説明

回路装置

【課題】多数の接続パッドを有する回路素子が実装される薄型の基板を備えると共に、装置全体の剛性が確保された回路装置を提供する。
【解決手段】回路装置10は、基板12と、回路基板12の上面に実装された信号処理用素子16等の回路素子と、回路素子を包囲するように基板12の上面に配置されたケース材14とを主に備えている。更に、基板12の下面に設けられる外部接続バンプ32の一部は、ケース材14の側面部14Bと重なりあう箇所に配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板の上面に複数個の回路素子が実装された回路装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数個の回路素子をモジュール化する1つの方策として、基板の上面に複数個の回路素子を実装し、基板に形成された導電パターンを経由して回路素子同士を接続する構造がある(特許文献1)。
【0003】
図6に示す回路装置100は、基板112と、基板112の上面に実装された半導体装置102と、チップ型素子104とを備えている。そして、半導体装置102とチップ型素子104とは、基板112に形成された配線層を経由して電気的に接続されている。ここで、半導体装置102は、リードフレーム型のパッケージであり、両側面から突出するリードが接続手段として用いられている。
【0004】
また、基板112は、半導体装置102等の回路素子が実装されても、その重みにより変形しない程度の剛性を備えるために、例えば1.0mm以上に厚いものが採用される。更に、回路装置100に所定の電気回路を組み込むために、回路基板112には複数層の配線層が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−167052号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した構造では、多数の接続ピンを備えた半導体素子を実装することが困難である問題があった。
【0007】
具体的には、例えば数百個のパッドを備えた半導体素子をフリップチップの状態で接続する場合は、このパッドと同じピッチで形成された接続パッドを基板112の上面に形成する必要がある。更には、この接続パッドを下層の配線層と接続するビアホールを形成する必要がある。ここで、ビアホールが占有する面積は基板112の厚さに比例する。従って、限られた領域に多数個のビアホールを形成するためには、基板112の厚さを例えば0.4mm程度以下とする必要がある。
【0008】
しかしながら、基板112をこのように薄くすると、基板112の機械的強度が十分ではなく、上面に実装された半導体素子102等の回路素子を基板112で支持することが困難であった。更には、基板112の下面に外部接続端子としてバンプ電極が設けられた場合、基板112の平坦性が損なわれると、バンプ電極による接続が困難と成る問題もあった。
【0009】
本発明は上述した問題点を鑑みて成されたものであり、本発明の主な目的は、多数のパッドを有する回路素子が実装される薄型の基板を備えると共に、装置全体の剛性が確保された回路装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の回路装置は、第1主面と第2主面とを備えた基板と、前記基板の前記第1主面に配置された回路素子と、底面部と側面部とを有し、前記回路素子を包囲するように前記基板の前記第1主面に取り付けられたケース材と、前記基板の前記第2主面に配置された接続バンプと、を備え、前記接続バンプの少なくとも一部は、前記ケース材の前記側面部と重なる位置に配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の回路装置によれば、底面部と側面部とを備えたケース材を基板の上面に取り付け、ケース材の側面部と重なりあう位置の基板の下面に接続バンプを設けている。このようにすることで、接続バンプが配置される領域の基板がケース材の側面部により補強されるので、基板を平坦に保った状態で接続バンプを介して回路装置を実装することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の回路装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の回路装置を示す図であり、(A)は断面図であり、(B)は下面を示す平面図であり、(C)は外部接続バンプが設けられる部分を示す断面図である。
【図3】本発明の回路装置を示す図であり、(A)は信号処理用素子が実装された箇所を部分的に示す断面図であり、(B)はこの箇所の平面図である。
【図4】本発明の回路装置を示す図であり、(A)〜(D)は他の形態の回路装置を示す断面図である。
【図5】本発明の回路装置を示す図であり、(A)は各素子が接続される状態を示す平面図であり、(B)はその比較例を示す平面図である。
【図6】背景技術の回路装置を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1を参照して、本形態の回路装置10の全体的な構成を説明する。
【0014】
