説明

受信装置

【課題】 音声の切り替え時における音量や音質の変化を緩やかにする。
【解決手段】 所定周波数帯域に含まれるアナログ放送の放送波から第1音声信号を復調するアナログ復調部と、前記周波数帯域に含まれる、アナログ放送と同一内容のデジタル放送の放送波から第2音声信号を復調・復号するデジタル復調・復号部と、第1および第2音声信号の少なくとも一方を遅延させ、それぞれ第3および第4音声信号として出力する遅延部と、アナログ放送の放送波の受信状態を示すアナログ受信状態信号を出力する受信状態検出部と、アナログ受信状態信号に応じて第3/4音声信号の音量および音質の少なくとも一方を制御して、それぞれ第5/6音声信号として出力する第1/2音声処理部と、アナログ放送およびデジタル放送の放送波の少なくとも一方の受信状態に応じて、第5音声信号と第6音声信号とを所定の割合で混合して出力する混合処理部と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ラジオやテレビのアナログ放送からデジタル放送への移行期間において、アナログ放送とデジタル放送とで同じ番組を同時に放送するサイマル放送が行われる場合がある。例えば、IBOC(In-Band On-Channel)方式のラジオ放送では、図8に示すように、アナログ放送の放送波(以下、アナログ放送波と称する)の両側波帯を利用して、アナログ放送と同一内容のデジタル放送の放送波(以下、デジタル放送波と称する)が送信されている。そのため、デジタル放送に対応する受信装置(以下、デジタル受信装置と称する)では、デジタル放送波を受信して高音質な音声を再生することができる一方、アナログ放送のみに対応する従来の受信装置(以下、アナログ受信装置と称する)でも、引き続きアナログ放送波を受信することができる。したがって、アナログ受信装置による受信を継続させつつ、デジタル受信装置の普及を図り、アナログ放送からデジタル放送への移行を円滑に進めることが可能となる。
【0003】
また、上記のようなサイマル放送が行われている場合には、アナログ放送波およびデジタル放送波の両方を受信して、高音質なデジタル放送の音声(以下、デジタル音声と称する)と既存のアナログ放送の音声(以下、アナログ音声と称する)とを、受信状態に応じて切り替えて再生することもできる。例えば、特許文献1においては、アナログ音声とデジタル音声との時間差や音量差を調整し、両音声の切り替え時の違和感を減少させることができる受信装置(受信機)が開示されている。
【0004】
ここで、特許文献1で開示されている受信装置と同様に、IBOC方式のラジオ放送において、アナログ音声とデジタル音声との時間差や音量差を調整することができる受信装置の構成の一例を図7に示す。図7に示されている受信装置において、アナログ放送波は、アンテナ1、受信部2、AD(アナログ・デジタル)変換部3、およびアナログ復調部10を介して音声信号に変換され、デジタル放送波は、アンテナ1、受信部2、AD変換部3、デジタル復調部20、および復号部(デコーダ)25を介して音声信号に変換される。また、当該アナログ放送およびデジタル放送の音声信号(以下、それぞれアナログ音声信号およびデジタル音声信号と称する)は、遅延部11および21において位相差(時間差)が調整され、音量調整部13および23において音量差が調整されたうえで、混合処理部4に入力される。さらに、混合処理部4の混合比制御部41は、アナログ放送波やデジタル放送波の受信状態を示す受信状態信号ADRに応じて切り替え信号SWを出力し、混合部42は、切り替え信号SWに従って、アナログ音声信号とデジタル音声信号とを切り替えて出力するが、当該切り替えの過程においては、両信号を混合し、当該混合の割合を受信状態に応じて変化させつつ出力することによって、音量や音質の急激な変化を緩和している。
【0005】
このようにして、アナログ音声信号およびデジタル音声信号の位相差や音量差を調整したうえで、受信状態に応じて両信号を所定の割合で混合しつつ切り替えて出力することによって、当該切り替え時の違和感を減少させるとともに、音量や音質の急激な変化を緩和することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2006−115200号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、アナログ放送およびデジタル放送における放送波の電界強度と音質との関係の一例を、それぞれ図9および図10に示す。図9に示されているように、アナログ音声信号は、アナログ放送波が強電界になるほど高音質になり、アナログ放送波が弱電界になるほど低音質になる。また、図10に示されているように、デジタル音声信号は、デジタル放送波が所定の強度レベルSth1より強電界であり、デジタル放送波から復調された信号の誤り率が所定の誤りレベルRthより低い場合には略一定の高音質に保たれ、デジタル放送波が強度レベルSth1より弱電界であり、誤り率が誤りレベルRthより高い場合には音声としてほとんど再生不可能なほどに低音質になる。
【0008】
