吸収度変調リソグラフィシステムおよび方法
記録媒体に投射されるイメージング電磁エネルギエリアのアレイを与えるリソグラフィシステムを開示する。記録媒体とイメージング電磁エネルギエリアとの間に可逆コントラスト強調材料を配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2006年1月13日出願の米国実用新案出願第11/331,752号の優先権を主張する。この実用新案出願第11/331,752号の全内容を本願に引用して適用する。
【0002】
本発明は、一般にはリソグラフィに関し、より特定的にはゾーンプレートアレイ・リソグラフィに関する。
【背景技術】
【0003】
ゾーンプレートアレイ・リソグラフィシステムでは、フレネルゾーンプレート等の偏向レンズのアレイを用いて、基板上の感光層上にしっかりと合焦点したスポットのアレイを形成できる。例えば、本願に引用して適用する米国特許第5,900,637号は、フレネルゾーンプレートの多重化アレイを用いるマスクレス・リソグラフィシステムおよび方法を開示している。各偏向レンズに入射する光は、例えば空間光変調器の1ピクセルごとに制御できる。このようなシステムで使用する空間光変調器は、リフレッシュレートが高く、200nm未満等の短波長で動作でき、かつリアルタイムでグレースケーリングまたは強度変調可能でなければならない。
【0004】
上記の要件を満たしうる市場入手可能な空間光変調器の一つに、シリコン・ライト・マシーンズ社(Silicon Light Machines、米国カリフォルニア州サニィベール)製造のグレーティングライトバルブ(GLV)空間光変調器がある。GLVはピクセルのリニアアレイから構成され、各ピクセルは6本の金属製リボンからなり、回折格子を形成する。交互のリボンが静電駆動によって動かされ、反射面または格子のいずれかとなる。
【0005】
だがこのようなシステムのリソグラフィ解像度は、空中画像(aerial image)のコントラストによって制限されうる。画像のコントラストは印刷されたパターンに依存する。高密度グレーティングの空中画像コントラストを、グレーティングのハーフピッチの関数として計算することにより、光学性能を定量化できる。画像コントラストKは、以下の式で表わされ、
【数1】
式中、ImaxおよびIminは希望パターンを与えるために用いる照射信号の最大および最低強度をそれぞれ示す。例えば図1に示すように、画像領域(参照番号12で示す)と非画像領域とを交互に含む希望パターンを、照射信号14を用いて作成できる。希望グレーティングパターン10のピッチpは照射信号14のピッチpに対応する。
【0006】
だが照射信号14の強度プロファイルは、光源信号18(同じくピッチp)によってイメージングされるとフォトレジスト16上で画像パターンを生じる。フォトレジスト層16はウェハ20によって支持され、光源18に露光された印付けされた領域をフォトレジスト層中に含む。露光後、フォトレジスト層を現像し、印付き領域を除去すると、下層のウェハ20の露光部分22が残される。しかし解像度向上の努力(例えばピッチpの縮小)は、少なくとも一部には照射信号14の強度プロファイルのため、画像コントラストの劣化を生じうる。
【0007】
具体的には、周期の異なるグレーティングの空中画像を、開口数(NA)=0.7およびλ=400nmのゾーンプレートアレイ・リソグラフィシステムを仮定してシミュレーションする。各グレーティングの断面を複数回のラインスキャンについて平均し、画像コントラストを上記の式(1)を用いて計算する。k1をリソグラフィの解像度(波長およびNAに対して正規化)の測定単位とすると、画像コントラストはk1の関数として以下の式で表すことができる。
【数2】
式中、NAは開口数、λは露光波長を示す。例えば、従来技術のあるシステムではk1=0.32となりうるが、これは画像コントラスト約18%に相当する。ピッチpが小さくなるに従い、一部には各光源18の空間距離(spatial extent)のため、画像コントラストは悪化する。
【0008】
画像コントラスト改善の試みとして、コントラスト強調型リソグラフィ(contrast enhanced lithography)を用いることができる。具体的には、図2A〜図2Dに示すように、ウェハ28上のフォトレジスト層26上面にコントラスト強調材料(contrast enhancement material)24をスピンコートする。コントラスト強調材料24は、例えば露光量の増大に伴い吸収が減じられる(すなわち透明化する)フォトブリーチ(光退色)可能なポリマーから構成できる。理想のコントラスト強調システムについて、透過光の強度を時間の関数としてプロットできる。コントラスト強調材料24は、露光前は不透明で、光はほとんど材料24を通過しない。照射ビーム30による十分な露光後、材料は透明になり、光は参照番号32で示すエリアを透過する。コントラスト強調材料24を完全に退色させるのに十分高い露光量の場合のみ、フォトレジスト層に光が導入される。これによりフォトレジスト中に記録された画像のコントラストを増大させる。フォトレジストとウェハ間に抗反射コーティングを用いてもよい。
【0009】
図2Bに示すように、照射は、ウェハ28の規定領域34のコントラスト強調材料24が透明になるエリア(参照番号32で示す)にのみ到達できる。次いで、図2Cに示すように、コントラスト強調材料24が溶解する適当な媒体(例えば水)を用いて、コントラスト強調材料24を除去する。次いで、フォトレジスト現像により規定領域34を除去し、これによりフォトレジスト層26中に開口36が残り、ここを通ってウェハ28の一部を図2Dに示すように露光できる。
【0010】
コントラスト強調材料を用い、コントラスト強調材料の光退色率およびフォトレジストのクリアリング線量(clearing dose)を制御することで、フォトレジスト中に記録される空中画像のコントラストを強調できる。コントラスト強調材料は本質的にはコンタクトマスクとして機能し、フォトレジスト中に記録される画像のコントラストを増大させる。コントラスト強調材料は現像前にレジストから除去する。コントラスト強調材料がフォトレジストに対して適合性がなければ、コントラスト強調材料とフォトレジストとの間にバリア層が必要である。これもまた露光後にバリア層除去の追加ステップを生じる。市場入手可能な複数のコントラスト強調材料があり、いくつかのものは水溶性である。
【0011】
理想的には、このようなコントラスト強調材料は、照射信号14によって、各照射ビームのエッジ部で瞬間ステップを与えるオン/オフステップパターンで退色する。ただし、ビームは図1Bに示すような強度プロファイルをもつので、コントラスト強調材料は各照射ビームの中心からの距離に伴って様々な量だけ退色する。これにより解像度を制限する。さらに、非画像エリア近傍の反復照射が時間とともに蓄積され、最終的には材料が透明になるしきい値に達する場合がある。
【0012】
コントラスト強調は、現像剤の希釈または薄いフォトレジスト層を用いても得ることができるが、かかるシステムは、ラインエッジラフネス(粗さ)およびパターン転写が困難等の問題がある。
【0013】
したがって、マスクレス・リソグラフィにおいてより効率的かつ経済的に画像コントラストを向上させるイメージングシステムが必要とされている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0014】
一態様に従えば、本発明は、記録媒体に投射されるイメージング電磁エネルギエリアのアレイを与えるリソグラフィシステムを提供する。記録媒体とイメージング電磁エネルギエリアのアレイとの間に可逆コントラスト強調材料を配置する。
【0015】
他の態様に従えば、本発明は、記録媒体の表面上に、第1波長の第1電磁場の干渉パターンを与える第1干渉システムと、記録媒体−第1干渉システム間に配置した可逆コントラスト強調材料とを含むリソグラフィシステムを提供する。
【0016】
さらに他の態様に従えば、本発明は、フォトレジスト材料上にリソグラフィ画像を形成する方法を提供する。方法は、可逆コントラスト強調材料の少なくとも第1部分と、フォトレジスト材料の関連部分とを第1波長をもつ第1電磁場で照射するステップを含む。可逆コントラスト強調材料の照射により、可逆コントラスト強調材料の第1部分を第1状態から第2状態に変化させる。方法はまた、可逆コントラスト強調材料の少なくとも第2部分を、第2波長をもつ第2電磁場で照射するステップを含み、これにより可逆コントラスト強調材の第2部分を第1状態に維持する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下の説明は、添付図面を参照すればより深く理解できる。図面は例示のみを目的とし、必ずしもスケーリングは必要ない。
【0018】
本発明は、本発明の一実施形態に従い、可逆なコントラスト強調材料を用いることのできる吸収度変調リソグラフィシステムを提供する。合焦点した各照射ビームのバックグラウンドによる露光量は、後にコントラスト強調材料、ひいては記録画像から完全に消去される。反転後、フォトレジストには以前の露光の記録はまったく残らない。このため、従来のコントラスト強調材料を用いた場合よりも、2つのスポットを互いにより近接して配置できる。このようなイメージングシステムは、各スポットが他のスポットから独立して印刷されるドット・マトリックス印刷システム等に特に適している。従って、露光したスポット間の最小距離は干渉限度で定められる距離よりも大幅に縮小できる。
