説明

口腔粘膜医薬投与形態

本発明は、ウェファ形態における口腔粘膜医薬投与形態に関する。ウェファは、多孔質で吸湿性のある粘膜付着性ポリマーマトリックス、および、それに添加された少なくとも1つの所望の医薬活性化合物を含んで成る。ポリマーは、種々の溶解速度を有する多くのポリマーから選択され、経口摂取される場合の使用において、マトリックスが口腔粘膜表面に付着して、所定時間をかけて溶解して、医薬活性化合物を放出する。本発明は、冷凍乾燥または凍結乾燥含む、ウェファ形態の口腔粘膜医薬投与形態を製造する方法にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、口腔粘膜医薬投与形態、特に、口腔、舌下または経粘膜送達経路による医薬組成物の送達に好適な医薬投与形態に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
医薬組成物は、一般に、静脈内、腹腔内、皮下もしくは筋肉内注射もしくは点滴として、局所用軟膏剤として、または経口摂取される錠剤、カプセル剤もしくは液剤として、投与される。これらの中で、経口製剤および局所用軟膏剤は、注射または点滴より侵襲性が低いため、好ましい。しかし、軟膏剤の不利点は、軟膏剤を必要とする実際の部位に塗布されるという点で局所的であることである。一方、経口製剤は、広範囲の内部疾患の治療に使用される。
【0003】
ヒトまたは動物を治療する場合、特定投与量を、1秒間〜多時間にわたることもある所定時間内に送達することが必要とされることが多い。これは、治療される疾患の性質に依存する。狭心症発作の場合、有効量の必要医薬を、長くても数秒以内に送達する必要がある。十二指腸潰瘍の場合、適切な医薬組成物を数時間にわたって投与することが好ましい。
【0004】
有効投与量を短時間で送達させる場合、錠剤などの経口薬剤は、充分に血管化され、理想的な吸収部位である舌下で、一般に溶解される。しかし、医薬を数秒または数分間かけて送達させる場合、錠剤またはカプセル剤は嚥下することができるため、課題がある。胃にある場合、吸収速度が減少すると考えられる。
【0005】
医薬を長時間かけて送達させる場合、段階的放出カプセル剤を使用することが多い。このようなカプセル剤は、消化酵素に暴露された際に既知の速度で溶解する化合物に封入された球または核の形態で、多数の個別の用量を含有する。種々の溶解速度を有する化合物を使用することによって、所望の医薬送達プロフィールを得ることができ、時間は、胃腸管における通常の保持時間によって限定され、吸収部位が胃である場合、胃における保持期間によって限定される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
発明の目的
本発明の目的は、口腔粘膜医薬投与形態、特に、口腔、舌下または経粘膜送達経路による医薬組成物の送達に好適であり、かつ医薬組成物の選択送達プロフィールを与える医薬投与形態、および該口腔粘膜医薬投与形態の製造法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の要旨
本発明により、少なくとも1つの所望の医薬活性化合物が添加された多孔質で吸湿性のある粘膜付着性ポリマーマトリックスを含んで成る口腔粘膜医薬投与形態を提供し、該ポリマーは種々の溶解速度を有する多くのポリマーから選択され、経口摂取される場合の使用において、該マトリックスが口腔粘膜表面に付着し、所定時間をかけて溶解して、医薬活性化合物を放出する。
【0008】
ポリマーと混合される1つまたはそれ以上の所望の医薬活性化合物も提供する。または、ポリマーマトリックスに埋め込まれた少なくとも1つの分離ペレット、好ましくはディスク状に形成される医薬活性組成物を提供する。さらに、ポリマーと混合され、ポリマーマトリックスに埋め込まれたペレットに形成される1つまたはそれ以上の医薬活性化合物も提供する。
【0009】
