説明

可変容量型油圧モータの制御装置

【課題】ウインチの軽負荷巻下げ開始時に巻下げ速度に加速性不良が発生せず、また重負荷巻下げ操作時にハンチング等の不安定挙動が発生しない、作業性と安定性に優れた可変容量型油圧モータの制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置の圧力補償弁5のセットスプリング5bに相対抗するパイロット油室に巻上げ側流路6から巻上げ側パイロット流路11を連通させ、巻下げ側流路7からセットスプリング5b側のパイロット油室に巻下げ側パイロット流路14を連通させると共に、この流路14に圧力補償方式切換弁18を介装し、巻下げ操作されているときに、巻上げ側流路6の圧力と巻下げ側流路7の圧力との差圧が圧力補償弁5の設定値以下の所定圧に達すると、セットスプリング5b側のパイロット油室をタンクTに連通させるために圧力補償方式切換弁18を切換える過負荷防止制御切換手段20を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレーン等の建設機械のウインチ等に使用され、容量と共に回転速度等を変更する可変容量型油圧モータの制御装置に関し、より詳しくは吊荷の巻下げ開始直後の巻下げ速度の低下やハンチングの発生を防止することを可能ならしめるようにした可変容量型油圧モータの制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
クレーン等の建設機械のウインチ等に使用され、モータの容量と共に回転速度等を変更することを可能ならしめるようにした可変容量型油圧モータの制御装置としては、例えば後述するような構成になるものが公知である。以下、このような従来例に係る可変容量型油圧モータの制御装置の典型例を紹介する。
【0003】
従来例1に係る可変容量型油圧モータの制御装置を、添付図面を順次参照しながら説明する。図3は可変容量型油圧モータの容量制御と過負荷防止制御を行う制御装置の油圧回路図であり、図4は可変容量型油圧モータの制御装置による入力パイロット圧とモータ容量の関係を示す図である。また、図5は可変容量型油圧モータのモータ駆動圧とモータ容量の関係を示す図であり、図6は可変容量型油圧モータのモータ出力トルクとモータ回転速度の関係を示す図である。
【0004】
図3に示す符号51は可変容量型油圧モータであり、また符号52は可変容量型油圧モータ51のモータ容量を制御するサーボ式の容量制御機構である。この容量制御機構52は、図示しない手段(例えば、リモートコントロール弁)からのパイロット圧Piにより制御される油圧パイロット式のスプール弁(サーボ弁)53と、このスプール弁53を介してモータ駆動圧Pa,Pbが入力されて、可変容量型油圧モータ51の傾転機構を駆動する油圧式ピストン54とから構成されており、パイロット圧Piに応じて油圧式ピストン54が作動し、可変容量型油圧モータ51のモータ容量を制御するように構成されている。可変容量型油圧モータ51のモータ容量を制御するときのパイロット圧Piと、モータ容量との関係は、図4に示すとおりである。即ち、パイロット圧Pia〜Pibの間でパイロット圧に応じて、モータ容量が最大値qbから最小値qaまで変化する。なお、図中におけるPixは、モータ容量が変化するパイロット圧Pia〜Pib間の値であり、またqxは前記パイロット圧Pixでのモータ容量である。
【0005】
上記の構成を前提として、巻上げ側流路57の圧力Paと巻下げ側流路58の圧力Pb、つまりモータ駆動圧Pa,Pbのうち、高圧側の圧力を選択する高圧選択弁(シャトル弁)55とスプール弁53との間に、圧力一定制御のための圧力補償弁56が設けられている。この圧力補償弁56は、図5に示すように、前記モータ駆動圧Pa,Pbが過負荷防止作用を開始すべき圧力として、予め設定された設定圧力Psに達すると、モータ容量が小容量qaから大容量qbに切換えられ、高トルク−低回転でモータ運転が行われるように構成されている。この構成により、設定圧力Psでの圧力一定制御によって図6に示すような定馬力制御が行われ、可変容量型油圧モータ51の過負荷が防止される(例えば、特許文献1参照。)。
【0006】
従来例2に係る可変容量型油圧モータの制御装置を、可変容量型油圧モータの制御装置を簡略化した油圧回路図の図7を参照しながら説明する。この従来例2に係る制御装置の過負荷防止制御には、モータ駆動圧Pa,Pbの差圧(Pa−Pb)=Psで作動する圧力補償弁が設けられている。以下、図7に基づいて、より詳細に説明する。即ち、可変容量型油圧モータ61は、斜板形ピストンモータで、図示しない油圧ポンプから圧油が油圧流路63に供給されると、可変容量型油圧モータ61はウインチを巻上げる方向に回転する。また、ウインチを巻下げる方向に可変容量型油圧モータ61を回転させる場合には、圧油を油圧流路64から可変容量型油圧モータ61に供給する。この可変容量型油圧モータ61は、斜板の傾転角度を変化させることによってモータ容量を変化させることができ、この斜板の傾転角度は、傾転角度制御手段65により制御されるようになっている。