【0019】
図3A〜図3Fは、本発明の一実施形体に従うリソグラフィ工程を示す。図3Aおよび図3Bに示すように、ウェハ44上のフォトレジスト材料42上の可逆コントラスト強調材料40に照射ビーム46によって画像を形成し、フォトレジスト材料42中に画像領域48が形成される。照射ビーム46が停止すると、可逆コントラスト強調材料40は図3Cに示すように不透明に戻る。
【0020】
その後、ウェハを支持しているステージを移動させるか、または照射を移動させる。次いで図3Dに示すように、ウェハに対して画像ビーム46と異なる位置において、複合材に照射フィールド50で画像を形成する。画像形成領域52は、フォトレジスト材料42中の画像形成領域48に非常に接近できる。可逆コントラスト強調材料を除去し(図3E参照)、フォトレジスト材料42を現像すると、図3Fに示すようにフォトレジスト材料42中に希望の未露光パターン部54が残る。
【0021】
可逆コントラスト強調材料には、光化学制御された可逆染料を含むフォトクロミック(光互変性)有機化合物を用いることができる。この場合、回復(recovery)は、スピロピラン、スピロオキサジン(spirooxazines)、およびクロメンを用いた場合と同じく、主として熱メカニズムによって発生する。熱による回復は光互変過程によっても補助される。他の化合物(例えばフルギド類またはアリールエテン類(arylethenes))では、回復は主に光化学的である。この場合、異なる波長での露光(下層のフォトレジストに影響しない)を用いて回復を誘導する。このような回復は、モードロックされたレーザ中で用いられる飽和可能な吸収(吸光)剤でも存在するが、コントラストはそれほど高くはない。回復は自発的であるのが好ましい。可逆コントラスト強調に理想的な材料は、透明状態と不透明状態とコントラストが高い。また光退色および回復の反応速度が非常に速い。また、平坦基板上のフォトレジスト上面に簡単に薄膜状にスピンコートできるものがよい。最後に、露光後に下層のフォトレジストに影響を与えず簡単に除去できるものがよい。この材料の他の候補には、ポリマーマトリックス中に分散させたナノ粒子、ポリマーマトリックス中に分散させた光互変性染料分子(上述したもの)、アンチモンの薄膜、またはモードロックされたレーザ中で使用される半導体飽和可能な吸収剤(semiconductor saturable absorber)、がある。例えば、図4は、光互変性染料分子58を含む基板材料56(ポリマーマトリックス等)を示す。
【0022】
本発明の一実施形態に従うリソグラフィシステムは、本願に引用して適用する米国特許第5,900,637号および第6,894,292号に開示されているフレネルゾーンプレート等の各種の合焦点素子のアレイとともに使用できる。図5に示すように、合焦点素子53のアレイを基板55上に配置し、各ゾーンプレートは単位セルを規定する。アレイは、異方性エッチングされた垂直のシリコン(Si)ジョイスト(joist)57上に支持され、これは単位セルの列間を分割する剛性の機械的支持となる。本発明の他の実施形態では、ジョイストは不要で、基板はシリコン製でなくてもよい。膜はビーム源に対して透過性の材料から形成される。ビーム源が4.5nmのX線ならば、膜は薄い炭素質材料から形成できる。深いUV光を用いる場合は、膜はガラス製で、ゾーンプレートは位相ゾーンプレート、例えばガラスプレートまたは膜に切り込まれた溝等から形成できる。
【0023】
支持基板51上には、個々に選択可能な光源59のアレイも設けられ、各光源はそれぞれ合焦点素子53の1つと位置合わせされる。光源は、半導体レーザ、ダイオードレーザ、発光ダイオード(LED)、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)、またはX線光源もしくは電子ビーム光源等の他の各種光源から構成できる。これら光源は、アレイ状に微細加工でき、極めて高い変調周波数(約1GHz)を出し、超高速パターニング速度となる。さらに他の実施形体では、各光源59は、画像面における点拡散関数(point spread function)を減じるため、対応する合焦点素子53に脱焦点パターン(例えばπ/2に位相シフトされたリング位相)を与えるマイクロレンズおよび/または位相シフトマスクを含んでもよい。
【0024】
合焦点素子は、米国特許出願連続番号第10/624,316号(2003年7月22日出願、その内容を本願に引用して適用し、米国仮特許出願第60/397,705号および第60/404,514号の優先権を主張する)に開示されている等の、各種回折および/または反射素子のうち任意のものを含むものでよく、例えば、振幅および/または位相フレネルゾーンプレート、ブレーズドフレネルゾーンプレート、ベッセルゾーンプレート、フォトンシーブ(photon sieve)(振幅フォトンシーブ、位相フォトンシーブ、または交互位相フォトンシーブ等)などであり、それら回折合焦点素子はアポダイズ(apodize)してもよい。これらは大規模アレイにも微細加工でき、例えば可能な最小焦点に達するために、光源アレイから出力される光の波面特性(wavefront characteristics)を補償するように設計してもよい。
【0025】
図6は、本発明の一実施形態に従うリソグラフィシステム60の一例を示す。システム60は、レーザ源62と、イメージング(結像)レンズ64と、空間フィルタ66と、コリメートレンズ68と、空間光変調器70と、望遠レンズ72、74と、複数の回折素子78を含む回折素子アレイ76と、可逆コントラスト強調材料82で覆われステージ82で支持されたフォトレジスト材料84とを含む。可逆コントラスト強調材料82はフォトレジスト材料84のトップコートとして用いる。回折素子は、ゾーンプレート(フレネルゾーンプレート等)またはフォトンシーブから構成できる。
【0026】
レーザ源62からの照射は空間光変調器70へ進み、光は空間光変調器70で選択的に反射してゾーンプレートアレイ76の特定のゾーンプレート群78上に当射し、希望の画像形成パターンを形成する。照射されたゾーンプレート78は、合焦した照射を、参照番号80で示すようにフォトレジスト材料86の希望位置に当射する。スキャンステージを移動させて、フォトレジスト材料84全面に希望の画像パターンを与える。本例では、露光波長が可逆コントラスト強調材料を退色させる。露光照射を遮断(レーザを切る、または空間光変調器が照射ビームをゾーンプレート78から移動させることによって)すると、可逆コントラスト強調材料は自発的に緩和する。露光用の光のオン/オフ状態のタイミングはフォトレジストを適切に露光すべく制御される。
【0027】
他の実施形態に従えば、システム90(図7に示す)は、図6に示す各要素と同様、レーザ源62と、イメージングレンズ64と、空間フィルタ66と、コリメートレンズ68と、空間光変調器70と、望遠レンズ72、74と、複数のゾーンプレート群78を含むゾーンプレートアレイ76と、可逆コントラスト強調材料82’で覆われステージ86で支持されたフォトレジスト材料84とを含みうる。ただし、やはり図7に示すように、システム90の可逆コントラスト強調材料82’の緩和は、赤外線(IR)照射による露光(熱による緩和の場合等)、またはレーザ源62の波長(λ1)とは異なる第2波長(λ2)をもつ照射による露光(緩和が光によって開始された場合等)によって、支援できる。
【0028】
IRまたはλ2照射による露光は、光源92、シャッタまたは音響光学変調器(AOM: acousto-optic modulator)94、イメージングレンズ96、空間フィルタ98、コリメートレンズ100、およびビームスプリッタ/ミキサ102によって行うことができる。このシステム90では、光源62と変調器70を使用してフォトレジスト材料84上にスポットが形成される度に、可逆コントラスト強調材料82’を緩和させるIRまたはλ2照射が可逆コントラスト強調材料82’を照らす。AOM94は、露光波長と同調して、緩和用に露光を切替えることができる。緩和露光は、露光波長が切られるとオンにされる。
【0029】
