収納容器
【課題】進退動体の運動で塵埃が発生するのを抑制でき、蓋体のスペースや厚みを小さくし、収納される物品の汚染を防止できる収納容器を提供する。
【解決手段】精密基板収納用の容器本体1の正面を開閉する蓋体10を施錠・解錠する施錠機構20を備える。そして、施錠機構20を、蓋体10に支持される回転プレート21と、回転プレート21の回転に基づき、蓋体10の施錠時には蓋体10の周壁方向に突出し、蓋体10の解錠時には蓋体10の基準位置に復帰する第一の進退動プレート26と、第一の進退動プレート26の先端部に支持され、蓋体10の施錠時には蓋体10の周壁から突出して容器本体1の係止凹部3に挿入され、蓋体10の解錠時には容器本体1の係止凹部3から蓋体方向に復帰する第二の進退動プレートと、突出する第二の進退動プレートを蓋体10の厚さ方向に傾斜させる案内リブ37とから構成する。
【解決手段】精密基板収納用の容器本体1の正面を開閉する蓋体10を施錠・解錠する施錠機構20を備える。そして、施錠機構20を、蓋体10に支持される回転プレート21と、回転プレート21の回転に基づき、蓋体10の施錠時には蓋体10の周壁方向に突出し、蓋体10の解錠時には蓋体10の基準位置に復帰する第一の進退動プレート26と、第一の進退動プレート26の先端部に支持され、蓋体10の施錠時には蓋体10の周壁から突出して容器本体1の係止凹部3に挿入され、蓋体10の解錠時には容器本体1の係止凹部3から蓋体方向に復帰する第二の進退動プレートと、突出する第二の進退動プレートを蓋体10の厚さ方向に傾斜させる案内リブ37とから構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハ、フォトマスクガラス、アルミディスクに代表される基板等を収納する収納容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
口径300mmの半導体ウェーハからなる精密基板はフロントオープンボックスタイプの収納容器に収納されるが、この種の収納容器は、図示しない複数枚の精密基板を整列収納するフロントオープンボックスタイプの容器本体と、この容器本体の開口した正面をシール可能に閉鎖する着脱自在の蓋体と、容器本体の正面に嵌合された蓋体を施錠・解錠する施錠機構とを備え、SEMI規格のE47.1により標準化されており、標準化された機械的インターフェイスを有する加工装置の蓋体開閉装置により蓋体が自動的に開閉操作される。
【0003】
施錠機構は、蓋体に支持されて加工装置の蓋体開閉装置により回転操作される回転プレートと、この回転プレートの回転に伴い蓋体の周壁方向に直線的に進退動する一対の進退動プレートと、各進退動プレートの先端部に設けられ、蓋体の施錠時には蓋体の周壁から突出して容器本体の正面内周の凹部に嵌合係止され、蓋体の解錠時には容器本体の凹部から蓋体内に復帰する係止体とから構成されている。
【0004】
上記において、容器本体の開口した正面を蓋体により閉鎖する場合には、加工装置の蓋体開閉装置が容器本体の開口した正面に蓋体をきつく押圧嵌合し、その後、蓋体開閉装置が施錠機構の回転プレートを外部から回転操作して各進退動プレートを蓋体の周壁方向に進出させ、この各進退動プレートの進出に伴い、係止体が蓋体の周壁から突出して容器本体の凹部に嵌合係止することにより、容器本体の正面が蓋体によりシール状態に閉鎖される。
【0005】
ところで、施錠機構の進退動プレートやその係止体が一体の単一部品からなる場合、進退動プレートが単に直線運動すると、容器本体の凹部に進退動プレートや係止体が擦れてパーティクル(particulate)を発生させてしまうおそれがある。
このような問題を排除するため、従来においては、進退動プレートを進出させた後にその先端部を蓋体の幅方向に急角度で大きく傾斜させる方法が提案されている(特許文献1参照)。また、進退動プレートを複数の部品により構成し、進退動プレートの先端部に金属製で別体の係止軸を回転可能に支持させる方法も提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特表平04‐505234号公報
【特許文献2】特開2000‐58633号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来における収納容器は、以上のように進退動プレートの単なる直線運動によりパーティクルが発生するのを上記技術により解消しようとしているが、いずれの方法にも問題がある。先ず、進退動プレートを進出させた後にその先端部を急角度で大きく傾斜させる場合には、進退動プレートの先端部に十分な係止力を伝達するため、大きな力を加えても支障がないようにしなければならないし、底面に設けられた蓋体の上に精密基板の装填されたカセットが搭載されてかなりの重量が蓋体の表面プレートに作用するので、進退動プレートを強固に支えてその撓みを防止しなければならないという大きな問題が新たに生じることとなる。
【0007】
また、進退動プレートの先端部を急角度で大きく傾斜させるためには、蓋体のスペースや厚みを大きくしなければならないという問題が新たに生じる。さらに、施錠機構の回転プレートに特殊な形状のカム面を複数段形成しなければならず、構成の複雑化を招くこととなる。
【0008】
一方、進退動プレートを複数の部品により構成し、各進退動プレートの先端部に別体の係止軸を支持させる場合には、金属製の係止軸により、精密基板の汚染を招くおそれが少なくない。
【0009】
本発明は上記に鑑みなされたもので、進退動体の運動により塵埃が発生するのを抑制防止することができ、蓋体のスペースや厚みを小さくし、収納される物品の汚染を防ぐことのできる収納容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明においては上記課題を解決するため、物品を収納する容器本体と、この容器本体の開口部を開閉する蓋体と、容器本体の開口部を覆う蓋体を施錠する施錠機構とを備えたものであって、
施錠機構は、回転可能な回転体と、この回転体の回転に基づき、蓋体の施錠時には蓋体の基準位置から蓋体の周縁部方向に突出し、蓋体の解錠時には蓋体の基準位置に復帰する第一の進退動体と、この第一の進退動体に回転可能に支持され、蓋体の施錠時には蓋体から突出して容器本体の開口部内周の凹部に挿入され、蓋体の解錠時には容器本体の凹部から蓋体方向に復帰する第二の進退動体と、突出する第二の進退動体を蓋体の厚さ方向に傾斜させる案内体とを含んでなることを特徴としている。
【0011】
なお、蓋体を、容器本体の開口部に嵌め合わされる筐体と、この筐体を覆うカバーとから形成し、これら筐体とカバーとの間に、施錠機構の回転体、第一の進退動体、及び第二の進退動体を介在し、筐体とカバーの対向面の少なくともいずれか一方に、施錠機構の案内体を形成することができる。
【0012】
また、施錠機構における第二の進退動体の両側部に、案内体に接触するピン突起をそれぞれ形成し、案内体を断面略多角形に形成するとともに、この案内体の第二の進退動体のピン突起と接触する接触面を傾斜させて突出する第二の進退動体を第一の進退動体に対して10°〜45°の範囲で傾斜させることができる。