【0007】
傾転角度制御手段65は、斜板に連結された第1段付ピストン66を備え、この第1段付ピストン66の大径部69は第1ピストン室67に配置され、小径部70は第2ピストン室68に配置されている。後述する制御装置62によって油圧流路63と第1ピストン室67とが接続されると、第1段付ピストン66の大径部69に供給圧力Paの圧油が作用し、第1段付ピストン66は一方側(図7の左方)に移動する。すると、可変容量型油圧モータ61の斜板の傾転角度が小さくなり、モータ容量が減少する。また、油圧流路63と第1ピストン室67とが遮断されると、第1段付ピストン66の小径部70にのみ供給圧力Paの圧油が作用し、第1段付ピストン66は他方側(図7の右方)に移動する。
すると、可変容量型油圧モータ61のモータ容量が増加する。
【0008】
前記制御装置62は、CHP弁(コンスタントホースパワー弁)であって、モータ容量を自動で調整して、馬力を一定に制御する。つまり、供給圧力Paが一定になるようにモータ容量を調整する。この制御装置62は、外部指令によりモータ容量を調節するための、第1切換制御弁(スプール弁に相当する)73および電磁比例減圧弁74と、自動でモータ容量を調節するための第2切換制御弁(圧力補償弁に相当する)75とを含んで構成されている。この制御装置62では、外部指令によりモータ容量を増加させるとき、電磁比例減圧弁74によりパイロット圧P1の圧油の圧力を減少させる。すると、第3ピストン室80内のピストン86が、スプール73aを一方側(図7の左方)に押圧する力が弱くなり、ばね73bのばね力でスプール73aは他方側(図7の右方)に移動する。これによって、スプール73aは容量増加位置に配置される。
【0009】
このとき、第1ピストン室67はタンクTに連通するので、第1段付ピストン66は他方側に移動し、モータ容量が増加する。逆に、外部指令でモータ容量を減少させるとき、電磁比例減圧弁74によりパイロット圧P1の圧油の圧力を増加させる。すると、ピストン86がスプール73aを一方側(図7の左方)に押圧する力が強くなり、スプール73aはばね力に抗して一方側(図7の左方)に移動する。これによって、スプール73aは容量減少位置まで移動する。すると第1ピストン室67は油圧流路63に接続されるので、第1段付ピストン66は一方側(図7の左方)に移動し、モータ容量が減少する。
【0010】
供給圧力Paが大きくなると、油圧流路63から第4ピストン室81に流入する圧油の圧力が大きくなるので、第2段付ピストン83の小径部84に作用する力が大径部85に作用する力よりも大きくなる。供給圧力Paが基準圧力Pset1に達すると、第2段付ピストン83は、ばね75bのばね力に抗して、スプール75aを容量増加位置まで移動させる。すると、第1ピストン室67と油タンクTとが接続されるので、第1ピストン室67内の圧力が低下し、第1段付ピストン66は、他方側(図の右方)に移動し、モータ容量が増加する。
【0011】
モータ容量が増加すると供給圧力Paが低下し、そして基準圧力Pset1まで低下すると、第2段付ピストン83は、スプール75aを他方側(図7の右方)に移動させることができなくなり、スプール75aは、一方側(図7の左方)に移動して、図7に示す容量減少位置に配置される。これによって、油圧流路63と第1ピストン室67とが接続され、第1段付ピストン66は一方側(図7の左方)に移動し、モータ容量が減少する。このような動作が順次繰返されて、供給圧力Paが、基準圧力Pset1の近傍に維持されて、馬力が一定に保持されるようになっている(例えば、特許文献2参照。)。
【0012】
なお、上記従来例2については、特許文献2の段落〔0003〕、〔0004〕、〔0011〕乃至〔0014〕において従来例2として開示されている技術である。
【特許文献1】特開平5−126103号公報
【特許文献2】特開2001−317442号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
上記従来例1に係る可変容量型油圧モータの制御装置は、可変容量型油圧モータのモータ駆動回路の巻上げ側流路と、巻下げ側流路との圧力のうち、高圧側の圧力が高圧選択弁(シャトル弁)を介して圧力補償弁にパイロット圧として作用させることによって、一定圧力制御されるように構成されている。ところで、このような可変容量型油圧モータをウインチの駆動に用いる場合、可変容量型油圧モータの負荷方向への失速を防止するために、制御装置にカウンタバランス弁が設けられている。カウンタバランス弁は、その作動安定性の確保のために、開弁方向側にダンピング性能が付与されているため、カウンタバランス弁の開弁速度は遅くなっている。そのため、巻下げ操作時に下記のような解決すべき課題が生じる。