本発明のさらに他の実施形態に従えば、図8に示すように、システム110は可逆コントラスト強調材料の選択領域の緩和を行う。具体的には、システム110は、図6に示すものと同様、レーザ源62と、イメージングレンズ64と、空間フィルタ66と、コリメートレンズ68と、空間光変調器70と、望遠レンズ72,74と、複数のゾーンプレート群78を含むゾーンプレートアレイ76と、可逆コントラスト強調材料82’で覆われステージ86で支持されるフォトレジスト材料84とを含みうる。ただし、やはり図8に示すように、システム110の可逆コントラスト強調材料82’の緩和は、IR照射による露光、またはレーザ源62の波長(λ1)とは異なる第2波長(λ2)をもつ照射による露光によって、支援できる。IRまたはλ2照射の露光は、光源112、イメージングレンズ114、空間フィルタ116、コリメートレンズ118、第2空間光変調器120、ミラー122、およびビームスプリッタ/コンバイナ(combiner)124によって行うことができる。このシステム110では、フォトレジスト材料84上の関連位置のイメージング直後に、可逆コントラスト強調材料82’緩和用のIRまたはλ2照射を可逆コントラスト強調材料82’の希望位置に選択的に投射する。IRまたはλ2照射の焦点合わせは、ゾーンプレートアレイ76の同一ゾーンプレート群78を用いて、ゾーンプレート群78を可逆コントラスト強調材料の緩和が得られるような希望位置に焦点合わせするか、またはゾーンプレート群78が波長λ1と、波長IRまたはλ2のいずれかと、を同一焦点距離で合焦点するよう設計して行うことができる。
【0030】
本発明のさらに他の実施形態では、本発明は、成形(shaped)ビームを用いて可逆コントラスト強調材料中の希望露光位置に空白(ヌル:null)を形成できる。例えば、図9A〜図9Eに示すように、フォトレジスト材料130は可逆コントラスト強調材料132でトップコートしてもよい(また希望に応じて、フォトレジスト材料とウェハ134との間に抗反射コーティングや、バリア層を含んでもよい)。だが本例の可逆コントラスト強調材料は、波長λexpの露光照射に対して最初は透明である。変形波長λtrの照射に露光されると、可逆コントラスト強調材料は不透明になる。
【0031】
具体的には、図9Bに示すように、参照番号136で概略的に示す照射λtrを用いて、まず環状リングスポットを形成する。照射136によって可逆コントラスト強調材料132に不透明な領域140を発現させると同時に、図9Bに示すように透明領域138を残す。環状スポットの中心である透明領域138は、その後、図9Cに示すように、照射144(λexp)を用いてフォトレジスト材料130の該当位置142を照射する際のマスクとして用いられる。イメージング領域142は、従来のイメージング方法を用いた場合に可能な最小イメージング素子サイズよりも小さくでき、本発明の一実施形態に従う可逆コントラスト強調材料を用いて可能である。
【0032】
その後、システムは、可逆コントラスト強調材料が緩和し再び透明になるまで待機するか、または緩和照射146(IRまたは他の波長の照射λret等)を適用して可逆コントラスト強調材料を緩和させ、図9Dおよび図9Eに示すように再び透明になるようにしてもよい。波長λretはλtrと等しくてもよい。
【0033】
図10に示すように、図9A〜図9Eで用いる環状リングスポットを設けるシステム150は、図6を参照に説明したものと同様、レーザ源62と、イメージングレンズ64と、空間フィルタ66と、コリメートレンズ68と、空間光変調器70と、望遠レンズ72,74と、複数の回折素子群を含む回折素子アレイ76と、可逆コントラスト強調材料82”で覆われ、ステージ86で支持されるフォトレジスト材料84とを含みうる。システムはまた、光源152(λtr照射の光源)と、シャッタまたは音響光学変調器(AOM)154と、イメージングレンズ156と、空間フィルタ158と、コリメートレンズ160と、位相プレート162と、ビームスプリッタ/コンバイナ164とを含む。位相プレート162は、λtr照射中に位相シフト(たとえばスパイラル位相シフト)を行い、図9Bおよび図9Cに示すような環状リングスポット照射136を形成する。
【0034】
他の実施形態では、システムは、図11Aに示すように基板170上のフォトレジスト172上に堆積させた可逆コントラスト強調材料174を、図11Bに示すような定常波照射波形176で照射する吸収度変調リソグラフィシステムを構成できる。波形176はイメージング周波数λimで与えられる。もう一方の定常波178も逆周波数λrevで与えられ、この周波数で可逆コントラスト強調材料を能動的に反転できる。波形176と178とは互いに180°位相がずれており、かつ画像形成領域上で同期を保つよう十分近い周波数をもちうる。フォトレジストは、周波数λrevの電磁場によってではなく、周波数λimの電磁場によって画像形成されるように選択する。
【0035】
定常波は、図12および図13を参照して以下で説明するように、単色コヒーレント光源の干渉によって形成できる。図11Bに示すように、両波形176および178は、λimの格子の節がλrevの格子の腹と一致するように同時に与えることができる。周波数λimおよびλrevの照射強度は互いに独立して調整できるため、レジスト172は用途ごとに希望量だけ露光される。図11Cに示すように、露光後、波長λrevの照射で全面露光するか、または材料174がそれ自体が反転するか、もしくは上述した熱エネルギの付与によって反転するまで待機することにより、材料174全面を反転させる。逆照射の波長λrevは、イメージング照射波長λimより長くてよいが、イメージング照射波長の2倍未満(<2λim)となりうる。
【0036】
基板170は、最終格子(final grating)の希望ピッチで定められるように少量ずつステップ(移動)できる。他の実施形態では、基板をステップする代わりに、入射光の位相を変化させて入射格子の縞を移動してもよい。これらの工程ステップは、基板をリソグラフィーツールから取外す必要なく実施できる。図11Dに示すように、フォトレジスト172はその後、再びフォトレジスト172の異なるエリアにてイメージングできる(任意により、π/2シフトした逆照射と同時に)。その後、必要に応じてこの工程を繰り返して、図11Eに示すように、フォトレジスト172中に超微細現像特徴をもつフォトレジスト172を構成する。
【0037】
図12に示すように、本発明の一実施形態に従うシステムは、基板186上のフォトレジスト184上の可逆コントラスト強調材料182にイメージング光学系を介して投射されるイメージングレーザ源180を含む。イメージング光学系は、ビームスプリッタ190と、調整可能な遅延ユニット192と、ミラー194および196とを含む。システムはまた、ビームスプリッタ202と、調整可能な遅延ユニット204と、ミラー206および208とを介して材料182の表面上へ逆照射を投射する逆照射レーザ源200を含みうる。レーザ180からの光路長は、イメージング照射の2つの部分が材料182に(+/−角度αから)干渉し、材料182上で定常波形λimを生じるように制御される。同様に、レーザ200からの光路長は、イメージング照射の2つの部分が材料182に(+/−角度β(αより小さい)より)干渉し、材料182上で定常波形λrevが生じるように制御される。周期P=λ/sinθと定義されるので、各波形の周期は、λim/sinα=λrev/sinβとして互いに等しく設定できる。
【0038】
本発明の他の実施形態に従うリソグラフィシステムは、入射イメージング照射および任意の逆照射(波長λimおよびλrev)を受ける回折格子220を含む。格子と入射角は、図示するように正と負の一次回折を与えるように調整され、一次回折照射は、図13に示すように追加格子222および224が受ける。各格子222および224は、それぞれ正と負の一次回折も行い、図13に示すように、一方の格子からの正の一次回折は他方の格子からの負の一次回折で干渉される。場の干渉は、基板230上のフォトレジスト228上の可逆コントラスト強調材料226のところで発生する。一方の格子224は、厚さ(d)をもつ基板232(ガラス等)を含む位相遅延ユニットを含み、これにより基板232を通過する照射の両波長に対して位相シフトが与えられるようにする。具体的には、材料232中の位相シフト(φ)は、材料232中で照射の波長によって分割される材料232を通る光学パスによって与えられる。位相シフト差φim−φrevはπに設定され、厚さdはλim2、λrev2から決定され、材料232の2つの波長での反射率が上記の各式を解決する。従って、システムはアクロマティック(色収差補正)干渉リソグラフィシステムを提供する。
【0039】
当業者であれば、上述した各実施形態に対して、本発明の精神および範囲を逸脱することなく多数の変形および変更が可能なことを理解できると考える。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1A】希望の画像パターンの概略図である。
【図1B】図1Aに示す画像パターン形成のための照射信号の概略図である。
【図1C】従来技術に従い、図1Bに示す照射信号を用いて図1Aに示す希望の画像パターンを形成する概略図である。
【図2A】従来技術の他のシステムに従い、コントラスト強調型リソグラフィを用いて、図1Aに示す希望の画像パターンを形成する工程を示す概略図である。
【図2B】従来技術の他のシステムに従い、コントラスト強調型リソグラフィを用いて、図1Aに示す希望の画像パターンを形成する工程を示す概略図である。
【図2C】従来技術の他のシステムに従い、コントラスト強調型リソグラフィを用いて、図1Aに示す希望の画像パターンを形成する工程を示す概略図である。
【図2D】従来技術の他のシステムに従い、コントラスト強調型リソグラフィを用いて、図1Aに示す希望の画像パターンを形成する工程を示す概略図である。
