説明

可変照明設定を有するマスク検査顕微鏡

マスク検査中に、ウェーハ露光中に同じく発生する欠陥を識別する必要がある。従って、レジスト内に生成される空間像と検出器上に生成される空間像とは、できる限り同じでなければならない。同等の像生成を提供するために、マスク検査中に照明及び物体側の開口数は、使用されるスキャナに適合される。本発明は、照明を可変的に設定するためのマスク検査顕微鏡に関する。マスク検査顕微鏡は、物体平面に配置されたレチクル(145)の構造(150)の像をマスク検査顕微鏡の視野平面に生成するように機能する。マスク検査顕微鏡は、投影光を放出する光源(5)と、少なくとも1つの照明ビーム経路(3,87,88)と、物体平面に対して光学的に共役な照明ビーム経路(3,87,88)の瞳平面(135)内に投影光の結果的強度分布を生成するための絞りとを含む。本発明により、絞りは、投影光の結果的強度分布が、最小強度値と最大強度値の間に少なくとも1つの更に別の強度値を有するような方法で具現化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許明細書は、投影光を放出する光源と、少なくとも1つの照明ビーム経路と、投影光の結果的強度分布を物体平面に対して光学的に共役な照明ビーム経路の瞳平面に生成するためにマスク検査顕微鏡の瞳平面に配置された絞りとを含む物体平面に配置されたレチクルの構造の像をマスク検査顕微鏡の視野平面に生成するためのマスク検査顕微鏡に関する。
【0002】
更に、本特許明細書は、マスク検査顕微鏡の瞳平面内の使用のための絞り、及び適切な絞りを生成する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
半導体構成要素を生成するためのリソグラフィでは、レチクル(同義的にマスクとも呼ばれる)の構造が、感光層であるレジストで被覆されたウェーハ上に投影される。マスク検査顕微鏡の場合には、レチクルの構造は、例えば、CCDチップ(電荷結合デバイス)のような感光空間解像検出器上に投影される。この場合、潜在的に存在する構造欠陥をより正確に識別するために、例えば、150倍だけ拡大される。ウェーハ上への投影中に構造は縮小方式で結像され、現在の装置では、通常は、構造は4倍だけ縮小される。
【0004】
マスク検査中には、主にウェーハ露光中に同様に発生する欠陥が重要であり、レジスト内に生成される空間像と検出器上に生成される空間像とは、異なる結像スケールは別としてできる限り同じでなければならない。同等の像生成を提供するために、マスク検査中に、使用される波長、照明、及び物体側の開口数は、使用されるスキャナに適合される。
【0005】
マスク検査顕微鏡の更に別の形態は、レチクルを測定するように機能し、位置合せツールとも呼ばれるものである。特殊マーカ(位置合せパターン)の位置又はレチクルの構造の特徴部の位置、例えば、特定の縁部の位置が識別される。確立された従来の照明設定及び軸外照明設定では、コントラストを最適化するための照明が使用される。従って、位置合せ測定の精度は高い。
【0006】
マスク検査顕微鏡は、透過又は反射で作動させることができる。レチクルの像は、マスクを通じた投影光の透過、又はマスクの面における投影光の反射のいずれかの後にもたらされる。両方の可能性を組み合わせることができる。
【0007】
スキャナでは、ウェーハ露光に対して照明が、各場合に結像されるレチクルの構造に従って最適化される。マスク検査顕微鏡の照明ビーム経路の瞳平面内の照明の強度分布を表す異なる照明設定が使用される。異なるコヒーレンス度を有する従来照明設定、及び例えば環状照明及び二重極又は四重極照明のような軸外照明設定が通例のものである。軸外の斜照明を生成するための照明設定によって焦点深度及び/又は解像力が高められる。リソグラフィでは、スキャナの結像機能から構成される絶えず高まる厳しい要件を満たすために、常により高度な照明設定が使用される。例えば、低シグマの環状とクエーサーとの組合せ、90°対称性を持たないクエーサー等である。「計算スケーリング」方式と呼ばれるスキャナの結像の解像度を高める方法の場合には、強度分布が最小値と最大値に沿って細かく階調付けられる照明設定が計算される。
【0008】
スキャナでは、照明のコヒーレンス度がズームレンズを用いて設定される。環状照明は、回転対称アキシコンを用いて得られ、例えば、四重極照明のような多重極照明は、例えば、ピラミッド形アキシコン又は対応する回折光学要素(DOE)を用いて得ることができる。アキシコンを変位させることにより、照明設定を広い範囲で変更することができる。環状照明の場合には、この変位によって投影光の内側コヒーレンスが判断される。ズームアキシコンの場合には、外側コヒーレンスが同時に定められる。独立して使用されるか、又はアキシコン及び/又はズームレンズと併用される特殊な回折光学要素(DOE)を用いて、いずれの更に別の照明設定も生成することができる。
【0009】
マスク検査顕微鏡の場合には、スキャナの場合よりも小さい像視野を有する光学ユニットが使用される。マスク検査顕微鏡の場合には照明強度から構成される要件は低いので、照明設定は、単純な絞りを用いて得られる。この場合、1つの絞りが各照明設定において必要とされる。これらの絞りは、光透過領域及び光不透過領域を用いて、マスク検査顕微鏡の瞳平面内の照明の強度分布を判断する。例えば、DUV範囲の波長を有する(波長が、例えば、248nm又は193nmである)投影光による照明の場合には、絞りは、ガラス上のクロムで生成される。これらの絞りは、光透過位置において対応する開口部を有する金属薄板又は他の適切な材料から製造することができる。絞りによって生成される強度分布のマグニチュードは、ズームレンズとの組合せによって変更される。
【0010】
これらの絞りは、瞳平面内の強度分布がいわゆる「トップハット」分布を有する照明設定のみを可能にする。言い換えれば、強度分布は、最大強度を有する領域と最小強度を有する領域のみを有する。低輝度領域と高輝度領域の間の勾配は非常に急である。
【0011】
スキャナの場合には、連続的な強度分布を有する照明設定が使用される。言い換えれば、最大強度と最小強度の間に更に別の階調が発生する。高強度の領域と低強度の領域の間の遷移は、浅い勾配を有する場合がある。例示的に、アキシコンを用いて得ることができる環状照明の場合には、勾配は、以前の絞りによって生成された環状照明の場合よりも小さい。これらの小さい勾配は、これまでマスク検査で公知の上述の絞りを用いては達成することができなかった。「計算スケーリング」を用いて計算された細かく階調付けられた強度値を有する上述の照明設定は、これまでは達成することができなかった。
【0012】
これは、照明設定をスキャナに適応させるために多くの異なる照明設定をマスク検査顕微鏡に対して可能にすべきであることを意味する。スキャナのための新しい照明設定が見つかるや否や、これらの照明設定は、同様にマスク検査顕微鏡に対しても可能にされるべきである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
従って、本発明の目的は、照明設定をスキャナの照明設定に、より一層正確には、簡単で費用効率の良い方式で適応させることを可能にするマスク検査顕微鏡を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明により、この目的は、投影光の結果的強度分布が、最小強度値と最大強度値の間に少なくとも1つの更に別の強度値を有するような方法で具現化された絞りを含むマスク検査顕微鏡によって達成される。
【0015】
それによって結果的強度分布の高輝度領域と低輝度領域の間のより細かい階調が可能になるので、これまで可能であったものよりも正確にスキャナの照明設定を模擬することができる。
【0016】
例えば、物体平面に対して光学的に共役な瞳平面の投影光の結果的強度分布は、例えば、照明ビーム経路のコンデンサー内に位置する実瞳平面の強度分布とすることができる。強度分布が物体平面内でのみ得られる場合には、仮想瞳平面の強度分布を考えなければならない。物体平面に対して光学的に共役な実瞳平面又は仮想瞳平面の投影光の結果的強度分布を以下では短く「結果的強度分布」とも呼ぶ。
【0017】
使用される投影光は、いずれかの形態の電磁放射線、従って、例えば、365nm、248nm、193nmの波長を有するDUV範囲のエキシマレーザからのレーザ放射線又は13.5nmの波長を有するEUV放射線とすることができる。従って、絞りは、使用される波長において必要とされる強度の放射線に耐えるように構成すべきである。
【0018】
空間像を記録するための検出器は、例えば、物体平面内のレチクルが最終的に結像されるマスク検査顕微鏡の視野平面に配置することができる。この場合、データは、更に設けられるデータ処理システムによって更に処理することができる。
【0019】
レチクル上に存在する構造が結像される。単純なマスクの場合には、この構造は、ガラス上に置かれたクロム層によって定めることができる。例えば、交替位相シフトマスク又は減衰位相シフトマスクのような異なる種類の位相シフトマスクの場合にも、レチクル上に存在する構造が同様に結像される。
【0020】
本発明の更に別の構成では、絞りは、光透過ピクセル及び光不透過ピクセルから構成される少なくとも1つの領域を有し、上述の少なくとも1つの更に別の強度値が、この少なくとも1つの領域によって形成されるようにする。
【0021】
この対処法は、そのような絞りは製造することが簡単であるという利点を有する。この利点は、この場合、絞りのいかなる透過率階調も必要ではないことに起因する。最大光透過区画と最大光不透過区画を形成するだけでよく、これらの区画をピクセルと呼ぶ。これは、光透過基板から始めて、それを光不透過位置において光不透過層で被覆することで行うことができる。光透過基板は、最初に光不透過層で完全に被覆することができる。この場合、光透過ピクセルは、光不透過層を除去することによって形成することができる。例示的に、板は、石英ガラスから形成することができ、その面はクロムで完全に被覆される。クロムは、光透過位置において除去される。上記に関する方法は、リソグラフィにおけるマスク製造から公知である。更に別の可能性は、空間光変調器を使用することである。空間光変調器は、ピクセルとして具現化される個別の領域に再分割され、これらの領域をデータ処理システムを用いて光透過状態又は高不透過状態又は反射状態又は非反射状態に切り換えることができる。この場合、照明設定を迅速で簡単な方式で変更することができる。絞りを反射に使用することができる。この場合、これらの絞りは、光透過ピクセル及び光不透過ピクセルの代わりに光反射ピクセル及び光吸収ピクセルを有する。そのような絞りは、例えば、EUV範囲の投影光の場合に使用することができる。
【0022】