さらに、施錠機構における第二の進退動体を略板形とし、この第二の進退動体の先端部を容器本体の凹部との接触面積を減少させる形状に形成することができる。
【0013】
ここで、特許請求の範囲における物品には、少なくとも半導体ウェーハ(200、300、450mmタイプ等)、フォトマスクガラス、液晶ガラス、アルミディスクに代表される単数複数の基板、機械用品、電気電子用品、建築用品、家庭用品等が含まれる。容器本体や収納容器は、フロントオープンボックスタイプでも良いし、トップオープンボックスタイプでも良く、透明、不透明、半透明、導電性、絶縁性、FOUPタイプ、FOSBタイプ等を特に問うものではない。容器本体の天井や壁の一部には、物品把握用の透視窓を選択的に形成することができる。また、施錠機構は単数複数いずれでも良い。
【0014】
施錠機構における第一の進退動体は、上下方向に動くタイプでも良いし、前後方向や左右方向に動くタイプでも良い。また、第二の進退動体は、第一の進退動体に回転可能に支持されるが、この回転という用語には、回動や揺動が含まれる。この第二の進退動体の先端部は、容器本体の凹部との接触面積を減少させる形状に形成されるが、具体的には断面略三角形、楔形、矢印形等に形成される。さらに、ピン突起は、案内体に直接接触するタイプでも良いし、円筒形のローラを介し間接的に接触するタイプでも良い。
【0015】
本発明によれば、容器本体の開口部に蓋体を嵌め合わせて施錠機構の回転体を回転操作すると、回転体の回転に伴い第一の進退動体が蓋体の周縁部方向に突出し、この第一の進退動体の突出に伴い、別体の第二の進退動体が案内体に案内されつつ蓋体から傾きながら突出するとともに、容器本体の凹部に傾斜して接触し、この接触により、容器本体が蓋体により閉じられる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、進退動体の運動により塵埃が発生するのを抑制防止することができ、蓋体のスペースや厚みを小さくすることができるという効果がある。また、金属部品を削減したり、省略することができるので、収納される物品の汚染を防ぐことができるという効果がある。
また、蓋体の筐体とカバーとの間に、施錠機構の回転体、第一の進退動体、及び第二の進退動体を介在すれば、カバーの保護作用により施錠機構に外力が加わって損傷したり、変形するのを防ぐことができる。
【0017】
また、案内体の第二の進退動体のピン突起と接触する接触面を傾斜させて第二の進退動体を第一の進退動体に対して10°〜45°の範囲で傾斜させれば、容器本体の凹部に対して第二の進退動体の先端部が摺り動いたり、第二の進退動体の動作に支障を来たすのを抑制することができる。
さらに、施錠機構における第二の進退動体を略板形とし、この第二の進退動体の先端部を容器本体の凹部との接触面積を減少させる形状に形成すれば、容器本体の凹部に第二の進退動体が擦れてパーティクルや塵埃等が発生するのを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における収納容器は、図1ないし図12に示すように、物品である複数枚の精密基板を収納する容器本体1と、この容器本体1の開口した正面を開閉する蓋体10と、容器本体1の正面を覆う蓋体10を施錠・解錠する一対の施錠機構20とを備えた輸送用の精密基板収納容器であり、各施錠機構20を、回転プレート21、一対の第一の進退動プレート26、一対の第二の進退動プレート32、及び複数の案内リブ37とから構成するようにしている。
【0019】
精密基板は、図示しないが、口径300mmの薄く丸い円板形の半導体ウェーハからなり、表裏両面のうち少なくとも表面が鏡面加工されており、専用のロボットにより25枚あるいは26枚が容器本体1に対して出し入れされる。
【0020】
容器本体1は、図1に示すように、所定の樹脂を使用して正面の開口した透明のフロントオープンボックスに成形され、複数枚の精密基板を上下方向に並べて整列収納するよう機能する。この容器本体1を成形する所定の樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えばポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、シクロオレフィン等があげられる。これらの中でもポリカーボネートは、剛性と透明性に優れるので最適である。これらの樹脂には、必要に応じて導電性が付与される。
【0021】
容器本体1は、その正面の周縁部が外方向に断面略L字形に屈曲形成されて蓋体嵌合用のリム部2を形成し、このリム部2の内周面の上下両側には、施錠機構20用の係止凹部3がそれぞれ凹み形成される(図4、図5、図8参照)。また、容器本体1の内部後方には、精密基板の後部周縁を保持溝を介して保持する左右一対のリヤリテーナ4が上下方向に間隔をおいて並設され、容器本体1の内部両側には、相互に対向して精密基板を略水平に保持するティース5がそれぞれ形成されており、この左右一対のティース5が上下方向に間隔をおいて並設される。
【0022】
各ティース5は、平面略く字形あるいは略半円弧形に形成されて精密基板の側部周縁に沿う平板と、この平板の前部内側上に一体形成される平坦な前部中肉領域と、平板の前部外側上に一体形成されて前部中肉領域の外側に位置する平坦な前部厚肉領域と、平板の後部に一体形成される後部中肉領域と、平板の後部に形成されて後部中肉領域の前方に位置し、容器本体1の側壁寄りに僅かな面積で位置する後部厚肉領域とから形成される。
【0023】
ティース5の前部中肉領域と前部厚肉領域との間には、精密基板の側部周縁に接触する垂直の段差が僅かに形成され、前部厚肉領域は蓋体10の取り外し時に精密基板が容器本体1から前方に飛び出すのを規制するよう機能する。また、前部中肉領域と後部中肉領域との間には、僅かに凹んだ薄肉領域が形成され、この薄肉領域が精密基板の側部周縁に僅かな隙間を介して対向する。このようなティース5は、前部中肉領域と後部中肉領域とに精密基板の側部周縁を高い精度を維持しつつ水平に支持し、精密基板が上下方向に傾いて専用のロボットによる出し入れが困難になるのを防止する。
【0024】
容器本体1の底面の前部両側と後部中央には、加工装置に位置決め搭載される位置決め具が配設され、容器本体1の底面後部には、薄板で小型のボトムプレートが後方から着脱自在に装着されており、このボトムプレートに下方から着脱自在に嵌入された識別体が加工装置に識別されることにより、収納容器のタイプや精密基板の枚数等が把握される。
【0025】
容器本体1の天井中央部には、OHTと呼ばれる自動搬送機に保持されるロボティックフランジ6が着脱自在に装着され、容器本体1の両側壁外面には、肉厚の円板形やU字形の搬送ハンドルがそれぞれ装着されており、この一対の搬送ハンドルが把持されることにより収納容器が搬送される。
【0026】
なお、位置決め具、ボトムプレート、ロボティックフランジ6、搬送ハンドルは、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、環状オレフィン樹脂等により成形される。これらの材料には、カーボンブラック、アセチレンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、金属繊維、帯電防止剤等が必要に応じて添加される。
