説明

含窒素アクリル酸エステル誘導体の製造方法

【課題】フォトレジスト組成物用高分子化合物のモノマーとして有用な含窒素アクリル酸エステル誘導体の製造方法、および該含窒素アクリル酸エステル誘導体の合成中間体であるアクリル酸エステル誘導体の製造方法を提供する。
【解決手段】アシロキシ基を有する脂環式炭化水素に結合したスルホン酸ハライドとアクリル酸誘導体とのエステル交換により、アクリロキシ基を有するスルホン酸ハライドを合成し、これとアミン誘導体を反応させることによる、下記一般式(V)


で示される含窒素アクリル酸エステル誘導体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、含窒素アクリル酸エステル誘導体の製造方法の製造方法、さらには該含窒素アクリル酸エステル誘導体の合成中間体となるアクリル酸エステル誘導体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、集積回路素子製造に代表される電子デバイス製造分野においては、デバイスの高集積化に対する要求が高まっており、そのため、微細パターン形成(微細化)のためのフォトリソグラフィー技術が必要とされている。微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が行われている。具体的には、従来はg線やi線に代表される紫外線が用いられていたが、現在ではKrFエキシマレーザーやArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長のF2エキシマレーザー、電子線、EUV(極紫外線)およびX線などについても検討が行われている。
フォトレジスト材料には、これらの露光光源に対する感度および微細な寸法のパターンを再現できる解像性などのリソグラフィー特性が求められる。このような要求を満たすフォトレジスト材料として、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化するベース樹脂と、露光により酸を発生する酸発生剤とを含有する、ポジ型またはネガ型の化学増幅型レジストが用いられている。
【0003】
現在、ArFエキシマレーザーリソグラフィーなどにおいて使用されるフォトレジスト組成物のベース樹脂としては、波長193nm付近における透明性に優れることから、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有するアクリル系樹脂が主に用いられている(特許文献1参照)。
例えば、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化するベース樹脂として、アダマンチル基を有するアクリル酸エステルを構成単位として重合することにより得られる高分子化合物を用いたフォトレジスト組成物(非特許文献1および特許文献2参照)や、ラクトン環を有する構成単位を含む高分子化合物を成分とするフォトレジスト組成物(特許文献3参照)が知られている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−241385号公報
【特許文献2】特開平9−073173号公報
【特許文献3】特開2004−046206号公報
【非特許文献1】Journal of Photopolymer Science and Technology(ジャーナル オブ フォトポリマー サイエンス アンド テクノロジー)、1996年、第9巻、第3号、p.475−487
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ArF用フォトレジスト組成物として使用される従来のアクリル系樹脂は、カルボン酸が可溶性基として使用されることからpKa4程度の高い酸性を示し、pKa10程度のフェノールが可溶性基として使用されるKrF用フォトレジスト組成物に比べてアルカリ現像液に対する溶解速度が速くなるため、微細パターン形成の際、パターンの膨潤やパターン倒れが顕著な問題となるなど、従来のフォトレジスト組成物用の高分子化合物にはさらなる改良の余地がある。
本発明はこのような状況下になされたもので、従来の問題点を解決し得るフォトレジスト組成物用高分子化合物のモノマーの合成中間体として有用である、新規な含窒素アクリル酸エステル誘導体の製造方法、さらには、該含窒素アクリル酸エステル誘導体の合成中間体となる新規なアクリル酸エステル誘導体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、スルファモイル基を有する特定のアクリル酸エステル誘導体を構成単位として含む高分子化合物を用いることにより、フォトリソグラフィーにおいて優れた解像度のパターンを形成し得ることを見出し、かかるスルファモイル基を有する特定の含窒素アクリル酸エステル誘導体の製造方法および該含窒素アクリル酸エステル誘導体の合成中間体の製造方法を開発した。
【0007】
すなわち、本発明は、
[1]下記一般式(II)
【化1】

(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数3〜15のシクロアルキル基もしくは炭素数1〜15のアルコキシ基を表すか、またはR1およびR2は、両者が結合して、任意の位置に酸素原子もしくは硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜5のアルキレン基、−O−または−S−を表す。R3は、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。また、Xは、フッ素原子、塩素原子または臭素原子を表す。)
で示されるカルボン酸エステル誘導体[以下、カルボン酸エステル誘導体(II)と称する。]を、酸の存在下に下記一般式(III)
【化2】

(式中、R4は、水素原子または、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜5のアルキル基を表す。また、R5は、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
で示されるアクリル酸誘導体[以下、アクリル酸誘導体(III)と称する。]と反応させることにより、下記一般式(IV)
【化3】

(式中、R1、R2、R4およびXは、前記定義の通りである。)
で示されるアクリル酸エステル誘導体[以下、アクリル酸エステル誘導体(IV)と称する。]を得、得られたアクリル酸エステル誘導体(IV)と、一般式 NHR67
(式中、R6およびR7は、それぞれ独立して水素原子、任意の位置に酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルキル基、任意の位置に酸素原子を含んでいてもよい炭素数3〜15のシクロアルキル基または任意の位置に酸素原子を含んでいてもよい炭素数2〜15のアルコキシカルボニル基を表す。)
で示されるアミン誘導体[以下、単にアミン誘導体と称することがある。]を反応させることによる、下記一般式(V)
【化4】

(式中、R1、R2、R4、R6およびR7は、前記定義の通りである。)
で示される含窒素アクリル酸エステル誘導体[以下、含窒素アクリル酸エステル誘導体(V)と称する。]の製造方法、および
[2]カルボン酸エステル誘導体(II)を、酸の存在下にアクリル酸誘導体(III)と反応させることによるアクリル酸エステル誘導体(IV)の製造方法、
を提供するものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、フォトリソグラフィーにおいて優れた解像度のパターンを形成し得る高分子化合物の構成単位の1つである含窒素アクリル酸エステル誘導体(V)の製造方法を提供できる。さらに、該含窒素アクリル酸エステル誘導体(V)の合成中間体であるアクリル酸エステル誘導体(IV)の製造方法を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、前記の通り、カルボン酸エステル誘導体(II)を、酸の存在下にアクリル酸誘導体(III)と反応させてアクリル酸エステル誘導体(IV)を得、得られたアクリル酸エステル誘導体(IV)とアミン誘導体を反応させることにより、含窒素アクリル酸エステル誘導体(V)を製造する。
【0010】
≪カルボン酸エステル誘導体(II)≫
本発明における原料であるカルボン酸エステル誘導体(II)について説明する。
前記式で示されるカルボン酸エステル誘導体(II)は、
【0011】
【化5】