本発明の更に別の構成では、少なくとも1つの領域は、上部に光不透過ピクセルが配置された光透過領域として具現化される。
【0023】
この対処法は、例えば、ピクセル化された領域の全空き面積が、領域の全面積の特定の割合よりも小さい場合に使用される。正方形ピクセルの場合には、この割合は50%である。
【0024】
この対処法は、絞りの製造中の製造公差が低い重要度のものであるという利点を有する。ピクセル区域にわたる縁部長さの比率が小さい程、製造公差は重要度が低いので、ピクセルの縁部の長さ、すなわち、光透過領域と光不透過領域の間の境界は最小にされる。
【0025】
本発明の更に別の構成では、少なくとも1つの領域は、上部に光透過ピクセルが配置された光不透過領域として具現化される。
【0026】
この対処法は、例えば、ピクセル化された領域の全空き面積が、領域の全面積の特定の割合よりも大きい場合に使用される。正方形ピクセルの場合には、この割合は50%である。
【0027】
この対処法は、絞りの製造中の製造公差が低い重要度のものであるという上述の対処法と同じ利点を有する。
【0028】
本発明の更に別の構成では、ピクセル間の距離は、絞りで回折される投影光のうちのゼロ次の回折次数のものだけが、少なくとも1つの更に別の強度値に寄与するような方法で具現化される。
【0029】
この対処法は、ピクセルが、結果的瞳平面内で結像されないという利点を有する。それによって結果的強度分布の均一性が保証される。
【0030】
高い回折次数の投影光が照明ビーム経路を離れるように、高い回折次数の投影光の回折角を非常に大きく、すなわち、ピクセル間の距離を非常に小さく選ばなければならない。高い回折次数の投影光は、回折角が、絞りの位置での照明ビーム経路の開口数(NA)の2倍よりも大きい場合に照明ビーム経路を離れる。代替的に、これらの投影光は、照明ビーム経路に配置された視野遮光器によって除外される。
【0031】
絞りの位置でのNAは、以下の通りに推定することができる。光源から(ホモジナイザーが使用される場合には、その下流から)マスクへのマスク検査顕微鏡のエタンデュが一定であると仮定する。次式が成り立つ。
エタンデュ=NA*ビーム直径
【0032】
マスク上のビーム直径をdmで表し、絞りの位置でのビーム直径をdBで表し、マスクの位置での開口数をNAMで表す。この場合、絞りの位置での開口数NABに対して次式が成り立つ。
NAB=NAM*m/dB
【0033】
ビーム経路から投影光の全ての回折部分を除去するために、ピクセル間の距離は、回折角αが、絞りの位置でのNABの2倍よりも大きくなるように又はそれに等しくなるように選ばなければならない。すなわち、次式が成り立つ。
sinα=λ/ρ≧(2NAB
p≦λ/(2NAB
【0034】
本発明の更に別の構成では、マスク検査顕微鏡は、絞りで回折される高い回折次数の投影光を遮光する視野遮光器を含む。
【0035】
この対処法は、結果的強度分布の均一性に影響を及ぼすことなく、視野遮光器上で小さい回折角、従って、大きいピクセル間距離が可能になるという利点を有する。
【0036】
本発明の更に別の構成では、絞り上のピクセルの解像度は、最小構造特徴部当たり少なくとも2ピクセルである。
【0037】
最小構造特徴部は、例えば、最小直径を有する二重極の極、又は環状照明の場合は最小リング幅のような絞り上に表される最小寸法を意味すると理解すべきである。強度勾配の場合には、最高強度から最低強度への最大勾配の遷移を最小構造特徴部として特徴付けることができる。
【0038】
絞り上のピクセルの解像度は、結果的強度分布の望ましい最小解像度よりも、例えば、2倍から20倍だけ大きい。
【0039】
本発明の一構成では、ピクセルは確率的な方式で配置され、これは、その結果としていかなるラスタも結果的瞳平面に結像されないからである。
【0040】
この対処法は、例えば、ピクセル間の距離が、少なくとも部分的に、回折された投影光のうちのゼロ次及び少なくとも1つの更に別の回折次数のものが上述の少なくとも1つの更に別の強度値に寄与するような方法で具現化される場合に有利である。ピクセル間の距離が上述の制限値を超えた場合には、少なくとも2つの回折次数のもの干渉の結果として、結果的瞳平面にピクセルが結像される。そのような絞りの場合には、十分なマグニチュードを有する解像度、すなわち、構造ユニット当たりのピクセル数又は面積当たりのピクセルを選択することが有利である。
【0041】
本発明の更に別の構成では、少なくとも1つの更に別の強度値は、ピクセルのサイズによって変化する。
【0042】
この対処法は、例えば、少なくとも1つの強度値に対してゼロ次の回折次数の投影光のみが使用される対処法と併用される。この場合、強度値は、ピクセル間の定められた距離により、すなわち、固定的に所定の回折角によって変更することができる。
【0043】
本発明の更に別の構成では、少なくとも1つの更に別の強度値は、ピクセル間の距離によって変化する。
【0044】
この対処法は、例えば、ピクセルの確率的配列と併用される。
【0045】
絞り上のピクセルのサイズ及びピクセル間の距離の変更を必要に応じて組み合わせることができる。
【0046】
本発明の更に別の構成では、ピクセルは、絞り上に確率的に配置される。
【0047】
結果的瞳平面内での結像を可能にするピクセル間距離が選択された場合には、確率的分散は、ラスタが結果的強度分布に結像されるのを阻止する。
【0048】
本発明の更に別の構成では、ピクセルは、正方形方式に具現化される。
【0049】
この対処法は、区域的に途切れのないピクセル配列が可能になるという利点を有する。
【0050】
ピクセルは、例えば、正方形ラスタで配置することができる。
【0051】
本発明の更に別の構成では、絞りは、少なくとも1つの更に別の強度値が形成されるように投影光に対して位置依存方式で変化する透過率を有する。
【0052】
絞りの透過率を細かく階調付けることができ、絞りの区域にわたって可能な透過率変化の空間的解像度が高いので、この対処法は、高い解像度の結果的強度分布が可能になるという利点を有する。特に、異なる強度値の間の遷移を連続的な方式で形成することができる。
【0053】
本発明の更に別の構成では、絞りは、透過率を変更するために少なくとも1つの吸光剤層を有する。
【0054】
この対処法の場合には、絞りは、投影光を少なくとも部分的に吸収又は散乱する可変厚の材料で被覆される。
【0055】
本発明の更に別の構成では、絞りは、透過率を変更するために少なくとも1つの誘電体反射層を有する。
【0056】
一構成では、2つの誘電体反射層が、少なくとも1つの層対で配置される。層対の各々は、高屈折率を有する材料に続く低屈折率を有する材料から構成される層から構成される。誘電体反射層は、投影光に対して可能な最も高い透過率を有する担体板上に付加することができる。波長λ=193nmを有する投影光の場合には、この担体板は、例えば、石英ガラスである。
【0057】
この場合、一変形では、透過率は、層対の数によって変更される。層対の数が大きい程、透過率が低くなる。この場合、層の厚みは、例えば、投影光の波長の4分の1である。
【0058】
更に別の変形では、透過率を変更するために層対の層厚が変更される。層厚が投影光の波長の4分の1から外れる程度が大きい程、透過率は大きくなる。層対の数と層厚とを併せて変更することができる。
【0059】
誘電体反射層の厚みは、投影光の波長に適合される。層の数が大きい程、これらの層においてより多くの光が反射され、透過率はより低い。本発明の一構成では、層は対で配置される。層対は、各場合に1つの低屈折率誘電体層と1つの高屈折率誘電体層とから形成することができる。
【0060】
この対処法は、投影光のいかなるエネルギも絞り内に吸収されないという利点を有する。このエネルギは、絞りの加熱又は破壊を招く場合があるから、これらの絞りでは、高強度の投影光に耐える絞りをより簡単に達成することができる。
【0061】
本発明の更に別の構成では、第1の絞り又は更に別の絞りとして使用される少なくとも2つの絞りが、絞り板上にその個々の絞りが絞り板の移動によって変更されるように配置される。
【0062】
絞り板は、絞り板を変位させることによって望ましい絞りを照明ビーム経路に導入することができるようにマウントを用いて照明ビーム経路内の望ましい位置に配置することができる。この変位は、例えば、圧電要素又は電気モータのような駆動体を用いて行うことができる。簡単に絞り板を交換することによって多数の更に別の絞りを利用することができるように、異なる絞り板を設けることができる。
【0063】
絞り板のマウントは、交換が簡単な方式で可能であるが、マウントに対する絞り板の位置が高精度で定められるように構成される。繰返し着脱の場合には、照明ビーム経路内の位置決めの再現性は、非常に高くなくてはならない。
【0064】
絞り板は、特殊マウントを用いて照明ビーム経路に導入されるマスクの形態を有することができる。この絞り板は、マスク製造における従来の方法を用いてそのような絞りを生成することができるという利点を有する。
【0065】
1つ及び/又は複数の照明ビーム経路に同時に配置される複数の絞り板の使用では、異なる絞り板のそれぞれの絞りを組み合わせることにより、組合せの可能性の数は一層高い。
【0066】
この対処法は、迅速で簡単な方式で交換することができる多数の異なる絞りが簡単な方式で利用可能であるという利点を有する。
【0067】
本発明の更に別の構成では、絞り板上の絞りの位置に関する情報を有するデータ記録が、各絞り板に関して存在する。
【0068】
この対処法は、例えば、ユーザの選択に従った又はデータ処理システムのアルゴリズムを用いた絞り板の絞りの自動位置決め及び特定の性質を有する絞りの選択を可能にする。
【0069】
絞りの位置は、例えば、絞り板上の基準点を起点とする絞りの中点の座標として指定される。
【0070】
本発明の更に別の構成では、絞りの性質に関する情報を有するデータ記録が、各絞り板に関して存在する。
【0071】
例として、外側及び内側コヒーレンス度、開口角、又は極の位置及び直径が、絞りの性質として指定される。絞りの完全な形状又はグラフィック表現を指定することができる。
【0072】
本発明の更に別の構成では、機械可読マーク、例えば、バーコード又は文字認識(光学文字認識、OCR)によって機械可読の銘刻が、絞り板上に取り付けられる。このマークは、例えば、ベルトランレンズがマスク検査顕微鏡のビーム経路上に導入されている場合に空間像を記録するための検出器上への絞りの対応する領域の結像により、又はバーコードリーダを用いて読み取ることができる。
【0073】
このマークを用いて、絞りを関係するデータ記録に簡単な方式で割り当てることができる。
【0074】
本発明の更に別の構成では、所定の絞り板に関して照明設定候補を判断するデータ処理システムが設けられる。