【0027】
蓋体10は、図2ないし図5に示すように、容器本体1のリム部2にシール可能に嵌合される着脱自在の筐体11と、この筐体11の表面両側をそれぞれ被覆する左右一対のカバー12とを備え、これら筐体11と一対のカバー12との間に、施錠機構20がそれぞれ介在設置される。この蓋体10は、フッ素を含有したポリカーボネート、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、シクロオレフィン樹脂等により、四隅部が丸く面取りされた正面略矩形に成形される。この蓋体10の材料には、必要に応じて導電性が付与される。
【0028】
筐体11と一対のカバー12との対向面には、相互に対向する直線レール形のガイド13がそれぞれ複数形成され(図2ないし図5参照)、この複数のガイド13のガイド面に案内されて施錠機構20の第一、第二の進退動プレート26・32が運動する。筐体11は、底の浅い断面略皿形に形成され、裏面の中央部には、精密基板の前部周縁を挟持溝を介し挟持する弾性のフロントリテーナが上下方向に並べて装着される。
【0029】
筐体11の周壁には、容器本体1のリム部2と蓋体10との間に介在するエンドレスのシールガスケット14が圧縮変形可能に嵌合され、周壁の上下両側には、リム部2の係止凹部3に対応する貫通孔15がそれぞれ穿孔される(図4、図5、図8参照)。
【0030】
各施錠機構20は、図6ないし図12に示すように、蓋体10に回転可能に支持される回転プレート21と、この回転プレート21の回転に基づき、蓋体10の施錠時には蓋体10内の基準位置から蓋体10の周壁方向に直線的に突出し、蓋体10の解錠時には突出位置から蓋体10内の基準位置に直線的に復帰する一対の第一の進退動プレート26と、各第一の進退動プレート26の先端部に回転可能に連結支持され、蓋体10の施錠時には蓋体10の周壁から突出して容器本体1の係止凹部3に挿入され、蓋体10の解錠時には容器本体1の係止凹部3から蓋体10内に退没復帰する第二の進退動プレート32と、蓋体10に形成され、蓋体10の施錠時に突出する第二の進退動プレート32を蓋体10の厚さ方向に徐々に傾斜させる一対の案内リブ37とを備えて構成される。
【0031】
各施錠機構20は、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルホン、ポリアセタール樹脂等により成形される。これらの材料には、カーボンブラック、アセチレンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、金属繊維、帯電防止剤、タルク等が必要に応じて添加される。
【0032】
回転プレート21は、円板22の中心部に筒形の被操作リブ23を備えて形成され、筐体11の表面側部中央に回転可能に軸支されており、被操作リブ23にカバー12を貫通した蓋体開閉装置の操作キーが外部から挿入されることにより回転する。この回転プレート21の円板22には、半円弧形の一対の溝孔24がそれぞれ周方向に穿孔され、各溝孔24の一端部が回転プレート21の中心部に向け大きく湾曲する。
【0033】
被操作リブ23の外周面からは、略J字形を呈した一対のアーム25が幅方向外側にそれぞれ突出形成され、各アーム25がカバー12の突部と係合することにより、回転プレート21を正規の位置でロックするよう機能する(図6参照)。
【0034】
各第一の進退動プレート26は、図9や図10に示すように、基本的には長方形の板に形成され、表裏面には強度を向上させる凹凸27がそれぞれ並べて形成されており、筐体11とカバー12との間に複数のガイド13を介し直線運動可能に介在されて回転プレート21の上下方向に位置する。この第一の進退動プレート26は、その先端部が細い首部28に形成され、この首部28には、第二の進退動プレート32との連結用の連結ピン29が幅方向に向け装着されており、表面の末端部中心には、回転プレート21の溝孔24に嵌入する円柱形のピン30が立設される(図7参照)。
【0035】
第一の進退動プレート26の両側部には図2や図3に示すように、筐体11とカバー12のガイド13・13間にスライド可能に挟持される円柱形のピン突起31がそれぞれ突出形成される。
【0036】
各第二の進退動プレート32は、図11や図12に示すように、基本的には矩形を呈した凸凹の板に形成され、表裏面には強度を向上させる凹凸33がそれぞれ並べて形成されており、筐体11とカバー12との間に複数のガイド13と案内リブ37を介して介在される。この第二の進退動プレート32は、その先端部が断面略三角形の係止突部34に細く形成され、この係止突部34が蓋体10の貫通孔15を貫通して容器本体1の係止凹部3に傾斜しながら挿入される。
【0037】
第二の進退動プレート32の末端部には、第一の進退動プレート26の連結ピン29を着脱自在に嵌合支持するU字形の溝部35が形成され、第二の進退動プレート32の両側部には、筐体11とカバー12のガイド13間にスライド可能に挟持される円柱形のピン突起36がそれぞれ突出形成される。
【0038】
複数の案内リブ37は、筐体11の表面側部に間隔をおいて一対対設され、第二の進退動プレート32の両側部に位置してピン突起36に接触し、かつ蓋体10の上下方向に案内する。各案内リブ37は、例えば蓋体10の外方向から内方向に向かうにしたがい徐々に細くなる直角三角形に形成され、第二の進退動プレート32のピン突起36と接触する傾斜面が突出する第二の進退動プレート32を第一の進退動プレート26やその移動方向に対して10°〜45°、好ましくは15°〜25°の角度(θ)で傾斜させるよう機能する(図5参照)。
【0039】
第二の進退動プレート32の傾斜角度が10°〜45°の範囲なのは、傾斜角度が10°未満の場合には、容器本体1の係止凹部3に対して第二の進退動プレート32の係止突部34が摺り動き、磨耗粉発生のおそれがあるからである。逆に、傾斜角度が45°を超える場合には、第二の進退動プレート32の動作に要する負荷が大きくなり、第二の進退動プレート32の動作に支障を来たすからである。
【0040】
上記において、容器本体1の開口した正面を蓋体10により閉鎖する場合には、加工装置の蓋体開閉装置が容器本体1のリム部2に蓋体10を押圧嵌合し、その後、蓋体開閉装置が各施錠機構20の回転プレート21を外部から時計方向に回転操作する。
【0041】
回転プレート21が時計方向に回転すると、各第一の進退動プレート26がガイド13に案内されつつ蓋体10の上下方向に直線的に突出し、この第一の進退動プレート26の突出に伴い、各第二の進退動プレート32がガイド13や案内リブ37に案内されつつ蓋体10の貫通孔15から前方に傾きながら突出するとともに、各第二の進退動プレート32の係止突部34が容器本体1の係止凹部3前面に傾斜して接触し、この傾斜した接触により、容器本体1の正面が蓋体10により強固なシール状態に閉鎖される(図3、図5、図8参照)。
【0042】
この際、第二の進退動プレート32の先端部が単なる板形ではなく、面積の少ない断面略三角形の係止突部34に形成されているので、係止凹部3前面との接触領域が減少し、パーティクル発生のおそれをきわめて有効に排除することができる。