【0012】
を意味している。
一般式(II)において、R1およびR2は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数3〜15のシクロアルキル基もしくは炭素数1〜15のアルコキシ基を表すか、またはR1およびR2は、両者が結合して、任意の位置に酸素原子もしくは硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜5のアルキレン基、−O−または−S−を表す。
炭素数1〜15のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基(「各種」は、直鎖およびあらゆる分岐鎖を含むことを示す。以下同様。)、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ウンデシル基、各種ドデシル基、各種トリデシル基、各種テトラデシル基、各種ペンタデシル基が挙げられる。これらの中でも、特に炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がより好ましい。
炭素数3〜15のシクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、メチルシクロペンチル基、シクロヘキシル基、メチルシクロヘキシル基、シクロオクチル基、メチルシクロオクチル基などが挙げられる。これらの中でも、特に炭素数5〜11のシクロアルキル基が好ましい。
炭素数1〜15のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、tert−ブトキシ基、各種ペンチルオキシ基、各種ヘプチルオキシ基、各種オクチルオキシ基、各種ノニルオキシ基、各種デシルオキシ基、各種ウンデシルオキシ基、各種ドデシルオキシ基、各種トリデシルオキシ基、各種テトラデシルオキシ基、各種ペンタデシルオキシ基が挙げられる。これらの中でも、特に炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましい。
また、R1とR2の両者が結合して、任意の位置に酸素原子または硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜5のアルキレン基としては、例えば−CH2−、−C(CH32−、−(CH22−、−(CH23−、−CH2−O−CH2−、−CH2−S−CH2−などが挙げられる。これらの中でも、−CH2−、−(CH22−、−O−、−S−が好ましく、−CH2−がより好ましい。
【0013】
3は、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。
炭素数1〜5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基が挙げられる。R3としては、水素原子、メチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
【0014】
Xは、フッ素原子、塩素原子または臭素原子を表し、特に塩素原子が好ましい。
以上の様に定義されるカルボン酸エステル誘導体(II)は新規化合物である。該カルボン酸エステル誘導体(II)の具体例を以下に挙げるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0015】
【化6】

【0016】
【化7】

【0017】
これらの中でも、一般式(II)において、R1とR2が、両者が結合して−CH2−、−(CH22−、−O−、−S−のいずれかとなっており、Xが塩素原子である化合物が好ましく、その中でも、R1とR2が、両者が結合して−CH2−または−O−となっており、Xが塩素原子である化合物がより好ましい。特に、上記の式(II−12)、式(II−22)、式(II−27)、式(II−32)が好ましく、式(II−12)がより好ましい。
【0018】
≪アクリル酸エステル誘導体(IV)の製造方法≫
以上のようなカルボン酸エステル誘導体(II)を、酸の存在下にアクリル酸誘導体(III)と反応させてアクリル酸エステル誘導体(IV)を得る(以下の化学反応式参照。)。
【0019】
【化8】