【0075】
存在する絞りを組み合わせることにより、多くの照明設定が可能である。これ程多数の組合せの可能性が与えられると、今度はユーザに対して各場合に適切なものを選択することが困難である。絞りの性質に関するデータ、及び対応する組合せの可能性を用いて得られることになる照明設定に関するデータが、データ処理システムに記憶される場合には、全ての組合せの可能性を判断することができる。次に、ユーザは、識別された可能性から望ましい照明設定を選択することができる。
【0076】
データ処理システムは、絞りの直列配列又は並列配列に関連する絞りの異なる組合せの可能性、又はズームレンズを用いた個別の瞳平面の強度分布の拡大又は縮小の可能性を考慮することができる。
【0077】
本発明の更に別の構成では、少なくとも1つの照明ビーム経路に少なくとも1つの偏光子が配置される。
【0078】
この場合、偏光子は、いずれかの種類の偏光影響光学要素を意味すると理解すべきである。
【0079】
この対処法は、マスク検査中に投影光をスキャナの条件により一層厳密に適応させることができるという利点を有する。偏光照明は、特に、高開口スキャナの場合に有利である。例として、直線、ラジアル、又はタンジェンシャルの偏光光をここでは使用することができる。
【0080】
本発明の更に別の構成では、偏光子の少なくとも1つは、投影光を直線偏光する。
【0081】
直線偏光は、装置に関して簡単な方式で、例えば、偏光ビームスプリッタを用いて得ることができる。例えば、二重極又はダイサーの形態にある照明設定では、直線偏光は、望ましいタンジェンシャル照明に近い。
【0082】
本発明の更に別の構成では、偏光子の少なくとも1つは、投影光を少なくとも区画的に照明ビーム経路の光軸に関してタンジェンシャルに偏光する。
【0083】
既に上述のように、マスク検査中に多くの場合に行われる1つの作業は、スキャナの投影光のタンジェンシャル偏光を模擬することである。大きい開口角を有する環状照明設定又はクエーサーの場合、又は四重極又はクエーサーの場合には、直線偏光光の使用は十分ではない。この場合、タンジェンシャル偏光投影光を供給することができる。タンジェンシャル偏光は、例えば、偏光変換器とも呼ぶ更に別の偏光子を用いて直線偏光光の方向を区画的に回転させることによって行うことができる。この場合例として、4個、8個、又は12個の区画への再分割を行うことができる。スキャナの場合に通常であるように、連続的なタンジェンシャル偏光を与えることもできる。
【0084】
本発明の更に別の構成では、物体平面に対して光学的に共役な瞳平面の投影光の結果的強度分布に対して、複数の絞りによって影響が及ぼされる。
【0085】
絞りの配列は可変である。例えば、少なくとも1つの照明ビーム経路に直列に沿わせることが可能である。絞りは、照明ビーム経路内で、例えば、互いに前後して配置するか又は互いからある距離の位置に配置することができる。
【0086】
複数の照明ビーム経路の場合には、例えば、並列に配置された異なる照明ビーム経路に異なる絞りを配置することができる。この場合、照明に関連する強度分布は、物体平面に対して光学的に共役な瞳平面であり、並列の瞳平面の強度分布の重ね合わせからもたらされる。
【0087】
照明ビーム経路に沿った絞りの直列配列と並列観察ビーム経路におけるものとは、必要に応じて組み合わせることができる。
【0088】
物体平面に対して光学的に共役な瞳平面の複数の異なる絞りを用いた強度分布の生成は、一方では、1つの絞りの範囲では可能とはならない照明設定を例えば異なる投影光強度分布を有する瞳平面の重ね合わせの結果として得ることを可能にする。他方では、個々の絞りの組を設けて複数の絞りを同時に使用することにより、多数の組合せの可能性がもたらされ、その結果、異なる照明設定候補の数は、存在する絞りの数よりも大きくなる。
【0089】
本発明の更に別の構成では、少なくとも2つの絞りが、照明ビーム経路に沿って配置される。
【0090】
絞りの直列配列の場合には、投影光は、少なくとも部分的に異なる絞り上に順次入射する。この場合、各絞りは、物体平面に対して光学的に共役な瞳平面の少なくとも一部は異なる位置での強度分布を低減するのに寄与することができる。
【0091】
この対処法は、1つの照明ビーム経路のみを有する単純な構成のマスク検査顕微鏡の場合でさえも、多数の照明設定を簡単な方式で可能にすることができるという利点を有する。
【0092】
本発明の更に別の構成では、少なくとも2つの絞りが、異なる瞳平面に配置される。
【0093】
この構成の場合には、1つの瞳平面の強度分布が、少なくとも1つの他の瞳平面上に結像される。ここでもまた、絞りがこの少なくとも1つの他の瞳平面に置かれた場合には、この絞りによって強度分布に更に別の影響が及ぼされる。特に結像中の強度分布のマグニチュードをズーム光学ユニットを用いて変更することにより、照明設定の数を更に増大させることができる。
【0094】
この対処法は、全ての絞りを瞳平面に正確に置くことができ、従って、互いの上に鮮明に結像することができるという利点を有する。
【0095】
本発明の更に別の構成では、少なくとも2つの絞りが、瞳平面のうちの1つに併せて配置される。
【0096】
瞳平面に併せて配置された絞りは、共通の絞りのように良好な近似で機能する。
【0097】
鮮明な結像が望ましい場合には、2つの絞りを両方がそれぞれの瞳平面の焦点深度の領域内に位置するように、観察ビーム経路に沿って互いに非常に近くに配置することができる。一般的な距離は2mmであり、恐らくはそれよりも一層短い。
【0098】
この対処法は、照明ビーム経路は、短くすることができ、従って、空間を節約する方式で構成することができる。
【0099】
本発明の更に別の構成では、絞りのうちの少なくとも1つの第1の組が、投影光の半径依存強度分布が判断するように構成され、絞りのうちの少なくとも1つの第2の組が、投影光の角度依存強度分布が判断するように構成される。
【0100】
一般的に、半径依存絞りは、リソグラフィにおいて多くの場合に遭遇する環状照明を定めるパラメータである照明光の外側及び内側コヒーレンスを定める。角度依存絞りを使用すると、例えば、ダイサー又はクエーサーのような多重極照明の場合の例えば極の数及び範囲が定められる。限定的な場合は、ゼロの内側コヒーレンス、すなわち、円盤形、すなわち、円形の強度分布を有する従来の照明である。
【0101】
この対処法は、リソグラフィにおいて一般的な照明設定への適合が簡易化されるという利点を有する。
【0102】
本発明の更に別の構成は、特に上述の本発明の構成に従った絞り板を用いた組合せであり、絞りの組の各々が絞り板上に配置される。この場合、絞りの望ましい組合せが容易に利用可能である。
【0103】
本発明の更に別の構成では、少なくとも1つの照明ビーム経路は、投影光を分割するために少なくとも区画的に少なくとも2つの照明ビーム経路に分割され、少なくとも1つの絞りが、照明ビーム経路の各々に配置される。
【0104】
投影光は、単純なビームスプリッタを用いて分割することができる。偏光非依存ビームスプリッタを使用することができる。装置の費用と得られる利点の間の妥協点は、2つの照明ビーム経路を設けることである。
【0105】
この場合、絞りは、照明ビーム経路の各々に配置された少なくとも1つの絞りの各々が、物体平面に対して光学的に共役な瞳平面の異なる位置において強度分布を増大させるのに寄与することができるように並列に配置される。同じ透過率を有する領域を有する絞りの場合には、強度のマグニチュードを強度の重ね合わせによって変更することができる。
【0106】
すなわち、個々の絞りを用いて、製造中の合理的な費用を伴って、強度分布において殆ど唐突な変化を有するいわゆる「トップハット」に限った分布を得ることができる。若干異なるマグニチュードを有する2つ又はそれよりも多くの強度分布の重ね合わせにより、瞳平面の結果的強度分布におけるより緩やかな遷移を得ることができる。
【0107】
本発明の更に別の構成では、照明ビーム経路は、物体平面の上流で再度組み合わされる。
【0108】
この組合せは、偏光非依存ビームスプリッタを用いて行うことができる。これはまた、投影光の特定の偏光が照明ビーム経路内で得られた構成と組み合わせることができる。
【0109】
偏光ビームスプリッタ、例えば、X、Y方向に直線偏光を行うビームスプリッタは、偏光光を分割すること及び組み合わせることの両方の目的に使用することができる。この場合、個別の照明ビーム経路内で得られる偏光は、照明設定に対してターゲット方式で利用することができる。照明ビーム経路が組み合わされると、個別の照明ビーム経路のそれぞれの投影光は、ターゲット方式に使用される偏光ビームスプリッタを用いて最大に利用することができる。
【0110】
偏光子は、照明ビーム経路のうちの1つ又は各々において、又は照明ビーム経路の組合せの下流に配置することができる。
【0111】
この対処法は、瞳平面内の投影光の強度分布を更に別の照明ビーム経路の瞳平面の個別の強度分布の重ね合わせによってターゲット方式で変更することができるという利点を有する。
【0112】
本発明の更に別の構成では、投影光の望ましくない偏光の除去のための偏光変換器が、照明ビーム経路のうちの少なくとも1つに配置される。
【0113】
ビームスプリッタによる投影光の分割及び組合せは、投影光の望ましくない偏光の発生をもたらす恐れもある。偏光変換器の配列により、望ましくない偏光が除去されるように、これらの偏光を互いに対して回転させることができる。この場合、本発明の一構成では、λ/2板が使用される。
【0114】
本発明の更に別の構成では、絞りのうちの少なくとも2つは、瞳平面の強度分布に異なる位置で影響を及ぼす。
【0115】
この対処法は、絞りの組合せによって更に別の照明設定を得る更に別の可能性をもたらす。従って、一例として、瞳平面内で90°だけ回転された2つの二重極は、四重極強度分布をもたらすことができる。
【0116】
本発明の更に別の構成では、照明ビーム経路の各々に少なくとも1つの偏光子が配置される。
【0117】
この対処法は、偏光投影光を組み合わせるか又は重ねる可能性をもたらす。それによって偏光子の上述の構成を照明ビーム経路の各々に配置することができる。従って、瞳平面の異なる領域内に異なる偏光方向を有する投影光を供給する可能性がある。例えば、観察ビーム経路の各々の内で90°だけ回転された2つの二重極が存在した場合に、観察ビーム経路の各々に直線偏光光を生成するための偏光子の対応する配列が与えられると、良好な近似でタンジェンシャル偏光を有する四重極強度分布を結果として得ることができる。
【0118】
本発明の更に別の構成では、投影光は、照明ビーム経路の間で、各場合に同じ部分的範囲で分割される。
【0119】
