説明

台紙レスラベルプリンタ

【課題】プラテンローラにラベル用紙が巻き付いたか否かを検出するセンサにラベル用紙が付着しない台紙レスラベルプリンタを提供する。
【解決手段】台紙レスラベル用紙1aに駆動回転するプラテンローラ3bと印字ヘッド3aにより印字した後、台紙レスラベル用紙をカッター4により切断して枚葉状台紙レスラベルを発行する台紙レスラベルプリンタにおいて、プラテンローラより下流側近傍に配置したカッターと、カッターより下流側近傍に配置したラベル受け5と、ラベル受けにおけるラベルの有無を検出するラベル検出手段7と、カッターの作動前におけるラベル検出手段の検出結果に基づいてプラテンローラへのラベル用紙の巻き付きを判定する判定手段と、判定手段の判定に基づいて前記印字ヘッド及びプラテンローラの駆動を制御する制御部とを備え、判定手段により「巻き付き」と判定した場合、制御部によってプラテンローラと印字ヘッドによる印字を中止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は台紙レスラベル用紙をラベル用紙として使用するプリンタに関し、詳しくは台紙レスラベル用紙を送出するプラテンローラへのラベル用紙の巻き付を検出する検出手段を備えた台紙レスラベルプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴミの減量化を目的として台紙レスラベル用紙の使用が普及しているが、該台紙レスラベル用紙は印字面の反対面が粘着面であるため、該台紙レスラベル用紙に印字する印字ヘッドと対向して配置される駆動回転するプラテンローラは、ラベル用紙が巻き付いたりしないように表面にシリコンコーティング等の易剥離性処理、或いはプラテンローラ自体を易剥離性樹脂材で形成されているが、それでも稀にラベル用紙がプラテンローラに巻き付いてしまうことがある。
【0003】
そこで、プラテンローラにラベル用紙が巻き付いたか否かを検出する為に、該プラテンローラに光を照射してラベル用紙の巻き付の有無を検出する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかし、特許文献1に記載の技術では、ラベル用紙の巻き付を検出するセンサがプラテンローラの近傍に設置されているため、印字送出されるラベル用紙の先端部分がプラテンローラに巻き付くことなく正常に送出されても、先端に続く後側の部分が該プラテンローラに巻き付いた場合には前記先端部分がプラテンローラの回転と共に大きな弧を描いて、前記センサに付着する虞れがある。
その為に、前記センサはラベル用紙の付着を防ぐ為にプラテンローラからある程度離して設置する必要があり、その結果、装置が大型化する、或いは新たにセンサを増設する必要が生じてコストアップになる等の問題を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−82915号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記従来の技術が有する問題点に鑑みてなされたもので、プラテンローラにラベル用紙が巻き付いたか否かを検出するセンサにラベル用紙が付着しない台紙レスラベルプリンタを提供することにある。
又、ラベル用紙の巻き付きの有無を検出する手段を備えても、コストアップにならない台紙レスラベルプリンタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するために本発明の台紙レスラベルプリンタは、一方面が印字面で、他方面が粘着面である台紙レスラベル用紙に、駆動回転するプラテンローラと印字ヘッドにより印字した後、該台紙レスラベル用紙をカッターにより切断して枚葉状の台紙レスラベルを発行する台紙レスラベルプリンタにおいて、前記プラテンローラより下流側近傍に配置したカッターと、前記カッターより下流側近傍に配置したラベル受けと、前記ラベル受けにおけるラベルの有無を検出するラベル検出手段と、前記カッターの作動前におけるラベル検出手段の検出結果に基づいて、前記プラテンローラへのラベル用紙の巻き付きを判定する判定手段と、前記判定手段の判定に基づいて前記印字ヘッド及びプラテンローラの駆動を制御する制御部と、を備え、前記判定手段により「巻き付き」と判定した場合、前記制御部によって前記プラテンローラと印字ヘッドによる印字を中止することを特徴とする。
