説明

呼吸器障害を処置するために他の活性剤と組み合わせたM1レセプターアンタゴニストおよび/またはM3レセプターアンタゴニスト

本発明は、粘液糖タンパク質の産生に関連した呼吸器障害、皮膚障害、およびアレルギー性結膜炎を、非選択的抗コリン作動剤の投与に関連した有害効果を実質的に低減させつつ処置するのに有用な処方物ならびにその使用方法に関する。特に、上記処方物は、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1および/またはM3の選択的アンタゴニスト(例えば、オキシブチニン)を、1種以上の薬学的に活性な薬剤(例えば、デスロラチジン)と組み合わせて含有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、粘液糖タンパク質の産生に関連した呼吸器障害、皮膚障害、およびアレルギー性結膜炎を、非選択的抗コリン作動剤の投与に関連した有害効果を実質的に低減させつつ処置するのに有用な処方物に関する。特に、上記処方物は、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1および/またはM3の選択的アンタゴニストを、1種以上の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて含有する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
コリン作動性レセプターは、2つの主要なクラスに分けられる:ニコチンおよびムスカリンに対するそれらの反応性に基づいて、それぞれ、ニコチン性アセチルコリンレセプターおよびムスカリン性アセチルコリンレセプター。イオンチャネルであるニコチン性アセチルコリンレセプターとは異なり、ムスカリン性アセチルコリンレセプターは、イオン性チャネルをセカンドメッセンジャーカスケードを介して活性化するG−タンパク質共役型レセプターのスーパーファミリーに属する。ムスカリン性アセチルコリンレセプターは、それらの細胞に対する作用、薬理学、および分子生物学によって特徴付けられるサブタイプM1〜M5へとさらに分けられる。
【0003】
同様に、抗コリン作動剤は、ニコチン性アセチルコリンレセプターまたはムスカリン性アセチルコリンレセプターのいずれを、標的とするかに基づいて、それぞれ、抗ニコチン性アセチルコリン剤または抗ムスカリン性アセチルコリン剤のいずれかに分類される。さらに、抗ムスカリン性アセチルコリン剤は、標的とするムスカリン性アセチルコリンレセプターのサブタイプ(M1〜M5)に基づいてさらに分類される。
【0004】
ムスカリン性アセチルコリンレセプターの数種のサブタイプのうち、サブタイプM1およびM3は、ヒトの鼻粘膜における腺性の分泌および血管運動の緊張(tone)の調節において重要な役割を果たす[非特許文献1;非特許文献2]。特に、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM3は、ヒトの鼻粘膜からの粘液糖タンパク質の分泌に対して主な効果を有することが示唆されている[非特許文献2]。対照的に、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM2は、粘液糖タンパク質の分泌に対して効果を有さないが[非特許文献2]、迷走神経の刺激またはムスカリンアゴニストの投与の後の心拍数に対して負の変時作用をのみを媒介するようである[非特許文献3]。
【0005】
多くの呼吸器障害は、粘液糖タンパク質(すなわち、気道における粘膜下の腺および上皮の杯細胞から放出される高分子量の複合糖質)の産生および分泌に関連する。これまでの療法は、非鎮静性(non−sedating)処方物を使用してこのような呼吸器障害を処置することに集中した。例えば、WeinsteinおよびWeinstein(特許文献1)は、脂質膜(例えば、血液−脳関門)を横切って通る能力が制限された抗コリン作動剤を、鎮静特性および抗コリン作動特性の両方に限られた抗ヒスタミン剤と組み合わせて使用してアレルギー性鼻炎を処置する方法を記載する。しかし、このような非鎮静性処方物は、心血管系の刺激(例えば、頻脈)を含む有害効果を生じる非選択的抗コリン作動剤(例えば、硝酸メトスコポラミン、グリコピロレート、および硫酸アトロピン)を利用する。
【0006】
心血管系の刺激(例えば、頻脈)を含む有害効果を生じる非選択的抗コリン作動剤を利用するこれまでの療法とは異なり、粘液糖タンパク質の産生および分泌に関連した呼吸器障害を、これまでの治療法の有害効果(例えば、心血管系の刺激)を低減させつつ処置するのに有用な処方物に対する必要性が、存在する。
【特許文献1】米国特許第6,086,914号明細書
【非特許文献1】Okayamaら、Am J Respir Cell Mol Biol、1993年、第8巻、第2号、p.176−187
【非特許文献2】Mullolら、J Appl Physiol、1992年、第73巻、第5号、p.2069−2073
【非特許文献3】Wess、Annu Rev Pharmacol Toxicol、2004年、第44巻、p.423−450
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
(発明の要旨)
本発明は、粘液糖タンパク質の産生に関連した呼吸器障害、皮膚障害、およびアレルギー性結膜炎を、有害効果(例えば、中枢神経系の刺激および/もしくは抑制ならびに/または心血管系の刺激)を低減させつつ処置するのに有用な処方物を提供する。特に、本発明者らは、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1および/またはM3の選択的アンタゴニストを、1種以上の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて含有する処方物は、非選択的アセチルコリンレセプター剤の使用に関連した有害効果(例えば、中枢神経系の刺激および/もしくは抑制ならびに/または心血管系の刺激)を低減させると考える。さらに、本発明者らは、本発明の処方物が、治療効果を達成するために投与される1種以上の薬学的に活性な薬剤の、他の場合ならば必要とされる用量より低い用量を可能にし、それによって投与された投薬量に付随する有害効果を減少させる低減させることを構想する。さらに、1つの実施形態において、上記処方物が、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1および/またはM3の選択的アンタゴニスト(オキシブチニン)を、抗ヒスタミン剤(デスロラタジン)と組み合わせて含有する場合、本発明者らは、上記組み合わせが、デスロラタジンの公知の化学反応性にかかわらず安定であり、そして改良された分解プロフィールを有する処方物を提供すると考える。
【0008】
本発明はまた、粘液糖タンパク質の産生に関連した呼吸器障害、皮膚障害、およびアレルギー性結膜炎を、これまでの治療法の有害効果(例えば、中枢神経系の刺激および/もしくは抑制ならびに/または心血管系の刺激)を低減させつつ処置するためにこれらの処方物を使用する方法を提供する。
【0009】
本発明は、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1および/またはM3の選択的アンタゴニストを、1種以上の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて含有する処方物を提供する。
【0010】
好ましい実施形態において、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1および/またはM3の選択的アンタゴニストは、臭化グリコピロニウム、テレンゼピン(telenzepine)、ピレンゼピン、オキシブチニン、デスエチルオキシブチニン、ヒンバシン(himbacine)、AQ−RA 741、ダリフェナシン、ヘキサヒドロシラ−ジフェニドール(hexahydrosila−difenidol)、p−フルオロヘキサヒドロ−シラ(sila)−ジフェニドール(p−F−HHSiD))、4−ジフェニルアセトキシ−N−メチルピペリジン(4−DAMP)メチオジド、もしくは4−DAMPメトブロミド、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩、あるいはこれらの薬剤の1種以上の組み合わせである。
【0011】
1つの実施形態において、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1および/またはM3の選択的アンタゴニストは、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1の選択的アンタゴニストである。好ましくは、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1の選択的アンタゴニストは、臭化グリコピロニウム、テレンゼピン、もしくはピレンゼピン、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩、あるいはこれらの薬剤の1種以上の組み合わせである。より好ましくは、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1の選択的アンタゴニストは、ピレンゼピンまたはその薬学的に受容可能な塩である。好ましくは、ピレンゼピンの単位投薬形態(当業者に公知であるような単回投薬形態または分割投薬形態)は、約2.5mg〜約250mgの範囲内である。より好ましくは、ピレンゼピンの上記単位投薬形態は、約100mg〜約150mgの範囲内である。よりさらに好ましくは、ピレンゼピンの上記単位投薬形態は、約50mgで1日2回または1日3回投与される。
【0012】
別の実施形態において、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1および/またはM3の選択的アンタゴニストは、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM3の選択的アンタゴニストである。好ましくは、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM3の選択的アンタゴニストは、ヒンバシン、AQ−RA 741、ダリフェナシン、ヘキサヒドロシラ−ジフェニドール、p−フルオロヘキサヒドロ−シラ−ジフェニドール(p−F−HHSiD))、4−ジフェニルアセトキシ−N−メチルピペリジン(4−DAMP)メチオジド、もしくは4−DAMPメトブロミド、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩、あるいはこれらの薬剤の1種以上の組み合わせであり。より好ましくは、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM3の選択的アンタゴニストは、ダリフェナシンまたはその薬学的に受容可能な塩である。
【0013】
別の実施形態において、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1およびM3の選択的アンタゴニストは、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1およびM3の選択的アンタゴニストである。好ましくは、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1およびM3の選択的アンタゴニストは、オキシブチニン、デスエチルオキシブチニン、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩、あるいはこれらの薬剤の1種以上の組み合わせである。より好ましくは、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1およびM3の選択的アンタゴニストは、オキシブチニン、デスエチルオキシブチニン、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩である。1つの実施形態において、1種以上の薬学的に活性な薬剤は、抗ヒスタミン剤である。好ましくは、上記抗ヒスタミン剤は、アザタジン、アゼラスチン、アクリバスチン、ブロムフェニラミン、セチリジン、クロルフェニラミン、クレマスチン、シクリジン、カレバスチン、シプロヘプタジン、カルビノキサミン、デスロラタジン、ドキシラミン、ジメチンデン、エバスチン、エピナスチン、エフレチリジン、フェキソフェナジン、ヒドロキシジン、ケトチフェン、ロラタジン、レボカバスチン、レボセチリジン、ミゾラスチン、メキタジン、ミアンセリン、ノベラスチン、メクリジン、ノルアステミゾール(norastemizole)、ピクマスト、ピリラミン、プロメタジン、トリペレナミン、テメラスチン、トリメプラジン、トリプロリジン、チオペラミド、インプロミジン、ブリマミド、クロベンプロピット、インペンタミン、ミフェチジン(mifetidine)、S−ソプロミジン、R−ソプロミジン、3−(イミダゾール−4−イル)−プロピルグアニジン(SKF−91486)、3−[(4−クロロフェニル)メチル]−5−[2−(1H−イミダゾール−4イル)エチル]1,2,3−オキサジアゾール(GR−175737)、4−(1−シクロヘキシルペンタノイル−4−ピペリジル)1H−イミダゾール(GT−2016)、2−{[2−[4(5)−イミダゾリル]エチル]チオ}−5−ニトロピリジン(UCL−1199)、もしくはクロザピン、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩、あるいはこれらの薬剤の1種以上の組み合わせである。より好ましくは、上記抗ヒスタミン剤は、デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩である。
【0014】
さらになお別の実施形態において、1種以上の薬学的に活性な薬剤は、うっ血除去剤である。好ましくは、上記うっ血除去剤は、ヒスタミンHレセプターアンタゴニスト(例えば、チオペラミド、インプロミジン、ブリマミド、クロベンプロピット、インペンタミン、ミフェチジン、S−ソプロミジン、R−ソプロミジン、3−(イミダゾール−4−イル)−プロピルグアニジン(SKF−91486)、3−[(4−クロロフェニル)メチル]−5−[2−(1H−イミダゾール−4イル)エチル]1,2,3−オキサジアゾール(GR−175737)、4−(1−シクロヘキシルペンタノイル−4−ピペリジル)1H−イミダゾール(GT−2016)、2−{[2−[4(5)−イミダゾリル]エチル]チオ}−5−ニトロピリジン(UCL−1199)、クロザピン)、レブメタンフェタミン(levmetamfetamine)、エフェドリン、塩酸エフェドリン、硫酸エフェドリン、塩酸ナファゾリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸フェニレフリン、プロピルヘキセドリン、塩酸キシロメタゾリン、フェニルプロパノールアミン、フェニレフリン、もしくはプソイドエフェドリン、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩、あるいはこれらの薬剤の1種以上の組み合わせである。より好ましくは、上記うっ血除去剤は、フェニレフリンもしくはプソイドエフェドリン、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩である。
【0015】
なお別の実施形態において、1種以上の薬学的に活性な薬剤は、コルチコステロイド、去痰剤、口腔咽頭の不快感を軽減するための組成物、P2Yレセプターアンタゴニスト、非ステロイド性抗炎症剤、ロイコトリエンアンタゴニスト、sykキナーゼインヒビター、または5−リポキシゲナーゼインヒビターである。
【0016】
1つの好ましい実施形態において、上記処方物は、ダリフェナシンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量を、デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量と組み合わせて含有する。
【0017】
別の好ましい実施形態において、上記処方物は、オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量を、デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量と組み合わせて含有する。
【0018】
1つの実施形態において、上記オキシブチニンの薬学的に受容可能な塩は、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸(pamoic acid)、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、およびp−トルエンスルホン酸からなる群より選択される薬学的に受容可能な酸付加塩から調製される。より好ましい実施形態において、上記オキシブチニンの薬学的に受容可能な塩は、塩化オキシブチニンである。
【0019】