さらに、IBOC方式のラジオ放送において放送波が弱電界になる場合に、混合処理部4から出力される音声信号の音質の変化の一例を図11に示す。放送波が十分に強電界であるt2時点以前においては、混合処理部4は、アナログ音声信号およびデジタル音声信号を、それぞれ0%および100%の割合で混合して、すなわち、デジタル音声信号のみを選択して出力する。また、放送波が所定の強度レベルSth2(>Sth1)より弱電界になるt2時点以降においては、混合処理部4は、アナログ音声信号およびデジタル音声信号を所定の割合で混合して出力する。さらに、放送波が強度レベルSth1より弱電界になるt1時点以降においては、混合処理部4は、アナログ音声信号およびデジタル音声信号を、それぞれ100%および0%の割合で混合して、すなわち、アナログ音声信号のみを選択して出力する。なお、例えば図11の実線に示されているように、t2時点からt1時点までの間、混合処理部4は、アナログ音声信号およびデジタル音声信号を混合する割合を滑らかに変化させる。
【0009】
しかしながら、上記混合の割合を滑らかに変化させる場合であっても、混合処理部4は、t2時点においては略一定の高音質に保たれているデジタル音声信号のみを選択して出力し、t1時点においては放送波が弱電界になるに従って低音質になったアナログ音声信号のみを選択して出力するため、t2時点からt1時点までの間に混合処理部4から出力される音声信号の音質の変化は、例えば図11の長破線に示されているアナログ音声信号の音質の変化より急激になる。
そのため、アナログ音声信号とデジタル音声信号との切り替え時に違和感を生じる場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述した課題を解決する主たる本発明は、所定の周波数帯域に含まれるアナログ放送の放送波から第1の音声信号を復調するアナログ復調部と、前記周波数帯域に含まれる、前記アナログ放送と同一内容のデジタル放送の放送波から第2の音声信号を復調および復号するデジタル復調・復号部と、前記第1および第2の音声信号の少なくとも一方を遅延させ、それぞれ第3および第4の音声信号として出力する遅延部と、前記アナログ放送の放送波の受信状態を示すアナログ受信状態信号を出力する受信状態検出部と、前記アナログ受信状態信号に応じて前記第3の音声信号の音量および音質の少なくとも一方を制御して第5の音声信号として出力する第1の音声処理部と、前記アナログ受信状態信号に応じて前記第4の音声信号の音量および音質の少なくとも一方を制御して第6の音声信号として出力する第2の音声処理部と、前記アナログ放送およびデジタル放送の放送波の少なくとも一方の受信状態に応じて、前記第5の音声信号と前記第6の音声信号とを所定の割合で混合して出力する混合処理部と、を有することを特徴とする受信装置である。
本発明の他の特徴については、添付図面及び本明細書の記載により明らかとなる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、アナログ放送の音声とデジタル放送の音声との切り替え時における音量や音質の変化を緩やかにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態における受信装置全体の構成を示すブロック図である。
【図2】受信状態検出部8、および音声処理部12、22の詳細構成の一例を示すブロック図である。
【図3】セパレーション制御部222の詳細構成の一例を示すブロック図である。
【図4】音声処理部12、22、および混合処理部4の動作の一例を説明する図である。
【図5】セパレーション制御部222における他の制御例を説明する図である。
【図6】セパレーション制御部222におけるさらに他の制御例を説明する図である。
【図7】IBOC方式のラジオ放送の一般的な受信装置の構成の一例を示すブロック図である。
【図8】IBOC方式におけるアナログ放送波およびデジタル放送波の周波数の関係の一例を示す模式図である。
【図9】アナログ放送における放送波の電界強度と音質との関係の一例を示す模式図である。
【図10】デジタル放送における放送波の電界強度と誤り率および音質との関係の一例を示す模式図である。
【図11】IBOC方式のラジオ放送における放送波の電界強度の変化と音質の変化との関係の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書および添付図面の記載により、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
【0014】
===受信装置全体の構成および動作===
以下、図1を参照して、本発明の一実施形態における受信装置全体の構成について説明する。
図1に示されている受信装置は、前述したようなサイマル放送が行われているアナログ放送およびデジタル放送の放送波を受信するための装置であり、アンテナ1、受信部2、AD変換部3、アナログ復調部10、デジタル復調部20、復号部25、遅延部11、21、音声処理部12、22、音量調整部13、23、受信状態検出部8、混合処理部4、DA(デジタル・アナログ)変換部5、およびスピーカ6を含んで構成されている。なお、図7に示した受信装置では、音声信号の音量や音質を制御する音声処理部7が混合処理部4より後段に設けられているのに対して、本実施形態の受信装置では、それぞれアナログ音声信号およびデジタル音声信号の音量や音質を制御する音声処理部12および22が混合処理部4より前段に設けられている。
【0015】
アンテナ1から出力されるRF(Radio Frequency:高周波)信号は、受信部2に入力され、受信部2の出力信号は、AD変換部3に入力されている。また、AD変換部3から出力されるIF(Intermediate Frequency:中間周波)信号は、アナログ復調部10およびデジタル復調部20に入力されている。
