照しながら以下に本発明をさらに詳しく説明する。ただし、これらの実施例はいずれも制限するものとは見なされない。
【0038】
様々な媒体中でのポリエチルヘキシルアクリレートポリマー粒子の製造
実施例1:ポリウレタン・マトリックス中での2−エチルヘキシルアクリレート粒子の製造
0.076モル(150g)の反応性希釈剤ポリエーテルポリオール(MW=1965g/モル)と0.54モル(100g)の2−エチルヘキシルアクリレート(M=184.3g/モル)を上乗せ式天秤で秤量する。この混合物を撹拌しながら(2m/s)90℃まで加熱する。次に、0.003モルのアゾ−ビス−(イソブチロニトリル)(AIBN、0.5g(0.5重量%)を10mlの2−エチルヘキシルアクリレート中に溶解させる)を添加する。90℃で撹拌しながら(2m/s)3時間重合を行う。固形分40%の溶液が得られる。次に、この分散体5gを、0.0015モルのジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)(0.38g、M=250.25g/モル)とともに、触媒であるラウリン酸ジブチルスズ(DBTDL、0.02g、M=631.55g/モル)を添加して60℃まで加熱し、ポリエーテルポリオールをイソシアネート(モル比、ポリオール:イソシアネート=1:1)と重合させてポリウレタンとする。
【0039】
実施例2:ドデシルメルカプタンを鎖調整剤(Kettenregler)として用いたポリウレタン・マトリックス中での2−エチルヘキシルアクリレート粒子の製造
0.076モル(150g)の反応性希釈剤ポリエーテルポリオール(MW=1965g/モル)と0.54モル(100g)の2−エチルヘキシルアクリレート(M=184.3g/モル)を上乗せ式天秤で秤量する。この混合物を撹拌しながら(2m/s)90℃まで加熱する。次に、0.003モルのアゾ−ビス−(イソブチロニトリル)(AIBN、0.5g(0.5重量%)を10mlの2−エチルヘキシルアクリレート中に溶解させる)を添加する。1%のドデシルメルカプタン(M=202.4g/モル)を鎖調整剤としてこの反応に添加する。90℃で撹拌しながら(2m/s)3時間重合を行う。次に、この分散体5gを、0.0015モルのジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)(0.38g、M=250.25g/モル)とともに、触媒ラウリン酸ジブチルスズ(DBTDL、M=631.55g/モル)を添加して60℃まで加熱し、ポリエーテルポリオールをイソシアネート(モル比、ポリオール:イソシアネート=1:1)と重合させてポリウレタンとする。
【0040】
実施例3:12−ヒドロキシステアリン酸を安定剤として用いたポリウレタン・マトリックス中での2−エチルヘキシルアクリレート粒子の製造
0.076モル(150g)の反応性希釈剤ポリエーテルポリオール(MW=1965g/モル)と0.54モル(100g)の2−エチルヘキシルアクリレート(M=184.3g/モル)を上乗せ式天秤で秤量する。この混合物を撹拌しながら(2m/s)90℃まで加熱する。次に、0.003モルのアゾ−ビス−(イソブチロニトリル)(AIBN、0.5g(0.5重量%)を10mlの2−エチルヘキシルアクリレート中に溶解させる)を添加する。0.5%の12−ヒドロキシステアリン酸を安定剤としてこの反応に添加する。90℃で撹拌しながら(2m/s)3時間重合を行う。次に、この分散体5gを、0.0015モルのジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)(0.38g、M=250.25g/モル)とともに、触媒であるラウリン酸ジブチルスズ(DBTDL、M=631.55g/モル)を添加して60℃まで加熱し、ポリエーテルポリオールをイソシアネート(モル比、ポリオール:イソシアネート=1:1)と重合させてポリウレタンとする。
【0041】
実施例4:ポリウレア・マトリックス中での2−エチルヘキシルアクリレート粒子の製造
