説明

可溶性グアニル酸シクラーゼの刺激剤および脂質低下物質を含有する新規組合せ物

本発明は、医薬的有効成分として、少なくとも1種の活性物質(A)および少なくとも1種の活性物質(B)を含有する組合せ製剤に関する。活性成分(A)は、式(I)の直接的可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤であり、活性成分Bは、脂質低下剤である。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、少なくとも1種の脂質低下剤および少なくとも1種の式(I)の可溶性グアニル酸シクラーゼの刺激剤を含む新規組合せ物(combination product)に関する。
【0002】
哺乳動物細胞における最も重要な細胞の伝達システムの1つは、環状グアノシン一リン酸(cGMP)である。内皮から放出され、ホルモン性および機械性シグナルを伝達する酸化窒素(NO)と共に、それは、NO/cGMPシステムを形成する。グアニル酸シクラーゼは、グアノシン三リン酸(GTP)からのcGMPの生合成を触媒する。今日までに開示されたこのファミリーの代表例は、構造的特徴に従い、そしてリガンドのタイプに従い、2つの群に分けられる:ナトリウム利尿ペプチドにより刺激され得る粒子性グアニル酸シクラーゼ、およびNOにより刺激され得る可溶性グアニル酸シクラーゼである。可溶性グアニル酸シクラーゼは2つのサブユニットからなり、ヘテロダイマー1個につき1個のヘムを含有する可能性が非常に高く、それは調節部位の一部である。後者は、活性化メカニズムに中心的に重要なものである。NOは、ヘムの鉄原子に結合でき、かくしてこの酵素の活性を顕著に増加させる。COもヘムの中心鉄原子に結合できるが、COによる刺激は、NOによるものより明らかに弱い。
【0003】
cGMPの産生および、それに由来するホスホジエステラーゼ、イオンチャネルおよびタンパク質キナーゼの調節を介して、グアニル酸シクラーゼは、様々な生理的過程において、特に、平滑筋細胞の弛緩および増殖において、血小板の凝集および接着において、そして神経シグナル伝達において、そして上述の過程の欠陥に起因する障害において、重要な役割を果たす。
【0004】
その効果がNOの放出をベースとする有機硝酸塩などの化合物は、可溶性グアニル酸シクラーゼの治療的刺激に今日まで専ら使用されてきた。NOは、生物変換により産生され、ヘムの中心鉄原子に結合することにより可溶性グアニル酸シクラーゼを活性化する。副作用の他に、耐性の発生は、この処置様式の重大な欠点の1つである。
【0005】
可溶性グアニル酸シクラーゼを、直接、即ち、事前のNO放出なしで、刺激するいくつかの物質が近年記載されてきた。例えば、3−(5'−ヒドロキシメチル−2'−フリル)−1−ベンジルインダゾール(YC-1, Wu et al., Blood 84 (1994), 4226; Muelsch et al., Br. J. Pharmacol. 120 (1997), 681)、脂肪酸 (Goldberg et al, J. Biol. Chem. 252 (1977), 1279)、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート (Pettibone et al., Eur. J. Pharmacol. 116 (1985), 307)、イソリキリチゲニン(isoliquiritigenin)(Yu et al., Brit. J. Pharmacol. 114 (1995), 1587) および様々な置換ピラゾール誘導体(WO98/16223)である。
【0006】
加えて、WO98/16507、WO98/23619、WO00/06567、WO00/06568、WO00/06569、WO00/21954、WO02/42299、WO02/42300、WO02/42301、WO02/42302、WO02/092596およびWO03/004503は、ピラゾロピリジン誘導体を可溶性グアニル酸シクラーゼの直接的刺激剤として記載している。ピラゾロピリジン誘導体と脂質低下剤の組合せは、WO03/015770に記載されている。
【0007】
驚くべきことに、この度、式(I)
【化1】