【0016】
アナログ復調部10から出力されるアナログ音声信号AA1(第1の音声信号)は、遅延部11に入力され、遅延部11から出力されるアナログ音声信号AA2(第3の音声信号)は、(第1の)音声処理部12に入力されている。また、音声処理部12から出力されるアナログ音声信号AA5(第5の音声信号)は、音量調整部13に入力され、音量調整部13から出力されるアナログ音声信号AA6は、混合処理部4に入力されている。
【0017】
一方、デジタル復調部20の出力信号は、復号部25に入力されている。また、復号部25から出力されるデジタル音声信号DA1(第2の音声信号)は、遅延部21に入力され、遅延部21から出力されるデジタル音声信号DA2(第4の音声信号)は、(第2の)音声処理部22に入力されている。さらに、音声処理部22から出力されるデジタル音声信号DA5(第6の音声信号)は、音量調整部23に入力され、音量調整部23から出力されるデジタル音声信号DA6は、混合処理部4に入力されている。
【0018】
受信状態検出部8には、アナログ復調部10から、IF信号のうちアナログ放送波に由来する信号成分(以下、AIF信号と称する)が入力されている。また、AIF信号に応じて受信状態検出部8から出力されるアナログ受信状態信号ARは、音声処理部12、22、および混合処理部4に入力されている。さらに、受信状態検出部8には、デジタル復調部20から、IF信号のうちデジタル放送波に由来する信号成分(以下、DIF信号と称する)が、復号部25から、復号処理における誤り制御の発生を示す誤り制御信号ECが、それぞれ入力されている。また、DIF信号および誤り制御信号ECに応じて受信状態検出部8から出力されるデジタル受信状態信号DRは、音声処理部22および混合処理部4に入力されている。
【0019】
混合処理部4は、例えば混合比制御部41および混合部42を含んで構成されている。混合比制御部41には、アナログ受信状態信号ARおよびデジタル受信状態信号DRが入力され、混合比制御部41から出力される切り替え信号SWは、混合部42における混合の割合を制御するための制御信号となっている。また、混合部42には、アナログ音声信号AA6およびデジタル音声信号DA6が入力され、混合部42から出力される混合音声信号BAは、DA変換部5に入力されている。そして、DA変換部5の出力信号は、スピーカ6に入力されている。
【0020】
次に、本実施形態における受信装置全体の動作について説明する。
アンテナ1は、同時に送信されているアナログ放送波およびデジタル放送波を受信し、RF信号を出力する。また、受信部2は、RF信号のうち所望の搬送波が含まれる周波数帯域を選択的に増幅したうえで周波数変換し、BPF(Band-Pass Filter:帯域通過フィルタ)などを用いてイメージ信号などの妨害信号を適宜除去する。さらに、AD変換部3は、受信部2の出力信号をデジタル信号であるIF信号に変換して出力する。そして、アナログ復調部10およびデジタル復調部20以降の処理は、デジタル回路やデジタル・シグナル・プロセッサなどによるデジタル信号処理となる。
【0021】
アナログ復調部10は、IF信号のうち前述したAIF信号を復調して、アナログ音声信号AA1を出力する。また、デジタル復調部20は、IF信号のうち前述したDIF信号を復調して出力し、さらに、復号部25は、デジタル復調部20の出力信号を復号して、デジタル音声信号DA1を出力する。なお、例えばIBOC方式のFMラジオ放送においては、図8に示したように、搬送波周波数f0から約130kHz(=f1)ないし約200kHz(=f2)だけ上側および下側の側波帯を利用してデジタル放送波が送信されている。この場合、AIF信号およびDIF信号は、それぞれBPFおよびBEF(Band-Elimination Filter:帯域阻止フィルタ)などを用いて、IF信号から生成することができる。
【0022】
遅延部11および21は、全体として、アナログ音声信号AA1およびデジタル音声信号DA1の位相差を調整し、それぞれアナログ音声信号AA2およびデジタル音声信号DA2として出力する。例えば、復号部25における復号処理によってデジタル音声信号DA1の位相がアナログ音声信号AA1の位相より遅れる場合には、遅延部11においてアナログ音声信号AA1のみを遅延させることによって、または遅延部11の遅延量を遅延部21の遅延量より大きくすることによって、アナログ音声信号AA2およびデジタル音声信号DA2の位相差を減少させる。
【0023】
音声処理部12は、アナログ受信状態信号ARに応じて、アナログ音声信号AA2の音量や音質を制御し、アナログ音声信号AA5として出力する。また、音声処理部22は、アナログ受信状態信号ARまたはデジタル受信状態信号DRに応じて、デジタル音声信号DA2の音量や音質を制御し、デジタル音声信号DA5として出力する。なお、音声処理部12および22の動作についての詳細な説明は後述する。
【0024】
音量調整部13および23は、全体として、アナログ音声信号AA5およびデジタル音声信号DA5の音量差を調整し、それぞれアナログ音声信号AA6およびデジタル音声信号DA6として出力する。なお、音量調整部13および23は、音声処理部12および22への入力信号に生じている音量差を減少させるように、音声処理部12および22の両方、またはその何れか一方の出力信号を増幅または減衰させる。そのため、音声処理部12および22において異なる音量の制御が行われる場合には、音量調整部13および23における調整によって音量差が減少しない場合もある。