前記ラベル検出手段の位置は、カッターより下流側でできるだけカッターに近い位置が好ましい。また、前記カッターより下流側に配置されるラベル受けも、該ラベル受けの後端側(ラベルの送出方向に対し反対方向)は前記カッターにできるだけ近い位置に位置させ、そのラベル受けの後端側の直上付近に前記ラベル検出手段を配置する。
【0008】
前記ラベル検出手段としては、例えば、反射型光学センサを使用し、受光する反射光のレベルの変化により、ラベル受けにおける台紙レスラベル用紙(カッターによる切断後は台紙レスラベル)の有無が検出する。また、ラベル検出手段は前記ラベル受けに対して上方、或いは下方の何れの側に配置してもよい。尚、光学センサの種類、形態等は問わない。
【0009】
また、前記判定手段により台紙レスラベル用紙の「巻き付き」と判定した場合、前記制御部によって前記プラテンローラを逆回転し、該プラテンローラに巻き付いたラベルを取り除き易い位置に位置させるように制御してもよい。
更に、前記ラベル検出手段の検出タイミングは、前記カッターの作動前及び作動後に、前記ラベル受けにおける台紙レスラベル用紙の有無を検出できるタイミングであればよく、例えば、前記台紙レスラベル用紙を印字ヘッドの位置から前記ラベル受けの位置まで送出するプラテンローラの駆動回転後に行われるようにする。
また、前記ラベル検出手段による検出動作はカッターの作動前のみならず、前記カッターの作動後にも行なうようにしてもよい。その場合、前記ラベル検出手段の検出結果に基づいて、前記判定手段は、次のラベル発行の可否を判定する
【0010】
上記手段によれば、ラベル検出手段によるラベル用紙無しの検出がカッターの作動前(台紙レスラベル用紙から印字された所定長さのラベル用紙を切断する前)であれば、該ラベル用紙がカッターの位置を通過してラベル受けに送られていないことになり、その為、判定手段は台紙レスラベル用紙がプラテンローラに巻き付いたものと判定し、印字ヘッド及びプラテンローラの駆動を制御(停止)し、印字動作を中止する。また、ラベル検出手段によるラベル用紙有無の検出がカッターの作動後(台紙レスラベル用紙から印字された所定長さのラベル用紙を切断した後)であれば、ラベル受けに送出される台紙レスラベルの有無が検出され、台紙レスラベル無しであれば次の台紙レスラベルの印字発行を可能とし、台紙レスラベル有りの場合は、次の台紙レスラベルの印字発行が停止され、前記検出内容が「有」から「無」に変わることで、次の台紙レスラベルの印字発行が可能となる。
よって、1台のラベル検出手段で、台紙レスラベル用紙のプラテンローラへの巻き付きの有無の検出と、ラベル受けにおける台紙レスラベルの取り除きの有無の検出を行うことができる。そして、前記ラベル検出手段はカッターより下流側近傍のラベル受けの上方に配置されているため、台紙レスラベル用紙が前記ラベル検出手段に付着する虞れもない。
【発明の効果】
【0011】
本発明の台紙レスラベルプリンタは、台紙レスラベル用紙がプラテンローラに巻き付いたか否かを検出するラベル検出手段をカッターより下流側近傍に配置したことで、台紙レスラベル用紙が該ラベル検出手段に付着する虞れを解消することができる。そして、前記ラベル検出手段はカッターより下流側のラベル受け上方に配置されているため、カッターの作動後における前記ラベル検出手段の検出では、ラベル受けに送出される台紙レスラベルの取り除きの有無を検出することができる。よって、プラテンローラへのラベル用紙の巻き付きの有無検出と、ラベル受けに送出された台紙レスラベルの取り除きの有無検出の、二つの働きを1台の検出手段で行なうことができる。従って、装置を小型で安価に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る台紙レスラベルプリンタの構成の概略を示す模式図。