【0014】
即ち、吊荷を吊持しないフックだけを降下させる場合、あるいは軽量の吊荷を吊持しているフックを巻下げ操作する場合には、吊荷荷重を保持するために巻上げ側流路に発生するモータ保持圧は低圧である。一方、巻下げ操作開始時においては、巻上げ側流路に介装されているカウンタバランス弁のダンピング性能のために、暫くの間は、このカウンタバランス弁のスプール開度が小開度のままとなり、カウンタバランス状態になるまでに時間がかかる。巻上げ側流路に発生するモータ保持圧が低圧である場合、カウンタバランス弁のスプール開口部の前後差圧も小さいため、ポンプ流量(モータ供給流量)とバランスする大きなスプール開度になるまでに時間を要してしまい、その間、巻下げ側流路と、巻上げ側流路の可変容量型油圧モータとカウンタバランス弁の間の流路とが高圧状態になってしまう。従って、吊荷による負荷自体が小さいにもかかわらず、圧力補償弁のパイロット油室に高圧が導入されて一定圧力制御が作用してしまう結果、可変容量型油圧モータのモータ容量が最大化する。そのため、軽荷重の吊荷の巻下げ開始時には、可変容量型油圧モータの回転速度が低速度に規制されることになり、ウインチの巻下げ速度が低速になってしまう。つまり、軽荷重の吊荷の巻下げ開始時には、加速が極端に悪化してしまい、作業能率が低下するという問題があった。
【0015】
上記従来例2の場合は、図7に示されているように、第2切換制御弁(圧力補償弁に相当する)75のスプール75aの作動は、第4ピストン室81に導入される供給圧力Pa(モータ駆動圧Pa)と、第5ピストン室82に導入される供給圧力Pb(モータ駆動圧Pb)の差圧(Ps)で作動する第2段付ピストン83により制御される。従って、巻下げ側流路と、巻上げ側流路の可変容量型油圧モータとカウンタバランス弁の間の流路との高圧状態は、圧力制御弁としてキャンセルされるので、従来例1のように、軽荷重の吊荷の巻下げ開始時に、ウインチの巻下げ速度が低速になってしまうというような問題が発生するようなことがない。
【0016】
ところが、吊荷が大荷重の場合の巻下げ操作時には、カウンタバランス弁のカウンタバランス作用があって、巻下げ側流路(供給側)と巻上げ側流路(排出側)の圧力変動が逆位相(逆位相の圧力変動の影響を受けて、圧力補償弁がその変動を増徴する)になり易いこともあって、従来例2の場合には、回路的に不安定になり易い(ハンチング等の振動が発生し易い)という欠点があった。
【0017】
従って、本発明の目的は、ウインチの軽負荷巻下げ開始時に巻下げ速度に加速性不良が発生するようなことがなく、また重負荷巻下げ操作時にハンチング等の不安定挙動が発生するようなことがない、作業性と安定性に優れた可変容量型油圧モータの制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る可変容量型油圧モータの制御装置が採用した手段は、モータの傾転角を大きくする第一ピストンおよび傾転角を小さくする第二ピストンを有する油圧式ピストンを備え、パイロット圧に応じて第二ピストンへの流体の供給を切換えるスプールと、傾転の変位を伝達するフィードバックレバーを介して移動して第二ピストンへの流体の供給を遮断するスリーブとからなり、傾転角を一意に定めるスプール弁を備え、巻上げ側流路と巻下げ側流路とからなるモータ駆動回路を介してモータに供給されるモータ駆動圧が所定値に達すると第二ピストンに対する供給圧の供給を停止させ、モータ駆動圧が所定値を超えないように制御する圧力補償弁と、負荷方向への失速を防止するカウンタバランス弁を備えた可変容量型油圧モータの制御装置において、前記圧力補償弁のセットスプリングに相対抗するパイロット油室に前記巻上げ側流路から巻上げ側パイロット流路を連通させ、前記巻下げ側流路からセットスプリング側のパイロット油室に巻下げ側パイロット流路を連通させ、この巻下げ側パイロット流路に圧力補償方式切換弁を介装すると共に、巻下げ操作されているときに、前記巻上げ側流路の圧力と前記巻下げ側流路の圧力との差圧が前記圧力補償弁の設定値以下の所定圧に達すると、前記圧力補償方式切換弁を、前記巻下げ側パイロット流路を遮断し、かつ前記圧力補償弁のパイロット油室をタンクに連通させる位置に切換える過負荷防止制御切換手段を設けたことを特徴とするものである。
【0019】
