説明

回路構成体および電気接続箱

【課題】回路構成体を小型化する。
【解決手段】本発明の回路構成体30は、コネクタハウジング51を有し、回路基板40の実装面41に実装された基板用コネクタ50と、電源に直結された電源端子83を有し、この電源端子83を通じて各種電装品に電力を供給するパワー通電部(バスバー基板80等)と、各種電装品に対する通電状態と非通電状態の切替を行う半導体スイッチング素子82と、半導体スイッチング素子82の切替の制御を行う制御部(制御基板90、制御部品92等)とを備え、パワー通電部および制御部は、コネクタハウジング51の外面に実装されている構成としたところに特徴を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回路構成体および電気接続箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、共通の電源から各種電装品に電力を分配する機能を有するモジュールとして電気接続箱が用いられており、例えば下記特許文献1に記載の電気接続箱が知られている。この電気接続箱は、回路基板の両側に複数のコネクタが並んで配置された構成とされている。この回路基板は、電源に接続されたパワー通電部、このパワー通電部に実装されたスイッチング素子、このスイッチング素子を制御する制御部などを備えて構成されている。この制御部は、各種電装品に通電可能な所定の電流値を超えた場合に、スイッチング素子に制御信号を送信して電装品への通電を遮断するように制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−164039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、パワー通電部は電源に直結された電源端子を備えており、この電源端子を通じて比較的大きな電流が流れるため、電流が流れるバスバーの断面積をできるだけ大きくし、発熱を抑えるための工夫が施されている。ここで、断面積を稼ぐ方法としては、バスバーの板厚を厚くする方法と、バスバーの回路幅を広くする方法とが考えられる。しかしながら、バスバーの回路幅を広くすると、回路基板の面積が大きくなるため、回路構成体が大型化してしまう。また、上記の電気接続箱では、バスバーの一部を折り曲げることによりコネクタ端子を形成しており、コネクタ端子の板厚を自由に変更することはできないため、バスバーの板厚を厚くする方法は採り得ず、結局のところ回路構成体が大型化してしまう。
【0005】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、回路構成体を小型化することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の回路構成体は、コネクタハウジングを有し、回路基板の実装面に実装されたコネクタと、電源に直結された電源端子を有し、この電源端子を通じて各種電装品に電力を供給するパワー通電部と、各種電装品に対する通電状態と非通電状態の切替を行うスイッチング素子と、スイッチング素子の切替の制御を行う制御部とを備え、パワー通電部および制御部は、コネクタハウジングの外面に実装されている構成としたところに特徴を有する。
このような構成によると、パワー通電部および制御部を回路基板に設けなくてよく、回路基板を小さくできるため、回路構成体を小型化できる。
【0007】
本発明の実施の態様として、以下の構成が好ましい。
コネクタハウジングの外面は、回路基板の実装面とほぼ平行に配置された平行面を含んで構成され、この平行面に、パワー通電部および制御部が実装されている構成としてもよい。
このような構成によると、パワー通電部および制御部を回路基板に投影させた投影面が、コネクタを回路基板に投影させた投影面と重複するため、回路基板の実装面に沿う平面方向において回路構成体をさらに小型化できる。
【0008】
平行面は、回路基板に近い側の平行面と、回路基板から離れた側の平行面とを含み、この回路基板から離れた側の平行面に、パワー通電部および制御部が実装されている構成としてもよい。
このような構成によると、コネクタを回路基板の実装面に近づけて配置できるため、コネクタと回路基板の実装面とを接続する端子の長さを短くできる。
【0009】
制御部は、制御基板と、この制御基板の実装面に実装された制御部品とを備えて構成され、制御部品が実装された状態の制御基板をコネクタハウジングの外面に実装する構成としてもよい。
このような構成によると、予め制御基板の実装面に制御部品を実装しておき、実装済の制御基板をコネクタハウジングの外面に実装することができる。
【0010】
パワー通電部は、電源端子を有するバスバー基板を備えて構成され、スイッチング素子が実装された状態のバスバー基板をコネクタハウジングの外面に実装する構成としてもよい。
このような構成によると、予めバスバー基板の実装面にスイッチング素子を実装しておき、実装済のバスバー基板をコネクタハウジングの外面に実装することができる。
【0011】
コネクタは、各種電装品に電力を供給するソース端子を有しており、このソース端子とベアチップ状態のスイッチング素子とは第1ワイヤで接続されている構成としてもよい。