【図2】同装置の電気的構成を示すブロック図。
【図3】台紙レスラベルの発行の流れを示すフローチャート図。
【図4】ラベル検出手段の検出内容と判定手段の判定結果の関係を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る台紙レスラベルプリンタの実施の形態の一例を図面に基づいて説明する。
図1は台紙レスラベルプリンタの構成の概略を示し、1は長尺帯状の台紙レスラベル用紙1aがロール状に巻かれたラベルロールで、該ラベルロール1はロール装填部2に回転可能にセットされ、台紙レスラベル用紙1aの引き出し方向下流側には印字ヘッド3aとプラテンローラ3bとからなる印字部3が配置され、更にその印字部3より下流側近傍にはカッター4、そのカッター4より下流側近傍にはラベル受け5が順次配置されている。
また、前記ロール装填部2にセットされたラベルロール1から引き出されて前記印字部3の至る台紙レスラベル用紙1aの移送経路には、台紙レスラベル用紙1aが印字部3に供給されているか否かを検出する用紙検出センサ6が配置されている。
また、前記カッター4より下流側で、前記ラベル受け5の後端側(ラベル用紙の送出方向とは反対側)の略真上位置には、該ラベル受け5上に送出された台紙レスラベル用紙1a(又は台紙レスラベルL)の有無を検出するラベル検出手段7が配置されている。
【0014】
前記ラベルロール1は、一方面(上面)が印字面、他方面(下面)が粘着剤が塗布された粘着面である長尺帯状の台紙レスラベル用紙が、前記印字面に剥離加工が施されてロール状に巻回されており、ロール装填部2に回転可能に支持される。そして、該ラベルロール1から引き出される台紙レスラベル用紙1aは案内ローラ8を介して印字部3の印字ヘッド3aとプラテンローラ3bとの間に供給され、前記プラテンローラ3bの駆動回転により該台紙レスラベル用紙1aが引き出されるようになっている。
【0015】
前記印字部3の印字ヘッド3aはサーマルヘッドで構成され、該サーマルヘッド3aの発熱体を選択的に発熱させて移送される前記台紙レスラベル用紙1aの印字面に印字が施される。また、前記印字ヘッド3aとで台紙レスラベル用紙1aを挾着するプラテンローラ3bは、表面に離型剤がコーティングされており、台紙レスラベル用紙1aの印字面とは反対側の粘着面に塗布されている粘着剤が付着しないようにしてあり、それによって台紙レスラベル用紙1aの送出が円滑に行われるようになっている。尚、台紙レスラベル用紙1aの粘着面に塗布された粘着剤がプラテンローラ3bに付着しにくくする構成は、前記構成に限らず、プラテンローラ3b自体又は該プラテンローラ3bの最外層部分を易剥離性の部材で構成してもよい。そして、前記プラテンローラ3bはステッピングモータで駆動回転するように構成されている。
【0016】
前記印字部3でラベル1枚分のデータが印字された台紙レスラベル用紙1aを切断するカッター4は、剪断作用で台紙レスラベル用紙1aを切断する上下一対の帯状の刃体で構成されている。具体的には、直線状に送出される台紙レスラベル用紙1aの下側に配置される固定刃4aと、台紙レスラベル用紙1aの上側に配置され、前記固定刃4aに向けて進退動する可動刃4bとで構成され、前記可動刃4bはモータ(ステッピングモータ)で駆動するように構成されている。
そして、前記カッター4は前記印字部3の下流側で、プラテンローラ3bに接近して配置されている。
【0017】
前記印字部3で印字された台紙レスラベル用紙1aは、前記カッター4の固定刃4aと可動刃4bとの間を通って下流側に送出されるが、その送出される台紙レスラベル用紙1a部分を略水平状に支持するラベル受け5が前記カッター4の下流側近傍に配置されている。