0.076モル(150g)の反応性希釈剤(ヘキサメチレンジアミン)(M=116.21g/モル)と0.54モル(100g)の2−エチルヘキシルアクリレート(M=184.3g/モル)を上乗せ式天秤で秤量する。この混合物を撹拌しながら(2m/s)90℃まで加熱する。次に、0.003モルのアゾ−ビス−(イソブチロニトリル)(AIBN、0.5g(0.5重量%)を10mlの2−エチルヘキシルアクリレート中に溶解させる)を添加する。90℃で撹拌しながら(2m/s)3時間重合を行う。次に、この分散体5gを、0.0015モルのジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)(0.38g、M=250.25g/モル)とともに、触媒であるラウリン酸ジブチルスズ(DBTDL、M=631.55g/モル)を添加して60℃まで加熱し、ヘキサメチレンジアミンをイソシアネート(モル比、ジアミン:イソシアネート=1:1)と重合させてポリウレアとする。
【0042】
実施例5:ポリアミド・マトリックス中での2−エチルヘキシルアクリレート粒子の製造
0.076モル(150g)の反応性希釈剤ヘキサメチレンジアミン(M=116.21g/モル)と0.54モル(100g)の2−エチルヘキシルアクリレート(M=184.3g/モル)を上乗せ式天秤で秤量する。この混合物を撹拌しながら(2m/s)90℃まで加熱する。次に、0.003モルのアゾ−ビス−(イソブチロニトリル)(AIBN、0.5g(0.5重量%)を10mlの2−エチルヘキシルアクリレート中に溶解させる)を添加する。90℃で撹拌しながら(2m/s)3時間重合を行う。次に、この分散体を0.076モルのアゼライン酸(M=188.22g/モル)とともに、触媒であるp−トルエンスルホン酸(M=172.20g/モル)を添加して130℃まで加熱し、ヘキサメチレンジアミンをアゼライン酸と重合させてポリアミドとする。
【0043】
実施例6:ポリエステル・マトリックス中での2−エチルヘキシルアクリレート粒子の製造
0.076モル(150g)の反応性希釈剤ポリエーテルポリオール(MW=1965g/モル)と0.54モル(100g)の2−エチルヘキシルアクリレート(M=184.3g/モル)を上乗せ式天秤で秤量する。この混合物を撹拌しながら(2m/s)90℃まで加熱する。0.003モルのアゾ−ビス−(イソブチロニトリル)(AIBN、0.5g(0.5重量%)を10mlの2−エチルヘキシルアクリレート中に溶解させる)を添加する。90℃で撹拌しながら(2m/s)3時間重合を行う。次に、この分散体を0.076モルのアゼライン酸(M=188.22g/モル)とともに、p−トルエンスルホン酸(M=172.20g/モル)を添加して130℃まで加熱し、ポリエーテルポリオールをアゼライン酸と重合させてポリエステルとする。
【0044】
【表1】

【0045】
【表2−1】

【0046】
【表2−2】

【0047】
【表3】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応性希釈剤中に有機ポリマー粒子を含む非水分散体であって、
前記非水分散体は、少なくとも1つのモノマーを前記反応性希釈剤中で重合させて前記有機ポリマー粒子を形成することにより得られ、
前記反応性希釈剤は、前記モノマーに対して直交反応性を示すため、この重合に関与しないが、後に行われる標的化された重合を許容する官能性を有する、非水分散体。
【請求項2】
前記少なくとも1つのモノマーは、ステージ成長メカニズム、具体的には付加メカニズム又は縮合メカニズムにより重合されて前記有機ポリマー粒子を形成することを特徴とする、請求項1に記載の非水分散体。
【請求項3】
前記モノマーは、カルボン酸又はその誘導体とアミン、エポキシドとジオール、尿素誘導体とアルデヒド、アルキルポリシリケートとジシロキサン、ホスゲンとジオール、ジアルコキシアリール誘導体とアリールジオール、又は1,4−ジクロロベンゼンと硫化ナトリウムからなる群から選択される化合物の標的化された組み合わせであることを特徴とする、請求項2に記載の非水分散体。
【請求項4】
前記反応性希釈剤は1つ以上のオレフィン系不飽和モノマーの形態で存在することを特徴とする、請求項2又は請求項3に記載の非水分散体。
【請求項5】
前記有機ポリマー粒子の形成に引き続いてさらなるモノマーが含まれ、前記さらなるモノマーは、前記ポリマーの前記少なくとも1つのモノマーと前記反応性希釈剤との両方と反応し得ることを特徴とする、請求項2から4のいずれか1項に記載の非水分散体。
【請求項6】
鎖成長メカニズム、具体的にはラジカル連鎖成長メカニズム又はイオン連鎖成長メカニズムにより前記少なくとも1つのモノマーを重合して前記ポリマー粒子を形成することを特徴とする、請求項1に記載の非水分散体。
【請求項7】
前記ポリマー粒子を形成する前記少なくとも1つのモノマーは、1つ以上のオレフィン系不飽和モノマーであることを特徴とする、請求項6に記載の非水分散体。
【請求項8】