【0025】
受信状態検出部8は、AIF信号に基づいてアナログ放送波の電界強度や妨害波などを検出し、アナログ放送波の受信状態を示すアナログ受信状態信号ARを出力する。さらに、受信状態検出部8は、DIF信号および誤り制御信号ECに基づいてデジタル放送波の電界強度や復号処理における誤り率などを検出し、デジタル放送波の受信状態を示すデジタル受信状態信号DRを出力する。なお、受信状態検出部8の動作についての詳細な説明は後述する。
【0026】
混合処理部4の混合比制御部41は、図7に示した一般的な受信装置の場合と同様に、アナログ受信状態信号ARやデジタル受信状態信号DRに応じて切り替え信号SWを出力し、混合部42は、切り替え信号SWに従って、アナログ音声信号AA6とデジタル音声信号DA6とを所定の割合で混合しつつ切り替え、混合音声信号BAとして出力する。また、DA変換部5は、混合音声信号BAをアナログ信号に変換して出力し、さらに、スピーカ6は、DA変換部5の出力信号を音声に変換して出力する。
【0027】
===受信状態検出部および音声処理部の構成===
以下、図2を参照して、受信状態検出部8、および音声処理部12、22の構成について説明する。
受信状態検出部8は、本実施形態では、例えば電界強度検出部81、84、隣接妨害検出部82、マルチパス検出部83、および誤り率検出部85で構成されている。
【0028】
アナログ復調部10から出力されるAIF信号は、電界強度検出部81、隣接妨害検出部82、およびマルチパス検出部83に並列に入力されている。また、電界強度検出部81からアナログ電界強度信号AR1が、隣接妨害検出部82から隣接妨害検出信号AR2が、マルチパス検出部83からマルチパス検出信号AR3が、それぞれ出力され、アナログ受信状態信号ARは、当該3信号で構成されている。
【0029】
デジタル復調部20から出力されるDIF信号は、電界強度検出部84に入力され、復号部25から出力される誤り制御信号ECは、誤り率検出部85に入力されている。また、電界強度検出部84からデジタル電界強度信号DR1が、誤り率検出部85からデジタル誤り率信号DR2が、それぞれ出力され、デジタル受信状態信号DRは、当該2信号で構成されている。
【0030】
音声処理部12は、本実施形態では、例えば音量・音質制御部121、ステレオ復調部122、フィルタ123、および音量制御部124で構成されている。遅延部11から出力されるアナログ音声信号AA2は、ステレオ復調部122に入力され、ステレオ復調部122から出力されるアナログ音声信号AA3は、(第1の)フィルタ123に入力されている。また、フィルタ123から出力されるアナログ音声信号AA4は、音量制御部124に入力され、音量制御部124から出力されるアナログ音声信号AA5は、音量調整部13に入力されている。さらに、音量・音質制御部121には、アナログ受信状態信号ARが入力され、音量・音質制御部121から出力されるセパレーション制御信号ASC、周波数制御信号AFC、および音量制御信号AVCは、それぞれステレオ復調部122におけるステレオセパレーション(分離度)、フィルタ123の遮断周波数、および音量制御部124の利得を制御するための制御信号となっている。
【0031】
音声処理部22は、本実施形態では、例えば音量・音質制御部221、セパレーション制御部222、フィルタ223、および音量制御部224で構成されている。遅延部21から出力されるデジタル音声信号DA2は、セパレーション制御部222に入力され、セパレーション制御部222から出力されるデジタル音声信号DA3は、(第2の)フィルタ223に入力されている。また、フィルタ223から出力されるデジタル音声信号DA4は、音量制御部224に入力され、音量制御部224から出力されるデジタル音声信号DA5は、音量調整部23に入力されている。さらに、音量・音質制御部221には、アナログ受信状態信号ARおよびデジタル受信状態信号DRが入力され、音量・音質制御部221から出力されるセパレーション制御信号DSC、周波数制御信号DFC、および音量制御信号DVCは、それぞれセパレーション制御部222におけるステレオセパレーション、フィルタ223の遮断周波数、および音量制御部224の利得を制御するための制御信号となっている。
【0032】
===受信状態検出部、音声処理部および混合処理部の動作===
次に、受信状態検出部8、音声処理部12、22、および混合処理部4の動作について説明する。
受信状態検出部8の電界強度検出部81は、例えば、包絡線検波によってAIF信号の振幅レベルを検出したうえで適宜平滑化し、アナログ放送波の電界強度を示すアナログ電界強度信号AR1を出力する。また、隣接妨害検出部82は、例えば、広帯域および狭帯域のBPFを通過したAIF信号からそれぞれ検出される電界強度の差に応じて、隣接妨害波の有無やレベルを示す隣接妨害検出信号AR2を出力する。さらに、マルチパス検出部83は、例えば、AIF信号の振幅レベルの変動に応じて、マルチパス妨害波の有無やレベルを示すマルチパス検出信号AR3を出力する。
【0033】