そのラベル受け5は、外周面が剥離処理された回転筒5aと、前記回転筒5aより下流側(図面では左側)で送出される台紙レスラベル用紙1aの幅方向両側部分を載承支持する平板状の支持板5bとで構成されており、前記支持板5bも台紙レスラベル用紙1aの粘着面と接触する表面は易剥離性の処理、又は易剥離性の部材で形成されている。それにより、印字送出される台紙レスラベル用紙1aは前記ラベル受け5によって略水平状に支持され、前記カッター4による切断動作が安定して行われるようになっている。また、前記カッター4で所定長さの枚葉状に切断された台紙レスラベルLを、手貼りの場合はオペレータによって取り除かれるまで、機械による自動貼りの場合は吸着手段(アプリケータ)によって吸着されるまで、略水平状に待機保持する。
【0018】
前記ラベル受け5上に、前記印字部3で所定事項が印字された台紙レスラベル用紙1aが送出されたか否か、又、切断送出された台紙レスラベルLが存在するか否か、を検出するラベル検出手段7が、前記ラベル受け5における前記カッター4よりの略真上位置に配置されている。
前記ラベル検出手段7は反射型光学センサで構成され、受光する反射光のレベルの変化(差)によってラベル受け5上における台紙レスラベル用紙1a又は台紙レスラベルLの有無が検出される。
そして、前記ラベル検出手段7の検出タイミングは、前記台紙レスラベル用紙1aを印字ヘッド3aの位置から前記ラベル受け5へ向けて送出するプラテンローラ3bの駆動回転後に行われるように制御されている。
【0019】
前記ラベル検出手段7による台紙レスラベル用紙1aの有無検出が、前記プラテンローラ3bの駆動回転中で、前記カッター4の作動前である場合、印字ヘッド3aとプラテンローラ3bとによって印字される台紙レスラベル用紙1aが正常に送出されたかが判定され、また、台紙レスラベルLの有無検出が前記プラテンローラ3bの駆動回転後で、前記カッター4の作動後である場合、前記ラベル受け5上に送出された台紙レスラベルLが貼付のために取り除かれたかが判定される。尚、検出結果に基づく判定の詳細は、後段のラベル発行の流れにおいて説明する。
また、前記用紙検出センサ6も前記ラベル検出手段7と同様、反射型光学センサで構成されている。
【0020】
図2は図1に示した台紙レスラベルプリンタの動作を制御する制御部の電気的構成を示すブロック図で、その構成は、CPU9、フラッシュメモリ10、RAM11、表示・操作部12、インターフェース回路13、プラテンローラ3bを回転させるステッピングモータ14、サーマルヘッド(印字ヘッド3a)、カッター駆動用モータ15、用紙検出センサ6、ラベル検出センサ7を備える。
【0021】
前記CPU9は、フラッシュメモリ10に記憶されたプログラムを実行して本台紙レスラベルプリンタの動作を統括する中央演算処理装置である。
フラッシュメモリ10は、本台紙レスラベルプリンタAの制御プログラムや、制御用データ等を記憶する読み出し専用メモリである。
RAM11は、一時的にデータを呼び出して処理する為のワークエリアがあり、その中には、印字データをドットデータに展開するドット展開エリア、ラベルフォーマットファイルから1つのフォーマットデータを呼び出して記憶する呼出フォーマットエリア、商品データ等を呼び出して記憶する呼出商品エリア等がある。
【0022】
また、このRAM11には、ラベル印字のフォーマットが設定されたラベルフォーマットファイル、ラベル印字用の各種商品データが設定された商品ファイル等の他に、前記ラベル検出手段7の検出結果に基づく判定手段による判定内容を設定したファイル(図4参照)等が記憶されており、電源オフ時も前記ファイルを保持するようにバッテリーでバックアップされている。
前記ラベル検出手段7の検出結果に基づく判定ファイルは図4に示すように、ラベル検出手段7の検出データがカッター4の作動前における台紙レスラベル用紙1aの有無検出であれば、台紙レスラベル用紙1aのプラテンローラ3bへの巻き付きの有無が判定され、ラベル検出手段7の検出データがカッター4の作動後における台紙レスラベルLの有無検出であれば、ラベル受け5に送出された台紙レスラベルLの取り除きの有無が検出され、次のラベル発行の可否が判定される。具体的には、カッター4の作動前におけるラベル検出手段7の台紙レスラベル用紙1aの有無検出が「○(有り)」であれば、印字された台紙レスラベル用紙1aがラベル受け5上に正常に送出されていることを表し、「×(無し)」であれば印字された台紙レスラベル用紙1aがラベル受け5上に送出されていない、即ち、プラテンローラ3bに巻き付いたと判定される。