本発明の請求項2に係る可変容量型油圧モータの制御装置が採用した手段は、請求項1に記載の可変容量型油圧モータの制御装置において、前記圧力補償方式切換弁は油圧パイロット切換弁であって、前記過負荷防止制御切換手段は、巻下げ操作パイロット圧により切換作動し、パイロット圧源のパイロット圧を二次側に出力する巻下げ操作検出用油圧パイロット切換弁と、巻上げ側流路の可変容量型油圧モータとカウンタバランス弁間の圧力がセットプリングに相対抗する方向に導かれると共に、巻下げ側流路の圧力がセットスプリングと同方向に導かれ、前記巻上げ側流路の圧力と前記巻下げ側流路の圧力との差圧が前記圧力補償弁の設定値以下の所定圧に達したときに切換わり、前記巻下げ操作検出用油圧パイロット切換弁の二次側流路の圧力を前記圧力補償方式切換弁のパイロット油室に導く油圧切換弁とからなることを特徴とするものである。
【0020】
本発明の請求項3に係る可変容量型油圧モータの制御装置が採用した手段は、請求項1に記載の可変容量型油圧モータの制御装置において、前記圧力補償方式切換弁は電磁切換弁であって、前記過負荷防止制御切換手段は、巻下げ操作パイロット圧を検出する巻下げ操作パイロット圧力検出センサと、巻上げ側流路の可変容量型油圧モータとカウンタバランス弁間の圧力を検出する巻上げ側圧力検出センサと、巻下げ側流路の圧力を検出する巻下げ側圧力検出センサと、前記各圧力検出センサから圧力検出信号が入力され、巻下げ操作時に前記巻上げ側流路の圧力信号から得られる圧力と前記巻下げ側流路の圧力検出信号から得られる圧力との差圧が前記圧力補償弁の設定値以下の所定圧に達したときに前記圧力補償方式切換弁に切換信号を出力するコントローラとからなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0021】
本発明の請求項1に係る可変容量型油圧モータの制御装置では、軽量の吊荷を吊持しているフックを巻下げ操作する場合には、カウンタバランス弁のダンピング性能のために、暫くの間、巻下げ側流路と、巻上げ側流路の可変容量型油圧モータとカウンタバランス弁の間の流路とが高圧状態になっているが、巻上げ側流路の圧力と巻下げ側流路の圧力との差圧が圧力補償弁の設定値以下の所定圧に達するまでの間は,圧力補償方式切換弁が切換わるようなことがない。
【0022】
従って、本発明の請求項1に係る可変容量型油圧モータの制御装置によれば、圧力補償弁は差圧制御弁として機能し、ウインチの巻下げ速度が低速になってしまうことがないから、作業能率が低下するようなことがない。一方、吊荷が大荷重の場合の巻下げ操作時には、カウンタバランス弁のカウンタバランス作用があるが、巻上げ側流路の圧力と巻下げ側流路の圧力との差圧が圧力補償弁の設定値以下の所定圧に達すると、圧力補償方式切換弁が切換わって、巻下げ側パイロット流路が遮断され、かつ圧力補償弁のパイロット油室がタンクに連通するため、圧力補償弁は巻下げ側(巻上げ時の排出側)の圧力のみによる絶対圧制御弁として機能するため、回路的に不安定になるようなことがなく、ハンチング等の不安定挙動が発生するようなことがない。
【0023】
本発明の請求項2に係る可変容量型油圧モータの制御装置によれば、圧力補償方式切換弁は、巻上げ側流路の圧力と巻下げ側流路の圧力との差圧が圧力補償弁の設定値以下の所定圧に達したときに切換わる油圧切換弁から巻下げ操作検出用油圧パイロット切換弁の二次側流路の圧力がパイロット油室に導入されることによって切換えられる。
【0024】
本発明の請求項3に係る可変容量型油圧モータの制御装置によれば、圧力補償方式切換弁は、巻下げ操作パイロット圧を検出するパイロット圧検出センサと、巻上げ側流路の可変容量型油圧モータとカウンタバランス弁間の圧力を検出するモータ圧検出センサと、巻下げ側流路の圧力を検出する巻下げ圧検出センサから検出値が入力されコントローラからの切換信号によって切換えられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態1,2に係る可変容量型油圧モータの制御装置を説明する。
先ず、本発明の実施の形態1に係る可変容量型油圧モータの制御装置を、その油圧回路図の図1を参照しながら説明する。
【0026】
斜板の傾転角を変える方式の斜板形アキシャルピストンモータ、つまり可変容量型油圧モータ(以下、油圧モータという)1では、油圧式ピストン2の対向配設された第一、第二ピストン2a,2bで押されて斜板の傾転角が変ると、油圧モータ1のピストンストロークが変り、この油圧モータ1のモータ容量(1回転当りの必要油量)が変更されるように構成されている。この油圧モータ1のモータ容量を制御する制御装置は、油圧モータ1に組合わされており、斜板を駆動する油圧式ピストン2の他、スプール弁3、連結手段4、圧力補償弁5等から構成されている。
【0027】
油圧モータ1には、図示しない作動油供給源からモータ供給圧PaまたはPb(以下、モータ駆動圧という)の作動油が切換え供給される、巻上げ側流路6と巻下げ側流路7とからなるモータ駆動回路が接続されている。また、スプール弁3のパイロット油室には、圧力発生源からオペレータの操作で任意に設定されたパイロット圧Piが作用するパイロット流路13が連通している。そして、前記巻上げ側流路6から分岐した流路8が圧力補償弁5のポンプポートに連通し、この圧力補償弁5のアクチュエータポートは流路9を介してスプール弁3のポンプポートに連通している。
