説明

呼制御システム,呼制御プログラムおよび方法

【課題】 誤った番号のダイヤリングによるファックス誤送信を防止する。
【解決手段】 呼設定受付部13がファックス装置からの呼設定情報を受け付けると,受付判定部14が,呼設定情報が受付情報保持部11の受付情報と一致するかを調べる。呼設定が一致しなければ,付加情報生成部15が付加情報を生成し,メッセージ生成部23が,メッセージ生成要求部17の要求に基づいて,付加情報を含む宛先情報の再投入を指示するメッセージを生成し,送信元に応答する。その後,呼設定受付部13が,送信元ファックス装置からの,付加情報と宛先情報の再投入による呼設定を受け付け,受付判定部14が,呼設定が受付情報の付加情報と宛先情報との一致を調べ,一致すれば,セッション処理部12が呼接続制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,ファックスの誤送信を防止する呼制御技術に関する。より詳しくは,本発明は,ファックス送信操作時に発信者の宛先情報の確認を促すことによって,ファックス誤送信を防止する呼制御システム,コンピュータを前記呼制御システムとして機能させるための呼制御プログラム,前記呼制御システムが実行する呼制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から,ファックスの誤送信を防止するための様々な解決案が提示されている。
【0003】
一つの従来技術として,ネットワークに接続されているIP電話機に対応して,通話用電話番号および文書用電話番号が記述されたテーブルを持ち,ネットワークを介してファックス装置から宛先電話番号を含む文書を受信すると,その文書を自装置に格納し,受信した電話番号が該文書通信用電話番号に一致するIP電話を特定し,特定したIP電話機に対して前記の受信文書が格納されている旨を通知する受信通知信号を送信し,送信宛先者に文書の受信を通知して確実に受け取ることができるようにするシステムが知られている(例えば,特許文献1)。
【0004】
また,別の従来技術として,IP電話をかける際に間違った電話番号をダイヤルして通話機能を持たないIPファックス専用機等に着信した場合に,発呼側にその旨を知らせて,送信元へ誤送信を気づかせることができる画像通信装置が知られている(例えば特許文献2)。
【特許文献1】特開2006−74566号公報
【特許文献2】特開2006−324835号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
セキュリティ面から,ファックス装置の送信操作で誤った番号をダイヤルして送信し,意図しない情報漏洩を引き起こしてしまうことが特に問題となっている。
【0006】
前記の従来技術では,ファックス送信前に,宛先電話番号の正誤を確認することができず,情報漏洩を防止することができなかった。
【0007】
ファックス誤送信防止の対策は,ファックス装置自体に手を入れることなく実施できることが望ましい。また,着信側に,コールバックさせたり,いったん表紙だけの空送りを受信させたりするなどの余分な操作を強いる方法も可能な限り避けるべきである。
【0008】
さらに,ファックス送信のために特殊な操作や運用,例えばパスワードの入力,コンピュータの連携ソフトを起動する等の操作が不要であることが望ましい。特殊な操作や運用が必要な場合には訓練が必要であり,未熟者の誤操作による誤送信事故が発生する恐れがあるからである。
【0009】
ところで,電話系システムは,企業内ネットワークおよび公衆電話網のいずれもが,今後はIP電話システムにほぼ全面的に移行すると予想される。したがって,IP電話システムのインフラ環境に適した誤送信防止対策を実現できることは,将来に渡っての効果が大きい。
【0010】
本発明は,利用者が操作しやすく,運用習熟のための訓練も特に不要で,かつ,ファックス装置への機能の盛り込みを行うことなくファックス誤送信を防止できる技術の提供を目的とするものである。
【0011】
なお,本発明は,IPネットワークの接続制御システム側において特定の処理を行うことによって実現することができ,しかも,この特定の処理は,接続制御システムを構成するコンピュータへのソフトウェアによる機能追加によって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の特徴は,送信元ファックス装置からの呼設定を,直ちに通信相手先に接続せず,最初に呼設定を受けた場合は呼設定情報の受付処理のみ行い,メッセージを流して宛先情報を再ダイヤルさせ,次に呼設定を受けたときに,最初の呼設定と同じ内容であることを確認して通信相手に呼を接続する制御を,呼制御システムにおいて行うことである。
【0013】
これにより,誤った番号をダイヤルすることによる誤送信を防止することができる。
【0014】
さらに,本発明の別の特徴は,最初に呼設定を受けた場合に,再ダイヤル時に宛先情報に任意の値を付加することを指示し,二回目に呼設定を受け付けたときに,呼設定情報に含まれる付加情報が指示した付加情報と一致することを確認して通信相手に呼を接続する制御を,呼制御システムにおいて行うことである。
【0015】
これにより,リダイヤルやダイヤルメモリ再送等の機械的な自動再送処理を拒否し,確実なダイヤル操作を発信者に要求し,誤った番号の投入による誤送信を防止することができる。
【0016】
本発明にかかる呼制御システムは,1)受付が完了した呼設定情報を,受付情報として保持する受付情報保持部と,2)ファックス装置から発信された呼設定情報を受け付ける呼設定受付部と,3)前記受け付けた呼設定情報と前記受付情報とを比較し,当該受け付けた呼設定情報に一致する前記受付情報が前記受付情報保持部に存在する場合に,当該受け付けた呼設定情報を受付済みと判定する受付判定部と,4)前記受け付けた呼設定情報が受付済みと判定されなかった場合に,前記呼設定情報の宛先情報の再投入を指示するメッセージを生成するメッセージ生成部と,5)前記メッセージを前記ファックス装置へ応答するメッセージ応答部と,6)前記受け付けた呼設定情報が受付済みと判定された場合に,当該受け付けた呼設定情報によるファックス通信の呼接続を制御する呼制御部とを備え,前記呼設定受付部は,前記メッセージが前記ファックス装置へ応答された場合に,前記受け付けた呼設定情報の受付を完了し,当該呼設定情報を前記受付情報として前記受付情報保持部へ格納する。
【0017】