【0023】
表示・操作部12は、本台紙レスラベルプリンタの操作を行うための入力装置であり、表示部と一体に構成されたタッチパネルになっており、各種のメニュー画面やデータを表示する液晶ディスプレイである。
プラテンローラ3bを駆動回転するステッピングモータ14、サーマルヘッド(印字ヘッド3a)、カッター駆動用モータ15は、ラベル発行部の印字部を構成し、CPU9の指令に基づいて台紙レスラベル用紙1aに品名、値段、単価、バーコード等の印字を行い、印字された台紙レスラベル用紙1aをカッター4で枚葉状に切断して台紙レスラベルLを発行する。
【0024】
用紙検出センサ6は、印字部3に供給される台紙レスラベル用紙1aの有無を検出し、その出力信号で印字ヘッド(サーマルヘッド)3a、及びプラテンローラ3bの駆動が制御される。
ラベル検出手段(センサ)7は、ラベル受け5上における台紙レスラベル用紙1a又は台紙レスラベルLの有無を検出し、その検出結果に基づいて前記印字部3の動作(駆動/停止)が制御される。
【0025】
次に、前記台紙レスラベルプリンタのラベル発行の流れを図3のフローチャートに基づいて説明する。尚、以下に示す流れは表示・操作部より必要な操作がされてラベル発行の指示がされたところからスタートする流れを示す。
(ST1)…表示・操作部からラベル発行の指示があるか否かが判断され、指示がある場
合(YES)はST2に進み、指示がない場合(NO)は前記判断を繰り返す。
(ST2)…ラベル受け5上に送出された台紙レスラベルLが取り除かれているかが判断
され、取り除かれている場合(YES)はST3に進み、取り除かれていない
(ラベル受け上に台紙レスラベルLが残っている)場合(NO)は、台紙レス
ラベルLの取り除きが確認されるまで前記判断が繰り返し行われる。具体的
には、カッター4の作動後におけるラベル検出手段7の検出結果によって、
次のラベル発行の可否が判断される。
(ST3)…ラベル発行に必要な台紙レスラベル用紙1aが印字部3に供給されているか
が判断され、台紙レスラベル用紙1aが有る場合(YES)は(ST5)に進
み、台紙レスラベル用紙1aが無い場合(NO)は(ST4)に進む。この判
断は、用紙検出センサ6の検出信号に基づいて判断される。
(ST4)…ステッピングモータとサーマルヘッドの動作を停止し、台紙レスラベル用紙
無しのエラー表示が表示・操作部に表示される。尚、ロール装填部2に新し
いラベルロール1をセットし、台紙レスラベル用紙1aを引き出して印字部
3に供給されるようにし、前記用紙検出センサ6で該用紙の存在が検出され
ることで、前記エラー表示は消える。そして、終了する。
【0026】
(ST5)…1ステップ分の印字と台紙レスラベル用紙1aの移送が行われる。具体的に
は、台紙レスラベル用紙1aの移送方向に1ドット分、印字データがあれば
印字し、次にステッピングモータ14を1ステップ進めてプラテンローラ3
bを1ステップ正回転させる。
(ST6)…プラテンローラ3bが、台紙レスラベル用紙1aをラベル検出手段7で検出
される位置まで回転されたかが判断され、ラベル検出手段7によるラベル用
紙の検出が可能な位置までプラテンローラが回転された場合(YES)は(S
T7)に進み、ラベル検出手段7によるラベル用紙の検出が可能な位置まで
プラテンローラが回転されていない場合(NO)は(ST3)に戻る。
(ST7)…ラベル検出手段7で台紙レスラベル用紙1aを検出したかが判断され、台紙
レスラベル用紙1aを検出した場合(YES)は(ST9)に進み、台紙レス
ラベル用紙1aを検出しない場合(NO)は(ST8)に進む。
(ST8)…台紙レスラベル用紙1aが検出されない結果、図4の判定内容に基づいて、
台紙レスラベル用紙1aがプラテンローラ3bに巻き付いたと判定され、表
