説明

回転カッターユニット及び充填包装装置

【課題】包装連結帯の連結部に対するミシン目の切り込み処理及び切り離し処理の切換作業を従来よりも短時間で行うことが可能な回転カッターユニット及びそれを用いた充填包装装置を提供する。
【解決手段】刃受けローラ20と刃付きローラ10との間の相対的な回転位相が調整可能に構成されていて、複数の刃受け面23〜28は、それぞれ刃受けローラ20のローラ軸21方向に帯状に延びる平面若しくは多溝面の領域に区画されていて、回転位相の調整によって刃先13が接触する刃受け面23〜28の接触領域が平面及び多溝面のいずれかに切り換え自在に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装体連結帯の連結部を順次挟圧しながら引き込みかつ切り込む回転カッターユニット及びそれを用いた充填包装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フィルムが重ね合わされてその縁部が接合されることにより袋状に形成された包装体(以下、包装体と略す)は、インスタント食品のかやく、調味料等粉末や液体からなる中身を収容する包装体として広く用いられている。
【0003】
こうした包装体を製造する充填包装装置においては、一般的には、以下のようにして包装体が製造される。
【0004】
すなわち、まず、1つの帯状のフィルムが幅方向において折り重ねられ又は2つの帯状のフィルムが重ね合わせられる(重ね処理)。
【0005】
そして、この重ねフィルムが、長手方向の所定間隔において全幅に渡って帯状に接合されてなる連結部が形成される(連結部処理)。これによって、1つの帯状のフィルムが幅方向において折り重ねられる場合には、この連結部間の領域がフィルムの側縁が開口している袋部となる。なお、2つの帯状のフィルムが重ね合わせられる場合には、前記重ねフィルムの一方の側縁においてその側縁に沿って帯状に接合されてなる側縁部が形成されて(側縁部処理)、連結部と側縁部とで区画される領域が、一方の側縁が開口している袋部となる。
【0006】
そして、この開口部から前記連結部と前記側縁部とで区画される領域の内部に中身が充填される(充填処理)。
【0007】
そして、開口部が側縁部処理又は連結部処理によって接合される。これによって、重ねフィルムの間に充填された中身が連結部と側縁部とで封止されてなる包装体が完成するとともに、完成した包装体は包装体が連結部によって連結してなる包装体連結帯を構成している(包装体連結帯製造工程)。
【0008】
そして、包装体連結帯は、必要に応じ、その使用用途に応じてカット処理される。例えば、個々の包装体が包装体連結帯から連結部において切り離されたり、連結部にミシン目が切り込まれた2連あるいは3連の包装体として切り離されたりする。
【0009】
ここで、包装体のカット処理を行うカッターユニットは、ミシン目の切り込み処理及び切り離し処理の2種類の処理に対応可能に構成される必要があり、特許文献1乃至4には、当該2種類の処理の切換の高速化及び構造の簡素化を目的とした技術が提案されている。
【0010】
しかしながら、これら特許文献1乃至4は、受け刃側は静止していて、受け刃に接している連結部に回転する切り刃が切り込む構造である。したがって、切り刃が連結部に切れ込む時間は、連結部が受け刃上に位置する時間に限られることから、連結部の移動速度の高速化には限界があった。つまり、特許文献1第4図、特許文献2図1、特許文献3図3、及び特許文献4図6に示されるようないわゆる縦型充填包装装置の充填包装速度は毎分60個程度が高速化の限界であった。
【0011】
一方で、特許文献5乃至7それぞれの図1に示されるようなロータリー型充填包装装置は充填包装速度が毎分200個程度と高速であり、特許文献1乃至4に示されるようなカッターユニットでは追従が困難であり、特許文献5乃至7それぞれの図3に示されるような刃付きローラを用いた回転カッターユニットが一般的に用いられている。すなわち、回転カッターユニットは、受け刃側も連結部の移動に同期して回転移動することによって、受け刃上の連結部に切れ刃が切れ込む時間をより長く確保することができるので、ロータリー型充填包装装置に好適である。
【特許文献1】実開平3−45809号公報
【特許文献2】特開平6−171623号公報
【特許文献3】特開2000−62735号公報
【特許文献4】特開2001−72024号公報
【特許文献5】特開2000−355303号公報
【特許文献6】特開2001−225809号公報
【特許文献7】特開2004−359385号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ここで、刃付きローラを用いる場合における、ミシン目の切り込み処理及び切り離し処理の切換作業は、例えば特許文献6段落[0023]に記述されているように、ミシン目の切り込み用の刃と、切り離し用の刃とを付け換える作業が一般的であった。
【0013】
しかし、刃の付け換え作業は作業員の作業負担を増やすと共に、付け換え後の刃先位置の調整作業も要することから短くても数十分程度の時間を要し、生産効率の低下につながっていた。
【0014】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、包装連結帯の連結部に対するミシン目の切り込み処理及び切り離し処理の切換作業を従来よりも短時間で行うことが可能な回転カッターユニット及びそれを用いた充填包装装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、第1の本発明の回転カッターユニットは、ローラ軸の延伸方向に沿って帯状に延びる刃受け面が該ローラ軸の周方向に等間隔に並んでローラ面が構成されている刃受けローラと、ローラ軸の延伸方向に沿って延びる刃先が該ローラ軸の周方向に等間隔に並んでローラ面が構成され、かつ前記刃受け面と前記刃先とが接触するように並列された刃付きローラと、を有し、前記刃受けローラ及び前記刃付きローラがそれぞれ相反する方向に回転することによって、前記刃受け面と前記刃先との間に包装体連結帯の連結部を順次引き込みながら該連結部を切り込む回転カッターユニットであって、