以下に,本発明にかかる呼制御システムの動作概要を説明する。
【0018】
発信者が宛先情報(相手先電話番号)をダイヤルすると,ファックス装置から,投入された宛先電話番号に基づく呼設定が発信される。呼制御システムでは,呼設定受付部が,この呼設定情報を受け付ける。
【0019】
受付判定部が,受け付けた呼設定情報と受付情報とを比較し,呼設定情報に一致する受付情報が受付情報保持部に存在するかを判定する。ここで,受け付けた呼設定情報が一回目のダイヤル操作によるものであれば,この呼設定情報は受付処理が完了しておらず,受付情報として保持されていない。したがって,この呼設定情報は,受付済みではないと判定される。
【0020】
すると,メッセージ生成部が,呼設定情報の宛先情報の再投入を指示するメッセージを生成し,メッセージ応答部が,このメッセージを送信元のファックス装置へ応答する。
【0021】
生成されるメッセージは,例えば,「いったんオンフックし,宛先電話番号を再度ダイヤルしてください」というトーキーデータ(音声データ)でよい。このような指示メッセージがファックス装置から出力されることによって,発信者が指示メッセージを聴取し,指示に従って宛先電話番号を再度ダイヤルすることが期待できる。
【0022】
メッセージがファックス装置に応答されると,呼設定受付部が,この呼設定情報の受付を完了し,受付情報として受付情報保持部へ格納する。
【0023】
その後,発信者がメッセージを聴取して,宛先情報(電話番号)を再度ダイヤルすると,ファックス装置から,投入された宛先電話番号に基づく呼設定が発信される。
【0024】
呼制御システムでは,呼設定受付部が,この呼設定情報を受け付け,受付判定部が,受け付けた呼設定情報と一致する受付情報が受付情報保持部に保持されているかを判定する。
【0025】
ここでは,すでに最初に受け付けた呼設定情報に基づく受付情報が受付情報保持部に格納されている。そこで,受け付けた呼設定情報は受付済みと判定される。
【0026】
すると,呼制御部が,今回受け付けた呼設定情報の宛先電話番号への呼設定を中継し,ファックス通信の呼制御を行う。
【0027】
また,前記呼制御システムは,上記の構成をとる場合に,再投入を指示した呼設定情報の宛先情報に付加する付加情報を生成する付加情報生成部を備えるとともに,以下の処理を行う。
【0028】
前記メッセージ生成部が,メッセージとして,付加情報を宛先情報に付加する指示を含むメッセージを生成する。さらに,受付判定部が,受付済みと判定した呼設定情報の宛先情報に付加された付加情報が受付情報の付加情報と一致するときに呼設定情報を正当と判定する。そして,呼制御部が,受付済みの呼設定情報の付加情報が正当と判定された場合に,受け付けた呼設定情報によるファックス通信の呼接続を制御する。また,呼設定受付部が,メッセージがファックス装置へ応答された場合に,受け付けた呼設定情報の受付を完了し,呼設定情報と付加情報とを含む受付情報を前記受付情報保持部へ格納する。
【0029】
この構成の場合に,呼制御システムは,以下のように動作する。
【0030】
発信者が宛先電話番号をダイヤルすると,ファックス装置から,投入された宛先電話番号による呼設定が発信される。呼制御システムでは,呼設定受付部が,この呼設定情報を受け付ける。
【0031】
受付判定部が,受け付けた呼設定情報と受付情報とを比較し,呼設定情報と一致する受付情報が受付情報保持部に格納されているかを判定する。ここで,最初に受け付けた呼設定情報は,受付処理が完了しておらず,受付済みではないと判定される。
【0032】
すると,付加情報生成部は,受け付けた呼設定に対する任意の付加情報(例えば“8”)を生成する。
【0033】
続いて,メッセージ生成部が,生成した付加情報を付加した宛先情報の再投入を指示する旨のメッセージを生成して送信元のファックス装置へ応答する。
【0034】
生成される指示メッセージは,例えば,「いったんオンフックし,宛先電話番号の先頭に“8”を付けてください」というトーキー情報(音声データ)とする。この指示メッセージがファックス装置から出力されることによって,発信者が指示に従って,付加情報と宛先情報(電話番号)をダイヤルすることが期待できる。
【0035】
発信者が,付加情報と宛先電話番号とを続けてダイヤルすると,ファックス装置から,投入された付加情報と宛先電話番号とに基づく呼設定が発信される。
【0036】
呼制御システムでは,呼設定受付処理部が,この呼設定情報を受け付け,受付判定部が,受け付けた呼設定情報と一致する受付情報が保持されているかを判定する。
【0037】
ここでは,すでに最初の呼設定の受付処理が完了して,呼設定情報に基づく受付情報が保持されているため,受付済みと判定される。そこで,受付判定部が,受け付けた呼設定情報を受付済みと判定する。
【0038】
すると,呼制御部が,今回受け付けた呼設定情報の宛先電話番号から付加情報を削除して呼設定を変更し,変更した呼設定情報を宛先電話番号へ中継し,ファックス通信制御を行う。
【0039】
本発明によれば,発信者がファックス装置で宛先電話番号をダイヤルした後,応答の指示メッセージで指示された宛先情報と付加情報とを再ダイヤルすることが要求される。宛先情報を二回続けてダイヤルすることによって,発信者に,宛先電話番号の正誤を確認して正しい宛先情報のダイヤル操作を意識的に行わせて,誤送信事故を防止することができる。
【0040】
また,本発明によれば,宛先情報に任意の付加情報を付加したとの再投入を指示するため,単純なリダイヤル機能やメモリ送信機能による自動的な宛先情報の投入を拒否して,誤接続の確率を大幅に下げることができる。
【発明の効果】
【0041】
本発明によれば,ファックス送信が行われる前に,発信者に宛先情報の正誤を確認させることができるため,誤送信事故を防止することができる。
【0042】
発信者は,複数回の送信操作が必要となるが,通常のファックス送信ダイヤル操作の範囲であるため,操作習熟のための訓練が不要であり,誤操作の可能性が低く,運用が簡単である。
【0043】
また,本発明によれば,ファックス通信の受信側からみると,呼の着信は一回であるため,発信者へのコールバックなどの操作を要求せず,運用面での負担が少ない。
【0044】
また,本発明によれば,ファックス装置自体に手を入れることなく,呼制御システム側でのソフトウェアによる機能追加によって実施することができるため,導入負担が少なく,既存設備に対して広範囲の適用が可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