【0020】
上記式で示されるアクリル酸エステル誘導体(IV)は、
【0021】
【化9】

【0022】
を意味している。
上記化学反応式中のR1、R2、R3およびXは、前記説明の通りである。
4は、水素原子または、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜5のアルキル基を表す。フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの炭素数1〜5のアルキル基;モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロイソブチル基、パーフルオロ−tert−ブチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロネオペンチル基などの炭素数1〜5のフッ化アルキル基が挙げられる。これらの中でも工業的入手の容易さなどの観点から、メチル基またはトリフルオロメチル基が好ましく、メチル基がより好ましい。なお、R4としては、水素原子、メチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基がより好ましい。
5は、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。炭素数1〜5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基またはエチル基が好ましい。なお、R5としては、水素原子、メチル基が好ましい。
なお、アクリル酸誘導体(III)としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルが好ましく、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルがより好ましい。
【0023】
アクリル酸誘導体(III)の使用量は、カルボン酸エステル誘導体(II)1モルに対して0.8〜10モルの範囲であることが好ましく、経済性および後処理の容易さの観点から、1.1〜7モルの範囲であることがより好ましい。
【0024】
酸としては、例えばトリフルオロメタンスルホン酸、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエタンスルホン酸、1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼンスルホン酸などの含フッ素スルホン酸;;ナフィオン(登録商標;NAFION、デュポン株式会社製)等に代表されるパーフルオロスルホン酸系高分子、リン酸、硫酸、塩酸、硝酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、三フッ化ホウ素などが挙げられる。これらの中でも、p−トルエンスルホン酸が好ましい。
酸の使用量は、通常、カルボン酸エステル誘導体(II)1モルに対して、0.001〜10モルの範囲が好ましく、0.005〜1モルの範囲がより好ましく、副反応抑制の観点からは、0.005〜0.5モルの範囲がさらに好ましい。但し、パーフルオロスルホン酸系高分子などの固体酸を酸として使用する場合、その使用量は、カルボン酸エステル誘導体(II)に対して、質量比で0.01倍以上が好ましく、0.05倍以上がより好ましく、0.08倍以上がさらに好ましい。また、副反応抑制の点から、カルボン酸エステル誘導体(II)に対して、質量比で10倍以下が好ましく、1倍以下がより好ましく、0.5倍以下がさらに好ましい。
【0025】
反応は、溶媒の存在下または不存在下に実施する。かかる溶媒としては反応に悪影響を及ぼさない限り特に制限は無く、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素;クロロベンゼン、フルオロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライム、テトラグライムなどのエーテル;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
溶媒を使用する場合、その使用量は、反応速度や廃溶媒量を考慮すると、カルボン酸エステル誘導体(II)1質量部に対して100質量部以下であるのが好ましく、50質量部以下であるのがより好ましく、10質量部以下であるのがさらに好ましい。
【0026】
反応は、重合禁止剤の存在下または非存在下に実施できる。重合禁止剤は特に限定されず、例えばヒドロキノン、4−メトキシフェノール、ベンゾキノン、トルキノン、p−tert−ブチルカテコールなどのキノン系化合物;2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノールなどのアルキルフェノール系化合物;フェノチアジンなどのアミン系化合物などが挙げられる。これらの中でも、キノン系化合物が好ましく、4−メトキシフェノールがより好ましい。重合禁止剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合禁止剤を使用する場合、その使用量は、反応混合物全体に対して5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、0.5質量%以下がさらに好ましい。
【0027】
反応温度は、通常、25〜150℃の範囲が好ましい。反応速度の観点からは、反応温度は40〜100℃の範囲がより好ましく、50〜80℃の範囲がさらに好ましい。反応圧力に特に制限は無いが、生成する低沸点化合物[R3COOR5(R3およびR5は前記定義の通りである。)]の留去を促進する観点からは、減圧条件下に実施するのが好ましく、通常、1.3〜101kPaである。
反応時間は、カルボン酸エステル誘導体(II)およびアクリル酸誘導体(III)の種類や使用量、さらに溶媒の有無や反応温度などによっても異なるが、通常は0.5〜24時間の範囲が好ましい。
【0028】
反応操作に特に制限は無いが、例えば、回分式反応器にカルボン酸エステル誘導体(II)、アクリル酸誘導体(III)、酸、さらに必要に応じて溶媒および重合禁止剤を仕込み、低沸点化合物の留分を抜き取りながら、所定温度にて攪拌する方法が好ましい。
【0029】
こうして得られる反応混合液からのアクリル酸エステル誘導体(IV)の分離・精製は、有機化合物の分離・精製に一般的に用いられる方法により行うことができる。例えば、反応終了後、得られた反応混合物を炭酸水素ナトリウム水溶液などの塩基性水溶液で処理してから、酢酸エチルなどで抽出し、好ましくは水で洗浄してから、有機層を減圧下に濃縮することにより、アクリル酸エステル誘導体(IV)を分離できる。さらに必要に応じて、再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの精製手段に付すことにより、純度の高いアクリル酸エステル誘導体(IV)を得ることができる。また、精製手段を繰り返し行なうことにより、純度の高い単一のジアステレオマーを得ることもできる。
【0030】
なお、アクリル酸エステル誘導体(IV)は新規化合物であり、単一のジアステレオマーであっても、ジアステレオマー混合物であっても、フォトレジスト組成物用高分子化合物のモノマーとして好適に使用することができる。
以下に、アクリル酸エステル誘導体(IV)の具体例を挙げるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0031】
【化10】

【0032】
【化11】

【0033】
これらの中でも、一般式(IV)において、R1とR2が、両者が結合して−CH2−、−(CH22−、−O−、−S−のいずれかとなっており、Xが塩素原子である化合物が好ましく、その中でも、式(IV−12)、式(IV−14)、式(IV−22)、式(IV−24)、式(IV−27)、式(IV−29)、式(IV−32)、式(IV−34)が好ましく、式(IV−12)、式(IV−14)がより好ましい。
【0034】
≪含窒素アクリル酸エステル誘導体(V)の製造方法≫
本発明では、以上の様にして得られるアクリル酸エステル誘導体(IV)と一般式 NHR67(式中、R6およびR7は、それぞれ独立して水素原子、任意の位置に酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルキル基、任意の位置に酸素原子を含んでいてもよい炭素数3〜15のシクロアルキル基または任意の位置に酸素原子を含んでいてもよい炭素数2〜15のアルコキシカルボニル基を表す。)で示されるアミン誘導体を反応させることにより、含窒素アクリル酸エステル誘導体(V)を製造する(以下の化学反応式参照。)。
【0035】
【化12】