1つの実施形態において、上記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約0.1mg〜約1gの範囲内で毎日投与される単位投薬形態(当業者に公知であるような単回投薬形態または分割投薬形態)である。好ましくは、経口的な投与に関して、上記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1mg〜約1gの範囲内で毎日投与される単位投薬形態であり、より好ましくは、約25mg〜約700mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である。好ましくは、経口吸入または鼻腔内吸入による投与に関して、上記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約0.1mg〜約100mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である。よりなお好ましくは、上記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg〜約30mgの範囲内で毎日投与される(例えば、約1.25mg、約2.5mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mgで毎日投与される)単位投薬形態である。よりさらに好ましくは、上記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、約4mg、約4.5mg、もしくは約5mgで1日2回、1日3回、または1日4回投与される単位投薬形態である。よりさらになお好ましくは、上記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約2.5mgまたは約5mgで1日2回投与される単位投薬形態である。
【0020】
1つの実施形態において、上記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg〜約45mgの範囲内で毎日投与される(例えば、約2mg、約4mg、約6mg、約8mg、約10mg、約12mg、約14mg、約16mg、約18mg、約20mg、約22mg、約24mg、約26mg、約28mg、約30mg、約32mg、約34mg、約36mg、約38mg、約40mg、約42mg、約44mgで毎日投与される)単位投薬形態(当業者に公知であるような単回投薬形態または分割投薬形態)である。好ましくは、上記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg〜約20mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である。より好ましくは、上記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約5mg〜約10mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である。1つの実施形態において、上記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg、約2.5mg、約5.0mg、約7.5mg、約10.0mg、約12.5mg、約15mg、17.5mg、または約20.0mgで毎日投与される単位投薬形態である。
【0021】
1つの実施形態において、ダリフェナシンもしくはオキシブチニン、またはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量を、デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量と組み合わせて含有する処方物は、1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤をさらに含有する。好ましくは、1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、別の抗ヒスタミン剤、うっ血除去剤、コルチコステロイド、去痰剤、口腔咽頭の不快感を軽減するための組成物、P2Yレセプターアンタゴニスト、非ステロイド性抗炎症剤、ロイコトリエンアンタゴニスト、sykキナーゼインヒビター、または5−リポキシゲナーゼインヒビターである。
【0022】
本発明はまた、粘液糖タンパク質の産生に関連した呼吸器障害を罹患する患者において粘液糖タンパク質の産生に関連した呼吸器障害を処置するための方法であって、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1および/またはM3の選択的アンタゴニストの治療有効量を、1種以上の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて投与する工程を包含する方法を提供する。
【0023】
好ましい実施形態において、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1および/またはM3の選択的アンタゴニストは、臭化グリコピロニウム、テレンゼピン、ピレンゼピン、オキシブチニン、デスエチルオキシブチニン、ヒンバシン、AQ−RA 741、ダリフェナシン、ヘキサヒドロシラ−ジフェニドール、p−フルオロヘキサヒドロ−シラ−ジフェニドール(p−F−HHSiD))、4−ジフェニルアセトキシ−N−メチルピペリジン(4−DAMP)メチオジド、もしくは4−DAMPメトブロミド、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩、あるいはこれらの薬剤の1種以上の組み合わせである。
【0024】
1つの実施形態において、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1および/またはM3の選択的アンタゴニストは、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1の選択的アンタゴニストである。好ましくは、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1の選択的アンタゴニストは、臭化グリコピロニウム、テレンゼピン、もしくはピレンゼピン、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩、あるいはこれらの薬剤の1種以上の組み合わせである。より好ましくは、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1の選択的アンタゴニストは、ピレンゼピンまたはその薬学的に受容可能な塩である。好ましくは、ピレンゼピンの上記単位投薬形態(当業者に公知であるような単回投薬形態または分割投薬形態)は、約2.5mg〜約250mgの範囲内である。より好ましくは、ピレンゼピンの上記単位投薬形態は、約100mg〜約150mgの範囲内である。よりさらに好ましくは、ピレンゼピンの上記単位投薬形態は、約50mgで、1日2回または1日3回投与される。
【0025】
別の実施形態において、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1および/またはM3の選択的アンタゴニストは、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM3の選択的アンタゴニストである。好ましくは、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM3の選択的アンタゴニストは、ヒンバシン、AQ−RA 741、ダリフェナシン、ヘキサヒドロシラ−ジフェニドール、p−フルオロヘキサヒドロ−シラ−ジフェニドール(p−F−HHSiD))、4−ジフェニルアセトキシ−N−メチルピペリジン(4−DAMP)メチオジド、もしくは4−DAMPメトブロミド、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩、あるいはこれらの薬剤の1種以上の組み合わせである。より好ましくは、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM3の選択的アンタゴニストは、ダリフェナシンまたはその薬学的に受容可能な塩である。
【0026】
別の実施形態において、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1および/またはM3の選択的アンタゴニストは、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1およびM3の選択的アンタゴニストである。好ましくは、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1およびM3の選択的アンタゴニストは、オキシブチニン、デスエチルオキシブチニン、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩、あるいはこれらの薬剤の1種以上の組み合わせである。より好ましくは、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1およびM3の選択的アンタゴニストは、オキシブチニン、デスエチルオキシブチニン、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩である。
【0027】
なお別の実施形態において、1種以上の薬学的に活性な薬剤は、抗ヒスタミン剤である。好ましくは、上記抗ヒスタミン剤は、アザタジン、アゼラスチン、アクリバスチン、ブロムフェニラミン、セチリジン、クロルフェニラミン、クレマスチン、シクリジン、カレバスチン、シプロヘプタジン、カルビノキサミン、デスロラタジン、ドキシラミン、ジメチンデン、エバスチン、エピナスチン、エフレチリジン、フェキソフェナジン、ヒドロキシジン、ケトチフェン、ロラタジン、レボカバスチン、レボセチリジン、ミゾラスチン、メキタジン、ミアンセリン、ノベラスチン、メクリジン、ノルアステミゾール、ピクマスト、ピリラミン、プロメタジン、トリペレナミン、テメラスチン、トリメプラジン、トリプロリジン、チオペラミド、インプロミジン、ブリマミド、クロベンプロピット、インペンタミン、ミフェチジン、S−ソプロミジン、R−ソプロミジン、3−(イミダゾール−4−イル)−プロピルグアニジン(SKF−91486)、3−[(4−クロロフェニル)メチル]−5−[2−(1H−イミダゾール−4イル)エチル]1,2,3−オキサジアゾール(GR−175737)、4−(1−シクロヘキシルペンタノイル−4−ピペリジル)1H−イミダゾール(GT−2016)、2−{[2−[4(5)−イミダゾリル]エチル]チオ}−5−ニトロピリジン(UCL−1199)、もしくはクロザピン、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩、あるいはこれらの薬剤の1種以上の組み合わせである。より好ましくは、上記抗ヒスタミン剤は、デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩である。
【0028】
さらになお別の実施形態において、1種以上の薬学的に活性な薬剤は、うっ血除去剤である。好ましくは、上記うっ血除去剤は、ヒスタミンHレセプターアンタゴニスト(例えば、チオペラミド、インプロミジン、ブリマミド、クロベンプロピット、インペンタミン、ミフェチジン、S−ソプロミジン、R−ソプロミジン、3−(イミダゾール−4−イル)−プロピルグアニジン(SKF−91486)、3−[(4−クロロフェニル)メチル]−5−[2−(1H−イミダゾール−4イル)エチル]1,2,3−オキサジアゾール(GR−175737)、4−(1−シクロヘキシルペンタノイル−4−ピペリジル)1H−イミダゾール(GT−2016)、2−{[2−[4(5)−イミダゾリル]エチル]チオ}−5−ニトロピリジン(UCL−1199)、クロザピン)、レブメタンフェタミン、エフェドリン、塩酸エフェドリン、硫酸エフェドリン、塩酸ナファゾリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸フェニレフリン、プロピルヘキセドリン、塩酸キシロメタゾリン、フェニルプロパノールアミン、フェニレフリン、もしくはプソイドエフェドリン、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩、あるいはこれらの薬剤の1種以上の組み合わせである。より好ましくは、上記うっ血除去剤は、フェニレフリンもしくはプソイドエフェドリン、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩である。
【0029】
なお別の実施形態において、1種以上の薬学的に活性な薬剤は、コルチコステロイド、去痰剤、口腔咽頭の不快感を軽減するための組成物、P2Yレセプターアンタゴニスト、非ステロイド性抗炎症剤、ロイコトリエンアンタゴニスト、sykキナーゼインヒビター、または5−リポキシゲナーゼインヒビターである。
【0030】
1つの好ましい実施形態において、粘液糖タンパク質の産生に関連した呼吸器障害を罹患する患者において粘液糖タンパク質の産生に関連した呼吸器障害を処置するための方法は、ダリフェナシンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量を、デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量と組み合わせて投与する工程を包含する。
【0031】
別の好ましい実施形態において、粘液糖タンパク質の産生に関連した呼吸器障害を罹患する患者において粘液糖タンパク質の産生に関連した呼吸器障害を処置するための方法は、オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量を、デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量と組み合わせて投与する工程を包含する。
【0032】
1つの実施形態において、上記オキシブチニンの薬学的に受容可能な塩は、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、およびp−トルエンスルホン酸からなる群より選択される薬学的に受容可能な酸付加塩から調製される。より好ましい実施形態において、上記オキシブチニンの薬学的に受容可能な塩は、塩化オキシブチニンである。
【0033】
1つの実施形態において、上記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約0.1mg〜約1gの範囲内で毎日投与される単位投薬形態(当業者に公知であるような単回投薬形態または分割投薬形態)である。好ましくは、経口的な投与に関して、上記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1mg〜約1gの範囲内で毎日投与される単位投薬形態であり、より好ましくは、約25mg〜約700mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である。好ましくは、経口吸入または鼻腔内吸入による投与に関して、上記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約0.1mg〜約100mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である。よりなお好ましくは、上記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg〜約30mgの範囲内で毎日投与される(例えば、約1.25mg、約2.5mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mgで毎日投与される)単位投薬形態である。よりさらに好ましくは、上記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、約4mg、約4.5mg、または約5mgで、1日2回、1日3回、または1日4回投与される単位投薬形態である。よりさらになお好ましくは、上記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約2.5mgまたは約5mgで1日2回投与される単位投薬形態である。
【0034】
1つの実施形態において、上記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg〜約45mgの範囲内で毎日投与される(例えば、約2mg、約4mg、約6mg、約8mg、約10mg、約12mg、約14mg、約16mg、約18mg、約20mg、約22mg、約24mg、約26mg、約28mg、約30mg、約32mg、約34mg、約36mg、約38mg、約40mg、約42mg、約44mgで毎日投与される)単位投薬形態(当業者に公知であるような単回投薬形態または分割投薬形態)である。好ましくは、上記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg〜約20mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である。より好ましくは、上記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約5mg〜約10mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である。1つの実施形態において、上記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg、約2.5mg、約5.0mg、約7.5mg、約10.0mg、約12.5mg、約15mg、17.5mg、または約20.0mgで毎日投与される単位投薬形態である。
【0035】