前記反応性希釈剤は、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステル、ポリウレア、ポリシロキサン又はポリホルムアルデヒド樹脂の成分であることを特徴とする、請求項6又は請求項7に記載の非水分散体。
【請求項9】
前記ポリマー粒子の平均径は50μm未満であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の非水分散体。
【請求項10】
前記ポリマー粒子の平均径が10μm未満、具体的には250nm未満であることを特徴とする、請求項9に記載の非水分散体。
【請求項11】
前記ポリマー粒子が20〜70重量%の量で存在することを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の非水分散体。
【請求項12】
前記ポリマー粒子が30〜60重量%、具体的には40〜50重量%の量で存在することを特徴とする、請求項11に記載の非水分散体。
【請求項13】
前記分散体は追加的に添加剤を含むことを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載の非水分散体。
【請求項14】
前記分散体は、促進剤、抗酸化剤、前記反応性希釈剤用重合開始剤、ポリマーバインダー及びオリゴマーバインダー、架橋結合剤、着色剤及び/又は効果付与剤、有機及び無機の充填剤、透明又は不透明の充填剤、UV吸収剤、光保護剤、脱ガス剤、脱泡剤、乳化剤、湿潤剤と分散剤、接着促進剤、レオロジー制御添加剤、難燃剤、乾燥剤、腐食防止剤、ワックス剤及び艶消剤、安定剤、又はこれらの混合物からなる群からの添加剤を含むことを特徴とする、請求項13に記載の非水分散体。
【請求項15】
撹拌タンク反応器内において反応性希釈剤の存在下で行われる少なくとも1つのモノマーの前記重合を含む、請求項1から14の少なくともいずれか1項に記載の有機ポリマー粒子の非水分散体の製造方法であって、
前記変換は、周囲撹拌機速度が少なくとも2m/sであり、容器の直径に対する前記撹拌機直径の比率が0.3〜0.80に調節され、且つ前記容器のベースから前記撹拌機までの距離が前記撹拌機直径の0.25〜0.5倍に調節された状態で行われることを特徴とする方法。
【請求項16】
前記周囲撹拌機速度が少なくとも5m/s、具体的には少なくとも8m/sに調節されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
分散ディスクを前記撹拌機として使用することを特徴とする、請求項15又は請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記方法は、前記粒子形成モノマーの前記重合に好適な触媒又は反応開始剤の存在下で行われることを特徴とする、請求項15から17のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
衝撃強度変更剤としての、具体的にはフィルムでの、請求項1から14のいずれか1項に記載の分散体の使用。
【請求項20】
接着剤又は接着剤の成分としての、鋳造樹脂又は鋳造樹脂の成分としての、あるいは、塗料又は塗料の成分としての、請求項1から14のいずれか1項に記載の分散体の使用。
【請求項21】
成形体又はポリマー半製品を製造するための、請求項1から14のいずれか1項に記載の分散体の使用。

【公表番号】特表2012−526186(P2012−526186A)
【公表日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510125(P2012−510125)
【出願日】平成22年3月31日(2010.3.31)
【国際出願番号】PCT/EP2010/002082
【国際公開番号】WO2010/130321
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(510109165)ドリッテ・パテントポートフォリオ・ベタイリグンスゲゼルシャフト・エムベーハー・ウント・コンパニー・カーゲー (8)
【氏名又は名称原語表記】Dritte Patentportfolio Beteiligungsgesellschaft mbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Berliner Str. 1, 12529 Schoenefeld/Waltersdorf, Germany
【Fターム(参考)】