図1は,本発明の実施の形態における構成概要を示す図である。
【0046】
呼制御システム1は,企業内ネットワーク2に接続するファックス装置3のファックス通信制御を行う。企業内ネットワーク2は,例えばIP(Internet Protocol)ネットワークであり,公衆網ゲートウェイ5を介してIP公衆ネットワーク6と接続する。
【0047】
ファックス装置3は,ファックス通信の信号をVoIP(Voice over Internet Protocol)に変換するVoIPターミナルアダプタ(VoIP TA)4を介して企業内ネットワーク2に接続し,呼制御システム1の呼接続制御によって,他のファックス装置3,7とファックス通信を行い,ファックス画像データを送受信する。
【0048】
ファックス装置3,VoIP TA4は,一般的なIP電話システムで使用されるハードウェアを備えるものである。
【0049】
呼制御システム1は,呼管理装置10とメッセージ管理装置20とを備える。
【0050】
呼管理装置10は,送信元のファックス装置3で投入された宛先情報(公衆回線網電話番号,IPアドレス)による呼設定を受け付け,ファックス通信の呼接続を制御する。
【0051】
メッセージ管理装置20は,企業内ネットワーク2に接続するファックス装置3に対し,音声メッセージ(トーキー)を生成して応答し,または,非音声系データのメッセージを生成して送信元のファックス装置3へ送信する。
【0052】
なお,以下の説明および図中において,呼管理装置10を,コールマネージャ10またはCLmと,メッセージ管理装置20を,メッセージサーバ20またはMSsvと,それぞれ記す場合がある。
【0053】
図1の構成例における本発明の動作原理を,図2および図3を用いて説明する。図2では,ステップS1〜S4の処理を,図3では,処理ステップS5〜S8の処理を,それぞれ示す。
【0054】
図1の構成例において,呼制御システム1は,部門外へのファックス送信,例えば,部門Aからみて部門Bおよび顧客側に対するファックス送信の場合に,以下の誤送信防止処理を経て呼接続するものとする。
【0055】
処理ステップS1: 部門Aのファックス装置3aで,ユーザが,宛先情報として,ファックス装置7の電話番号「06−6123−4567」をダイヤルしてファックス送信を開始する。呼設定信号は,VoIP TA4で,パケットに変換されコールマネージャ10へ中継される。
【0056】
処理ステップS2: コールマネージャ10は,ファックス装置3aが発信した呼設定を受け付け,呼設定情報(宛先電話番号,送信元電話番号,受付時刻等)を記録しておく。
【0057】
さらに,受け付けた呼設定情報が受付済みであるか,受付情報をもとに判定する。呼設定情報が受付情報と同じでなければ,受付済みではないと判定し,メッセージサーバ20に対し,宛先電話番号の再ダイヤルを指示する指示メッセージ生成要求を送信する。
【0058】
または,付加情報として任意の数字(例えば“8”)を生成し,付加情報「8」を付加した宛先電話番号の再ダイヤルを指示する指示メッセージ生成要求を送信する。
【0059】
処理ステップS3: メッセージサーバ20は,指示メッセージ生成要求を受け付けると,トーキー機能により,要求された指示メッセージ(音声データ)を生成して送信元のファックス装置3aへ応答する。
【0060】
生成する指示メッセージは,例えば「受付を行いました。一度電話を切ってください。再度相手番号をダイヤルしてください。」とする。
【0061】
付加情報を生成している場合には,例えば「受付を行いました。一度電話を切ってください。次は,“先頭”に“8”を付け,続けて相手番号をダイヤルしてください。」とする。
【0062】
処理ステップS4: ファックス装置3aは,メッセージサーバ20が生成したメッセージ音声を出力する。発信者は,この音声メッセージを聴取することができる。
【0063】
処理ステップS5: ファックス装置3aでは,発信者の操作によって,いったん呼切断してオンフックとなり,オフフックの後,宛先電話番号「06−6123−4567」が再投入される。または,付加情報「8」と宛先電話番号「806−6123−4567」が再投入される。
【0064】
ファックス装置3aは,再投入された宛先電話番号または付加情報と宛先電話番号とに基づいた呼設定信号を発信する。
【0065】
処理ステップS6: コールマネージャ10は,ファックス装置3aから呼設定情報を受け付けると,保持していた受付情報と照合し,呼設定情報の内容が受付情報と一致するかを判定する。
【0066】
処理ステップS7: 呼設定情報が受付情報と一致すれば,この呼設定情報を正当なファックス通信であると判定し,この呼設定をIP公衆ネットワーク6側へ中継する。
【0067】
また,呼設定情報が付加情報を含む場合には,呼設定情報が受付情報の呼設定情報と一致するならば,受付済みと判定し,さらに,呼設定の付加情報と受付情報の付加位置との同一性を調べる。2つの付加情報が一致した場合に,この呼設定を正当なファックス通信であると判定し,この呼設定情報の宛先情報を,付加情報を除去した元の宛先情報へ戻して,IP公衆ネットワーク6側へ中継する。
【0068】
処理ステップS8: コールマネージャ10が発信した呼設定は,公衆網ゲートウェイ5によって中継される。顧客側のファックス装置7がファックス装置3aの呼設定を受け付けて呼接続が確立して,ファックス装置3aからファックス装置7への通信が可能となる。
【0069】
図4は,呼制御システム1を構成する呼管理装置10とメッセージ管理装置20との内部構成例を示す図である。
【0070】
呼管理装置10は,受付情報保持部11,セッション処理部12,呼設定受付部13,受付判定部14,付加情報生成部15,有効期限判断部16,メッセージ生成要求部17を備える。
【0071】
受付情報保持部11は,呼設定受付部13が受け付けた呼設定情報のうち,受付処理が完了した呼設定情報を受付情報として保持する。
【0072】
図5は,受付情報のデータ構造を示す図である。
【0073】
図5に示すように,受付情報は,各呼設定ごとに,受付時刻(YYYY.MM.DD hh.mm.ss),管理番号(任意の桁数の数値),受付回数(0以上の整数),送信元IPアドレス,送信元電話番号,宛先IPアドレス,宛先電話番号,付加番号(0〜9までの数字,#,*のいずれか1つ,またはその組み合わせ),付加位置(0(付加なし),1(先頭),2(末尾)),送信元ファックス情報(0(音声出力あり),1(音声出力なし))を含む。