このような構成によると、ベアチップ状態のスイッチング素子を用いることにより、回路構成体を小型化できる。
【0012】
制御部は、接続ランドを有し、この接続ランドとベアチップ状態のスイッチング素子とは第2ワイヤで接続されている構成としてもよい。
このような構成によると、ベアチップ状態のスイッチング素子を用いることにより、回路構成体を小型化できる。
【0013】
コネクタは、制御部と回路基板とを接続する制御端子を有している構成としてもよい。
このような構成によると、コネクタを回路基板の実装面に実装することによって制御端子を回路基板に接続することができる。
【0014】
また、本発明は、上記の回路構成体と、この回路構成体を収容するケースとを備え、回路基板は、各種電装品の制御を行うECU機能を有する電気接続箱に適用してもよい。
このようにすると、回路構成体にECU機能を取り込むことができるため、回路構成体とは別にECU基板を設ける必要がなく、電気接続箱を小型化できる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、回路構成体を小型化できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】実施形態における電気接続箱を示した断面図
【図2】コネクタハウジングを成形する前の状態を示した断面図
【図3】コネクタハウジングの上面に制御基板とバスバー基板を実装する前の状態を示した断面図
【図4】制御基板とバスバー基板をコネクタハウジングの上面に実装し、ベアチップ状態のスイッチング素子にワイヤボンディングを施した状態を示した断面図
【図5】ワイヤボンディングされたスイッチング素子を封止材料で埋設した状態を示した断面図
【図6】実施形態における回路構成体を示した断面図
【図7】回路構成体の平面図
【図8】回路構成体の背面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
<実施形態>
本発明の実施形態を図1ないし図5の図面を参照しながら説明する。本実施形態における電気接続箱10は、図1に示すように、箱形のケース20、このケース20の内部に収容された回路構成体30などを備えて構成されている。ケース20は、図1の二点鎖線で示すように、回路構成体30を覆いつつ、相手側コネクタとの嵌合部と対応する位置に開口が設けられた構成である。ケース20の具体的構成については開示しないものの、例えば上面開口を有するロアケースと、上面開口を閉止するケースカバーとからなるケース20としてもよい。
【0018】
回路構成体30は、回路基板40の実装面(上面)41に基板用コネクタ50が実装された構成とされている。回路基板40は、ガラスエポキシなどの絶縁材の表面に銅箔を貼り付けた構成とされ、この銅箔をエッチングするなどして回路パターンを形成したものである。回路基板40には、複数のスルーホール42が貫通形成されており、これらのスルーホール42に、後述する第2ソース端子70B、スプライス端子72、信号端子71、制御端子73等が接続されている。
【0019】
基板用コネクタ50は、合成樹脂製のコネクタハウジング51を有しており、コネクタハウジング51の上下両面は、回路基板40の実装面41と平行に配置されている。また、コネクタハウジング51の下面は、回路基板40の実装面41と対向する配置(回路基板40に近い側)とされ、コネクタハウジング51の上面は、回路基板40の実装面41と対面しない配置(回路基板40から離れた側)とされている。基板用コネクタ50を回路基板40に固定する手段としては、例えばコネクタハウジング51の側面に金属板(図示せず)を装着し、この金属板の下端部を側方に曲げることで形成された下面を回路基板40の実装面41に対して半田付けしてもよいし、あるいは、取付ボス60を介して回路基板40に対してボルト止めしてもよい。
【0020】
コネクタハウジング51には、前方に開口する嵌合凹部52が設けられており、この嵌合凹部52の内部に相手側コネクタ(図示せず)が嵌合可能とされている。嵌合凹部52の奥壁53には、複数の端子が前方に突出している。複数の端子は、上から順にソース端子70、スプライス端子72、信号端子71を含んで構成されている。また、コネクタハウジング51には、クランク状をなす制御端子73が上下方向に貫通して設けられている。これらの端子70、71、72、73は全て、コネクタハウジング51と一体に成形されている。
【0021】
ソース端子70は、図8に示すように、各種電装品に電力を供給する第1ソース端子70Aと、回路基板40に電力を供給する第2ソース端子70Bとから構成されている。図1に示すように、第1ソース端子70Aは略門形をなし、その一端が嵌合凹部52の内部に配置されているとともに、その他端がコネクタハウジング51の上面に沿って配置されている。また、第1ソース端子70Aの背面側は、コネクタハウジング51の背面に沿って上下方向に延出されている。このため、ソース端子70の一端は、その背面側から奥壁53を貫通して前方に突出している。第2ソース端子70Bは略L字状をなし、その下端がスルーホール42に接続されている。
【0022】