【0028】
前記スプール弁3のアクチュエータポートは流路10を介して、斜板の傾転角を小さくして油圧モータ1のモータ容量を小さくする第二ピストン2bの受圧部に連通している。
また、前記流路8から巻上げ側パイロット流路11が分岐しており、この巻上げ側パイロット流路11は前記圧力補償弁5のセットスプリング5bに相対抗するパイロット油室に連通している。また,この巻上げ側パイロット流路11から流路12が分岐しており、この流路12は斜板の傾転角を大きくして油圧モータ1のモータ容量を大きくする第一ピストン2aの受圧部に連通している。前記第二ピストン2bの受圧部は、前記第一ピストン2aの受圧部よりも受圧面積が大きく設定されており、両方に同圧のモータ駆動圧PaまたはPbが作用する場合、第二ピストン2bによって押されて斜板の傾転角が小さくなるようになっている。
【0029】
前記圧力補償弁5のセットスプリング5b側のパイロット油室には、巻下げ側流路7から、油圧パイロット切換式の圧力補償方式切換弁18が介装されてなる巻下げ側パイロット流路14が連通している。この圧力補償方式切換弁18は、油圧モータ1が巻下げ側に操作されているときに、前記巻上げ側流路6の圧力と前記巻下げ側流路7の圧力との差圧が前記圧力補償弁5の設定値以下の所定圧に達すると、後述する構成になる過負荷防止制御切換手段20からのパイロット圧により切換えられ、前記巻下げ側パイロット流路14を遮断し、かつ前記圧力補償弁5のセットスプリング5b側のパイロット油室をタンクTに連通させるため、圧力補償弁5は絶対圧制御型の弁として機能するようになっている。
勿論、この圧力補償方式切換弁18が切換えられない場合には、セットスプリング5bに相対抗するパイロット油室に巻上げ側流路6の圧力が導入されると共に、巻下げ側パイロット流路14から巻下げ側流路7の圧力が導入されるため、圧力補償弁5は差圧制御型の弁として機能するようになっている。
【0030】
前記過負荷防止制御切換手段20は、巻下げ操作検出用パイロット切換弁21と、この巻下げ操作検出用パイロット切換弁21からのパイロット圧を圧力補償方式切換弁18のパイロット油室に供給する油圧切換弁23等から構成されている。より詳しくは、前記巻下げ操作検出用パイロット切換弁21は、巻下げ圧Pcにより切換わり、図示しないパイロット圧源のパイロット圧Pを、二次側流路22を介して油圧切換弁23に出力するものである。この油圧切換弁23は2位置の切換弁で、この油圧切換弁23のセットスプリング23bに相対抗する側のパイロット油室に、巻上げ側流路6の油圧モータ1とカウンタバランス弁6a間の圧力が流路17を介して導入されるようになっている。また、セットスプリング23b側のパイロット油室に巻下げ側流路7の圧力が流路16を介して導入されるようになっている。前記油圧切換弁23から前記圧力補償方式切換弁18のパイロット油室に流路24が連通している。
【0031】
なお、符号15aはオーバーロードリリーフ弁であり、前記巻上げ側流路6のカウンタバランス弁6aから流路8の分岐部までの間と、前記巻下げ側流路7の間を連通する流路15に介装されており、巻下げ急停止時に発生する過大なサージ圧力をカットしてモータ等の機器を保護するために設けられている。
【0032】
以下、本実施の形態1に係る油圧モータの制御装置の作用態様を説明する。前記スプール弁3のパイロット油室に、パイロット流路13から外部パイロット圧Piの値としてPibが導入されており、油圧モータ1のモータ容量が最小容量qaになっている状態において、巻下げ操作されて巻下パイロット圧が発生したときの圧力補償弁5の作動について説明する。このとき、巻下パイロット圧Pcにより巻下げ操作検出用パイロット切換弁21が切換わり、パイロット圧源のパイロット圧Pが二次側流路22に伝達されている。
【0033】
先ず、巻下げ荷重が軽荷重である場合を説明する。この場合、巻下げ操作開始時には暫くの間、カウンタバランス弁6aのタンピング性能により、このカウンタバランス弁6aのスプールの開度が小さいままになっており、カウンタバランス状態になるまでに時間がかかる。吊荷の負荷に応じて発生する保持圧が低く、カウンタバランス弁6aのスプール開口部の前後差圧も小さいので、ポンプ流量(モータ供給流量)とバランスする大きなスプール開度に至るまでに時間を要してしまい、その間、巻下げ側流路7、巻上げ側流路6の両側が高圧状態になる。そのため、これら巻下げ側流路7と、巻上げ側流路6のそれぞれから分岐して油圧切換弁23の両パイロット油室に連通する流路17、16の圧力も両方が高圧状態となり、差圧は小さく所定圧Pに達しないので、油圧切換弁23は切換わらず、図1に示す位置で維持される。