【0043】
上記に対し、容器本体1の正面から蓋体10を取り外す場合には、蓋体開閉装置が各施錠機構20の回転プレート21を外部から反時計方向に回転操作する。
回転プレート21が反時計方向に回転すると、各第一の進退動プレート26がガイド13に案内されつつ突出した位置から元の位置に直線的に後退し、この第一の進退動プレート26の後退に伴い、傾斜した各第二の進退動プレート32が容器本体1の係止凹部3から蓋体10の貫通孔15内に退没し、この退没により、容器本体1の正面から蓋体10が取り外し可能な状態となる(図2、図4参照)。そしてその後、容器本体1の正面から蓋体10が蓋体開閉装置により吸着して取り外される。
【0044】
上記構成によれば、第一の進退動プレート26が直線運動しても、これとは別体の第二の進退動プレート32が容器本体1の係止凹部3に傾きながら嵌合係止するので、容器本体1の係止凹部3と第二の進退動プレート32が擦れてパーティクルを発生させるおそれがない。また、進退動プレートを第一、第二の進退動プレート26・32に分割するので、第二の進退動プレート32を急角度でカバー方向に傾斜させても蓋体10の筐体11とカバー12に何ら干渉することがない。
【0045】
また、進退動プレートを第一、第二の進退動プレート26・32に分割して第一、第二の進退動プレート26・32の長手方向における長さを短縮しているので、長手方向の撓み強度を向上させることができる。特に、係止力の作用する第二の進退動プレート32については、幅方向の寸法に対して長手方向の寸法が1〜3倍となるよう設定することができるので、長手方向の撓み強度を著しく向上させることができる。
【0046】
したがって、例え小さな力(例えば、40N以下の力)でも、第二の進退動プレート32に係止力を十分に伝達して確実にシールすることができ、第一、第二の進退動プレート26・32を強固な支持構造で支持する必要性が全くなく、しかも、蓋体10のスペースを縮小したり、厚みを薄くすることができる。また、進退動プレートが第一、第二の進退動プレート26・32に分割された簡単な組み立て構造なので、連続使用や衝撃等による磨耗や損傷の激しい部品だけを容易に交換することができる。
【0047】
また、進退動プレートを複数の部品により組み立てるので、蓋体10からの反力が回転プレート21に直接伝達されることがなく、回転プレート21が自由回転したり、損傷するのをきわめて有効に防止することができ、確実なセルフリターンも期待できる。また、施錠機構20の回転プレート21に特殊な形状のカム面を複数段形成する必要が全くないので、構成の簡素化を図ることが可能になる。
【0048】
また、金属製の係止軸を使用しないので、金属成分の溶出により、容器本体1に収納された精密基板の汚染を招くおそれもない。さらに、小さな力で施錠機構20を動作させることができるので、精密基板の取り出しエラーや汚染を招くおそれもない。さらにまた、複数の第二の進退動プレート32の係止突部34が容器本体1の係止凹部3前面にそれぞれ傾斜接触して容器本体1を強固にシールするので、蓋体10の変形や傾きが生じにくく、しかも、リム部2にシールガスケット14を均一に接触変形させることができるので、シール性を大幅に向上させることが可能になる。
【0049】
なお、上記実施形態では筐体11の表面両側を左右一対のカバー12により被覆したが、何らこれに限定されるものではない。例えば、筐体11の表面を単一のカバー12により被覆しても良い。また、ガイド13、アーム25、ピン突起31・36、連結ピン29は、図1ないし図12に示すように、適宜増減変更しても良い。また、施錠機構20の回転プレート21、一対の第一の進退動プレート26、一対の第二の進退動プレート32、及び複数の案内リブ37の材料に、シリコーン樹脂やフッ素樹脂を添加して摺動性を向上させても良い。
【0050】
また、第一、第二の進退動プレート26・32は、それぞれバー形等に形成しても良い。また、第二の進退動プレート32の係止突部34や案内リブ37は、同様の作用効果が得られるのであれば、断面三角形でも良いし、台形等に形成しても良い。さらに、カバー12に案内リブ37を設け、第二の進退動プレート32の係止突部34を係止凹部3の後面に傾けて接触させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る収納容器の実施形態を示す全体斜視図である。
【図2】本発明に係る収納容器の実施形態における蓋体と解錠状態の施錠機構を示す正面説明図である。
【図3】本発明に係る収納容器の実施形態における蓋体と施錠状態の施錠機構を示す正面説明図である。
【図4】本発明に係る収納容器の実施形態における解錠状態の施錠機構を示す断面説明図である。
【図5】本発明に係る収納容器の実施形態における施錠状態の施錠機構を示す断面説明図である。
【図6】本発明に係る収納容器の実施形態における施錠機構を示す正面説明図である。
【図7】本発明に係る収納容器の実施形態における施錠機構を示す分解側面説明図である。
【図8】本発明に係る収納容器の実施形態における施錠状態の施錠機構を模式的に示す断面説明図である。
【図9】本発明に係る収納容器の実施形態における施錠機構の第一の進退動プレートを示す斜視説明図である。
【図10】図9の第一の進退動プレートを裏面側から示す斜視説明図である。
【図11】本発明に係る収納容器の実施形態における施錠機構の第二の進退動プレートを示す斜視説明図である。
【図12】図11の第二の進退動プレートを裏面側から示す斜視説明図である。
【符号の説明】
【0052】
1 容器本体
2 リム部(開口部)
3 係止凹部(凹部)
10 蓋体
11 筐体
12 カバー
13 ガイド
15 貫通孔
20 施錠機構
21 回転プレート(回転体)
26 第一の進退動プレート(第一の進退動体)
31 ピン突起
32 第二の進退動プレート(第二の進退動体)
34 係止突部(先端部)
35 溝部
36 ピン突起
37 案内リブ(案内体)
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウェーハ、フォトマスクガラス、アルミディスクに代表される基板等を収納する収納容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
口径300mmの半導体ウェーハからなる精密基板はフロントオープンボックスタイプの収納容器に収納されるが、この種の収納容器は、図示しない複数枚の精密基板を整列収納するフロントオープンボックスタイプの容器本体と、この容器本体の開口した正面をシール可能に閉鎖する着脱自在の蓋体と、容器本体の正面に嵌合された蓋体を施錠・解錠する施錠機構とを備え、SEMI規格のE47.1により標準化されており、標準化された機械的インターフェイスを有する加工装置の蓋体開閉装置により蓋体が自動的に開閉操作される。
【0003】
施錠機構は、蓋体に支持されて加工装置の蓋体開閉装置により回転操作される回転プレートと、この回転プレートの回転に伴い蓋体の周壁方向に直線的に進退動する一対の進退動プレートと、各進退動プレートの先端部に設けられ、蓋体の施錠時には蓋体の周壁から突出して容器本体の正面内周の凹部に嵌合係止され、蓋体の解錠時には容器本体の凹部から蓋体内に復帰する係止体とから構成されている。