回路装置10は、基板12と、回路基板12の上面に実装された信号処理用素子16等の回路素子と、回路素子を包囲するように基板12の上面に配置されたケース材14とを主に備えている。なお、ここではケース材14は基板12の上面から離間した状態で示されているが、実際には基板12の上面周面部にケース材14は固着される。
【0015】
基板12は、樹脂を基材とする絶縁性基板であり、複数層の配線層が形成されている。基板12を構成する基材の材料としては、エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂を採用することができる。基板12の厚みは、例えば400μm以下である。
【0016】
更に、繊維状または粒子状のフィラーが充填された樹脂材料を基板12の基材として採用すると、基板12の機械的強度が向上する。フィラーの材料としてはシリコン酸化物やシリコン窒化物を採用することができる。更には、基板12の基材の熱膨張係数が、基板12に設けられる配線層の熱膨張係数に接近して、温度変化が作用した際の基板12全体の反りが抑制される。
【0017】
基板12の上面には、信号処理用素子16、メモリ18、20、信号処理用素子22、チップ型素子24および発振器26が設けられている。ここでは、これらの素子は半田を溶融させるリフロー工程により面実装されているが、金属細線を介して基板12の配線層と接続されても良い。これらの回路素子は、基板12に設けられた配線層を経由して相互に接続されている。更には、基板12の下面に形成された外部接続バンプとも配線層を経由して接続されている。
【0018】
信号処理用素子16は、音声信号および画像信号を処理するLSIであり、ベアの半導体素子の状態で基板12にフリップチップ実装されている。信号処理用素子16の下面の周面部には数十個から数百個のパッドが配置されており、半田や金から成るバンブ電極を経由して、基板12の上面に配置された接続パッドに接続されている。
【0019】
ここで、信号処理用素子16は必ずしもベアの状態で実装される必要はなく、例えば、半導体基板の下面に設けられた配線層にてバンプ電極が再配置されるWLP(Wafer level Package)の状態で実装されても良い。
【0020】
メモリ18、20は、信号処理用素子16を挟む位置の基板12の上面に配置されている。メモリ18、20は、例えばDDR−SDRAM(Double Data Rate Synchronous Dynamic Random Access Memory)であり、信号処理用素子16で処理される前のデータまたは処理後のデータを保存する機能を有する。
【0021】
メモリ18、20は、半導体チップが樹脂封止されたパッケージの状態であり、下面に設けられた複数のパッドが、半田等の導電性接着材を介して基板12の配線層に接続されている。
【0022】
信号処理用素子22は、装置外部とのデータの入出力を行うためにデータの変換を行うLSIであり、下面に設けられたパッドが接続バンプを経由して基板12の上面に形成された配線と接続されている。ここで、信号処理用素子22は、ベアの状態でフリップチップ実装されても良いし、WLPの状態で実装されても良い。
【0023】
発振器26は、所定の周波数のクロックを発振し、このクロックは信号処理用素子16、22でシステムクロックとして用いられる。
【0024】
チップ型素子24は、例えばチップコンデンサまたはチップ型抵抗であり、両端に配置された2つの電極が半田を介して基板12の配線層に接続される。
【0025】
ケース材14は、厚みが0.2mm〜0.5mm程度の金属を蓋状に成形したものであり、その材料としては例えば洋白が用いられる。ここで、洋白とは、銅、亜鉛およびニッケルを主材料とする合金である。
【0026】
更に、ケース材14は、底面部14Aと側面部14Bから成る。そして、基板12の上面に配置された信号処理用素子16等の回路素子を封止するように、側面部14Bの下端が基板12の上面に固着されている。基板12の表面周辺部には接続用のダミーの配線層が設けられており、この配線層に半田を介して側面部14Bの下端が固着されている。
【0027】
更にまた、ケース材14の側面部14Bを部分的に除去して開口させることにより開口部28が設けられている。このようにすることで、ケース材14および基板12により覆われる内部空間と外部とが連通した状態となる。従って、使用状況下にて信号処理用素子16が発熱することにより、ケース材14の内部の空気が加熱されても、加熱された空気が開口部28を経由して外部に放出されるので、ケース材14の内部の過熱が抑制される。
【0028】
更に本形態では、ケース材14により薄い基板12を補強しているがこの事項は図2を参照して後述する。
【0029】
図2を参照して、回路装置10の構成を更に説明する。図2(A)は、信号処理用素子16が配置される部分の回路装置10の断面図であり、図2(B)は回路装置10を下方から見た図であり、図2(C)は回路装置10を部分的に示す断面図である。
【0030】
図2(A)および図2(B)を参照して、先ず上記したように、基板12の上面には信号処理用素子16、メモリ18、20が実装されており、これらの素子が被覆されるように基板12の上面の大部分はケース材14により被覆されている。また、信号処理用素子16、メモリ18、20は半田から成る接続バンプ30を介して面実装されている。