【0034】
この状態では、油圧切換弁23から圧力補償方式切換弁18のパイロット油室に連通する流路24は油圧切換弁23を介してタンクTに連通していて、圧力補償方式切換弁18は切換わっていないので、巻下げ側流路7の圧力が巻下げ側パイロット流路14を介して圧力補償弁5のセットスプリング5b側のパイロット室に導入されている。一方、巻上げ流路6の圧力が流路8、巻上げ側パイロット流路11を介してセットスプリング5bに相対抗する側のパイロット油室に導入されているため、この圧力補償弁5は差圧制御型の弁として機能する。従って、巻下げ側流路7、巻上げ側流路6の両側が高圧状態になっていても、圧力補償弁5が作動しないためモータ容量が大容量化せず、油圧モータ1は最小容量qaで回転し続け、ウインチの巻下速度は最高速度で巻下がることになるから、加速性能は良好となる。
【0035】
次に、巻下げ荷重が重荷重である場合を説明する。巻下げ操作開始時には、カウンタバランス弁6aはダンピング性能の影響を受けるが、吊荷負荷に応じて巻上げ側流路6に発生する保持圧が大きいので、カウンタバランス弁6aのスプール開口部の前後の差圧も大きく、ポンプ流量(モータ供給流量)とバランスするスプール開度は小さくて良く、その開度に至るまでの時間は短い。そして、カウンタバランス弁6aがカウンタバランス状態になると、巻下げ側流路7側の巻下げ時における供給圧は低圧、巻上げ側流路6側の巻下げ時における保持圧は高圧状態になる。
【0036】
巻下げ時における保持圧と巻下げ時における供給圧との差圧、つまり巻上げ側流路6の圧力と巻下げ側流路7の圧力との差圧が所定圧Pに達すると、油圧切換弁23が切換わり、流路22と流路24が連通して圧力補償方式切換弁18のパイロット油室にパイロット圧源のパイロット圧Pが導入されるため、この圧力補償方式切換弁18が切換わる。従って、パイロット流路14はタンクTに連通する一方、圧力補償弁5のセットスプリング5bに相対抗する側のパイロット油室に、巻上げ側流路6から流路8、巻上げ側パイロット流路11を介して巻下時における保持圧のみが導入されるため、この圧力補償弁5は絶対圧制御型の弁として機能する。
【0037】
上記のとおり、巻上げ側流路6は高圧状態になっているので、巻上げ側流路6の圧力がPに達すると、圧力補償弁5が作動するため、油圧モータ1は圧力一定制御により運転される。巻下荷重が重荷重である場合には、カウンタバランス弁6aのカウンタバランス作用もあって、供給側と排出側の圧力変動が逆位相になり易いが、圧力補償弁5の作動は絶対圧制御により行われるので、圧力補償弁5が圧力変動を増幅してハンチングなどの振動を発生させるようなことがない。
【0038】
次に、本発明の実施の形態2に係る油圧モータの制御装置を、その油圧回路図の図2を参照しながら説明する。なお、本実施の形態2が上記実施の形態1と相違するところは、圧力補償方式切換弁が電磁切換弁に置換したところにあり、主要部は上記実施の形態1に係る油圧回路図の主要部と同構成であるから、同一のものに同一符号を付して、主として相違する点について説明する。
【0039】
巻下げ側流路7から圧力補償弁5のセットスプリング5b側のパイロット油室に連通する巻下げ側パイロット流路14には、コントローラ31によって切換制御される電磁切換式の圧力補償方式切換弁18が介装されている。前記コントローラ31には、油圧モータ1の回転速度や回転方向を制御するリモートコントロール弁19の巻下げ側パイロット流路のパイロット圧を検出する巻下げ操作パイロット圧力検出センサ32、巻下げ側流路7の圧力を検出する巻下げ側圧力検出センサ33、巻上げ側流路6の油圧モータ1とカウンタバランス弁6a間の圧力を検出する巻上げ側圧力検出センサ34のそれぞれから圧力検出信号が入力されるようになっている。
【0040】
前記コントローラ31は、巻下げ操作パイロット圧力検出センサ32からの圧力検出信号からリモートコントロール弁19が巻下げ側、巻上げ側の何れに操作されているかを判断する。そして、前記コントローラ31は、巻下げ側に操作されていると判断すると、前記巻上げ側圧力検出センサ34から入力された巻上げ側流路6の圧力信号から得られる圧力と、前記巻下げ側圧力検出センサ33から入力された巻下げ側流路7の圧力検出信号から得られる圧力との差圧を演算する。演算により得られた差圧が、前記圧力補償弁5の設定値以下の所定圧Pwに達したときに、前記圧力補償方式切換弁18に切換信号を出力するように構成されている。なお、本実施の形態2における過負荷防止制御切換手段30は、コントローラ31、巻下げ操作パイロット圧力検出センサ32、巻下げ側圧力検出センサ33、および巻上げ側圧力検出センサ34から構成されている。
【0041】