【図3A】本発明の他のシステムに従い、図1Aに示す希望の画像パターンを形成する工程を示す概略図である。
【図3B】本発明の他のシステムに従い、図1Aに示す希望の画像パターンを形成する工程を示す概略図である。
【図3C】本発明の他のシステムに従い、図1Aに示す希望の画像パターンを形成する工程を示す概略図である。
【図3D】本発明の他のシステムに従い、図1Aに示す希望の画像パターンを形成する工程を示す概略図である。
【図3E】本発明の他のシステムに従い、図1Aに示す希望の画像パターンを形成する工程を示す概略図である。
【図3F】本発明の他のシステムに従い、図1Aに示す希望の画像パターンを形成する工程を示す概略図である。
【図4】本発明の他の実施形態に従う可逆コントラスト強調材料の概略図である。
【図5】本発明の一実施形態に従うシステムにおいて用いるエネルギ源のアレイと回折要素のアレイとの展開概略図である。
【図6】本発明の一実施形態に従うリソグラフィシステムの概略図である。
【図7】本発明の他の実施形態に従うリソグラフィシステムの概略図である。
【図8】本発明のさらに他の実施形態に従うリソグラフィシステムの概略図である。
【図9A】イメージングシステムの解像度より小さなスケールのマーク形成に用いることのできる、本発明のさらに他の実施形態に従うシステムの概略図である。
【図9B】イメージングシステムの解像度より小さなスケールのマーク形成に用いることのできる、本発明のさらに他の実施形態に従うシステムの概略図である。
【図9C】イメージングシステムの解像度より小さなスケールのマーク形成に用いることのできる、本発明のさらに他の実施形態に従うシステムの概略図である。
【図9D】イメージングシステムの解像度より小さなスケールのマーク形成に用いることのできる、本発明のさらに他の実施形態に従うシステムの概略図である。
【図9E】イメージングシステムの解像度より小さなスケールのマーク形成に用いることのできる、本発明のさらに他の実施形態に従うシステムの概略図である。
【図10】本発明のさらに他の実施形態に従うリソグラフィシステムの概略図である。
【図11A】本発明の一実施形態に従うリソグラフィ工程を表す概略図である。
【図11B】本発明の一実施形態に従うリソグラフィ工程を表す概略図である。
【図11C】本発明の一実施形態に従うリソグラフィ工程を表す概略図である。
【図11D】本発明の一実施形態に従うリソグラフィ工程を表す概略図である。
【図11E】本発明の一実施形態に従うリソグラフィ工程を表す概略図である。
【図11F】本発明の一実施形態に従うリソグラフィ工程を表す概略図である。
【図12】本発明のさらに他の実施形態に従うシステムの概略図である。
【図13】本発明のさらに他の実施形態に従うシステムの概略図である。
【技術分野】
【0001】
本願は、2006年1月13日出願の米国実用新案出願第11/331,752号の優先権を主張する。この実用新案出願第11/331,752号の全内容を本願に引用して適用する。
【0002】
本発明は、一般にはリソグラフィに関し、より特定的にはゾーンプレートアレイ・リソグラフィに関する。
【背景技術】
【0003】
ゾーンプレートアレイ・リソグラフィシステムでは、フレネルゾーンプレート等の偏向レンズのアレイを用いて、基板上の感光層上にしっかりと合焦点したスポットのアレイを形成できる。例えば、本願に引用して適用する米国特許第5,900,637号は、フレネルゾーンプレートの多重化アレイを用いるマスクレス・リソグラフィシステムおよび方法を開示している。各偏向レンズに入射する光は、例えば空間光変調器の1ピクセルごとに制御できる。このようなシステムで使用する空間光変調器は、リフレッシュレートが高く、200nm未満等の短波長で動作でき、かつリアルタイムでグレースケーリングまたは強度変調可能でなければならない。
【0004】
上記の要件を満たしうる市場入手可能な空間光変調器の一つに、シリコン・ライト・マシーンズ社(Silicon Light Machines、米国カリフォルニア州サニィベール)製造のグレーティングライトバルブ(GLV)空間光変調器がある。GLVはピクセルのリニアアレイから構成され、各ピクセルは6本の金属製リボンからなり、回折格子を形成する。交互のリボンが静電駆動によって動かされ、反射面または格子のいずれかとなる。
【0005】
だがこのようなシステムのリソグラフィ解像度は、空中画像(aerial image)のコントラストによって制限されうる。画像のコントラストは印刷されたパターンに依存する。高密度グレーティングの空中画像コントラストを、グレーティングのハーフピッチの関数として計算することにより、光学性能を定量化できる。画像コントラストKは、以下の式で表わされ、
【数1】
式中、ImaxおよびIminは希望パターンを与えるために用いる照射信号の最大および最低強度をそれぞれ示す。例えば図1に示すように、画像領域(参照番号12で示す)と非画像領域とを交互に含む希望パターンを、照射信号14を用いて作成できる。希望グレーティングパターン10のピッチpは照射信号14のピッチpに対応する。
【0006】
だが照射信号14の強度プロファイルは、光源信号18(同じくピッチp)によってイメージングされるとフォトレジスト16上で画像パターンを生じる。フォトレジスト層16はウェハ20によって支持され、光源18に露光された印付けされた領域をフォトレジスト層中に含む。露光後、フォトレジスト層を現像し、印付き領域を除去すると、下層のウェハ20の露光部分22が残される。しかし解像度向上の努力(例えばピッチpの縮小)は、少なくとも一部には照射信号14の強度プロファイルのため、画像コントラストの劣化を生じうる。
【0007】
具体的には、周期の異なるグレーティングの空中画像を、開口数(NA)=0.7およびλ=400nmのゾーンプレートアレイ・リソグラフィシステムを仮定してシミュレーションする。各グレーティングの断面を複数回のラインスキャンについて平均し、画像コントラストを上記の式(1)を用いて計算する。k1をリソグラフィの解像度(波長およびNAに対して正規化)の測定単位とすると、画像コントラストはk1の関数として以下の式で表すことができる。
【数2】
式中、NAは開口数、λは露光波長を示す。例えば、従来技術のあるシステムではk1=0.32となりうるが、これは画像コントラスト約18%に相当する。ピッチpが小さくなるに従い、一部には各光源18の空間距離(spatial extent)のため、画像コントラストは悪化する。
【0008】
画像コントラスト改善の試みとして、コントラスト強調型リソグラフィ(contrast enhanced lithography)を用いることができる。具体的には、図2A〜図2Dに示すように、ウェハ28上のフォトレジスト層26上面にコントラスト強調材料(contrast enhancement material)24をスピンコートする。コントラスト強調材料24は、例えば露光量の増大に伴い吸収が減じられる(すなわち透明化する)フォトブリーチ(光退色)可能なポリマーから構成できる。理想のコントラスト強調システムについて、透過光の強度を時間の関数としてプロットできる。コントラスト強調材料24は、露光前は不透明で、光はほとんど材料24を通過しない。照射ビーム30による十分な露光後、材料は透明になり、光は参照番号32で示すエリアを透過する。コントラスト強調材料24を完全に退色させるのに十分高い露光量の場合のみ、フォトレジスト層に光が導入される。これによりフォトレジスト中に記録された画像のコントラストを増大させる。フォトレジストとウェハ間に抗反射コーティングを用いてもよい。
【0009】
図2Bに示すように、照射は、ウェハ28の規定領域34のコントラスト強調材料24が透明になるエリア(参照番号32で示す)にのみ到達できる。次いで、図2Cに示すように、コントラスト強調材料24が溶解する適当な媒体(例えば水)を用いて、コントラスト強調材料24を除去する。次いで、フォトレジスト現像により規定領域34を除去し、これによりフォトレジスト層26中に開口36が残り、ここを通ってウェハ28の一部を図2Dに示すように露光できる。
【0010】
コントラスト強調材料を用い、コントラスト強調材料の光退色率およびフォトレジストのクリアリング線量(clearing dose)を制御することで、フォトレジスト中に記録される空中画像のコントラストを強調できる。コントラスト強調材料は本質的にはコンタクトマスクとして機能し、フォトレジスト中に記録される画像のコントラストを増大させる。コントラスト強調材料は現像前にレジストから除去する。コントラスト強調材料がフォトレジストに対して適合性がなければ、コントラスト強調材料とフォトレジストとの間にバリア層が必要である。これもまた露光後にバリア層除去の追加ステップを生じる。市場入手可能な複数のコントラスト強調材料があり、いくつかのものは水溶性である。
【0011】
理想的には、このようなコントラスト強調材料は、照射信号14によって、各照射ビームのエッジ部で瞬間ステップを与えるオン/オフステップパターンで退色する。ただし、ビームは図1Bに示すような強度プロファイルをもつので、コントラスト強調材料は各照射ビームの中心からの距離に伴って様々な量だけ退色する。これにより解像度を制限する。さらに、非画像エリア近傍の反復照射が時間とともに蓄積され、最終的には材料が透明になるしきい値に達する場合がある。