【0074】
「受付時刻」は,呼設定の受付日時を示し,呼設定情報の有効期間の判定に用いる。「管理番号」は,受け付けた呼設定情報の識別情報であり,ユニークな値が設定される。
【0075】
「受付回数」は,同じ内容の呼設定情報が受付済みであるかを示す。許容する再受付回数の判定に使用してもよい。この値が1以上であれば,受付済みと判定される。
【0076】
「送信元IPアドレス」は,受け取った呼設定情報(メッセージ)内に記載された送信元のファックス装置3またはVoIP TA4のIPアドレスを示す。「送信元電話番号」は,受け取った呼設定情報(メッセージ)内に記載された送信元のファックス装置3の内線または公衆網電話番号を示す。
【0077】
「宛先IPアドレス」は,受け取った呼設定情報(メッセージ)内に記載された宛先のファックス装置3またはVoIP TA4のIPアドレスを示す。「宛先電話番号」は,受け取った呼設定情報(メッセージ)内に記載された宛先のファックス装置3またはVoIP TA4の内線または公衆網電話番号を示す。
【0078】
「付加番号」は,付加情報生成部15によって生成された,指示メッセージによって,宛先情報の再投入時に付加することを指示した値である。
【0079】
「付加位置」は,指示メッセージによって,再投入される宛先情報(宛先電話番号または宛先IPアドレス)に対して付加番号を付加する位置を示す。なお,付加番号の付加位置が固定である場合は,この要素は省略されてもよい。
【0080】
「送信元ファックス情報」は,ファックス装置3の音声出力機能の有無を示し,生成する指示メッセージのデータ種別を設定するために使用される。
【0081】
「送信元ファックス情報」には,0(音声出力あり),1(音声出力なし)が設定される。設定の値が0であれば,音声データの指示メッセージの生成が要求され,設定の値が1であれば,非音声データの指示メッセージ,例えば画像データによるメッセージの生成が要求される。
【0082】
セッション処理部12は,呼接続のセッションを処理する。
【0083】
呼設定受付部13は,ファックス装置3から発信された呼設定信号を受け付け,受付処理が完了した呼設定情報をもとに受付情報を生成して受付情報保持部11に格納する。
【0084】
受付判定部14は,受け付けた呼設定情報と,受付情報保持部11に保持されている受付情報とを比較して,2つの情報の同一性を判定する。2つの情報の内容が一致した場合に,受け付けた呼設定情報を「受付済み」と判定し,一致しない場合に「未受付」と判定する。
【0085】
さらに,受付判定部14は,受け付けた呼設定情報に含まれる付加情報と,受付情報の付加番号(指示メッセージで指示した付加番号)との同一性を判定する。付加情報が一致すれば,受け付けた呼設定情報を「正当」と判定する。
【0086】
付加情報生成部15は,受け付けた呼設定情報が「未受付」であれば,任意の付加番号を生成する。
【0087】
メッセージ生成要求部17は,受け付けた呼設定が「未受付」であれば,送信元への指示メッセージ生成要求をメッセージサーバ20へ送信する。付加番号が生成されている場合には,付加番号を含む指示メッセージ生成要求をメッセージサーバ20へ送信する。
【0088】
この要求によってメッセージサーバ20は,トーキーにより指示メッセージを生成して,送信元のファックス装置3へ応答する。
【0089】
指示メッセージ生成要求には,音声/非音声の設定を含めてもよいが,一般的には,トーキーによる指示メッセージ(音声メッセージ)の生成が要求される。
【0090】
また,トーキーによる指示メッセージは一例であるが,既存のファックス装置への機能要求が少ないことから好ましい。
【0091】
有効期限判断部16は,呼設定受付部13が受け付けた呼設定情報の受付時刻が,受付情報の受付時刻からの所定の有効期限内であるかを判定する。受付判定部14は,受け付けた呼設定情報の受付時刻が受付情報の受付時刻から起算した所定の有効期限内でなければ「未受付」と判定する。
【0092】
メッセージ生成要求部17は,メッセージサーバ20に対し,指示メッセージ生成要求する。指示メッセージが非音声データの場合には,指示メッセージ生成に必要な情報(確認用情報)を送信する。
【0093】
図6は,確認用情報のデータ構造を示す図である。
【0094】
コールマネージャ10からメッセージサーバ20へ送信される確認用情報は,受付情報保持部11に保持されている呼設定情報から生成され,「管理番号,送信元IPアドレス,送信元電話番号,付加番号,付加位置,送信元ファックス情報」等の情報要素が含まれる。
【0095】
メッセージ管理装置20は,セッション処理部21,コールマネージャ通信制御部22,メッセージ生成部23,送信元情報保持部24,ファックス手順処理部25,呼制御部26を備える。
【0096】
セッション処理部21は,メッセージの応答処理等のセッションを処理する。
【0097】
コールマネージャ通信制御部22は,コールマネージャ10との通信を制御し,コールマネージャ10からの指示メッセージ生成要求,確認用情報を受信する。
【0098】
メッセージ生成部23は,受信した指示メッセージ生成要求に基づいて,指示メッセージ,または,付加番号,付加位置等の指示を含む指示メッセージを生成し,送信元のファックス装置3へ応答する。
【0099】
確認用情報の「送信元ファックス情報」に0(音声出力あり)が設定されていれば,指示メッセージをトーキー信号で生成し,ファックス装置3へ流す。
【0100】
また,「送信元ファックス情報」に1(音声出力なし)が設定されていれば,指示メッセージを画像データとして生成し,ファックス装置3へファックス送信する。
【0101】
この場合に,送信元情報保持部24は,受信した確認用情報に基づいて指示メッセージ生成およびファックス送信処理のための送信元情報を保持する。
【0102】
図7に,送信元情報のデータ構成例を示す。
【0103】
送信元情報は,図6に示す確認用情報に,応答先である送信元のファックス装置3への指示メッセージの出力状態を示す「メッセージ送信状態」を付加した情報である。
【0104】
「メッセージ送信状態」は,0(未送信),1(送信完了(成功)),2(送信完了(失敗))のいずれかが設定され,指示メッセージ応答の処理状態に応じて書き換えられる。
【0105】