【0036】
上記式で示される含窒素アクリル酸エステル誘導体(V)は、
【0037】
【化13】

【0038】
を意味している。
上記化学反応式中のR1、R2、R4およびXは、前記説明の通りである。
6およびR7がそれぞれ独立して表す、任意の位置に酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、tert−ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘプチル基、各種オクチル基、各種ノニル基、各種デシル基、各種ウンデシル基、各種ドデシル基、各種トリデシル基、各種テトラデシル基、各種ペンタデシル基などの炭素数1〜15のアルキル基;メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエトキシメチル基、1−メトキシエチル基、メトキシエトキシエチル基などの合計炭素数2〜15のアルコキシアルキル基;シクロペンチルオキシメチル基、シクロヘキシルオキシメチル基、アダマンチルオキシメチル基などの脂環式アルキルオキシアルキル基が挙げられる。これらの中でも、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
【0039】
6およびR7がそれぞれ独立して表す、任意の位置に酸素原子を含んでいてもよい炭素数3〜15のシクロアルキル基としては、例えばシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、1−メチル−1−シクロペンチル基、2−メチル−1−シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基、2−メチル−1−シクロヘキシル基、1−エチル−1−シクロペンチル基、1−エチル−1−シクロヘキシル基、シクロオクチル基、1−メチル−1−シクロオクチル基、2−メチル−1−シクロオクチル基、2−ノルボルネニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、2−メチル−2−ノルボルニル基、2−エチル−2−ノルボルニル基、テトラヒドロフラン−2−イル基、テトラヒドロピラン−2−イル基、テトラヒドロピラン−3−イル基、3−メチルテトラヒドロピラン−3−イル基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましい。
【0040】
6およびR7がそれぞれ独立して表す、任意の位置に酸素原子を含んでいてもよい炭素数2〜15のアルコキシカルボニル基としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、tert−ペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基などが挙げられる。これらの中でも、炭素数2〜5のアルコキシカルボニル基が好ましい。
【0041】
アミン誘導体としては、アンモニア、モノメチルアミン、ジメチルアミンが好ましく、アンモニアがより好ましい。
【0042】
アミン誘導体の使用量は、アクリル酸エステル誘導体(IV)1モルに対して、1〜50モルの範囲が好ましく、1〜30モルの範囲がより好ましく、5〜30モルの範囲がさらに好ましい。
【0043】
反応は、溶媒の存在下に実施することが好ましい。かかる溶媒としては、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素;クロロベンゼン、フルオロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライム、テトラグライムなどのエーテル;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
溶媒を使用する場合、その使用量は、反応速度や廃溶媒量を考慮すると、アクリル酸エステル誘導体(IV)1質量部に対して100質量部以下であるのが好ましく、50質量部以下であるのがより好ましく、10質量部以下であるのがさらに好ましい。
【0044】
反応は、重合禁止剤の存在下または不存在下に実施する。重合禁止剤に特に制限はなく、例えばヒドロキノン、4−メトキシフェノール、ベンゾキノン、トルキノン、p−tert−ブチルカテコールなどのキノン系化合物;2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4,6−ジメチルフェノール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノールなどのアルキルフェノール系化合物;フェノチアジンなどのアミン系化合物などを使用できる。これらの中でも、キノン系化合物が好ましく、ヒドロキノンがより好ましい。重合禁止剤は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合禁止剤を使用する場合、その使用量は、反応混合物全体(気体を除く。)に対して5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましく、重合禁止剤の効力を考慮すると、0.03〜0.5質量%の範囲がさらに好ましい。
【0045】
反応温度は、通常、−30〜50℃の範囲が好ましい。反応速度および重合などの副反応の抑制の観点からは、反応温度は−10〜30℃がより好ましく、0〜15℃がさらに好ましい。反応圧力に特に制限はない。
反応時間は、アクリル酸エステル誘導体(IV)およびアミン誘導体の種類や使用量、さらに溶媒の有無や反応温度などによっても異なるが、通常は0.5〜20時間の範囲が好ましい。
【0046】
反応操作としては、例えば、回分式反応器にアクリル酸エステル誘導体(IV)、好ましくは溶媒、必要に応じて重合禁止剤を仕込み、こうして得られる混合液に、所定温度でアミン誘導体を添加する(または吹き込む)方法が好ましい。
【0047】
このような方法で得られる含窒素アクリル酸エステル誘導体(V)の分離・精製は、有機化合物の分離・精製に一般的に用いられる方法により行うことができる。例えば、反応終了後、反応混合物をろ過し、得られるろ液を減圧下に濃縮することにより、含窒素アクリル酸エステル誘導体(V)を単離することができる。必要に応じて、再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの精製手段に付すことにより、純度の高い含窒素アクリル酸エステル誘導体(V)を得ることができる。さらに、精製を繰り返すことにより、純度の高い単一ジアステレオマーを得ることもできる。
なお、得られる含窒素アクリル酸エステル誘導体(V)は新規化合物であり、単一のジアステレオマーであっても、ジアステレオマー混合物であっても、フォトレジスト組成物用高分子化合物の原料に好適に使用することができる。
以下に、本発明により得られる含窒素アクリル酸エステル誘導体(V)の具体例を挙げるが、特にこれらに限定されるものではない。
【0048】
【化14】

【0049】
【化15】

【0050】
【化16】

【0051】
【化17】

【0052】
【化18】

【0053】
【化19】

【0054】
以上の含窒素アクリル酸エステル誘導体(V)の中でも、式(V−61)、式(V−62)、式(V−64)、式(V−65)、式(V−82)、式(V−83)が好ましく、式(V−61)、式(V−62)がより好ましい。
【0055】
≪原料:カルボン酸エステル誘導体(II)の製造方法≫
なお、本発明において原料として用いるカルボン酸エステル誘導体(II)の製造方法としては、例えば下記化学反応式中に記載のハロスルホン誘導体(I)とカルボン酸化合物を反応させる方法が好ましく挙げられる。
【0056】
【化20】