式中、
は、−NRC(=O)ORであり、
は、水素またはNHであり、
は、水素または(C−C)−アルキルであり、
は、(C−C)−アルキルである、
の可溶性グアニル酸シクラーゼの直接的刺激剤およびそれらの塩、異性体および水和物の効果を、これらの可溶性グアニル酸シクラーゼの刺激剤と組み合わせた脂質低下剤の投与で増強できることが見出された。
【0008】
このようにして、例えば、特に上記の疾患の処置に必要である式(I)の直接的可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤の量、または、脂質低下剤の量を低減し、かくして副作用の可能性を減らすことが可能である。
【0009】
従って、本発明は、
・有効成分構成物Aとして、少なくとも1種の直接的可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤;および、
・有効成分構成物Bとして、少なくとも1種の脂質低下剤、
を含む、組合せ物に関する。
【0010】
用語「組合せ物」は、本発明のために使用されるとき、2つの有効成分構成物AおよびBを、同時または連続的に(即ち、相互に別々に)投与できることを意味する。
【0011】
本発明によると、用語「組合せ物」は、成分AおよびBを、1つの機能的ユニットに、即ち、真の組合せとして(例えば、混合物(mixture)、混和物(mix)または配合物(blend)として)、または、(空間的に)別々に近接して、即ち、いわゆる部分からなるキット(kit-of-parts)として、包含する。
【0012】
本発明のさらなる態様は、刺激性可溶性グアニル酸シクラーゼにより影響を受け得る疾患、特に上述の疾患の、少なくとも1種の式(I)の直接的可溶性グアニル酸シクラーゼの刺激剤および少なくとも1種の脂質低下剤を含む組合せ物による組合せ治療である。
【0013】
以前に言及した通り、有効成分構成物AおよびBを同時または連続的に投与するやり方で、本発明の組合せを投与できる、即ち、本発明の組合せ治療を行うことができる。この場合、有効成分構成物AおよびBは、上記の通り、1つの機能的ユニット中に(即ち、真の組合せとして、例えば、混合物、混和物または配合物としてなど)存在するか、または、近接して(空間的に)別々である(即ち、いわゆるキットまたは部分からなるキット)ことが可能である。
【0014】
本発明の好ましい実施態様では、有効成分構成物AおよびBは、相互に別々に、特に連続して、投与される。
【0015】
これは、例えば、式(I)の直接的可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤の投与の数日(例えば、約1週間または1−4日だけ)前に、日用量の脂質低下剤を投与することにより、行うことができる。
【0016】
予め存在する脂質低下剤治療の中で、式(I)の直接的可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤を投与することも、例えば、上昇したコレステロールレベルが既に持続的に脂質低下剤で処置されている重篤な高コレステロール血症の患者のために、可能である。従って、この場合、直接的可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤の投与の前に、かつ、それと並行して、脂質低下剤の投与も継続できる。
【0017】
本発明の好ましい実施態様では、本発明の組合せ物の有効成分構成物AおよびBは、従って、連続的に投与され、好ましくは脂質低下剤が式(I)の直接的可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤の投与より先である、即ち、先行する。
【0018】
この関連で特定の理論に縛られることを望まないが、脂質低下剤の同時、連続または並行投与による式(I)の直接的可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤の効果の改善は、恐らく、脂質低下剤が、酸化窒素(NO)の生成により損なわれた内皮機能を改善するという事実により説明できる (Current Opinion in Lipidology, 1997, Vol. 8, pages 362-368 and Circulation 1998, 97, pages 1129-1135)。直接的可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤がNOと組み合わされて相乗的効果を示すことを示すのが可能であった(例えば、WO00/06569、図1参照)。
【0019】
本発明によると、脂質低下剤は、以下の群から選択できる:
・HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、
・スクワレンシンターゼ阻害剤、
・胆汁酸吸収阻害剤(胆汁酸陰イオン交換剤または胆汁酸捕捉剤とも呼ばれる)、
・フィブリン酸(fibric 酸)およびその誘導体、
・ニコチン酸およびその類似体、および
ω3−脂肪酸。
【0020】
上述の脂質低下剤のさらなる詳細のために、これに関して Gilbert R. Thompson & Rissitaza P. Naoumova による論文 "New prospects for lipid-lowering drugs" (Exp. Opin. Invest. Drugs (1998), 7(5), pages 715 - 727) を参照し、その全内容を出典明示により本明細書の一部とする。
【0021】
本発明によると、上述のものの中で好ましい脂質低下剤は、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤である。これに関して、「HMG−CoA」の略号は、「3−ヒドロキシメチルグルタリル−補酵素A」を表す。
【0022】
次に、本発明によると特に好ましいHMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、バスタチン(vastatin)類−通常、記載の簡潔さのために、単に「スタチン類」と呼ばれる−の物質クラスに属する。
【0023】
次に、本発明によると特に好ましいスタチン類は、
・アトルバスタチン(Lipitor(登録商標)の名称で Parke-Davis から購入できる);
・セリバスタチン(Lipobay(登録商標)またはBaycol(登録商標)の名称で Bayer から購入できる);
・フルバスタチン(Lescol(登録商標)の名称で Novartis から購入できる);
・ロバスタチン(Mevacor(登録商標)の名称で Merck から購入できる);
・プラバスタチン(Lipostat(登録商標)の名称で Bristol-Myers Squibb から購入できる);
・シンバスタチン(Zocor(登録商標)の名称で Merck から購入できる);
・ピタバスタチン(pitavastatin)(「ニスバスタチン(nisvastatin)」とも呼ばれる;NK 104; 系統名:[S−[R,S−(E)]]−7−[2−シクロプロピル−4−(4−フルオロフェニル)−3−キノリニル]−3,5−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸);
・ダルバスタチン(dalvastatin);
・メバスタチン(mevastatin);
・ジヒドロコンパクチン(dihydrocompactin);
・コンパクチン(compactin); および
・ロスバスタチン(rosuvastatin)(Crestor(登録商標)の名称で AstraZeneca から購入できる;系統名:(+)(3R,5S)ビス(7−(4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(N−メチル−N−メタンスルホニルアミノ)ピリミジン−5−イル)−3,5−ジヒドロキシ−6(E)−ヘプテン酸);
およびそれらの各々の塩、水和物、アルコラート、エステルおよび互変異性体である。
【0024】
これらの中でことさら特に好ましいのは、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ピタバスタチン、シンバスタチンおよびロスバスタチン、並びにそれらの各々の塩、水和物、アルコラート、エステルおよび互変異性体である。
【0025】
次いでこららの中でことさら特に好ましいのは、セリバスタチンおよびアトルバスタチン、並びにそれらの各々の塩、水和物、アルコラート、エステルおよび互変異性体である。
【0026】
上述のスタチン類のさらなる詳細について、Drugs of the Future 1994, 19(6), pages 537 - 541 and 1995, 20(6), page 611 and 1996, 21(6), page 642 の議論を参照し、これらの各々の内容を出典明示により本明細書の一部とする。
【0027】
用語「塩」は、本発明のために、各場合で各々の化合物の生理的に許容し得る塩を意味する。それらは、例えば:無機酸、カルボン酸またはスルホン酸との塩、特に塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸または安息香酸との塩、またはこれらの混合塩であり得る。しかしながら、常套の塩基との塩も可能であり、例えば、アルカリ金属塩(例えばナトリウムまたはカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばカルシウムまたはマグネシウム塩)またはアンモニアもしくは有機アミン(例えば、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、アルギニン、リジンまたはエチレンジアミン)から誘導されるアンモニウム塩およびこれらの混合塩である。
【0028】
本発明により使用できるスタチン塩の例は、フルインドスタチン(fluindostatin )(フルバスタチンの一ナトリウム塩);ピタバスタチンの一カリウム塩およびカルシウム塩;および(+)(3R,5S)ビス(7−(4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−(N−メチル−N−メタンスルホニルアミノ)ピリミジン−5−イル)−3,5−ジヒドロキシ−6(E)−ヘプテン酸のカルシウム塩(Shionogi または AstraZeneca の「ロスバスタチン」、「ZD 4522」または「S 4522」)である。本発明により使用できるスタチン塩のさらなる例は、セリバスタチン、アトルバスタチンおよびプラバスタチンの一ナトリウムおよび一カリウム塩である。
【0029】
さらなる好ましいHMG−CoAレダクターゼ阻害剤は、EP−A−0325130およびEP−A−0−491226に記載されており、それらの内容を出典明示により本明細書の一部とする。EP−A−0325130は、置換ピリジン類に関するものであり、EP−A−0−491226は、置換ピリジルジヒドロキシヘプテン酸誘導体およびそれらの塩を記載しており、特に、本発明によると特に好ましいセリバスタチンを含む(EP−A−0−491226の請求項6)。
【0030】
本発明によると同様に好ましいのは、WO−A−99/11263で言及されるスタチン類であり、その開示を出典明示により本明細書の一部とする。
【0031】
本発明によると等しく好ましいのは、刊行物 Bioorganic & Medicinal Chemistry, Vol. 5, No. 2, pages 437-444 (1997) で言及されるHMG−CoAレダクターゼ阻害剤であり、その開示を全体的に出典明示により本明細書の一部とする。
【0032】
HMG−CoAレダクターゼ阻害剤のさらなる概説は、Pharmazie in unserer Zeit, Vol. 28, No. 3, pages 147 - 1152 (1999) に存在する。
【0033】
本発明によると好ましい上述の胆汁酸吸収阻害剤(胆汁酸捕捉剤)は、コレスチラミン(Qestran(登録商標)の名称で Bristol-Myers Squibb から購入できる)およびコレスチポール (Colestid(登録商標) の名称で Pharmacia & Upjohn から購入できる) である (Exp. Opin. Invest. Drugs (1998), 7(5), pages 715 - 727 も参照)。
【0034】
本発明によると好ましいフィブリン酸誘導体は、シプロフィブラート (Modalim(登録商標)の名称で Sanofi Winthrop から購入できる)、フェノフィブラート (Lipantil(登録商標)の名称で Fournier から購入できる)、ゲムフィブロジル (Lopid(登録商標)の名称で Parke-Davis から購入できる)、ベザフィブラートおよびクロフィブラートである (Exp. Opin. Invest. Drugs (1998), 7(5), pages 715 - 727も参照)。
【0035】
上述のニコチン酸類似体で、本発明によると好ましいのは、アシピモックス(acipimox)(Olbetam(登録商標)の名称で Pharmacia & Upjohn から購入できる) である(Exp. Opin. Invest. Drugs (1998), 7(5), pages 715 - 727も参照)。
【0036】
上述のω3−脂肪酸で、本発明によると好ましいのは、マクセパ(maxepa)(Seven Seas により販売) である(これに関して、Exp. Opin. Invest. Drugs (1998), 7(5), pages 715 - 727も参照)。
【0037】
本発明によると好ましい式(I)の直接的可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤は、式中、
が−NRC(=O)ORであり、
が水素またはNHであり、
が(C−C)−アルキルであり、
が(C−C)−アルキルである、
もの並びにそれらの塩、異性体および水和物である。
【0038】
本発明のために、アルキルは、通常1個ないし6個、好ましくは1個ないし4個、特に好ましくは1個ないし3個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基、例えば、そして好ましくは、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、tert−ブチル、n−ペンチルおよびn−ヘキシルを表す。
【0039】
本発明によると特に好ましい式(I)の直接的可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤は、式中、
が−NRC(=O)ORであり、
がNHであり、
がメチルまたはエチルであり、
がメチル、エチルまたはイソプロピルである、
のもの並びにそれらの塩、異性体および水和物である。
【0040】
本発明によると特に好ましい式(I)の直接的可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤は、以下の構造:
【化2】