さらに、既知の溶解速度を有するポリマーに封入される1つまたはそれ以上の医薬活性化合物含有ペレットも提供し、それによって、使用において、医薬活性化合物を、迅速にまたはゆっくりと、所望時間にわたって放出させることができる。または、既知の溶解速度を有するポリマーに封入される1つまたはそれ以上の医薬活性化合物含有ペレット、および、投与形態の粘膜付着性ポリマーマトリックスがいったん溶解したら、1つまたはそれ以上のペレットに含有された医薬活性化合物を体の他の部位に送達し、吸収される嚥下される1つまたはそれ以上のペレットを提供する。
【0010】
さらに、親水性膨潤性ポリマーであるポリマー、好ましくは、以下からなる群から選択される1つ以上のポリマー:ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリエチレンオキシド(PEO)、アルギン酸ナトリウムおよびペクチン;ならびに、ポリマーの物理化学的および/または物理機械的(pysicomechanical)特性を変化させるコポリマー、例えばワックス、他のポリマー、例えばポリエチレングリコール、および/または賦形剤、例えば、グリシン、マンニトールまたはラクトースと混合されるポリマーも提供する。
【0011】
以下からなる群から選択される医薬活性化合物も提供する:鎮痛薬、好ましくは、鎮痛薬ジクロフェナク、アスピリンおよびパラセタモール;鎮静薬、好ましくは、ジアゼパム、ゾルピデムおよびゾピクロン;抗ヒスタミン薬、好ましくは、ロラチジンおよびクロルフェニラミン;ならびに小児薬、好ましくは、ニスタシドおよびヒオスシン。
【0012】
ウェファの形態の投与形態も提供する。
本発明は、鋳型において凍結乾燥または冷凍乾燥することによって、多孔質、吸湿性、粘膜付着性ポリマーマトリックスおよび所望の医薬活性化合物を成形することを含んで成る上記の口腔粘膜医薬投与形態の製造法を提供する。
【0013】
ポリスチレン鋳型である鋳型、および投与形態成分を導入する前に鉱油で潤滑される鋳型も提供する。
【0014】
以下からなる群から選択される医薬活性化合物も提供する:鎮痛薬、好ましくは、鎮痛薬ジクロフェナク、アスピリンおよびパラセタモール;鎮静薬、好ましくは、ジアゼパム、ゾルピデムおよびゾピクロン;抗ヒスタミン薬、好ましくは、ロラチジンおよびクロルフェニラミン;ならびに小児薬、好ましくは、ニスタシドおよびヒオスシン。
【0015】
以下の工程によって形成される投与形態も提供する:濃度1%w/vのポリマー、好ましくはHPC、濃度6%w/vの増量剤賦形剤、好ましくはラクトース、および活性成分、好ましくは塩酸ジフェンヒドラミンを、脱イオン水と共に45分間混合し、次に、得られた溶液を、鉱油で前もって潤滑したポリスチレン鋳型の円筒空洞に導入し、次に、−60℃で2時間凍結段階に付し、次に、25mtorrの圧力で48時間乾燥する。
【実施例】
【0016】
実施例
本発明の実施態様を、以下の本発明ポリマーおよび投与形態の非限定的実施例によって
示す。
【0017】
口腔粘膜製剤に好適なポリマーは、文献に示されている公的に入手可能な情報に基づいて同定した。口腔粘膜投与形態を製造するために、ポリマー(1%w/v)、および増量剤としてのラクトース(6%w/v)を、脱イオン水に添加し、45分間混合した。種々のポリマー溶液1.5mLを、鉱油で前もって潤滑した円筒空洞にピペットで投入した。その配合物をベンチトップ凍結乾燥機における凍結段階に−60℃で2時間付した。乾燥段階を25mtorrの圧力で48時間行った。このように作製したウェファを、2gの乾燥剤サッシェと共にガラスビンに保存した。
【0018】
ウェファのマトリックス形成プロフィールを評価するために、脱イオン水1000mL中にNaHPO2.38g、KHPO0.19gおよびNaCl8gを含んで成る模擬唾液20mLを含有するペトリ皿(直径85mm、深さ10mm)に投入する前に、ウェファを秤量した。pHを7.1に調整した。ペトリ皿を30秒間攪拌し、次に、その含有物をステンレス鋼メッシュ(孔径1mm)で篩にかけた。残った残渣の質量を天秤で測定し、そのようにして得た数値を用いてマトリックス形成率を算出した。
【0019】
重量均一性を使用して、ウェファ製造工程の再現性を評価した。個々のウェファを秤量し、標準偏差を算出した。全ての実験を3回行った。