【0004】
上記において、容器本体の開口した正面を蓋体により閉鎖する場合には、加工装置の蓋体開閉装置が容器本体の開口した正面に蓋体をきつく押圧嵌合し、その後、蓋体開閉装置が施錠機構の回転プレートを外部から回転操作して各進退動プレートを蓋体の周壁方向に進出させ、この各進退動プレートの進出に伴い、係止体が蓋体の周壁から突出して容器本体の凹部に嵌合係止することにより、容器本体の正面が蓋体によりシール状態に閉鎖される。
【0005】
ところで、施錠機構の進退動プレートやその係止体が一体の単一部品からなる場合、進退動プレートが単に直線運動すると、容器本体の凹部に進退動プレートや係止体が擦れてパーティクル(particulate)を発生させてしまうおそれがある。
このような問題を排除するため、従来においては、進退動プレートを進出させた後にその先端部を蓋体の幅方向に急角度で大きく傾斜させる方法が提案されている(特許文献1参照)。また、進退動プレートを複数の部品により構成し、進退動プレートの先端部に金属製で別体の係止軸を回転可能に支持させる方法も提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特表平04‐505234号公報
【特許文献2】特開2000‐58633号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来における収納容器は、以上のように進退動プレートの単なる直線運動によりパーティクルが発生するのを上記技術により解消しようとしているが、いずれの方法にも問題がある。先ず、進退動プレートを進出させた後にその先端部を急角度で大きく傾斜させる場合には、進退動プレートの先端部に十分な係止力を伝達するため、大きな力を加えても支障がないようにしなければならないし、底面に設けられた蓋体の上に精密基板の装填されたカセットが搭載されてかなりの重量が蓋体の表面プレートに作用するので、進退動プレートを強固に支えてその撓みを防止しなければならないという大きな問題が新たに生じることとなる。
【0007】
また、進退動プレートの先端部を急角度で大きく傾斜させるためには、蓋体のスペースや厚みを大きくしなければならないという問題が新たに生じる。さらに、施錠機構の回転プレートに特殊な形状のカム面を複数段形成しなければならず、構成の複雑化を招くこととなる。
【0008】
一方、進退動プレートを複数の部品により構成し、各進退動プレートの先端部に別体の係止軸を支持させる場合には、金属製の係止軸により、精密基板の汚染を招くおそれが少なくない。
【0009】
本発明は上記に鑑みなされたもので、進退動体の運動により塵埃が発生するのを抑制防止することができ、蓋体のスペースや厚みを小さくし、収納される物品の汚染を防ぐことのできる収納容器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明においては上記課題を解決するため、物品を収納する容器本体と、この容器本体の開口部を開閉する蓋体と、容器本体の開口部を覆う蓋体を施錠する施錠機構とを備えたものであって、
施錠機構は、回転可能な回転体と、この回転体の回転に基づき、蓋体の施錠時には蓋体の基準位置から蓋体の周縁部方向に突出し、蓋体の解錠時には蓋体の基準位置に復帰する第一の進退動体と、この第一の進退動体に回転可能に支持され、蓋体の施錠時には蓋体から突出して容器本体の開口部内周の凹部に挿入され、蓋体の解錠時には容器本体の凹部から蓋体方向に復帰する第二の進退動体と、突出する第二の進退動体を蓋体の厚さ方向に傾斜させる案内体とを含んでなることを特徴としている。
【0011】
なお、蓋体を、容器本体の開口部に嵌め合わされる筐体と、この筐体を覆うカバーとから形成し、これら筐体とカバーとの間に、施錠機構の回転体、第一の進退動体、及び第二の進退動体を介在し、筐体とカバーの対向面の少なくともいずれか一方に、施錠機構の案内体を形成することができる。
【0012】
また、施錠機構における第二の進退動体の両側部に、案内体に接触するピン突起をそれぞれ形成し、案内体を断面略多角形に形成するとともに、この案内体の第二の進退動体のピン突起と接触する接触面を傾斜させて突出する第二の進退動体を第一の進退動体に対して10°〜45°の範囲で傾斜させることができる。
さらに、施錠機構における第二の進退動体を略板形とし、この第二の進退動体の先端部を容器本体の凹部との接触面積を減少させる形状に形成することができる。
【0013】
ここで、特許請求の範囲における物品には、少なくとも半導体ウェーハ(200、300、450mmタイプ等)、フォトマスクガラス、液晶ガラス、アルミディスクに代表される単数複数の基板、機械用品、電気電子用品、建築用品、家庭用品等が含まれる。容器本体や収納容器は、フロントオープンボックスタイプでも良いし、トップオープンボックスタイプでも良く、透明、不透明、半透明、導電性、絶縁性、FOUPタイプ、FOSBタイプ等を特に問うものではない。容器本体の天井や壁の一部には、物品把握用の透視窓を選択的に形成することができる。また、施錠機構は単数複数いずれでも良い。
【0014】
施錠機構における第一の進退動体は、上下方向に動くタイプでも良いし、前後方向や左右方向に動くタイプでも良い。また、第二の進退動体は、第一の進退動体に回転可能に支持されるが、この回転という用語には、回動や揺動が含まれる。この第二の進退動体の先端部は、容器本体の凹部との接触面積を減少させる形状に形成されるが、具体的には断面略三角形、楔形、矢印形等に形成される。さらに、ピン突起は、案内体に直接接触するタイプでも良いし、円筒形のローラを介し間接的に接触するタイプでも良い。
【0015】
本発明によれば、容器本体の開口部に蓋体を嵌め合わせて施錠機構の回転体を回転操作すると、回転体の回転に伴い第一の進退動体が蓋体の周縁部方向に突出し、この第一の進退動体の突出に伴い、別体の第二の進退動体が案内体に案内されつつ蓋体から傾きながら突出するとともに、容器本体の凹部に傾斜して接触し、この接触により、容器本体が蓋体により閉じられる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、進退動体の運動により塵埃が発生するのを抑制防止することができ、蓋体のスペースや厚みを小さくすることができるという効果がある。また、金属部品を削減したり、省略することができるので、収納される物品の汚染を防ぐことができるという効果がある。
また、蓋体の筐体とカバーとの間に、施錠機構の回転体、第一の進退動体、及び第二の進退動体を介在すれば、カバーの保護作用により施錠機構に外力が加わって損傷したり、変形するのを防ぐことができる。
【0017】
また、案内体の第二の進退動体のピン突起と接触する接触面を傾斜させて第二の進退動体を第一の進退動体に対して10°〜45°の範囲で傾斜させれば、容器本体の凹部に対して第二の進退動体の先端部が摺り動いたり、第二の進退動体の動作に支障を来たすのを抑制することができる。