【0012】
コントラスト強調は、現像剤の希釈または薄いフォトレジスト層を用いても得ることができるが、かかるシステムは、ラインエッジラフネス(粗さ)およびパターン転写が困難等の問題がある。
【0013】
したがって、マスクレス・リソグラフィにおいてより効率的かつ経済的に画像コントラストを向上させるイメージングシステムが必要とされている。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0014】
一態様に従えば、本発明は、記録媒体に投射されるイメージング電磁エネルギエリアのアレイを与えるリソグラフィシステムを提供する。記録媒体とイメージング電磁エネルギエリアのアレイとの間に可逆コントラスト強調材料を配置する。
【0015】
他の態様に従えば、本発明は、記録媒体の表面上に、第1波長の第1電磁場の干渉パターンを与える第1干渉システムと、記録媒体−第1干渉システム間に配置した可逆コントラスト強調材料とを含むリソグラフィシステムを提供する。
【0016】
さらに他の態様に従えば、本発明は、フォトレジスト材料上にリソグラフィ画像を形成する方法を提供する。方法は、可逆コントラスト強調材料の少なくとも第1部分と、フォトレジスト材料の関連部分とを第1波長をもつ第1電磁場で照射するステップを含む。可逆コントラスト強調材料の照射により、可逆コントラスト強調材料の第1部分を第1状態から第2状態に変化させる。方法はまた、可逆コントラスト強調材料の少なくとも第2部分を、第2波長をもつ第2電磁場で照射するステップを含み、これにより可逆コントラスト強調材の第2部分を第1状態に維持する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下の説明は、添付図面を参照すればより深く理解できる。図面は例示のみを目的とし、必ずしもスケーリングは必要ない。
【0018】
本発明は、本発明の一実施形態に従い、可逆なコントラスト強調材料を用いることのできる吸収度変調リソグラフィシステムを提供する。合焦点した各照射ビームのバックグラウンドによる露光量は、後にコントラスト強調材料、ひいては記録画像から完全に消去される。反転後、フォトレジストには以前の露光の記録はまったく残らない。このため、従来のコントラスト強調材料を用いた場合よりも、2つのスポットを互いにより近接して配置できる。このようなイメージングシステムは、各スポットが他のスポットから独立して印刷されるドット・マトリックス印刷システム等に特に適している。従って、露光したスポット間の最小距離は干渉限度で定められる距離よりも大幅に縮小できる。
【0019】
図3A〜図3Fは、本発明の一実施形体に従うリソグラフィ工程を示す。図3Aおよび図3Bに示すように、ウェハ44上のフォトレジスト材料42上の可逆コントラスト強調材料40に照射ビーム46によって画像を形成し、フォトレジスト材料42中に画像領域48が形成される。照射ビーム46が停止すると、可逆コントラスト強調材料40は図3Cに示すように不透明に戻る。
【0020】
その後、ウェハを支持しているステージを移動させるか、または照射を移動させる。次いで図3Dに示すように、ウェハに対して画像ビーム46と異なる位置において、複合材に照射フィールド50で画像を形成する。画像形成領域52は、フォトレジスト材料42中の画像形成領域48に非常に接近できる。可逆コントラスト強調材料を除去し(図3E参照)、フォトレジスト材料42を現像すると、図3Fに示すようにフォトレジスト材料42中に希望の未露光パターン部54が残る。
【0021】
可逆コントラスト強調材料には、光化学制御された可逆染料を含むフォトクロミック(光互変性)有機化合物を用いることができる。この場合、回復(recovery)は、スピロピラン、スピロオキサジン(spirooxazines)、およびクロメンを用いた場合と同じく、主として熱メカニズムによって発生する。熱による回復は光互変過程によっても補助される。他の化合物(例えばフルギド類またはアリールエテン類(arylethenes))では、回復は主に光化学的である。この場合、異なる波長での露光(下層のフォトレジストに影響しない)を用いて回復を誘導する。このような回復は、モードロックされたレーザ中で用いられる飽和可能な吸収(吸光)剤でも存在するが、コントラストはそれほど高くはない。回復は自発的であるのが好ましい。可逆コントラスト強調に理想的な材料は、透明状態と不透明状態とコントラストが高い。また光退色および回復の反応速度が非常に速い。また、平坦基板上のフォトレジスト上面に簡単に薄膜状にスピンコートできるものがよい。最後に、露光後に下層のフォトレジストに影響を与えず簡単に除去できるものがよい。この材料の他の候補には、ポリマーマトリックス中に分散させたナノ粒子、ポリマーマトリックス中に分散させた光互変性染料分子(上述したもの)、アンチモンの薄膜、またはモードロックされたレーザ中で使用される半導体飽和可能な吸収剤(semiconductor saturable absorber)、がある。例えば、図4は、光互変性染料分子58を含む基板材料56(ポリマーマトリックス等)を示す。
【0022】
本発明の一実施形態に従うリソグラフィシステムは、本願に引用して適用する米国特許第5,900,637号および第6,894,292号に開示されているフレネルゾーンプレート等の各種の合焦点素子のアレイとともに使用できる。図5に示すように、合焦点素子53のアレイを基板55上に配置し、各ゾーンプレートは単位セルを規定する。アレイは、異方性エッチングされた垂直のシリコン(Si)ジョイスト(joist)57上に支持され、これは単位セルの列間を分割する剛性の機械的支持となる。本発明の他の実施形態では、ジョイストは不要で、基板はシリコン製でなくてもよい。膜はビーム源に対して透過性の材料から形成される。ビーム源が4.5nmのX線ならば、膜は薄い炭素質材料から形成できる。深いUV光を用いる場合は、膜はガラス製で、ゾーンプレートは位相ゾーンプレート、例えばガラスプレートまたは膜に切り込まれた溝等から形成できる。
【0023】
支持基板51上には、個々に選択可能な光源59のアレイも設けられ、各光源はそれぞれ合焦点素子53の1つと位置合わせされる。光源は、半導体レーザ、ダイオードレーザ、発光ダイオード(LED)、垂直共振器面発光レーザ(VCSEL)、またはX線光源もしくは電子ビーム光源等の他の各種光源から構成できる。これら光源は、アレイ状に微細加工でき、極めて高い変調周波数(約1GHz)を出し、超高速パターニング速度となる。さらに他の実施形体では、各光源59は、画像面における点拡散関数(point spread function)を減じるため、対応する合焦点素子53に脱焦点パターン(例えばπ/2に位相シフトされたリング位相)を与えるマイクロレンズおよび/または位相シフトマスクを含んでもよい。
【0024】
合焦点素子は、米国特許出願連続番号第10/624,316号(2003年7月22日出願、その内容を本願に引用して適用し、米国仮特許出願第60/397,705号および第60/404,514号の優先権を主張する)に開示されている等の、各種回折および/または反射素子のうち任意のものを含むものでよく、例えば、振幅および/または位相フレネルゾーンプレート、ブレーズドフレネルゾーンプレート、ベッセルゾーンプレート、フォトンシーブ(photon sieve)(振幅フォトンシーブ、位相フォトンシーブ、または交互位相フォトンシーブ等)などであり、それら回折合焦点素子はアポダイズ(apodize)してもよい。これらは大規模アレイにも微細加工でき、例えば可能な最小焦点に達するために、光源アレイから出力される光の波面特性(wavefront characteristics)を補償するように設計してもよい。
【0025】
図6は、本発明の一実施形態に従うリソグラフィシステム60の一例を示す。システム60は、レーザ源62と、イメージング(結像)レンズ64と、空間フィルタ66と、コリメートレンズ68と、空間光変調器70と、望遠レンズ72、74と、複数の回折素子78を含む回折素子アレイ76と、可逆コントラスト強調材料82で覆われステージ82で支持されたフォトレジスト材料84とを含む。可逆コントラスト強調材料82はフォトレジスト材料84のトップコートとして用いる。回折素子は、ゾーンプレート(フレネルゾーンプレート等)またはフォトンシーブから構成できる。
【0026】
レーザ源62からの照射は空間光変調器70へ進み、光は空間光変調器70で選択的に反射してゾーンプレートアレイ76の特定のゾーンプレート群78上に当射し、希望の画像形成パターンを形成する。照射されたゾーンプレート78は、合焦した照射を、参照番号80で示すようにフォトレジスト材料86の希望位置に当射する。スキャンステージを移動させて、フォトレジスト材料84全面に希望の画像パターンを与える。本例では、露光波長が可逆コントラスト強調材料を退色させる。露光照射を遮断(レーザを切る、または空間光変調器が照射ビームをゾーンプレート78から移動させることによって)すると、可逆コントラスト強調材料は自発的に緩和する。露光用の光のオン/オフ状態のタイミングはフォトレジストを適切に露光すべく制御される。