【0020】
ゲル化挙動の評価に基づいて理想ポリマーを選択して、表1に示すように変更を加えた上記の方法を用いてウェファを配合した。種々の配合変数の影響を評価するために、面心中心複合設計(表1)として既知の統計的方法を用いた。この設計の方程式は以下の通りである:
レスポンス=b+b*s+b*t+b*u+b*v+b*w+b*s*s+b*t*t+b*u*u+b*v*v+b10*w*w+b11*s*t+b12*s*u+b13*s*v+b14*s*w+b15*t*u+b16*t*v+b17*t*w+b18*u*v+b19*u*w+b20*v*w
式中、
s=ポリマー濃度;
t=希釈剤種類;
u=希釈剤量;
v=グリシン濃度;および
w=充填量
測定したレスポンスは以下を含む:
・崩壊プロフィール;
・マトリックスへの模擬唾液の流入速度
・脆砕性
・マトリックス降伏価;
・マトリックス耐性;
・マトリックス吸収エネルギー;
・マトリックス弾性エネルギー;および
・ブリネル硬度数(BHN)
【0021】
【表1】

【0022】
製造工程の再現性は、種々のポリマー系のそれぞれの質量から算出した低い標準偏差(SD)によって示された。表2は、種々のポリマーウェファ系から得た結果を示す。
【0023】
【表2】

【0024】
試料の標準偏差は低いが、ペクチンおよびポリエチレンオキシド(PEO)などのポリマーについては、少し高い数値が観測された。これは、初期溶液の高粘度によるものであり、それによって、製造工程において、より高い変動性があると考えられる。
【0025】
アルギン酸ナトリウム、ペクチンおよびPEOなどのポリマーは、水和し、攪拌した場合に、崩壊を受けるのではなくゲル状物質を形成する傾向があった。
【0026】
アルギン酸ナトリウムは、おそらくその低い水溶性により、最も多量の残渣を生じた。極めて対照的に、HPCなどの高親水性ポリマーは、篩の孔を通過することができる小さい粒子に30秒以内に完全に崩壊した。図1は、試験した種々の溶解ウェファを篩にかけた後の、非損傷(intact)物質の質量を示す。
【0027】
得られた結果に基づいて、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)は、ウェファ系に最も好適なポリマーであることが確認され、なぜなら、模擬唾液中で30秒間の水和および攪拌の後に残渣が生じなかったからである。これは、HPCが極性溶媒に高溶解性であり、従って、ゲル残渣を形成せずに迅速に崩壊を受けて、迅速マトリックス崩壊を確実にすることによるものと考えられる。
【0028】
ウェファの崩壊速度は、主にHPCの濃度に依存し、二次的に希釈剤の濃度に依存していたことが明らかである(図2)。より高いポリマー濃度が、より遅い崩壊速度に関係していることが一般に確認された。希釈剤の高溶解性により、その量の増加は、より高いマトリックス溶解性、従って、より速い崩壊速度の原因となった。
【0029】
低濃度のポリマーを高濃度の希釈剤と共に含有する配合物は、有意に迅速な崩壊を受けた。配合物におけるマンニトールの存在により、ラクトースを含有する配合物より迅速な崩壊を促進することも確認された。この現象は、2つの糖の溶解性を比較することによって説明できる。マンニトールおよびラクトースの溶解性は同様であるが(それぞれ、冷水5.5mLおよび5mL中に1g;Windholzら、1976年)、ラクトースはマンニトールより遅い速度で溶解することが確認された。マンニトールを含有する配合物のより迅速な崩壊は、ラクトースより優れた溶解性に直接的に起因すると考えられる。
【0030】
崩壊速度に影響を与える他の要因は、模擬唾液の流入であった。唾液がウェファに吸収された際に、崩壊が促進されることが観察された(図3)。ウェファに浸透する唾液の能力は、凍結乾燥工程の結果として形成された多孔構造に起因すると考えられた。唾液の流入に有意な作用を有する唯一の配合変数は、HPCの濃度であった。従って、HPC濃度の増加が、凍結乾燥工程中のウェファ内の気孔形成を可能にすると推定された。