一方、受信状態検出部8の電界強度検出部84は、例えば、包絡線検波によってDIF信号の振幅レベルを検出したうえで適宜平滑化し、デジタル放送波の電界強度を示すデジタル電界強度信号DR1を出力する。また、誤り率検出部85は、例えば、誤り制御信号ECを所定のデータブロックや単位時間ごとに計数し、復号部25の復号処理における誤り検出や誤り訂正などの誤り制御の頻度を示すデジタル誤り率信号DR2を出力する。
【0034】
音声処理部12の音量・音質制御部121は、アナログ電界強度信号AR1、隣接妨害検出信号AR2、もしくはマルチパス検出信号AR3、またはそれらの組み合わせによって示されるアナログ放送波の受信状態に応じて、セパレーション制御信号ASC、周波数制御信号AFC、および音量制御信号AVCを出力する。また、ステレオ復調部122は、アナログ音声信号AA2をセパレーション制御信号ASCに応じたステレオセパレーション(分離度)でステレオ信号に復調する。さらに、フィルタ123は、アナログ音声信号AA3から周波数制御信号AFCに応じた遮断周波数以上の成分を除去するLPF(Low-Pass Filter:低域通過フィルタ)となっている。そして、音量制御部124は、アナログ音声信号AA4を音量制御信号AVCに応じて増幅または減衰させる。
【0035】
このようにして、音声処理部12は、ステレオ復調部122、フィルタ123、および音量制御部124において、アナログ受信状態信号ARに応じて順次処理することによって、アナログ音声信号AA2の音質(ステレオセパレーションおよび周波数特性)および音量を制御し、アナログ音声信号AA5として出力する。
【0036】
例えば、アナログ放送波が十分に強電界であり、隣接妨害波やマルチパス妨害波が存在しない場合、すなわち、アナログ放送波の受信状態が良好である場合、音声処理部12は、ステレオ復調部122におけるステレオセパレーションが高くなるように、フィルタ123の遮断周波数が高くなるように、音量制御部124の利得が大きくなるように、それぞれ制御し、高音質かつ大音量なアナログ音声信号AA5を出力する。反対に、例えば、アナログ放送波が弱電界である場合や、妨害波が存在する場合など、アナログ放送波の受信状態が良好でない場合、音声処理部12は、ステレオ復調部122におけるステレオセパレーションが低くなるように、フィルタ123の遮断周波数が低くなるように、音量制御部124の利得が小さくなるように、それぞれ制御し、低音質かつ小音量なアナログ音声信号AA5を出力する。
【0037】
また、音声処理部12における制御方法として、例えば、音量・音質制御部121は、アナログ受信状態信号ARに応じてセパレーション制御信号ASC、周波数制御信号AFC、および音量制御信号AVCの目標値を設定し、カウンタなどを用いて当該3信号の値を滑らかに目標値に近づける。
【0038】
音声処理部22の音量・音質制御部221は、音量・音質制御部121と同様に、アナログ受信状態信号ARによって示されるアナログ放送波の受信状態に応じて、セパレーション制御信号DSC、周波数制御信号DFC、および音量制御信号DVCを出力する。また、セパレーション制御部222は、デジタル音声信号DA2の左および右チャンネル信号をセパレーション制御信号DSCに応じたステレオセパレーションとなるように混合する。なお、セパレーション制御部222の動作についての詳細な説明は後述する。さらに、フィルタ223は、デジタル音声信号DA3から周波数制御信号DFCに応じた遮断周波数以上の成分を除去するLPFとなっている。そして、音量制御部224は、デジタル音声信号DA4を音量制御信号DVCに応じて増幅または減衰させる。
【0039】
このようにして、音声処理部22は、音声処理部12と同様に、セパレーション制御部222、フィルタ223、および音量制御部224において、アナログ受信状態信号ARに応じて順次処理することによって、デジタル音声信号DA2の音質および音量を制御し、デジタル音声信号DA5として出力する。
【0040】
なお、例えばIBOC方式のFMラジオ放送において、放送局がデジタル放送のみを行う場合、図8のアナログ放送波の帯域(f0−f1ないしf0、およびf0ないしf0+f1)は、低出力の第2側波帯としてデジタル放送に利用される。そのため、例えば、アナログ電界強度信号AR1が所定のレベル以下となっている場合に、音声処理部22は、デジタル受信状態信号DRに応じて、デジタル音声信号DA2の音質および音量を制御することもできる。一例として、放送局がデジタル放送のみを行っており、デジタル放送波が受信できなくなった場合や受信できるようになった場合には、音量制御部224において、フェードアウトやフェードインなどの処理を行うことによって、音量の急激な変化を緩和することができる。
【0041】
前述したように、混合処理部4は、切り替え信号SWに従って、アナログ音声信号AA6とデジタル音声信号DA6とを所定の割合で混合しつつ切り替え、混合音声信号BAとして出力する。以下、図11の場合と同様に、IBOC方式のラジオ放送においてアナログ放送波が強電界から弱電界になる場合に、アナログ音声信号AA6、デジタル音声信号DA6、および混合音声信号BAの音質および音量の変化の一例を図4に示す。
【0042】