本発明の実施の形態2に係る油圧モータの制御装置の作用態様を説明する。前記スプール弁3のパイロット油室に、パイロット流路13から外部パイロット圧Piの値としてPibが導入されており、油圧モータ1のモータ容量が最小容量qaになっている状態において、巻下げ操作されて巻下パイロット圧が発生したときの圧力補償弁5の作動について説明する。このとき、巻下げ操作パイロット圧力検出センサ32により巻下パイロット圧Pcが検出されており、コントローラ31に巻下げ操作検出信号が入力されている。
【0042】
先ず、巻下げ荷重が軽荷重である場合を説明する。この場合、巻下げ操作開始時には暫くの間、カウンタバランス弁6aのタンピング性能により、このカウンタバランス弁6aのスプールの開度が小さいままになっており、カウンタバランス状態になるまでに時間がかかる。吊荷の負荷に応じて発生する保持圧が低く、カウンタバランス弁6aのスプール開口部の前後差圧も小さいので、ポンプ流量(モータ供給流量)とバランスする大きなスプール開度に至るまでに時間を要してしまい、その間、巻下げ側流路7、巻上げ側流路6の両側が高圧状態になる。これら巻下げ側流路7と、巻上げ側流路6の圧力が巻上げ側圧力検出センサ34、巻下げ側圧力検出センサ33により検出された圧力検出信号としてコントローラ31に入力されるが、これら圧力検出信号から得られる圧力の差圧は小さく所定圧Pに達しないので、コントローラ31から圧力補償方式切換弁18に切換信号は出力されない。
【0043】
この状態では、巻下げ側流路7の圧力が巻下げ側パイロット流路14を介して圧力補償弁5のセットスプリング5b側のパイロット室に導入されている。一方、巻上げ流路6の圧力が流路8、巻上げ側パイロット流路11を介してセットスプリング5bに相対抗する側のパイロット油室に導入されているため、この圧力補償弁5は差圧制御型の弁として機能する。従って、巻下げ側流路7、巻上げ側流路6の両側が高圧状態になっていても、圧力補償弁5が作動しないためモータ容量が大容量化せず、油圧モータ1は最小容量qaで回転し続け、ウインチの巻下速度は最高速度で巻下がることになるから、加速性能は良好となる。
【0044】
次に、巻下げ荷重が重荷重である場合を説明する。巻下げ操作開始時には、カウンタバランス弁6aはダンピング性能の影響を受けるが、吊荷負荷に応じて巻上げ側流路6に発生する保持圧が大きいので、カウンタバランス弁6aのスプール開口部の前後の差圧も大きく、ポンプ流量(モータ供給流量)とバランスするスプール開度は小さくて良く、その開度に至るまでの時間は短い。そして、カウンタバランス弁6aがカウンタバランス状態になると、巻下げ側流路7側の巻下げ時における供給圧は低圧、巻上げ側流路6側の巻下げ時における保持圧は高圧状態になる。
【0045】
これら巻下げ側流路7と、巻上げ側流路6の圧力が巻上げ側圧力検出センサ34、巻下げ側圧力検出センサ33により検出された圧力検出信号としてコントローラ31に入力されるが、これら圧力検出信号から得られる圧力の差圧が所定圧Pに達すると、コントローラ31から圧力補償方式切換弁18に切換信号が出力されるため、この圧力補償方式切換弁18が切換わる。従って、パイロット流路14はタンクTに連通する一方、圧力補償弁5のセットスプリング5bに相対抗する側のパイロット油室に、巻上げ側流路6から流路8、巻上げ側パイロット流路11を介して巻下時における保持圧のみが導入されるため、この圧力補償弁5は絶対圧制御型の弁として機能する。
【0046】
上記のとおり、巻上げ側流路6は高圧状態になっているので、巻上げ側流路6の圧力がPに達すると、圧力補償弁5が作動するため、油圧モータ1は圧力一定制御により運転される。巻下荷重が重荷重である場合には、カウンタバランス弁6aのカウンタバランス作用もあって、供給側と排出側の圧力変動が逆位相になり易いが、圧力補償弁5の作動は絶対圧制御により行われるので、圧力補償弁5が圧力変動を増幅してハンチングなどの振動を発生させるようなことがない。
【0047】
なお、本発明の上記実施の形態1,2に係る油圧モータの制御装置は、何れも本発明の具体例に過ぎないから、上記実施の形態1,2に係る油圧モータの制御装置の形態に限定されるものではなく、また本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内における設計変更等は自由自在である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態1に係る油圧モータの制御装置の油圧回路図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係る油圧モータの制御装置の油圧回路図である。
【図3】従来例1に係り、油圧モータの容量制御と過負荷防止制御を行う制御装置の油圧回路図である。
【図4】従来例1に係り、油圧モータの制御装置による入力パイロット圧とモータ容量の関係を示す図である。