【0031】
ウェファの脆砕性は、ポリマーの濃度に依存していることが観察された(p=0.063)。低い脆砕性が、高濃度のHPCを含有するウェファにおいて見られた。表面プロット(図4)に示されているように、最も脆砕なウェファは、低濃度のポリマーと共に、高濃度の希釈剤を含有するウェファであった。これから、ポリマーが結合剤として機能し、それによってウェファに強靭特性を付与したと推定しうる。希釈剤の至適濃度を決定する場合、高い希釈剤濃度は迅速溶解を促進するが、これは脆砕性の増加をも生じることに留意すべきである。
【0032】
ポリマーおよび希釈剤の濃度は、マトリックス耐性の減少を生じることが示された(図5)。HPC濃度の増加は、ウェファの多孔度の増加を生じると推定された。多孔度の増加によって、対応する可塑性増加も観察された。従って、マトリックスはプローブによって適用された力に抵抗できず、少ない力で破損した。一方、系に存在する希釈剤の量の増加は、団結(consolidated)ウェファを形成し、その結果、より高いマトリック圧縮性を生じた。この圧縮マトリックスは、性質的に脆性であり、少ない力で破損した。
【0033】
HPCの濃度は、BHNにも有意な影響を有していた。HPCは、剛性を付与し、それによってウェファの表面硬度を増加させる。グリシン濃度の増加も、BHNの増加を生じた(図6)。これらの結果は、グリシンが団結剤(consolidator)として作用できたことを示す。
【0034】
マトリックス吸収エネルギーに有意に影響した変数は、充填量およびHPC濃度であった(図7)。充填量、従ってウェファの大きさが増加すると共に、エネルギーを吸収する能力が、エネルギーの伝搬および散逸に利用できるより大きい面積の直接的結果として、増加した。上記のように、HPC濃度の増加は、より高い気孔形成能力を有するウェファを可能にした。ウェファ内の空間が、エネルギーの取り込みを可能にし、従って、ポリマー濃度の増加に伴って、より高いエネルギー吸収能力が得られた。
【0035】
ポリマーの選別および選択により、HPCは最も低いゲル化性を有し、従って、ウェファ系の開発に好適であった。迅速崩壊および長時間放出ウェファ系の開発を可能にする好適な賦形剤とポリマーとの組合せが確認された。HPC、ラクトース、マンニトールおよびグリシンを含有するウェファ系は、30秒以内に崩壊する能力を有していた。薬剤蓄積として機能する亜鉛イオンと架橋したペクチン、ならびにペクチン、カルメロースおよびゼラチンの粘膜付着性ポリマーの組合せから成る改質ウェファ系が、約6時間にわたるモデル薬ジフェンヒドラミン塩酸塩の効果的放出を与えた。
【0036】
この研究によって開発された凍結乾燥ウェファは、口腔粘膜適用のための有効かつ汎用性のある薬剤送達系であると考えられる。これは、実施した広範囲な物理化学的かつ物理機械的分析によって確認されている。凍結サイクルを最適化し、潤滑剤としての鉱油およびポリスチレンを使用し、ウェファに好適な特性を与えることによって、好結果の再現性のある製造法が確立されたことも推定される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】種々のポリマーを使用したゲル化試験後の、非損傷ウェファの質量(N=3)
【図2】マトリックス崩壊速度における、希釈剤およびHPC濃度の作用を示す表面プロット
【図3】模擬唾液の流入とウェファの崩壊との関係(N=3)
【図4】希釈剤およびHPC濃度の作用を示す脆砕性の表面プロット
【図5】希釈剤およびHPC濃度の増加の結果としての、マトリックス耐性の減少を示す表面プロット
【図6】BHNにおける、希釈剤およびHPC濃度の作用を示す表面プロット
【図7】マトリックス吸収エネルギーにおける、充填量およびHPC濃度の作用を示す表面プロット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの所望の医薬活性化合物を添加された多孔質で吸湿性のある粘膜付着性ポリマーマトリックスを含んで成る口腔粘膜医薬投与形態であって、ポリマーが種々の溶解速度を有する多くのポリマーから選択され、経口摂取される場合の使用において、マトリックスが口腔粘膜表面に付着し、そのように付着した際に、所定時間をかけて溶解して、医薬活性化合物を放出する口腔粘膜医薬投与形態。