1つの実施形態において、ダリフェナシンもしくはオキシブチニン、またはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量を、デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量と組み合わせて投与する工程を包含する方法は、1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤を投与する工程をさらに包含する。好ましくは、1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、別の抗ヒスタミン剤、うっ血除去剤、コルチコステロイド、去痰剤、口腔咽頭の不快感を軽減するための組成物、P2Yレセプターアンタゴニスト、非ステロイド性抗炎症剤、ロイコトリエンアンタゴニスト、sykキナーゼインヒビター、または5−リポキシゲナーゼインヒビターである。
【0036】
さらに、本発明は、皮膚障害を罹患する患者において、皮膚障害を処置するための方法であって、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1および/またはM3の選択的アンタゴニストの治療有効量を、1種以上の薬学的に活性な薬剤を組み合わせて投与する工程を包含する方法を提供する。
【0037】
好ましい実施形態において、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1および/またはM3の選択的アンタゴニストは、臭化グリコピロニウム、テレンゼピン、ピレンゼピン、オキシブチニン、デスエチルオキシブチニン、ヒンバシン、AQ−RA 741、ダリフェナシン、ヘキサヒドロシラ−ジフェニドール、p−フルオロヘキサヒドロ−シラ−ジフェニドール(p−F−HHSiD))、4−ジフェニルアセトキシ−N−メチルピペリジン(4−DAMP)メチオジド、もしくは4−DAMPメトブロミド、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩、あるいはこれらの薬剤の1種以上の組み合わせである。
【0038】
1つの実施形態において、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1および/またはM3の選択的アンタゴニストは、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1の選択的アンタゴニストである。好ましくは、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1の選択的アンタゴニストは、臭化グリコピロニウム、テレンゼピン、もしくはピレンゼピン、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩、あるいはこれらの薬剤の1種以上の組み合わせである。より好ましくは、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1の選択的アンタゴニストは、ピレンゼピンまたはその薬学的に受容可能な塩である。好ましくは、ピレンゼピンの上記単位投薬形態(当業者に公知であるような単回投薬形態または分割投薬形態)は、約2.5mg〜約250mgの範囲内である。より好ましくは、ピレンゼピンの単位投薬形態は、約100mg〜約150mgの範囲内である。よりさらに好ましくは、ピレンゼピンの上記単位投薬形態は、約50mgで、1日2回または1日3回投与される。
【0039】
別の実施形態において、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1および/またはM3の選択的アンタゴニストは、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM3の選択的アンタゴニストである。好ましくは、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM3の選択的アンタゴニストは、ヒンバシン、AQ−RA 741、ダリフェナシン、ヘキサヒドロシラ−ジフェニドール、p−フルオロヘキサヒドロ−シラ−ジフェニドール(p−F−HHSiD))、4−ジフェニルアセトキシ−N−メチルピペリジン(4−DAMP)メチオジド、もしくは4−DAMPメトブロミド、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩、あるいはこれらの薬剤の1種以上の組み合わせである。より好ましくは、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM3の選択的アンタゴニストは、ダリフェナシンまたはその薬学的に受容可能な塩である。
【0040】
別の実施形態において、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1およびM3の選択的アンタゴニストは、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1および/またはM3の選択的アンタゴニストである。好ましくは、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1およびM3の選択的アンタゴニストは、オキシブチニン、デスエチルオキシブチニン、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩、あるいはこれらの薬剤の1種以上の組み合わせである。より好ましくは、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1および/またはM3の選択的アンタゴニストは、オキシブチニン、デスエチルオキシブチニン、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩である。
【0041】
なお別の実施形態において、1種以上の薬学的に活性な薬剤は、抗ヒスタミン剤である。好ましくは、上記抗ヒスタミン剤は、アザタジン、アゼラスチン、アクリバスチン、ブロムフェニラミン、セチリジン、クロルフェニラミン、クレマスチン、シクリジン、カレバスチン、シプロヘプタジン、カルビノキサミン、デスロラタジン、ドキシラミン、ジメチンデン、エバスチン、エピナスチン、エフレチリジン、フェキソフェナジン、ヒドロキシジン、ケトチフェン、ロラタジン、レボカバスチン、レボセチリジン、ミゾラスチン、メキタジン、ミアンセリン、ノベラスチン、メクリジン、ノルアステミゾール、ピクマスト、ピリラミン、プロメタジン、トリペレナミン、テメラスチン、トリメプラジン、トリプロリジン、チオペラミド、インプロミジン、ブリマミド、クロベンプロピット、インペンタミン、ミフェチジン、S−ソプロミジン、R−ソプロミジン、3−(イミダゾール−4−イル)−プロピルグアニジン(SKF−91486)、3−[(4−クロロフェニル)メチル]−5−[2−(1H−イミダゾール−4イル)エチル]1,2,3−オキサジアゾール(GR−175737)、4−(1−シクロヘキシルペンタノイル−4−ピペリジル)1H−イミダゾール(GT−2016)、2−{[2−[4(5)−イミダゾリル]エチル]チオ}−5−ニトロピリジン(UCL−1199)、もしくはクロザピン、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩、あるいはこれらの薬剤の1種以上の組み合わせである。より好ましくは、上記抗ヒスタミン剤は、デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩である。
【0042】
さらになお別の実施形態において、1種以上の薬学的に活性な薬剤は、うっ血除去剤である。好ましくは、上記うっ血除去剤は、ヒスタミンHレセプターアンタゴニスト(例えば、チオペラミド、インプロミジン、ブリマミド、クロベンプロピット、インペンタミン、ミフェチジン、S−ソプロミジン、R−ソプロミジン、3−(イミダゾール−4−イル)−プロピルグアニジン(SKF−91486)、3−[(4−クロロフェニル)メチル]−5−[2−(1H−イミダゾール−4イル)エチル]1,2,3−オキサジアゾール(GR−175737)、4−(1−シクロヘキシルペンタノイル−4−ピペリジル)1H−イミダゾール(GT−2016)、2−{[2−[4(5)−イミダゾリル]エチル]チオ}−5−ニトロピリジン(UCL−1199)、クロザピン)、レブメタンフェタミン、エフェドリン、塩酸エフェドリン、硫酸エフェドリン、塩酸ナファゾリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸フェニレフリン、プロピルヘキセドリン、塩酸キシロメタゾリン、フェニルプロパノールアミン、フェニレフリン、もしくはプソイドエフェドリン、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩、あるいはこれらの薬剤の1種以上の組み合わせである。より好ましくは、上記うっ血除去剤は、フェニレフリンもしくはプソイドエフェドリン、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩である。
【0043】
なお別の実施形態において、1種以上の薬学的に活性な薬剤は、コルチコステロイド、去痰剤、口腔咽頭の不快感を軽減するための組成物、P2Yレセプターアンタゴニスト、非ステロイド性抗炎症剤、ロイコトリエンアンタゴニスト、sykキナーゼインヒビター、または5−リポキシゲナーゼインヒビターである。
【0044】
1つの好ましい実施形態において、皮膚障害を罹患する患者において、皮膚障害を処置するための方法は、ダリフェナシンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量を、デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量と組み合わせて投与する工程を包含する。
【0045】
別の好ましい実施形態において、皮膚障害を罹患する患者において、皮膚障害を処置するための方法は、オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量を、デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量と組み合わせて投与する工程を包含する。
【0046】
1つの実施形態において、上記オキシブチニンの薬学的に受容可能な塩は、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、およびp−トルエンスルホン酸からなる群より選択される薬学的に受容可能な酸付加塩から調製される。より好ましい実施形態において、上記オキシブチニンの薬学的に受容可能な塩は、塩化オキシブチニンである。
【0047】
1つの実施形態において、上記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約0.1mg〜約1gの範囲内で毎日投与される単位投薬形態(当業者に公知であるような単回投薬形態または分割投薬形態)である。好ましくは、経口的な投与に関して、上記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1mg〜約1gの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である。より好ましくは、約25mg〜約700mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である。好ましくは、経口吸入または鼻腔内吸入による投与に関して、上記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約0.1mg〜約100mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である。よりなお好ましくは、上記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg〜約30mgの範囲内で毎日投与される(例えば、約1.25mg、約2.5mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mgで毎日投与される)単位投薬形態である。よりさらに好ましくは、上記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、約4mg、約4.5mg、または約5mgで、1日2回、1日3回、または1日4回投与される単位投薬形態であり、よりさらになお好ましくは、上記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約2.5mgまたは約5mgで1日2回投与される単位投薬形態である。
【0048】
1つの実施形態において、上記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg〜約45mgの範囲内で毎日投与される(例えば、約2mg、約4mg、約6mg、約8mg、約10mg、約12mg、約14mg、約16mg、約18mg、約20mg、約22mg、約24mg、約26mg、約28mg、約30mg、約32mg、約34mg、約36mg、約38mg、約40mg、約42mg、約44mg 毎日投与される)単位投薬形態(当業者に公知であるような単回投薬形態または分割投薬形態)である。好ましくは、上記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg〜約20mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である。より好ましくは、上記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約5mg〜約10mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である。1つの実施形態において、上記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg、約2.5mg、約5.0mg、約7.5mg、約10.0mg、約12.5mg、約15mg、17.5mg、または約20.0mgで毎日投与される単位投薬形態である。
【0049】
1つの実施形態において、ダリフェナシンもしくはオキシブチニン、またはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量を、デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量と組み合わせて投与する工程を包含する方法は、1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤を投与する工程をさらに包含する。好ましくは、1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、別の抗ヒスタミン剤、うっ血除去剤、コルチコステロイド、去痰剤、口腔咽頭の不快感を軽減するための組成物、P2Yレセプターアンタゴニスト、非ステロイド性抗炎症剤、ロイコトリエンアンタゴニスト、sykキナーゼインヒビター、または5−リポキシゲナーゼインヒビターである。
【0050】
さらに、本発明は、アレルギー性結膜炎を罹患する患者において、アレルギー性結膜炎を処置するための方法であって、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1および/またはM3の選択的アンタゴニストの治療有効量を、1種以上の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて投与する工程を包含する方法を提供する。
【0051】
好ましい実施形態において、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1および/またはM3の選択的アンタゴニストは、臭化グリコピロニウム、テレンゼピン、ピレンゼピン、オキシブチニン、デスエチルオキシブチニン、ヒンバシン、AQ−RA 741、ダリフェナシン、ヘキサヒドロシラ−ジフェニドール、p−フルオロヘキサヒドロ−シラ−ジフェニドール(p−F−HHSiD))、4−ジフェニルアセトキシ−N−メチルピペリジン(4−DAMP)メチオジド、もしくは4−DAMPメトブロミド、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩、あるいはこれらの薬剤の1種以上の組み合わせである。
【0052】
1つの実施形態において、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよび/もしくはM3選択的アンタゴニストは、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストである。好ましくは、このムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストは、臭化グリコピロニウム、テレンゼピン(telenzepine)、もしくはピレンゼピンであるか、またはこれらの薬剤のうちのいずれかの薬学的に受容可能な塩であるか、あるいはこれらの薬剤のうちの1種以上の組み合わせである。より好ましくは、このムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストは、ピレンゼピンもしくはその薬学的に受容可能な塩である。好ましくは、ピレンゼピンの単位投薬形態(当業者に公知であるような単回投薬形態もしくは分割投薬形態)は、約2.5mg〜約250mgの範囲内である。より好ましくは、ピレンゼピンの単位投薬形態は、約100mg〜約150mgの範囲内である。なおより好ましくは、ピレンゼピンの単位投薬形態は、約50mgであり、1日に2回もしくは1日に3回投与される。
【0053】
