説明

受信電磁放射線から物体の3次元情報を抽出するシステム、装置および方法

物体のホログラムを生成する装置および方法は、物体から光のような受信電磁放射線を受けるように構成されている電磁放射組立体を含む。電磁放射組立体は、受信電磁放射線を回折させ、回折された電磁放射線を透過させるためさらに構成されている。像捕捉組立体は、回折された電磁放射線の像を捕捉し、捕捉された像から物体のホログラムを生成するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元イメージングおよびホログラフィーの分野において、物体から光またはその他の形式の電磁放射線のような電磁放射線を捕捉し、受信放射線から物体幾何情報を抽出する装置に関する。本発明はこれらの機能を実行するシステムおよび方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
物理的物体から3次元情報を捕捉する従来の技術は、ホログラフィー、レンジファインディング、および、断層撮影法を含む。しかし、従来の技術は、能動照明源を必要とするか、または、光源に制限を加え(たとえば、コヒーレント光、点光源、または、帯域制限光を必要とし)、物体またはセンシング装置の移動に制限を加え(たとえば、物体およびセンシング装置が静止していることを必要とするか、または、物体およびセンシング装置が所定の方法で動かされることを必要とし)、複雑な電磁放射組立体(たとえば、ミラーおよびレンズの複雑な配置)を必要とし、低解像度または低忠実性である品質の悪い3次元像を生成することがあるので不利である。
【発明の概要】
【0003】
したがって、本発明の一つの目的は、物体のホログラムを生成するように構成されている装置であって、物体から受信電磁放射線を受け、受信電磁放射線を回折させ、回折された電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、回折された電磁放射線の像を捕捉し、捕捉された像から物体のホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体とを備える装置を提供することである。
【0004】
本発明の別の目的は電磁放射線が光を含む新規装置を提供することである。
【0005】
本発明の別の目的は、電磁放射装置が唯一の放射線伝搬軸を含み、放射線伝搬軸だけに沿って一方向だけに電磁放射線を伝搬するように構成されている、新規装置を提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、電磁放射組立体が同じ直線に沿って配置された対称軸をそれぞれに有している複数個の電磁放射要素を含む、新規装置を提供することである。
【0007】
本発明の別の目的は、電磁放射組立体が同じ直線に沿って配置された幾何中心をそれぞれに有している複数個の電磁放射要素を含む、新規装置を提供することである。
【0008】
本発明の別の目的は、物体から受けた電磁放射線、および、電磁放射組立体によって回折された電磁放射線が同じ放射線伝搬軸を有している、新規装置を提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、物体から受けた電磁放射線が非コヒーレント光を含む、新規装置を提供することである。
【0010】
本発明の別の目的は、物体から受けた電磁放射線が物体によって生成される、新規装置を提供することである。
【0011】
本発明の別の目的は、物体のホログラムを生成するため、物体から受けた電磁放射線が物体から受けていない電磁放射線と干渉しない、新規装置を提供することである。
【0012】
本発明の別の目的は、物体および装置が像の捕捉中に静止しているように構成されている、新規装置を提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、電磁装置の各部分が像の捕捉中に静止しているように構成されている、新規装置を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、物体または装置の少なくとも一方が像の捕捉中に動いているように構成されている、新規装置を提供することである。
【0015】
本発明の別の目的は、ホログラムが1個の捕捉された像から生成される、新規装置を提供することである。
【0016】
本発明の別の目的は、ホログラムが複数個の捕捉された像から生成される、新規装置を提供することである。
【0017】
本発明の別の目的は、ホログラムがフレネルホログラムを含む、新規装置を提供することである。
【0018】
本発明の別の目的は、ホログラムが像ホログラムを含む、新規装置を提供することである。
【0019】
本発明の別の目的は、回折された電磁放射線の位相および強度が受信電磁放射線とフレネルゾーンプレートとのコンボリューションによって記述される、新規装置を提供することである。
【0020】
本発明の別の目的は、ホログラムが物体の幾何情報を含み、幾何情報が、物体の電磁放射線放射面毎に、(i)物体の電磁放射線放射面と電磁放射組立体との間のレンジ距離と、(ii)物体の電磁放射線放射面の水平オフセット距離と、(iii)物体の電磁放射線放射面の垂直オフセット距離と、を含む、新規装置を提供することである。
【0021】
本発明の別の目的は、電磁放射組立体が、受信電磁放射線と、第1のシフトされた同心リングパターンを含む第1の変換パターン、第2のシフトされた同心リングパターンを含む第2の変換パターン、および、第3のシフトされた同心リングパターンを含む第3の変換パターンの線形和を含む複素透過関数とのコンボリューションを含む、電磁放射線を透過させるように構成されている、新規装置を提供することである。
【0022】
本発明の別の目的は、第1のシフトされた同心リングパターン、第2のシフトされた同心リングパターン、および、第3のシフトされた同心リングパターンのうちの1つずつが、電磁放射組立体の同一平面内で相互に離れてシフトされている、新規装置を提供することである。
【0023】
本発明の別の目的は、第1のシフトされた同心リングパターン、第2のシフトされた同心リングパターン、および、第3のシフトされた同心リングパターンのうちの1つずつが、フレネルゾーンパターンまたはフレネルゾーンパターンの一部分を含む、新規装置を提供することである。
【0024】
本発明の別の目的は、フレネルゾーンパターンの一部分が、1個以上のリングが除去され、1個以上の付加的なリングが追加され、1個以上のリングが可変幅を有し、または、1個以上のリングの一部分が除去されているフレネルゾーンパターンを含む、新規装置を提供することである。
【0025】
本発明の別の目的は、第1、第2および第3のシフトされた同心リングパターンの1つずつにおいてフレネルゾーンパターン、または、フレネルゾーンパターンの一部分の位相が異なる、新規装置を提供することである。
【0026】
本発明の別の目的は、電磁放射組立体の所定の厚さおよび吸収係数または反射率係数が回折された光の位相および強度を制御するように構成されている、新規装置を提供することである。
【0027】
本発明の別の目的は、電磁放射組立体が、電磁放射線が通過する材料の厚さを変えることにより、透過した電磁放射線の位相または強度の少なくとも一方を制御するように構成されている、新規装置を提供することである。
【0028】
本発明の別の目的は、電磁放射組立体が、物体から受信電磁放射線を受け、第1の変換電磁放射線を透過させるように構成されている第1の電磁放射組立体と、第1の電磁放射組立体から第1の変換電磁放射線を受け、複素透過関数に応じて複合マスク電磁放射線を透過させるように構成されている複合マスク組立体と、マスク組立体から複合マスク電磁放射線を受け、回折電磁放射線として第2の変換電磁放射線を透過させるように構成されている第2の電磁放射組立体とをさらに備える、新規装置を提供することである。
【0029】
本発明の別の目的は、複合マスク組立体が、経時的に電磁放射組立体の複素透過関数を変えるように構成され、第1の時点に第1のフレネルゾーンパターンのフーリエ変換に基づき、第2の時点に第2のフレネルゾーンパターンのフーリエ変換に基づき、第3の時点に第3のフレネルゾーンパターンのフーリエ変換に基づくように複素透過関数を変えるように構成されているマスクコントローラをさらに備える、新規装置を提供することである。
【0030】
本発明の別の目的は、像捕捉組立体が、第1の時点に第1の部分像、第2の時点に第2の部分像、および、第3の時点に第3の部分像を捕捉するように構成されているタイミングコントローラと、第1の時点に捕捉された第1の部分像、第2の時点に捕捉された第2の部分像、および、第3の時点に捕捉された第3の部分像の和としてホログラムを生成するように構成されている加算ユニットと、をさらに備える、新規装置を提供することである。
【0031】
本発明の別の目的は、物体から受けた電磁放射線を異なる周波数レンジをそれぞれに含む3個の物体電磁放射線部分に分離するように構成された電磁放射線分離組立体をさらに備え、前記第1の電磁放射組立体が3個の物体電磁放射線部分のうちの1個をそれぞれに受け、第1の変換電磁放射線の第1の部分、第2の部分および第3の部分をそれぞれに透過させるように構成されている3個の第1の電磁放射線部分組立体を含み、前記マスク組立体が、第1の変換電磁放射線のうちの第1の部分、第2の部分および第3の部分を受け、第1の複合マスク変換電磁放射線、第2の複合マスク変換電磁放射線、および、第3の複合マスク変換電磁放射線をそれぞれに透過させるようにそれぞれに構成されている第1のマスク部分組立体、第2のマスク部分組立体および第3のマスク部分組立体を含み、前記第2の電磁放射組立体が、第1の複合マスク変換電磁放射線、第2の複合マスク変換電磁放射線および第3の複合マスク変換電磁放射線を受け、透過電磁放射線のうちの第1の部分、第2の部分および第3の部分をそれぞれに透過させるようにそれぞれに構成されている3個の第2の電磁放射線部分組立体を含む、新規装置を提供することである。
【0032】
本発明の別の目的は、第1のマスク部分組立体が、第1のフレネルゾーンパターンのフーリエ変換に基づいて第1の複合マスク変換電磁放射線を透過させるように構成され、第2のマスク部分組立体が第2のフレネルゾーンパターンのフーリエ変換に基づいて第2の複合マスク変換電磁放射線を透過させるように構成され、第3のマスク部分組立体が第3のフレネルゾーンパターンのフーリエ変換に基づいて第3の複合マスク変換電磁放射線を透過させるように構成されている、新規装置を提供することである。
【0033】
本発明の別の目的は、像捕捉組立体がCCD、CMOS感光装置、別の電子カメラ、感光乳剤、または、別の感光装置のうちの少なくとも1つを含む、新規装置を提供することである。
【0034】
本発明の別の目的は、電磁放射組立体がi)1個の回折電磁放射要素およびii)1個の収束レンズまたはミラーにより構成される、新規装置を提供することである。
【0035】
本発明の別の目的は、電磁放射組立体がi)1個の回折電磁放射要素およびii)2個の収束レンズまたはミラーにより構成される、新規装置を提供することである。
【0036】
本発明の別の目的は、物体と電磁放射組立体との間に配置され、受信電磁放射線が電磁放射組立体で受けられる前に、物体からの電磁放射線を視準、集光、反転、または、修正するように構成されている対物組立体をさらに備える、新規装置を提供することである。
【0037】
本発明の別の目的は、対物組立体が、対物レンズ、ズームレンズ、マクロレンズ、顕微鏡、望遠鏡、プリズム、フィルタ、モノクロフィルタ、ダイクロイックフィルタ、複合対物レンズ、広角レンズ、カメラ、ピンホール、光スリット、または、ミラーのうちの少なくとも1つを含む、新規装置を提供することである。
【0038】
本発明の別の目的は、電磁放射装置が、2枚のレンズがコヒーレント光によって照明されるとき軸外フレネルゾーンパターンを生成するように構成されている回折電磁放射要素または2枚のレンズを含む、新規装置を提供することである。
【0039】
本発明の別の目的は、2枚のレンズが受信電磁放射線の放射線伝搬軸に垂直な同じ平面に配置され、2枚のレンズが異なる焦点距離を有している、新規装置を提供することである。
【0040】
本発明の別の目的は、2枚のレンズが受信電磁放射線の放射線伝搬軸に垂直な異なる平面に配置されている、新規装置を提供することである。
【0041】
本発明の別の目的は、電磁放射線がX線放射線、マイクロ波放射線、赤外光、無線周波数信号、または、紫外光のうちの少なくとも1つを含む、新規装置を提供することである。
【0042】
本発明の別の目的は、電磁放射組立体および像捕捉組立体が反射型電磁放射要素を含まない、新規装置を提供することである。
【0043】
本発明の別の目的は、物体のホログラムを生成するように構成されている新規装置であって、電磁放射線受信方向に放射線軸に沿って物体から受信電磁放射線を受け、電磁放射線受信方向に放射線軸に沿って透過電磁放射線を透過させ、透過電磁放射線の第1の部分を透過電磁放射線透過電磁放射線の第2の部分と干渉させるように構成されている電磁放射組立体と、電磁放射線受信方向に光軸に沿って透過した透過電磁放射線の像を捕捉し、捕捉された像から物体のホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体とを備え、放射線軸が直線である新規装置を提供することである。
【0044】
本発明の別の目的は、物体のホログラムを生成するように構成されている新規装置であって、物体から受信電磁放射線を受け、受信電磁放射線に基づいて、物体のホログラムを含む透過電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、透過電磁放射線の像を捕捉し、捕捉された像から物体のホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体とを備える、新規装置を提供することである。
【0045】
本発明の別の目的は、物体のホログラムを生成するように構成されている新規装置であって、物体から受信電磁放射線を受け、受信電磁放射線に基づいて透過電磁放射線を透過させ、透過電磁放射線の第1の部分を透過電磁放射線の第2の部分と干渉させるように構成されている電磁放射組立体と、透過電磁放射線の少なくとも第1の部分と第2の部分の干渉によって生成された透過電磁放射線の像を捕捉し、捕捉された像から物体のホログラムを生成するように構成されている不透明像捕捉組立体とを備え、電磁放射組立体の中心および像捕捉組立体の中心が同じ直線に沿って配置されている新規装置を提供することである。
【0046】
本発明の別の目的は、物体のホログラムを生成するように構成されている新規装置であって、1個の回折電磁放射要素で構成され、物体から受信電磁放射線を受け、受信電磁放射線に基づいて透過電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、透過電磁放射線の像を捕捉し、捕捉された像から物体のホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体とを備える新規装置を提供することである。
【0047】
本発明の別の目的は、物体のホログラムを生成するように構成されている新規装置であって、物体から受信電磁放射線を受け、受信電磁放射線の強度分布を表現する関数と同心リング関数とのコンボリューションを含む受信電磁放射線の変換を実行し、変換された受信電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、透過電磁放射線の像を捕捉し、捕捉された像から物体のホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体とを備える新規装置を提供することである。
【0048】
本発明の別の目的は、物体のホログラムを生成するように構成されている新規装置であって、物体から受信電磁放射線を受け、i)受信電磁放射線の強度分布とii)光学組立体の中心と光学組立体の外部エッジとの間で評価されたときに正の勾配の領域および負の勾配の領域を有する関数とのコンボリューションを含む受信電磁放射線の変換を実行し、変換された受信電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、透過電磁放射線の像を捕捉し、捕捉された像から物体のホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体とを備える新規装置を提供することである。
【0049】
本発明の別の目的は、物体のホログラムを生成するように構成されている新規装置であって、i)物体から受けた受信電磁放射線とii)光学組立体の中心と光学組立体のエッジとの間に複数個の変曲点を有する曲線とのコンボリューションを行い、コンボリューションされた電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、コンボリューションされた電磁放射線の像を捕捉し、捕捉された像から物体のホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体とを備える新規装置を提供することである。
【0050】
本発明の別の目的は、物体のホログラムを生成するように構成されている新規装置であって、物体から受信電磁放射線を受け、i)受信電磁放射線の強度分布とii)同心リングパターンをそれぞれに含む3個の部分変換関数の線形結合である変換関数とのコンボリューションを含む受信電磁放射線の変換を実行し、変換された受信電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、透過電磁放射線の像を捕捉し、捕捉された像から物体のホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体とを備える新規装置を提供することである。
【0051】
本発明の別の目的は、化学発光物体のホログラムを生成するように構成されている新規装置であって、物体から受信化学発光放射線を受け、物体のホログラムを含む透過電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、透過電磁放射線の像を捕捉し、捕捉された像から物体のホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体とを備える新規装置を提供することである。
【0052】
本発明の別の目的は、物体のホログラムを生成するように構成されている新規装置であって、ソース電磁放射線を散乱する物体によって散乱された散乱電磁放射線を受け、受けた散乱電磁放射線に基づいて、物体によって散乱されていないソース電磁放射線から独立している透過電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、透過電磁放射線の像を捕捉し、捕捉された像から物体のホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体とを備える新規装置を提供することである。
【0053】
本発明の別の目的は、物体のホログラムを生成するように構成されている新規装置であって、物体から受けた電磁放射線を回折させるように構成されている電磁放射組立体と、回折された電磁放射線の像を捕捉し、捕捉された像から物体のホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体とを備える新規装置を提供することである。
【0054】
本発明の別の目的は、物体のホログラムを生成するように構成されている新規装置であって、物体に複数個の電磁放射線信号を照射するように構成されている複数個の電磁放射線源と、物体から受信電磁放射線を受け、物体によって散乱された複数個のソース電磁放射線信号の一部分を含む受信電磁放射線を変換するように構成されている電磁放射組立体と、変換された電磁放射線の像を捕捉し、捕捉された像から物体のホログラムを生成するように構成されている捕捉組立体とを備える新規装置を提供することである。
【0055】
本発明の別の目的は、蛍光物体のホログラムを生成するように構成されている新規装置であって、物体から受信蛍光放射線を受信し、受信蛍光放射線に基づいて透過電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、透過電磁放射線の像を捕捉し、捕捉された像から物体のホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体とを備える新規装置を提供することである。
【0056】
本発明の別の目的は、黒体放射線放射物体のホログラムを生成するように構成されている新規装置であって、物体から受信黒体電磁放射線を受け、物体からの受信黒体電磁放射線に基づいて透過電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、透過電磁放射線の像を捕捉し、捕捉された像から物体のホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体とを備える新規装置を提供することである。
【0057】
本発明の別の目的は、物体のホログラムを生成するように構成されている新規装置であって、物体から受信電磁放射線を受け、物体からの受信電磁放射線だけに基づいて透過電磁放射線を透過させ、透過電磁放射線の第1の部分を透過電磁放射線の第2の部分と干渉させるように構成されている電磁放射組立体と、透過電磁放射線の少なくとも第1の部分と第2の部分との干渉によって生成された縞パターンを捕捉し、縞パターンから物体のホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体とを備える新規装置を提供することである。
【0058】
本発明の別の目的は、物体のホログラムを生成するように構成されている新規の電磁放射装置であって、物体から受信電磁放射線を受け、受信電磁放射線を回折させ、物体のホログラムを含む回折された電磁放射線を透過させるように構成されている新規の電磁放射装置を提供することである。
【0059】
本発明の別の目的は、シーンのホログラムを生成するように構成されている新規装置であって、シーンから受信電磁放射線を受け、受信電磁放射線を回折させ、回折された電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、回折された電磁放射線の像を捕捉し、捕捉された像からシーンのホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体とを備える新規装置を提供することである。
【0060】
本発明の別の目的は、物体のホログラムを生成するように構成されている新規装置であって、物体から受信電磁放射線を受け、受信電磁放射線を変換し、縞パターンを含む変換された電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、縞パターンの像を捕捉し、捕捉された縞パターンからシーンのホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体とを備える新規装置を提供することである。
【0061】
本発明の別の目的は、物体のホログラムを生成するように構成されている新規装置であって、物体から受信電磁放射線を受け、受信電磁放射線を変換するように構成されている電磁放射組立体と、物体のホログラムを含む変換された電磁放射線を捕捉するように構成されている像捕捉組立体とを備え、前記ホログラムが受信電磁放射線同士の干渉によって生成された縞パターンを含み、前記ホログラムが受信電磁放射線と他の電磁放射線との干渉によって生成された縞パターンを含まない、新規装置を提供することである。
【0062】
