説明

回転角度検出装置

【課題】磁性検出体の偏心量を小さく構成し、回転時の不具合の低減を図ることができる回転角度検出装置を提供する。
【解決手段】磁性検出体11は、円盤状をなし、径方向内側部分には外周面11cからの磁性部分11dの長さdを回転方向に徐々に変化させる溝部11bを備えてなる。そして、回転方向においてのその磁性部分11dの長さdの変化に基づく交番磁界の変化が磁気センサ12にて検出され、該検出により磁性検出体11の絶対角θ1の検出が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、検出対象となる回転体の回転角度を磁気的に検出する回転角度検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、検出対象と連動して回転する磁性検出体と、該磁性検出体の外周面に対して交番授受を行う磁気センサを備えてなる回転角度検出装置が知られている。例えば、特許文献1に示される回転角度検出装置においては、磁性検出体の外周縁の形状を、中心から外周面までの長さが回転方向で徐々に増加するように構成し、磁性検出体の回転位置に応じた交番磁界の変化を磁気センサにて検出し、この検出により磁性検出体の回転角度を検出して検出対象の回転角度の検出を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−310609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に記載の回転角度検出装置では、外周縁の形状が非円形状をなす磁性検出体を用いていることから、磁性検出体の外周面が円形状とならず、磁性検出体の偏心量が大となりがちであった。このことは、回転バランスの悪化に繋がり、磁性検出体を支持する軸への負担や振動の増加、振動による検出精度の低下といった種々の不具合を生じさせる要因となる。
【0005】
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、磁性検出体の偏心量を小さく構成し、回転時の不具合の低減を図ることができる回転角度検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について説明する。
請求項1に記載の発明は、検出対象と連動して回転する磁性検出体と、該磁性検出体の外周面に対して交番磁界の授受を行う磁気センサとを備えてなり、前記磁性検出体の回転位置に応じた交番磁界の変化を前記磁気センサにて検出し、該検出により前記磁性検出体の回転角度を検出して、前記検出対象の回転角度の検出を行う回転角度検出装置であって、前記磁性検出体は円盤状をなし、径方向内側部分には外周面からの磁性部分の長さを回転方向に徐々に変化させる非磁性部を備え、回転方向においての前記磁性部分の長さ変化に基づく前記交番磁界の変化を前記磁気センサにて検出し、該検出により前記磁性検出体の絶対角を検出するようにしたことをその要旨としている。
【0007】
この発明では、磁性検出体は円盤状をなし、径方向内側部分には外周面からの磁性部分の長さを回転方向に徐々に変化させる非磁性部を備えてなり、回転方向においてのその磁性部分の長さ変化に基づく交番磁界の変化が磁気センサにて検出され、該検出により磁性検出体の絶対角の検出が行われる。このため、磁性検出体においては外周面を円形状として構成でき、偏心量の小さい構成とすることが可能となる。これにより、磁性検出体の回転バランスの良化等に繋がり、回転角度検出装置を備えることによる回転時の不具合の低減が可能となる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の回転角度検出装置において、前記磁性検出体の外周面には、複数の凹部及び凸部が交互に等角度間隔に構成され、前記磁気センサは、前記磁性検出体の凹凸部に応じた交番磁界の変化を検出し、該検出により前記凹凸部の通過数をカウントし、該カウントに基づいて前記磁性検出体の相対角を検出するようにしたことをその要旨とする。
【0009】