別の実施形態において、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよび/もしくはM3選択的アンタゴニストは、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM3選択的アンタゴニストである。好ましくは、このムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM3選択的アンタゴニストは、ヒンバシン、AQ−RA 741、ダリフェナシン、ヘキサヒドロシラ−ジフェニドール、p−フルオロヘキサヒドロ−シラ−ジフェニドール(p−F−HHSiD))、4−ジフェニルアセトキシ−N−メチルピペリジン(4−DAMP)メチオジン、もしくは4−DAMPメトブロミド、またはこれらの薬剤のうちのいずれかの薬学的に受容可能な塩、あるいはこれらの薬剤のうちの1種以上の組み合わせである。より好ましくは、このムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM3選択的アンタゴニストは、ダリフェナシンもしくはその薬学的に受容可能な塩である。
【0054】
別の実施形態において、上記ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよび/もしくはM3選択的アンタゴニストは、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよびM3選択的アンタゴニストである。好ましくは、このムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよびM3選択的アンタゴニストは、オキシブチニン、デセチルオキシブチニン、またはこれらの薬剤のうちのいずれかの薬学的に受容可能な塩、あるいはこれらの薬剤のうちの1種以上の組み合わせである。より好ましくは、この選択的ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1アンタゴニストおよびM3アンタゴニストは、オキシブチニン、デセチルオキシブチニン、またはこれらの薬剤のうちいずれかの薬学的に受容可能な塩である。
【0055】
なお別の実施形態において、1種以上の薬学的に活性な薬剤は、抗ヒスタミン剤である。好ましくは、この抗ヒスタミン剤は、アザタジン、アゼラスチン、アクリバスチン、ブロムフェニラミン、セチリジン、クロルフェニラミン、クレマスチン、シクリジン、カレバスチン、シプロヘプタジン、カルビノキサミン、デスロラタジン、ドキシラミン、ジメチンデン、エバスチン、エピナスチン、エフェレチリジン、フェキソフェナジン、ヒドロキシジン、ケトチフェン、ロラタジン、レボカバスチン、レボセチリジン、ミゾラスチン、メキタジン、ミアンセリン、ノベラスチン、メクリジン、ノルアステミゾール、ピクマスト、ピリラミン、プロメタジン、トリペレナミン、テメラスチン、トリメプラジン、トリプロリジン、チオペラミド、インプロミジン、ブリママイド、クロベンプロピト、インペンタミン、ミフェチジン、S−ソプロミジン、R−ソプロミジン、3−(イミダゾール−4−イル)−プロピルグアニジン(SKF−91486)、3−[(4−クロロフェニル)メチル]−5−[2−(1H−イミダゾール−4イル)エチル]1,2,3−オキサジアゾール(GR−175737)、4−(1−シクロヘキシルペンタノイル−4−ピペリジル)1H−イミダゾール(GT−2016)、2−{[2−[4(5)−イミダゾリル]エチル]チオ}−5−ニトロピリジン(UCL−1199)、もしくはクロザピン、またはこれらの薬剤のうちのいずれかの薬学的に受容可能な塩、あるいはこれらの薬剤のうちの1種以上の組み合わせである。より好ましくは、この抗ヒスタミン剤は、デスロラタジンもしくはその薬学的に受容可能な塩である。
【0056】
さらになお別の実施形態において、1種以上の薬学的に活性な薬剤は、うっ血除去剤である。好ましくは、このうっ血除去剤は、ヒスタミンHレセプターアンタゴニスト(例えば、チオペラミド、インプロミジン、ブリママイド、クロベンプロピト、インペンタミン、ミフェチジン、S−ソプロミジン、R−ソプロミジン、3−(イミダゾール−4−イル)−プロピルグアニジン(SKF−91486)、3−[(4−クロロフェニル)メチル]−5−[2−(1H−イミダゾール−4イル)エチル]1,2,3−オキサジアゾール(GR−175737)、4−(1−シクロヘキシルペンタノイル−4−ピペリジル)1H−イミダゾール(GT−2016)、2−{[2−[4(5)−イミダゾリル]エチル]チオ}−5−ニトロピリジン(UCL−1199)、クロザピン)、レブメタンフェタミン、エフェドリン、塩酸エフェドリン、硫酸エフェドリン、塩酸ナファゾリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸フェニレフリン、プロピルヘキセドリン、塩酸キシロメタゾリン、フェニルプロパノールアミン、フェニレフリン、もしくはプソイドエフェドリン、またはこれらの薬剤のうちのいずれかの薬学的に受容可能な塩、あるいはこれらの薬剤のうちの1種以上の組み合わせである。より好ましくは、このうっ血除去剤は、フェニレフリンもしくはプソイドエフェドリン、またはこれらの薬剤のうちのいずれかの薬学的に受容可能な塩である。
【0057】
なお他の実施形態において、1種以上の薬学的に活性な薬剤は、コルチコステロイド;去痰剤;口腔咽頭の不快感を軽減する組成物;P2Yレセプターアンタゴニスト;非ステロイド性抗炎症剤;ロイコトリエンアンタゴニスト;sykキナーゼインヒビター;または5−リポキシゲナーゼインヒビターである。
【0058】
1つの好ましい実施形態において、アレルギー性結膜炎を罹患している患者においてアレルギー性結膜炎を処置する方法は、治療的に有効な量のダリフェナシンもしくはその薬学的に受容可能な塩を、治療的に有効な量のデスロラタジンもしくはその薬学的に受容可能な塩と組み合わせて投与する工程を包含する。
【0059】
別の好ましい実施形態において、アレルギー性結膜炎を罹患している患者においてアレルギー性結膜炎を処置する方法は、治療的に有効な量のオキシブチニンもしくはその薬学的に受容可能な塩を、治療的に有効な量のデスロラタジンもしくはその薬学的に受容可能な塩と組み合わせて投与する工程を包含する。
【0060】
1つの実施形態において、オキシブチニンの薬学的に受容可能な塩は、以下からなる群より選択される、薬学的に受容可能な酸付加塩から調製される:酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、粘液酸塩、硝酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、およびp−トルエンスルホン酸塩。より好ましい実施形態において、オキシブチニンの薬学的に受容可能な塩は、塩化オキシブチニンである。
【0061】
1つの実施形態において、上記治療的に有効な量のオキシブチニンもしくはその薬学的に受容可能な塩は、約0.1mg〜約1gの範囲内で毎日投与される単位投薬形態(当業者に公知であるような単回投薬形態もしくは分割投薬形態)である。好ましくは、経口投与のための、この治療的に有効な量のオキシブチニンもしくはその薬学的に受容可能な塩は、約1mg〜約1gの範囲内で毎日投与される単位投薬形態であり、より好ましくは、約25mg〜約700mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である。好ましくは、経口による投与もしくは鼻腔内吸入による投与のための、この治療的に有効な量のオキシブチニンもしくはその薬学的に受容可能な塩は、約0.1mg〜約100mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である。なおより好ましくは、この治療的に有効な量のオキシブチニンもしくはその薬学的に受容可能な塩は、約1.25mg〜約30mgの範囲内で毎日投与される(例えば、約1.25mg、約2.5mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mgで毎日投与される)単位投薬形態である。なおより好ましくは、この治療的に有効な量のオキシブチニンもしくはその薬学的に受容可能な塩は、約1.25mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、約4mg、約4.5mg、もしくは約5mgで1日2回、1日3回、または1日4回投与される単位投薬形態である。さらになおより好ましくは、この治療的に有効な量のオキシブチニンもしくはその薬学的に受容可能な塩は、約2.5mgもしくは約5mgで1日2回投与される単位投薬形態である。
【0062】
1つの実施形態において、上記治療的に有効な量のデスロラタジンもしくはその薬学的に受容可能な塩は、約1.25mg〜約45mgの範囲内で毎日投与される(例えば、約2mg、約4mg、約6mg、約8mg、約10mg、約12mg、約14mg、約16mg、約18mg、約20mg、約22mg、約24mg、約26mg、約28mg、約30mg、約32mg、約34mg、約36mg、約38mg、約40mg、約42mg、約44mgで毎日投与される)単位投薬形態(当業者に公知であるような単回投薬形態もしくは分割投薬形態)である。好ましくは、この治療的に有効な量のデスロラタジンもしくはその薬学的に受容可能な塩は、約1.25mg〜約20mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である。より好ましくは、この治療的に有効な量のデスロラタジンもしくはその薬学的に受容可能な塩は、約5mg〜約10mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である。1つの実施形態において、この治療的に有効な量のデスロラタジンもしくはその薬学的に受容可能な塩は、約1.25mg、約2.5mg、約5.0mg、約7.5mg、約10.0mg、約12.5mg、約15mg、17.5mg、もしくは約20.0mgで毎日投与される単位投薬形態である。
【0063】
1つの実施形態において、治療的に有効な量のダリフェナシンもしくはオキシブチニン、またはそれらの薬学的に受容可能な塩を、治療的に有効な量のデスロラタジンもしくはその薬学的に受容可能な塩と組み合わせて投与する工程を包含する方法は、1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤を投与する工程をさらに包含する。好ましくは、1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、別の抗ヒスタミン剤;うっ血除去剤;コルチコステロイド;去痰剤;口腔咽頭の不快感を軽減する組成物;P2Yレセプターアンタゴニスト;非ステロイド性抗炎症剤;ロイコトリエンアンタゴニスト;sykキナーゼインヒビター;もしくは5−リポキシゲナーゼインヒビターである。
【0064】
特定の実施形態において、本発明の組成物は、前鼻炎の症状の処置もしくは緩和のために有用である。
【0065】
(発明の詳細な説明)
本明細書中で使用される場合、以下の用語は、下に示す定義を有する。
【0066】
本明細書中で使用される場合、語句「粘液糖タンパク質の産生に関連した呼吸器障害」は、鼻分泌および鼻分泌を引き起こす経路の阻害によって改善される呼吸器障害を含む。例えば、アレルギー性鼻炎、非アレルギー性鼻炎(例えば、血管神経性鼻炎および非アレルギー性鼻炎好酸球増加症候群(NARES))、感染性鼻炎(例えば、感冒に関連する症状)、静脈洞炎(sinusitits)(すなわち、洞(sinus cavity)を裏打ちする粘膜の炎症もしくは腫脹)、および後鼻漏(すなわち、後鼻漏において、鼻および洞(sinus)からの排液が咽喉の奥に垂れる)。さらに、粘液糖タンパク質の産生に関連した呼吸器障害は、鼻分泌によって引き起こされるか、または増悪される状態を含む。例えば、呼吸器のうっ血、咳ならびに、喘鳴、胸苦しさ(chest tightness)、咳および呼吸困難を含む症状によって表れるアレルギー性気道疾患。
【0067】
本明細書中で使用される場合、語句「皮膚障害」は、じんま疹および血管性水腫の皮膚反応を含む。これらの皮膚障害は、特定の食物、医薬もしくはウイルス感染への曝露によって引き起こされ得る。じんま疹(urticarira)(一般に、じんま疹(hive)もしくは笞痕(welt))は、赤く痒い、種々の形状および大きさの皮膚の隆起領域である。じんま疹は、肥満細胞からのヒスタミンおよび他の化合物の放出の結果であり、この放出は、局部血管から血清を漏出させ、それによって皮膚の腫脹をもたらす。血管性水腫は、じんま疹(urticaria)に類似しているが、より深部の皮膚組織に関する組織腫脹の形態(すなわち、「深いじんま疹(deep hive)」)であり、一般にじんま疹(urticaria)より長く続く。
【0068】
本明細書中で使用される場合、語句「アレルギー性結膜炎」とは、結膜と呼ばれる透明な薄い膜(眼球を覆い、かつ眼瞼の内側である)のアレルゲンによる刺激をいう。症状としては、眼の腫脹、眼のかゆみ/眼の灼熱感、流涙および眼の赤みが挙げられ得る。いくつかの一般的なアレルゲンとしては、樹木、牧草(grass)およびブタクサからの花粉、動物の皮膚および唾液のような分泌物、香水および化粧品、皮膚用医薬、大気汚染および煙が挙げられる。
【0069】
本明細書中で使用される場合、語句「ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよび/もしくはM3選択的アンタゴニスト」とは、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM2よりも大きな効力で、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1および/もしくはM3からの細胞シグナル伝達を阻害する薬剤を意味する。1つの実施形態において、この薬剤は、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM2よりも約5倍高い効力で、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1および/もしくはM3からの細胞シグナル伝達を阻害する。別の実施形態において、この薬剤は、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM2よりも約7.5倍高い効力で、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1および/もしくはM3からの細胞シグナル伝達を阻害する。なお別の実施形態において、この薬剤は、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM2よりも約10倍高い効力で、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1および/もしくはM3からの細胞シグナル伝達を阻害する。
【0070】
本明細書中で使用される場合、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよび/もしくはM3選択的アンタゴニストに関して語句「治療的に有効な量」とは、言及されている障害(例えば、粘液糖タンパク質の産生に関連した呼吸器障害、皮膚障害もしくはアレルギー性結膜炎)の処置もしくは管理における治療的利益を意味する。
【0071】
本明細書中で使用される場合、1種以上の薬学的に活性な薬剤に関して語句「治療的に有効な量」とは、言及されている疾患(例えば、粘液糖タンパク質の産生に関連した呼吸器障害、皮膚障害もしくはアレルギー性結膜炎)の処置もしくは管理における治療的利益を意味する。
【0072】
本明細書中で使用される場合、語句「薬学的に活性な薬剤」とは、抗ヒスタミン剤、うっ血除去剤、コルチコステロイド、去痰剤、口腔咽頭の不快感を軽減する組成物、P2Yレセプターアンタゴニスト、非ステロイド性抗炎症剤、ロイコトリエンアンタゴニスト、sykキナーゼインヒビター、もしくは5−リポキシゲナーゼインヒビターをいう。
【0073】
本明細書中で使用される場合、語句「薬学的に受容可能な塩」とは、薬学的に受容可能な酸もしくは塩基(無機酸もしくは無機塩基、または有機酸もしくは有機塩基を含む)から調製される非毒性の塩をいう。このような無機酸の例は、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸およびリン酸である。適切な有機酸は、例えば、脂肪族のクラス、芳香族のクラス、カルボキシル基を有するクラスおよびスルホン基を有するクラスの有機酸から選択され得、これらの例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルクロン酸、マレイン酸、フランカルボン酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、サリチル酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸(embonic acid)(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パントテン酸、ベンゼンスルホン酸、ステアリン酸、スルファニル酸、アルゲン酸(algenic acid)およびガラクツロン酸である。このような無機塩基の例としては、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛から作製される金属塩が挙げられる。適切な有機塩基は、例えば、N、N−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルマイン(N−メチルグルカイン)、リジン、およびプロカインから選択され得る。オキシブチニンについての適切な薬学的に受容可能な酸付加塩としては、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシレート)、安息香酸塩、ショウノウスルホン酸塩、クエン酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、粘液酸塩、硝酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、およびp−トルエンスルホン酸塩が挙げられる。塩酸塩が、特に有用性を有する。