図4は、音声処理部12および22が、それぞれアナログ音声信号AA2およびデジタル音声信号DA2に対して、同様の制御を行う場合を示している。また、隣接妨害波およびマルチパス妨害波は検出されず、隣接妨害検出信号AR2およびマルチパス検出信号AR3は変化していないものとし、音声処理部22はデジタル受信状態信号DRに応じた制御を行わないものとする。なお、図4において、アナログ音声信号AA6、デジタル音声信号DA6、および混合音声信号BAは、それぞれ長破線、一点鎖線、および実線で示されている。
【0043】
アナログ音声信号AA6は、アナログ放送波の電界強度の下降に従って、ステレオセパレーション、遮断周波数、および音量が低下する。
【0044】
デジタル音声信号DA6は、アナログ放送波が強度レベルSth1より強電界であるt1時点までの間、アナログ放送波の電界強度の下降に従って、ステレオセパレーション、遮断周波数、および音量が低下する。なお、音声処理部22は、デジタル音声信号DA6がt1時点においてアナログ音声信号AA6と同等の音質および音量になるように、ステレオセパレーション、遮断周波数、および音量を滑らかに変化させる。また、t1時点以降、デジタル音声信号DA6は、音声としてほとんど再生不可能となるため、音声処理部22における制御によらず、ステレオセパレーション、遮断周波数、および音量が最低レベルとなる。
【0045】
アナログ放送波が強度レベルSth2より強電界であるt2時点までの間、混合処理部4は、アナログ音声信号AA6およびデジタル音声信号DA6をそれぞれ0%および100%の割合で混合するため、混合音声信号BAは、デジタル音声信号DA6と等しくなる。また、t2時点からt1時点までの間、混合処理部4は、アナログ音声信号AA6およびデジタル音声信号DA6を混合する割合を滑らかに変化させるため、混合音声信号BAは、アナログ音声信号AA6からデジタル音声信号DA6に滑らかに近づいていく。さらに、t1時点以降、混合処理部4は、アナログ音声信号AA6およびデジタル音声信号DA6をそれぞれ100%および0%の割合で混合するため、混合音声信号BAは、アナログ音声信号AA6と等しくなる。
【0046】
このようにして、混合処理部4は、t2時点からt1時点までの間に混合の割合を滑らかに変化させることによって、混合音声信号BAをアナログ音声信号AA6からデジタル音声信号DA6に滑らかに切り替える。また、音声処理部12および22は、デジタル音声信号DA6がt1時点においてアナログ音声信号AA6と同等の音質および音量になるように制御することによって、アナログ音声信号AA6からデジタル音声信号DA6への切り替え時における混合音声信号BAの音質および音量の変化を緩やかにすることができる。なお、アナログ放送波が弱電界から強電界になる場合には、アナログ音声信号AA6、デジタル音声信号DA6、および混合音声信号BAの音質および音量の変化は、図4とは反対方向となる。
【0047】
===セパレーション制御部の構成および動作===
以下、図3を参照して、セパレーション制御部222の構成について説明する。
セパレーション制御部222は、本実施形態では、例えば加算部P1、P2、減算部M1、M2、および乗算部X1で構成されている。
【0048】
デジタル音声信号DA2の左チャンネル信号DA2Lおよび右チャンネル信号DA2Rは、いずれも(第1の)加算部P1および(第1の)減算部M1に入力されている。また、乗算部X1には、減算部M1から出力される差信号、および音量・音質制御部221から出力されるセパレーション制御信号DSCが入力されている。さらに、加算部P1から出力される和信号、および乗算部X1から出力される積信号は、いずれも(第2の)加算部P2および(第2の)減算部M2に入力されている。そして、加算部P2および減算部M2の出力信号は、それぞれデジタル音声信号DA3の左チャンネル信号DA3L(第7の音声信号)および右チャンネル信号DA3R(第8の音声信号)となっている。
【0049】
次に、セパレーション制御部222の動作について説明する。
加算部P1は、左チャンネル信号DA2Lと右チャンネル信号DA2Rとを加算して和信号(DA2L+DA2R)を出力する。また、減算部M1は、左チャンネル信号DA2Lから右チャンネル信号DA2Rを減算して差信号(DA2L−DA2R)を出力する。さらに、乗算部X1は、差信号に、セパレーション制御信号DSCの値を係数aとして乗算して積信号を出力する。なお、係数aは、音量・音質制御部221によって0以上かつ1以下の値に制御される。そして、加算部P2は、和信号と積信号とを加算して左チャンネル信号DA3Lを出力し、減算部M2は、和信号から積信号を減算して右チャンネル信号DA3Rを出力する。したがって、左チャンネル信号DA3Lおよび右チャンネル信号DA3Rは、それぞれ
DA3L=DA2L(1+a)+DA2R(1−a)、
DA3R=DA2L(1−a)+DA2R(1+a)
と表すことができる。
【0050】
このようにして、セパレーション制御部222は、ステレオセパレーションが係数aで表されるデジタル音声信号DA3を出力する。なお、デジタル音声信号DA3のステレオセパレーションは、a=1の場合に最大レベル(ステレオ信号)となり、a=0の場合に最小レベル(モノラル信号)となる。
【0051】
前述したように、図1に示した受信装置において、音声処理部12および22がそれぞれアナログ音声信号AA2およびデジタル音声信号DA2の音量や音質をアナログ受信状態信号ARに応じて制御し、混合処理部4からアナログ音声信号AA6とデジタル音声信号DA6とを所定の割合で混合した混合音声信号BAを出力することによって、アナログ音声信号AA6とデジタル音声信号DA6との切り替え時における混合音声信号BAの音量や音質の変化を緩やかにすることができる。