示・操作部に巻き付きエラーの表示がされ、且つ印字動作を中止してプラテ
ンローラ3bを逆回転し、プラテンローラに巻き付いた台紙レスラベル用紙
1aの先端部を取り除き易い位置まで戻す。そして、終了する。
【0027】
(ST9)…プラテンローラ3bが、台紙レスラベル用紙1aを1ラベル分の送り量回転
したかが判断され、1ラベル分の回転が行われた場合(YES)は(ST10
)に進み、1ラベル分の回転が行われていない場合(NO)は(ST3)に戻
る。
(ST10)…カッター4が作動してラベル受け5上に送出された印字済みの台紙レスラ
ベル用紙1aが切断され、台紙レスラベルLが発行される。具体的には、
台紙レスラベル用紙1aの先端から1ラベル分の後端側の位置がカッター
4の位置に位置するようにプラテンローラ(ステッピングモータ)の回転
で送出される。そして、カッター4による切断後、ラベルロール1側の台
紙レスラベル用紙1aの先端が印字ヘッド3aの印字位置と一致するよう
プラテンローラ3bを逆回転させて印字位置へ戻し、停止する。
(ST11)…切断発行された台紙レスラベルLがラベル受け5上から取り除かれたか検
出され、台紙レスラベルLが取り除かれている場合(YES)は(ST12
)に進み、ラベル受け5上に台紙レスラベルLが残っている場合(NO)は
台紙レスラベルLの取り除きが確認されるまで前記判断が繰り返し行われ
る。この検出は、ラベル検出手段7によって行なわれ、次のラベル発行の
可否が判断される(図4参照)。
(ST12)…次のラベル発行の有無が判断され、次のラベル発行が有る場合(YES)は
(ST3)に戻り、次のラベル発行がない場合(NO)は、ラベル発行動作
を終了する。
【0028】
上記ラベル発行の流れに示されるように、印字された台紙レスラベル用紙1aはプラテンローラ3b(ステッピングモータ14)の回転でカッター4を通過してラベル受け5上に送出されるが、カッター4の作動前に前記プラテンローラ3b(ステッピングモータ14)が台紙レスラベル用紙1aをラベル検出手段7による検出可能な位置に送り出すだけの回転をしているにも拘らず、ラベル検出手段7で前記台紙レスラベル用紙1aが検出されない時は、前記台紙レスラベル用紙1aがプラテンローラ3bに巻き付いたと判定し、印字部3の動作を停止してラベル用紙巻き付きのエラー表示を行い、且つ巻き付いたラベル用紙の取り除きを容易ならしめる為に前記プラテンローラ3bを所定量逆回転させる。
また、カッター4の作動前にラベル検出手段7でラベル受け5上の台紙レスラベル用紙1aが検出され、更に前記プラテンローラの回転で前記台紙レスラベル用紙が1ラベル分送出され、カッター4が作動して台紙レスラベル用紙を切断した後、前記ラベル検出手段7がラベル受け5上の台紙レスラベルLの有無(ラベル取り除きの有無)を検出し、台紙レスラベルLが検出されなければ、次のラベルの発行が可能となり、台紙レスラベルLが検出されれば、次のラベル発行が停止される。即ち、カッター作動後のラベル検出手段7の検出結果に基づいて、次のラベル発行の可否が判断され、印字部3の動作が制御される。また、前記ラベル検出手段7をカッター4に近接して配置した場合、印字された台紙レスラベル用紙1aがラベル受け5に完全に送出されるのを待つことなく、送出の初期段階(カッターを通過後)で検出が可能となるため、プラテンローラへの巻き付きの有無を早く検出することができる。
【0029】
本発明の台紙レスラベルプリンタは図示した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲で適宜変更可能である。
(1)実施の形態では、ラベルロールから台紙レスラベル用紙を引き出し送出する送出手段として印字部のプラテンローラによる構成を示したが、これに限定されず、プラテンローラとカッターとの間に上下一対のローラからなる送出用ローラを配置してもよい。