ファックス手順処理部25は,メッセージ生成部23が画像データの指示メッセージを生成する場合に,指示メッセージを送信元のファックス装置3へ送信するためのファックス通信手順を実行する。
【0106】
呼制御部26は,メッセージ生成部23が画像データの指示メッセージを生成する場合に,送信元のファックス装置3との呼接続を制御する。
【0107】
なお,ファックス装置3への指示メッセージを,常にトーキー信号で生成する場合には,送信元情報保持部24,ファックス手順処理部25,および呼制御部26の構成を省略することができる。
【0108】
以下に,本発明の一実施例における処理の流れを説明する。
【0109】
図8は,図1に示す構成例の各構成要素のネットワーク設定情報である。図1の各構成要素は,「備考」に示す構成要素の種別に応じて,電話番号(内線),電話番号(公衆回線)またはIPアドレスのいずれかのネットワーク設定情報を有する。
【0110】
ファックス装置3(FAX−a,FAX−a’,FAX−b,FAX−e等)の電話番号は,一般的なIP電話システムと同様に,コールマネージャ10とファックス装置3を配下に収容するVoIP TA(以下,TAと記す)4とによって決定される。
【0111】
図9および図10は,ファックス装置3(FAX−a)から外部のファックス装置7(FAX−e)へのファックス通信が行われる場合の処理の流れを示す図である。
【0112】
図9において,送信元のFAX−a3がオフフックとなり,宛先電話番号が投入される(101)。FAX−a3を収容しているTA−a4は,コールマネージャ10に対し呼設定の信号を送信する(102)。
【0113】
ここで,TA−a4からコールマネージャ10への呼設定,コールマネージャ10経由でメッセージサーバ20からの応答は,一般的なIP電話システムの呼設定に従ったものであり,ここではIETF RFC3261 SIP(Session Initiation Protocol)を想定する。
【0114】
コールマネージャ10は,TA−a4からの呼設定を受け入れ,送信元のFAX−a3の電話番号,送信元TAのIPアドレス,宛先のFAX−e7の電話番号,宛先TAのIPアドレス,受付時刻を記録する(103)。
【0115】
コールマネージャ10は,保持している受付情報を参照し,受け入れた呼設定情報が受付済みか否かを判定する(104)。ここで,受付情報の送信元情報と宛先情報とが一致する呼設定情報であって,所定の有効期限以内の受付であれば「受付済み」と判定する。該当しない呼設定情報は「未受付」と判定して,新たに受付処理を行う。
【0116】
コールマネージャ10は,呼設定情報が「受付済み」でない場合(未受付)に,付加番号を生成する(105)。そして,メッセージサーバ20へ,指示メッセージ生成要求と確認用情報(指示メッセージに含む付加番号,付加番号を付加する付加位置,送信元情報等)とを送信する(106)。
【0117】
同時にコールマネージャ10は,送信側のTA−a4からの呼設定情報をメッセージサーバ20に中継する(107)。
【0118】
メッセージサーバ20は,指示メッセージ生成要求を受信すると,トーキー機能により音声メッセージを作成する。指示メッセージには,一度電話を切ってかけ直し,付加番号を付けた相手先電話番号の再投入を促す旨の定型的な内容が含まれている。この指示メッセージに,付加番号を含んだ音声を挿入する(108)。
【0119】
メッセージサーバ20は,(108)の処理と並行して,コールマネージャ10を中継してきた送信側のTA−a4からの呼設定情報を受け入れ(109),送信側のTA−a4とメッセージサーバ20間でIP電話のセッションを確立する(110〜113)。送信元のFAX−a3に対し,メッセージサーバ20からの指示メッセージの音声が届く状態になる。
【0120】
メッセージサーバ20から送信元のFAX−a3に,音声メッセージが送信される(114)。
【0121】
次に,図10に示すように,FAX−a3がオンフックとなり(115),TA−a4が切断要求をコールマネージャ10へ通知し(116),コールマネージャ10がメッセージサーバ20へ切断要求を通知し(117),メッセージサーバ20が呼切断を行って完了を通知すると,コールマネージャ10,TA−a4を介して,切断完了がFAX−a3へ通知され,呼が切断される(118〜121)。
【0122】
この間,コールマネージャ10は,呼切断処理までの信号をモニタして,正常に呼切断がなされると,受け入れた呼設定情報を,正式に受付情報として登録して受付処理を完了する(119)。
【0123】
指示メッセージを聴取した発信者の操作によって,送信元のFAX−a3がオフフックとなり,付加番号と宛先電話番号とが投入される(122)。
【0124】
コールマネージャ10は,呼設定を受け入れ(123),受け入れた呼設定情報に対応する受付情報があるかを照合して,受付済みかを判定する。さらに,呼設定情報の宛先番号に付加された付加番号と付加位置が正当かを判定する。受け入れた呼設定情報が受付情報の呼設定情報と同一性を有し,付加番号と付加位置が正当であれば,この呼設定情報が,受付処理した呼設定情報に継続するものであると判断する(124)。
【0125】
コールマネージャ10は,受け入れた呼設定の宛先電話番号から付加番号を削除して呼設定情報の内容を書き換え,書き換えた呼設定情報(信号)を,本来の宛先であるFAX−e7への送信のために公衆網ゲートウェイ(GW−e)5に中継する(125)。
【0126】
GW−e5を介して,宛先のFAX−e7を配下とするTA4がこの呼設定を受信すると,呼設定情報の受け入れ処理を行い,宛先番号情報に対応した配下のFAX−e7を呼び出し,FAX−e7がオフフックとなりアンサーバックトーンを送信元方向に出力し,ファックス装置間での通信が開始する(126〜136)。
【0127】
なお,図10の(125)〜(136)の処理は,既知の呼接続処理を示すので,詳細な説明を省略する。
【0128】
図11および図12は,ファックス装置3(FAX−a)から他部門Bのファクス装置3(FAX−b)へのファックス通信が行われ,ファックス送信が拒否された場合の処理の流れを示す図である。
【0129】
図11の(201)〜(214)および図12の(215)〜(223)の処理は,図9に示す(101)〜(114)および図10に示す(115)〜(123)の処理と同様であるので説明を省略する。
【0130】