【0057】
上記化学反応式中のR1、R2、R3およびXは、前記説明の通りである。
なお、上記ハロスルホン誘導体(I)の製造方法に特に制限はないが、例えば、2−クロロエタンスルホニルハライドを、トリエチルアミンなどの塩基性化合物およびテトラヒドロフランなどの溶媒の存在下に氷浴下でシクロペンタジエンと反応させることにより製造できる。
以下、上記のカルボン酸エステル誘導体(II)の製造方法について詳細に説明する。
【0058】
カルボン酸化合物の使用量は、ハロスルホン誘導体(I)1モルに対して、0.8〜30モルの範囲が好ましく、1〜20モルの範囲がより好ましく、1.1〜10モルの範囲がさらに好ましい。
【0059】
反応は、溶媒の存在下または不存在下に実施する。溶媒としては、反応を阻害しない限り特に制限はなく、例えばヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素;クロロベンゼン、フルオロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素;ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジグライム、トリグライム、テトラグライムなどのエーテル;ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
溶媒を使用する場合、その使用量は、反応速度や廃溶媒量を考慮すると、ハロスルホン誘導体(I)1質量部に対して100質量部以下であるのが好ましく、50質量部以下であるのがより好ましく、10質量部以下であるのがさらに好ましい。
【0060】
反応温度は、使用するハロスルホン誘導体、カルボン酸化合物の種類により異なるが、通常、25〜150℃の範囲が好ましく、反応速度および重合などの副反応抑制の観点からは、50〜120℃の範囲がより好ましく、50〜100℃の範囲がさらに好ましい。反応圧力に特に制限はないが、常圧下で実施するのが簡便であり好ましい。
反応時間は、ハロスルホン誘導体(I)およびカルボン酸化合物の種類や使用量、さらに溶媒の有無や反応温度などによっても異なるが、通常は0.5〜48時間の範囲が好ましく、1〜24時間の範囲がより好ましい。
【0061】
反応操作に特に制限はなく、ハロスルホン誘導体(I)、カルボン酸化合物および溶媒の投入方法や順序は任意でよい。具体的な反応操作としては、例えば、回分式反応器にハロスルホン誘導体(I)、カルボン酸化合物、および所望により溶媒を全て仕込んで攪拌する方法が挙げられる。
【0062】
このような方法などで得られた反応混合物からのカルボン酸エステル誘導体(II)の分離・精製方法に特に制限は無く、有機化合物の分離・精製に一般的に用いられる方法により行うことができる。例えば、反応終了後、得られた反応混合物から酢酸エチルなどの溶媒で抽出し、適宜水や炭酸水素ナトリウム水溶液などで洗浄後、減圧下に濃縮することにより、カルボン酸エステル誘導体(II)を分離でき、さらに必要に応じて、再結晶、蒸留、カラムクロマトグラフィーなどの精製手段に付すことにより、純度の高いカルボン酸エステル誘導体(II)を得ることができる。また、精製手段を繰り返し行なうことにより、純度の高い単一のジアステレオマーを得ることもできる。
【0063】
≪フォトレジスト組成物≫
前述の通り、現在、フォトレジスト材料(フォトレジスト組成物)としては、ポジ型またはネガ型の化学増幅型レジストが用いられている。
ポジ型の化学増幅型レジストは、ベース樹脂として、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂と酸発生剤とを含有しており、レジストパターン形成時に、露光により酸発生剤から酸が発生すると、露光部がアルカリ現像液に対して可溶性へと変化する。一方、未露光部はアルカリ不溶性のまま変化しないので、アルカリ現像を行うことによりレジストパターンが形成される。
ネガ型の化学増幅型レジストは、ベース樹脂として、アルカリ現像液に対して可溶性の樹脂と酸発生剤および架橋剤を含有しており、レジストパターン形成時に、露光により酸発生剤から発生した酸の作用により、アルカリ現像液に対して可溶性の樹脂と架橋剤との間で架橋が生じて、アルカリ現像液に対して不溶性へ変化する。一方、未露光部はアルカリ現像液に対して可溶性のまま変化しないので、アルカリ現像を行うことによりレジストパターンが形成される。
通常、ポジ型フォトレジスト組成物は、高分子化合物[成分(A)]と、放射線の照射により酸を発生する酸発生剤[成分(B)]とを含有する。ネガ型フォトレジスト組成物の場合には、さらに架橋剤[成分(C)]を含有する。さらに、所望により任意成分[成分(D)]を添加することもできる。また、かかる成分を有機溶剤[成分(S)]に溶解させて製造することができる。
以下、各成分(A)〜(D)および(S)について簡単に説明する。
【0064】
成分(A)としては、前記含窒素アクリル酸エステル誘導体(V)を構成単位に含む樹脂成分が有用である。
成分(B)としては、特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として公知のものを使用することができる。フォトレジスト組成物における成分(B)の含有量は、成分(A)100質量部に対し、0.5〜30質量部の範囲が好ましく、1〜10質量部の範囲がより好ましい。
成分(C)は、特に限定されず、これまでに知られている化学増幅型のネガ型レジスト組成物に用いられている架橋剤の中から任意に選択して用いることができる。成分(C)の含有量は、成分(A)100質量部に対して1〜50質量部であることが好ましく、3〜30質量部がより好ましく、3〜15質量部がさらに好ましく、5〜10質量部が特に好ましい。
成分(D)としては、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるための含窒素有機化合物;感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などの向上のための有機カルボン酸、有機カルボン酸誘導体、リンのオキソ酸、リンのオキソ酸誘導体;レジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂;塗布性を向上させるための界面活性剤;溶解抑制剤;可塑剤;安定剤;着色剤;ハレーション防止剤;染料などが挙げられる。
成分(S)としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを選択し、1種を単独で、または2種以上を併用することができる。成分(S)の使用量に特に制限はなく、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはフォトレジスト組成物の固形分濃度が2〜20質量%の範囲が好ましく、3〜15質量%の範囲がより好ましい。
【0065】
なお、レジストパターン形成方法に特に制限は無く、公知の方法を利用できる。
【実施例】
【0066】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0067】
<合成例1>カルボン酸エステル誘導体(II−12)の合成
攪拌機および温度計を取り付けた内容積1Lの四つ口フラスコに、フェノチアジン0.35g、テトラヒドロフラン480gおよびシクロペンタジエン72.9g(1.10mol)を仕込み、攪拌しながら0〜5℃に冷却した。次いで、2−クロロエタンスルホニルクロリド172.3g(1.00mol)とトリエチルアミン122.1g(1.20mol)を別々の滴下ロートに仕込み、0〜5℃で3時間かけて同時に滴下を行った。滴下終了後、反応混合物を0〜5℃で3時間攪拌した後、析出した塩をろ過し、5−ノルボルネン−2−スルホニルクロリドのテトラヒドロフラン溶液746.5gを得た(5−ノルボルネン−2−スルホニルクロリド158.0g;収率82%)。該溶液を蒸留することにより、沸点102.0〜103.0℃/0.5mmHgで、5−ノルボルネン−2−スルホニルクロリド135.9g(蒸留収率86%)を得た。
【化21】

【0068】
攪拌機および温度計を取り付けた内容積100mlの三つ口フラスコに、上記方法で得られた5−ノルボルネン−2−スルホニルクロリド19.3g(100mmol)およびギ酸23.2g(500mmol、濃度99質量%)を仕込んだ後、70℃に昇温し、7時間攪拌した。得られた反応混合液を25℃まで冷却した後、分液ロートに移送し、酢酸エチル100gを添加してから水100gで2回洗浄し、次いで5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄した。得られた有機層を減圧下に濃縮することにより、下記の構造をしたカルボン酸エステル誘導体(II−12)16.9g(70.8mmol;収率70.8%)を得た。
【化22】