【0074】
本明細書中で使用される場合、語句「薬剤(medicinal agent)」は、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよび/もしくはM3選択的アンタゴニスト、ならびに/または薬学的に活性な薬剤である物質を含む。
【0075】
本明細書中で使用される場合、語句「投薬形態」とは、少なくとも1種の薬剤および送達系(すなわち、錠剤、カプセル剤、経口ゲル剤、経口摂取可能なフィルム、経口崩壊性錠剤(例えばReditabs(登録商標)、シロップ剤、鼻用スプレー、構成もしくは懸濁のための粉末、食物にかけるための粉末(スプリンクル))の中に処方されたキャリアを少なくとも1種の不活性成分と共に含有する組成物をいう。
【0076】
本明細書中で使用される場合、語句「カプセル」とは、本発明の処方物およびキャリアを含有する組成物を維持するかまたは含むための、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、または変性ゼラチンもしくは変性デンプンで作製された特別な容器もしくは封入物をいう。硬質シェル(hard shell)カプセルは、代表的に、比較的ゲルの強度が高い骨ゼラチンおよびブタの皮膚のゼラチンの混成物から製造される。このカプセル自体は、少量の色素、不透明化剤、可塑剤および保存剤を含有し得る。
【0077】
本明細書中で使用される場合、用語「錠剤」とは、本発明の処方物およびキャリアを適切な希釈剤と共に含有する組成物を含む、圧縮されているかまたは成型されている固体投薬形態をいう。この錠剤は、混合物または湿式造粒、乾式造粒もしくは締め固め(compaction)によって得られる顆粒の圧縮によって調製され得る。
【0078】
本明細書中で使用される場合、語句「経口ゲル」とは、親水性半固体マトリックス中に分散されるかもしくは可溶化される、本発明の処方物およびキャリアを含有する組成物をいう。
【0079】
本明細書中で使用される場合、語句「経口摂取可能なフィルム」とは、本発明の処方物および食用フィルムキャリアを含有する組成物をいう。
【0080】
本明細書中で使用される場合、語句「構成のための粉末」とは、本発明の処方物およびキャリアを、水もしくは果汁中に懸濁し得る適切な希釈剤と共に含有する組成物を含む、粉末混成物をいう。
【0081】
本明細書中で使用される場合、用語「希釈剤」とは、通常、上記組成物もしくは投薬形態の主要部分を構成する物質をいう。適切な希釈剤としては、ラクトース、スクロース、マンニトールおよびソルビトールのような糖類;小麦、トウモロコシ、米およびイモに由来するデンプン;ならびに微結晶性セルロースのようなセルロースが挙げられる。組成物中の希釈剤の量は、組成物全体の約10重量%〜約90重量%、好ましくは約25重量%〜約75重量%、より好ましくは約30重量%〜約60重量%、なおより好ましくは約12重量%〜約60重量%の範囲内であり得る。
【0082】
本明細書中で使用される場合、用語「崩壊剤」とは、投薬形態を分解し(崩壊させ)、薬剤を放出することを助けるために、投薬形態に添加される物質をいう。適切な崩壊剤としては、デンプン;カルボキシメチルスターチナトリウムのような「冷水に可溶性である」改変型デンプン;イナゴマメ、カラヤゴム、グアールガム、トラガカントガムおよび寒天のような天然ゴムならびに合成ゴム;メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロースナトリウムのようなセルロース誘導体;クロスカルメロースナトリウム(sodium croscarmellose)のような微結晶性セルロースおよび架橋型微結晶性セルロース;アルギン酸およびアルギン酸ナトリウムのようなアルギネート;ベントナイトのような粘土;および発泡性混合物が挙げられる。上記組成物中の崩壊剤の量は、組成物の約2重量%〜約15重量%、より好ましくは約4重量%〜約10重量%の範囲内であり得る。
【0083】
本明細書中で使用される場合、用語「結合剤」とは、粉末を一緒に結合するかもしくは「接着し」、そして顆粒を形成し、投薬形態の中で「接着剤」として作用することによってこれらを粘着性にする物質をいう。結合剤は、希釈剤もしくは充填剤中に既に存在している凝集強度(cohesive strength)を加える。適切な結合剤としては、スクロースのような糖類;小麦、トウモロコシ、米およびイモに由来するデンプン;アラビアゴム、ゼラチンおよびトラガカントのような天然ゴム;アルギン酸、アルギン酸ナトリウムおよびアルギン酸カルシウムアンモニウムのような海藻誘導体;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよびヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース材料;ポリビニルピロリドン;ならびにケイ酸アルミニウムマグネシウムのような無機物が挙げられる。組成物中の結合剤の量は、組成物の約2重量%〜約20重量%、より好ましくは約3重量%〜約10重量%、なおより好ましくは約3重量%〜約6重量%の範囲内であり得る。
【0084】
本明細書中で使用される場合、用語「滑沢剤」とは、錠剤、顆粒剤などが圧縮された後に、摩擦もしくは磨耗を低下させることによってこれらを鋳型もしくは金型から取り外すことを可能にするために、投薬形態に添加される物質をいう。適切な滑沢剤としては、ステアリン酸金属塩(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムもしくはステアリン酸カリウム);ステアリン酸;高融点ワックス;および水溶性滑沢剤(例えば、塩化ナトリウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ポリエチレングリコールおよびd’l−ロイシン)が挙げられる。滑沢剤は、通常、圧縮のすぐ前の最終工程で加えられる。なぜなら、これらは、顆粒の表面上および顆粒と錠剤圧縮機との間に存在しなければならないからである。組成物中の滑沢剤の量は、組成物の約0.2重量%〜約5重量%、好ましくは約0.5重量%〜約2重量%、より好ましくは約0.3重量%〜約1.5重量%の範囲内であり得る。
【0085】
本明細書中で使用される場合、用語「流動促進剤(glidant)」とは、固化を防ぎ、そして顆粒の流動特性を改善し、それによって流動が滑らかかつ均一になるようにする物質をいう。適切な流動促進剤としては、二酸化ケイ素およびタルクが挙げられる。組成物中の流動促進剤の量は、組成物全体の約0.1重量%〜約5重量%、好ましくは約0.5重量%〜約2重量%の範囲内であり得る。
【0086】
本明細書中で使用される場合、語句「着色剤」とは、組成物もしくは投薬形態に呈色を提供する物質をいう。このような物質としては、食品等級の色素および適切な吸着剤(例えば粘土もしくは酸化アルミニウム)上に吸着した食品等級の色素が挙げられ得る。着色剤の量は、組成物の約0.1重量%〜約5重量%、好ましくは約0.1重量%〜約1重量%で変動し得る。
【0087】
本明細書中で使用される場合、用語「バイオアベイラビリティー」とは、薬剤が投与した投薬形態から体循環内に吸収される速度および程度を、標準もしくはコントロールおよび局所的バイオアベイラビリティーと比較していう。
【0088】
1種の好ましいムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよびM3選択的アンタゴニストは、オキシブチニンもしくはその薬学的に受容可能な塩(例えば、塩化オキシブチニン)である。塩化オキシブチニンのラセミ混合物は、Ortho−McNeil Pharmaceutical,Inc.,Raritan,NJによるDitropan(登録商標)およびDitropanXL(登録商標)の商標の下で入手可能である。オキシブチニンもしくはその薬学的に受容可能な塩のR−光学異性体およびS−光学異性体のラセミ混合物が、本発明の処方物および方法において使用され得る。あるいは、R−光学異性体もしくはS−光学異性体(それぞれS−光学異性体もしくはR−光学異性体を実質的に非含有である)が、本発明の処方物および方法において使用され得る。喘息の処置のためのオキシブチニンのS−光学異性体の使用は、米国特許第6,294,582号において開示される。同様に、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよびM3選択的アンタゴニストは、オキシブチニンの誘導体(例えば、デセチルオキシブチニン)であってもその薬学的に受容可能な塩であってもよい。デセチルオキシブチニンのR−光学異性体およびS−光学異性体のラセミ混合物が、本発明の処方物および方法において使用され得る。あるいは、デセチルオキシブチニンのR−光学異性体もしくはS−光学異性体(それぞれS−光学異性体もしくはR−光学異性体を実質的に非含有である)が、本発明の処方物および方法において使用され得る。オキシブチニンの第四級アンモニウム誘導体および喘息、慢性閉塞性肺疾患、アレルギー性鼻炎もしくは感染性鼻炎の処置のためのその使用の方法は、国際公開第04/039763号において開示される。
【0089】
本発明はまた、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよび/もしくはM3選択的アンタゴニストと組み合わせた抗ヒスタミン剤を、提供する。ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよび/もしくはM3選択的アンタゴニストと共に使用するための1種の好ましい抗ヒスタミン剤は、デスロラタジンであり、これは、Schering Corporation,Kenilworth,NJによる商標Clarinex(登録商標)の下で入手可能である。この化合物は、Querciaら,Hosp Formul,28:137−53(1993)、米国特許第4,659,716号、および国際公開第96/20708号において記載される。うっ血の処置のためのデスロラタジンの使用は、米国特許第6,432,972号において開示される。デスロラタジンは、Hヒスタミンレセプタータンパク質のアンタゴニストである。Hレセプターは、従来の抗ヒスタミン剤によって拮抗される応答を媒介するレセプターである。Hレセプターは、例えば、ヒトおよび他の哺乳動物の回腸、皮膚および気管支平滑筋に存在する。本発明の組成物の単位投薬形態(当業者に公知であるような単回投薬形態もしくは分割投薬形態)において使用され得るデスロラタジンの量は、約1.25mg〜約45mg、また約1.25mg〜約20mg、また約5〜約10mgの範囲内であり得る。好ましくは、この投薬量は、1.25mg、2.5mg、5.0mg、10.0mg、もしくは20.0mgである。より好ましくは、この投薬量は、5.0mgである。
【0090】
ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよび/もしくはM3選択的アンタゴニストと共に使用するための別の抗ヒスタミン剤は、ロラタジンであり、これは、商標Claritin(登録商標)の下で、Schering Corporation,Kenilworth,NJから入手可能である。ロラタジン(米国特許第4,282,233号において開示される)は、ゆっくりと放出される強力な三環系抗ヒスタミン剤であり、末梢Hレセプター活性の選択的アンタゴニストを含む。
【0091】
ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよび/もしくはM3選択的アンタゴニストと共に使用するための別の抗ヒスタミン剤は、フェキソフェナジンであり、これは、商標Allegra(登録商標)の下でAventis,Strasbourg,Franceから入手可能である。フェキソフェナジンは、米国特許第5,578,610号において記載される。好ましくは、薬学的に受容可能な塩は、塩酸フェキソフェナジンである。本発明の組成物の単位投薬形態(当業者に公知であるような単回投薬形態もしくは分割投薬形態)中で使用され得るフェキソフェナジンの量は、約30mg〜200mg、また約30mg〜約180mgの範囲内であり得る(例えば、約30mg、約60mg、約120mg、約180mg)。
【0092】
ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよび/もしくはM3選択的アンタゴニストと共に使用するための別の抗ヒスタミン剤は、セチリジンであり、これは、商標ZYRTEC(登録商標)の下でPfizer Inc.、New York、NYから入手可能である。塩酸セチリジンは、以下の実験式を有するラセミ化合物である:C2125ClN・2HCl。塩酸セチリジンは、白色の、水溶性の結晶性粉末である。米国特許第6,258,814号は、セチリジンおよびセチリジンの睡眠補助剤としての使用を開示する。本発明の組成物の単位投薬形態(当業者に公知であるような単回投薬形態もしくは分割投薬形態)において使用され得るセチリジンの量は、約1mg〜40mg、また約2.5mg〜約10mgの範囲内であり得る(例えば、約5mg)。セチリジンの左旋異性体もまた、本発明の処方物中でムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよび/もしくはM3選択的アンタゴニストと組み合わせられ得る。米国特許第6,319,927号は、レボセチリジンを睡眠補助剤として使用する方法を開示する。
【0093】
さらに、本発明の処方物に有用な他の抗ヒスタミン剤としては、アザタジン、アゼラスチン、アクリバスチン、ブロムフェニラミン、クロルフェニラミン、クレマスチン、シクリジン、カレバスチン、シプロヘプタジン、カルビノキサミン、ドキシラミン、ジメチンデン、エバスチン、エピナスチン、エフェレチリジン、ヒドロキシジン、ケトチフェン、レボカバスチン、ミゾラスチン、メキタジン、ミアンセリン、ノベラスチン、メクリジン、ノルアステミゾール、ピクマスト、ピリラミン、プロメタジン、トリペレナミン、テメラスチン、トリメプラジン、およびトリプロリジンアステミゾールが挙げられる。好ましくは、本発明の組成物の単位投薬形態(当業者に公知であるような単回投薬形態もしくは分割投薬形態)において使用され得るノルアステミゾールの量は、約10mgまたはそれ以上である。
【0094】
本発明は、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよび/もしくはM3選択的アンタゴニストと組み合わせたうっ血除去剤を、提供する。好ましくは、このうっ血除去剤は、経口用もしくは鼻用のうっ血除去剤である。本発明に有用な鼻用うっ血除去剤の例としては、交感神経刺激アミンの鼻用うっ血除去剤である。米国において使用が認可されているこのような鼻用うっ血除去剤としては、レブメタンフェタミン(1-デスオキシエフェドリンとしても知られる)、エフェドリン、塩酸エフェドリン、硫酸エフェドリン、塩酸ナファゾリン、塩酸オキシメタゾリン、塩酸フェニレフリン、プロピルヘキセドリン、および塩酸キシロメタゾリンが挙げられる。本発明において使用するための経口用うっ血除去剤としては、フェニルプロパノールアミン、フェニレフリン、およびプソイドエフェドリンが挙げられる。プソイドエフェドリンおよび薬学的に受容可能な酸付加塩(例えば、HClもしくはHSOの塩)は、鼻のうっ血を処置するために安全な治療剤であると当業者によって認識されている交感神経刺激薬であり、一般的に、アレルギー性鼻炎に関連する鼻のうっ血の処置のために、抗ヒスタミン剤と同時に経口投与される。鼻用うっ血除去剤としてのプソイドエフェドリンの本発明における使用は、好ましくは、1日に1回〜4回投与される、約120mgの硫酸プソイドエフェドリンの量である。しかし、より少ない量の硫酸プソイドエフェドリンが、選択的ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよび/もしくはM3選択的アンタゴニストと組み合わせて使用され得る。
【0095】
本発明はまた、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよび/もしくはM3選択的アンタゴニストと組み合わせたコルチコステロイドを、提供する。本発明において使用するためのコルチコステロイドとしては、デキサメタゾン、ブトキシコルト(butoxicort)、ロフレポニド(rofleponide)、ブデソニド(budesonide)、デフラザコルト(deflazacort)、シクレソナイド(ciclesonide)、フルチカゾン(fluticasone)、ベクロメタゾン、ロテプレドノール(loteprednol)、モメタゾン(mometasone)、ベタメタゾン(betametasone)、もしくはトリアムシノロンが挙げられる。例えば、このコルチコステロイドがフルチカゾンである場合、毎日、各外鼻孔に各々50μgの2スプレーのプロピオン酸フルチカゾンの用量が投与され得る。あるいは、投与され得るフルチカゾンの用量は、1日1回、各外鼻孔に50μgの1スプレーのプロピオン酸フルチカゾンである。このコルチコステロイドがトリアムシノロンである場合、投与され得るトリアムシノロンの用量は、1日1回、各外鼻孔に1日あたり220μg(2スプレー)である。あるいは、1日1回、各外鼻孔に1日あたり110μg(1スプレー)である。このコルチコステロイドがブデソニドである場合、ブデソニドの投与用量は、1日1回、各外鼻孔に32μg(1スプレー)として1日あたり64μg投与され得る。