図12において,コールマネージャ10は,受け入れた呼設定情報に対応する受付情報があるかを照合し,さらに,呼設定の宛先番号に付加された付加番号と付加位置とが一致するかを判定する。付加番号または付加位置が一致しない場合には,受け入れた呼設定は正当な呼設定情報ではないと判断する(224)。コールマネージャ10は,メッセージサーバ20へ,エラーメッセージ生成要求を送信し,送信側のTA−a4からの呼設定情報をメッセージサーバ20に中継する(225)。
【0131】
メッセージサーバ20は,送信側のTA−a4からの呼設定情報を受け入れると(226),送信側のTA−a4とメッセージサーバ20間でIP電話のセッションを確立し(227〜231),その間に,メッセージサーバ20がトーキー機能によってエラーメッセージを生成すると(229),このメッセージの音声を送信元のFAX−a3に対し送信する(233)。
【0132】
送信元のFAX−a3では,発信者が,このエラーメッセージを聴取し,投入した宛先電話番号の正誤を確認できるため,間違った電話番号のダイヤルによる誤送信事故を防止することができる。
【0133】
メッセージサーバ20は,発信者への指示メッセージとして,非音声によるメッセージ,例えば,画像データや,指定メールアドレスへのメール発信を出力することができる。この場合に,メッセージサーバ20は,トーキー機能による音声メッセージ生成処理の代わりに,非音声系データによるメッセージを生成し出力する機能を備えるように構成される。
【0134】
発信者は,送信元のファックス装置3で受信される非音声系の指示メッセージ,例えば画像データによるメッセージに従って,付加番号と宛先電話番号を再投入してファックス送信を行う。
【0135】
図13および図14は,メッセージサーバ20が,非音声系メッセージとして,画像データによる指示メッセージを生成し出力する場合の処理の流れを示す図である。
【0136】
図13の(301)〜(307)の処理は,図9に示す(101)〜(107)の処理と同様であるので説明を省略する。
【0137】
メッセージサーバ20は,コールマネージャ10からの指示メッセージ生成要求を受信して,画像データの指示メッセージを生成する(308)。さらに,メッセージサーバ20は,コールマネージャ10から受信した確認用情報をもとに送信元情報(送信元電話番号と送信元IPアドレスを含む)を記録する(309)。
【0138】
そして,メッセージサーバ20は,セッション切断処理を行い,送信元のFAX−a3では相手切断となる(310〜318)。その後,メッセージサーバ20は,送信元のFAX−a3に対しファックス送信を行い(319〜329),FAX−a3からのアンサーバックトーンを受けると(330),図14に示すように,メッセージサーバ20は,付加番号とその付加位置を含む指示メッセージの画像データを送信し(331),その後に切断処理を行う(332〜337)。
【0139】
コールマネージャ10は,メッセージサーバ20から送信元のFAX−a3への呼完了により,(303)で受け付けた呼設定についての受付処理を完了し,正式に受付情報を登録する(338)。
【0140】
指示メッセージを見た発信者の操作によって,FAX−a3がオフフックとなり,付加番号と宛先電話番号とが投入される(339)。
【0141】
以降の(340)〜(353)の処理は,図10の(123)〜(136)の処理と同様であるので説明を省略する。
【0142】
次に,呼制御システム1の各構成要素の処理の流れを説明する。
【0143】
図15および図16は,コールマネージャ10の処理フロー図である。
【0144】
コールマネージャ10では,セッション処理部12が,ファックス装置3からの信号受信を待機し(ステップS401),呼設定信号の入力があれば(ステップS402のYES),呼設定受付部13が呼設定信号を入力し,呼設定情報(送信元電話番号,送信元IPアドレス,宛先電話番号,宛先IPアドレス,受付時刻等)を記録する。
【0145】
受付判定部14は,受け付けた呼設定情報(送信元電話番号/IPアドレス,宛先電話番号/IPアドレス)を,受付情報保持部11が保持する受付情報と比較して,受け付けた呼設定情報が「受付済み」か否かを判定する(ステップS403)。受け付けた呼設定情報の内容が受付情報と一致した場合には「受付済み」と判定し(ステップS404のYES),ステップS411の処理へ進む。
【0146】
一方,受け付けた呼設定情報の内容が受付情報と一致しない場合には「未受付」と判定し(ステップS404のNO),ステップS405の処理へ進む。
【0147】
ステップS405の処理では,付加情報生成部15は,任意の数字/記号またはその組み合わせを生成して付加番号とし,付加位置を設定する。
【0148】
そして,メッセージ生成要求部17は,メッセージサーバ20に,指示メッセージ生成要求と,確認用情報(付加番号,付加位置,送信元情報(電話番号,IPアドレス))とを送信する(ステップS406)。
【0149】
セッション処理部12は,メッセージサーバ20と送信元のTA4の応答を中継し,モニタする(ステップS407)。
【0150】
セッション処理部12が,受け付けた呼設定情報による呼の切断をモニタしたら(ステップS408のYES),呼設定受付部13は,記録していた呼設定情報,付加番号,付加位置等の情報に管理番号を付与して生成した受付情報を,受付情報保持部11に格納して,受付処理を完了する(ステップS409)。
【0151】
ステップS411の処理では,有効期限判断部16が,呼設定情報の受付時刻が,受付情報の受付時刻から有効期限内であるかを判断する。有効期限内であれば(ステップS411のYES),呼設定情報の宛先電話番号に付加された付加番号と受付情報に設定された付加番号とを照合し(ステップS412),2つの付加番号が一致すれば(ステップS413のYES),セッション処理部12が,呼設定情報の宛先情報を,付加番号を削除した宛先情報に変更して,宛先へ呼設定情報を中継し(ステップS414),メッセージサーバ20と送信元のTA4の応答を中継し,モニタする(ステップS415)。ファックス装置3と宛先のファックス装置7との呼接続が行われたら(ステップS416),呼設定受付部13は,受付情報保持部11から該当する受付情報を削除して,受付解除処理を行う(ステップS417)。
【0152】
ステップS411の処理で,呼設定情報の受付時刻が有効期限経過後である場合(ステップS411のNO),または,ステップS413の処理で,2つの付加番号が不一致である場合(ステップS413のNO),エラー処理が実行される(ステップS418)。