【0069】
カルボン酸エステル誘導体(II−12)の1H−NMR測定結果を以下に示す。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMS、ppm)δ:8.10(1H,s)、5.42(0.1×1H,m)、4.85(0.3×1H,m)、4.73(0.6×1H,m)、4.15(0.1×1H,m)、4.03(0.3×1H,m)、3.62(0.6×1H,m)、3.05(1H,m)、2.60(1H,m)、2.22(1H,m)、1.89(3H,m)、1.71(2H,m)
【0070】
<実施例1>アクリル酸エステル誘導体(IV−12)の製造
リービッヒコンデンサーを取り付けたクライゼン型分留頭、攪拌機、温度計を備えた内容積100mLの3つ口フラスコに、合成例1で得られたカルボン酸エステル誘導体(II−12)2.0g(9.1mmol)、4−メトキシフェノール0.02g、アクリル酸メチル3.9g(45.5mmol)およびp−トルエンスルホン酸一水和物0.1g(0.5mmol)を仕込んだ後、内温を70℃に昇温した。内温70〜75℃および66.5kPaで、分留頭より塔頂温度35℃以下の留分を抜き取りながら13時間加熱攪拌した。内温を25℃まで冷却した後、5質量%炭酸水素ナトリウム水溶液10gおよび酢酸エチル50mlを添加した。該反応混合液を分液ロートに移送し、静置した後、下層を抜き取った。上層を水10gで洗浄した後、上層を減圧濃縮した。得られた濃縮液の高速液体クロマトグラフィーを用いた内部標準法分析の結果より、アクリル酸エステル誘導体(IV−12)1.6g(6.7mmol;収率73.8%)が生成していることを確認した。
【化23】

【0071】
アクリル酸エステル誘導体(IV−12)の1H−NMR測定結果を以下に示す。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMS、ppm)δ:6.41(1H,m)、6.08(1H,m)、5.84(1H,m)、5.42(0.1×1H,m)、4.85(0.3×1H,m)、4.73(0.6×1H,m)、4.15(0.1×1H,m)、4.03(0.3×1H,m)、3.62(0.6×1H,m)、3.05(1H,m)、2.60(1H,m)、2.22(1H,m)、1.89(3H,m)、1.71(2H,m)
【0072】
<実施例2>含窒素アクリル酸エステル誘導体(V−61)の製造
温度計、ガス導入管および攪拌装置を設置した内容積100mlの三つ口フラスコに、ヒドロキノン0.03g、実施例1で得られたアクリル酸エステル誘導体(IV−12)5.3g(20mmol)およびテトラヒドロフラン20gを仕込み、2℃に冷却した。10℃以下に維持しながら、ガス導入管からアンモニア(ガス)5.1g(299mmol)を吹き込んだ。得られた反応混合物をろ過し、エバポレーターによりろ液を減圧下に濃縮することにより、以下の構造をした含窒素アクリル酸エステル誘導体(V−61)3.5g(14.2mmol;収率70.8%)を得た。
【化24】

【0073】
含窒素アクリル酸エステル誘導体(V−61)の1H−NMR測定結果を以下に示す。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMS、ppm)δ:6.38(1H,m)、6.06(1H,m)、5.79(1H,m)、5.52(0.5×1H,s)、5.41(0.3×1H,m)、5.35(0.5×1H,s)、5.28(1H,s)、4.78(0.3×1H,m)、4.70(0.4×1H,m)、3.54(0.3×1H,m)、3.44(0.3×1H,m)、3.02(0.4×1H,m)、2.77(1H,m)、2.48(1H,m)、1.99−1.84(2H,m)、1.80−1.49(3H,m)、1.37(1H,m)
【0074】
<実施例3>アクリル酸エステル誘導体(IV−14)の製造
実施例1において、アクリル酸9.7g(135mmol)の替わりに、メタクリル酸11.6g(135mmol)を用いたこと以外は、実施例1と同様に反応を行ない、以下の構造をしたアクリル酸エステル誘導体(IV−14)8.0g(30.8mmol;収率68.5%)を得た。
【化25】

【0075】
アクリル酸エステル誘導体(IV−14)の1H−NMR測定結果を以下に示す。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMS、ppm)δ:6.44(1H,m)、6.10(1H,m)、5.85(1H,m)、5.42(0.1×1H,m)、4.85(0.3×1H,m)、4.73(0.6×1H,m)、4.15(0.1×1H,m)、4.08(0.3×1H,m)、3.60(0.6×1H,m)、3.05(1H,m)、2.60(1H,m)、2.22(1H,m)、1.92(3H,s)、1.89(3H,m)、1.71(2H,m)
<実施例4>含窒素アクリル酸エステル誘導体(V−62)の製造
実施例2において、アクリル酸エステル誘導体(IV−12)5.3g(20mmol)の替わりに実施例3で得られたアクリル酸エステル誘導体(IV−14)5.6g(20mmol)を用いたこと以外は、実施例2と同様の操作を実施し、含窒素アクリル酸エステル誘導体(V−62)3.7g(14.5mmol;収率=72.3%)を得た。
【化26】