【0027】
他の実施形態に従えば、システム90(図7に示す)は、図6に示す各要素と同様、レーザ源62と、イメージングレンズ64と、空間フィルタ66と、コリメートレンズ68と、空間光変調器70と、望遠レンズ72、74と、複数のゾーンプレート群78を含むゾーンプレートアレイ76と、可逆コントラスト強調材料82’で覆われステージ86で支持されたフォトレジスト材料84とを含みうる。ただし、やはり図7に示すように、システム90の可逆コントラスト強調材料82’の緩和は、赤外線(IR)照射による露光(熱による緩和の場合等)、またはレーザ源62の波長(λ1)とは異なる第2波長(λ2)をもつ照射による露光(緩和が光によって開始された場合等)によって、支援できる。
【0028】
IRまたはλ2照射による露光は、光源92、シャッタまたは音響光学変調器(AOM: acousto-optic modulator)94、イメージングレンズ96、空間フィルタ98、コリメートレンズ100、およびビームスプリッタ/ミキサ102によって行うことができる。このシステム90では、光源62と変調器70を使用してフォトレジスト材料84上にスポットが形成される度に、可逆コントラスト強調材料82’を緩和させるIRまたはλ2照射が可逆コントラスト強調材料82’を照らす。AOM94は、露光波長と同調して、緩和用に露光を切替えることができる。緩和露光は、露光波長が切られるとオンにされる。
【0029】
本発明のさらに他の実施形態に従えば、図8に示すように、システム110は可逆コントラスト強調材料の選択領域の緩和を行う。具体的には、システム110は、図6に示すものと同様、レーザ源62と、イメージングレンズ64と、空間フィルタ66と、コリメートレンズ68と、空間光変調器70と、望遠レンズ72,74と、複数のゾーンプレート群78を含むゾーンプレートアレイ76と、可逆コントラスト強調材料82’で覆われステージ86で支持されるフォトレジスト材料84とを含みうる。ただし、やはり図8に示すように、システム110の可逆コントラスト強調材料82’の緩和は、IR照射による露光、またはレーザ源62の波長(λ1)とは異なる第2波長(λ2)をもつ照射による露光によって、支援できる。IRまたはλ2照射の露光は、光源112、イメージングレンズ114、空間フィルタ116、コリメートレンズ118、第2空間光変調器120、ミラー122、およびビームスプリッタ/コンバイナ(combiner)124によって行うことができる。このシステム110では、フォトレジスト材料84上の関連位置のイメージング直後に、可逆コントラスト強調材料82’緩和用のIRまたはλ2照射を可逆コントラスト強調材料82’の希望位置に選択的に投射する。IRまたはλ2照射の焦点合わせは、ゾーンプレートアレイ76の同一ゾーンプレート群78を用いて、ゾーンプレート群78を可逆コントラスト強調材料の緩和が得られるような希望位置に焦点合わせするか、またはゾーンプレート群78が波長λ1と、波長IRまたはλ2のいずれかと、を同一焦点距離で合焦点するよう設計して行うことができる。
【0030】
本発明のさらに他の実施形態では、本発明は、成形(shaped)ビームを用いて可逆コントラスト強調材料中の希望露光位置に空白(ヌル:null)を形成できる。例えば、図9A〜図9Eに示すように、フォトレジスト材料130は可逆コントラスト強調材料132でトップコートしてもよい(また希望に応じて、フォトレジスト材料とウェハ134との間に抗反射コーティングや、バリア層を含んでもよい)。だが本例の可逆コントラスト強調材料は、波長λexpの露光照射に対して最初は透明である。変形波長λtrの照射に露光されると、可逆コントラスト強調材料は不透明になる。
【0031】
具体的には、図9Bに示すように、参照番号136で概略的に示す照射λtrを用いて、まず環状リングスポットを形成する。照射136によって可逆コントラスト強調材料132に不透明な領域140を発現させると同時に、図9Bに示すように透明領域138を残す。環状スポットの中心である透明領域138は、その後、図9Cに示すように、照射144(λexp)を用いてフォトレジスト材料130の該当位置142を照射する際のマスクとして用いられる。イメージング領域142は、従来のイメージング方法を用いた場合に可能な最小イメージング素子サイズよりも小さくでき、本発明の一実施形態に従う可逆コントラスト強調材料を用いて可能である。
【0032】
その後、システムは、可逆コントラスト強調材料が緩和し再び透明になるまで待機するか、または緩和照射146(IRまたは他の波長の照射λret等)を適用して可逆コントラスト強調材料を緩和させ、図9Dおよび図9Eに示すように再び透明になるようにしてもよい。波長λretはλtrと等しくてもよい。
【0033】
図10に示すように、図9A〜図9Eで用いる環状リングスポットを設けるシステム150は、図6を参照に説明したものと同様、レーザ源62と、イメージングレンズ64と、空間フィルタ66と、コリメートレンズ68と、空間光変調器70と、望遠レンズ72,74と、複数の回折素子群を含む回折素子アレイ76と、可逆コントラスト強調材料82”で覆われ、ステージ86で支持されるフォトレジスト材料84とを含みうる。システムはまた、光源152(λtr照射の光源)と、シャッタまたは音響光学変調器(AOM)154と、イメージングレンズ156と、空間フィルタ158と、コリメートレンズ160と、位相プレート162と、ビームスプリッタ/コンバイナ164とを含む。位相プレート162は、λtr照射中に位相シフト(たとえばスパイラル位相シフト)を行い、図9Bおよび図9Cに示すような環状リングスポット照射136を形成する。
【0034】
他の実施形態では、システムは、図11Aに示すように基板170上のフォトレジスト172上に堆積させた可逆コントラスト強調材料174を、図11Bに示すような定常波照射波形176で照射する吸収度変調リソグラフィシステムを構成できる。波形176はイメージング周波数λimで与えられる。もう一方の定常波178も逆周波数λrevで与えられ、この周波数で可逆コントラスト強調材料を能動的に反転できる。波形176と178とは互いに180°位相がずれており、かつ画像形成領域上で同期を保つよう十分近い周波数をもちうる。フォトレジストは、周波数λrevの電磁場によってではなく、周波数λimの電磁場によって画像形成されるように選択する。
【0035】
定常波は、図12および図13を参照して以下で説明するように、単色コヒーレント光源の干渉によって形成できる。図11Bに示すように、両波形176および178は、λimの格子の節がλrevの格子の腹と一致するように同時に与えることができる。周波数λimおよびλrevの照射強度は互いに独立して調整できるため、レジスト172は用途ごとに希望量だけ露光される。図11Cに示すように、露光後、波長λrevの照射で全面露光するか、または材料174がそれ自体が反転するか、もしくは上述した熱エネルギの付与によって反転するまで待機することにより、材料174全面を反転させる。逆照射の波長λrevは、イメージング照射波長λimより長くてよいが、イメージング照射波長の2倍未満(<2λim)となりうる。
【0036】
基板170は、最終格子(final grating)の希望ピッチで定められるように少量ずつステップ(移動)できる。他の実施形態では、基板をステップする代わりに、入射光の位相を変化させて入射格子の縞を移動してもよい。これらの工程ステップは、基板をリソグラフィーツールから取外す必要なく実施できる。図11Dに示すように、フォトレジスト172はその後、再びフォトレジスト172の異なるエリアにてイメージングできる(任意により、π/2シフトした逆照射と同時に)。その後、必要に応じてこの工程を繰り返して、図11Eに示すように、フォトレジスト172中に超微細現像特徴をもつフォトレジスト172を構成する。
【0037】
図12に示すように、本発明の一実施形態に従うシステムは、基板186上のフォトレジスト184上の可逆コントラスト強調材料182にイメージング光学系を介して投射されるイメージングレーザ源180を含む。イメージング光学系は、ビームスプリッタ190と、調整可能な遅延ユニット192と、ミラー194および196とを含む。システムはまた、ビームスプリッタ202と、調整可能な遅延ユニット204と、ミラー206および208とを介して材料182の表面上へ逆照射を投射する逆照射レーザ源200を含みうる。レーザ180からの光路長は、イメージング照射の2つの部分が材料182に(+/−角度αから)干渉し、材料182上で定常波形λimを生じるように制御される。同様に、レーザ200からの光路長は、イメージング照射の2つの部分が材料182に(+/−角度β(αより小さい)より)干渉し、材料182上で定常波形λrevが生じるように制御される。周期P=λ/sinθと定義されるので、各波形の周期は、λim/sinα=λrev/sinβとして互いに等しく設定できる。
【0038】