この分割は、単純なビームスプリッタによって行われる。2つの照明ビーム経路が与えられる場合には、光は、両方の照明ビーム経路の間で均一に配分される。
【0120】
本発明の更に別の構成では、照明ビーム経路のうちの少なくとも1つに減衰器が配置される。
【0121】
それによって強度分布を更に変更することができる。この場合、物体平面に対して光学的に共役な瞳平面の投影光の結果的強度分布のうちで個別の照明ビーム経路の強度分布から作られる割合を異なって重み付けすることができる。2つの照明ビーム経路の場合には、これらの経路の各々に減衰器を配置することができる。
【0122】
移動方向に沿って増大するそれぞれの投影光に対する透過能を有する板が減衰器として使用される。従って、減衰器が照明ビーム経路に導入される程度が大きい程、放射線は、大きい程度で減衰される。
【0123】
本発明の更に別の構成では、照明ビーム経路のうちの少なくとも1つにシャッターが配置される。
【0124】
この配列は、それぞれのシャッターを閉じることにより、特定の照明設定に必要とされない照明ビーム経路からの寄与を排除することを可能にする。
【0125】
一般的に、照明ビーム経路に導入される絞りは中心に置かれるべきであり、すなわち、光軸に関して向きが定められるべきである。この場合、例えば、絞りによって生成される瞳平面の強度分布は、ベルトランレンズによってマスク検査顕微鏡の検出器上に結像される。次に、この像が望ましい位置を有するまで絞りが調節される。この場合、絞りの各々を簡単な方式で個々に中心に置くことができる。照明ビーム経路の各々にシャッターが存在する場合には、中心に置くべきそれぞれの絞りを含む照明ビーム経路を開けることができ、残りの照明ビーム経路のシャッターを閉じることができる。
【0126】
本発明の更に別の構成では、少なくとも1つの照明ビーム経路に少なくとも1つのズームレンズが配置され、少なくとも1つの照明ビーム経路の瞳平面は、少なくとも1つのズームレンズによって照明ビーム経路の少なくとも1つの更に別の瞳平面上に可変サイズで結像される。
【0127】
この対処法は、照明設定をより一層細かく変更することを可能にする。この場合、1つの絞りによって1つの瞳平面に可変のマグニチュードを有して生成された強度分布を別の絞りによって別の瞳平面に生成された強度分布と組み合わせることができる。
【0128】
この組合せは、絞りの順次配列と並列配列の両方の場合には有利である。
【0129】
絞りの直列配列の場合には、外側及び内側コヒーレンスに対する値を例えば環状絞りを用いて変更することができる。
【0130】
例えば、直列に配置された2つの同じ絞りが与えられた場合には、サイズが若干異なる瞳の2つの像の重ね合わせにより、結果的強度分布のプロフィールの緩やかな勾配を得ることができる。
【0131】
更に、本特許明細書は、投影光を放出する光源と、物体平面に配置されたレチクルの構造の像をマスク検査顕微鏡の視野平面に生成するための少なくとも1つの照明ビーム経路とを含み、物体平面に対して光学的に共役な照明ビーム経路(3,87,88)の瞳平面(135)内に投影光の結果的強度分布を生成することができるような方法で具現化され、投影光の結果的強度分布が最小強度値と最大強度値の間に少なくとも1つの更に別の強度値を有するような方法で具現化されるマスク検査顕微鏡の瞳平面内の使用のための絞りに関する。
【0132】
本発明の更に別の構成では、絞りは、光透過ピクセルと光不透過ピクセルから構成される少なくとも1つの領域を有し、少なくとも1つの更に別の強度値が、この少なくとも1つの領域によって形成されるようにする。
【0133】
本発明の更に別の構成では、少なくとも1つの領域は、上部に光不透過ピクセルが配置された光透過領域として具現化される。
【0134】
本発明の更に別の構成では、少なくとも1つの領域は、上部に光透過ピクセルが配置された光不透過領域として具現化される。
【0135】
本発明の更に別の構成では、ピクセル間の距離は、絞りで回折される投影光のうちのゼロ次の回折次数のものだけが、少なくとも1つの更に別の強度値に寄与するような方法で具現化される。
【0136】
本発明の更に別の構成では、絞り上のピクセルの解像度は、最小構造特徴部当たり少なくとも2ピクセルである。
【0137】
本発明の更に別の構成では、少なくとも1つの更に別の強度値は、ピクセルのサイズによって変化する。
【0138】
本発明の更に別の構成では、少なくとも1つの更に別の強度値は、ピクセル間の距離によって変化する。
【0139】
本発明の更に別の構成では、ピクセルは、絞り上に確率的に配置される。
【0140】
本発明の更に別の構成では、ピクセルは、正方形方式に具現化される。
【0141】
本発明の更に別の構成では、絞りは、少なくとも1つの更に別の強度値が形成されるように投影光に対して位置依存方式で変化する透過率を有する。
【0142】
本発明の更に別の構成では、絞りは、透過率を変更するために、少なくとも1つの吸光剤層を有する。
【0143】
本発明の更に別の構成では、絞りは、透過率を変更するために少なくとも1つの誘電体反射層を有する。
【0144】
更に、本特許明細書は、生成される絞りによって得るべき投影光の結果的強度分布の強度値を事前判断する段階と、強度値を絞り上に配置される光透過ピクセル及び光不透過ピクセルの位置、形状、及びサイズに変換する段階と、絞りを生成する段階とを含むマスク検査顕微鏡に使用するための絞りを生成する方法に関する。
【0145】
結果的強度分布を変換するために、本発明の一構成では、最初にピクセルの形状及び配列、並びにピクセル間の距離が選択される。次に、これらのパラメータのうちのどれをどの範囲で変更するかに関して判断が行われる。ピクセルの配列は、例えば、確率的なものとすることができ、ラスタにおけるとすることができ、ラスタは、正方形又は六角形とすることができる。
【0146】
マスク検査顕微鏡に使用するための絞りを生成する方法の更に別の構成では、強度値とピクセルの位置及びサイズの間の関係は、較正によって判断される。
【0147】
ピクセルサイズ、距離と強度の間の関係は、各システムにおける較正によって判断される。この目的のために、較正絞りが生成される。較正絞りは異なる領域を有する。所定の配列に対してピクセル間の距離とピクセルのサイズというパラメータの定められた組合せを有するピクセルが各領域内に形成される。これらのパラメータは可能な最大範囲にわたって変更される。個別の領域の結果的強度値は、マスク検査顕微鏡を用いて判断される。
【0148】
この対処法は、絞りの望ましい性質が予め判断された後で簡単で迅速な方式のターゲットが定められた製造が可能になるという利点を有する。
【0149】
マスク検査顕微鏡に使用するための絞りを生成する方法の更に別の構成では、絞りを用いずに瞳平面内の投影光の強度分布を測定する段階と、測定された強度分布の不均一性を補償するために所定の強度値の必要な補正を計算する段階と、所定の強度値を補正する段階とが実施される。
【0150】
この対処法は、存在する可能性がある瞳平面の照明のいずれかの不均一性を更に別の絞り又は瞳フィルタを必要とせずに補償することを可能にする。補正された強度値は、絞り上に配置される光透過ピクセル及び光不透過ピクセルの位置及びサイズに変換され、次に、絞りが生成される。
【0151】
可変透過率を有する他の上述の絞りの製造中に瞳平面の照明の不均一性を考慮することができる。
【0152】
本発明の上述の特徴及びまだ説明していない以下のものは、説明する組合せだけではなく、更に別の組合せで又は個々に本発明の範囲から逸脱することなく使用することができることは言うまでもない。
【0153】
下記では、一部の代表的な例示的実施形態に基づいて、図面を参照して本発明をより詳細に説明かつ解説する。
【図面の簡単な説明】
【0154】
【図1】本発明によるマスク検査顕微鏡の照明ビーム経路の断面を通る縦断面図である。
【図1a】本発明によるマスク検査顕微鏡の照明ビーム経路の断面を通る縦断面図である。
【図2】本発明によるマスク検査顕微鏡の2つの照明ビーム経路の断面を通る縦断面図である。
【図3】本発明によるマスク検査顕微鏡の照明ビーム経路及び結像ビーム経路の断面を通る縦断面図である。
【図3a】EUV範囲の投影光で作動する本発明によるマスク検査顕微鏡の概略図である。
【図4】異なる絞り板の平面図である。
【図5】絞り板を固定するための高速作動圧着デバイスの図である。
【図6】絞りのピクセルの詳細図である。
【図7】絞りの概略図である。
【図8】更に別の絞りの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0155】
第1の例示的な実施形態によるマスク検査顕微鏡は、図1に例示しているように、193nmの波長を有する投影光を放出するエキシマレーザである光源5を含む。光軸1に沿って、瞳平面内の投影光の強度分布を均一化し、この光を偏光解消するためのホモジナイザーが続く。次に、駆動体20を用いて照明ビーム経路3内に導入するか又はそこから移動して出ることができるシャッター15が続く。シャッターは、放射線不透過スチールシートから構成される。次に、光軸1に沿って、照明強度を変更するための減衰器25が続く。この減衰器は、駆動体30を用いて連続的に変更可能な方式で照明ビーム経路3内に移動して入ることができる。減衰器25は、クロムで被覆された石英ガラスから構成される板を含む。クロム層の厚みは、移動方向に沿って増大する。従って、放射線は、減衰器25が照明ビーム経路3内に導入される程度が大きい程、大きい程度で減衰する。減衰器25には、同じ効果を有する誘電体層を設けることができる。
【0156】
次に、照明ビーム経路3の瞳平面に配置された絞り板45が続く。その制御は、絞り51を正確に位置決めすることを可能にする駆動体50を用いて達成される。
【0157】
絞り51の設定された絞りは、図3に例示しているコンデンサー130の結果的瞳平面135上に作動駆動体70を有するズームレンズ55を用いて望ましいサイズで結像される。結像スケールを3倍だけ変更することができる。絞り板を図4に例示しており、投影光不透過領域をハッチング方式で例示している。絞り板45は、高速作動圧着デバイス240を用いて駆動体50に交換可能に結合される。高速作動圧着デバイス240は、駆動体50の一部である。
【0158】
高速作動圧着デバイス240に対しては、図5で詳細に説明する。絞り板45は、ユーザによってハンドル250において保持される。この図では、個々の絞りを示していない。固定ウェブ260は、絞り板45の一部である。このウェブの面261、262、及び263に対するバネ力が印加されるローラ265、266、及び267が、モータ(詳細には説明しない)に接続されたホルダ270に対して絞り板を圧迫する。絞り板が完全に固定されると、ローラ266は、面262上の凹部(例示していない)内に掛止する。