前記刃受けローラと前記刃付きローラとの間の相対的な回転位相が調整可能に構成されていて、
前記複数の刃受け面は、それぞれ前記刃受けローラのローラ軸方向に帯状に延びる平面若しくは多溝面の領域に区画されていて、
前記回転位相の調整によって前記刃先が接触する前記刃受け面の接触領域が平面及び多溝面のいずれかに切り換え自在に構成されている。このように構成すると、包装体の切り離し形態を切り換える際に刃先の交換作業を要さないので、包装連結帯の連結部に対するミシン目の切り込み処理及び切り離し処理の切換作業を従来よりも短時間で行うことができる。ここで、多溝面とは、平面に複数の溝がローラ軸の延伸方向と交差する方向に、かつ相互に平行に延びて形成されている面をいう。
【0016】
第2の本発明の回転カッターユニットは、前記刃受けローラのローラ軸周りに装着された刃受け側ギアと、前記刃付きローラのローラ軸周りに装着され、かつ前記刃受けギアと噛み合う刃側ギアと、を有し、
前記刃受けローラと前記刃受け側ギアとの装着構造における前記刃受けローラのローラ軸周りの前記刃受け側ギアの装着位相、及び前記刃付きローラと前記刃側ギアとの装着構造における前記刃付きローラのローラ軸周りの前記刃側ギアの装着位相の少なくともいずれかを調整可能に構成されているとよい。このように構成すると、刃受けローラのローラ軸周りの刃受け側ギアの装着位相の調整、あるいは刃付きローラのローラ軸周りの刃側ギアの装着位相の調整によって、より容易に刃受けローラと刃付きローラとの回転位相の調整を行うことができる。
【0017】
第3の本発明の回転カッターユニットは、前記刃受けローラのローラ軸に形成された標識と前記刃受け側ギアに形成された標識との符合、及び前記刃付けローラのローラ軸に形成された標識と前記刃側ギアに形成された標識との符合の少なくともいずれかによって、
前記刃受けローラと前記刃受け側ギアとの装着構造における前記刃受けローラのローラ軸周りの前記刃受け側ギアの装着位相の選択、及び前記刃付きローラと前記刃側ギアとの装着構造における前記刃付きローラのローラ軸周りの前記刃側ギアの装着位相の選択の少なくともいずれかが可能に構成されているとよい。このように構成すると、標識同士の符合によって、より容易に刃受けローラと刃付きローラとの間の相対的な回転位相を調整することが可能となる。
【0018】
第4の本発明の回転カッターユニットは、前記刃受け面の数が偶数であって、全ての前記刃受け面の前記接触領域が平面となる第1回転位相と、隣り合う前記刃受け面の前記接触領域が平面と多溝面とになる第2回転位相とが選択可能に構成されているとよい。このように構成すると、単包の包装体の切り出し行程と2連の包装体の切り出し行程との切り換えに刃先の交換作業を要さないので、従来よりも短時間で行うことができる。
【0019】
第5の本発明の回転カッターユニットは、前記刃受け面の数が3の倍数であって、全ての前記刃受け面の前記接触領域が平面となる第1回転位相と、連続する3つの前記刃受け面において前記接触領域が1つの平面に2つの多溝面が連続する第2回転位相とが選択可能に構成されているとよい。このように構成すると、単包の包装体の切り出し行程と3連の包装体の切り出し行程との切り換えに刃先の交換作業を要さないので、従来よりも短時間で行うことができる。
【0020】
第6の本発明の回転カッターユニットは、前記刃受け面の数が6の倍数であって、全ての前記刃受け面の前記接触領域が平面となる第1回転位相と、隣り合う前記刃受け面の前記接触領域が平面と多溝面とになる第2回転位相と、連続する3つの前記刃受け面において前記接触領域が1つの平面に2つの多溝面が連続する第3回転位相とが選択可能に構成されているとよい。このように構成すると、単包の包装体の切り出し行程、2連の包装体の切り出し行程、及び3連の包装体の切り出し行程の切り換えを行うことができるので、より多くの包装体の切り離し形態に対応することができる。
【0021】
第7の本発明の回転カッターユニットは、前記刃付きローラの前記刃先の数と前記刃受けローラの前記刃受け面の数との差が1であるとよい。このように構成すると、刃付きロールが1回転毎に刃先が接触する刃受け面が1つずつずれるので、刃先は全ての刃受け面に均等に接触することとなる。したがって、全ての刃先の損耗を均等にすることができるので、本発明の回転カッターユニットの刃先の交換頻度をより低減させることが可能となる。
【0022】
第8の本発明の充填包装装置は、1つの帯状のフィルムが幅方向において折り重ねられ又は2つの帯状のフィルムが重ね合わせられてなる重ねフィルムを構成する重ね処理と、前記重ねフィルムの長手方向の所定間隔において全幅に渡って帯状に接合されてなる連結部を形成する連結部処理と、前記重ねフィルムの少なくとも一方の側縁においてその側縁に沿って帯状に接合されてなる側縁部を形成する側縁部処理と、前記連結部と前記側縁部とで区画される領域の内部に中身を充填する充填処理と、によって、前記重ねフィルムの間に充填された中身が前記連結部と前記側縁部とで封止されてなる包装体が前記連結部によって連結してなる包装体連結帯が製造される、製造ユニットと、