【0096】
特に好ましいステロイドは、モメタゾンフロエート(mometasone furcate)である。モメタゾンフロエートは、コルチコステロイド応答性皮膚病の炎症および/もしくは掻痒性の徴候を処置するための、局所的皮膚用用途について認可されているコルチコステロイドである。この化合物は、米国特許第4,472,393号、同第4,731,447号、同第4,873,335号および同第6,127,353号(これら全てはその全体が本明細書中で参考として援用される)において開示される手順にしたがって調製され得る。モメタゾンフロエートは、すぐに生物学的に利用可能ではない局所的に活性なステロイドである。これは、Nasonex(登録商標)の名称の下で鼻内投与のためのスプレーとして市販されている。気道通路および肺の疾患の処置のためのモメタゾンフロエートの使用は、米国特許第6,677,323号、同第6,677,322号、同第6,365,581号、同第6,187,765号、同第6,068,832号、同第6,057,307号、同第5,889,015号、同第5,837,699号、および同第5,474,759号(これら全てはその全体が本明細書中で参考として援用される)において開示される。アレルギー性鼻炎、非アレルギー性鼻炎および/または上気道経路もしくは下気道経路の炎症性疾患の処置のために、実質的に全身的に生物学的利用可能ではない量のモメタゾンフロエート(水性懸濁剤もしくは乾燥粉末として投与され得る)は、単回用量もしくは分割用量で、約10μg/日〜約5000μg/日、約10μg/日〜約4000μg/日、約10μg/日〜約2000μg/日、約25μg/日〜約1000μg/日、約25μg/日〜約400μg/日、約25μg/日〜約200μg/日、約25μg/日〜約100μg/日、もしくは約25μg/日〜約50μg/日の範囲内である。
【0097】
本発明はまた、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよび/もしくはM3選択的アンタゴニストと組み合わせた去痰剤を提供する。アンブロキソールは、ブロムヘキシン代謝物であり、トランス−4(2−アミノ−3,5−ジブロモベンジル,アミン)塩酸シクロヘキサンとして化学的に同定され、これは、去痰剤として、もしくは肺のサーファクタントを刺激する因子として、20年間より長い間広く使用されている。この化合物は、米国特許第3,536,712号に記載される。グアイフェネシン(guaiafenesin)は、技術的名称が3−(2−メトキシフェノキシ)−1,2−プロパンジオールである去痰剤である。この化合物は、米国特許第4,390,732号に記載される。抱水テルピンは、技術的名称が4−ヒドロキシ−α,α,4−トリメチルクロロヘキサン−メタノールである去痰剤である。グアヤコールスルホネートカリウム(potassium guaicolsulfonate)は、技術的名称が4−ヒドロキシ−3−メトキシベンゼンスルホン酸一カリウムと混合した3−ヒドロキシ−4−メトキシベンゼンスルホン酸である去痰剤である。これらの組み合わせは、以下に記載するように経口投与され得る。
【0098】
本発明はまた、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよび/もしくはM3選択的アンタゴニストと組み合わせた口腔咽頭の不快感を軽減する組成物を提供する。口腔咽頭の不快感(咽喉炎、風邪もしくはアフタ、歯肉の疼痛、および他の状態)を軽減する組成物としては、フェノール、ヘキシルレゾルシノール、サリチルアルコール、ベンジルアルコール、ジクロニン、ジブカイン、ベンゾカイン、ブチカイン、塩化セチルピリジニウム、ジペリドン、丁子油、メントール、ショウノウおよびオイゲノールなどのような局所麻酔剤が挙げられる。同様に、不快感を軽減するための皮膚への塗布のために組み込まれ得る薬物としては、リドカイン、ベンゾカイン、テトラカイン、ジブカイン、プラモキシン、ジフェンヒドラミンおよびベンジルアルコールなどが挙げられる。
【0099】
本発明はまた、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよび/もしくはM3選択的アンタゴニストと組み合わせたP2Yレセプターアゴニストを、提供する。ジカフォソル四ナトリウム(diquafosol tetrasodium)は、眼の表面上および瞼の内層(inner lining)上のレセプターを活性化して、水、塩、ムチンおよび脂質(天然の涙の主成分)の放出を刺激する、P2Yレセプターアゴニストである。ムチンは、特化した細胞内で製造され、そして表面を潤滑するように作用する。眼内の脂質は、油性の物質であり、涙液膜の最外層を形成し、かつ過度の涙液の蒸発の防止を担う。前臨床試験において、報告によると、ジカフォソルは、天然の涙成分の分泌を増大した。ジカフォソルは、Inspire Pharmaceuticals,Inc.,Durham,NCから入手可能である。P2Yレセプターアゴニストは、慢性気管支炎および膵嚢胞性線維症を含む種々の状態の処置のために開発されている化合物の新規なクラスである。他の粘液溶解剤としては、N−アセチルシステインおよび内因性リガンド化合物UTPが挙げられ得る。これらの組成物は、以下で記載するように、当業者に公知である量で、経口投与または鼻投与のいずれかで投与され得る。
【0100】
本発明はまた、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよび/もしくはM3選択的アンタゴニストと組み合わせた非ステロイド性抗炎症性(「NSAID」)薬剤を提供する。適切なNSAIDとしては、アセチルサリチル酸、アセトアミノフェン、インドメタシン、ジクロフェナク、ピロキシカム、テノキシカム、イブプロフェン、ナプロキセン、ケトプロフェン、ナブメトン、ケトロラク、アザプロパゾン、メフェナム酸、トルフェナム酸、スリンダク、ジフルニサル、チアプロフェン酸、ポドフィロトキシン誘導体、アセメタシン、アセクロフェナク、ドロキシカム(droxicam)、オキサプロジン、フロクタフェニン、フェニルブタゾン、プログルメタシン、フルルビプロフェン、トルメチンおよびフェンブフェンが挙げられる。これらの組成物は、以下で記載するように、当業者に公知である量で、経口投与または鼻投与のいずれかで投与され得る。
【0101】
本発明はまた、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよび/もしくはM3選択的アンタゴニストと組み合わされたロイコトリエンアンタゴニストを提供する。適切なロイコトリエンDアンタゴニストとしては、ジロートン(zileuton)、ドセベノン(docebenone)、ピリポスト(piripost)、ICI−D2318、MK−591、MK−886、1−(((R)−(3−(2−(6,7−ジフルオロ−2−キノリニル)エチニル)フェニル)−3−(2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)チオ)メチル)シクロプロパン−酢酸ナトリウム;1−(((1(R)−(3−(2−(2,3−ジクロロチエノ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−(E)−エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)チオ)−メチル)シクロプロパン酢酸、プランルカスト、ザフィルルカスト、およびモンテルカストが挙げられる。これらの組成物は、以下で記載するように、当業者に公知である量で、経口投与または鼻投与のいずれかで投与され得る。
【0102】
モンテルカストは、システイニルロイコトリエンに対してレセプターを拮抗し得るロイコトリエンDアンタゴニストであり、欧州特許第0480717号に記載される。モンテルカストの好ましい薬学的に受容可能な塩は、一ナトリウム塩であり、モンテルカストナトリウムとしても知られる。本発明の単位投薬形態(当業者に公知であるような単回投薬形態もしくは分割投薬形態)において使用され得るモンテルカストの量は、約1mg〜100mg、また約5mg〜約20mgの範囲であり得、好ましくは約10mgである。
【0103】
化合物1−(((R)−(3−(2−(6,7−ジフルオロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)チオ)メチルシクロプロパン酢酸は、国際公開第97/28797号および米国特許第5,270,324号に記載されるロイコトリエンアンタゴニストである。この化合物の薬学的に受容可能な塩は、ナトリウム塩であり、1−(((R)−(3−(2−(6,7−ジフルオロ−2−キノリニル)エテニル)フェニル)−3−(2−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)フェニル)チオ)−メチルシクロプロパン酢酸ナトリウムとしても知られる。
【0104】
化合物1−(((1(R)−3(3−(2−(2,3−ジクロロチエノ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−(E)−エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)−チオ)メチル)シクロプロパン酢酸は、国際公開第97/28797号および米国特許第5,472,964号に記載されるロイコトリエンアンタゴニストである。この化合物の薬学的に受容可能な塩は、ナトリウム塩であり、1−(((1(R)−3(3−(2−(2,3−ジクロロチエノ[3,2−b]ピリジン−5−イル)−(E)−エテニル)フェニル)−3−(2−(1−ヒドロキシ−1−メチルエチル)フェニル)プロピル)−チオ)メチル)シクロプロパン酢酸ナトリウムとしても知られる。
【0105】
プランルカストは、国際公開第97/28797号および欧州特許第0173516号に記載されるロイコトリエンアンタゴニストである。この化合物の技術的名称は、N−[4−オキソ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−4H−1−ベンゾピラン−8−イル]−p−(4−フェニルブトキシ)ベンズアミドである。本発明の単位投薬形態(当業者に公知であるような単回投薬形態もしくは分割投薬形態)において使用され得るプランルカストの量は、約100mg〜約700mg、好ましくは約112mg〜約675mg;また約225mg〜約450mg;また約225mg〜約300mgの範囲であり得る。
【0106】
ザフィルルカストは、国際公開第97/28797号および欧州特許第0199543号に記載されるロイコトリエンアンタゴニストである。この化合物の技術的名称は、シクロペンチル−3−[2−メトキシ−4−[(o−トリルスルホニル)カルバモイル]ベンジル]−1−メチルインドール−5−カルバメートである。
【0107】
化合物[2−[[2−(4−tert−ブチル−2−チアゾリル)−5−ベンゾフラニル]オキシメチル]フェニル]酢酸は、ロイコトリエンアンタゴニストおよび/もしくはロイコトリエンインヒビターであり、その調製のための方法は、米国特許第5,296,495号および日本国特許第08325265 A号に記載される。この化合物の別名は2−[[[2−[4−(1、1−ジメチルエチル)−2−チアゾリル]−5−ベンゾフラニル]オキシ]メチル]−ベンゼン酢酸である。この化合物のコード番号は、FK011もしくはFR150011である。この化合物は、C2423NOSの分子式および421.52の分子量を有する。
【0108】
本発明はまた、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよび/もしくはM3選択的アンタゴニストと組み合わせたsykキナーゼインヒビターを提供する。sykキナーゼインヒビターとしてはR112が挙げられ、これは、Rigel Pharmaceuticals、Inc.から入手可能である。近年の研究は、偽薬の20%を超えるR112についての相対的改善(偽薬を超える9%の絶対差)および基線測定値(薬物開始前)からのR112の38%の改善を示すことを報告した。特に、慢性的な鼻のうっ血(chronic nasal congestion)(例えば、鼻詰まり)は、R112について偽薬よりも改善したことを報告した。
【0109】
本発明はまた、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよび/もしくはM3選択的アンタゴニストと組み合わせた5−リポキシゲナーゼインヒビターを提供する。5−リポキシゲナーゼインヒビターとしては、5−リポキシゲナーゼの酵素活性を阻害するか、抑制するか、遅延させるかまたはこれと他の相互作用をする任意の薬剤もしくは化合物が挙げられ、例えば、限定しないが、ジロートン、ドセベノン、ピリポストなどである。さらに、5−リポキシゲナーゼインヒビターとしては、5−リポキシゲナーゼを活性化するタンパク質の作用もしくは活性を阻害するか、抑制するか、遅延させるかまたはこれと他の相互作用をする任意の薬剤もしくは化合物が挙げられ、例えば、限定しないが、MK−591およびMK−886である。
【0110】
当業者には明らかである通り、本発明の処方物は、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよび/もしくはM3選択的アンタゴニストを、本明細書中に示される1種以上の薬学的に活性な薬剤と組み合わせて含有し得る。例えば、この処方物は、言及されている疾患(例えば、粘液糖タンパク質の産生に関連した呼吸器障害、皮膚障害、もしくはアレルギー性結膜炎)の処置のために、ムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよび/もしくはM3選択的アンタゴニストを、デスロラタジンおよび/もしくはプソイドエフェドリンと組み合わせて含有し得る。
【0111】
本発明の処方物は、特定の測定した量で、エアロゾル(溶液もしくは懸濁液)の形態で投与され得る。このエアロゾルは、測定され、実質的に全身的には生物学的に利用可能でない量のそのエアロゾル化薬学的組成物を提供するために有用であることが見出されているデバイスを用いて、経口吸入もしくは鼻内吸入によって経口気道経路および肺への送達のために送達され得る。このようなデバイスとしては、加圧された定量噴霧式吸入器(「MDI」)が挙げられ、これは、界面活性剤および適切な架橋剤を含有するかもしくは含有しないクロロフルオロカーボン噴霧剤(例えば、CFC−11、CFC−12)または非クロロフルオロカーボン噴霧剤もしくは代替の噴霧剤(例えば、フルオロカーボン類、HFC−134AもしくはHFC−227)の中に懸濁されたエアロゾル化粒子を送達する。
【0112】
本発明の処方物はまた、特定の測定した量で、ポンプスプレーボトルの使用による水性懸濁液の形態で投与され得る。このようなスプレーボトルとしては、NASONEX(登録商標)Nasal Sprayを送達するために使用されるポンプスプレーボトル、およびSchering Corporation Industrial寄託意匠第DM/026304号(ヘーグ同盟によって1993年1月1日に登録されている)に開示されるポンプスプレーボトルが挙げられる(各々、Schering Corporationから入手可能である)。
【0113】
本発明の処方物はまた、乾燥粉末吸入器(Dry Powder Inhaler)を介しても投与され得る。このような吸入器としては、Schering’s Twisthaler、Diskhaler(Allen & Hanburys)、Accuhaler(Allen & Hanburys)、Diskus(Glaxo)、Spiros(Dura)、Easyhaler(Orion)、Cyclohaler(Pharmachemie)、Cyclovent(Pharmachemie)、Rotahaler(Glaxo)、Spinhaler(Fisons)、FlowCaps(Hovione)、Turbospin(PH & T)、Turbohaler(Astra)、EZ Breath(Norton Healthcare/IVAX)、MIAT−HALER(Miat)、Pulvinal(Chiesi)、Ultrahaler(Fisons/Rhone Poulenc Rorer)、MAG−Haler(GGU)、Prohaler(Valois)、Taifun(Leiras)、JAGO DPI(JAGO)、およびM L Laboratories’DPI(M L Laboratories)が挙げられる。
【0114】
経口投薬形態調製物のために、薬学的に受容可能なキャリア(希釈剤、賦形剤、もしくはキャリア材料を含む)もまた、処方物中に存在し得る。このキャリアは、意図される投与の形態に関連して適切に選択され得る。これらの投与の形態は、すなわち、経口錠剤、カプセル剤(固体充填、半固体充填、もしくは液体充填のいずれか)、構成のための粉末、経口ゲル、経口摂取可能なフィルム、エリキシル剤、シロップ剤、懸濁剤などであり、従来の薬務と合致する。例えば、経口投与のために錠剤もしくはカプセル剤の形態で、薬剤は、任意の経口の非毒性の薬学的に受容可能な不活性キャリアと組み合わされ得、これらのキャリアは、例えば、ラクトース、デンプン、スクロース、セルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、マンニトール、エチルアルコール(液体形態)などである。さらに、所望される場合もしくは必要とされる場合、適切な結合剤、滑沢剤、崩壊剤、殺菌剤および着色剤もまた、この混合物中に組み込まれ得る。適切な結合剤としては、デンプン、ゼラチン、天然の糖類、トウモロコシ甘味剤、天然ゴムおよび合成ゴム(例えばアラビアゴム)、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコールおよびろうが挙げられる。適切な滑沢剤としては、ホウ酸、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが挙げられる。適切な崩壊剤としては、デンプン、メチルセルロース、グアールガムなどが挙げられる。適切な殺菌剤としては、塩化ベンザルコニウムなどが挙げられる。甘味剤および香料添加剤ならびに保存剤もまた、適切な場合に含有され得る。