この発明では、磁性検出体の外周面には、複数の凹凸部が交互に等角度間隔に構成され、磁気センサにて磁性検出体の凹凸部に応じた交番磁界の変化が検出される。そして、該検出により凹凸部の通過数がカウントされて、磁性検出体の相対角の検出が行われる。従って、上記した絶対角の検出に加えて、カウントによるこの相対角の容易な角度検出を組み合わせることで、短時間で磁性検出体(検出対象)の回転角度の検出が可能となる。
【0010】
請求項3に記載の発明は請求項2に記載の回転角度検出装置において、前記磁気センサは1つ備えられ、この1つの磁気センサにおいて周波数の低い交番磁界にて前記磁性検出体の外周面から非磁性部までの磁性部分の長さ変化に応じた前記交番磁界の変化に基づいて前記磁性検出体の絶対角を検出し、同一の磁気センサにおいて周波数の高い交番磁界にて前記磁性検出体の外周面に設けた凹凸部に応じた交番磁界の変化に基づいて前記磁性検出体の相対角を検出するようにしたことをその要旨としている。
【0011】
この発明では、1つの磁気センサにて、周波数の低い交番磁界の授受にて磁性検出体の非磁性部までの磁性部分の長さ変化に応じた交番磁界の変化に基づく磁性検出体の絶対角の検出が行われ、周波数の高い交番磁界の授受にて磁性検出体の凹凸部に応じた交番磁界の変化に基づく磁性検出体の相対角の検出が行われる。このため、交番磁界の周波数を変更することで、1つの磁気センサにて磁性検出体(検出対象)の絶対角及び相対角を検出でき、装置の小型化に寄与できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、回転角度検出装置において、磁性検出体の回転角度の検出精度の低下を抑制可能な回転角度検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】(a)回転角度検出装置を搭載したブラシレスモータの断面図、(b)回転角度検出装置の構成図、(c)磁気センサの構成図。
【図2】(a)磁気センサの周波数と磁性検出体の外周面から溝部までの磁性部分の長さとの関係を示すグラフ、(b)磁性検出体の回転角度と磁性検出体の外周面から溝部までの磁性部分の長さとの関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1(a)は、回転角度検出装置を搭載したブラシレスモータの断面図であり、図1(b)は、回転角度検出装置の構成図である。
【0015】
図1(a)に示されるように、モータ1は、ハウジング2の円筒部2aの内周面に固着されるステータ3と、該ステータ3の内側に回転可能に収容されるロータ4とを備えている。ロータ4に備えられる回転軸5は、ハウジング2に備えられる一対の軸受6a,6bにて回転可能に支持されている。
【0016】
また、モータ1には、回転軸5を通じてロータ4の回転角度を検出するための回転角度検出装置10が備えられている。因みに、このロータ4の回転角度の検出は、該ロータ4に備えられるマグネット(図示略)の位置を検出し、その位置に応じた回転磁界をステータ3にて生じさせるべく、該ステータ3のコイル(図示略)に供給する駆動電流の生成のために行われている。
【0017】
このような回転角度検出装置10は、図1(b)に示すように、略円盤状の磁性検出体11と、1つの磁気センサ12とから成る。磁性検出体11の中心部には円形状の軸嵌合孔11aが形成されており、該軸嵌合孔11aに回転軸5が嵌挿されて回転軸5に対して磁性検出体11が一体回転するように装着される。磁性検出体11の径方向内側部には、その軸方向視で、所定の基準角度位置(基準線L1)から渦巻き状の溝部11bが形成されている。溝部11bは、基準線L1から時計回り方向(R方向)に進むにつれて磁性検出体11の径方向略中間部分から次第に径方向外側部分に変位して再び基準線L1まで延びる渦巻状で等幅に形成されている。
【0018】
つまり、磁性検出体11の溝部11bよりも径方向外側部分、即ち磁気センサ12を対向させる外周面11cからの磁性部分11dの長さdが基準線L1から時計回り方向(R方向)に進むにつれて次第に小さくなる構成となっている。従って、図2(b)に示すように、基準角度位置(基準線L1)を磁性検出体11の回転角0°とすると、磁性検出体11の外周側の磁性部分11dの長さdは回転角θが大きくなるにつれて小さくなり(この場合、直線的に減少し)、360°周期で繰り返すようになっている。
【0019】