信号端子71は略L字状をなし、信号端子71の一端が嵌合凹部52の内部に突出して配置されているとともに、信号端子71の他端が奥壁53の下方に突出して回路基板40のスルーホール42に接続されている。この信号端子71は、後述する半導体スイッチング素子82を動作させるための信号端子である。
【0023】
スプライス端子72は、信号端子71と同じ略L字状をなしており、信号端子71よりも一回り大きめに形成されている。スプライス端子72の一端は、嵌合凹部52の内部に突出して配置されているとともに、スプライス端子72の他端は、奥壁53の下方に突出して回路基板40のスルーホール42に接続されている。なお、図示はしないものの、隣り合う基板用コネクタ50のスプライス端子72同士は、回路基板40に形成された回路パターンによって接続されている。
【0024】
制御端子73は略クランク状をなし、その一端が嵌合凹部52の上方に突出して後述する制御基板90に接続されているとともに、その他端が奥壁53の下方に突出して回路基板40のスルーホール42に接続されている。
【0025】
さて、コネクタハウジング51の上面には、図7に示すように、パワー通電部としてのバスバー基板80と、制御部としての制御基板90とが実装されている。バスバー基板80および制御基板90は、いずれもコネクタハウジング51の上面に設けた複数の係止爪54によって固定されている。具体的には、バスバー基板80の長手方向両端にそれぞれ2つの係止爪54が設定され、バスバー基板80の長手方向両端にそれぞれ1つの係止爪54が設定されている。なお、バスバー基板80の下面とコネクタハウジング51の上面との間には、放熱シート(図示せず)が介在されており、バスバー基板80で発生した熱をコネクタハウジング51に効率良く放熱できるようになっている。
【0026】
バスバー基板80は、金属板材からなるバスバーによって構成されている。バスバー基板80の実装面(上面)81には、ベアチップ状態の半導体スイッチング素子82が実装されている。また、バスバー基板80の長手方向一端には、電源(図示せず)に直結された電源端子83が一体に形成されている。バスバー基板80は、電源端子83の周辺部を除くほぼ全体がコネクタハウジング51の上面に載置されている。このため、バスバー基板80を回路基板40の実装面41に投影させた投影面の大部分は、コネクタハウジング51を回路基板40の実装面41に投影させた投影面と重複することになる。これにより、回路基板40の実装面41に沿う平面方向において回路構成体30を小型化できる。
【0027】
一方、制御基板90の実装面(上面)91には、ASICなどの制御部品92が実装されている。また、制御基板90の実装面91におけるバスバー基板80側の端部には、複数の接続ランド93が並んで形成されている。複数の接続ランド93は、回路パターンを通じて制御部品92に接続されている。制御基板90は、コネクタハウジング51の上面の範囲内に載置されている。このため、制御基板90を回路基板40の実装面41に投影させた投影面の全ては、コネクタハウジング51を回路基板40の実装面41に投影させた投影面と重複することになる。これにより、回路基板40の実装面41に沿う平面方向において回路構成体30を小型化できる。
【0028】
半導体スイッチング素子82の上面には、ソースパッド(図示せず)と、ゲートパッド(図示せず)とが形成されており、半導体スイッチング素子82の下面には、ドレインパッド(図示せず)が形成されている。半導体スイッチング素子82は、ドレインパッドがバスバー基板80の実装面81に直接接合された状態で実装されている。また、ソースパッドと第2ソース端子70Bは、第1ワイヤW1で接続されており、ゲートパッドと接続ランド93は、第2ワイヤW2で接続されている。
【0029】
第1ワイヤW1は通電用のボンディングワイヤであって、アルミニウムなどの金属線で構成されている。一方、第2ワイヤW2は信号用のボンディングワイヤであって、アルミニウムなどの金属線で構成されている。第1ワイヤW1の線径は、例えば約400μmとされており、第2ワイヤW2の線径は、例えば約125μmとされている。第2ワイヤW2よりも太い第1ワイヤW1を使用することで、通電用に対応可能となっている。また、一本の第1ワイヤW1で足りない場合には、複数本の第1ワイヤW1を接合することで大電流用途に対応可能である。
【0030】
半導体スイッチング素子82と第1ワイヤW1との接合部、半導体スイッチング素子82と第2ワイヤW2との接合部、および第2ワイヤW2と接続ランド93との接合部は、それぞれ封止材料100によって埋設されている。本来、封止材料100は、ベアチップ状態の半導体スイッチング素子82の表面を保護する保護材料であるものの、本実施形態では各ワイヤW1,W2の接合部を補強するワイヤ保持材として利用している。このように封止材料100をワイヤ保持材に兼用することにより、封止材料100の使用量を減らすとともに、封止作業を一度に行うことができる。
【0031】