【請求項2】
1つまたはそれ以上の所望の医薬活性化合物がポリマーと混合される、請求項1に記載の口腔粘膜医薬投与形態。
【請求項3】
1つまたはそれ以上の所望の医薬活性化合物が、ポリマーマトリックスに埋め込まれた少なくとも1つの分離ペレットに形成される、請求項1に記載の口腔粘膜医薬投与形態。
【請求項4】
1つまたはそれ以上の所望の医薬活性化合物が、ポリマーと混合され、次に、ポリマーマトリックスに埋め込まれたペレットに形成される、請求項1に記載の口腔粘膜医薬投与形態。
【請求項5】
1つまたはそれ以上のペレットがディスクの形態である、請求項2〜4のいずれか1つに記載の口腔粘膜医薬投与形態。
【請求項6】
1つまたはそれ以上のペレットが細長い円筒の形態である、請求項2〜4のいずれか1つに記載の口腔粘膜医薬投与形態。
【請求項7】
医薬活性化合物を含有する1つまたはそれ以上のペレットが、哺乳動物の体内における既知の溶解速度を有するポリマーに封入され、それによって、使用において、医薬活性化合物が所望の時間にわたって放出される、請求項1〜6のいずれか1つに記載の口腔粘膜医薬投与形態。
【請求項8】
医薬活性化合物が迅速に放出される、請求項7に記載の口腔粘膜医薬投与形態。
【請求項9】
医薬活性化合物がゆっくり放出される、請求項7に記載の口腔粘膜医薬投与形態。
【請求項10】
迅速に放出される第1医薬活性化合物、およびゆっくり放出される第2医薬活性化合物を含有する、請求項7に記載の口腔粘膜医薬投与形態。
【請求項11】
医薬活性化合物を含有する1つまたはそれ以上のペレットが、既知の溶解速度を有するポリマーに封入され、使用において、1つまたはそれ以上のペレットが嚥下され、投与形態の粘膜付着性ポリマーマトリックスがいったん溶解したら、1つまたはそれ以上のペレットに含有された医薬活性化合物を、吸収のために、体の他の部位に送達する、請求項1〜6のいずれか1つに記載の口腔粘膜医薬投与形態。
【請求項12】
ポリマーが親水性膨潤性ポリマーである、請求項1〜11のいずれか1つに記載の口腔粘膜医薬投与形態。
【請求項13】
ポリマーが、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリエチレンオキシド(PEO)、アルギン酸ナトリウムおよびペクチンからなる群から選択される、請求項9に記載の口腔粘膜医薬投与形態。
【請求項14】
1つまたはそれ以上のポリマーが、ポリマーの物理化学的特性を変化させる少なくとも1つのコポリマーと混合される、請求項1〜13のいずれか1つに記載の口腔粘膜医薬投与形態。
【請求項15】
1つまたはそれ以上のポリマーが、ポリマーの物理機械的特性を変化させる少なくとも1つのコポリマーと混合される、請求項1〜13のいずれか1つに記載の口腔粘膜医薬投与形態。
【請求項16】
1つまたはそれ以上のポリマーが、ポリマーの物理化学的特性および物理機械的特性を変化させる少なくとも1つのコポリマーと混合される、請求項1〜13のいずれか1つに記載の口腔粘膜医薬投与形態。
【請求項17】
コポリマーが、ワックス、他のポリマーおよび賦形剤からなる群から選択される、請求項16に記載の口腔粘膜医薬投与形態。
【請求項18】
他のポリマーがポリエチレングリコールである、請求項17に記載の口腔粘膜医薬投与形態。
【請求項19】
賦形剤が、グリシン、マンニトールおよびラクトースからなる群から選択される、請求項17または18に記載の口腔粘膜医薬投与形態。
【請求項20】
医薬活性化合物が、鎮痛薬、鎮静薬、抗ヒスタミン薬および小児薬からなる群から選択される、請求項1〜19のいずれか1つに記載の口腔粘膜医薬投与形態。
【請求項21】
医薬活性化合物が、ジクロフェナク、アスピリンおよびパラセタモールからなる群から選択される鎮痛薬である、請求項20に記載の口腔粘膜医薬投与形態。
【請求項22】