並びにそれらの塩、異性体および水和物を有する。
【0041】
式(I)の化合物は、それらの塩形態でも存在し得る。一般に、本発明では有機または無機塩基または酸との塩に言及し得る。
式(I)の化合物は、互変異性体として存在し得る。これは当業者に知られており、そのような形態は同様に本発明に包含される。
式(I)の化合物はまた、可能な水和物の形態であり得る。
【0042】
式(I)の化合物は、例えば以下により製造できる。
[A]式(Ia)の化合物
【化3】

(式中、Rは上記定義の通りである)
を、式(II)の化合物
−X(II)
(式中、Rは上記定義の通りであり、そして、Xは、例えば、ハロゲン、好ましくはヨウ素またはメシレートなどの脱離基である)
と、必要に応じて有機溶媒中で、冷却しながら反応させ、式(I)の化合物を得る。
【0043】
または、
[B]式(III)の化合物
【化4】

を、式(IV)の化合物
【化5】

(式中、Rは上記定義の通りである)
と、必要に応じて有機溶媒中で反応させ、式(Ia)の化合物を得る。
【0044】
または、
[C]式(V)の化合物
【化6】

を、式(VI)の化合物
【化7】

(式中、RおよびRは、上記定義の通りである)
と、必要に応じて有機溶媒中、加熱しながら反応させ、式(Ib)の化合物
【化8】

(式中、RおよびRは、上記定義の通りである)
を得る。
【0045】
本発明のために、ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素を表す。
【0046】
式(II)および(IV)の化合物は、購入できるか、文献に開示されているか、または、当業者に知られているやり方で製造できる。
【0047】
式(III)の化合物は、以下の反応スキームに示す通りに製造できる:
【化9】

化合物(III)は、工程[C]に従って、化合物(V)を化合物(VII)と反応させて化合物(VIII)を得、続いて化合物(VIII)を水性ラネーニッケルで水素化することにより、2段階合成で得ることができる。水素化は、有機溶媒中、例えばジメチルホルムアミド中、好ましくは加圧下で、例えば50ないし70バール、好ましくは65バールで、反応溶液を数時間、例えば22時間、高温、例えば40ないし80℃、好ましくは60℃ないし65℃で撹拌しながら、実行できる。
【0048】
化合物(VII)は、L. F. Cavalieri, J. F. Tanker, A. Bendich, J. Am. Chem. Soc., 1949, 71, 533 と同様に製造できる。
【0049】
化合物(V)は、以下の反応スキームに示す通りに製造できる:
【化10】