【0153】
エラー処理として,メッセージ生成要求部17は,メッセージサーバ20に,所定のエラーメッセージ生成要求と確認用情報を送信し,メッセージサーバ20のメッセージ生成部23は,付加情報が一致しない旨のエラーメッセージ,または,有効期限を経過した旨のエラーメッセージ(トーキー)を生成して,送信元のファックス装置3へ流す。
【0154】
図17は,メッセージサーバ20の処理フロー図である。
【0155】
メッセージサーバ20では,セッション処理部21が,コールマネージャ10からの信号受信を待機し(ステップS501),メッセージ生成要求を受信したら(ステップS502のYES),コールマネージャ通信制御部22が,メッセージ生成要求と付加番号を取得する(ステップS503)。
【0156】
メッセージ生成部23は,付加番号を組み入れた指示メッセージ(トーキー)を生成し(ステップS504),セッション処理部21は,コールマネージャ10からの呼設定を受け入れて(ステップS505),送信元のTA4との間でセッションを確立し(ステップS506),指示メッセージを送信元のTA4へ出力する(ステップS507)。
【0157】
その後に,呼切断が行われたら(ステップS508のYES),切断終了を行い(ステップS510),呼切断がなければ(ステップS508のNO),セッション保持のタイムアウトを待って(ステップS509),切断終了を行う(ステップS510)。
【0158】
図18は,音声出力機能を備える送信元のファックス装置3の処理フロー図である。
【0159】
ファックス装置3では,発信者の操作によるオフフックの後(ステップS601),宛先電話番号が投入され,呼設定が発信される(ステップS602)。
【0160】
その後,メッセージサーバ20から送信された指示メッセージの音声を出力し(ステップS603),呼切断を行いオンフックとなる(ステップS604)。
【0161】
発信者の操作によるオフフックの後(ステップS605),メッセージ内の付加番号を付加位置(先頭)に付けた宛先電話番号が投入され,呼設定が発信される(ステップS606)。コールマネージャ10で呼接続が中継されると,通信相手先のファックス装置7から発信されたアンサーバックトーンを受信し(ステップS607),ファックス通信が開示される(ステップS608)。
【0162】
図19は,音声出力機能を持たない送信元のファックス装置3の処理フロー図である。
【0163】
ファックス装置3がオフフックとなり(ステップS701),宛先電話番号が投入され,呼設定が発信される(ステップS702)。
【0164】
その後,メッセージサーバ20で呼切断(相手先切断)が行われると(ステップS703),呼切断が行われオンフックとなる(ステップS704)。続いて,メッセージサーバ20から着信があり(ステップS705),付加番号が組み込まれた指示メッセージの画像データを受信する(ステップS706)。メッセージサーバ20とのファックス通信終了後に,オンフックとなる(ステップS707)。
【0165】
以降のステップS708〜ステップS711の処理は,図18のステップS605〜S608の処理と同様であるので,説明を省略する。
【0166】
以上,本発明をその実施の形態により説明したが,本発明はその主旨の範囲において種々の変形が可能であることは当然である。
【0167】
例えば,受付情報にファックス装置が所属する部門やグループを記録することにより,セキュリティを特に重視したい外線,ネットワークアドレスの異なる部門外等,範囲を特定したセキュリティ送信を行うことができる。なお,その逆の設定として,特定の部門内はセキュリティを解除し,他はセキュリティ操作を要求するような設定も可能である。
【0168】
また,本発明は,コンピュータにより読み取られ実行されるプログラムとして実施することができる。本発明を実現するプログラムは,コンピュータが読み取り可能な,可搬媒体メモリ,半導体メモリ,ハードディスクなどの適当な記録媒体に格納することができ,これらの記録媒体に記録して提供され,または,通信インタフェースを介して種々の通信網を利用した送受信により提供される。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】本発明の実施の形態における構成概要を示す図である。
【図2】本発明の動作原理を説明するための図(1)である。
【図3】本発明の動作原理を説明するための図(2)である。
【図4】呼制御システムを構成する呼管理装置とメッセージ管理装置との内部構成例を示す図である。
【図5】受付情報のデータ構造を示す図である。
【図6】確認用情報のデータ構造を示す図である。
【図7】送信元情報のデータ構成例を示す図である。
【図8】図1に示す構成例の各構成要素のネットワーク設定情報を示す図である。
【図9】外部のファックス装置へのファックス通信が行われる場合の処理の流れを示す図(1)である。
【図10】外部のファックス装置へのファックス通信が行われる場合の処理の流れを示す図(2)である。
【図11】他部門Bのファックス装置へのファックス通信が行われ,ファックス送信が拒否された場合の処理の流れを示す図(1)である。
【図12】他部門Bのファックス装置へのファックス通信が行われ,ファックス送信が拒否された場合の処理の流れを示す図(2)である。
【図13】メッセージサーバが,非音声系(画像データ)による指示メッセージを生成し出力する場合の処理の流れを示す図(1)である。
【図14】メッセージサーバが,非音声系(画像データ)による指示メッセージを生成し出力する場合の処理の流れを示す図(2)である。
【図15】コールマネージャの処理フロー図(1)である。
【図16】コールマネージャの処理フロー図(2)である。
【図17】メッセージサーバの処理フロー図である。
【図18】音声出力機能を備える送信元のファックス装置の処理フロー図である。
【図19】音声出力機能を持たない送信元のファックス装置の処理フロー図である。
【符号の説明】
【0170】
1 呼制御システム
10 呼管理装置(コールマネージャ:CLm)
11 受付情報保持部
12 セッション処理部
13 呼設定受付部
14 受付判定部
15 付加情報生成部
16 有効期限判断部
17 メッセージ生成要求部
20 メッセージ管理装置(メッセージサーバ:MSsv)
21 セッション処理部
22 コールマネージャ通信制御部
23 メッセージ生成部