本発明の他の実施形態に従うリソグラフィシステムは、入射イメージング照射および任意の逆照射(波長λimおよびλrev)を受ける回折格子220を含む。格子と入射角は、図示するように正と負の一次回折を与えるように調整され、一次回折照射は、図13に示すように追加格子222および224が受ける。各格子222および224は、それぞれ正と負の一次回折も行い、図13に示すように、一方の格子からの正の一次回折は他方の格子からの負の一次回折で干渉される。場の干渉は、基板230上のフォトレジスト228上の可逆コントラスト強調材料226のところで発生する。一方の格子224は、厚さ(d)をもつ基板232(ガラス等)を含む位相遅延ユニットを含み、これにより基板232を通過する照射の両波長に対して位相シフトが与えられるようにする。具体的には、材料232中の位相シフト(φ)は、材料232中で照射の波長によって分割される材料232を通る光学パスによって与えられる。位相シフト差φim−φrevはπに設定され、厚さdはλim2、λrev2から決定され、材料232の2つの波長での反射率が上記の各式を解決する。従って、システムはアクロマティック(色収差補正)干渉リソグラフィシステムを提供する。
【0039】
当業者であれば、上述した各実施形態に対して、本発明の精神および範囲を逸脱することなく多数の変形および変更が可能なことを理解できると考える。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1A】希望の画像パターンの概略図である。
【図1B】図1Aに示す画像パターン形成のための照射信号の概略図である。
【図1C】従来技術に従い、図1Bに示す照射信号を用いて図1Aに示す希望の画像パターンを形成する概略図である。
【図2A】従来技術の他のシステムに従い、コントラスト強調型リソグラフィを用いて、図1Aに示す希望の画像パターンを形成する工程を示す概略図である。
【図2B】従来技術の他のシステムに従い、コントラスト強調型リソグラフィを用いて、図1Aに示す希望の画像パターンを形成する工程を示す概略図である。
【図2C】従来技術の他のシステムに従い、コントラスト強調型リソグラフィを用いて、図1Aに示す希望の画像パターンを形成する工程を示す概略図である。
【図2D】従来技術の他のシステムに従い、コントラスト強調型リソグラフィを用いて、図1Aに示す希望の画像パターンを形成する工程を示す概略図である。
【図3A】本発明の他のシステムに従い、図1Aに示す希望の画像パターンを形成する工程を示す概略図である。
【図3B】本発明の他のシステムに従い、図1Aに示す希望の画像パターンを形成する工程を示す概略図である。
【図3C】本発明の他のシステムに従い、図1Aに示す希望の画像パターンを形成する工程を示す概略図である。
【図3D】本発明の他のシステムに従い、図1Aに示す希望の画像パターンを形成する工程を示す概略図である。
【図3E】本発明の他のシステムに従い、図1Aに示す希望の画像パターンを形成する工程を示す概略図である。
【図3F】本発明の他のシステムに従い、図1Aに示す希望の画像パターンを形成する工程を示す概略図である。
【図4】本発明の他の実施形態に従う可逆コントラスト強調材料の概略図である。
【図5】本発明の一実施形態に従うシステムにおいて用いるエネルギ源のアレイと回折要素のアレイとの展開概略図である。
【図6】本発明の一実施形態に従うリソグラフィシステムの概略図である。
【図7】本発明の他の実施形態に従うリソグラフィシステムの概略図である。
【図8】本発明のさらに他の実施形態に従うリソグラフィシステムの概略図である。
【図9A】イメージングシステムの解像度より小さなスケールのマーク形成に用いることのできる、本発明のさらに他の実施形態に従うシステムの概略図である。
【図9B】イメージングシステムの解像度より小さなスケールのマーク形成に用いることのできる、本発明のさらに他の実施形態に従うシステムの概略図である。
【図9C】イメージングシステムの解像度より小さなスケールのマーク形成に用いることのできる、本発明のさらに他の実施形態に従うシステムの概略図である。
【図9D】イメージングシステムの解像度より小さなスケールのマーク形成に用いることのできる、本発明のさらに他の実施形態に従うシステムの概略図である。
【図9E】イメージングシステムの解像度より小さなスケールのマーク形成に用いることのできる、本発明のさらに他の実施形態に従うシステムの概略図である。
【図10】本発明のさらに他の実施形態に従うリソグラフィシステムの概略図である。
【図11A】本発明の一実施形態に従うリソグラフィ工程を表す概略図である。
【図11B】本発明の一実施形態に従うリソグラフィ工程を表す概略図である。
【図11C】本発明の一実施形態に従うリソグラフィ工程を表す概略図である。
【図11D】本発明の一実施形態に従うリソグラフィ工程を表す概略図である。
【図11E】本発明の一実施形態に従うリソグラフィ工程を表す概略図である。
【図11F】本発明の一実施形態に従うリソグラフィ工程を表す概略図である。
【図12】本発明のさらに他の実施形態に従うシステムの概略図である。
【図13】本発明のさらに他の実施形態に従うシステムの概略図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に投射されるイメージング電磁エネルギエリアのアレイと、前記記録媒体と前記イメージング電磁エネルギエリアのアレイとの間に配置した可逆コントラスト強調材料とを備えるリソグラフィシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記可逆コントラスト強調材料は光互変性有機化合物を含むシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記可逆コントラスト強調材料は、ポリマーマトリックス中の光互変性染料分子、薄膜アンチモン、半導体飽和可能な吸収剤、およびカーボンナノチューブのうち任意のものを含むシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記イメージング電磁エネルギエリアのアレイは第1定在波形によって与えられるシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記第1定在波形は2つの電磁場の干渉によって形成されるシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記システムはさらに、第2定在波形として逆電磁エネルギエリアのアレイを与えるシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記第2定在波形は2つの電磁場の干渉によって形成されるシステム。
【請求項8】
請求項6に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記第1定在波形と前記第2定在波形とは、同一周期をもつが互いに180°位相がずれているシステム。
【請求項9】
請求項5に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記第1定在波形は、本来は回折格子によって互いに分離していたイメージング用の2つの場の干渉によって与えられるシステム。
【請求項10】
請求項6に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記第2定在波形は、回折格子によって互いに分離していたイメージング用の2つの逆の場の干渉によって与えられるシステム。
【請求項11】
記録媒体の表面上に第1波長をもつ第1電磁場の干渉パターンを与える第1干渉手段と、前記記録媒体と前記第1干渉手段との間に配置される可逆コントラスト強調材料とを含むリソグラフィシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記可逆コントラスト強調材料は光互変性有機化合物を含むシステム。
【請求項13】
請求項11に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記システムはさらに、前記記録媒体の表面上に第2波長をもつ第2電磁場の干渉パターンを与える第2干渉手段を含み、前記第2波長をもつ前記第2電磁場は前記可逆コントラスト強調材料の状態を反転させるのに適しているシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記第1干渉手段は複数の回折格子を含むシステム。
【請求項15】
請求項14に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記第2干渉手段は前記第1干渉手段の複数の回折格子を含むシステム。
【請求項16】
請求項13に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記第1波長をもつ前記第1電磁場は周期Pの定在波形として与えられ、前記第2波長をもつ前記第2電磁場も同一周期Pの定在波形として与えられるシステム。
【請求項17】