本発明の別の目的は、物体のホログラムを生成する新規方法であって、物体から受信電磁放射線を受けるステップと、受信電磁放射線に基づいて回折電磁放射線を透過させるステップと、回折電磁放射線の像を捕捉するステップと、捕捉された像から物体のホログラムを生成するステップとを備える新規方法を提供することである。
【0063】
本発明の別の目的は、受信電磁放射線がコヒーレント光を含まない新規装置を提供することである。
【図面の簡単な説明】
【0064】
本発明および本発明に付随する多数の利点は、これらが添付図面と併せて考慮されるときに以下の詳細な説明を参照することによってより良く理解されるので、容易により完全に認識されるであろう。
【図1】本発明の実施形態による光学装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施形態による捕捉された幾何情報の一例を説明するブロック図である。
【図3】図1の光学装置における光学組立体として使用されうる非コヒーレント相関器のブロック図である。
【図4】光学組立体を含む光学装置の実施形態のブロック図である。
【図5A】複数個の変換領域のアレイを有しているDOEを含むマスクの実施形態の正面詳細図である。
【図5B】対称的に配置された体積変調型回折光学要素構造体の断面図である。
【図5C】体積変調型回折光学要素構造体の断面図である。
【図5D】屈折率変調型回折光学要素構造体の断面図である。
【図5E】混合モード回折光学要素構造体の断面図である。
【図5F】反射体積変調型回折光学要素の断面図である。
【図5G】反射体積変調型回折光学要素の断面図である。
【図6A】複数個の変換領域のアレイを有しているDOEを含むマスクの別の実施形態の正面詳細図である。
【図6B】対応する変換領域に隣接した領域のための可変透過率を有している透過層を含むマスクの断面図である。
【図6C】受光の振幅を変化させるように構成されている変換領域を有しているマスクの断面図である。
【図6D】印刷オーバーレイを有しているマスクの断面図である。
【図6E】受光の振幅を変化させるように構成されているマスクの別の実施形態である。
【図6F】SLMを含むマスクの実施形態のブロック図である。
【図6G】SLMを含むマスクの別の実施形態のブロック図である。
【図7】バイナリーフレネルゾーンパターンの一例を示す図である。
【図8A】シヌソイドFZPの一例を示す図である。
【図8B】別のシヌソイドFZPの一例を示す図である。
【図8C】別のシヌソイドFZPの一例を示す図である。
【図9A】フーリエ変換されたFZPパターンの一例を示す図である。
【図9B】フーリエ変換されたFZPパターンの別の例を示す図である。
【図9C】フーリエ変換されたFZPパターンの別の例を示す図である。
【図10A】3つのマスク関数の線形結合のフーリエ変換である複素透過関数の振幅部を示す図である。
【図10B】マスク関数の線形結合のフーリエ変換である複素透過関数の位相部を示す図である。
【図10C】点物体が入力に存在するときのCCD上のパターンの一例を示す図である。
【図11A】像捕捉組立体の実施形態のブロック図である。
【図11B】像捕捉組立体の別の実施形態のブロック図である。
【図12A】3個の別個の領域を有している電荷結合素子を含む光強度捕捉装置の実施形態を示す図である。
【図12B】3個の部分像を含む2次元強度像の一例を示す図である。
【図13A】光捕捉装置の実施形態における別個の領域の配置の一例を示す図である。
【図13B】光捕捉装置の実施形態における別個の領域の配置の別の例を示す図である。
【図13C】光捕捉装置の実施形態における別個の領域の配置の別の例を示す図である。
【図14】電子画像データを結合する画像データプロセッサを含む捕捉制御ユニットの実施形態のブロック図である。
【図15】経時的にマスクを変化させる光学装置の実施形態のブロック図である。
【図16】マスクコントローラで制御される空間光変調器を含む制御可能なマスクのブロック図である。
【図17】マスクが経時的に変化される光学装置の別の実施形態のブロック図である。
【図18】光学装置の別の実施形態のブロック図である。
【図19】光学装置の別の実施形態のブロック図である。
【図20A】反射型光学組立体を含む第1の変換光学組立体を有している光学装置の実施形態のブロック図である。
【図20B】反射型光学組立体を含む第1の変換光学組立体を有している光学装置の別の実施形態のブロック図である。
【図21A】光学装置の別の実施形態のブロック図である。
【図21B】光学装置の別の実施形態のブロック図である。
【図22A】第2の変換光学要素を必要としない光学装置の一例のブロック図である。
【図22B】第1の変換光学要素を必要としない光学装置の一例のブロック図である。
【図22C】第1の変換光学要素および第2の変換光学要素を必要としない光学装置の一例のブロック図である。
【図23】反射型回折光学要素を含む光学装置の実施形態のブロック図である。
【図24A】光学装置の別の実施形態のブロック図である。
【図24B】光学装置の別の実施形態のブロック図である。
【図25】光学装置の別の実施形態のブロック図である。
【図26】軸外フレネルゾーンパターンの一例を示す図である。
【図27】レンズを有している複合マスクを含む光学装置の一部分のブロック図である。
【図28A】複合マスクの実施形態の側面図である。
【図28B】複合マスクの別の実施形態の側面図である。
【図28C】複合マスクの別の実施形態の側面図である。
【図28D】複合マスクの別の実施形態の側面図である。
【図29】光学装置の別の実施形態のブロック図である。
【図30】低透過率領域および高透過率領域を有している格子の実施形態の詳細図である。
【図31A】ライン付きの透明性または格子と共に使用されうる光学装置の実施形態のブロック図である。
【図31B】光学装置の別の実施形態のブロック図である。
【図32】従来のホログラフィックシステムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
従来のホログラフィック技術は、コヒーレントレーザー光ビームの第1の部分(たとえば、参照ビーム)が物体から反射されたレーザー光ビームの第2の部分(たとえば、物体ビーム)と干渉するときに生じる干渉パターンを捕捉することにより物体のホログラムを捕捉する方法を含むことがある。物体の3次元像は、記録された干渉パターンを参照ビームで適切に照明することにより見えることがある。
【0066】
図32は、ビームスプリッター9002のような部分反射および透過ミラーを通る第1の光軸9026に沿ってコヒーレントレーザー光ビームを照らすレーザー9000を含む従来のホログラフィックシステムのブロック図である。分割されたレーザービームの第1の部分は、レンズ9004およびミラー9008によって案内され、第2の光軸9024に沿って物体ビーム9010で物体9014を照明する。分割されたレーザービームの第2の部分は、第3の光軸9018に沿ってビームスプリッター9002によって反射され、レンズ9006およびミラー9028によって案内され、第4の光軸9012に沿って参照ビーム9012を、写真乾板、電荷結合素子(CCD)、または、相補型金属酸化物半導体センサ(CMOS)のような像捕捉装置9016へ向ける。参照ビーム9012と第5の光軸9022に沿って物体9014から反射された物体ビーム9010とが相互に干渉し、像捕捉装置9016上にホログラムとして記録されることがある干渉パターンを生成する。
【0067】
異なる光路または光軸に沿って光源の2個の部分を干渉させることによりホログラムを生成する従来のホログラフィーの解決策は、光路または光軸の長さまたは方向の些細な変化でさえ干渉する光の部分の位相関係を変化させるので、光路または光軸の位置合わせの変化に対し非常に感度が高いことがある。このような変化は、結果として生じる干渉パターンおよびホログラムに変化を生じさせ、結果として得られる像を歪めるであろう。
【0068】
たとえば、図32のホログラフィーシステムでは、運動、振動、コンポーネント劣化または変形、または、熱膨張のような要因が、第1、第2、第3、第4または第5の光軸9026、9024、9018、9020、および、9022のうちの1つ以上のそれぞれの長さまたは方向の些細な変化を引き起こすことがある。1つの軸の僅かな変化でさえ、参照ビーム9012と第5の光軸9010に沿って物体9014から反射された光との位相関係に対応する変化を生じさせることがあるので、像捕捉装置9016で捕捉された結果として得られる干渉パターンおよびホログラムに著しい変化を生じさせる。
【0069】
従来のホログラフィックシステムにおける軸方向変動に対するこのような感度は、結果として得られる3次元情報の解像度を低下させうる。
【0070】
このような軸方向変動に対する感度を取り扱うための種々の従来の試みはある程度の成果があった。試みには、たとえば、振動を緩和するため大規模なプラットフォームおよびショックアブソーバを使用する試み、位置決め誤差を低減するため高耐性の機械的光学ステージを使用する試み、及び、熱膨張効果を抑えるため熱膨張率が低下された光学的かつ構造的材料を使用する試みが含まれる。しかし、これらの試みは、一般的に、従来のホログラフィーシステムのコスト、サイズ、および、質量を増加させ、システム携帯性および可用性を低下させる。
【0071】
その上、従来のホログラフィーシステムは、物体を照明し、参照ビームおよび物体ビームを生成するために能動光源を必要とすることがある。特殊な光源による物体の照明を必要とする能動的な解決策は、従来のホログラフィーシステムの適用性および有用性を制限することがある。たとえば、能動光源は、目標装置が光またはその他の電磁放射線を生じることによってその目標装置の位置を現すことが望ましくないであろうステルス性軍事目標ホログラフィックシステムでは役に立たないであろう。代替的に、能動放射線源は、化学発光、黒体、または、赤外線照明物体を観測するホログラフィックシステムのような固有の光を生じる物体を観察するホログラフィックシステムに適用されないであろう。このようなホログラフィック技術は、化学発光性の紅海のようなある水域における背景放射の化学発光を阻止する能力を用いることによって、船舶のような物体を観察するのに役立つであろう。
【0072】
その上、単色レーザーのようなコヒーレント光源に依存する従来のホログラフィックシステムは、様々な波長をもつマルチラインレーザーまたは多重レーザーが使用されない限り、物体からカラー情報を捕捉できない可能性がある。これらのシステムは、非常に複雑になる可能性がある。さらに、このようなシステムは、レーザー光で照明されるべきでない物体(たとえば、敏感な生体物質)に関する3次元情報を捕捉するためには適さないであろう。
【0073】
物体を照明するため非コヒーレント光を使用する従来のホログラフィック技術は、非コヒーレント源物体が多数の個別の光源点で構成されていると考えられ、各光源点がそれ自体でコヒーレントであるので、各光源点がそれ自体の鏡像と干渉パターンを作成する可能性がある、という簡略化された仮定に依存している。本明細書の目的のため、非コヒーレント光は、時間的または空間的に非コヒーレント光であればよく、(時間的非コヒーレンスの場合に)2つの異なる時点に同じ場所から放射された2つの電磁場、または、(空間的非コヒーレンスの場合に)同時に2つの異なる場所から放射された2つの電磁場は、2つの電磁場が一つに合わされるときに干渉格子または干渉パターンを作成しない。この原理を使用する種々の非コヒーレントホログラフィー方法は、たとえば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれている、A.W.Lohmann,“Wavefront Reconstruction for Incoherent Objects”,J.Opt.Soc.Am.55,1555−1556(1964)と、G.Cochran,“New method of making Fresnel Transforms”,J.Opt.Soc.Am.56,1513−1517(1966)と、P.J.Peters,“Incoherent holography with mercury light source”,Appl.Phys.Lett.8,209−210(1966)と、H.R.Worthington,Jr.,“Production of holograms with Incoherent illumination”,J.Opt.Soc.Am.56,1397−1398(1966)と、 A.S.Marathay,“Noncoherent−object hologram:its reconstruction and optical processing”,J.Opt.Soc.Am.A4,1861−1868(1987)と、G.Sirat,D.Psaltis,“Conoscopic holography”,Optics Letters,10,4−6(1985)とに記載されている方法が提案されている。
【0074】
しかし、従来の非コヒーレントホログラフィック技術は非現実的に高レベルの光強度を必要とすることがある。よって、従来の非コヒーレントホログラフィックシステムは物体の能動照明を必要とするので、結果として上述された問題および制限をもたらすことがある。
【0075】
その上、従来の非コヒーレントホログラフィックシステムは、複数の光路差における長さの差に対する感度を低下させるために帯域制限光源で物体を照明することに依存することがある。たとえば、従来の非コヒーレントホログラフィックシステムでは、光路の相対的な長さの許容可能な変動は光速で乗じられた帯域幅の逆数に制限されることがある。よって、帯域制限された所定の光源が必要とされることがあり、外部照明の除去が従来の非コヒーレントホログラフィックシステムでは必要であることがある。
【0076】
さらに、従来の非コヒーレントホログラフィックシステムは、図32に示された実施例に類似した複数の光軸を有している光学配置を必要とすることがある。よって、従来の非コヒーレントホログラフィックシステムは、上述されているように、光軸の方向または長さの変動、および、付随する問題の影響も受けやすい。
【0077】
その上、従来のホログラフィック技術は、転写効率が低い場合があるミラーを使用して光を2つのチャンネルに分離し、その後に、分離された光を再合成することを伴う。効率は、電力の50%以上が失われる再合成の際に特に低い。
【0078】
さらに、従来のフーリエホログラムでは、各物体点は像平面全体を通して(たとえば、CCD面全体を通じて)直線格子に変換される。よって、フーリエホログラムを生成する従来の非コヒーレント法では、各物体点からの光は、像平面全体に亘って高コントラストの格子またはパターンを作るため十分に強くなければならないので不利である。
【0079】
断層撮影法は上述された従来のホログラフィック技術の制限を解決するため提案されている。このような断層撮影法は、たとえば、連続画像の間で物体、あるいはカメラ、または、両方を移動させることによって、様々な視点から物体の複数の像を捕捉し、連続画像を処理することにより3次元物体情報を抽出することを伴うことがある。従来の断層撮影法は、それぞれが参照により本明細書に組み込まれている、Y.Li,D.Abokasis and J.Rosen,“Computer−generated holograms of three−dimensional realistic objects recorded without wave interference”,Appl.Opt.40,2864−2870(2001)と、Y.Sando,M.Itoh and T.Yatagai,“Holographic three−dimensional display synthesized from three−dimensional Fourier spectra of real existing objects”,Opt.Lett 28,2518−2520(2003)とに記載されている。
【0080】
断層撮影法は緩慢であるが、物体とカメラとの間の相対的な見え方が変化される前後に複数の像が捕捉されることを必要とすることがあるので、複数の像を捕捉するために要する時間の間に変化する物体を捕捉できないことがある。代替的に、断層撮影法は、2つ以上の見え方から物体の像を同時に捕捉する能力を含むより高価であるか、または、物理的に大きい設備を必要とすることがある。さらに、この断層撮影法は、カメラからの相対的な見え方を変化させることが困難でありうる離れた物体または静止した物体に対し非現実的であることがある。その上、物体が予測できない方法で移動しているならば、物体の形状または移動に関する別の情報源を持つことなく連続画像から情報を抽出することは困難であろう。
【0081】
レンジファインディング法は、装置と物体の表面の種々の点との間の距離を測定し、距離に基づいて物体の像またはモデルを構築することを伴う。さらに、あるレンジファインディング法は、経時的に装置からの物体の見え方を予測可能に変化させるため物体または装置の所定の移動または制御された移動を含むことがある。よって、従来のレンジファインディング法は、物体の外観の3次元形状を決定するために物体の見え方の予測可能な変化を含むこともある。従来のレンジファインディング法は、物体上の点にレーザーを照射し、レーザー光が物体とレーザー源との間を進むために要する時間の量を測定し、移動時間に基づいて物体までの距離を決定するシステムを含む。関連した方法は、物体にレーザーストライプまたはレーザー格子を「ペイント」し、物体の幾何情報を決定するために観察された格子の変形を検査することを含む。
【0082】
しかし、このようなレンジファインディング法は、コヒーレントレーザーによる物体の能動照明を必要とするので、非コヒーレントに照明された物体、または、蛍光発光物体もしくはルミネセンス発光物体に適してない。コヒーレント光源が使用可能であるとき、コヒーレント光源は、上述された能動照明およびコヒーレント光源の問題および制限が付随している。さらに、レンジファインディング法は、物体が予測できない方法で移動するか、または、物体がレーザー源に非常に接近しているならば、実行することが難しいことがある。
【0083】
その他のレンジファインディング法は、被写界深度が浅いレンズと、校正された自動焦点システムとを備えるカメラを使用することを含むことができる。自動焦点システムは、たとえば、結果として得られる像のコントラストを最大化することにより、物体の部分に焦点を合わせるためレンズを自動的に調節する。次に、物体までの距離が校正されたレンズの機械的位置に基づいて決定される。しかし、このような校正された焦点技術は、最低限の光学コントラストを有する物体には、または、物体もしくは装置が動いているときには役に立たないことがある。さらに、このようなシステムの精度は校正されたレンズの機械的公差によって制限されることがある。
【0084】
別の従来の方法は、像内の陰影から物体距離を抽出することを含む。たとえば、従来の陰影法は、物体からの電磁放射線(たとえば、X線放射または光)が、物体と像平面の間に配置されるフレネルゾーンパターン(透過ゾーンプレート、ゾーンプレート、ゾーンパターン、フレネルゾーンプレートなどの名前で知られているFZP)のような同心リングパターンをもつマスクによって阻止されるときに生成された陰影の像を捕捉することを含む。
【0085】
本願の目的のため、FZPは、連続リングの厚さ(たとえば、半径方向幅)がリングの中心からの距離に反比例する明と暗の交互の同心リングの2次元パターンであると理解されることがある。たとえば、FZPのn番目のリングは、以下の式(または以下の式の近似):
=√nfλ
によって記述される半径rで遷移(すなわち、暗から明、または、明から暗)することがあり、式中、nは整数であり、λは当てられた光の波長であり、fはFZPの焦点距離である。
【0086】
星のような散乱点光源と共に使用されるとき、像内の陰影の中心の相対位置は像から抽出されることがあり、対応する点光源までの距離は像内の陰影中心場所から計算されることがある。このような方法は、参照により本明細書に組み込まれている、L.Mertz and N.O.Young,“Fresnel transformations of images”in Proceedings of Conference on Optical Instruments and Techniques,K.J.Habell編集(Chapman and Hall,London 1961)p.305に記載されている。
【0087】
しかし、このような従来の陰影レンジング法は、捕捉された電磁放射線が、可視光のように、FZPのリングの間の距離に匹敵する波長を有するとき、有用性が制限される。たとえば、可視光は、像内の陰影のエッジを不明確に定めるか、または、不鮮明にさせるFZPのリングのエッジによって回折されることがあり、それによって、結果として得られる陰影パターンの中心を分離することを困難または不可能にさせる(たとえば、MertzとYoungの文献の図2を参照のこと)。
【0088】
従来の走査ホログラフィック法は、物体の表面にフレネルゾーンプレート(FZP)の移動パターンを照射することにより物体を走査し、パターンが物体の上を移動するときに物体から反射または透過された光の強度(すなわち、1次元強度信号)を連続的に検知し、物体の3次元情報を生成するために連続的に検知された光強度を積分し処理することを含むことができる。特に、物体と移動フレネルゾーンパターンとの間のコンボリューションは、物体に関する3次元情報を抽出するために使用される。従来の走査ホログラフィック法は、それぞれが参照により本明細書に組み込まれている、Poon T.−C.,“Three−dimensional image processing and optical scanning holography”,ADVANCES IN IMAGING AND ELECTRON PHYSICS 126,329−350(2003)と、G.Indebetouw,A.El Maghnouji,R.Foster,“Scanning holographic microscopy with transverse resolution exceeding the Rayleigh limit and extended depth of focus”,J.Opt.Soc.Am.A22,892−898(2005)とに記載されている。
【0089】
しかし、従来の走査ホログラフィック法は、物体の場所が固定されている間にパターンが物体上で移動されることを必要とするので、この方法の有用性を制限している。代替的に、パターンが固定され、物体がパターン上を移動され、結果として同様の制限を生じることがある。
【0090】
その上、走査プロセスは、機械的移動を必要とする比較的遅いプロセスである可能性がある。よって、走査は、上述された解像度低下のような、機械的劣化および不正確さによって生じる問題に影響されやすい。
【0091】
さらに、走査ホログラフィック法は、物体から1次元光強度信号を連続的に捕捉し、3次元情報を抽出するために連続信号を積分するので、このようなシステムは走査の期間に亘って走査装置と物体の相対位置の変動に非常に影響されやすい。たとえば、このようなシステムが、走査の第1の部分で第1の強度を捕捉し、走査の第2の部分で第2の強度を捕捉するならば、物体と走査装置の相対位置の変動(あるいは、走査装置の要素の内部配置の僅かな変化でさえ)が捕捉された第2の強度に不利な変化をもたらすことがあるので、システムの精度、解像度および有用性を低下させる。
【0092】
その上、走査ホログラフィックシステムは、一般に大型であり、かつ、複雑であるので、可搬性または低価格を要求するアプリケーションに適さないことがある。さらに、従来の走査ホログラフィックシステムは、干渉レーザー光によって生成された干渉パターンによって物体が照明されることを必要とし、物体捕捉毎に数分以上を要する可能性がある非常に遅い記録プロセスを含み、記録プロセスは、記録プロセス中に記録装置コンポーネントおよび/または物体のかなりの機械的移動を必要とするので不利である。