【0159】
第1の例示的な実施形態の照明ビーム経路3の続きを図3に例示している。レチクル145上の照明視野のサイズを判断するための視野遮光器100が続いている。視野遮光器100の下流には、チューブレンズ105及び瞳平面135を有するコンデンサー130が続く。視野遮光器100の正方形開口部は、340μmの縁部長さを有する。それによってマスク上に26μmの縁部長さを有する像視野がもたらされる。更に別の例示的な実施形態(図には例示していない)では、いかなる視野遮光器100も存在しない。
【0160】
投影光を偏光するために、駆動体115及び125によって照明ビーム経路3内に偏光子110及び120を導入することができる。偏光子110は投影光を直線偏光し、駆動体115による偏光子110の回転によって偏光の方向を設定することができる。照明光のタンジェンシャル偏光を得るために、偏光子110に加えて、分割偏光変換器として具現化される偏光子120が照明ビーム経路3内に導入される。近似的にタンジェンシャルな偏光がもたらされるように、直線偏光は、偏光子120によってセクター毎に回転される。偏光子120の3つの変形が利用可能である(図3には例示していない)。4個、8個、又は12個のセクターへの再分割の間で選択を行うことができる。
【0161】
検査される構造150を有するマスク145は、ペリクル155によって保護される。マスクは、マスクを望ましい位置に移動するために駆動体142によって横に移動されるマスクホルダ140上で、検査される位置が照明ビーム経路3内に置かれるように位置する。レチクルの像は、対物系160により、チューブレンズ165、視野遮光器170、拡大光学ユニット175を通じてCCDチップ(電荷結合デバイス)である検出器200上に結像される。開口数は、駆動体182を用いてNA遮光器180によって設定される。
【0162】
照明ビーム経路3の瞳平面を検出器200上に結像するために、駆動体190によって照明ビーム経路3内にベルトランレンズ185が導入される。
【0163】
全ての駆動体20、30、50、60、70、80、115、125、142、182、190、185、及び検出器200は、入力及び出力ユニット215によってデータ処理システム210に接続される。マスク検査顕微鏡は、このデータ処理システム210によって制御され、更に、それぞれの像は、検出器200の読み取りによって記憶され、像データは、更に処理される。
【0164】
駆動体50又は70を用いて絞り板45又は65の絞りが照明ビーム経路に導入される場合には、これらの絞り板は、照明ビーム経路3の光軸1に対してその中心に置かれるべきである。この目的のために、絞りの像は、ベルトランレンズ185を通じて検出器200上に結像される。この場合、関連の絞り板は、絞りの像が望ましい位置で得られるまで横に移動される。検出器200は事前に較正され、すなわち、光軸と検出器の面との交点は既知である。
【0165】
透過において作動するマスク検査顕微鏡を第1の例示的な実施形態において説明した。図面には例示していない更に別の例示的な実施形態では、マスク検査顕微鏡は、反射において作動する。この場合、レチクル145は、構造150の側から照明される。従って、レチクルは、マスクホルダ140の厳密に反対側に位置する。構造150において反射された光は、ビームスプリッタによって公知の方式で照明ビーム経路3から分離され、図3に例示している検出器200上での結像に至るまで進む。
【0166】
更に別の例示的な実施形態では、マスク検査顕微鏡は、13.5nmの波長を有するEUV範囲の投影光で作動される。その構造を図3aに示している。EUV光源221からの光は、コレクター222によって集光され、ミラー224及び226によって精査されるEUVマスク228上に反射される。視野遮光器234は、EUVマスク228上の照明視野のサイズを判断するように機能する。絞り板233上に配置された絞り232を用いて、望ましい照明設定が得られる(例えば、絞り板45、65上の絞りと同様に)。EUVマスクの像は、検出器を読み取り、像データを更に処理するデータ処理システム(例示していない)に接続した検出器237上に結像システム230を用いて結像される。
【0167】
第1の例示的な実施形態では、絞り板45の絞り51は、石英ガラス上のクロムによって生成される。光透過領域にはクロムはなく、光不透過領域にクロム層が設けられる。クロム層は、完全に光不透過であるような厚みで形成される。結果的瞳平面内の強度分布の連続変化に対しては、光透過領域、すなわち、クロムなし領域が絞りのクロム被覆領域上に形成されるか、又はクロム被覆領域がクロムなし領域上に形成される。これらの領域をピクセルと呼ぶ。
【0168】
更に別の例示的な実施形態は、絞り51を有する絞り板45の空間光変調器としての実施形態を含む。空間光変調器は、液晶ディスプレイに基づいている。空間光変調器は、絞り51として機能する領域内で、光透過状態又は光不透過状態又は反射状態又は非反射状態を提供することができるピクセルに分割される。正方形ピクセルは、600*600ピクセルの行列で配置される。特定の照明設定を実施するために、ピクセルは、データ処理システム210を用いて望ましい状態に切り換えることができる。
【0169】
EUVマスクを精査するためのマスク検査システム221(図3aを参照されたい)では、EUVマスクと同様に構成された反射絞り232が使用される。反射領域は、ゼロデュア又はULE上のモリブデン−シリコン層から構成される。EUV放射線を反射するように意図しない領域は、吸光剤(例えば、窒化タンタル、窒化クロム、酸化シリコンから構成される)(吸光剤マスク)で被覆されるか、又はこの領域でモリブデン−シリコン層が少なくとも部分的に除去されているか(エッチングされた多層マスク)のいずれかである。
【0170】
一例示的実施形態では、ピクセル間の距離は、ゼロ次の回折次数の投影光、すなわち、非回折光のみが結果的瞳平面に結像されるくらい非常に小さいものであるように選択される。その結果、ピクセルは、結果的瞳平面内で解像されない。高い回折次数は視野遮光器によって除外されるか、又は回折角は、絞りの位置での照明ビーム経路の開口数((NA)の2倍よりも大きい。
【0171】
上述のように、第1の例示的な実施形態によるマスク検査顕微鏡に対して次式が成り立つ。
エタンデュ=NA*ビーム直径
【0172】
照明ビーム経路は、マスク側にNAM=0.35を有し、マスク上のビーム直径は、dm=150μmである。絞りの位置でのビーム直径は、dB=2900μmである。
【0173】
絞りの位置でのNABに対して次式が成り立つ。
NAB=NAM*m/dB=0.018
【0174】
回折角αが絞りの位置でのNABの2倍よりも大きいか又はそれに等しい場合には、次式が成り立つ。
sinα=λ/p≧2NAB
p≦λ/(2NAB
【0175】
193nmの投影光の場合には、p≦5.5μmが成り立つ。
【0176】
26μmの縁部長さ(マスク上の像視野の)を有する正方形視野遮光器100の場合には、ピクセル間の最大値距離はp=31μmという結果をもたらす。
【0177】
一例示的実施形態では、ピクセルは、可変のサイズを有し、p=4.8μmの一定距離を有する。正方形の方式に具現化されるピクセルは、正方形ラスタで配置される。そのようなピクセル化された絞りからの抜粋56を図6に表す。ピクセル又はピクセルのラスタの間の距離をpで表し、ピクセルの長さをLで表す。ラスタを示すために、線、例えば、61及び62を示しており、これらの線は実際の絞り上には存在しない。参照符号57で表す領域のような結果的瞳平面内で100%の強度を有する領域57は、クロムが全く存在しない。強度0を有する領域58は、クロムで完全に被覆される。更に、階調化された強度を有する領域は、空き区域67上のクロム(ハッチング方式で例示している)内のピクセル66として具現化されるか、又はピクセルがクロム区域69内のクロムなし区域68として具現化されるかのいずれかである。正方形ピクセルは、各場合にそれぞれのラスタの中心に配置される。
【0178】
空き区域上のクロムピクセルは、領域の全面積の50%未満を覆うクロムを有する領域に使用される。クロム区域上のクロムなしピクセルは、50%超を覆うクロムを有する領域に使用される。クロムなしピクセルでは、より簡潔な表記の理由から、Lが負の値を取ることを定め、この場合、絶対値は、ピクセルの縁部長さに対応する。
【0179】
更に別の例示的な実施形態では、高い精度を有するマスクライタを使用するマスクの製造中に、空き区域上のクロムピクセル又はクロム区域上のクロムなしピクセルのいずれかだけが使用される。
【0180】
較正絞りは、同じ縁部長さLを有する複数の正方形ピクセルを有する領域を有する。0μmから4.8μmの異なるLの値において、例えば、20個の領域が形成される。正規化の目的で、較正絞り上にはクロムで完全に覆われる領域及び完全にクロムがない領域も形成される。
【0181】
較正を実施するために、較正絞りがマスク検査顕微鏡内に挿入され、ベルトランレンズ185がビーム経路に導入される。次に、較正絞りの異なる領域における強度が検出器200を用いて記録される。すなわち、結果的強度とそれぞれの領域の間の関係が識別される。正規化の目的で、クロムのない絞り領域に100%の強度が割り当てられ、完全にクロムで覆われる絞り領域に0%の強度が割り当てられる。
【0182】
ゼロ次の回折次数の投影光のみを結果的瞳平面に結像する、正方形ピクセルを有する絞りでは、結果的強度(Ires)が、空き面積(Ffr)と全面積(Fg)の比の二乗に良い近似で比例するという意外な関係が見出されている。
res〜(Ffr/Fg2
【0183】
この例示的な実施形態における長さpを有する正方形ラスタ及び縁部長さLを有する正方形ピクセルを有する絞りでは、空き区域上のクロムピクセルに対して次式が成り立つ。
res〜(1−(L/p)22
【0184】
クロムで覆われた区域上のクロムなしピクセルに対しては次式が成り立つ。
res〜(L/p)4
【0185】
絞りの簡略化した例を図7に示している。この図では、個別のピクセルを大幅に拡大して例示しており、19*19ピクセルの行列のみを例示している。この絞りは、低シグマの環状とクエーサーとの組合せという特殊な照明設定に役立ち、クエーサーのそれぞれの反対極は同じ強度を有するが、2つ対は異なる強度を有する。実際の絞りは、数百ピクセル、例えば、553*553又は608*608ピクセルの縁部長さを有するピクセルから構成される行列によって表される。円形絞りの直径は行列の縁部長さに対応し、円の外側のピクセルは未使用、すなわち、光不透過のままに保たれる。
【0186】
更に別の例示的な実施形態では、ピクセルは、六角形ラスタで配置された正六角形の形状を有する。ピクセル間の中点から中点までの距離は、第1の例示的な実施形態の場合と同様に4.8μmである。