【0050】
化合物(V)は、文献(Borsche and Manteuffel, Liebigs. Ann. Chem. 1934, 512, 97)から知られているエチルシアノピルベートのナトリウム塩から、多段階合成で得ることができる。それを2−フルオロベンジルヒドラジンと、保護ガス雰囲気下、ジオキサンなどの不活性溶媒中で加熱しながら反応させ、エチル5−アミノ−1−(2−フルオロベンジル)ピラゾール−3−カルボキシレートを得、ジメチルアミノアクロレインを用いて、酸性媒体中、保護ガス雰囲気下で加熱しながら反応させることにより、それを環化し、対応するピリジン誘導体を得ることができる。このピリジン誘導体、エチル1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシレートを、アンモニアによるエステルの対応するアミドへの変換、トリフルオロ酢酸無水物などの脱水剤による対応するニトリル誘導体への脱水、ナトリウムエトキシドとニトリル誘導体の反応および塩化アンモニウムによる化合物(V)への最終反応からなる多段階の連続反応により変換する。
【0051】
式(VI)の化合物は、当業者に知られている方法により、対応するカルバメートから、蟻酸エチルとの反応により合成できる。カルバメート類は、Q. Li. Chu, T. W. Daniel, A. Claiborne, C. S. Cooper, C. M. Lee, J. Med. Chem. 39 (1996) 3070-3088 と同様に製造できる。
【0052】
式(I)の化合物を得るための式(Ia)および(II)の化合物の反応は、等モル量で反応物を用いることにより、有機溶媒中、例えばジメチルホルムアミドまたはテトラヒドロフラン中、好ましくは1ないし2当量、好ましくは1.1ないし1.5当量の塩基、例えば水素化ナトリウムまたはナトリウムN,N−ビストリメチルシリルアミドの存在下、好ましくは大気圧下、反応を数時間、例えば1時間撹拌しながら、冷却しながら、例えば−10℃ないし室温、好ましくは0℃で、実行できる。
【0053】
式(Ia)の化合物を得るための式(III)および(IV)の化合物の反応は、反応物を等モル量で使用することにより、有機溶媒中、例えば有機塩基、好ましくはピリジン中、好ましくは大気圧下で、反応溶液を数時間、例えば12時間、0℃ないし室温、好ましくは室温で撹拌しながら、実行できる。
【0054】
式(Ib)の化合物を得るための式(V)および(VI)の化合物の反応、または、式(VIII)の化合物を得るための式(V)および(VII)の化合物の反応は、等モル量の反応物を使用することにより、または、わずかに過剰の式(VI)の化合物を使用して、有機溶媒中、例えばトルエンもしくはキシレンなどの炭化水素中、またはN,N−ジメチルホルムアミド中、好ましくは2−3当量、好ましくは2当量の塩基の存在下、例えばトリエチルアミンまたはナトリウムメタノラートの存在下、好ましくは大気圧下、反応溶液を数時間、例えば9時間、高温、例えば80−160℃、好ましくは100−150℃、特に110℃で撹拌しながら、実行できる。
【0055】
本発明はさらに、可溶性グアニル酸シクラーゼの刺激により影響を受け得る疾患の処置における、式(I)の直接的可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤の効果を増強するための脂質低下剤の使用に関する。
【0056】
言及し得る好ましい例は:心血管障害、例えば、高血圧または心不全、安定および不安定狭心症、末梢および心臓の血管障害、不整脈、血栓塞栓性障害および虚血、例えば心筋梗塞、卒中、一過性および虚血性発作、末梢血流の撹乱、血栓溶解治療、経皮経管的血管形成術(PTA)、経皮経管冠動脈形成術(PTCA)、バイパス後の再狭窄の防止、および動脈硬化症、喘息性障害および泌尿器系の疾患、例えば、前立腺肥大、勃起不全、女性の性機能不全、骨粗鬆症、緑内障、肺性高血圧、胃不全麻痺または失調症である。
【0057】
さらに、NO/cGMPシステムの撹乱を特徴とする中枢神経系の疾患の制御に言及し得る:例えば、軽度認識障害、加齢関連学習記憶障害、加齢関連記憶喪失、血管性認知症、頭蓋大脳性外傷、卒中、卒中後に発生する認知症、外傷後の頭蓋大脳性外傷、一般的集中障害、学習記憶に問題のある小児の集中障害、アルツハイマー病、レビー小体痴呆、ピック病を含む前頭葉変性を伴う認知症、パーキンソン病、進行性核麻痺、皮質基質変性を伴う認知症、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、ハンチントン病、多発性硬化症、視床変性、クロイツフェルト・ヤコブ病認知症、HIV認知症、認知症を伴う統合失調症またはコルサコフ精神病などの状態/疾患/症候群において生じるもののような認識障害の後の、知覚力、集中力、学習力または記憶力の改善;不安、緊張および抑鬱の状態、CNS関連性機能不全および睡眠障害;食物、刺激物および嗜好性物質の摂取の病的撹乱の調節;脳血流の調節および偏頭痛の制御;卒中などの脳梗塞、脳虚血および頭蓋大脳性外傷の後遺症の予防および制御;疼痛状態の制御または抗炎症剤として。
【0058】
上記で言及した2つの有効成分構成物AおよびBの他に、本発明の組合せ物は、適応症の領域と矛盾せず、式(I)の直接的可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤および脂質低下剤の効果を損なわない限り、任意の他の有効成分も含み得る。特に、本発明の組成物に、有機硝酸塩またはNO供与体−即ち、cGMPの合成を刺激する化合物−、または、環状グアノシン一リン酸(cGMP)の崩壊を阻害する化合物を添加することが可能である。
【0059】
本発明のための有機硝酸塩およびNO供与体は、一般的に、NOまたはNO種の放出を介してそれらの治療効果を発揮する物質である。ニトロプルシドナトリウム、ニトログリセリン、二硝酸イソソルビド、一硝酸イソソルビド、モルシドミンおよびSIN−1が好ましい。
【0060】
本発明はさらに、環状グアノシン一リン酸(cGMP)の崩壊を阻害する化合物との組合せを包含する。それらは、特に、ホスホジエステラーゼ1、2および5の阻害剤である;Beavo and Reifsnyder (1990) TiPS 11 pages 150 to 155 の命名法。これらの阻害剤は、本発明の化合物の効果を強化し、所望の薬理効果を高める。
【0061】
好ましくは存在するこれらの他の有効成分は−有効成分構成物AおよびBとちょうど同じように−、Aおよび/またはBと共に真の混合物として存在し得るか、または、それらとは空間的に別々に存在し得る。それらの投与は、有効成分構成物Aおよび/またはBとの関係で、並行して、または同時に、または連続的に行うことができる。
【0062】
好ましくは本発明の組合せ物に存在する他の有効成分には、例えば以下が含まれる:
・勃起能力を改善する他の有効成分、例えば:cGMP PDE阻害剤、例えば、シルデナフィル(EP−B−0463756)、IC351(WO95/19978)またはバルデナフィル(vardenafil)(WO99/24433)、またはα−アドレナリン受容体アンタゴニスト、例えば、ヨヒンビンまたは Zonagen の Vasomax(登録商標);または、その内容を出典明示により本明細書の一部とするWO−A−98/52569で言及されたもののような物質;またはプロスタグランジンE1;またはセレトニン(seretonin)アンタゴニスト;
・心血管領域の適応症の有効成分;
・CNSおよび中枢領域の適応症の有効成分;
・ビタミン類;
・無機物類;
・微量元素類。
【0063】
全ての常套の投与形は、各場合で2つの有効成分構成物AおよびB(および必要に応じて存在する他の有効成分)の投与に適する。投与は、好ましくは、経口で、経舌で、舌下で、鼻腔に、経皮で、頬側で、静脈内に、直腸に、吸入により、または非経腸で行う。投与は、好ましくは、経口で、舌下で、または鼻腔内に行う。経口投与がことさら特に好ましい。
【0064】
投与が空間的に別々であるか、または異なる時間であるならば、2つの有効成分構成物AおよびBを、異なる投与形で投与することがさらに可能である。
【0065】
2つの有効成分構成物AおよびBは、各場合でそれ自体既知のやり方で、不活性、非毒性、医薬的に適当な担体または溶媒を使用して、錠剤、被覆錠剤、丸剤、顆粒剤、エアゾル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤および液剤などの常套の製剤に、−共に、または空間的に別々に−変換できる。これらの場合では、治療的に有効な構成物AおよびBは、混合物全体の約0.5ないし90重量%の濃度で、即ち、上述の投与量範囲に達するのに十分な量で、各々存在すべきである。
【0066】
製剤は、例えば、2つの有効成分構成物AおよびBを、必要に応じて乳化剤および/または分散剤を使用して、溶媒および/または担体で薄めることにより製造し、例えば、水を希釈剤として使用する場合、必要に応じて有機溶媒を補助溶媒として使用することが可能である。
【0067】
本発明はさらに、本発明の組成物の製造方法に関し、それは、少なくとも1種の脂質低下剤および少なくとも1種の式(I)の直接的可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤を、必要に応じて常套の賦形剤および添加剤を用いて、適当な投与形に変換することを特徴とする。
【0068】
効果的かつ価値ある結果を達成するには、ヒトに使用するための経口投与で投与される投与量は、0.001ないし50mg/kg体重、好ましくは0.001mg/kg体重ないし20mg/kg体重、特に0.001ないし10mg/kg体重、特に好ましくは0.001mg/kg体重ないし5mg/kg体重の各有効成分構成物AまたはBである。
【0069】
それにも関わらず、特に、体重および投与経路の性質、または、組合せ物に対する個体の挙動、製剤の性質および投与を行う時間または間隔に応じて、必要に応じて本明細書で言及した量から逸脱することが必要であり得る。従って、いくつかの場合では、上述の最小量より少なくても十分であり得、一方他の場合では上述の上限を超えなければならない。
【0070】
比較的大量に投与する場合、これらを1日に亘る複数の単回用量に分散させるのが望ましいことがある。
【0071】
実験の部:
略号:
【表1】