【0093】
さて図面を参照すると、類似した参照符号が様々な図を通じて同一の部品または対応する部品を示している。
【0094】
図1は本発明の第1の実施形態による光学装置100のブロック図である。光学装置100は物体130の3次元情報を捕捉するように構成され、光学装置100は光学組立体110および像捕捉組立体120を含む。特に、光学組立体110は受光軸140に沿って物体130から光を受ける。たとえば、光学組立体は、物体130上の反射面によって反射または散乱された太陽150からの光を受けることがある。受光は、反射された太陽光のような多色性かつ非コヒーレント性の光でもよく、または、単色光またはコヒーレント光でもよい。その上、物体からの光は、物体によって放射された蛍光または化学発光でもよい。光学装置100は、本実施形態では、物体を照明しないが、物体から光を受動的に受ける。
【0095】
光学組立体110は、後述された変換に従って受光を変換し、変換された光を受光軸140に沿って透過させる。像捕捉組立体120は、光学組立体110から変換された光を受け、変換された光の2次元強度像を捕捉する。捕捉された2次元強度像は、物体130の部分に関する3次元情報または幾何情報を含み、物体130からの光が光学組立体110で受けられる。3次元情報または幾何情報は、フレネルホログラムとして捕捉された2次元強度像内に符号化されている。換言すると、本願において説明されているようなホログラムは、3次元情報を符号化する2次元像である。その上、本発明は、物体の3次元情報または幾何情報を符号化する3次元強度像である体積ホログラムの捕捉にも適用される。像捕捉組立体120は捕捉された像から3次元情報を抽出することがある。像捕捉組立体は不透明光捕捉装置でもよい。不透明装置は、当該周波数および強度の電磁放射線に対し透明でないか、または、半透明である装置を意味することが理解されるべきであり、したがって、このような装置はこの電磁放射線が通過することを可能にしない。
【0096】
フレネルホログラムは、物体の光散乱面に関する3次元情報を含む複素値波面分布を符号化する正実数光強度分布である。さらに、フレネルホログラムでは、参照によって本明細書に組み込まれている、Goodman,“Introduction to Fourier Optics”,3rd Ed.,Roberts & Company Publishers,2005に記載されているように、物体上の各点は、存在する空間周波数成分の全範囲を用いてシヌソイドフレネルゾーンプレートの一部に符号化される。よって、物体の3次元像は、フレネルホログラムを保有している透明性を適切に照明することにより光学的に再現されることがあり、または、物体の3次元像がフレネルホログラムの電子画像データを使用してコンピュータによって再現されることがある。再現された物体の3次元像は、物体の観察可能な表面の形状および距離に関する3次元情報を含む。
【0097】
光学装置100は、移動するか、または、移動されることなく3次元物体情報を捕捉することがあるので(すなわち、光学装置100と物体130との間の空間関係は、像が捕捉される前の時点から3次元情報が像捕捉組立体120によって捕捉された像から抽出された後の時点まで維持されうるので)有利である。その上、光学装置100は、物体と光学装置100の一方または両方が動いている間に3次元物体情報を捕捉することがあるので有利である。
【0098】
その上、光学装置100は、従来の方法または走査ホログラフィック法で行われているように、物体にパターンを投影しない。さらに、光学装置100は、光が物体から受けられる間に移動するために必要とされる部品、たとえば、走査ホログラフィーで使用される走査開口のような部品を含まない。よって、像捕捉中に移動する部品なしで、光学装置100は、たとえば、走査ホログラフィーのため使用される装置より、製造および使用のための費用が安く、高信頼性であり、静かであり、高速でありうる。さらに、能動照明(たとえば、レーザーによる照明)を必要とする従来のホログラフィックシステムに関して、本発明は、より多くのタイプのイメージングに適用されるより簡素な設計を有することがあるので有利である。
【0099】
その上、本発明は、照明からの(すなわち、物体によって散乱されていない)光と物体によって散乱された光との干渉を必要としない。その代わりに、本アプローチは物体によって散乱された光を回折させ、このことは、物体そのものに由来する電磁放射線波面の一部分同士の間の相互干渉であると理解されることがあり、散乱された光と光源からの別の光との間の干渉ではない。よって、相互干渉は、数個の同一線上の電磁要素(たとえば、後述されているように、レンズおよびマスク、または、DOE)によって、または単一の電磁要素(たとえば、後述されているように、単一のDOE)によって実行されることがあるので、干渉する波面の光路間の相対的な差は容易に制御され(たとえば、光路のすべてが同じ電磁要素を通過し)、したがって、光路の長さの間の変動がより容易に制御され、最小化されることがある。
【0100】
さらに、光学装置100は、単一の像内(たとえば、1回の露光)で3次元物体情報を捕捉することがあるので有利である。
【0101】
その上、光学装置100は、非常に低レベルの光強度で像を捕捉できることがあるので有利である。従来のホログラフィックシステムは、ある程度の受光を失わせるか、または、弱める可能性があるビームスプリッターおよび/またはミラーを必要とすることがある。一方、光学装置100は、ビームスプリッターまたはミラーの使用を必要としないので、低レベルの光強度で像を捕捉できることがある。
【0102】
さらに、従来のホログラフィックシステムは、各物体点が像平面全体に広がる干渉縞パターンの原因となるフーリエホログラムを生成することがある。このような従来のシステムは光学装置100より大きい光強度を必要とすることがあり、光学装置100は、フレネルゾーンパターンを使用して各物体点を変換し、像平面の一部分だけに特有の物体点の縞パターンを生成することがあり、それによって、より小さい光強度を可能にする点で有利である。
【0103】
その上、光学装置100は、単一軸だけに沿って光を受け、光を透過し、それによって、軸変動に対する影響の受けやすさを低減し、光学装置100の設計、製造および使用を簡素化する点で有利である。さらに、光学装置100は同軸であり、かつ、自己干渉型である。特に、本実施形態では、別々の光路からの光は干渉パターンまたはホログラムを生成するために干渉させられない。その代わりに、ホログラムは光学組立体110内の光の回折によって生成される。回折は光波面の各部分の間の干渉によって生成されるものとして理解される(すなわち、波面に沿った各点は、ホイヘンスの光波の原理によると点光源であると考えられる)ことがあるが、本実施形態のように、単一の同軸組立体によって生成される回折は、干渉する光源の間の光路の変動に対する感度が非常に低い。特に、本実施形態によれば、光は自己干渉型であり、干渉は同じ光学要素の様々な部分(たとえば、光学組立体110、または、後述される図3におけるマスク304)を通過する光波の間だけにあるので、本実施形態のように同じ光学要素を通過する光路の光路長および角度変動を最小化することは、従来のホログラフィーシステムのように、別個の光軸に沿って別個の光学要素を通過する別個の光路の間の光路変動を制御するより遙かに容易である。その上、光学装置100は、物体から受けた多色性の非コヒーレント光を有利に捕捉するため使用されることがある。したがって、フルカラー3次元像が装置によって記録されたフレネルホログラムから再現されることがある。
【0104】
本明細書中の実施形態は、光を送受し、光像を捕捉し、光学組立体を含むものとして記載されているが、本発明は、その他のタイプの電磁放射線にも適用可能である。よって、本発明は、物体から受信電磁放射線を受ける電磁放射組立体を含む電磁放射装置をさらに包含する。
【0105】
図2は本発明の実施形態による捕捉された幾何情報の実施例を説明するブロック図である。図2の実施例によれば、物体200は1個または複数個の光源(たとえば、太陽150)によって照明され、物体200の様々な光放射部によって光を散乱または反射させる。3個の例示的な光放射部206、208および210は、それぞれ、光線216、218および220を散乱させる。これらの例示的な光線は、(図1の細部なしに図2に示されている)光学装置100の方へ進む。本発明によれば、光学装置100によって捕捉された光は、物体と光学装置との間の距離、および、光学装置100で受けられる光の出所である物体200の観察可能な面の形状に関する幾何情報を含む。たとえば、捕捉された光は、光線218が進んだ距離に関する情報を含み、特に、光放射部208と光学装置100との間の距離を含む。さらに、捕捉された光は、光放射部208の水平距離、たとえば、物体200のエッジと光放射部208との間の水平距離212に関する幾何情報をさらに含む。その上、捕捉された光は、光放射部208の垂直距離、たとえば、物体200のエッジと光放射部208との間の垂直距離214に関する幾何情報をさらに含む。本実施例では、水平距離212および垂直距離214は、放射部208を通過する測定平面204で測定された距離である。
【0106】
よって、本実施形態によれば、光学装置は、光学装置で受けられた光の出所である各物体の各部分に関する幾何情報を含む光を捕捉するように構成されることがある。さらに、幾何情報から、各物体の可視部分のサイズ、形状および場所が決定されることがある。たとえば、図2では、光が物体200の各外面によって散乱され、散乱光の少なくとも一部分が光学装置100で受けられるならば、装置100は、物体200の各可視面の寸法(たとえば、高さ、幅および奥行き)に関する幾何情報と、物体130と光学装置100の前面との間の距離に関する情報とを含む光を捕捉することがある。
【0107】
光は図2では外面によって散乱されるが、当業者は、このような光学装置が、物体130の半透明または透明外部を介して光を光学組立体100へ放射する物体130の内面からの受光を捕捉することも可能であることを認めるであろう。その場合、捕捉された幾何情報は物体の内部に関する幾何情報を含むことがある。
【0108】
光学組立体110は、後述される複素変換関数に従って透過光の複素振幅を制御するように構成されている光学組立体を含む。よって、たとえば、光学組立体110は、1枚以上の屈折レンズ、1個以上の回折光学要素(DOE)、または、1台以上の空間光変調器(SLM)を含むことがある。
【0109】
回折理論の方式における非コヒーレント相関器は、非コヒーレント相関器が入力平面上のある位置からの単一点によって照明されるときに、入力点の場所に直線的に関連付けられた点の周りの出力平面でマスク透明度のフーリエ変換のパターンをシステムの開口に生成するあらゆるシステムを含むことができる。よって、非コヒーレント相関器は、入力平面内のあらゆる点を含む出力像を生成する。
【0110】
図3は、図1に示された光学装置100において光学組立体110として使用されることがある非コヒーレント相関器300のブロック図である。非コヒーレント相関器300は、第1の変換光学組立体302、マスク304、および、第2の変換光学組立体306を含む光学組立体である。第1の変換光学組立体302および第2の変換光学組立体306の1つずつは、(コヒーレント光は本発明の動作中に必要とされないが)コヒーレント光によって照射されるならば、受光の2次元フーリエ変換を実行するようなタイプの収束レンズを含む。非コヒーレント相関器300が平面318上のある位置から単一の点光源308によって照明されるとき、非コヒーレント相関器300は出力平面316上のマスク304のフーリエ変換のパターンを生成する。平面318は、第1の変換光学組立体302から距離(z+f)に、非コヒーレント相関器300の光軸320に沿ってかつ垂直に位置し、ここで、fは第1の変換光学組立体302の焦点距離であり、zは点光源308と第1の変換光学組立体302との間の残りの距離である。出力平面は、第2の変換光学組立体306から距離fに、光軸320に沿ってかつ垂直に位置し、ここで、fは平面318から遠ざかる方向における第2の変換光学組立体306の焦点距離である。出力平面316上のマスク304のフーリエ変換は、z=0の場合に限り取得されることに留意されたい。z≠0のとき、光学組立体300は、マスク304のフーリエ変換とは異なる関数を用いて、依然として物体との間の相関を実行する。換言すると、z≠0の場合、出力平面316はマスク304のフーリエ変換とは異なる出力像を含むであろう。
【0111】
図4は光学組立体300を含む光学装置400の実施形態のブロック図である。光学装置300は、第1の変換光学組立体302と、マスク304と、第2の変換光学組立体306とを含む。第1の変換光学組立体および第2の変換光学組立体302/306の1つずつは、(装置の使用はコヒーレント光を必要としないが)受信コヒーレント光に2次元フーリエ変換演算を実行するようなタイプの光学組立体(たとえば、収束フーリエレンズ)である。光は第1の変換光学組立体302で物体130から受けられ、第1の変換光学組立体は受光を変換し、変換された光を透過する。マスク304は変換された光を受け、後述されるように、受けたコヒーレント変換光の振幅および/または位相を変化させ、マスク光として受光の一部分を透過させる。マスク光は、第2の変換光学組立体306によって受けられ、第2の変換光学組立体はマスク光を変換し、第2の変換光を透過する。像捕捉組立体120は、上述されているように、第2の変換光を受け、捕捉する。物体から受けた光が非コヒーレントであるとき、第1の変換光学組立体および第2の変換光学組立体302/306によって実行される変換はフーリエ変換でなくてもよいことに留意されたい。しかし、第1の変換光学組立体および第2の変換光学組立体302/306は、受けたコヒーレント光または受けた点光源光のフーリエ変換を生成するタイプの光学組立体(たとえば、収束フーリエレンズ)である。
【0112】
マスク304は、1個以上の所定の複素透過関数に従って、受光の振幅および位相を変換するように構成されている装置または構造体を含む。たとえば、マスク304は、1個以上の回折光学要素(DOE)、1個以上の振幅フィルタ、1枚以上のレンズ、および/または、1個以上のSLMを含むことがある。
【0113】
図5Aは、複数の変換領域500−514のアレイを有するDOEを含むマスク304の実施形態の正面詳細図である。回折光学要素内の複数の変換領域の1つずつは、後述された変換式に従って受光の位相および/または振幅を変換するように構成されている。
【0114】
回折光学要素は、受光の位相および/または振幅を変換し、変換された透過光を生成するために、各変換領域において屈折材料の体積の変動を使用する体積変調回折光学要素を含むことがある。その上、回折光学要素は、受光の位相および/または振幅を変換し、変換された透過光を生成するために、各変換領域において屈折材料の屈折率の変動を使用する屈折率変調回折光学要素を含むことがある。その上、回折光学要素は、受光の振幅を変化させるために所定の透過率を有する1個以上の透過層を含むことがある。さらに、体積変調回折光学要素、屈折率変調回折光学要素、および、透過層回折光学要素の1つ以上の特徴を組み合わせる回折光学要素が含まれることもある。回折光学要素を準備する方法は、たとえば、それぞれが参照により本明細書に組み込まれている、Salmio et al.,“Graded−index diffractive structures fabricated by thermal ion exchange”,Applied Optics,Vol.36,No.10,1 April 1977と、Carre et al.,“Customization of a self−processing polymer for obtaining specific diffractive optical elements”,Synthetic Metals 127(2002)291−294と、Nordman et al.,“Diffractive phase elements by electron−beam exposure of thin As films”,Journal of Applied Physics 80(7),1 October 1996と、に記載されている方法のような従来の方法を含む。
【0115】
図5B−5Gは、光学組立体110の種々の実施形態について、図5Aにおける断面AA’の見え方を示している。図5Bは、変換領域500−514の体積が中心線516に関して対称である、対称的に配置された体積変調型回折光学要素構造体の断面図である。
【0116】
図5C−5Gでは、各変換領域は、図5Aおよび5Bの実施形態における変換領域に対応するが(たとえば、変換領域500C、500D、500E、500Fおよび500Gは変換領域500に対応するが)、関連した実施形態の特性を備えている。
【0117】
図5Cは、体積領域500C−514Cの体積が変化し、中心線516に関して非対称的に配置されている、体積変調型回折光学要素構造体の断面図である。
【0118】
図5Dは、変換領域500D−514Dの屈折率が変化する、屈折率変調型回折光学要素構造体の断面図である。
【0119】
光学組立体110は、体積変調型変換領域または屈折率変調型変換領域だけを含む実施形態に限定されることなく、体積変調型変換領域および屈折率変調型変換領域の混合と、体積変調および屈折率変調の両方の特徴を含む変換領域とも含むことがある。
【0120】
図5Eは、たとえば、変換領域500E、506E、508Eおよび512Eが可変屈折率を含み、変換領域502E、510Eおよび514Eが可変体積を含み、変換領域504Eが可変屈折率と可変体積の両方を含む、混合モード回折光学要素構造体の断面図である。
【0121】
光学組立体110は、光が組立体の一方側からもう一方側へ通過する屈折型回折光学組立体だけを含む実施形態に限定されることなく、光が組立体から出る前に表面によって反射される反射型回折光学組立体を有する実施形態も含む。
【0122】
図5Fは、反射層518および体積変調型変換領域500F−514Fを含む反射体積変調型回折光学要素の断面図である。本実施形態では、変換領域500F−514Fを介して入る受光は反射層518によって反射され、回折光学要素から出る前に変換領域500F−514Fを再通過する。
【0123】
光学組立体110は、上述の図に示されている形状を有している変換領域を含む実施形態に限定されることなく、変換領域がその他の形状、たとえば、丸みのある形状を有する実施形態も含む。
【0124】
図5Gは、変換領域500G−514Gが外部エッジに異なる形状を有し、反射層518に隣接した内部エッジに正方形の形状を有する反射体積変調型回折光学要素の断面図である。
【0125】
図6Aは、複数の変換領域600−614のアレイを有するDOEを含み、各変換領域が図5A−5Gに関して上述された特徴に類似した特徴を含むことがあるマスク304の実施形態の正面詳細図である。さらに、本実施形態の回折光学要素における複数の変換領域の1つずつは、以下の透過式に従って様々な所定の量で受光の振幅を低下させるように構成されている1層以上の透過層を使用して、受光の振幅を変換するように構成されている。本実施形態では、変換領域614は、比較的少量ずつ透過光の振幅または強度を低下させるように構成されている吸収性インクまたは反射性金属のような材料を含有する透過層を含むように構成され、変換領域606、610および602は、それぞれに増加した量で透過光の振幅または強度を低下させるように構成されている。可変透過率は、同じ材料の層の数を変えること、同じ材料の密度を変えること、様々な濃度の材料を混合すること、または、受光の強度を変化させるため使用される従来の方法により生成されることがある。
【0126】
さらに、各変換領域600−614は、受光スペクトルの異なる周波数に亘って異なる量の振幅低下または強度低下を加えるように構成されることがある。よって、各変換領域600−614は、受光の各色を別々にフィルタ処理する能力を含むことがある。たとえば、変換領域606は、振幅の低下なしに赤色に近い周波数を有する受光の一部分を透過させ、受光のすべての他の周波数の振幅を低下させることがある。さらに、変換領域610は、青色の受光の振幅を第1の量ずつ低下させ、黄色または赤色の受光の振幅を第2の量ずつ低下させることがある。変換領域毎の周波数減衰プロファイルのすべての並べかえが本発明に包含されている。
【0127】
図6B−6Eは、マスク304の種々の実施形態に対する図6Aにおける断面BB’の図を示している。図6Bは、対応する変換領域514F、506F、510Fおよび502Fに隣接した領域に可変透過率を有する透過層620を含むマスクの断面図である。
【0128】
図6Cは、(たとえば、変換領域に添加された不純物に起因して)受光の振幅を変えるように構成されている変換領域614C、606C、610Cおよび602Cを有するマスクの断面図である。
【0129】
図6Dは、片側に印刷オーバーレイ622が取り付けられているマスクの断面図である。印刷オーバーレイ622は、インクまたはその他の光吸収性材料もしくは光反射性材料が、受光の振幅を変化させるため可変濃度または可変量で、対応する変換領域614D、606D、610Dおよび602Dに隣接した領域に堆積されている印刷領域624を含む。印刷オーバーレイ622は、マスク304の残りに取り付けられる前に印刷されることがある。さらに、印刷領域624は、図6Eにおけるマスク304の実施形態に示されているように、印刷オーバーレイ622を使用することなく、DOEの上に直接印刷されることがある。
【0130】
マスク内のDOEは、上述の実施例に示されているように64個の変換領域のアレイを有するDOEに限定されることなく、その他の個数の変換領域を有するDOEを含み、変換領域の半径方向配置(図示せず)と同様に、アレイ以外で配置された変換領域を含む。さらに、変換領域は任意の形状を有し、どのように配置されてもよい。
【0131】
マスク304は1個以上の複素透過関数を同時に実行するように構成されることがある。本実施形態では、マスクは、捕捉された各像の範囲内で3種類のコンボリューションされた、変換された部分像を生成するために、3個の異なる透過関数を含む。後述されるような特有の透過関数がマスク304に含まれるとき、結果として得られる捕捉された像内の3種類のコンボリューションされた、変形された部分像は、物体130のフレネルホログラムとして合成され、フレネルホログラムから3次元物体情報が抽出されることがある。
【0132】
図6Fは、受光の振幅を制御的に修正するように構成されている振幅SLM628と、振幅修正光の位相を制御的に修正し、振幅SLM628に隣接して搭載されるように構成されている位相SLM630とを含むマスク304の実施形態のブロック図である。
【0133】
図6Gは、振幅SLM628および位相SLM630が互いに隣接して位置していないが、中間空間部を有しているマスク304の代替的な実施形態のブロック図である。さらに、SLMは、代替的に光路(図示せず)に関して異なる順序で配置されてもよい。さらに、本発明は、現在または将来に入手可能であり、受光の振幅および位相の両方を制御的に修正するように構成されているその他のSLMを含むことができる。
【0134】
像捕捉組立体によって捕捉された2次元強度像は、像捕捉面(すなわち、x、y平面)内の各点で捕捉された光強度の分布を記述する強度関数o(x,y)によって一般的に記述される。3個の強度関数o(x,y)は、各部分像による全体的な像強度への部分寄与を定義し、以下の全体的な像強度関数、
【数1】