【図5】従来例1に係り、油圧モータのモータ駆動圧とモータ容量の関係を示す図である。
【図6】従来例1に係り、油圧モータのモータ出力トルクとモータ回転速度の関係を示す図である。
【図7】従来例2に係り、油圧モータの制御装置を簡略化した油圧回路図である。
【符号の説明】
【0049】
1…油圧モータ,2…油圧式ピストン,2a…第一ピストン,2b…第二ピストン,3…スプール弁,4…連結手段,5…圧力補償弁,5b…セットスプリング,6…巻上げ側流路,6a…カウンタバランス弁,7…巻下げ側流路,8…流路,9…流路,10…流路
11…巻上げ側パイロット流路,12…流路,13…パイロット流路,14…巻下げ側パイロット流路,15…流路,15a…オーバーロードリリーフ弁,16…流路,17…流路,18…圧力補償方式切換弁,19…リモートコントロール弁
20…過負荷防止制御切換手段,21…巻下げ操作検出用パイロット切換弁,22…二次側流路,23…油圧切換弁,23b…セットスプリング,24…流路
30…過負荷防止制御切換手段,31…コントローラ,32…巻下げ操作パイロット圧力検出センサ,33…巻下げ側圧力検出センサ,34…巻上げ側圧力検出センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータの傾転角を大きくする第一ピストンおよび傾転角を小さくする第二ピストンを有する油圧式ピストンを備え、パイロット圧に応じて第二ピストンへの流体の供給を切換えるスプールと、傾転の変位を伝達するフィードバックレバーを介して移動して第二ピストンへの流体の供給を遮断するスリーブとからなり、傾転角を一意に定めるスプール弁を備え、巻上げ側流路と巻下げ側流路とからなるモータ駆動回路を介してモータに供給されるモータ駆動圧が所定値に達すると第二ピストンに対する供給圧の供給を停止させ、モータ駆動圧が所定値を超えないように制御する圧力補償弁と、負荷方向への失速を防止するカウンタバランス弁を備えた可変容量型油圧モータの制御装置において、前記圧力補償弁のセットスプリングに相対抗するパイロット油室に前記巻上げ側流路から巻上げ側パイロット流路を連通させ、前記巻下げ側流路からセットスプリング側のパイロット油室に巻下げ側パイロット流路を連通させ、この巻下げ側パイロット流路に圧力補償方式切換弁を介装すると共に、巻下げ操作されているときに、前記巻上げ側流路の圧力と前記巻下げ側流路の圧力との差圧が前記圧力補償弁の設定値以下の所定圧に達すると、前記圧力補償方式切換弁を、前記巻下げ側パイロット流路を遮断し、かつ前記圧力補償弁のパイロット油室をタンクに連通させる位置に切換える過負荷防止制御切換手段を設けたことを特徴とする可変容量型油圧モータの制御装置。
【請求項2】
前記圧力補償方式切換弁は油圧パイロット切換弁であって、前記過負荷防止制御切換手段は、巻下げ操作パイロット圧により切換作動し、パイロット圧源のパイロット圧を二次側に出力する巻下げ操作検出用油圧パイロット切換弁と、巻上げ側流路の可変容量型油圧モータとカウンタバランス弁間の圧力がセットプリングに相対抗する方向に導かれると共に、巻下げ側流路の圧力がセットスプリングと同方向に導かれ、前記巻上げ側流路の圧力と前記巻下げ側流路の圧力との差圧が前記圧力補償弁の設定値以下の所定圧に達したときに切換わり、前記巻下げ操作検出用油圧パイロット切換弁の二次側流路の圧力を前記圧力補償方式切換弁のパイロット油室に導く油圧切換弁とからなることを特徴とする請求項1に記載の可変容量型油圧モータの制御装置。
【請求項3】
前記圧力補償方式切換弁は電磁切換弁であって、前記過負荷防止制御切換手段は、巻下げ操作パイロット圧を検出する巻下げ操作パイロット圧力検出センサと、巻上げ側流路の可変容量型油圧モータとカウンタバランス弁間の圧力を検出する巻上げ側圧力検出センサと、巻下げ側流路の圧力を検出する巻下げ側圧力検出センサと、前記各圧力検出センサから圧力検出信号が入力され、巻下げ操作時に前記巻上げ側流路の圧力信号から得られる圧力と前記巻下げ側流路の圧力検出信号から得られる圧力との差圧が前記圧力補償弁の設定値以下の所定圧に達したときに前記圧力補償方式切換弁に切換信号を出力するコントローラとからなることを特徴とする請求項1に記載の可変容量型油圧モータの制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2008−82488(P2008−82488A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−265012(P2006−265012)
【出願日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【出願人】(304020362)コベルコクレーン株式会社 (296)
【Fターム(参考)】