【0187】
更に別の例示的な実施形態では、ピクセル68は、確率的な方式で配置される。ピクセルは一定のサイズを有する。ピクセルは、4μmの縁部長さを有する正方形として具現化される。ピクセル間の距離は可変である。この距離は、例えば、38μmと非常に大きくもなるので、少なくとも2つの回折次数の干渉の結果として、ピクセルは結果的瞳平面に部分的に結像される。この結像を図8に略示している。この図では、ハッチング方式で例示しているクロム層69内の個別のクロムなしピクセル68を大幅に拡大して、正確な縮尺のものではないものとして例示している。この図は、外向きに強度が低下するラジアル照明を内側区域内に有し、平均強度を得るために2つの筋向かいに配置された極を有する結果的強度分布に対する絞り67を示している。
【0188】
一例示的実施形態では、結果的強度分布上の望ましい最小解像度は、構造特徴部当たり1又は3ピクセルである。絞り上のピクセルの解像度は2倍高い、すなわち、最小構造特徴部当たり2又は6ピクセルである。更に別の例示的な実施形態では、結果的強度分布の最小解像度は、構造特徴部当たり6ピクセルである。絞り上のピクセルの解像度は2倍高い、すなわち、最小構造特徴部当たり12ピクセルである。更に別の例示的な実施形態では、結果的強度分布の最小解像度は、構造特徴部当たり12ピクセルである。絞り上のピクセルの解像度は10倍又は20倍高い、すなわち、最小構造特徴部当たり120又は240ピクセルである。絞り内で解像度を変更することができる。
【0189】
絞りを生成する段階では、結果的強度分布を変換するために、最初にピクセルの形状及び配列、並びにピクセル間の距離が選択される。次に、サイズ及び距離というパラメータのうちのいずれをどの範囲で変更するかに関して判断が行われる。すなわち、例えば、正方形ラスタで配置されたp=4.8μmの固定距離を有する正方形ピクセルの場合には、ピクセルの縁部長さLが、0μmから4.8μmまでの範囲で変更されることが予め判断される。次に、上述の較正によって判断されたピクセルサイズと密度の間の依存性から、絞り上に形成されるピクセルの配列及びサイズが望ましい結果的強度分布を基づいて判断される。
【0190】
絞りの製造中には、瞳平面の強度分布の不均一性を考慮して補正することができる。
【0191】
その実施において、絞りの全ては、瞳平面から除去されるか、又は構造化されていないマスク(マスクブランク)が瞳平面に導入される。ベルトランレンズ185がビーム経路に導入される。次に、瞳における強度が、検出器200を用いて記録される。不均一性を補正するために、絞りは、最小強度値を超える全ての強度値を最小値に低減すべきである。付加的な絞りの代わりに、この機能は、生成される絞りによって達成される。生成される絞りによって得ることが意図された結果的強度分布は、この目的で、測定された不均一性が補償されるように補正される。
【0192】
石英ガラスのクロム被覆板が、絞りを生成するための土台として利用される。先に判断された構造が、リソグラフィにおいてマスクを製造するための公知の方法に従ってこの板の上に形成される。
【0193】
更に別の例示的な実施形態では、結果的瞳平面内の強度分布を変更するために、絞りの透過率が変更される。この目的のために、絞りは、投影光を少なくとも部分的に吸収又は散乱する可変の厚みを有する材料で被覆される。層厚は可変であり、層が肉厚である程、透過率は低下し、結果的強度が低下する。結果的強度と層厚の間の関係は、較正によって判断される(上述の例示的な実施形態と同様に)。コーティングは、酸化チタン、酸化タンタル、酸化ハフニウム、クロム、アルミニウム、金、又は銀を用いて達成される。
【0194】
更に別の例示的な実施形態では、透過率を変更するために、絞りは、誘電体反射層を用いて被覆される。
【0195】
高屈折率を有する材料、例えば、酸化チタンの層、及び次に低屈折率を有する材料、例えば、フッ化マグネシウムの層から構成される層対が絞り板に付加される。層の厚みは、層内の投影光の波長の4分の1に対応することができる。この場合、層厚はλ/(4ns)であり、この場合λは、空気中の投影光の波長であり、nsは、層の材料の屈折率である。
【0196】
透過率は、層対の数により、又は層厚の変化によって設定される。
【0197】
結果的強度と層対の数又は層厚の間の関係は、較正によって判断される(上述の例示的な実施形態と同様に)。コーティングは、フッ化マンガン、フッ化マグネシウム、フッ化ランタン、フッ化アルミニウム、及び/又は酸化アルミニウムの異なる組合せを用いて達成される。
【0198】
マスク検査顕微鏡の更に別の構成では、複数の絞りが互いに連続して組み合わされる。図1に例示している照明ビーム経路は、図1aに例示しているように延長される。絞り板45は、半径判断絞り47を有する。半径判断絞り47の設定された絞りは、更に別の絞り板65の角度判断絞り52上に、作動駆動体70を有するズームレンズ55を用いて望ましいサイズで結像され、この更に別の絞り板は、同様に照明ビーム経路3の瞳平面に配置される。結像スケールは、3倍だけ変更することができる。これらの絞り板を図4に例示しており、投影光不透過領域をハッチング方式で例示している。角度判断絞り67の望ましい絞りを照明ビーム経路3内に導入するために、絞り板65は、駆動体70によって横に移動される。絞り板45、65は、高速作動圧着デバイス240を用いて駆動体50、70に交換可能に接続される。高速作動圧着デバイス240は、駆動体50の一部である。
【0199】
駆動体80を有する更に別のズームレンズ75を用いて、第1の例示的な実施形態の場合と同様に、絞り板65の瞳平面は、図3に例示しているコンデンサー130の結果的瞳平面135上に結像される。
【0200】
第1の絞り板45及び更に別の絞り板65の実施例を図4に示している。絞り板45は、とりわけ、照明設定内での内側及び外側コヒーレンス又はその比を変更するために、異なる幅のリングを有するリング形絞り47を含む。更に別の絞り板65は、とりわけ、角度判断絞り52を含む。角度判断絞り52は、例えば、交替する透過セクターと光不透過セクターとを含む。例示的に、ダイサーにおいて互いに反対に位置する2つの光不透過セクター及び互いに反対に位置する2つの光透過セクターが設けられ、クエーサーにおいて各々が4つのセクターを有する絞りが設けられる。セクターの開口角は変更することができる。
【0201】
両方の絞り板45、65は、もはや絞りとして機能しない大きい開口44を有する。この開口44は、絞り板45、65の一方の絞りのみを利用することが意図される場合に有利である。
【0202】
照明ビーム経路3の続きは、第1の例示的な実施形態のものに対応する。
【0203】
本発明の更に別の構成では、照明ビーム経路3は、図2に例示しているように、偏光非依存ビームスプリッタ85を用いて第1の照明ビーム経路87と第2の照明ビーム経路88とに分割される。照明ビーム経路87と88とは、更に別の偏光非依存ビームスプリッタ95を用いて再度組み合わされて照明ビーム経路3が形成される。ミラー90及び91は、投影光を必要な方向に向ける。ビーム遮断器96は、ビームスプリッタ95からの投影光の利用不能部分を吸収する。
【0204】
第1の照明ビーム経路87は、第1の例示的な実施形態の照明ビーム経路3と同様に構成される。対応する区画内の同じ要素は同じ参照符号を有する。第1の照明ビーム経路87は、シャッター15、減衰器25、第1の絞り板45、ズームレンズ55、更に別の絞り板65、及びズームレンズ75を含む。更に、投影光が、偏光非依存ビームスプリッタ95上にもたらされるように偏向ミラー90が配置される。
【0205】
第2の照明ビーム経路87も、第1の例示的な実施形態の照明ビーム経路3と同様に構成される。対応する区画内の同一要素は、同じ参照符号に「a」を加えたものを有する。第2の照明ビーム経路87は、シャッター15a、減衰器25a、第1の絞り板45a、ズームレンズ55a、更に別の絞り板65a、及びズームレンズ75a、並びにそれぞれの駆動体20、30、50、70、80、20a、30a、50a、70a、80aを含む。
【0206】
第1の例示的な実施形態で上述したように、ズームレンズは、固定結像スケールを有するレンズによって置換することができる。
【0207】
必要に応じて、ビームスプリッタ85及び95における投影光の反射の結果として生じる投影光の望ましくない偏光を除去するために、2つの照明ビーム経路87、88の各々のうちの偏光非依存ビームスプリッタ85と95の間にλ/2板35/35aが導入される。
【0208】
更に別の例示的な実施形態では、X/Y偏光ビームスプリッタ85及び95がターゲット方式で使用され、この場合、λ/2板35/35aは不要である。それによってビームスプリッタ85は、照明ビーム経路87内にX偏光光を供給し、照明ビーム経路88内にY偏光光を供給する(又はその逆も可能である)。次に、照明ビーム経路は、相応に向けられたX/Y偏光ビームスプリッタ95によって事実上損失のない方式で再度組み合わされ、それぞれの偏光は維持される。この場合、ビーム遮断器96は不要である。
【0209】
照明ビーム経路3の更に別の進路は、図3に例示している第1の例示的な実施形態で説明したものと同じである。
【0210】
第1の例示的な実施形態の場合と同様に、全ての駆動体20、30、50、60、70、80、20a、30a、50a、60a、70a、80a、115、125、142、182、190、185、及び検出器200は、入力及び出力ユニット215を有するデータ処理システム210に接続される。
【0211】
更に別の例示的な実施形態(例示していない)では、駆動体115及び125を有する投影光の直線偏光及びそれぞれタンジェンシャル偏光のための2つの偏光子110及び120が、各照明ビーム経路87、88に配置される。この場合、照明ビーム経路87、88を組み合わせるために、ビームスプリッタ95が、これらの偏光子110、120の下流に配置される。
【0212】
全ての絞り板45、45a、65、65aがもはや絞りとして機能しない大きい開口44を有するこの開口44は、対応する絞り板を利用することが意図されない場合に、この絞り板を取り外さなくてもよいことから有利である。すなわち、複数の絞りから専ら精巧な方式で組み立てることができる照明設定のための特定の絞り、例えば、48、49が設けられる。
【0213】
第1の照明ビーム経路87の絞り板45、65は、第1の例示的な実施形態のものと同じとすることができる。すなわち、得られる照明設定は、次に、第2の照明ビーム経路88の絞り板45a、65aの絞りによって更に変更することができる。
【0214】