に関連付けられ、式中、Bは複素定数である。
【0135】
像捕捉組立体120によって捕捉された3つの部分像を生成する透過関数は、
【数2】

として定義され、式中、s(x’,y’,z’)は点(x’,y’,z’)=(0,0,0)の近くでシステム入力における強度を記述する関数である。関数o(x,y)から、物体の光散乱面(すなわち、光学組立体110で受けられた光を散乱または放射する光学装置100に対向する物体の部分)に関する幾何情報は物体参照座標x’、y’およびz’に関して決定されることがある。
【0136】
変換光は、各透過関数からの寄与を受ける点広がり関数(PSF)h(x,y,z)を含む。本実施形態では、h(x,y,z)は、1つずつが像捕捉座標(すなわち、x、y、z)に関して光広がり関数を実行する点広がり関数h(x,y,z)、h(x,y,z)およびhの線形和である。PSF h(x,y,z)は、
【数3】

として定義され、式中p(x−x,y−y)は像捕捉空間内で点(x,y)、(x,y)および(x,y)のそれぞれに中心が置かれた2次元ディスク関数であり、iは虚数単位(すなわち、i=(−1)0.5)であり、λは伝搬光の波長であり、Δ(z)は距離zに単調に関係するパラメータである。さらに、ディスク関数pは、zの値に基づいて直径を変化させ、それによって、対応するFZPの直径を制限する直径関数d(z)を有する。さらに、各PSFは異なる一定位相値θをとるように選択される。
【0137】
上記式は、伝搬光の波長に対し単一の値λを含むが、捕捉された強度像が捕捉されたスペクトル全体のうちの複数の部分における強度の組み合わせであると仮定することにより、上記式は多色光のために使用されることがあり、たとえば、捕捉された強度像が捕捉された赤色光強度、捕捉された黄色光強度、および、捕捉された緑色光強度の組み合わせとみなされることがある。さらに、本発明は、CMYKのような着色像を表現するためにその他のカラーモデルを使用することを含む。
【0138】
よって、像捕捉装置(すなわち、z=0)で捕捉された像内で、PSF h1,2,3は、
【数4】

により与えられる。したがって、光学組立体110の各部分関数の所望の光変換関数H(u,v)は上記の式3におけるh(x,y,0)のフーリエ変換である。よって、式3および図9A−9C、10Aおよび10Bに示されているように部分マスクパターンが空間多重化されている実施形態に対応するH(u,v)は、
【数5】

として定義される。
【0139】
図15、17および18に示されている実施形態のような代替的な時間多重化実施形態では、H(u,v)は、
【数6】

として定義されてよく、式中、*はコンボリューション演算を表している。
さらに、マスクH(u,v)の全体的な変換関数は、
【数7】

として定義され、式中、uおよびvは、像捕捉面内のxおよびy座標に対応する光学組立体110の平面内の座標であり(すなわち、u軸はx軸に平行であり、v軸はy軸に平行であり)、P(u,v)はディスク関数p(x,y)のフーリエ変換である。
【0140】
上記式において、γ1,2は以下の式、
【数8】

に従って定義されることがある。
【0141】
しかし、本発明は、異なる焦点距離を有する光学組立体の使用に限定されることがなく、式は2個の光学組立体に対して同じ焦点距離を可能にするように拡張され得ることに留意されたい。換言すると、マスクγ1,2=±γというパラメータは、パラメータfおよびfが既知であるとき、式6に従って決定される。fおよびfはSLMまたはDOEの解像度に応じて選択されてもよい。たとえば、SLM面積がD×Dであり、N×N個の画素を含んでいるならば、画素サイズはδ=D/Nである。このSLMに表示されるFZPの最小リング幅はδ=|γ|λ/Dとしてよく知られている。したがって、式D/N=|γ|λ/Dから、|γ|=D/Nλが得られる。次に、|γ|を式6に代入すると、パラメータfおよびfの値が得られる。本実施例は1つの可能な検討材料の組み合わせだけを示しているが、本発明は、他の要因に基づいて計算されたフィルタパラメータを用いる方法および結果として実現された装置も含むことに留意されたい。
【0142】
図6Aに関して上述されているように、マスクの変換領域が特定の周波数だけに中心が置かれた光を除去または通過させるように構成されているカラーフィルタリング能力を含む場合を考える。マスクは種々の色によって照明されるときに変化する必要がない。マスク透過性の応答は、たとえば、以下の式27に示されているような実施例では、光の波長に応じて変化する。
【0143】
図7は、各ゾーンが透過される光に関して実質的に透明および実質的に不透明の2つの透過状態のうちの一方のみを含むバイナリーフレネルゾーンパターン700の実施例を示している。本実施例では、FZP700は、可視光スペクトル内の光の90%より多くを反射または吸収するインクを使用して可視光スペクトルの範囲内の光の90%より多くを透過するガラス基板702に印刷されている。
【0144】
本発明は、90%より多くの透過ゾーンと90%より多くの吸収/反射ゾーンの交互ゾーンを有しているバイナリFZPに限定されることなく、FZPの分野で知られているように、その他の透過レベルおよび吸収/反射レベルを有しているFZPも含む。さらに、本発明は、各ゾーンを通じて一貫した透過率を有するゾーン(すなわち、完全に実質的に透明であるか、または、完全に実質的に不透明であるゾーン)を有しているFZPに限定されることなく、ゾーン毎に様々の透過レベルをもつゾーンを有しているFZPも含む。その上、本発明は、完全な円形リングのパターンだけに限定されることなく、軸外FZPのような部分リングのパターンも含む。さらに、本発明は、参照によって本明細書に組み込まれている、Kipp et.al.,“Sharper images by focusing soft x−rays with photon sieves”,Nature,vol.414,8 November 2001,pp.184−188に記載されているようなフォトンシーブでFZPを置き換えることも含んでいる。
【0145】
図8A−8Cは、シヌソイドFZP800、802および804の実施例を示している。シヌソイドFZPでは、透過率は、FZPの中心から放射状である直線に沿って、実質的に透過性であるゾーン内の最大透過率の点と、実質的に透過性のより低いゾーン内の最小透過率の点との間で正弦波的に変化する。さらに、FZP800、802および804は、それぞれが異なる位相を有している。
【0146】
図9A−9Cは、FZP800、802および804のそれぞれのフーリエ変換であるフーリエ変換型FZPパターン(FT−FZP)900、902および904の実施例を示している。FT−FZPパターンはFZP同心パターンを有することもある点に留意されたい。しかし、図8A−CにおけるFZPは、半径座標全体に亘って一様な振幅を有している、半径座標に対する強度分布を有する画像を生成し、一方、図9A−CにおけるFT−FZPは、リングパターン内のリングの中心に強度のピークをもち、すべての他の場所で強度が低下している釣鐘曲線に類似した、半径座標に対する強度分布を有している。フレネルゾーンパターンのフーリエ変換は上記の式4に従うマスク関数を生成するため使用されることがある。
【0147】
さらに、式4のH(u,v)は、二次位相関数によって乗じられた式3からのh(x,y,0)のフーリエ変換によって得られることがある。FZPは引数に反対符号をもつ2個の二次位相関数の和でもよく、二次位相関数のフーリエ変換もまた二次位相関数であることに留意されたい。したがって、h(x,y,0)の各二次位相は、二次位相関数によって乗じられ、次に、別の二次位相関数にフーリエ変換される。H(u,v)が2個の二次位相関数の和であることが最終結果である。H(u,v)は、絶対値が等しく、反対符号を有する引数をもつ2個の二次位相関数の和であることを確実にするため、h(x,y,0)を注意深く選択することが可能である。その場合、h(x,y,0)はディスク形状を有するので、二次位相関数の和は釣鐘曲線をもつFZPである。特に、ディスク関数は、いわゆるメキシカンハット関数に変換され、メキシカンハット関数は、式4に示されているように、無限FZPとコンボリューションされる。このコンボリューションは、半径値が増加すると共にFZPの振幅を徐々に減少させるので、釣鐘曲線形状を作り出す。フーリエ変換の特徴によれば、h(x,y,0)上の限定されたエリアは、式4においてP(u,v)によって示されている幅の狭い関数とH(u,v)とのコンボリューションを生じさせる。このコンボリューションはH(u,v)の包絡線の釣鐘のような形状の原因である。
【0148】
図10Aは、それぞれが式4Bに従う3個のマスク関数の線形結合であり、かつ、図10Cにおける3個のFZPのフーリエ変換に対応している、式5による複素透過関数の振幅部である。
【0149】
図10Bは、式4によるマスク関数の線形結合であり、かつ、図10Cにおける3個のFZPのフーリエ変換に対応している、式5による複素透過関数の位相部である。
【0150】
式5の複素透過関数と、図10Aおよび10Bに示されている実施例とは、上述されているように、一つのDOEもしくはSLM、または、DOEおよび/またはSLMの組み合わせを使用して実施されることがある。
【0151】
FT−FZPは、(たとえば、図9A−Cに示されているような)実数関数だけの振幅である可能性があるが、FT−FZPの線形結合は、(たとえば、図10A−Bに示されているように)振幅と位相のパターンであることに留意されたい。このことは、h(x,y,0)の注意深い選択によって可能である。h(x,y,0)が2個の特定の二次位相関数であるように選択され、レンズの二次位相関数によって乗じられ、結果として生じる積のフーリエ変換を実行するとき、得られる結果は、絶対値が等しいが、反対符号を有する引数をもつ2個の二次位相関数である。その場合、和は純粋に実数関数である。一方、この特性は、3個のFZPをまとめる結合がh(x,y,0)≠h(−x,−y,0)であるという意味で対称性がないので、図10A−Bに示されたH(u,v)の場合には起こらない。さらに、非対称関数のフーリエ変換は純粋に実数であり得ないことが周知である。
【0152】
図10Cは、上述されているように図10Aおよび10Bに示されたマスクパターンを生成するプロセス中に、点物体が入力に存在するときに、CCD上に生成されたパターンの実施例である。
【0153】
図11Aは、光強度捕捉装置1102および捕捉制御ユニット1104を含む像捕捉組立体1100のブロック図である。本実施形態の光強度捕捉装置1102は、デジタルカメラで使用されている電荷結合素子(CCD)のような従来の光捕捉装置であり、捕捉制御ユニット1104の制御下で光強度情報の2次元アレイ(すなわち、受光の像)を捕捉するように構成されている。本発明はCCDだけに限定されることなく、写真フィルムもしくは透明フィルム、X線検出器、その他の電磁放射線検出器、CMOS素子、ダイオードアレイ、または、光検出器などのような光強度を捕捉するその他の装置を含むこともある。
【0154】
捕捉制御ユニット1104は、光強度捕捉装置1102の光捕捉機能を制御し、光強度捕捉装置1102から電子画像データ情報を取り出すように構成されている。たとえば、本実施形態では、光強度捕捉装置は、従来の手段に従ってCCDイメージアレイから電子画像データを取り出すように構成されている捕捉制御ユニット1104に接続されたCCDを含む。代替的に、たとえば、光強度捕捉装置が写真フィルムを含んでいるならば、像捕捉制御ユニットは、写真フィルムから捕捉された像を走査するように構成され、それによって、電子画像データを取り出す従来の像走査機能を含むことがある。本発明は、当業者に知られている、電子画像データを捕捉するその他の従来の方法も含む。
【0155】
捕捉制御ユニット1104は、CCD1102の機能を制御し、CCD1102上の像を捕捉する側面を制御するためにシャッターおよび/または制御可能な絞り(図示されず)のような従来の写真機械的組立体を含み、制御することもある。代替的に、像捕捉分野の当業者は、捕捉制御ユニット1104によって制御されるこのような機械的組立体は、物体と像捕捉組立体との間で、または、光源と像捕捉組立体との間で光路に沿って都合のよい場所に配置されてもよいことを理解するであろう。
【0156】
本実施形態によれば、光は、像捕捉空間内で点(x,y)、(x,y)および(x,y)にそれぞれ中心が置かれているディスク関数p(x,y)、p(x,y)およびp(x,y)を有するPSF h(式3)を含むマスク304内のパターンによって広げられる。よって、像捕捉装置は、マスク304によって生成された3個の別個の部分像を受けるために、図11Aにおける光強度捕捉装置1102のような単一の光強度捕捉装置内に3個の別個の領域を含むように構成されることがある。さらに、像捕捉装置は、マスク304によって生成された3個の別個の部分像を受けるために、図11Bに示された像捕捉組立体1112の実施形態における光強度捕捉装置1106、1108および1110のような3個の別個の光強度捕捉装置を含むことがある。
【0157】
図12Aは、3個の別個の領域1204、1206および1208を有する電荷結合素子1202を含む光強度捕捉装置1200の実施例の図である。各領域1210、1212および1214の中心位置はそれぞれに光学組立体110によって生成された3個の部分像の1つずつの中心に対応している。特に、点1210、1212および1214の座標は、式3から、それぞれ、(x,y)、(x,y)および(x,y)に対応する。
【0158】
図12Bは、光学組立体110によって生成された3個の部分像1216、1218および1220を含む、像捕捉組立体120によって捕捉された式1Aによる2次元強度像の実施例である。このような2次元強度像は、後述されるように、像捕捉組立体120によって物体の3次元像に変換される。
【0159】
図13A−13Cは、別個の各領域が中心1300を含む、光強度捕捉装置の別個の領域が配置されうる方法のその他の実施例を示している。当業者は、光強度捕捉装置が都合のよい方法で3個以上のゾーンに分割されてもよいことを理解するであろう。たとえば、光強度捕捉装置がランダムにアドレス指定可能なCCDを含むならば、ゾーンの境界は都合のよいアドレス領域に沿って配置されることがある。代替的に、光強度捕捉装置が写真フィルムを含むならば、ゾーンの境界はフィルムの寸法および縦横比に都合のよい幾何形状に従って配置されることがある。
【0160】
上記の式1Aによれば、像捕捉組立体120は、o(x,y)によって与えられる光強度分布を有している光を受け、捕捉する。捕捉像から物体幾何情報を抽出するため、像捕捉組立体は式1Aに従って捕捉像(すなわち、強度関数o(x,y))に作用する。よって、物体の物体幾何情報s(x’,y’,z’)は以下の式:
【数9】