【0076】
含窒素アクリル酸エステル誘導体(V−62)の1H−NMR測定結果を以下に示す。
1H−NMR(300MHz、CDCl3、TMS、ppm)δ:6.03(1H,m)、5.51(1H,m)、5.47(0.6×1H,s)、5.35(0.33×1H,m)、5.29(0.6×1H,s)、5.24(0.8×1H,s)、4.75(0.33×1H,m)、4.64(0.33×1H,m)、3.53(0.33×1H,m)、3.43(0.33×1H,m)、3.01(0.33×1H,m)、2.75(1H,m)、2.47(1H,m)、2.02−1.88(2H,m)、1.87(3H,s)、1.78−1.50(3H,m)、1.39(1H,m)
【0077】
<合成例2>高分子化合物(A1)の合成
実施例2で得られた含窒素アクリル酸エステル誘導体(V−61)4.28g、2−メチル−2−アダマンチルメタアクリレート4.07gおよびアゾビスイソ酪酸ジメチル(商品名:V−601、重合開始剤、和光純薬工業株式会社製)0.21gを、テトラヒドロフラン(THF)150mlに溶解させた。
次いで、窒素バブリングを約10分間行い、70℃に加温しながら4時間撹拌し、その後、室温まで冷却した。得られた反応混合液は透明であった。次に、該反応混合液をエバポレーターで濃縮・乾固させた後、へプタン1000mlに投入して攪拌し、重合体をろ取した。更に、得られた重合体をTHF40mLに溶解し、水450ml/メタノール50mlの混合液に注ぎ込むことにより樹脂を析出(再沈)させ、濾過した。得られた重合体を乾燥させ、以下の構造をした白色固体の高分子化合物3.40gを得た。以下、得られた高分子化合物を、高分子化合物(A1)と称する。
なお、下記式において、組成比(l:m)は50:50である。高分子化合物の重量平均分子量(Mw)は4800、分散度(Mw/Mn)は2.16であった。
【0078】
【化27】

【0079】
<参考例1>
(ポジ型フォトレジスト組成物の調製)
表1に示す各成分を各組成比にて混合し、溶解してポジ型フォトレジスト組成物を調製した。なお、表1中の数値は、配合量(質量部)を表す。
【0080】
【表1】

【0081】
表1中の各記号は、以下の成分である。
(B1):(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート
(D1):トリ−n−ペンチルアミン
(S1):プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
【0082】
<実施例5>
(リソグラフィー特性の評価)
参考例1にて調製したポジ型フォトレジスト組成物を用いて、以下に示すリソグラフィー特性の評価を行った。
有機系反射防止膜組成物「ARC29A」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて8インチシリコンウェーハ上に均一に塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚77nmの有機系反射防止膜を形成した。
該反射防止膜上に、表1の通りに調製したフォトレジスト組成物を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、100℃で60秒間のプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚150nmのレジスト膜を形成した。
ついで、ArF露光装置「NSR−S302」(製品名、株式会社ニコン製;NA(開口数)=0.60、2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、「ライン幅120nm、スペース幅120nm、ライン幅:スペース幅=1:1」をターゲットとするマスクパターンを介して、選択的に照射した。そして、100℃で60秒間の露光後加熱(PEB)処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で30秒間現像し、その後30秒間水洗し、乾燥して、29mJ/cm2の露光量において、ライン幅120nm、ピッチ120nmのラインアンドスペース(1:1)のレジストパターンの解像が確認された。
【0083】
<合成例3>高分子化合物(A2)の合成
実施例2で得られた含窒素アクリル酸エステル誘導体(V−61)3.43g、3−ヒドロキシ−1−アダマンチルアクリレート3.10g、3−(2−ヒドロキシエトキシ)−1−アダマンチルアクリレート1.86gおよびアゾビスイソ酪酸ジメチル(商品名:V−601、重合開始剤、和光純薬工業株式会社製)0.12gを、テトラヒドロフラン(THF)60mlに溶解させた。
次いで、窒素バブリングを約10分間行い、70℃に加温しながら4時間撹拌し、その後、室温まで冷却した。次に、得られた反応混合液をエバポレーターで濃縮・乾固させた後、THF40mLに溶解し、次いでへプタン1000mlに注ぐことにより重合体を析出させ、濾過した後、乾燥させ、以下の構造をした白色固体の高分子化合物6.97gを得た。以下、得られた高分子化合物を、高分子化合物(A2)と称する。
なお、下記式において、組成比(l:m:n)は39:40:21である。高分子化合物の重量平均分子量(Mw)は5000、分散度(Mw/Mn)は1.89であった。
【0084】
【化28】

【0085】
<合成例4>高分子化合物(A3)の合成
実施例2で得られた含窒素アクリル酸エステル誘導体(V−61)4.0gおよびアゾビスイソ酪酸ジメチル(商品名:V−601、重合開始剤、和光純薬工業株式会社製)0.11gを、テトラヒドロフラン(THF)32mlに溶解させた。
次いで、窒素バブリングを約10分間行い、70℃に加温しながら4時間撹拌し、その後、室温まで冷却した。THF中に析出した高分子化合物をろ取した後、THF中で再沈させ、ろ過した後、乾燥させ、以下の構造をした白色固体の高分子化合物2.18gを得た。以下、得られた高分子化合物を、高分子化合物(A3)と称する。
高分子化合物(A3)の重量平均分子量(Mw)は5920、分散度(Mw/Mn)は3.68であった。
【0086】
【化29】

【0087】
<合成例5>高分子化合物(A4)の合成
実施例4で得られた含窒素アクリル酸エステル誘導体(V−62)5.0gおよびアゾビスイソ酪酸ジメチル(商品名:V−601、重合開始剤、和光純薬工業株式会社製)0.21gを、テトラヒドロフラン(THF)150mlに溶解させた。
次いで、窒素バブリングを約10分間行い、80℃のオイルバスを用いて加温しながら4時間撹拌し、その後、室温まで冷却した。THF中に析出した高分子化合物をろ取し、ジメチルスルホキシド(DMSO)50mlに溶解した後、イソブタノール500ml中に滴下し、これにヘプタン500mlを加えて結晶を析出させ、ろ過して乾燥させることにより、以下の構造をした白色固体の高分子化合物4.04gを得た。以下、得られた高分子化合物を、高分子化合物(A4)と称する。
高分子化合物(A4)の重量平均分子量(Mw)は13000、分散度(Mw/Mn)は4.2であった。
【0088】
【化30】

【0089】
<参考例2〜4>
(ネガ型レジスト組成物の調製)
表2に示す各成分を各組成比にて混合し、溶解してネガ型フォトレジスト組成物1〜3を調製した。なお、表2中の数値は、配合量(質量部)を表す。
【0090】
【表2】