さらに、施錠機構における第二の進退動体を略板形とし、この第二の進退動体の先端部を容器本体の凹部との接触面積を減少させる形状に形成すれば、容器本体の凹部に第二の進退動体が擦れてパーティクルや塵埃等が発生するのを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における収納容器は、図1ないし図12に示すように、物品である複数枚の精密基板を収納する容器本体1と、この容器本体1の開口した正面を開閉する蓋体10と、容器本体1の正面を覆う蓋体10を施錠・解錠する一対の施錠機構20とを備えた輸送用の精密基板収納容器であり、各施錠機構20を、回転プレート21、一対の第一の進退動プレート26、一対の第二の進退動プレート32、及び複数の案内リブ37とから構成するようにしている。
【0019】
精密基板は、図示しないが、口径300mmの薄く丸い円板形の半導体ウェーハからなり、表裏両面のうち少なくとも表面が鏡面加工されており、専用のロボットにより25枚あるいは26枚が容器本体1に対して出し入れされる。
【0020】
容器本体1は、図1に示すように、所定の樹脂を使用して正面の開口した透明のフロントオープンボックスに成形され、複数枚の精密基板を上下方向に並べて整列収納するよう機能する。この容器本体1を成形する所定の樹脂としては、特に限定されるものではないが、例えばポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、シクロオレフィン等があげられる。これらの中でもポリカーボネートは、剛性と透明性に優れるので最適である。これらの樹脂には、必要に応じて導電性が付与される。
【0021】
容器本体1は、その正面の周縁部が外方向に断面略L字形に屈曲形成されて蓋体嵌合用のリム部2を形成し、このリム部2の内周面の上下両側には、施錠機構20用の係止凹部3がそれぞれ凹み形成される(図4、図5、図8参照)。また、容器本体1の内部後方には、精密基板の後部周縁を保持溝を介して保持する左右一対のリヤリテーナ4が上下方向に間隔をおいて並設され、容器本体1の内部両側には、相互に対向して精密基板を略水平に保持するティース5がそれぞれ形成されており、この左右一対のティース5が上下方向に間隔をおいて並設される。
【0022】
各ティース5は、平面略く字形あるいは略半円弧形に形成されて精密基板の側部周縁に沿う平板と、この平板の前部内側上に一体形成される平坦な前部中肉領域と、平板の前部外側上に一体形成されて前部中肉領域の外側に位置する平坦な前部厚肉領域と、平板の後部に一体形成される後部中肉領域と、平板の後部に形成されて後部中肉領域の前方に位置し、容器本体1の側壁寄りに僅かな面積で位置する後部厚肉領域とから形成される。
【0023】
ティース5の前部中肉領域と前部厚肉領域との間には、精密基板の側部周縁に接触する垂直の段差が僅かに形成され、前部厚肉領域は蓋体10の取り外し時に精密基板が容器本体1から前方に飛び出すのを規制するよう機能する。また、前部中肉領域と後部中肉領域との間には、僅かに凹んだ薄肉領域が形成され、この薄肉領域が精密基板の側部周縁に僅かな隙間を介して対向する。このようなティース5は、前部中肉領域と後部中肉領域とに精密基板の側部周縁を高い精度を維持しつつ水平に支持し、精密基板が上下方向に傾いて専用のロボットによる出し入れが困難になるのを防止する。
【0024】
容器本体1の底面の前部両側と後部中央には、加工装置に位置決め搭載される位置決め具が配設され、容器本体1の底面後部には、薄板で小型のボトムプレートが後方から着脱自在に装着されており、このボトムプレートに下方から着脱自在に嵌入された識別体が加工装置に識別されることにより、収納容器のタイプや精密基板の枚数等が把握される。
【0025】
容器本体1の天井中央部には、OHTと呼ばれる自動搬送機に保持されるロボティックフランジ6が着脱自在に装着され、容器本体1の両側壁外面には、肉厚の円板形やU字形の搬送ハンドルがそれぞれ装着されており、この一対の搬送ハンドルが把持されることにより収納容器が搬送される。
【0026】
なお、位置決め具、ボトムプレート、ロボティックフランジ6、搬送ハンドルは、ポリカーボネート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、環状オレフィン樹脂等により成形される。これらの材料には、カーボンブラック、アセチレンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、金属繊維、帯電防止剤等が必要に応じて添加される。
【0027】
蓋体10は、図2ないし図5に示すように、容器本体1のリム部2にシール可能に嵌合される着脱自在の筐体11と、この筐体11の表面両側をそれぞれ被覆する左右一対のカバー12とを備え、これら筐体11と一対のカバー12との間に、施錠機構20がそれぞれ介在設置される。この蓋体10は、フッ素を含有したポリカーボネート、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、シクロオレフィン樹脂等により、四隅部が丸く面取りされた正面略矩形に成形される。この蓋体10の材料には、必要に応じて導電性が付与される。
【0028】
筐体11と一対のカバー12との対向面には、相互に対向する直線レール形のガイド13がそれぞれ複数形成され(図2ないし図5参照)、この複数のガイド13のガイド面に案内されて施錠機構20の第一、第二の進退動プレート26・32が運動する。筐体11は、底の浅い断面略皿形に形成され、裏面の中央部には、精密基板の前部周縁を挟持溝を介し挟持する弾性のフロントリテーナが上下方向に並べて装着される。
【0029】
筐体11の周壁には、容器本体1のリム部2と蓋体10との間に介在するエンドレスのシールガスケット14が圧縮変形可能に嵌合され、周壁の上下両側には、リム部2の係止凹部3に対応する貫通孔15がそれぞれ穿孔される(図4、図5、図8参照)。
【0030】
各施錠機構20は、図6ないし図12に示すように、蓋体10に回転可能に支持される回転プレート21と、この回転プレート21の回転に基づき、蓋体10の施錠時には蓋体10内の基準位置から蓋体10の周壁方向に直線的に突出し、蓋体10の解錠時には突出位置から蓋体10内の基準位置に直線的に復帰する一対の第一の進退動プレート26と、各第一の進退動プレート26の先端部に回転可能に連結支持され、蓋体10の施錠時には蓋体10の周壁から突出して容器本体1の係止凹部3に挿入され、蓋体10の解錠時には容器本体1の係止凹部3から蓋体10内に退没復帰する第二の進退動プレート32と、蓋体10に形成され、蓋体10の施錠時に突出する第二の進退動プレート32を蓋体10の厚さ方向に徐々に傾斜させる一対の案内リブ37とを備えて構成される。
【0031】
各施錠機構20は、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルホン、ポリアセタール樹脂等により成形される。これらの材料には、カーボンブラック、アセチレンブラック、炭素繊維、カーボンナノチューブ、金属繊維、帯電防止剤、タルク等が必要に応じて添加される。
【0032】