によって与えられ、式中、O(x,y)は部分画像の強度分布の線形結合であり、次の通りである。
【数10】

幾何情報の抽出は、たとえば、参照によって本明細書に組み込まれている、I.Yamaguchi,and T.Zhang,“Phase−shifting digital holography”,Opt.Lett.22,1268−1269(1997)に記載されているように、デジタルホログラフィーの分野からの方法を使用して実行されることがある。
【0161】
その上、捕捉制御ユニット1104は、式8に従って3個の部分像の1つずつの電子データを結合する機能と、式7に従って物体幾何情報を抽出する機能と、最終的に得られた物体幾何情報を所望のフォーマットで供給する機能とを含むことがある。代替的に、これらの機能は、像捕捉組立体から像データを受けるように構成されている汎用コンピュータにおいて実行されることがある。
【0162】
物体幾何情報は、(たとえば、物体のコンピュータモデルを作成するために)物理モデリングのようなアプリケーション、または、(たとえば、物体の物理的な3次元コピーを作成するために)3次元製造アプリケーションで用いるため適した表面データとして抽出されることがある。その上、物体幾何情報は、たとえば、3次元物体の2次元表現(たとえば、等角投影のような2次元投影、または、3次元物体をより良く図解するため1本以上の軸の周りに物体を回転させるためにアニメーションされることがある3次元物体の2次元表現)を使用して、または、3次元物体の直接的な3次元表現(たとえば、ホログラフィック表示または投影)を使用して、グラフィカルに表示されることがある。
【0163】
図14は、物体幾何情報を生成するために式7に従って電子画像データを結合する画像データプロセッサ1402と、物体幾何情報を出力する物体データ出力装置1404とを含む捕捉制御ユニット1400の実施例のブロック図である。画像データプロセッサ1402は、従来のプロセッサおよび従来のデータ処理ソフトウェアを使用して実施されてもよい。物体データ出力装置1404は、視覚ホログラフィックディスプレイ、仮想現実環境ディスプレイ、3次元物体製造装置(たとえば、レーザー焼結製造装置、デジタル制御旋盤など)、シミュレーションモデル、運動中の3次元物体の2次元アニメーションなどのような、3次元物体幾何データを利用するように構成されている任意の台数の従来型装置を含むことがある。本発明は、別個の装置において画像データ処理機能を柔軟に実行するため、画像データプロセッサ1402および物体データ出力1404を置換しうるコンピュータのような外部制御装置へのインターフェイスを含むように構成されている捕捉制御ユニット(図示せず)をさらに含む。
【0164】
上述された実施形態では、3種類の透過関数(たとえば、式(4Bまたは4A)の関数H、HおよびH)を有する3種類のマスクパターンが単一のマスク内で結合され、マスクパターンから得られる3個の部分像が同時に捕捉され、3個の部分像が幾何物体情報を取得するために結合される。しかし、図11Aの像捕捉組立体が使用されるならば、結果として得られる捕捉像の解像度は、3個の部分像が単一の光強度捕捉装置上で捕捉されるように3個の各像が同じ解像度であるように、画素アレイサイズが3倍に増加されないならば、低下することがある。代替的に、図11Bの像捕捉組立体が使用されるならば、または、3倍の面積をもつ単一のセンサが使用されるならば、結果として生じる捕捉装置のコストは、2台の付加的な光強度捕捉装置またはより大型フォーマットのセンサのコストによって増加する。
【0165】
経時的にマスクを変化させる別の実施形態は、前述の実施形態の解像度低下またはコスト増加をもたらす可能性はない。特に、本実施形態では、マスクは経時的に変えられ、経時的に変化する3種類の部分像を生じる。3種類の部分像は、経時的に像を捕捉するように構成されている像捕捉組立体によって捕捉され、3個の部分像が物体の幾何情報を抽出するために結合されることがある。
【0166】
図15は経時的にマスクを変化させる光学装置1500の実施形態のブロック図である。光学装置1500は図4における光学装置400の実施形態に類似しているが、光学装置1500は、タイミングコントローラ1508によって制御される制御可能な非コヒーレント相関器1502および制御可能な像捕捉組立体1506を含み、光学装置1500は、異なる時点に捕捉された少なくとも3種類の像を使用して物体130の3次元情報または幾何情報を捕捉するように構成されている。
【0167】
制御可能な非コヒーレント相関器1502は図4に示された実施形態の非コヒーレント相関器300に類似している。しかし、制御可能な非コヒーレント相関器1502は、物体から受けられた光の振幅および位相を制御可能に変換するため、タイミングコントローラによって制御されることがあるマスクを有している制御可能なマスク1504を含む。図6Fおよび6Gに記載されているように、1台以上の空間光変調器(SLM)がこのような制御可能な非コヒーレント相関器において使用されることがある。
【0168】
さらに、制御可能な像捕捉組立体1506は図4に示されている実施形態における像捕捉組立体120に類似している。しかし、制御可能な像捕捉組立体1506は、タイミングコントローラ1508によって電子画像データを捕捉し取り出すため制御されるようにさらに構成されている。
【0169】
図16はマスクコントローラ1602の制御下にある空間光変調器1600を含む制御可能なマスク1504のブロック図である。マスクコントローラ1602は、タイミングコントローラ1508によって同期されるように時点t、tおよびtにおいて式4Bの複素変換関数H、HおよびHに従って光を変換するためマスクコントローラ1602を制御する。代替的な実施形態では、マスクコントローラ1602は取り除かれてもよく、空間光変調器1600は、タイミングコントローラ1508によって直接的に制御されるか、または、図示されない別の外部装置(たとえば、外部コンピュータ作動型コントローラ)によって制御されることがある。同様にタイミングコントローラ1508の制御下にある像捕捉組立体1506は、前述されているように、時点t、tおよびtに3個の部分像を捕捉し、物体130の幾何情報を取得するために部分像を結合する。
【0170】
図17はマスクが経時的に変化する光学装置の別の実施形態のブロック図である。本実施形態では、マスクコントローラ1700はマルチマスク1712の機械的位置を制御する。マルチマスク1712は、式4Bに従うマスクH、HおよびHに対応する3個のマスク1702、1708および1710を含む。マスクコントローラは、タイミングコントローラ1508の制御下で、時点t、tおよびtに光学変換組立体302と306との間に対応するマスクを設置するために方向1704にマルチマスク1712を移動させる。同様にタイミングコントローラ1508の制御下にある像捕捉組立体1506は、前述されているように、物体130の幾何物体情報を取得するために時点t、tおよびtに3個の部分像を捕捉し部分像を結合する。マルチマスク1712は、図17に示されているように直線状に配置されたマスクを含むことがあり、または、放射状配置もしくはその他の適当な配置に配置されたマスクを含むことがある。
【0171】
3個の部分像は、異なるマスクを有し、それぞれが物体から受けた光の一部分を受けるように配置されている3種類の光学組立体を含む配置を使用して同時に生成され捕捉されることもある。
【0172】
図18は、1台ずつが部分的に透過性および反射性であるミラー1808、1810および1812(たとえば、「部分的に銀メッキされた」ミラー)の配置によって物体からの受光の一部分を受けるように構成されている光学組立体1802、1804および1806を有する光学装置1800の実施形態のブロック図である。図11Aおよび11Bに示された実施形態のような像捕捉組立体120は、上述されているように受けられた部分像を捕捉し処理する。
【0173】
本実施形態は透過性光学要素(たとえば、屈折レンズおよび透過マスク)だけを使用して説明されているが、当業者は、本発明が、1個以上の光学要素が必要に応じて対応する反射性光学素子で置き換わることができる代替的な実施形態も含むことを理解するであろう。
【0174】
図19は図4に示されている光学装置400に類似した光学装置1900の実施形態である。しかし、光学装置1900は、マスク304のようにマスクされていない光を透過するのではなく、マスクされていない光を反射するように構成されている反射マスク1902を含む。ビームスプリッター1904は、マスク1902によって反射された光を第2の変換光学組立体306へ向け直す。
【0175】
図20Aおよび20Bは、それぞれ、第1の変換光学組立体が反射光学組立体を使用して実施されている光学装置2000および2008の実施形態のブロック図である。図20Aにおいて、ビームスプリッター2004は、物体130から受けた光を反射光学組立体2002へ向け、反射光学組立体は受光を変換し、変換された光をマスク304および第2の変換光学組立体306へ反射する。本実施形態では、第2の変換光学組立体から透過した光はミラー2006によって像捕捉組立体120へ反射される。
【0176】
同様に、図20Bでは、反射光学組立体2010は物体130から光を受け、受光を変換し、変換された光をビームスプリッター2012へ反射し、ビームスプリッターが変換された光をマスク304へ向け、以下同様である。
【0177】
光を都合良く向けるミラーまたはビームスプリッターのその他の配置もまた本発明に含まれている。
【0178】
上述の光学装置の実施形態では、物体から受けた電磁放射線が広帯域幅を含むとき、像捕捉組立体において周波数情報を捕捉することが可能である。よって、像捕捉組立体は物体の部分毎に対応する1つまたは複数の電磁放射線周波数を決定することが可能である。たとえば、白色光が物体から光学組立体で受けられるとき、像捕捉組立体は像捕捉組立体によって捕捉された像から物体の各部分の色を決定することがある。
【0179】
その上、受光の帯域幅を低下させることにより、捕捉された3次元情報の解像度を増加させ得ることがある。たとえば、捕捉された3次元情報の解像度は、受光の帯域幅を赤色に近い光の周波数に制限することによって増加されることがある。このような解像度の増加は、当業者によって知られている方法を使用して、従来のフィルタを使用して帯域幅を低下させるために光学組立体において受光または透過光をフィルタ処理することにより、または、帯域幅が低下した光源で物体を照射することにより実現されることがある。
【0180】
しかし、低下した光帯域幅を使用して捕捉された像は、受光の種々の色に関して十分なレベルの情報を含まないことがあるので、像捕捉組立体が十分に高レベルの正確さで物体の色を決定することを可能にさせないことがある。したがって、本発明のその他の実施形態は複数のチャンネルを含むことができ、各チャンネルが光を受け、電磁スペクトルの異なる部分内の像を捕捉し、その後、物体に関する全スペクトル3次元情報を生成するため別々に捕捉された像を結合するように構成されている。
【0181】
図21Aは物体130から光を受ける光学装置2100のブロック図である。受光は、光分割装置2102、2104および2106によってそれぞれ3個の光部分2103、2105および2107に分割される。3個の光部分2103、2105および2107は、それぞれが、受光の帯域幅の一部を含む。たとえば、光部分2103は赤色に近接した光周波数だけを含み、光部分2105は緑色に近接した光周波数だけを含み、光部分2107は青色に近接した光周波数だけを含むことがある。光分割装置2102、2104および2106は、当業者に知られているダイクロイックミラー、カラーフィルタ、ミラーまたはその他の部分透過性周波数フィルタリング装置の組み合わせを含むことがある。
【0182】
光部分2103、2105および2107は、上述されているようにそれぞれが受光を変換するように構成されることがある光学組立体2108、2110および2112によってそれぞれ受けられる。すなわち、光学組立体2108、2110および2112の1台ずつは、上述されているように、(たとえば、3個の部分マスクパターンまたは時間的に変化するパターンを使用して)受光の光部分を変換し、変換された光を、3個の部分マスクパターンの1つずつのための別個の光捕捉組立体を含む像捕捉組立体1112、または、経時的に様々な像、もしくは、組立体の様々な領域の範囲内の様々な部分像を捕捉するように構成されている単一の光捕捉組立体を含む像捕捉組立体1100(図示せず)へ透過させることがある。
【0183】
その上、光学装置2100は、像捕捉組立体1100で捕捉された像を表現する像データを受け、物体に関する結合された広帯域3次元情報を生成するために像データを結合するように構成されている像結合装置2113を含む。たとえば、光学装置2100は、上述された実施形態より高い解像度をもつフルカラー3次元情報を捕捉することが可能である。
【0184】
図21Bは、物体130から光を受け、受光を光分割装置2114、2116および2118によってそれぞれ3個の光部分2115、2117および2119に分離する光学装置2126のブロック図である。3個の光部分2115、2117および2119は、それぞれが、受光の全帯域幅を含む。たとえば、受光が白色光を含むならば、3個の光部分2115、2117および2119の1つずつが白色光も含む。光分割装置2114、2116および2118は、当業者に知られているポリクロマティックミラー、ビームスプリッター、または、広帯域透過装置の任意の組み合わせを含むことがある。
【0185】
光部分2115、2117および2119は、光学組立体2120、2122および2124によってそれぞれ受けられ、各光学組立体は上述されているように受光を変換するように構成されている。すなわち、光学組立体2120、2122および2124の1つずつは、上述されているように、(たとえば、3個の部分マスクパターンまたは時間的に変化するパターンを使用して)受光の光部分を変換することがある。
【0186】
さらに、光学組立体2120、2122および2124の1つずつは、ある種の受光周波数を選択的に除去するように構成されることがある。たとえば、光学組立体は、ある種の光の色を除去するために従来のカラーフィルタ(図示せず)を含むことがある。さらに、各光学組立体内のマスクは、図6Aに関して上述されているように、受光周波数の所定の減衰がある光変換領域を含むことがある。すなわち、各変換領域614は、受光スペクトルの様々な周波数に様々な量の振幅低下を加えるように構成されることがある。
【0187】
光学組立体2120、2122および2124の1つずつは、受光の変換された部分を、3個の部分マスクパターン毎に別個の光捕捉組立体または組立体の領域を含む像捕捉組立体1112へ透過させるか、または、経時的に様々な像、もしくは、光捕捉組立体の様々な領域の範囲内の様々な部分像を捕捉するように構成されている単一の光捕捉組立体を含む像捕捉組立体1100(図示せず)へ透過させる。
【0188】
図21Aおよび21Bの実施形態は3個の部分に分離された受光を含むが、光がその他の個数の部分に分離されるその他の実施形態もまた含まれる。
【0189】
非コヒーレント相関器は、上述のレンズ/マスク/レンズ配置以外の代替的な光学装置で同等に実施されることがある。たとえば、レンズに周知の薄レンズ近似を適用することにより、非コヒーレント相関器は、単一の光学変換要素および単一のマスクで実施され、マスクまたは光学変換要素のいずれかが物体から最初に光を受けるために配置されることがある。その上、光学組立体110は、単一の回折光学要素を使用して実施されることがある。上述の式1−5は、したがって、単一の変換光学組立体およびマスクを有する実施形態と、単一の回折光学要素だけを使用して実施された光学組立体を有する実施形態とにも当てはまる。
【0190】
図22Aは、図4に示されている光学装置400に類似している光学装置2200の実施例のブロック図である。しかし、光学装置2200は、第2の変換光学要素を必要としない。その代わりに、光は、受光を変換し、変換された光を透過する光学変換要素2202によって物体130から受けられる。変換された光は、変換された光の一部分を選択的に透過するマスク2204によって受けられる。像捕捉組立体120は、上述されているように、選択的に透過した光の像を受け捕捉し、捕捉された像から物体130に関する幾何情報を取得する。
【0191】
図22Bは、図4に示された光学装置400に類似している光学装置2206の実施例を示している。しかし、光学装置2206は第1の変換光学要素を必要としない。その代わりに、光は、受光の一部分を選択的に透過するマスク2208によって物体130から受けられる。第2の光学変換要素2210は選択的に透過した光を受け、受光を変換し、変換された光を透過させる。像捕捉組立体120は、上述されているように、変換された光の像を受け捕捉し、捕捉された像から物体130に関する幾何情報を取得する。
【0192】
従来の非コヒーレント相関器構造体を有している光学組立体を製造するために比較的高いコストが生じることがある。本発明の代替的な実施形態では、光学組立体は、非コヒーレント相関器の代わりに、単一の回折光学要素(DOE)を使用して実施されることがある。
【0193】
単一のDOEは、上述された非コヒーレント相関器(たとえば、図4に示された実施形態では、第1および第2の変換光学組立体302/306とマスク304とを含む非コヒーレント相関器300)を置換することがある。非コヒーレント相関器と等価的であるDOEは、第1の変換光学組立体および第2の変換光学組立体のマスクフィルタ関数と透過関数の積HDOEであり、
【数11】