また、磁性検出体11の外周面11cにおいては、複数の同形状の凹部11e及複数の同形状のび凸部11fが等角度間隔に交互に形成されている。凹部11e及び凸部11fは、検出する回転角度に応じた角度ピッチで設けられている。
【0020】
磁気センサ12は、図1(c)に示すように、励磁コイル12aと測定コイル12bとを備え、磁性検出体11の外周面11cに対して交番磁界の授受を行っている。詳しくは、励磁コイル12aは、交流電力の供給に基づいて磁性検出体11の外周面11cに対して交番磁界を印加して該磁性検出体11に渦電流を発生させる。これに対し、測定コイル12bは、磁性検出体11の磁性部分の形状により変化する交番磁界を検出し、磁性検出体11の形状変化に応じた交番磁界にて生じる交流信号を出力する。
【0021】
この場合、交番磁界の周波数を高くすると磁性検出体11の外周面11cの表面付近に磁力線が作用し、交番磁界の周波数を低くすると磁性検出体11の外周面11cから内部に磁力線が浸透するという性質を用い、この交番磁界の周波数を切り替えた検出が行われる。
【0022】
即ち、交番磁界の周波数、即ち励磁コイル12aを励磁する交流電力の高い側の所定周波数を用いると、磁性検出体11の外周面11cに設けた凹部11e及び凸部11fの影響を受けた交番磁界が測定コイル12bに作用し、この交番磁界に基づく交流信号が測定コイル12bにて生じる。一方、交番磁界の周波数、即ち励磁コイル12aを励磁する交流電力の低い側の所定周波数を用いると、磁性検出体11の外周面11cから溝部11bまでの磁性部分11dの長さdの影響を受けた交番磁界が測定コイル12bに作用し、この交番磁界に基づく交流信号が測定コイル12bにて生じる。
【0023】
このような磁気センサ12の励磁コイル12a及び測定コイル12bは制御装置13と電気的に接続されており、制御装置13は、励磁コイル12aの駆動制御と、測定コイル12bで生じた交流信号から磁性検出体11、即ちロータ4の回転角度の検出とを行っている。
【0024】
磁性検出体11(ロータ4)の回転角θの検出にあたり、制御装置13では先ず、磁気センサ12にて低い側の所定周波数の交番磁界を発生させ、磁性検出体11の外周側の磁性部分11dの長さdから絶対角θ1を検出する。この場合、図2(a)に示すように、測定コイル12bにて生じる交流信号の周波数fは、磁性検出体11の外周側の磁性部分11dの長さdと相関関係があり、長さdが小さくなるほど交流信号の周波数fが高くなる。制御装置13は、図2(a)の相関関係から、磁気センサ12からの交流信号の周波数fに基づいて磁性部分11dの長さdを検出し、図2(b)の相関関係から、その検出した磁性部分11dの長さdに基づいて磁性検出体11の回転角θの絶対角θ1を検出する。
【0025】
次いで、磁気センサ12にて発生させる交番磁界を高い側の所定周波数の交番磁界に切り替え、磁性検出体11の外周面11cに設けた凹部11e及び凸部11fの検出から相対角θ2を検出する。この場合、図示しないが、測定コイル12bにて生じる交流信号は、その信号レベルが凸部11f側が凹部11eよりも高くなる。制御装置13は、その交流信号の周期的なレベル変化に基づいてカウントし、即ち凸部11f及び凹部11e毎にカウントすることで、先に絶対角θ1を検出した角度位置からの磁性検出体11の相対角θ2を検出する。つまり、制御装置13は、カウントによる相対角検出と先の絶対角検出とを組み合わせることで、磁性検出体11の回転角θ(絶対角)の検出を行っている。
【0026】
そして、制御装置13は、このように検出した磁性検出体11の回転角θに基づいてロータ4の回転角度位置を検出し、検出した回転角度位置に基づいてステータ3のコイルへの通電タイミングを設定し、モータ1の回転制御を行っている。
【0027】
以上、説明した実施形態によれば、以下の作用効果を奏することができる。
(1)本実施形態では、磁性検出体11は円盤状をなし、径方向内側部分には外周面11cからの磁性部分11dの長さdを回転方向に徐々に変化させる溝部11bを備えてなる。そして、回転方向においてのその磁性部分11dの長さdの変化に基づく交番磁界の変化が磁気センサ12にて検出され、該検出により磁性検出体11の絶対角θ1の検出が行われる。このため、磁性検出体11においては外周面11cを円形状として構成でき、偏心量の小さい構成とすることが可能となる。これにより、磁性検出体11の回転バランスの良化等に繋がり、回転角度検出装置10を備えることによる回転時の不具合を低減することができる。