前記製造ユニットの下流側に配設された、請求項1に記載の回転カッターユニットと、を有する。このように構成すると、包装体の切り離し形態を切り換える際に刃先の交換作業を要さないので、包装連結帯の連結部に対するミシン目の切り込み処理及び切り離し処理の切換作業を従来よりも短時間で行うことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明の回転カッターユニットは、包装連結帯の連結部に対するミシン目の切り込み処理及び切り離し処理の切換作業を従来よりも短時間で行うことができるという効果を奏する。また、本発明の充填包装装置は、包装連結帯の連結部に対するミシン目の切り込み処理及び切り離し処理の切換作業を従来よりも短時間で行うことができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照しながら説明する。
(第1実施形態)
まず、本実施形態の充填包装装置200の構成を説明する。
【0025】
図1は、本発明の第1実施形態の充填包装装置の構成例を模式的に示す上面図である。図2は、図1のII矢視図である。図3は、図1のIII矢視図である。図4は、図1のIV矢視図である。
【0026】
図1において、充填包装装置200は、包装体連結帯PCの流通方向において、包装体連結帯製造ユニットの下流側に回転カッターユニット7が構成されている。
【0027】
包装体連結帯製造ユニットは内周シールバー1A及び外周シールバー1Bと、充填シュート2と、分量マス3と、ガイドローラ4と、熱溶着装置5と、回転ドラム8とが配設されていて、図3に示すように、フィルムFから連結部PAによって包装体Pが連結されている包装体連結帯PCが製造される。
【0028】
回転カッターユニット7によって、図4に示すように、連結部PAにミシン目101が形成された3連の包装体Pが切り離される。
【0029】
ここで、フィルムFは、樹脂フィルム、樹脂フィルムと金属箔とが積層された複合フィルム等で構成されている。したがって、後述する熱溶着は可能である。
【0030】
ここで配設されている装置類の構造を説明する。
【0031】
回転ドラム8は円筒状に形成され、回転軸が上下方向に延びかつ円周面が水平面内を回転移動するように配設されている。そして、回転ドラム8の円周面には、フィルムFが、その側方、即ち幅方向の両縁が重なるようにして折り重ねられ、折り目を下、その両縁が上となるようにして巻回されている。
【0032】
内周シールバー1Aは、回転ドラム8の周壁内側に上下方向に延在して複数配置されていて、回転ドラム8と共に回転移動する。また、内周シールバー1A同士の間隔と連結部PA同士の間隔とは略同等である。
【0033】
外周シールバー1Bは、内周シールバー1Aと対になって配設されていて、図において、シール開始地点SSからシール完了地点SEまでの回転区間において、内周シールバー1Aと対向するように位置する。また、図示しないが、シール開始地点SSからシール完了地点SEまでの回転区間以外の回転区間においては、下方に退避しながら回転している。
【0034】
内周シールバー1Aと外周シールバー1Bとは、図において、回転ドラム8のシール開始地点SSからシール完了地点SEまでの回転区間において、折り重ねられたフィルムFの主面を挟みながら回転ドラム8の周面上を回転移動する。これによって、内周シールバー1A及び外周シールバー1Bは、回転ドラム8の周面上を回転移動するフィルムFを挟み込んで、フィルムFをその全幅に渡って長手方向の所定間隔毎に帯状に熱溶着して、連結部PAを形成する。連結部PAは、隣接する包装体P間の境目をシールして、連結部PA間で区画された領域に袋部が形成される。また、フィルムFは、内周シールバー1Aと外周シールバー1Bとに挟圧され、回転ドラム8の回転動作によって牽引される。
【0035】
充填シュート2は、隣接する内周シールバー1Aの間の上方に1つずつ配設されていて、内周シールバー1Aと同調してドラム8の円周面に沿って回転移動する。そして、図3に示すように、その下端が折り重ねられているフィルムFの間に入り込む。これによって、分量マス3から放出される中身は包装体連結帯PCの包装体P内に案内される。
【0036】
分量マス3は、平面視において回転ドラム8の周壁に内接する円周上に内周シールバー1Aと略同等の間隔となるようにして複数配置されていて円周上を回転移動する。そして、分量マス3は、図において、充填開始地点FS及び充填完了地点FEまでの回転区間において、隣接する内周シールバー1Aの間に位置しながら回転ドラム8の上方を並行する。これによって、分量マス3内の中身が充填シュート2を介して包装体P内に充填される。
【0037】
ガイドローラ4は、包装体連結体PCの流通方向において回転ドラム8の下流側であって、かつ回転ドラム8のシール完了地点SEの外側近傍に配設されている。これによって、中身が充填された包装体連結帯PCが熱溶着装置5に案内される。
【0038】
熱溶着装置5は、包装体連結体PCの流通方向においてガイドローラ4の下流側に配設されている。熱溶着装置5は、それぞれ一対の予熱バー5A及びダイローラ5Bを有して構成されている。そして、フィルムFの側方両縁が重なって形成されている側縁部を予熱バー5A及びダイローラ5Bが順次挟み込むようにして配設されている。これによって、フィルムFの側縁近傍が熱溶着されて、包装体Pの帯状の側縁部PFが形成される(図4参照)。なお、ダイローラ5Bは、図示しない回転駆動装置によって、回転ドラム8の回転動作と同調して、包装体連結帯PCを引き込むようにして相互に反対方向に回転される。
【0039】
回転カッターユニット7は、刃付きローラ10及び刃受けローラ20との間に包装体連結体PCを挟み込むようにして配設されている。
【0040】
ここで、本発明の特徴である回転カッターユニット7を説明する。
【0041】
図5は、本発明の第1実施形態の回転カッターユニットの構成例を模式的に示す斜視図である。