【0052】
また、混合処理部4は、アナログ音声信号AA6とデジタル音声信号DA6とを混合する割合を滑らかに変化させることによって、混合音声信号BAを一方の信号から他方の信号に滑らかに切り替えることができる。
【0053】
また、セパレーション制御部222は、デジタル音声信号DA2の左および右チャンネル信号を混合することによって、ステレオ復調部10と同様に、アナログ受信状態信号ARに応じてステレオセパレーションを制御することができる。
【0054】
また、左チャンネル信号DA2Lおよび右チャンネル信号DA2Rの和信号と、左チャンネル信号DA2Lおよび右チャンネル信号DA2Rの差信号にセパレーション制御信号DSCの値を係数aとして乗算した積信号とを、加算および減算することによって、ステレオセパレーションが係数aで表されるデジタル音声信号DA3を出力することができる。
【0055】
また、フィルタ123および223は、それぞれアナログ音声信号AA3およびデジタル音声信号DA3からアナログ受信状態信号ARに応じた遮断周波数以上の成分を除去することによって、アナログ受信状態信号ARに応じて高域の周波数特性を制御することができる。
【0056】
また、音声処理部22は、アナログ電界強度信号AR1が所定のレベル以下となっている場合に、デジタル受信状態信号DRに応じて制御を行うことによって、放送局がデジタル放送のみを行っている場合にもデジタル音声信号DA2の音量や音質を制御することができる。
【0057】
なお、上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得るととともに、本発明にはその等価物も含まれる。
【0058】
上記実施形態では、アナログ放送波およびデジタル放送波の帯域の一例として、IBOC方式のFMラジオ放送の場合について説明したが、これに限定されるものではない。本発明の受信装置は、アナログ放送とデジタル放送とで同じ番組を同時に放送するサイマル放送が行われる場合に適用することができ、このようなサイマル放送は、例えばIBOC方式のAMラジオ放送においても行われている。また、アナログ放送波およびデジタル放送波の帯域は、デジタル放送波の帯域がアナログ放送波の両側波帯に存在する図8のような関係以外の関係にあってもよい。
【0059】
上記実施形態では、図1に示したように、デジタル信号であるIF信号がアナログ復調部10およびデジタル復調部20に入力され、以降の処理はデジタル信号処理となっているが、これに限定されるものではない。例えば、アナログ復調部10には受信部2の出力信号を直接入力して以降の処理をアナログ信号処理とし、音量調整部23の出力信号をアナログ信号に変換して混合処理部4に入力することによって、デジタル復調部20から音量調整部23までの処理のみをデジタル信号処理としてもよい。なお、図1に示した構成は、遅延部11から音量調整部13までの処理と、遅延部21から音量調整部23までの処理とが近似しているため、特にデジタル・シグナル・プロセッサを用いる場合に好適である。
【0060】
上記実施形態では、図2に示したように、音声処理部12および22は、いずれも入力される音声信号に対してステレオセパレーション、高域の周波数特性、および音量を制御しているが、これに限定されるものではない。音声処理部12および22は、ステレオセパレーション、高域の周波数特性、および音量のうち、一部の制御機能のみを有していてもよく、また、他の制御機能を有していてもよい。例えば、LPFであるフィルタ123および223以外にHPFやBPFを追加してもよく、また、より一般的に音声信号の周波数特性を制御するイコライザを有していてもよい。
【0061】
上記実施形態では、図4に示したように、音声処理部12および22は、それぞれアナログ音声信号AA2およびデジタル音声信号DA2に対して同様の制御を行っているが、これに限定されるものではない。例えば図5に示すように、セパレーション制御部222は、アナログ放送波が強度レベルSth3(>Sth2)より強電界であるt3時点までの間、ステレオセパレーションを最大レベルに保持するように制御してもよい。また、例えば図6に示すように、セパレーション制御部222は、ステレオ復調部122におけるステレオセパレーションより一定の割合で高くなるように、ステレオセパレーションを制御してもよい。さらに、フィルタ223は、図5または図6に示したステレオセパレーションの制御と同様に、遮断周波数を制御してもよい。これらの場合、図4の場合と比べて、アナログ音声信号AA6からデジタル音声信号DA6への切り替え時における混合音声信号BAの音質の変化は急になるが、デジタル放送波が受信できる間の混合音声信号BAの音質は向上する。
【0062】
上記実施形態では、音声処理部12および22からそれぞれ出力されるアナログ音声信号AA5およびデジタル音声信号DA5は、音量調整部13および23において音量差が調整されているが、これに限定されるものではない。特に、図2に示したように、音声処理部12および22において音量の制御が行われる場合には、音量調整部13および23における音量差の調整の機能を、それぞれ音量制御部124および224に包含させてもよい。また、音量調整部13および23を、それぞれ音声処理部12および22の前段に配置する構成としてもよい。