(2)実施の形態では、台紙レスラベル用紙を切断するカッターとして剪断作用により用紙を切断する上下一対の帯状刃体からなる構成を示したがこれに限らず、例えば、回転刃による切断機構でもよい。また、図示例では上側の刃体を可動刃としたが、下側の刃体を可動刃としてもよい。即ち、カッターを構成する刃体の形状、切断方式は問わない。
(3)実施の形態では、ラベル受けを回転筒と平板状の支持板で構成された例を示したが、これに限定されず、要は送出される台紙レスラベル用紙(又は切断された台紙レスラベル)を一時的に待機保持できる機能を備えたものであればよい。
(4)実施の形態では、ラベル検出手段として反射型光学センサで構成した例を示したがこれに限らず、センサの種類、形態は問わない。
(5)実施の形態では、ラベル受け上に送出される台紙レスラベル用紙又は台紙レスラベルを検出するラベル検出手段を該ラベル受けの上方に配置した例を示したがこれに限定されず、例えば、ラベル受けの下方に配置して該ラベル受けに保持される台紙レスラベル用紙又は台紙レスラベルの裏側(粘着面)を光学的に検出するようにしてもよい。この場合は、ラベル貼付を吸着部(アプリケータ)によって自動的に行う場合、前記ラベル検出手段が吸着部の邪魔にならず有効である。
(6)実施の形態では、台紙レスラベル用紙がプラテンローラに巻き付いたと判定した場合、表示・操作部にエラー表示して報知する例を示したがこれに限らず、例えば、音声によって報知するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0030】
1…ラベルロール 1a…台紙レスラベル用紙
3…印字部 3a…印字ヘッド
3b…プラテンローラ 4…カッター
5…ラベル受け 7…ラベル検出手段
9…CPU(制御部) 11…RAM(判定手段)
L…台紙レスラベル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方面が印字面で、他方面が粘着面である台紙レスラベル用紙に、駆動回転するプラテンローラと印字ヘッドにより印字した後、該台紙レスラベル用紙をカッターにより切断して枚葉状の台紙レスラベルを発行する台紙レスラベルプリンタにおいて、
前記プラテンローラより下流側近傍に配置したカッターと、
前記カッターより下流側近傍に配置したラベル受けと、
前記ラベル受けにおけるラベルの有無を検出するラベル検出手段と、
前記カッターの作動前におけるラベル検出手段の検出結果に基づいて、前記プラテンローラへのラベル用紙の巻き付きを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定に基づいて前記印字ヘッド及びプラテンローラの駆動を制御する制御部と、
を備え、
前記判定手段により「巻き付き」と判定した場合、前記制御部によって前記プラテンローラと印字ヘッドによる印字を中止することを特徴とする台紙レスラベルプリンタ。
【請求項2】
前記判定手段により「巻き付き」と判定した場合、前記制御部によって前記プラテンローラを逆回転し、該プラテンローラに巻き付いたラベルを取り除き易い位置に位置させることを特徴とする請求項1記載の台紙レスラベルプリンタ。
【請求項3】
前記ラベル検出手段の検出タイミングは、前記台紙レスラベル用紙を印字ヘッドの位置から前記ラベル受けの位置まで送出するプラテンローラの駆動回転後に行われることを特徴とする請求項1又は2記載の台紙レスラベルプリンタ。
【請求項4】
前記カッターの作動後における前記ラベル検出手段の検出結果に基づいて、前記判定手段が、次のラベル発行の可否を判定することを特徴とする請求項1記載の台紙レスラベルプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−187822(P2012−187822A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−53344(P2011−53344)
【出願日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【出願人】(000145068)株式会社寺岡精工 (317)
【Fターム(参考)】