として定義され、式中、fはDOEに含まれている第1および第2の変換光学組立体の焦点距離であり、h(x,y,0)は上述の式3において与えられ、その他のパラメータは式4に関して記載されている通りである。
【0194】
さらに、レンズの焦点距離は一致することが要求されない。焦点距離が異なるとき、HDOEは、
【数12】

として定義される。式9Aおよび9Bは文字通りのP関数の項を含んでいないが、p(x,y)はh(x,y,0)の一部分であり、式9Aおよび9Bにおける積分が解かれたとき、P(u,v)とのコンボリューションが実現されることに留意されたい。
【0195】
図22Cは、図4に示されている光学装置400に類似した光学装置2212の実施例のブロック図である。しかし、光学装置2212は第1および第2の変換光学要素を必要としない。その代わりに、光は、受光の複素変換に基づいて光を透過するマスク2214によって物体130から受けられる。マスク2214は、上述されているように、単一の回折光学要素だけを使用して実施されることがある。像捕捉組立体120は、上述されているように、変換された光の像を受け捕捉し、捕捉された像から物体130に関する幾何情報を取得する。
【0196】
図23は、光学要素110が、たとえば、図5Fおよび5Gに示されている回折光学要素のような反射型回折光学要素を含む、光学装置100の実施形態のブロック図である。本実施形態では、光学装置100は受光軸2304に沿って物体130から光を受ける。光学装置100は、光軸2302に沿って送り返される透過光を生成するために受光を変換し反射する。透過光はビームスプリッター2300によって、光学装置の捕捉光軸2302に沿って位置している像捕捉組立体120へ反射される。本実施形態では、捕捉光軸2302は受光軸2304から約90度の角度で配置されている。しかし、受光軸と捕捉光軸との間のその他の角度も本発明に包含されている。
【0197】
2本の光軸だけを用いるので、本実施形態は、光学組立体100のサイズを縮小することができ、その上、従来のホログラフィーシステムより軸変動に対する感度が低い点で有利である。
【0198】
対物レンズ、ズームレンズ、マクロレンズ、顕微鏡、望遠鏡、プリズム、フィルタ、モノクロフィルタ、ダイクロイックフィルタ、複合対物レンズ、広角レンズ、カメラ、ピンホール、光スリット、ミラー、または、その他の光学組立体のような対物側光学組立体が、物体からの光を、光が光学組立体で受けられる前に、視準、集光、反転、または、修正するために光学組立体と物体との間に設置されることがある。このような配置は、対物側光学組立体を包含することなしに光を受けることが不可能であるか、または、実際的でないときに、物体または物体の一部分からの光が受けられることを可能にする点で有利であることがある。
【0199】
さらに、対物側光学組立体は、参照によって本明細書に組み込まれている、Goodman,“Introduction to Fourier Optics”,3rd Ed.,Roberts & Company Publishers,2005,p.212に記載されているように、光学装置100によって引き起こされることがある不利な波長散乱効果を少なくとも部分的に打ち消すように構成された、屈折光学要素または回折光学要素を含むことがある。
【0200】
図24Aは、図1における実施形態の特徴と、物体から光を受け、受光を光学組立体110へ透過させる対物側光学組立体2400とを含む代替的な実施形態を示している。本実施形態における対物側光学組立体2400は、像平面2402に中心が置かれている物体130の拡大像を生成する拡大屈折対物レンズを含む。よって、本実施形態は、物体の拡大部分に関するより詳細な幾何情報を捕捉することがある。
【0201】
本発明は、本明細書中では既存のデジタル光センサ(たとえば、CMOS素子またはCCD)または感光捕捉媒体(たとえば、フィルムおよびフィルム搬送メカニズム)が取り除かれているカメラ、または、本発明による装置がカメラの残りの光学コンポーネントおよび機械コンポーネントと共に使用されることを可能にするためカメラの像平面から遠ざけられているカメラであると理解される既存のセンサなしカメラと共に動作することもある。たとえば、既存の35mmフィルムカメラのフィルム、フィルム搬送メカニズム、および、裏カバーは、取り除かれ、本発明による光学組立体および像捕捉装置で置換され、それによって、既存のカメラが3次元情報を捕捉できるようにされることがある。このような配置は、本発明が既存のカメラの既存の写真レンズ、シャッターシステム、および、絞り制御システムを便利に利用し、協働できるようにさせる点で有利である。
【0202】
図24Bは、図1に示された光学装置100に類似した機構を含む光学装置2404の実施形態の実施例を示している。その上、光学装置2404は、光軸140に沿って物体130から光を受け、像平面2408に中心が置かれた物体の像を生成するために、従来のカメラ特徴(たとえば、既存のカメラのレンズ、すりガラス合焦スクリーン、シャッターおよび絞り)を使用して光を操作する、既存のセンサなしカメラ2406と共に動作するように構成されている。光学装置2404は、(たとえば、カメラの交換式「3Dバック」として)既存のセンサなしカメラ2406の光学系によって生成された像平面の近くで光学装置2404を既存のセンサなしカメラ2406の一部分に連結するため適している機械的装着機構および電気的装着機構を有する筐体を含む。光学組立体110は、上述されているように、像平面2408で物体の像から光を受け、変換された光を透過させ、変換された光は、像捕捉組立体120によって物体の3次元情報を抽出するために受けられ、捕捉され、処理される。
【0203】
本発明は、既存のカメラと共に動作することもある。特に、本明細書に記載されている実施形態における光学組立体は、観察された物体のフレネルホログラムまたは部分フレネルホログラムで従来のカメラの像平面を照明するために従来のデジタルカメラまたはフィルムカメラと使用されることがある。従来のカメラは、対応する従来の手段(たとえば、感光フィルムまたはデジタルセンサ)を使用してホログラム縞パターンの像を捕捉するために使用されることがあり、縞パターンに対応する像データは汎用コンピュータを使用して物体の3次元データに変換されることがある。
【0204】
本発明は、1つずつがFZPのフーリエ変換を有する3個の透過関数の線形結合に基づく透過関数を含む単一のDOEに限定されない。一方、本発明は、結合される3個の部分像を生成する3個のDOEの1つずつで物体から光の一部分を受けることをさらに含む。
【0205】
図25は、物体130から受けた光をそれぞれ、1個ずつがFZPのフーリエ変換を含む変換関数を実行する3個の回折光学要素2502、2504および2506の1つずつに向ける複数の部分反射および透過ミラー1808、1810および1812を含む光学装置2500の実施形態のブロック図である。像捕捉組立体2508は、上述されている方法と同様に、回折光学要素によって透過された光の像から3次元情報を抽出する。
【0206】
その上、光学組立体110の代替的な実施形態は、図6Fに示されているような単一のSLM、または、図6Gに示されているような1個以上のSLMにより構成されることがある。
【0207】
さらに、本発明は、結合される3個の部分ホログラム像を生成するために3個のマスクパターンを使用することだけに限定されない。本発明は、3個のマスクの代わりに単一の軸外ホログラムを採用する軸外ホログラフィック方法の使用をさらに含むことがある。
【0208】
軸外ホログラムからの像の再構成中に、各項は異なる方向へ回折されるので、所望の角度分離は、回折理論における角度分離が空間周波数分離に直接的に変換されるという事実を巧く利用することにより、単一のホログラムからでも達成され得る。この特性は、関数fとgとの間でコンボリューションを実行するとき、関数FおよびGを取得し、FとGの積を取得し、逆フーリエ変換によって積を逆変換するために、フーリエ変換によってfおよびgを周波数域に変換することが等価であるというアイデアに基づいて活用されることがある。よって、受光の空間周波数スペクトルをシフトさせる光学装置は、フレネルホログラムを作成するため有利に使用されることがある。
【0209】
点入力光源に応答して軸外フレネルゾーンパターン(OAFZP)を生成する光学装置は、上記実施形態におけるFZPではなく受光をコンボリューションするため使用可能であり、OAFZPに基づく組立体を使用するコンボリューションは、周波数域内の項の都合のよい分離を可能にさせるであろう。
【0210】
図26はOAFZP2600の実施例を示している。
【0211】
軸外FZPを合成するために、上述された軸上FZPの式に直線位相項を導入し、以下のOAFZP変換関数、
【数13】

を生じる。
【0212】
さらに、このようなOAFZP生成光学組立体を作成するためにマスクまたは空間光変調器を使用することは不必要である。代替的に、少なくとも2枚のレンズの配置は、1枚ずつが像平面の光軸から遠くへシフトされ、焦点が像平面から異なる距離にあるように配置され、OAFZPを生成するため使用されることがある。
【0213】
図27は、レンズ2714および2716を有する複合マスク2720を含む光学装置の一部分のブロック図である。光2718は、レンズ2714および2716によって受けられ、焦点距離f2712を有しているレンズ2702へ向けて屈折させられる。本実施例では、レンズ2714および2716は異なる焦点距離を有するように構成されている。レンズ2714および2716によってそれぞれに生成された球面波2706および2704は互いに干渉し、像平面2710にOAFZP2708を生成する。
【0214】
図27の実施例は凸レンズおよび凹レンズを含むが、本発明は凸レンズおよび/または凹レンズの組み合わせまたは順列を含む。さらに、レンズは、図27に示されるように、異なる焦点距離を有し、同じ平面に配置されてもよく、または、代替的に、レンズは同じもしくは異なる焦点距離を有し、異なる平面に配置されてもよい。
【0215】
図28A−Dは、複合マスク2800、2802、2804および2806の実施例を示している。さらに、上述の複合マスクの実施例に示されているレンズは、1つまたは複数の複合マスク平面の一部分だけを覆う円形レンズであるが、本発明は、1つまたは複数の複合マスク平面の一部分または全体を覆う他の形状のレンズ(たとえば、円柱レンズ)も含む。その上、本発明は、複合マスク内の一方または両方のレンズを対応する回折光学要素またはFZPで置き換えることを含む。
【0216】
したがって、単一の軸外FZPを生成する複合マスクは、上述の光学装置のいずれでもFZPのフーリエ変換に基づくマスクまたは回折光学要素を置き換えることがある。しかし、周波数域の項のさらなる分離を実現するため、線のパターンが物体に投影されるか、または、物体の像に線のパターンを追加するために適切な空間周波数を有する光学格子が物体と像捕捉面との間に設置されることがある。
【0217】
図29は、物体130から光を受け、受光から物体130に関する3次元情報を抽出するように構成されている光学装置2900の実施形態のブロック図である。光学装置2900は、光軸140に沿って物体130から光を受ける対物光学組立体2902を含む。対物光学組立体2902は、像平面2908で物体130の像を生成する。像平面2908に位置している格子2904は、第1の変換レンズ302に伝搬する物体130の像に線のパターンを追加する。さらに、光学装置2900は、第1の変換レンズ302から受けた光を変換し、変換された光を透過させる複合マスク2910を含む。第2の変換レンズ306は、変換された光を受け、さらに変換された光を透過させ、像捕捉組立体120は、上述されているように、光の像を捕捉し、捕捉された像から3次元情報を抽出する。
【0218】
図30は、低透過率領域3002および高透過率領域3000を含む格子2904の実施形態の詳細図である。低透過率領域3002の幅3006と、高透過率領域3000の幅3004は、対照的な暗いエリアと明るいエリアとが像捕捉装置120で最終的に得られる像内で観察できるように選択される。可変幅の高透過率領域および低透過率領域を含む格子が使用されることもある。
【0219】
上述されているように、線のパターンは、物体を照明する光、または、物体から受けた光に加えられることもある。たとえば、物体を照明する光は物体上に陰影線を生成するように構成されているライン付き透明部を通過することがある。
【0220】
図31Aは、物体130の3次元情報を取得するためにライン付き透明部3102と共に使用されることがある光学装置3100の実施形態のブロック図である。光源150からの光は、物体130上にライン付き照明を生じるためにライン付き透明部3102上の線によって陰影付けられる。ライン付き照明は物体130から反射し、光学装置3100内の第1の変換レンズ302によって受けられる。さらに、光学装置3100は、第1の変換レンズ302から受けた光を変換し、変換された光を透過させる複合マスク2910を含む。第2の変換レンズ306は、上述されているように、変換された光を受け、さらに変換された光を透過させ、像捕捉組立体120は光の像を捕捉し、捕捉された像から3次元情報を抽出する。
【0221】
代替的に、格子2904を使用することは不必要である。その代わりに、物体から来る光が2個のビームに分割されることがあり、各ビームは異なる軸外レンズによってフィルタの異なる部分へ向かって運ばれる。フィルタと、フィルタの平面の向こうのシステムは、図27、29および31Aに記載された前述の実施形態の対応する部分に類似している。
【0222】
図31Bは、2枚の軸外レンズ2901および2903を含み、物体130の3次元情報を取得するように構成されている光学装置3100の実施形態のブロック図である。光学装置3100は、光軸140に沿って物体130から光を受ける対物光学組立体2902を含む。ビームスプリッター2908およびミラー2909は、受光の一部分をそれぞれミラー2907および2905に透過させる。ミラー2905および2907から反射された光は、それぞれ第1の変換レンズ2901および2903へ伝搬する。さらに、光学装置3100は、第1の変換レンズ2901および2903から受けた光を変換し、変換された光を透過させる複合マスク2910を含む。第2の変換レンズ306は、上述されているように、変換された光を受け、さらに変換された光を透過させ、像捕捉組立体120は光の像を捕捉し、捕捉された像から3次元情報を抽出する。
【0223】
当業者は、上述された光学装置が反射された太陽光だけを捕捉することに限定されることなく、光を反射しないが、その代わりに、物体によって生成された蛍光、黒体放射線、化学発光、もしくは、その他の光を放射する物体部分、または、太陽以外の光源からの光を反射もしくは散乱させる物体の形状および距離も決定することがあることを理解するであろう。その上、本実施形態による光学装置は、物体の外部形状および距離だけを捕捉することに限定されることなく、物体の透明面または半透明面を通して内部部分からの光を光学装置へ放射(すなわち、反射または蛍光発光)する物体の内部部分に関する情報を捕捉することもある。
【0224】
本発明は、直交座標系(たとえば、x、y、z)を使用して物体に関する幾何情報を捕捉することに限定されることもなく、3次元極座標系(たとえば、φ、θ、r)、大域座標系(たとえば、緯度、経度、標高)のような地球基準座標系、WGS−84のような楕円地球モデル基準系を組み込む座標系、地球中心地球固定直交座標系(ECEF)(たとえば、x、y、z)、ユニバーサル横メルカトル(UTM)、軍用グリッド基準系(MGRS)、または、世界地理基準系(GEOREF)などのような、物体の形状、サイズおよび場所を完全に記述する他の座標系を使用して幾何情報を捕捉することも含む。さらに、「垂直」、「水平」および「レンジ」のような直交タイプの測定用語が本明細書の全体を通じて使用されているが、これら用語は、明瞭さおよび簡潔さのために本明細書における説明から省かれている、その他の基準系における対応する測定用語を含むことも意図されている。
【0225】
この装置の使用は3次元イメージングの分野に限定されることなく、たとえば、参照によって本明細書に組み込まれている、Y.Li and J.Rosen,“Object recognition using three−dimensional optical quasi−correlation”,JOSA A19,1755−1762(2002)に記載されているような、3次元空間で実行されるパターン認識、目標捕捉、および、物体識別などにおける使用も含む。
【0226】
本発明の利点は、本発明なしでは不可能または非現実的であるが、本発明の実施形態を3次元イメージング用途に適応させることである。たとえば、本発明は、3次元映画/ビデオ/テレビ画像を捕捉すること、移動中または静止したプラットフォームからの移動物体または静止物体の3次元物体認識を実行すること(たとえば、軍事目的用途、ロボットセンシング用途、視力が不自由なユーザの自律支援など)、自律ナビゲーションおよび安全機能(たとえば、道路上に留まり、移動物体および静止物体との衝突を回避するために自動車を自動的に誘導すること)、気象センシング(たとえば、レーダー、可視光、または、赤外光および/または紫外光などを用いて検出された雲または気団に関する3次元情報を捕捉すること)、セキュリティ機能(たとえば、室内で位置を監視し、物体を識別すること、建物内の人物の身元および位置を監視すること、3次元合成レーダーなど)、および、仮想現実シミュレーションのための3次元環境マッピング(たとえば、仮想訪問のための観光目的地の3次元モデルを作成すること)、または直接的に観測することが困難であるか不可能である環境の3次元モデル(たとえば、身体内部空洞、微視的環境、危険環境、地球外環境、地下または海洋環境、遠隔環境など)に適用されることがある。
【0227】
上述された実施例は、光学コンポーネントおよび可視光を取り扱うが、本発明は、物体からその他の形式の電磁放射線を受け、X線放射線、マイクロ波放射線、無線周波数放射線、紫外線および赤外線のような受けた電磁放射線に基づいて物体の3次元情報を決定することにも適用される。たとえば、上述の発明の実施形態は、光学コンポーネント(たとえば、レンズ、ミラー、回折光学要素、SLM)を、当技術分野において既知であり、参照によって本明細書に組み込まれているi)Takamiによる米国特許第6,385,291号、ii)Pereira et.al.,“Lithium x−ray refractive lenses”,Proc.SPIE 4502,173(2001)、および、iii)Beguiristain et.al.,“Compound x−ray refractive lenses made of polyimide”,Proc.SPIE,vol.4144,pp.155−164に記載されているような、対応するX線コンポーネントで置き換えるように変更されることがある。
【0228】
さらに、たとえば、本発明は、既存のX線イメージングシステム(たとえば、CTスキャナ)の代替品として適用できる。本アプローチは可動部品を必要としないので、本発明の実施形態を使用して行われるX線イメージングは、より確実に、より高い解像度、より高速、および、患者へのより少ない被爆で走査できる点で有利である。
【0229】
上述された各実施形態は、物体から受けたX線放射線に基づいて3次元情報(すなわち、3次元X線画像)を生成するために、光学要素を、当業者に知られている等価的なX線要素で置き換えるように変更されることがある。たとえば、本発明は、既存の電子顕微鏡テクノロジーの代わりとして適用されることがある。
【0230】
さらに、本発明は、音波のようなその他の形式の伝搬エネルギー波にも適用され、パッシブソナーまたはアクティブソナーを使用して3次元物体情報を生成するために適用されることがある。
【0231】
近軸近似に従って伝搬するコヒーレント光は、入力開口からの波の伝搬距離を示す指数乗の分母における適切なパラメータを用いて、入力開口と二次位相関数との間のコンボリューションとして数学的に記載される。よって、入力平面から距離zにおける、ある横平面上の複素振幅(すなわち、電界)分布O(x,y)は(フレネル近似では)、
【数14】