請求項13に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記第1波長の前記第1電磁場は第1位相をもち、前記第2波長の前記第2電磁場は第2位相をもち、前記第2位相は前記第1位相からπ/2だけ位相シフトされているシステム。
【請求項18】
フォトレジスト材料上にリソグラフィ画像を形成する方法であって、
可逆コントラスト強調材料の少なくとも第1の部分と、関連したフォトレジスト材料の部分とを第1波長をもつ第1電磁エネルギ場で照射し、前記可逆コントラスト強調材料を照射することにより、前記可逆コントラスト強調材料の前記第1の部分を第1状態から第2状態に変化させるステップと、
前記可逆コントラスト強調材料の少なくとも第2の部分を、第2波長をもつ第2電磁エネルギ場で照射し、これにより前記可逆コントラスト強調材料の前記第2部分を前記第1状態のままにするステップと、
を含む方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、前記第1電磁場を照射するステップは、前記第1電磁場の2つの部分を用いて第1干渉パターンを与えるステップを含む方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、前記第2電磁場を照射するステップは、前記第2電磁場の2つの部分を用いて第2干渉パターンを与えるステップを含む方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法において、前記第1および第2干渉パターンは回折格子を用いて与えられる方法。
【請求項1】
記録媒体に投射されるイメージング電磁エネルギエリアのアレイと、前記記録媒体と前記イメージング電磁エネルギエリアのアレイとの間に配置した可逆コントラスト強調材料とを備えるリソグラフィシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記可逆コントラスト強調材料は光互変性有機化合物を含むシステム。
【請求項3】
請求項1に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記可逆コントラスト強調材料は、ポリマーマトリックス中の光互変性染料分子、薄膜アンチモン、半導体飽和可能な吸収剤、およびカーボンナノチューブのうち任意のものを含むシステム。
【請求項4】
請求項1に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記イメージング電磁エネルギエリアのアレイは第1定在波形によって与えられるシステム。
【請求項5】
請求項4に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記第1定在波形は2つの電磁場の干渉によって形成されるシステム。
【請求項6】
請求項5に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記システムはさらに、第2定在波形として逆電磁エネルギエリアのアレイを与えるシステム。
【請求項7】
請求項6に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記第2定在波形は2つの電磁場の干渉によって形成されるシステム。
【請求項8】
請求項6に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記第1定在波形と前記第2定在波形とは、同一周期をもつが互いに180°位相がずれているシステム。
【請求項9】
請求項5に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記第1定在波形は、本来は回折格子によって互いに分離していたイメージング用の2つの場の干渉によって与えられるシステム。
【請求項10】
請求項6に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記第2定在波形は、回折格子によって互いに分離していたイメージング用の2つの逆の場の干渉によって与えられるシステム。
【請求項11】
記録媒体の表面上に第1波長をもつ第1電磁場の干渉パターンを与える第1干渉手段と、前記記録媒体と前記第1干渉手段との間に配置される可逆コントラスト強調材料とを含むリソグラフィシステム。
【請求項12】
請求項11に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記可逆コントラスト強調材料は光互変性有機化合物を含むシステム。
【請求項13】
請求項11に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記システムはさらに、前記記録媒体の表面上に第2波長をもつ第2電磁場の干渉パターンを与える第2干渉手段を含み、前記第2波長をもつ前記第2電磁場は前記可逆コントラスト強調材料の状態を反転させるのに適しているシステム。
【請求項14】
請求項13に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記第1干渉手段は複数の回折格子を含むシステム。
【請求項15】
請求項14に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記第2干渉手段は前記第1干渉手段の複数の回折格子を含むシステム。
【請求項16】
請求項13に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記第1波長をもつ前記第1電磁場は周期Pの定在波形として与えられ、前記第2波長をもつ前記第2電磁場も同一周期Pの定在波形として与えられるシステム。
【請求項17】
請求項13に記載のリソグラフィシステムにおいて、前記第1波長の前記第1電磁場は第1位相をもち、前記第2波長の前記第2電磁場は第2位相をもち、前記第2位相は前記第1位相からπ/2だけ位相シフトされているシステム。
【請求項18】
フォトレジスト材料上にリソグラフィ画像を形成する方法であって、
可逆コントラスト強調材料の少なくとも第1の部分と、関連したフォトレジスト材料の部分とを第1波長をもつ第1電磁エネルギ場で照射し、前記可逆コントラスト強調材料を照射することにより、前記可逆コントラスト強調材料の前記第1の部分を第1状態から第2状態に変化させるステップと、
前記可逆コントラスト強調材料の少なくとも第2の部分を、第2波長をもつ第2電磁エネルギ場で照射し、これにより前記可逆コントラスト強調材料の前記第2部分を前記第1状態のままにするステップと、
を含む方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法において、前記第1電磁場を照射するステップは、前記第1電磁場の2つの部分を用いて第1干渉パターンを与えるステップを含む方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法において、前記第2電磁場を照射するステップは、前記第2電磁場の2つの部分を用いて第2干渉パターンを与えるステップを含む方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法において、前記第1および第2干渉パターンは回折格子を用いて与えられる方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図11F】
【図12】
【図13】
【図1B】
【図1C】
【図2A】
【図2B】
【図2C】
【図2D】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図3D】
【図3E】
【図3F】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図10】
【図11A】
【図11B】
【図11C】
【図11D】
【図11E】
【図11F】
【図12】
【図13】
【公表番号】特表2009−524216(P2009−524216A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−550359(P2008−550359)
【出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/000457
【国際公開番号】WO2007/084279
【国際公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(596060697)マサチューセッツ・インスティテュート・オブ・テクノロジー (233)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月5日(2007.1.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/000457
【国際公開番号】WO2007/084279
【国際公開日】平成19年7月26日(2007.7.26)
【出願人】(596060697)マサチューセッツ・インスティテュート・オブ・テクノロジー (233)
【Fターム(参考)】
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