互いに対して90°だけ光軸1の回りに回転されたダイサーが、2つの照明ビーム経路87、88内に第1の例示的な実施形態で上述したように設定された場合には、瞳平面の結果的強度分布は、クエーサーである。並列の絞り板45及び45a上で互いに対して90°だけ光軸1の回りに回転された二重極54及び54aを用いて四重極を設定することができる。この場合、クエーサー又は四重極の反対極の強度は、減衰器25、25aによって設定することができる。
【0215】
第1の例示的な実施形態で上述したように、第1の照明ビーム経路87内にクエーサーが設定された場合には、中心領域は、更に、例えば、第2の照明ビーム経路88を用いて円形に照明することができる。
【0216】
第1の照明ビーム経路87におけるものと同じ形状であるが、異なる範囲を有する照明設定が、第2の照明ビーム経路88内に設定された場合には、瞳平面の結果的強度分布の勾配を低減することができる。この目的のために、相応に異なる範囲を有する絞りが、並列に使用される絞り板45上と45a上に、更に、それぞれ65上と65a上に設けられる。すなわち、一例として2つの四重極46、46aが、絞り板45上と45a上とに設けられる。極の中点の位置は同じであり、極の直径が若干異なる。結果的強度分布は、一方の絞りだけによって覆われる極の縁部領域よりも2つの絞りの重ね合わせ領域内で高い強度をもたらす。重ね合わされた四重極の強度分布は、減衰器25、25aによって変更することができる。
【0217】
照明ビーム経路87、88は、シャッター15、15aによって完全に遮蔽することができる。
【0218】
それはまた、照明ビーム経路87、88の一方からの絞りを調節し、それぞれの他方の経路をシャッター15、15aの一方によって遮蔽することができる場合でもある。
【0219】
図面には例示していない更に別の例示的な実施形態では、2つの絞り板(45,65)は瞳平面に配置される。絞り板は互いに対して移動可能であり、従って、駆動体によって照明ビーム経路と垂直にかつ互いに対して移動することができる。その結果、絞り板(45,65)上に配置された個々の絞りを照明ビーム経路に対応する駆動体を用いていずれかの望ましい組合せで導入することができる。絞り板(45,65)の構成及びそれに関する組合せの可能性は、第1の例示的な実施形態のものに対応する。
【0220】
絞り板がマスク検査顕微鏡内に挿入されると、照明ビーム経路3、87、88内の絞り板45、45a、65、65aの位置が、データ処理システム210に記憶される。
【0221】
絞り板45及び45a、並びにそれぞれ65及び65aの各々は、機械可読マーク71a、71b、71c、及び71dを有する。これらのマークは、テキスト又はバーコードとして具現化される。これらのマークは、最初にベルトランレンズ185を通じて検出器200上に結像される。これらのマークの位置は、データ処理システム210内で予め決められる。マークは、データ処理システム210によって判断される。文字認識(OCR)又はバーコードの判断により、マークから上述の絞り板45、45a、65、65aの絞りの位置及び性質に関する情報を有するデータ記録の名称が識別され、割り当てられる。次に、絞り板45及び45a、並びにそれぞれ65及び65aの各々に対して、データ記録が読み込まれる。
【0222】
絞りの位置は、各データ記録内で、絞り板45、65、45a、65a上の基準点を起点とする個々の絞りの中点の座標を判断することによって定められる。更に、絞りの外側及び内側コヒーレンス度、開口角、又は極の位置及び直径が識別される。各絞りの完全な形状、結果的強度分布、及びグラフィック表現も与えられる。
【0223】
データ処理システム210を用いて、絞り板45、45a、65、65aの絞りをターゲット方式で選択することができ、それぞれの絞り板45、65、45aの移動によって照明ビーム経路3、87、88内に導入することができる。いずれかの望ましい絞り組合せを選択することができ、上述の手法で設定することができる。ズームレンズ55、75、並びに適切な場合は55a及び75aの結像スケール、更にまた、偏光子110及び120、並びに減衰器25、25aの位置もデータ処理システム210を用いて設定される。
【0224】
次に、異なる絞りの組合せからもたらされる照明設定が、データ処理システム210によって判断される。絞り板45、65、45aが直列又は並列のいずれで組み合わされるかということは、マスク検査顕微鏡内への絞り板の挿入時に予め決められた位置によって判断される。結果的強度分布はグラフィック的に表され、その特性、例えば、内側及び外側コヒーレンスに関する上述のパラメータが識別される。個々の絞りの寄与は、異なる色で表される。結像スケール候補は、ズームレンズ55、75、及び適切な場合は55a及び75aを用いてユーザが事前に判断することができる。この場合、結像スケールの所定の最大設定と最小設定の組合せが表されるか、又は固定結像スケールをユーザが事前に判断することができる。
【0225】
次に、ユーザは、入力及び出力ユニット215によって照明設定候補のうちから1つを選択することができる。更に、ユーザは、入力及び出力ユニット215によって偏光子及び減衰器の望ましい設定を入力する。次に、シャッター15、15a、減衰器25、25a、絞り板45、65、45a、及び偏光子110、120が、望ましい照明設定がもたらされるような方法でデータ処理システム215によって駆動体20、30、50、70、80、20a、30a、50a、70a、80a、115を通じて設定される。
【符号の説明】
【0226】
5 光源
87,88 照明ビーム経路
35、35a λ/2板
85 ビームスプリッタ
210 データ処理システム
215 入力及び出力ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影光を放出する光源(5)と、
少なくとも1つの照明ビーム経路(3,87,88)と、
前記投影光の結果的強度分布を物体平面に対して光学的に共役な前記照明ビーム経路(3,87,88)の瞳平面(135)に生成するためにマスク検査顕微鏡の瞳平面に配置された絞りと、
を含み、物体平面に配置されたレチクル(145)の構造(150)の像をマスク検査顕微鏡の視野平面に生成するためのマスク検査顕微鏡であって、
絞りが、投影光の結果的強度分布が最小及び最大強度値間に少なくとも1つの更に別の強度値を有するような方法で具現化される、
ことを特徴とするマスク検査顕微鏡。
【請求項2】
前記絞りは、光透過ピクセルと光不透過ピクセルで構成される少なくとも1つの領域を有し、そのために前記少なくとも1つの更に別の強度値が、該少なくとも1つの領域によって形成されることを特徴とする請求項1に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項3】
前記少なくとも1つの領域は、光不透過ピクセルが配置された光透過領域として具現化されることを特徴とする請求項2に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項4】
前記少なくとも1つの領域は、光透過ピクセルが配置された光不透過領域として具現化されることを特徴とする請求項2に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項5】
前記ピクセル間の距離が、前記絞りで回折される前記投影光のゼロ次の回折次数のものだけが前記少なくとも1つの更に別の強度値に寄与するような方法で具現化されることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項6】
前記絞りで回折されるより高い回折次数の投影光を遮光する視野遮光器を含むことを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項7】
前記絞り上の前記ピクセルの解像度が、最小構造特徴部当たり少なくとも2ピクセルであることを特徴とする請求項2から請求項6のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項8】
前記少なくとも1つの更に別の強度値は、前記ピクセルのサイズによって変化することを特徴とする請求項2から請求項7のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項9】
前記少なくとも1つの更に別の強度値は、前記ピクセル間の距離によって変化することを特徴とする請求項2から請求項8のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項10】
前記ピクセルは、前記絞り上に確率的に配置されることを特徴とする請求項2から請求項9のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項11】
前記ピクセルは、正方形方式に具現化されることを特徴とする請求項2から請求項10のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項12】
前記絞りは、前記少なくとも1つの更に別の強度値が形成されるように前記投影光に対して位置依存方式で変化する透過率を有することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項13】
前記絞りは、前記透過率を変更するための少なくとも1つの吸光剤層を有することを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項14】
前記絞りは、前記透過率を変更するための少なくとも1つの誘電体反射層を有することを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項15】
少なくとも2つの絞りが、絞り板(45,45a,65,65a)上にその個々の該絞りが該絞り板(45,45a,65,65a)の移動によって変更されるように配置されることを特徴とする請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項16】
前記絞り板(45,45a,65,65a)は、高速作動圧着デバイス(240)によって駆動体(50,70,50a,70a)に接続されることを特徴とする請求項1から請求項15のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項17】
前記絞り板(45,45a,65,65a)上の前記絞りの位置に関する情報を有するデータ記録が、各絞り板に関して存在することを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項18】
前記絞りの性質に関する情報を有するデータ記録が、各絞り板に関して存在することを特徴とする請求項1から請求項17のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項19】