【0072】
薄層クロマトグラフィーの移動相:
【表2】

【0073】
LCMSおよびHPLCの方法:
方法1(LCMS)
器具:Micromass Platform LCZ, HP1100;カラム:Symmetry C18, 50 mm x 2.1 mm, 3.5 μm;溶離剤A:アセトニトリル+0.1%蟻酸、溶離剤B:水+0.1%蟻酸;勾配:0.0分10%A→4.0分90%A→6.0分90%A;オーブン:40℃;流速:0.5ml/分;UV検出:208−400nm。
【0074】
方法2(LCMS)
器具:Micromass Quattro LCZ, HP1100;カラム:Symmetry C18, 50 mm x 2.1 mm, 3.5 μm;溶離剤A:アセトニトリル+0.1%蟻酸、溶離剤B:水+0.1%蟻酸;勾配:0.0分10%A→4.0分90%A→6.0分90%A;オーブン:40℃;流速:0.5ml/分;UV検出:208−400nm。
【0075】
方法3(LCMS)
器具:Waters Alliance 2790 LC;カラム:Symmetry C18, 50 mm x 2.1 mm, 3.5 μm;溶離剤A:水+0.1%蟻酸、溶離剤B:アセトニトリル+0.1%蟻酸;勾配:0.0分5%B→5.0分10%B→6.0分10%B;温度:50℃;流速:1.0ml/分;UV検出:210nm。
【0076】
方法4(HPLC)
器具:DAD 検出を有するHP 1100;カラム:Kromasil RP-18, 60 mm x 2 mm, 3.5 μm;溶離剤:A=HClO5ml/HO1l、B=ACN;勾配:0分2%B、0.5分2%B、4.5分90%B、6.5分90%B;流速:0.75ml/分;温度:30℃;検出UV210nm。
【0077】
分取RP−HPLC
カラム:YMC gel;溶離剤:アセトニトリル/水(勾配);流速:50ml/分;温度:25℃;検出UV210nm。
【0078】
出発化合物:
実施例1A
エチル5−アミノ−1−(2−フルオロベンジル)ピラゾール−3−カルボキシレート
【化11】

トリフルオロ酢酸111.75g(75ml、0.98mol)を、ジオキサン2.5l中のエチルシアノピルベートのナトリウム塩(Borsche and Manteuffel, Liebigs Ann. 1934, 512, 97と同様に製造)100g(0.613mol)に、アルゴン下で、室温で効率的に撹拌しながら添加し、混合物を10分間撹拌する。その間に前駆物質の多くが溶解する。次いで、2−フルオロベンジルヒドラジン85.93g(0.613mol)を添加し、混合物を終夜沸騰させる。冷却後、析出したトリフルオロ酢酸ナトリウムの結晶を吸引濾過し、ジオキサンで洗浄し、溶液をそのままさらに反応させる。
【0079】
実施例2A
エチル1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシレート
【化12】

実施例1Aから得られる溶液を、ジメチルアミノアクロレイン61.25ml(60.77g、0.613mol)およびトリフルオロ酢酸56.28ml(83.88g、0.736mol)と混合し、アルゴン下で3日間沸騰させる。次いで、溶媒を真空で蒸発させ、残渣を水2lに添加し、各回1lの酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーター中で濃縮する。シリカゲル2.5kg上でクロマトグラフィーを実行し、トルエン/トルエン−酢酸エチル=4:1勾配で溶離する。収量:91.6g(2段階を通して、理論値の49.9%)。
融点85℃
(SiO、T1 E1):0.83
【0080】
実施例3A
1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキサミド
【化13】

実施例2Aで得られるエステル10.18g(34mmol)を、アンモニアで飽和させたメタノール150mlに0−10℃で導入する。混合物を室温で2日間撹拌し、次いで真空で濃縮する。
(SiO、T1 E1):0.33
【0081】
実施例4A
3−シアノ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン
【化14】