医薬活性化合物が、ジアゼパム、ゾルピデムおよびゾピクロンからなる群から選択される鎮静薬である、請求項20に記載の口腔粘膜医薬投与形態。
【請求項23】
医薬活性化合物が、ロラチジンおよびジクロルフェニラミンからなる群から選択される抗ヒスタミン薬である、請求項20に記載の口腔粘膜医薬投与形態。
【請求項24】
医薬活性化合物が、ニスタシドおよびヒオスシンからなる群から選択される小児薬である、請求項20に記載の口腔粘膜医薬投与形態。
【請求項25】
ウェファの形態である、請求項1〜24のいずれか1つに記載の口腔粘膜医薬投与形態。
【請求項26】
鋳型における凍結乾燥または冷凍乾燥によって、多孔質、吸湿性、粘膜付着性ポリマーマトリックスおよび所望の医薬活性化合物を成形することを含んで成る、請求項1〜25のいずれか1つに記載の口腔粘膜医薬投与形態の製造法。
【請求項27】
鋳型がポリスチレン鋳型である、請求項26に記載の口腔粘膜医薬投与形態の製造法。
【請求項28】
投与形態成分を鋳型に導入する前に、鋳型を鉱油で潤滑させる、請求項27に記載の口腔粘膜医薬投与形態の製造法。
【請求項29】
医薬活性化合物が、鎮痛薬、鎮静薬、抗ヒスタミン薬および小児薬からなる群から選択される、請求項26〜28のいずれか1つに記載の口腔粘膜医薬投与形態の製造法。
【請求項30】
医薬活性化合物が、ジクロフェナク、アスピリンおよびパラセタモールからなる群から選択される鎮痛薬である、請求項29に記載の口腔粘膜医薬投与形態の製造法。
【請求項31】
医薬活性化合物が、ジアゼパム、ゾルピデムおよびゾピクロンからなる群から選択される鎮静薬である、請求項29に記載の口腔粘膜医薬投与形態の製造法。
【請求項32】
医薬活性化合物が、ロラチジンおよびジクロルフェニラミンからなる群から選択される抗ヒスタミン薬である、請求項29に記載の口腔粘膜医薬投与形態の製造法。
【請求項33】
医薬活性化合物が、ニスタシドおよびヒオスシンからなる群から選択される小児薬である、請求項29に記載の口腔粘膜医薬投与形態の製造法。
【請求項34】
濃度1%w/vのポリマー、濃度6%w/vの増量剤賦形剤、および活性成分を、脱イオン水と共に45分間混合し、次に、得られた溶液を、鉱油で前もって潤滑したポリスチレン鋳型の円筒空洞に導入し、次に、鋳型中の溶液を−60℃で2時間凍結段階に付し、次に、25mtorrの圧力で48時間乾燥段階に付すことによって投与形態を形成する、請求項26〜33のいずれか1つに記載の口腔粘膜医薬投与形態の製造法。
【請求項35】
ポリマーが、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリエチレンオキシド(PEO)、アルギン酸ナトリウムおよびペクチンからなる群から選択される、請求項34に記載の口腔粘膜医薬投与形態の製造法。
【請求項36】
増量剤賦形剤が、グリシン、マンニトールおよびラクトースからなる群から選択される、請求項28〜34のいずれか1つに記載の口腔粘膜医薬投与形態の製造法。
【請求項37】
活性成分がジフェンヒドラミン塩酸塩である、請求項34または35に記載の口腔粘膜医薬投与形態の製造法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−508841(P2009−508841A)
【公表日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−530653(P2008−530653)
【出願日】平成18年9月19日(2006.9.19)
【国際出願番号】PCT/IB2006/002585
【国際公開番号】WO2007/034287
【国際公開日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【出願人】(508083806)ユニバーシティ・オブ・ザ・ウィットウォータースランド・ヨハネスブルグ (3)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSITY OF THE WITWATERSRAND, JOHANNESBURG
【Fターム(参考)】