所定の絞り板(45,45a,65,65a)に関して照明設定候補を判断するデータ処理システム(210)が設けられることを特徴とする請求項1から請求項18のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項20】
少なくとも1つの偏光子が、前記照明ビーム経路(3,87,88)に配置されることを特徴とする請求項1から請求項19のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項21】
前記偏光子の少なくとも1つ(110)が、前記投影光を直線偏光することを特徴とする請求項1から請求項20のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項22】
前記偏光子の少なくとも1つ(120)が、前記直線偏光投影光を前記照明ビーム経路の光軸に関して少なくとも区画的にタンジェンシャルに偏光することを特徴とする請求項1から請求項21のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項23】
前記物体平面に対して光学的に共役な前記瞳平面の前記投影光の前記結果的強度分布は、複数の絞りによって影響が及ぼされることを特徴とする請求項1から請求項22のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項24】
少なくとも2つの絞りが、照明ビーム経路(3)に沿って配置されることを特徴とする請求項23に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項25】
少なくとも2つの絞りが、異なる瞳平面に配置されることを特徴とする請求項24に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項26】
少なくとも2つの絞りが、前記瞳平面のうちの1つに併せて配置されることを特徴とする請求項23から請求項25のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項27】
前記絞りの少なくとも1つの第1の組(45)が、前記投影光の半径依存強度分布が前記物体平面に対して光学的に共役な前記瞳平面(135)内で判断されるような方法で構成され、該絞りの少なくとも1つの第2の組(65)が、該投影光の角度依存強度分布が該瞳平面(135)内で判断されるような方法で構成されることを特徴とする請求項23から請求項26のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項28】
前記少なくとも1つの照明ビーム経路(3)は、前記投影光を分割するために少なくとも区画的に少なくとも2つの照明ビーム経路(87,88)に分割され、少なくとも1つの絞りが、該照明ビーム経路(87,88)の各々に配置されることを特徴とする請求項23から請求項27のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項29】
前記照明ビーム経路(87,88)は、前記物体平面の上流で再度組み合わされることを特徴とする請求項28に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項30】
前記投影光の望ましくない偏光の除去のための偏光変換器(35,35a)が、前記照明ビーム経路の少なくとも1つに配置されることを特徴とする請求項28又は請求項29のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項31】
前記絞りの少なくとも2つが、異なる位置で前記瞳平面(135)の前記強度分布に影響を及ぼすことを特徴とする請求項28から請求項30のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項32】
少なくとも1つの偏光子(110,120)が、前記照明ビーム経路の各々に配置されることを特徴とする請求項28から請求項31のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項33】
前記投影光は、前記照明ビーム経路(87,88)の間で各場合に同一部分の程度まで分割されることを特徴とする請求項28から請求項32のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項34】
減衰器(25,25a)が、前記照明ビーム経路(87,88)の少なくとも1つに配置されることを特徴とする請求項28から請求項33のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項35】
シャッター(15)が、前記照明ビーム経路のうちの少なくとも1つに配置されることを特徴とする請求項28から請求項34のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項36】
少なくとも1つのズームレンズ(55,75,55a,75a)が、前記少なくとも1つの照明ビーム経路に配置され、該少なくとも1つの照明ビーム経路(3,87,88)の瞳平面が、該少なくとも1つのズームレンズによって該照明ビーム経路の少なくとも1つの更に別の瞳平面上に可変サイズで結像されることを特徴とする請求項23から請求項35のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡。
【請求項37】
投影光を放出する光源(5)と、物体平面に配置されたレチクル(145)の構造(150)の像をマスク検査顕微鏡の視野平面に生成するための少なくとも1つの照明ビーム経路(3,87,88)とを含み、
前記物体平面に対して光学的に共役な前記照明ビーム経路(3,87,88)の瞳平面(135)に前記投影光の結果的強度分布を生成することができるような方法で具現化される、
マスク検査顕微鏡の瞳平面における使用のための絞りであって、
投影光の結果的強度分布が最小及び最大強度値間に少なくとも1つの更に別の強度値を有するような方法で具現化される、
ことを特徴とする絞り。
【請求項38】
絞りが、光透過ピクセルと光不透過ピクセルで構成される少なくとも1つの領域を有し、そのために前記少なくとも1つの更に別の強度値が、該少なくとも1つの領域によって形成されることを特徴とする請求項37に記載の絞り。
【請求項39】
前記少なくとも1つの領域は、光不透過ピクセルが配置された光透過領域として具現化されることを特徴とする請求項38に記載の絞り。
【請求項40】
前記少なくとも1つの領域は、光透過ピクセルが配置された光不透過領域として具現化されることを特徴とする請求項38に記載の絞り。
【請求項41】
前記ピクセル間の距離が、前記絞りで回折される前記投影光のゼロ次の回折次数のものだけが前記少なくとも1つの更に別の強度値に寄与するような方法で具現化されることを特徴とする請求項38ら請求項40のいずれか1項に記載の絞り。
【請求項42】
絞り上の前記ピクセルの解像度が、最小構造特徴部当たり少なくとも2ピクセルであることを特徴とする請求項38から請求項41のいずれか1項に記載の絞り。
【請求項43】
前記少なくとも1つの更に別の強度値は、前記ピクセルのサイズによって変化することを特徴とする請求項38から請求項42のいずれか1項に記載の絞り。
【請求項44】
前記少なくとも1つの更に別の強度値は、前記ピクセル間の距離によって変化することを特徴とする請求項38から請求項43のいずれか1項に記載の絞り。
【請求項45】
前記ピクセルは、絞り上に確率的に配置されることを特徴とする請求項38から請求項44のいずれか1項に記載の絞り。
【請求項46】
前記ピクセルは、正方形方式に具現化されることを特徴とする請求項38から請求項45のいずれか1項に記載の絞り。
【請求項47】
前記少なくとも1つの更に別の強度値が形成されるように前記投影光に対して位置依存方式で変化する透過率を有することを特徴とする請求項37に記載の絞り。
【請求項48】
前記透過率を変更するための少なくとも1つの吸光剤層を有することを特徴とする請求項47に記載の絞り。
【請求項49】
前記透過率を変更するための少なくとも1つの誘電体反射層を有することを特徴とする請求項47に記載の絞り。
【請求項50】
請求項37から請求項49のいずれか1項に記載の絞りを生成する方法であって、
生成される絞りによって達成されることになる投影光の結果的強度分布の強度値を事前に判断する段階と、
前記強度値を前記絞り上に配置されることになる光透過ピクセル及び光不透過ピクセルの位置及びサイズに変換する段階と、
前記絞りを生成する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項51】
前記結果的強度値と前記ピクセルの位置及び/又はサイズとの間の関係が、較正によって判断される、
ことを特徴とする請求項50に記載のマスク検査顕微鏡に使用するための絞りを生成する方法。
【請求項52】
絞りを用いずに前記瞳平面内の前記投影光の前記強度分布を測定する段階と、
前記測定された強度分布の不均一性を補償するために、前記事前に判断した強度値の必要な補正を計算する段階と、
前記事前に判断した強度値を補正する段階と、
を含むことを特徴とする請求項50又は請求項51のいずれか1項に記載のマスク検査顕微鏡に使用するための絞りを生成する方法。

【図1】
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【図1a】
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【図2】
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【図3】
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【図3a】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2013−504774(P2013−504774A)
【公表日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−528247(P2012−528247)
【出願日】平成22年8月28日(2010.8.28)
【国際出願番号】PCT/EP2010/005293
【国際公開番号】WO2011/029535
【国際公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【出願人】(504311556)カール ツァイス エスエムエス ゲーエムベーハー (5)
【Fターム(参考)】