【0042】
図5に示すように、回転カッターユニット7は、刃受けローラ20及び刃付きローラ10が並列して構成されている。
【0043】
刃受けローラ20は、ローラ軸21の延伸方向に沿って帯状に延びる6つの刃受け面23,24,25,26,27,28が周方向に等間隔に並んでローラ面が構成されている。
【0044】
刃付きローラ10は、ローラ軸11から放射状に延び、かつローラ軸11の延伸方向に沿って延びる5枚の切り刃13の刃先が周方向に等間隔に並んでローラ面が構成されている。
【0045】
また刃付きローラ10と刃受けローラ20とは、刃受け面23,24,25,26,27,28と切り刃13の刃先とがローラ接線Gにおいて接触するように並列されている。刃受けローラ20及び刃付きローラ10がそれぞれ相反する方向に回転することによって、刃受け面23,24,25,26,27,28と切り刃13の刃先との間に包装体連結帯PCの連結部PAを順次引き込みながら連結部PAに切り込むことができる。
【0046】
ここで、刃受け面23,24,25,26,27,28は、刃受けローラ20のローラ軸21から放射状に延びる6つの突起部22の先端の端面に構成されている。
【0047】
また、切り刃13は、刃付きローラ10のローラ軸11から放射状に延びる5つの取付部12にそれぞれボルト及びナットからなる締結具18によって装着されている。
【0048】
さらに、刃受けローラ20と刃付きローラ10とは、刃受けローラ20のローラ軸21の下端の周りに装着された刃受け側ギア29と刃付きローラ10のローラ軸11の下端の周りに装着された刃側ギア14とが噛み合ってそれぞれ相反する方向に回転する。刃受け側ギア29と刃側ギア14との歯車比は、切り刃13の刃先と刃受け面23,24,25,26,27,28とがローラ接線Gにおいて順次接触するような歯車比に構成されている。したがって、刃受け側ギア29及び刃側ギア14のギア径と両者の歯車比は、以下のようにして決定される。まず、切り刃13の数、刃受け面23,24,25,26,27,28の数、及び包装体連結帯PCの連結部PA同士の間隔距離が決定される。そして、包装体連結帯PCの連結部PA同士の間隔距離と切り刃13の刃先同士の周回軌道における距離と刃受け面同士の周回軌道における距離とが略同等になるように、ローラ軸11の軸心から切り刃13の刃先までの距離及びローラ軸21の軸心から刃受け面23,24,25,26,27,28までの距離が決定される。これによって、ローラ軸21、11間の軸間距離が決定される。また、切り刃13の刃先の速度と刃受け面23,24,25,26,27,28の速度とが略同等となるように刃受け側ギア29及び刃側ギア14のギア径及びギア比がそれぞれ決定される。
【0049】
そして、刃側ギア14には、駆動ギア50が歯合していて、駆動ギア50は駆動軸51の軸回転によって刃側ギア14及び刃受け側ギア29を所定の回転方向、すなわち、製造ユニットから送出されてくる包装体連結帯PCを引き込む方向に回転させるように構成されている。
【0050】
なお、駆動軸51は、図示しない駆動装置、あるいは図示しない伝達ギア等の駆動機構に連結されている。また、駆動軸51は、製造ユニットから送出されてくる包装体連結帯PCの送出速度に同調するように駆動される。
【0051】
このような刃受けローラ20及び刃付きローラ10の配設によって、刃受け面23,24,25,26,27、28と切り刃13の刃先との間に包装体連結帯PCを引き込みながら、確実に連結部PAを切り込むことが可能となる。
【0052】
ここで、刃受け面23,24,25,26,27、28は、それぞれローラ軸21の延長方向に帯状に延びる平面若しくは多溝面の領域に区画されている。ここで、「多溝面」とは、平面に複数の溝がローラ軸21の延伸方向と交差する方向に、かつ相互に平行に延びて形成されている面をいう。なお、多溝面は、幅1乃至2mm及び深さ1乃至2mm程度の溝が切削加工によって形成されている。
【0053】
図6は、図5の回転カッターユニットの刃受け面の構成を示す平面図である。
【0054】
図6に示すように、本実施形態では、刃受け面23,24,25,26,27、28は帯状の3つの領域に区画されていて、回転方向において後方側の第1位相領域A、回転方向において前方側の第3位相領域C、及び第1位相領域Aと第3位相領域Cとの間の第2位相領域Bに区画されている。
【0055】
また、刃受けローラ20と刃付きローラ10は、両者間の相対的な回転位相が調整可能に構成されている。
【0056】
このような刃受けローラ20と刃付きローラ10との回転位相の調整構造及び刃受け面23,24,25,26,27、28の構成によって、刃先13が接触する刃受け面23,24,25,26,27、28の接触領域を平面及び多溝面のいずれかに切り換えることができる。
【0057】
ここで、本実施形態では、刃受けローラ20と刃受け側ギア29との装着構造における刃受けローラ20のローラ軸21周りの刃受け側ギア29の装着位相の調整によって、刃受けローラ20と刃付きローラ10との回転位相を調整可能に構成されている。以下、刃付きローラ10のローラ軸11と刃側ギア14との装着構造及び刃受けローラ20のローラ軸21と刃受け側ギア29との装着構造を説明する。
【0058】
図7は、図5の回転カッターユニットの刃側ギア及び刃受け側ギアの装着構造を示す側面図(a)及び底面図(b)である。なお、説明の都合上、一部を断面図にして示す。
【0059】