回転プレート21は、円板22の中心部に筒形の被操作リブ23を備えて形成され、筐体11の表面側部中央に回転可能に軸支されており、被操作リブ23にカバー12を貫通した蓋体開閉装置の操作キーが外部から挿入されることにより回転する。この回転プレート21の円板22には、半円弧形の一対の溝孔24がそれぞれ周方向に穿孔され、各溝孔24の一端部が回転プレート21の中心部に向け大きく湾曲する。
【0033】
被操作リブ23の外周面からは、略J字形を呈した一対のアーム25が幅方向外側にそれぞれ突出形成され、各アーム25がカバー12の突部と係合することにより、回転プレート21を正規の位置でロックするよう機能する(図6参照)。
【0034】
各第一の進退動プレート26は、図9や図10に示すように、基本的には長方形の板に形成され、表裏面には強度を向上させる凹凸27がそれぞれ並べて形成されており、筐体11とカバー12との間に複数のガイド13を介し直線運動可能に介在されて回転プレート21の上下方向に位置する。この第一の進退動プレート26は、その先端部が細い首部28に形成され、この首部28には、第二の進退動プレート32との連結用の連結ピン29が幅方向に向け装着されており、表面の末端部中心には、回転プレート21の溝孔24に嵌入する円柱形のピン30が立設される(図7参照)。
【0035】
第一の進退動プレート26の両側部には図2や図3に示すように、筐体11とカバー12のガイド13・13間にスライド可能に挟持される円柱形のピン突起31がそれぞれ突出形成される。
【0036】
各第二の進退動プレート32は、図11や図12に示すように、基本的には矩形を呈した凸凹の板に形成され、表裏面には強度を向上させる凹凸33がそれぞれ並べて形成されており、筐体11とカバー12との間に複数のガイド13と案内リブ37を介して介在される。この第二の進退動プレート32は、その先端部が断面略三角形の係止突部34に細く形成され、この係止突部34が蓋体10の貫通孔15を貫通して容器本体1の係止凹部3に傾斜しながら挿入される。
【0037】
第二の進退動プレート32の末端部には、第一の進退動プレート26の連結ピン29を着脱自在に嵌合支持するU字形の溝部35が形成され、第二の進退動プレート32の両側部には、筐体11とカバー12のガイド13間にスライド可能に挟持される円柱形のピン突起36がそれぞれ突出形成される。
【0038】
複数の案内リブ37は、筐体11の表面側部に間隔をおいて一対対設され、第二の進退動プレート32の両側部に位置してピン突起36に接触し、かつ蓋体10の上下方向に案内する。各案内リブ37は、例えば蓋体10の外方向から内方向に向かうにしたがい徐々に細くなる直角三角形に形成され、第二の進退動プレート32のピン突起36と接触する傾斜面が突出する第二の進退動プレート32を第一の進退動プレート26やその移動方向に対して10°〜45°、好ましくは15°〜25°の角度(θ)で傾斜させるよう機能する(図5参照)。
【0039】
第二の進退動プレート32の傾斜角度が10°〜45°の範囲なのは、傾斜角度が10°未満の場合には、容器本体1の係止凹部3に対して第二の進退動プレート32の係止突部34が摺り動き、磨耗粉発生のおそれがあるからである。逆に、傾斜角度が45°を超える場合には、第二の進退動プレート32の動作に要する負荷が大きくなり、第二の進退動プレート32の動作に支障を来たすからである。
【0040】
上記において、容器本体1の開口した正面を蓋体10により閉鎖する場合には、加工装置の蓋体開閉装置が容器本体1のリム部2に蓋体10を押圧嵌合し、その後、蓋体開閉装置が各施錠機構20の回転プレート21を外部から時計方向に回転操作する。
【0041】
回転プレート21が時計方向に回転すると、各第一の進退動プレート26がガイド13に案内されつつ蓋体10の上下方向に直線的に突出し、この第一の進退動プレート26の突出に伴い、各第二の進退動プレート32がガイド13や案内リブ37に案内されつつ蓋体10の貫通孔15から前方に傾きながら突出するとともに、各第二の進退動プレート32の係止突部34が容器本体1の係止凹部3前面に傾斜して接触し、この傾斜した接触により、容器本体1の正面が蓋体10により強固なシール状態に閉鎖される(図3、図5、図8参照)。
【0042】
この際、第二の進退動プレート32の先端部が単なる板形ではなく、面積の少ない断面略三角形の係止突部34に形成されているので、係止凹部3前面との接触領域が減少し、パーティクル発生のおそれをきわめて有効に排除することができる。
【0043】
上記に対し、容器本体1の正面から蓋体10を取り外す場合には、蓋体開閉装置が各施錠機構20の回転プレート21を外部から反時計方向に回転操作する。
回転プレート21が反時計方向に回転すると、各第一の進退動プレート26がガイド13に案内されつつ突出した位置から元の位置に直線的に後退し、この第一の進退動プレート26の後退に伴い、傾斜した各第二の進退動プレート32が容器本体1の係止凹部3から蓋体10の貫通孔15内に退没し、この退没により、容器本体1の正面から蓋体10が取り外し可能な状態となる(図2、図4参照)。そしてその後、容器本体1の正面から蓋体10が蓋体開閉装置により吸着して取り外される。
【0044】
上記構成によれば、第一の進退動プレート26が直線運動しても、これとは別体の第二の進退動プレート32が容器本体1の係止凹部3に傾きながら嵌合係止するので、容器本体1の係止凹部3と第二の進退動プレート32が擦れてパーティクルを発生させるおそれがない。また、進退動プレートを第一、第二の進退動プレート26・32に分割するので、第二の進退動プレート32を急角度でカバー方向に傾斜させても蓋体10の筐体11とカバー12に何ら干渉することがない。
【0045】
また、進退動プレートを第一、第二の進退動プレート26・32に分割して第一、第二の進退動プレート26・32の長手方向における長さを短縮しているので、長手方向の撓み強度を向上させることができる。特に、係止力の作用する第二の進退動プレート32については、幅方向の寸法に対して長手方向の寸法が1〜3倍となるよう設定することができるので、長手方向の撓み強度を著しく向上させることができる。
【0046】
したがって、例え小さな力(例えば、40N以下の力)でも、第二の進退動プレート32に係止力を十分に伝達して確実にシールすることができ、第一、第二の進退動プレート26・32を強固な支持構造で支持する必要性が全くなく、しかも、蓋体10のスペースを縮小したり、厚みを薄くすることができる。また、進退動プレートが第一、第二の進退動プレート26・32に分割された簡単な組み立て構造なので、連続使用や衝撃等による磨耗や損傷の激しい部品だけを容易に交換することができる。
【0047】
また、進退動プレートを複数の部品により組み立てるので、蓋体10からの反力が回転プレート21に直接伝達されることがなく、回転プレート21が自由回転したり、損傷するのをきわめて有効に防止することができ、確実なセルフリターンも期待できる。また、施錠機構20の回転プレート21に特殊な形状のカム面を複数段形成する必要が全くないので、構成の簡素化を図ることが可能になる。
【0048】