24 送信元情報保持部
25 ファックス手順処理部
26 呼制御部
2 企業内ネットワーク
3 ファックス装置(FAX)
4 VoIPターミナルアダプタ(VoIP TA)
5 公衆網ゲートウェイ(GW−e)
6 IP公衆ネットワーク
7 顧客側のファックス装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受付が完了した呼設定情報を受付情報として保持する受付情報保持部と,
ファックス装置から発信された呼設定情報を受け付ける呼設定受付部と,
前記受け付けた呼設定情報と前記受付情報とを比較し,当該受け付けた呼設定情報に一致する受付情報が前記受付情報保持部に存在する場合に,当該受け付けた呼設定情報を受付済みと判定する受付判定部と,
前記受け付けた呼設定情報が受付済みと判定されなかった場合に,前記呼設定情報の宛先情報の再投入を指示するメッセージを生成するメッセージ生成部と,
前記メッセージを前記ファックス装置へ応答するメッセージ応答部と,
前記受け付けた呼設定情報が受付済みと判定された場合に,当該受け付けた呼設定情報によるファックス通信の呼接続を制御する呼制御部とを備え,
前記呼設定受付部は,前記メッセージが前記ファックス装置へ応答された場合に,前記受け付けた呼設定情報の受付を完了し,当該呼設定情報を前記受付情報として前記受付情報保持部へ格納する
ことを特徴とする呼制御システム。
【請求項2】
前記再投入を指示した宛先情報に付加する付加情報を生成する付加情報生成部を備えて,
前記メッセージ生成部が,前記メッセージとして,前記付加情報を前記宛先情報に付加する指示を含むメッセージを生成し,
前記受付判定部が,前記受付情報が前記付加情報を含む場合に,受付済みと判定した呼設定情報の宛先情報に付加された付加情報が前記受付情報の付加情報と一致するときに,前記呼設定情報を正当と判定し,
前記呼制御部が,前記受付済みの呼設定情報が正当と判定された場合に,前記受け付けた呼設定によるファックス通信の呼接続を制御し,
前記呼設定受付部が,前記メッセージが前記ファックス装置へ応答された場合に,前記受け付けた呼設定情報の受付を完了し,前記呼設定情報と前記付加情報とを含む受付情報を前記受付情報保持部へ格納する
ことを特徴とする請求項1記載の呼制御システム。
【請求項3】
前記受付情報が前記呼設定情報の受付時刻を含む場合に,前記受け付けた呼設定情報の受付時刻が,前記受付情報の受付時刻から所定の有効期限を経過しているかを判定する有効期限判断部を備え,
前記受付判定部が,前記受付時刻が前記有効期限を経過する呼設定情報を,受付済みではないと判定する
有効と判定された呼設定情報のみを処理する
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の呼制御システム。
【請求項4】
前記付加情報生成部が,前記付加情報を再投入する宛先情報に付加するべき付加位置を設定し,
前記メッセージ生成部が,前記付加位置の指示を含むメッセージを生成し,
前記受付判定部が,前記受付済みと判定された呼設定情報について,前記付加情報が前記付加位置に付加されているときに,前記呼設定情報を正当と判定する
ことを特徴とする請求項2または請求項3のいずれか一項に記載の呼制御システム。
【請求項5】
前記メッセージ生成部は,前記メッセージのトーキーデータを生成する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の呼制御システム。
【請求項6】
前記メッセージ生成部は,前記メッセージの非音声系データを生成し,
前記メッセージ応答部は,前記メッセージをファックス通信によって送信する
ことを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の呼制御システム。
【請求項7】
ファックス装置と通信可能なコンピュータに,
ファックス装置から発信された呼設定情報を受け付ける呼設定受付処理と,
受付が完了した呼設定情報を受付情報として保持する受付情報保持部にアクセスし,前記受け付けた呼設定情報と前記受付情報とを比較し,当該受け付けた呼設定情報に一致する前記受付情報が前記受付情報保持部に存在する場合に,当該受け付けた呼設定情報を受付済みと判定する受付判定処理と,
前記受け付けた呼設定情報が受付済みと判定されなかった場合に,前記呼設定情報の宛先情報の再投入を指示するメッセージを生成するメッセージ生成処理と,
前記メッセージを前記ファックス装置へ応答するメッセージ応答処理と,
前記メッセージが前記ファックス装置へ応答された場合に,前記受け付けた呼設定情報の受付を完了し,当該呼設定情報を前記受付情報として前記受付情報保持部へ格納する受付完了処理と,
前記受け付けた呼設定情報が受付済みと判定された場合に,当該受け付けた呼設定情報によるファックス通信の呼接続を制御する呼制御処理とを,
実行させるための呼制御プログラム。
【請求項8】
ファックス装置と通信可能なコンピュータが実行する呼制御方法であって,
ファックス装置から発信された呼設定情報を受け付ける処理過程と,
受付が完了した呼設定情報を受付情報として保持する受付情報保持部にアクセスし,前記受け付けた呼設定情報と前記受付情報とを比較し,当該受け付けた呼設定情報に一致する前記受付情報が前記受付情報保持部に存在する場合に,当該受け付けた呼設定情報を受付済みと判定する処理過程と,
前記受け付けた呼設定情報が受付済みと判定されなかった場合に,前記呼設定情報の宛先情報の再投入を指示するメッセージを生成する処理過程と,
前記メッセージを前記ファックス装置へ応答する処理過程と,
前記メッセージが前記ファックス装置へ応答された場合に,前記受け付けた呼設定情報の受付を完了し,当該呼設定情報を前記受付情報として前記受付情報保持部へ格納する処理過程と,
前記受け付けた呼設定情報が受付済みと判定された場合に,当該受け付けた呼設定情報によるファックス通信の呼接続を制御する処理過程とを備える
ことを特徴とする呼制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−87687(P2010−87687A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−252519(P2008−252519)
【出願日】平成20年9月30日(2008.9.30)
【出願人】(598057291)株式会社富士通エフサス (147)
【Fターム(参考)】