図7に示すように、刃付きローラ10のローラ軸11の一端の軸周りに平歯車の刃側ギア14が装着されている。ローラ軸11と刃側ギア14とは、適宜好適な構造で接合されている。ここでは、刃側ギア14がローラ軸11に嵌め込まれ、刃側ギア14に積層するようにして円環状の連結部材15がローラ軸11に嵌め込まれ、ローラ軸11と連結部材15とが固定ボルト16によって接合され、刃側ギア14と連結部材15とが積層方向に延びて配設されている連結ボルト17によって接合されている。あるいは、連結部材15の代わりに、ローラ軸11の周面にキーを設けて、当該キーと刃側ギア14の内周側に形成されたキー溝とを係合させて接合することもできる。
【0060】
ここで、ローラ軸21と刃受け側ギア29とは、刃受け側ギア29がローラ軸21に嵌め込まれ、刃受け側ギア29に積層するようにして円環状の連結部材30がローラ軸21に嵌め込まれ、ローラ軸21と連結部材30とが固定ボルト31によって接合されている。すなわち、ローラ軸21に対して連結部材30は固定されている。また、刃受け側ギア29と連結部材30とは連結ボルト32によって緊結されて接合されている。つまり、連結部材30が積層する刃受け側ギア29の積層面には連結ボルト32が螺合するボルト孔36が形成されている。
【0061】
ところで、連結部材30は平板であって、連結部材30には溝状孔33が、ボルト孔36の上に位置するようにして肉厚方向に貫通して形成されている。溝状孔33は、平面視においてロール軸21の軸中心を中心とする円弧状に延伸して形成されている。すなわち、刃受けローラ20のローラ軸21周りの刃受け側ギア29の装着位相は、溝状孔33の延伸範囲における連結ボルト32の緊結位置によって調整可能に構成されている。
【0062】
加えて、連結部材30の外周縁には、刻印等の方法によって1つのローラ軸側標識35が形成されていて、連結部材30の外周縁近傍の刃受け側ギア29には、刻印等の方法によって3つのギア側標識34が形成されている。ギア側標識34は、第2位相領域Bにおいて刃付きローラ10の切り刃13の刃先が刃受け面23,24,25,26,27、28に接触する第2回転位相においてローラ軸側標識35と符合する位置に第2装着位相‘Y’のギア側標識34が形成されており、第1位相領域Aにおいて刃付きローラ10の切り刃13の刃先が刃受け面23,24,25,26,27、28に接触する第1回転位相においてローラ軸側標識35と符合する位置に第1装着位相‘X’ のギア側標識34が形成されており、第3位相領域Cにおいて刃付きローラ10の切り刃13の刃先が刃受け面23,24,25,26,27、28に接触する第3回転位相においてローラ軸側標識35と符合する位置に第3装着位相‘Z’ のギア側標識34が形成されている。すなわち、刃受け側ギア34の回転方向において、第2装着位相Yを中心として、ローラ軸21の回転位相を前側にシフトさせる位置に第1装着位相Xの印が形成され、ローラ軸21の回転位相を後側にシフトさせる位置に第3装着位相Zの印が形成されている。
【0063】
ここで、図8は、第1乃至第3の回転位相における包装体の切り離し形態を示す図である。
【0064】
図6に示すように、刃受け面23,24,25,26,27、28の第1位相領域(接触領域)Aは全て平面である。つまり、刃受けローラ20のローラ軸21と刃受け側ギア29とが第1装着位相Xにおいて装着された場合には、包装体連結帯PCの全ての連結部PAは、ローラ接線Gにおいて、刃受け面23,24,25,26,27、28の第1位相領域Aと刃付きローラ10の切り刃13の刃先との間で押し切られるので、図8に示すように、回転カッターユニット7によって包装体Pは個別に切り離される。
【0065】
また、刃受け面23,24,25,26,27、28の第2位相領域(接触領域)Bは隣り合う刃受け面の第2位相領域Bが平面と多溝面とになるように構成されている。
【0066】
ここで、多溝面上で包装体Pの連結部PAが刃先に押し当てられると、連結部PAの一部は溝に逃れて切断を免れるので、連結部PAのうち溝上に位置する部分が切れ残る。つまり、連結部PAには、ミシン目が形成される。
【0067】
したがって、刃受けローラ20のローラ軸21と刃受け側ギア29とが第2装着位相Yにおいて装着された場合には、ローラ接線Gに順次到来する刃受け面23,24,25,26,27、28の第2位相領域Bは平面と多溝面とが交互となるので、図8に示すように、回転カッターユニット7によって、連結部PAにミシン目101が形成された2連の包装体Pが切り離される。
【0068】
さらに、刃受け面23,24,25,26,27、28の第3位相領域(接触領域)Cは、連続する3つの刃受け面において第3位相領域Cが1つの平面に2つの多溝面が連続するように構成されている。具体的には、第1刃受け面23の第3位相領域Cは平面であるので、第2及び第3刃受け面24、25の第3位相領域Cは多溝面となる。続いて、第4刃受け面26の第3位相領域Cは平面となり、第5及び第6刃受け面27、28の第3位相領域Cは多溝面となり、さらに、第1刃受け面23の第3位相領域Cの平面に循環して続く。
【0069】
したがって、刃受けローラ20のローラ軸21と刃受け側ギア29とが第3装着位相Zにおいて装着された場合には、ローラ接線Gに順次到来する刃受け面23,24,25,26,27、28の第3位相領域Cのパターンは、平面に2つの多溝面が連続するパターンとなるので、図8に示すように、回転カッターユニット7によって、連結部PAにミシン目101が形成された3連の包装体Pが切り離される。
【0070】
次に、以上のように構成された充填包装装置200の動作例を図1乃至図4を参照しながら説明する。
【0071】
まず、ロール状に巻き取られている帯状のフィルムFは、内周シールバー1Aと外周シールバー1Bとに挟圧され、回転ドラム8の回転動作によって牽引されて、引き出される。
【0072】