によって与えられ、式中、S(x’,y’)は、横平面z=0における入力開口上の複素振幅であり、λは伝搬光の波長であり、(x’,y’)、(x,y)はそれぞれ入力平面および出力平面の座標である。3次元物体の場合、物体点からの寄与度は、以下の式、
【数15】

に累積され、式中、(x’,y’,z’)は入力空間の座標である。フレネルホログラムを生成する従来のホログラフィーアプローチでは、複素振幅O(x,y)は、参照ビームと干渉することがあり、結果として生じる干渉パターンの強度は写真板またはデジタルカメラに記録される。しかし、本発明によれば、式11に記載されているフレネル伝搬はコヒーレント照明の場合に限り有効であるので、式12に類似したコンボリューションは非コヒーレント光を使用してそれぞれ別々に実行されることがある。
【0232】
2次元(2D)入力強度関数s(x,y)および強度点広がり関数(PSF)|h(x,y)|に対し、(たとえば、図3に示されているような相関器の)相関器出力強度分布は以下のコンボリューション、
【数16】

によって与えられてもよく、式中、アスタリスクは2次元コンボリューションを示し、h(x,y)は、コヒーレント照明下でのシステム内の振幅PSFである。h(x,y)は平面Pにおけるフィルタ関数H(u,v)の2次元逆フーリエ変換であり、
【数17】

の通りであり、式中、fは図3に示された相関器内の第2のレンズの焦点距離である。2次元ではなくむしろ3次元物体について解法するため、3次元入力関数に対する非コヒーレント相関器の応答が決定されることがある。さらに、入力関数は3次元であるが、出力およびコンボリューションは2次元のままである。実際に、3次元入力に対する相関器応答は、
【数18】

である。システムの一般的な3次元振幅PSF h(x,y,z)を計算するために、相関器の後方焦点の付近におけるある点(x,y,z)に位置している単一の点への応答が決定されることがある。このような計算は、考えられる3次元入力に対するシステム応答を計算するため使用されることがあるシステムの3次元PSDを生成する。このようなシステムは空間的に不変であることがわかっているので、ある点(0,0,−z)における光軸上の点へのシステム応答を計算し、(x,y,z)における一般的な位置へ向かう応答を一般化することは正しい。入力点は、図3に示されているように、点308(すなわち、0、0、−z)においてレンズ302から距離f+zに位置している。
【0233】
式11および12におけるフレネル積分は、単一のモノクロ点源が明らかに空間コヒーレント源であるので、光分布を計算するため使用され得る。デルタ関数δ(0,0,−z)によって表現された単一の点源を入力S(x,y,z)として式12に代入することにより、第1のレンズ302の平面上の結果は、以下の通り、発散二次位相関数であり、
【数19】

式中、fは図3に示された相関器内の第1のレンズの焦点距離である。この二次位相関数は、z方向に伝搬する球面波の近軸近似、および、凹球面レンズ透明度の近軸近似として知られている。この球面波は、非コヒーレント相関器を通って伝搬し、相関器を越えて、ビームは収束球面波になる。ビームが集光する平面でマスクの透過関数のフーリエ変換H(u,v)が得られることがわかる。このフーリエ変換は、焦点面の特定の場所に応じて拡大縮小され、二次位相関数によって乗じられる。
【0234】
非コヒーレント相関器の3個の光学薄要素L、LおよびH(u,v)(たとえば、図3における対応する要素302、306および304)はすべてが同一平面に位置していると仮定すると、発散球面波および2個の付属レンズLおよびLは、以下の焦点距離f
【数20】

を有している単一の等価的なレンズによって置き換えることができる。相関器の代わりに等価的なレンズを有するシステムでは、システムが平面波によって照明されると、等価的なレンズLの後方焦点面上の複素振幅は透過関数の2次元フーリエ変換H(u,v)に関連付けられている。すなわち、等価的なレンズLから距離fにおける後方焦点面上の複素振幅は、
【数21】

である。非コヒーレントシステムは、ビームが単一の無限小点から放射されていると考えられるので、コヒーレント回折理論の規則に従って分析されることに留意されたい。システムの出力は等価的なレンズLから距離fに位置しているので、出力複素振幅は、等価的なレンズLの後方焦点面を越える自由伝搬後に得られる。
【0235】
コヒーレント光の自由伝搬は、式11に上述されているように、開始平面内の複素振幅と二次位相関数との間のコンボリューションの結果として得られることがある。これによれば、出力複素振幅は、
【数22】

である。式19の関数は3次元を取り扱うが、コンボリューションは常に2次元であることに留意されたい。式19は、システムがコヒーレント光によって照明されるとき、システムの一般的な3次元振幅点広がり関数(PSF)を表現する。さらに、式19は、コンボリューション積分を明示的に記述し、積分の順序を交換し、二次位相関数の周知のフーリエ変換の結果を使用することにより簡略化され得る。このような簡略化は式19の4回の積分を以下の通り2重積分に減少させる。
【数23】

システム内のフィルタを合成するため使用される別の式は、以下の通り、式20においてf(0)=fを代入することにより与えられる平面z=0における点の振幅PSFの式である。
【数24】

【0236】
上述の通り、非コヒーレントシステムと、入力平面および出力平面上の強度分布のための強度PSFは|h(x,y,z)|である。強度PSFは一般的な非コヒーレントシステムのインパルス応答を表現している。式20の絶対平方をとることにより、3次元強度PSFは、
【数25】

であることがわかる。式22の一般的な表現は、所与のフィルタのPSFまたは所与のPSFの所要フィルタを計算するために使用され得る。
【0237】
式17によれば、式22の指数における表現は、
【数26】

である。式23を式12に代入することにより、
【数27】

が得られる。式24の一般的な表現は、所与のフィルタのPSFまたは所与のPSFの所要フィルタを計算するため使用され得る。
【0238】
任意の物体と二次位相関数との間のコンボリューションであるフレネルホログラムを取得するために、距離zに依存するある回数(フレネル数)のサイクルをもつ二次位相関数の形状における非コヒーレント強度PSFが選択される。このことは、|h(x,y,z)|が正実関数であり、二次位相関数が負の虚数値を有するので、直接的に達成されることはない。
【0239】
このようなPSFを選択する一つの方法は、1項が所要の二次位相関数である3個の項の和としてPSF|h(x,y,z)|を作ることであり、それらの和は、|h(x,y,z)|が正実関数であるという条件を維持する。よって、式25、すなわち、
【数28】

に示されているようなPSFはこの条件を満たし、式中、Δ(z)は距離zに線形に関連付けられたパラメータであり、p(x,y)は、zの異なる値に対して異なる直径d(z)をもち、対応するフレネルゾーンパターン(FZP)の制限的な開口を示すディスク関数である。この選択に対するこの振幅PSFは、
【数29】

である。可能な任意の純粋な位相項は、式25に与えられたh(x,y,z)の平方絶対値に影響を与えることなくh(x,y,z)を乗じることが可能であることに留意されたい。しかし、すべての物体点のフレネルホログラムを得るために、好ましくは、h(x,y,z)は伝搬軸に沿った2個の二次位相項の和のままである。h(x,y,z)を乗じることができる可能な位相関数のうち、h(x,y,z)がある距離を伝搬した後に2個の二次位相項の和であるという条件を満たすのは二次位相関数だけである。したがって、h(x,y,z)は、式26に与えられているように、絶対値が同一であるが、符号が逆であるフレネル数をもつ2個の二次波の和であると仮定することが適切である。さらに、後述されるように、異なるフレネル数をもつ2個の二次波が最適化された解法で使用されることがある。
【0240】
所望のh(x,y,z)に基づいて、H(u,v)は、以下の式27内のフィルタ関数を生成するために、式21を逆にすることにより計算されることがある。
【数30】

式26を式27に代人することにより式28が得られる。
【数31】

式中、P(u,v)はp(x,y)のフーリエ変換である。H(u,v)は、横座標(x,y)に沿ったh(x,y,z)の依存性を決定する2次元関数であることに留意されたい。z軸に沿ったh(x,y,z)の依存性は入力源点の場所によって決定付けられる。
【0241】
強度PSFは、式28のフィルタ関数を式22に代入することにより得られることがある。式17を式22の指数表現に代入することにより、
【数32】

が得られる。フィルタ関数が、
【数33】

であると仮定すると、式22は、
【数34】

になる。項に対応する加算の後、結果は、
【数35】

である。フーリエ変換を計算して、
【数36】

である。平方絶対値を計算して、
【数37】

が得られる。パラメータΔ(z)は、
【数38】

である。式35は、γ1,2=±γという一般的な選択に対し、物体点のz軸上での場所の関数として再生された像点の距離であるΔ(z)の値を与える。
【0242】
Δ(z)の微分はzの関数として軸方向の倍率を生じる。式35に与えられたΔ(z)の微分は、
【数39】

である。式36は、z=0に点が存在し、この点は軸方向の倍率が零である前方焦点であることを示している。この点は、関数Δ(z)の端点でもある。すなわち、この場所に置かれた物体に対し、一方側の点(たとえば、z<0である物体点)は、もう一方側からの別の点(たとえば、z>0である物体点)と同じホログラムを生じる。その結果は軸方向に折り畳まれた像の再生である可能性がある。したがって、この点に位置している物体のホログラムを記録することが回避されるので有利である。
【0243】
この曲線からの直接的な結果は、禁止された点の両側からの点を有する物体のホログラムを記録できないことである。その理由は、z=0の左側および右側の1点おきの点は、実際に同じΔ(z)の値をもつFZPである同じホログラムを生じさせるからである。換言すると、記録されたホログラムから、物体がzに位置しているか、または、−zに位置しているかが不明である。この問題に対する解決策は、すべてが点z=0の片側だけに位置している物体のホログラムを記録することであろう。
【0244】
式36からさらにわかることは、Δ(z)はzの線形関数ではないことである。この現象は、物体の奥行きがかなり深いならば、像の歪みを生じさせるであろう。しかし、この奥行き歪みは、Δ(z)の既知曲線に基づく3次元像のコンピュータ再現中に補償され得る。
【0245】
式36は、領域z>0において、dΔ(z)/dzがその最大値をとる点が存在することも示している。この点の付近では、倍率は極大であり、近似的に直線的であるので、この点は物体を測位するため都合がよいことがある。この点は、Δ(z)の2次微分を零と比較することにより見つけられることがある。最適点はz=f/2にある。zの値を式36にもう一度代入することにより、以下の軸方向倍率、
【数40】

が得られる。よって、式37は、γの値を選択する基準を与える。再現中に歪みのないホログラムでは、軸方向倍率と横方向倍率は等しい。したがって、本発明によるシステムの横方向倍率はM=−f/fである。M=Mという無歪み制約を式37に代入すると、以下のフィルタパラメータ、
【数41】

が得られる。
【0246】
たとえば、2枚のレンズの倍率が−0.5(すなわち、f=2f)であるとき、フィルタパラメータγは27fである。よって、図3の実施形態では、f=2fというより単純な場合、一方の二次位相は、γ=27fを生じる焦点距離を有している。対称性のため、もう一方の二次位相は、同様に、γ=−27fを生じる焦点距離を有するように選択されることがある。これらの値を式30に代入すると、以下のフィルタ関数、
【数42】

が得られる。このような対称ホログラムは実数値だけを有し、この特性はマスクを実施するため有利に使用されることがあることに留意されたい。式39のフィルタ関数を式22に代入すると、式25の形式の強度PSFが得られ、式中、Δ(z)は以下の通り式(35)によって与えられる。
【数43】

最大かつほぼ直線的な倍率の点z=f/2において、Δ(z)は、
【数44】

である。ホログラムが再構成されるとき、対の像がホログラム面から±Δ(z)の点の付近でz軸に沿って得られることに留意されたい。対の像を再構成する問題を解決することはさらに後述されている。
【0247】
次に、本発明によりマスクの製造のためパラメータがどのように選択されるかについての実施例が続いている。フィルタ媒体として使用されるSLMがサイズD×Dの矩形エリア内にN×N個の画素を有すると仮定すると、±γというパラメータをもつFZPがSLMに表示され、ここで、最も薄い可能なリングの幅はδ=|γ|λ/Dおよびδ=D/Nによって与えられる。したがって、式D/N=|γ|λ/Dから、|γ|=D/Nλが得られる。Dが約2cmであり、Nが約1000画素であるSLMの場合、結果は、λが約0.5μmである可視光方式において、|γ|が約80cmである。式22と、その後の説明によれば、γ1,2=±27fであるので、fは約6cmであり、fは約f/2=3cmである。
【0248】
式25は本発明による像捕捉装置によって捕捉された強度PSFを記述する。このPSFは、すべてが像捕捉面の中心に集中されている3個の加法項を有する。したがって、このような強度PSFをもつ物体関数のコンボリューションは、3個の重なり合う、分離されていない項を生じる。しかし、強度PSFの3項をもつ3回のコンボリューションの中で、物体と単一の二次位相関数との間の所望のコンボリューション項だけを抽出することが望ましい。式22の3項をもつ3回のコンボリューションの中で、物体と単一の二次位相関数との間の所望のコンボリューションは、たとえば、参照によって本明細書に組み込まれている、I.Yamaguchi,and T.Zhang,“Phase−shifting digital holography”,Opt.Lett.22,1268−1269(1997)によって記載されているように、デジタルホログラフィーにおける方法と類似した方法を使用して抽出されることがある。
【0249】
相関器は、物体と、3種類の一定位相値を備えた3個のPSFとの間の3回のコンボリューション演算を実行することがある。これらのPSFは、以下の通り、3種類の一定位相値をもつ3個のフィルタマスクを導入することにより合成されることがある。
【数45】

式24の関係によって、3個のフィルタは以下の通り3個の強度PSFを生じることがわかる。
【数46】

式43の3個のPSFを式15に代入すると、カメラまたはその他の適当な像捕捉装置(たとえば、CCD、CMOS、写真フィルムなど)によって記録されることがある出力強度像が得られる。
【数47】

これらの3つの像から、物体s(x,y)と二次位相のうちの一方との間のコンボリューションの単一項が抽出されることがある。このような単一のコンボリューションを分離するために考えられる式は、
【数48】

である。O(x,y)は以下の関係、
【数49】

を満たす最終的な複素値ホログラムである。この関数O(x,y)は一方の3次元像上だけの情報を格納している最終的なホログラムである。このような像s(x,y,z)は式45に関する逆演算を計算することにより、以下の通り、O(x,y)から再現され得る。
【数50】

【0250】
続いて、3項の間に良好な分離がある単一のホログラムを取得するプロセスが説明される。しかし、3種類のPSFとのコンボリューションを実行する実際的な態様が最初に説明されている。3個の部分像を生成するためにフィルタが多重化される何通りもの方法がある。たとえば、図15に示されているような実施形態の時間多重化システムは、経時的にフィルタを多重化する。代替的に、多重化は、たとえば、図4に示されている実施形態のように、単一チャンネルの出力平面で行われることがある。単一の点源が点(0,0,0)に導入されるとき、システムのPSFは、出力平面上の3個の別々の場所に分布した3種類の位相をもつ3FZPのパターンである。この2次元振幅PSFは、
【数51】

によって与えられ、式中、(x,y)はn番目のFZPの中心点である。式46のh(x,y,0)は、h(x,y,0)のフーリエ変換によってフィルタH(u,v)を合成するため使用されることがある。レンズなしのシステムにおける回折光学要素(DOE)を合成するため、たとえば、図1および22Cに示されている実施形態では、以下の通りDOEの全体的な透過関数を特定するために、フィルタ関数に2つの球面レンズの透過関数を乗算することがあり、
【数52】