実施例3Aの1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキサミド36.1g(133mmol)をTHF330mlに溶解し、ピリジン27g(341mmol)を添加する。次いで、10分間に亘り、トリフルオロ酢酸無水物47.76ml(71.66g、341mmol)を添加する。その間に、温度は40℃に上昇する。混合物を室温で終夜撹拌する。次いで、それを水1lに添加し、各回0.5lの酢酸エチルで3回抽出する。有機相を飽和重炭酸ナトリウム溶液で、そして1N塩酸で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーター中で濃縮する。
収量:33.7g(理論値の100%)
融点:81℃
(SiO、T1 E1):0.74
【0082】
実施例5A
メチル(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミデート(carboximidate)
【化15】

ナトリウムメトキシド30.37g(562mmol)を、メタノール1.5lに溶解し、3−シアノ−1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(実施例4Aより)36.45g(144.5mmol)を添加する。混合物を室温で2時間撹拌し、得られる溶液を直接次の段階に用いる。
【0083】
実施例6A
1−(2−フルオロベンジル)1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキサミジン(carboxamidine)
【化16】

実施例5Aから得られるメチル(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキシイミデートのメタノール溶液を、氷酢酸33.76g(32.19ml、562mmol)および塩化アンモニウム9.28g(173mmol)と混合し、還流下で終夜撹拌する。溶媒を真空で蒸発させ、残渣を徹底的にアセトンでトリチュレートし、沈殿した固体を吸引濾過する。それを水2lに添加し、炭酸ナトリウム31.8gを撹拌しながら添加し、混合物を全部で1lの酢酸エチルで3回抽出し、有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、真空で蒸発させる。
収量27.5g(2段階を通して理論値の76.4%)m.p.:86℃
(SiO、T1 EtOH1):0.08
【0084】
実施例7A
2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−[(E)フェニルジアゼニル]−4,6−ピリミジンジアミン
【化17】

ナトリウムメタノラート3.87g、次いでフェニルアゾマロノニトリル(L. F. Cavalieri, J. F. Tanker, A. Bendich, J. Am. Chem. Soc., 1949, 71, 533) 12.2g(71.7mmol)を、実施例6AのN,N−ジメチルホルムアミド中の1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキサミジン21.92g(71.7mmol)の撹拌溶液に添加する。混合物を110℃で終夜撹拌し、放冷する。沈殿する固体を吸引濾過し、エタノールで洗浄する。乾燥させ、標的化合物23g(理論値の73%)を得る。
【0085】
実施例8A
2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−4,5,6−ピリミジントリアミン三塩酸塩
【化18】

実施例7Aの2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−[(E)−フェニルジアゼニル]−4,6−ピリミジンジアミン5g(11.38mmol)を、水中の50%ラネーニッケル800mgで、DMF60ml中、水素圧65バール下、62℃で22時間水素化する。珪藻土を通して触媒を吸引濾過し、溶液を真空で蒸発させ、5N塩酸と撹拌する。析出する黄色がかった茶色の沈殿を吸引濾過し、乾燥させる。標的化合物3.1g(理論値の59.3%)を得る。希重炭酸ナトリウム溶液と震盪することにより遊離塩基を得、酢酸エチルで抽出する。両方の相に不溶である固体を吸引濾過する。酢酸エチル相も少量の遊離塩基を含有する。
【0086】
実施例9A
メチルシアノメチル(メチル)カルバメート
【化19】

Q. Li. Chu, T.W. Daniel, A. Claiborne, C.S. Cooper, C.M. Lee, J. Med. Chem.1996, 39, 3070-3088 と同様に製造する。
【0087】
実施例10A
ナトリウム(E)−2−シアノ−2−[(メトキシカルボニル)(メチル)アミノ]エテノラート(ethenolate)
【化20】

ナトリウムメトキシド0.46g(0.01mmol)を、アルゴン下でテトラヒドロフラン(溶液A)に添加する。次いで、実施例9Aのメチルシアノメチル(メチル)カルバメート1.00g(0.01mmol)を蟻酸エチル1.73g(0.02mmol)に添加する。溶液Aをゆっくりと注意深く滴下してこの混合物に添加する。混合物を室温で終夜撹拌する。溶媒をロータリーエバポレーター中、真空で濃縮し、ジエチルエーテルを残渣に添加する。得られる結晶を吸引濾過し、高真空下で乾燥させる。
収量:1.05g(理論値の76%)
HPLC(方法4):R=1.35分
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ= 2.90 (d, 1H), 3.35 (s, 3H), 3.47 (s, 3H)。
【0088】
実施例
実施例1
エチル4−アミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニル(メチル)カルバメート
【化21】

アルゴン下で、実施例6Aの1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−カルボキサミジン0.80g(2.61mmol)、実施例10Aのナトリウム(E)−2−シアノ−2−[(メトキシカルボニル)(メチル)アミノ]エテノラート0.51g(2.86mmol)およびトリエチルアミン0.53g(0.73ml、5.23mmol)を、トルエン50mlに添加する。混合物を沸騰させて9時間還流する。次いでそれを再度室温に冷却し、ジクロロメタンおよび水と混合し、抽出する。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、ロータリーエバポレーター中、真空で濃縮する。残渣をジエチルエーテル5mlと混合し、それを用いて結晶化させる。結晶を吸引濾過し、乾燥させ、分取RP−HPLCにより精製する。
収量:20.2mg(理論値の2%)
LC/MS(方法2):R=3.01分
MS(EI):m/z=408(M+H)
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ= 3.09 (s, 3H), 3.29 (s, 3H), 5.83 (s, 2H), 7.09-7.42 (m, 5H), 8.20 (s, 1H), 8.64 (dd, 1H). 8.94 (dd, 1H), 9.27 (br. s, 2H)。
【0089】
実施例2
エチル4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメート
【化22】

実施例8Aの2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−4,5,6−ピリミジントリアミン三塩酸塩107.35mg(0.31mmol)をピリジン5mlに添加し、混合物を0℃に冷却する。エチルクロロホルメート33.25mg(0.31mmol)を添加し、反応を室温で終夜撹拌しておく。ピリジンを、ロータリーエバポレーター中、真空で蒸発させ、残渣を分取RP−HPLCにより精製する。
収量:56.2mg(理論値の43%)
LC/MS(方法1):R=2.66分
MS(EI):m/z=423(M+H)
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ= 1.17-1.33 (m, 3H), 3.97-4.14 (m, 2H), 5.80 (s, 2H), 6.14 (br. s, 4H), 7.07-7.17 (m, 2H), 7.22 (t, 1H). 7.29-7.40 (m, 2H), 7.97 (br. s, 1H), 8.60 (d, 1H), 9.07 (d, 1H)。
【0090】
実施例3
イソプロピル4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメート
【化23】