【0063】
上記実施形態では、混合部42における混合の割合を制御するための切り替え信号SWを出力する混合比制御部41には、アナログ受信状態信号ARおよびデジタル受信状態信号DRを構成する5信号がすべて入力されているが、これに限定されるものではない。混合比制御部41は、当該5信号の一部を用いて切り替え信号SWを生成してもよい。また、例えば特許文献1で開示されているように、さらにデジタル放送波における搬送波対雑音比を用いて切り替え信号SWを生成してもよい。
【符号の説明】
【0064】
1 アンテナ
2 受信部
3 AD(アナログ・デジタル)変換部
4 混合処理部
5 DA(デジタル・アナログ)変換部
6 スピーカ
7 音声処理部
8 受信状態検出部
10 アナログ復調部
20 デジタル復調部
11、21 遅延部
12、22 音声処理部
13、23 音量調整部
25 復号部(デコーダ)
41 混合比制御部
42 混合部
81、84 電界強度検出部
82 隣接妨害検出部
83 マルチパス検出部
85 誤り率検出部
121、221 音量・音質制御部
122 ステレオ復調部
222 セパレーション制御部
123、223 フィルタ
124、224 音量制御部
P1、P2 加算部
M1、M2 減算部
X1 乗算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の周波数帯域に含まれるアナログ放送の放送波から第1の音声信号を復調するアナログ復調部と、
前記周波数帯域に含まれる、前記アナログ放送と同一内容のデジタル放送の放送波から第2の音声信号を復調および復号するデジタル復調・復号部と、
前記第1および第2の音声信号の少なくとも一方を遅延させ、それぞれ第3および第4の音声信号として出力する遅延部と、
前記アナログ放送の放送波の受信状態を示すアナログ受信状態信号を出力する受信状態検出部と、
前記アナログ受信状態信号に応じて前記第3の音声信号の音量および音質の少なくとも一方を制御して第5の音声信号として出力する第1の音声処理部と、
前記アナログ受信状態信号に応じて前記第4の音声信号の音量および音質の少なくとも一方を制御して第6の音声信号として出力する第2の音声処理部と、
前記アナログ放送およびデジタル放送の放送波の少なくとも一方の受信状態に応じて、前記第5の音声信号と前記第6の音声信号とを所定の割合で混合して出力する混合処理部と、
を有することを特徴とする受信装置。
【請求項2】
前記混合処理部は、前記アナログ放送およびデジタル放送の放送波の少なくとも一方の受信状態に応じて、前記第5の音声信号と前記第6の音声信号とを所定の割合で混合しつつ切り替えて出力することを特徴とする請求項1に記載の受信装置。
【請求項3】
前記第1の音声処理部は、前記第3の音声信号を前記アナログ受信状態信号に応じた分離度でステレオ信号に復調するステレオ復調部を含み、
前記第2の音声処理部は、前記第4の音声信号の左および右チャンネル信号を前記アナログ受信状態信号に応じた分離度となるように混合するセパレーション制御部を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の受信装置。
【請求項4】
前記セパレーション制御部は、
前記左および右チャンネル信号の和信号を出力する第1の加算部と、
前記左および右チャンネル信号の差信号を出力する第1の減算部と、
前記差信号に前記アナログ受信状態信号に応じた0以上かつ1以下の係数を乗じた積信号を出力する乗算部と、
前記和信号と前記積信号とを加算して第7の音声信号を出力する第2の加算部と、
前記和信号から前記積信号を減算して第8の音声信号を出力する第2の減算部と、
を含むことを特徴とする請求項3に記載の受信装置。
【請求項5】
前記第1の音声処理部は、前記第3の音声信号に含まれる、前記アナログ受信状態信号に応じた周波数以上の成分を除去する第1のフィルタを含み、
前記第2の音声処理部は、前記第4の音声信号に含まれる、前記アナログ受信状態信号に応じた周波数以上の成分を除去する第2のフィルタを含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の受信装置。
【請求項6】
前記アナログ受信状態信号は、前記アナログ放送の放送波の電界強度を示すアナログ電界強度信号を含み、
前記受信状態検出部は、前記デジタル放送の放送波の受信状態を示すデジタル受信状態信号をさらに出力し、
前記第2の音声処理部は、前記アナログ電界強度信号が所定のレベル以下の場合には、前記デジタル受信状態信号に応じて前記第4の音声信号の音量および音質の少なくとも一方を制御して前記第6の音声信号として出力することを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れかに記載の受信装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2010−219649(P2010−219649A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−61319(P2009−61319)
【出願日】平成21年3月13日(2009.3.13)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(506227884)三洋半導体株式会社 (1,155)
【Fターム(参考)】