次に、回路構成体30の電気的構成について簡単に説明する。電源端子83を通じてバスバー基板80に電力が供給され、半導体スイッチング素子82のドレインパッドに電気が流れる。このとき、制御部品92によって各種電装品に通電可能な所定の電流値を超えたと判断されたときには、半導体スイッチング素子82のゲートパッドに制御部品92から接続ランド93、第2ワイヤW2を通って送られていた制御信号が遮断され、半導体スイッチング素子82が各種電装品に対する電力の供給を遮断し、非通電状態となる。一方、通電可能な所定の電流値以下であると判断されたときには、同様に制御部品92から半導体スイッチング素子82に制御信号が送られ、この制御信号に基づいて半導体スイッチング素子82のソースパッドから第1ワイヤW1を通ってソース端子70に対して電力の供給が行われ、通電状態となる。
【0032】
本実施形態は以上のような構成であって、続いて電気接続箱10の製造方法の一例を説明する。まず、図2に示すように、ソース端子70、信号端子71、スプライス端子72、および制御端子73を成形型にセットし、樹脂成形を行うことにより、図3に示す基板用コネクタ50が得られる。
【0033】
次に、バスバー基板80および制御基板90をコネクタハウジング51の上面に実装するに先立って、バスバー基板80の実装面81に半導体スイッチング素子82を実装し、制御基板90の実装面91に制御部品92を実装しておく。実装済のバスバー基板80の下面に放熱シートを貼り付けた状態とし、コネクタハウジング51の上面に装着すると、複数の係止爪54によってバスバー基板80がコネクタハウジング51の上面に固定される。また、実装済の制御基板90をコネクタハウジング51の上面に装着すると、複数の係止爪54によって制御基板90がコネクタハウジング51の上面に固定される。
【0034】
引き続き、第1ワイヤW1および第2ワイヤW2を用いてワイヤボンディングを行う。図4に示すように、半導体スイッチング素子82のソースパッドとソース端子70とを第1ワイヤW1で接続し、半導体スイッチング素子82のゲートパッドと接続ランド93とを第2ワイヤW2で接続する。そして、図5に示すように、第1ワイヤW1、第2ワイヤW2、および半導体スイッチング素子82の全体を封止材料100で埋設する。
【0035】
次に、基板用コネクタ50を回路基板40の実装面41に実装する。コネクタハウジング51の下面を回路基板40の実装面41に対向状態で配置し、第2ソース端子70B、信号端子71、およびスプライス端子72、および制御端子73を回路基板40のスルーホール42に差し込んで、取付ボス60を介してコネクタハウジング51を回路基板40にボルト止めし、半田付けすることにより接続する。こうして、回路構成体30が完成する。この後、回路構成体30をケース20の内部に収容することで、図1に示す電気接続箱10が完成する。
【0036】
以上のように本実施形態では、コネクタハウジング51の上面にバスバー基板80および制御基板90を実装したから、回路基板40にバスバー基板80と制御基板90を設ける必要がなく、その分だけ回路基板40の面積が小さくなり、回路構成体30を小型化できる。また、回路基板40がECU機能を備える構成としたから、回路基板40とは別にECU基板を設けなくてもよく、電気接続箱10を小型化できる。
【0037】
また、バスバー基板80および制御基板90をコネクタハウジング51の上面に実装したことにより、両基板80,90を回路基板40の実装面41に投影させた投影面の大部分と、コネクタハウジング51を回路基板40の実装面41に投影させた投影面とが重複し、回路基板40の実装面41に沿う平面方向において回路構成体30を小型化できる。また、コネクタハウジング51を回路基板40の実装面41に近づけて配置できるため、第2ソース端子70B、信号端子71、スプライス端子72、および制御端子73の上下寸法を短くできる。
【0038】
また、制御部品92を制御基板90の実装面91に実装した状態とし、この実装済の制御基板90を複数の係止爪54によりコネクタハウジング51の上面に固定できるため、制御基板90をコネクタハウジング51の上面に実装しやすい。また、半導体スイッチング素子82をバスバー基板80の実装面81に実装した状態とし、この実装済のバスバー基板80を複数の係止爪54によりコネクタハウジング51の上面に固定できるため、バスバー基板80をコネクタハウジング51の上面に実装しやすい。
【0039】
また、ベアチップ状態の半導体スイッチング素子82をワイヤボンディングによってソース端子70と接続ランド93に接続しているから、ディスクリート型の半導体スイッチング素子を用いるよりも回路構成体30を小型化できる。
【0040】
また、信号端子71、スプライス端子72、および制御端子73をコネクタハウジング51と一体に成形したから、基板用コネクタ50を回路基板40の実装面41に実装する際に、これらの端子71、72、73を回路基板40に対して一度に実装することができる。また、隣り合う基板用コネクタ50のスプライス端子72同士を回路基板40の回路パターンによって接続したから、別途バスバーなどを用いて接続する必要がなく、回路構成体30を小型化できる。
【0041】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態ではベアチップ状態の半導体スイッチング素子82を用いているものの、本発明によると、ディスクリート型の半導体スイッチング素子を用いてもよい。また、スイッチング素子としてリレーを用いてもよい。