【0115】
さらに、本発明の処方物は、任意の1種以上の成分もしくは薬剤の速度制御された放出を提供して治療効果を最適化するために、徐放形態で処方され得る。徐放のための適切な投薬形態としては、錠剤形態に成形されている層状の錠剤(例えば、崩壊速度の異なる層もしくは薬剤を含浸する制御放出ポリマーマトリックスを含む)、またはこのような含浸多孔性ポリマーマトリックスもしくはカプセル化した多孔性ポリマーマトリックスを含むカプセル剤が挙げられる。
【0116】
錠剤を調製するための従来の方法は、公知である。このような方法としては、直接圧縮および締め固めによって製造される顆粒の圧縮、湿潤方法、または他の特異的手順が挙げられる。
【0117】
眼用組成物のために、本発明の組成物は、種々の形態を取り得る。例えば、これらは、水性ゲルもしくは液剤であってもよく、または軟膏であってもよい。好ましい実施形態において、この組成物は、ローションもしくは流動可能な軟膏ベース(例えば、ワセリン、鉱物油など)の中に懸濁された水性液滴中の活性成分を有する油中水型エマルジョンである。さらなるエモリエント成分(例えば、ミリスチン酸イソプロピル)もまた、添加され得る。このようなローションもしくは軟膏は、結膜および角膜を、活性成分を保有しかつ鼻涙管を通る、より長い排液を提供する、薄いフィルムで覆う。このフィルムはまた、角膜基質からの水を蒸散によって失うことに対する障壁を提供する。
【0118】
言及されている疾患(例えば、粘液糖タンパク質の産生に関連した呼吸器障害、皮膚障害もしくはアレルギー性結膜炎)の処置の方法において投与される、上記のムスカリン性アセチルコリンレセプターサブタイプM1選択的アンタゴニストおよび/もしくはM3選択的アンタゴニストと1種以上の薬学的に活性な薬剤とは、同時に投与されてもよく、または連続的に(すなわち、適切な順番でのこの成分の連続的な投与により)投与されてもよい。
【0119】
本明細書中で開示される処方物は、鎮静性であっても鎮静性でなくてもよい。1つの実施形態において、本明細書中で開示される処方物は、鎮静性である。代替の実施形態において、本明細書中で開示される処方物は、鎮静性ではないか、または僅かに鎮静性である。
【0120】
下気道の障害について、患者における重症度は、客観的肺機能試験によって定量され得る。この試験は、1秒間の患者の強制呼気容量(FEV)の測定を包含する。この結果が予測値(患者の年齢および大きさを考慮に入れる式を用いて決定される)の約65〜79%である場合、気道閉塞は、軽度であるとみなされる。予測値の約50〜64%のFEV値について、気道閉塞は、中程度であると分類される。この値が予測値の50%未満である場合、気道閉塞は、重度であるとみなされる。そしてこの値が予測値の30%未満である場合、非常に重度であるとみなされる。この試験は、比較的単純かつ安価な装置を用い、したがって、診断のために、ならびに処置の間の肺障害および気道障害の進行をモニタリングするために、広範に使用される。
【0121】
上気道の障害について、また、症状における改善を測定するための目的パラメータが存在する。効力指標研究は、効力試験における、総症状スコア(Total Symptom Score)、鼻の総症状スコア(Total Nasal Symptom Score)、鼻以外の総症状スコア(Total Non−nasal Symptom Score)、個体の症状スコア(Individual Symptom Score)、および生活の健康の質(HQOL)分析を含み得る。本発明の組成物は、総症状スコア(鼻漏(rhinorrhea)、後鼻漏(post−nasal drip)、くしゃみ、うっ血/鼻詰まり、鼻の痒み、眼の痒み/眼の灼熱感、流涙、眼の赤み、および耳/口蓋の痒みについての個体のスコアの合計)の低下について試験され得る。この研究において分析され得る重要な効力指標は、AM NOW総症状スコアである。このパラメータは、翌日の用量を摂取する24時間前の後の、患者による総症状緩和を測定する。
【0122】
本発明の組成物は、季節性ならびに通年性のアレルギー性鼻炎(鼻のうっ血を含む)の、鼻症状(鼻詰まり/うっ血、鼻漏、後鼻漏、鼻の痒み、くしゃみ)および鼻以外の症状(眼の痒み/眼の灼熱感、流涙/涙目、目の赤み、耳/口蓋の痒み)の処置および予防を必要とする患者における、このような処置および予防のために、特に有用であり得る。
【実施例】
【0123】
これは、季節性アレルギー性鼻炎(SAR)および後鼻漏を有する少なくとも18歳の被験体における、デスロラタジン(DL)の、第II相の無作為、二重盲検、偽薬コントロール、二重ダミーかつ多施設の、用量測定(dose−ranging)試験である。被験体を、以下の5種類の処置肢のうちの1種に無作為に割り当てた:DL 2.5mg、1日2回;オキシブチニン(Oxy) 5mg、1日2回;DL 2.5mg+Oxy 2.5mg、1日2回同時に投与;DL 2.5mg+Oxy 5mg、1日2回同時に投与;または1:1:1:1:1比の偽薬。登録した全ての標的は500体であり、各肢につき100体であった。この研究を、7日間の治療期間から構成した。
【0124】
一次効力変数は、7日間の処置期間にわたる、AM/PM PRIOR平均後鼻漏スコアにおける基線からの変化であった。この分析は、処置および施設に起因する偏差の原因を抽出する、主作用分散分析(ANOVA)に基づいた。主目的は、後鼻漏の低下におけるDL 2.5mg+Oxy 5mgの効果を、DL単独および偽薬と比較して推定することである。二つ一組の処置比較を、0.05の未修正両側αレベルにおける処置差の95%信頼区間を用いて試験した。
【0125】
試験の順番は、以下の通りであった:DL 2.5mg+Oxy 5mg(1日2回)対DL、およびDL 2.5mg+Oxy 5mg(1日2回)対偽薬、その後にDL 2.5mg+Oxy 2.5mg(1日2回)対DLおよびDL 2.5mg+Oxy 2.5mg(1日2回)対偽薬。
【0126】
後鼻漏の試験の後、主要な二次効力変数である前鼻漏を、同様に試験した。
【0127】
一次効力変数についての施設にわたる結果の一貫性の予備評価を、ANOVAモデル(処置、施設および処置と施設との相互作用(treatment−by−center interaction)に起因する偏差の原因を抽出する)を用いて行った。分析に含めるために、施設は、後鼻漏評価の各処置群において少なくとも2人の患者を有さなければならなかった。
【0128】
研究に無作為化して割り当てた540人の被験体が存在した。無論、106人の被験体は、DL 2.5mg(1日2回)群であった;108人、108人、111人および107人は、Oxy 5mg(1日2回)群、DL 2.5mg+Oxy 2.5mg(1日2回)群、DL 2.5mg+Oxy 5mg(1日2回)群および偽薬群にそれぞれ入った。以下の表は、分析下位集団における被験体の数のまとめを提供する。
【0129】
【表1】

540人の無作為に割り当てた被験体のうち、384人(71.11%)は女性であり、156人(28.89%)は男性であった;421人(77.96%)は白人、119人(22.04%)は非白人であった。被験体の年齢は、18歳〜76歳の範囲であった。
【0130】
効力評価可能な下位集団からの38人の被験体を除外した。これらの被験体の多くを、不十分な効力データに起因して除外した。評価能力(evaluability)の決定を、データベースを盲検からはずす(unblinding)前に行った。プロトコールにおける特定した処置期間は7日間であったが、被験体の約70%は、最終来所が8日目に計画されていたので、AM 8日目の日程をも完了した。したがって、AM 8日目のデータを、1週間平均の計算に含めた。
【0131】
全体で、14人(2.6%)の被験体のみが、処置段階を中断した。彼らのほとんどが、Oxy 5mg(1日2回)群(5.56%)に生じ、一方で、他の4処置群(DL 2.5mg、DL 2.5mg+Oxy 2.5mg、DL 2.5mg+Oxy 5mg、および偽薬)は、それぞれ1.89%、0.93%、1.80%および2.80%の中断率を有した。有害事象に起因する中断(6人、1.11%)が、処置群にわたる中断の最も一般的な理由であった。
【0132】
一次効力変数は、7日間の処置期間にわたる、AM/PM平均後鼻漏スコアにおける基線からの変化であった。
【0133】
基線後鼻漏スコアは、処置群に渡って比較可能であり、DL 2.5mg+Oxy 2.5mg(1日2回)処置における2.60から偽薬における2.66までの範囲であった。最小二乗平均変化は、DL 2.5mg(1日2回)、Oxy 5mg(1日2回)、DL 2.5mg+Oxy 2.5mg(1日2回)、DL 2.5mg+Oxy 5mg(1日2回)および偽薬においてそれぞれ、−0.68(−24.8%)、−0.49(−17.8%)、−0.60(−22.2%)、−0.63(−23.8%)、および−0.57(−20.7%)であった。
【0134】
DL 2.5mg+Oxy 5mg(1日2回)とDLのみとの間の処置の差は、DLのみの方が0.05ポイント高かった。さらに、この組み合わせと偽薬との間の差は、0.06ポイントであり、そしてプロトコールにおいて特定された標的差(0.24ポイント)の4分の1しかないことを示した。DL 2.5mg+Oxy 5mg(1日2回)とDLのみとの間の差についての95%信頼区間は、−0.21と0.10との間であった。評価可能な被験体に基づく確証的分析は、全ての無作為化した被験体に基づく一次結果と一致していた。
【0135】
完全モデル分散分析における処置対施設相互作用のわずかな証拠(p=0.13)が存在した。このことは、上記の結果は、施設間で異なり得ることを示す。さらなる調査の結果、この相互作用の証拠は、Oxy 5mg(1日2回)処置群および偽薬処置群に起因し得る。
【0136】
Oxy 5mg(1日2回)処置は、基線から−0.49低下した最小二乗平均を示した。これは、偽薬の応答よりも低かった。
【0137】
また、主要な二次効力変数である前鼻漏を、試験した。DL 2.5mg+Oxy 5mgの組み合わせは、対偽薬について0.19ポイント、および対DLのみについて0.16ポイントの処置差を示した。DL 2.5mg+Oxy 2.5mg(1日2回)の低用量の組み合わせは、偽薬よりも平均0.14ポイント高く、そしてDLのみよりも平均0.11ポイント高いことを示した。しかし、偽薬と個々の成分DLのみおよびOxyのみとの間の差は、それぞれ0.03のみおよび0.04のみであった。
【0138】
後鼻漏を除く総症状スコアについての結果は、DLのみと偽薬との間の0.71ポイントの処置差を実証した。このことは、SARを有する被験体におけるDLの以前の研究からの結果と類似しており、本研究におけるDLの活性を確認するものである。
【0139】
任意の緊急の処置有害事象を報告する被験体の割合(%)は、全体で22.78%(123/540被験体)であった。無論、17人の被験体(16.0%)がDL 2.5mg群に存在し、33人(30.6%)、22人(20.4%)、36人(32.4%)および15人(14.0%)の被験体が、それぞれOxy 5mg(1日2回)群、DL 2.5mg+Oxy 2.5mg(1日2回)群、DL 2.5mg+Oxy 5mg(1日2回)群、および偽薬群に存在した。口内乾燥は、最も一般的な有害事象であり、49人(9.07%)の被験体が、5つの処置群にわたって存在した。Oxy 5mg(1日2回)群に、口内乾燥を報告している15人の被験体が存在し(13.9%)、そしてDL 2.5mg+Oxy 5mg群に、この事象を報告している19人の被験体が存在した(17.1%)。DL 2.5mg+Oxy 2.5mgの低用量の組み合わせ(1日2回)の群は、口内乾燥を報告している8人の被験体を有した(7.4%)。これらの割合は、DL単独(4人の被験体、3.8%)の方が偽薬(3人の被験体、2.8%)よりも高い。
【0140】
口内乾燥を除き、5つの処置群にわたって類似の有害事象プロフィールが見られた。
【0141】
後鼻漏の処置におけるDL 2.5mg+Oxy 5mg(1日2回)と偽薬もしくはDLのみとの間の差は、それぞれ0.06および0.05であり、標的差である0.24ポイントに近づかなかった。95%信頼区間の下限(−0.21および−0.20)は、標的処置差に近づく可能性(possibility)を与えるが、真の処置差が0.17である場合、このような差(0.06および0.05)を観察する確率(probability)は低い。
【0142】
しかし、前鼻漏(主要な二次指標)について、DL 2.5mg+Oxy 5mg(1日2回)と偽薬もしくはDLのみとの間の差は、0.17ポイントの最小有意差の近くかもしくはこれより上であった。Oxyを含む3つの処置群の口内乾燥の発生率は、DLのみもしくは偽薬と比べて高く、オキシブチニンの有害事象プロフィールと一致していた。
【0143】
本発明は、本明細書中に記載される特定の実施形態によって範囲を限定されない。実際、本明細書中に記載の改変に加えて、本発明の種々の改変が、上記の説明から当業者に理解される。このような改変は、添付の特許請求の範囲の内に含まれる。本明細書中で引用した種々の刊行物の開示は、その全体が参考として援用される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オキシブチニンもしくはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量を、デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量との組み合わせで含有する処方物。
【請求項2】
前記オキシブチニンの薬学的に受容可能な塩は、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、およびp−トルエンスルホン酸からなる群より選択される薬学的に受容可能な酸付加塩から調製される、請求項1に記載の処方物。
【請求項3】
前記オキシブチニンの薬学的に受容可能な塩は、塩化オキシブチニンである、請求項1に記載の処方物。
【請求項4】
前記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約0.1mg〜約1gの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である、請求項1に記載の処方物。
【請求項5】
前記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1mg〜約1gの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である、請求項1に記載の処方物。
【請求項6】
前記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約25mg〜約700mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である、請求項1に記載の処方物。
【請求項7】
前記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約0.1mg〜約100mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である、請求項1に記載の処方物。
【請求項8】
前記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg〜約30mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である、請求項1に記載の処方物。
【請求項9】
前記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg、約2.5mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、または約30mgで毎日投与される単位投薬形態である、請求項1に記載の処方物。
【請求項10】
前記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、約4mg、約4.5mg、または約5mgであり、かつ1日2回、1日3回、または1日4回投与される単位投薬形態である、請求項1に記載の処方物。
【請求項11】
前記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約2.5mgであり、かつ1日2回投与される単位投薬形態である、請求項1に記載の処方物。
【請求項12】
前記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約5mgであり、かつ1日2回投与される単位投薬形態である、請求項1に記載の処方物。
【請求項13】
前記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg〜約45mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である、請求項1に記載の処方物。