実施例8Aの2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−4,5,6−ピリミジントリアミン三塩酸塩150mg(0.43mmol)、ピリジン7.5mlおよびイソプロピルクロロホルメート52.47mg(0.43mmol)を用いて、実施例2と同様に製造する。残渣をジクロロメタン/メタノール混合物に取り、濾過し、乾燥させる。
収量:165mg(理論値の88%)
LC/MS(方法1):R=2.84分
MS(EI):m/z=437(M+H)
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ= 1.26 (d, 6H), 4.82 (quin., 1H), 5.92 (s, 2H), 7.07-7.20 (m, 2H), 7.25 (t, 1H). 7.31-7.43 (m, 2H), 7.47-7.57 (m, 1H), 8.16 (br. s, 1H), 8.74 (dd, 1H), 8.98 (dd, 1H)。
【0091】
実施例4
ネオペンチル4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメート
【化24】

実施例8Aの2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−4,5,6−ピリミジントリアミン三塩酸塩100mg(0.29mmol)、ピリジン5mlおよびネオペンチルクロロカルボネート43mg(0.29mmol)を用いて、実施例2と同様に製造する。
収量:54mg(理論値の41%)
LC/MS(方法1):R=3.10分
MS(EI):m/z=465(M+H)
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ= 0.95 (br. s, 9H), 3.74 (s, 2H), 5.79 (s, 2H), 6.10 (br. s, 4H), 7.08-7.17 (m, 2H), 7.22 (t, 1H), 7.29-7.39 (m, 2H), 8.00 (br. s, 1H), 8.60 (dd, 1H), 9.06 (dd, 1H)。
【0092】
実施例5
メチル4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメート
【化25】

実施例8Aの2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−4,5,6−ピリミジントリアミン三塩酸塩30.5g(87.0mmol)を、ピリジン30mlに溶解する。得られる溶液を0℃に冷却する。メチルクロロホルメート8.22g(87.0mmol)を添加し、混合物を0℃でさらに2時間撹拌する。それを次いで室温に温まらせ、さらに2時間撹拌する。真空で濃縮した後の残渣を水で洗浄し、乾燥させる。それをさらに沸騰しているジエチルエーテル300ml中で撹拌することにより精製する。沈殿する生成物を吸引濾過し、真空で乾燥させる。
収量:32.6g(理論値の92%)
LC/MS(方法1):R=2.61分
MS(EI):m/z=409(M+H)
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ= 3.61 (s, 3H), 5.80 (s, 2H), 6.19 (br. s, 4H), 7.08-7.16 (m, 2H), 7.22 (t, 1H), 7.28-7.39 (m, 2H), 7.99 (br. s, 1H), 8.60 (dd, 1H), 9.05 (dd, 1H)。
【0093】
実施例6
エチル4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニル(メチル)カルバメート
【化26】

実施例3のエチル4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメート54mg(0.13mmol)を、DMF5mlに添加し、混合物を0℃に冷却し、水素化ナトリウム7.67mg(0.19mmol)を添加する。次いで、ヨードメタン18.14mg(0.13mmol)を滴下して添加し、混合物を1時間撹拌しておく。混合物を水と混合し、ジクロロメタンで抽出する。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーター中で濃縮する。残渣を最初にカラムクロマトグラフィー(移動相:ジクロロメタン/メタノール=10:1)で、次いで分取RP−HPLCで精製する。
収量:32mg(理論値の58%)
LC/MS(方法2):R=2.91分
MS(EI):m/z=437(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ= 1.08 (t, 3H), 2.99 (s, 3H), 2.93-4.11 (m, 2H), 5.79 (s, 2H), 6.35 (br. s, 4H), 7.06-7.14 (m, 2H), 7.16-7.28 (m, 1H), 7.28-7.32 (m, 2H), 8.59 (dd, 1H), 9.06 (dd, 1H)。
【0094】
実施例7
イソプロピル4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニル(メチル)カルバメート
【化27】

実施例6と同様に、実施例3のイソプロピル4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメート75mg(0.17mmol)、水素化ナトリウム10.31mg(0.26mmol)およびヨードメタン24.4mg(0.17mmol)を用いて製造する。残渣を分取RP−HPLCにより精製する。
収量:32mg(理論値の41%)
LC/MS(方法1):R=2.97分
MS(EI):m/z=451(M+H)
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ= 1.09 (d, 6H), 2.98 (s, 3H), 4.80 (quin., 1H), 5.79 (s, 2H), 6.31 (br. s, 4H), 7.05-7.16 (m, 2H), 7.22 (t, 1H), 7.28-7.40 (m, 2H), 8.59 (dd, 1H), 9.07 (dd, 1H).
【0095】
実施例8
メチル4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニル(メチル)カルバメート
【化28】