そして、引き出されたフィルムFは、回転ドラム8のドラム上を経由する。具体的には、図2に示すように、フィルムFの側方両縁が重なるようにして折り重ねられ、折り目を下、フィルムFの側方両縁が上となるようにして回転ドラム8の円周面に巻回される。また、フィルムFの側方両縁が重ねられる際には、充填シュート2の下端がフィルムFの間に入り込む。なお、詳述はしないが、充填シュート2は、回転方向においてシール完了地点SEの後に上方にスライド移動し、フィルムFの上方において、再び下方にスライド移動しながらシール開始地点SSに到達して、回転軌道に回帰する。これによって、充填シュート2の下端はフィルムFの間に容易に入り込むことができる。
【0073】
そして、フィルムFは、シール開始地点SSからシール完了地点SEまでの回転区間において回転ドラム8の円周面上において内周シールバー1A及び外周シールバー1Bは挟み込まれて熱溶着されて、包装体P間に熱溶着された連結部PAが形成されている包装体連結帯PCが形成される。つまり、包装体Pは、図3に示すように、中身が充填されて、折り重ねられているフィルムFの上端の充填口部FAが封止されれば中身の包装が完成する状態となる。
【0074】
そして、充填開始地点FS及び充填完了地点FEまでの回転区間において、充填シュートから中身が充填口部FAから包装体P内に充填される。
【0075】
中身が充填された包装体連結帯PCは、ガイドローラ4に案内されて、回転ドラム8から離れ、熱溶着装置5を通過する。熱溶着装置5では、フィルムFの充填口部FAが予熱バー5Aで予熱されて、予熱された充填口部FAがダイローラ5Bによって熱溶着されて、側縁部PFが形成されるとともに、側縁部PFに凹凸状の表面が形成される。これにより、連結部PAと側縁部PCとで封止されてなる包装体Pが完成し、包装体連結帯PCが構成される。
【0076】
最後に、包装体連結帯PCは回転カッターユニット7に案内される。回転カッターユニット7では、製造ユニットから送出されてくる包装体連結帯PCの送出速度に同調するように回転駆動されて、図4に示すような、連結部PAにミシン目101が形成された3連の包装体Pが連続して切り離される。
【0077】
そして、包装体Pの切り離し形態を切り換える際には、充填包装装置200を停止させて、刃受け側ギア29の連結ボルト32を緩めて、選択する第1乃至第3装着位相X,Y,Zのいずれかとなるように、ギア側標識34とローラ軸側標識35とを符号させて、連結ボルト32を締める。そして、充填包装装置200を再起動させる。
【0078】
以上のように、本実施形態の回転カッターユニット7は、包装体Pの切り離し形態を切り換える際に切り刃13の付け換え作業を要さず、刃受けローラ20と刃付きローラ10との間の相対的な回転位相の調整によって行うので、ミシン目の切り込み処理及び切り離し処理の切換作業を従来よりも短時間で行うことができる。
【0079】
また、本実施形態の回転カッターユニット7は、刃受けローラ20のローラ軸21周りの刃受け側ギア29の装着位相の調整によって、より容易に刃受けローラ20と刃付きローラ10との間の相対的な回転位相の調整を行うことができる。
【0080】
さらに、本実施形態の回転カッターユニット7は、ローラ側標識35とギア側標識34との符合によって、ローラ軸21周りの刃受け側ギア29の装着位相を選択可能に構成されているので、より容易に刃受けローラ20と刃付きローラ10との間の相対的な回転位相の調整が可能である。
【0081】
さらに、本実施形態の回転カッターユニット7は、単包の包装体Pの切り出し行程、2連の包装体Pの切り出し行程、及び3連の包装体Pの切り出し行程の切り換えを行うことができるので、より多くの包装体Pの切り離し形態に対応することができる。
【0082】
さらに、本実施形態の回転カッターユニット7は、切り刃13の刃先の数が5であり、刃受け面23,24,25,26,27、28の数が6であり、両者の数の差は1である。すなわち、刃付きロール10は、1回転毎に接触する刃受け面23,24,25,26,27、28が1つずつずれるので、切り刃13は全ての刃受け面23,24,25,26,27、28に均等に接触することとなる。したがって、全ての切り刃13の損耗を均等にすることができるので、本発明の回転カッターユニット7の切り刃13の交換頻度をより低減させることが可能となる。
【0083】
(第2実施形態)
第2実施形態は、第1実施形態において、刃受けローラ20の刃受け面の構成及び刃付きローラ10の切り刃13の数を変形した実施形態である。したがって、刃受けローラ20の刃受け面の構成及び刃付きローラ10の切り刃13の数を説明し、その他の構成は第1実施形態と同じであるので、その説明を省略する。
【0084】
図9は、本発明の第2実施形態の回転カッターユニットの構成例を模式的に示す斜視図である。図10は、図9の回転カッターユニットの刃受け面の構成を示す平面図である。図11は、図9の回転カッターユニットの刃側ギア及び刃受け側ギアの装着構造を示す側面図(a)及び底面図(b)である。なお、説明の都合上、一部を断面図にして示す。図9乃至図11において、図5乃至図7に示した構成要素と同一の構成要素には各々同一の符号を付す。
【0085】
図9に示すように、刃付きロール10には、ローラ軸11の延伸方向に延びる4枚の切り刃13の刃先が等間隔に放射状に構成されている。
【0086】
また、図10に示すように、本実施形態では、刃受け面23,24,25,26,27、28は帯状の2つの領域に区画されていて、回転方向において後方側の第1位相領域A、回転方向において前方側の第2位相領域Bに区画されている。
【0087】