【0091】
表2中の各記号は、以下の成分である。
(B2):トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート
(C1):テトラメトキシメチル化グリコールウリル[商品名:ニカラック(登録商標)MX−270、株式会社三和ケミカル製]
(D2):トリイソプロパノールアミン
(S1):プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)
(S2):ジメチルスルホキシド(DMSO)
【0092】
<実施例6>
(リソグラフィー特性の評価)
参考例2にて調製したネガ型フォトレジスト組成物1を用いて、以下に示すリソグラフィー特性の評価を行った。
有機系反射防止膜組成物「ARC29」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて8インチシリコンウェーハ上に均一に塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚77nmの有機系反射防止膜を形成した。
該有機系反射防止膜上に、参考例2にて調製したネガ型フォトレジスト組成物1を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、80℃で60秒間のプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚160nmのレジスト膜を形成した。
次いで、該レジスト膜に対して、ArF露光装置「NSR−S302」(製品名、株式会社ニコン製;NA(開口数)=0.60、2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、ラインアンドスペース(1:1)のマスクパターンを介して、選択的に照射した。
そして、100℃で60秒間の露光後加熱(PEB)処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、その後30秒間水洗し、乾燥して、27mJ/cm2の露光量において、ライン幅140nmのラインアンドスペースのレジストパターンの解像が確認された。
【0093】
<実施例7〜9>
(残膜特性の評価)
参考例2〜4にて調製したネガ型フォトレジスト組成物1〜3を用いて、以下に示す残膜特性の評価を行った。
有機系反射防止膜組成物「ARC29」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて8インチシリコンウェーハ上に均一に塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚77nmの有機系反射防止膜を形成した。
該有機系反射防止膜上に、ネガ型フォトレジスト組成物1〜3をそれぞれ、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、80℃で60秒間のプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚160nmのレジスト膜を形成した。
次いで、該レジスト膜に対して、ArF露光装置「NSR−S302」(製品名、株式会社ニコン製;NA(開口数)=0.60、2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、1〜30mJ/cm2の露光量で露光した。
そして、100℃で60秒間の露光後加熱(PEB)処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、その後30秒間水洗し、レジスト膜の厚さを測定した。露光量30mJ/cm2のときの残膜率(現像後のレジスト膜厚/成膜時(露光前)のレジスト膜厚)を測定した結果を表3に示す。
【0094】
【表3】

【0095】
表3より、本発明の製造方法により得られる含窒素アクリル酸エステル誘導体(V)を用いたフォトレジスト組成物は、残膜特性に優れており、ネガ型レジスト組成物として機能することが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明の製造方法により得られる含窒素アクリル酸エステル誘導体(V)は、フォトリソグラフィーにおいて優れた解像度のパターンを形成し得る高分子化合物のモノマーとして利用可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(II)
【化1】

(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して水素原子、炭素数1〜15のアルキル基、炭素数3〜15のシクロアルキル基もしくは炭素数1〜15のアルコキシ基を表すか、またはR1およびR2は、両者が結合して、任意の位置に酸素原子もしくは硫黄原子を含んでもよい炭素数1〜5のアルキレン基、−O−または−S−を表す。R3は、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。また、Xは、フッ素原子、塩素原子または臭素原子を表す。)
で示されるカルボン酸エステル誘導体を、酸の存在下に下記一般式(III)
【化2】

(式中、R4は、水素原子または、フッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜5のアルキル基を表す。また、R5は、水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表す。)
で示されるアクリル酸誘導体と反応させることにより、下記一般式(IV)
【化3】

(式中、R1、R2、R4およびXは、前記定義の通りである。)
で示されるアクリル酸エステル誘導体を得、得られたアクリル酸エステル誘導体と、一般式 NHR67
(式中、R6およびR7は、それぞれ独立して水素原子、任意の位置に酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜15のアルキル基、任意の位置に酸素原子を含んでいてもよい炭素数3〜15のシクロアルキル基または任意の位置に酸素原子を含んでいてもよい炭素数2〜15のアルコキシカルボニル基を表す。)
で示されるアミン誘導体を反応させることによる、下記一般式(V)
【化4】

(式中、R1、R2、R4、R6およびR7は、前記定義の通りである。)
で示される含窒素アクリル酸エステル誘導体の製造方法。
【請求項2】
カルボン酸エステル誘導体が、下記一般式(I)
【化5】

(式中、R1、R2およびXは、前記定義の通りである。)
で示されるハロスルホン誘導体と、一般式 R3COOH
(式中、R3は、前記定義の通りである。)
で示されるカルボン酸化合物を反応させることによって得られたものである、請求項1に記載の含窒素アクリル酸エステル誘導体の製造方法。
【請求項3】
1およびR2が、両者が結合した−CH2−、−(CH22−、−O−または−S−である、請求項1または2に記載の含窒素アクリル酸エステル誘導体の製造方法。
【請求項4】
下記一般式(II)
【化6】

(式中、R1、R2、R3およびXは、前記定義の通りである。)
で示されるカルボン酸エステル誘導体を、酸の存在下に下記一般式(III)
【化7】

(式中、R4およびR5は、前記定義の通りである。)
で示されるアクリル酸誘導体と反応させることによる、下記一般式(IV)
【化8】

(式中、R1、R2、R4およびXは、前記定義の通りである。)
で示されるアクリル酸エステル誘導体の製造方法。
【請求項5】
カルボン酸エステル誘導体が、下記一般式(I)
【化9】

(式中、R1、R2およびXは、前記定義の通りである。)
で示されるハロスルホン誘導体と、一般式 R3COOH
(式中、R3は、前記定義の通りである。)
で示されるカルボン酸化合物を反応させることによって得られたものである、請求項4に記載のアクリル酸エステル誘導体の製造方法。
【請求項6】
1およびR2が、両者が結合した−CH2−、−(CH22−、−O−または−S−である、請求項4または5に記載のアクリル酸エステル誘導体の製造方法。

【公開番号】特開2010−37259(P2010−37259A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−201264(P2008−201264)
【出願日】平成20年8月4日(2008.8.4)
【出願人】(000001085)株式会社クラレ (1,607)
【Fターム(参考)】