(2)上記実施形態ではバスバー基板80および制御基板90をコネクタハウジング51の上面に実装しているものの、本発明によると、バスバー基板80および制御基板90をコネクタハウジング51の下面あるいは側面に実装してもよい。また、バスバー基板80をコネクタハウジング51の上面に実装し、制御基板90をコネクタハウジング51の側面に実装し、これらの間を第2ワイヤW2で接続してもよい。
【0042】
(3)上記実施形態ではバスバー基板80および制御基板90をコネクタハウジング51の上面に実装しているものの、本発明によると、例えばアディティブ法によりコネクタハウジング51の上面に回路パターンを直接形成し、コネクタハウジング51の上面に半導体スイッチング素子82と制御部品92を直接実装してもよい。
(4)上記実施形態では信号端子71やスプライス端子72をコネクタハウジング51と一体に成形しているものの、本発明によると、これらの端子71、72を圧入によりコネクタハウジング51の奥壁53に装着してもよい。
【0043】
(5)上記実施形態では制御端子73がコネクタハウジング51の内部を通って配設されているものの、本発明によると、制御端子73をコネクタハウジング51の外面に沿って配設してもよい。
(6)上記実施形態では回路基板40にECU機能を持たせているものの、本発明によると、従来通り回路基板40とは別にECU基板を設けてもよい。
【符号の説明】
【0044】
10…電気接続箱
20…ケース
30…回路構成体
40…回路基板
41…実装面
50…基板用コネクタ(コネクタ)
51…コネクタハウジング
70…ソース端子
70A…第1ソース端子
70B…第2ソース端子
71…信号端子
73…制御端子
80…バスバー基板(パワー通電部)
81…実装面
82…半導体スイッチング素子(スイッチング素子)
83…電源端子
90…制御基板(制御部)
91…実装面
92…制御部品(制御部)
93…接続ランド
W1…第1ワイヤ
W2…第2ワイヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタハウジングを有し、回路基板の実装面に実装されたコネクタと、
電源に直結された電源端子を有し、この電源端子を通じて各種電装品に電力を供給するパワー通電部と、
各種電装品に対する通電状態と非通電状態の切替を行うスイッチング素子と、
前記スイッチング素子の切替の制御を行う制御部とを備え、
前記パワー通電部および前記制御部は、前記コネクタハウジングの外面に実装されていることを特徴とする回路構成体。
【請求項2】
前記コネクタハウジングの外面は、前記回路基板の実装面とほぼ平行に配置された平行面を含んで構成され、この平行面に、前記パワー通電部および前記制御部が実装されていることを特徴とする請求項1に記載の回路構成体。
【請求項3】
前記平行面は、前記回路基板に近い側の平行面と、前記回路基板から離れた側の平行面とを含み、この回路基板から離れた側の平行面に、前記パワー通電部および前記制御部が実装されていることを特徴とする請求項2に記載の回路構成体。
【請求項4】
前記制御部は、制御基板と、この制御基板の実装面に実装された制御部品とを備えて構成され、前記制御部品が実装された状態の前記制御基板を前記コネクタハウジングの外面に実装することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の回路構成体。
【請求項5】
前記パワー通電部は、前記電源端子を有するバスバー基板を備えて構成され、前記スイッチング素子が実装された状態の前記バスバー基板を前記コネクタハウジングの外面に実装することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の回路構成体。
【請求項6】
前記コネクタは、各種電装品に電力を供給するソース端子を有しており、このソース端子とベアチップ状態の前記スイッチング素子とは第1ワイヤで接続されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の回路構成体。
【請求項7】
前記制御部は、接続ランドを有し、この接続ランドとベアチップ状態の前記スイッチング素子とは第2ワイヤで接続されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の回路構成体。
【請求項8】
前記コネクタは、前記制御部と前記回路基板とを接続する制御端子を有していることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の回路構成体。
【請求項9】
請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の回路構成体と、
この回路構成体を収容するケースとを備え、
前記回路基板は、各種電装品の制御を行うECU機能を有することを特徴とする電気接続箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−100870(P2011−100870A)
【公開日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−254966(P2009−254966)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】