さらに、図11に示すように、ギア側標識34は、第2位相領域Bにおいて刃付きローラ10の切り刃13の刃先が刃受け面23,24,25,26,27、28に接触する第2回転位相においてローラ軸側標識35と符合する位置に第2装着位相‘Y’のギア側標識34が形成されており、第1位相領域Aにおいて刃付きローラ10の切り刃13の刃先が刃受け面23,24,25,26,27、28に接触する第1回転位相においてローラ軸側標識35と符合する位置に第1装着位相‘X’ のギア側標識34が形成されている。すなわち、刃受け側ギア34の回転方向において、ローラ軸21の回転位相を前側にシフトさせる位置に第1装着位相Xの印が形成され、ローラ軸21の回転位相を後側にシフトさせる位置に第2装着位相Yの印が形成されている。
【0088】
そして、図10に示すように、刃受け面23,24,25,26,27、28の第1位相領域(接触領域)Aは全て平面である。つまり、刃受けローラ20のローラ軸21と刃受け側ギア29とが第1装着位相Xにおいて装着された場合には、包装体連結帯PCの全ての連結部PAは、ローラ接線Gにおいて、刃受け面23,24,25,26,27、28の第1位相領域Aと刃付きローラ10の切り刃13の刃先との間で押し切られるので、回転カッターユニット7によって包装体Pは個別に切り離される。
【0089】
また、刃受け面24,26,28の第2位相領域(接触領域)Bのみが多溝面に構成されている。したがって、刃受け面23,24,25,26,27、28の第2位相領域(接触領域)Bは隣り合う刃受け面の第2位相領域Bが平面と多溝面とになるので、刃受けローラ20のローラ軸21と刃受け側ギア29とが第2装着位相Yにおいて装着された場合には、回転カッターユニット7によって、連結部PAにミシン目101が形成された2連の包装体Pが切り離される。
【0090】
以上により、本実施形態の回転カッターユニット7は、単包の包装体Pの切り出し行程と2連の包装体Pの切り出し行程との切り換えに切り刃13の交換作業を要さないので、従来よりも短時間で行うことができる。
【0091】
また、ローラ側標識35とギア側標識34との符合によって、ローラ軸21周りの刃受け側ギア29の装着位相を選択可能に構成されているので、より容易に刃受けローラ20と刃付きローラ10との間の相対的な回転位相の調整が可能である。
【0092】
以上、本発明の回転カッターユニット及び充填包装装置は、包装体Pの切り離し形態を切り換える際に切り刃13の交換作業を要さないので、包装連結帯PCの連結部PAに対するミシン目の切り込み処理及び切り離し処理の切換作業を従来よりも短時間で行うことができる。
【0093】
また、本発明の回転カッターユニット及び充填包装装置は、上記実施形態に限定されるものではない。
【0094】
例えば、刃付きローラ10の切り刃の刃数及び刃受けローラ20の刃受け面の面数は上記実施形態の数に限られるものではない。
【0095】
また、刃付きローラ10の刃数の刃数と刃受けローラ20の刃受け面の面数とを同じにしてもよい。この場合、刃付きローラ10及び刃受けローラ20の回転比を同じにすることができる。
【0096】
また、上記実施形態では、刃受けローラ20と刃受け側ギア29との装着構造における刃受けローラ20に対する刃受け側ギア29の装着位相を調整することによって、刃受けローラ20と刃付きローラ10との間の相対的な回転位相が調整可能に構成されている。しかし、刃付きローラ10と刃側ギア14との装着構造における刃付きローラ10に対する刃側ギア14の装着位相を調整可能な装着構造とすることによっても、本発明は実施可能である。具体的な構造は、刃受けローラ20と刃受け側ギア29との装着構造を刃付きローラ10と刃側ギア14との装着構造に適用すればよい。すなわち、刃受け側ギア29の装着位相及び刃側ギア14の装着位相の少なくともいずれかの装着位相を調整可能に構成されていればよい。
【0097】
さらに、刃付きローラ10及び刃受けローラ20の駆動機構はギア機構に限定されるものではなく、回転位相を制御できる他の機構を適用することも可能である。例えば、本発明の回転カッターユニット7の刃受け側ギア29、刃側ギア14及び駆動ギア50の代わりに、各ローラのローラ軸11,21にサーボモータを連結して、制御装置によって両者のサーボモータを同期駆動させることによっても実施することができる。すなわち、制御装置がサーボモータ同士の相対的な回転位相を制御することによって、本発明を実施することができる。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明は、包装連結帯の連結部に対するミシン目の切り込み処理及び切り離し処理の切換作業を従来よりも短時間で行うことが可能な回転カッターユニット及びそれを用いた充填包装装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の第1実施形態の充填包装装置の構成例を模式的に示す上面図である。
【図2】図2は図1のII矢視図である。
【図3】図3は、図1のIII矢視図である。
【図4】図4は、図1のIV矢視図である。
【図5】本発明の第1実施形態の回転カッターユニットの構成例を模式的に示す斜視図である。
【図6】図9の回転カッターユニットの刃受け面の構成を示す平面図である。
【図7】図5の回転カッターユニットの刃側ギア及び刃受け側ギアの装着構造を示す側面図(a)及び底面図(b)である。
【図8】第1乃至第3の回転位相における包装体の切り離し形態を示す図である。
【図9】本発明の第2実施形態の回転カッターユニットの構成例を模式的に示す斜視図である。
【図10】図9の回転カッターユニットの刃受け面の構成を示す平面図である。
【図11】図9の回転カッターユニットの刃側ギア及び刃受け側ギアの装着構造を示す側面図(a)及び底面図(b)である。
【符号の説明】
【0100】
1A 内周シールバー
1B 外周シールバー
2 充填シュート
3 分量マス
4 ガイドローラ