【請求項14】
前記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg〜約20mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である、請求項1に記載の処方物。
【請求項15】
前記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約5mg〜約10mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である、請求項1に記載の処方物。
【請求項16】
前記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg、約2.5mg、約5.0mg、約7.5mg、約10.0mg、約12.5mg、約15mg、17.5mg、または約20.0mgで毎日投与される単位投薬形態である、請求項1に記載の処方物。
【請求項17】
前記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mgで毎日投与される単位投薬形態である、請求項1に記載の処方物。
【請求項18】
前記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約2.5mgで毎日投与される単位投薬形態である、請求項1に記載の処方物。
【請求項19】
前記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約5.0mgで毎日投与される単位投薬形態である、請求項1に記載の処方物。
【請求項20】
前記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約10.0mgで毎日投与される単位投薬形態である、請求項1に記載の処方物。
【請求項21】
前記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約20.0mgで毎日投与される単位投薬形態である、請求項1に記載の処方物。
【請求項22】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤をさらに含有する、請求項1に記載の処方物。
【請求項23】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、別の抗ヒスタミン剤である、請求項22に記載の処方物。
【請求項24】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、うっ血除去剤である、請求項22に記載の処方物。
【請求項25】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、コルチコステロイドである、請求項22に記載の処方物。
【請求項26】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、去痰剤である、請求項22に記載の処方物。
【請求項27】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、口腔咽頭の不快感を軽減するための組成物である、請求項22に記載の処方物。
【請求項28】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、P2Yレセプターアンタゴニストである、請求項22に記載の処方物。
【請求項29】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、非ステロイド性抗炎症剤である、請求項22に記載の処方物。
【請求項30】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、ロイコトリエンアンタゴニストである、請求項22に記載の処方物。
【請求項31】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、sykキナーゼインヒビターである、請求項22に記載の処方物。
【請求項32】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、5−リポキシゲナーゼインヒビターである、請求項22に記載の処方物。
【請求項33】
粘液糖タンパク質の産生に関連した呼吸器障害を罹患する患者において、該粘液糖タンパク質の産生に関連した呼吸器障害を処置するための方法であって、オキシブチニンもしくはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量を、デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量と組み合わせて投与する工程を包含する、方法。
【請求項34】
前記オキシブチニンの薬学的に受容可能な塩は、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、およびp−トルエンスルホン酸からなる群より選択される薬学的に受容可能な酸付加塩から調製される、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記オキシブチニンの薬学的に受容可能な塩は、塩化オキシブチニンである、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
前記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約0.1mg〜約1gの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
前記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1mg〜約1gの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
前記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約25mg〜約700mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
前記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約0.1mg〜約100mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である、請求項33に記載の方法。
【請求項40】
前記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg〜約30mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である、請求項33に記載の方法。
【請求項41】
前記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、約4mg、約4.5mg、または約5mgで毎日投与される単位投薬形態である、請求項33に記載の方法。
【請求項42】
前記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg、約2.5mg、約3mg、約3.5mg、約4mg、約4.5mg、または約5mgであり、かつ1日2回、1日3回、または1日4回投与される単位投薬形態である、請求項33に記載の方法。
【請求項43】
前記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約2.5mgであり、かつ1日2回投与される単位投薬形態である、請求項33に記載の方法。
【請求項44】
前記オキシブチニンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約5mgであり、かつ1日2回投与される単位投薬形態である、請求項33に記載の方法。
【請求項45】
前記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg〜約45mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である、請求項33に記載の方法。
【請求項46】
前記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg〜約20mgで毎日投与される単位投薬形態である、請求項33に記載の方法。
【請求項47】
前記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約5mg〜約10mgの範囲内で毎日投与される単位投薬形態である、請求項33に記載の方法。
【請求項48】
前記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mg、約2.5mg、約5.0mg、約7.5mg、約10.0mg、約12.5mg、約15mg、17.5mg、または約20.0mgで毎日投与される単位投薬形態である、請求項33に記載の方法。
【請求項49】
前記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約1.25mgで毎日投与される単位投薬形態である、請求項33に記載の方法。
【請求項50】
前記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約2.5mgで毎日投与される単位投薬形態である、請求項33に記載の方法。
【請求項51】
前記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約5.0mgで毎日投与される単位投薬形態である、請求項33に記載の方法。
【請求項52】
前記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約10.0mgで毎日投与される単位投薬形態である、請求項33に記載の方法。
【請求項53】
前記デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量は、約20.0mgで毎日投与される単位投薬形態である、請求項33に記載の方法。
【請求項54】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤を投与する工程をさらに包含する、請求項33に記載の方法。
【請求項55】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、別の抗ヒスタミン剤である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、うっ血除去剤である、請求項54に記載の方法。
【請求項57】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、コルチコステロイドである、請求項54に記載の方法。
【請求項58】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、去痰剤である、請求項54に記載の方法。
【請求項59】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、口腔咽頭の不快感を軽減するための組成物である、請求項54に記載の方法。
【請求項60】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、P2Yレセプターアンタゴニストである、請求項54に記載の方法。
【請求項61】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、非ステロイド性抗炎症剤である、請求項54に記載の方法。
【請求項62】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、ロイコトリエンアンタゴニストである、請求項54に記載の方法。
【請求項63】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、sykキナーゼインヒビターである、請求項54に記載の方法。
【請求項64】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、5−リポキシゲナーゼインヒビターである、請求項54に記載の方法。
【請求項65】
皮膚障害を罹患する患者において、該皮膚障害を処置するための方法であって、オキシブチニンもしくはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量を、デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量と組み合わせて投与する工程を包含する、方法。
【請求項66】
アレルギー性結膜炎を罹患する患者において、該アレルギー性結膜炎を処置するための方法であって、オキシブチニンもしくはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量を、デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量と組み合わせて投与する工程を包含する、方法。
【請求項67】
前鼻漏の処置のための処方物であって、オキシブチニンもしくはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量を、デスロラタジンまたはその薬学的に受容可能な塩の治療有効量と組み合わせて含有する、処方物。
【請求項68】
第2のさらなる薬学的に活性な薬剤をさらに含有する、請求項67に記載の処方物。
【請求項69】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、別の抗ヒスタミン剤である、請求項68に記載の処方物。
【請求項70】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、うっ血除去剤である、請求項68に記載の処方物。
【請求項71】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、コルチコステロイドである、請求項68に記載の処方物。
【請求項72】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、去痰剤である、請求項68に記載の処方物。
【請求項73】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、口腔咽頭の不快感を軽減するための組成物である、請求項68に記載の処方物。
【請求項74】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、P2Yレセプターアンタゴニストである、請求項68に記載の処方物。
【請求項75】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、非ステロイド性抗炎症剤である、請求項68に記載の処方物。
【請求項76】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、ロイコトリエンアンタゴニストである、請求項68に記載の処方物。
【請求項77】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、sykキナーゼインヒビターである、請求項68に記載の処方物。
【請求項78】
1種以上のさらなる薬学的に活性な薬剤は、5−リポキシゲナーゼインヒビターである、請求項68に記載の処方物。
【請求項79】
M1レセプター選択的アンタゴニストまたはM3レセプター選択的アンタゴニスト、および1種以上の薬学的に活性な薬剤からなる群より選択される少なくとも1種の薬学的に活性な薬剤を含有する処方物であって、該1種以上の薬学的に活性な薬剤は、コルチコステロイド、去痰剤、口腔咽頭の不快感を軽減するための組成物、P2Yレセプターアンタゴニスト、非ステロイド性抗炎症剤、ロイコトリエンアンタゴニスト、sykキナーゼインヒビター、または5−リポキシゲナーゼインヒビターである、処方物。
【請求項80】
前記M1レセプター選択的アンタゴニストまたは前記M3レセプター選択的アンタゴニストは、臭化グリコピロニウム、テレンゼピン、ピレンゼピン、オキシブチニン、デスエチルオキシブチレン、ヒンバシン、AQ−RA 741、ダリフェナシン、ヘキサヒドロシラ−ジフェニドール、p−フルオロヘキサヒドロ−シラ−ジフェニドール(p−F−HHSiD)、4−ジフェニルアセトキシ−N−メチルピペリジン(4−DAMP)メチオジド、もしくは4−DAMPメトブロミド、またはこれらの薬剤のいずれかの薬学的に受容可能な塩、あるいはこれらの薬剤の1種以上の組み合わせからなる群より選択される、請求項79に記載の処方物。
【請求項81】
請求項79に記載の処方物を使用する方法。
【請求項82】
請求項80に記載の処方物を使用する方法。

【公表番号】特表2008−517938(P2008−517938A)
【公表日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−538135(P2007−538135)
【出願日】平成17年10月24日(2005.10.24)
【国際出願番号】PCT/US2005/038208
【国際公開番号】WO2006/047427
【国際公開日】平成18年5月4日(2006.5.4)
【出願人】(596129215)シェーリング コーポレイション (785)
【氏名又は名称原語表記】Schering Corporation
【Fターム(参考)】