【0028】
(2)本実施形態では、磁性検出体11の外周面11cには、複数の凹部11e及び凸部11fが交互に等角度間隔に構成され、磁気センサ12にて磁性検出体11の凹部11e及び凸部11fに応じた交番磁界の変化が検出される。そして、該検出により凹部11e及び凸部11fの通過数がカウントされて、磁性検出体11の相対角θ2の検出が行われる。従って、上記した絶対角θ1の検出に加えて、カウントによるこの相対角θ2の容易な角度検出を組み合わせることで、短時間で磁性検出体11(検出対象)の回転角度を検出することができる。
【0029】
(3)本実施形態では、1つの磁気センサ12にて、周波数の低い交番磁界の授受にて磁性検出体11の溝部11bまでの磁性部分11dの長さd変化に応じた交番磁界の変化に基づく磁性検出体11の絶対角θ1の検出が行われ、周波数の高い交番磁界の授受にて磁性検出体11の凹部11e及び凸部11fに応じた交番磁界の変化に基づく磁性検出体11の相対角θ2の検出が行われる。このため、交番磁界の周波数を変更することで、1つの磁気センサ12にて磁性検出体(検出対象)の絶対角θ1及び相対角θ2を検出でき、装置の小型化に寄与することができる。
【0030】
(4)本実施形態では、磁性検出体11の非磁性部は溝部11bによって構成されるため、非磁性部の形成を容易に行うことができる。
(5)本実施形態では、磁性検出体11の非磁性部は渦巻き状の溝部11bによって構成されるため、形成が容易で、しかも磁性検出体11の回転バランスを一層良好とすることができる。
【0031】
(6)本実施形態では、磁気センサ12は励磁コイル12aと測定コイル12bとを有し、磁気センサ12の励磁コイル12aの交番磁界を磁性検出体11に付与し、該磁性検出体11の影響を受けた交番磁界を測定コイル12bにて検出することで、磁性検出体11の回転角θの検出が可能である。これにより、磁気センサ12を小型に構成することができる。
【0032】
(7)本実施形態では、磁気センサ12にて絶対角θ1を先に検出し、その後、検出した絶対角θ1からの相対角θ2の検出に基づいて、磁性検出体11の回転角θ(絶対角)を検出する。この場合、磁気センサ12による絶対角θ1の検出は若干の演算が必要であるが、相対角θ2の検出はカウントするのみである。このため、常時、磁気センサ12にて絶対角θ1を検出する場合と比べて本実施形態の構成では演算負荷を軽減でき、より短時間で磁性検出体11の回転角θを検出することができる。
【0033】
なお、上記実施形態は、これを適宜変更した以下の形態にて実施することができる。
・上記実施形態では、磁性検出体11の溝部11b(磁性部分11d)を用いた絶対角θ1の検出と、凹部11e及び凸部11fを用いた相対角θ2の検出とを組み合わせて磁性検出体11の回転角θ(絶対角)を検出する構成としたが、例えば凹部11e及び凸部11fを省略し、溝部11bを用いた絶対角θ1のみを検出する構成としてもよい。
【0034】
・上記実施形態では、磁性検出体11の溝部11bの形状(構成)を図1(b)のようにしたが、これに限らず適宜変更してもよい。例えば、溝部11bは等幅でなくてもよい。また、溝部11b(空間)にて非磁性部を構成したが、非磁性材料を別途用いて非磁性部を構成してもよい。
【0035】
・上記実施形態では、1つのセンサ12にて磁性検出体11の絶対角θ1及び相対角θ2を検出して、磁性検出体11の回転角θを検出する構成としたが、2つ以上のセンサを用いて、磁性検出体11の回転角θを検出する構成としてもよい。
【0036】
・上記実施形態では、ブラシレスモータ1に回転角度検出装置10を搭載した構成としたが、回転角度検出装置10を他の回転機器に搭載して回転機器の回転角度を検出してもよい。
【0037】
次に、前記実施形態から把握できる技術的思想をその効果と共に記載する。
(イ)請求項1〜3のいずれか1項に記載の回転角度検出装置において、前記磁性検出体の非磁性部は、溝部によって構成されたことを特徴とする回転角度検出装置。
【0038】