【0031】
基板12の下面には、半田をボール状に成形した外部接続バンプ32が複数個溶着されている。これらの外部接続バンプ32は、基板12に形成された配線層を経由して、信号処理用素子16等の回路素子と電気的に接続されている。
【0032】
図2(B)を参照して、基板12の周面部付近においては、基板12の外周側辺に沿って矩形環状に外部接続バンプ32が配置されている。ここでは、外部接続バンプ32が3重に矩形環状に配置されているが、4重以上に矩形環状に配置されても良い。この矩形環状に配置される外部接続バンプ32は、電気信号が通過する接続電極として用いられている。
【0033】
基板12の中央部付近には、複数個の外部接続バンプ32がマトリックス状に配置されている。この領域に配置された外部接続バンプ32は電気信号が通過しないものである。この領域の外部接続バンプ32は、信号処理用素子16が動作することにより発生した熱が伝導する経路として機能する。更には、中央部に複数の外部接続バンプ32を配置することにより、周辺部に配置された外部接続バンプ32に作用する熱応力が緩和される効果もある。ここで、これらの外部接続バンプ32は、電気信号が通過する端子として用いられても良い。
【0034】
本形態では、薄い基板12の機械的強度をケース材14により補っており、このことで外部接続バンプ32を安定して接続できる効果が得られる。
【0035】
具体的には、回路装置10をマザーボード等の実装基板に実装する際には、実装基板の上面に基板12を載置し、所定温度に加熱して外部接続バンプ32を溶融させている。即ち、回路装置10は、リフロー工程により実装基板に面実装される。
【0036】
リフロー工程による面実装を行う際には基板12の平坦性が重要である。基板12が平坦な状態を保ったまま実装されれば全ての外部接続バンプ32が所定の位置に接続される。一方、基板12が湾曲状態となると一部の外部接続バンプ32が実装基板から離間してしまう恐れがある。特に本形態の基板12は、厚みが400μm程度の薄型基板であり剛性が低いので、湾曲してしまう恐れが大きい。
【0037】
このために、本形態では、基板12の上面にケース材14を固着している。具体的には、基板12の外周端部付近に、ケース材14の側面部14Bの端部を固着している。このようにすることで、基板12が全体的にケース材14により補強されるので、製造工程の途中段階または使用状況下での基板12の湾曲が抑制される。
【0038】
更に本形態では、図2(C)を参照して、外部接続バンプ32の少なくとも一部はケース材14の側面部14Bと重畳する位置に配置されている。ここでは、最も外部に配置される外部接続バンプ32Aが、ケース材14の側面部14Bと重畳する位置に配置されている。このようにすることにより、外部接続バンプ32Aが配置された部分の基板12の平坦性が確保される。従って、回路装置10をリフロー工程により実装基板に面実装する際に、外部接続バンプ32Aが安定して実装基板側に溶着される。
【0039】
最外周に配置された外部接続バンプ32Aには実装後に比較的大きな熱応力が作用するが、このように安定してリフローを行うことにより、接続後の外部接続バンプ32Aの形状は理想的な柱形状となり、熱応力による外部接続バンプ32Aの破壊が防止される。
【0040】
図2(B)を参照すると、最外周に矩形環状に配置される外部接続バンプ32は、ケース材14の側面部14Bと重なりあう位置に配置されている。このようにすることで、最外周に矩形環状に配置された外部接続バンプ32を、安定してリフロー工程にて接続することが可能となる。
【0041】
図3を参照して、回路装置10の基板12に備えられる配線層の構成を説明する。図3(A)は信号処理用素子16が実装された箇所を部分的に示す断面図であり、図3(B)はこの部分を上方から見た図である。
【0042】
図3(A)を参照して、信号処理用素子16は半導体基板が露出するベアチップの状態で、基板12の上面にフリップチップ実装されている。具体的には、信号処理用素子16の下面に設けられたパッド48が、基板12の上面に設けられた配線パッド52と接続バンプ50を介して接続されている。この接続バンプ50は、半田等の導電性接着材から成る。
【0043】
基板12には、所定の回路を実現するために複数の配線層56、58、60、62、63が積層されている。更に、配線層同士は、ガラスエポキシ等の樹脂からなる絶縁層により絶縁されている。そして、所定箇所にて絶縁層を貫通するビアホール64を経由して、配線層同士は電気的に接続されている。また、最下層の配線層63の一部は配線パッド54を構成している。そして、この配線パッド54の下面には、半田ボールから成る外部接続バンプ32が配置されている。
【0044】
信号処理用素子16には、画像信号および映像信号を処理する複雑な電気回路が組み込まれているため、数百個のパッド48が配置されている。従って、パッド48のピッチL1は、例えば60μm以上70μm以下程度と非常に短くなっている。ここで、ピッチとは、隣り合うパッド48の中心同士が離間する距離である。また、基板12の上面に配置される配線パッド52のピッチも、信号処理用素子16が備えるパッド48のピッチと同様である。