5 熱溶着装置
5A 予熱バー
5B ダイローラ
7 回転カッターユニット
8 回転ドラム
9 送りローラ
10 刃付きローラ
11 ローラ軸
12 取付部
13 切り刃
14 刃側ギア
15 連結部材
16 固定ボルト
17 連結ボルト
18 締結具
20 刃受けローラ
21 ローラ軸
22 突起部
23 第1刃受け面
24 第2刃受け面
25 第3刃受け面
26 第4刃受け面
27 第5刃受け面
28 第6刃受け面
29 刃受け側ギア
30 連結部材
31 固定ボルト
32 連結ボルト
33 溝状孔
34 ギア側標識
35 ローラ軸側標識
36 ボルト孔
50 駆動ギア
51 駆動軸
101 ミシン目
200 充填包装装置
F フィルム
FA 充填口部
FE 充填完了地点
FS 充填開始地点
P 包装体
PA 連結部
PC 包装体連結帯
PF 側縁部
SE シール完了地点
SS シール開始地点
A 第1位相領域
B 第2位相領域
C 第3位相領域
G ローラ接線
X 第1装着位相
Y 第2装着位相
Z 第3装着位相

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラ軸の延伸方向に沿って帯状に延びる刃受け面が該ローラ軸の周方向に等間隔に並んでローラ面が構成されている刃受けローラと、ローラ軸の延伸方向に沿って延びる刃先が該ローラ軸の周方向に等間隔に並んでローラ面が構成され、かつ前記刃受け面と前記刃先とが接触するように並列された刃付きローラと、を有し、前記刃受けローラ及び前記刃付きローラがそれぞれ相反する方向に回転することによって、前記刃受け面と前記刃先との間に包装体連結帯の連結部を順次引き込みながら該連結部を切り込む回転カッターユニットであって、
前記刃受けローラと前記刃付きローラとの間の相対的な回転位相が調整可能に構成されていて、
前記複数の刃受け面は、それぞれ前記刃受けローラのローラ軸方向に帯状に延びる平面若しくは多溝面の領域に区画されていて、
前記回転位相の調整によって前記刃先が接触する前記刃受け面の接触領域が平面及び多溝面のいずれかに切り換え自在に構成されている、回転カッターユニット。
【請求項2】
前記刃受けローラのローラ軸周りに装着された刃受け側ギアと、前記刃付きローラのローラ軸周りに装着され、かつ前記刃受けギアと噛み合う刃側ギアと、を有し、
前記刃受けローラと前記刃受け側ギアとの装着構造における前記刃受けローラのローラ軸周りの前記刃受け側ギアの装着位相、及び前記刃付きローラと前記刃側ギアとの装着構造における前記刃付きローラのローラ軸周りの前記刃側ギアの装着位相の少なくともいずれかを調整可能に構成されている、請求項1に記載の回転カッターユニット。
【請求項3】
前記刃受けローラのローラ軸に形成された標識と前記刃受け側ギアに形成された標識との符合、及び前記刃付けローラのローラ軸に形成された標識と前記刃側ギアに形成された標識との符合の少なくともいずれかによって、
前記刃受けローラと前記刃受け側ギアとの装着構造における前記刃受けローラのローラ軸周りの前記刃受け側ギアの装着位相の選択、及び前記刃付きローラと前記刃側ギアとの装着構造における前記刃付きローラのローラ軸周りの前記刃側ギアの装着位相の選択の少なくともいずれかが可能に構成されている、請求項2に記載の回転カッターユニット。
【請求項4】
前記刃受け面の数が偶数であって、全ての前記刃受け面の前記接触領域が平面となる第1回転位相と、隣り合う前記刃受け面の前記接触領域が平面と多溝面とになる第2回転位相とが選択可能に構成されている、請求項1に記載の回転カッターユニット。
【請求項5】
前記刃受け面の数が3の倍数であって、全ての前記刃受け面の前記接触領域が平面となる第1回転位相と、連続する3つの前記刃受け面において前記接触領域が1つの平面に2つの多溝面が連続する第2回転位相とが選択可能に構成されている、請求項1に記載の回転カッターユニット。
【請求項6】
前記刃受け面の数が6の倍数であって、全ての前記刃受け面の前記接触領域が平面となる第1回転位相と、隣り合う前記刃受け面の前記接触領域が平面と多溝面とになる第2回転位相と、連続する3つの前記刃受け面において前記接触領域が1つの平面に2つの多溝面が連続する第3回転位相とが選択可能に構成されている、請求項1に記載の回転カッターユニット。
【請求項7】
前記刃付きローラの前記刃先の数と前記刃受けローラの前記刃受け面の数との差が1である、請求項1に記載の回転カッターユニット。
【請求項8】
1つの帯状のフィルムが幅方向において折り重ねられ又は2つの帯状のフィルムが重ね合わせられてなる重ねフィルムを構成する重ね処理と、前記重ねフィルムの長手方向の所定間隔において全幅に渡って帯状に接合されてなる連結部を形成する連結部処理と、前記重ねフィルムの少なくとも一方の側縁においてその側縁に沿って帯状に接合されてなる側縁部を形成する側縁部処理と、前記連結部と前記側縁部とで区画される領域の内部に中身を充填する充填処理と、によって、前記重ねフィルムの間に充填された中身が前記連結部と前記側縁部とで封止されてなる包装体が前記連結部によって連結してなる包装体連結帯が製造される、製造ユニットと、
前記製造ユニットの下流側に配設された、請求項1に記載の回転カッターユニットと、を有する、充填包装装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2008−44656(P2008−44656A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−223044(P2006−223044)
【出願日】平成18年8月18日(2006.8.18)
【出願人】(501221496)味日本株式会社 (5)
【Fターム(参考)】