この発明では、磁性検出体の非磁性部は溝部によって構成されるため、非磁性部の形成を容易に行うことが可能となる。
(ロ)上記(イ)に記載の回転角度検出装置において、前記溝部は、前記磁性検出体の径方向内側部分に外周面からの磁性部分の長さを回転方向に徐々に変化させるべく渦巻き状に構成されたことを特徴とする回転角度検出装置。
【0039】
この発明では、磁性検出体の非磁性部は渦巻き状の溝部によって構成されるため、形成が容易で、しかも磁性検出体の回転バランスを一層良好とすることが可能となる。
(ハ)請求項1〜3及び上記(イ)(ロ)のいずれか1項に記載の回転角度検出装置において、前記磁気センサは、励磁コイルと測定コイルとを用いて構成されたことを特徴とする回転角度検出装置。
【0040】
この発明では、磁気センサは励磁コイルと測定コイルとを有し、磁気センサの励磁コイルの交番磁界を磁性検出体に付与し、該磁性検出体の影響を受けた交番磁界を測定コイルにて検出することで、磁性検出体の回転角の検出が可能である。これにより、磁気センサを小型に構成することが可能となる。
【0041】
(二)請求項2又は3に記載の回転角度検出装置において、前記磁気センサにて絶対角を先に検出し、その後、検出した絶対角からの相対角の検出に基づいて、前記磁性検出体の絶対角を検出することを特徴とする回転角度検出装置。
【0042】
この発明では、磁気センサにて絶対角を先に検出し、その後、検出した絶対角からの相対角の検出に基づいて、磁性検出体の回転角(絶対角)を検出するため、常時、磁気センサにて絶対角を検出する場合と比べて演算負荷が軽減でき、より短時間で磁性検出体の回転角度を検出することが可能となる。
【符号の説明】
【0043】
10…回転角度検出装置、11…磁性検出体、11b…溝部(非磁性部)、11c…外周面、11d…磁性部分、11e…凹部、11f…凸部、12…磁気センサ、d…長さ、f…周波数、θ…回転角(回転角度)、θ1…絶対角、θ2…相対角。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検出対象と連動して回転する磁性検出体と、該磁性検出体の外周面に対して交番磁界の授受を行う磁気センサとを備えてなり、前記磁性検出体の回転位置に応じた交番磁界の変化を前記磁気センサにて検出し、該検出により前記磁性検出体の回転角度を検出して、前記検出対象の回転角度の検出を行う回転角度検出装置であって、
前記磁性検出体は円盤状をなし、径方向内側部分には外周面からの磁性部分の長さを回転方向に徐々に変化させる非磁性部を備え、回転方向においての前記磁性部分の長さ変化に基づく前記交番磁界の変化を前記磁気センサにて検出し、該検出により前記磁性検出体の絶対角を検出するようにしたことを特徴とする回転角度検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の回転角度検出装置において、
前記磁性検出体の外周面には、複数の凹部及び凸部が交互に等角度間隔に構成され、
前記磁気センサは、前記磁性検出体の凹凸部に応じた交番磁界の変化を検出し、該検出により前記凹凸部の通過数をカウントし、該カウントに基づいて前記磁性検出体の相対角を検出するようにしたことを特徴とする回転角度検出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の回転角度検出装置において、
前記磁気センサは1つ備えられ、この1つの磁気センサにおいて周波数の低い交番磁界にて前記磁性検出体の外周面から非磁性部までの磁性部分の長さ変化に応じた前記交番磁界の変化に基づいて前記磁性検出体の絶対角を検出し、
同一の磁気センサにおいて周波数の高い交番磁界にて前記磁性検出体の外周面に設けた凹凸部に応じた交番磁界の変化に基づいて前記磁性検出体の相対角を検出するようにしたことを特徴とする回転角度検出装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−80907(P2011−80907A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−234470(P2009−234470)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】