【0045】
図3(B)を参照して、信号処理用素子16の周辺部には、信号処理用素子のパッド48と接続された配線層を下層の配線層と接続するためのビアホール64が設けられている。具体的には、ここでは、信号処理用素子16の周辺部にはパッド48が千鳥状に配置されている。そして、各パッド48と接続された配線部68が信号処理用素子16から周囲に引き出されており、その端部にはランド66が設けられている。更に、このランド66の内部にビアホール64が設けられている。
【0046】
上記したように、信号処理用素子16は数百個のパッド48を有しているので、信号処理用素子16の周囲に、各パッド48に対応してビアホール64を設けるためには、各ビアホール64およびランド66の面積を小さくする必要がある。一例として、ビアホール64の直径は80μm以下であり、ランド66の直径は150μm以下である。
【0047】
ビアホール64は、各配線層間の絶縁層を部分的に除去して貫通孔を設け、メッキ処理によりこの貫通孔に金属等の導電材料を埋め込むことにより形成される。また、直径が80μm程度の細い貫通孔はレーザー加工により形成される。しかしながら、レーザー加工では厚い基板に対して貫通孔を形成することが困難なことから、本形態で用いられる基板12は、厚みが400μm程度の薄いものとなっている。
【0048】
このように、挟ピッチに配置されるパッド48を備えた信号処理用素子16が載置される基板12は極めて薄型であるので、上面に回路素子が実装された基板12の平坦性を確保することが困難となる。本形態では、図1等に示したように、金属板から成形されるケース材14を基板12の上面に固着することにより、基板12の平坦性を確保している。
【0049】
図4を参照して、基板12に採用されるケース材14の形状等を説明する、図4(A)および図4(D)は信号処理用素子16から発生する熱を放熱するための構造を示す図である。
【0050】
図4(A)を参照すると、ここでは、信号処理用素子16の上面と、ケース材14の底面部14Aの内面との間に、熱伝導シート34が配置されている。熱伝導シート34は、フィラーが混入された樹脂材料から成る熱伝導性に優れたシートであり、下面は信号処理用素子16に接触し、上面はケース材14の底面部14Aに接触している。このようにすることで、信号処理用素子16とケース材14とが熱的に結合され、信号処理用素子16が動作することにより発生した熱は、熱伝導シート34およびケース材14を経由して良好に外部に放出される。
【0051】
一方、信号処理用素子16と比較すると動作時の発熱が少ないメモリ18、20は、ケース材14から離間している。このようにすることで、信号処理用素子16から発生した熱がケース材14を経由してメモリ18、20に伝導することが抑制される。
【0052】
図4(B)では、信号処理用素子16が実装される部分のケース材14の底面部14Aを内部に窪ませて凹状部36が形成されている。このようにすることで、凹状部36の下面が信号処理用素子16の上面に直に接触する。従って、信号処理用素子16から発生した熱は、ケース材14を経由して良好に外部に放出される。また、この場合に於いても、メモリ18、20は、ケース材14から離間されている。
【0053】
図4(C)を参照して、更なる他の形態の回路装置10を説明する。ここでは、メモリ18、20の上面も、熱伝導シート34を経由して、ケース材14の底面部14Aに熱的に結合されている。このようにすることで、メモリ18、20が動作することにより発生した熱が、ケース材14を経由して良好に外部に放出され、メモリ18、20の過熱が防止される。
【0054】
図4(D)を参照して、ここでは、ケース材14の底面部14Aに放熱器70が取り付けられている。放熱器70は、アルミニウムや銅などの熱伝導性に優れた金属からなり、下面はケース材14と面的に接触する平坦面であり、上面は表面積を増大させるために異型液状と成っている。このようにすることで、信号処理用素子16等の回路素子から発生した熱が、ケース材14および放熱器70を経由して外部に放出されるので、装置全体の放熱性が更に向上される。
【0055】
図5を参照して、信号処理用素子16が実装される際の方向に関して説明する。図5(A)は信号処理用素子16が平面視で傾斜して配置された状態を示す平面図であり、図5(B)は比較例を示す平面図である。
【0056】
図5(A)を参照して、信号処理用素子16は、メモリ18、20が整列する方向に対してその側辺が傾斜するように配置されている。一般的には、3つの素子を横方向に配置する場合には、それぞれの側辺が平行と成るように配置されるが、ここでは中央部の信号処理用素子16を平面視で45度回転して実装している。
【0057】
この図では、整列する方向が一点鎖線により示されており、メモリ18、20が配置される方向(一点鎖線)と、信号処理用素子16の側辺とがなす角θは例えば45度である。
【0058】
このようにすることで、メモリ18と信号処理用素子16とを接続する配線44と、メモリ20と信号処理用素子16とを接続する配線46との長さの差が短く成る。
【0059】