式中、h(x,y,0)は式46に与えられている。
【0251】
本発明の多数の変更および変形が上記の教示を考慮して可能である。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲内で、本明細書に特に記載されている方法とは別の方法で実施されてもよいことが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体のホログラムを生成するように構成されている装置であって、
物体から受信電磁放射線を受け、前記受信電磁放射線を回折させ、回折された電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、
前記回折された電磁放射線の像を捕捉し、前記捕捉された像から前記物体の前記ホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体と、
を備える、装置。
【請求項2】
前記電磁放射線が光を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記電磁放射装置が唯一の放射線伝搬軸を含み、前記放射線伝搬軸だけに沿って一方向だけに電磁放射線を伝搬するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記電磁放射組立体が、同じ直線に沿って配置された対称軸をそれぞれに有している複数個の電磁放射要素を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記電磁放射組立体が、同じ直線に沿って配置された幾何中心をそれぞれに有している複数個の電磁放射要素を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記物体から受けた前記電磁放射線、および、前記電磁放射組立体によって回折された前記電磁放射線が同じ放射線伝搬軸を有している、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記物体から受けた前記電磁放射線が非コヒーレント光を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記物体から受けた前記電磁放射線が前記物体によって生成される、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記物体の前記ホログラムを生成するため、前記物体から受けた電磁放射線が前記物体から受けていない電磁放射線と干渉しない、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記物体および前記装置が前記像の捕捉中に静止しているように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記電磁装置の各部分が前記像の捕捉中に静止しているように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記物体または前記装置の少なくとも一方が前記像の捕捉中に動いているように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記ホログラムが1個の捕捉された像から生成される、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記ホログラムが複数個の捕捉された像から生成される、請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記ホログラムがフレネルホログラムを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記ホログラムが像ホログラムを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項17】
前記回折された電磁放射線の位相および強度が前記受信電磁放射線とフレネルゾーンプレートとのコンボリューションによって記述される、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記ホログラムが前記物体の幾何情報を含み、前記幾何情報が、前記物体の電磁放射線放射面毎に、(i)前記物体の前記電磁放射線放射面と前記電磁放射組立体との間のレンジ距離と、(ii)前記物体の前記電磁放射線放射面の水平オフセット距離と、(iii)前記物体の前記電磁放射線放射面の垂直オフセット距離とを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記電磁放射組立体が、前記受信電磁放射線と、第1のシフトされた同心リングパターンを含む第1の変換パターン、第2のシフトされた同心リングパターンを含む第2の変換パターン、および、第3のシフトされた同心リングパターンを含む第3の変換パターンの線形和を含む複素透過関数とのコンボリューションを含む前記電磁放射線を透過させるように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項20】
前記第1のシフトされた同心リングパターン、前記第2のシフトされた同心リングパターン、および、前記第3のシフトされた同心リングパターンのうちの1つずつが、前記電磁放射組立体の同一平面内で相互に離れてシフトされている、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
前記第1のシフトされた同心リングパターン、前記第2のシフトされた同心リングパターン、および、前記第3のシフトされた同心リングパターンのうちの1つずつが、フレネルゾーンパターンまたはフレネルゾーンパターンの一部分を含む、請求項19に記載の装置。
【請求項22】
前記フレネルゾーンパターンの前記一部分が、1個以上のリングが除去され、1個以上の付加的なリングが追加され、1個以上のリングが可変幅を有し、または、1個以上のリングの一部分が除去されているフレネルゾーンパターンを含む、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記第1、第2および第3のシフトされた同心リングパターンの1つずつにおいて前記フレネルゾーンパターン、または、前記フレネルゾーンパターンの前記一部分の位相が異なる、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記電磁放射組立体の所定の厚さおよび吸収係数または反射率係数が前記回折された光の位相および強度を制御するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項25】
前記電磁放射組立体は、電磁放射線が通過する材料の厚さを変えることにより、前記透過した電磁放射線の位相または強度の少なくとも一方を制御するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項26】
前記電磁放射組立体は、
前記物体から前記受信電磁放射線を受け、第1の変換電磁放射線を透過させるように構成されている第1の電磁放射組立体と、
前記第1の電磁放射組立体から前記第1の変換電磁放射線を受け、複素透過関数に応じて複合マスク電磁放射線を透過させるように構成されている複合マスク組立体と、
前記マスク組立体から前記複合マスク電磁放射線を受け、前記回折された電磁放射線として第2の変換電磁放射線を透過させるように構成されている第2の電磁放射組立体と、
をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項27】
前記複合マスク組立体は、
経時的に前記電磁放射組立体の前記複素透過関数を変えるように構成され、
第1の時点に第1のフレネルゾーンパターンのフーリエ変換に基づき、第2の時点に第2のフレネルゾーンパターンのフーリエ変換に基づき、第3の時点に第3のフレネルゾーンパターンのフーリエ変換に基づくように前記複素透過関数を変えるように構成されているマスクコントローラをさらに備える、
請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記像捕捉組立体は、
前記第1の時点に第1の部分像、前記第2の時点に第2の部分像、および、前記第3の時点に第3の部分像を捕捉するように構成されているタイミングコントローラと、
前記第1の時点に捕捉された前記第1の部分像、前記第2の時点に捕捉された前記第2の部分像、および、前記第3の時点に捕捉された前記第3の部分像の和として前記ホログラムを生成するように構成されている加算ユニットと、
をさらに備える、請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記物体から受けた前記電磁放射線を、異なる周波数レンジを各々含む3個の物体電磁放射線部分に分離するように構成された電磁放射線分離組立体をさらに備え、
前記第1の電磁放射組立体は、前記3個の物体電磁放射線部分のうちの1個をそれぞれが受け、前記第1の変換電磁放射線の第1の部分、第2の部分および第3の部分をそれぞれが透過するように構成されている3個の第1の電磁放射線部分組立体を含み、
前記マスク組立体は、それぞれが前記第1の変換電磁放射線のうちの前記第1の部分、前記第2の部分および前記第3の部分を受け、第1の複合マスク変換電磁放射線、第2の複合マスク変換電磁放射線、および、第3の複合マスク変換電磁放射線をそれぞれが透過するように構成されている第1のマスク部分組立体、第2のマスク部分組立体および第3のマスク部分組立体を含み、
前記第2の電磁放射組立体は、それぞれが第1の複合マスク変換電磁放射線、第2の複合マスク変換電磁放射線および第3の複合マスク変換電磁放射線を受け、透過電磁放射線のうちの第1の部分、第2の部分および第3の部分をそれぞれが透過するように構成されている3個の第2の電磁放射線部分組立体を含む、
請求項1に記載の装置。
【請求項30】
前記第1のマスク部分組立体が第1のフレネルゾーンパターンのフーリエ変換に基づいて前記第1の複合マスク変換電磁放射線を透過させるように構成され、前記第2のマスク部分組立体が第2のフレネルゾーンパターンのフーリエ変換に基づいて前記第2の複合マスク変換電磁放射線を透過させるように構成され、前記第3のマスク部分組立体が第3のフレネルゾーンパターンのフーリエ変換に基づいて第3の複合マスク変換電磁放射線を透過させるように構成されている、請求項29に記載の装置。
【請求項31】
前記像捕捉組立体がCCD、CMOS感光装置、別の電子カメラ、感光乳剤、または、別の感光装置のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項32】
前記電磁放射組立体が、i)1個の回折電磁放射要素およびii)1個の収束レンズまたはミラーにより構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項33】
前記電磁放射組立体が、i)1個の回折電磁放射要素およびii)2個の収束レンズまたは2個のミラーにより構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項34】
前記物体と前記電磁放射組立体との間に配置され、前記受信電磁放射線が前記電磁放射組立体で受けられる前に、前記物体からの前記電磁放射線を視準、集光、反転、または、修正するように構成されている対物組立体をさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項35】
前記対物組立体が、対物レンズ、ズームレンズ、マクロレンズ、顕微鏡、望遠鏡、プリズム、フィルタ、モノクロフィルタ、ダイクロイックフィルタ、複合対物レンズ、広角レンズ、カメラ、ピンホール、光スリット、または、ミラーのうちの少なくとも1つを含む、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記電磁放射装置が、2枚のレンズがコヒーレント光によって照明されるときに、軸外フレネルゾーンパターンを生成するように構成されている回折電磁放射要素または2枚のレンズを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項37】
前記2枚のレンズが前記受信電磁放射線の放射線伝搬軸に垂直な同じ平面に配置され、前記2枚のレンズが異なる焦点距離を有している、請求項36に記載の装置。
【請求項38】
前記2枚のレンズが前記受信電磁放射線の放射線伝搬軸に垂直な異なる平面に配置されている、請求項36に記載の装置。
【請求項39】
前記電磁放射線が、X線放射線、マイクロ波放射線、赤外光、無線周波数信号、または、紫外光のうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項40】
前記電磁放射組立体および前記像捕捉組立体が反射型電磁放射要素を含まない、請求項1に記載の装置。
【請求項41】
物体のホログラムを生成するように構成されている装置であって、
電磁放射線受信方向に放射線軸に沿って前記物体から受信電磁放射線を受け、前記電磁放射線受信方向に前記放射線軸に沿って透過電磁放射線を透過させ、前記透過電磁放射線の第1の部分を前記透過電磁放射線透過電磁放射線の第2の部分と干渉させるように構成されている電磁放射組立体と、
前記電磁放射線受信方向に光軸に沿って透過した前記透過電磁放射線の像を捕捉し、前記捕捉された像から前記物体の前記ホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体と、
を備え、
前記放射線軸が直線である、装置。
【請求項42】
物体のホログラムを生成するように構成されている装置であって、
前記物体から受信電磁放射線を受け、前記受信電磁放射線に基づいて、前記物体の前記ホログラムを含む透過電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、
前記透過電磁放射線の像を捕捉し、前記捕捉された像から前記物体の前記ホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体と、
を備える、装置。
【請求項43】
物体のホログラムを生成するように構成されている装置であって、
前記物体から受信電磁放射線を受け、前記受信電磁放射線に基づいて透過電磁放射線を透過させ、前記透過電磁放射線の第1の部分を前記透過電磁放射線の第2の部分と干渉させるように構成されている電磁放射組立体と、
前記透過電磁放射線の少なくとも第1の部分と第2の部分の干渉によって生成された前記透過電磁放射線の像を捕捉し、前記捕捉された像から前記物体の前記ホログラムを生成するように構成されている不透明像捕捉組立体と、
を備え、
前記電磁放射組立体の中心および前記像捕捉組立体の中心が同じ直線に沿って配置されている、装置。
【請求項44】
物体のホログラムを生成するように構成されている装置であって、
1個の回折電磁放射要素で構成され、前記物体から受信電磁放射線を受け、前記受信電磁放射線に基づいて透過電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、
前記透過電磁放射線の像を捕捉し、前記捕捉された像から前記物体の前記ホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体と、
を備える、装置。
【請求項45】
物体のホログラムを生成するように構成されている装置であって、
前記物体から受信電磁放射線を受け、前記受信電磁放射線の強度分布を表現する関数と同心リング関数とのコンボリューションを含む前記受信電磁放射線の変換を実行し、前記変換された受信電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、
前記透過電磁放射線の像を捕捉し、前記捕捉された像から前記物体の前記ホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体と、
を備える、装置。
【請求項46】
物体のホログラムを生成するように構成されている装置であって、
前記物体から受信電磁放射線を受け、i)受信電磁放射線の強度分布と、ii)光学組立体の中心と前記光学組立体の外部エッジとの間で評価されたときに正の勾配の領域および負の勾配の領域を有する関数とのコンボリューションを含む前記受信電磁放射線の変換を実行し、前記変換された受信電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、
前記透過された電磁放射線の像を捕捉し、前記捕捉された像から前記物体の前記ホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体と、
を備える、装置。
【請求項47】
物体のホログラムを生成するように構成されている装置であって、
i)前記物体から受けた受信電磁放射線とii)光学組立体の中心と前記光学組立体のエッジとの間に複数個の変曲点を有する曲線とのコンボリューションを行い、前記コンボリューションされた電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、
前記コンボリューションされた電磁放射線の像を捕捉し、前記捕捉された像から前記物体の前記ホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体と、
を備える、装置。
【請求項48】
物体のホログラムを生成するように構成されている装置であって、
前記物体から受信電磁放射線を受け、i)前記受信電磁放射線の強度分布とii)各々が同心リングパターンを含む3個の部分変換関数の線形結合である変換関数とのコンボリューションを含む前記受信電磁放射線の変換を実行し、前記変換された受信電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、
前記透過された電磁放射線の像を捕捉し、前記捕捉された像から前記物体の前記ホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体と、
を備える、装置。
【請求項49】
化学発光物体のホログラムを生成するように構成されている装置であって、
前記物体から受信化学発光放射線を受け、前記物体の前記ホログラムを含む透過電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、
前記透過電磁放射線の像を捕捉し、前記捕捉された像から前記物体の前記ホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体と、
を備える、装置。
【請求項50】
物体のホログラムを生成するように構成されている装置であって、
ソース電磁放射線を散乱する前記物体によって散乱された散乱電磁放射線を受け、前記受けた散乱電磁放射線に基づいて、前記物体によって散乱されていないソース電磁放射線から独立している透過電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、
前記透過電磁放射線の像を捕捉し、前記捕捉された像から前記物体の前記ホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体と、
を備える、装置。
【請求項51】
物体のホログラムを生成するように構成されている装置であって、
前記物体から受けた電磁放射線を回折させるように構成されている電磁放射組立体と、
前記回折された電磁放射線の像を捕捉し、前記捕捉された像から前記物体の前記ホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体と、
を備える、装置。
【請求項52】
物体のホログラムを生成するように構成されている装置であって、
前記物体に複数個の電磁放射線信号を照射するように構成されている複数個の電磁放射線源と、
前記物体から受信電磁放射線を受け、前記物体によって散乱された複数個のソース電磁放射線信号の一部分を含む前記受信電磁放射線を変換するように構成されている電磁放射組立体と、
前記変換された電磁放射線の像を捕捉し、前記捕捉された像から前記物体の前記ホログラムを生成するように構成されている捕捉組立体と、
を備える、装置。
【請求項53】
蛍光物体のホログラムを生成するように構成されている装置であって、
前記物体から受信蛍光放射線を受信し、前記受信蛍光放射線に基づいて透過電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、
前記透過電磁放射線の像を捕捉し、前記捕捉された像から前記物体の前記ホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体と、
を備える、装置。
【請求項54】
黒体放射線放射物体のホログラムを生成するように構成されている装置であって、
前記物体から受信黒体電磁放射線を受け、前記物体からの前記受信黒体電磁放射線に基づいて透過電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、
前記透過電磁放射線の像を捕捉し、前記捕捉された像から前記物体の前記ホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体と、
を備える、装置。
【請求項55】
物体のホログラムを生成するように構成されている装置であって、
前記物体から受信電磁放射線を受け、前記物体からの前記受信電磁放射線だけに基づいて透過電磁放射線を透過させ、前記透過電磁放射線の第1の部分を前記透過電磁放射線の第2の部分と干渉させるように構成されている電磁放射組立体と、
前記透過電磁放射線の少なくとも前記第1の部分と前記第2の部分との干渉によって生成された縞パターンを捕捉し、前記縞パターンから前記物体の前記ホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体と、
を備える、装置。
【請求項56】
物体のホログラムを生成するように構成されている電磁放射装置であって、
前記物体から受信電磁放射線を受け、前記受信電磁放射線を回折させ、前記物体の前記ホログラムを含む回折電磁放射線を透過させるように構成されている、電磁放射装置。
【請求項57】
シーンのホログラムを生成するように構成されている装置であって、
前記シーンから受信電磁放射線を受け、前記受信電磁放射線を回折させ、回折電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、
前記回折電磁放射線の像を捕捉し、前記捕捉された像から前記シーンの前記ホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体と、
を備える、装置。
【請求項58】
物体のホログラムを生成するように構成されている装置であって、
前記物体から受信電磁放射線を受け、前記受信電磁放射線を変換し、縞パターンを含む前記変換された電磁放射線を透過させるように構成されている電磁放射組立体と、
前記縞パターンの像を捕捉し、前記捕捉された縞パターンから前記シーンの前記ホログラムを生成するように構成されている像捕捉組立体と、
を備える、装置。
【請求項59】
物体のホログラムを生成するように構成されている装置であって、
前記物体から受信電磁放射線を受け、前記受信電磁放射線を変換するように構成されている電磁放射組立体と、
前記物体の前記ホログラムを含む前記変換された電磁放射線を捕捉するように構成されている像捕捉組立体とを備え、
前記ホログラムは、前記受信電磁放射線同士の干渉によって生成された縞パターンを含み、前記受信電磁放射線と他の電磁放射線との干渉によって生成された縞パターンを含まない、装置。
【請求項60】
物体のホログラムを生成する方法であって、
前記物体から受信電磁放射線を受けるステップと、
前記受信電磁放射線に基づいて回折電磁放射線を透過させるステップと、
前記回折電磁放射線の像を捕捉するステップと、
前記捕捉された像から前記物体の前記ホログラムを生成するステップと、
を備える、方法。
【請求項61】
前記受信電磁放射線がコヒーレント光を含まない、請求項1に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図5E】
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【図5F】
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【図5G】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図6E】
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【図6F】
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【図6G】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12A】
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【図12B】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21A】
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【図21B】
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【図22A】
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【図22B】
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【図22C】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28A】
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【図28B】
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【図28C】
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【図28D】
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【図29】
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【図30】
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【図31A】
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【図31B】
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【図32】
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【公表番号】特表2009−544036(P2009−544036A)
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−520715(P2009−520715)
【出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/027727
【国際公開番号】WO2008/010790
【国際公開日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(509018649)セルオプティック、インコーポレイテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】CELLOPTIC, INC.
【Fターム(参考)】