また、金属製の係止軸を使用しないので、金属成分の溶出により、容器本体1に収納された精密基板の汚染を招くおそれもない。さらに、小さな力で施錠機構20を動作させることができるので、精密基板の取り出しエラーや汚染を招くおそれもない。さらにまた、複数の第二の進退動プレート32の係止突部34が容器本体1の係止凹部3前面にそれぞれ傾斜接触して容器本体1を強固にシールするので、蓋体10の変形や傾きが生じにくく、しかも、リム部2にシールガスケット14を均一に接触変形させることができるので、シール性を大幅に向上させることが可能になる。
【0049】
なお、上記実施形態では筐体11の表面両側を左右一対のカバー12により被覆したが、何らこれに限定されるものではない。例えば、筐体11の表面を単一のカバー12により被覆しても良い。また、ガイド13、アーム25、ピン突起31・36、連結ピン29は、図1ないし図12に示すように、適宜増減変更しても良い。また、施錠機構20の回転プレート21、一対の第一の進退動プレート26、一対の第二の進退動プレート32、及び複数の案内リブ37の材料に、シリコーン樹脂やフッ素樹脂を添加して摺動性を向上させても良い。
【0050】
また、第一、第二の進退動プレート26・32は、それぞれバー形等に形成しても良い。また、第二の進退動プレート32の係止突部34や案内リブ37は、同様の作用効果が得られるのであれば、断面三角形でも良いし、台形等に形成しても良い。さらに、カバー12に案内リブ37を設け、第二の進退動プレート32の係止突部34を係止凹部3の後面に傾けて接触させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明に係る収納容器の実施形態を示す全体斜視図である。
【図2】本発明に係る収納容器の実施形態における蓋体と解錠状態の施錠機構を示す正面説明図である。
【図3】本発明に係る収納容器の実施形態における蓋体と施錠状態の施錠機構を示す正面説明図である。
【図4】本発明に係る収納容器の実施形態における解錠状態の施錠機構を示す断面説明図である。
【図5】本発明に係る収納容器の実施形態における施錠状態の施錠機構を示す断面説明図である。
【図6】本発明に係る収納容器の実施形態における施錠機構を示す正面説明図である。
【図7】本発明に係る収納容器の実施形態における施錠機構を示す分解側面説明図である。
【図8】本発明に係る収納容器の実施形態における施錠状態の施錠機構を模式的に示す断面説明図である。
【図9】本発明に係る収納容器の実施形態における施錠機構の第一の進退動プレートを示す斜視説明図である。
【図10】図9の第一の進退動プレートを裏面側から示す斜視説明図である。
【図11】本発明に係る収納容器の実施形態における施錠機構の第二の進退動プレートを示す斜視説明図である。
【図12】図11の第二の進退動プレートを裏面側から示す斜視説明図である。
【符号の説明】
【0052】
1 容器本体
2 リム部(開口部)
3 係止凹部(凹部)
10 蓋体
11 筐体
12 カバー
13 ガイド
15 貫通孔
20 施錠機構
21 回転プレート(回転体)
26 第一の進退動プレート(第一の進退動体)
31 ピン突起
32 第二の進退動プレート(第二の進退動体)
34 係止突部(先端部)
35 溝部
36 ピン突起
37 案内リブ(案内体)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納する容器本体と、この容器本体の開口部を開閉する蓋体と、容器本体の開口部を覆う蓋体を施錠する施錠機構とを備えた収納容器であって、
施錠機構は、回転可能な回転体と、この回転体の回転に基づき、蓋体の施錠時には蓋体の基準位置から蓋体の周縁部方向に突出し、蓋体の解錠時には蓋体の基準位置に復帰する第一の進退動体と、この第一の進退動体に回転可能に支持され、蓋体の施錠時には蓋体から突出して容器本体の開口部内周の凹部に挿入され、蓋体の解錠時には容器本体の凹部から蓋体方向に復帰する第二の進退動体と、突出する第二の進退動体を蓋体の厚さ方向に傾斜させる案内体とを含んでなることを特徴とする収納容器。
【請求項2】
蓋体を、容器本体の開口部に嵌め合わされる筐体と、この筐体を覆うカバーとから形成し、これら筐体とカバーとの間に、施錠機構の回転体、第一の進退動体、及び第二の進退動体を介在し、筐体とカバーの対向面の少なくともいずれか一方に、施錠機構の案内体を形成した請求項1記載の収納容器。
【請求項3】
施錠機構における第二の進退動体の両側部に、案内体に接触するピン突起をそれぞれ形成し、案内体を断面略多角形に形成するとともに、この案内体の第二の進退動体のピン突起と接触する接触面を傾斜させて突出する第二の進退動体を第一の進退動体に対して10°〜45°の範囲で傾斜させるようにした請求項1又は2記載の収納容器。
【請求項4】
施錠機構における第二の進退動体を略板形とし、この第二の進退動体の先端部を容器本体の凹部との接触面積を減少させる形状に形成した請求項1、2、又は3記載の収納容器。
【請求項1】
物品を収納する容器本体と、この容器本体の開口部を開閉する蓋体と、容器本体の開口部を覆う蓋体を施錠する施錠機構とを備えた収納容器であって、
施錠機構は、回転可能な回転体と、この回転体の回転に基づき、蓋体の施錠時には蓋体の基準位置から蓋体の周縁部方向に突出し、蓋体の解錠時には蓋体の基準位置に復帰する第一の進退動体と、この第一の進退動体に回転可能に支持され、蓋体の施錠時には蓋体から突出して容器本体の開口部内周の凹部に挿入され、蓋体の解錠時には容器本体の凹部から蓋体方向に復帰する第二の進退動体と、突出する第二の進退動体を蓋体の厚さ方向に傾斜させる案内体とを含んでなることを特徴とする収納容器。
【請求項2】
蓋体を、容器本体の開口部に嵌め合わされる筐体と、この筐体を覆うカバーとから形成し、これら筐体とカバーとの間に、施錠機構の回転体、第一の進退動体、及び第二の進退動体を介在し、筐体とカバーの対向面の少なくともいずれか一方に、施錠機構の案内体を形成した請求項1記載の収納容器。
【請求項3】
施錠機構における第二の進退動体の両側部に、案内体に接触するピン突起をそれぞれ形成し、案内体を断面略多角形に形成するとともに、この案内体の第二の進退動体のピン突起と接触する接触面を傾斜させて突出する第二の進退動体を第一の進退動体に対して10°〜45°の範囲で傾斜させるようにした請求項1又は2記載の収納容器。
【請求項4】
施錠機構における第二の進退動体を略板形とし、この第二の進退動体の先端部を容器本体の凹部との接触面積を減少させる形状に形成した請求項1、2、又は3記載の収納容器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−303015(P2006−303015A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−119751(P2005−119751)
【出願日】平成17年4月18日(2005.4.18)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月18日(2005.4.18)
【出願人】(000190116)信越ポリマー株式会社 (1,394)
【Fターム(参考)】
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