具体的には、信号処理用素子16が備えるパッドはメモリ18およびメモリ20の何れかと接続される。そして、例えば、信号処理用素子16の一側辺に沿って設けられるパッド40が紙面上にて左側のメモリ18と接続され、この辺と隣接する辺に設けられたパッド41が右側のメモリ20と接続される場合がある。
【0060】
この場合、図5(B)に示すように、一般的な実装方法で、信号処理用素子16をメモリ18、20と同様に実装すると不具合が予想される。即ち、紙面上で左側のメモリ18とパッド40とを接続する配線44の長さL4が、紙面上にて右側のメモリ20とパッド41とを接続する配線46の長さL5よりも長くなる。このようになると、配線長の違いに起因して信号遅延の問題が発生する。
【0061】
本形態では図5(A)に示すように、信号処理用素子16を平面視で45度回転させた状態で実装している。このことにより、配線46と配線44とは長さが若干異なるものの、図5(B)の場合と比較すると、両者の長さの差が短くなっている。結果的に、配線の線長が異なることによる信号遅延等の問題が緩和される。
【符号の説明】
【0062】
10 回路装置
12 基板
14 ケース材
14A 底面部
14B 側面部
16 信号処理用素子
18 メモリ
20 メモリ
22 信号処理用素子
24 チップ型素子
26 発振器
28 開口部
30 接続バンプ
32,32A 外部接続バンプ
34 熱伝導シート
36 凹状部
38 パッド
40 パッド
41 パッド
42 パッド
44 配線
46 配線
48 パッド
50 接続バンプ
52 配線パッド
54 配線パッド
56 配線層
58 配線層
60 配線層
62 配線層
63 配線層
64 ビアホール
66 ランド
68 配線部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面と第2主面とを備えた基板と、
前記基板の前記第1主面に配置された回路素子と、
底面部と側面部とを有し、前記回路素子を包囲するように前記基板の前記第1主面に取り付けられたケース材と、
前記基板の前記第2主面に配置された接続バンプと、を備え、
前記接続バンプの少なくとも一部は、前記ケース材の前記側面部と重なる位置に配置されることを特徴とする回路装置。
【請求項2】
前記ケース材を構成する4つの前記側面部と重畳する位置に、列状に前記接続バンプを設けることを特徴とする請求項1に記載の回路装置。
【請求項3】
前記ケース材の前記側面部に開口部を設けることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の回路装置。
【請求項4】
前記回路素子と前記ケース材の前記底面部との間に熱伝導シートを配置することを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の回路装置。
【請求項5】
前記接続バンプは、前記基板の前記第2主面にマトリックス状に配置されることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の回路装置。
【請求項6】
最外周で矩形環状に配置される前記接続バンプが、前記ケース材の前記側面部と重畳するように配置されることを特徴とする請求項1から請求項5の何れかに記載の回路装置。
【請求項7】
前記回路素子には、フェイスダウンで配置される半導体素子が含まれ、
前記基板の前記第1主面には、前記半導体素子が備えるパッドと同等のピッチで配置される配線パッドが設けられることを特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の回路装置。
【請求項8】
前記半導体素子の周囲の前記基板に、前記配線パッドと接続されるビアホールが配置されることを特徴とする請求項7に記載の回路装置。
【請求項9】
前記回路素子には、第1メモリと、第2メモリと、前記第1メモリと前記第2メモリに挟まれる領域に配置された信号処理用素子とが含まれることを特徴とする請求項1から請求項8の何れかに記載の回路装置。
【請求項10】
前記信号処理用素子を前記ケース材の前記底面部と熱的に結合させ、
前記第1メモリおよび前記第2メモリを、前記ケース材の前記底面部から離間させることを特徴とする請求項9に記載の回路装置。
【請求項11】
前記信号処理用素子は、前記第1メモリおよび前記第2メモリが整列する方向に対して、その側辺が傾斜するように配置されることを特徴とする請求項9または請求項10に記載の回路装置。
【請求項12】
前記信号処理用素子の前記側辺が、前記第1メモリおよび前記第2メモリが整列する方向に対して傾斜する角度は45度であることを特徴とする請求項11に記載の回路装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−249398(P2011−249398A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−118334(P2010−118334)
【出願日】平成22年5月24日(2010.5.24)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【Fターム(参考)】