実施例6と同様に、実施例5のメチル4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメート310mg(0.76mmol)、水素化ナトリウム27.32mg(1.14mmol)およびヨードメタン215.5mg(1.52mmol)を用いて製造する。水および2モル濃度水酸化カリウム溶液を添加し、ジクロロメタンで抽出することにより、混合物を後処理する。合わせた有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ロータリーエバポレーター中で濃縮する。残渣を分取RP−HPLCにより精製する。
収量:93mg(理論値の29%)
【0096】
以下の合成方法により、大量の実施例8の化合物も製造できる:
実施例5のメチル4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3.4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメート20.0g(49.0mmol)を、テトラヒドロフラン257mlに溶解し、0℃に冷却する。ビス(トリメチルシリル)リチウムアミド53.9ml(1Mテトラヒドロフラン溶液49.0mmol)を15分間かけて滴下して添加する。0℃で20分間撹拌した後、ヨードメタン6.95g(53.9mmol)を添加する。1時間後、混合物を室温に温まらせ、飽和水性塩化アンモニウム溶液の添加により反応を停止する。相を分離する。水相を酢酸エチルおよびジクロロメタンで数回抽出する。合わせた有機相を真空で濃縮する。こうして得られた残渣を、ジクロロメタンおよびテトラヒドロフラン(1:1)の混合物に懸濁する。不溶性結晶を吸引濾過し、メタノールに取る。混合物を還流下で1時間加熱する。冷却後、析出する沈殿を濾過する。こうして得られる赤色固体をジオキサンおよびジクロロメタン(1:1)の混合物100mlに懸濁し、沸騰させながら、メタノール20mlを透明な溶液が形成されるまで添加する。活性炭素を添加し、混合物を短時間沸騰させ、熱いまま珪藻土を通して濾過する。こうして得られる溶液を蒸発乾固させる。残渣をメタノールに取り、懸濁液を室温で1時間撹拌する。白色結晶を吸引濾過する。
収量:14.9g(理論値の72%)
LC/MS(方法3):R=1.85分
MS(EI):m/z=423(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ= 3.01 (s, 3H), 3.57 (s, 3H), 5.92 (s, 2H), 7.05.7.17 (m, 2H), 7.18-7.46 (m, 3H), 7.47-7.61 (m, 2H), 7.59-7.97 (m, 2H), 8.71-8.81 (m, 1H), 8.97 (dd, 1H)。
【0097】
実施例9
イソプロピル4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニル(エチル)カルバメート
【化29】

実施例6と同様に、実施例3のイソプロピル4,6−ジアミノ−2−[1−(2−フルオロベンジル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−3−イル]−5−ピリミジニルカルバメート60mg(0.14mmol)、水素化ナトリウム4.95mg(0.21mmol)およびヨードエタン21.4mg(0.17mmol)を用いて製造する。反応を完了させるために、同量の水素化ナトリウムおよびヨードエタンをもう一度添加する。残渣を分取RP−HPLCにより精製する。
収量:43mg(理論値の67%)
LC/MS(方法1):R=2.97分
MS(EI):m/z=465(M+H)
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ= 0.96-1.06 (m, 3H), 1.09 (d, 6H), 2.79-2.93 (m, 2H), 4.82 (quin., 1H), 5.80 (s, 2H), 6.25 (br. s, 4H), 7.01-7.14 (m, 2H), 7.15-7.50 (m, 3H), 8.60 (dd, 1H), 9.09 (dd, 1H)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬的有効成分として、少なくとも1種の有効成分構成物Aおよび少なくとも1種の有効成分構成物Bを含み、有効成分構成物Aが式(I)
【化1】

式中、
は、−NRC(=O)ORであり、
は、水素またはNHであり、
は、水素または(C−C)−アルキルであり、
は、(C−C)−アルキルである、
の直接的可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤であり、有効成分構成物Bが脂質低下剤であることを特徴とする、組合せ物(combination product)。
【請求項2】
式中、
が−NRC(=O)ORであり、
がNHであり、
がメチルまたはエチルであり、
がメチル、エチルまたはイソプロピルである、
請求項1に記載の組合せ物。
【請求項3】
式(I)の直接的可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤が、以下の構造:
【化2】

を有する、請求項1に記載の組合せ物。
【請求項4】
疾患の処置用の、請求項1ないし請求項3に記載の組合せ物。
【請求項5】
有効成分構成物AおよびBが、相互に別々に、特に連続的に投与されることを特徴とする、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の組合せ物。
【請求項6】
有効成分構成物AおよびBが、機能的ユニットの形態、特に混合物、混和物または配合物の形態にあることを特徴とする、請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の組合せ物。
【請求項7】
有効成分構成物AおよびBが、(空間的に)相互に別々であり、特に部分からなるキットの形態にあることを特徴とする、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の組合せ物。
【請求項8】
脂質低下剤(有効成分構成物B)が、(a)HMG−CoA−レダクターゼ阻害剤;(b)スクワレンシンターゼ阻害剤;(c)胆汁酸吸収阻害剤(胆汁酸捕捉剤);(d)フィブリン酸およびその誘導体;(e)ニコチン酸およびその類似体;(f)ω3−脂肪酸からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の組合せ物。
【請求項9】
脂質低下剤(有効成分構成物B)が、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤であり、特にスタチン類の群から、好ましくはアトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、ピタバスタチン、シンバスタチンおよびロスバスタチンおよびそれらの各々の塩、水和物、アルコラート、エステルおよび互変異性体の群から選択されることを特徴とする、請求項8に記載の組合せ物。
【請求項10】
脂質低下剤(有効成分構成物B)が、アトルバスタチンまたはその塩、水和物、アルコラート、エステルおよび互変異性体であることを特徴とする、請求項9に記載の組合せ物。
【請求項11】
脂質低下剤(有効成分構成物B)が、セリバスタチンまたはその塩、水和物、アルコラート、エステルおよび互変異性体であることを特徴とする、請求項9に記載の組合せ物。
【請求項12】
請求項1に記載の式(I)の直接的可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤の効力を高めるための、脂質低下剤の使用。
【請求項13】
少なくとも1種の脂質低下剤および少なくとも1種の式(I)の直接的可溶性グアニル酸シクラーゼ刺激剤を、必要に応じて常套の賦形剤および添加剤を用いて、適当な投与形に変換することを特徴とする、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の組成物の製造方法。
【請求項14】
心血管障害の処置用の医薬の製造における、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項15】
高血圧の処置用の医薬の製造における、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項16】
血栓塞栓性障害および虚血の処置用の医薬の製造における、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項17】
性機能不全の処置用の医薬の製造における、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項18】
動脈硬化症の処置用の医薬の製造における、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項19】
骨粗鬆症の処置用の医薬の製造における、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項20】
抗炎症効果を有する医薬の製造における、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項21】
中枢神経系の障害の処置用の医薬の製造における、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載の組成物の使用。
【請求項22】
請求項1ないし請求項13のいずれかに記載の組成物を、有機硝酸塩またはNO供与体と組み合わせて、または、環状グアノシン一リン酸(cGMP)の崩壊を阻害する化合物と組み合わせて用いる、請求項14ないし請求項21のいずれかに記載の使用。

【公表番号】特表2007−509995(P2007−509995A)
【公表日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−538689(P2006−538689)
【出願日】平成16年10月26日(2004.10.26)
【国際出願番号】PCT/EP2004/012049
【国際公開番号】WO2005/046725
【国際公開日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(503412148)バイエル・ヘルスケア・アクチェンゲゼルシャフト (206)
【氏名又は名称原語表記】Bayer HealthCare AG
【Fターム(参考)】